(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086649
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】住宅技術の換気装置およびそのような換気装置用の筐体部品
(51)【国際特許分類】
F24F 7/04 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
F24F7/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023209787
(22)【出願日】2023-12-13
(31)【優先権主張番号】10 2022 133 704.9
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】523469401
【氏名又は名称】スティーベル・エルトロン・ゲゼルシャフト・ミツト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Stiebel Eltron GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【弁理士】
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【弁理士】
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 香子
(72)【発明者】
【氏名】ニース,ティーロ
【テーマコード(参考)】
3L058
【Fターム(参考)】
3L058BB04
3L058BC02
(57)【要約】
【課題】建物壁の異なる壁厚に簡単に適合でき、簡単にそこに組み立てることができる、住宅技術の換気装置、特に居住空間換気装置と、住宅技術の換気装置のための筐体部品とを提供すること。
【解決手段】本発明の筐体部品(106)は、少なくとも2つの筐体部(122)からなり、各筐体部(122)は第1端面(124)と前記第1端面(124)の反対側に配置された第2端面(126)とを備え、前記筐体部(122)の前記第1端面(124)はそれぞれ同一形状であり、前記筐体部(122)の前記第2端面(126)はそれぞれ同一形状であり、2つの筐体部(122)の前記第1および第2端面(124、126)は前記筐体部(122)同士を構造的に接続するために互いに対応して形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間接続部(102)と、
外部接続部(104)と、
前記内部空間接続部(102)および前記外部接続部(104)を互いに流体をガイドするように接続する筐体部品(106)と、
前記筐体部品(106)に配置された、前記筐体部品(106)内において気流を生成する少なくとも1つのファンユニット(110)とを備える、住宅技術の換気装置(100)、特に、居住空間換気装置であって、
前記筐体部品(106)は、少なくとも2つの筐体部(122)からなり、
各筐体部(122)は、第1端面(124)と前記第1端面(124)の反対側に配置された第2端面(126)とを備え、
前記筐体部(122)の前記第1端面(124)はそれぞれ同一形状であり、前記筐体部(122)の前記第2端面(126)はそれぞれ同一形状であり、
2つの筐体部(122)の前記第1および第2端面(124、126)は、前記筐体部(122)同士を構造的に接続するように互いに対応して形成されていることを特徴とする換気装置。
【請求項2】
請求項1に記載の換気装置(100)において、
複数の筐体部(122)は、筐体部(122)のカスケード化により連続して、任意の長さの1つの筐体部品(106)になるように接続されるように構成されていることを特徴とする換気装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の換気装置(100)において、
2つの筐体部(122)の前記第1および第2端面(124、126)間の接続は、少なくとも嵌合接続として形成されている換気装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の換気装置(100)において、
前記筐体部(122)の前記第1端面(124)は、前記筐体部(122)の少なくとも差込部(130)として形成された前記第2端面(126)のための収容部(128)として形成されていることを特徴とする換気装置。
【請求項5】
請求項4に記載の換気装置(100)において、
前記第1端面(124)における前記収容部(128)および前記第2端面(126)における前記差込部(130)は、少なくとも部分的に締まり嵌め(Pu)を形成し、
前記収容部(128)において径方向内側または前記差込部(130)において径方向外側へ突出する好ましくは少なくとも1つの材料突起(148)が備えられていることを特徴とする換気装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の換気装置(100)において、
前記筐体部(122)の前記第1および第2端面(124、126)に、前記筐体部(122)同士を好ましくは回転させることにより互いに係合可能な嵌合要素(132、134)がそれぞれ設けられていることを特徴とする換気装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の換気装置(100)において、
2つの筐体部(122)の前記第1および第2端面(124、126)間の接続は、差込回転接続(142)として形成されている換気装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の換気装置(100)において、
前記筐体部(122)には、好ましくは第1および第2端面(124、126)の前記嵌合要素(132、132)において、前記筐体部(122)同士を係止するロック要素(150、152)が備えられていることを特徴とする換気装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の換気装置(100)において、
前記筐体部(122)は、それらの外壁(144)に、前記筐体部(122)の前記端面(124、126)間において好ましくは周方向に延びる少なくとも1つの強化リブ(146)を備えることを特徴とする換気装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の換気装置(100)において、
前記筐体部(122)は、前記第1から前記第2端面(124、126)へ延びる長軸(M)を備え、複数の筐体部(122)は、それらの長軸(M)の方向において、別の筐体部(122)の長さ寸法(L)と同じおよび/または異なる長さ寸法(L)を有し、前記筐体部(122)は、好ましくは約10~70mm、特に、約10~45mmの範囲の長さ寸法Lを有する換気装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の換気装置(100)において、
前記筐体部品(106)は、円筒形の配管部品として形成され、好ましくは、前記筐体部(122)はプラスチックから形成されていることを特徴とする換気装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の換気装置(100)において、
前記第1および第2端面(124、126)はそれぞれ、前記内部空間接続部(102)および/または前記外部接続部(104)を固定する取付部品と相互作用するように構成されている換気装置。
【請求項13】
前記住宅技術の換気装置(100)用の、特に、居住空間換気装置用の、建物壁の内側に組み立て可能な内部空間接続部(102)と建物壁の外側に組み立て可能な外部接続部(104)とを、流体をガイドするように接続する筐体部品(106)であって、
前記筐体部品(106)は、少なくとも2つの筐体部(122)からなり、各筐体部(122)は、第1端面(124)と前記第1端面(124)の反対側に配置された第2端面(126)とを備え、前記筐体部(122)の前記第1端面(124)はそれぞれ同一形状であり、前記筐体部(122)の前記第2端面(126)はそれぞれ同一形状であり、2つの筐体部(122)の前記第1および第2端面(124,126)は前記筐体部(122)同士を構造的に接続するように互いに対応して形成されていることを特徴とする筐体部品。
【請求項14】
住宅技術の換気装置(100)用のキット(200)であり、
前記筐体部(122)が他の筐体部(122)の長さ寸法(L)と同じおよび/または異なる長さ寸法(L)を有し、前記筐体部(122)の数が建物壁の壁厚を架橋するのに十分な全長LGを有する筐体部(122)の数に少なくとも相当する、請求項13に記載の筐体部品(106)と、
前記建物壁の好ましくは内側に組み立て可能な内部空間接続部(102)と、
前記建物壁の好ましくは外側に組み立て可能な外部接続部(104)と、を備えるキット。
【請求項15】
住宅技術の換気装置(100)用の、請求項14に記載のキット(200)の使用であって、建物壁の内側に組み立て可能な内部空間接続部(102)と前記建物壁の外側に組み立て可能な外部接続部(104)とを、流体をガイドするように接続するための使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部空間接続部と、外部接続部と、前記内部空間接続部および前記外部接続部を互いに流体をガイドするように接続する筐体部品と、前記筐体部品内に配置され、前記筐体部品内において気流を生成する少なくとも1つのファンユニットとを備える、住宅技術の換気装置、特に、居住空間換気装置に関する。さらに、本発明は、住宅技術の換気装置用の、特に、居住空間換気装置用の筐体部品であって、建物壁の内側に組み立て可能な内部空間接続部と建物壁の外側に組み立て可能な外部接続部とを、流体をガイドするように接続する筐体部品に関する。
【背景技術】
【0002】
既知の換気装置は、建物内の空間を通気および/または排気するために使用される。換気装置により、空間における制御された空気交換が可能となり、空間空気は、特に、所定の時間間隔で外気により置換される。既知の換気装置は、非集中的な換気装置として使用され、そのため、建物の通気および/または排気しようとする複数の空間には、それぞれ1つのこのような換気装置が装備されている。換気装置は、建物内の空間と建物の外部領域との間に気導接続を構成する。そのため、既知の換気装置は、建物の壁内、特に、建物の外壁内に通常は配置される。
【0003】
換気装置は、通気および排気しようとする空間との気導接続として内部空間接続部を備える。換気装置は、建物の周囲の外部領域との気導接続として外部接続部をさらに備える。内部空間接続部および外部接続部は、少なくとも1つの筐体部品を介して互いに気導接続されている。換気装置の筐体部品には、ファンユニットが配置され、ファンユニットにより、筐体部品の内側の気流が内部空間接続部から外部接続部の方向へ、または、反対方向へ、つまり、外部接続部から内部空間接続部の方向へ生成される。
【0004】
換気装置の気流をガイドする筐体部品は、建物壁における収容部の内側に配置される。気流をガイドする筐体部品の長さは、建物壁の壁厚に通常は合わせられ、内部空間接続部は建物壁の内側に境を接し、外部接続部は建物壁の外側に境を接している。建物壁内に組み立てようとする筐体部品は、多くの場合は、建物壁の壁厚に関して相応の余剰長さを含む最小長さで提供され、換気装置の取り付け前に所望の長さにされる。さらに、長さに合わせられた筐体部品は、次に、内部空間接続部および外部接続部と連結されて、構造的な少なくとも1つの接続が換気装置の個々の構成要素間に構成され、このことは、従来技術において既知の換気装置において多くの場合は追加の取り付け経費に繋がっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の課題は、上記欠点を克服することであり、特に、建物壁の異なる壁厚に簡単に適合でき、簡単にそこに組み立てることができる、住宅技術の換気装置、特に居住空間換気装置と、住宅技術の換気装置のための筐体部品とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1観点に基づくその課題を、請求項1の特徴を有する前述の住宅技術の換気装置により解決する。特に、前記筐体部品は、少なくとも2つの筐体部からなり、各筐体部は第1端面と前記第1端面の反対側に配置された第2端面とを備え、前記筐体部の前記第1端面はそれぞれ同一形状であり、前記筐体部の前記第2端面はそれぞれ同一形状であり、2つの筐体部の前記第1および第2端面は、前記筐体部同士を構造的に接続するために互いに対応して形成されている。
【0007】
本発明は、繋がっている1つの筐体部品の代わりに、内部空間接続部と外部接続部とを流体をガイドするように互いに接続する少なくとも2つまたはそれ以上の筐体部からなる1つの筐体部品を使用するという知見に基づく。気流を搬送する筐体部品を作成するために、組み合わせられ筐体部品を後から長さ合わせする必要なく、所定の数の複数の筐体部がそれらの第1および第2端面において互いに接続される。組み合わせられた筐体部品の一方の端部を形成する筐体部の第1端面は、内部空間接続部と連結され、組み合わせられた筐体部品の他方の端部を形成する筐体部の第2端面は、外部接続部と連結される。したがって、このような筐体部品から形成される換気装置を、建物壁の収容部に、切り取り工具無しで取り付けることができる。好ましくは、筐体部のそれらの第1および第2端面間の長さ寸法は、相互に接続される筐体部の整数倍が、最終的に製造しようとする建物壁の最も一般的な壁厚をカバーするように選択される。第1および第2端面は、2つの筐体部同士を接続することで筐体部間の接続が意図せず解除されるのを回避するような強固な接続が生じるように対応して形成されている。
【0008】
換気装置の好ましい一設計によれば、複数の筐体部は、筐体部を連続してカスケード化することにより任意の長さの筐体部品になるように互いに接続されるように構成されている。第1端面の同一形状の設計および第2端面の同一形状の設計により、任意の長さの筐体部品になるように筐体部を接合することが簡単化されている。筐体部品により架橋しようとする建物壁の壁厚の長さに応じて、相応の数の筐体部が連続して配置される。
【0009】
好ましくは、2つの筐体部の第1および第2端面の間の接続は、少なくとも、嵌合接続として形成されている。筐体部の接続領域における嵌合により、例えば、筐体部の長軸に対して平行な反対方向に2つの筐体部が離れる動きに対して対抗作用する固定が達成される。嵌合接続は、組み合わせられた筐体部と接触可能な分離した嵌合要素により作成され得る。筐体部の長軸は、特に、各筐体部の、気流を外側で規定する壁に対して平行に延びる。
【0010】
換気装置の一発展形態は、筐体部の第1端面が、少なくとも差込部として形成された、筐体部の第2端面のための収容部として形成されていることが考えられる。差込接続を設けることで簡単な構造的な連結と筐体部同士の好ましくは同軸状の配向とが行われる。筐体部の接続のために、これらは互いに対して相対的に好ましくはそれらの長軸に平行に動かされ、互いに押し込まれて、2つの互いに連結された筐体部の第1および第2端面の領域は互いを被覆する。次に、嵌合のために、別個の嵌合要素を、筐体部の被覆領域と接触させることができる。筐体部の第1端面は、差込部として構成されていてもよく、筐体部の第2端面は差込部用の収容部として形成されていてもよい。
【0011】
換気装置の可能な一設計によれば、第1端面における収容部および第2端面の差込部は少なくとも部分的に締まり嵌めを形成し、収容部において径方向内側または差込部において径方向外側へ突出する少なくとも1つの材料突起が備えられていることが好ましい。連結可能な端面間に締まり嵌めを設けることにより、筐体部間が好ましくは流体密に、特に、水密や気密に接続される。収容部において径方向内側または差込部において径方向外側へ突出し、収容部または差込部の周囲に形成されていることが好ましい材料突起により、簡単に締まり嵌めが作成される。内または外へ向かって突出する突起の余剰寸法は、筐体部が過大な力無しで互いに接続されるように選択されており、このことは、取り扱いやすさを取り付けの際に更に向上する。
【0012】
可能な一実施形態では、材料突起に対応するそれぞれ他方の端面の表面領域に、材料突出部に対応する好ましくは円周方向の凹部が形成されていてもよく、この凹部には、筐体部品が互いに対して十分に軸方向に前進した後に、材料突起が係合する。これにより、締まり嵌めの他にある種の嵌合が作成され、嵌合により、筐体部間の接続の意図しない解除が防止されている。
【0013】
換気装置の任意の、または代替の、可能な一設計は、筐体部の第1および第2端面に、筐体部同士を好ましくは回転させることにより互いに係合可能な嵌合要素がそれぞれ設けられていることが考えられる。嵌合要素は、筐体部の第1および第2端面において一体的に形成されていることが好ましい。特に、第1および第2端面における嵌合要素は互いに係合させることが可能なネジ部として形成されていてもよい。筐体部を互いに相対的に捩ることにより、互いに接続しようとする2つの筐体部が軸方向に互いに入り込む動きが生じる。互いに対応する領域に沿って形成される余剰寸法と関連して、2つの筐体部の互いの封止と同時に自己係止する接続が作成される。
【0014】
換気装置の好ましい一設計によれば、2つの筐体部の第1および第2端面間の接続は、差込回転接続として形成されている。差込回転接続として設計することで、バイオネット接続と同様に、建物壁を通して気流をガイドする1つの筐体部品になるように迅速に作成可能かつ再解除も可能に、特に円筒形に形成された筐体部を構造的に連結することができる。連結中に、動作の第1段階において、筐体部は互いに差し込まれ、第2段階において互いに相対的に捩られることが好ましい。既存の筐体部の第2端面へ別の筐体部の第1端面の簡単に繰り返し可能な差し込みにより、建物壁の壁厚に適合された任意の長さの筐体部品が、気流のガイドのために作成され得る。
【0015】
筐体部には、好ましくは第1および第2端面の嵌合要素において、筐体部同士を係止するロック要素が備えられていることが好ましい。ロック要素は、特に、2つの筐体部間に作成された接続の望ましくない解除を阻止するように構成されている。特に、ロック要素は、筐体を互いに対して捩ることにより係合する。嵌合要素は、可能な一設計において、ある種のロックフックとして形成されており、ロックフックは、接続の作成の際に互いの上をスライドされるが、接続の解除の際に自動的に互いに引っ掛かる。好ましくは、ロック要素の1つは、筐体部の弾性移動可能な領域に形成され、それにより、この領域を離れることでロック要素は係合が解除され、それにより、接続の解除が可能である。
【0016】
換気装置の一発展形態によれば、筐体部は、それらの外壁に、筐体部の端面間において好ましくは周方向に延びる少なくとも1つの強化リブを備える。このような外向きに突出する少なくとも1つの強化リブにより、本発明の筐体部の強度および形状維持性が高められる。特に、強化リブは全周において外壁に沿って延びるが、外壁の一部にのみ形成されていてもよい。1つまたは複数の強化リブは、特に、標準一液泡の硬化の際に生じる圧力を吸収するように構成されている。可能な一実施では、強化リブの部分は、互いに接合しようとする筐体部の間の接続インターフェース(互いに対応する嵌合要素の領域)として使用される。
【0017】
好ましくは、筐体部は、第1から第2端面へ延びる長軸をさらに備え、複数の筐体部は、それらの長軸の方向において、別の筐体部の長さ寸法と同じおよび/または異なる長さ寸法を有し、筐体部は、好ましくは約10~70mm、特に、約10~45mmの範囲の長さ寸法Lを有する。可能な一実施形態では、互いに接合しようとする筐体部は、標準寸法を有していてもよく、それにより、第1端面が同一形状であり第2端面が同一形状であるのみならず、筐体部が全体的に同一形状に形成されている。
【0018】
好ましい一実施において、筐体部のいくつかは異なる長さ寸法Lを有する。異なる長さの筐体部を備えることにより、複数の筐体部から接合しようとする筐体部品を、換気装置を設けようとする建物壁の異なるサイズの壁厚へ簡単に適合させることができる。可能な一実施形態では、筐体部は、約10~45mmの範囲の長さ寸法Lを有する。
【0019】
換気装置の一発展形態によれば、筐体部品は、円筒形の配管部品として形成され、好ましくは、筐体部は、プラスチック材料からなる。筐体部品の円筒形の設計により、差込回転接続は簡単に実現可能である。プラスチックからなる筐体部は、外側に形成された少なくとも1つの強化リブと関連して、必要な強度と腐食耐性に関してさらに有利な特性とを有する。
【0020】
可能な一設計において、筐体部の第1および第2端面はそれぞれ、内部空間接続部および/または外部接続部を固定する取付部品と相互作用するように構成されている。特に、筐体部の端面は、筐体部品の相反する側の端部を形成し、好ましくは、対応する嵌合要素が設けられ、複数の筐体部からなる筐体部品を一方の端部における内部空間接続部に接続し、他方の端部における外部接続部に接続するために使用される。取付部品の一方は、筐体部の第1端面と対応するコネクタを備え、取付部品の他方は、筐体部の第2端面と対応するコネクタを備える。しかしながら、取付部品は、それぞれ両接続部と、つまり、内部空間接続部および外部接続部と組み合わせ可能であり、このことは、建物壁における本発明の換気装置の取り付けをより簡単化する。
【0021】
第2観点によれば、本発明の課題は、住宅技術の換気装置用の、特に、居住空間換気装置用の筐体部品であって、内部空間接続部と外部接続部とを、流体をガイドするように接続する筐体部品により解決される。特に、前記筐体部品は、少なくとも2つの筐体部からなり、各筐体部は第1端面と前記第1端面の反対側に配置された第2端面とを備え、前記筐体部の前記第1端面はそれぞれ同一形状であり、前記筐体部の前記第2端面はそれぞれ同一形状であり、2つの筐体部の前記第1および第2端面は、前記筐体部同士を構造的に接続するように互いに対応して形成されている。
【0022】
独自の一形態において、第2観点の発明は、換気装置用の筐体部品を提案し、筐体部品は、少なくとも2つの筐体部を備え、簡単に組み合わせられ、気流をガイドするため建物壁の任意の壁厚に適合され得る。簡単に互いに連結可能な筐体部により、建物壁における収容部を通って延びる筐体部品の長さ寸法Lが簡単に適合され得る。筐体部品の全長LGが壁厚の架橋するために十分でなければ、筐体部品は、これと連結可能な別の筐体部を必要とする。好ましくは、それぞれ第1および第2端面を介して互いに連結しようとする筐体部は、嵌合接続、特に、差込回転接続により互いに接続され、このことは、個々の筐体部間の構造的に強固な接続の設計のための簡単な可能性を提供する。
【0023】
本発明の換気装置に対して第1観点に基づいて記載された好ましい実施形態または発展形態は、これらが互いに矛盾しない限り、同じく、第2観点に基づく筐体部品の好ましい実施形態でもある。
【0024】
第3観点によれば、本発明は、住宅技術の換気装置用のキットに関し、キットは、筐体部が他の筐体部の長さ寸法と同じおよび/または異なる長さ寸法を有し、筐体部の数が建物壁の壁厚を架橋するのに十分な長さを有する筐体部の数に少なくとも相当する、上記好ましい実施形態の1つに係る筐体部品と、建物壁の好ましくは内側に組み立て可能な内部空間接続部と、建物壁の好ましくは外側に組み立て可能な外部接続部とを備える。
【0025】
さらなる一観点において、本発明は、住宅技術の換気装置用の前記好ましい実施形態の一つのキットの使用であって、建物壁の内側に組み立て可能な内部空間接続部と建物壁の外側に組み立て可能な外部接続部とを、流体をガイドするように接続するための使用に関する。このようなキットを本発明に基づいて使用する場合、建物壁を通して気流をガイドする筐体部品を形成する同じ長さおよび/または異なる長さの筐体部の使用により、切断工具を使用せずに簡単に、内部空間接続部と外部接続部とを流体をガイドするように接続することができる。気流をガイドする筐体部品を組み合わせるために、筐体部品は、それらの互いに対応する第1および第2端面により互いに差し込まれ、それぞれ強固に互いに接続される。本発明の換気装置または換気装置用の筐体部品に対して記載された好ましい実施形態または発展形態は、同時に、上記観点に基づく本発明のキットまたは本発明の使用の好ましい実施形態または発展形態でもある。
【0026】
本発明を、換気装置の好ましい実施例に基づいて、添付の図を参照して以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本発明の換気装置の概略空間図である。
【
図3】
図3は、気流をガイドする筐体部品の実施例の斜視図である。
【
図5】
図5は、2つの互いに接続された筐体部の部分図を断面で示す。
【
図6】
図6は、第2の筐体部の嵌合接続の可能な実施例の空間詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、建物内の空間を通気および/または排気する本発明の換気装置100の斜視図を示す。換気装置100は、筐体部品106を介して流体をガイドするように接続された内部空間接続部102および外部接続部104を備える。
【0029】
内部空間接続部102と外部接続部104との間の筐体部品106は、図示した形態では、円筒形の断面を有する。筐体部品106は、特に、筐体部品106が貫通して延びる建物壁の壁厚に相当する長さLGを有する。筐体部品106の長さLG、それゆえに、内部空間接続部102と外部接続部104との間の距離は、筐体部品106を用いて架橋しようとする建物壁の壁厚により定義される。
【0030】
図2において、換気装置100の分解図を示し、この図により、筐体部品106に配置された構成要素が可視化されている。配管部分106の内側には、筐体部品106内において相反する流れ方向に気流を生成するように構成された可逆式のファンユニット110が配置されている。軸流ファンホイール112および固定子要素114から構成されたファンユニット110の他に、配管部分106の内側には、蓄熱器116およびフィルター要素118がさらに配置されている。ファンユニット110の固定子要素114は、ファンホイールから生成される静圧を上昇することができるガイドホイール120を備える。
【0031】
図1および2において分かり、
図3においてさらに明らかになるように、筐体部品は複数の筐体部122からなり、各筐体部122は、第1端面124と、第1端面124の反対側に配置された第2端面126とを有する。筐体部122の第1端面124は、それぞれ、同一形状であり、筐体部122の第2端面126は、同様に同一形状である。2つの筐体部122の第1および第2端面124、126は、筐体部122同士の構造的な接続を形成するために互いに対応して形成されている。一方の筐体部122の第1端面124は、他方の筐体部122の第2端面126に合わせて、筐体部122同士を連結または接続する際にこれらが強固な構造的接続を形成するように形成されている。
【0032】
図3が更に示すように、図示した複数の筐体部122は、筐体部122のカスケード化により連続して、任意の長さの1つの筐体部品106になるように接続されるように構成されている。筐体部品106は、図示した実施形態では、平坦な内壁を有する円筒形の配管部品として実施されている。筐体部122は、特に、プラスチックからなる。
【0033】
筐体部122は、第1端面124から第2端面126へ延びる長軸Mを有し、複数の筐体部は、それらの長軸の方向において、
図3から分かるように同じ長さ寸法Lを有する。任意の一設計(
図2)では、筐体部品106の形成には、筐体部122とは異なる長さ寸法を有する筐体部122’も使用される。筐体部122は、約10~70または有利には約10~45mmの範囲の長さ寸法を有していてもよい。
【0034】
筐体部122における第1端面124は、ここでは、収容部128として、少なくとも差込部130として形成された筐体部における第2端面126のために形成されている。したがって、第2端面126(差込部130)は、第1端面124(収容部128)内へ挿入される。この際、収容部128および差込部130の材料領域は互いを被覆する(
図5も参照)。
【0035】
図4が詳細に示すように、各筐体部122の第1および第2端面124、126に各嵌合要素132、134が形成され、各嵌合要素132、134は、本実施形態では、筐体部122を互いに相対的に捩ることにより、互いに係合される。嵌合要素132、134は、筐体部122同士を強固に保持する嵌合接続136を形成する。
図4に示す筐体部と接続しようとする別の筐体部122は、その第1端面124における嵌合要素132によって、第2端面126における嵌合要素134間の間隙138に挿入される。第1端面124を第2端面126に差し込んだ後に、装着された筐体部122を回転(
図3の矢印140)させ、他の筐体部122に対して相対的に動かすことにより嵌合を作成する。嵌合要素132、134により形成された接続は、ここでは、バヨネット接続に類似の差込回転接続142である。
【0036】
さらに
図4から分かるように、筐体部122はそれらの外壁144に少なくとも1つの、好ましくは複数の、図示したような4つの強化リブ146を備える。図示した実施形態では、強化リブは、筐体部122の全周に亘って形成されているが、外壁144に沿って部分的にのみ延びていてもよい。
【0037】
図5から分かるように、第1端面124における収容部128および第2端面126における差込部130は、少なくとも部分的に締まり嵌めPuを形成する。ここに示す実施形態では、差込部130に、径方向外側に突出する材料突起148が設けられ、材料突起148は、筐体部122間の接続を封止するため収容部128の内側と接触している。
図5が更に示すように、嵌合要素134は第2端面126において強化リブ146の1つに配置され、それにより、これらは、2つの筐体部122間の接続インターフェースとして使用され得る。
【0038】
図4および6から分かるように、筐体部122において、第1および第2端面124、126の好ましくは嵌合要素132、132に、筐体部122を係止するためのロック要素150、152が備えられている。第1端面124における嵌合要素132に形成されたロック要素150は、ロックフック154として形成されている。これは、特に、筐体部122の第2端面126に、歯156として形成されたロック要素152と相互作用する。ロック要素150、152を介して、差込回転接続142の製造により筐体部の係止が行われる。
【0039】
図2に示す構成要素により、気流をガイドするための少なくとも1つの筐体部品106と、内部空間接続部102と、外部接続部104とを備えるキット200が提供される。筐体部品106は、同じ長さの筐体部122または同じ長さおよび異なる長さの筐体部122’から形成されてもよい。内部空間接続部102、外部接続部104、筐体部品106の他に、換気装置100のためのこのようなキットは、ファンホイール112、固定子要素114、蓄熱器116、およびフィルター要素118からなるファンユニット110をさらに備えていてもよい。
【符号の説明】
【0040】
100 換気装置
102 内部空間接続部
104 外部接続部
106 筐体部品
110 軸流ファンユニット
112 ファンホイール
114 固定子要素
116 蓄熱器
118 フィルター要素
120 ガイドホイール
122 筐体部
124 第1端面
126 第2端面
128 収容部
130 差込部
132、134 嵌合要素
136 嵌合接続
138 間隙
140 矢印
142 差込回転接続
144 外壁
146 強化リブ
148 材料突起
150、152 ロック要素
154 ロックフック
156 歯
200 キット
L 長さ寸法
LG 長さ
M 長軸
Pu 締まり嵌め