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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086654
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】光プローブ
(51)【国際特許分類】
   A61C 19/04 20060101AFI20240620BHJP
   G01N 21/15 20060101ALI20240620BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
A61C19/04 Z
G01N21/15
G01N21/64 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023210640
(22)【出願日】2023-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2022201401
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000106324
【氏名又は名称】サンスター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【氏名又は名称】阿形 直起
(72)【発明者】
【氏名】武石 貴明
(72)【発明者】
【氏名】横山 正史
(72)【発明者】
【氏名】西浦 正洋
(72)【発明者】
【氏名】大野 悠衣
(72)【発明者】
【氏名】中西 隆
【テーマコード(参考)】
2G043
2G057
4C052
【Fターム(参考)】
2G043AA03
2G043CA05
2G043EA01
2G043HA15
2G043KA02
2G043KA09
2G043MA01
2G057AA04
2G057AC01
2G057AC06
2G057JA20
2G057JB07
4C052NN05
4C052NN15
4C052NN16
(57)【要約】
【課題】異物による測定精度の低下を防止することを可能とする光プローブを提供する。
【解決手段】光プローブは、一端から他端に向かって光を透過させる光導波部材を備え、光導波部材の端面に、測定対象物の方向に突出する突出部を設け、突出部は、光導波部材の端面と測定対象物との間の異物を排出するための排出手段を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端から他端に向かって光を透過させる光導波部材を備え、
前記光導波部材の端面に、測定対象物の方向に突出する突出部を設け、
前記突出部は、前記光導波部材の端面と前記測定対象物との間の異物を排出するための排出手段を有する、
光プローブ。
【請求項2】
前記排出手段は、前記突出部に形成され、両端が開口する溝部である、
請求項1に記載の光プローブ。
【請求項3】
前記溝部は、一端の幅が他端の幅よりも広く形成される、
請求項2に記載の光プローブ。
【請求項4】
前記溝部は、前記一端から前記他端に向かって幅が段階的に狭くなるように形成される、
請求項3に記載の光プローブ。
【請求項5】
前記溝部は、前記一端から前記他端に向かってテーパ状に形成される、
請求項3に記載の光プローブ。
【請求項6】
前記排出手段は、複数の柱状部の間の空隙である、
請求項1に記載の光プローブ。
【請求項7】
前記突出部は、先端に滑り止め構造を有する、
請求項1に記載の光プローブ。
【請求項8】
前記光導波部材を保持する保持部材と、
前記保持部材に装着されるカバー部材と、を有する、
請求項1に記載の光プローブ。
【請求項9】
前記カバー部材は、前記光導波部材に対する光の流通を許容する保護面を有する、
請求項8に記載の光プローブ。
【請求項10】
前記突出部が前記カバー部材に一体的に設けられる、
請求項9に記載の光プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
虫歯や歯周病の原因となる歯垢に含まれる細菌が生成する蛍光物質が放射する蛍光を検出することにより歯垢を検出する手法が知られている。この手法を用いて歯垢を検出する際には、光ファイバ等の光導波部材を保持する光プローブが用いられる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60-250308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような光プローブにおいて、光プローブ先端が削り取った歯垢等の異物が光プローブから出射した光を遮ることで測定精度を低下させてしまうことが問題となっている。そこで、異物による測定精度の低下を防止することが求められている。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、異物による測定精度の低下を防止することを可能とする光プローブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る光プローブは、一端から他端に向かって光を透過させる光導波部材を備え、光導波部材の端面に、測定対象物の方向に突出する突出部を設け、突出部は、光導波部材の端面と測定対象物との間の異物を排出するための排出手段を有する。
【0007】
また、排出手段は、突出部に形成され、両端が開口する溝部であることが好ましい。
【0008】
また、溝部は、一端の幅が他端の幅よりも広く形成されることが好ましい。
【0009】
また、溝部は、一端から他端に向かって幅が段階的に狭くなるように形成されることが好ましい。
【0010】
また、溝部は、一端から他端に向かってテーパ状に形成されることが好ましい。
【0011】
また、排出手段は、複数の柱状部の間の空隙であることが好ましい。
【0012】
また、突出部は、先端に滑り止め構造を有することが好ましい。
【0013】
また、光プローブは、光導波部材を保持する保持部材と、保持部材に装着されるカバー部材と、をさらに有することが好ましい。
【0014】
また、カバー部材は、光導波部材に対する光の流通を許容する保護面を有することが好ましい。
【0015】
また、突出部がカバー部材に一体的に設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る光プローブは、歯垢等の異物を排出手段によって排出することができるため、異物による測定精度の低下を防止することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】測定装置1の構成を説明するための模式図である。
図2】光プローブ12の斜視図である。
図3】光プローブ12の正面図である。
図4】光プローブ12の図2のIV-IV断面図である。
図5】光プローブ22の斜視図である。
図6】光プローブ22の正面図である。
図7】光プローブ32の斜視図である。
図8】光プローブ32の正面図である。
図9】光プローブ42の斜視図である。
図10】光プローブ52の斜視図である。
図11】光プローブ52の断面図である。
図12】光プローブ62の斜視図である。
図13】光プローブ62の断面図である。
図14】光プローブ72の斜視図である。
図15】光プローブ72の断面図である。
図16】光プローブ82の斜視図である。
図17】光プローブ82の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示されるように、測定装置1は、本体部11および光プローブ12を有する。本体部11は、発光部111、受光部112、記憶部113、出力部114および処理部115を有する。
【0019】
発光部111は、例えばLD(Laser Diode)またはLED(Light Emitting Diode)を備え、励起光を照射する。発光部111が照射する励起光は、例えば400nmのピーク波長を有する。発光部111は、処理部115から供給される制御信号に基づいて励起光を照射する。
【0020】
受光部112は、例えばPD(Photo Diode)を備え、蛍光物質が放射する蛍光を検出する。受光部112は、検出した蛍光の強度に応じた強度信号を処理部115に供給する。
【0021】
記憶部113は、例えば半導体メモリを備え、プログラムおよびデータを記憶する。記憶部113は、プログラムとして、処理部115による処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等を記憶する。
【0022】
出力部114は、測定結果を出力し、例えば、測定結果をデータとして出力するための通信インタフェース回路を備える。出力部114は、測定結果を数値または画像として出力するためのディスプレイ装置を備えてもよい。出力部114は、処理部115から供給されたデータを他の装置に送信することにより、または数値若しくは画像として表示することにより出力する。
【0023】
処理部115は、測定装置1の動作を統括的に制御する構成であり、記憶部113に記憶されているプログラムに基づいて測定装置1の各種処理が適切な手順で実行されるように、各構成の動作を制御するとともに、各種の処理を実行する。
【0024】
光プローブ12は、光導波部材13および外装部材14を有する。光導波部材13は、一端から他端に向かって光を透過させる。光導波部材13は、例えば径の中心に光軸を有する光ファイバである。発光部111が照射した励起光は、光導波部材13の一方の端面131に入射され、光導波部材の他方の端面132から出射される。光導波部材の他方の端面132は開放されている。
【0025】
外装部材14は、樹脂、金属またはゴム等で形成され、光導波部材13を保持する。外装部材14は本体部11の側から先端側に向かって縮径するテーパ状に形成される。外装部材14の一方の端面141は、本体部11と接続する。外装部材14の他方の端面142には、光導波部材の端面132が配置され、光導波部材の端面132に配置される突出部15が一体的に設けられる。
【0026】
突出部15には、円形の凹部16が形成される。凹部16は、テーパ状(すり鉢状)に形成される。凹部16の内周面161は、光を反射する材質で形成される。例えば、内周面161にはアルミニウム等の反射材料による反射膜が形成される。内周面161を含む外装部材14の全体に反射膜を形成、または外装部材14の全体を反射材料で一体的に形成してもよい。
【0027】
外装部材14は、凹部16の内周面161が光導波部材13の端面132に接続するような位置に光導波部材13を保持する。図2図4に示す例では、外装部材14は、光導波部材13の光軸(光導波部材13の端面131の中心と端面132の中心とを通る直線)が凹部16の中心を通るように光導波部材13を保持している。
【0028】
突出部15には、排出手段として、突出部15の外周の一部から他の一部に向かって延出し、両端が開口する溝部17が形成される。溝部17は、端面142を平面視したときに、光導波部材13の端面132を内部に含むように形成される。また、溝部17は、一様な幅を有して形成される。
【0029】
測定装置1は、測定対象物Mに光を照射して測定対象物Mの性状を測定する。測定対象物Mを被検者の歯に付着した歯垢とし、歯垢の有無または量を測定する際には、光プローブ12を口腔内に挿入して突出部15を歯に向ける。この状態で、発光部111は励起光を照射する。励起光は、光導波部材13の端面132から出射し、凹部16の内周面161で反射して歯に到達する。励起光を照射されて励起した蛍光物質は、蛍光を放射する。受光部112は、凹部16の内周面161で反射して、光導波部材13の端面132から入射した蛍光を受光する。処理部115は、受光部112から受光した蛍光を強度信号に変換し、所定の演算を施すことにより、歯垢の有無または量を算出する。
【0030】
この際には、歯と光導波部材13の端面132との間の距離を一定に保つため、突出部15が歯に接触した状態で励起光が照射されることが好ましい。このとき、突出部15に凹部16が形成されているため、光導波部材13の端面132は歯に接触しない。
【0031】
光プローブ12の光導波部材13の端面132には、測定対象物Mの方向に突出する突出部15が設けられ、突出部15は、光導波部材13の端面132と測定対象物Mとの間の異物を排出するための排出手段を有し、削り取られた他の部位の歯垢が光プローブ12の走査に伴って溝部17の両端の開口から排出されるため、歯に付着している計測対象の歯垢と光プローブ12との間の光路が削り取られた歯垢によって遮られることがなくなり、高精度な測定が可能となる。これにより、光プローブ12は、異物による測定精度の低下を防止することを可能とする。
【0032】
また、歯垢の有無または量を一定の範囲にわたって計測する際には、突出部15が歯に接触した状態で光プローブ12が溝部17の延伸方向に沿って走査されることが好ましい。光プローブ12が歯に接触した状態で走査される際に突出部15によって歯垢が削り取られることがあるが、溝部17の延伸方向に沿って光プローブ12が走査されることにより、励起光が照射される部位の歯垢が削り取られることが防止されるため、歯垢の計測への影響が抑えられる
【0033】
上述した説明では、凹部16がテーパ状に形成されるものとしたが、このような例に限られない。凹部16は、一様な断面形状を有するものとしてもよい。すなわち、凹部16の内周面161は、光導波部材13の端面132に直交する面でもよい。また、凹部16の内周面161は、光導波部材13の端面132の側に凸となるように湾曲した曲面でもよい。
【0034】
上述した説明では、光プローブ12は歯に付着した歯垢の有無または量を計測する目的で、蛍光物質から放射された蛍光を本体部11に導くものとしたが、このような例に限られない。光プローブ12は、測定対象物Mの性状を計測する目的で、測定対象物Mにおいて反射された光を本体部11に導くために用いられてもよい。
【0035】
図5は、第2の実施形態に係る光プローブ22の斜視図である。図6は、光プローブ22の正面図である。光プローブ22は、突出部15に代えて突出部25を有する点で光プローブ12と相違する。光プローブ22の他の構成は光プローブ12の対応する構成と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
突出部25には、突出部15と同様に凹部16が形成される。また、突出部25には、排出手段として、両端が開口する溝部27が形成される。溝部27は、溝部17と同様に、光導波部材13の端面132を内部に含む。溝部27は、延伸方向における一端271の幅が他端272の幅よりも広くなるように形成される。溝部27は、一端271から他端272に向かって幅が段階的に狭くなるように形成される。図5および図6に示す例では、溝部27の一対の側面は互いに平行であるが、凹部16を挟んで溝部27の幅が変化するように形成されている。
【0037】
このように、光プローブ22において、溝部27の延伸方向における一端271の幅は、他端272の幅よりも広くなるように形成される。これにより、溝部27の一端271の幅が狭くなるため、光プローブ22が歯に接触した状態で一端271から他端272に向かう方向に走査された場合に、削り取られた歯垢が溝部27の内部に入りにくくなる。したがって、異物が溝部27の内部に入り込むことを防止して測定精度の低下を防止することが可能となる。
【0038】
図7は、第3の実施形態に係る光プローブ32の斜視図である。図8は、光プローブ32の正面図である。光プローブ32は、突出部15に代えて突出部35を有する点で光プローブ12と相違する。光プローブ32の他の構成は光プローブ12の対応する構成と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0039】
突出部35には、突出部15と同様に凹部16が形成される。また、突出部35には、排出手段として、両端が開口する溝部37が形成される。溝部37は、溝部27と同様に、光導波部材13の端面132を内部に含み、かつ延伸方向における一端371の幅が他端372の幅よりも広くなるように形成される。溝部37は、一端371から他端372に向かって幅が狭くなるテーパ状に形成される点で溝部27と相違する。このようにしても、異物が溝部27の内部に入り込むことを防止して測定精度の低下を防止することが可能となる。
【0040】
図9は、第4の実施形態に係る光プローブ42の斜視図である。光プローブ42は、外装部材14に代えて外装部材44を有する点において光プローブ12と相違する。光プローブ42の他の構成は光プローブ12の対応する構成と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
外装部材44は、突出部15に代えて、端面142に滑り止め構造Sが形成される突出部45を有する点において外装部材14と相違する。外装部材44の他の構成は外装部材14と同様である。すなわち、外装部材44は、外装部材14と同様に、光導波部材13を保持する。また、外装部材14と同様に、外装部材44の突出部45には凹部16および溝部17が形成される。
【0042】
図9に示す例では、滑り止め構造Sは複数の微小な凹凸によって構成される。滑り止め構造Sの凹凸は、突出部45の凹部16および溝部17を除く領域に、溝部17よりも浅く形成される。図9に示す例では、滑り止め構造Sの凹凸は等間隔に、溝部17の延伸方向に直交する方向に形成されている。このような例に限られず、凹凸は相互に異なる間隔を有して形成されてもよい。また、凹凸は任意の方向に形成されてもよい。
【0043】
歯のように平坦でなくかつ摩擦の小さいものに対して測定をする場合、外装部材が歯の上で滑り、正確な測定を行えない場合がある。外装部材44が滑り止め構造Sを有することにより、光プローブ42と歯との間の摩擦係数が大きくなり、より正確な測定が可能となる。
【0044】
上述した説明では、滑り止め構造Sは微小な凹凸によって構成されるものとした。このような例に限られず、滑り止め構造Sは、突出部15に設けられたゴム等の摩擦材によって構成されてもよい。また、滑り止め構造Sは、突出部15を含む外装部材14全体が摩擦材によって形成されることにより実現されてもよい。このようにしても、光プローブ42と歯との間の摩擦係数が大きくなり、正確な測定が可能となる。
【0045】
図10は、第5の実施形態に係る光プローブ52の斜視図である。図11は、図10のXI-XI断面における光プローブ52の断面図である。光プローブ52は、外装部材14に代えて外装部材54を有する点で光プローブ12と相違する。光プローブ52の他の構成は、光プローブ12の対応する構成と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
外装部材54は、光導波部材13を保持する保持部材543と、保持部材543に着脱自在に装着されるカバー部材544とを有する。カバー部材544は、光導波部材13からの出射光や外部からの光導波部材13に入射する入射光に対して測定結果に影響を与えないように、透光性を有することにより光導波部材13に対する光の流通を許容する材料で形成される。カバー部材544は、出射光や入射光により励起して測定に用いられる波長範囲の蛍光を生じることのない材料で形成されてもよい。また、カバー部材544の、測定対象物Mに対向する保護面545には、測定対象物Mの方向に突出する突出部55が設けられる。突出部55には、異物を排出するための排出手段として、溝部57が形成される。溝部57は、突出部55を測定対象物Mの方向から平面視したときに、光導波部材13の端面132を内部に含むように形成される。また、溝部57は、一様な幅を有して形成される。
【0047】
光プローブ52は、溝部57を有することにより、異物を排出して異物による測定精度の低下を防止することを可能とする。
【0048】
また、光プローブ52は、保持部材543に装着されるカバー部材544を有することにより、保護面545に付着した異物をカバー部材544の交換により容易に取り除くことができる。
【0049】
また、光プローブ52において、保護面545が光導波部材13の端面132に対して平行に設けられることにより、光導波部材13から出射した光の進行方向が保護面545によって変化することがなくなる。
【0050】
上述した実施形態では、カバー部材544は保持部材543に着脱自在に装着されるものとしたが、このような例に限られない。カバー部材544は、保持部材543に固着されてもよい。また、カバー部材544は、保持部材543と一体的に形成されてもよい。
【0051】
上述した実施形態では、溝部57が一様な幅を有して形成されるものとしたが、このような例に限られない。溝部57は、溝部27または溝部37と同様に、一端の幅が他端の幅よりも広く形成されてもよい。
【0052】
図12は、第6の実施形態に係る光プローブ62の斜視図である。図13は、図12のXIII-XIII断面における光プローブ62の断面図である。光プローブ62は、カバー部材544に代えてカバー部材644を有する点で光プローブ52と相違する。光プローブ62の他の構成は光プローブ52の対応する構成と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
カバー部材644の側面には、測定対象物Mの方向に延出する円筒形状の延出部646がカバー部材644と一体的に設けられる。延出部646の先端には、測定対象物Mの方向に突出する突出部65が設けられる。突出部65は、延出部646の端面において対向する2箇所を測定対象物Mの方向に突出させて設けられる。すなわち、突出部65は、排出手段として、両端が開口する溝部67を有する。これにより、光プローブ62は、異物を排出して異物による測定精度の低下を防止することを可能とする。
【0054】
なお、延出部646はカバー部材644とは別体として設けられてもよい。
【0055】
図14は、第7の実施形態に係る光プローブ72の斜視図である。図15は、図14のXV-XV断面における光プローブ72の断面図である。光プローブ72は、カバー部材544に代えてカバー部材744を有する点で光プローブ52と相違する。光プローブ72の他の構成は光プローブ52の対応する構成と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
カバー部材744の保護面545には、測定対象物Mの方向に突出する突出部75が設けられる。突出部75は、端面の3つの領域を測定対象物Mの方向に突出させた柱状部751を有する。図14および図15に示す例では、3つの柱状部751は円形の底面の外周に沿って等間隔で配置されている。すなわち、突出部75は、排出手段として、3つの柱状部の間に空隙77を有する。これにより、光プローブ72は、異物を排出して異物による測定精度の低下を防止することを可能とする。
【0057】
また、柱状部751はゴム等の摩擦材により形成される。すなわち、突出部75の先端には、ゴム等の摩擦材により構成される滑り止め構造Sが設けられる。これにより、光プローブ72と歯との間の摩擦係数が大きくなり、より正確な測定が可能となる。
【0058】
なお、柱状部751の個数は3つに限られず、2つ以上の任意の個数であってよい。また、柱状部751は底面の外周に沿って等間隔に配置されるものに限られず、光導波部材13の光軸を避けて任意に配置されてよい。
【0059】
図16は、第8の実施形態に係る光プローブ82の斜視図である。図17は、図16のXVII-XVII断面における光プローブ82の断面図である。光プローブ82は、カバー部材544に代えてカバー部材844を有する点で光プローブ52と相違する。光プローブ82の他の構成は光プローブ52の対応する構成と同様であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】
カバー部材844の側面には、測定対象物Mの方向に延出する複数の柱状部847が設けられる。図16および図17に示す例では、6つの柱状部847がカバー部材944の周方向に沿って等間隔に配置されている。柱状部847の先端には、測定対象物Mの方向に突出する突出部85が設けられる。すなわち、突出部85は、排出手段として、柱状部847の間に空隙87を有する。これにより、光プローブ82は、異物を排出して異物による測定精度の低下を防止することを可能とする。
【0061】
また、突出部85の先端には滑り止め構造Sが設けられる。図16に示す例では、滑り止め構造Sはゴム等の摩擦材により構成されている。これにより、光プローブ82と歯との間の摩擦係数が大きくなり、より正確な測定が可能となる。
【符号の説明】
【0062】
12 光プローブ
13 光導波部材
14 外装部材
15 突出部
17 溝部(排出手段)
図1
図2
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図17