(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008679
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、および業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20240112BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110734
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】薄井 正陽
(72)【発明者】
【氏名】中島 悠希
(72)【発明者】
【氏名】大友 広太郎
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC03
(57)【要約】
【課題】納入先未決定で受注した製品についての個体別出荷情報管理を効率化することができる業務支援装置、業務支援方法、および業務支援プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】本実施形態では、製造番号(一つの個体に固有の番号)別に納品情報と出荷情報を、製造実績を受注別かつ品番別に管理する製造実績データに紐付けて管理する製造番号データを生成し、受注別かつ品番別の納品依頼情報であって製造番号を設定可能なものを基に、製造番号データ内に納品情報を所定のルールに従って設定し、製造番号データから、納品情報が設定済みで且つ出荷情報が未設定の製造番号を抽出し、当該抽出した製造番号を対象に出荷製造番号データを生成すると共に、製造番号データ内に当該抽出した製造番号に紐付けて出荷情報を設定する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
納入先未決定で受注した製品についての個体別出荷情報管理を支援するための、制御部を備える業務支援装置であって、
製品の製造実績を受注別かつ品番別に管理する製造実績管理データにアクセス可能であり、
前記制御部は、
製品の個体を識別するための個体識別情報別に当該個体の納品情報と出荷情報を前記製造実績管理データに紐付けて管理する個体管理データを生成する生成手段と、
製品に関する受注別かつ品番別の納品依頼情報であって個体識別情報を設定可能なものを基に、前記個体管理データ内に納品情報を所定のルールに従って設定する設定手段と、
前記個体管理データから、納品情報が設定済みで且つ出荷情報が未設定の個体識別情報を抽出し、当該抽出した個体識別情報を対象に出荷データを生成すると共に、前記個体管理データ内に、当該抽出した個体識別情報に紐付けて出荷情報を設定する出荷処理手段と、
を備えること、
を特徴とする業務支援装置。
【請求項2】
前記制御部は、
指定された受注識別情報と品番を基に、前記個体管理データにおける納品情報と出荷情報の設定状況を出力する照会手段
をさらに備えること、
を特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記納品依頼情報に製品の個体識別情報が設定されていなかった場合、前記個体管理データにおいて納品情報が未設定の個体識別情報の昇順に、納品情報を前記個体管理データに設定すること、
を特徴とする請求項1または2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
製品の製造実績を受注別かつ品番別に管理する製造実績管理データにアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置で実行される、納入先未決定で受注した製品についての個体別出荷情報管理を支援するための登録業務支援方法であって、
前記制御部で実行される、
製品の個体を識別するための個体識別情報別に当該個体の納品情報と出荷情報を前記製造実績管理データに紐付けて管理する個体管理データを生成する生成ステップと、
製品に関する受注別かつ品番別の納品依頼情報であって個体識別情報を設定可能なものを基に、前記個体管理データ内に納品情報を所定のルールに従って設定する設定ステップと、
前記個体管理データから、納品情報が設定済みで且つ出荷情報が未設定の個体識別情報を抽出し、当該抽出した個体識別情報を対象に出荷データを生成すると共に、前記個体管理データ内に、当該抽出した個体識別情報に紐付けて出荷情報を設定する出荷処理ステップと、
を含むこと、
を特徴とする業務支援方法。
【請求項5】
製品の製造実績を受注別かつ品番別に管理する製造実績管理データにアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置に実行させるための、納入先未決定で受注した製品についての個体別出荷情報管理を支援するための業務支援プログラムであって、
前記制御部に実行させるための、
製品の個体を識別するための個体識別情報別に当該個体の納品情報と出荷情報を前記製造実績管理データに紐付けて管理する個体管理データを生成する生成ステップと、
製品に関する受注別かつ品番別の納品依頼情報であって個体識別情報を設定可能なものを基に、前記個体管理データ内に納品情報を所定のルールに従って設定する設定ステップと、
前記個体管理データから、納品情報が設定済みで且つ出荷情報が未設定の個体識別情報を抽出し、当該抽出した個体識別情報を対象に出荷データを生成すると共に、前記個体管理データ内に、当該抽出した個体識別情報に紐付けて出荷情報を設定する出荷処理ステップと、
を含むこと、
を特徴とする業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、および業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
得意先(例えば携帯キャリアなど)から、まとまった数(例えば100個など)の受注生産製品(例えば携帯基地局に設置される通信機器など)を、納品情報(例えば納入先など)が未決定の状況で、品番単位で受注する商慣習が存在する。また、得意先から知らされた納品情報を基に、製造した受注生産製品を、個体単位で、指定された納入先へ出荷する出荷業務も存在する。
【0003】
特許文献1には、納期管理に関する業務を効率化することができる納期管理装置等について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上述した出荷業務について、得意先から納品情報を知らされる時期は出荷直前であり(具体的には、納品情報において指定された納期に間に合わせるには、当該納品情報が知らされたら速やかに出荷しなければならず)、また、知らされる納入先は一箇所ではなく多岐にわたり、さらに、納入先の都合(具体的には製品受入の準備等)により一度に出荷することができない、という実情があるため、業務負荷が高くなる傾向があった。それゆえ、当該出荷業務(具体的には、当該出荷業務に関わる個体別の製造実績管理、納品情報管理、および出荷管理)について、システム化による改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、納入先未決定で受注した製品についての個体別出荷情報管理を効率化することができる業務支援装置、業務支援方法、および業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、納入先未決定で受注した製品についての個体別出荷情報管理を支援するための、制御部を備える業務支援装置であって、製品の製造実績を受注別かつ品番別に管理する製造実績管理データにアクセス可能であり、前記制御部は、製品の個体を識別するための個体識別情報別に当該個体の納品情報と出荷情報を前記製造実績管理データに紐付けて管理する個体管理データを生成する生成手段と、製品に関する受注別かつ品番別の納品依頼情報であって個体識別情報を設定可能なものを基に、前記個体管理データ内に納品情報を所定のルールに従って設定する設定手段と、前記個体管理データから、納品情報が設定済みで且つ出荷情報が未設定の個体識別情報を抽出し、当該抽出した個体識別情報を対象に出荷データを生成すると共に、前記個体管理データ内に、当該抽出した個体識別情報に紐付けて出荷情報を設定する出荷処理手段と、を備えること、を特徴とする。
【0008】
なお、本発明に係る業務支援装置において、前記制御部は、指定された受注識別情報と品番を基に、前記個体管理データにおける納品情報と出荷情報の設定状況を出力する照会手段をさらに備えてもよい。
【0009】
また、本発明に係る業務支援装置において、前記設定手段は、前記納品依頼情報に製品の個体識別情報が設定されていなかった場合、前記個体管理データにおいて納品情報が未設定の個体識別情報の昇順に、納品情報を前記個体管理データに設定してもよい。
【0010】
また、本発明に係る業務支援方法は、製品の製造実績を受注別かつ品番別に管理する製造実績管理データにアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置で実行される、納入先未決定で受注した製品についての個体別出荷情報管理を支援するための登録業務支援方法であって、前記制御部で実行される、製品の個体を識別するための個体識別情報別に当該個体の納品情報と出荷情報を前記製造実績管理データに紐付けて管理する個体管理データを生成する生成ステップと、製品に関する受注別かつ品番別の納品依頼情報であって個体識別情報を設定可能なものを基に、前記個体管理データ内に納品情報を所定のルールに従って設定する設定ステップと、前記個体管理データから、納品情報が設定済みで且つ出荷情報が未設定の個体識別情報を抽出し、当該抽出した個体識別情報を対象に出荷データを生成すると共に、前記個体管理データ内に、当該抽出した個体識別情報に紐付けて出荷情報を設定する出荷処理ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る業務支援プログラムは、製品の製造実績を受注別かつ品番別に管理する製造実績管理データにアクセス可能な、制御部を備える情報処理装置に実行させるための、納入先未決定で受注した製品についての個体別出荷情報管理を支援するための業務支援プログラムであって、前記制御部に実行させるための、製品の個体を識別するための個体識別情報別に当該個体の納品情報と出荷情報を前記製造実績管理データに紐付けて管理する個体管理データを生成する生成ステップと、製品に関する受注別かつ品番別の納品依頼情報であって個体識別情報を設定可能なものを基に、前記個体管理データ内に納品情報を所定のルールに従って設定する設定ステップと、前記個体管理データから、納品情報が設定済みで且つ出荷情報が未設定の個体識別情報を抽出し、当該抽出した個体識別情報を対象に出荷データを生成すると共に、前記個体管理データ内に、当該抽出した個体識別情報に紐付けて出荷情報を設定する出荷処理ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、納入先未決定で受注した製品についての個体別出荷情報管理を効率化することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、業務支援装置100の構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、受注データ106a、製造番号データ106b、および製造構成データ106cのデータ構造およびこれらデータに設定される情報についての一例を示す図である。
【
図3】
図3は、外部システムからの製造番号の受入による製造番号データ106dの生成処理の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、生成処理後の製造番号状況照会画面MBの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、製造実績入力画面MCを介したオペレータの操作による製造番号の採番による製造番号データ106dの生成処理の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、納品情報更新処理のフローチャートの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、納品依頼受入処理の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、納品情報更新処理前の製造番号データ106bと
図7に示す納品依頼受入処理を含む納品情報更新処理後の製造番号データ106bの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、納品依頼受入処理の別の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、
図9に示す納品依頼受入処理を含む納品情報更新処理後の製造番号データ106bの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、納品情報更新処理後の製造番号状況照会画面MBの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、出荷処理に関連する出荷入力画面MEの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、出荷処理で生成された出荷製造番号データ106eおよび出荷処理後の製造番号データ106dの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、出荷処理後の製造番号状況照会画面MBの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る業務支援装置、業務支援方法、および業務支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.構成]
本実施形態に係る業務支援装置100の構成の一例について、
図1等を参照して説明する。
図1は、業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0016】
業務支援装置100は、納入先未決定で受注した製品についての個体別出荷情報管理等を支援するためのものである。業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0017】
業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0018】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0019】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114(本発明の出力部に相当)が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0020】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0021】
記憶部106は、受注データ106a、製造実績データ106b(本発明の製造実績管理データに相当)、製造構成データ106c(本発明の製造実績管理データに相当)、製造番号データ106d(本発明の個体管理データに相当)、および出荷製造番号データ106e(本発明の出荷データに相当)などを格納する。
【0022】
受注データ106aのデータ構造および受注データ106aで保持される情報(項目値)の具体例は、
図2を参照されたい。なお、受注時点では、得意先において納品情報(具体的には納入先)が未決定のため、得意先から納品情報は知らされないので、
図2に示す通り納入先は空欄となる。また、受注番号は、本発明の受注識別情報に相当するものである。また、製品は、例えば受注生産製品などである。
【0023】
製造実績データ106bのデータ構造および製造実績データ106bに設定される情報(項目値)の具体例は、
図2を参照されたい。
【0024】
製造構成データ106cのデータ構造および製造構成データ106cに設定される情報(項目値)の具体例は、
図2を参照されたい。なお、
図2には、例えば、受注生産で製造された1台の製品Aが、1台のユニットA1、1台のユニットA2、および1台のユニットA3で構成されることが示されている。
【0025】
製造番号データ106dのデータ構造ならびに製造番号データ106dに設定される情報(項目値)の具体例は、
図3、
図5、
図8、
図10、および
図13を参照されたい。なお、製造番号データ106dは、製造番号別に個体の納入先、納入先住所、および納期ならびに個体の出荷番号を製造実績データ106bに紐付けて管理するものである。また、製造番号は、本発明の個体識別情報に相当するものである。また、納入先、納入先住所、および納期は、本発明の納品情報に相当するものである。また、出荷番号は、本発明の出荷情報に相当するものである。
【0026】
出荷製造番号データ106eのデータ構造ならびに製造番号データ106eに設定される情報(項目値)の具体例は、
図13を参照されたい。
【0027】
図1に戻り、制御部102は、業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0028】
制御部102は、機能概念的に、生成部102a(本発明の生成手段に相当)、設定部102b(本発明の設定手段に相当)、出荷処理部102c(本発明の出荷処理手段に相当)、および照会部102d(本発明の照会手段に相当)などを備える。
【0029】
生成部102aは、外部システムから提供された
図3に示す受入データ(例えばCSVファイルなど)を基に、または、製造実績入力画面MC(
図5参照)を介したオペレータの指示を基に、製造実績データ106bを参照して、製造番号データ106dを生成する情報処理手段である。
【0030】
設定部102bは、得意先から提供された
図7や
図9に示す納品依頼データ(例えばCSVファイルなど)を基に、製造番号データ106d内に納入先、納入先住所、および納期を、納品情報更新処理(
図6参照)に従って設定する情報処理手段である。なお、納品依頼データは、本発明の納品依頼情報に相当するものである。また、納品情報更新処理は、本発明の所定のルールに相当するものである。また、設定部102bは、納品依頼データに製造番号が設定されていなかった場合、製造番号データ106dにおいて納入先、納入先住所、および納期が未設定の製造番号の昇順に、納入先、納入先住所、および納期を製造番号データ106dに設定してもよい。
【0031】
出荷処理部102cは、製造番号データ106dから、納入先、納入先住所、および納期が設定済みで且つ出荷番号が未設定の製造番号を抽出し、当該抽出した製造番号を対象に出荷製造番号データ106eを生成すると共に、製造番号データ106d内に、当該抽出した製造番号に紐付けて出荷番号を設定する情報処理手段である。
【0032】
照会部102dは、指定された受注番号と品番を基に、製造番号データ106dにおける納入先、納入先住所、および納期と出荷番号の設定状況を出力する情報処理手段である。
【0033】
制御部102が備える各処理部が実行する処理の具体例は、以下の[2.処理の具体例]にて詳細に説明する。
【0034】
[2.処理の具体例]
ここでは、業務支援装置100で実行される処理の具体例を、
図2-
図14を参照して説明する。本説明では、[2-1.製造番号データ生成]、[2-2.納品情報更新]、[2-3.出荷処理]の順に、処理の具体例を説明する。また、本説明では、製品は、携帯キャリアから受注生産で受注した、携帯基地局に設置される通信機器であることを前提とする。
【0035】
[2-1.製造番号データ生成(
図2-
図5参照)]
ここでは、製造して完成した製品に、製造番号(1台ごとに固有の番号)を採番する。生成部102aは、製造番号受入画面MA(
図3参照)を介して取り込まれた、外部システムから提供された、採番済みの製造番号を含む受入データ(
図3参照)を基に、製造実績データ106b(
図2参照)を参照して、製造番号データ106d(
図3参照)を生成する。なお、
図3に示す製造番号データ106dが生成された段階でオペレータが製造番号状況照会画面MB(
図4参照)を起動させ、図示の如く受注番号と品番を指定すると、照会部102dは、当該指定された受注番号と品番を基に製造番号データ106dを参照して、製造番号状況照会画面MBの明細表示領域に製造番号データ106dの設定状況を出力する。ここで、製造番号状況照会画面MBにおいて、「割当」というステータスは、製造番号データ106dにおいて納入先、納入先住所、および納期が空欄(NULL)であるときは「未」と表示され、そうでないときは「済」と表示される。また、製造番号状況照会画面MBにおいて、「出荷」というステータスは、製造番号データ106dにおいて出荷番号が空欄(NULL)であるときは「未」と表示され、そうでないときは「済」と表示される。また、製造番号状況照会画面MB内の「総数」「未割当」「割当済未出荷」「出荷済」の表示領域には、これらの条件に該当するレコードの件数が表示される。
【0036】
なお、オペレータが製造実績入力画面MC(
図5参照)を起動させ、所望の製造実績番号と受注番号を指定し、自動採番ボタンを押下すると、生成部102aは、「品番-製造実績番号-連番」という採番ルールに従って、製造番号を採番し、当該採番した製造番号を基に、製造実績データ106b(
図2参照)を参照して、製造番号データ106d(
図5参照)を生成してもよい。
【0037】
このように、製造番号データ生成の処理では、外部データ(例えば製造分の銘板(プレート)の彫刻結果やラベル等の発行結果を含むもの等)から製造番号を受け入れて、製造番号データ106dを生成してもよく、また、例えば製造実績データ106bの登録時等にオペレータの操作で完成数と等しい個数分の製造番号を採番(自動または手動)して、製造番号データ106dを生成してもよい。
【0038】
[2-2.納品情報更新(
図6-
図11参照)]
ここでは、得意先からの納品依頼を基に、製造番号データ106dの納品情報を更新する。設定部102bは、
図6に示す納品情報更新処理を実行して、製造番号データ106d内に納入先、納入先住所、および納期を設定する。
【0039】
まず、設定部102bは、得意先から提供された納品依頼データ(
図7、
図9参照)を、納品依頼受入画面MD(
図7参照)を介して取り込んで、当該データの設定内容をデータテーブルへ受け入れ、受け入れ後のデータテーブルの先頭(一つ目)のレコードから順に処理対象のレコードを設定する(
図6:ステップSA1)。
つぎに、ステップSA1で設定したレコードに製造番号が指定されていない場合(
図6:ステップSA2:No)、設定部102bは、製造番号データ106dを参照して、当該設定したレコードに含まれる受注番号と品番に紐づき且つ空欄(NULL)の納入先、納入先住所、および納期に紐づき且つ最小の製造番号を特定する(
図6:ステップSA3)。
つぎに、設定部102bは、ステップSA3で特定した製造番号をステップSA1で設定したレコードに登録更新する(
図6:ステップSA4)。
つぎに、設定部102bは、ステップSA1で設定したレコードに含まれる受注番号と品番と製造番号に紐づく製造番号データ106dのレコードに、当該設定したレコードに含まれる納入先、納入先住所、および納期を登録更新する(
図6:ステップSA5)。
一方、ステップSA1で設定したレコードに製造番号が指定されている場合(
図6:ステップSA2:Yes)、ステップSA5へ進む。
そして、データテーブルに次のレコードがある場合(
図6:ステップSA6:Yes)、ステップSA2へ戻り、データテーブルに次のレコードがない場合(
図6:ステップSA6:No)、処理を終了する。
【0040】
以上の納品情報更新の処理により、例えば、受け入れ後のデータテーブルが
図7に示すものであったときは、
図8に示すように製造番号データ106dが更新され、受け入れ後のデータテーブルが
図9に示すものであったときは、
図10に示すように製造番号データ106dが更新される。なお、製造番号データ106dが
図10に示すものに更新された段階でオペレータが製造番号状況照会画面MB(
図11参照)を起動させ、図示の如く受注番号と品番を指定すると、照会部102dは、当該指定された受注番号と品番を基に製造番号データ106dを参照して、製造番号状況照会画面MBの明細表示領域に製造番号データ106dの設定状況を出力する。
【0041】
ちなみに、得意先のシステムに製造番号データ106dが連携されていれば得意先から製造番号が指定されることもあるが、基本的には得意先が製造番号まで把握していることは少ないので、
図6に示す処理フローにおいてステップSA3とステップSA4が実行される流れに進むことが多い。
【0042】
[2-3.出荷処理(
図12-
図14参照)]
オペレータが出荷処理画面ME(
図12参照)を起動させ、図示の如く抽出条件を指定すると、出荷処理部102cは、当該指定した抽出条件に合致する製造番号データ106d内のレコードであって納品情報が割り当て済み(具体的には納入先、納入先住所、および納期が空欄(NULL)でない)且つ出荷情報が未設定(具体的には出荷番号が空欄(NULL)である)のものを一覧表示し(
図12参照)、オペレータが出荷処理画面MEにおいて出荷対象の明細を指定して登録ボタンを押下すると、出荷処理部102cは、オペレータが出荷対象として指定した製造番号データ106d内のレコードを基に、出荷製造番号データ106eを生成する処理と、当該指定したレコードに出荷番号を設定する処理とを実行する(
図13)。なお、製造番号データ106dが
図13に示すものに更新された段階でオペレータが製造番号状況照会画面MB(
図14参照)を起動させ、図示の如く受注番号と品番を指定すると、照会部102dは、当該指定された受注番号と品番を基に製造番号データ106dを参照して、製造番号状況照会画面MBの明細表示領域に製造番号データ106dの設定状況を出力する。
【0043】
[3.本実施形態のまとめ]
得意先(携帯キャリア)から、まとまった数(例えば100基など)で製品を受注するが、受注時点では納入先が決まっていない商慣習がある。具体的には、得意先から受けた単品管理を行う製品に対し、必要数総量の注文を得意先から受けて受注生産を行う。しかし、完成した製品を得意先が指定する場所および日付に指定数を出荷する業務において、納品場所が多岐に渡ることや納品先の製品受入等の準備の都合により出荷は一度に行われず、また得意先の計画変更も発生し得る。
【0044】
そこで、本実施形態では、出荷前時点で得意先から各製品の納品情報を受け取り、製造番号単品ごとに納入先を変更して出荷し、さらに出荷後のデータ管理を行う。これにより、納入先(携帯基地局)別且つ製造番号単品別のデータ管理が可能となり、出荷業務と出荷後のメンテナンス作業の管理の効率化が実現できた。
【0045】
また、本実施形態では、受注製造に関する製造実績に対して製造番号単品ごとの情報を生成し、得意先の意向が確定した際に製造番号データ106dの製造番号ごとに、確定した納入先等を割り当てた結果を登録する。これにより、製造番号ごとに出荷業務を支援すること、および、完成品在庫に対する納品情報の割当状況や出荷状況のステータスを容易に把握すること、が可能となる。ステータスの把握が可能となることは、自社の関連部署間で状況確認を行うことにとどまらず、得意先との状況確認もスムーズに行うことに貢献する。
【0046】
なお、本実施形態に係る業務支援装置100は、工事が関連する製品の受注であって製品の納入先が工事現場への出荷の直前に決定するような運用がなされている業界に適用可能である。
【0047】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0048】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0049】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0050】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0051】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0052】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0053】
また、業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0054】
例えば、業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0055】
また、このコンピュータプログラムは、業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0056】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0057】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0058】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0059】
また、業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0060】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、機械製造業等の様々な業界、特に、得意先から、まとまった数(例えば100個など)の製品を、納品情報(例えば納入先など)が未決定の状況で、品番単位で受注する商慣習がある業界、において有用である。
【符号の説明】
【0062】
100 業務支援装置
102 制御部
102a 生成部
102b 設定部
102c 出荷処理部
102d 照会部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 受注データ
106b 製造実績データ
106c 製造構成データ
106d 製造番号データ
106e 出荷製造番号データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク