(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086750
(43)【公開日】2024-06-28
(54)【発明の名称】方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/163 20240101AFI20240621BHJP
【FI】
G06Q50/163
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024056323
(22)【出願日】2024-03-29
(62)【分割の表示】P 2021045081の分割
【原出願日】2021-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】517299951
【氏名又は名称】GVA TECH株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊
(57)【要約】
【課題】複数の変更登記申請の負担を軽減すること。
【課題を解決するための手段】本開示に記載の方法は、プロセッサが、法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報であって、複数の前記種別情報を取得することと、新たな登記申請に要する複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得することと、変更登記申請の複数の種別情報の組み合わせに基づいて、複数の変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを特定することと、登記申請関連情報に基づいて、特定された申請関連書類データを出力することと、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサが、
法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報であって、複数の前記種別情報を取得することと、
新たな登記申請に要する複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得することと、
前記変更登記申請の前記複数の種別情報の組み合わせに基づいて、前記複数の変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを特定することと、
前記登記申請関連情報に基づいて、前記特定された申請関連書類データを出力することと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記申請関連書類データは、前記変更登記申請に際して登記申請書に添付して提出することが求められる添付書類に係る添付書類データを含み、
前記複数の変更登記申請の各々に係る前記種別情報の組み合わせに基づいて、出力すべき前記添付書類データを特定する、
方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記変更登記申請の効力発生日に関する情報である効力発生日情報をさらに取得し、
前記効力発生日情報に基づいて、出力すべき前記添付書類データを特定する、
方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載の方法において、
前記添付書類データを特定することは、
前記添付書類データに含める種別情報または前記登記申請関連情報を特定することを含む、
方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法において、
前記申請関連書類データは、変更登記申請の際に法務局に提出する登記申請書に係る登記申請書データを含み、
前記登記申請書データは、前記複数の変更登記申請の一連の申請情報を含む、
方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
複数の変更登記申請の各々の種別情報の組み合わせに基づいて、前記登記申請書に係る免許税に関する情報を出力する、
方法。
【請求項7】
コンピュータが、
法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報であって、複数の前記種別情報を取得することと、
新たな登記申請に要する複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得することと、
前記変更登記申請の前記複数の種別情報の組み合わせに基づいて、前記複数の変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを特定することと、
前記登記申請関連情報に基づいて、前記特定された申請関連書類データを出力することと、
により構成される機能を発揮するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
法人に関する一定事項については、公的機関に対する登記手続きを通じて公示することが法令上義務付けられている。義務付けられている登記手続きの内容は、法人の種類(株式会社、合同会社などの会社組織のほか、一般社団法人や一般財団法人などの非会社組織を含む)や個々の事象において異なり、具体的には法令上個別具体的に定められているところ、これらの法定の仕組みは複雑であり、通常登記申請は司法書士をはじめとする専門家を通じて行われることが少なくなかった。
【0003】
このような課題感のもとでは登記申請の負担を軽減し、迅速な登記申請手続を行えるようにするための技術的手段の提供が求められてきたところ、そのような要請に応えるための技術がいくつか知られてきた。例えば特許文献1には、ウェブサイト上の表記に応じて利用者から登記すべき事項(登記事項)の選択を受け付け、当該選択に応じた表示内容に従った必要事項の入力を受け付けて登記申請書類を作成するための登記申請支援システムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、登記事項について複数の変更が生じる場合、提出すべき書類の種類等を判断することが難しい。そのため、一つでもその変更登記内容に誤りがあった場合、法務局等において書類が差し戻されることがあり、申請入力者にとって負担が大きかった。
【0006】
そこで、本開示は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の変更登記申請の負担を軽減することが可能な、方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、プロセッサが、法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報であって、複数の前記種別情報を取得することと、新たな登記申請に要する複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得することと、前記変更登記申請の前記複数の種別情報の組み合わせに基づいて、前記複数の変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを特定することと、前記登記申請関連情報に基づいて、前記特定された申請関連書類データを出力することと、を含む、方法が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、コンピュータが、法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報であって、複数の前記種別情報を取得することと、新たな登記申請に要する複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得することと、前記変更登記申請の前記複数の種別情報の組み合わせに基づいて、前記複数の変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを特定することと、前記登記申請関連情報に基づいて、前記特定された申請関連書類データを出力することと、により構成される機能を発揮するためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、複数の変更登記申請の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係る変更登記申請支援システムの概要を示す図である。
【
図2】同実施形態に係る情報処理装置10の構成を示すブロック図である。
【
図3】同実施形態に係る変更登記申請支援システムを実現する情報処理装置10の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図4】登記記録取得部にて取得する登記記録である「ABC株式会社」という法人の登記情報データの一部を示す図である。
【
図5】本店移転変更登記申請に関する登記申請関連情報データを作成する際の処理の一例を示すためのルールを示す図表である。
【
図6】同実施形態に係る申請関連書類データ出力部105により出力される第1の申請関連書類データの例を示す図である。
【
図7】同実施形態に係る申請関連書類データ出力部105により出力される第2の申請関連書類データの例を示す図である。
【
図8】同実施形態に係る申請関連書類データ出力部105により出力される第3の申請関連書類データの例を示す図である。
【
図9】同実施形態に係る申請関連書類データ出力部105により出力される第4の申請関連書類データの例を示す図である。
【
図10】同実施形態の変更登記申請支援システムにおける処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態に係る変更登記申請支援システムの概要を示す図である。
図1に示す例では、本実施形態に係る変更登記申請支援システムを用い、登記記録に基づき登記申請関連情報を取得し申請関連書類データを作成し出力するまでの流れを示している。同図において示した例においては、ある株式会社(ABC株式会社)について、登記記録である登記事項証明書の記載内容に基づき、商号変更登記申請および本店所在地の移転登記申請を行う際の変更登記申請支援の一例が示されている。具体的には、登記事項証明書の記載内容のうち、登記申請に必要な取締役決定書や登記申請書などの書類において記載が必要な箇所に、当該抽出した記載内容を転記し申請関連書類データを作成する処理を行うことが示されている。
【0013】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置10の構成を示すブロック図である。図示のように、情報処理装置10は、制御部11を備える。
【0014】
プロセッサ11aは、制御部11の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御や、プログラムの実行に必要な処理等を行う演算装置である。このプロセッサ11aは、本実施の形態では例えばCPU(Central Processing Unit)であり、後述するストレージ11cに格納されてメモリ11bに展開されたプログラムを実行して各処理を行う。
【0015】
メモリ11bは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶装置、及びフラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶装置を備える。このメモリ11bは、プロセッサ11aの作業領域として使用される一方、制御部11の起動時に実行されるブートローダ、及び各種の設定情報等が格納される。
【0016】
ストレージ11cは、プログラムや各種の処理に用いられる情報等が格納されている。例えば、ストレージ11cには、無人飛行体の飛行状況や点検状況等を表示するためのプログラムが格納されていてもよい。
【0017】
送受信部11dは、制御部11をインターネット網等のネットワークに接続するものであって、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、赤外線、無線、WiFi、ポイントツーポイント(P2P)ネットワーク、電気通信ネットワーク、クラウド通信、LTE、Bluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)といった通信インターフェースを具備するものであってもよい。
【0018】
入出力部11eは、入出力機器が接続されるインターフェースであって、本実施形態では、例えば表示装置20が接続される。
【0019】
バス11fは、接続したプロセッサ11a、メモリ11b、ストレージ11c、送受信部11d及び入出力部11eの間において、例えばアドレス信号、データ信号及び各種の制御信号を伝達する。
【0020】
表示装置20は、表示部の一例であり、映像や画像が表示される。表示装置20は、例えばモニタ、ディスプレイ、タッチパネル等の装置であり得る。また、表示装置20は、プロジェクタと投影面とにより構成されるものであってもよい。
【0021】
図3は、本実施形態に係る変更登記申請支援システムを実現する情報処理装置10の機能ブロックの一例を示す図である。同図において示されているように、本実施形態に係る情報処理装置10は、登記記録取得部101と、入力情報取得部102と、登記申請関連情報取得部103と、申請関連書類データ特定部104と、申請関連書類データ出力部105と、を有する。
【0022】
なお、以下で詳しく説明する変更登記申請支援システムは、その機能の一又は複数の機能を複数の装置にて実現するようにも構成され得るものであって、その機能ブロックは、いずれもハードウェア又はソフトウェアとして実現され得る。コンピュータを用いるものを例にすれば、CPUやメインメモリ、GPU、画像メモリ、バス、二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ)、キーボードや操作ボタン、タッチパネル、タッチパネルをタッチするための電子ペンなどの各種入力デバイス、マイク、ディスプレイその他各種出力デバイス、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらのハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他のアプリケーションプログラムなどが挙げられる。
【0023】
そしてメインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、2以上のプログラムを組み合わせて一のプログラムとして実現されてもよい。
【0024】
<機能的構成>
登記記録取得部101は、商業・法人登記に関する登記記録の情報を取得するように構成されている。「商業・法人登記に関する登記記録」とは、ある法人について既に登記されている情報に関する記録であって、より具体的には、公的機関である登記所が発行した登記事項証明書等や、登記所その他の公的機関がオンライン上で閲覧可能に提供している、法人に関する登記情報データ、民間事業者が登記所から取得蓄積したうえで公開している登記情報データなどの記録であることが考えられる。
【0025】
登記記録取得の具体的な態様についてはまず、登記申請に係る法人の登記事項証明書等のデータをスキャンその他の光学読取りの方法に受け付けたり、当該データのアップロードを受け付けたりすることにより取得する方法が考えられる。また、公的機関や民間事業者が有するサーバが備えるAPI(Application Programming Interface)を通じて当該サーバに格納されている当該法人に関する登記情報データを取得する方法であってもよい。つまり登記記録は、直接又は間接的に電磁的方法により作成されたものであることが必要である。当該構成を採用することにより、一定の信頼性が担保され、誤記のおそれが比較的少ない情報を用いて登記申請関連書類データを作成することが可能になる。
【0026】
図4は、登記記録取得部101にて取得する登記記録である「ABC株式会社」という法人の登記情報データの一部を示す図である。同図において示されているように、登記情報データとして登記すべき事項の欄L1が複数設けられ、登記すべき事項の各々に対応した登記内容L2が記録されている。より具体的には「会社法人等番号」として「XXXX-XX-XXXXXX」が記録され、また「商号」として「ABC株式会社」が、「本店」として「東京都中央区八重洲二丁目8-8」が、「公告をする方法」として「官報に掲載する方法とする。」が、「会社設立の年月日」として「平成29年8月1日」が、「目的」として「1.コンピュータを利用した情報提供サービス」や「8.前各号に附帯関連する一切の事業」が、「発行可能株式総数」として「1億株」が、「発行済株式の総数並びに種類及び数」として「1万株」が、「資本金の額」として「金100万円」が、「役員に関する事項」として「取締役 甲山一郎」、「取締役 乙野さやか」「代表取締役 甲山一郎」が、「登記記録に関する事項」として「設立」などがそれぞれ記録されている。
【0027】
なお同図において記録されている登記事項のうち一部については、これまでの間に登記事項に変更があり、変更登記手続が行われている旨記録されているものが含まれている。例えば、「役員に関する事項」のうち「取締役 乙野さやか」については、平成29年9月1日に就任し、同月8日に変更登記申請が行われたことが記録されている。また、「本店」については、従前「東京都港区六本木七丁目3-1」が所在地であったところ、令和2年5月13日に「東京都中央区八重洲二丁目8-8」への本店所在地の移転があり、同月19日に変更登記申請が行われたことが記録されている。なお、本店所在地の記録について、旧来の本店所在地であった「東京都港区六本木七丁目3-1」については、記録部分に下線が付されており、この下線が付されることにより記録部分がかつての登記記録の内容であった旨を示している。
【0028】
なおここでいう登記記録の取得に関連し、本発明に係る変更登記申請支援システムにて、登記記録を一のIDと関連付けて保持する登記記録保持部を設けて、登記記録保持部から取得する構成も考えられる。この場合登記記録保持部では、一の法人を識別するためのID(法人番号とすることが考えられるが、その他任意のIDでも構わない)ごとに登記記録を保持するとともに、本発明を用いて出力される申請関連書類データの内容に応じて当該登記記録の更新要求を受け付け、当該要求に応じて登記記録を変更したうえで保持する構成も考えられる。法人が活動するにあたっては、変更登記手続を行わなければならない局面は少なくないが、日曜・休日のように公的機関が稼働していない場合や、民間事業者におけるサーバメンテナンスなどが原因で登記記録の取得が難しい場合もあり得る。しかし上記のような構成を採用することで、利用者に対しより簡易かつ迅速に登記記録を提供し、変更登記手続に必要な書類データを提供することができる。
【0029】
なお、登記記録取得部101は、端末等に対するユーザの入力により得られる登記記録の情報の一部または全部を取得してもよい。
【0030】
入力情報取得部102は、法人に係る変更登記申請に関する情報である入力情報を取得する機能を有する。ここで、入力情報は、例えば、変更登記申請の種別に関する情報である種別情報と、該種別情報に係る登記事項に関する情報である個別事項情報と、該変更登記申請の効力発生日に関する情報である効力発生日情報を含みうる。
【0031】
変更登記申請の種別とは、法令等で予め登記すべきと定められた事項の新設、廃止、変更その他の事項のことを指す。変更登記申請の種別には極めて多くの事項が含まれ得るが、株式会社を例にとると、商号の変更、目的の追加・変更・削除、本店所在地の変更、株式の内容や資本金の変更、役員の就任(重任)又は退任、役人の責任免除又は制限、支配人の選任・退任、新株予約権に関する事項の変更等が考えられる。これらの種別に関する情報を、本明細書では種別情報という。
【0032】
例えば入力情報取得部102は、これらの種別情報につき、予め利用者に対し閲覧表示をするなどして選択の機会を与え、当該選択に応じた入力を受付けるような表示態様を、表示装置20に表示してもよい。先に掲げたように種別情報については極めて多種多様な情報が含まれ得るため、それらの種別情報につき、利用者から誤りなく正確な入力を受け付けることをできるようにするためである。具体的には、種別情報ごとに複数階層のタグを設けておき、種別情報を特定するための一又は複数の質問である質問情報を表示出力し、当該質問情報に対する回答に応じて特定される更なる質問情報の出力と回答の受信を繰り返すことで利用者に撮り必要な種別情報を特定する構成が考えられる。当該構成を採用することにより、利用者に対して、適切な種別情報を提供し、その後に正確な申請関連書類データを提供することが可能になる。また、入力情報取得部102は、ユーザが入力した種別情報に紐付いて、他の種別情報(決議事項)を追加するようにユーザに対して提示してもよい。例えば、新規の株主に株式を発行すると発行可能株式総数を超えるような場合(つまり種別情報として募集株式発行等を入力した場合)、ユーザに対して「発行可能株式総数」の変更議案を種別として追加するように入力情報取得部102は提示してもよい。
【0033】
また、入力情報取得部102は、複数の種別情報の入力を受け付ける複数種別情報入力受付手段を設ける表示態様を、表示装置20に表示してもよい。具体的には、「本店所在地の変更」という種別情報と、「取締役の就任」という種別情報の入力を受け付ける構成などが考えられる。一の手続の対象となる登記事項は一である場合のみならず複数の場合もあり、当該構成を採用することにより、これら登記事項が複数となる場合であっても、本発明における一連の処理により申請関連書類データを作成し、出力することができる。
【0034】
また、個別事項情報とは、登記申請書や各種添付書類などに記載すべき登記事項または登記に付随する事項の情報を意味する。例えば、個別事項情報は、変更登記申請の対象である種別において変更を要する「登記すべき事項」に関連する情報を意味する。具体的には、種別情報が「本店所在地の変更」である場合は、個別事項情報は、本店の新しい住所(居所)に関する情報であり得る。また、種別情報が「取締役の就任」である場合は、個別事項情報は、新任の取締役の氏名等に関する情報であり得る。また、変更登記申請に関連する情報としては、提出先の法務局に関する情報等が含まれ得る。また、個別事項情報には、決議日等の日付の情報が含まれ得る。なお、個別事項情報は、必ずしも入力情報に含まれていなくてもよい。すなわち、個別事項情報は、例えば申請関連書類データの出力後に、ユーザ等により入力されるものであってもよい。
【0035】
また、効力発生日は、変更登記申請の対象である種別について変更登記の効力が発生する効力発生日であり得る。複数の変更登記申請を行う場合、それぞれの変更登記申請において効力発生日が異なることがある。その場合、例えば先の効力発生日に係る変更登記申請においては、他の変更登記申請に係る種別において変更される登記事項ではなく、変更前の登記事項を登記申請書等に記入する必要がある。本システムにおいては、効力発生日のタイミングに関わらず、複数の変更登記申請について、それぞれ種別情報、個別事項情報および効力発生日情報を入力するだけで、各変更登記申請において適切な登記事項を申請関連書類データに反映させることができる。なお、効力発生日情報は、後述するように、必ずしもユーザの入力により生成される情報ではなく、変更登記申請支援システムにより生成される情報であってもよい。
【0036】
また、入力情報取得部102は、後述する登録申請関連情報を取得してもよい。かかる登録申請関連情報は、例えば、登記記録取得部101が直接的に登記記録から取得できない情報を含みうる。かかる情報は、例えば、株主名簿に関する情報(具体的には、株式種類、株式取得日、株式数、保有割合、議決権保有数、株主の氏名・名称、住所・居所、備考欄等)であり得る。
【0037】
登記申請関連情報取得部103は、登記記録取得部101にて取得した登記記録に基づき、新たな登記申請に要する複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得するように構成されている。ここでいう「登記記録に基づき」とは、登記記録を構成する法人に関する情報を用いて登記申請関連情報を取得することを意味している。法務局・登記所をはじめとする公的機関から直接取得し、又はこれらの公的機関から取得した登記記録に基づいて民間事業者において保持され若しくは上述した登記記録保持部に記録保持された登記記録を用いて登記申請に必要な情報を取得する構成を採用することで、誤記のリスクや情報入力のコストを低減することが可能になる。
【0038】
登記申請関連情報を取得する具体的な態様としては種々の方法が考えられる。例えば、登記記録にて記録された各種文字情報を、その配置位置にかかわらず、予め保持しておいた自然言語処理をおこなうためのプログラムを実行することにより、特定の意味内容であることを解析処理し、当該解析処理結果を登記申請関連情報として取得する方法が考えられる。具体的には、「株式会社○○」や「△△合同会社」などのように法人の商号に関連すると考えられる文字情報が記録されていると判断された場合には、当該文字情報を変更登記申請に係る法人の商号であると認識するよう処理する、といった具合である。例えば、
図4に示したような、ABC株式会社が本店所在地移転変更登記申請手続を行う場合を例に説明をする。この場合、取得した登記記録が
図4に示された形式である場合に、まず登記すべき事項の欄L1の領域にて示される情報のうち本店所在地を意味する情報が含まれるかどうかを識別する。本店所在地を意味する情報が含まれるかどうかは、当該領域に記録されている文字情報を自然言語処理にて解析処理して判断してもよいし、予め商業登記簿の記載順に準拠したルールである商業登記簿記載ルールを用いて、当該ルールにおいて規定される本店所在地を意味する情報が含まれているとされる位置を特定判断してもよい。
【0039】
そして、ここまでの判断に基づいて登記すべき事項として本店所在地が記録されていることを示す領域が識別できた場合には、当該領域に対応した「登記内容」L2の領域にて示される情報を登記申請関連情報として取得する。
図4を用いて本店所在地移転変更登記申請手続を行う場合の処理について説明すると、同図の「本店」欄に対応して記載されている「東京都中央区八重洲二丁目8-8」との記載を本店所在地に関する登記申請関連情報として取得する。
【0040】
なおここで、一の「登記すべき事項」に対応し、「登記内容」の領域に複数の情報が登録されている場合が考えられる。
図4にて示された例のように、過去に本店所在地を移転した場合に、旧来の本店所在地の記録が、現在の本店所在地の記録とともに記録されているような場合である。このような場合には、いったん全ての領域に記録された情報を登記申請関連情報として取得し、利用者からの選択入力に応じて変更登記申請に用いる登記申請関連情報を特定する処理を行ってもよいし、登記内容欄の相対位置に応じて使用する登記申請関連情報を特定する処理を行ってもよい。より具体的に言うと、登記内容欄のうち、下線が付されていない情報が記録されている配置位置に記録されている情報や、当該領域のうち最も下部分に記録されている情報、変更登記申請が行われたことを示す日付が付されている領域に記録されている情報などを登記申請関連情報として抽出する処理を行うことが考えられる。
【0041】
なお、登記申請関連情報取得部103は、入力情報取得部102を介して、登記申請関連情報を取得してもよい。例えば、上述したような株式や株主に関する情報など登記記録に含まれていない情報は、入力情報取得部102を介して取得され得る。
【0042】
申請関連書類データ特定部104は、前記変更登記申請の前記複数の種別情報の組み合わせに基づいて、前記複数の変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを特定する機能を有する。ここでいう「変更登記申請に関連する書類」とは、変更登記申請の際に法務局に提出する登記申請書のほか、当該変更登記申請に際して登記申請書に添付して提出することが求められる各種書類(添付書類)や、登記申請に関する注意書き等の書類も含みうるので、ここで作成される申請関連書類データの種類は一に限定されない。具体的には法人の株主総会議事録や取締役会議事録、取締役決定書、役員の就任承諾書、株主名簿などが考えられるが、これらの書類はあくまで一例であり、もちろん登記申請書に添付して提出することは法令上要求されていないものの作成が必要な書類(例えば、株主総会招集通知など。)をここに含めることも可能である。また、申請関連書類データとしては、法務局への提出に必要な書類のチェックリストや、提出の手続きの方法やスケジュール等の説明書に関するデータも含みうる。
【0043】
種別情報と登記申請関連情報に基づいて申請関連書類データを作成するとは、特定の種別情報に対応して必要とされる申請関連書類データのひな型その他定型的なデータ形式である定型データを利用する構成が考えられる。定型データを予め保持し又は外部サーバからネットワークを介して取得し、当該定型データの所定位置に登記申請関連情報を記録することにより、変更登記申請に必要な申請関連書類データを作成するようにする構成が考えられる。
【0044】
ここで、登記申請関連情報としては、登記事項に直接関係する情報に加え、登記申請の際に添付する書類の種別及びその内容を判断特定するためにも用いることになる。具体的には、株主総会議事録の要否や取締役会議事録又は取締役決定書の要否などを判断特定するためにも用いる。会社本店所在地移転変更登記申請を例にとると、法務局の管轄内での移転の場合、手続上株主総会の開催は不要であり、株主総会議事録の添付も不要である。いっぽう、取締役による決定は手続上必要であるところ、当該会社の機関構成(取締役会が設置されているか否か)に応じて、かかる手続の存在を証明する書類は取締役会議事録か取締役決定書かのいずれかとなる。なお、申請関連書類データは、上述した書類のデータに限らず、例えば、複数の変更登記にかかる免許税に関するデータや、株主総会議事録中に記載される決議日、効力発生日等の日付のデータ、申請人のデータ等も含みうる。
【0045】
以上の例について、
図5を用いて説明する。
図5は、本店移転変更登記申請に関する登記申請関連情報データを作成する際の処理の一例を示すためのルールを示す図表である。同図では、「本店移転(管轄内)」という種別情報を取得した場合に、登記申請関連情報としてまず、「定款変更があるか否か」「取締役会設置会社か否か」「株主総会議事録が必要か否か」という判断を要することがルールとして示されている。この場合、取締役会設置会社か否かは、登記記録に基づき登記申請関連情報を取得することで判定可能であり、当該判定結果に応じた登記申請関連情報データとして割り当てられたIDと紐づけられた申請関連書類データのひな型データ等の作成すべき書類を取得する。登記記録に基づいて取得することが困難な情報については、別途利用者から入力を受け付けることにより、作成すべき書類が選択され得る。
【0046】
本実施形態に係る申請関連書類データ特定部104は、例えば、変更登記申請の各々に係る種別情報の組み合わせに基づいて、出力すべき添付書類データを特定し得る。例えば、種別が「商号変更」「本店移転」「(代表)取締役の就任」「取締役の重任」等の組み合わせであれば、定款変更を要するため、申請関連書類データ特定部104は、臨時株主総会議事録と、定時株主総会議事録と、株主名簿等を出力すべき添付書類として特定しうる。定時株主総会議事録のみ作成するか、臨時株主総会議事録も作成するかは、例えば、効力発生日情報に基づいて特定され得る。例えば、定時株主総会の開催日よりも所定の日数以上離れて商号変更や本店移転等が行われる場合は、申請関連書類データ特定部104は、定時株主総会議事録のみならず、臨時株主総会議事録も出力すべき添付書類として出力しうる。
【0047】
また、申請関連書類データ特定部104は、添付書類データに含める種別情報または登記申請関連情報を特定してもよい。例えば、上述したケースでは、申請関連書類データ特定部104は、複数の変更登記に係る種別の組み合わせが「商号変更」「本店移転」「(代表)取締役の就任」「(代表)取締役の重任」であれば、臨時株主総会議事録には「商号変更」「本店移転」「取締役の就任」「代表取締役の就任」に関する種別情報を、定時株主総会議事録には、「取締役の重任」「代表取締役の重任」に関する種別情報を含ませ得る。また、申請関連書類データ特定部104は、上記の臨時株主総会議事録において、後述する例に示すように、登記申請関連情報として、商号変更前の個別情報を含ませ得る。これは、商号の変更が有効となる前の日における総会の実施のためである。このように、効力発生日に基づいて、各添付書類に含ませる個別情報が、変更前の情報か、変更後の情報かを、申請関連書類データ特定部104は特定し得る。
【0048】
また、例えば、役員の辞任と本店移転の変更登記を行う際、本店移転の決議の際は、辞任する役員が存在する場合がある。この場合、例えば申請関連書類データ特定部104は、役員の辞任の効力発生日と本店移転の効力発生日の前後を比較して、株主総会議事録に記載する役員(すなわち種別に対応する個別情報)の記載の有無を特定し得る。
【0049】
申請関連書類データ特定部104は、上述した申請関連書類データの特定を、例えば所定のデータベース等に格納される種別情報の組み合わせのテーブルにおいて紐付けられている情報に基づいて行う。
【0050】
なお、申請関連書類データ特定部104は、種別の個別情報に基づいて、申請関連書類データを特定してもよい。例えば、申請関連書類データ特定部104は、本店の移転に伴い管轄先の法務局が変わる場合は、申請関連書類データ特定部104は、新しい管轄先の法務局に関する情報を申請関連書類データとして特定してもよい。この場合、後述する申請関連書類データ出力部105において、ユーザに対する手続きのマニュアルに関する書類(申請関連書類の一例)に、新しい管轄先の情報が含まれていてもよい。また、複数の変更登記申請に本店移転変更登記申請が含まれる場合に、他の変更登記申請がそれよりも前に行われる場合は、申請関連書類データ特定部104は、もとの管轄先の法務局に関する情報を特定してもよい。この場合、後述する申請関連書類データ出力部105において、ユーザに対する手続きのマニュアルに関する書類に、もとの管轄先の情報が含まれていてもよい。これにより、ユーザに対して申請先の法務局について注意喚起することができる。なお、かかる機能は、複数の変更登記に係る処理に限らず、一の変更登記にかかる処理においても適用することが可能である。
【0051】
また、入力情報に先に個別事項情報が含まれていない場合(すなわち、申請関連書類データの出力後にユーザ等の入力により個別事項情報が取得される場合)、複数の変更登記申請において登記または記載すべき事項が定まらない場合がある。その場合は、かかる個別事項情報をプレースホルダとして記憶しておき、申請関連書類データ出力部105による出力後に個別事項情報を取得することで、かかる個別事項をプレースホルダに入れることも可能である。個別事項情報はすなわち、プレースホルダのように、変更登記後の内容が未定の情報であってもよい。また、効力発生日そのものが入力情報に含まれていないケースもあり得る。この場合、例えば、効力発生日が無いと決めることができない個別事項についてはプレースホルダとしておき、申請関連書類データ出力部105による出力の段階で効力発生日が入力されれば、そのタイミングで申請関連書類データ特定部104により効力発生日に基づいてプレースホルダに個別事項(例えば株主総会の決議日等)が特定されてもよい。
【0052】
申請関連書類データ出力部105は、申請関連書類データ特定部104にて特定された申請関連書類データを出力する機能を有する。具体的には、申請関連書類データ出力部105は、特定された申請関連書類データに係る書類(登記申請書、添付書類のデータ、説明書、その他登記申請に関連する書類)や、これらの書類に関する数値や日付等のデータを出力し得る。。なお、複数の変更登記申請を一括の書類の手続きにより行うことが可能な場合は、申請関連書類データ出力部105は、一のデータとして出力してもよい。申請関連書類データには、上述のように、登記申請書データや、添付書類データが含まれる。この場合、例えば申請関連書類データ出力部105は、登記申請書データには、複数の変更登記申請の一連の申請情報を含ませてもよい。
【0053】
まず、申請関連書類データ出力部105は、変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを作成する。なお、「申請関連書類データを作成する」とは、申請関連書類データを変更登記申請に関連する書類を全て完成させることに限定されない。登記申請関連情報を用いるだけでは変更登記申請につき必要な全ての情報を取得することができない場合があり、取得することができない情報については別途の手段により入力を受け付ける必要があるためである。ちなみに、本店所在地移転変更登記申請を行うにあたっては、登記申請関連情報に加え、移転先の本店所在地の情報や、移転日に関する情報が必要になり、当該各情報については別途の手段により入力を受け付けることができる。このとき、先の申請関連書類データ特定部104において、新たな登記事項に関する情報が入力されていない場合は、別途入力情報取得部102等を介して、新たな登記事項に関する情報が取得されてもよい。これにより、出力される申請関連書類データに新たな登記事項の情報を反映させることができる。
【0054】
次に、申請関連書類データ出力部105は、作成した申請関連書類データを出力する。ここで出力する申請関連書類データは、必ずしも作成された全ての申請関連書類データである必要はなく、利用者からの選択入力を受け付けて、当該選択に応じた特定の申請関連書類データのみを出力したり、又は出力しなかったりするように構成することも可能である。つまり、いったん一文の申請関連書類データのみを出力したうえで、当該データのうち変更登記申請に必要だが記録が欠けている情報について別途の方法にて入力を受け付ける構成も考えられる。
【0055】
なお具体的な出力態様は特に限定されず、ディスプレイ画面上への表示出力とする場合のほか、印刷出力したり、特定の送信先に対しネットワークを介して送信出力したりすることも可能である。印刷出力の態様としては、pdfデータとして電磁的方法により印刷出力する場合を含むが、その他文書編集機能を有するデータ形式にて出力する方法があってもよい。
【0056】
ここで、ネットワークを介して送信出力する際には、当該送信手段を利用するにあたり、送信対象となる申請関連書類データに対し、当該変更登記申請に係る法人を識別するための電磁的証明手段を付す構成を採用してもよい。当該構成を採用することで申請関連書類データに対する対外的な信用性を高めることができる。そしてこうして申請関連書類データをネットワークを介して法務局・登記所の管理するサーバに送信することにより、本システムを利用して利用者が変更登記申請手続まで完了させることができるように構成してもよい。
【0057】
以下、申請関連書類データ出力部105による申請関連書類データの出力例について説明する。
図6は、本実施形態に係る申請関連書類データ出力部105により出力される第1の申請関連書類データの例を示す図である。
図6に示す例は、株式会社登記変更申請書の出力例である。なお、
図6~
図9で示す例は、
図4に示した登記情報とは異なる例である。
図6に示すように、かかる出力例では、複数の変更登記(商号変更、本店移転、取締役及び代表取締役の変更)の一連の登記申請に係る登記変更申請書が示されている。また、申請関連書類データの一例として、登記変更に係る免許税の納付費用が出力されている。また、登記変更申請書に付随する添付書類の種類と書類の数も記載されている。かかる書類の種類や数のデータも申請関連書類データとして、申請関連書類データ特定部104により、種別情報の組み合わせに基づいて特定され得る。なお、申請関連書類データ出力部105は、登記変更申請書のデータを、種別ごとに応じて出力してもよい。この場合、例えば、申請関連書類データ特定部104は、各種別の効力発生日の順序に応じて、登記変更申請書に記載すべき個別事項情報を特定し得る。例えば、「本店移転」のあとに「商号変更」を行う場合は、「本店移転」の登記変更申請書の申請人の商号は、商号変更前の商号となる。そのため、申請関連書類データ特定部104は、効力発生日の順序に基づいて、「本店移転」の申請関連書類データにおける申請人のデータには、商号変更前の商号のデータを含め得る。
【0058】
図7は、本実施形態に係る申請関連書類データ出力部105により出力される第2の申請関連書類データの例を示す図である。
図7に示す例は、登記変更申請書に併せて提出する別紙「登記すべき事項」の書類の出力例である。
図7に示すように、かかる書類データには、複数の変更登記のそれぞれに係る種別情報と、種別に対応する個別情報と、原因年月日(効力発生日)が記載されている。「役員に関する事項」に示すように、一の種別に対して複数の個別事項がある場合は、その各々について出力され得る。
【0059】
図8は、本実施形態に係る申請関連書類データ出力部105により出力される第3の申請関連書類データの例を示す図である。
図8に示す例は、登記変更申請書に併せて提出する添付書類「臨時株主総会議事録」の出力例である。また、
図9は、本実施形態に係る申請関連書類データ出力部105により出力される第4の申請関連書類データの例を示す図である。
図9に示す例は、登記変更申請書に併せて提出する添付書類「定時株主総会議事録」の出力例である。
図8および
図9に示すように、それぞれの株主総会議事録において変更登記の各々の種別に対応する議案とその内容等が記載され得る。また、株主総会の決議日についても、申請関連書類データ特定部104により特定され得る。なお、ユーザの入力により効力発生日情報が変更される場合、申請関連書類データ特定部104は、かかる効力発生日の変更に応じて、株主総会議事録の決議日等の情報も変更してもよい。また、申請関連書類データ特定部104は、複数の株主総会の決議日が重ならないように、それぞれの総会の決議日を特定してもよい。また、申請関連書類データ特定部104は、決議日とそれぞれの種別に対応する効力発生日との比較に基づいて、申請関連書類データに出力すべき個別情報(例えば商号変更等の変更前、変更後の情報のいずれを記載すべきか)を特定してもよい。
【0060】
図10は、本実施形態の変更登記申請支援システムにおける処理の流れの一例を示す図である。同図の処理の流れは以下のステップからなる。最初にステップS101では、商業・法人登記に関する登記記録を取得する。次に、ステップS103では、法人に係る複数の変更登記申請に関する入力情報を取得する。かかる入力情報には、種別情報および効力発生日情報等が含まれる。次にステップS105では、登記記録取得ステップにて取得した登記記録に基づき、新たな登記申請に要する複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得する。そしてステップS107では、複数の変更登記申請の種別情報の組み合わせに基づき、出力すべき申請関連書類データを特定する。そして、ステップS109では、特定した申請関連書類データと登録申請関連情報に基づき申請関連書類データを出力する。なお、
図10を用いて示した処理の流れはあくまで一例であり、例えば入力情報の取得は、登記記録の取得に先立ち処理されてもよい。
【0061】
以上説明したように、本実施形態に係る変更登記申請支援システムによれば、商業・法人登記申請における複数の変更登記申請において、種別情報の組み合わせに基づいて、手続きに必要な書類等を簡単に得ることができる。これにより、複雑な複数の変更登記においても、より精度の高い書類作成が可能となる。
【0062】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0063】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0064】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(項目1)
プロセッサが、
法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報であって、複数の前記種別情報を取得することと、
新たな登記申請に要する複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得することと、
前記変更登記申請の前記複数の種別情報の組み合わせに基づいて、前記複数の変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを特定することと、
前記登記申請関連情報に基づいて、前記特定された申請関連書類データを出力することと、
を含む、方法。
(項目2)
項目1に記載の方法であって、
前記申請関連書類データは、前記変更登記申請に際して登記申請書に添付して提出することが求められる添付書類に係る添付書類データを含み、
前記複数の変更登記申請の各々に係る前記種別情報の組み合わせに基づいて、出力すべき前記添付書類データを特定する、
方法。
(項目3)
項目2に記載の方法において、
前記変更登記申請の効力発生日に関する情報である効力発生日情報をさらに取得し、
前記効力発生日情報に基づいて、出力すべき前記添付書類データを特定する、
方法。
(項目4)
項目2または3に記載の方法において、
前記添付書類データを特定することは、
前記添付書類データに含める種別情報または前記登記申請関連情報を特定することを含む、
方法。
(項目5)
項目1~4のいずれか1項に記載の方法において、
前記申請関連書類データは、変更登記申請の際に法務局に提出する登記申請書に係る登記申請書データを含み、
前記登記申請書データは、前記複数の変更登記申請の一連の申請情報を含む、
方法。
(項目6)
項目5に記載の方法において、
複数の変更登記申請の各々の種別情報の組み合わせに基づいて、前記登記申請書に係る免許税に関する情報を出力する、
方法。
(項目7)
コンピュータが、
法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報であって、複数の前記種別情報を取得することと、
新たな登記申請に要する複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得することと、
前記変更登記申請の前記複数の種別情報の組み合わせに基づいて、前記複数の変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを特定することと、
前記登記申請関連情報に基づいて、前記特定された申請関連書類データを出力することと、
により構成される機能を発揮するためのプログラム。
【符号の説明】
【0065】
10 情報処理装置
101 登記記録取得部
102 入力情報取得部
103 登記申請関連情報取得部
104 申請関連書類データ特定部
105 申請関連書類データ出力部
【手続補正書】
【提出日】2024-04-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサが、
法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報であって、複数の前記種別情報を取得することと、
新たな登記申請に要する複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得することと、
前記変更登記申請の前記複数の種別情報の組み合わせのテーブルにおいて紐付けられている情報に基づいて、前記変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを特定することと、
前記登記申請関連情報に基づいて、前記特定された申請関連書類データを出力することと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記申請関連書類データは、前記変更登記申請に際して登記申請書に添付して提出することが求められる添付書類に係る添付書類データを含み、
前記複数の変更登記申請の各々に係る前記種別情報の組み合わせに基づいて、出力すべき前記添付書類データを特定する、
方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記添付書類データを特定することは、
前記添付書類データに含める種別情報または前記登記申請関連情報を特定することを含む、
方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記申請関連書類データは、変更登記申請の際に法務局に提出する登記申請書に係る登記申請書データを含み、
前記登記申請書データは、前記複数の変更登記申請の一連の申請情報を含む、
方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
複数の変更登記申請の各々の種別情報の組み合わせに基づいて、前記登記申請書に係る免許税に関する情報を出力する、
方法。
【請求項6】
コンピュータが、
法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報であって、複数の前記種別情報を取得することと、
新たな登記申請に要する複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得することと、
前記変更登記申請の前記複数の種別情報の組み合わせのテーブルにおいて紐付けられている情報に基づいて、前記変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを特定することと、
前記登記申請関連情報に基づいて、前記特定された申請関連書類データを出力することと、
により構成される機能を発揮するためのプログラム。
【請求項7】
法人に係る変更登記申請の種別に関する情報である種別情報であって、複数の前記種別情報を取得する手段と、
新たな登記申請に要する複数の事項に関する情報である登記申請関連情報を取得する手段と、
前記変更登記申請の前記複数の種別情報の組み合わせのテーブルにおいて紐付けられている情報に基づいて、前記変更登記申請に関連する書類に関するデータである申請関連書類データを特定する手段と、
前記登記申請関連情報に基づいて、前記特定された申請関連書類データを出力する手段と、
を備えるシステム。