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特開2024-86705原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムおよび原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086705
(43)【公開日】2024-06-27
(54)【発明の名称】原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムおよび原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   G21F 9/28 20060101AFI20240620BHJP
   G21F 9/00 20060101ALI20240620BHJP
   G21C 17/00 20060101ALI20240620BHJP
   G01T 1/167 20060101ALN20240620BHJP
【FI】
G21F9/28 522B
G21F9/00 Z
G21C17/00 500
G01T1/167 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023212746
(22)【出願日】2023-12-18
(31)【優先権主張番号】202211627907.1
(32)【優先日】2022-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523475398
【氏名又は名称】江▲蘇▼核▲電▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Jiangsu Nuclear Power Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 9000, South Nuclear Power Road, Sucheng Street, Lianyun District, Lianyungang, Jiangsu 222000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディ ミンユェ
(72)【発明者】
【氏名】シェ ウェイピン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャオ シーファン
(72)【発明者】
【氏名】ディン チャンロン
(72)【発明者】
【氏名】リー ヂョンファ
(72)【発明者】
【氏名】チェン チュェンリー
(72)【発明者】
【氏名】ウェン シァォフォン
(72)【発明者】
【氏名】リィゥ ユェンリィァン
(72)【発明者】
【氏名】スン チュチン
(72)【発明者】
【氏名】ポン シーシュェン
【テーマコード(参考)】
2G075
2G188
【Fターム(参考)】
2G075AA01
2G075BA03
2G075CA50
2G075DA08
2G075FA05
2G075GA37
2G188AA12
2G188AA19
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】通常運転システムの第1の水タンクの排水端は、第1の排水管路を介して排水マニホルドに接続され、排水マニホルドには、メータ測定サンプリング管路ループが接続され、放射線メータ測定チャンバは、メータ測定サンプリング管路に直列に接続され、排水マニホルドの出力端は、対象ユーザに接続され、順方向洗浄システムにおいて、脱塩水は、順方向洗浄管路を介して放射線メータ測定チャンバの上端に接続され、放射線メータ測定チャンバの下端は、順方向洗浄排水制御弁を介して洗浄水排水管路に接続され、洗浄水排水管路の出力端は、特殊排水収集システムに接続され、逆方向洗浄システムにおいて、脱塩水は、逆方向洗浄管路を介して放射線メータ測定チャンバの下端に接続され、放射線メータ測定チャンバの上端は、逆方向洗浄排水制御弁を介して洗浄水排水管路に接続される。
【効果】測定チャンバ内に堆積された放射性物質を迅速に除去できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常運転システムと、順方向洗浄システムと、逆方向洗浄システムとを含み、
前記通常運転システムは、第1の水タンク(1)と、第1の排水管路(2)と、排水マニホルド(5)と、メータ測定サンプリング管路(11)とを含み、
第1の水タンク(1)の排水端は、第1の排水管路(2)を介して排水マニホルド(5)に接続され、排水マニホルド(5)には、メータ測定サンプリング管路(11)のループが接続され、メータ測定サンプリング管路(11)には放射線メータ測定チャンバ(20)が直列に接続され、排水マニホルド(5)の出力端は、対象ユーザに接続され、
前記順方向洗浄システムは、順方向洗浄管路(15)と、順方向洗浄排水制御弁(24)とを含み、
脱塩水は、順方向洗浄管路(15)を介して放射線メータ測定チャンバ(20)の上端に接続され、放射線メータ測定チャンバ(20)の下端は、順方向洗浄排水制御弁(24)を介して洗浄水排水管路(26)に接続され、洗浄水排水管路(26)の出力端は、特殊排水収集システムに接続され、
前記逆方向洗浄システムは、逆方向洗浄管路(21)と、逆方向洗浄排水制御弁(13)とを含み、
脱塩水は、逆方向洗浄管路(21)を介して放射線メータ測定チャンバ(20)の下端に接続され、放射線メータ測定チャンバ(20)の上端は、逆方向洗浄排水制御弁(13)を介して洗浄水排水管路(26)に接続される
ことを特徴とする原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システム。
【請求項2】
前記通常運転システムは、第1の排水制御弁(3)と、第1の排水逆止弁(4)と、メータ測定サンプリング制御弁(12)と、メータ測定サンプリング流量計(22)と、メータサンプリング制御弁(23)とをさらに含み、
第1の排水制御弁(3)、第1の排水逆止弁(4)は、第1の排水管路(2)に接続され、メータ測定サンプリング制御弁(12)は、放射線メータ測定チャンバ(20)の上端のサンプリング管路(11)に接続され、メータ測定サンプリング流量計(22)、メータサンプリング制御弁(23)は、放射線メータ測定チャンバ(20)の下端のサンプリング管路(11)に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システム。
【請求項3】
前記順方向洗浄システムは、順方向洗浄制御弁(14)と、順方向洗浄排水制御弁(24)とをさらに含み、
順方向洗浄制御弁(14)は、順方向洗浄管路(15)に接続され、順方向洗浄排水制御弁(24)は、メータ測定サンプリング流量計(22)の下端と特殊排水収集システムとの間の洗浄水排水管路(26)に接続される
ことを特徴とする請求項2に記載の原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システム。
【請求項4】
前記逆方向洗浄システムは、逆方向洗浄制御弁(16)と、逆方向洗浄排水制御弁(13)とをさらに含み、
逆方向洗浄制御弁(16)は、逆方向洗浄管路(21)に接続され、逆方向洗浄排水制御弁(13)は、放射線メータ測定チャンバ(20)の上端と特殊排水収集システムとの間の洗浄水排水管路(26)に接続される
ことを特徴とする請求項3に記載の原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システム。
【請求項5】
脱塩水洗浄制御弁(19)と、洗浄管路逆止弁(18)と、洗浄管路(17)とをさらに含み、
脱塩水は、洗浄管路(17)を介して順方向洗浄管路(15)と逆方向洗浄管路(21)に接続され、
洗浄管路(17)には、脱塩水洗浄制御弁(19)と洗浄管路逆止弁(18)が直列に接続される
ことを特徴とする請求項4に記載の原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システム。
【請求項6】
前記通常運転システムは、第2のタンク(7)と、第2の排水管路(8)と、第2の排水制御弁(9)と、第2の排水逆止弁(10)とをさらに含み、
第2のタンク(7)の排水端は、第2の排水管路(8)を介して排水マニホルド(5)に接続され、
第2の排水制御弁(9)、第2の排水逆止弁(10)は、第2の排水管路(8)に接続される
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システム。
【請求項7】
第1の水タンク(1)と第2のタンク(7)は、それぞれ床ドレイン排水収集タンクおよびサービス工場排水収集タンクである
ことを特徴とする請求項2に記載の原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システム。
【請求項8】
放射線メータ測定チャンバ(20)内の放射線を検出するためのオンライン放射線監視メータ(25)をさらに含む
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システム。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載の原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムに適用され、
放射線メータ測定チャンバ内の放射線値が所定閾値を超えた場合、放射線メータ測定チャンバは、サンプリングを停止するとともに、順方向洗浄システムを用いて放射線メータ測定チャンバを順方向洗浄するステップと、
所定期間だけ順方向洗浄した後、放射線メータ測定チャンバ内の放射線値が所定要求を満たす場合、順方向洗浄を停止し、放射線メータ測定チャンバ内の放射線値が所定要求を満たさない場合、逆方向洗浄システムを用いて放射線メータ測定チャンバ内の放射線値が所定要求を満たすまで放射線メータ測定チャンバを逆方向洗浄するステップと、を含む
ことを特徴とする原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄方法。
【請求項10】
前記所定期間は、15分間である
ことを特徴とする請求項9に記載の原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、原子力発電所の放射線監視の技術分野に関しており、具体的には、原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所の放射性媒体の疎排水、放射性液体流出物の排出の放射性活性を監視することを実現するために、国の法律法規、設計書類の要求に応じて、対応するシステムまたは設備の下流にオンライン放射線監視メータを設置して取り付けることになる。チャンバ放射線監視メータは、一般的に、原子力発電の放射性媒体の疎排水、放射性液体流出物に対する監視に適用され、即ち、サンプリング媒体を測定チャンバ内に導入し、放射線メータは、非接触式でチャンバ内のサンプリング媒体を連続的に測定する。運転時間が増加するにつれて、1次回路の放射性サンプリング媒体が測定チャンバ内に堆積して、測定チャンバのバックグラウンド放射能レベルが上昇するようになり、放射線メータによる監視の信頼性に影響を与える。
【0003】
現在、測定チャンバのバックグラウンド放射能レベルの上昇を解決する原子力発電所の一般的なやり方は、保守員がメータ測定チャンバを開いて汚れを除去することによって、チャンバの放射能バックグラウンドレベルを低減させることである。該方法は、時間がかかり、プロセスが多いほか、測定チャンバを拭き洗浄する際にチャンバ内壁に傷が発生しやすく、放射性物質がチャンバ内壁により堆積しやすくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、従来技術における時間がかかり、プロセスが多いという課題を解決する原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムおよび方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の目的を実現する技術的解決手段
【0006】
本願の実施例により提供される原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムは、通常運転システムと、順方向洗浄システムと、逆方向洗浄システムとを含み、
前記通常運転システムは、第1の水タンクと、第1の排水管路と、排水マニホルドと、メータ測定サンプリング管路とを含み、
第1の水タンクの排水端は、第1の排水管路を介して排水マニホルドに接続され、排水マニホルドには、メータ測定サンプリング管路ループが接続され、メータ測定サンプリング管路には放射線メータ測定チャンバが直列に接続され、排水マニホルドの出力端は、対象ユーザに接続され、
前記順方向洗浄システムは、順方向洗浄管路と、順方向洗浄排水制御弁とを含み、
脱塩水は、順方向洗浄管路を介して放射線メータ測定チャンバの上端に接続され、放射線メータ測定チャンバの下端は、順方向洗浄排水制御弁を介して洗浄水排水管路に接続され、洗浄水排水管路の出力端は、特殊排水収集システムに接続され、
前記逆方向洗浄システムは、逆方向洗浄管路と、逆方向洗浄排水制御弁とを含み、
脱塩水は、逆方向洗浄管路を介して放射線メータ測定チャンバの下端に接続され、放射線メータ測定チャンバの上端は、逆方向洗浄排水制御弁を介して洗浄水排水管路に接続される。
【0007】
ほかの実施形態において、前記通常運転システムは、第1の排水制御弁と、第1の排水逆止弁と、メータ測定サンプリング制御弁と、メータ測定サンプリング流量計と、メータサンプリング制御弁とをさらに含み、
第1の排水制御弁、第1の排水逆止弁は、第1の排水管路に接続され、メータ測定サンプリング制御弁は、放射線メータ測定チャンバの上端のサンプリング管路に接続され、メータ測定サンプリング流量計、メータサンプリング制御弁は、放射線メータ測定チャンバの下端のサンプリング管路に接続される。
【0008】
ほかの実施形態において、前記順方向洗浄システムは、順方向洗浄制御弁と、順方向洗浄排水制御弁とをさらに含み、
順方向洗浄制御弁は、順方向洗浄管路に接続され、順方向洗浄排水制御弁は、メータ測定サンプリング流量計の下端と特殊排水収集システムとの間の洗浄水排水管路に接続される。
【0009】
ほかの実施形態において、前記逆方向洗浄システムは、逆方向洗浄制御弁と、逆方向洗浄排水制御弁とをさらに含み、
逆方向洗浄制御弁は、逆方向洗浄管路に接続され、逆方向洗浄排水制御弁は、放射線メータ測定チャンバの上端と特殊排水収集システムとの間の洗浄水排水管路に接続される。
【0010】
ほかの実施形態において、前記システムは、脱塩水洗浄制御弁と、洗浄管路逆止弁と、洗浄管路とをさらに含み、
脱塩水は、洗浄管路を介して順方向洗浄管路と逆方向洗浄管路に接続され、
洗浄管路には、脱塩水洗浄制御弁と洗浄管路逆止弁が直列に接続される。
【0011】
ほかの実施形態において、前記通常運転システムは、第2のタンクと、第2の排水管路と、第2の排水制御弁と、第2の排水逆止弁とをさらに含み、
第2のタンクの排水端は、第2の排水管路を介して排水マニホルドに接続され、
第2の排水制御弁、第2の排水逆止弁は、第2の排水管路に接続される。
【0012】
ほかの実施形態において、第1の水タンクと第2のタンクは、それぞれ床ドレイン排水収集タンクおよびサービス工場排水収集タンクである。
【0013】
ほかの実施形態において、前記システムは、放射線メータ測定チャンバ内の放射線を検出するためのオンライン放射線監視メータをさらに含む。
【0014】
本発明の実施例は、原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄方法をさらに提供し、上記実施例により提供されるいずれかの原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムに適用され、前記方法は、
放射線メータ測定チャンバ内の放射線値が所定閾値を超えた場合、放射線メータ測定チャンバは、サンプリングを停止するとともに、順方向洗浄システムを用いて放射線メータ測定チャンバを順方向洗浄するステップと、
所定期間だけ順方向洗浄した後、放射線メータ測定チャンバ内の放射線値が所定要求を満たす場合、順方向洗浄を停止し、放射線メータ測定チャンバ内の放射線値が所定要求を満たさない場合、逆方向洗浄システムを用いて放射線メータ測定チャンバ内の放射線値が所定要求を満たすまで放射線メータ測定チャンバを逆方向洗浄するステップと、を含む。
【0015】
ほかの実施形態において、前記所定期間は、15分間である。
【発明の効果】
【0016】
本願の有益な技術的効果は、以下の通りである。
【0017】
1)本願の実施例により提供される原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムおよび方法は、プロセスシステムの組み合わせた運転によりメータ測定チャンバを洗浄して堆積された放射性物質を除去し、別途にハードウェアの改造コストを増加する必要がなく、測定チャンバ内に堆積された放射性物質を迅速に除去することができ、作業効率を向上させ、メータの利用可能率を向上させることができ、他のシステム設備の運転、隔離操作および点検作業に影響を与えず、作業者の被曝線量を効果的に低減し、作業者の放射性汚染リスクを回避することができる。
【0018】
2)本願の実施例により提供される原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムおよびその方法は、測定チャンバに損傷を与えることなく、システム設備を最大限に保護することができると同時に、一部のサンプリング管路、弁に堆積された放射性物質を洗浄して除去することを実現することができ、測定チャンバに堆積された放射性物質に対する除去効果は、チャンバを開いて手動で拭いて汚れを除去する効果より遥かに優れ、他の化学不純物が一次回路システムに入ることを効果的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本願の実施例により提供される原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムの構造概略図である。
図2図2は、本願の実施例により提供される原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムのオンライン洗浄制御方法のフローチャートである。
【0020】
符号の説明
1…第1の水タンク、2…第1の排水管路、3…第1の排水制御弁、4…第1の排水逆止弁、5…排水マニホルド、6…排水マニホルド電動弁、7…第2の水タンク、8…第2の排水管路、9…第2の排水制御弁、10…第2の排水逆止弁、11…メータ測定サンプリング管路、12…メータ測定サンプリング制御弁、13…逆方向洗浄排水管路制御弁、14…順方向洗浄制御弁、15…順方向洗浄管路、16…逆方向洗浄管路制御弁、17…洗浄管路、18…洗浄管路逆止弁、19…脱塩水洗浄制御弁、20…放射線測定メータチャンバ、21…逆方向洗浄管路、22…メータ測定サンプリング流量計、23…メータ測定サンプリング制御弁、24…順方向洗浄排水制御弁、25…オンライン放射線監視メータ、26…洗浄水排水管路。
【発明を実施するための形態】
【0021】
当業者が本願をよりよく理解できるように、以下、本願の実施例における図面を参照しながら本願の実施例における技術案を明確かつ完全に説明する。明らかに、以下に記載の実施例は、本願の実施例の全部ではなく一部に過ぎない。本願に記載された実施例に基づいて、当業者が進歩的な労力をせずに得られる他の全ての実施例は、いずれも本願の権利保護範囲内にある。
【0022】
本願の実施例の説明において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語が示す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づくものであり、本願の実施例の説明の便宜および説明の簡潔化のためのものに過ぎず、装置または部品が特定の方位を有し、特定の方位で構成や操作されなければならないことを示すまたは意味するものではないため、本願の実施例に対する制限として理解されるべきではない。
【0023】
図1を参照し、該図は、本願の実施例により提供される原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムの構造概略図である。
【0024】
本願の実施例により提供される原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムは、通常運転システムと、順方向洗浄システムと、逆方向洗浄システムとを含む。
通常運転システムは、第1の水タンク1と、第1の排水管路2と、排水マニホルド5と、メータ測定サンプリング管路11とを含む。
第1の水タンク1の排水端は、第1の排水管路2を介して排水マニホルド5に接続され、排水マニホルド5には、メータ測定サンプリング管路11ループが接続され、放射線メータ測定チャンバ20は、メータ測定サンプリング管路11に直列に接続され、排水マニホルド5の出力端は、対象ユーザに接続される。
順方向洗浄システムは、順方向洗浄管路15と、順方向洗浄排水制御弁24とを含む。
脱塩水は、順方向洗浄管路15を介して放射線メータ測定チャンバ20の上端に接続され、放射線メータ測定チャンバ20の下端は、順方向洗浄排水制御弁24を介して洗浄水排水管路26に接続され、洗浄水排水管路26の出力端は、特殊排水収集システムに接続される。
逆方向洗浄システムは、逆方向洗浄管路21と、逆方向洗浄排水制御弁13とを含む。
脱塩水は、逆方向洗浄管路21を介して放射線メータ測定チャンバ20の下端に接続され、放射線メータ測定チャンバ20の上端は、逆方向洗浄排水制御弁13を介して洗浄水排水管路26に接続される。
【0025】
一例において、通常運転システムは、第1の排水制御弁3と、第1の排水逆止弁4と、メータ測定サンプリング制御弁12と、メータ測定サンプリング流量計22と、メータ測定サンプリング制御弁23とをさらに含む。
第1の排水制御弁3、第1の排水逆止弁4は、第1の排水管路2に接続され、メータ測定サンプリング制御弁12は、放射線メータ測定チャンバ20の上端のサンプリング管路11に接続され、メータ測定サンプリング流量計22、メータ測定サンプリング制御弁23は、放射線メータ測定チャンバ20の下端のサンプリング管路11に接続される。
【0026】
別の例において、順方向洗浄システムは、順方向洗浄制御弁14と、順方向洗浄排水制御弁24とをさらに含み、
順方向洗浄制御弁14は、順方向洗浄管路15に接続され、順方向洗浄排水制御弁24は、メータ測定サンプリング流量計22の下端と特殊排水収集システムとの間の洗浄水排水管路26に接続される。
【0027】
本願の実施例のいくつかの可能な実施形態において、逆方向洗浄システムは、逆方向洗浄制御弁16と、逆方向洗浄排水制御弁13とをさらに含み、
逆方向洗浄制御弁16は、逆方向洗浄管路21に接続され、逆方向洗浄排水制御弁13は、放射線メータ測定チャンバ20の上端と特殊排水収集システムとの間の洗浄水排水管路26に接続される。
【0028】
一例において、該システムは、脱塩水洗浄制御弁19と、洗浄管路逆止弁18と、洗浄管路17とをさらに含み、
脱塩水は、洗浄管路17を介して順方向洗浄管路15と逆方向洗浄管路21に接続され、洗浄管路17には、脱塩水洗浄制御弁19と洗浄管路逆止弁18が直列に接続される。
【0029】
本願の実施例のいくつかの可能な実施形態において、通常運転システムは、第2の水タンク7と、第2の排水管路8と、第2の排水制御弁9と、第2の排水逆止弁10とをさらに含み、
第2の水タンク7の排水端は、第2の排水管路8を介して排水マニホルド5に接続され、第2の排水制御弁9、第2の排水逆止弁10は、第2の排水管路8に接続される。
【0030】
一例として、第1の水タンク1と第2の水タンク7は、それぞれ床ドレイン排水収集タンクおよびサービス工場排水収集タンクである。
【0031】
一例において、該システムは、放射線メータ測定チャンバ20内の放射線を検出するためのオンライン放射線監視メータ25をさらに含む。
【0032】
本願の実施例により提供される原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムは、発電所の既存のメータサンプリングシステム、脱塩水システム、排水収集システムおよびオンライン放射線監視システムの組み合わせた運転により、メータ測定チャンバに対する洗浄を実現し、測定チャンバのバックグラウンド放射能を低減させることが理解できる。
【0033】
具体的には、通常運転システムにおいて、第1の水タンク1(または第2の水タンク7)→第1の排水管路2(または第2の排水管路8)→第1の排水制御弁3(または第2の排水制御弁9)→第1の排水逆止弁4(または第2の排水逆止弁10)→排水マニホルド5→メータ測定サンプリング管路11→メータ測定サンプリング制御弁12→放射線メータ測定チャンバ20→メータ測定サンプリング流量計22→メータ測定サンプリング制御弁23→メータ測定サンプリング管路11→排水マニホルド5→排水マニホルド電動弁6→対象ユーザのように配置される。
【0034】
順方向洗浄システムにおいて、脱塩水洗浄制御弁19→洗浄管路逆止弁18→洗浄管路17→順方向洗浄管路15→順方向洗浄制御弁14→放射線メータ測定チャンバ20→メータ測定サンプリング流量計22→順方向洗浄排水制御弁24→洗浄水排水管路26→特殊排水収集システムのように配置される。
【0035】
逆方向洗浄システムにおいて、脱塩水洗浄制御弁19→洗浄管路逆止弁18→洗浄管路17→逆方向洗浄管路21→逆方向洗浄制御弁16→放射線メータ測定チャンバ20→逆方向洗浄排水制御弁13→洗浄水排水管路26→特殊排水収集システムのように配置される。
【0036】
図2は、本願の実施例により提供される原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムのオンライン洗浄制御方法のフローチャートである。
【0037】
上記実施例により提供される原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムに基づいて、本願の実施例は、上記実施例により提供されるいずれかの原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄システムに適用される原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄方法をさらに提供する。
【0038】
本願の実施例により提供される原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄方法は、
放射線メータ測定チャンバ内の放射線値が所定閾値を超えた場合、放射線メータ測定チャンバは、サンプリングを停止するとともに、順方向洗浄システムを用いて放射線メータ測定チャンバを順方向洗浄するステップと、
所定期間だけ順方向洗浄した後、放射線メータ測定チャンバ内の放射線値が所定要求を満たす場合、順方向洗浄を停止し、放射線メータ測定チャンバ内の放射線値が所定要求を満たさない場合、放射線メータ測定チャンバ内の放射線値が所定要求を満たすまで、逆方向洗浄システムを用いて放射線メータ測定チャンバを逆方向洗浄するステップと、を含む。
【0039】
一例として、所定期間は、15分間である。
【0040】
1)順方向洗浄の操作
洗浄する前に、メータ測定サンプリング制御弁12、23を閉じ、通常のサンプリング測定プロセスから隔離し、逆方向洗浄排水制御弁13、16を閉じ、順方向洗浄排水制御弁24を開き、メータ測定チャンバ内のサンプリング媒体を完全に排出し、脱塩水スイッチ制御弁を開き、順方向洗浄制御弁14を最大に迅速に開き、3分間洗浄し続けた後に順方向洗浄制御弁14を閉じ、メータ測定チャンバ内の媒体を全部排出した後、順方向洗浄制御弁14を開閉することにより洗浄を繰り返し、洗浄期間においてオンライン放射線監視メータ25の読み値の変化に注目する。
【0041】
2)逆方向洗浄の操作
逆方向洗浄は、通常、順方向洗浄効果がそんなに有効ではない場合に使用され、洗浄する前に、メータ測定サンプリング制御弁12、23を閉じ、通常のサンプリング測定プロセスから隔離し、順方向洗浄排水制御弁24を開き、メータ測定チャンバ内のサンプリング媒体を全部排出し、順方向洗浄排水制御弁14、24を閉じ、脱塩水スイッチ制御弁を開き、逆方向洗浄制御弁16を最大に迅速に開き、3分間連続して洗浄した後逆方向洗浄制御弁16を閉じ、順方向洗浄排水制御弁24を開き、メータ測定チャンバ内の媒体を全部排出し、順方向洗浄排水制御弁24を閉じ、逆方向洗浄制御弁16を開いて繰り返し洗浄し、洗浄期間においてオンライン放射線監視メータ25の読み値の変化に注目する。
【0042】
以下、図2に示す例を参照し、例を挙げて本願の実施例により提供される原子力発電所のチャンバ放射線監視メータの洗浄方法を説明する。
【0043】
メータ測定チャンバ内に放射性物質の堆積が発生すると、チャンバのバックグラウンド放射能が上昇し、第2のステップに従ってメータの読み値を確認する。オンライン放射線監視メータによって測定媒体の読み値を読み取り、第3のステップに従ってメータが警報を発したか否かを確認する。放射線メータが警報を発した場合、3.2ステップに従ってシステム媒体の排出を停止し、放射線メータが警報を発していない場合、3.1ステップに従って、システムの媒体の排出を終了まで実行し、第4のステップに従ってサンプリングシステムを隔離する。サンプリングシステムの出入口弁を閉じ、第5のステップに従ってメータチャンバを洗浄し、順方向洗浄方法を用いてメータ測定チャンバを洗浄し、第6のステップに従って洗浄中のメータの読み値を確認する。メータの読み値がバックグラウンド測定値に達した場合、順方向洗浄を停止し、第9のステップに従ってメータのサンプリングシステムを運転モードに復帰する。メータの読み値が15分間洗浄した後もバックグラウンド測定値より大きい場合、15分間洗浄した後第7のステップに従って、逆方向洗浄方法を用いてメータ測定チャンバを洗浄し、第8のステップに従って洗浄中のメータの読み値を確認する。メータの読み値がバックグラウンド測定値に達した場合、逆方向洗浄を停止し、第9のステップに従ってメータのサンプリングシステムを運転モードに復帰する。メータの読み値が洗浄時に依然としてバックグラウンド測定値より大きい場合、洗浄し続けて、バックグラウンド測定値になるまで洗浄した後、逆方向洗浄を停止し、第9のステップに従ってメータのサンプリングシステムを運転モードに復帰する。
【0044】
以上、図面および実施例を参照して本願について詳細に説明したが、本願は、上記実施例に限定されるものではなく、当業者の知識の範囲内で、本願の趣旨を逸脱することなく様々な変更を行うことができる。本願において、詳細に説明されていない内容は、従来技術を採用することができる。
図1
図2