(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086679
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】シャントコンデンサおよびシャント抵抗器を有する電圧形ゲート駆動装置
(51)【国際特許分類】
H02M 1/08 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
H02M1/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023211623
(22)【出願日】2023-12-15
(31)【優先権主張番号】63/387,784
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/458,442
(32)【優先日】2023-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517216431
【氏名又は名称】コルボ ユーエス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100100479
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 三喜夫
(72)【発明者】
【氏名】ジュー,ケ
【テーマコード(参考)】
5H740
【Fターム(参考)】
5H740AA04
5H740AA05
5H740BA12
5H740BC01
5H740BC02
5H740JA01
5H740JB01
5H740KK01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】改善された電圧形ゲートドライバー及びパワーシステムを提供する。
【解決手段】パワーシステム10において、シャントコンデンサC
GSNTとシャント抵抗器R
GSNTは直列で、電圧形ゲートドライバー12のゲートドライバー抵抗器ネットワーク18の両端に並列に接続される。シャントコンデンサ及びシャント抵抗器により、ゲート抵抗器R
Gのゲート遅延とスイッチング速度の影響を分離する。シャントコンデンサは、初期の高い充電電圧及び放電ゲート電流を提供してゲート遅延時間を短縮する。シャント抵抗器は、ゲート電流とその結果生じるスイッチング速度に影響を及ぼす実効ゲート抵抗を修正する。シャントコンデンサ及びシャント抵抗器は、最小ゲート遅延時間で所望のスイッチング速度を制御するように決定される。複数のパワーデバイス14が並列である場合、各パワーデバイスには、それぞれスプリットゲート抵抗器が設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧形ゲートドライバーであって、
第一のゲート信号を受信し、出力ノードで制御された出力電圧を提供するように構成される入力を含むパワーコンバーターと、
前記パワーコンバーターの前記出力ノードと前記電圧形ゲートドライバーの出力端子との間に結合される少なくとも一つのゲート抵抗を有するゲートドライバー抵抗器ネットワークと、
前記ゲートドライバー抵抗器ネットワークの両端に並列に接続するシャントコンデンサと、を備え、
前記出力端子が、第二のゲート信号を半導体パワーデバイスのゲートに提供するように構成される、電圧形ゲートドライバー。
【請求項2】
前記シャントコンデンサが、前記シャントコンデンサC
GSNTについて解かれる以下の式を使用して計算される値を有し、
【数1】
式中、V
DDは正の電源電圧であり、V
EEは負の電源電圧であり、C
ISSは前記半導体パワーデバイスの入力容量であり、V
THは前記半導体パワーデバイスの閾値電圧である、請求項1に記載の電圧形ゲートドライバー。
【請求項3】
前記シャントコンデンサと直列に接続するシャント抵抗器をさらに備え、前記シャント抵抗器および前記シャントコンデンサが、前記ゲートドライバー抵抗器ネットワークの両端に並列に接続される、請求項1に記載の電圧形ゲートドライバー。
【請求項4】
前記第一のシャント抵抗器が、0Ω~10MΩの範囲内である、請求項3に記載の電圧形ゲートドライバー。
【請求項5】
前記ゲートドライバー抵抗器ネットワークが、0Ω~10MΩの範囲の等価抵抗値を有する、請求項1に記載の電圧形ゲートドライバー。
【請求項6】
前記パワーコンバーターが、電圧整流器、レギュレーター、インバーター、またはコンバーターのうちの一つを備える、請求項1に記載の電圧形ゲートドライバー。
【請求項7】
ソリッドステートサーキットブレーカーをさらに備える、請求項1に記載の電圧形ゲートドライバー。
【請求項8】
前記半導体パワーデバイスが、ハーフブリッジ回路トポロジーを含む、請求項1に記載の電圧形ゲートドライバー。
【請求項9】
前記半導体パワーデバイスが、並列トランジスタ接続回路トポロジーである、請求項1に記載の電圧形ゲートドライバー。
【請求項10】
前記半導体パワーデバイスが、共通ソース回路トポロジーである、請求項1に記載の電圧形ゲートドライバー。
【請求項11】
前記半導体パワーデバイスが、ハーフブリッジ回路トポロジー、並列トランジスタ接続回路トポロジー、または共通ソース回路トポロジーのうちの一つである、請求項1に記載の電圧形ゲートドライバー。
【請求項12】
前記半導体パワーデバイスが、金属酸化物電界効果トランジスタである、請求項1に記載の電圧形ゲートドライバー。
【請求項13】
前記半導体パワーデバイスが、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)、または高電子移動度トランジスタ(HEMT)のうちの一つである、請求項1に記載の電圧形ゲートドライバー。
【請求項14】
パワーシステムであって、
電圧形ゲートドライバーであって、
第一のゲート信号を受信し、出力ノードで制御された出力電圧を提供するように構成される入力を含むパワーコンバーターと、
前記パワーコンバーターの前記出力ノードと前記電圧形ゲートドライバーの出力端子との間に結合される少なくとも一つのゲート抵抗を有するゲートドライバー抵抗器ネットワークと、
前記ゲートドライバー抵抗器ネットワークの両端に並列に接続するシャントコンデンサと、
第二のゲート信号を提供するように構成される前記出力端子と、を備える、電圧形ゲートドライバーと、
ゲート端子、ドレイン端子、およびソース端子を備える半導体パワーデバイスであって、前記半導体パワーデバイスが、前記ゲート端子で前記第二のゲート信号を受信するように構成される、半導体パワーデバイスと、を備える、パワーシステム。
【請求項15】
前記シャントコンデンサが、前記シャントコンデンサC
GSNTについて解かれる以下の式を使用して計算される値を有し、
【数2】
式中、V
DDは正の電源電圧であり、V
EEは負の電源電圧であり、C
ISSは前記半導体パワーデバイスの入力容量であり、V
THは前記半導体パワーデバイスの閾値電圧である、請求項14に記載のパワーシステム。
【請求項16】
前記シャントコンデンサと直列に接続するシャント抵抗器をさらに備え、前記シャント抵抗器および前記シャントコンデンサは、前記ゲートドライバー抵抗器ネットワークの両端に並列に接続される、請求項14に記載のパワーシステム。
【請求項17】
前記第一のシャント抵抗器が、0Ω~10MΩの範囲内である、請求項16に記載のパワーシステム。
【請求項18】
前記ゲートドライバー抵抗器ネットワークが、0Ω~10MΩの範囲の等価抵抗値を有する、請求項14に記載のパワーシステム。
【請求項19】
前記パワーコンバーターが、電圧整流器、レギュレーター、インバーター、またはコンバーターのうちの一つを備える、請求項14に記載のパワーシステム。
【請求項20】
前記半導体パワーデバイスが、金属酸化物電界効果トランジスタである、請求項14に記載のパワーシステム。
【請求項21】
前記半導体パワーデバイスが、ハーフブリッジ回路トポロジー、並列トランジスタ接続回路トポロジー、または共通ソース回路トポロジーのうちの一つである、請求項14に記載のパワーシステム。
【請求項22】
前記半導体パワーデバイスが、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)、または高電子移動度トランジスタ(HEMT)のうちの一つである、請求項14に記載のパワーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「Voltage-Source Gate Drive Using Shunt Capacitor and Resistor that Decouples Switching Speed Control and Gate Delay Time」と題する、2022年12月16日出願の米国仮特許出願第63/387,784号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、パワー半導体デバイスに関し、より具体的には、パワー半導体デバイスを駆動するための電圧形ゲート駆動回路に関する。
【背景技術】
【0003】
パワー半導体デバイスは通常、電力変換機能を提供するためにパワーエレクトロニクス回路で使用される。用途では、より速いスイッチング速度は、パワー半導体デバイスに関連するスイッチング損失を低減するため、パワー半導体デバイスの動作に有益である。
【0004】
それにもかかわらず、スイッチング速度が速くなると、電磁干渉が増大し、振動の危険性が高まる。これに関して、半導体パワーデバイスのゲート遅延およびスイッチング速度には相関関係がある。スイッチング速度がより遅くなると、スイッチング損失が増加し、制御または保護の観点から望ましくない場合があるゲート遅延がより長くなる。スイッチング速度がより速くなると、電磁両立性と電磁干渉の業界標準に準拠する上で課題が生じ、電圧スパイク、リンギング、電磁干渉を引き起こし、それは電磁両立性を達成し振動を回避することをさらに困難にさせる。さらに、ゲート遅延がより長くなると、パワーエレクトロニクス回路の保護、並列同期、および回路動作に悪影響を及ぼす。パワーエレクトロニクス回路のスイッチング速度とゲート遅延を最適化する際のもう一つの課題は、半導体パワーデバイスの入力容量(CISS)に対応する必要があることである。半導体パワーデバイスは、半導体パワーデバイスのダイサイズに比例する高入力容量(CISS)により、長いゲート遅延を有する場合がある。したがって、半導体パワーデバイスの設計、構造、または用途に応じて、ゲート遅延は、半導体パワーデバイスが、例えば並列トランジスタを備える場合、半導体パワーデバイスの各並列ブランチが特性入力容量(CISS)を有することになるため、さらに長く、より顕著になる。したがって、改善された電圧形ゲートドライバーが必要である。
【発明の概要】
【0005】
改良された電圧形ゲートドライバーを使用して、パワーデバイスのスイッチング速度とゲート遅延時間の制御とを分離する半導体パワーデバイスを制御するための態様が開示されている。一態様では、電圧形ゲートドライバーを説明する。電圧形ゲートドライバーは、第一のゲート信号を受信し、出力ノードに調整された出力電圧を供給するように構成される入力を含むパワーコンバーターを備える。電圧形ゲートドライバーは、パワーコンバーターの出力ノードと電圧形ゲートドライバーの出力端子との間に結合される少なくとも一つのゲート抵抗を有するゲートドライバー抵抗器ネットワークと、ゲートドライバー抵抗器ネットワークの両端に並列に接続するシャントコンデンサと、をさらに備える。このようにして、出力端子は、第二のゲート信号を半導体パワーデバイスのゲートに提供するように構成される。
【0006】
一実施形態では、シャントコンデンサは、以下の式を使用して計算される値を有する。
【数1】
【0007】
ここで、式は、シャントコンデンサCGSNTについて解かれ、式中、VDDは正の電源電圧であり、VEEは負の電源電圧であり、CISSは半導体パワーデバイスの入力容量であり、VTHは半導体パワーデバイスの閾値電圧である。
【0008】
一実施形態では、電圧形ゲートドライバーは、シャントコンデンサと直列に接続するシャント抵抗器をさらに備え、シャント抵抗器およびシャントコンデンサは、ゲートドライバー抵抗器ネットワークの両端に並列に接続されている。第一のシャント抵抗器は、0Ω~10MΩの範囲内である。
【0009】
一実施形態では、ゲートドライバー抵抗器ネットワークは、0Ω~10MΩの範囲の等価抵抗値を有する。
【0010】
別の実施形態では、パワーコンバーターは、電圧整流器、レギュレーター、インバーター、またはコンバーターのうちの一つを備える。
【0011】
一実施形態では、電圧形ゲートドライバーは、ソリッドステートサーキットブレーカーをさらに備える。
【0012】
一実施形態では、半導体パワーデバイスは、ハーフブリッジ回路トポロジーを備える。
【0013】
一実施形態では、半導体パワーデバイスは、並列トランジスタ接続回路トポロジーである。
【0014】
一実施形態では、半導体パワーデバイスは、共通ソース回路トポロジーである。
【0015】
一実施形態では、半導体パワーデバイスは、ハーフブリッジ回路トポロジー、並列トランジスタ接続回路トポロジー、または共通ソース回路トポロジーのうちの一つである。
【0016】
一実施形態では、半導体パワーデバイスは、金属酸化物電界効果トランジスタである。
【0017】
一実施形体では、半導体パワーデバイスは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)、または高電子移動度トランジスタ(HEMT)のうちの一つである。
【0018】
別の態様では、電圧形ゲートドライバーおよび半導体パワーデバイスを備えるパワーシステムが開示される。電圧形ゲートドライバーは、第一のゲート信号を受信し、出力ノードに制御された出力電圧を提供するように構成される入力を含むパワーコンバーターと、パワーコンバーターの出力ノードと電圧形ゲートドライバーの出力端子との間に結合された少なくとも一つのゲート抵抗を有するゲートドライバー抵抗器ネットワークと、ゲートドライバー抵抗器ネットワークの両端に並列に接続するシャントコンデンサと、を備え、出力端子が、第二のゲート信号を提供するように構成される。
半導体パワーデバイスは、ゲート端子、ドレイン端子、およびソース端子を備え、半導体パワーデバイスは、ゲート端子で第二のゲート信号を受信するように構成される。
【0019】
一実施形態では、シャントコンデンサは、以下の式を使用して計算される値を有する。
【数2】
【0020】
ここで、式は、シャントコンデンサCGSNTについて解かれ、式中、VDDは正の電源電圧であり、VEEは負の電源電圧であり、CISSは半導体パワーデバイスの入力容量であり、VTHは半導体パワーデバイスの閾値電圧である。
【0021】
一実施形態では、パワーシステムは、シャントコンデンサと直列に接続するシャント抵抗器をさらに備え、シャント抵抗器およびシャントコンデンサは、ゲートドライバー抵抗器ネットワークの両端に並列に接続する。第一のシャント抵抗器は、0Ω~10MΩの範囲内である。
【0022】
一実施形態では、ゲートドライバー抵抗器ネットワークは、0Ω~10MΩの範囲の等価抵抗値を有する。
【0023】
別の実施形態では、パワーコンバーターは、電圧整流器、レギュレーター、インバーター、またはコンバーターのうちの一つを備える。
【0024】
一実施形態では、半導体パワーデバイスは、金属酸化物電界効果トランジスタである。
【0025】
一実施形態では、半導体パワーデバイスは、ハーフブリッジ回路トポロジー、並列トランジスタ接続回路トポロジー、または共通ソース回路トポロジーのうちの一つである。
【0026】
一実施形体では、半導体パワーデバイスは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)、または高電子移動度トランジスタ(HEMT)のうちの一つである。
【0027】
当業者であれば、添付図面に関連する以下の詳細な説明を読んだ後に、本開示の範囲を理解し、その別の態様に気付くであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示のいくつかの態様を示し、説明と共に本開示の原理を説明する役割を果たす。
【0029】
【
図1】
図1は、半導体パワーデバイスに接続する電圧形ゲートドライバーを有する例示的なパワーシステムを示す。
【0030】
【
図2】
図2は、半導体パワーデバイスの一部として並列に接続される複数のMOSFETを有する別の例示的なパワーシステムを示す。
【0031】
【
図3A】
図3A~
図3Cは、
図1に示すパワーシステムの半導体パワーデバイスの一部として本開示の様々な実施形態で適用される例示的な回路トポロジーを示す。
【0032】
図3Aは、例示的なハーフブリッジ回路トポロジーを示す。
【0033】
【
図3B】
図3Bは、例示的な並列トランジスタ接続回路トポロジーを示す。
【0034】
【
図3C】
図3Cは、例示的な共通ソース回路トポロジーを示す。
【0035】
【
図4A】
図4Aおよび4Bは、シャントコンデンサC
GSNTがあり、シャント抵抗器R
GSNTが存在しない(R
GSNT=0Ω)、
図1に示すパワーシステムの半導体パワーデバイスの電圧および電流特性を示すグラフである。
【0036】
図4Aは、ターンオフ移行中の、
図1に示すパワーシステムの半導体パワーデバイスの電圧および電流特性を示すグラフであり、パワーシステムは、シャントコンデンサC
GSNTを備え、シャント抵抗器R
GSNTがない(R
GSNT=0Ω)。
【0037】
【
図4B】
図4Bは、ターンオン移行中の、
図1に示すパワーシステムの半導体パワーデバイスの電圧および電流特性を示すグラフであり、パワーシステムは、シャントコンデンサC
GSNTを備え、シャント抵抗器R
GSNTがない(R
GSNT=0Ω)。
【0038】
【
図5A】
図5Aおよび
図5Bは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTを有する、
図1に示すパワーシステムの半導体パワーデバイス(すなわち、ディスクリートデバイス)の電圧および電流特性を示すグラフである。
【0039】
図5Aは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTを有し、ターンオフ移行中の、
図1に示すパワーシステムの半導体パワーデバイスの電圧および電流特性を示すグラフである。
【0040】
【
図5B】
図5Bは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTを有し、ターンオン移行中の、
図1に示すパワーシステムの半導体パワーデバイスの電圧および電流特性を示すグラフである。
【0041】
【
図6A】
図6Aおよび
図6Bは、シャントコンデンサC
GSNT、シャント抵抗器R
GSNT、および直列スプリットゲート抵抗器R
Gを有し、
図1に示すパワーシステムの半導体パワーデバイス(すなわち、ハーフブリッジ30パワーモジュール)の電圧および電流特性を示すグラフである。
【0042】
図6Aは、シャントコンデンサC
GSNT、シャント抵抗器R
GSNT、および直列スプリットゲート抵抗器R
Gを有し、ターンオフ移行中の、
図1に示すパワーシステムの半導体パワーデバイスの電圧および電流特性を示すグラフである。
【0043】
【
図6B】
図6Bは、シャントコンデンサC
GSNT、シャント抵抗器R
GSNT、および直列スプリットゲート抵抗器R
Gを有し、ターンオン移行中の、
図1に示すパワーシステムの半導体パワーデバイスの電圧および電流特性を示すグラフである。
【0044】
【
図7A】
図7Aおよび7Bは、ターンオンゲート抵抗器R
G-ONおよびターンオフゲート抵抗器R
G-OFFの異なる値を使用して生成される、
図1に示すパワーシステムの半導体パワーデバイスの電圧および電流特性を示すグラフである
【0045】
図7Aは、異なる値(R
G-ON=R
G-OFF=100Ω、R
G-ON=R
G-OFF=150Ω、およびR
G-ON=R
G-OFF=200Ω)を有するターンオンゲート抵抗器R
G-ONおよびターンオフゲート抵抗器R
G-OFFを使用して生成された、ターンオフ移行中の
図1に示すパワーシステムの半導体パワーデバイスの電圧および電流特性を示すグラフである。
【0046】
【
図7B】
図7Bは、異なる値(R
G-ON=R
G-OFF=100Ω、R
G-ON=R
G-OFF=150Ω、およびR
G-ON=R
G-OFF=200Ω)を有するターンオンゲート抵抗器R
G-ONおよびターンオフゲート抵抗器R
G-OFFを使用して生成された、ターンオン移行中の、
図1に示すパワーシステムのディスクリート半導体パワーデバイスの電圧および電流特性を示すグラフである。
【0047】
【
図8A】
図8Aおよび
図8Bは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTがない、
図1に示すパワーシステムの半導体パワーデバイスの電圧および電流特性を示すグラフであり、ディスクリート半導体パワーデバイスは、低速スイッチング用途に好適な電気的特性を備えている。
【0048】
図8Aは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTがない、ターンオフ移行中の、
図1に示すパワーシステムの半導体パワーデバイスの電圧および電流特性を示すグラフであり、半導体パワーデバイスは、低速スイッチング用途に好適な電気的特性を備えている。
【0049】
【
図8B】
図8Bは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTがない、ターンオン移行中の
図1に示すパワーシステムのディスクリート半導体パワーデバイスの電圧および電流特性を示すグラフであり、半導体パワーデバイスは、低速スイッチング用途に好適な電気的特性を備える。
【0050】
【
図9A】
図9Aおよび
図9Bは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTを有する、
図1に示すパワーシステムの半導体パワーデバイスの電圧および電流特性を示すグラフであり、半導体パワーデバイスは、低速スイッチング用途に好適な電気的特性を備える。
【0051】
図9Aは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTを有する、ターンオフ移行中の、
図1に示すパワーシステムのディスクリート半導体パワーデバイスの電圧および電流特性を示すグラフであり、ディスクリート半導体パワーデバイスは、低速スイッチング用途に好適な電気的特性を備える。
【0052】
【
図9B】
図9Bは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTを有する、ターンオン移行中の、
図1に示すパワーシステムの半導体パワーデバイスの電圧および電流特性を示すグラフであり、半導体パワーデバイスは、低速スイッチング用途に好適な電気的特性を備える。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下に記載される実施形態は、当業者が実施形態を実践することを可能にするために必要な情報を表し、実施形態を実践する最善モードを例示する。添付の図面に照らして以下の説明を読んだ後、当業者は、本開示の概念を理解し、本明細書に特に記載されていないこれらの概念の適用を認識するであろう。当然のことながら、これらの概念および適用は、本開示の範囲および付随する特許請求の範囲に含まれる。
【0054】
本明細書では、用語、第一、第二、等を使用して様々な要素を説明することができるが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、一つの要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第一の要素を第二の要素と呼ぶことができ、同様に、第二の要素を第一の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用される「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの一つ以上のあらゆるすべての組み合わせを含む。
【0055】
層、領域、または基板などの要素が、別の要素の「上に」ある、または「上へ」延在すると言及される場合、別の要素の直接上にある、または直接上へ延在する、または介在する要素も存在し得ることが理解されよう。対照的に、要素が別の要素の「直接上に」ある、または「直接上へ」延在すると言及される場合、介在する要素は存在しない。同様に、層、領域、または基板などの要素が、別の要素の「上に」ある、または「上に」延在すると言及される場合、別の要素の直接上にある、または直接上に延在する、または介在する要素も存在し得ることが理解されよう。対照的に、要素が別の要素の「直接上に」ある、または「直接上に」延在すると言及される場合、介在する要素は存在しない。また、要素が別の要素に「連結」または「結合」していると呼ばれる場合、他の要素に直接連結もしくは結合する、または介在要素が存在することも理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接連結している」または「直接結合している」と呼ばれる場合、介在要素は存在しない。
【0056】
図に示すように、一つの要素、層、または領域と別の要素、層、または領域との関係を記述するために、本明細書では、例えば「~より下」または「~より上」または「上の」または「下の」などの相対的用語が使用され得る。これらの用語および上述したものは、図に描写された配向に加えて、装置の異なる配向を包含することが意図されていることが理解される。
【0057】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記述する目的のみに使用され、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によって別途明確に示されない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される場合、「comprises(備える)」、「comprising(備える)」、「includes(含む)」、および/または「including(含む)」は、記載された特徴、整数、工程、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、および/またはそのグループの存在または追加を妨げないことがさらに理解されるであろう。
【0058】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および学術用語を含む)は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、本明細書で使用される用語は、本明細書および関連技術の文脈においてその意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書に明示的に定義されない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されないことが理解されるであろう。
【0059】
本明細書では、本開示の実施形態の概略図を参照して実施形態を説明する。したがって、層および要素の実際の寸法は異なる可能性があり、例えば製造技術および/または公差の結果として、図の形状とは異なることが予想される。例えば、正方形または長方形として例示または説明されている領域は、丸いまたは湾曲した形体であることができ、直線として示されている領域には、多少の凹凸がある可能性がある。したがって、図に例示される領域は概略的なものであり、その形状はデバイスの領域の正確な形状を例示することを意図したものでもなく、本開示の範囲を限定することを意図したものでもない。さらに、構造または領域のサイズは、説明の目的で他の構造または領域と比較して誇張される場合があり、したがって、本主題の一般的な構造を説明するために提供されており、縮尺通りに描かれている場合もいない場合もある。図面間の共通の要素は、ここでは共通の要素番号で示されており、後で再度説明することはない。
【0060】
図1は、半導体パワーデバイス14に接続する電圧形ゲートドライバー12を有する例示的なパワーシステム10を示す。電圧形ゲートドライバー12は、入力端子22で入力ゲート信号V
INを受信し、半導体パワーデバイス14に電気的に結合する出力端子24で制御および増幅された駆動信号を提供する。このようにして、電圧形ゲートドライバー12は、電流バッファーおよび信号変換器として動作し、電圧形ゲートドライバー12の入力端子22と出力端子24との間に、直列に接続するパワーコンバーター16およびゲートドライバー抵抗器ネットワーク18を備える。半導体パワーデバイス14のスイッチング速度およびゲート遅延を効果的に制御するために、シャントコンデンサC
GSNTとシャント抵抗器R
GSNTは、第一の内部ノード28と第二の内部ノード38との間に直列に接続する。さらに、直列接続したシャントコンデンサC
GSNTとシャント抵抗器R
GSNTは、第一の内部ノード28がパワーコンバーター16の出力ノード26に接続し、かつ第二の内部ノード38が電圧形ゲートドライバー12の出力端子24に接続するように、ゲートドライバー抵抗器ネットワーク18と並列に接続する。このようにして、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTは、電圧形ゲートドライバー12の一部として使用され、半導体パワーデバイス14のゲート遅延から半導体パワーデバイス14のスイッチング速度を分離し、本明細書の他の所でより詳細に説明するように、半導体パワーデバイス14における任意の偽ゲートループ発振および/またはゲートループトリガーを防止することができる。
【0061】
半導体パワーデバイス14は、集積ボディダイオードD3を有する金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)Q3であってもよい。しかし、本開示の範囲は、そのようには限定されない。半導体パワーデバイス14は、ゲート端子G、ドレイン端子D、およびソース端子Sをさらに備える。ボディダイオードD3は、ソース端子Sからドレイン端子Dへの内部電流導電路を提供し、ドレイン端子Dからソース端子Sへの高電圧および高電流を遮断する。さらに、MOSFET Q3は、ゲート・ソース間容量CGS、ドレイン・ソース間容量CGS、およびゲート・ドレイン間容量CGDを含む特性容量を備える。ここで、入力容量CISSは、ゲート・ソース間容量CGSおよびゲート・ドレイン間容量CGDの合計である。
【0062】
ドレイン端子Dおよびソース端子Sは、それぞれ第一の負荷ノード34および第二の負荷ノード36で負荷20に接続することができる。パワーシステム10内の半導体パワーデバイス14は、電圧形ゲートドライバー、例えば電圧形ゲートドライバー12を使用して電気エネルギーを整流、反転、変換、または別の方法で操作するために適用されてもよい。半導体パワーデバイス14のMOSFET Q3のソース端子Sは、コンデンサCDDおよびコンデンサCEEによって安定化される正の電源電圧VDDおよび負の電源電圧VEEとの間の基準ノード32に接続し、それを基準とする。ここで、正の電源電圧VDDは、5V~30V、10V~20V、または12V~15Vの範囲内の正のレール電圧を指す場合がある。負の電源電圧VEEは、0V~-30V、-3V~-20V、-5V~-15Vの範囲内にある、またはグランドに接続されている負レール電圧を指す場合がある。あるいは、負の電源電圧VEEは、半導体パワーデバイス14がノーマリーオンの半導体パワーデバイスであるかノーマリーオフであるかに応じて、正の電源電圧VDDの代わりに使用されてもよい。ノーマリーオフの半導体パワーデバイス14がオンになるには、正のゲート・ソース間電圧VGSが必要である。したがって、ゲート・ソース間電圧VGSが0ボルトである場合、ノーマリーオフの半導体パワーデバイス14はオフ状態になる。ノーマリーオンの半導体パワーデバイス14がオフになるには、負のゲート・ソース間電圧VGSが必要である。したがって、ゲート・ソース間電圧VGSが0ボルトである場合、ノーマリオンデバイスである半導体パワーデバイス14はオン状態となる。
【0063】
電圧形ゲートドライバー12は、電流バッファーおよび信号変換器として動作し、電圧形ゲートドライバー12の入力端子22と出力端子24との間に、直列に接続するパワーコンバーター16とゲートドライバー抵抗器ネットワーク18とを備える。パワーコンバーター16は、NチャネルMOSFETである第一のトランジスタQ1と、PチャネルMOSFETである第二のトランジスタQ2とによって形成されることができる。ここで、第一のトランジスタQ1のドレイン端子DQ1は正の電源電圧VDDに接続し、第二のトランジスタQ2のドレイン端子DQ2は負の電源電圧VEEに接続する。第一のトランジスタQ1のソース端子SQ1は、トランジスタQ2のソース端子SQ2に接続し、出力ノード26に電気的に結合する。さらに、トランジスタQ1のゲート端子GQ1は、トランジスタQ2のゲート端子GQ2に接続し、入力端子22に電気的に結合する。動作中、パワーコンバーター16は、電圧形ゲートドライバー12の入力端子22に供給される入力ゲート信号VINを調節し、ゲートドライバー抵抗器ネットワーク18に接続する出力ノード26において調節された出力電圧VREGを提供する。別の実施形態では、パワーコンバーター16は、電圧整流器、レギュレーター、インバーター、またはコンバーターのうちの一つであってもよい。
【0064】
ゲートドライバー抵抗器ネットワーク18は、電圧形ゲートドライバー12の出力ノード26と出力端子24との間に接続する。ゲートドライバー抵抗器ネットワーク18は、ターンオンゲート抵抗器R
G-ONおよびターンオフゲート抵抗器R
G-OFFを含む一つまたは複数の抵抗器を備えてもよい。ターンオンゲート抵抗器R
G-ONは、第一のダイオードD1に接続し、ターンオンゲート抵抗器R
G-ONを通って第一の方向に流れる電流を整流する。ターンオフゲート抵抗器R
G-OFFは、第二のダイオードD2に接続すし、ターンオフゲート抵抗器R
G-OFFを通って第一の方向とは逆方向に流れる電流を整流する。ここで、第一のダイオードD1に接続するターンオンゲート抵抗器R
G-ONと、第二のダイオードD2に接続するターンオフゲート抵抗器R
G-OFFは、
図1に示すように並列に接続する。ここで、ターンオンゲート抵抗器R
G-ONの値は、0Ω~10MΩ、1kΩ~5MΩ、または100kΩ~3MΩの範囲であり、ターンオフゲート抵抗器R
G-OFFの値は、0~10MΩ、1kΩ~5MΩ、または100kΩ~3MΩの範囲である。ゲートドライバー抵抗器ネットワーク18は、0Ω~10MΩ、1kΩ~5MΩ、または100kΩ~3MΩの範囲の等価抵抗値を有することができる。
【0065】
さらに、さらに、直列スプリットゲート抵抗器RGを使用して、電圧形ゲートドライバー12の出力端子24と半導体パワーデバイス14のゲート端子Gとを電気的に結合する(すなわち、それらの間を直列に接続する)ことができる。このようにして、ゲートドライバー抵抗器ネットワーク18は、0Ω~10MΩ、1kΩ~5MΩ、または100kΩ~3MΩの範囲の値を有する直列スプリットゲート抵抗器RGを使用して半導体パワーデバイス14のゲート端子Gに接続する電圧形ゲートドライバー12の出力端子24に抵抗性の整流された電流および電圧を供給する。したがって、ターンオンゲート抵抗器RG-ON、ターンオフゲート抵抗器RG-OFF、および直列スプリットゲート抵抗器RGの値は、半導体パワーデバイス14の入力容量CISSの充放電電流に影響を与える可能性がある。入力容量CISSは、半導体パワーデバイス14の状態が変化する前に、半導体パワーデバイス14の閾値電圧VTHを上回るか下回るかで充電または放電されなければならないので、ターンオンゲート抵抗器RG-ONおよびターンオフゲート抵抗器RG-OFFの値が増加すると、ゲート遅延が増加し、半導体パワーデバイス14のオフ状態からオン状態への、またはその逆のスイッチング速度が低下する。したがって、ターンオンゲート抵抗器RG-ONおよびターンオフゲート抵抗器RG-OFFの値が増加すると、パワーシステム10の動作中の半導体パワーデバイス14のスイッチング損失が増加する。ここで、直列スプリットゲート抵抗器RGの値は、パワーシステム10が振動を回避しながら電磁両立性および電磁干渉業界標準を満たすように増加させることができる。それにもかかわらず、シャントコンデンサCGSNTおよびシャント抵抗器RGSNTがない場合、直列スプリットゲート抵抗器RGの値を増加させると、半導体パワーデバイス14の動作において望ましくない、より長いゲート遅延およびより高いスイッチング損失が導入される。
【0066】
ゲートドライバー抵抗器ネットワーク18の両端に並列に接続する直列接続したシャントコンデンサCGSNTとシャント抵抗器RGSNTの導入は、半導体パワーデバイス14のゲート遅延からの半導体パワーデバイス14のスイッチング速度の分離を可能にする。これは、半導体パワーデバイス14がゲート遅延の低減を維持する間に、半導体パワーデバイス14のスイッチング速度を制御することを可能にするため、特に有利である。ここで、シャントコンデンサCGSNTは、ゲート遅延を低減する半導体パワーデバイス14の入力容量CISSの初期の高充電および放電を可能にする。したがって、ターンオン期間およびターンオフ期間の間、シャントコンデンサCGSNTは、半導体パワーデバイス14の入力容量CISSを有する直列接続した容量分圧器として機能し、ゲート・ソース間電圧VGSを確立し、一方、シャント抵抗器RGSNTは、半導体パワーデバイス14における任意の偽ゲートループ発振および/またはゲートループトリガーを防止する役割を果たす。シャントコンデンサCGSNTおよびシャント抵抗器RGSNTの適用は、半導体パワーデバイス14のドレイン端子Dとソース端子Sとの間の外部高電圧RCスナバ回路の必要性を排除するため、さらに有利である。
【0067】
ここで、シャントコンデンサC
GSNTの値は、パワー半導体デバイス14の所望のターンオンおよびターンオフ性能について、式(1)および(2)を使用して決定(すなわち、計算)されることができる。
【数3】
【0068】
したがって、シャント抵抗器RGSNTの値は、0Ω~10MΩ、1kΩ~5MΩ、または100kΩ~3MΩの範囲であってもよい。シャント抵抗器RGSNTは、振動減衰機能を達成するためにシャントコンデンサCGSNTと直列に直接接続しなくてもよいことに留意されたい。したがって、十分な抵抗成分がゲート駆動ループの一部として存在する限り、振動減衰機能が達成される。ここで、ゲート駆動ループは、電源電圧VDDまたはVEE、ゲートドライバー抵抗器ネットワーク18、および半導体パワーデバイス14を備えるゲート電流経路である。
【0069】
図1に示される半導体パワーデバイス14は、MOSFET Q3であるが、本開示の範囲はこれに限定されないことに留意することが重要である。MOSFET Q3は、P型MOSFETまたはN型MOSFETのいずれかであってもよい。当業者であれば、半導体パワーデバイス14が、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)等のうちの一つでよいことを理解するであろう。さらに、半導体パワーデバイス14は、
図3A~
図3Cを参照して図示および説明したように、ハーフブリッジ回路トポロジー30、並列トランジスタ接続回路トポロジー30’、または共通ソース回路トポロジー30”を備えることができる。ここで、半導体パワーデバイス14は、個別のパッケージまたはパワーモジュールを形成してもよい。
【0070】
図2は、半導体パワーデバイス14’の一部として並列に接続する複数のMOSFET Q3
1~Q3
nを有する例示的なパワーシステム10’を示す。複数のMOSFET Q3
1~Q3
n(nはカウント数)を備え、それぞれが並列接続する集積ボディダイオードD3
1~D3
nを有する半導体パワーデバイス14’を除いて、
図2に示すパワーシステム10’は、
図1で説明したパワーシステム10と実質的に同様である。半導体パワーデバイス14’の共通ドレインノードおよび共通ソースノード(図示を簡単にするため示されていない)は、それぞれ第一の負荷ノード34および第二の負荷ノード36において負荷20に接続してもよい。
図1と関連して前述した
図2に示す要素は、簡潔にするためにここでは説明しない。
【0071】
図2に示すように、MOSFET Q3
1~Q3
nの各々は、それぞれ直列スプリットゲート抵抗器R
G1~R
Gnをさらに備える。ここで、直列スプリットゲート抵抗器R
G1~R
Gnは、並列MOSFET Q3
1~Q3
nの間の振動を減衰および回避するために使用される。さらに、直列スプリットゲート抵抗器R
G1~R
Gnの各々の値を増大させることにより、半導体パワーデバイス14’のMOSFET Q3
1~Q3
nのうちのそれぞれ一つのスイッチング速度が低減される。あるいは、直列スプリットゲート抵抗器R
G1~R
Gnの各々の値を減少させることにより、半導体パワーデバイス14’のMOSFET Q3
1~Q3
nのうちのそれぞれ一つのスイッチング速度が増加される。一実施形態では、電流バッファー(図を簡略化するためにここでは示されていない)段は、電圧形ゲートドライバー12の一部として、パワーコンバーター16とゲートドライバー抵抗器ネットワーク18との間に適用されることができる。電流バッファーは、高電流、高電力用途において電圧形ゲートドライバー12のゲート電流能力を高めることができる。これは、半導体パワーデバイス14’に示すように、複数の半導体パワーデバイスが並列に接続している場合に特に有利である。ここで、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTは、上述と同様に動作し、電流バッファーの増加した電流駆動能力を利用して、スイッチング速度に影響を与えることなくゲート遅延をさらに最小化する。
【0072】
図3A~
図3Cは、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14の一部として本開示の様々な実施形態で適用される例示的な回路トポロジーを例示する。ここで、ハーフブリッジ回路トポロジー30と、並列トランジスタ接続回路トポロジー30’と、共通ソース回路トポロジー30”(以下、ハーフブリッジ30、並列トランジスタ接続30、および共通ソース回路30”とも呼ばれる)は、
図1に示すように、半導体パワーデバイス14に関連するスイッチング速度とゲート遅延の制御とを分離する電圧形ゲートドライバー12を使用して電気エネルギーを整流、反転、変換、またはその他の方法で操作するために、パワーシステム10の半導体パワーデバイス14の一部として個別のパッケージまたはパワーモジュールに統合および適用することができる。
【0073】
図3A~
図3Cに例示するように、それぞれ、ハーフブリッジ回路トポロジー30、並列トランジスタ接続回路トポロジー30’、共通ソース回路トポロジー30”は、第一のトランジスタおよび第二のトランジスタを備え、第一のトランジスタおよび第二のトランジスタは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)等のうちの一つであってもよい。
【0074】
図3Aは、例示的なハーフブリッジ回路トポロジー30を示す。ハーフブリッジ回路トポロジー30(ハーフブリッジ30とも呼ばれる)は、第一のMOSFETデバイスM1を含むハイサイドと表示されたハイサイドパワー半導体スイッチングデバイス、および第二のMOSFETデバイスM2を含むローサイドと表示されたローサイドパワー半導体スイッチングデバイス、バルクコンデンサバンクDCリンクの形態の電源、ならびに正の直流(DC)バスバーDC+と負のDCバスバーDC-との間に電気的に結合されるデカップリングコンデンサCdを備える。第一のMOSFETデバイスM1は、第一のゲート端子G1、第一のソース端子S1、および第一のドレイン端子D1を備え、第二のMOSFETデバイスM2は、第二のゲート端子G2、第二のソース端子S2、および第二のドレイン端子D2を備える。示すように、第一のMOSFETデバイスM1の第一ドレイン端子D1は正のDCバスバーDC+に接続し、第二のMOSFETデバイスM2の第二のソース端子S2は負のDCバスバーDC-に接続し、第一のMOSFETデバイスM1の第一のソース端子S1は、第二のMOSFETデバイスM2の第二のドレイン端子D2に接続し、位相端子T1が接続する位相ノードN1を形成する。この構成は、マルチレベルコンバーター、電流源インバーター、ソリッドステートサーキットブレーカー等を含むがこれらに限定されない、様々なトポロジーで一般的に使用される。
【0075】
図3Bは、第一のMOSFETデバイスM1および第二のMOSFETデバイスM2が接続して共通ソースノードN3および共通ドレインノードN2を形成する並列トランジスタ接続回路トポロジー30’を示す。第一のMOSFETデバイスM1は、第一のゲート端子G1、第一のソース端子S1、および第一のドレイン端子D1を含み、第二のMOSFETデバイスM2は、第二のゲート端子G2、第二のソース端子S2、および第二のドレイン端子D2を含む。
図3Bに示すように、第一のMOSFETデバイスM1の第一ドレイン端子D1および第二のMOSFETデバイスM2の第二ドレイン端子D2は電気的に接続されて、共通ドレインノードN2および共通ドレイン入出力端子T2を形成する。同様に、第一のMOSFETデバイスM1の第一のソース端子S1と第二のMOSFETデバイスM2の第二のソース端子S2は電気的に接続されて、共通ソースノードN3および共通ソース入出力端子T3を形成する。並列トランジスタ接続回路トポロジー30’は、個別のトランジスタでは高電力用途で必要とされる大電流を流すことができない、高電力用途で利用されることができる。例えば、
図1に示す半導体パワーデバイス14は、
図3Bに示すように、互いに並列に接続されるパワーMOSFET M1、M2をさらに備えてもよい。並列トランジスタ接続、例えば、
図3に示す並列トランジスタ接続回路トポロジー30’は、
図1に示す半導体パワーデバイス14に関連する電力レベルをさらに増加させるので、特に有利であることに留意されたい。ここで、
図2は、半導体パワーデバイス14’の一部として、例えば、ディスクリートパッケージで並列に接続する複数のトランジスタを例示する。ここで、並列接続する複数のMOSFET Q3
1~Q3
nを備える半導体パワーデバイス14’全体に対して、単一のシャント抵抗器R
GSNTおよび単一のシャントコンデンサC
GSNTが使用されてもよい。しかし、複数のMOSFETS Q3
1~Q3
nの各々には、半導体パワーデバイス14’の一部を形成する並列MOSFETS Q3
1~Q3
nの間のゲート振動を回避するために、それぞれのスプリットゲート抵抗器R
G1~R
Gnが設けられる。
【0076】
図3Cは、共通ソース回路トポロジー30”を例示する。例示するように、共通ソーストランジスタ回路トポロジー30”は、第一のゲート端子G1、第一のソース端子S1、および第一のドレイン端子D1を有する第一のMOSFET M1と、第二のゲート端子G2、第二のソース端子S2、および第二のドレイン端子D2を有する第二のMOSFET M2と、を備える。この構成では、第一のMOSFETデバイスM1の第一のソースS1および第二のMOSFETデバイスM2の第二のソースS2が電気的に接続されて共通ソースノードN4を形成する。さらに、第一のMOSFETデバイスM1の第一のドレインD1は上部入出力端子T4を形成し、第二のMOSFETデバイスM2の第二のドレインD2は下部入出力端子T5を形成する。上部入出力端子T4および下部入出力端子T5は、DC供給電圧を供給するように構成される電圧源(図示せず)と負荷との間に結合され、両方向の電流を遮断する機能を備えた双方向スイッチを形成し、オン状態電圧またはオフ状態電圧を提供する。この構成により、第一のドレイン端子D1から第二のドレイン端子D2へ、または第二のドレイン端子D2から第一のドレイン端子D1への両方向の電圧阻止能力が得られる。したがって、共通ソース回路トポロジー30”は、様々な電力変換機能を可能にするため、特に有利である。
【0077】
図4Aおよび4Bは、シャントコンデンサC
GSNTがあり、シャント抵抗器R
GSNTがない(R
GSNT=0Ω)、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14の電圧および電流特性を示すグラフである。パワーシステム10は、ディスクリート半導体デバイスである半導体パワーデバイス14に結合する電圧形ゲートドライバー12を備える。しかし、シャント抵抗器(R
GSNT)が接続されていないシャントコンデンサ(C
GSNT)は、それぞれ
図4Aおよび
図4Bに示すように、半導体パワーデバイス14のターンオフおよびターンオン中に振動を引き起こす。
図1~3と関連して前述した
図4Aおよび4Bで説明された要素は、簡潔にするためにここでは説明されない。
【0078】
ここで、
図4Aおよび4Bのそれぞれは、15Vの正の電源電圧V
DD、-5Vの負の電源電圧V
EE、および800Vのバス電圧下で得られる測定値に基づく、経時的なゲート・ソース間電圧(V
GS-時間)、経時的なドレイン・ソース間電圧(V
DS-時間)、および経時的なドレイン・ソース間電流(I
DS-時間)のグラフを提供する。半導体パワーデバイス14はMOSFETであり、1200Vの定格ドレイン・ソース間電圧V
DS、および120Aの定格ドレイン・ソース間電流I
DSを有する。さらに、半導体パワーデバイス14の一部としてのMOSFETは、25℃で9mΩのドレイン・ソース間オン状態抵抗Rds(ON)、8.5nFの入力容量C
ISS、75Ωのターンオンゲート抵抗器R
G-ON、75Ωのターンオフゲート抵抗器R
G-OFF、0Ωの直列スプリットゲート抵抗器R
G、および5Vの閾値電圧V
THを有する。したがって、シャントコンデンサC
GSNTは、上記の式(1)および(2)を使用して8.5nFであると計算される。
【0079】
図4Aは、ターンオフ移行中の、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14の電圧および電流特性を示すグラフであり、パワーシステム10は、シャントコンデンサC
GSNTを備え、シャント抵抗器R
GSNTがない(R
GSNT=0Ω)。第一のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なゲート・ソース電圧V
GS(V
GS-時間)を示す。第二のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なドレイン・ソース間電圧V
DS(V
DS-時間)を示す。第三のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なドレイン・ソース間電流I
DS(I
DS-時間)を示す。ここで、ターンオフ時間(t
off)が測定され、およそ200nsであり、ターンオフ遅延時間(
td(off))が測定され、およそ180nsであり、ターンオフ電流速度(di/dt
off)が測定され、およそ4A/nsであり、ターンオフ電圧速度(dv/dt
off)が測定され、およそ20V/nsであり、電圧上昇時間(t
r)が測定され、およそ20nsである。大きな振動は、観察されるようにゲート・ソース間電圧V
GS、ドレイン・ソース間電圧V
DS、およびドレイン・ソース間電流I
DSに関係しており、シャント抵抗器R
GSNTが存在しないことに起因する。
【0080】
図4Bは、ターンオン移行中の、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14の電圧および電流特性を示すグラフであり、パワーシステム10は、シャントコンデンサC
GSNTを備え、シャント抵抗器R
GSNTがない(R
GSNT=0Ω)。第一のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なゲート・ソース電圧V
GS(V
GS-時間)を示す。第二のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なドレイン・ソース間電圧V
DS(V
DS-時間)を示す。第三のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なドレイン・ソース間電流I
DS(I
DS-時間)を示す。ここで、ターンオン時間(t
on)が測定され、およそ120nsであり、ターンオン遅延時間(t
d(on))が測定され、およそ80nsであり、ターンオン電流速度(di/dt
on)が測定され、およそ1A/nsであり、ターンオン電圧速度(dv/dt
on)が測定され、およそ15V/nsであり、ドレイン・ソース電圧(V
DS)の立ち下がり時間(t
f)が測定され、約20nsである。示すように、大きな振動はゲート・ソース間電圧V
GS、ドレイン・ソース間電圧V
DS、およびドレイン・ソース間電流I
DSに関係しており、シャント抵抗器R
GSNTが存在しないことに起因する。したがって、安定性を維持するために、(
図5Aおよび5Bに示すように)シャント抵抗器(R
GSNT)を使用して、半導体パワーデバイス14のゲート振動を防止することができる。
【0081】
図5Aおよび
図5Bは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTを有する、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14(すなわち、ディスクリートデバイス)の電圧および電流特性を示すグラフである。パワーシステム10は、ディスクリート半導体デバイスである半導体パワーデバイス14に結合する電圧形ゲートドライバー12を備える。
図1~3と関連して前述した
図5Aおよび5Bで説明された要素は、簡潔にするためにここでは説明されない。
【0082】
ここで、
図5Aおよび5Bのそれぞれは、15Vの正の電源電圧V
DD、-5Vの負の電源電圧V
EE、および800Vのバス電圧下で得られる測定値に基づく、経時的なゲート・ソース間電圧(V
GS-時間)、経時的なドレイン・ソース間電圧(V
DS-時間)、および経時的なドレイン・ソース間電流(I
DS-時間)のグラフを提供する。半導体パワーデバイス14はMOSFETであり、1200Vの定格ドレイン・ソース間電圧V
DS、および120Aの定格ドレイン・ソース間電流I
DSを有する。さらに、半導体パワーデバイス14の一部としてのMOSFETは、25℃で9mΩのドレイン・ソース間オン状態抵抗Rds(ON)、75Ωのターンオンゲート抵抗器R
G-ON、75Ωのターンオフゲート抵抗器R
G-OFF、0Ωの直列スプリットゲート抵抗器R
G、8.5nFの入力容量C
ISS、および5Vの閾値電圧V
THを有する。したがってシャントコンデンサC
GSNTは、上記のように式(1)および(2)を使用して8.5nFであると計算される。その結果、シャント抵抗器R
GSNTの値は、22Ωであると求められる。示すように、ターンオフおよびターンオン移行中の振動は、
図5Aおよび5Bでは、
図4Aおよび4Bと比較して大幅に減少している。これは、振動を減衰させるのに十分な大きさのシャント抵抗器R
GSNTの導入の結果である。
【0083】
図5Aは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTを有し、ターンオフ移行中の、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14の電圧および電流特性を示すグラフである。第一のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なゲート・ソース電圧V
GS(V
GS-時間)を示す。第二のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なドレイン・ソース間電圧V
DS(V
DS-時間)を示す。第三のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なドレイン・ソース間電流I
DS(I
DS-時間)を示す。ここで、ターンオフ時間(t
off)が測定され、およそ200nsであり、ターンオフ遅延時間(t
d(off))が測定され、およそ180nsであり、ターンオフ電流速度(di/dt
off)が測定され、およそ4A/nsであり、ターンオフ電圧速度(dv/dt
off)が測定され、およそ20V/nsであり、電圧上昇時間(t
r)が測定され、およそ20nsである。したがって、シャント抵抗器R
GSNTを備えることは、振動の低減および排除に役立つことが示される。
【0084】
図5Bは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTを有し、ターンオン移行中の、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14の電圧および電流特性を示すグラフである。第一のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なゲート・ソース電圧V
GS(V
GS-時間)を示す。第二のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なドレイン・ソース間電圧V
DS(V
DS-時間)を示す。第三のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なドレイン・ソース間電流I
DS(I
DS-時間)を示す。ここで、ターンオン時間(t
on)が測定され、およそ120nsであり、ターンオン遅延時間(t
d(on))が測定され、およそ80nsであり、ターンオン電流速度(di/dt
on)が測定され、およそ1A/nsであり、ターンオン電圧速度(dv/dt
on)が測定され、およそ15V/nsであり、ドレイン・ソース電圧(V
DS)の立ち下がり時間(t
f)が測定され、約20nsである。
【0085】
図6Aおよび
図6Bは、シャントコンデンサC
GSNT、シャント抵抗器R
GSNT、および直列スプリットゲート抵抗器R
Gを有する、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14(すなわち、ハーフブリッジ30パワーモジュール)の電圧および電流特性を示すグラフである。パワーシステム10は、
図3Aに示すように、ハーフブリッジ30パワーモジュールである半導体パワーデバイス14に結合する電圧形ゲートドライバー12を備える。
図1~3と関連して前述した
図6Aおよび6Bで説明された要素は、簡潔にするためにここでは説明されない。
【0086】
ここで、
図6Aおよび6Bのそれぞれは、15Vの正の電源電圧V
DD、-5Vの負の電源電圧V
EE、および800Vのバス電圧が使用される下で得られる測定値に基づく、経時的なゲート・ソース間電圧(V
GS-時間)、経時的なドレイン・ソース間電圧(V
DS-時間)、および経時的なドレイン・ソース間電流(I
DS-時間)のグラフを提供する。半導体パワーデバイス14はハーフブリッジ30であり、1200Vの定格ドレイン・ソース間電圧V
DS、および50Aの定格ドレイン・ソース間電流I
DSを有する。さらに、半導体パワーデバイス14の一部としてのハーフブリッジパワーモジュールは、25℃で19mΩのドレイン・ソース間オン状態抵抗Rds(ON)、75Ωのターンオンゲート抵抗器R
G-ON、75Ωのターンオフゲート抵抗器R
G-OFF、0Ωの直列スプリットゲート抵抗器R
G、3nFの入力容量C
ISS、および5Vの閾値電圧V
THを有する。したがってシャントコンデンサC
GSNTは、上記のように式(1)および(2)を使用して3nFであると計算される。その結果、シャント抵抗器R
GSNTの値は、15Ωであると求められる。示すように、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTは、直列スプリットゲート抵抗器R
Gの導入によって引き起こされる場合がある、より長いゲート遅延およびより高いスイッチング損失を軽減する。したがって、直列スプリットゲート抵抗器R
Gは、半導体パワーデバイス14が振動を回避しながら電磁両立性および電磁干渉業界基準を満たすように導入されてもよい。
【0087】
図6Aは、ターンオフ移行中であり、シャントコンデンサC
GSNT、シャント抵抗器R
GSNT、および直列スプリットゲート抵抗器R
Gを有する、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14の電圧および電流特性を示すグラフである。第一のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なゲート・ソース電圧V
GS(V
GS-時間)を示す。第二のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なドレイン・ソース間電圧V
DS(V
DS-時間)を示す。第三のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なドレイン・ソース間電流I
DS(I
DS-時間)を示す。ここで、ターンオフ時間(t
off)が測定され、およそ68nsであり、ターンオフ遅延時間(t
d(off))が測定され、およそ48nsであり、ターンオフ電流速度(di/dt
off)が測定され、およそ6A/nsであり、ターンオフ電圧速度(dv/dt
off)が測定され、およそ37.5V/nsであり、および電圧上昇時間(t
r)が測定され、およそ20nsである。
【0088】
図6Bは、ターンオン移行中であり、シャントコンデンサC
GSNT、シャント抵抗器R
GSNT、および直列スプリットゲート抵抗器R
Gを有する、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14の電圧および電流特性を示すグラフである。第一のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なゲート・ソース電圧V
GS(V
GS-時間)を示す。第二のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なドレイン・ソース間電圧V
DS(V
DS-時間)を示す。第三のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なドレイン・ソース間電流I
DS(I
DS-時間)を示す。ここで、ターンオン時間(t
on)が測定され、およそ72nsであり、ターンオン遅延時間(t
d(on))が測定され、およそ56nsであり、ターンオン電流速度(di/dt
on)が測定され、およそ2A/nsであり、ターンオン電圧速度(dv/dt
on)が測定され、およそ37.5V/nsであり、および電圧降下時間(t
f)が測定され、およそ16nsである。
【0089】
図7Aおよび7Bは、ターンオンゲート抵抗器R
G-ONおよびターンオフゲート抵抗器R
G-OFFの異なる値を使用して生成される、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14の電圧および電流特性を示すグラフである。パワーシステム10は、ディスクリート半導体デバイスである半導体パワーデバイス14に結合する電圧形ゲートドライバー12を備える。
図1~3と関連して前述した
図7Aおよび7Bで説明された要素は、簡潔にするためにここでは記載されていない。
【0090】
ここで、
図7Aおよび7Bのそれぞれは、15Vの正の電源電圧V
DD、-5Vの負の電源電圧V
EE、および800Vのバス電圧が使用される下で得られる測定値に基づく、経時的なゲート・ソース間電圧(V
GS-時間)、経時的なドレイン・ソース間電圧(V
DS-時間)、および経時的なドレイン・ソース間電流(I
DS-時間)のグラフを提供する。半導体パワーデバイス14はMOSFETであり、1200Vの定格ドレイン・ソース間電圧V
DS、および120Aの定格ドレイン・ソース間電流I
DSを有する。さらに、半導体パワーデバイス14の一部としてのMOSFETは、25℃で9mΩのドレイン・ソース間オン状態抵抗Rds(ON)、8.5nFの入力容量C
ISS、および5Vである閾値電圧V
THを有する。したがってシャントコンデンサC
GSNTは、上記のように式(1)および(2)を使用して8.5nFであると計算される。その結果、シャント抵抗器R
GSNTの値は、22Ωであると求められる。ここで、V
GS-時間、V
DS-時間、およびI
DS-時間の各々に対して三つのグラフが生成され、三つのグラフの各々は、異なる値(R
G-ON=R
G-OFF=100Ω、R
G-ON=R
G-OFF=150Ω、およびR
G-ON=R
G-OFF=200Ω)を有するターンオンゲート抵抗器R
G-ONおよびターンオフゲート抵抗器R
G-OFFの三つの値のうちの一つに基づく。示すように、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTは、より長いゲート遅延を軽減する。
【0091】
図7Aは、ターンオフ移行中であり、異なる値(R
G-ON=R
G-OFF=100Ω、R
G-ON=R
G-OFF=150Ω、およびR
G-ON=R
G-OFF=200Ω)を有するターンオンゲート抵抗器R
G-ONおよびターンオフゲート抵抗器R
G-OFFを使用して生成される、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14の電圧および電流特性を示すグラフである。第一のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なゲート・ソース電圧V
GS(V
GS-時間)を示す。第二のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なドレイン・ソース間電圧V
DS(V
DS-時間)を示す。第三のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なドレイン・ソース間電流I
DS(I
DS-時間)を示す。ここで、R
G-ON=R
G-OFF=100Ωの値を有するターンオンゲート抵抗器R
G-ONおよびターンオフゲート抵抗器R
G-OFFに関して、ターンオフ時間(t
off)が測定され、およそ240nsであり、ターンオフ遅延時間(t
d(off))が測定され、およそ200nsであり、ターンオフ電流速度(di/dt
off)が測定され、およそ6A/nsであり、ターンオフ電圧速度(dv/dt
off)が測定され、およそ26V/nsであり、電圧上昇時間(t
r)が測定され、およそ30nsである。さらに、R
G-ON=R
G-OFF=150Ωの値を有するターンオンゲート抵抗器R
G-ONおよびターンオフゲート抵抗器R
G-OFFに関して、ターンオフ時間(t
off)が測定され、およそ280nsであり、ターンオフ遅延時間(t
d(off))が測定され、およそ240nsであり、ターンオフ電流速度(di/dt
off)が測定され、およそ2.5A/nsであり、ターンオフ電圧速度(dv/dt
off)が測定され、およそ16V/nsであり、電圧上昇時間(t
r)が測定され、およそ50nsである。最後に、R
G-ON=R
G-OFF=200Ωの値を有するターンオンゲート抵抗器R
G-ONおよびターンオフゲート抵抗器R
G-OFFに関して、ターンオフ時間(t
off)が測定され、およそ320nsであり、ターンオフ遅延時間(t
d(off))が測定され、およそ280nsであり、ターンオフ電流速度(di/dt
off)が測定され、およそ1.6A/nsであり、ターンオフ電圧速度(dv/dt
off)が測定され、およそ12V/nsであり、電圧上昇時間(t
r)が測定され、およそ70nsである。
【0092】
図7Bは、ターンオン移行中であり、異なる値(R
G-ON=R
G-OFF=100Ω、R
G-ON=R
G-OFF=150Ω、およびR
G-ON=R
G-OFF=200Ω)を有するターンオンゲート抵抗器R
G-ONおよびターンオフゲート抵抗器R
G-OFFを使用して生成される、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14の電圧および電流特性を示すグラフである。第一のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なゲート・ソース電圧V
GS(V
GS-時間)を示す。第二のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なドレイン・ソース間電圧V
DS(V
DS-時間)を示す。第三のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なドレイン・ソース間電流I
DS(I
DS-時間)を示す。ここで、R
G-ON=R
G-OFF=100Ωの値を有するターンオンゲート抵抗器R
G-ONおよびターンオフゲート抵抗器R
G-OFFについて、ターンオン時間(t
on)が測定され、およそ240nsであり、ターンオン遅延時間(t
d(on))が測定され、およそ160nsであり、ターンオン電流速度(di/dt
on)が測定され、およそ1.5A/nsであり、ターンオン電圧速度(dv/dt
on)が測定され、およそ15V/nsであり、電圧下降時間(t
f)が測定され、およそ約40nsである。さらに、R
G-ON=R
G-OFF=150Ωの値を有するターンオンゲート抵抗器R
G-ONおよびターンオフゲート抵抗器R
G-OFFについて、ターンオン時間(t
on)が測定され、およそ280nsであり、ターンオン遅延時間(t
d(on))が測定され、およそ200nsであり、ターンオン電流速度(di/dt
on)が測定され、およそ1A/nsであり、ターンオン電圧速度(dv/dt
on)が測定され、およそ12V/nsであり、電圧下降時間(t
r)が測定され、およそ50nsである。最後に、R
G-ON=R
G-OFF=200Ωの値を有するターンオンゲート抵抗器R
G-ONおよびターンオフゲート抵抗器R
G-OFFについて、ターンオン時間(t
on)が測定され、およそ320nsであり、ターンオン遅延時間(t
d(on))が測定され、およそ240nsであり、ターンオン電流速度(di/dt
on)が測定され、およそ0.75A/nsであり、ターンオン電圧速度(dv/dt
on)が測定され、およそ10V/nsであり、電圧降下時間(t
f)が測定され、およそ60nsである。
【0093】
図8Aおよび
図8Bは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTがない、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14の電圧および電流特性を示すグラフであり、ディスクリート半導体パワーデバイス14は、低速スイッチング用途、例えばサーキットブレイカー等に好適な電気的特性を備えている。パワーシステム10は、ディスクリート半導体デバイスであり、低速スイッチング用途、例えばソリッドステートサーキットブレーカーに好適な半導体パワーデバイス14に結合する電圧形ゲートドライバー12を備える。
図1~3と関連して前述した
図8Aおよび8Bで説明された要素は、簡潔にするためにここでは記載されていない。
【0094】
ここで、
図8Aおよび8Bのそれぞれは、15Vの正の電源電圧V
DD、-6Vの負の電源電圧V
EE、および800Vのバス電圧下で得られる測定値に基づく、経時的なゲート・ソース間電圧(V
GS-時間)、経時的なドレイン・ソース間電圧(V
DS-時間)、および経時的なドレイン・ソース間電流(I
DS-時間)のグラフを提供する。半導体パワーデバイス14はMOSFETであり、1200Vの定格ドレイン・ソース間電圧V
DS、および120Aの定格ドレイン・ソース間電流I
DSを有する。さらに、半導体パワーデバイス14の一部としてのMOSFETは、25℃で9mΩのドレイン・ソース間オン状態抵抗Rds(ON)、1.5kΩのターンオンゲート抵抗器R
G-ON、3kΩのターンオフゲート抵抗器R
G-OFF、0Ωの直列スプリットゲート抵抗器R
G、8.5nFの入力容量C
ISS、および5Vの閾値電圧V
THを有する。
【0095】
図8Aは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTがない、ターンオフ移行中の、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14の電圧および電流特性を示すグラフであり、半導体パワーデバイス14は、低速スイッチング用途に好適な電気的特性を備えている。第一のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なゲート・ソース電圧V
GS(V
GS-時間)を示す。第二のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なドレイン・ソース間電圧V
DS(V
DS-時間)を示す。第三のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なドレイン・ソース間電流I
DS(I
DS-時間)を示す。ここで、ターンオフ時間(t
off)が測定され、およそ22nsであり、ターンオフ遅延時間(t
d(off))が測定され、およそ21nsであり、ターンオフ電流速度(di/dt
off)が測定され、およそ0.09A/nsであり、ターンオフ電圧速度(dv/dt
off)が測定され、およそ0.89V/nsであり、および電圧上昇時間(t
r)が測定され、およそ1μsである。
【0096】
図8Bは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTがない、ターンオン移行中の、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14の電圧および電流特性を示すグラフであり、半導体パワーデバイス14は、低速スイッチング用途に好適な電気的特性を備えている。第一のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なゲート・ソース電圧V
GS(V
GS-時間)を示す。第二のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なドレイン・ソース間電圧V
DS(V
DS-時間)を示す。第三のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なドレイン・ソース間電流I
DS(I
DS-時間)を示す。ここで、ターンオン時間(t
on)が測定され、およそ12μsであり、ターンオン遅延時間(t
d(on))が測定され、およそ11μsであり、ターンオン電流速度(di/dt
on)が測定され、およそ0.13A/nsであり、ターンオン電圧速度(dv/dt
on)が測定され、およそ0.93V/nsであり、および電圧降下時間(t
f)が測定され、およそ1μsである。
【0097】
図9Aおよび9Bは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTを有する、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14の電圧および電流特性を示すグラフであり、半導体パワーデバイス14は、低速スイッチング用途に好適な電気的特性を備える。パワーシステム10は、ディスクリート半導体デバイスであり、低速スイッチング用途、例えばソリッドステートサーキットブレーカーに好適な半導体パワーデバイス14に結合する電圧形ゲートドライバー12を備える。
図1~3と関連して前述した
図9Aおよび9Bで説明された要素は、簡潔にするためにここでは説明されない。
【0098】
ここで、
図9Aおよび9Bのそれぞれは、15Vの正の電源電圧V
DD、-6Vの負の電源電圧V
EE、および800Vのバス電圧が使用される下で得られる測定値に基づく、経時的なゲート・ソース間電圧(V
GS-時間)、経時的なドレイン・ソース間電圧(V
DS-時間)、および経時的なドレイン・ソース間電流(I
DS-時間)のグラフを提供する。半導体パワーデバイス14はMOSFETであり、1200Vの定格ドレイン・ソース間電圧V
DS、および120Aの定格ドレイン・ソース間電流I
DSを有する。さらに、半導体パワーデバイス14の一部としてのMOSFETは、25℃で9mΩのドレイン・ソース間オン状態抵抗Rds(ON)、1.5kΩのターンオンゲート抵抗器R
G-ON、3kΩのターンオフゲート抵抗器R
G-OFF、0Ωの直列スプリットゲート抵抗器R
G、8.5nFの入力容量C
ISS、および5Vの閾値電圧V
THを有する。したがってシャントコンデンサC
GSNTは、上記のように式(1)および(2)を使用して8.5nFであると計算される。その結果、シャント抵抗器R
GSNTの値は、22Ωであると求められる。
【0099】
図9Aは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTを有する、ターンオフ移行中の、
図1に示すパワーシステム10のディスクリート半導体パワーデバイス14の電圧および電流特性を示すグラフであり、ディスクリート半導体パワーデバイス14は、低速スイッチング用途に好適な電気的特性を備える。第一のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なゲート・ソース電圧V
GS(V
GS-時間)を示す。第二のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なドレイン・ソース間電圧V
DS(V
DS-時間)を示す。第三のグラフは、半導体パワーデバイス14がオフになる時の、経時的なドレイン・ソース間電流I
DS(I
DS-時間)を示す。ここで、ターンオフ時間(t
off)が測定され、およそ3μsであり、ターンオフ遅延時間(t
d(off))が測定され、およそ2μsであり、ターンオフ電流速度(di/dt
off)が測定され、およそ0.05A/nsであり、ターンオフ電圧速度(dv/dt
off)が測定され、およそ0.88V/nsであり、および電圧上昇時間(t
r)が測定され、およそ1μsである。
【0100】
図9Bは、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTを有する、ターンオン移行中の、
図1に示すパワーシステム10の半導体パワーデバイス14の電圧および電流特性を示すグラフであり、半導体パワーデバイス14は、低速スイッチング用途に好適な電気的特性を備える。第一のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なゲート・ソース電圧V
GS(V
GS-時間)を示す。第二のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なドレイン・ソース間電圧V
DS(V
DS-時間)を示す。第三のグラフは、半導体パワーデバイス14がオンになる時の、経時的なドレイン・ソース間電流I
DS(I
DS-時間)を示す。ここで、ターンオン時間(t
on)が測定され、およそ5.5μsであり、ターンオン遅延時間(t
d(on))が測定され、およそ4.5μsに等しく、ターンオン電流速度(di/dt
on)が測定され、およそ0.07A/nsに等しく、ターンオン電圧速度(dv/dt
on)が測定され、およそ0.87V/nsであり、および電圧降下時間(t
f)が測定され、およそ1μsである。
【0101】
したがって、示すように、
図9Aおよび
図9Bで測定されるターンオフ遅延時間(t
d(off))およびターンオン遅延時間(t
d(on))は、シャントコンデンサC
GSNTおよびシャント抵抗器R
GSNTの導入により、
図8Aおよび8Bのそれらと比較して大幅に低減される。
【0102】
前述の態様のいずれか、および/または本明細書に記載される様々な別個の態様および特徴を、さらなる利点を得るために組み合わせてもよいことが考えられる。本明細書に開示する様々な実施形態のいずれも、本明細書に特に記載のない限り、一つまたは複数の他の開示された実施形態と組み合わせることができる。
【0103】
当業者であれば、本開示の好ましい実施形態に対する改善および変更を認識するであろう。こうしたすべての改善および変更は、本明細書に開示される概念および以下の特許請求の範囲内であると見なされる。
【外国語明細書】