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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086651
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】グリップアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/04 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
G01N3/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023209928
(22)【出願日】2023-12-13
(31)【優先権主張番号】2219047.4
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】23212775
(32)【優先日】2023-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】グレアム ミード
【テーマコード(参考)】
2G061
【Fターム(参考)】
2G061AA01
2G061AA02
2G061AB01
2G061AB04
2G061CC01
2G061EA01
2G061EA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】材料試験機械において試験用サンプルを保持するグリップアセンブリを改良する。
【解決手段】クロスヘッドに取り付ける第1の端部221から第2の端部222まで延在し、空圧シリンダー234を有する本体部230を備えるコア部材220と、空圧シリンダー234に沿って、空圧体積領域を拡張させる第1の方向及び逆方向に移動可能な空圧ピストンヘッド271と、ハウジングがコア部材220に対して第1の端部221へ向かう第1の軸方向及び反対向に移動可能となるように本体部230の周りに取り付けたスリーブ部材261を備えるハウジングと、試験用サンプルに保持力を印加するように第2の端部に配設したサンプル保持部280と、サンプル保持部280と接触係合する駆動部材240とを備える。空圧ピストンヘッド271が第1の方向に移動するとき、ハウジングが第1の軸方向に移動し、駆動部材240をサンプル保持部280に対して付勢する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料試験機械において試験用サンプルを保持するグリップアセンブリであって、
該グリップアセンブリをクロスヘッドに解放可能に取り付けるように構成された第1の端部から第2の端部まで中心軸に沿って延在するコア部材であって、空圧体積領域を囲む空圧シリンダーを有する本体部を備える、コア部材と、
前記空圧シリンダー内に摺動可能に受けられ、前記空圧シリンダーに沿って、前記空圧体積領域を拡張させる第1の方向及び前記空圧体積領域を収縮させる反対の第2の方向に移動可能であるように配置される、空圧ピストンヘッドと、
ハウジングであって、該ハウジングが前記コア部材に対して前記第1の端部へ向かう第1の軸方向及び反対の第2の軸方向に移動可能となるように前記本体部の周りに同軸に取り付けられたスリーブ部材を備える、ハウジングと、
試験用サンプルに保持力を選択的に印加するように構成される、前記第2の端部に配設されたサンプル保持部と、
前記サンプル保持部と接触係合するように構成された駆動部材と、
を備え、
該グリップアセンブリは、前記空圧ピストンヘッドが前記第1の方向に移動することに応答して、前記ハウジングが前記第1の軸方向に移動し、それにより、前記駆動部材を前記サンプル保持部に対して付勢して前記保持力を提供するように構成される、グリップアセンブリ。
【請求項2】
前記空圧シリンダーは、前記空圧ピストンヘッドの移動の前記第1の方向が前記第1の軸方向となり、移動の前記第2の方向が前記第2の軸方向となるように、前記コア部材の前記中心軸と同軸になるように方向付けされる、請求項1に記載のグリップアセンブリ。
【請求項3】
前記空圧ピストンヘッドは、前記コア部材に対して前記第1の方向及び前記第2の方向に移動するように構成されたヘッド部材上に設けられる、請求項1又は2に記載のグリップアセンブリ。
【請求項4】
前記ハウジング内に形成された一次油圧シリンダーを有する油圧システムを更に備え、前記一次油圧シリンダーは一次油圧体積領域を囲み、前記ハウジングは、前記ハウジングが前記コア部材に対して前記第1の軸方向に移動するときに前記一次油圧体積領域が拡張し、前記ハウジングが前記コア部材に対して反対の前記第2の軸方向に移動するときに前記一次油圧体積領域が収縮するように、前記本体部と係合するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のグリップアセンブリ。
【請求項5】
前記一次油圧シリンダーは、好ましくは前記ハウジングの基部によって画定される一次断面積を有する、請求項4に記載のグリップアセンブリ。
【請求項6】
前記一次油圧シリンダーは、前記コア部材の前記中心軸と同軸になるように方向付けされる、請求項4又は5に記載のグリップアセンブリ。
【請求項7】
前記油圧システムは、前記一次油圧体積領域に流体接続された二次油圧体積領域を囲む少なくとも1つの二次油圧シリンダーを更に備え、油圧ピストンヘッドが、前記少なくとも1つの二次油圧シリンダーのそれぞれに摺動可能に受けられ、前記少なくとも1つの二次油圧シリンダーに沿って、前記二次油圧体積領域を収縮させる第3の方向及び前記二次油圧体積領域を拡張させる反対の第4の方向に移動可能となるように配置される、請求項4~6のいずれか一項に記載のグリップアセンブリ。
【請求項8】
前記空圧ピストンヘッドが前記第1の方向に移動すると、各油圧ピストンヘッドが前記第3の方向に移動し、それにより、前記二次油圧体積領域を収縮させ、前記一次油圧体積領域を拡張させる、請求項7に記載のグリップアセンブリ。
【請求項9】
前記油圧ピストンヘッドは、5mm~60mmの範囲、好ましくは20mm~50mmの範囲の距離だけ前記第1の方向に移動するように構成される、請求項7又は8に記載のグリップアセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの二次油圧シリンダーのそれぞれは、前記本体部を通して形成される、請求項7~9のいずれか一項に記載のグリップアセンブリ。
【請求項11】
前記ヘッド部材には、前記少なくとも1つの油圧ピストンヘッドが前記ヘッド部材から前記コア部材の前記第1の端部へ向かう方向に突出するように配置されるように、前記少なくとも1つの油圧ピストンヘッドが取り付けられ、好ましくは解放可能に取り付けられる、請求項7~10のいずれか一項に記載のグリップアセンブリ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの二次油圧シリンダーは、複数の二次油圧シリンダー、好ましくは2つ~8つの二次油圧シリンダー、より好ましくは3つ~6つの二次油圧シリンダーを含む、請求項7~11のいずれか一項に記載のグリップアセンブリ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの二次油圧シリンダーのそれぞれは、二次中心軸を含み、各前記二次中心軸は、前記コア部材の前記中心軸に平行に配置され、好ましくは、前記グリップアセンブリは、少なくとも2つの二次油圧シリンダーを備え、前記それぞれの二次中心軸は、前記コア部材の前記中心軸の周りに周方向に配置される、請求項7~12のいずれか一項に記載のグリップアセンブリ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの二次油圧シリンダーは、二次断面積を累積的に提供し、前記一次断面積:前記二次断面積の比は、1:2~1:20の範囲内、好ましくは1:5~1:10の範囲内である、請求項7~13のいずれか一項に記載のグリップアセンブリ。
【請求項15】
前記サンプル保持部は、前記コア部材の前記第2の端部に取り付けられ、前記駆動部材は、前記ハウジングから延在して前記サンプル保持部に接触係合する、請求項1~14のいずれか一項に記載のグリップアセンブリ。
【請求項16】
前記サンプル保持部は、前記駆動部材に取り付けられ、前記サンプル保持部が前記駆動部材とともに第1の軸方向に移動することを前記第2の端部が防止するように、前記第2の端部に当接するように構成される、請求項1~15のいずれか一項記載のグリップアセンブリ。
【請求項17】
前記サンプル保持部は、互いに対向する一対のジョーを備え、前記一対のジョーのうちの少なくとも一方は、前記中心軸を横断する方向に摺動可能に移動するように構成される、請求項15又は16に記載のグリップアセンブリ。
【請求項18】
前記サンプル保持部は、前記保持力を前記サンプルに印加する前に、前記一対のジョーの間に事前設定間隔を含み、好ましくは、前記事前設定間隔は選択的に調整可能である、請求項16に記載のグリップアセンブリ。
【請求項19】
前記駆動部材は、互いに対向する一対の係合面を備え、好ましくは、各係合面は、前記中心軸に対して10度~45度の範囲で傾斜しており、前記各係合面は、前記サンプル保持部と接触係合し、それにより、前記サンプル保持部を付勢して前記保持力を提供するように構成される、請求項1~18のいずれか一項に記載のグリップアセンブリ。
【請求項20】
前記コア部材は、前記第2の端部と前記本体部との間に配設されるスペーサー要素を備える、請求項1~19のいずれか一項に記載のグリップアセンブリ。
【請求項21】
前記ハウジングは、1mm~10mmの範囲、好ましくは2mm~7mmの範囲の距離にわたって前記コア部材に対して第1の軸方向に移動するように構成される、請求項1~20のいずれか一項に記載のグリップアセンブリ。
【請求項22】
前記ハウジングを前記コア部材に対して前記第2の端部へ向かう方向に移動させるように構成された付勢手段を更に備える、請求項1~21のいずれか一項に記載のグリップアセンブリ。
【請求項23】
圧縮空気の主供給源に接続可能な第1のポートを、前記空圧シリンダー内に開口する第2のポートに流体接続するように構成された導管を更に備える、請求項1~22のいずれか一項に記載のグリップアセンブリ。
【請求項24】
前記第1のポートは、前記コア部材の前記第1の端部に又はその近位に設けられ、前記導管は、前記コア部材の前記中心軸に沿って前記第2のポートまで延在し、任意選択で、前記空圧ピストンヘッドは、前記コア部材に対して移動可能なヘッド部材上に設けられ、前記ヘッド部材は、前記導管と入れ子状に係合するように、前記ヘッド部材を通して前記第2のポートから前記第1の端部へ向けて延在するように配置された管を備える、請求項23に記載のグリップアセンブリ。
【請求項25】
前記第1のポートは、前記コア部材上に配置され、前記コア部材の周りに取り付けられた前記スリーブを通して延在する開口部と位置合わせされ、前記開口部は、前記ハウジングが前記コア部材に対して移動するときに前記第1のポートが前記開口部を通してアクセス可能なままであるように構成される、請求項23に記載のグリップアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリップアセンブリ、特に、材料試験機械において試験用サンプルを保持するグリップアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
序論
材料試験装置(構造試験機械として知られることもある)は、材料サンプルの物理的特性を試験するのに使用される。材料試験機械は、材料サンプルを保持するサンプル保持部と、材料サンプルの物理的特性を試験するために、サンプル保持部を介して試験力を印加する力手段とを使用する。材料試験装置内の力手段は、電力供給ユニットから電力を受け取るモータードライブシステムを使用して作動させることができる。
【0003】
サンプル保持部が試験中に材料サンプルに加えられる試験力に耐えるのに十分な保持力でサンプルを保持できることが重要である。
【0004】
或る特定の例示の材料試験システムは、試験対象の試料を保持するために保持力を印加するように構成された、典型的にはジョーを有する空圧サンプル保持部を備える。
【0005】
従来技術によるグリップアセンブリの一般的な欠点は、グリップアセンブリによって生成される保持力が制限されることである。すなわち、特に相当な試験力に耐えるサンプルを試験する場合、保持力は、試験中のサンプルの滑り又は移動を防止するのに不十分となり、誤った結果を生じる可能性がある。
【0006】
更なる欠点は、サンプル保持部によってサンプルに加えられる保持力が、典型的には圧縮空気によって提供される、供給される空気圧によって制限されることである。産業又は実験室環境において供給される空気圧は、効率及び/又は経済的な理由から、所定の最大圧力、典型的には0.6MPa(6バール)を有する。より高い空気圧を供給すると、余剰熱の量が増大し、より高い温度及び圧力の両方に耐えるためにポンプ及び空気ライン等の関連機器がより頑丈であることが必要となる。したがって、許容可能な動作効率を保証し、設備コストを制御するために、供給される空気圧が制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記の問題の少なくともいくつかを軽減することにある。
【0008】
したがって、試験を受けるサンプルを確実に保持することが可能なグリップアセンブリを提供することが有用である。
【0009】
グリップアセンブリが増大した保持力を効率的に生成することも有用であろう。すなわち、グリップアセンブリが、供給される空気圧を増大させるか又はその空気圧の供給に関連する機器を改変するための対応する要件を伴わずに、増大した保持力を生成することが有用であろう。このようにして、グリップアセンブリが、供給される空気圧によって制限されない増大した保持力を生成することが有用であろう。
【0010】
さらに、よりコンパクトなグリップアセンブリを提供することが有用であろう。
【0011】
また、グリップアセンブリが、サンプルの移動を最小にする方法で、試験用サンプルに保持力を印加することが有用であろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0013】
本発明の一態様によれば、材料試験機械において試験用サンプルを保持するグリップアセンブリであって、
グリップアセンブリをクロスヘッドに解放可能に取り付けるように構成された第1の端部から第2の端部まで中心軸に沿って延在するコア部材であって、空圧体積領域(pneumatic volume)を囲む空圧シリンダーを有する本体部を備える、コア部材と、
空圧シリンダー内に摺動可能に受けられ、空圧シリンダーに沿って、空圧体積領域を拡張させる第1の方向及び空圧体積領域を収縮させる反対の第2の方向に移動可能であるように配置される、空圧ピストンヘッドと、
ハウジングであって、ハウジングがコア部材に対して第1の端部へ向かう第1の軸方向及び反対の第2の軸方向に移動可能となるように本体部の周りに同軸に取り付けられたスリーブ部材を備える、ハウジングと、
試験用サンプルに保持力を選択的に印加するように構成される、第2の端部に配設されたサンプル保持部と、
サンプル保持部と接触係合するように構成された駆動部材と、
を備え、グリップアセンブリは、空圧ピストンヘッドが第1の方向に移動することに応答して、ハウジングが第1の軸方向に移動し、それにより、駆動部材をサンプル保持部に対して付勢して保持力を提供するように構成される、グリップアセンブリが提供される。
【0014】
グリップアセンブリは、サンプル保持部から離れるハウジングの軸方向の移動によって有効な保持力を提供する。このようにして、グリップアセンブリは、試験機械内のクリアランスの低減を必要とするコンパクトな構成である。さらに、クロスヘッドに取り付けられたコア部材の一部としてのサンプル保持部がクロスヘッドに対して静止して保持されている間に、保持力がサンプル保持部に印加される。これにより、クロスヘッドのそれぞれのサンプル保持部間の確実な間隔によって、サンプルを試験機械に装填することができる。
【0015】
適切には、空圧シリンダーは、空圧ピストンヘッドの移動の第1の方向が第1の軸方向となり、移動の第2の方向が第2の軸方向となるように、コア部材の中心軸と同軸になるように方向付けされる。
【0016】
適切には、空圧ピストンヘッドは、コア部材に対して第1の方向及び第2の方向に移動するように構成されたヘッド部材上に設けられる。
【0017】
適切には、グリップアセンブリは、空圧シリンダー及び空圧ピストンヘッドの両方と動作可能に係合されるとともに力増倍器を提供するように構成された油圧システムを更に備える。すなわち、空圧ピストンヘッドの第1の方向への移動によって提供される空圧力に応答して、油圧システムは、増大した出力(output force)を生成する。出力油圧力としても知られる出力は、空圧力の倍量(multiple)である。
【0018】
適切には、油圧システムは、ハウジング内に形成された一次油圧シリンダーを有し、一次油圧シリンダーは一次油圧体積領域を囲み、ハウジングは、ハウジングがコア部材に対して第1の軸方向に移動するときに一次油圧体積領域が拡張し、ハウジングがコア部材に対して反対の第2の軸方向に移動するときに一次油圧体積領域が収縮するように、本体部と係合するように構成される。
【0019】
適切には、一次油圧シリンダーは、好ましくはハウジングの基部によって画定される一次断面積を有する。
【0020】
適切には、一次油圧シリンダーは、コア部材の中心軸と同軸になるように方向付けされる。
【0021】
適切には、油圧システムは、一次油圧体積領域に流体接続された二次油圧体積領域を囲む少なくとも1つの二次油圧シリンダーを更に備え、油圧ピストンヘッドが、少なくとも1つの二次油圧シリンダーのそれぞれに摺動可能に受けられ、少なくとも1つの二次油圧シリンダーに沿って、二次油圧体積領域を収縮させる第3の方向及び二次油圧体積領域を拡張させる反対の第4の方向に移動可能となるように配置される。
【0022】
適切には、空圧ピストンヘッドが第1の方向に移動すると、各油圧ピストンヘッドが第3の方向に移動し、それにより、二次油圧体積領域を収縮させ、一次油圧体積領域を拡張させる。
【0023】
適切には、油圧ピストンヘッドは、5mm~60mmの範囲、好ましくは20mm~50mmの範囲の距離だけ第1の方向に移動するように構成される。
【0024】
適切には、少なくとも1つの二次油圧シリンダーのそれぞれは、本体部を通して形成される。
【0025】
適切には、ヘッド部材には、少なくとも1つの油圧ピストンヘッドがヘッド部材からコア部材の第1の端部へ向かう方向に突出するように配置されるように、少なくとも1つの油圧ピストンヘッドが取り付けられ、好ましくは解放可能に取り付けられる。
【0026】
適切には、少なくとも1つの二次油圧シリンダーは、複数の二次油圧シリンダー、好ましくは2つ~8つの二次油圧シリンダー、より好ましくは3つ~6つの二次油圧シリンダーを含む。
【0027】
適切には、少なくとも1つの二次油圧シリンダーのそれぞれは、二次中心軸を含み、各二次中心軸は、コア部材の中心軸に平行に配置される。
【0028】
適切には、油圧システムは、少なくとも2つの二次油圧シリンダーを備え、それぞれの二次中心軸は、コア部材の中心軸の周りに周方向に配置される。
【0029】
適切には、少なくとも1つの二次油圧シリンダーは、二次断面積を累積的に提供し、一次断面積:二次断面積の比は、1:2~1:20の範囲内、好ましくは1:5~1:10の範囲内である。
【0030】
油圧システムからの出力油圧力は、空圧シリンダーに供給される圧縮空気によって生成される空圧力の倍量とすることができる。これにより、増大した出力油圧力が駆動部材に提供される。出力油圧力は、空圧力の2倍~20倍の範囲、好ましくは5倍~10倍の範囲の倍量とすることができる。或る特定の例において、倍量は、少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5倍、又は、より好ましくは少なくとも7倍とすることができる。或る特定の例において、倍量は、最大10倍、又は最大20倍までとすることができる。
【0031】
適切には、サンプル保持部は、コア部材の第2の端部に取り付けられ、駆動部材は、ハウジングから延在してサンプル保持部と接触係合する。第2の端部は、サンプル保持部が第2の端部に取り付けられ、好ましくは取外し可能に取り付けられるように構成される。
【0032】
適切には、ハウジング及び本体部は、ハウジングとコア部材との間の相対的な回転運動を防止するように構成される。適切には、本体部は、本体部に取り付けられるとともに本体部から突出するポストを有する。ポストは、中心軸に平行な方向にハウジング内へ延在するハウジングの内面上の凹部内に受けられる。このようにして、ハウジングがコア部材に対して移動すると、ポストは凹部内で回転方向に拘束され、ハウジングとコア部材との間の相対的な回転を防止する。代替的な構成においては、ポスト及び凹部の位置は、ハウジングとコア部材との間で入れ替えてもよい。代替的に、この場合も、相対的な回転を防止するために、代替的な特徴部を適宜設けてもよい。
【0033】
適切には、サンプル保持部は、互いに対向する一対のジョーを備える。一対のジョーのうちの少なくとも一方は、中心軸を横断する方向に摺動可能に移動するように構成することができる。
【0034】
適切には、サンプル保持部は、駆動部材に取り付けられ、サンプル保持部が駆動部材とともに第1の軸方向に移動することを第2の端部が防止するように、第2の端部に当接するように構成される。このようにして、サンプル保持部は駆動部材に取り付けられるが、サンプル保持部は、試験用サンプルに保持力を印加するときに軸方向に静止したままとなる。第2の端部は、第1の軸方向への駆動部材の移動が、例えば、互いに対向する一対のジョーを互いに向けて付勢することによって、サンプル保持部を付勢して保持力を印加するように、停止部として作用する。
【0035】
適切には、サンプル保持部は、サンプルに保持力を印加する前に、一対のジョーの間に事前設定間隔を含む。適切には、事前設定間隔は、選択的に調整可能である。適切には、事前設定間隔は、最小事前設定間隔と最大事前設定間隔との間で選択的に調整可能である。
【0036】
適切には、駆動部材は、互いに対向する一対の係合面を備え、好ましくは、各係合面は、中心軸に対して10度~45度の範囲で傾斜する。各係合面は、サンプル保持部と接触係合し、それにより、サンプル保持部を付勢して保持力を提供するように構成される。
【0037】
適切には、コア部材は、第2の端部と本体部との間に配設されたスペーサー要素を備える。コア部材がスペーサー要素を備える或る特定の例において、ハウジングは、スペーサー要素の周りに同軸に取り付けられる二次スリーブを備えることができる。二次スリーブは、本体部に取り付けられたスリーブから駆動部材まで延在する。このようにして、ハウジングがコア部材に対して移動すると、二次スリーブがスペーサー要素に対して移動し、それにより、駆動部材をサンプル保持部に対して付勢する。
【0038】
適切には、スペーサー要素の軸方向長さは、選択的に調整可能である。適切には、スペーサー要素は、本体部に移動可能に取り付けられ、本体部に対する第1の軸方向位置から本体部に対する第2の軸方向位置まで移動するように構成されたシャフトを備える。このようにして、スペーサー要素は、サンプル保持部とコア部材の本体部との間の調整可能な軸方向離隔を提供する。したがって、サンプル保持部は、駆動部材の互いに対向する傾斜係合面に対して軸方向に移動される。第2の軸方向位置において、サンプル保持部は、係合面の一部が第1の軸方向位置よりも更に離れて設定される点において、係合面の一部に係合する。ジョーの間の事前設定間隔は、対応して増大し、それにより、一対のジョーの間の選択的に調整可能な事前設定間隔を提供する。
【0039】
適切には、スペーサー要素は、サンプル保持部とコア部材の本体部との間の軸方向離隔を最大軸方向離隔に制限する第1の停止要素を備える。
【0040】
適切には、スペーサー要素は、サンプル保持部とコア部材の本体部との間の軸方向離隔を最小軸方向離隔に制限する第2の停止要素を備える。
【0041】
適切には、ハウジングは、1mm~10mmの範囲、好ましくは2mm~7mmの範囲の距離にわたってコア部材に対して第1の軸方向に移動するように構成される。
【0042】
適切には、グリップアセンブリは、ハウジングをコア部材に対して第2の端部へ向かう方向に移動させるように構成された付勢手段を更に備える。
【0043】
適切には、付勢手段は、空圧解放チャンバー及び少なくとも1つのばねのいずれか又は両方を備える。付勢手段が空圧解放チャンバーを備える例において、チャンバーは、圧縮空気の第2の主供給源に流体接続することができる。グリップアセンブリは、圧縮空気の第2の主供給源に接続可能な第1の解放ポートを、空圧解放チャンバー内に開口する第2の解放ポートに流体接続するように構成された第2の導管を備える。
【0044】
適切には、グリップアセンブリは、圧縮空気の主供給源に接続可能な第1のポートを、空圧シリンダー内に開口する第2のポートに流体接続するように構成された導管を備える。
【0045】
適切には、主供給源及び第2の主供給源の一方又は両方からの圧縮空気は、コア部材を通してグリップアセンブリ内へ搬送することができる。第1のポート及び/又は第1の解放ポートは、コア部材上で第1の端部又はその近位に設けられる。導管及び/又は第2の導管は、コア部材の中心軸に沿って第2のポート及び/又は第2の解放ポートまで延在する。好ましくは、コネクタが第1のポート及び/又は第1の解放ポート内に取り付けられ、ポートが圧縮空気のそれぞれの主供給源の空気ラインに接続することを可能にする。
【0046】
適切には、空圧ピストンヘッドは、コア部材に対して移動可能なヘッド部材上に設けられ、ヘッド部材は、導管と入れ子状に係合するように、ヘッド部材を通して第2のポートから第1の端部へ向けて延在するように配置された管を備える。管は、導管の一部内に摺動可能に受けられる。このようにして、第2のポートは、ヘッド部材上に設けられ、コンパクトかつ便利な構成で導管に流体接続される。導管は、ヘッド部材が導管に対して移動するときに、空圧シリンダーに流体接続されたままとなる。
【0047】
適切には、第1のポートは、コア部材上に配置され、コア部材の周りに取り付けられたスリーブを通して延在する開口部と位置合わせされ、開口部は、ハウジングがコア部材に対して移動するときに第1のポートが開口部を通してアクセス可能なままであるように構成される。
【0048】
或る特定の例は、圧縮空気供給源によってグリップアセンブリに供給される空気圧によって実現可能な保持力を超える、好ましくはその倍量である保持力を提供するようにサンプル保持部を付勢する。
【0049】
或る特定の例は、グリップアセンブリに供給される圧縮空気からの空気圧のみによって実現される力よりも著しく大きい力でサンプルを保持するようにサンプル保持部を付勢することによって、保持力を実現する。
【0050】
或る特定の例は、より確実な保持力を提供する。特に、保持力は、サンプルがサンプル保持部から滑るリスクなしに、増大した機械力を使用してサンプルを試験することを可能にする。
【0051】
或る特定の例は、よりコンパクトなグリップアセンブリを提供する。特に、力増倍器は、コンパクトな構成でグリップアセンブリ内に設けられる。
【0052】
或る特定の例は、より低い圧力で供給される圧縮空気を使用して確実な保持力が実現されることから、より効率的に保持力を提供する。
【0053】
ここで、単に例示として、以下で添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】既知の材料試験装置を示す斜視図である。
図2】一例示のグリップアセンブリを示す斜視図である。
図3図2の例の例示のグリップアセンブリを示す断面図である。
図4図4(a)は図2の例のコア部材のサブアセンブリを示す上方斜視図であり、図4(b)は図2の例のコア部材のサブアセンブリを示す下方斜視図である。
図5図2の例のサブアセンブリを示す下方斜視図である。
図6図2の例の更なるサブアセンブリを示す下方斜視図である。
図7】別の例示のグリップアセンブリを示す断面図である。
図8】更なる例示のグリップアセンブリをアセンブリの一部の拡大斜視図とともに示す斜視図である。
図9】別の例示のグリップアセンブリを示す断面図である。
図10】更なる例示のグリップアセンブリを示す斜視図である。
図11図10の例示のグリップアセンブリを示す断面図である。
図12】別のグリップアセンブリを示す断面図である。
図13】更に別の例示のグリップアセンブリを示す断面図である。
図14図14(a)は一対のジョーの事前設定間隔が最大間隔である更に別の例示のグリップアセンブリを示す断面図であり、図14(b)は一対のジョーの事前設定間隔が最小間隔である更に別の例示のグリップアセンブリを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図面において、同様の参照番号は同様の部分を指す。
【0056】
以下の説明で使用される或る特定の用語は、便宜上のものにすぎず、限定するものではない。「下方」及び「上方」という用語は、参照される図面における方向を示し、組み立てられて取り付けられたときの記載の構成要素に対するものである。「内方」、「内方へ」及び「外方」、「外方へ」は、それぞれ、記載されている要素の指定された中心線又は幾何学的中心(例えば、中心軸)へ向かう方向及びそこから離れる方向を指し、特定の意味は、説明の文脈から容易に明らかとなる。
【0057】
さらに、本明細書において使用される場合、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」、及び「取り付けられた(mounted)」という用語は、間に他の部材が介在しない2つの部材間の直接的な接続、及び間に1つ以上の他の部材が介在する部材間の間接的な接続を含むことが意図される。この用語は、具体的に上述した単語、その派生語、及び同様の意味の単語を含む。
【0058】
さらに、別段の指定がない限り、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「一次」、「二次」等の順序を表す形容詞の使用は、単に、同様の対象物の異なる例が参照されていることを示すものであり、そのように記載されている対象物が、時間的、空間的、ランク付け、又は他の任意の様式のいずれかにおいて、所与の配列でなければならないことを暗に示すことを意図しない。
【0059】
本明細書において使用される場合、「クロスヘッド」は、方向のある力(軸方向力)及び/又は回転力を試料に印加するために使用される材料試験システムの構成要素を指す。材料試験システムは、1つ以上のクロスヘッドを有することができ、クロスヘッド(複数の場合もある)は、材料試験システムにおいて任意の適切な位置及び/又は方位に配置することができる。
【0060】
ここで図1を参照すると、機械特性試験を実行する一例示の材料試験システム100が示されている。例示の材料試験システム100は、例えば、静止機械試験が可能である万能試験システムとすることができる。材料試験システム100は、例えば、圧縮強さ試験、引張強さ試験、せん断強さ試験、曲げ強さ試験、撓み強さ試験、引裂強さ試験、剥離強さ試験(例えば、接着剤結合の強さ)、ねじり強さ試験、及び/又は他の任意の圧縮及び/又は引張試験を実行することができる。加えて又は代替的に、材料試験システム100は、動的試験を実行することができる。
【0061】
例示の材料試験システム100は、試験装置102と、試験装置102に通信可能に結合されたコンピューティングデバイス104とを備える。試験装置102は、試験対象サンプル材料106に負荷を印加し、試験対象サンプル106の変位及び/又は試験対象サンプル材料106に印加された力等の試験の機械特性を測定する。
【0062】
例示のコンピューティングデバイス104を使用することで、試験装置102を構成し、試験装置102を制御し、及び/又は処理、表示、報告、及び/又は他の任意の所望の目的のために試験装置102からの測定データ(例えば、力及び変位等のトランスデューサー測定値)及び/又は試験結果(例えば、ピーク力、破断変位等)を受信することができる。
【0063】
図示の例において、試験装置102は、第1のクロスヘッド108と第2のクロスヘッド109とを備える。各クロスヘッドには、グリップアセンブリ112、113が取り付けられている。各グリップアセンブリは、試験対象サンプル106の機械特性を試験するときに試験対象サンプル106の一部を保持するために使用される。各グリップアセンブリ112、113は、材料サンプルを保持する保持力を印加するサンプル保持部、典型的には把持ジョー(gripping jaws)を備える。保持力は、典型的には、空圧アクチュエータによって提供される。
【0064】
第1のクロスヘッド108は、静止クロスヘッドであり、第1のクロスヘッド108に取り付けられたそれぞれのグリップアセンブリ112は、試験対象サンプル106に負荷が印加されるときには静止したままである。第2のクロスヘッド109は、可動クロスヘッドであり、試験装置102内で移動して、試験対象サンプル106に負荷を印加する。第2のクロスヘッド109の移動は、コンピューティングデバイス104によって制御される。本明細書に記載の例示のグリップアセンブリは、静止クロスヘッド及び可動クロスヘッドの両方に取り付けることができ、それらとともに使用することができる。
【0065】
ここで図2及び図3を参照すると、図1を参照して説明した材料試験機械100等の材料試験機械において試験用サンプルを保持する例示のグリップアセンブリ200が示されている。
【0066】
グリップアセンブリ200は、第1の端部221から第2の端部222まで中心軸Aに沿って延在するコア部材220を備え、コア部材220は、空圧体積領域236を囲む空圧シリンダー234を有する本体部230を備える。第1の端部221は、グリップアセンブリ200を、クロスヘッド(図示せず)、例えば、図1を参照して説明した静止の第1のクロスヘッド108又は可動の第2のクロスヘッド109に解放可能に取り付けるように構成される。また、グリップアセンブリ200は、空圧シリンダー234内に摺動可能に受けられるとともに、空圧シリンダー234に沿って、空圧体積領域236を拡張させる第1の方向及び空圧体積領域236を収縮させる反対の第2の方向に移動可能となるように配置された空圧ピストンヘッド271も備える。ハウジング260が設けられており、ハウジング260は、ハウジング260がコア部材220に対して第1の端部221へ向かう第1の軸方向及び反対の第2の軸方向に移動可能となるように、本体部230の周りに同軸に取り付けられたスリーブ部材261を備える。グリップアセンブリ200は、サンプル保持部280と駆動部材240とを更に備える。サンプル保持部280は、第2の端部222に配設され、試験用サンプルに保持力を選択的に印加するように構成される。駆動部材240は、サンプル保持部280に接触係合するように構成される。グリップアセンブリ200は、空圧ピストンヘッド271が第1の方向に移動することに応答して、ハウジング260が第1の軸方向に移動し、それにより、駆動部材240をサンプル保持部280に対して付勢して保持力を提供するように構成される。
【0067】
第1の端部221は、任意の好適な既知の方法で、例えば、第1の端部221及びクロスヘッドにおける互いに位置合わせされた開口部を通して挿入される係止ピンによって、クロスヘッドに取り付けられる。
【0068】
この例において、グリップアセンブリ200の空圧シリンダー234は、コア部材220の中心軸Aと同軸になるように方向付けされる。このようにして、空圧ピストンヘッド271の移動の第1の方向が第1の軸方向となり、移動の第2の方向が第2の軸方向となる。
【0069】
コア部材220の本体部230は、第1の端部221と第2の端部222との間に配設される。特に、本体部230は、第1の端部221と第2の端部222との間に軸方向に配設される。第2の端部222は、第1の端部221に対して固定の位置にある。これは、それぞれが本体部230に取り付けられているためである。特に、第2の端部222は、第1の端部221に対して固定の軸方向位置にある。このようにして、第1の端部221がクロスヘッドに取り付けられた状態で、ハウジング260は、コア部材220に対して移動可能であり、また、クロスヘッド及び第2の端部222のそれぞれに対しても移動可能である。有利には、ハウジング260が第1の方向に移動して駆動部材240をサンプル保持部280に対して付勢するとき、第2の端部222及び第2の端部222に配設されたサンプル保持部280の両方は、クロスヘッドに対して固定の位置に留まる。したがって、サンプルが試験のためにサンプル保持部280内に装填されると、サンプル保持部280を軸方向に移動させることなく保持力を印加することができる。
【0070】
本体部230は、ハウジング260のスリーブ261によって実質的に取り囲まれている。本体部230は、第1の本体要素231と第2の本体要素232とを備える。第1の本体要素231及び第2の本体要素232は、互いに選択的に取り付けられて本体部230を形成するように構成される。この例において、第1の本体要素231及び第2の本体要素232は、各本体要素上の好適な位置に設けて配置された適合する締結ボルト及びねじ山を使用してともに固定して取り付けられる。
【0071】
コア部材220は、第1の本体要素231から第1の端部221まで延在する第1のシャフト225を備える。また、コア部材220は、第2の本体要素232から第2の端部222まで延在する第2のシャフト226も備える。第1のシャフト225及び第2のシャフト226のそれぞれは、コア部材220の中心軸Aと同軸である。
【0072】
空圧ピストンヘッド271は、ヘッド部材270上に設けられる。加えて図4(a)及び図4(b)を参照すると、コア部材220の第1の本体要素231と動作可能に係合したヘッド部材270上に設けられた状態の空圧ピストンヘッド271が示されている。ヘッド部材270は、複数の(この例においては6つの)油圧ピストンヘッド273を備える。各油圧ピストンヘッド273は、以下で更に詳細に説明するように、それぞれの二次油圧シリンダー238内に摺動可能に受けられるように、ヘッド部材270から第1の端部221の方向に延在する。各油圧ピストンヘッド273は、本明細書において説明されるように、ヘッド部材270の最大移動距離に少なくとも等しい軸方向長さを有する。
【0073】
ヘッド部材270は、コア部材に対して第1の方向及び第2の方向に移動するように構成される。ヘッド部材270は、コア部材220及びハウジング260の両方に対して移動するように、コア部材220の本体部230内に取り付けられる。換言すれば、コア部材220は、それが取り付けられるクロスヘッドに対して静止する静止支持体を形成し、ハウジング260及びヘッド部材270は、両方が互いに独立して移動するように、クロスヘッドに移動可能に取り付けられる。
【0074】
加えて図5を参照すると、ハウジング260と動作可能に係合された図4(a)及び図4(b)に示されているサブアセンブリを含む別のサブアセンブリが示されている。図5においては、ハウジング260の駆動部材240は示されていない。ハウジング260は、スリーブ261と、スリーブ261の第1の軸方向端部に配設された基部263とを備える。
【0075】
基部263は、スリーブ261から径方向内方に延在し、コア部材220の第1のシャフト225へ向かって延在する。スリーブ261の径方向内面は、第1のシャフト225に当接する。基部263は、ハウジング260がコア部材220に対して移動するとき、第1のシャフト225に対して移動する。
【0076】
空圧ピストンヘッド271は、この例において、空圧シリンダー234の軸に対して垂直に測定された空圧シリンダー234の空気断面積に対応する断面積を有する。空圧ピストンヘッド271は、シリンダー壁と流体密封シールを形成するように、空圧シリンダー内に滑り嵌めされる。
【0077】
加えて図6を参照すると、コア部材220の第2の本体要素232と動作可能に係合された図5のサブアセンブリを含む、更なるサブアセンブリが示されている。第2の本体要素232は、空圧シリンダー234の静止した閉鎖端を形成するように空圧ピストンヘッド271上に配置された状態で示されている。図示されているように、スリーブ261は、第2の本体要素232の周りに延在する。
【0078】
コア部材220の第2のシャフト226は、第2の本体要素232から第2の端部222まで延在する。グリップアセンブリ200は、駆動部材240(図4図6においては図示せず)を更に備え、この駆動部材240は、第2のシャフト226の周りでコア部材220に対して移動可能に、特に軸方向に移動可能に取り付けられることに留意されたい。図示の例においては、駆動部材240は、スリーブ261の第2の軸方向端部においてハウジング260に取り付けられている。スリーブ261の第2の軸方向端部は、ハウジング260に対する閉鎖部を含む。したがって、駆動部材240は、基部263が第1のシャフト225に移動可能に取り付けられる方法に対応する方法で、第2のシャフト226に移動可能に取り付けられる。ハウジング260がコア部材220に対して第1の軸方向に移動すると、駆動部材240が第1の軸方向に移動する。また、ハウジング260が反対の第2の軸方向に移動すると、駆動部材240が第2の軸方向に移動する。
【0079】
ハウジング260が本体部材230に取り付けられた状態で、空圧解放チャンバー269が、第2の本体要素232と閉鎖部との間に形成される。この例において、空圧解放チャンバー269は、圧縮空気が選択的に供給されて、ハウジング260をコア部材220に対して第2の端部222へ向かう方向に移動させるように構成された付勢手段を提供する。このようにして、付勢手段は、本明細書においてより詳細に説明するように、サンプル保持部280内のサンプルに印加された保持力を解放するように作用する。
【0080】
グリップアセンブリ200は、油圧システムを更に含む。油圧システムは、空圧シリンダー234及び空圧ピストンヘッド271の両方と動作可能に係合して、力増倍器を提供する。すなわち、空圧ピストンヘッド271の第1の方向への移動によって提供される空圧力に応答して、油圧システムは、増大した出力を生成する。出力油圧力としても知られる出力は、空圧力の倍量である。油圧システムは、その出力が駆動部材240をサンプル保持部280に対して付勢して保持力を提供するように構成される。このようにして、グリップアセンブリ200は、グリップアセンブリ200内に生成された空圧力を超える、好ましくはその倍量である出力によって付勢されるサンプル保持部280に保持力を提供する。
【0081】
油圧システムは、ハウジング260内に形成された一次油圧シリンダー265を含む。一次油圧シリンダー265は、一次油圧体積領域266を囲む。ハウジング260は、コア部材220の本体部230と係合するように構成され、その結果、ハウジング260がコア部材220に対して第1の軸方向に移動するときに一次油圧体積領域266が拡張し、ハウジング260がコア部材220に対して反対の第2の軸方向に移動するときに一次油圧体積領域が収縮する。図示の例において、一次油圧シリンダー265は、コア部材220の中心軸と同軸になるように方向付けされる。加えて、一次油圧シリンダー265は、コア部材220に対して第1の軸方向に3.7mmの距離だけ移動するように構成される。換言すれば、コア部材220に対するハウジング260の軸方向移動の範囲は3.7mmである。
【0082】
一次油圧シリンダー265は、一次断面積を有する。すなわち、一次油圧シリンダー265は、ハウジング260の移動軸に対して垂直に測定された一次断面積を有する。この例において、一次断面積は、基部263の内面の断面積である。一次断面積は、9313mmである。
【0083】
また、油圧システムは、複数の二次油圧シリンダー238を備え、この例においては6つの二次油圧シリンダー238を備える。各二次油圧シリンダー238は、一次油圧体積領域266に流体接続されたそれぞれの二次油圧体積領域239を囲む。すなわち、各二次油圧体積領域239は、二次油圧シリンダー238の開放端を介して一次油圧体積領域266に流体接続される。
【0084】
油圧ピストンヘッド273が、二次油圧シリンダー238のそれぞれに摺動可能に受けられるように配置され、二次油圧シリンダー238に沿って、二次油圧体積領域239を収縮させる第3の方向及び二次油圧体積領域239を拡張させる反対の第4の方向に移動可能である。この例においては、6つの油圧ピストンヘッド273が設けられている。さらに、ヘッド部材270、したがって各油圧ピストンヘッド273は、第1の軸方向に対応する第3の方向に27mmの距離だけ移動するように構成される。換言すれば、コア部材220に対するヘッド部材270の軸方向移動の範囲は27mmである。
【0085】
また、空圧ピストンヘッド271が取り付けられたヘッド部材270には、油圧ピストンヘッド273も取り付けられる。各油圧ピストンヘッド273は、ヘッド部材270からコア部材220の第1の端部へ向かう方向に突出するように配置される。
【0086】
油圧ピストンヘッド273は、ヘッド部材270、油圧ピストンヘッド273、及び空圧ピストンヘッド271が単一で一体の構成要素として形成されるように、ヘッド部材270とともに形成されてもよい。代替的に、空圧ピストンヘッド、及び/又は油圧ピストンヘッドのうちの1つ以上は、ヘッド部材に解放可能に取り付けられてもよい。空圧ピストンヘッドは、任意の好適な方法で、例えば、係止ナットを使用してヘッド部材のねじ山付き部分に係合するように固定することによって、ヘッド部材に解放可能に取り付けてもよい。
【0087】
二次油圧シリンダー238のそれぞれは、二次中心軸を含む。二次油圧シリンダー238は、各第2の中心軸がコア部材220の中心軸と平行になるように配置される。したがって、各二次油圧シリンダー238の第3の方向への移動は第1の軸方向への移動に対応し、各二次油圧シリンダー238の第4の方向への移動は第2の軸方向への移動に対応する。
【0088】
それぞれの第2の中心軸は、コア部材220の中心軸Aの周りに周方向に配置される。これに対応して、油圧ピストンヘッド273は、ヘッド部材270の周りに周方向に配置される。この例において、二次中心軸は、中心軸Aの周りに均等に離隔され、これに対応して、油圧ピストンヘッド273は、ヘッド部材270の周りに均等に離隔される。しかしながら、二次中心軸及び油圧ピストンヘッドの任意の好適な配置が提供されてもよい。周方向及び径方向の間隔は、二次油圧シリンダー及び二次油圧ピストンヘッドの配置に適合するように変更されてもよい。
【0089】
二次油圧シリンダー238のそれぞれは、本体部230を通して形成される。特に、この例においては、各二次油圧シリンダー238は、第1の本体要素231を通して形成される。すなわち、第1の本体部231は、第1の本体部231を通して延在するとともにそれぞれの油圧ピストンヘッド273を受けるように配置される、複数の(この例においては6つの)二次油圧シリンダー238を備える。
【0090】
各二次油圧シリンダー238は、二次油圧シリンダー238の中心軸に対して垂直に測定された断面積を有する。これにより、二次油圧シリンダー238は、グリップアセンブリ200の全ての二次油圧シリンダー238の総断面積に対応する二次断面積を累積的に提供する。この例において、6つの二次油圧シリンダー238のそれぞれは、201mmの断面積を有し、1206mmの二次断面積を提供する。したがって、一次断面積:二次断面積の比は、9313/1206=7.72である。
【0091】
一次断面積:二次断面積の比は、油圧システムの出力を生成するために空圧ピストンヘッド271に印加される空圧力に対する倍率である。例示のグリップアセンブリ200において、倍率は7.72である。空圧シリンダー234内の空圧ピストンヘッド271に印加される空圧力は、7.72倍となり、駆動部材240をサンプル保持部280に対して付勢して保持力を印加するための出力を生成する。空圧ピストンヘッドは7854mmの面積を有する。グリップアセンブリ200の空圧シリンダー234に供給される0.6MPa(6バール)の圧力の圧縮空気は、4.7kNの空圧力を生成し、この空圧力は、駆動部材240を付勢するための36.3kNの出力に増大する。
【0092】
グリップアセンブリ200は、コア部材220の第2の端部222に取り付けられたサンプル保持部280を備える。サンプル保持部280は、互いに対向する一対のジョーを備える。一対のジョー281は、第2の端部222に取り付けられ、第2の端部222に対して中心軸を横断する方向へ摺動可能に移動するように構成される。ジョー281は、互いに向かって摺動し、すなわち径方向内方に摺動して、ジョー281間に設置されたサンプルに保持力を加える。ジョー281は、互いから離れるように摺動して、すなわち径方向外方に摺動して、サンプルから保持力を解放する。
【0093】
駆動部材240は、ハウジング260から延在して、サンプル保持部280と接触係合する。この例において、駆動部材240は、一対のジョー281の径方向外方に配置された互いに対向する一対の係合面241を備える。明らかとなるように、駆動部材240及びその一対の係合面241のそれぞれは、ハウジング260がコア部材220に対して移動すると移動する。したがって、駆動部材240及び一対の係合面241のそれぞれは、第1の端部221へ向かう第1の軸方向、及び反対の第2の軸方向に移動する。特に、コア部材220が静止したままの状態で、一対の係合面241のそれぞれが第1の軸方向に移動すると、それらは、第2の端部222及びそれに取り付けられたサンプル保持部280の両方に向かって移動する。そして、一対の係合面241は、第2の軸方向に移動すると、第2の端部222及びサンプル保持部280の両方から離れるように移動する。
【0094】
このようにして、グリップアセンブリは、サンプル保持部280が静止したままである間、サンプルに保持力を提供するように構成される。さらに、ハウジング260を第1の端部221へ向けて移動させることによって、便利にコンパクトなグリップアセンブリが提供される。
【0095】
各係合面241は、中心軸Aに対して15度で角度付けされる。すなわち、各係合面241は、中心軸Aに対して15度の角度でハウジング260に面する。各係合面241は、サンプル保持部280に接触係合し、それにより、サンプル保持部280を付勢して保持力を提供するように構成される。特に、係合面241のそれぞれは、ジョー281の面取りされた外面に当接する。このようにして、駆動部材240が第1の軸方向に移動すると、各係合面241は、それぞれの面取りされた外面に作用して、サンプル保持部280のジョーを径方向内方に付勢し、それにより、保持力を提供する。
【0096】
駆動部材240の係合面241がそれぞれの面取りされた外面を付勢する力は、ハウジング260を第1の軸方向に移動させるために印加される力に依存する。したがって、油圧システムを使用することによって、空圧力が増大し、供給された圧縮空気から生成された空圧力のみを使用して提供されるよりもかなり大きい保持力を提供する。
【0097】
係合面241及び面取りされた外面のそれぞれの角度により、駆動部材240の付勢による一対のジョーの移動の範囲は2mmである。すなわち、一対のジョーの各ジョー281の径方向移動の範囲は1mmである。
【0098】
任意選択で、サンプル保持部280は、サンプルに保持力を印加する前に、一対のジョーの間に調整可能な事前設定間隔を含むことができる。このようにして、一対のジョーは、それらが保持すべきサンプルの厚さ及び一対のジョーの移動の範囲に従って調整することができる。事前設定間隔は、保持力が印加される前に、一対のジョーを互いに向けて又は互いに離れるように移動させるように、使用者によって選択的に調整可能であってもよい。
【0099】
理解されるように、サンプル保持部は、グリップアセンブリの駆動手段とともに使用するのに適した任意の好適な構成とすることができる。代替的な例においては、図2図6を参照して説明した例とは対照的に、サンプル保持部の一対のジョーは、駆動部材に取り付けることができる。特に、一対のジョーは、それぞれの係合部に、各ジョーが中心軸Aに対して或る角度で係合部に沿って摺動可能となるように、取り付けることができる。ジョーは、それぞれ第2の端部に当接し、その結果、使用時に、ジョーが駆動部材とともに第1の軸方向に移動することを第2の端部が防止する。それにより、ジョーは、各係合面の遠位端へ向けて摺動することによって互いに向けて移動して、ジョーの間に設置されたサンプルに保持力を印加する。サンプルが試験された後、ジョーは、各係合面の遠位端から離れるように摺動することによって互いから離れるように移動して、サンプルから保持力を解放する。
【0100】
グリップアセンブリ200は、圧縮空気の主供給源に接続可能な第1のポートを、空圧シリンダー234内に開口する第2のポートに流体接続するように構成された導管(図示せず)を更に備える。典型的には、圧縮空気の主供給源は、使用者によって操作されるコントローラーによって、又は試験機械に関連付けられたコンピューティングデバイスによって、グリップアセンブリに選択的に提供される。導管及びポートは、本明細書において開示される例のいずれかを参照して説明されるもの等の任意の好適な導管構成とすることができる。
【0101】
グリップアセンブリは、複数の封止手段を含む。封止手段は、構成要素が互いに対して移動するときに構成要素間に流体シールを提供する。このようにして、それぞれの空圧体積領域及び油圧体積領域は、漏れが生じないように封止される。封止手段は、当該技術分野において知られているような任意の好適な寸法及び材料とすることができる。典型的には、空圧構成要素用の封止手段は、Oリングを含む。Oリングは、ゴム製のOリングとすることができる。Oリングは、丸い断面プロファイルを有することができ、典型的には、プロファイルは、5.3mmの直径を有する。典型的には、油圧構成要素用の封止手段は、Uカッププロファイルを含む。油圧シールは、ゴム又は他の好適なポリマーから形成することができる。Uカッププロファイルは、5mmの断面幅を有することができる。
【0102】
グリップアセンブリ200は、サンプルの試験が完了した後にジョーを解放するために又はハウジング260を第2の軸方向に移動させるために使用されるような付勢手段を更に含む。各付勢手段は、複数のばね268を備えることができる。この例においては、一連の凹部239が、第2の本体要素232の上方のチャンバー269内に設けられる。各凹部239は、付勢手段のそれぞれのばね268を配置するように受ける。空気圧が空圧シリンダー234から解放されると、ハウジング260は、駆動部材240をサンプル保持部280に対して付勢する出力を受けなくなる。したがって、付勢手段は、構成要素間のいかなる慣性又は固着にも打ち勝ち、ハウジング260が第2の軸方向に移動し、一次油圧シリンダー内の油圧流体を二次油圧シリンダー238へ向けて付勢することを確実にする。
【0103】
加えて又は代替的に、チャンバーは、空圧解放圧力が選択的に供給される、空圧解放チャンバーであってもよい。チャンバーは、空気圧が空圧シリンダーから解放されるときに空圧解放圧力がチャンバーに提供されるように構成されてもよい。このようにして、空圧解放圧力は、構成要素間のいかなる慣性又は固着にも打ち勝ち、ハウジングが第2の軸方向に移動することを確実にするように作用する。任意選択で、付勢手段は、空圧解放圧力とばねとの任意の好適な組合せを含むことができる。
【0104】
使用時に、グリップアセンブリ200は、材料試験機械のクロスヘッドに取り付けられ、圧縮空気の供給源に接続される。最初は、圧縮空気はグリップアセンブリ200内に搬送されない。空圧ピストンヘッド271は、空圧体積領域236が最小空圧体積領域236まで収縮されるように第1の位置に配設される。その結果、ハウジング260は、コア部材220に対して第1の端部221から最大距離に配置される。駆動部材240は、サンプル保持部280に接触係合するが、サンプル保持部280に対して付勢されない。サンプル保持部280の一対のジョー281間の間隔は、最大距離である。
【0105】
明らかとなるように、空圧ピストンヘッド271が第1の位置にある状態で、各二次油圧シリンダー238の二次油圧体積領域239は、最大まで拡張する。油圧システム内の油圧流体は、各二次油圧体積領域239を充填する。油圧システムが固定の体積領域を収容するとき、一次油圧体積領域266は最小に収縮される。付勢手段は、ハウジング260が第1の位置に付勢されることを確実にするためにハウジング260に作用する実質的に唯一の力を提供する。
【0106】
試験用サンプルを材料試験機械に装填するために、サンプルは、一対のジョー281の間の間隔に設置される。コントローラーは、グリップアセンブリ200に圧縮空気を供給するように操作される。
【0107】
圧縮空気は、第1のポート、導管、及び第2のポートを介して空圧シリンダー234に搬送され、それにより、上昇した空気圧を空圧シリンダー234内に提供する。空気圧は、空圧ピストンヘッド271に作用して、空圧ピストンヘッド271を空圧シリンダー234に沿って第1の軸方向に移動させる。空圧ピストンヘッド271は、空圧力を提供する。明らかとなるように、空圧ピストンヘッド271は、空気圧がグリップアセンブリ200内の付勢手段によって提供されるいかなる残留力にも打ち勝って初めて移動する。しかしながら、典型的には、残留力は、空気圧によって提供される力と比較して比較的小さく、その結果、供給された圧縮空気から空気圧が提供されると、空圧ピストンヘッド271を実質的に妨げることなく残留力に打ち勝つ。
【0108】
空圧ピストンヘッド271は、第1の軸方向に移動し、空圧力を提供し、油圧システムに作用して、各油圧ピストンヘッド273をそれぞれの二次油圧シリンダー238内で第1の軸方向に移動させる。各油圧ピストンヘッド273は、そのそれぞれの二次油圧シリンダー238内に増大した油圧を提供し、油圧流体を一次油圧シリンダー265内に押し込む。これにより、一次油圧シリンダー265が伸長し、ハウジング260を第1の軸方向に移動させる。
【0109】
ハウジング260は、第1の軸方向に移動し、駆動部材240をサンプル保持部280に対して付勢し、各ジョーがサンプルに接触するまで一対のジョー281間の間隔を減少させる。サンプルがジョーと接触した状態で、空圧シリンダー234内の空気圧は、ハウジング260を第1の軸方向に付勢し続け、駆動部材240をサンプル保持部280に対して付勢して、試験用サンプルを保持するための保持力を提供する。
【0110】
サンプルに保持力が作用している状態で、空圧ピストンヘッド271は第2の位置に配設される。第2の位置では、空圧体積領域236は、サンプル保持部280内に保持されたサンプルの最大空圧体積領域まで拡張する。その結果、特定のサンプルについて、ハウジング260は、コア部材220に対して、第1の端部221から最小距離に配設される。
【0111】
空圧ピストンヘッド271が第2の位置にある状態で、各二次油圧シリンダー238の二次油圧体積領域239は、特定のサンプルのための最小二次油圧体積領域まで収縮し、一次油圧体積領域266は、最大一次油圧体積領域まで対応して拡張する。
【0112】
サンプルの試験が完了すると、コントローラーは、グリップアセンブリへの圧縮空気の搬送を停止し、空気圧を解放するように操作される。その後、付勢手段は、構成要素間のいかなる慣性又は固着にも打ち勝ち、ハウジング260が第2の軸方向に移動することを確実にする。付勢手段は、ハウジング260、油圧ピストンヘッド273、及び空圧ピストンヘッド271をそれぞれの第1の位置に戻す。
【0113】
ここで図7を参照すると、材料試験機械において試験用サンプルを保持する別の例示のグリップアセンブリ300が示されている。特徴が前出の例と同じである場合、参照番号は、最初の数字が「3」であることを除いて同じである。アセンブリは、図2図6を参照して説明した例と実質的に同じである、空圧シリンダー334を備えたコア部材320と、空圧ピストンヘッド371と、ハウジング360とを備える。グリップアセンブリ300の油圧システムは、空圧力の対応する増加を提供して出力を生成するが、複数の油圧ピストンヘッド及び二次油圧シリンダーの代わりに、システムは、1つの油圧ピストンヘッド373及び1つの二次油圧シリンダー338を有する。
【0114】
空圧ピストンヘッド371は、コア部材320の本体部330内に取り付けられたヘッド部材370に取り付けられて、コア部材320及びハウジング360の両方に対して移動する。ヘッド部材370は、二次油圧シリンダー338内に摺動可能に受けられるように、ヘッド部材370から第1の端部321の方向に延在する油圧ピストンヘッド373を備える。二次油圧シリンダー338は、コア部材320の中心軸Aと位置合わせされた二次中心軸を備える。したがって、油圧ピストンヘッド373は、二次油圧シリンダー338内に受けられたときに中心軸Aに沿って延在するように対応して配置される。二次油圧シリンダー338は、二次油圧シリンダー338の中心軸に対して垂直に測定される二次断面積を有する。
【0115】
二次油圧シリンダー338は、第1の本体要素331内で第1のシャフト325に向かって軸方向に延在する。このようにして、ハウジング360の基部363は、二次油圧シリンダー338の周りで第1のシャフト325に当接する径方向内側表面を備える。
【0116】
複数の開口部337が、第1のシャフト325を通して形成され、二次油圧シリンダー338を一次油圧シリンダー365に流体接続する。この例においては、複数の開口部337は、二次油圧シリンダー338を収容する第1のシャフト325の一部を通して延在する一対の径方向に方向付けされた開口部337である。開口部337は、二次油圧シリンダー338に沿った油圧ピストンヘッド373の軸方向移動の限界を超えて配置される。このようにして、開口部337は、油圧ピストンヘッド373がコア部材320に対して移動するときに遮断されないままである。
【0117】
この例においては、二次油圧シリンダー338は、1075mmの断面積を有する。二次断面積も1075mmである。一次断面積は、図2図6を参照して説明した例と同じであり、9313mmである。したがって、一次断面積:二次断面積の比は、9313/1075=8.66である。
【0118】
一次断面積:二次断面積の比は、油圧システムの出力を生成するために空圧ピストンヘッド371に印加される空圧力に対する倍率である。例示のグリップアセンブリ300において、倍率は8.66である。空圧シリンダー334内の空圧ピストンヘッド371に印加される空圧力は、8.66倍となり、駆動部材340をサンプル保持部380に対して付勢して保持力を印加するための出力を生成する。グリップアセンブリ300の空圧シリンダー334に供給される0.6MPa(6バール)の圧力の圧縮空気は、4.7kNの空圧力を生成し、この空圧力は、駆動部材340を付勢するための40.7kNの出力に増大する。
【0119】
使用時に、グリップアセンブリは、図2図6を参照して説明した例と実質的に同じように動作するが、第1の軸方向への油圧ピストンヘッド373の移動により、油圧流体が二次油圧シリンダー338から複数の開口部337を通って一次油圧シリンダー365に押し出される点が異なる。一次油圧シリンダー365は、ハウジング360の移動軸に対して垂直に測定された一次断面積を有する。油圧流体圧力は、一次油圧シリンダー365内で全ての方向に等しく作用し、その結果、油圧システムは、一次断面積:二次断面積の比に従って空圧力に増大効果を適用して、油圧システムの出力を生成する。出力は、ハウジング360を第1の軸方向に付勢する。
【0120】
ここで図8及び図9を参照すると、材料試験機械において試験用サンプルを保持する別の例示のグリップアセンブリ400が示されている。特徴が前出の例と同じである場合、参照番号は、最初の数字が「4」であることを除いて同じである。アセンブリは、図2図6を参照して説明した例と実質的に同じである、空圧シリンダー434を備えたコア部材420と、空圧ピストンヘッド471と、ハウジング460とを備える。
【0121】
グリップアセンブリ400は、圧縮空気の主供給源に接続可能な第1のポート491を、空圧シリンダー434内に開口する第2のポート492に流体接続するように構成された導管を備える。
【0122】
第1のポート491は、コア部材420上に配置され、コア部材420の周りに取り付けられたスリーブ461を通して延在する開口部469と位置合わせされる。開口部469は、ハウジング460がコア部材420に対して移動するときに第1のポート491が開口部469を通してアクセス可能なままであるように構成される。
【0123】
この例においては、開口部469は、ハウジング460とコア部材420との間の軸方向移動の範囲よりも大きい長さを有する細長い開口部である。したがって、使用時に、図8に示されているように、ハウジング460が第1の位置にある状態で、第1のポート491は、開口部469の第1の端部469aに対して近位のスリーブ461を通して延在する。ハウジング460がコア部材420に対して図8の矢印Bで示されている第1の軸方向に移動すると、スリーブ461は、開口部469の第2の端部469bが第1のポート491に接触することなく第1のポート491に接近するように移動する。したがって、ハウジング460は、その第2の位置に移動し、第1のポート491と干渉することなく、駆動部材440をサンプル保持部480に対して付勢する。圧縮空気の主供給源は、ハウジング460がコア部材420に対して移動するときに維持される。
【0124】
ここで図10及び図11を参照すると、材料試験機械において試験用サンプルを保持する別の例示のグリップアセンブリ500が示されている。特徴が前出の例と同じである場合、最初の数字が「5」であることを除いて、参照番号は同じである。グリップアセンブリ500は、図2図6を参照して説明した例と実質的に同じである、空圧シリンダー534を備えたコア部材520と、空圧ピストンヘッド571と、ハウジング560とを備える。
【0125】
グリップアセンブリ500は、図2図6を参照して説明した例と実質的に同じ油圧システムを備えており、ヘッド部材570は、ヘッド部材570から第1の端部521の方向に延在する6つの油圧ピストンヘッド573を備える。各油圧ピストンヘッド573は、第1の本体要素531を通して形成されたそれぞれの二次油圧シリンダー538内に摺動可能に受けられる。各二次油圧シリンダー538は、二次油圧シリンダー538の開放端が一次油圧シリンダー565に流体接続されるように配置される。すなわち、各二次油圧体積領域539は、一次油圧体積領域566に流体接続される。
【0126】
グリップアセンブリ500は、圧縮空気の主供給源に接続可能な第1のポート591を空圧シリンダー534内に開口する第2のポート592に流体接続するように構成された導管590を備える。第1のポート591は、コア部材520上で第1の端部521に設けられる。コネクタ595が第1のポート591内に取り付けられて、第1のポート591が圧縮空気の主供給源の空気ラインに接続することを可能にする。
【0127】
導管590は、コア部材520の中心軸Aに沿って第2のポート592まで延在する。特に、導管590は、コア部材520の第1のシャフト525を通して第1の端部521から第1の本体要素531まで軸方向に延在する。
【0128】
空圧ピストンヘッド571は、コア部材520に対して移動可能なヘッド部材570上に設けられる。ヘッド部材570は、導管590と入れ子状に係合するように、ヘッド部材570を通して第2のポート592から第1の端部521へ向けて延在するように配置された管575を備える。すなわち、管575は、導管590の一部内に摺動可能に受けられる。このようにして、第2のポート592は、ヘッド部材570上に設けられ、コンパクトかつ便利な構成で導管590に流体接続される。導管590は、ヘッド部材570が導管590に対して移動するときに、空圧シリンダー534に流体接続されたままである。
【0129】
この例においては、6つの二次油圧シリンダー538のそれぞれは、201mmの断面積を有し、1206mmの二次断面積を提供する。一次断面積は、図2図6を参照して説明した例と同じである。
【0130】
この例においては、一次断面積は9313mmである。したがって、一次断面積:二次断面積の比は、9313/1206=7.72である。
【0131】
一次断面積:二次断面積の比は、油圧システムの出力を生成するために空圧ピストンヘッド571に印加される空圧力に対する倍率である。例示のグリップアセンブリ500において、倍率は7.72である。空圧シリンダー534内の空圧ピストンヘッド571に印加される空圧力は、7.72倍となり、駆動部材540をサンプル保持部580に対して付勢して保持力を印加するための出力を生成する。
【0132】
グリップアセンブリ500の空圧シリンダー534に供給される0.6MPa(6バール)の圧力の圧縮空気は、4.6kNの空圧力を生成する。第2のポート592が空圧ピストンヘッド571を通して設けられることから、この例の空圧力は、図2図6の例と比較して低減される。このように、空圧ピストンヘッド面積は、第2のポート592の断面積を含まない。これにより、空圧ピストンヘッド面積は201mmだけ減少して7653mmとなり、その結果、空圧力が4.6kNとなる。空圧力は、7.72倍となり、駆動部材540を付勢する35.4kNの出力となる。
【0133】
ここで図12を参照すると、材料試験機械において試験用サンプルを保持する更なる例示のグリップアセンブリ600が示されている。特徴が前出の例と同じである場合、参照番号は、最初の数字が「6」であることを除いて同じである。グリップアセンブリ600は、図2図6を参照して説明した例と実質的に同じである、空圧シリンダー634を備えたコア部材620と、空圧ピストンヘッド671と、ハウジング660とを備える。
【0134】
グリップアセンブリは、空圧解放チャンバー669を備えた付勢手段を備える。空圧解放チャンバー669は、第1の本体要素とヘッド部材との間に画定された体積領域内に設けられる。このようにして、6つの油圧ピストンヘッド673は、ヘッド部材670から空圧解放チャンバー669を通して延在する。油圧ピストンヘッド673は、空圧解放チャンバー669を通して第1の端部621の方向に延在する。
【0135】
グリップアセンブリ600は、圧縮空気の主供給源に接続可能な第1のポートを空圧シリンダー634内に開口する第2のポートに流体接続するように構成された第1の導管(図示せず)を備える。任意選択で、コネクタが第1のポート内に取り付けられ、第1のポートが圧縮空気の主供給源の空気ラインに接続することを可能にする。
【0136】
また、グリップアセンブリ600は、圧縮空気の主供給源に接続可能な第1の解放ポート691’を空圧解放チャンバー669内に開口する第2の解放ポート692’に流体接続するように構成された第2の導管690’を備える。第1の解放ポート691’は、コア部材620上で第1の端部621に設けられる。任意選択で、コネクタが第1の解放ポート691’内に取り付けられ、第1の解放ポート691’が圧縮空気の主供給源の更なる空気ラインに接続することを可能にする。
【0137】
第2の導管690’は、コア部材620の中心軸Aに沿って第2の解放ポート692’まで延在する。特に、第2の導管690’は、コア部材620の第1のシャフト625を通して第1の端部621から第1の本体要素631まで軸方向に延在する。
【0138】
使用時に、サンプルの試験が完了した後、保持力を提供する空気圧が空圧シリンダー634から解放されるときに、サンプルを除去するために空圧解放チャンバー669が使用される。圧縮空気は、第2の導管690’を介して空圧解放チャンバー669の第2の解放ポート692’に選択的に供給される。それにより、空圧解放圧力が空圧解放チャンバー669に提供されて、ヘッド部材670をその第1の位置へ向けて移動させる。空圧解放チャンバー669内の空圧解放圧力は、ヘッド部材670を第2の端部へ向けて移動させ、それにより、構成要素間のいかなる慣性又は固着にも打ち勝ち、ハウジングが第2の軸方向に移動することを確実にする。任意選択で、付勢手段は、ハウジングを第2の軸方向に移動させるために好適なばねも備えてもよい。
【0139】
図12に示されている例においては、油圧システムは、図2図6を参照して説明した例と実質的に同じである。一次油圧シリンダー665は、ハウジング660の基部663の内面に設けられた一連の凹部664を備える。各凹部664は、それぞれの二次油圧シリンダー638と軸方向に位置合わせされる。
【0140】
各油圧ピストンヘッド673は、第1の本体要素を通して形成されたそれぞれの二次油圧シリンダー638内に摺動可能に受けられる。第1の軸方向に移動するとき、各油圧ピストンヘッド673は、二次油圧シリンダー638を通してそれぞれの凹部664へ向けて移動する。各油圧ピストンヘッド673を受ける一連の凹部664を設けることによって、更にコンパクトなグリップアセンブリが提供される。
【0141】
一次油圧シリンダー665は、一次断面積を有する。すなわち、一次油圧シリンダー665は、ハウジング660の移動軸に対して垂直に測定された一次断面積を有する。この例においては、一次断面積は、基部663の内面と、その中に設けられた一連の凹部664の閉鎖端との両方の総断面積である。このように、一次断面積は、凹部が基部663の内面に設けられていない場合と同じである。この例においては、一次断面積及び二次断面積は、図2図6の例に対して提供されたものと同じである。出力を生成するために空圧ピストンヘッド上の空気圧に適用される倍率も同じである。
【0142】
ここで図13を参照すると、材料試験機械において試験用サンプルを保持する別の例示的なグリップアセンブリ700が示されている。特徴が前出の例と同じである場合、参照番号は、最初の数字が「7」であることを除いて同じである。グリップアセンブリ700は、図7を参照して説明した例と実質的に同じである、空圧シリンダー734を備えたコア部材720と、空圧ピストンヘッド771と、ハウジング760とを備える。
【0143】
コア部材720は、スペーサー要素727を備えた第2のシャフト726を有する。スペーサー要素727は、コア部材720の本体部と第2の端部722との間に設けられて、ハウジング760からのサンプル保持部780の空間的離隔を提供する。
【0144】
ハウジングは、スペーサー要素727の周りに同軸に取り付けられた二次スリーブ767を備える。二次スリーブ767は、スリーブ761から駆動部材740まで延在する。ハウジング760がコア部材に対して移動すると、二次スリーブ767は、スペーサー要素727に対して移動し、それにより、本明細書において開示される他の例に関して説明された様式で、駆動部材740をサンプル保持部780に対して付勢する。
【0145】
スペーサー要素727及び二次スリーブ767を設けることによって、サンプル保持部780及び駆動部材740を、グリップアセンブリ700の残りの部分が環境チャンバー内にあることを必要とせずに、環境チャンバー、例えば、オーブン内に設けることができる。
【0146】
グリップアセンブリ700は、図7を参照して説明した例と実質的に同じ油圧システムを備えており、ヘッド部材770は、ヘッド部材770から第1の端部721の方向に延在する油圧ピストンヘッド773を備える。油圧ピストンヘッド773は、コア部材内で軸方向に配設され、第1の本体要素731を通して軸方向に形成された二次油圧体積領域739を囲む二次油圧シリンダー内に摺動可能に受けられる。
【0147】
二次油圧シリンダーは、二次油圧シリンダーの開放端が二次油圧シリンダーの壁の開口部737を通してハウジング760の一次油圧シリンダー765に流体接続されるように配置される。
【0148】
使用時に、本明細書に記載の例示の導管並びに第1のポート及び第2のポートを使用して、供給された圧縮空気を使用して空圧シリンダー735内に上昇した空気圧が提供される。それにより、二次スリーブ767を備えたハウジング760は、第1の位置から第1の端部721へ向けて移動する。ハウジング760は、第1の軸方向に移動し、それにより、駆動部材740をサンプル保持部780に対して付勢して、保持力を提供する。
【0149】
この例においては、一次断面積及び二次断面積は、図7の例について提供されたものと同じである。出力を生成するために空圧ピストンヘッド上の空気圧に適用される倍率も同じである。
【0150】
ここで図14(a)及び図14(b)を参照すると、材料試験機械において試験用サンプルを保持する別の例示のグリップアセンブリ800の一部が示されている。特徴が前出の例と同じである場合、参照番号は、最初の数字が「8」であることを除いて同じである。グリップアセンブリ800は、他の図を参照して説明した例と実質的に同じである、空圧シリンダー834を備えたコア部材820と、空圧ピストンヘッド871と、ハウジング860とを備える。グリップアセンブリ800は、サンプルに保持力を印加する前に一対のジョー881の間に事前設定間隔を含み、事前設定間隔は選択的に調整可能である。グリップアセンブリ800は、試験を受けるサンプルの厚さに応じて、最大事前設定間隔(図14(a))と最小事前設定間隔(図14(b))との間で調整可能である。
【0151】
コア部材820は、スペーサー要素827を有する。この例においては、スペーサー要素827は、本体部830に対して近位の第1の端部からサンプル保持部880に対して近位の第2の端部まで延在する、第2のシャフト826を備える。スペーサー要素827は、外側円筒面884と、第2のシャフト826を通して軸方向に延在するボア882とを備える。
【0152】
スペーサー要素827は、第2の端部822に配置されて、サンプル保持部880と本体部830との間に軸方向離隔を提供する。特に、スペーサー要素827は、サンプル保持部880とコア部材820の本体部830との間に調整可能な軸方向離隔を提供するように構成される。このようにして、一対のジョー881の間に選択的に調整可能な事前設定間隔が提供される。
【0153】
スペーサー要素827は、コア部材820の中心軸の周りでコア部材820に対して回転可能となるように、第2の端部822に同軸に取り付けられる。スペーサー要素827は、本体部に対するスペーサー要素827の相対的軸方向移動を可能にするように、本体部830に移動可能に取り付けられる。
【0154】
この例においては、スペーサー要素827は、本体部830に受けられて固定されるようにボア882を通して挿入された締結ボルト889を使用して第2の端部822に取り付けられる。締結ボルト889は、締結ボルト889に沿ったスペーサー要素827の軸方向移動を可能にしながら、本体部830に固定されるように構成される。
【0155】
スペーサー要素827の外側円筒面884は、第2の端部822上に設けられた嵌合ねじ山と動作可能に係合されるねじ山を備える。このようにして、第2のシャフト826は、使用前にコア部材820に対して回転させることができ、第2のシャフト826をコア部材820に向けて又はコア部材820から離れるように軸方向に付勢させる。
【0156】
スペーサー要素827は、第1の停止要素882を備える。第1の停止要素882は、外側円筒面884上でサンプル保持部880に対して遠位に位置する。第1の停止要素882は、サンプル保持部880とコア部材820の本体部830との間の軸方向離隔を最大軸方向離隔に制限する。
【0157】
スペーサー要素827は、第2の停止要素883を備える。第2の停止要素883は、外側円筒面884上でサンプル保持部880に対して近位に位置する。第2の停止要素883は、サンプル保持部とコア部材の本体部との間の軸方向離隔を最小軸方向離隔に制限する。
【0158】
使用時に、グリップアセンブリ800は、グリップアセンブリ800を作動させて保持力を印加する前に一対のジョー881の間の事前設定間隔が調整可能であることを除いて、図12を参照して説明される例等、本明細書において説明される他の例と実質的に同じ方法で動作する。
【0159】
例えば、厚さを増大させた試験用サンプルを収容するために、一対のジョー881の間の事前設定間隔は、第1の事前設定間隔から、より広い第2の事前設定間隔に調整される。使用者は、スペーサー要素827を第2の端部822に対して第1の方向に回転させ、一対のジョー881を備えたサンプル保持部880をコア部材820へ向けて引く。それにより、スペーサー827の有効軸方向長さが減少する。したがって、サンプル保持部880は、駆動部材840の互いに対向する傾斜係合面841に対して軸方向に移動される。サンプル保持部880は、第1の軸方向位置から第2の軸方向位置へ移動し、第2の軸方向位置は、コア部材820により近い。第2の軸方向位置においては、サンプル保持部880は、一部が第1の軸方向位置よりも更に離れて設定される点において、係合面841の一部に係合する。一対のジョー881の間の事前設定間隔は、対応して増大する。
【0160】
例えば、厚さを減少させた試験用サンプルを収容するために、一対のジョー881の間の事前設定間隔は、第3の事前設定間隔から、より狭い第4の事前設定間隔に調整される。使用者は、スペーサー要素827をコア部材820に対して反対の第2の方向に回転させ、一対のジョー881を備えたサンプル保持部880をコア部材820から離れるように付勢する。これにより、スペーサー827の有効軸方向長さが増大する。したがって、サンプル保持部880は、駆動部材840の互いに対向する傾斜係合面841に対して軸方向に移動される。サンプル保持部は、第3の軸方向位置から第4の軸方向位置へ移動し、第4の軸方向位置は、コア部材820からより遠い。第4の軸方向位置において、サンプル保持部880は、係合面841の一部を、それらの部分が第3の軸方向位置よりも互いに近くに設定される点で係合する。一対のジョー881の間の事前設定間隔は、対応して減少する。
【0161】
ハウジング860は、本体部830の周りに同軸に取り付けられ、ハウジング860と本体部830との間の相対的な回転運動を防止するように構成される。図示の例においては、本体部830はポスト888を有する。ポスト888は、本体部830から駆動部材840へ向けて突出する。ポスト888は、ハウジング860の内面上で凹部887内に受け入れられる。凹部887は、中心軸に平行な方向にハウジング内へ延在する。このようにして、ハウジング860がコア部材に対して移動すると、ポストは凹部887内で軸方向に自由に移動する。しかしながら、ポスト888は、凹部887内で回転方向に拘束され、ハウジング860とコア部材820との間の相対的な回転を防止する。
【0162】
この例においては、一次断面積及び二次断面積は、図12の例について提供されたものと同じである。出力を生成するために空圧ピストンヘッド上の空圧力に適用される倍率も同じである。
【0163】
理解されるように、一対のジョーの調整可能な事前設定間隔は、本明細書において説明されたグリップアセンブリのいずれの使用に適合されてもよい。同様に、ハウジングと本体部との間の相対的な回転運動を防止する手段もまた、グリップアセンブリのいずれにも適合されてもよい。
【0164】
本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通して、「備える」及び「含む」という用語並びにそれらの語尾変化形は、「~を含むが~に限定されるものではない」ことを意味し、他の成分、付加物、構成要素、完全体又はステップを排除することを意図していない(排除しない)。本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通して、単数形のものは、文脈上別の解釈が必要とされていない限り、複数形のものを含む。特に、個数が指定されていない場合、本明細書は、文脈上別の解釈が必要とされていない限り、単数だけでなく複数も考慮されていると理解されるべきである。
【0165】
本発明の特定の態様、実施形態又は例とともに説明した、特徴、完全体、特性、又はグループは、本明細書で説明した他の任意の態様、実施形態又は例と矛盾しない限り、それらに適用可能であると理解されるべきである。本明細書(任意の添付の請求項、要約書及び図面を含む)に開示された特徴の全て、及び/又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスのステップの全ては、そのような特徴及び/又はステップのうちの少なくともいくつかが互いに矛盾する組合せを除いて、任意の組合せに結合することができる。例えば、ポート及び導管の開示された構成のそれぞれは、本明細書において開示されたコア部材、ハウジング、及びヘッド部材の構成と適合してもよい。
【0166】
本発明は、上記のいずれの実施形態の詳細にも限定されるものではない。本発明は、本明細書(任意の添付の請求項、要約書及び図面を含む)に開示された特徴のうちの任意の新規の1つ若しくは任意の新規の組合せ、又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスのステップのうちの任意の新規の1つ若しくは任意の新規の組合せにも及ぶ。
【0167】
読み手の注意は、本出願に関連して、本明細書と同時に又は先立って提出され、かつ本明細書とともに公衆の閲覧に付される、全ての論文及び書類に向けられるものであり、全てのこのような論文及び書類の中身は、引用することにより本明細書の一部をなす。
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【外国語明細書】