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▶ ミルウォーキー エレクトリック ツール コーポレイションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086663
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】電気モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/46 20060101AFI20240620BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20240620BHJP
   H02K 3/50 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
H02K3/46 B
H02K5/22
H02K3/50 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023210896
(22)【出願日】2023-12-14
(31)【優先権主張番号】63/387,619
(32)【優先日】2022-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/387,882
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】598073073
【氏名又は名称】ミルウォーキー エレクトリック ツール コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】テス、アンドリュー アール.
(72)【発明者】
【氏名】エマーソン、リネア
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー、マシュー アール.
(72)【発明者】
【氏名】ヘッセンバーガー、ジェフリー シー.
【テーマコード(参考)】
5H604
5H605
【Fターム(参考)】
5H604BB01
5H604BB10
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC15
5H604DA13
5H604PB03
5H604QB04
5H604QB17
5H605BB05
5H605BB10
5H605EC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】サイズに関して有利なモータを提供する
【解決手段】電気モータ14が、回転軸を画定するロータシャフトを含むロータアセンブリを含み得る。電気モータが、コアと、コアを少なくとも部分的に覆う絶縁体と、複数の巻線とを含むステータアセンブリであって、絶縁体が、回転軸に平行な軸方向に突出するポスト、又はポストを受け入れ可能なレセプタクルの一方を画定する、ステータアセンブリを含み得る。電気モータが、非導電体と、複数の巻線のうちの少なくとも2本の巻線間を電気接続するように構成された複数の導体とを含むバスバーアセンブリであって、非導電体がポスト又はレセプタクルの他方を含み、レセプタクルが、開口部又は凹部の少なくとも一方を含み、ポストが、非導電体を絶縁体に固定するためにレセプタクルに受け入れられる、バスバーアセンブリを含み得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を画定するロータシャフトを含むロータアセンブリと、
コアと、前記コアを少なくとも部分的に覆う絶縁体と、複数の巻線とを含むステータアセンブリであって、前記絶縁体が、前記回転軸に平行な軸方向に突出するポスト又は前記ポストを受け入れ可能なレセプタクルのうち一方を画定する、ステータアセンブリと、
非導電体と、前記複数の巻線のうちの少なくとも2本の巻線間を電気接続するように構成された複数の導体とを含むバスバーアセンブリであって、前記非導電体が前記ポスト又は前記レセプタクルの他方を含む、バスバーアセンブリと
を備える、電気モータであって、
前記レセプタクルが、開口部又は凹部の少なくとも一方を含み、
前記ポストが、前記非導電体を前記絶縁体に固定するために前記レセプタクルに受け入れられる、電気モータ。
【請求項2】
前記非導電体が、半径方向に突出するアームを含み、前記ポスト又は前記レセプタクルの前記一方が、前記半径方向に突出するアームによって画定される、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項3】
前記レセプタクルが、開口部を備え、前記非導電体によって画定され、前記ポストが、前記非導電体の第1の軸方向を向く表面と、反対側にある前記非導電体の第2の軸方向を向く表面との間で前記開口部を貫通して延びる、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項4】
前記ポストが円筒状である、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項5】
前記レセプタクルが、前記非導電体によって画定され、前記非導電体を部分的にのみ通って軸方向に延びる凹部を備える、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項6】
前記非導電体が前記凹部と連絡する緩衝開口部を更に画定し、肩部が前記凹部と前記緩衝開口部との間に画定される、請求項5に記載の電気モータ。
【請求項7】
取り付け開口部を画定するプリント回路基板アセンブリ(PCBA)であって、前記非導電体が前記PCBAを前記非導電体に固定するために前記取り付け開口部によって受け入れられる取り付けポストを更に画定する、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)を更に備える、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項8】
前記ロータシャフトを回転可能に支持するロータベアリングであって、前記非導電体が前記ロータベアリングを受け入れて支持するベアリングポケットを更に画定する、ロータベアリングを更に備える、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項9】
前記コアが第1のコアであり、前記絶縁体が第1の絶縁体であり、前記ステータアセンブリが、第1のステータセグメントと、前記第1のステータセグメントに円周方向に隣接して配置された第2のステータセグメントとを含む複数のステータセグメントを備え、前記第1のステータセグメントが、前記第1のコアと、前記第1の絶縁体と、前記複数の巻線のうちの第1の巻線とを含み、前記第2のステータセグメントが、第2のコアと、第2の絶縁体と、前記複数の巻線のうちの第2の巻線とを含む、請求項1に記載の電気モータ。
【請求項10】
前記レセプタクルが前記非導電体によって画定された複数のレセプタクルのうちの第1のレセプタクルであり、前記ポストが前記第1の絶縁体によって画定された第1のポストであり、前記第2の絶縁体が、前記非導電体を前記第2の絶縁体に固定するために、前記複数のレセプタクルのうちの第2のレセプタクルによって受け入れられる第2のポストを画定する、請求項9に記載の電気モータ。
【請求項11】
前記ポスト及び前記レセプタクルが、溶融温度を超えて加熱されたことに応じて溶融し、その後、前記非導電体を前記絶縁体に固定するために溶融温度未満に冷却されたことに応じて固着する、熱可塑性材料から作られる、請求項10に記載の電気モータ。
【請求項12】
ロータシャフトを含むロータアセンブリと、
コアと、前記コアを少なくとも部分的に覆う絶縁体と、複数の巻線とを含むステータアセンブリと、
非導電体と、前記複数の巻線のうちの少なくとも2本の巻線間を電気接続するように構成された複数の導体とを含むバスバーアセンブリであって、前記非導電体が取り付けポストを画定する、バスバーアセンブリと、
前記非導電体にプリント回路基板アセンブリ(PCBA)を固定するために前記取り付けポストを受け入れる取り付け開口部を画定するプリント回路基板アセンブリ(PCBA)と
を備える、電気モータ。
【請求項13】
前記非導電体が前記PCBAを受け入れる環状凹部を画定する、請求項12に記載の電気モータ。
【請求項14】
前記PCBAが、円形周縁部と前記円形周縁部から半径方向に突出する取り付けアームとを含み、前記取り付けアームが前記取り付け開口部を画定する、請求項13に記載の電気モータ。
【請求項15】
前記非導電体が前記環状凹部内に突出する位置決め突出部を更に画定し、前記PCBAが円形周縁部と前記円形周縁部に割り込む位置決めノッチとを含み、前記位置決めノッチが前記位置決め突出部を受け入れる、請求項13に記載の電気モータ。
【請求項16】
前記絶縁体が前記コアから軸方向に突出する絶縁体ポストを画定し、前記非導電体が、前記非導電体を前記絶縁体に固定するために前記絶縁体ポストを受け入れるレセプタクルを画定し、前記レセプタクルが開口部又は凹部の少なくとも一方を備える、請求項12に記載の電気モータ。
【請求項17】
前記コアが第1のコアであり、前記絶縁体が第1の絶縁体であり、前記ステータアセンブリが、第1のステータセグメントと、前記第1のステータセグメントに円周方向に隣接して配置された第2のステータセグメントとを含む複数のステータセグメントを備え、前記第1のステータセグメントが、前記第1のコアと、前記第1の絶縁体と、前記複数の巻線のうちの第1の巻線とを含み、前記第2のステータセグメントが、第2のコアと、第2の絶縁体と、前記複数の巻線のうちの第2の巻線とを含む、請求項12に記載の電気モータ。
【請求項18】
電気モータを組み立てる方法であって、前記方法が、
ロータシャフトを含むロータアセンブリを提供することと、
コアと、前記コアを少なくとも部分的に覆う絶縁体と、複数の巻線とを含むステータアセンブリを提供することと、
非導電体と複数の導体とを含むバスバーアセンブリを提供することと、
前記非導電体を前記絶縁体に超音波溶接することと、
前記複数の巻線のうちの少なくとも2本の巻線と前記複数の導体との間で電気接続することと
を含む、方法。
【請求項19】
前記非導電体が前記絶縁体の方を向く内側表面を含み、前記絶縁体が軸方向外面を有するコイルプロテクタ部分を含み、前記非導電体を前記絶縁体に超音波溶接することにより、前記内側表面が前記軸方向外面と接触する場所に配置される超音波溶接部を形成する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記非導電体のベアリングポケットにベアリングを挿入することであって、前記ベアリングポケットが外側周縁表面を画定し、前記絶縁体が、内側環状表面を有するコイルプロテクタ部分を含み、前記非導電体を前記絶縁体に超音波溶接することにより、前記外側周縁表面が前記内側環状表面と接触する場所に配置される超音波溶接部を形成する、ことを更に含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年12月16日出願の米国仮特許出願第63/387,882号及び2022年12月15日出願の米国仮特許出願第63/387,619号の優先権を主張するものであり、これら双方の米国仮特許出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、電気モータに関し、より詳細には、電気モータのためのステータに関する。
【背景技術】
【0003】
電気モータのためのステータアセンブリが、管状に配置された複数の環状ステータセグメントから形成され得る。バスバーアセンブリが、ステータアセンブリとは別個に形成され、その後ステータアセンブリと結合され得る。プリント回路基板アセンブリがバスバーアセンブリに結合され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、一態様では、回転軸を画定するロータシャフトを含むロータアセンブリを含む電気モータを提供する。電気モータはまた、コアと、コアを少なくとも部分的に覆う絶縁体と、複数の巻線とを含むステータアセンブリであって、絶縁体が、回転軸に平行な軸方向に突出するポスト、又はポストを受け入れ可能なレセプタクルの一方を画定する、ステータアセンブリを含む。電気モータは、非導電体と、複数の巻線のうちの少なくとも2本の巻線間を電気接続するように構成された複数の導体とを含むバスバーアセンブリであって、非導電体がポスト又はレセプタクルの他方を含む、バスバーアセンブリを更に含む。レセプタクルが、開口部又は凹部の少なくとも一方を含み、ポストが、非導電体を絶縁体に固定するためにレセプタクルに受け入れられる。
【0005】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、電気モータであって、非導電体が、半径方向に突出するアームを含み、ポスト又はレセプタクルの一方が、半径方向に突出するアームによって画定される、電気モータに関する。
【0006】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は電気モータであって、レセプタクルが、開口部を含み、非導電体によって画定され、ポストが、非導電体の第1の軸方向を向く表面と、反対側にある非導電体の第2の軸方向を向く表面との間で開口部を貫通して延びる、電気モータに関する。
【0007】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は電気モータであって、ポストが円筒状である、電気モータに関する。
【0008】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は電気モータであって、レセプタクルが、非導電体によって画定され、非導電体を部分的にのみ通って軸方向に延びる凹部を含む、電気モータに関する。
【0009】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は電気モータであって、非導電体が凹部と連絡する緩衝開口部を更に画定し、肩部が凹部と緩衝開口部との間に画定される、電気モータに関する。
【0010】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、電気モータであって、取り付け開口部を画定するプリント回路基板アセンブリ(printed circuit board assembly、PCBA)であって、非導電体がPCBAを非導電体に固定するために取り付け開口部によって受け入れられる取り付けポストを更に画定する、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)を更に含む、電気モータに関する。
【0011】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、電気モータであって、ロータシャフトを回転可能に支持するロータベアリングであって、非導電体がロータベアリングを受け入れて支持するベアリングポケットを更に画定する、ロータベアリングを更に含む、電気モータに関する。
【0012】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、電気モータであって、コアが第1のコアであり、絶縁体が第1の絶縁体であり、ステータアセンブリが、第1のステータセグメントと、第1のステータセグメントに円周方向に隣接して配置された第2のステータセグメントとを含む複数のステータセグメントを含み、第1のステータセグメントが、第1のコアと、第1の絶縁体と、複数の巻線のうちの第1の巻線とを含み、第2のステータセグメントが、第2のコアと、第2の絶縁体と、複数の巻線のうちの第2の巻線とを含む、電気モータに関する。
【0013】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、電気モータであって、レセプタクルが非導電体によって画定された複数のレセプタクルのうちの第1のレセプタクルであり、ポストが第1の絶縁体によって画定された第1のポストであり、第2の絶縁体が、非導電体を第2の絶縁体に固定するために、複数のレセプタクルのうちの第2のレセプタクルによって受け入れられる第2のポストを画定する、電気モータに関する。
【0014】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、電気モータであって、ポスト及びレセプタクルが、溶融温度を超えて加熱されたことに応じて溶融し、その後非導電体を絶縁体に固定するために溶融温度未満に冷却されたことに応じて固着する熱可塑性材料から作られる、電気モータに関する。
【0015】
本開示は、別の態様では、ロータシャフトを含むロータアセンブリを含む電気モータを提供する。電気モータはまた、コアと、コアを少なくとも部分的に覆う絶縁体と、複数の巻線とを含むステータアセンブリを含む。電気モータは、非導電体と、複数の巻線のうちの少なくとも2本の巻線間を電気接続するように構成された複数の導体とを含むバスバーアセンブリであって、非導電体が取り付けポストを画定する、バスバーアセンブリを更に含む。電気モータはまた、非導電体にPCBAを固定するために取り付けポストを受け入れる取り付け開口部を画定するプリント回路基板アセンブリ(PCBA)を含む。
【0016】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、電気モータであって、非導電体がPCBAを受け入れる環状凹部を画定する、電気モータに関する。
【0017】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、電気モータであって、PCBAが、円形周縁部と円形周縁部から半径方向に突出する取り付けアームとを含み、取り付けアームが取り付け開口部を画定する、電気モータに関する。
【0018】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、電気モータであって、非導電体が環状凹部内に突出する位置決め突出部を更に画定し、PCBAが円形周縁部と円形周縁部に割り込む位置決めノッチとを含み、位置決めノッチが位置決め突出部を受け入れる、電気モータに関する。
【0019】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、電気モータであって、絶縁体がコアから軸方向に突出する絶縁体ポストを画定し、非導電体が、非導電体を絶縁体に固定するために絶縁体ポストを受け入れるレセプタクルを画定し、レセプタクルが開口部又は凹部の少なくとも一方を含む、電気モータに関する。
【0020】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、電気モータであって、コアが第1のコアであり、絶縁体が第1の絶縁体であり、ステータアセンブリが、第1のステータセグメントと、第1のステータセグメントに円周方向に隣接して配置された第2のステータセグメントとを含む複数のステータセグメントを含み、第1のステータセグメントが、第1のコアと、第1の絶縁体と、複数の巻線のうちの第1の巻線とを含み、第2のステータセグメントが、第2のコアと、第2の絶縁体と、複数の巻線のうちの第2の巻線とを含む、電気モータに関する。
【0021】
本開示は、別の態様では、電気モータを組み立てる方法であって、本方法がロータシャフトを含むロータアセンブリを提供することを含む、方法を提供する。本方法はまた、コアと、コアを少なくとも部分的に覆う絶縁体と、複数の巻線とを含むステータアセンブリを提供することを含む。本方法は、非導電体と複数の導体とを含むバスバーアセンブリを提供することを更に含む。本方法はまた、非導電体を絶縁体に超音波溶接することを含む。本方法は、複数の巻線のうちの少なくとも2本の巻線と複数の導体との間で電気接続することを更に含む。
【0022】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は、方法であって、非導電体が絶縁体の方を向く内側表面を含み、絶縁体が軸方向外面を有するコイルプロテクタ部分を含み、非導電体を絶縁体に超音波溶接することにより、内側表面が軸方向外面と接触する場所に配置される超音波溶接部を形成する、方法に関する。
【0023】
いくつかの態様では、本明細書で説明される技法は方法であって、非導電体のベアリングポケットにベアリングを挿入することであって、ベアリングポケットが外側周縁表面を画定し、絶縁体が、内側環状表面を有するコイルプロテクタ部分を含み、非導電体を絶縁体に超音波溶接することにより、外側周縁表面が内側環状表面と接触する場所に配置される超音波溶接部を形成する、ことを更に含む、方法に関する。
【0024】
本開示の他の特徴及び態様は、以下の詳細な説明及び添付の図面を検討すれば明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】一実施形態による、電動工具の概略側面図である。
図2図1の電動工具の電気モータの斜視図である。
図3図2の電気モータの分解斜視図である。
図4図2の電気モータの分解斜視図である。
図5図2の電気モータのステータアセンブリを示す斜視図である。
図6図5のステータアセンブリを示す部分分解斜視図である。
図7図5のステータアセンブリを、各部分を外した状態で示す部分分解斜視図である。
図8図5のステータアセンブリの部分を示す斜視図である。
図9図5のステータアセンブリの部分を示す斜視図である。
図10図2の電気モータのバスバーアセンブリを示す斜視図である。
図11図10のバスバーアセンブリを示す分解斜視図である。
図12図2の電気モータの図2の線12-12断面斜視図である。
図13】別の実施形態によるステータアセンブリの斜視図である。
図14図13のステータアセンブリの分解斜視図である。
図15図13のステータアセンブリの部分の斜視図である。
図16図13のステータアセンブリの部分の斜視図である。
図17】別の実施形態による電気モータの部分の斜視図である。
図18図17の電気モータの部分分解斜視図である。
図19図17の電気モータのバスバーアセンブリを示す側面図である。
図20図19のバスバーアセンブリの平面図である。
図21図19のバスバーアセンブリの分解斜視図である。
図22図19のバスバーアセンブリを、各部分を外した状態で示す分解平面図である。
図23】バスバーアセンブリが超音波溶接方法によってステータアセンブリに固定される別の実施形態による電気モータの部分を示す。
図24】バスバーアセンブリが超音波溶接方法によってステータアセンブリに固定される別の実施形態による電気モータの部分を示す。
図25】バスバーアセンブリが超音波溶接方法によってステータアセンブリに固定される別の実施形態による電気モータの部分を示す。
図26】バスバーアセンブリが熱圧着方法によってステータアセンブリに固定される別の実施形態による電気モータの部分を示す。
図27】バスバーアセンブリが熱圧着方法によってステータアセンブリに固定される別の実施形態による電気モータの部分を示す。
図28】バスバーアセンブリが熱圧着方法によってステータアセンブリに固定される別の実施形態による電気モータの部分を示す。
図29】バスバーアセンブリが熱圧着方法によってステータアセンブリに固定される別の実施形態による電気モータの部分を示す。
図30】バスバーアセンブリが熱圧着方法によってステータアセンブリに固定される別の実施形態による電気モータの部分を示す。
図31】バスバーアセンブリが熱圧着方法によってステータアセンブリに固定される別の実施形態による電気モータの部分を示す。
図32】バスバーアセンブリが熱かしめ方法によってステータアセンブリに固定される別の実施形態による電気モータの部分を示す。
図33】回路基板アセンブリが熱かしめ方法によってバスバーアセンブリに固定される別の実施形態による電気モータの部分斜視図である。
図34】別の実施形態によるバスバーアセンブリの側面図である。
図35図34のバスバーアセンブリの部分斜視図である。
図36図35のバスバーアセンブリに熱かしめ方法によって結合され得る回路基板アセンブリの上面図である。
図37図34のバスバーアセンブリに熱かしめによって固定された図36の回路基板アセンブリを示す部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示のいずれかの実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その適用において、以下の記述で説明されるか又は以下の図面に図示される構造の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実践又は実行することが可能である。本明細書で使用される語法及び専門用語は、説明を目的としたものであり、限定するものとみなすべきではないことも理解されたい。
【0027】
図1及び図2は、例えばドリル、ロータリインパクト工具などの電動工具10を示している。電動工具10は、ハウジング12と電気モータ14とを含む。電動工具10は、ハウジング12の下端に配置されたバッテリレセプタクル18に取り外し可能に結合されたバッテリパック16を用いて動作可能である。バッテリパック16は複数のバッテリセル(図示せず)を含み、複数のバッテリセルはバッテリパック16の所望の出力(例えば、公称電圧、電流容量など)を提供するように電気的に接続される。電気モータ14は、バッテリパック16がバッテリレセプタクル18に結合されているときに、バッテリパック16から電力を受け取る。
【0028】
いくつかの実施形態では、電動工具10は、モータ14を交流電源に電気的に接続するための電源コードを含み得る。しかしながら、コードレス電動工具は他の電源が利用できない場所でも使用することができるため、バッテリパック16は電動工具10に電力供給するための好ましい手段である。
【0029】
図2図4を参照すると、図示のモータ14は、ステータアセンブリ20と、軸24を中心としてステータアセンブリ20に対して回転可能なロータアセンブリ22とを有するブラシレス直流(brushless direct current、「BLDC」)モータである。ロータアセンブリ22は、ロータシャフト30にそれぞれ支持されるロータ本体26とファン28とを含む。ファン28は、モータ14の第1の端部又は前端32に隣接して配置される。ステータアセンブリ20は、軸24を中心として回転するようにロータアセンブリ22を受け入れる中央空洞34を含む。モータ14はまた、前端32とは反対側にあるモータ14の第2の端部又は後端40においてステータアセンブリ20にそれぞれ結合されるバスバーアセンブリ36とプリント回路基板アセンブリ(PCBA)38とを含む。
【0030】
図5図9を参照すると、ステータアセンブリ20は、図示の実施形態では、管状ハウジング44内に配置された6つのステータセグメント42を含むセグメント化されたステータアセンブリ20である。各ステータセグメント42は、コア46と、成形絶縁体48と、ステータ巻線50とを含む。隣接するステータセグメント42どうしは、ノッチ及び突出部によるインターロック52を用いて相互接続される。具体的には、各ステータセグメント42は、第1の円周方向端面56に設けられた長手方向に延びるノッチ54と、第2の円周方向端面60から突出する長手方向に延びる突出部58とを含む。2つの隣接するステータセグメント42を整列するために、1つのステータセグメント42のノッチ54が、隣接するステータセグメント42の突出部58を受け入れる。
【0031】
管状ハウジング44は、配置されたステータセグメント42を囲んで、ステータセグメント42どうしを固定する。具体的には、管状ハウジング44は内側空洞64を画定する管状壁62を含み、ステータセグメント42は、管状壁62がステータセグメント42の周囲に合わさるように内側空洞64に受け入れられる。一例では、管状ハウジング44を加熱して管状壁62の外径を拡張することができ、そして管状ハウジング44をステータセグメント42に押し付けることができる。管状ハウジング44が冷えると、管状壁62がステータセグメント42の周囲で収縮して、アセンブリを固定する。図示の実施形態では、管状ハウジング44はまた、管状壁62から半径方向に外側に延びる取り付けタブ66を含み、各取り付けタブ66は、モータ14を例えばギヤケース(図示せず)に固定するための締結具(例えば、ねじ)を受け入れるように構成された取り付け開口部68を画定する。
【0032】
図8を参照すると、各成形絶縁体48は、モータ14の後端40に向かって突出する取り付け部分70を含む。各取り付け部分70は、バスバーアセンブリ36及びPCBA38をステータアセンブリ20(図3及び図4)に固定するために第1の締結具74又は第2の締結具76を受け入れる軸方向に延びるねじ穴72を画定する。
【0033】
図10及び図11を参照すると、バスバーアセンブリ36は、概してモータ14の周囲に円周方向に延びる3つの環状導体78と、導体78を固定して支持する非導電体80とを含む。各導体78は、導体78の互いに反対側にある端部に設けられた2つのタング82と、モータ14の軸方向に延びる端子84とを含む。各端子84はPCBA38に機械的且つ電気的に接続する。具体的には、PCBA38は、端子84の場所に対応して複数の開口部85(図3及び図12)を含む。組み立てにおいて、端子84をPCBA38に機械的及び電気的に接続するために、端子84は、開口部85に挿入され、PCBA38にはんだ付けされる。各ステータ巻線50は、導体78の隣接するタング82に接続する一対のリード線86(図8)を含む。リード線86はタング82にはんだ付け又は融着され得る。このようにして、導体78はステータ巻線50をPCBA38に電気的に接続する。PCBA38はバッテリパック16から電力を受け取り、巻線50に選択的に電流を流して、それによってロータシャフト30を軸24を中心として回転させる。
【0034】
非導電体80は、ロータベアリング92(図10図12)を受け入れて支持する中央開口部又はベアリングポケット90を画定する中央ハブ88を含む。ロータベアリング92は、ロータシャフト30を受け入れて、ロータアセンブリ22を回転可能に支持する。非導電体80は、中央ハブ88から半径方向に外側に延びるラジアルアーム94を更に含む。いくつかの実施形態では、ラジアルアーム94の数は、ステータアセンブリ20の取り付け部分70の数に対応する。図示の実施形態では、非導電体は、6つのステータセグメント42の6つの取り付け部分70に対応する6つのラジアルアーム94を含む。各ラジアルアーム94は、対応する取り付け部分70のねじ穴72と整列する第1の開口部96を画定する。
【0035】
図3及び図12を参照すると、バスバーアセンブリ36は、第1の締結具74及び第2の締結具76によってステータアセンブリ20の取り付け部分70に固定され、PCBA38は、第2の締結具76によってステータアセンブリ20に固定される。PCBA38は、PCBA38を貫通して延び、円周方向にある1つ置きのラジアルアーム94の第1の開口部96に対応する第2の開口部98を含む。よって、ラジアルアーム94は、第1のラジアルアーム94aと第2のラジアルアーム94bとを含む。第1のラジアルアーム94aは、第1の締結具74によって取り付け部分70に直接結合される。第2のラジアルアーム94bは、第2の締結具76によって取り付け部分70とPCBA38との両方に結合される。より具体的には、第1の締結具74は、第1のラジアルアーム94aの第1の開口部96を通って受け入れられ、ねじ穴72内に締められて、第1のラジアルアーム94aを取り付け部分70に固定する。第2の締結具76は、PCBA38の第2の開口部98を通って受け入れられ、第2のラジアルアーム94bの第1の開口部96を通り、ねじ穴内に締められて、PCBA38と第2のラジアルアーム94との両方を取り付け部分70に固定する。このように、バスバーアセンブリ36は、各ステータセグメント42の各取り付け部分70に固定され、ロータベアリング92を支持してロータアセンブリ22をステータアセンブリ20に対して中央に配置する。
【0036】
図3図4、及び図12を参照すると、PCBA38は、プリント回路基板(PCB)95と、PCB95に固定されたヒートシンク97とを含む。ヒートシンク97は複数の凹部97aを含み、非導電体80は、PCBA38をバスバーアセンブリ36と整列するために、対応する凹部97aに受け入れられる複数の軸方向に延びる突出部80aを含む。
【0037】
図13図16は、本開示の別の実施形態によるステータアセンブリ120を示している。ステータアセンブリ120は、上述のステータアセンブリ20に類似し、ステータアセンブリ20と同じ構造を多く含む。そして、ステータアセンブリ120は、上述のロータアセンブリ22、バスバーアセンブリ36、及びPCBA38のそれぞれと共に動作可能である。ステータアセンブリ20の特徴及び要素に類似するステータアセンブリ120の特徴及び要素には、同じ参照数字「に100を加えた数字」が割り当てられる。以下に明示的に記載されていないステータアセンブリ120の特徴は、ステータアセンブリ20の特徴と同じ特性を有することを理解されたい。
【0038】
図13及び図14を参照すると、ステータアセンブリ120は、ステータアセンブリ20に関連して上述したのと同じ仕方で、第1の締結具74及び第2の締結具76を介してバスバーアセンブリ36及びPCBA38に結合する。そして、ステータアセンブリ120は、同様に、端と端とを接続して配置されるステータセグメント142を含む。しかしながら、ステータアセンブリ120は管状ハウジングを持たない。代わりに、ステータセグメント142は、ステータセグメント142どうしを固定するために、ノッチ及び突出部によるインターロック152においてレーザ溶接される。更に、ステータセグメント142は一様ではなく、第1のステータセグメント142aと第2のステータセグメント142bとを交互に配置して含む(図15及び図16)。より具体的には、各第1のステータセグメント142aは、各円周方向端部において第2のステータセグメント142bに接続される。第1のステータセグメント142aは、半径方向に外側に突出し、軸方向に長手方向に延びる取り付けリブ121をそれぞれ含む。各取り付けリブ121は、ステータアセンブリ120を例えばギヤケース(図示せず)に取り付けるための締結具を受け入れる取り付け開口部123を画定する。第2のステータセグメント142bは、取り付けリブを含まないが、成形絶縁体148の一部を受け入れる軸方向に延びる溝を含む。
【0039】
図17図22は、本開示の別の実施形態による電気モータ1014の全部又は一部を示している。モータ1014は、図13図16に関連して本明細書で説明したセグメント化されたステータアセンブリ120を含み、図2図4及び図12に関連して本明細書で説明したロータアセンブリ22を用いて動作可能である。
【0040】
モータ1014は、ステータアセンブリ120の軸方向端部に結合するバスバーアセンブリ1036を含む。バスバーアセンブリ1036は、3つの環状導体1078(図21図22)と、導体1078を固定して支持する非導電体1080とを含む。各導体1078は、導体1078の互いに反対側にある2つの端部に設けられた4つの巻線接続端子又はタング1082と、導体1078から突出する電源接続端子1084とを含む。非導電体1080は、非導電体1080の中央領域から半径方向に突出し、その円周の周囲に等間隔で配置された3つの取り付けアーム1094を含む。取り付けアーム1094は、第1のステータセグメント142aの成形絶縁体148によって画定された取り付け部分170に係合する。取り付けアーム1094は、例えばねじ山のある締結具を介して取り付け部分170に固定され得る。
【0041】
各端子1084は、バッテリパック16(図1)から電力を受け取り、ステータ巻線150に選択的に電流を流すPCBAに(例えば、ワイヤを介して(図示せず))電気的に接続する。巻線150のリード線186は、導体1078の隣接する2つのタング1082に接続する。このようにして、導体1078はステータ巻線150をPCBAに電気的に接続する。
【0042】
非導電体1080は、ロータベアリング92(図3)を受け入れる中央開口部又はベアリングポケット1090を画定する。ロータベアリング92は、ロータアセンブリ22(図3)のロータシャフト30を受け入れて、ロータアセンブリ22を回転可能に支持する。バスバーアセンブリ1036は、各ステータセグメント142aの各取り付け部分170に固定され、ロータベアリング92を更に支持するため、バスバーアセンブリ1036は、ロータアセンブリ22をステータアセンブリ120に対して中央に配置する。
【0043】
バスバーアセンブリ1036の非導電体1080には、ロータ位置センサ回路基板などのプリント回路基板アセンブリ(PCBA)1039が結合される。PCBA1039は、略環状であり、非導電体1080に画定された対応する中央に配置される環状の凹部1041に受け入れられ、そこにねじ山のある締結具によって固定される。PCBA1039は、ベアリングポケット1090の少なくとも一部を覆う。
【0044】
図19に示すように、非導電体1080は、その第1の軸方向端部において延びる第1の軸方向表面1023と、その第2の軸方向端部において延びる第2の軸方向表面1025とを含む。第1の軸方向表面1023はステータアセンブリ120の方を向き、第2の軸方向表面1025はステータアセンブリ120とは反対側を向く。非導電体1080はまた、第1の軸方向表面1023と第2の軸方向表面1025との間に延びる円周方向外面1043を含む。タング1082は、円周方向外面1043から略半径方向にそれぞれ突出する。各タング1082は、その遠位端にフォーク状の先端1045を含み、略平面状である。隣接するステータ巻線150の対応するリード線186(図17)は、フォーク状の先端1045に受け入れられて接触し、例えばレーザ溶接によって機械的に取り付けられる。他の実施形態では、リード線186は、はんだ付け、超音波溶接、圧着などの他の手段によってフォーク状の先端1045に取り付けられ得る。図19に更に示すように、タング1082のそれぞれもまた、概してモータ1014の同じ軸方向領域内に配置される。特に、各タング1082は、中心軸1024に垂直に延びる第1の平面1031内に置かれ、これを画定する。図20に示すように、タング1082は、非導電体1080の円周の周囲に略等間隔で配置される。そのため、角度Aが、中心軸1024を中心として任意の隣接する2つのタング1082間で測定される。図示の実施形態では、バスバーアセンブリ1036は12個のタング1082を含み、角度Aは約30度である。
【0045】
図示の実施形態では、バスバーアセンブリ1036は、非導電体1080の第2の軸方向表面1025から軸方向1037に突出する3つの電源接続端子1084を含む。各端子1084は、中心軸1024に平行に向くまっすぐな脚部として形成される。端子1084のすべてが互いに略平行且つ第1の平面1031に垂直に延びる。
【0046】
バスバーアセンブリ1036は、モータ1014において並列デルタ結線巻線構成を提供するように構成される。具体的には、各コイルを形成する巻線150のリード線186が、それぞれの最も近くのタング1082の対応するフォーク状の先端1045に接続されるときに、巻線150は並列デルタ結線巻線構成に配置される。
【0047】
本明細書で説明される図1図22の実施形態では、バスバーアセンブリ36、1036は、ねじ山のある締結具によってステータアセンブリ20、120に固定される。図23図32は、本明細書で説明される電気モータ1014に類似するが、バスバーアセンブリをステータアセンブリに固定する代替的な手段を利用する電気モータの代替的な実施形態を示している。図23図32に関連して説明される代替的な手段は、ねじ山のある締結具を使用しない。
【0048】
図23図25は、本開示の別の実施形態による電気モータ1014aの部分を示している。モータ1014aは、図13図16に関連して本明細書で説明したセグメント化されたステータアセンブリ120に類似したセグメント化されたステータアセンブリ120aを含む。モータ1014aはまた、図17図22に関連して本明細書で説明したバスバーアセンブリ1036に類似したバスバーアセンブリ1036aを含む。バスバーアセンブリ1036aは、本明細書で説明するように、超音波溶接プロセスによってステータアセンブリ120aに固定され得る。電気モータ1014aは、図2図4及び図12に関連して本明細書で説明したロータアセンブリ22を用いて作動可能であり、これを含み得る。
【0049】
ステータアセンブリ120aは、図示の実施形態では、それらの円周方向端部において互いに固定された6つのステータセグメント143aを含むセグメント化されたステータアセンブリ120aである。各ステータセグメント143aは、コア146aと、コア146aに取り付けられた成形絶縁体148a(例えば、射出成形により樹脂で形成されたもの)と、ステータ巻線150aとを含む。他の実施形態(図示せず)では、ステータアセンブリはセグメント化されず、代わりに、本明細書で説明されるようにバスバーアセンブリ1036aを取り付けるために超音波溶接プロセスを依然として利用しながら、一体の環状コアと一体の絶縁体とを含み得る。
【0050】
図示の実施形態では、バスバーアセンブリ1036aは、半径方向に突出する巻線接続端子又はタング1082aを有する複数の導体1078aを含む。各ステータ巻線150aは、隣接するタング1082aに接続する一対のリード線186aを含む。バスバーアセンブリ1036aはまた、導体1078aを固定して支持する非導電体1080a(例えば、樹脂で形成されたもの)を含む。非導電体1080aには、ロータ位置センサ回路基板などのPCBA1039aが結合される。非導電体1080aは、ロータベアリング92(図10図12)を受け入れる中央開口部又はベアリングポケット(例えば、図25のベアリングポケット1090aなど)を更に画定する。
【0051】
図24は、超音波溶接によってステータアセンブリ120aに固定されたバスバーアセンブリ1036aの一部を示している。具体的には、成形絶縁体148aは、第1の熱可塑性材料から形成され得、非導電体1080aもまた第2の熱可塑性材料から形成され得る。第1の熱可塑性材料と第2の熱可塑性材料とは同じでも異なってもよい。第1の熱可塑性材料及び第2の熱可塑性材料のそれぞれが、それぞれの溶融温度を超えて加熱されると溶融し得、冷却されると互いに固着し得る。超音波溶接プロセスにおいて、部品を高周波で振動させて熱を発生させ、熱により接触面175a、1075aにおいて部品を局所的に溶融して融着させる。非導電体1080aの底部表面又は内側表面1075aが成形絶縁体148aのコイルプロテクタ部分174aの軸方向外面175aに接触する部分に、超音波溶接部が形成される。
【0052】
図25は、超音波溶接部が異なる場所に形成される超音波溶接の第2の例を示している。具体的には、コイルプロテクタ部分174aの内側環状表面179aにベアリングポケット1090aの外側周縁表面1079aが接触する部分に、溶接部が形成される。
【0053】
図26図28は、本開示の別の実施形態による電気モータ1014bの部分を示している。電気モータ1014bは、図23図25に関連して本明細書で説明した電気モータ1014aと多くの点で類似しており、そのため、以下の説明は、モータ1014aと1014bとの間の違いに焦点を合わせる。本実施形態では、バスバーアセンブリ1036bが、熱圧着方法を介してステータアセンブリ120bに固定される。ステータアセンブリ120bの成形絶縁体148bが、複数の細長い軸方向に突出するポスト170bを含む。バスバーアセンブリ1036bの非導電体1080bが、ポスト170bを密接に受け入れるように形状及びサイズを定められたスロット状の開口部1095bとして構成されたレセプタクルをそれぞれ画定する複数の半径方向に突出するタブ又はラジアルアーム1094bを含む。少なくともポスト170bが第1の熱可塑性材料から形成され得、レセプタクル又は開口部1095bが第2の熱可塑性材料によって形成され得る。第1の熱可塑性材料と第2の熱可塑性材料とは同じでも異なってもよい。第1の熱可塑性材料及び第2の熱可塑性材料のそれぞれが、それぞれの溶融温度を超えて加熱されると溶融し得、冷却されると互いに固着し得る。図示の実施形態では、絶縁体148bは第1の熱可塑性材料だけで形成され、非導電体1080bは第2の熱可塑性材料だけで形成される。
【0054】
まず、ポスト170bが、サーマルチップ1100(図27)によってそれぞれ加熱される。ポスト170bが所定の温度に達すると、サーマルチップ1100が取り外され、圧入によってスロット状の開口部1095bがポスト170bを受け入れるように、バスバーアセンブリ1036bがステータアセンブリ120b上に素早く押し付けられる。加熱されたポスト170bは、スロット状の開口部1095bの表面に結合して、しっかりとした接続を形成する。したがって、ポスト170bとスロット状の開口部1095bを画定する非導電体1080bの表面との間に形成された接続は、非導電体1080bを成形絶縁体148bに固定する。図示の実施形態では、ポスト170bは、非導電体1080bの第1の軸方向を向く表面から開口部1095bを貫通し、反対側にある非導電体1080bの第2の軸方向を向く表面まで延びる。いくつかの実施形態では、ポスト170bの遠位端は、開口部1095bを越えて、第2の軸方向を向く表面を越えて突出する。
【0055】
電気モータ1014bの他の実施形態では、絶縁体148bは、代わりに、レセプタクル、又はスロット状の開口部を画定し得、非導電体1080bは、対応してポストを含み得る。電気モータ1014c及び1014eの以下の説明についても概して同様であり、すなわち、ポスト及び対応するレセプタクルは、絶縁体及び非導電体によって形成され得、その逆も同様である。
【0056】
図29図31は、本開示の別の実施形態による電気モータ1014cの部分を示している。電気モータ1014cは、図26図28に関連して本明細書で説明した電気モータ1014bと多くの点で類似しており、そのため、以下の説明は、モータ1014bと1014cとの間の違いに焦点を合わせる。本実施形態では、バスバーアセンブリ1036cが、熱圧着方法を介してステータアセンブリ120cに固定されるが、ポスト及びラジアルアームの形状は、図26図28に示すものとは異なる。ステータアセンブリ120cの成形絶縁体148cは、軸方向に突出する円筒状のポスト170cを含み、バスバーアセンブリ1036cの非導電体1080cは、ラジアルアーム1094cを部分的にのみ軸方向に貫通して延びる円筒状の凹部1095cとして構成されたレセプタクルをそれぞれ画定するラジアルアーム1094cを含む。円筒状のポスト170cは、図26図28に関連して本明細書で説明したのと同様の仕方で、凹部1095cに熱圧入される。しかしながら、ラジアルアーム1094cはまた、ラジアルアーム1094cの軸方向外側で凹部1095cと連絡する緩衝開口部1096cを含む。緩衝開口部1096cは、熱圧着プロセスにおけるポスト170cの材料変位のための緩衝領域を提供する。緩衝開口部1096cは凹部1095cの直径より小さい直径を有し、凹部1095cと緩衝開口部1096cとの間に肩部が画定される。
【0057】
図32は、バスバーアセンブリ(図示せず)の非導電体1080dをステータアセンブリ(図示せず)の成形絶縁体148dに固定するための熱かしめ方法を示している。本明細書で説明されるバスバーアセンブリ1036、1036a、1036b、1036cなどのいずれかが、本明細書で既に説明された方法(例えば、ねじ山のある締結具、超音波溶接、熱圧着など)に代えて、又はこれに加えて、熱かしめ方法を用いて、ステータアセンブリ120、120a、120b、120cなどに固定され得る。熱かしめ方法は、図26図31に示したものと同様にポスト及びラジアルアームの構造にも使用され得る。熱かしめ方法において、絶縁体148dの軸方向に突出する杭又はポスト170dは、加熱工程の前に、非導電体1080dの開口部1095dに押し込まれる。ポスト170dは、開口部1095dの軸方向長さよりも大きな軸方向長さを有して形成されるため、ポスト170dの端部部分が開口部1095dのリムを越えて突出する。ポスト170dの端部部分は、部分的に溶融されるまで加熱されて、開口部1095dのリムの上にドーム又はフランジを形成する。これにより、絶縁体148dと非導電体1080dとの間にしっかりとした機械的な接続が提供される。
【0058】
図33は、本開示の別の実施形態による電気モータ1014eの部分を示している。電気モータ1014eは、熱かしめ方法によってバスバーアセンブリ1036eの非導電体1080eに固定されるPCBA1039eを含む。電気モータ1014eは、図29図31に関連して本明細書で説明した電気モータ1014cと多くの点で類似しており、そのため、以下の説明は、モータ1014cと1014eとの間の違いに焦点を合わせる。
【0059】
本実施形態では、バスバーアセンブリ1036eは、図29図31に関連して本明細書で説明した熱圧着方法を介してステータアセンブリ120eに固定される。PCBA1039e(例えば、位置センサ回路基板)は、略環状であり、非導電体1080eに画定された対応する中央に配置された環状凹部1041eに受け入れられる。PCBA1039eは、ベアリングポケット(図示しないが、同様のベアリングポケット1090aを示す図25を参照)の少なくとも一部を覆う。PCBA1039eは、PCBA1039eの他の円形周縁部1087eから半径方向に外側に突出する3つの取り付けアーム1085eを含む。取り付けアーム1085eは、互いに角度的に等距離に配置され、それぞれが取り付け開口部1086eを画定する。非導電体1080eは、その外面から軸方向に突出する3つの取り付けポスト1088eを含む。
【0060】
熱かしめ方法において、PCBA1039eは、加熱工程の前に凹部1041eに挿入される。取り付けポスト1088eは、対応する取り付け開口部1086eに受け入れられる。取り付けポスト1088eは、取り付け開口部1086eの軸方向長さよりも大きな軸方向長さを有するため、ポスト1088eの端部部分がそれぞれの取り付け開口部1086eのリムを越えて突出する。ポスト1088eの端部部分は、部分的に溶融されるまで加熱されて、開口部1086eのリムの上及びPCBA1039eの表面の一部の上にドーム又はリベットを形成する。これにより、絶縁体PCBA1039eと非導電体1080eとの間にしっかりとした機械的な接続が提供される。
【0061】
取り付けポスト1088eを熱かしめすることによってPCBA1039eをバスバーアセンブリ1036eに固定することは、ねじ山のある締結具を使用するよりも有利である。例えば、非導電体1080e内には導体が延びているため、ねじ穴が非導電体に設けられていると導体と干渉することがある。ねじ山のある締結具をなくし、代わりに熱かしめされた取り付けポスト1088eを使用することにより、この問題が回避され、PCBA1039eに対応するために必要なポストをより自由に配置することができる。これにより、十分な深さのねじ穴を収容するために(その場合、モータアセンブリの軸方向の全長を増加させることになる)非導電体に材料を追加することなくPCBAを小型化できるなど、従来技術の電気モータよりもサイズに関して有利である。
【0062】
図34図37は、別の実施形態によるバスバーアセンブリ1036f及びPCBA1039fを示している。バスバーアセンブリ1036f及びPCBA1039fは、図33に関連して本明細書で説明したバスバーアセンブリ1036e及びPCBA1039eと多くの点で類似しており、以下の説明はこれらの間のいくつかの違いに焦点を合わせる。
【0063】
本実施形態では、PCBA1039fは、熱かしめ方法によってバスバーアセンブリ1036fの非導電体1080fに固定される。PCBA1039f(例えば、位置センサ回路基板)は、略環状であり、非導電体1080fに画定された対応する中央に配置された環状凹部1041fに受け入れられる。PCBA1039fは、非導電体1080fの中央領域に画定されたベアリングポケット1090fの少なくとも一部を覆う。PCBA1039fは、円形周縁部1087fを含み、それぞれ円形周縁部1087fに隣接して配置され、互いに角度的に等間隔で配置された3つの取り付け開口部1086fを画定する。PCBA1039fはまた、円形周縁部1087fに割り込む位置決めノッチ1089fを画定する。非導電体1080fは、凹部1041fの円形周縁部1092fに割り込み、凹部1041f内に突出する対応する位置決め突出部1091fを含む。位置決めノッチ1089fは、組み立てにおいてバスバーアセンブリ1036fに対してPCBA1039fを適切に向けるために、位置決め突出部1091fを受け入れる。他の実施形態(図示せず)では、突出部は、代わりに、PCBA1039fに設けられ、非導電体1080fが対応するノッチを画定し得る。
【0064】
非導電体1080fは、凹部1041fの底面から軸方向に突出する3つの取り付けポスト1088fを含む。図34に示すように、取り付けポスト1088fは、非導電体1080fの軸方向端面1093fを越えて突出する。換言すれば、非導電体1080fの軸方向端面1093fは平坦面1097fを画定し、取り付けポスト1088fは平坦面1097fを越えて突出する。
【0065】
熱かしめ方法において、PCBA1039fは、加熱工程の前に凹部1041fに挿入される。取り付けポスト1088fは、対応する取り付け開口部1086fに受け入れられ、位置決め突出部1091fは位置決めノッチ1089fに受け入れられて、PCBA1039fの向きを定める。取り付けポスト1088fは、取り付け開口部1086fの軸方向長さよりも大きな軸方向長さを有するため、ポスト1088fの端部部分がそれぞれの取り付け開口部1086fのリムを越えて突出する。ポスト1088fの端部部分は、部分的に溶融されるまで加熱されて、取り付け開口部1086fのリムの上及びPCBA1039fの表面の一部の上にドーム又はリベット1098fを形成する。これにより、絶縁体PCBA1039fと非導電体1080fとの間にしっかりとした機械的な接続が提供される。
【0066】
本開示を、特定の好適な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、記載されている本開示の1つ以上の独立態様の範囲及び趣旨内に変形形態及び修正形態が存在する。
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【外国語明細書】