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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086704
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】魚群探知システム及び魚群探知方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 15/96 20060101AFI20240620BHJP
【FI】
G01S15/96
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023212689
(22)【出願日】2023-12-18
(31)【優先権主張番号】18/083,188
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】和田 智雄
【テーマコード(参考)】
5J083
【Fターム(参考)】
5J083AA02
5J083AB01
5J083AB09
5J083AC40
5J083AD01
5J083AF16
5J083CA01
5J083EA33
(57)【要約】
【課題】 本発明は、魚群探知システム及び魚群を探知・追跡し表示部に表示する方法に関する。
【解決手段】 船舶用魚群探知システムは、超音波信号を水中に送信し、反射エコー信号を受信するように構成された送受波器と接続するインターフェースと、船舶に取り付けられた舵を制御するように構成された自動操舵装置とを備える。さらに、魚群探知システムは、インターフェースに通信可能に結合され、仕掛けの位置を検出し、船舶から仕掛けまでのベクトルを算出し、算出されたベクトルに基づいて舵を制御する自動操舵装置の為の舵制御信号を生成するように構成された信号処理部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶に搭載され、魚群を探知・追跡し表示部に表示する魚群探知システムにおいて、
超音波信号を水中に送信し、反射されたエコー信号を受信する送受波器と、
前記船舶に取り付けられる舵を制御する自動操舵装置と、を接続するインターフェースと、
インターフェイスに通信可能に結合される信号処理部を有し、
前記信号処理部は、
仕掛けを検出し、
前記船舶から前記仕掛けまでのベクトルを算出し、
算出された前記ベクトルに基づいて前記舵自動操舵装置の舵制御信号を生成する、
ことを特徴とする魚群探知システム。
【請求項2】
請求項1に記載の魚群探知システムにおいて、
前記送受波器は、扇形の超音波信号を水中に送信し、反射されたエコー信号を受信する、
ことを特徴とする魚群探知システム。
【請求項3】
請求項2に記載の魚群探知システムにおいて、
前記信号処理部は、さらに
前記仕掛けを追跡し、
前記仕掛けの挙動を推定し、
前記仕掛けの推定された前記挙動に基づいて前記舵自動操舵装置の舵制御信号を生成する、
ことを特徴とする魚群探知システム。
【請求項4】
請求項1に記載の魚群探知システムにおいて、
前記送受波器は、さらに、
超音波信号を水域の3方向に送信し、反射されたエコー信号を受信する、
ことを特徴とする魚群探知システム。
【請求項5】
請求項4に記載の魚群探知システムにおいて、
信号処理部は、さらに
前記仕掛けを追跡し、
前記仕掛けの挙動を推定し、
前記仕掛けの推定された前記挙動に基づいて前記舵自動操舵装置の舵制御信号を生成する、
ことを特徴とする魚群探知システム。
【請求項6】
請求項4に記載の魚群探知システムにおいて、
3つの方向は、左舷、下方、右舷に対応する、
ことを特徴とする魚群探知システム。
【請求項7】
請求項3に記載の魚群探知システムにおいて、
前記信号処理部は、
前記自動操舵装置に前記舵制御信号を出力し、
前記仕掛けの推定された前記挙動に基づいて船の舵を制御する、
ことを特徴とする魚群探知システム。
【請求項8】
請求項1に記載の魚群探知システムにおいて、
信号処理部は、さらに前記仕掛けに実装された反射板からの反射エコー信号に基づいて前記仕掛けを検出する、
ことを特徴とする魚群探知システム。
【請求項9】
請求項1に記載の魚群探知システムにおいて、
前記信号処理部は、前記船舶の位置を測位する為の自船位置測位部、を備える、
ことを特徴とする魚群探知システム。
【請求項10】
請求項1に記載の魚群探知システムにおいて、
前記信号処理部は、さらに
入力データとしての前記仕掛けの位置及び前記船舶の位置を有するニューラルネットワークと、
入力データを教師データとして使用することにより、前記仕掛けの前記挙動を推定する為のニューラルネットワークを学習するように構成され、
機械学習アセンブリによって学習されたニューラルネットワークに前記教師データを参照として入力し、
前記教師データに基づいて前記仕掛けの挙動を推定する機械学習アセンブリ、を備える、
ことを特徴とする魚群探知システム。
【請求項11】
船舶に搭載され、魚群を探知・追跡し表示部に表示する魚群探知方法において、
超音波信号を水中に送信し、反射されたエコー信号を受信し、
仕掛けの位置を検出し、
前記船舶から前記仕掛けまでのベクトルを算出し、
算出された前記ベクトルに基づいて舵自動操舵装置の舵制御信号を生成する、
ことを特徴とする魚群探知方法。
【請求項12】
請求項11に記載の魚群探知方法において、
扇形の超音波信号を水中に送信し、反射されたエコー信号を受信する、
ことを特徴とする魚群探知方法。
【請求項13】
請求項12に記載の魚群探知方法において、
前記仕掛けを追跡し、
前記仕掛けの挙動を推定し、
前記仕掛けの推定された前記挙動に基づいて舵自動操舵装置の前記舵制御信号を生成する、
ことを特徴とする魚群探知方法。
【請求項14】
請求項11に記載の魚群探知方法において、
超音波信号を水域の3方向に送信し、反射されたエコー信号を受信する、
ことを特徴とする魚群探知方法。
【請求項15】
請求項14に記載の魚群探知方法において、
前記仕掛けを追跡し、
前記仕掛けの挙動を推定し、
前記仕掛けの推定された前記挙動に基づいて舵自動操舵装置の前記舵制御信号を生成する、
ことを特徴とする魚群探知方法。
【請求項16】
請求項14に記載の魚群探知方法において、
3つの方向は、左舷、下方、右舷に対応する、
ことを特徴とする魚群探知方法。
【請求項17】
さらに、以下を含む、請求項13に記載の方法:
前記舵制御信号を前記自動操舵装置に出力して、前記仕掛けの推定された挙動に基づいて前記船舶の舵を制御する。
【請求項18】
さらに、以下を含む、請求項11に記載の方法:
反射されたエコー信号に基づいて、前記仕掛けに実装されたリフレクタから前記仕掛けを検出する。
【請求項19】
さらに、以下を含む、請求項11に記載の方法:
自船位置測位部を用いて自船の位置を測位する。
【請求項20】
船舶に搭載され、魚群を探知・追跡し表示部に表示する魚群探知プログラムにおいて、
超音波信号を水中に送信し、反射されたエコー信号を受信し、
仕掛けの位置を検出し、
前記船舶から前記仕掛けまでのベクトルを算出し、
算出された前記ベクトルに基づいて舵自動操舵装置の舵制御信号を生成する、
ことを特徴とする魚群探知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚群探知システム及び魚群を探知・追跡し表示部に表示する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、魚群探知機は、海底、魚群、または魚群探知機が使用される船舶の下にある他の水の生き物などの水域に存在する物体を検出する為に使用される。魚群探知機システムは、超音波の原理で動作し、通常、送信機と受信機を含む。送信機は、物体を検出できる水域に向けて超音波を送信する。超音波は、障害物として来る物体に当たると反射する性質がある。従って、反射された超音波はその後、受信機によって受信され、さらに処理されて、自船の下の魚群の存在と位置を検出する。
【0003】
現在、検出された魚群から魚を捕獲する為に、漁師によって異なる仕掛け(釣り針)が使用されている。殆どの場合、バンクシンカー(錘)として知られる一般的な仕掛けは、釣り糸に沿って水面下深くに沈められる。また、魚群の近くに到達して魚を捕まえる為に、釣り糸に接続された複数のフックにも餌を付ける。特定の魚群を狙う為、漁師が水域の下の仕掛けの位置を知っている必要がある。漁師は通常、経験に基づいて位置を予測する。しかし、水面下の仕掛けの位置は、潮の流れと船の挙動や速度に依存する。しかし、船が仕掛けの上にある場合にのみ、仕掛けを検出して表示部に表示する。一方、潮の流れと自船の移動により、船が仕掛けの上に留まり、継続的に仕掛けを表示することは困難である。
【0004】
これらの問題を考慮して、本発明の目的は、表示部上に仕掛けを追跡し、継続的に表示することができる魚群探知システム及び方法を提供することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、船舶に搭載される魚群探知装置システム、方法、及び仕掛けを連続的に表示することができる非過渡的なコンピュータ可読媒体を開示する。本発明の一態様は、送受波器及び自動操舵装置と接続するように構成されたインターフェース(接続装置)を備えた船舶用魚群探知装置システムに関する。送受波器は、超音波信号を水中に送信し、反射エコー信号を受信するように構成される。自動操舵装置は、自船に取り付けられている舵を制御するように構成される。さらに、魚群探知システムは、インターフェースに通信可能に結合された信号処理部を含む。信号処理部は、仕掛けの位置を検出し、船から仕掛けまでのベクトルを算出し、算出されたベクトルに基づいて舵を制御する為の自動操舵装置の為の舵制御信号を生成するように構成される。舵制御信号は、算出されたベクトルをキャンセルするように生成され、その後、仕掛けが表示部に表示される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明の一実施形態による透過及び反射超音波を示す概略図である。
図2図2は、本発明の一実施形態による魚及び1つ以上の魚群のグラフィカル表示例の魚群探知機表示モードである。
図3図3Aは、本発明の一実施形態による魚群探知機送受波器による表示部上のエコー画像の時間に対するスクロールを示す画像である。図3Bは、本発明の一実施形態による、魚群探知システムの表示部を表示する為の船の下の仕掛けを示すシステム図である。図3Cは、本発明の一実施形態による、図2Bに示す仕掛けが魚群探知送受波器によって表示部に表示されることを示す画像である。
図4図4Aは、本発明の一実施形態による、魚群探知システムによる仕掛け検出の一例を示す画像である。図4Bは、本発明の一実施形態による、魚群探知システムによる仕掛け検出の表示例を示す図である。図4Cは、本発明の一実施形態による、魚群探知システムによる仕掛け検出の別の表示例を示す図である。
図5図5Aは、本発明の一実施形態による、魚群探知システムによる仕掛け検出の別の表示例を示す図である。図5Bは、本発明の一実施形態による、図5Aに示す魚群探知システムによる仕掛け検出の表示例を示す図である。図5Cは、本発明の一実施形態による、図5Aに示す魚群探知システムによる仕掛け検出の別の表示例を示す図である。
図6図6は、本発明の一実施形態による、魚群探知システムによる船から仕掛けまでのベクトルを算出する為のブロック図である。
図7図7Aは、本発明の第1の態様による、魚群探知システムの表示部における少なくとも1つのユーザ入力を受信する為の表示部を示している。図7Bは、本発明の第1の態様による自船の挙動を表示する表示部を示している。図7Cは、本発明の第1の態様による表示部の真下画面に仕掛けを表示する表示部を示している。図7Dは、本発明の第1の態様による表示部の真下画面に仕掛けを表示する表示部と右舷画面を示している。図7Eは、本発明の第1の態様による表示部の右舷画面に仕掛けを表示する表示部を示している。
図8図8Aは、本発明の一実施形態による表示部の真下画面に仕掛けのサイズが小さくなる表示部を示している。図8Bは、本発明の一実施形態による表示部の真下画面に仕掛けが消えた表示部を示している。
図9図9は、本発明の第1の態様による、船舶から仕掛けまでのベクトルを算出し、魚群探知システムにより舵制御信号を生成する方法のフローチャートである。
図10図10は、本発明の第2の態様による、魚群探知システムによる仕掛けの挙動を推定する為のブロック図である。
図11図11は、本発明の第2の態様による、魚群探知システムによる仕掛けの挙動を推定し、舵制御信号を生成する方法のフローチャートである。
図12図12は、本発明の第二の態様の一実施形態による機械学習アセンブリのブロック図である。
【発明を実施する為の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図中の同一又は対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。以下に説明する実施形態の少なくともいくつかは任意に組み合わせることができる。
【0008】
図1は、本発明の実施形態による送信及び反射超音波を示す模式図である。
【0009】
図1を参照すると、魚群探知システム100は、海底104及び海面108の下に存在する一つ以上の魚群106のような物体を検出する為に、船舶102に設置される。魚群探知システム100は、船舶102の底部に構成された送受波器110を含む。送受波器110は、超音波信号112を船舶102(海面108)の下の水域109に送信する。超音波信号112は、送信された超音波信号の一部を、その行く手に来る物体に衝突すると反射する傾向がある。
【0010】
送受波器110は、より実用的な情報を提供する為に、広範囲の深さ及び幅を走査することができるマルチビーム送受波器であってもよい。超音波信号112は、マルチビーム超音波信号であってもよい。マルチビーム超音波信号は、扇形超音波信号であってもよいし、多方向に伝送されるシングルビーム超音波信号であってもよい。
【0011】
送受波器110は、海底104及び魚群106または水域109内に存在する他の物体から反射されたエコー信号114を受信する。
【0012】
魚群探知システム100は、受信したエコー信号114を増幅してデジタル信号に変換し、デジタル信号をフィルタリングして、受信したエコー信号114に対応するエコー画像を表示することによって処理する。
【0013】
図2は、本発明の一実施形態による、魚及び一以上の魚群106のグラフィック表示例の魚群探知表示モード200である。図2図1と共に説明する。
【0014】
魚群探知システム100は、送受波器110によって受信されたエコー信号114に基づいて、表示部202に水域109内に存在する物体を表示する。物体は、海底104、異なる深さの一つ以上の魚群106、一つ以上の単体魚204、プランクトン206、船舶102の下に存在する釣り糸208、船舶102から生成される気泡(キャビテーション)210、または水域109内に存在する他の物体のいずれかである。
【0015】
さらに、魚群探知システム100は、表示部202に深さのマーキングを伴う深度目盛212を表示する。深度目盛212は、海面下108の物体の深さの情報を提供するので、物体と船舶102との間の距離を算出する。また、魚群探知システム100は、受信したエコー信号114のタイムマーク(時間目盛)214を表示部202に表示し、受信したエコー信号114の受信時刻を表示してもよい。
【0016】
なお、受信したエコー信号114の信号強度に応じて、対象物を異なる色で表示してもよい。また、魚群探知機システム100は、表示部202に信号強度のレベルに応じた色を表示して信号強度目盛を表示してもよい。
【0017】
図3Aは、本発明の一実施形態に係る魚群探知機システム100の表示部202におけるエコー画像の時間に対するスクロールを示す画像300である。図3Aは、図1に関連して説明される。
【0018】
受信された、水体109内に存在する物体に対応するエコー信号114は、送受波器110によって時間に関して順次受信される。また、受信されたエコー信号114の受信時刻に基づいて、受信されたエコー信号114に対応するエコー画像が順次表示される。魚群探知システム100は、表示部202の右側に、直近に受信されたエコー信号302に対応する直近のエコー画像を表示してもよい。
【0019】
なお、直近に受信されたエコー信号302を受信するごとに、前回受信されたエコー信号に対応するエコー画像が左側にスクロールされる。また、表示部202の右側には、新たに受信されたエコー信号が表示される。
【0020】
そのため、エコー画像は、表示部202の右側から左側へ時間をかけてスクロールする必要がある。表示部202の右側には、魚群探知システム100がその特定の瞬間に見たものが表示され、エコー画像は、新たに受信したエコー信号を受信する時間をかけて自動的に左側へスクロールする。
【0021】
一実施形態では、スクロールの速度は一定の速度に保たれる。別の実施形態では、スクロールの速度は、自動的にまたは手動のいずれかで、快適な設定を見つける為にスクロールの速度を増加または減少させるように変更する。例えば、検出された深さが浅い場合、スクロールの速度は高く、深さが深い場合、スクロールの速度は低く(より深い水では、音が底に届くまでに時間がかかるので)、スクロールの速度が高く設定されている場合、小さな魚の群れ106であっても、表示部202に大きなエコー画像として表示される。
【0022】
図3Bは、本発明の一実施形態による、魚群探知システム100によって表示部202に表示される為の、船舶102の下の仕掛け306を示すシステム図304である。図3Bを、図1と関連して説明する。
【0023】
釣り人308は、仕掛け306を投げ、表示部202の右側に仕掛け306を見ることを期待している。仕掛け306は、送受波器110によって検出されるように、船舶102の真下に存在することが好ましい。
【0024】
図3Bを参照すると、釣り人308が仕掛け306を船舶102から海面108の下に落下させると、仕掛け306の浮き310は、その浮力により海面108上の船舶102上の釣り人308から見える。浮き310は、自然に浮力があるので、仕掛け306は海面108の下に沈まないが、仕掛け306のある程度の長さ分は海面108の下に沈む。仕掛け306の位置と位置は、潮流の影響により、仕掛け306が船舶102の真下、正確には送受波器110の真下に来るときに検出される。
【0025】
仕掛け306が船舶102(送受波器110)の真下に来るとすぐに、送受波器110は仕掛け306に対応するエコー信号114を検出する。続いて、図3Cに示すように、仕掛け306は、受信したエコー信号302、すなわち最新のリターン信号として、表示部202の右側に表示されている。
【0026】
図3Cを参照すると、本発明の一実施形態による魚群探知システム100によって表示部202に表示されている仕掛け306を示す画像312が示されている。表示部202が左にスクロールすると、最新の受信エコー信号302が仕掛け306の位置に沿って表示される。
【0027】
図4A は、本発明の一実施形態による魚群探知システム100による仕掛け306検出の一例を示す画像400である。図4Bは、図4Aに示すように、本発明の一実施形態による魚群探知システム100による仕掛け306検出の表示例402を示する。
【0028】
上述したように、魚群探知システム100は、船舶102に設置されてもよい。さらに、魚群探知システム100は、水体109内に存在する仕掛け306を含む物体の検出に適した任意の構成で船舶102の底面に配置され得る送受波器110を含む。
【0029】
送受波器110は、超音波信号を水体109に送信し、広範囲の深さと幅を走査して仕掛け306のより実用的な情報を提供するマルチビーム送受波器である。例えば、深さ約135メートル、幅約120度である。
【0030】
送受波器110は、断面表示モードや三次元(三次元)履歴画面モードなどのモードを備えることができる。断面表示モードでは、送受波器110は、左から右に約123メートルの深さと120度の幅までスキャンする。
【0031】
図4A及び図4Bを参照すると、送信された超音波信号112は、水域109内のセクタ形状部分をスキャンし、水域109及び海面108の下に存在する一つ以上の魚群106内の海底104上の仕掛け306の位置を検出する。換言すれば、送受波器110は、扇形超音波信号を送信し、エコー信号114を受信する。そして、断面表示モードで表示部202にセクタ形状の海底104を描画する。続いて、海底104上の海底104、魚群106、仕掛け306の深さと位置を表示する。この実施形態では、送受波器110は、送受波器110から123メートルの最大表示深度と120度の幅をスキャンする。
【0032】
さらに、送受波器110は、超音波信号112を水体109の三方向に送信し、反射エコー信号114を受信する。三方向は、左舷方向、真下方向、右舷方向に対応する。三方向は、海底104上の船舶102の左舷方向、真下方向、右舷方向からの領域をカバーする。
【0033】
また、魚群探知システム100は、表示部202を分割して各方向からのエコー画像を表示する。左舷方向からのエコー画像を表示する為に関連付けられた部分を左舷画面404と呼ぶ。真下方向からのエコー画像を表示する為に関連付けられた部分を下向き画面406と呼ぶ。右舷方向からのエコー画像を表示する為に関連付けられた部分を右舷画面408と呼ぶ。
【0034】
本実施形態によれば、仕掛け306は存在し、船舶102の下の送受波器110によって検出される。従って、送受波器110は、図4Bに示すように、真下画面406に仕掛け306を表示する。
【0035】
なお、左舷画面404、真下画面406、右舷画面408は、通常の使用例では、表示部202の左から右にそれぞれ表示されるが、この順序に限定されるものではない。
【0036】
さらに、魚群探知システム100は、水平探知距離目盛410及び深度目盛412を表示する。水平探知距離目盛410は、送受波器110の動作範囲を表する。深度目盛412は、船舶102(海面108)からの海底104の深さを表する。
【0037】
さらに、魚群探知システム100は、送受波器110によって送信された超音波信号112の最大表示深度414及び周波数416を表示する。例えば、送信された超音波信号112の最大表示深度414は135メートルであり、周波数416は165キロヘルツ(kHz)である。
【0038】
図4Cは、本発明の一実施形態による魚群探知システム100による仕掛け306検出の別の表示例418を示する。
【0039】
表示例418は、魚群探知システム100の三次元履歴画面モードである。魚群探知システム100は、船舶102と仕掛け306との関係を理解する為に、視認性を高めた一つ以上の三次元画像を表示する。魚群探知システム100の三次元履歴表示モードは、漁場を選択し、海底104の形状の変化を把握するのに適している。また、魚群探知システム100の三次元履歴表示モードは、船102に対する仕掛け306の挙動を把握するのに適している。
【0040】
海底104、魚群106、及び仕掛け306のエコー画像は、送受波器110によって受信されたエコー信号114から検出された三次元情報に基づいて、形状、信号強度、色相、及び分布において変化し得る。
【0041】
図5Aは、本発明の一実施形態による、魚群探知システム100による仕掛け306検出の別の例を示する。図5B及び図5Cは、本発明の一実施形態による、図5Aに示すような魚群探知システム100による仕掛け306検出の表示例を示する。
【0042】
図5Aを参照すると、魚群探知システム100の送受波器110は、マルチビーム送受波器であってもよい。前述したように、マルチビーム送受波器は、海底104及び海面108の下に存在する一つ以上の魚群106のような物体に加えて、水域109内の仕掛け306の位置を検出する為に、超音波信号112を三方向に送信してもよい。例えば、三方向には、船舶102の左側の港方向、船舶102の下方方向、及び船舶102の右側の右舷方向が含まれる。
【0043】
魚群探知システム100は、海面108の下に存在する海底104及び一以上の魚群106のような物体に加えて、仕掛け306の位置を表示する為のトリプル・ビーム表示モードを備えることができる。トリプル・ビーム表示モードでは、送受波器110は、三方向のそれぞれに送信される超音波信号112の為に、表示部202内に三つの異なるスクリーンを描画する。例えば、左舷画面404は、左舷方向からのエコー画像を表示し、真下画面406は、真下方向からのエコー画像を表示し、右舷画面408は、右舷方向からのエコー画像を表示する。
【0044】
本実施形態では、送受波器110により下向きに送信される超音波信号112により、仕掛け306を検出する。従って、送受波器110は、図5B図5Cに示すように、表示部202の真下画面406に仕掛け306を表示する。
【0045】
送受波器110によるトリプル・ビーム表示モードは、海底104の状態、魚群106の深さ、及び三方向のそれぞれにおける船102に対する仕掛け306の位置を把握するのに役立つ。さらに、トリプル・ビーム表示モードは、船102からの仕掛け306の距離、及び仕掛け306及び魚群106の移動方向を把握するのに役立つ。
【0046】
なお、「仕掛け306」と表現しているが、「釣り針」、「釣り具」、「錘」に対応してもよく、その形状は、図7A図7E及び図8Aに示すように、フック形状、魚形状(ルアー)等、様々である。一実施形態では、仕掛け306は、釣り糸が容易に水域109に沈むように、錘を伴うことがある。
【0047】
図6は、本発明の一実施形態による、魚群探知システム100によって、船舶102から仕掛け306までのベクトルを算出する為のブロック図600である。
【0048】
本発明の態様によれば、魚群探知システム100は、送受波器110及び自動操舵装置604と接続する為のインターフェース602を含むことができる。魚群探知システム100は、さらに、信号処理部606を含むことができる。信号処理部606は、自船位置測位部608(任意)、仕掛け検出器610、ベクトル算出器612及び舵制御信号発生部614を含むことができる。さらに、魚群探知システム100は、表示部202を含むことができる。表示部202は、操作部616を含むことができる。
【0049】
さらに、インターフェース602は、信号処理部606に通信可能に結合されてもよい。送受波器110は、超音波信号112を水体109に送信し、水体109内に存在する物体から反射エコー信号114を受信するように構成されてもよい。物体は、海底104、魚群106、仕掛け306、及び水体109内に存在する他の物体を含むことができる。
【0050】
自動操舵装置604は、船舶102に取り付けられた舵(非図示)を制御するように構成する。なお、自動操舵装置604は、船舶102の挙動を操作する為に舵を制御する。例えば、前方への移動、後方への移動、Uターンなどである。また、高度な自動操舵装置604では、舵に加えてエンジンや速度を制御することも可能である。
【0051】
あるいは、自船位置測位部608は、船舶102の位置を測位するように構成されてもよい。仕掛け検出器610は、仕掛け306の位置を検出するように構成されてもよい。ベクトル算出器612は、船舶102から仕掛け306までのベクトルを算出するように構成されてもよい。舵制御信号生成部614は、自動操舵装置604が算出されたベクトルに基づいて舵を制御する為の舵制御信号を生成するように構成される。信号処理部606は、自船位置測位部608によって船舶102の位置を測位し、仕掛け検出部610によって仕掛け306の位置を検出するように構成される。さらに、信号処理部606は、ベクトル算出部612によって算出されたベクトルに基づいて舵を制御する為に、自動操舵装置604の為の舵制御信号を生成するように構成される。舵制御信号は、算出されたベクトルを打ち消すように生成され、その後、表示部202に仕掛け306が表示される。一実施形態では、船位置検出器608は、船102の位置とは無関係に、仕掛け検出器610によって送信されたビームパターン、送信されたビームモード、送信された周波数や送信されたビーム幅に基づいて仕掛け306の相対位置を算出するように構成される。船位置検出器608が、船102に予め設置された全地球測位システム(GPS)受信機に対応し得ることは、当業者には自明である。
【0052】
一実施形態において、操作部616は、仕掛け306の位置に関連する少なくとも一つのユーザ入力を受信するように構成される。例えば、操作部616は、仕掛け306が表示部202に表示されるときに、ユーザから表示部202のタップを受信する。信号処理部606は、少なくとも一つのユーザ入力に基づいて、仕掛け306の位置を検出する。
【0053】
別の実施形態では、信号処理部606は、ユーザからの入力なしに、表示部202上の仕掛け306の位置を自動的に検出する。
【0054】
図7Aは、本発明の第一の態様による魚群探知システム100の表示部202における少なくとも一人のユーザ入力を受信する為の表示部202を示している。図7Bは、本発明の第一の態様による図4Cの上面表示モードにおける船舶102の挙動を表示する表示部202を示している。図7Cは、本発明の第一の態様による表示部202の真下画面406に仕掛け306を表示する表示部202を示している。図7Cは、図4Cの上面図である。図7Dは、本発明の第一の態様による、真下画面406に仕掛け306を表示する表示部202と、表示部202の右舷画面408を示している。図7Eは、本発明の第一の態様による、表示部202の右舷画面408に仕掛け306を表示する表示部202を示している。
【0055】
第一の態様による、魚群探知システム100の表示部202は、仕掛け306を表示する。さらに、表示部202は、表示部202における仕掛け306の位置に関連する少なくとも一つのユーザ入力を受け付ける。仕掛け306は、図7A図7E及び図8Aに示すような魚型の仕掛け(ルアー)である。例えば、少なくとも一つのユーザ入力として、図7Aに示すように、表示部202は、表示部202に表示されている仕掛け306上のユーザからの指のタップを受けることができる。一実施形態では、表示部202は、コンピュータマウスのような任意の入力装置を用いてクリックを受けることができる。
【0056】
信号処理部606は、ユーザから受信した少なくとも一つのユーザ入力に基づいて、表示部202上の仕掛け306の位置を検出する。さらに、信号処理部606は、船舶102の位置を測位し、船舶102から仕掛け306へのベクトルを算出する。算出されたベクトルに基づいて、信号処理部606は、図7Bに示すように、自動操舵装置604が船舶102の舵等を制御し移動させ、算出されたベクトルを打ち消す為の舵制御信号を生成する。従って、船舶102を仕掛け306の上方に維持し、表示部202内に継続的に表示する。
【0057】
さらに、仕掛け306が表示部202の左舷画面404に表示されている場合、信号処理部606はさらに舵制御信号を生成する。自動操舵装置604は、生成された舵制御信号に基づいて、図7Cに示すように、船102をさらに移動させて仕掛け306を真下画面406に表示する。
【0058】
同様に、図7D図7Eに示すように、仕掛けが真下画面406と右舷画面408の両方に表示されている場合、または右舷画面408のみに表示されている場合、魚群探知システム100の信号処理部606は、舵制御信号を生成する。生成された舵制御信号に基づいて、自動操舵装置604は、仕掛け306を真下画面406に表示するように船102を移動させる。
【0059】
図8Aは、本発明の一実施形態による表示部202の真下画面406に仕掛け306のサイズが小さくなるように表示部202を示している。図8Bは、本発明の一実施形態による表示部の真下画面406に仕掛け306が消えたように表示部202を示している。
【0060】
第一の態様によれば、魚群探知システム100は、表示部202の真下画面406において仕掛け306のサイズを監視する。図8A図8Bに示すように、船102が仕掛け306を追い越したり離れたりすると、真下画面406において仕掛け306のサイズが小さくなったり、真下画面406において仕掛け306が消えたりする。
【0061】
このような場合、信号処理部606は、自動操舵装置604の舵制御信号を生成する。自動操舵装置604は、生成された舵制御信号に基づいて、船102の舵を制御し、船102を前進、後退、Uターンさせる。従って、表示部202の真下画面406に仕掛け306を表示する。
【0062】
図9は、本発明の第一の態様による、船舶102から仕掛け306へのベクトルを算出し、魚群探知システム100によって舵制御信号を生成する方法のフローチャート900である。
【0063】
図9を参照すると、送受波器110は、ステップ902において、超音波信号112を水域109内に送信し、反射エコー信号114を受信するように構成する。例えば、送受波器110は、扇形超音波信号または単一ビーム超音波信号のようなマルチビーム超音波信号を3つの異なる方向に送信する。
【0064】
あるいは、信号処理部606は、GNSSや他の船舶または陸上のAIS基地局(AIS基地局)からAISを介して位置情報を受信するなどの従来の方法で、ステップ904において、船舶102の位置を測位するように構成する。例えば、測位された位置は、38.84°N,135.00°Eである。自船位置測位部608が船舶102に予め取り付けられたGPS受信機に対応し得ることは、当業者には明らかでしょう。
【0065】
続いて、信号処理部606は、ステップ906において、目標とする仕掛け306の位置を検出するように構成される。例えば、目標とする仕掛け306の検出された位置は、水域109内の水深35mにおいて、45.00°N、140.44°Eである。
【0066】
さらに、信号処理部606は、ステップ908において、船舶102から目標とする仕掛け306までのベクトルを算出するように構成する。例えば、船舶102と目標とする仕掛け306との北成分と東成分との差分を算出し、算出した差分値を二乗し、その二乗値を加算し、その加算値を平方根してベクトルの大きさとする。なお、ステップ906において、船舶102からの仕掛け306の相対位置が得られる限り、ステップ904を省略することも可能である。
【0067】
続いて、信号処理部606は、ステップ910において、算出されたベクトルに基づいて、自動操舵装置604の為の舵制御信号を生成する。例えば、舵制御信号は、自動操舵装置604の為に生成され、船102の舵を制御し、移動させ、船102と目標とする仕掛け306との間の算出されたベクトルをキャンセルする。
【0068】
図10は、本発明の第二の態様による魚群探知システム100による仕掛け306の挙動を推定する為のブロック図1000である。
【0069】
第二の態様によれば、魚群探知システム100は、送受波器110及び自動操舵装置604と接続する為のインターフェース602を含むことができる。魚群探知システム100は、さらに、信号処理部606を含むことができる。信号処理部606は、仕掛け追跡部1002、仕掛け挙動推定部1004、及び舵制御信号発生部614を含むことができる。さらに、魚群探知システム100は、表示部202を含むことができる。
【0070】
信号処理部606は、表示部202上で、仕掛け306と船舶102とのずれを観察する。観測された偏差に基づいて、信号処理部606は仕掛け306の挙動を推定し、舵制御信号を生成する。
【0071】
自動操舵装置604は、舵制御信号に基づいて、表示部202で観測された偏差に逆向きに船102を動かす。
【0072】
仕掛け追跡部1002は、仕掛け306に取り付けられた反射器またはゾンデからの信号を検出するように構成される。一実施形態では、信号処理部606は、反射エコー信号114または仕掛け追跡部1002におけるゾンデからの受信信号に基づいて仕掛け306を検出する。なお、仕掛け306に反射鏡またはゾンデが取り付けられていなくても、仕掛け検出装置610や仕掛け追跡部1002は、通常の手段によって反射エコー信号114に基づいて仕掛け306を検出する。
【0073】
仕掛け挙動推定部1004は、信号処理部606における反射エコー信号114または仕掛け追跡部1002におけるゾンデからの受信信号に基づいて仕掛け306の挙動を推定する。
【0074】
さらに、舵制御信号生成装置614は、仕掛け306の推定された挙動に基づいて舵制御信号を生成する。
【0075】
図11は、本発明の第二の態様による、仕掛け306の挙動を推定し、魚群探知システム100によって舵制御信号を生成する方法のフローチャート1100である。
【0076】
図11を参照すると、送受波器110は、ステップ1102において、超音波信号112を水域109内に送信し、反射エコー信号114を受信するように構成する。例えば、送受波器110は、単一ビーム超音波信号のようなマルチビーム超音波信号を三つの異なる方向に送信する。
【0077】
さらに、信号処理部606は、ステップ1104において、目標とする仕掛け306の位置を追跡するように構成されてもよい。例えば、追跡される位置は、38.84°N、135.00°Eである。
【0078】
さらに、信号処理部606は、ステップ1106において、目標とする仕掛け306の挙動を推定するように構成されてもよい。例えば、表示部202上の船舶102からの目標とする仕掛け306のずれは、目標とする仕掛け306の挙動を推定する為に観察される。
【0079】
続いて、信号処理部606は、ステップ1108において、仕掛け306の推定された挙動に基づいて、自動操舵装置604の為の舵制御信号を生成する。例えば、舵制御信号は、自動操舵装置604の為に生成され、船102の舵を制御し、観測された偏差に対して逆に動かする。
【0080】
図12は、本発明の第二の態様の一実施形態による機械学習アセンブリ1200のブロック図である。
【0081】
機械学習アセンブリ1200は、訓練データとして入力データの実際の値を使用して、仕掛け306の挙動を推定し、舵制御信号を生成するようにニューラルネットワークを訓練するように構成され、機械学習アセンブリ1200によって入力データを参照としてニューラルネットワークに入力するように構成されてもよい。
【0082】
ニューラルネットワークは、i)目標とする仕掛け306の位置と船102の位置とのペア、またはii)船102の位置から目標とする仕掛け306の相対位置を入力データとして備えます。機械学習アセンブリ1200は、入力データを訓練データとして使用して、仕掛け306の挙動を推定する為のニューラルネットワークを訓練するように構成される。機械学習アセンブリ1200は、訓練データを参照としてニューラルネットワークに入力し、訓練データに基づいて仕掛け306の挙動を推定するように構成される。
【0083】
前述したように、少なくともi)目標とする仕掛け306の位置と船102の位置の対、またはii)船102の位置から目標とする仕掛け306の相対位置に基づいて偏差量が算出され、偏差量が出力される。
【0084】
機械学習アセンブリ1200は、学習過程1202を含むことができる。学習過程1202は、仕掛け306の絶対位置または相対位置を入力するように構成された仕掛け追跡部1002と、必要に応じて船舶102の位置を入力するように構成された自船位置測位部608とを含む。i)目標とする仕掛け306の位置と船舶102の位置のペア、またはii)目標とする仕掛け306の船舶102の位置からの相対位置を、学習用データセット1204に送信する。
【0085】
さらに、学習用データセット1204は、入力データを送信する為の学習プログラム1206に通信可能に結合する。学習プログラム1206は、能力に関する情報及び評価戦略の為の提案をトレーナー/アセッサーに提供する。学習プログラム1206は、監督されていても、監督されていなくてもよい。学習プログラム1206は、学習前パラメータ1208、出力データをパラメータに処理するように構成される。学習前パラメータ1208は、モデル内部の構成変数であり、その値は、学習プログラム1206から受信したデータから推定する。学習前パラメータ1208は、出力データをハイパーパラメータ1210に送信するように構成される。ハイパーパラメータ1210は、データから推定されない値のパラメータをモデルに処理し、出力を機械学習過程1202の学習済プログラム1212に送信するように構成される。
【0086】
学習済プログラム1212は、教師ありまたは教師なしであってもよい。さらに、学習済プログラム1212は、出力データを学習済パラメータ1214に送信するように構成される。学習済パラメータ1214は、評価戦略の為のコンピテンシー及び提案に関する訓練された情報を提供する。学習済パラメータ1214は、モデル内部の構成変数であり、その値は学習済プログラム1212から受信したデータから推定する。学習済パラメータ1214は、学習済出力データを算出する為に、推論プログラム1216にライブデータポイントを送信するように構成される。
【0087】
さらに、機械学習アセンブリ1200は、使用プロセス1218を含む。使用プロセスは、目標とする仕掛け306の絶対位置または相対位置を入力するように構成された仕掛け追跡部1002と、必要に応じて船舶102の位置を入力するように構成された自船位置測位部608とを含む。i)目標とする仕掛け306の位置と船舶102の位置のペア、またはii)目標とする仕掛け306の船舶102の位置からの相対位置は、使用プロセス1218の学習済プログラム1220に送信する。利用プロセス1218の学習済プログラム1220は、仕掛け306と船102との偏差量の結果を偏差出力データ1222として得るように構成されている。従って、機械学習アセンブリ1200は、目標とする仕掛け1224の挙動を推定するように構成されている。
【0088】
上記の実施形態は、あらゆる点で例示的であり、制限的ではない。開示の範囲は、上記の説明ではなく、特許請求の範囲に記載されており、特許請求の範囲の意味及びすべてのバリエーションを含む。
【0089】
用語
【0090】
必ずしもすべての目的または利点が本明細書に記載された特定の実施形態に従って達成されるとは限らない。従って、例えば、当業者は、特定の実施形態が、本明細書に教示または示唆される他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示される1つの利点または利点のグループを達成または最適化する方法で動作するように構成され得ることを認識するでしょう。
【0091】
本明細書に記載されるすべてのプロセスは、1つ以上のコンピュータまたはプロセッサを含むコンピューティング・システムによって実行されるソフトウェア・コード・モジュールに具現化され、それを介して完全に自動化される。コード・モジュールは、任意のタイプの非過渡的なコンピュータ可読媒体または他のコンピュータ記憶装置に格納される。一部または全ての方法は、特殊なコンピュータ・ハードウェアに具現化される。
【0092】
本明細書に記載されたものよりも多くの他の変形が、この開示から明らかでしょう。例えば、実施形態に応じて、本明細書に記載されたアルゴリズムのいずれかの特定の行為、事象又は機能は、異なる順序で実行され、追加され、結合され、又は完全に除外され得る(例えば、すべての記述された行為または事象がアルゴリズムの実施に必要という訳ではない)。さらに、特定の実施形態では、行為又は事象は、順次ではなく、例えば、マルチスレッド処理、割り込み処理、又は複数のプロセッサ若しくはプロセッサコア若しくは他の並列アーキテクチャを介して、同時に実行される。さらに、異なるタスク又はプロセスは、一緒に機能し得る異なるマシン及び/又はコンピューティング・システムによって実行される。
【0093】
本明細書に開示される実施形態に関連して説明される種々の例示的な論理ブロック及びモジュールは、プロセッサのようなマシンによって実行される。プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替的には、プロセッサは、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシン、それらの組み合わせ、または類似のものでもよい。プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を処理するように構成された電気回路を含むことができる。別の実施形態では、プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を処理することなく論理演算を実行するアプリケーション特定集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブルデバイスを含む。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)とマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと結合した1つ以上のマイクロプロセッサ、または他の任意のそのような構成として実装することもできる。本明細書では主にデジタル技術に関して記述されるが、プロセッサは主にアナログコンポーネントを含むこともできる。例えば、本明細書に記載された信号処理アルゴリズムの一部または全部は、アナログ回路またはアナログとデジタルの混合回路で実施されてもよい。コンピューティング環境は、マイクロプロセッサ、メインフレームコンピュータ、デジタル信号プロセッサ、ポータブルコンピューティングデバイス、デバイスコントローラ、またはアプライアンス内の算出エンジンを含むがこれらに限定されない任意のタイプのコンピュータシステムを含むことができる。
【0094】
特に「できる」、「できる」、「可能性がある」などの条件付き言語は、特に明記されていない限り、これらの特定の実施形態が特定の特徴、要素やステップを含むが、他の実施形態は含まないことを伝える為に一般的に使用される文脈内で別の意味で理解される。従って、このような条件付き言語は、一般的に、特徴、要素やステップが1つまたは複数の実施形態に何らかの形で必要であること、または1つまたは複数の実施形態が、これらの特徴、要素やステップがいずれかの実施形態に含まれるか、または実行されるべきかを、ユーザ入力またはプロンプトの有無にかかわらず決定する為のロジックを必然的に含むことを意味するものではない。
【0095】
特に明記されていない限り、「X、Y、またはZの少なくとも1つ」という語句のような分離語は、項目、用語などがX、Y、またはZのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせ(例えば、X、YやZ)であることを提示する為に一般的に使用される文脈と同様に解釈される。従って、そのような分離語は、特定の実施形態がそれぞれ存在する為にXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、またはZの少なくとも1つを必要とすることを一般的に意図しておらず、暗示すべきではない。
【0096】
本明細書に記載されたり、添付の図に示されているフロー図のプロセス記述、要素またはブロックは、プロセス内の特定の論理関数または要素を実装する為の1つ以上の実行可能命令を含むコードのモジュール、セグメント、または部分を潜在的に表すものとして理解されるべきである。代替の実装は、本明細書に記載されている実施形態の範囲内に含まれ、要素または機能は、当業者によって理解されるように関与する機能に応じて、実質的に同時にまたは逆の順序を含めて、示されている順序から削除され、実行され、または議論される。
【0097】
一般に、本明細書で使用される用語は、一般に(例えば、「含む」という用語は、「含むがこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきである)用語として意図されていることは、当業者によって理解されるでしょう。
【0098】
説明目的の為に、本明細書で使用される用語「水平」は、その方向にかかわらず、記載されているシステムが使用されるか、または記載されている方法が実行される領域の下底の平面または表面に平行な平面として定義される。用語「底」は、用語「地面」または「水面」と置き換えることができる。用語「垂直」は、先ほど定義したように、水平に垂直な方向を指する。
【0099】
本明細書中で使用される用語「取り付けられた」、「接続された」、「接合された」及び他のそのような関係用語は、別段の注記がない限り、取り外し可能、移動可能、固定可能、調整可能、加除可能な接続または取り付けを含むと解釈されるべきである。接続/取付は、直接接続/取付される2つの構成要素間の中間構造を有する接続を含むことができる。
【0100】
特に明示的に記載されていない限り、本明細書で使用される「約」及び「実質的に」のような用語の前にある数は、記載された数を含み、また、記載された量に近い量で、まだ所望の機能を果たし、または所望の結果を達成する量を表する。例えば、特に明示的に記載されていない限り、「約」、「約」及び「実質的に」という用語は、記載された量の10%未満の量を指すことができる。本明細書で使用される「約」及び「実質的に」のような用語の前に、本明細書で開示される実施形態の特徴は、依然として所望の機能を実行するか、またはその特徴に対して所望の結果を達成するいくつかの変動性を有する特徴を表する。
【0101】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。各実施の形態に記載した事項は相互に組み合わせる。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせる。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。上記の実施形態には多くの変形及び修正が加えられる可能性があり、それらの要素は他の許容可能な例の1つであると理解されるべきであることを強調すべきである。そのようなすべての変形及び修正は、本発明の範囲内で本明細書に含まれることが意図されており、以下のクレームによって保護される。
【符号の説明】
【0102】
102 船舶
104 海底
106 魚群
108 海面
110 送受波器
202 表示部
204 単体魚
206 プランクトン
208 釣り糸
212 深度目盛
214 時間目盛
306 仕掛け(釣り針)
308 釣り人
310 浮き(アタリ検知器)
404 左舷画面
406 真下画面
408 右舷画面
410 水平探知距離目盛
414 最大表示深度
416 周波数
602 インターフェース(接続装置)
604 自動操舵装置
606 信号処理部
608 自船位置測位部
610 仕掛け検出器
612 ベクトル算出部
614 舵制御信号発生部
616 操作部
1002 仕掛け追跡部
1004 仕掛け挙動推定部
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図7DE
図8AB
図9
図10
図11
図12