(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086722
(43)【公開日】2024-06-28
(54)【発明の名称】寝具
(51)【国際特許分類】
A47G 9/02 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
A47G9/02 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201674
(22)【出願日】2022-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】520020786
【氏名又は名称】中嶌 久美子
(74)【代理人】
【識別番号】100191189
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100199761
【弁理士】
【氏名又は名称】福屋 好泰
(72)【発明者】
【氏名】中嶌 久美子
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102BA12
(57)【要約】
【課題】側臥姿勢で寝転ぶ使用者を充分に支えることができる寝具を提供する。
【解決手段】寝具10は、側臥姿勢で使用者が寝転ぶときに用いる寝具であり、寝具本体20と、寝具本体20の幅方向端部の異なる位置に各々取り付けられた第1連結紐41A,41B~第6連結紐46A,46Bと、を備え、第1連結紐41A,41B~第6連結紐46A,46Bを各々連結することによって寝具本体20が折り重ねられた状態で保持されることにより側臥姿勢で使用者が寝転んだときに使用者の腰をサポートする腰部サポート部50を構成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側臥姿勢で使用者が寝転ぶときに用いる寝具であって、
敷物本体と、
前記敷物本体の幅方向端部の異なる位置に各々取り付けられた複数の連結手段と、
を備え、
前記複数の連結手段を各々連結することによって前記敷物本体が折り重ねられた状態で保持されることにより前記側臥姿勢で前記使用者が寝転んだときに前記使用者の腰部をサポートする腰部サポート部を構成する、寝具。
【請求項2】
前記敷物本体の長手方向端部には、頭部を支持する頭部サポート部材を収容可能なカバー部が取り付けられている、
請求項1に記載の寝具。
【請求項3】
前記複数の連結手段は、前記敷物本体の幅方向両端部に各々取り付けられた一対の紐により各々構成される、
請求項1または2に記載の寝具。
【請求項4】
前記複数の連結手段は、留具により各々構成される、
請求項1または2に記載の寝具。
【請求項5】
前記留具は、スナップボタンにより構成される、
請求項4に記載の寝具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側臥姿勢で使用する寝具に関する。
【背景技術】
【0002】
自宅などで寛ぐ際に、ソファーやカーペットなどの上に側臥姿勢で寝転びながらスマートフォンを操作したり、読書に耽りたいというニーズがある。しかし、側臥姿勢では、体幹の下側に位置する肩部が圧迫されやすく腕も動かしにくいため、スマートフォンを操作する、或いは、本を読むなどの作業が行い難いという問題がある。そのため、側臥姿勢状態で上記のような作業を長時間行うのは難しいという問題がある。
【0003】
特許文献1には、複数の敷物を折り畳んで重ね合わせることにより腰部を支える腰部サポート部を構成する寝具本体と、寝具本体を収容するカバー布とを備える寝具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の寝具では、使用者が側臥姿勢で寝転がることにより折り畳んで重ね合わせた複数の敷物の位置がずれやすく使用者の腰部を充分に支えることができないという問題がある。
【0006】
本発明は、側臥姿勢で寝転ぶ使用者を充分に支えることができる寝具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の寝具は、側臥姿勢で使用者が寝転ぶときに用いる寝具であり、敷物本体と、敷物本体の幅方向端部の異なる位置に各々取り付けられた複数の連結手段と、を備え、複数の連結手段を各々連結することによって敷物本体が折り重ねられた状態で保持されることにより側臥姿勢で使用者が寝転んだときに使用者の腰部をサポートする腰部サポート部を構成するものである。ここで、腰部には、骨盤および骨盤周辺部が含まれる。
【0008】
本発明の寝具において、敷物本体の長手方向端部には、頭部を支持する頭部サポート部材を収容可能なカバー部が取り付けられてもよい。
【0009】
本発明の寝具において、複数の連結手段は、敷物本体の幅方向両端部に各々取り付けられた一対の紐により各々構成されてもよい。
【0010】
本発明の寝具において、複数の連結手段は、留具により構成されてもよい。
【0011】
本発明の寝具において、留具は、スナップボタンにより構成されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の寝具によれば、側臥姿勢で寝転ぶ使用者を充分に支えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態である寝具の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2(a)は、
図1に示す寝具本体を折り畳んで腰部サポート部を形成した状態の寝具を示す図である。
図2(b)は、
図2(a)に示す寝具を側面から見た状態を模式的に示す図である。
【
図3】
図2(a)に示す寝具のカバー部に枕を取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4(a)~
図4(c)は、
図1に示す寝具本体を折り畳んで腰部サポート部を形成する手順を示す図である。
【
図5】
図5(d)および
図5(e)は、
図4(a)~
図4(c)と同様に寝具本体を折り畳んで腰部サポート部を形成する手順を示す図である。
図5(f)は、
図5(e)に示す腰部サポート部に厚み調整部材を挟み込んだ状態を示す図である。
【
図6】
図5(e)に示した寝具に使用者が側臥姿勢で寝転んだ使用状態を示す図である。
【
図7】第2実施形態である寝具の概略構成を示す斜視図である。
【
図8】
図8(a)~
図8(c)は
図7に示す寝具本体を折り畳んで腰部サポート部を形成する手順を示す図であり、各留具の位置を破線で囲むことで示しつつ留具同士が連結固定されている場合には破線で囲まれた領域内にハッチングを付して各々示す模式図である。
【
図9】
図8(c)に示す寝具において第1連結紐および第2連結紐を結び合わせて連結した状態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1実施形態である寝具10の構成について、図面を参照しつつ説明を行う。
図1は、寝具10の概略構成を示す斜視図である。
【0015】
図1に示すように、寝具10は、長尺状の寝具本体(敷物本体)20と、寝具本体20の一端側に取り付けられたカバー部30とを備え、側臥姿勢で寝転ぶ、換言すると横になるときに用いる寝具である。この寝具本体20は、ウレタンなどのクッション性のある素材がコットンなどのカバー布21(表地21または側生地21とも表現できる)で覆われてなる敷物である。寝具本体20は、幅方向両端部の手前側と奥側の予め設定された各々の位置に第1連結紐(一対の紐,連結手段)41A,41B~第6連結紐(一対の紐,連結手段)46A,46Bが取り付けられている。第1連結紐41A,41B~第6連結紐46A,46Bは、ほぼ同一の構成を具備する。
【0016】
以下の説明において、手前側に位置する第1連結紐41A~第6連結紐46Aの使用方法(結び合わせる手順)と奥側に位置する第1連結紐41B~第6連結紐46Bの使用方法(結び合わせる手順)は同一であるため、手前側に位置する第1連結紐41A~第6連結紐46Aについて主に説明を行うとともに奥側に位置する第1連結紐41B~第6連結紐46Bについては適宜説明を省略する。
【0017】
図1に示すように、第1連結紐41A~第6連結紐46Aは、寝具本体20の一端側から他端側に向かってこの順に寝具本体20における手前側端部の予め設定された各々の位置に取り付けられている。第1連結紐41A~第6連結紐46Aは、織物または編物で構成された生地により各々構成された紐である。また、第1連結紐41A~第6連結紐46Aの先端部には球状の外観を呈する装飾具(ループエンドとも表現できる)41A-1~46A-1が各々取り付けられている。
【0018】
図2(a)は
図1に示す寝具本体20を折り畳んで腰部サポート部50を構成した状態を示す図であり、
図2(b)は同図(a)に示す寝具本体20を側面から見た状態を示す図である。
図2(b)において、各連結紐41A~46Aは、各連結紐41A~46Aの寝具本体20に対する取り付け位置に装飾具41A―1~46A-1のみを図示することにより模式的に示している。また、各連結紐41A~46Aのうち互いに結んで連結した紐同士を破線で囲んで示している。
【0019】
図2(a),(b)に示すように、各連結紐41A~46Aを各々結び合わせることで寝具本体20を折り畳んで重ね合わせることにより腰部サポート部50が構成される。
【0020】
より具体的には、
図2(b)に示すように、寝具本体20を折り畳んだ状態で第1連結紐41Aと第3連結紐43Aとを結び合わせるとともに第2連結紐42Aと第5連結紐45Aとを結び合わせ、さらに、第4連結紐44Aと第6連結紐46Aとを結び合わせることで寝具本体20を折り重ねた状態で固定する。これにより、側臥姿勢で寝転んだときに使用者の腰部を支える膨らみである腰部サポート部50を構成することができる。ここで、腰部には、骨盤および骨盤の周辺部分が含まれる。
【0021】
ここで、第1連結紐41Aの装飾具41A―1および第3連結紐43Aの装飾具43A―1を同一色(例えば、灰色)とし、同様に、第2連結紐42Aの装飾具42A-1と第5連結紐45Aの装飾具45A-1を同一色(例えば、赤茶色)とし、さらに、第4連結紐44Aの装飾具44A―1と第6連結紐46Aの装飾具46A-1を同一色(例えば、こげ茶色)とするのが好ましい。このように使用に際して互いに結び合わせるべき連結紐41A~46Aの装飾具41A-1~46A-1を同一色としておくことで結び合わせるべき連結紐を一目で判別できる。
【0022】
図3は、
図2(a)に示す寝具10のカバー部30に枕(頭部サポート部材)60を取り付けた状態を示す図である。
図3に示すように、カバー部30は寝具本体20の一端側に取り付けられた袋状のカバーである。そして、カバー部30は寝具本体20の一端側に沿って形成された開口部32から枕60などの頭部サポート部材(緩衝材)を挿入(収容)可能に構成されている。これにより、側臥姿勢で使用する際に使用者の頭部を支えることができる。
【0023】
本実施形態では、枕60をカバー部30に挿入する頭部サポート部材として用いているが、枕60の代りにウレタン材や、ウール素材、羽毛、その他可撓性のある素材などを含む緩衝材を枕60の代りに頭部サポート部材として用いてもよい。
【0024】
また、このカバー部30は、袋状に形成されているため、寝具10を収納する際に寝具本体20を折り畳んだ状態でカバー部30内に押し込んで収納することにより寝具本体20を収納する役割も有する。これにより、寝具10をコンパクトに収納することができる。
【0025】
図4(a)~
図5(e)は、寝具本体20を折り畳んで腰部サポート部50を形成する手順を示す図である。また、
図4(a)~
図5(f)において、各連結紐41A~46Aは、各連結紐41A~46Aの寝具本体20に対する取り付け位置に装飾具41A―1~46A-1のみを図示することにより模式的に示している。また、各連結紐41A~46Aのうち互いに結んで連結した紐同士を破線で囲んで示している。
図4(a)は、寝具本体20を折り畳んでカバー部30に収納した状態を示している。寝具10の使用に際して、
図4(a)に示すようにカバー部30に収納された寝具本体20を引き出し、
図4(b)に示すように寝具本体20を展開させ平置き状態とする。
【0026】
次に、
図4(c)に示すように、寝具本体20を折り畳んで三段重ねの状態で第1連結紐41Aと第3連結紐43Aとを連結させる。これにより、寝具本体20を途中で折り曲げた状態で保持固定できる。それから、
図5(d)に示すように、寝具本体20をさらに折り畳んだ状態として第2連結紐42Aと第5連結紐45Aとを連結させる。これにより、寝具本体20をさらに折り曲げて五段重ねの状態で保持できる。
【0027】
最後に、
図5(e)に示すように、第4連結紐44Aと第6連結紐46Aとを連結させる。これにより、寝具本体20を五段重ねとなるように折り畳んで重ねることで形成された腰部サポート部50が崩れないように寝具本体20をしっかり固定できる。
【0028】
なお、本実施形態では、寝具本体20を五段重ねとすることで腰部サポート部50を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図4(c)に示すように寝具本体20を三段重ねとした状態で腰部サポート部を形成してもよい。この場合においても、寝具本体20を三段重ねの状態として使用できるため使用者の腰部を支えることができる。
【0029】
さらに、
図5(e)に示すように枕60をカバー部30に収容させることにより頭部をサポートする頭部サポート部62として機能させることができる。これにより、頭部サポート部62と腰部サポート部50の間に使用者の肩や腕などが嵌まり込む窪みHが形成される。この結果、側臥姿勢で寝転んだときに肩が圧迫されにくくなる。
【0030】
ここで、
図5(f)は、
図5(e)に示す腰部サポート部50を構成する折り畳まれた寝具本体20の間に厚み調整部材CS1,CS2を挟み込んだ状態を示す図である。
図5(f)に示すように、寝具本体20を折り畳んで上述した各連結紐41A~46Aを用いて固定するときに厚み調整部材CS1や厚み調整部材CS2を寝具本体20の折り重ねた部分(換言すると、腰部サポート部50)に挟みこむことにより、腰部サポート部50の厚みを調節してもよい。これにより、使用者の体格などにより適した厚みとなるように腰部サポート部50の厚みを調節することができる。また、厚み調整部材CS1,CS2は、一例としてウレタンやコットン、ポリエチレンなどを含むクッション性のある部材で構成してもよい。
【0031】
ここで、
図6は、
図5(e)に示した寝具10に使用者が側臥姿勢で寝転んだ使用状態を示す図である。
図6に示すように、寝具10に側臥姿勢で寝転んだときに肩や腕が窪みHに嵌まりこむため圧迫されず快適な寝姿勢を保ったまま、本を読む、或いはスマートフォンなどを側臥姿勢の状態でも快適に操作することができる。
【0032】
本実施形態の寝具10によれば、側臥姿勢で寝転んだときに使用者の腰部を腰部サポート部50でしっかり支えることができる。
【0033】
上記第1実施形態では、第1連結紐41Aと第3連結紐43Aとを結び合わせるとともに第2連結紐42Aと第5連結紐45Aとを結び合わせ、さらに、第4連結紐44Aと第6連結紐46Aとを結び合わせることで寝具本体20を折り重ねた状態で固定し腰部サポート部50を形成する例を挙げて説明している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。各連結紐41A~46Aのいずれかを互いに結び合わせることにより寝具本体20を折り重ねた状態で保持させて腰部サポート部50を構成すればよい。
【0034】
より具体的には、例えば、第1連結紐41Aを第3連結紐43A以外の他の連結紐42A,44A,45A,46Aのいずれかと結び合わせて腰部サポート部50を構成してもよい。同様に、第2連結紐42Aを第5連結紐45A以外の他の連結紐41A,43A,44A,46Aのいずれかと結び合わせて腰部サポート部50を構成してもよいし、第4連結紐44Aについても第6連結紐46A以外の他の連結紐41A,42A,43A,45Aのいずれかと結び合わせて腰部サポート部50を構成してもよい。このように各連結紐41A~46Aのうち任意に選択した2つの連結紐を互いに結び合わせることにより寝具本体20を折り重ねた状態で保持固定することで使用者の好みに応じて腰部サポート部50の大きさや厚みを適宜調節すればよい。
【0035】
上記第1実施形態では、寝具本体20の一端側にカバー部30が取り付けられているが、寝具本体20や枕60を収容する必要がなければカバー部30を設けなくてもよい。
【0036】
上記第1実施形態では、敷物本体として、ウレタンなどのクッション性のある素材を含む寝具本体20を用いる例を挙げて説明している。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、ウレタンの代りに、或いは、ウレタンにさらに加えて、綿、ポリエステル、レーヨン、麻、ウールなどからなるクッション性のある素材を含む敷物を寝具本体20の代りに用いてもよい。また、敷物本体として寝具本体20の代りに長座布団や敷布団などを用いてもよい。
【0037】
続いて、本発明の第2実施形態である寝具70について、
図7~
図9を用いて説明する。以下の寝具70の説明において、上述した第1実施形態に係る寝具10と構成が共通する部分については適宜同一の符号を付して示しつつ適宜説明を省略するとともに、主に構成の異なる部分について説明を行うものとする。
【0038】
図7は、第2実施形態である寝具70の概略構成を示す斜視図である。
図7に示すように、寝具70は、側臥姿勢で寝転ぶときに用いる寝具であり、寝具本体80と、寝具本体80の一端側に取り付けられたカバー部30とを備える。寝具本体80は、上述した寝具本体20と同様に、ウレタンなどのクッション性のある素材がコットンなどのカバー布81で覆われてなる敷物である。
図7に示すように、寝具本体80は、幅方向両端部に留具82A~82D,84A~84Dが長手方向に沿って各々取り付けられている。ここで、寝具本体80の手前側に配置された留具82A~82Dと奥側に配置された留具84A~84Dの構成および連結固定の手順は同一であるため、手前側の留具82A~82Dの構成および連結固定の手順についてのみ説明を行う。
【0039】
留具82Aは、各留具82A~82Dのうち最もカバー部30側(一端側)に配置されており、6個のスナップボタン(複数の連結手段)P1,P2,P3,…(以下、特に区別する必要がない場合はスナップボタン「P」と表記)が等間隔で配置されたスナップボタン付きテープにより構成される。各スナップボタンPは、後述するスナップボタンRが着脱可能に嵌合する凹部を含む。
【0040】
留具82Bは、留具82Aの他端側に隣接配置されており、留具82AのスナップボタンPに対応する6個のスナップボタン(複数の連結手段)R1、R2,R3,…(以下、特に区別する必要がない場合はスナップボタン「R」と表記)が等間隔で配置されたスナップボタン付きテープにより構成される。各スナップボタンRは、上述したスナップボタンPに嵌合可能(係合可能とも表現できる)な凸部を含む。そして、留具82Bの各スナップボタンRを留具82Aの各スナップボタンPに各々嵌合させることにより留具82A,82Bを互いに連結固定することが可能となる。
【0041】
本実施形態では、留具82A,82Bを各々6個のスナップボタンP、Rにより構成しているが、スナップボタンP、Rの個数は6個未満でもよいし、7個以上でもよい。
【0042】
留具82Cは、留具82Bの他端側に隣接配置されており、上述した留具82Aと同様にスナップボタンPと同一構成からなる3個のスナップボタン(複数の連結手段)S1,S2,S3(以下、特に区別する必要がない場合は「スナップボタンS」と適宜表記)が等間隔で配置されているスナップボタン付きテープにより構成される。
【0043】
留具82Dは、各留具82A~82Dのうち最も他端側に配置されており、上述した留具82Bと同様に留具82Cの3個のスナップボタンSに対応するスナップボタンU1,U2,U3(以下、特に区別する必要がない場合は「スナップボタンU」と適宜表記)が等間隔で3個配置されているスナップボタン付きテープにより構成される。スナップボタンUは、上述した留具82BのスナップボタンRと同一の構成を各々備える。そして、留具82Dの各スナップボタンUを留具82Cの各スナップボタンSに各々嵌合させることにより留具82C,82Dを互いに連結固定することが可能となる。
【0044】
本実施形態では、留具82C,82Dを各々3個のスナップボタンS、Uにより構成しているが、スナップボタンS、Uの個数は3個未満でもよいし、4個以上でもよい。
【0045】
本実施形態において、留具82A~82Dは、各々スナップボタン付きテープにより構成されているが、スナップボタン付きテープを用いる代わりにスナップボタンを寝具本体80に直接取り付けることにより留具82A~82Dを構成するようにしてもよい。
【0046】
また、寝具本体80の長手方向中央部の両端部には第1連結紐92A,92Bが取り付けられ、他端側の両端部には第2連結紐94A,94Bが取り付けられている。ここで、第1連結紐92A,92Bの構成は同一である。第2連結紐94A,94Bの構成も同一である。また、手前側の各連結紐92A,94Aの連結手順と奥側の各連結紐92B,94Bの連結手順も同一であるため、以下の説明では手前側の第1連結紐92Aおよび第2連結紐94Aの構成および連結手順について主に説明を行うとともに奥側の第1連結紐92Bおよび第2連結紐94Bについては説明を省略する。第1連結紐92Aは、上述した第1連結紐41Aと同一の構成を備え、先端部に装飾具92A-1が取り付けられている。第2連結紐94Aは、上述した第2連結紐42Aと同一の構成を備え、先端部に装飾具94A-1が取り付けられている。
【0047】
図8(a)~
図8(c)は、寝具本体80を折り畳んで腰部サポート部100を形成する手順を示す図である。
図8(a)~
図8(c)において、各留具82A~82Dの位置を破線で囲むことで示しつつ、留具82A,82B同士が互いに連結している状態と留具82C,82D同士が互いに連結している状態とを各々示す場合には上記破線で囲まれた部分にハッチングを付すことで模式的に示している。また、各連結紐92A,94Aについては、寝具本体80に対する各連結紐92A,94Aの取付位置に装飾具92A-1,94A-1のみを図示することで模式的に示している。
【0048】
図8(a)に示すように、寝具本体80をカバー部30から取り出して平置き状態とする。そして、寝具本体80の他端側を一端側に折り畳んでから再度他端側に折り返すことで
図8(b)に示す3段重ねの状態として留具82A,82Bの各スナップボタンP,R(
図7参照)を各々嵌合させ連結固定する。
【0049】
次に、寝具本体80の他端側を一端側にさらに折り畳んでから再度他端側に折り返すことにより
図8(c)に示す5段重ねの状態として留具82C,82Dの各スナップボタンS,U(
図7参照)を各々嵌合させることで連結し固定状態とする。これにより、上記第1実施形態に係る腰部サポート部50と同一の機能および構成を具備する腰部サポート部100が形成される。
【0050】
ここで、
図9は、第1連結紐92Aおよび第2連結紐94Aを互いに連結させた状態を模式的に示す図である。
図9において、第1連結紐92Aおよび第2連結紐94Aを1点鎖線で囲むことにより互いに結んで連結した状態を示している。また、
図9において、各留具82A~82Dの位置を破線で囲んで示しつつ同破線で囲まれた部分にハッチングを付すことにより留具82A,82B同士が互いに連結している状態および留具82C,82D同士が互いに連結している状態を各々模式的に示している。なお、各連結紐92A,94Aについては、寝具本体80に対する各連結紐92A,94Aの取付位置に装飾具92A-1,94A-1のみを図示することで模式的に示している。
【0051】
図9に示すように、腰部サポート部100を形成した後(
図8(c)参照)に第1連結紐92Aおよび第2連結紐94Aを互いに連結させてもよい。これにより寝具本体80が5段重ねの状態、換言すると、腰部サポート部100が形成された状態をよりしっかりと保持できる。
【0052】
また、
図8(c)や
図9に示すように、頭部サポート部62と腰部サポート部50の間に使用者の肩や腕などが嵌まり込む窪みHが形成される。これにより、側臥姿勢で寝転んだときに肩が圧迫されにくくなる。
【0053】
上記第2実施形態の寝具70においても側臥姿勢で寝転んだときに使用者の腰部を腰部サポート部100でしっかり支えることができ、上記第1実施形態の寝具10と同様の効果を得ることができる。
【0054】
上記第1実施形態では複数の連結手段として一対の連結具である第1連結紐41A,41B~第6連結紐46A,46Bを用い、上記第2実施形態では複数の連結手段としてスナップボタン付きテープにより構成される留具82A~82D,84A~84Dを用いているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1連結紐41A,41B~第6連結紐46A,46Bや留具82A~82D,84A~84Dの代りに、面ファスナーや、その他、スナップボタン以外のホックおよびテープ素材、或いは、これを組み合わせてなる連結手段を用いてもよい。
【0055】
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施できる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
【符号の説明】
【0056】
10 寝具
20,80 寝具本体
30 カバー部
32 開口部
41A,41B 第1連結紐(連結手段)
42A,42B 第2連結紐(連結手段)
43A,43B 第3連結紐(連結手段)
44A,44B 第4連結紐(連結手段)
45A,45B 第5連結紐(連結手段)
46A,46B 第6連結紐(連結手段)
50,100 腰部サポート部
60 枕
92A,92B 第1連結紐(連結手段)
94A,94B 第2連結紐(連結手段)
P,P1,P2,P3 スナップボタン(連結手段)
R,R1,R2,R3 スナップボタン(連結手段)
S,S1,S2,S3 スナップボタン(連結手段)
U,U1,U2,U3 スナップボタン(連結手段)
CS1,CS2 厚み調整部材
H 窪み