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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086776
(43)【公開日】2024-06-28
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/741 20230101AFI20240621BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240621BHJP
   H04N 23/667 20230101ALI20240621BHJP
   G06T 5/50 20060101ALI20240621BHJP
   G06T 5/90 20240101ALI20240621BHJP
【FI】
H04N23/741
H04N23/60 500
H04N23/667
G06T5/50
G06T5/90
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024060289
(22)【出願日】2024-04-03
(62)【分割の表示】P 2023022132の分割
【原出願日】2016-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 宏
(72)【発明者】
【氏名】石山 明
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】橋本 康宣
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 基之
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 光信
(57)【要約】
【課題】撮像環境に対応させた高品質なHDR合成画像を生成すること。
【解決手段】被写体を撮像し、被写体の画像信号を生成する映像入力部と、画像信号に基づいて被写体の撮像画像を生成する映像信号処理部と、画像信号に基づいて被写体の動き情報を検出し、動き情報に基づいて、映像入力部に対し露光量を異ならせて被写体を複数回撮像させ、映像信号処理部に対し、露光量が異なる複数の画像信号に基づいて被写体のHDR合成画像を生成させる制御部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像し、前記被写体の画像信号を生成する映像入力部と、
前記画像信号に基づいて前記被写体の撮像画像を生成する映像信号処理部と、
焦点距離に基づいて、前記映像入力部に対し露光量を異ならせて前記被写体の画像信号を複数回生成させ、前記映像信号処理部に対し、露光量が異なる複数の前記画像信号に基づいて前記被写体のHDR合成画像を生成させる制御部と、
を備え、
前記映像入力部は、第1解像度の画像信号を生成する第1の映像入力部と、前記第1の映像入力部とは異なる第2解像度の画像信号を生成する第2の映像入力部と、を備え、
前記制御部は、
前記焦点距離を第1の閾値と比較し、前記焦点距離が前記第1の閾値未満であると判定した場合に、前記第1の映像入力部に対し、露光量を異ならせて前記被写体の画像信号を複数回生成させ、前記映像信号処理部に対し、前記第1の映像入力部で生成された前記画像信号に基づいて前記第1解像度の撮像画像を生成させ、前記第1解像度の撮像画像を用いて前記HDR合成画像を生成させる、第1の撮像モードと、
前記焦点距離を第1の閾値と比較し、前記焦点距離が前記第1の閾値以上であると判定した場合に、前記第1の映像入力部及び前記第2の映像入力部に対し、露光量を異ならせて前記被写体の画像信号を生成させ、前記映像信号処理部に対し、前記第1の映像入力部で生成された前記第1解像度の画像信号から前記第1解像度の撮像画像を生成させ、前記第2の映像入力部で生成された前記第2解像度の画像信号から前記第2解像度の撮像画像を生成させ、さらに、前記第2解像度の撮像画像を前記第1解像度に変換させるか、または、前記第1解像度の撮像画像を前記第2解像度に変換させ、前記第1解像度の撮像画像と前記第1解像度に変換させた撮像画像とを用いて前記HDR合成画像を生成させるか、または、前記第2解像度に変換させた撮像画像と前記第2解像度の撮像画像とを用いて前記HDR合成画像を生成させる、第2の撮像モードと、
を備える、
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
撮像装置、撮像制御方法及び撮像プログラムに係り、特に複数のカメラの露光量を変えて撮像した画像を合成してHDR(High Dynamic Range)合成画像を生成する撮像装置、撮像制御方法及び撮像プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被写体像を、例えばCCD(Charge Coupled Device)等の電子デバイスにより電気信号に変換し、変換した電気信号をメモリに記録するデジタルカメラの普及が著しい。また、最近では、デジタルカメラが搭載された携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等の情報端末機器も広く普及している。
【0003】
デジタルカメラ等に用いられる撮像素子は、フィルムと比較するとダイナミックレンジが非常に狭いため、撮像条件によっては、いわゆる黒つぶれや白とびを生じ、画質が著しく劣化することがある。このような欠点を解消するために、露出を変えつつ複数枚の画像を撮像し、これらを合成する時に、露出を長くした画像から暗部を抽出し、露出を短くした画像から明部を抽出することで、白とびや黒つぶれを抑えた幅広いダイナミックレンジを得るHDR合成機能が注目されている。
【0004】
例えば特許文献1には、2つの撮像素子を有し、一方は高解像度で露光量小画像を撮像し、他方は低解像度で露光量大画像を露出時間を短くして撮像することにより、手振れ等によるノイズを低減させたHDR合成画像を作成する映像生成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-336561公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、露光量の多い画像を撮像する際の露出時間を短くすることにより、手振れ等のノイズを低減することを目的としているが、被写体の動き、明るさ、手振れ等の撮像環境に応じたより好ましい画質を得るためのHDR合成方法については考慮されていない。また、2つの撮像素子の有効な利用方法についても言及されていない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、撮像環境に対応させた高品質なHDR合成画像を生成する撮像装置、撮像制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0009】
本発明の代表的な実施の形態による撮像装置は、被写体を撮像し、被写体の画像信号を生成する映像入力部と、画像信号に基づいて被写体の撮像画像を生成する映像信号処理部と、画像信号に基づいて被写体の動き情報を検出し、動き情報に基づいて、映像入力部に対し露光量を異ならせて被写体を複数回撮像させ、映像信号処理部に対し、露光量が異なる複数の画像信号に基づいて被写体のHDR合成画像を生成させる制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0011】
すなわち、本発明の代表的な実施の形態によれば、撮像環境に対応させた高品質なHDR合成画像を生成する撮像装置、撮像制御方法及びプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態1に係る撮像装置100の一例を示す外観図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る映像信号処理部及び映像入力部の構成の一例を示すブロック図である。
図5】本発明の実施の形態1の撮像方法に係るフローチャート図である。
図6】本発明の実施の形態1に係る、動き情報検出ステップ、撮像ステップ、撮像画像生成ステップ等における処理の一例を示すフローチャート図である。
図7】本発明の実施の形態1に係る、動き情報検出ステップ、撮像ステップ、撮像画像生成ステップ等における処理の一例を示すフローチャート図である。
図8】本発明の実施の形態1に係る撮像についてのタイミングチャートを示す図である。
図9】本発明の実施の形態1に係るHDR合成処理を模式的に示す図である。
図10】本発明の実施の形態1に係るHDR合成処理を模式的に示す図である。
図11】本発明の実施の形態1に係るHDR合成処理を模式的に示す図である。
図12】本発明の実施の形態2に係る撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。
図13】本発明の実施の形態2に係る撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。
図14】本発明の実施の形態2の撮像方法に係るフローチャート図である。
図15】本発明の実施の形態2の撮像方法に係るフローチャート図である。
図16】本発明の実施の形態2に係るHDR合成処理を模式的に示す図である。
図17】本発明の実施の形態2に係るHDR合成処理を模式的に示す図である。
図18】本発明の実施の形態2に係るHDR合成処理を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の例を、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって、適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、後述する各実施形態の一部を適宜組み合わせて構成されても良い。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る撮像装置の外観の一例を示す図であり、図1(A)は撮像装置の平面図、図1(B)は撮像装置100の背面図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る撮像装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【0014】
図1は、スマートフォンに搭載された撮像装置について例示しているが、これ以外にも、撮像装置が、例えば、携帯電話、タブレット端末等のPDA(Personal Digital Assistants)、ノート型PC(Personal Computer)等の情報処理装置に搭載されてもよい。また、撮像装置がデジタルスチルカメラで構成されてもよい。
【0015】
撮像装置100は、図1図2に示すように、主制御部(制御部)101、システムバス102、メモリ部104、ストレージ部110、映像処理部120、音声処理部130、操作部140、通信処理部150、センサ部160、拡張インタフェース部170、表示部121等を備えている。
【0016】
システムバス102は、撮像装置100の各構成要素を接続するデータ通信路である。、主制御部101と撮像装置100内の各部との間では、システムバス102を介してデータの出入力が実施される。
【0017】
ストレージ部110は、例えばフラッシュROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性メモリで構成され、撮像装置100に電源が供給されていない状態でも情報が記憶される。
【0018】
ストレージ部110は、例えば図3に示すように、撮像装置100の基本動作を実行させる基本動作プログラムを記憶する基本動作プログラム記憶領域110a、カメラ機能を実現させるカメラ機能プログラムを記憶するカメラ機能プログラム記憶領域110b、音声認識機能を実現させる音声認識プログラムを記憶する音声認識プログラム記憶領域110c、タイミング報知機能を実現させるタイミング報知プログラムを記憶するタイミング報知プログラム記憶領域110d、その他のプログラム等を記憶するその他プログラム記憶領域110e、撮像装置100の動作設定値、ユーザー情報等の各種情報を記憶する各種情報/データ記憶領域110f等を備えている。
【0019】
また、ストレージ部110は、撮像装置100で撮像した撮像画像、動画像、後述するHDR合成画像、これらのサムネイル画像等を、例えば各種情報/データ記憶領域110fに記憶する。また、ストレージ部110は、インターネット上のアプリケーションサーバからダウンロードされた新規アプリケーションプログラムを、例えばその他プログラム記憶領域110eに記憶する。
【0020】
また、ストレージ部110は、後述する被写体の動きを判定する際の基準となる第1の動き閾値、第1の動き閾値より大きい第2の動き閾値を記憶する。これらの動き閾値は、例えば、実験等により適宜設定される。
【0021】
メモリ部104では、ストレージ部110の各部に記憶された各種プログラムが展開される。各種プログラムが主制御部101により実行されると、メモリ部104に、それぞれのプログラムの機能を実現する各種実行部が構成される。例えば、基本動作プログラム記憶領域110aに記憶された基本動作プログラムがメモリ部104で展開されると、メモリ部104には、撮像装置100の基本動作を実現する基本動作実行部104aが構成される。また、カメラ機能プログラム記憶領域110bに記憶されたカメラ機能プログラムがメモリ部104で展開されると、メモリ部104には、カメラ機能を実現するカメラ機能実行部104bが構成される。また、音声認識機能プログラム記憶領域110cに記憶された音声認識機能プログラムがメモリ部104で展開されると、メモリ部104には、音声認識機能を実現する音声認識機能実行部104cが構成される。また、タイミング報知機能プログラム記憶領域110dに記憶されたタイミング報知機能プログラムがメモリ部104で展開されると、メモリ部104には、タイミング報知機能を実現するタイミング報知機能実行部104dが構成される。また、メモリ部104は、必要に応じてデータが一時的に記憶される一時記憶領域104e等を有する。
【0022】
なお、基本動作実行部104a、カメラ機能実行部104b、音声認識機能実行部104c、タイミング報知機能実行部104d等の各部が、これら各部と同様の機能を有するハードウェアで構成されてもよい。また、メモリ部104は、主制御部101と一体で構成されてもよい。
【0023】
表示部121は、図1(A)に示すように、第3の映像入力部125が設けられた撮像装置100の表面100aに設けられている。表示部121は、例えば液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示デバイスであり、映像信号処理部122で処理された後述するHDR合成画像、合成前の撮像画像、動画像、サムネイル画像等を表示する。
【0024】
音声処理部130は、音声出力部131、音声信号処理部132、音声入力部133、で構成されている。音声出力部131は、スピーカであり、例えば図1(A)に示すように、撮像装置100の表面100aの表示部121の周辺部に設けられている。音声出力部131は、音声信号処理部132で処理された音声信号に基づいて音声を発する。音声入力部133は、マイクであり、例えば図1(A)、(B)に示すように、撮像装置100の側面であって、表示部121に対して音声出力部131と反対側に設けられている。音声入力部133は、撮像装置100のユーザー等の音声の入力を受け付け、入力された音声を音声信号に変換する。音声入力部133は、入力された音声信号を音声信号処理部132に出力する。なお、音声入力部133は、撮像装置100と別体で構成されてもよく、この場合、音声入力部133と撮像装置100とが、有線通信又は無線通信により接続されてもよい。
【0025】
操作部140は、撮像装置100に対する操作指示の入力を行う指示入力部である。本実施の形態では、例えば図1(A)、(B)に示すように、表示部121に重ねて配置された、タッチパネル140a、撮像装置100の側面に設けられた操作キー140b、撮像装置100の表面100aの表示部121の近傍に設けられた操作キー140cで構成されている。ただし、これら全てを備えている必要はなく、これらのうちのいずれかを備えていればよい。また、タッチパネル140aは、表示部121と一体で構成されてもよい。また、操作部140は、後述する拡張インタフェース部170に接続される、図示しないキーボード等で構成されてもよい。また、操作部140は、有線通信または無線通信を介して接続される別体の情報端末機器で構成されてもよい。
【0026】
通信処理部150は、例えば、LAN(Local Area Network)通信部151、移動体電話網通信部152、近接無線通信部153で構成されている。LAN通信部151は、例えば、インターネットの無線通信用アクセスポイントを経由して接続される無線通信を介してデータの送受信を行う。移動体電話網通信部152は、移動体電話通信網の基地局と接続され、基地局を経由した無線通信を介して、電話通信(通話)及びデータの送受信を行う。近接無線通信部153は、近接無線に対応するリーダ/ライタとの間でデータの送受信を行う。LAN通信部151、移動体電話網通信部152、近接無線通信部153は、例えば、図示しない符号回路、復号回路、アンテナ等の各種装置を備えている。また、通信処理部150は、赤外線通信を実施する赤外線通信部等を備えてもよい。
【0027】
センサ部160は、撮像装置100の状態を検出するセンサ群である。本実施の形態では、センサ部160は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信部161、加速度センサ162、ジャイロセンサ163、地磁気センサ164、光量センサ165、近接センサ166で構成されている。なお、センサ部160は、これら以外のセンサを備えていてもよい。
【0028】
GPS受信部161は、GPSを利用して複数の衛星から送信されるGPS信号を受信する。GPS受信部161で受信されたGPS信号は、例えば主制御部101に出力され、主制御部101では、GPS信号に基づいて撮像装置100の位置が検出される。
【0029】
加速度センサ162は、撮像装置100に掛かる加速度(例えば重力加速度)の大きさ、方向を測定する。加速度センサ部133で測定された加速度の大きさ、方向の測定値は、加速度情報として主制御部101に出力され、主制御部101では、加速度情報に基づいて、撮像装置100に掛かる加速度が検出される。
【0030】
ジャイロセンサ163は、撮像装置100を使用者が動かした場合等に発生する撮像装置100の角速度を測定する。ジャイロセンサ部163で測定された角速度は、例えば角速度情報として主制御部101に出力される。主制御部101では、角速度情報に基づいて、撮像装置100の角速度が検出される。
【0031】
地磁気センサ164は、撮像装置100に掛かる地磁気の大きさ、方向を測定する。地磁気センサ164で測定された地磁気の大きさ、方向の測定値は、地磁気情報として主制御部101に出力される。主制御部101では、地磁気情報に基づいて撮像装置100に掛かる地磁気が検出される。
【0032】
光量センサ165は、撮像装置100の周囲の明るさを測定する。光量センサ165は、例えば、被写体を撮像する際に被写体周辺の光量を測定する。光量センサ165で測定された光量の測定値は、光量情報として主制御部101に出力される。主制御部101では、光量情報に基づいて撮像装置100の周囲の光量が検出される。
【0033】
近接センサ166は、撮像装置100の周囲の物との近接状況を測定する。近接センサ166は、例えば、撮像装置100の周囲の物との距離、方向を測定する。近接センサ166で検出された近接状況の測定値は、近接状況情報として主制御部101に出力される。主制御部101では、近接状況情報に基づいて、撮像装置100の周囲の物との近接状況を検出する。
【0034】
拡張インタフェース部170は、撮像装置100の機能を拡張するためのインタフェース群である。拡張インタフェース部170は、例えば、映像/音声インタフェース171、USB(Universal Serial Bus)インタフェース172、メモリインタフェース173を備えている。
【0035】
映像/音声インタフェース171は、外部の映像/音声出力機器と接続され、映像/音声出力機器から出力された映像信号/音声信号の入力を受け付ける。また、映像/音声インタフェース171は、映像/音声入力機器への映像信号/音声信号の出力等を行う。USBインタフェース172は、キーボード等のUSB機器と接続され、USB機器との間で情報の入出力を行う。メモリインタフェース173は、メモリカード等のメモリ媒体と接続され、メモリ媒体との間でデータの入出力を行う。
【0036】
次に、映像入力部120、映像信号処理部122について説明する。図4は、本発明の実施の形態1に係る映像入力部及び映像信号処理部の構成の一例を示すブロック図である。なお、図4では、第3の映像入力部125を省略している。
【0037】
映像入力部120は、例えば図2図4に示すように、第1の映像入力部123、第2映像入力部124、第3映像入力部125、露光制御部126を備えている。第1の映像入力部123及び第2の映像入力部124は、例えば図1(B)に示すように、撮像装置100の裏面100bに並んで設けられている。第3の映像入力部125は、図1(A)に示すように、撮像装置100の表面100aにおける表示部121の近傍に設けられている。
【0038】
なお、図1(B)では、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部124は、撮像装置100の背面100bに設けられているが、例えば、撮像装置100の表面100aに設けられてもよい。また、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部124は、一体で構成されてもよい。
【0039】
第1の映像入力部123は、例えば図4に示すように、第1の撮像光学系123a及び第1の撮像素子123bを備えている。第2の映像入力部124は、例えば図4に示すように、第2の撮像光学系124a及び第2の撮像素子124bを備えている。
【0040】
第1の撮像光学系123a及び第2の撮像光学系124aは、例えば、被写体からの入射光を集光する複数のレンズ、絞り(虹彩絞り等)、機械式又は電子式のシャッタ等で構成されている。第1の撮像素子123b及び第2の撮像素子124bは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等で構成されている。
【0041】
第1の映像入力部123及び第2の映像入力部124は、被写体を撮像し、被写体の画像信号を生成する。具体的には、第1の撮像素子123bのそれぞれの画素では、第1の撮像光学系123aからの光が電荷として蓄えられることにより、入力光が電気信号に変換される。また、第2の撮像素子124bのそれぞれの画素でも、第2の撮像光学系124aからの光が電荷として蓄えられることにより、入力光が電気信号に変換される。このように、第1の撮像素子123及び第2の撮像素子124では、画像信号としての電気信号が生成される。
【0042】
本実施の形態では、第1の撮像素子123bは第1の解像度(高解像度)の撮像素子であり、第2の撮像素子124bは、第1の撮像素子123bよりも解像度が低い第2の解像度(低解像度)の撮像素子である。
【0043】
露光制御部126は、主制御部101からの指示に基づいて、第1の撮像光学系123a及び第2の撮像光学系124aの絞り、シャッタ速度を規定し、第1の撮像素子123b及び第2の撮像素子124bに入力される露光量を制御する。
【0044】
映像信号処理部122は、画像信号に基づいて被写体の撮像画像を生成する。映像信号処理部122は、例えば図4に示すように、第1の画像処理部122a、第2の画像処理部122b、画像合成部122c、画像出力部124dを備えている。
【0045】
第1の画像処理部122aは、第1の撮像素子123bと接続され、第1の撮像素子123bから出力された電気信号(画像信号)を所定のビットの階調幅を持ったデジタル画像データに変換する。そして、第1の画像処理部122aは、デジタル画像データに対し画像処理を行い、HDR画像合成に適した中間画像データを生成する。第1の画像処理部122aは、生成した中間画像データを画像合成部122cに出力する。また、第1の画像処理部122aは、合成前の撮像画像をストレージ部110に出力する。
【0046】
第2の画像処理部122bは、第2の撮像素子124bと接続され、第2の撮像素子124bから出力された電気信号(画像信号)を所定のビットの階調幅を持ったデジタル画像データに変換する。そして、第2の画像処理部122bは、デジタル画像データに対し画像処理を行い、HDR画像合成に適した中間画像データを生成する。第2の画像処理部122bは、生成した中間画像データを画像合成部122cに出力する。また、第2の画像処理部122bは、合成前の撮像画像をストレージ部110に出力する。
【0047】
画像合成部122cは、第1の画像処理部122a及び第2の画像処理部122bから入力された中間画像データを合成して、撮像画像としてのHDR合成画像を生成する。画像合成部122cは、生成したHDR合成画像をストレージ部110に出力する。
【0048】
画像出力部122dは、画像合成部122cで生成されたHDR合成画像、合成前の撮像画像、動画像、これらのサムネイル画像等を表示部121に出力し表示させる。
【0049】
フラッシュ部129は、例えば図1(B)に示すように、撮像装置100の裏面100bの第1の映像入力部123、第2の映像入力部124に隣接して設けられている。フラッシュ部129は、例えば、第1の映像入力部123、第2の映像入力部124が撮像する際に、被写体にフラッシュ光を照射する。
【0050】
主制御部(制御部)101は、マイクロプロセッサユニット等のコンピュータで構成されている。主制御部101は、メモリ部104に構成された各実行部100a~100dを実行することにより、各プログラムの機能を実現し、撮像装置100の各構成要素を動作させる。
【0051】
主制御部101は、映像入力部120で生成された画像信号に基づいて被写体の動き情報を検出する。また、主制御部101は、動き情報に基づいて、映像入力部120に対し露光量を異ならせて被写体を複数回撮像させる。具体的には、主制御部101は、動き情報を、第1の動き閾値及び第2の動き閾値と比較し、その結果に基づいて後述する各撮像モードに切り替えて被写体を撮像させる。また、主制御部101は、画像信号、あるいは撮像画像に基づいて、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部124に関する露光量、シャッター速度、絞り等の露出情報を生成する。主制御部101は、映像入力部120に出力する。また、主制御部101は、映像信号処理部122に対し、露光量が異なる複数の画像信号に基づいて被写体のHDR合成画像を生成させる。
【0052】
次に、本実施の形態に係る撮像方法について説明する。本実施の形態では、例えば、図3に示すカメラ機能プログラム110b等の各種プログラムがメモリ部104に展開され、主制御部101が、カメラ機能実行部104b等の各実行部を実行することにより、撮像に係る動作が実施される。
【0053】
図5は、本発明の実施の形態1の撮像方法に係るフローチャート図である。図5に示すように、撮像する際には、映像入力ステップS10、動き情報検出ステップS20、撮像ステップS30、HDR合成画像生成ステップS40が実施される。
【0054】
操作部140から撮像の指示がなされると、被写体の撮像に係る動作を開始する。映像入力ステップS10では、映像入力部120は、被写体を撮像し、被写体の画像信号を生成する。第1の映像入力部123及び第2の映像入力部124は、被写体を撮像し、第1の撮像素子123b及び第2の撮像素子124bにおいて、画像信号としての電気信号を生成する。第1の撮像素子123bは、生成した電気信号を、映像信号処理部122の第1の画像処理部122aに出力し、第2の撮像素子124bは、生成した電気信号を、映像信号処理部122の第2の画像処理部122bに出力する。なお、ここでは、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部124のいずれもが、被写体を撮像する場合について説明したが、いずれかの映像入力部のみが被写体を撮像するようにしてもよい。そして、動き情報検出ステップS20に移行する。
【0055】
図6及び図7は、本発明の実施の形態1に係る、動き情報検出ステップ、撮像ステップ、撮像画像生成ステップ等における処理の一例を示すフローチャート図である。動き情報検出ステップS20では、主制御部101は、画像信号に基づいて被写体の動き情報を検出する。具体的には、映像信号処理部122の第1の画像処理部122aは、第1の撮像素子123bから出力された電気信号を主制御部101に出力する。映像信号処理部122の第2の画像処理部122bは、第2の撮像素子124bから出力された電気信号を主制御部101に出力する。なお、第1の画像処理部122a、第2の画像処理部122bは、電気信号に基づいて撮像画像を生成し、生成した撮像画像を主制御部101に出力してもよい。
【0056】
主制御部101は、入力されたこれらの電気信号(画像信号)に基づいて、被写体の動き情報(例えば動きベクトル)を検出する。主制御部101は、これらの画像信号に対し、周知のブロックマッチング法等を用いることにより被写体の動きベクトルを検出する。なお、主制御部101は、入力された撮像画像に基づいて被写体の動き情報を検出してもよい。そして、撮像ステップS30に移行する。
【0057】
撮像ステップS30では、映像入力部120は、動き情報検出ステップS20で検出された動き情報に基づいて、露光量を異ならせて被写体を複数回撮像する。撮像ステップS30では、まずステップS102が実施される。ステップS102では、動き情報に基づいて被写体の動きが判定される。具体的には、主制御部101は、動き情報検出ステップS20で検出した動きベクトルを、第1の動き閾値及び第2の動き閾値と比較することにより、被写体の動きを判定する。詳しくは、主制御部101は、ストレージ部110に記憶された第1の動き閾値及び第2の動き閾値をメモリ104に読み出し、動きベクトルを第1の動き閾値及び第2の動き閾値と比較する。
【0058】
[静止画撮像モード]
ステップS102において、動きベクトルは第1の動き閾値未満であると、主制御部101が判定した場合には、ステップS113が実施される。すなわち、主制御部101は、被写体がほとんど動いていないものと判断し、静止画撮像モードに切り替える。
【0059】
図8は、本発明の実施の形態1に係る撮像についてのタイミングチャートを示す図である。図9は、本発明の実施の形態1に係るHDR合成処理を模式的に示す図である。ステップS113では、第1の映像入力部123が、例えば図8(A)に示すように、露光量を異ならせて被写体を連続して撮像する。具体的には、主制御部101は、第1の撮像素子123b又は第2の撮像素子124bから出力された電気信号(画像信号)に基づいて、それぞれの撮像における露光量(例えば、シャッタ速度、絞り値等)を決定する。主制御部101は、例えば図8(A)に示すように、1回目の撮像における露光量を、低照度側の暗い部分が黒つぶれしないような露光量LA0に設定し、2回目の撮像における露光量を、例えば高照度側の明るい部分が白とびしないよう、LA0より少ない露光量LA1に設定する(LA0>LA1)。主制御部101は、決定した露光量に関する情報を露光情報として映像入力部120に出力する。映像入力部120では、入力された露光情報に基づいて、第1の映像入力部123は、1回目は露光量LA0で被写体を撮像し、2回目は露光量LA1で被写体を撮像する。
【0060】
第1の撮像素子123bは、被写体を撮像するごとに、例えば図9に示すような撮像画像に関する電気信号を生成する。第1の撮像素子123bは、被写体を撮像するごとに、例えば図9に示すような露光量LA0の電気信号(A0)、露光量LA1の電気信号(A1)を生成し、生成した電気信号(A0、A1)を映像信号処理部122の第1の画像処理部122aに出力する。なお、ここでは、露光量を異ならせて2回被写体を撮像する場合を取り上げているが、例えば3回以上被写体を撮像してもよい。
【0061】
一方、第2の映像入力部124は、例えば被写体の動画(Bm)を撮像する。また、第2映像入力部124は、例えば、絞り値を変更することにより、被写界深度を異ならせて被写体を撮像してもよい。第2の撮像素子124bは、動画等に関する画像信号を映像信号処理部122の第2の画像処理部122bに出力する。そして、HDR合成画像生成ステップS40に移行する。
【0062】
HDR合成画像生成ステップS40では、ステップS114が実施される。ステップS114では、ステップS113で生成された、露光量の異なる複数の画像信号(A0、A1)に基づいて、第1の解像度のHDR合成画像が生成される。具体的には、映像信号処理部122の第1の画像処理部122aは、第1の撮像素子123bから入力された電気信号(A0、A1)のそれぞれを、所定のビットの階調幅を持ったデジタル画像データに変換する。そして、第1の画像処理部122aは、それぞれのデジタル画像データに対し画像処理を行い、HDR画像合成に適したそれぞれの中間画像データを生成する。そして、第1の画像処理部122aは、それぞれの中間画像データを画像合成部122cに出力する。また、第1の画像処理部122aは、電気信号(A0、A1)に基づいて、それぞれの合成前の撮像画像を生成する。また、第1の画像処理部122aは、合成前の撮像画像のそれぞれに対応するサムネイル画像を生成する。
【0063】
第2の画像処理部122bは、第2の映像入力部124から入力された、画像信号に基づいて動画像を生成し、あるいは、被写界深度を異ならせた撮像画像を生成する。また、第2の画像処理部122bは、生成した動画像、撮像画像のそれぞれに対応するサムネイル画像を生成する。
【0064】
画像合成部122cは、第1の画像処理部122aから入力されたそれぞれの中間画像データを重み付き合成することにより、例えば図9に示すような第1の解像度(高解像度)のHDR合成画像(撮像画像)(A0+A1)を生成する。このように生成されたHDR合成画像(A0+A1)は、暗い部分の黒つぶれや、明るい部分の白とびが解消され、ユーザーが肉眼で見た景色に近い画像となっている。また、画像合成部122cは、生成したHDR合成画像に対応するサムネイル画像を生成する。
【0065】
なお、第1の画像処理部122a及び第2の画像処理部122bは、高解像度の画像信号を低解像度の画像信号に変換し、画像合成部122cが低解像度のHDR合成画像を生成してもよい。そして、ステップS115に移行する。
【0066】
ステップS115では、ステップS114で生成されたHDR合成画像、合成前の撮像画像、動画像、サムネイル画像等がストレージ部110に記憶される。具体的には、画像合成部122cは、生成したHDR合成画像(A0+A1)、サムネイル画像をストレージ110に出力し、ストレージ110は、入力されたHDR画像合成(A0+A1)、サムネイル画像を記憶する。また、第1の画像処理部122a、第2の画像処理部122bは、合成前の撮像画像、動画像、サムネイル画像をストレージ110に出力し、ストレージ110は、入力された合成前の撮像画像、動画像、サムネイル画像を記憶する。これらの処理が実施されると、HDR合成画像生成ステップS40の処理が完了し、ステップS104に移行する。ステップS104については後述する。
【0067】
[微動撮像モード]
図10図11は、本発明の実施の形態1に係るHDR合成処理を模式的に示す図である。撮像ステップS30のステップS102において、動きベクトルは第1の動き閾値以上であると、主制御部101が判定した場合には、ステップS123又はステップS133が実施される。詳しくは、動きベクトルは第1の動き閾値以上、第2の動き閾値以下であると、主制御部101が判定した場合には、ステップS123が実施される。すなわち、主制御部101は、被写体が静止画撮像モードと比較すれば動きが大きいが、後述する動体撮像モードよりは動きが小さいものと判断し、微動撮像モードに切り替える。
【0068】
ステップS123では、主制御部101は、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部124に対し、露光量を異ならせて被写体を同時に撮像させた後、第2の映像入力部124に対し、露光量を異ならせて被写体を撮像させる。具体的には、主制御部101は、例えば図8(B)に示すように、第1の映像入力部123の撮像における露光量を、低照度側の暗い被写体が黒つぶれしないような露光量LA0に設定する。言い換えれば、第1の映像入力部123は適切露出で被写体を撮像する。なお、ここでの適切露出とは、低照度側の暗い被写体を十分な露光量で撮像することをいう。また、主制御部101は、第2の映像入力部124による1回目の撮像における露光量を、例えば、低照度側が黒つぶれするような露光量と高照度側が白とびするような露光量の間の露光量LB0に設定し、第2の映像入力部124による2回目の撮像における露光量を、例えば明るい部分が白とびしないよう、LB0より少ない露光量LA1に設定する(LA0>LB0>LB1)。
【0069】
また、第2の撮像素子124bの解像度が第1の撮像素子123bよりも低いので、1画素当りの面積が大きくなり露光量が増えるので、第2の映像入力部124は、第1の映像入力部123よりも短い撮像時間(速いシャッタースピード)でも同じ露光量を得ることができる。したがって、第2の映像入力部124における撮像間隔(時間差)は、第1の映像入力部123より短くできるので、HDR合成処理を行った際における被写体の微動によるノイズの発生を低く抑えられる。
【0070】
主制御部101は、決定した露光量に関する情報を露光情報として映像入力部120に出力する。映像入力部120では、入力された露光情報に基づいて、第1の映像入力部123は、露光量LA0で被写体を撮像し、第2の映像入力部124は、1回目は露光量LB0で被写体を撮像し、2回目は露光量LB1で被写体を撮像する。
【0071】
第1の撮像素子123bは、例えば図10(A)に示すような露光量LA0の電気信号(A0)を生成し、生成した電気信号(A0)を映像信号処理部122の第1の画像処理部122aに出力する。
【0072】
第2の撮像素子124bは、被写体を撮像するごとに、例えば図10(A)に示すような露光量LB0の電気信号(B0)、露光量LB1の電気信号(B1)を生成し、生成した電気信号(B0、B1)を映像信号処理部122の第2の画像処理部122bに出力する。そして、HDR合成画像生成ステップS40に移行する。
【0073】
HDR合成画像生成ステップS40では、まず、ステップS124が実施される。ステップS124では、ステップS123で生成された電気信号の撮像画像の解像度が変換される。具体的には、主制御部101は、映像信号処理部122に対し、第1の映像入力部123で生成された画像信号の解像度を第2の解像度に変換させ、第2の映像入力部124で生成された画像信号の解像度を第1の解像度に変換させる。
【0074】
詳しくは、主制御部101は、第1の画像処理部122aに対し、第1の撮像素子123bで生成された電気信号(A0)の解像度を、第1の解像度から第2の解像度に変換させ、第2の画像処理部122bに対し、第2の撮像素子124bで生成された電気信号(B0)の解像度を、第2の解像度から第1の解像度に変換させる。より詳しくは、第1の画像処理部122aは、第1の解像度の電気信号(A0)に対して解像度変換を実施し、図10(B)に示す、第2の解像度の電気信号(A0d)を生成する。第2の画像処理部122bは、第2の解像度の電気信号(B0)に対して解像度変換を実施し、例えば補間処理等の処理を実施することにより、図10(A)に示す、第1の解像度の電気信号(B0u)を生成する。そして、ステップS125に移行する。
【0075】
ステップS125では、ステップS124で生成された、複数の画像信号(A0、B0、B1、A0d、B0u)に基づいて、第1の解像度のHDR合成画像、第2の解像度のHDR合成画像が生成される。具体的には、第1の画像処理部122aは、第1の解像度の電気信号(A0)、第2の解像度の電気信号(A0d)のそれぞれを、所定のビットの階調幅を持ったデジタル画像データに変換する。そして、第1の画像処理部122aは、それぞれのデジタル画像データに対し画像処理を行い、HDR画像合成に適したそれぞれの中間画像データを生成する。そして、第1の画像処理部122aは、それぞれの中間画像データを画像合成部122cに出力する。また、第1の画像処理部122aは、電気信号(A0、A0d)に基づいて、それぞれの合成前の撮像画像を生成する。また、第1の画像処理部122aは、合成前の撮像画像のそれぞれに対応するサムネイル画像を生成する。
【0076】
第2の画像処理部122bは、第2の解像度の電気信号(B0、B1)、第1の解像度の電気信号(B0u)のそれぞれを、所定のビットの階調幅を持ったデジタル画像データに変換する。そして、第2の画像処理部122bは、それぞれのデジタル画像データに対し画像処理を行い、HDR画像合成に適したそれぞれの中間画像データを生成する。そして、第2の画像処理部122bは、それぞれの中間画像データを画像合成部122cに出力する。また、第2の画像処理部122bは、電気信号(B0、B1、B0u)に基づいて、それぞれの合成前の撮像画像を生成する。また、第2の画像処理部122bは、生成した合成前の撮像画像のそれぞれに対応するサムネイル画像を生成する。
【0077】
画像合成部122cは、第1の画像処理部122aから出力されたそれぞれの中間画像データと、第2の画像処理部122bから出力されたそれぞれの中間画像データとを重み付き合成することにより第1の解像度のHDR合成画像、第2の解像度のHDR合成画像を生成する。
【0078】
具体的には、画像合成部122cは、電気信号(A0)の中間画像データ及び電気信号(B0u)の中間画像データに基づいて、例えば図10(A)に示す、第1の解像度のHDR合成画像(A0+B0u)を生成する。また、画像合成部122cは、電気信号(A0d)の中間画像データ及び電気信号(B0)の中間画像データに基づいて、例えば図10(B)に示す、第2の解像度のHDR合成画像(A0d+B0)を生成する。また、画像合成部122cは、電気信号(B0)の中間画像データ及び電気信号(B1)の中間画像データに基づいて、例えば図11(A)に示す、第2の解像度のHDR合成画像(B0+B1)を生成する。また、画像合成部122cは、電気信号(A0d)の中間画像データ及び電気信号(B0、B1)の中間画像データに基づいて、例えば図11(B)に示す、第2の解像度のHDR合成画像(A0d+B0+B1)を生成する。また、画像合成部122cは、生成したHDR合成画像に対応するサムネイル画像を生成する。
【0079】
なお、ユーザーがHDR合成画像を後に閲覧する際に、これらの画像から目視でもっともよいと判断されるものをユーザーが選択し、HDR合成処理を施した最終処理結果の画像として取り扱ってもよい。そして、ステップS126に移行する。
【0080】
ステップS126では、ステップS125で生成されたHDR合成画像、合成前の撮像画像、サムネイル画像等がストレージ部110に記憶される。具体的には、画像合成部122cは、生成したHDR合成画像(A0+B0u)、(A0d+B0)、(B0+B1)、(A0d+B0+B1)、サムネイル画像をストレージ110に出力し、ストレージ110は、入力されたHDR画像合成(A0+B0u)、(A0d+B0)、(B0+B1)、(A0d+B0+B1)、サムネイル画像を記憶する。また、第1の画像処理部122a、第2の画像処理部122bは、合成前の撮像画像、サムネイル画像をストレージ110に出力し、ストレージ110は、入力された合成前の撮像画像、サムネイル画像を記憶する。これらの処理が実施されると、HDR合成画像生成ステップS40の処理が完了し、ステップS104に移行する。ステップS104については後述する。
【0081】
[動体撮像モード]
撮像ステップS30のステップS102において、主制御部101が、動きベクトルは第2の動き閾値を超えていると判定した場合には、ステップS133が実施される。すなわち、主制御部101は、被写体が微動撮像モードよりも動きが大きいものと判断し、動体撮像モードに切り替える。
【0082】
ステップS133では、ステップS123と同様の処理が実施される。すなわち、ステップS123では、主制御部101は、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部124に対し、露光量を異ならせて被写体を同時に撮像させる。第1の映像入力部123は、露光量LA0で被写体を撮像し、例えば図10(A)、(B)に示すような第1の解像度の撮像画像についての電気信号(A0)を生成する。第2の映像入力部124は、露光量LB0で被写体を撮像し、例えば図10(A)、(B)に示すような第2の解像度の撮像画像についての電気信号(B0)を生成する。なお、動体撮像モードでは、微動撮像モードのように、第2の映像入力部124が時間差をおいて被写体を撮像しない。これは、被写体の動きが大きいため、時間差をおいて撮像すると、生成されたHDR合成画像における被写体振れが顕著になるからである。
【0083】
第1の撮像素子123bは、露光量LA0の電気信号(A0)を第1の画像処理部122aに出力する。第2の撮像素子124bは、露光量LB0の電気信号(B0)を第2の画像処理部122bに出力する。そして、HDR合成画像生成ステップS40に移行する。
【0084】
HDR合成画像生成ステップS40では、まず、ステップS134が実施される。ステップS134では、前述のステップS124と同様の処理が実施される。すなわち、ステップS134では、第1の画像処理部122aは、第1の解像度の電気信号(A0)に対して解像度変換を実施し、例えば図10(B)に示す、第2の解像度の電気信号(A0d)を生成する。第2の画像処理部122bは、第2の解像度の電気信号(B0)に対して解像度変換を実施し、図10(A)に示す、第1の解像度の電気信号(B0u)を生成する。そして、ステップS135に移行する。
【0085】
ステップS135では、前述のステップS125とほぼ同様の処理が実施される。すなわち、ステップS135では、ステップS134で生成された、複数の画像信号(A0、B0、A0d、B0u)に基づいて、第1の解像度のHDR合成画像、第2の解像度のHDR合成画像が生成される。具体的には、画像合成部122cは、図10(B)に示す第1の解像度のHDR合成画像(A0+B0u)及び図10(A)に示す第2の解像度のHDR合成画像(A0d+B0)を生成する。また、第1の画像処理部122a、第2の画像処理部122bは、合成前の撮像画像、合成前の撮像画像のそれぞれに対応するサムネイル画像を生成する。
【0086】
なお、ユーザーがHDR合成画像を後に閲覧する際に、これらの画像から目視でもっともよいと判断されるものをユーザーが選択し、HDR合成処理を施した最終処理結果の画像として取り扱ってもよい。そして、ステップS126に移行する。
【0087】
ステップS126では、ステップS135で生成されたHDR合成画像、合成前の撮像画像、サムネイル画像等がストレージ部110に記憶される。具体的には、画像合成部122cは、生成したHDR合成画像(A0+B0u)、(A0d+B0)、サムネイル画像をストレージ110に出力し、ストレージ110は、入力されたHDR画像合成(A0+B0u)、(A0d+B0)、サムネイル画像を記憶する。また、第1の画像処理部122a、第2の画像処理部122bは、合成前の撮像画像、サムネイル画像をストレージ110に出力し、ストレージ110は、入力された合成前の撮像画像、サムネイル画像を記憶する。これらの処理が実施されると、HDR合成画像生成ステップS40の処理が完了し、ステップS104に移行する。
【0088】
ステップS104では、表示部121に表示させる画像等が選択される。具体的には、それぞれの撮像モードの各ステップS114、S125、S135で生成され、ストレージ部110に記憶された画像等(HDR合成画像、合成前の撮像画像、動画像)の中から、表示部121に表示させる画像等が選択される。
【0089】
例えば、ストレージ部110は、記憶している画像等に関する情報(例えばサムネイル画像)を画像出力部122dに出力する。画像出力部122dは、入力されたサムネイル画像を表示部121に出力する。表示部121は、入力されたサムネイル画像を表示する。ユーザーは表示されたサムネイル画像から、表示部121に表示させる画像等を選択する。そして、ステップS105に移行する。
【0090】
ステップS105では、選択されたサムネイル画像に対応する画像等が表示される。具体的には、画像出力部122dは、例えば、ユーザーが選択したサムネイル画像に対応する画像等をストレージ部110から出力する。画像出力部122dは、読み出した画像等を表示部121に出力する。表示部121は、入力された画像等を表示する。
【0091】
なお、ユーザーは、表示部121に表示させる画像等を任意に選択してもよいし、表示させる優先順位を事前に撮像装置100に登録し、この順位に従って画像等が順次表示されるようにしてもよい。
【0092】
また、表示部121に表示される画像等は、表示部121の解像度に合わせて、適宜拡大又は縮小されてもよい。このとき、複数の画像等が同じサイズで表示されてもよいし、選択された画像等の解像度に合わせて、複数の画像等がそれぞれ異なるサイズで表示されてもよい。
【0093】
なお、本実施の形態に係る撮像装置100は、図2に示した構成に限定されるものではない。例えば、撮像装置100が、例えば、通信処理部150やセンサ部160等を備えていなくてもよいし、デジタルテレビ放送受信機能や電子マネー決済機能等の各種機能を備えてもよい。
【0094】
本実施の形態によれば、被写体の動きベクトルに基づいて、主制御部101は、映像入力部120に対し露光量を異ならせて被写体を複数回撮像させ、映像信号処理部に対し、露光量が異なる複数の画像信号に基づいて被写体のHDR合成画像を生成させる。
【0095】
この構成によれば、被写体の動きに応じた適切な撮像モードを選択することができるので、被写体の動き、手振れ等の撮像環境に対応させた高品質なHDR合成画像を生成することができる。
【0096】
また、本実施の形態によれば、主制御部101は、動きベクトルが第1の動き閾値未満であると判定した場合には、静止画撮像モードに切り替え、高解像度な第1の解像度の第1の撮像素子123bを有する第1の映像入力部123に対し、露光量を異ならせて被写体を連続して撮像させ、映像信号処理部122に対し、露光量の異なる複数の画像信号(A0、A1)に基づいて、第1の解像度のHDR合成画像を生成させる。
【0097】
この構成によれば、静止画撮像モードでは被写体がほとんど動かないので、時間差をおいて被写体を撮像しても、HDR合成画像における被写体の動きによるノイズの発生が抑えられる。これにより、高解像度の撮像素子のみを使用して被写体を連続して撮像することができるので、高品質なHDR合成画像が生成される。
【0098】
また、この構成によれば、低照度側の暗い被写体を十分な露光量で撮像して生成された電気信号(A0)と、高照度側の明るい被写体を露光量を抑えて撮像して生成された電気信号(A1)とを合成するので、ダイナミックレンジを拡大させた高品質なHDR合成画像が生成される。
【0099】
また、本実施の形態によれば、主制御部101は、動きベクトルが第1の動き閾値以上であると判定した場合には、微動撮像モード又は動体撮像モードに切り替え、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部124に対し、露光量を異ならせて被写体を同時に撮像させ、画像信号処理部122に対し、第1の解像度の画像信号を第2の解像度の画像信号に変換させ、第2の解像度の画像信号を第1の解像度の画像信号に変換させ、第1の解像度のHDR合成画像及び第2の解像度のHDR合成画像を生成させる。
【0100】
この構成によれば、被写体が動いている場合でも、同時に撮像された複数の画像信号に基づいてHDR合成画像が生成されるので、被写体の動きや手振れによるノイズの影響が抑えられ、ダイナミックレンジを拡大させた高品質なHDR合成画像が生成される。
【0101】
また、この構成によれば、解像度の異なるHDR画像が複数生成されるので、ユーザーの用途に適したHDR画像が提供され、使い勝手のよい撮像装置100が提供される。
【0102】
また、本実施の形態によれば、制御部101は、動きベクトルが第1の動き閾値以上、第2の動き閾値以下であると判定した場合には、微動撮像モードに切り替え、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部124に対し、露光量を異ならせて被写体を同時に撮像させた後、第2の映像入力部124に対し、露光量を異ならせて被写体を撮像させる。
【0103】
この構成によれば、露光量が異なる少なくとも3種類の画像信号に基づいてHDR合成処理がされるので、より高品質なHDR合成画像が生成される。
【0104】
また、本実施の形態によれば、第2の撮像素子124bの解像度は、第1の撮像素子123bの解像度よりも低い。
【0105】
この構成によれば、第2の映像入力部124は、第1の映像入力部123よりも短い撮像時間でも同じ露光量を得ることができる。これにより、第2の映像入力部124が時間差を置いて被写体を撮像しても、被写体の動きによるノイズの発生が抑えられるので、HDR合成画像における、被写体の動きによるノイズの発生が抑えられる。
【0106】
また、この構成によれば、第2の撮像素子124のコストが抑えられるので、撮像装置100の製造コストを抑えることができる。
【0107】
また、本実施の形態によれば、表示部121は、HDR合成画像等のサムネイル画像を表示し、サムネイル画像が選択されると、選択されたサムネイル画像に対応するHDR合成画像を表示する。
【0108】
この構成によれば、ユーザーがストレージ部110に記憶されたHDR合成画像等を容易に識別できるようになるので、表示部121に表示させるHDR画像等を選択する際の負担が軽減される。
【0109】
また、本実施の形態によれば、映像入力部120が被写体を撮像し、被写体の画像信号を生成する映像入力ステップS10と、主制御部101が画像信号に基づいて被写体の動き情報を検出する動き情報検出ステップS20と、主制御部101が、動き情報に基づいて、映像入力部120に対し露光量を異ならせて被写体を複数回撮像させる撮像ステップS30と、映像信号処理部122が、露光量が異なる複数の画像信号に基づいて被写体のHDR合成画像を生成するHDR合成画像生成ステップS40と、を有する。
【0110】
この構成によれば、被写体の動きに応じた適切な撮像モードを選択して被写体を撮像することができるので、撮像環境に対応させた高品質なHDR合成画像を生成することができる撮像方法を提供することができる。
【0111】
また、本実施の形態によれば、映像入力部120に被写体を撮像させ、被写体の画像信号を生成させる映像入力ステップS10と、画像信号に基づいて被写体の動き情報を検出する動き情報検出ステップS20と、動き情報に基づいて、映像入力部に対し露光量を異ならせて被写体を複数回撮像させる撮像ステップS30と、映像信号処理部122に対し、露光量が異なる複数の画像信号に基づいて被写体のHDR合成画像を生成させるHDR合成画像生成ステップS40と、をコンピュータである主制御部101に実行させる。
【0112】
この構成によれば、被写体の動きに応じた適切な撮像モードを選択して被写体を撮像することができるので、撮像環境に対応させた高品質なHDR合成画像を生成することができる撮像プログラムを提供することができる。
【0113】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態では、被写体の動き及び光量に基づいて撮像モードを切り替える場合について説明する。なお、以下では、上述の実施の形態1と重複する箇所についての詳細な説明を適宜省略する場合がある。
【0114】
図12図13は、本発明の実施の形態2に係る撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。撮像装置200は、図12に示すように、映像入力部220等を備えている。
【0115】
映像入力部220は、図12図13に示すように、第2の映像入力部224、解像度変換部228等を備えている。第2の映像入力部224は、第2の撮像素子224bを備えている。第2の撮像素子224bは、第1の撮像素子123bと同様に第1の解像度(高解像度)の撮像素子である。第1の撮像素子123b及び第2の撮像素子224bは、解像度変換部228により、解像度が適宜変換されるように構成されている。
【0116】
光量センサ165は、撮像装置200周辺や被写体付近の光量を測定する。そして、光量センサ165は、測定した光量情報を露光制御部126、主制御部101に出力する。
【0117】
露光制御部126は、例えば、光量センサ165から出力された光量情報、主制御部101からの指示に基づいて、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部224dが撮像する際の露光量を設定する。
【0118】
主制御部101は、光量センサ165で測定された光量及び被写体の動きベクトルの検出結果に基づいて撮像モードを切り替える。また、主制御部101は、解像度変換部228に対し、複数の画素をグループ化させることにより、第1の撮像素子123b及び第2の撮像素子224bの解像度を、第1の解像度(高解像度)から第2の解像度(低解像度)に変換させる。また、主制御部101は、解像度変換部228に対し、複数の画素のグループ化を解除させることにより、第1の撮像素子123b及び第2の撮像素子224bの解像度を、第2の解像度(低解像度)から第1の解像度(高解像度)に変換させる。
【0119】
例えば、主制御部101は、撮像モードに応じて、第1の撮像素子123b及び第2の撮像素子224bの解像度を変換させる解像度変換情報を解像度変換部228に出力する。解像度変換部228は、解像度変換情報に基づき、第1の撮像素子123b及び第2の撮像素子224bの解像度を変換する。低解像度に変換された撮像素子では、グループ化された複数の画素が1つの画素とされる。これにより、グループ化後の1画素では、グループ化前の1画素より面積が増大し、露光量が増えるので、同じ露光量を得るための露出時間(シャッタースピード)が短縮される。
【0120】
光量センサ165は、例えば、被写体の高光度の領域から低高度の領域までの光量を測定する。図12図13では、光量センサ165が独立して設けられている場合を例示しているが、このような構成に限定されることはなく、例えば、第1の撮像素子123b又は第2の撮像素子224bが、光量センサ165の機能を兼ね備えていてもよい。
【0121】
次に、本実施の形態に係る撮像方法について説明する。図14図15は、本発明の実施の形態2の撮像方法に係るフローチャート図である。本実施の形態においても、図5に示す、映像入力ステップS10、動き情報検出ステップS20、撮像ステップS30、HDR合成画像生成ステップS40が実施される。映像入力ステップS10、動き情報検出ステップS20は、上述した実施の形態1と同様である。
【0122】
撮像ステップS30では、まずステップS202が実施される。ステップS202では、動き情報に基づいて被写体の動きが判定される。具体的には、主制御部101は、動き情報検出ステップS20で検出した動きベクトルを第3の動き閾値と比較することにより、被写体の動きを判定する。詳しくは、主制御部101は、ストレージ部110に記憶された第3の動き閾値をメモリ104に読み出し、動きベクトルを第3の動き閾値と比較する。第3の動き閾値は、例えば実験等により適宜設定される。
【0123】
[静止画撮像モード]
ステップS202において、主制御部101が、動きベクトルは第3の動き閾値未満であると判定した場合には、ステップS214が実施される。すなわち、主制御部101は、被写体がほとんど動いていないものと判断し、静止画撮像モードに切り替える。
【0124】
ステップS214では、実施の形態1におけるステップS113と同様の処理が実施される。すなわち、第1の映像入力部123は、露光量を異ならせて被写体を連続して撮像する。第1の映像入力部123は、1回目の撮像では、例えば露光量LA0で被写体を撮像し、2回目の撮像では、LA0より少ない露光量LA1で撮像する(LA0>LA1)。第1の撮像素子123bは、例えば図9に示す、高解像度の撮像画像についての電気信号(A0、A1)を生成し、生成した電気信号(A0、A1)を第1の画像処理部122aに出力する。なお、ここでは露光量が異なる2種類の画像信号が合成処理される場合について説明するが、例えば、3種類以上の画像信号が合成処理されてもよい。
【0125】
一方、第2の映像入力部224は、例えば被写体の動画(Bm)を撮像してもよいし、被写界深度を異ならせて被写体を撮像してもよい。また、第2の映像入力部224の第2の撮像素子224bも高解像度であるので、例えば、露光量を異ならせて(例えばLA1等)第1の映像入力部123と同時に被写体を撮像してもよい。第2の撮像素子224bは、露光量LA0の電気信号(A0)、露光量LA1の電気信号(A1)を生成し、生成した電気信号(A0、A1)を第1の画像処理部122aに出力する。第2の撮像素子224bは、動画等に関する画像信号を映像信号処理部122の第2の画像処理部122bに出力する。そして、HDR合成画像生成ステップS40に移行する。
【0126】
HDR合成画像生成ステップS40では、ステップS215が実施される。ステップS215では、実施の形態1におけるステップS114と同様の処理が実施される。すなわち、ステップS214で生成された、露光量の異なる複数の画像信号(A0、A1)に基づいて、画像合成部122cは、第1の解像度のHDR合成画像(A0+A1)を生成する。また、画像合成部122cは、第1の撮像素子123b及び第2の撮像素子で生成された電気信号に基づいてHDR合成画像を生成してもよい。また、画像合成部122cは、HDR合成画像に対応するサムネイル画像を生成する。第1の画像処理部122a、第2の画像処理部122bは、合成前の撮像画像、動画像、これらの画像に対応するサムネイル画像を生成する。
【0127】
なお、第1の画像処理部122a及び第2の画像処理部122bは、高解像度の画像信号を低解像度の画像信号に変換し、画像合成部122cが低解像度のHDR合成画像を生成してもよい。そして、ステップS216に移行する。
【0128】
ステップS216では、実施の形態1におけるステップS115と同様の処理が実施される。すなわち、ステップS215で生成されたHDR合成画像、合成前の撮像画像、動画像、サムネイル画像等がストレージ部110に記憶される。
【0129】
[動体撮像モード]
図16は、本発明の実施の形態2に係るHDR合成処理を模式的に示す図である。撮像ステップS30のステップS202において、主制御部101は、動きベクトルが第3の動き閾値以上であると判定した場合には、被写体の動きが大きいものと判断し、動体撮像モードに切り替える。動体撮像モードに切り替わると、ステップS203に移行する。
【0130】
ステップS203では、光量センサ165で測定された光量に基づいて、撮像モードが切り替えられる。具体的には、光量センサ165は、撮像装置200周辺の光量を測定し、測定した光量に関する情報を光量情報として主制御部101に出力する。主制御部101は、入力された光量情報に基づいて、測定された光量を第1の光量閾値及び第1の光量閾値よりも大きい第2の光量閾値と比較する。詳しくは、主制御部101は、ストレージ部110に記憶された第1の光量閾値及び第2の光量閾値をメモリ104に読み出し、光量を第1の光量閾値及び第2の光量閾値と比較する。第1の光量閾値及び第2の光量閾値は、例えば実験等により適宜設定される。
【0131】
<高光量動体撮像モード>
主制御部101が、光量は第2の光量閾値を超えていると判定した場合には、ステップS224に移行する。すなわち、主制御部101は、光量が高いと判断し、高光量動体撮像モードに切り替える。
【0132】
ステップS224では、主制御部101は、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部224に対し、露光量を異ならせて被写体を同時に撮像させる。このとき、主制御部101は、第1の撮像素子123b及び第2の撮像素子224bの解像度を高解像度である第1の解像度に設定する。
【0133】
例えば、第1の撮像素子123b又は第2の撮像素子224bの解像度が低解像度に設定されていれば、主制御部101は、該当する撮像素子の解像度を変換させる解像度変換情報を解像度変換部228に出力する。解像度変換部228は、入力された解像度変換情報に基づいて、該当する撮像素子の解像度を低解像度から高解像度に変換する。
【0134】
このように撮像素子の解像度が設定されると、第1の映像入力部123は、露光量LA0で被写体を撮像し、例えば図16に示すような高解像度の撮像画像についての電気信号(A0)を生成する。第2の映像入力部124は、LA0より少ない露光量LB0で被写体を撮像し(LA0>LB0)、例えば図16に示すような高解像度の撮像画像についての電気信号(B0)を生成する。
【0135】
第1の撮像素子123bは、露光量LA0の電気信号(A0)を第1の画像処理部122aに出力する。第2の撮像素子124bは、露光量LB0の電気信号(B0)を第2の画像処理部122bに出力する。そして、HDR合成画像生成ステップS40に移行する。
【0136】
HDR合成画像生成ステップS40では、ステップS225が実施される。ステップS225では、ステップS224で生成された複数の画像信号(A0、B0)に基づいて、画像合成部122cが、例えば図16に示す、高解像度のHDR合成画像(A0+B0)を生成する。また、画像合成部122cは、HDR合成画像に対応するサムネイル画像を生成する。第1の画像処理部122a、第2の画像処理部122bは、合成前の撮像画像、動画像、これらの画像に対応するサムネイル画像を生成する。
【0137】
なお、第1の画像処理部122a及び第2の画像処理部122bは、高解像度の画像信号を低解像度の画像信号に変換し、画像合成部122cが低解像度のHDR合成画像を生成してもよい。そして、ステップS237に移行する。
【0138】
ステップS237では、実施の形態1におけるステップS126と同様の処理が実施される。すなわち、ステップS225で生成されたHDR合成画像、合成前の撮像画像、動画像、サムネイル画像等がストレージ部110に記憶される。そして、ステップS204に移行する。ステップS204については後述する。
【0139】
<中光量動体撮像モード>
図17は、本発明の実施の形態2に係るHDR合成処理を模式的に示す図である。主制御部101が、光量は第1の光量閾値以上、第2の光量閾値以下であると判定した場合には、ステップS234に移行する。すなわち、主制御部101は、光量が高光量動体撮像モード時よりも少ないと判断し、中光量動体撮像モードに切り替える。
【0140】
ステップS234では、主制御部101は、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部224に対し、露光量を異ならせて被写体を同時に撮像させる。このとき、主制御部101は、解像度変換部228に対し、第1の撮像素子123bの解像度を第1の解像度に変換させ、第2の撮像素子224bの解像度を第2の解像度に変換させる。
【0141】
例えば、第1の撮像素子123bの解像度が低解像度に設定されていれば、主制御部101は、第1の撮像素子123bの解像度を変換させる解像度変換情報を解像度変換部228に出力する。解像度変換部228は、入力された解像度変換情報に基づいて、第1の撮像素子123bの解像度を低解像度から高解像度に変換する。また、第2の撮像素子224bの解像度が高解像度に設定されていれば、主制御部101は、第2の撮像素子224bの解像度を変換させる解像度変換情報を解像度変換部228に出力する。解像度変換部228は、入力された解像度変換情報に基づいて、第2の撮像素子224bの解像度を高解像度から低解像度に変換する。
【0142】
このように撮像素子の解像度が設定されると、第1の映像入力部123は、露光量LA0で被写体を撮像し、例えば図17(A)、(B)に示すような高解像度の撮像画像についての電気信号(A0)を生成する。第2の映像入力部124は、LA0より少ない露光量Lb0で被写体を撮像し(LA0>Lb0)、例えば図17(A)、(B)に示すような低解像度の撮像画像についての電気信号(b0)を生成する。なお、第2の映像入力部224の解像度は、第1の映像入力部123よりも小さいので、HDR合成画像におけるダイナミックレンジを拡大させるための露光量を適切に設定することができる。
【0143】
第1の撮像素子123bは、露光量LA0の電気信号(A0)を第1の画像処理部122aに出力する。第2の撮像素子124bは、露光量Lb0の電気信号(b0)を第2の画像処理部122bに出力する。そして、HDR合成画像生成ステップS40に移行する。
【0144】
HDR合成画像生成ステップS40では、まず、ステップS235が実施される。ステップS235では、例えば、実施の形態1におけるステップS124と同様の処理が実施される。すなわち、ステップS235では、ステップS234で生成された電気信号の解像度が変換される。具体的には、第1の画像処理部122aは、高解像度の電気信号(A0)に対して解像度変換を実施し、例えば図17(B)に示す、低解像度の電気信号(A0d)を生成する。第2の画像処理部122bは、低解像度の電気信号(b0)に対して解像度変換を実施し、例えば図17(A)に示す、高解像度の電気信号(b0u)を生成する。そして、ステップS236に移行する。
【0145】
ステップS236では、画像合成部122cは、ステップS235で生成された複数の電気信号(A0、b0、A0d、b0u)に基づいて、例えば図17(A)に示す、高解像度のHDR合成画像(A0+b0u)、例えば図17(B)に示す、低解像度のHDR合成画像(A0d+b0)を生成する。また、画像合成部122cは、HDR合成画像に対応するサムネイル画像を生成する。第1の画像処理部122a、第2の画像処理部122bは、合成前の撮像画像、動画像、これらの画像に対応するサムネイル画像を生成する。そして、ステップS237に移行する。
【0146】
ステップS237では、ステップS236で生成されたHDR合成画像、合成前の撮像画像、動画像、サムネイル画像等がストレージ部110に記憶される。そして、ステップS204に移行する。ステップS204については後述する。
【0147】
<低光量動体撮像モード>
図18は、本発明の実施の形態2に係るHDR合成処理を模式的に示す図である。主制御部101が、光量は第1の光量閾値未満であると判定した場合には、ステップS244に移行する。すなわち、主制御部101は、中光量撮像モード時よりも光量が低いと判断し、低光量動体撮像モードに切り替える。
【0148】
ステップS224では、主制御部101は、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部224に対し、露光量を異ならせて被写体を同時に撮像させる。このとき、主制御部101は、解像度変換部228に対し、第1の撮像素子123b及び第2の撮像素子224bの解像度を低解像度である第2の解像度に変換させる。
【0149】
例えば、第1の撮像素子123b又は第2の撮像素子224bの解像度が高解像度に設定されていれば、主制御部101は、該当する撮像素子の解像度を変換させる解像度変換情報を解像度変換部228に出力する。解像度変換部228は、入力された解像度変換情報に基づいて、該当する撮像素子の解像度を高解像度から低解像度に変換する。
【0150】
このように撮像素子の解像度が設定されると、第1の映像入力部123は、露光量La0で被写体を撮像し、例えば図18に示す、低解像度の撮像画像についての電気信号(a0)を生成する。第2の映像入力部124は、La0より少ない露光量Lb0で被写体を撮像し、例えば図18に示す、低解像度の撮像画像についての電気信号(b0)を生成する。なお、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部224の解像度は、低解像度に設定されているので、HDR合成画像におけるダイナミックレンジを拡大させるための露光量を適切に設定することができる。
【0151】
第1の撮像素子123bは、露光量La0の電気信号(a0)を第1の画像処理部122aに出力する。第2の撮像素子124bは、露光量Lb0の電気信号(b0)を第2の画像処理部122bに出力する。そして、HDR合成画像生成ステップS40に移行する。
【0152】
HDR合成画像生成ステップS40では、ステップS225が実施される。ステップS225では、ステップS224で生成された複数の画像信号(a0、b0)に基づいて、画像合成部122cが、例えば図18に示す、低解像度のHDR合成画像(a0+b0)を生成する。また、画像合成部122cは、HDR合成画像に対応するサムネイル画像を生成する。第1の画像処理部122a、第2の画像処理部122bは、合成前の撮像画像、動画像、これらの画像に対応するサムネイル画像を生成する。そして、ステップS237に移行する。
【0153】
ステップS237では、ステップS225で生成されたHDR合成画像、合成前の撮像画像、動画像、サムネイル画像等がストレージ部110に記憶される。
【0154】
なお、第1の画像処理部122a及び第2の画像処理部122bは、低解像度の画像信号を高解像度の画像信号に変換し、画像合成部122cが高解像度のHDR合成画像を生成してもよい。そして、ステップS204に移行する。
【0155】
ステップS204では、実施の形態1におけるステップS104と同様の処理が実施され、表示部121に表示させる画像等が選択される。そして、ステップS205に移行する。
【0156】
ステップS205では、実施の形態1におけるステップS105同様の処理が実施され、ステップS204においてユーザーが選択した画像が、表示部121に表示される。
【0157】
本実施の形態によれば、光量を測定する光量センサ165を備え、主制御部101は、動きベクトル及び光量に基づいて、映像入力部220に対し露光量を異ならせて被写体を複数回撮像させる。
【0158】
この構成によれば、被写体の動き、周辺の光量に応じた、より適切な撮像モードを選択することができるので、撮像環境に対応させた高品質なHDR合成画像が生成される。
【0159】
また、本実施の形態によれば、主制御部101は、動きベクトルを第3の動き閾値と比較し、動き情報が第3の動き閾値未満であると判定した場合には、静止画撮像モードに切り替え、第1の映像入力部123に対し、露光量を異ならせて被写体を連続して撮像させ、映像信号処理部122に対し、第1の解像度のHDR合成画像を生成させる。
【0160】
この構成によれば、被写体がほとんど動かないので、時間差をおいて被写体を撮像しても、被写体の動きによるノイズの発生を抑えることができる。これにより、第1の映像入力部123のみを使用して、撮像環境に対応させた高品質なHDR合成画像が生成される。また、これにより、第2の映像入力部224を動画撮像等に使用することが可能となり、使い勝手のよい撮像装置200が提供される。
【0161】
また、本実施の形態によれば、主制御部101は、動きベクトルが第3の動き閾値以上、光量が第2の光量閾値を超えていると判定した場合には、高光量動体撮像モードに切り替え、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部224に対し、露光量を異ならせて被写体を同時に撮像させ、映像信号処理部122に対し、高解像度のHDR合成画像を生成させる。
【0162】
この構成によれば、被写体の動きによるノイズの発生を抑えることができるので、被写体の動きが大きくて、高品質な高解像度のHDR合成画像(A0+B0)が生成される。
【0163】
また、本実施の形態によれば、主制御部101は、動きベクトルが第3の動き閾値以上、光量が第1の光量閾値以上、第2の光量閾値以下であると判定した場合には、中光量動体撮像モードに切り替え、解像度変換部228に対し、第2の撮像素子224の解像度を第2の解像度に変換させ、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部224に対し、露光量を異ならせて被写体を同時に撮像させる。そして、主制御部101は、第1の映像入力部123で生成された画像信号の解像度を第2の解像度に変換し、第2の映像入力部224で生成された画像信号の解像度を第1の解像度に変換し、映像信号処理部122に対し、第1の解像度のHDR合成画像及び第2の解像度のHDR合成画像を生成させる。
【0164】
この構成によれば、第2の撮像素子224bの解像度が低解像度に変換されることにより、解像度変換後の画素の面積が増大するので、それぞれの画素の感度が向上する。これにより、第2の映像入力部224による撮像時間(露出時間)が短縮されるので、光量が少ない状況であっても、被写体の動きによるノイズの発生が抑えられ、撮像環境に対応させた高品質なHDR合成画像(A0+b0u、A0d+b0)が生成される。
【0165】
また、この構成によれば、解像度の異なる複数のHDR合成画像が生成されるので、ユーザーの用途に適したHDR画像が提供され、使い勝手のよい撮像装置200が提供される。
【0166】
また、本実施の形態によれば、主制御部101は、動きベクトルが第3の動き閾値以上、光量が第1の光量閾値未満であると判定した場合には、低光量動体撮像モードに切り替え、解像度変換部228に対し、第1の撮像素子123b及び第2の撮像素子224bの解像度を第2の解像度に変換させ、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部224に対し、露光量を異ならせて被写体を同時に撮像させ、映像信号処理部122に対し、第2の解像度のHDR合成画像を生成させる。
【0167】
この構成によれば、第1の撮像素子123b及び第2の撮像素子224bでは、解像度が低解像度に変換されることにより、解像度変換後の画素の面積が増大するので、それぞれの画素の感度が向上する。これにより、第1の映像入力部123及び第2の映像入力部224の双方の撮像時間が短縮されるので、光量がさらに少ない状況であっても、被写体の動きによるノイズの発生が抑えられ、撮像環境に対応させた高品質なHDR合成画像(a0+b0)が生成される。
【0168】
また、本実施の形態によれば、主制御部101は、解像度変換部228に対し、複数の画素をグループ化させることにより、第1の撮像素子123b及び第2の撮像素子224bの解像度を、高解像度から低解像度に変換させ、解像度変換部228に対し、複数の画素のグループ化を解除させることにより、第1の撮像素子123b及び第2の撮像素子224bの解像度を、低解像度から高解像度に変換させる。
【0169】
この構成によれば、それぞれの解像度ごとの撮像素子を用意しなくてもよいので、撮像装置が小型化される。また、これにより、撮像装置の製造コストの増大を抑えられる。
【0170】
(その他の実施の形態)
ここまで説明した実施の形態1、2では、主制御部101は、第1の撮像素子123b又は第2の撮像素子124b(224b)で生成された画像信号に基づいて被写体の動き情報(例えば動きベクトル)を検出する。ただし、これ以外にも、例えば、映像入力部120の焦点距離に基づいて被写体の動き情報を検出してもよい。具体的には、映像入力部120の焦点距離が短い場合には手振れの影響は小さく、焦点距離が長い場合には手振れの影響が大きくなる。すなわち、主制御部101は、焦点距離が短いと、被写体の動きが小さいという動き情報を検出し、焦点距離が長いと、被写体の動きが大きいという動き情報を検出する。そこで、主制御部101は、映像入力部120の焦点距離を、第1の焦点距離閾値、第1の焦点距離閾値より大きい第2の焦点距離閾値と比較する。そして、主制御部101は、映像入力部120の焦点距離が、第1の焦点距離閾値未満であると判定した場合には、静止画撮像モードに切り替える。また、主制御部101は、映像入力部120の焦点距離が、第1の焦点距離閾値以上、第2の焦点距離以下であると判定した場合には、微動撮像モードに切り替える。また、主制御部101は、映像入力部120の焦点距離が、第2の焦点距離閾値を超えると判定した場合には、動体撮像モードに切り替える。このように、映像入力部120の焦点距離に基づいて撮像モードを切り替えても、上述した効果が得られる。
【0171】
さらに、実施の形態1、2では、第1の映像入力部123、第2の映像入力部124(224)の2台のカメラで被写体を撮像し、HDR合成画像を生成する場合について説明したが、たとえば、3台以上のカメラを用いて被写体を撮像し、HDR合成画像を生成してもよい。
【0172】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、言うまでもなく、本発明の技術を実現する構成は、これらの実施の形態に限定されるものではない。また、文中や図中に現れる数値等は、あくまでも一例であり、異なるものを用いても本発明の効果を損なうことはない。
【0173】
上述した本発明の機能等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現されてもよいし、マイクロプロセッサユニット等のコンピュータがそれぞれの機能等を実現するプログラムを解釈して実行することによりソフトウェアで実現されてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとが併用されて実現されてもよい。
【0174】
また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしも製品上の全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0175】
100…撮像装置、101…主制御部、104a…基本動作実行部、104b…カメラ機能実行部、110a…基本動作プログラム記憶領域、110b…カメラ機能プログラム記憶領域、120…映像入力部、123…第1の映像入力部、123b…第1の撮像素子、124…第2の映像入力部、124b…第2の撮像素子、165…光度センサ、224…第2の映像入力部、224b…第2の撮像素子、228…解像度変換部
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