(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008669
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】貨物自動車
(51)【国際特許分類】
B60P 1/00 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
B60P1/00 C
B60P1/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110718
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】506002823
【氏名又は名称】古河ユニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】秋月 全人
(57)【要約】
【課題】荷台をシャシフレームに載せた格納姿勢において、閉姿勢の後煽りに発生する姿勢の変化を抑制することが可能な貨物自動車を提供する。
【解決手段】車両本体のシャシフレームに対する姿勢を、シャシフレームの上に配置した姿勢である格納姿勢と、地面の上に配置した姿勢である接地姿勢とに変化させることが可能な荷台と、荷台の後部に設けられ、荷台に対する姿勢を、立ち上がった姿勢である閉姿勢と、上端部が車両本体の後方を向いて横になった姿勢である開姿勢とに変化させることが可能な後煽り2と、荷台が格納姿勢にあるときに、閉姿勢にある後煽り2に対して、開姿勢とは逆向きに倒れる方向への力を付与する姿勢保持力付与機構に対応するプッシュユニット500を備える貨物自動車。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体のシャシフレームに対する姿勢を、前記シャシフレームの上に配置した姿勢である格納姿勢と、地面の上に配置した姿勢である接地姿勢と、に変化させることが可能な荷台と、
前記荷台の後部に設けられ、前記荷台に対する姿勢を、立ち上がった姿勢である閉姿勢と、上端部が前記車両本体の後方を向いて横になった姿勢である開姿勢と、に変化させることが可能な後煽りと、
前記荷台が前記格納姿勢にあるときに、前記閉姿勢にある前記後煽りに対して、前記開姿勢とは逆向きに倒れる方向への力を付与する姿勢保持力付与機構と、を備える貨物自動車。
【請求項2】
前記シャシフレームに固定されて当該シャシフレームと前記荷台との間に配置され、且つ前記荷台と相対変位可能なガイドフレームと、
前記ガイドフレームと前記荷台との間に配置され、且つ前記ガイドフレーム及び前記荷台と相対変位可能な傾斜フレームと、を備え、
前記荷台は、前記荷台の姿勢が前記格納姿勢と前記接地姿勢との間で変化する際に、前記格納姿勢と前記荷台の一部が前記地面と接触する姿勢との間では前記ガイドフレーム及び前記傾斜フレームに案内されて姿勢を変化させ、前記荷台の一部が前記地面と接触している姿勢と前記接地姿勢との間では前記傾斜フレームに案内されて姿勢を変化させ、
前記傾斜フレームは、前記荷台の姿勢が前記格納姿勢と前記接地姿勢との間で変化する際に、前記格納姿勢と前記荷台の一部が前記地面と接触する姿勢との間では前記ガイドフレームの上に配置され、前記荷台の一部が前記地面と接触している姿勢と前記接地姿勢との間では前記ガイドフレームに案内されて姿勢を変化させ、
前記姿勢保持力付与機構は、前記荷台が前記格納姿勢にあるときに、前記閉姿勢にある前記後煽りと前記傾斜フレームとの間で後煽り及び傾斜フレームと接触して、前記閉姿勢にある前記後煽りに対して、前記開姿勢とは逆向きに倒れる方向への力を付与する保持力伝達部を備える請求項1に記載した貨物自動車。
【請求項3】
前記保持力伝達部は、当該貨物自動車の前後方向に沿って長尺となる形状に形成された押圧力伝達部材を備え、
前記押圧力伝達部材の一方の端部は、前記格納姿勢において前記閉姿勢の前記後煽りに接触し、
前記押圧力伝達部材の他方の端部は、前記格納姿勢において前記傾斜フレームに接触する請求項2に記載した貨物自動車。
【請求項4】
前記保持力伝達部は、前記荷台に固定され、且つ前記押圧力伝達部材を前記荷台の下側で保持する保持ブラケットを備え、
前記保持ブラケットは、前記押圧力伝達部材の外周面を包囲した状態で押圧力伝達部材を相対変位可能に保持する請求項3に記載した貨物自動車。
【請求項5】
前記保持力伝達部は、前記押圧力伝達部材の端部に配置され、且つ前記格納姿勢において前記閉姿勢の前記後煽り及び前記傾斜フレームのうち少なくとも一方と接触する当て板部を備え、
前記当て板部の一部は、前記押圧力伝達部材の長さ方向から見て、前記保持ブラケットの前記押圧力伝達部材を包囲している部分と重なっている請求項4に記載した貨物自動車。
【請求項6】
前記保持力伝達部は、前記保持ブラケットの前記押圧力伝達部材と対向する面に固定され、且つ前記押圧力伝達部材の外周面と接触する摺動部材を備え、
前記保持ブラケットは、前記摺動部材のみが前記押圧力伝達部材と接触した状態で、前記押圧力伝達部材を相対変位可能に保持する請求項4に記載した貨物自動車。
【請求項7】
前記押圧力伝達部材は、断面形状が方形の筒状に形成されている請求項3から請求項6のうちいずれか1項に記載した貨物自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷台の姿勢をシャシフレームの上に配置した姿勢である格納姿勢と、地面の上に配置した姿勢である接地姿勢とに変化させることが可能な貨物自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
荷台に後煽りを備える貨物自動車としては、例えば、特許文献1に開示されている構成の貨物自動車がある。特許文献1に開示されている貨物自動車は、後方へスライド移動させる荷台が自車両の後方において片持ち状態で支持されることを抑制するために、荷台を支持する支持脚を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている構成では、部品の摩耗等により後煽りの姿勢を保持する部品にガタツキが発生すると、貨物自動車の走行時等、荷台をシャシフレームに載せた格納姿勢において、閉姿勢の後煽りに姿勢の変化が発生するという問題がある。
本発明は、上述した問題点を鑑み、荷台をシャシフレームに載せた格納姿勢において、閉姿勢の後煽りに発生する姿勢の変化を抑制することが可能な、貨物自動車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る貨物自動車は、荷台と、後煽りと、姿勢保持力付与機構を備える。荷台は、車両本体のシャシフレームに対する姿勢を、シャシフレームの上に配置した姿勢である格納姿勢と、地面の上に配置した姿勢である接地姿勢と、に変化させることが可能である。後煽りは、荷台の後部に設けられ、荷台に対する姿勢を、立ち上がった姿勢である閉姿勢と、上端部が車両本体の後方を向いて横になった姿勢である開姿勢と、に変化させることが可能である。姿勢保持力付与機構は、荷台が格納姿勢にあるときに、閉姿勢にある後煽りに対して、開姿勢とは逆向きに倒れる方向への力を付与する。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る貨物自動車によれば、荷台をシャシフレームに載せた格納姿勢において、閉姿勢の後煽りを荷台へ押し付けることが可能となるため、閉姿勢の後煽りに発生する姿勢の変化を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】後煽り装置を備える貨物自動車の構成を示す側面図であり、荷台の姿勢が格納姿勢である状態を示す図である。
【
図3】プッシュユニットの構成を示す側面図である。
【
図8】後煽りの姿勢が閉姿勢である状態における、ロッドユニットの構成を示す図である。
【
図12】傾斜フレームと、プッシュユニットと、後煽りの位置関係を示す斜視図である。
【
図13】後煽り装置を備える貨物自動車の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る後煽り装置について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚さと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
【0009】
(実施形態)
(構成)
図1に示すように、貨物自動車100は、後煽り装置1を備える。なお、後煽り装置1の説明は、後述する。
また、貨物自動車100は、車両本体101を備える。
実施形態では、
図1に示すように、車両本体101を、トラックとした場合について説明する。なお、以降の説明及び図面では、貨物自動車100が前進する方向(シフトがDレンジ等に選択されている状態で走行する方向)を、「前方」と記載する場合がある。同様に、以降の説明及び図面では、貨物自動車100が後退する方向(シフトがRレンジに選択されている状態で走行する方向)を、「後方」と記載する場合がある。
また、以降の説明及び図面では、貨物自動車100の運転者が運転席に座っているときの左手側を「左側」と示し、運転者が運転席に座っているときの右手側を「右側」と示す。したがって、以降の説明及び図面では、貨物自動車100を左側から見た視点を「左側面視」とし、貨物自動車100を右側から見た視点を「右側面視」とする。また、以降の説明では、「左側面視」と「右側面視」とをまとめて、「側面視」と記載する場合がある。
【0010】
車両本体101は、
図1及び
図2に示すように、シャシフレーム200と、荷台102と、傾斜フレーム300と、ガイドフレーム400と、床板106と、プッシュユニット500を備える。
シャシフレーム200は、車両本体101の骨格を構成する。
<荷台>
荷台102は、
図1に示す格納姿勢で、傾斜フレーム300の上に配置されている。
また、荷台102は、床板106と、前方ローラ102aと、後方ローラ102bと、荷台昇降装置(図示略)を備える。
床板106は、運搬対象車両等の貨物を上面に積載する板である。
【0011】
前方ローラ102aは、円筒状に形成されており、床板106の下面(
図2では、下側の面)に配置されている。また、前方ローラ102aは、前方ブラケット102cを用いて、床板106に対して回転可能に取り付けられている。前方ローラ102aの一部は、前方ブラケット102cよりも下方へ突出している。
前方ローラ102aの回転軸は、貨物自動車100の幅方向と平行に向いている。
後方ローラ102bは、円筒状に形成されており、床板106の後端(
図2では、右側の端部)において、床板106の下面に配置されている。また、後方ローラ102bは、床板106に対して回転可能に取り付けられている。後方ローラ102bの一部は、床板106よりも下方及び後方へ突出している。
後方ローラ102bの回転軸は、貨物自動車100の幅方向と平行に向いている。
【0012】
荷台昇降装置は、アクチュエータやシリンダ等を備えて形成されており、荷台102の姿勢を、
図1に示す格納姿勢と、接地姿勢とに変化させる装置である。
接地姿勢は、荷台102を、貨物自動車100の後方において、地面Gの上に配置した姿勢である。
荷台102の姿勢を格納姿勢から接地姿勢に変化させる際には、荷台昇降装置を作動させて、荷台102をガイドフレーム400と傾斜フレーム300に沿って移動させる。
以上により、荷台102は、シャシフレーム200に対する姿勢を、格納姿勢と接地姿勢とに変化させることが可能である。
【0013】
<傾斜フレーム>
傾斜フレーム300は、ガイドフレーム400と荷台102との間に配置されており、ガイドフレーム400及び荷台102と相対変位可能に形成されている。
具体的に、傾斜フレーム300は、ガイドフレーム400に対して、傾斜とスライド移動が可能に取り付けられている。
また、傾斜フレーム300は、第一水平部301と、傾斜部302と、第二水平部303と、第一下面ローラ304と、第二下面ローラ305と、シリンダブラケット306と、フレーム接続部307を備える。
【0014】
第一水平部301は、板状の部材を二本一組で用いて形成されており、荷台102が格納姿勢である状態で、長さ方向を貨物自動車100の前後方向と平行に向けて配置されている。
二本一組の第一水平部301は、貨物自動車100の幅方向に沿って平行に配列されており、厚さ方向を貨物自動車100の幅方向と平行に向けている。
また、二本一組の第一水平部301は、それぞれ、前方ローラ102aが走行する第一ガイドレーン301aを備える。第一ガイドレーン301aは、二本一組の第一水平部301において、それぞれ、貨物自動車100の外側を向く面に形成されている。
【0015】
傾斜部302は、第一水平部301の後端(
図2では、右側の端部)と連続している。
傾斜部302は、板状の部材を二本一組で用いて形成されており、荷台102が格納姿勢である状態では、側面視で、第一水平部301から離れるほど上方へ向けて傾斜している。
二本一組の傾斜部302は、貨物自動車100の幅方向に沿って平行に配列されており、厚さ方向を貨物自動車100の幅方向と平行に向けている。
また、二本一組の傾斜部302は、それぞれ、前方ローラ102aが走行する傾斜部ガイドレーン302aを備える。傾斜部ガイドレーン302aは、二本一組の傾斜部302において、それぞれ、貨物自動車100の外側を向く面に形成されている。
【0016】
第二水平部303は、傾斜部302の後端(
図2では、右側の端部)と連続している。
傾斜部302は、板状の部材を二本一組で用いて形成されており、荷台102が格納姿勢である状態で、長さ方向を貨物自動車100の前後方向と平行に向けて配置されている。
二本一組の第二水平部303は、貨物自動車100の幅方向に沿って平行に配列されており、厚さ方向を貨物自動車100の幅方向と平行に向けている。
また、二本一組の第二水平部303は、それぞれ、前方ローラ102aが走行する第二ガイドレーン303aを備える。第二ガイドレーン303aは、二本一組の第二水平部303において、それぞれ、貨物自動車100の外側を向く面に形成されている。
【0017】
第一下面ローラ304は、円筒状に形成されており、第二水平部303の下面(
図2では、下側の面)に配置されている。また、第一下面ローラ304は、第一下面ブラケット308を用いて、第二水平部303に対して回転可能に取り付けられている。第一下面ローラ304の一部は、第一下面ブラケット308よりも下方へ突出している。
第一下面ローラ304の回転軸は、貨物自動車100の幅方向と平行に向いている。
第二下面ローラ305は、円筒状に形成されており、第一下面ローラ304よりも第一水平部301から離れた位置で、第二水平部303の下面(
図2では、下側の面)に配置されている。また、第二下面ローラ305は、第二下面ブラケット309を用いて、第二水平部303に対して回転可能に取り付けられている。第二下面ローラ305の一部は、第二下面ブラケット309よりも下方へ突出している。
第二下面ローラ305の回転軸は、貨物自動車100の幅方向と平行に向いている。
【0018】
シリンダブラケット306は、第二下面ローラ305よりも第一水平部301から離れた位置で、第二水平部303の上面(
図2では、上側の面)に配置されており、荷台昇降装置が備えるシリンダ(図示略)が、回転可能に取り付けられている。荷台昇降装置が備えるシリンダの回転軸は、貨物自動車100の幅方向と平行に向いている。
シリンダブラケット306の一部は、第二水平部303よりも上方へ突出している。
フレーム接続部307は、二本一組の第一水平部301を接続している。
【0019】
<ガイドフレーム>
ガイドフレーム400は、シャシフレーム200に固定されており、シャシフレーム200と荷台102との間に配置されている。
また、ガイドフレーム400は、水平ガイド部401と、傾斜ガイド部402と、ガイドローラ403と、保持フック404を備える。
水平ガイド部401は、板状の部材を二本一組で用いて形成されており、長さ方向を貨物自動車100の前後方向と平行に向けて配置されている。
二本一組の水平ガイド部401は、貨物自動車100の幅方向に沿って平行に配列されており、厚さ方向を貨物自動車100の幅方向と平行に向けている。
また、二本一組の水平ガイド部401は、それぞれ、第一下面ローラ304と第二下面ローラ305が走行する水平ガイドレーン(図示略)を備える。水平ガイドレーンは、二本一組の水平ガイド部401が互いに対向する面に形成されている。
【0020】
傾斜ガイド部402は、水平ガイド部401の後端(
図2では、右側の端部)と連続している。
傾斜ガイド部402は、板状の部材を二本一組で用いて形成されており、側面視で、水平ガイド部401から離れるほど下方へ向けて傾斜している。
二本一組の傾斜ガイド部402は、貨物自動車100の幅方向に沿って平行に配列されており、厚さ方向を貨物自動車100の幅方向と平行に向けている。
また、二本一組の傾斜ガイド部402は、それぞれ、第一下面ローラ304と第二下面ローラ305が走行する傾斜ガイドレーン(図示略)を備える。傾斜ガイドレーンは、二本一組の傾斜ガイド部402が互いに対向する面に形成されている。
【0021】
ガイドローラ403は、円筒状に形成されており、水平ガイド部401の後端に配置されて、水平ガイド部401に対して回転可能に取り付けられている。ガイドローラ403の一部は、水平ガイド部401よりも上方へ突出している。
ガイドローラ403の回転軸は、貨物自動車100の幅方向と平行に向いている。
保持フック404は、水平ガイド部401の前端(
図2では、左側の端部)に配置されており、水平ガイド部401よりも上方へ突出している。
また、保持フック404は、荷台102に取り付けられているロックピン(図示略)を捕捉することが可能な形状に形成されている。
【0022】
<プッシュユニット>
プッシュユニット500は、
図3に示すように、ロッド本体部510と、二つの保持ブラケット520と、第一当て板部540と、第二当て板部550を備える。これに加え、プッシュユニット500は、
図4に示すように、摺動部材560を備える。
【0023】
(ロッド本体部)
ロッド本体部510は、貨物自動車100の前後方向に沿って長尺となる形状に形成されている。
実施形態では、一例として、ロッド本体部510の構成を、断面形状が方形(正方形)の筒状に形成されている構成とした場合について説明する。すなわち、実施形態では、ロッド本体部510を、角パイプを用いて形成した場合について説明する。また、角パイプを用いて形成したロッド本体部510は、長さ方向を貨物自動車100の前後方向と平行に向けて、荷台102の下方に配置されている。
また、
図4に示すように、ロッド本体部510は、貨物自動車100の前後方向から見て、外周面を形成する四つの辺のうち二つの辺が下方を向き、残りの二つの辺が上方を向くように、荷台102の下方に配置されている。
【0024】
(保持ブラケット)
二つの保持ブラケット520は、
図3に示すように、ロッド本体部510の長さ方向に沿って、間隔を開けて配置されている。
また、保持ブラケット520は、ロッド本体部510と断面形状が同じであるとともに、ロッド本体部510よりも内径が大きい角パイプを用いて形成されている。
また、保持ブラケット520は、
図4に示すように、貨物自動車100の前後方向から見て、外周面を形成する四つの辺のうち二つの辺が下方を向き、残りの二つの辺が上方を向くように、ロッド本体部510の外周面を包囲している。
保持ブラケット520のうち、貨物自動車100の前後方向から見て上方を向く二つの辺には、それぞれ、スペーサボルト523とスペーサナット524が取り付けられている。
【0025】
スペーサボルト523の頭部は、保持ブラケット520とロッド本体部510との間に配置された状態で、ロッド本体部510の外周面と対向している。スペーサボルト523のねじ部は、保持ブラケット520を貫通している。
スペーサナット524は、保持ブラケット520の外側に配置されており、スペーサボルト523の先端側から、スペーサボルト523のねじ部に取り付けられている。
したがって、スペーサボルト523とスペーサナット524を相対回転させることで、スペーサボルト523の頭部とロッド本体部510との位置関係を変化させることが可能である。
また、スペーサボルト523は、保持ブラケット520と共にロッド本体部510の外周面を包囲している。
【0026】
また、保持ブラケット520は、保持ボルト521を用いて、荷台102が備える横根太522の下面に固定されている。
したがって、保持ブラケット520は、荷台102の下面に固定されており、ロッド本体部510を荷台102の下側で保持する。
また、保持ブラケット520は、ロッド本体部510の外周面を包囲した状態で、ロッド本体部510を相対変位可能に保持する。
【0027】
(第一当て板部)
第一当て板部540は、第一円板部541と、第一抜け止め部(図示略)を備える。
第一円板部541は、円板状に形成されている。第一円板部541の直径は、ロッド本体部510の最大外径よりも大きい。なお、ロッド本体部510の最大外径とは、ロッド本体部510の長さ方向から見て、ロッド本体部510の対向する二箇所の角部を結ぶ線の長さである。
また、第一円板部541は、厚さ方向をロッド本体部510の長さ方向と平行に向けた状態で、ロッド本体部510の一方の端部(
図2及び
図3では、右側の端部)に配置されている。
第一円板部541の外周縁は、ロッド本体部510の長さ方向から見て、ロッド本体部510よりも外側に配置されている。
【0028】
第一抜け止め部は、ロッド本体部510と断面形状が同じであるとともに、ロッド本体部510よりも内径が小さい角パイプを用いて形成されている。
また、第一抜け止め部は、第一円板部541のうちロッド本体部510と対向する面に固定されているとともに、ロッド本体部510の内部に配置されている。
ロッド本体部510の内部に配置されている第一抜け止め部は、ボルトとナットを用いて、ロッド本体部510に取り付けられている。
以上により、第一当て板部540は、ロッド本体部510の一方の端部に配置されている。また、第一当て板部540の一部は、ロッド本体部510の長さ方向から見て、保持ブラケット520のロッド本体部510を包囲している部分(具体的には、スペーサボルト523の頭部と、摺動部材560)と重なっている。
【0029】
(第二当て板部)
第二当て板部550は、第二円板部551と、第二抜け止め部552を備える。
第二円板部551は、円板状に形成されている。第二円板部551の直径は、ロッド本体部510の最大外径よりも大きい。なお、ロッド本体部510の最大外径とは、ロッド本体部510の長さ方向から見て、ロッド本体部510の対向する二箇所の角部を結ぶ線の長さである。
また、第二円板部551は、厚さ方向をロッド本体部510の長さ方向と平行に向けた状態で、ロッド本体部510の他方の端部(
図2及び
図3では、左側の端部)に配置されている。
第二円板部551の外周縁は、ロッド本体部510の長さ方向から見て、ロッド本体部510よりも外側に配置されている。
【0030】
第二抜け止め部552は、ロッド本体部510と断面形状が同じであるとともに、ロッド本体部510よりも内径が小さい角パイプを用いて形成されている。
また、第二抜け止め部552は、第二円板部551のうちロッド本体部510と対向する面に固定されているとともに、ロッド本体部510の内部に配置されている。
ロッド本体部510の内部に配置されている第二抜け止め部552は、
図5に示すように、ボルトとナットを用いて、ロッド本体部510に取り付けられている。
以上により、第二当て板部550は、ロッド本体部510の他方の端部に配置されている。
【0031】
(摺動部材)
摺動部材560は、例えば、表面がフッ素樹脂加工された樹脂部材を用いて板状に形成されており、ロッド本体部510と保持ブラケット520との間に配置されている。
具体的に、摺動部材560は、皿ねじやナット等を用いて、保持ブラケット520のうち、貨物自動車100の前後方向から見て下方を向く二つの辺に、それぞれ取り付けられている。また、摺動部材560の厚さ方向は、保持ブラケット520の下方を向く辺の厚さ方向と平行である。
摺動部材560のロッド本体部510と対向する面は、ロッド本体部510の外周面と面接触している。
すなわち、摺動部材560は、保持ブラケット520のロッド本体部510と対向する面に固定されており、ロッド本体部510の外周面と接触する。
したがって、保持ブラケット520は、摺動部材560のみがロッド本体部510と接触した状態で、ロッド本体部510を相対変位可能に保持する。
【0032】
(後煽り装置)
後煽り装置1は、
図6及び
図7に示すように、後煽り2と、ロッドユニット30と、フックユニット40を備える。
なお、
図6では、説明のために、車両本体101の構成に関して、荷台102の外枠のみを示す。また、
図6では、説明のために、荷台102の下方に配置されており、平面視では見えない構成を、実線で示す。さらに、
図6では、後煽り2の図示を省略し、ロッドユニット30とフックユニット40の構成を簡略化して示す。
【0033】
<後煽り>
後煽り2は、荷台102の後部に設けられており、貨物を荷台102に積載するときのスロープを兼ねる板である。また、後煽り2は、荷台102に対して回転させることが可能な状態で、荷台102の後端部に取り付けられている。さらに、後煽り2は、荷台102に対して回転させることで、荷台102に対する姿勢を、閉姿勢と開姿勢とに変化させることが可能である。
閉姿勢は、立ち上がった姿勢、具体的には、
図1に示すように、貨物自動車100が走行する方向に対して垂直な姿勢であり、貨物自動車100の走行時等における後煽り2の姿勢である。
開姿勢は、後煽り2の上端部が車両本体101の後方を向いて横になった姿勢である。具体的には、貨物自動車100が走行する方向に対して水平な姿勢であり、貨物を荷台102に積載するときに、荷台102と共に傾斜して地面Gとの間のスロープとなる姿勢である。
【0034】
<ロッドユニット>
ロッドユニット30は、
図8及び
図9に示すように、プッシュロッド31と、ロッドブラケット32と、ローラ受け板33と、スプリング受け板34と、ロッドスプリング35と、一対のローラ36と、ロッドピン37を備える。
なお、
図8は、後煽り2の姿勢が閉姿勢である状態における、ロッドユニット30及びフックユニット40の構成を示す図である。また、
図8は、左側面視の側面図である。
【0035】
プッシュロッド31は、金属材料等を用いて、棒状に形成されており、
図9に示すように、大径部31aと、小径部31bと、中径部31cを備える。
大径部31aは、プッシュロッド31のうち、最も外径が大きい部分である。また、大径部31aには、大径部31aの径方向に沿った方向で、大径部31aの中心軸を貫通するロッド側貫通孔31dが形成されている。
大径部31aのうち、ロッド側貫通孔31dが形成されている部分には、それぞれ、ロッド側貫通孔31dを包囲するように、円環状のボス31eが配置されている。
小径部31bは、大径部31aよりも外径が小さく、プッシュロッド31のうち、後煽り2から最も遠い位置に配置されて、プッシュロッド31の先端部を形成している。
【0036】
さらに、小径部31bには、
図8等に示すように、受けナット31fと、位置決めナット31gが取り付けられている。
受けナット31fは、例えば、六角ナットであり、小径部31bの先端(
図9では左側の端部)に取り付けられている。
位置決めナット31gは、受けナット31fよりも高さが低い六角ナットであり、受けナット31fよりも大径部31aに近い位置において、受けナット31fと接触した状態で、小径部31bに取り付けられている。
中径部31cは、大径部31aよりも外径が小さく、小径部31bよりも外径が大きい。また、中径部31cは、プッシュロッド31のうち、後煽り2に最も近い位置に配置されて、プッシュロッド31の後端部を形成している。
【0037】
さらに、中径部31cには、
図9に示すように、煽り連結部材38が取り付けられている。
煽り連結部材38は、円筒状に形成されている。また、煽り連結部材38は、中径部31cと同軸に配置された状態で、中径部31cのうち大径部31aと連続する端部とは反対側の端部に取り付けられて、プッシュロッド31の後端部に取り付けられている。なお、煽り連結部材38は、角筒状に形成してもよい。
また、煽り連結部材38には、煽り連結部材38の径方向に沿った方向で、煽り連結部材38の中心軸を貫通する後端側貫通孔38aが形成されている。後端側貫通孔38aには、後煽り側連結部2aが、煽り連結部材38に対して回転可能に連結される。
【0038】
ロッドブラケット32は、プレート部32aと、ロッド支持部32bを備える。
プレート部32aは、板状に形成されており、一方の面(
図8では、上側の面)が、ボルト等を用いて床板106の下面に取り付けられている。
ロッド支持部32bは、四枚の板を組み合わせて形成されている。
ロッド支持部32bを形成する四枚の板のうち一枚の板は、厚さ方向を貨物自動車100の前後方向と平行に向けた状態で、プレート部32aに固定されている。また、ロッド支持部32bを形成する四枚の板のうち一枚の板には、円形の貫通孔が形成されている。ロッド支持部32bに形成されている貫通孔には、大径部31aが配置されている。
ロッド支持部32bを形成する四枚の板のうち残りの三枚の板は、貨物自動車100の前後方向から見て、プレート部32aと共に四辺形を形成した状態で、一枚の板とプレート部32aに固定されている。
【0039】
ローラ受け板33は、板材のうち二箇所を直角に曲げて形成され、上下方向から見てコの字形に形成されている。また、ローラ受け板33のうち、後煽り2から最も遠い面には、円形の貫通孔が形成されている。ローラ受け板33の後煽り2から最も遠い面に形成されている貫通孔には、大径部31aが配置されている。
また、ローラ受け板33のうち、大径部31aと対向する二つの面には、それぞれ、受け板側貫通孔33aが形成されている。
スプリング受け板34は、板材を用いて形成されており、厚さ方向を貨物自動車100の前後方向と平行に向けた状態で大径部31aの外周面に溶接されて、ローラ受け板33のうち、後煽り2から最も遠い面に取り付けられている。
また、スプリング受け板34には、円形の貫通孔が形成されている。スプリング受け板34に形成されている貫通孔には、大径部31aが配置されている。
【0040】
ロッドスプリング35は、例えば、コイルスプリングを用いて形成されている。ロッドスプリング35の内側には、大径部31aが配置されている。すなわち、ロッドスプリング35は、大径部31aを包囲している。
ロッドスプリング35の一端は、ロッド支持部32bを形成する四枚の板のうち一枚の板に接触している。ロッドスプリング35の他端は、スプリング受け板34に接触している。
ロッドスプリング35が伸長する力は、開姿勢の後煽り2を閉姿勢に変化させるために要する力よりも小さい値に設定されている。
なお、「開姿勢の後煽り2を閉姿勢に変化させるために要する力」とは、例えば、後煽り2の重量や形状等に応じた値となる。
【0041】
一対のローラ36は、円筒形状に形成されており、ローラ側貫通孔36aが形成されている。一対のローラ36のうち一方は、ローラ受け板33のうち大径部31aと対向する二つの面のうち一方とボス31eとの間に配置されている。一対のローラ36のうち他方は、ローラ受け板33のうち大径部31aと対向する二つの面のうち他方とボス31eとの間に配置されている。
ロッドピン37は、受け板側貫通孔33aと、ボス31eが有する空隙部と、ロッド側貫通孔31dと、ローラ側貫通孔36aに挿入されている。
以上により、一対のローラ36は、それぞれ、回転可能な状態で、プッシュロッド31(大径部31a)とローラ受け板33との間に配置されている。
【0042】
<フックユニット>
フックユニット40は、
図8及び
図10に示すように、フック41と、フック側ケーブルブラケット42と、フック保持プレート43と、フックスプリング44を備える。
なお、
図10では、説明のために、フックユニット40とは異なる構成のうち、図示を省略している構成がある。また、
図10は、
図8と同様、後煽り2が閉姿勢である状態を示す。
フック41は、
図11に示すように、フック本体部410と、リンク部420を備える。
なお、
図11(b)は
図11(a)のB線矢視図である。
【0043】
フック本体部410は、一対のローラ捕捉部411と、フック連結部材412を備える。
一対のローラ捕捉部411は、共に、側面視で、下方へ向けて曲げた形状に形成されることで、凹部を有する鈎状に形成されている。また、一対のローラ捕捉部411は、貨物自動車100の幅方向に沿って、間隔を開けて配置されている。これにより、一対のローラ捕捉部411は、一対のローラ36を上方から捕捉することが可能な形状に形成されている。
なお、
図8及び
図10に示す状態、すなわち、後煽り2が閉姿勢である状態では、一対のローラ捕捉部411が一対のローラ36を上方から捕捉している。
また、ローラ捕捉部411には、フック側貫通孔411aと、上側傾斜面411bと、下側傾斜面411cと、ローラ保持面411dが形成されている。
【0044】
フック側貫通孔411aは、ローラ捕捉部411を貨物自動車100の幅方向に沿って貫通する孔であり、側面視で、ローラ捕捉部411のうち、ローラ捕捉部411の中心よりも後方に形成されている。
上側傾斜面411bは、側面視で、ローラ捕捉部411のうち、上面且つローラ捕捉部411の中心よりも前方に形成されており、ローラ捕捉部411の中心から離れるにつれて下方へ向かう方向に傾斜する面である。
下側傾斜面411cは、側面視で、ローラ捕捉部411のうち、下面且つローラ捕捉部411の凹部よりも前方に形成されており、ローラ捕捉部411の中心から離れるにつれて上方へ向かう方向に傾斜する面である。
ローラ保持面411dは、側面視で、ローラ捕捉部411のうち、下面且つ下側傾斜面411cよりも後方に形成されており、ローラ捕捉部411の凹部を形成する面である。
【0045】
フック連結部材412は、板状に形成されており、厚さ方向を上下方向へ向けた状態で、一対のローラ捕捉部411を連結している。
なお、フック連結部材412は、
図11(a)に示すように、側面視でローラ捕捉部411と重なっている。
【0046】
リンク部420は、リンク本体部421と、第一ケーブル接続部422と、第二ケーブル接続部423と、スプリング接続部424を備える。
なお、リンク部420は、フック本体部410と一体に成形してもよく、フック本体部410と別体で成形した後に結合してもよい。
リンク本体部421は、上下方向から見て開口部を前方に向けたコの字型に形成されており、一対のローラ捕捉部411のうち一方に連結されている。
具体的には、コの字型を形成するリンク本体部421の平行な二辺のうち一方が、一対のローラ捕捉部411のうち一方に対し、上下方向から見てフック連結部材412と重ならない位置で連結されている。
【0047】
第一ケーブル接続部422は、リンク本体部421の平行な二辺のうち他方を形成する板状の部材である。また、第一ケーブル接続部422には、第一プルケーブル61の他端が接続されている。
第二ケーブル接続部423は、リンク本体部421の開口部に配置され、且つリンク本体部421の平行な二辺と並列に配置された板状の部材である。また、第二ケーブル接続部423には、第二プルケーブル62の他端が接続されている。
スプリング接続部424は、コの字型を形成するリンク本体部421の平行な二辺を接続する一辺の、リンク本体部421の開口部とは反対側の面に取り付けられた板状の部材である。また、スプリング接続部424は、リンク本体部421の平行な二辺と平行に配置されている。
【0048】
フック側ケーブルブラケット42は、溶接等を用いて床板106の下面に取り付けられており、リンク本体部421よりも前方に配置されている。また、フック側ケーブルブラケット42は、第一プルケーブル61及び第二プルケーブル62を支持している。
フック保持プレート43は、溶接等を用いて床板106の下面に取り付けられており、側面視で、フック本体部410と重なる位置に配置されている。また、フック保持プレート43には、貨物自動車100の幅方向に沿って貫通する貫通孔が形成されている。
【0049】
フック保持プレート43に形成されている貫通孔は、側面視でフック側貫通孔411aと重なっている。また、フック保持プレート43に形成されている貫通孔とフック側貫通孔411aには、フック連結ピン45が挿入されている。これにより、フック41は、フック保持プレート43に対して回転可能に取り付けられている。
フックスプリング44は、例えば、コイルスプリングを用いて形成されている。
フックスプリング44の一端は、スプリング接続部424に取り付けられている。フックスプリング44の他端は、一組の後煽り保持プレート105を形成する二枚の後煽り保持プレート105のうち一方に取り付けられている。
【0050】
上述した構成により、図外の解除ペダルが上方から下方へ向けて操作され、第一プルケーブル61又は第二プルケーブル62が、操作された解除ペダルによって引かれると、リンク部420が前方へ移動する方向へフック41が回転する。このとき、フック41の回転軸は、フック連結ピン45である。
なお、解除ペダルは、後煽り2の姿勢が閉姿勢から開姿勢へ変化させる際に、作業者が足で踏むことにより上方から下方へ向けて操作するペダルであり、例えば、床板106の下面のうち、貨物自動車100の端部に配置されている。
リンク部420が前方へ移動する方向へフック41が回転すると、一対のローラ36を上方から捕捉していた一対のローラ捕捉部411が上方へ移動し、ローラ36を捕捉していた状態が解除される。また、リンク部420が前方へ移動する方向へフック41が回転すると、フックスプリング44が伸長する。
【0051】
また、上述した構成により、下方へ向けて操作されていた解除ペダルが上方へ移動して、解除ペダルを操作していない状態となると、伸長していたフックスプリング44が収縮する。そして、フック連結ピン45を回転軸として、リンク部420が後方へ移動する方向へフック41が回転する。
リンク部420が後方へ移動する方向へフック41が回転すると、一対のローラ捕捉部411が下方へ移動する。また、リンク部420が後方へ移動する方向へフック41が回転すると、第一プルケーブル61又は第二プルケーブル62が貨物自動車100の内側へ引かれる。
【0052】
<傾斜フレームと、プッシュユニットと、後煽りの位置関係>
傾斜フレーム300と、プッシュユニット500と、後煽り2の位置関係は、
図12に示す位置関係となっている。すなわち、第二水平部303の長さ方向と、ロッド本体部510の長さ方向と、プッシュロッド31の長さ方向が、全て平行となっており、第二水平部303と、ロッド本体部510と、プッシュロッド31が、一本の直線上に配置されている。
また、第二水平部303の後端部とロッド本体部510の先端部(他方の端部)が対向し、ロッド本体部510の後端部(一方の端部)と小径部31bの先端部(受けナット31f)が対向している。
なお、
図12では、説明のために、ロッドスプリング35の図示を省略している。
【0053】
<動作>
次に、
図1から
図12を参照しつつ、
図13を用いて、後煽り装置1の動作について説明する。
なお、
図13は、
図2等と同様、左側面視の側面図である。また、
図13では、見易さを考慮して、構成を簡略化して図示している。
まず、
図13(a)に示すように、後煽り2の姿勢が閉姿勢であり、荷台102の姿勢が格納姿勢である状態で、荷台昇降装置を作動させる。
なお、後煽り2の姿勢が閉姿勢であり、荷台102の姿勢が格納姿勢である状態では、傾斜フレーム300とロッド本体部510(第二当て板部550)が接触している。これに加え、ロッド本体部510(第一当て板部540)とプッシュロッド31(受けナット31f)が接触している。
【0054】
図13(a)に示す状態で、荷台昇降装置を作動させると、
図13(b)に示すように、ガイドフレーム400に対する傾斜フレーム300の位置が固定された状態で、荷台102が、傾斜フレーム300に沿って後方へ移動する。すなわち、傾斜フレーム300と荷台102のうち、荷台102のみが移動する。このとき、
図13(a)に示す状態で第一ガイドレーン301aに乗っていた前方ローラ102aが、傾斜部ガイドレーン302aを経由して第二ガイドレーン303aへ移動する。このため、荷台102は、前端から後端へ向けて下方へ傾斜した状態となる。
【0055】
図13(b)に示す状態から、さらに、荷台昇降装置を作動させ、
図13(c)に示すように、荷台102(後方ローラ102b)を接地させて、荷台102の姿勢を接地姿勢とする。
後方ローラ102bを接地させた後、さらに、荷台昇降装置を作動させて、
図13(d)に示すように、傾斜フレーム300を、荷台102と共に、ガイドフレーム400に沿って後方へ移動させ、傾斜フレーム300の後端部を接地させる。このとき、
図13(a)から
図13(c)に示す状態で水平ガイドレーンに乗っていた、第一下面ローラ304と第二下面ローラ305のうち、第二下面ローラ305のみが水平ガイド部401から傾斜ガイド部402へ移動する。このため、傾斜フレーム300は、前端から後端へ向けて下方へ傾斜した状態となる。
【0056】
次に、荷台昇降装置を停止させ、
図13(d)に示すように、後煽り2が閉姿勢である状態において、作業者が解除ペダルを操作すると、フック41が上方へ移動し、一対のローラ捕捉部411がローラ36を捕捉していた状態が解除される。
一対のローラ捕捉部411がローラ36を捕捉していた状態を解除した後、作業者により、閉姿勢の後煽り2を、開姿勢へ向けて傾斜させる方向へ回転させると、後煽り2の回転に伴って、煽り連結部材38が前方へ移動する。
煽り連結部材38が前方へ移動すると、プッシュロッド31と、ローラ受け板33と、スプリング受け板34と、ローラ36と、ロッドピン37が、側面視で、弧を描く軌道に沿って前方へ移動する。これにより、スプリング受け板34とロッド支持部32bとの間で、ロッドスプリング35が収縮する。
また、閉姿勢の後煽り2を、開姿勢へ向けて傾斜させる方向へ回転させると、プッシュロッド31が前方へ移動し、ロッド本体部510を前方に押す。
【0057】
そして、後煽り2の姿勢を開姿勢とした後、運搬対象車両等を後煽り2から荷台102に移動させ、荷台102に積載する。その後、作業者による人力の作業により、開姿勢の後煽り2を、閉姿勢へ向けて傾斜させる方向へ回転させると、後煽り2の回転に伴って煽り連結部材38が後方へ移動する。
煽り連結部材38が後方へ移動すると、プッシュロッド31と、ローラ受け板33と、スプリング受け板34と、ローラ36と、ロッドピン37が、前方から後方へ向かうにつれて上方へ向かう角度で傾斜した状態で後退する。これにより、スプリング受け板34とロッド支持部32bとの間で収縮していたロッドスプリング35が伸長し、スプリング受け板34に対して、後方へ移動させる力を加える。
【0058】
スプリング受け板34に対して、後方へ移動させる力が加わると、スプリング受け板34からプッシュロッド31を介して、煽り連結部材38に対し、後方へ移動させる力が加わる。そして、煽り連結部材38に対して加わった力は、後煽り側連結部2aへ伝達される。
したがって、ロッドユニット30は、後煽り2の姿勢を開姿勢から閉姿勢とする際に、後煽り2に開姿勢から閉姿勢に変化させる方向への補助力を付与する機構として機能する。すなわち、ロッドユニット30は、後煽り2の姿勢を開姿勢から閉姿勢とする際に、作業者による、後煽り2の姿勢を開姿勢から閉姿勢とする人力の動作を補助する。
【0059】
また、開姿勢の後煽り2を、閉姿勢へ向けて傾斜させる方向へ回転させると、ロッド本体部510及びプッシュロッド31のうち、プッシュロッド31のみが後方の位置へ戻る。このため、プッシュロッド31(受けナット31f)がロッド本体部510(第一当て板部540)から離れ、プッシュロッド31とロッド本体部510との間に隙間が形成される。
さらに、煽り連結部材38の後方への移動に伴い、ロッドユニット30が後方へ移動すると、下側傾斜面411cと貨物自動車100の前後方向で対向している一対のローラ36が、下側傾斜面411cへ向けて移動し、下側傾斜面411cに接触する。
【0060】
一対のローラ36が下側傾斜面411cに接触した状態で、さらに、ロッドユニット30が後方へ移動すると、下側傾斜面411cの傾斜に沿って、フック41が一対のローラ36によって持ち上げられる。
フック41が一対のローラ36によって持ち上げられた状態で、さらに、ロッドユニット30が後方へ移動すると、一対のローラ36が下側傾斜面411cよりも後方へ移動する。
【0061】
一対のローラ36が下側傾斜面411cよりも後方へ移動すると、フックスプリング44が収縮して、一対のローラ捕捉部411が下方へ移動し、一対のローラ捕捉部411がローラ36を乗り越える。
そして、一対のローラ捕捉部411がローラ36を乗り越えた状態から、さらに、ロッドユニット30が後方へ移動すると、一対のローラ捕捉部411がローラ36を捕捉した状態となり、後煽り2の姿勢が閉姿勢となる。
【0062】
運搬対象車両等を荷台102に積載し、後煽り2の姿勢を閉姿勢とした後、荷台昇降装置を作動させ、
図13(c)に示すように、荷台102と共に傾斜フレーム300を前進させる。
荷台102と共に傾斜フレーム300を前進させ、
図13(b)に示すように、ガイドフレーム400に対する傾斜フレーム300の位置が固定された後、荷台102を、傾斜フレーム300に沿って前進させる。
そして、
図13(a)に示すように、荷台102の姿勢が格納姿勢となった状態で、荷台昇降装置を停止させる。
【0063】
上述したように、後煽り2の姿勢が閉姿勢であり、荷台102の姿勢が格納姿勢である状態では、傾斜フレーム300とロッド本体部510(第二当て板部550)が接触している。これに加え、ロッド本体部510(第一当て板部540)とプッシュロッド31(受けナット31f)が接触している。
したがって、荷台102の姿勢を接地姿勢から格納姿勢に変化させると、
図13(b)に示すように、ロッド本体部510と、傾斜フレーム300と、プッシュロッド31とが離れている状態から、
図13(a)に示すように、傾斜フレーム300と、ロッド本体部510と、プッシュロッド31が接触している状態に変化する。
【0064】
そして、後煽り2の姿勢が閉姿勢であり、荷台102の姿勢が格納姿勢である状態では、傾斜フレーム300がロッド本体部510を後方へ押す力と、ロッド本体部510がロッドユニット30を後方へ押す力が発生している。
このため、後煽り2の姿勢が閉姿勢であり、荷台102の姿勢が格納姿勢である状態では、ロッド本体部510から後方へ押す力を受けているロッドユニット30が、閉姿勢にある後煽り2に対して、開姿勢とは逆向きに倒れる方向への力を付与することとなる。なお、「開姿勢とは逆向きに倒れる方向」とは、「車両本体101の前方」と同じ方向である。
すなわち、運搬対象車両等を荷台102に積載し、後煽り2の姿勢が閉姿勢であり、荷台102の姿勢が格納姿勢であるときには、閉姿勢にある後煽り2に対して、開姿勢とは逆向きに倒れる方向への力を付与することが可能となる。
【0065】
<請求項との対応>
プッシュユニット500は、荷台102が格納姿勢にあるときに、閉姿勢にある後煽り2に対して、開姿勢とは逆向きに倒れる方向への力を付与する姿勢保持力付与機構に対応する。
ロッド本体部510は、荷台102が格納姿勢にあるときに、閉姿勢にある後煽り2と傾斜フレーム300との間で後煽り2及び傾斜フレーム300と接触して、閉姿勢にある後煽り2に対して、開姿勢とは逆向きに倒れる方向への力を付与する、保持力伝達部に対応する。
【0066】
また、ロッド本体部510は、貨物自動車100の前後方向に沿って長尺となる形状に形成された押圧力伝達部材に対応する。
保持ブラケット520は、荷台102に固定され、且つ押圧力伝達部材(ロッド本体部510)を荷台102の下側で保持する保持ブラケットに対応する。
第一当て板部540と第二当て板部550は、押圧力伝達部材(ロッド本体部510)の端部に配置され、且つ格納姿勢において閉姿勢の後煽り2及び傾斜フレーム300のうち少なくとも一方と接触する当て板部に対応する。
【0067】
<実施形態の作用及び効果>
実施形態の貨物自動車100であれば、以下の作用及び効果を奏することが可能である。
(1)車両本体101のシャシフレーム200に対する姿勢を、シャシフレーム200の上に配置した姿勢である格納姿勢と、地面Gの上に配置した姿勢である接地姿勢と、に変化させることが可能な荷台102を備える。これに加え、荷台102の後部に設けられ、荷台102に対する姿勢を、立ち上がった姿勢である閉姿勢と、上端部が車両本体101の後方を向いて横になった姿勢である開姿勢と、に変化させることが可能な後煽り2を備える。さらに、荷台102が格納姿勢にあるときに、閉姿勢にある後煽り2に対して、開姿勢とは逆向きに倒れる方向への力を付与する姿勢保持力付与機構(プッシュユニット500)を備える。
その結果、荷台102をシャシフレーム200に載せた格納姿勢において、閉姿勢の後煽り2を荷台102へ押し付けることが可能となるため、閉姿勢の後煽り2に発生する姿勢の変化を抑制することが可能な、貨物自動車100を提供することが可能となる。
【0068】
また、後煽り2にガタつきが発生した場合であっても、姿勢保持力付与機構によって、閉姿勢にある後煽り2に対して、開姿勢とは逆向きに倒れる方向への力を付与することが可能となる。これにより、後煽り2に発生したガタつきを低減させることが可能となる。
なお、後煽り2のガタつきは、例えば、ローラ捕捉部411がローラ36を捕捉している状態における、ローラ36に対するフック41の角度(具体的には、ローラ保持面411dの傾斜角度)を調整することで、フック41とローラ36との間に形成される隙間を調整した際に発生する。
【0069】
(2)シャシフレーム200に固定されてシャシフレーム200と荷台102との間に配置され、且つ荷台102と相対変位可能なガイドフレーム400を備える。さらに、ガイドフレーム400と荷台102との間に配置され、且つガイドフレーム400及び荷台102と相対変位可能な傾斜フレーム300を備える。また、荷台102は、荷台102の姿勢が格納姿勢と接地姿勢との間で変化する際に、格納姿勢と荷台102の一部が地面Gと接触する姿勢との間ではガイドフレーム400及び傾斜フレーム300に案内されて姿勢を変化させる。これに加え、荷台102の一部が地面Gと接触している姿勢と接地姿勢との間では傾斜フレーム300に案内されて姿勢を変化させる。さらに、傾斜フレーム300は、荷台102の姿勢が格納姿勢と接地姿勢との間で変化する際に、格納姿勢と荷台102の一部が地面Gと接触する姿勢との間ではガイドフレーム400の上に配置される。また、荷台102の一部が地面Gと接触している姿勢と接地姿勢との間ではガイドフレーム400に案内されて姿勢を変化させる。そして、姿勢保持力付与機構は、荷台102が格納姿勢にあるときに、閉姿勢にある後煽り2と傾斜フレーム300との間で後煽り2及び傾斜フレーム300と接触して、閉姿勢にある後煽り2に対して、開姿勢とは逆向きに倒れる方向への力を付与する保持力伝達部(ロッド本体部510)を備える。
その結果、後煽り2の姿勢が閉姿勢であり、荷台102の姿勢が格納姿勢である状態で、傾斜フレーム300が保持力伝達部を押す力により、閉姿勢にある後煽り2に対して、開姿勢とは逆向きに倒れる方向への力を付与することが可能となる。
【0070】
(3)保持力伝達部(ロッド本体部510)は、貨物自動車100の前後方向に沿って長尺となる形状に形成された押圧力伝達部材(ロッド本体部510)を備える。また、押圧力伝達部材の一方の端部は、格納姿勢において、閉姿勢の後煽り2に接触し、押圧力伝達部材の他方の端部は、格納姿勢において、傾斜フレーム300に接触する。
その結果、角パイプや丸パイプ等の部材を用いて、押圧力伝達部材を形成することが可能となる。
【0071】
(4)保持力伝達部は、荷台102に固定され、且つ押圧力伝達部材(ロッド本体部510)を荷台102の下側で保持する保持ブラケット520を備える。また、保持ブラケット520は、押圧力伝達部材の外周面を包囲した状態で、押圧力伝達部材を相対変位可能に保持する。
その結果、保持力伝達部に対し、動作の安定性を向上させることが可能となる。
【0072】
(5)保持力伝達部は、押圧力伝達部材(ロッド本体部510)の端部に配置され、且つ格納姿勢において閉姿勢の後煽り2及び傾斜フレーム300のうち少なくとも一方と接触する当て板部(第一当て板部540、第二当て板部550)を備える。また、当て板部の一部は、押圧力伝達部材の長さ方向から見て、保持ブラケット520の押圧力伝達部材を包囲している部分と重なっている。
その結果、当て板部が、押圧力伝達部材の保持ブラケットからの抜け止めとして機能するため、保持ブラケットにより押圧力伝達部材を保持している状態の安定性を向上させることが可能となる。
【0073】
(6)保持力伝達部は、保持ブラケット520の押圧力伝達部材(ロッド本体部510)と対向する面に固定され、且つ押圧力伝達部材の外周面と接触する摺動部材を備える。また、保持ブラケットは、摺動部材のみが押圧力伝達部材と接触した状態で、押圧力伝達部材を相対変位可能に保持する。
その結果、摺動部材を備えていない構成と比較して、保持ブラケットと押圧力伝達部材とが接触する面積を減少させることが可能となり、保持ブラケットと押圧力伝達部材との間に発生する摺動抵抗を減少させることが可能となる。
【0074】
(7)押圧力伝達部材(ロッド本体部510)は、断面形状が方形の筒状に形成されている。
その結果、安価な部材である角パイプを用いて押圧力伝達部材を形成することが可能となり、製造コスト等を低減させることが可能となる。
【0075】
<変形例>
(1)実施形態では、押圧力伝達部材(ロッド本体部510)の構成を、断面形状が方形の筒状に形成されている構成としたが、これに限定するものではなく、押圧力伝達部材の構成を、例えば、断面形状が円形の筒状に形成されている構成としてもよい。
(2)実施形態では、後煽り2の姿勢が閉姿勢であり、荷台102の姿勢が格納姿勢である状態で、傾斜フレーム300と、ロッド本体部510と、プッシュロッド31が接触することで、閉姿勢の後煽り2に、荷台102へ向けて変位する方向への力を付与する構成としたが、これに限定するものではない。すなわち、例えば、電動モータ等をアクチュエータを用いて、荷台102の姿勢が格納姿勢である状態で、閉姿勢の後煽り2に、荷台102へ向けて変位する方向への力を付与する構成としてもよい。
【0076】
なお、本技術は、以下のような構成を取ることが可能である。
(1)
車両本体のシャシフレームに対する姿勢を、前記シャシフレームの上に配置した姿勢である格納姿勢と、地面の上に配置した姿勢である接地姿勢と、に変化させることが可能な荷台と、
前記荷台の後部に設けられ、前記荷台に対する姿勢を、立ち上がった姿勢である閉姿勢と、上端部が前記車両本体の後方を向いて横になった姿勢である開姿勢と、に変化させることが可能な後煽りと、
前記荷台が前記格納姿勢にあるときに、前記閉姿勢にある前記後煽りに対して、前記開姿勢とは逆向きに倒れる方向への力を付与する姿勢保持力付与機構と、を備える貨物自動車。
(2)
前記シャシフレームに固定されて当該シャシフレームと前記荷台との間に配置され、且つ前記荷台と相対変位可能なガイドフレームと、
前記ガイドフレームと前記荷台との間に配置され、且つ前記ガイドフレーム及び前記荷台と相対変位可能な傾斜フレームと、を備え、
前記荷台は、前記荷台の姿勢が前記格納姿勢と前記接地姿勢との間で変化する際に、前記格納姿勢と前記荷台の一部が前記地面と接触する姿勢との間では前記ガイドフレーム及び前記傾斜フレームに案内されて姿勢を変化させ、前記荷台の一部が前記地面と接触している姿勢と前記接地姿勢との間では前記傾斜フレームに案内されて姿勢を変化させ、
前記傾斜フレームは、前記荷台の姿勢が前記格納姿勢と前記接地姿勢との間で変化する際に、前記格納姿勢と前記荷台の一部が前記地面と接触する姿勢との間では前記ガイドフレームの上に配置され、前記荷台の一部が前記地面と接触している姿勢と前記接地姿勢との間では前記ガイドフレームに案内されて姿勢を変化させ、
前記姿勢保持力付与機構は、前記荷台が前記格納姿勢にあるときに、前記閉姿勢にある前記後煽りと前記傾斜フレームとの間で後煽り及び傾斜フレームと接触して、前記閉姿勢にある前記後煽りに対して、前記開姿勢とは逆向きに倒れる方向への力を付与する保持力伝達部を備える前記(1)に記載した貨物自動車。
(3)
前記保持力伝達部は、当該貨物自動車の前後方向に沿って長尺となる形状に形成された押圧力伝達部材を備え、
前記押圧力伝達部材の一方の端部は、前記格納姿勢において前記閉姿勢の前記後煽りに接触し、
前記押圧力伝達部材の他方の端部は、前記格納姿勢において前記傾斜フレームに接触する前記(2)に記載した貨物自動車。
(4)
前記保持力伝達部は、前記荷台に固定され、且つ前記押圧力伝達部材を前記荷台の下側で保持する保持ブラケットを備え、
前記保持ブラケットは、前記押圧力伝達部材の外周面を包囲した状態で押圧力伝達部材を相対変位可能に保持する前記(3)に記載した貨物自動車。
(5)
前記保持力伝達部は、前記押圧力伝達部材の端部に配置され、且つ前記格納姿勢において前記閉姿勢の前記後煽り及び前記傾斜フレームのうち少なくとも一方と接触する当て板部を備え、
前記当て板部の一部は、前記押圧力伝達部材の長さ方向から見て、前記保持ブラケットの前記押圧力伝達部材を包囲している部分と重なっている前記(4)に記載した貨物自動車。
(6)
前記保持力伝達部は、前記保持ブラケットの前記押圧力伝達部材と対向する面に固定され、且つ前記押圧力伝達部材の外周面と接触する摺動部材を備え、
前記保持ブラケットは、前記摺動部材のみが前記押圧力伝達部材と接触した状態で、前記押圧力伝達部材を相対変位可能に保持する前記(4)又は(5)に記載した貨物自動車。
(7)
前記押圧力伝達部材は、断面形状が方形の筒状に形成されている前記(3)~(6)のいずれかに記載した貨物自動車。
【符号の説明】
【0077】
1 後煽り装置
2 後煽り
2a 後煽り側連結部
30 ロッドユニット
31 プッシュロッド
31a 大径部
31b 小径部
31c 中径部
31d ロッド側貫通孔
31e ボス
31f 受けナット
31g 位置決めナット
32 ロッドブラケット
32a プレート部
32b ロッド支持部
33 ローラ受け板
33a 受け板側貫通孔
34 スプリング受け板
35 ロッドスプリング
36 ローラ
36a ローラ側貫通孔
37 ロッドピン
38 煽り連結部材
38a 後端側貫通孔
40 フックユニット
41 フック
410 フック本体部
411 ローラ捕捉部
411a フック側貫通孔
411b 上側傾斜面
411c 下側傾斜面
411d ローラ保持面
412 フック連結部材
420 リンク部
421 リンク本体部
422 第一ケーブル接続部
423 第二ケーブル接続部
424 スプリング接続部
42 フック側ケーブルブラケット
43 フック保持プレート
44 フックスプリング
45 フック連結ピン
61 第一プルケーブル
62 第二プルケーブル
100 貨物自動車
101 車両本体
102 荷台
102a 前方ローラ
102b 後方ローラ
102c 前方ブラケット
105 後煽り保持プレート
106 床板
G 地面
200 シャシフレーム
300 傾斜フレーム
301 第一水平部
301a 第一ガイドレーン
302 傾斜部
302a 傾斜部ガイドレーン
303 第二水平部
303a 第二ガイドレーン
304 第一下面ローラ
305 第二下面ローラ
306 シリンダブラケット
307 フレーム接続部
308 第一下面ブラケット
309 第二下面ブラケット
400 ガイドフレーム
401 水平ガイド部
402 傾斜ガイド部
403 ガイドローラ
404 保持フック
500 プッシュユニット
510 ロッド本体部
520 保持ブラケット
521 保持ボルト
522 横根太
523 スペーサボルト
524 スペーサナット
540 第一当て板部
541 第一円板部
550 第二当て板部
551 第二円板部
552 第二抜け止め部
560 摺動部材