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特開2024-86797動線表示装置、動線表示方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086797
(43)【公開日】2024-06-28
(54)【発明の名称】動線表示装置、動線表示方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20240621BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240621BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20240621BHJP
【FI】
G06F3/0482
G06F3/01 510
G06F3/0481
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024061264
(22)【出願日】2024-04-05
(62)【分割の表示】P 2022527264の分割
【原出願日】2020-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】西村 祥治
(57)【要約】
【課題】人の動きをわかりやすく表示手段に表示させる技術を提供する。
【解決手段】動線表示装置は、取得部及び表示処理部を備えている。取得部は、少なくとも一つの動線情報を取得する。動線情報は、人の動線、並びに、その人が動線に沿って移動したときに行った行為及び当該行為を行った位置を示す行為情報を含んでいる。また動線情報は複数の人それぞれについて生成されて記憶部に記憶されている。取得部は、複数の行為と当該複数の行為の順序とを含む選択条件に基づいて選択される動線情報を取得する。表示処理部は、取得された動線情報に基づいて、表示部に、動線情報が示す動線、行為情報が示す行為を示す行為内容情報、及びその行為を行った位置を示す行為位置情報を表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の動線、並びに、前記人が前記動線に沿って移動したときに行った行為及び当該行為を行った位置を示す行為情報を含む動線情報を複数の前記人それぞれについて記憶する記憶手段から、複数の前記行為と当該複数の行為の順序とを含む選択条件に基づいて選択される前記動線情報を取得する取得手段と、
取得された前記動線情報に基づいて、表示手段に、前記動線、前記行為の内容を示す行為内容情報、及び前記行為を行った位置を示す行為位置情報を表示させる表示制御手段と、
を備える動線表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の動線表示装置において、
前記行為内容情報の少なくとも一つはマーク又は文字であり、
前記マーク又は文字は、前記動線のうち当該行為が行われた位置又はその近傍に表示されることにより、前記行為位置情報を兼ねている動線表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の動線表示装置において、
前記行為内容情報の少なくとも一つは、前記動線を示す線であり、当該線の種類によって前記行為を示しており、
前記線の種類は、前記動線における前記人の移動速度を用いて設定されている動線表示装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の動線表示装置において、
前記動線情報は、前記行為が行われたタイミングを示すタイミング情報を含んでおり、
前記表示制御手段は、前記表示手段に、前記タイミング情報が示すタイミングも表示させる動線表示装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の動線表示装置において、
前記取得手段は、複数の前記人それぞれの前記動線情報を取得し、
前記表示制御手段は、前記複数の人それぞれの前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報を前記表示手段に表示させる動線表示装置。
【請求項6】
請求項5に記載の動線表示装置において、
前記表示制御手段は、
前記複数の人から少なくとも一人をユーザに選択させるための選択表示を前記表示手段に表示させ、
前記選択表示において前記ユーザが選択した前記人を特定する情報を取得し、当該人の前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報を前記表示手段に表示させるとともに、他の前記人の前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報を前記表示手段に表示させない動線表示装置。
【請求項7】
請求項5に記載の動線表示装置において、
前記表示制御手段は、
前記複数の人から少なくとも一人をユーザに選択させるための選択表示を前記表示手段に表示させ、
前記選択表示において前記ユーザが選択した前記人を特定する情報を取得し、当該人の前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報を、他の前記人の前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報から識別可能な状態で前記表示手段に表示させる動線表示装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の動線表示装置において、
前記選択条件は、前記行為に関している動線表示装置。
【請求項9】
コンピュータが、
人の動線、並びに、前記人が前記動線に沿って移動したときに行った行為及び当該行為を行った位置を示す行為情報を含む動線情報を複数の前記人それぞれについて記憶する記憶手段から、複数の前記行為と当該複数の行為の順序とを含む選択条件に基づいて選択される前記動線情報を取得する取得処理と、
取得された前記動線情報に基づいて、表示手段に、前記動線、前記行為の内容を示す行為内容情報、及び前記行為を行った位置を示す行為位置情報を表示させる表示処理と、
を行う動線表示方法。
【請求項10】
コンピュータに、
人の動線、並びに、前記人が前記動線に沿って移動したときに行った行為及び当該行為を行った位置を示す行為情報を含む動線情報を複数の前記人それぞれについて記憶する記憶手段から、複数の前記行為と当該複数の行為の順序とを含む選択条件に基づいて選択される前記動線情報を取得する取得機能と、
取得された前記動線情報に基づいて、表示手段に、前記動線、前記行為の内容を示す行為内容情報、及び前記行為を行った位置を示す行為位置情報を表示させる表示処理機能と、
を持たせるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動線表示装置、動線表示方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、画像解析などを用いることにより人の動線を把握することが行われている。そして得られた動線は、ディスプレイなどの表示部に表示される。
【0003】
例えば特許文献1には、撮像画像から追跡対象物を検知できているか否かを示す検知フラグを形成し、この検知フラグに基づいて動線の表示種別を決定することが記載されている。そして特許文献1において、動線は、撮影画像に重ねて表示される。
【0004】
また特許文献2には、以下の技術が記載されている。まず、画像解析により、監視領域内における複数の人の動線を特定し、この動線を動線IDに対応付けてデータベースに記憶することが記載されている。動線IDは、人物IDに対応づいている。そしてある人物IDが選択されると、その人物IDに対応する動線がデータベースから読み出されて画面に表示される。
【0005】
また特許文献3には、移動体の動線をリアルタイムな映像上に重畳して表示することが記載されている。
【0006】
なお、特許文献4には、映像を解析することにより所定動作を行った人物を検知し、この検知回数を人物別に記憶しておき、この所定動作の検知回数を用いてその人物を被疑者に設定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2010/044186号
【特許文献2】特開2009-265922号公報
【特許文献3】特開2015-70354号公報
【特許文献4】国際公開第2016/147770号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
人の動きは、様々な情報によって定義される。本発明者は、人の動きをわかりやすく表示手段に表示させることを検討した。本発明が解決しようとする課題の一つは、人の動きをわかりやすく表示手段に表示させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示における動線表示装置は、
人の動線、並びに、前記人が前記動線に沿って移動したときに行った行為及び当該行為を行った位置を示す行為情報を含む動線情報を複数の前記人それぞれについて記憶する記憶手段から、複数の前記行為と当該複数の行為の順序とを含む選択条件に基づいて選択される前記動線情報を取得する取得手段と、
取得された前記動線情報に基づいて、表示手段に、前記動線、前記行為の内容を示す行為内容情報、及び前記行為を行った位置を示す行為位置情報を表示させる表示制御手段と、
を備える。
【0010】
本開示における動線表示方法では、
コンピュータが、
人の動線、並びに、前記人が前記動線に沿って移動したときに行った行為及び当該行為を行った位置を示す行為情報を含む動線情報を複数の前記人それぞれについて記憶する記憶手段から、複数の前記行為と当該複数の行為の順序とを含む選択条件に基づいて選択される前記動線情報を取得する取得処理と、
取得された前記動線情報に基づいて、表示手段に、前記動線、前記行為の内容を示す行為内容情報、及び前記行為を行った位置を示す行為位置情報を表示させる表示処理と、
を行う。
【0011】
本開示におけるプログラムは、
コンピュータに、
人の動線、並びに、前記人が前記動線に沿って移動したときに行った行為及び当該行為を行った位置を示す行為情報を含む動線情報を複数の前記人それぞれについて記憶する記憶手段から、複数の前記行為と当該複数の行為の順序とを含む選択条件に基づいて選択される前記動線情報を取得する取得機能と、
取得された前記動線情報に基づいて、表示手段に、前記動線、前記行為の内容を示す行為内容情報、及び前記行為を行った位置を示す行為位置情報を表示させる表示処理機能と、
を持たせる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、人の動きをわかりやすく表示手段に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0014】
図1】第1実施形態に係る動線表示装置の機能構成の一例を示す図である。
図2】動線表示装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】動線表示装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
図4図3のステップS120で表示される画面の第1例を示している。
図5図3のステップS120で表示される画面の第2例を示している。
図6図3のステップS120で表示される画面の第3例を示している。
図7】第2実施形態に係る動線表示装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
図8図7のステップS220において表示部が表示する画面の一例を示している。
図9図7のステップS240において表示部が表示する画面の一例を示している。
図10】第3実施形態に係る動線表示装置の機能構成の一例を示す図である。
図11図10の変形例の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0016】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る動線表示装置10の機能構成の一例を示す図である。本実施形態に係る動線表示装置10は、取得部110及び表示処理部120を備えている。
【0017】
取得部110は、少なくとも一つの動線情報を取得する。動線情報は、人の動線、並びに、その人が動線に沿って移動したときに行った行為及び当該行為を行った位置を示す行為情報を含んでいる。動線情報は人別に生成されている。
【0018】
動線情報は、例えば映像を解析することにより生成されている。この映像は、例えば監視カメラなどの固定カメラによって生成されている。そしてこの固定カメラが生成した映像が解析されることにより、当該固定カメラの画角に含まれる領域を移動した人の動線情報が生成される。ここで、映像を構成する画像のフレームレートは任意である。
【0019】
映像を解析すると、人毎の動線を特定することができる。また映像を解析することにより、その人が動線上の各位置で行った行為を特定することもできる。このため、上記した行為情報も、映像を解析することにより生成される。ここで「行為」は、手を振る、背伸びをする、周囲を見回す(顔を左右に振る)など、移動の有無に関連しない行為すなわち静止していても移動していても行える行為であってもよいし、歩く、走る、早歩きをする、立ち止まる、座る、ふらついているなどの移動状態に関する情報であってもよい。また「行為」は、移動状態に関する情報及び移動の有無に関連しない行為の双方を含んでいてもよい。この場合の「行為」の一例は、「歩きながら手を振る」である。
【0020】
そして、動線情報は、その人が動線上の少なくとも一つの地点に位置したタイミングを示すタイミング情報を含んでいてもよい。タイミング情報は、例えば時刻を含んでいるが、さらに月日や年月日を含んでいてもよい。動線情報は、好ましくは、動線上のすべての位置及びすべての行為について、当該行為が行われたタイミングを含んでいる。
【0021】
表示処理部120は、表示部130に、動線情報が示す動線、行為の内容を示す行為内容情報、及びその行為を行った位置を示す行為位置情報を表示させる。表示処理部120が表示部130に表示させる情報の詳細については、後述する。
【0022】
なお、動線情報は、複数の固定カメラの映像を処理することにより生成されていてもよい。一例として、第1の固定カメラの画角に含まれる領域(以下、第1領域と記載)と、第2の固定カメラの画角に含まれる領域(以下、第2領域と記載)は隣り合っている場合、これらの第1の固定カメラの映像の分析結果と第2の固定カメラの映像の分析結果をまとめると、一つの動線情報は、第1領域及び第2領域をつなげた領域における、人の動線及び行為を示すことができる。なお、一つの動線情報を生成するために必要な固定カメラの台数は1台又は2台に限定されない。
【0023】
また、一つの映像に複数の人が映っていた場合、一つの映像から複数の動線情報が生成される。この場合、表示処理部120は、これら複数の人の少なくとも二人に関する動線情報を、同時に表示部130に表示させてもよいし、一人の動線情報のみを表示部130に表示させてもよい。前者の場合、同じ時間帯における複数の人の動線情報が同時に表示部130に表示されるため、表示部130を見ている人は、これら複数の人の動きが互いにどのように影響しているかを認識することができる。
【0024】
図2は、動線表示装置10のハードウェア構成例を示す図である。動線表示装置10は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0025】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0026】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0027】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0028】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は動線表示装置10の各機能(例えば取得部110、表示処理部120、及び表示部130)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は、後述する実施形態で示す動線情報記憶部140及び映像記憶部150としても機能することもある。
【0029】
入出力インタフェース1050は、動線表示装置10と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。動線情報記憶部140及び映像記憶部150が動線表示装置10の外部に位置する場合、動線表示装置10は、入出力インタフェース1050を介して動線情報記憶部140及び映像記憶部150と接続してもよい。
【0030】
ネットワークインタフェース1060は、動線表示装置10をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。動線情報記憶部140及び映像記憶部150が動線表示装置10の外部に位置する場合、動線表示装置10は、ネットワークインタフェース1060を介して動線情報記憶部140及び映像記憶部150と接続してもよい。
【0031】
図3は、動線表示装置10が行う処理の一例を示すフローチャートである。まず取得部110は、動線情報を取得する(ステップS110)。ここで取得部110は、動線情報を一つ取得することもあれば、複数の動線情報を取得することもある。後者の場合、複数の動線情報は、いずれも同一の領域かつ同一の時間帯における動線を示している。
【0032】
次いで表示処理部120は、ステップS110で取得した動線情報を用いて画面情報を生成し、この画面情報を表示部130に出力する。そして、表示部130は、画面情報に従った画面を表示する。この画面は、動線、行為内容情報、及び行為位置情報を含んでいる(ステップS120)。
【0033】
図4は、図3のステップS120で表示される画面の第1例を示している。本図に示す例において、表示部130は、人が動いていた領域を上面視で示している。ただし表示部130は、斜め上方に視点をおいて動線を表示してもよい。そして動線は線で示されている。また本図に示す例において、表示部130は、動線の近傍に、当該動線に対応する人物の識別子(図においてはID:7と記載)を表示している。ただし、表示部130はこの識別子を表示しなくてもよい。
【0034】
ここで、動線を示す線は、行為内容情報を兼ねている。具体的には、動線を示す線の種類は、当該動線が示す地点における人の行為、例えば人の移動が伴う行為によって異なっている。例えば動線を示す線の種類は、当該動線における人の移動速度を用いて設定されている。一例として、歩いているときの動線は実線であり、走っているときの動線は点線で示されている。ここで、走っているときの速さによって点線の種類が異なっていてもよい。なお、線の種類は、実線、点線、及び一点鎖線であってもよいし、さらに線の太さや色によって変えられていてもよい。
【0035】
また本図に示す例において、ある行為を示す行為内容情報の少なくとも一つはマーク又は文字である。具体的には、表示部130は、「転倒」といった、人の移動が伴わない行為について、その行為が行われた位置又はその近傍に、その行為を示すマーク又は文字を表示している。
【0036】
図5は、図3のステップS120で表示される画面の第2例を示している。本図に示す例において、表示部130は、図4に示した情報を表示するとともに、さらに、各行為が行われたタイミングを示すタイミング情報も表示している。一例として、表示部130は、ある行為を示すマーク又は文字の近傍に、その行為のタイミング情報も表示している。本図に示す例において、タイミング情報は時刻である。ただし、上記したように、タイミング情報はさらに月日や年月日を含んでいてもよい。
【0037】
図6は、図3のステップS120で表示される画面の第3例を示している。図4に示す例において、表示部130は、一人の動線、行為内容情報、及び行為位置情報を示していた。これに対して本図に示す例では、表示部130は複数の人それぞれの動線、行為内容情報、及び行為位置情報を示している。このようにすると、表示部130を見ている人は、複数の人の動きが互いにどのように影響しているか(例えば誰と誰が衝突したかなど)を認識することができる。
【0038】
また本図に示す例において、表示部130は、各動線の近傍に、当該動線に対応する人物の識別子(図においてはID:4、ID:5、ID:7と記載)を表示している。このようにすると、表示部130を見ている人は、複数の動線それぞれについて、当該動線に示した動きをした人を認識することができる。
【0039】
以上、本実施形態によれば、表示処理部120は、表示部130に、人の動線とともに、その人がその動線に沿って移動したときに行った行為を示す行為内容情報、及び、当該行為を行った位置を示す行為位置を表示させる。このため、人の動きはわかりやすく表示される。
【0040】
[第2実施形態]
本実施形態に係る動線表示装置10は、取得部110が取得した複数の動線情報のうち、ユーザが選択した人の動線情報が示す動線、行為内容情報、及び行為位置情報を表示部130に表示させるが、他の人の動線情報が示す動線、行為内容情報、及び行為位置情報は表示部130に表示させない点を除いて、第1実施形態に係る動線表示装置10と同様である。
【0041】
図7は、本実施形態に係る動線表示装置10が行う処理の一例を示すフローチャートである。まず取得部110は、複数の動線情報を取得する。これら複数の動線情報は、互いに異なる人の動線を示している(ステップS210)。次いで表示処理部120は、これら複数の人の少なくとも一人を選択させるための画面を表示部130に表示させる(ステップS220)。この画面の詳細については、後述する。
【0042】
動線表示装置10のユーザは、表示部130を見て、動線を確認したい人を選択するための入力を行う。表示処理部120は、この選択結果を示す情報、すなわちユーザが選択した人を特定する情報を取得する(ステップ230)。次いで表示処理部120は、ユーザが選択した人の動線情報を選択し、選択した動線情報が示す動線、行為内容情報、及び行為位置情報を表示部130に表示させる。ここで表示処理部120は、他の人の動線情報が示す動線、行為内容情報、及び行為位置情報は表示部130に表示させない(ステップS240)。
【0043】
図8は、図7のステップS220において表示部130が表示する画面の一例を示している。本図に示す例において、画面の左側の欄は、ユーザが人を選択するための欄になっており、画面の右側の欄は、選択された人の動線、行為内容情報、及び行為位置情報を表示するための欄になっている。
【0044】
そして表示部130は、人を選択するための情報として、動線情報毎に、当該動線情報に対応する人を含む画像を左側の欄に表示させている。この画像は、例えばカメラが生成したフレーム画像からトリミングされた画像であり、ステップS210において、取得部110によって動線情報とともに取得されている。そしてユーザがその画像を選択する(例えばカーソルを重ねた状態でマウスをクリックする)と、その画像に対応する人が選択されたことになる。
【0045】
図9は、図7のステップS240において表示部130が表示する画面の一例を示している。左側の欄において、ユーザが選択した人の画像は、残りの人の画像から識別可能になっている。一例として、ユーザが選択しなかった人の画像は、ユーザが選択した人の画像と比べて薄くなっている。また右側の欄には、ユーザが選択した人の動線が、行為内容情報、及び行為位置情報とともに表示されているが、残りの人の動線、行為内容情報、及び行為位置情報は表示されていない。
【0046】
なお、ステップS240の後に、再度ステップS220~ステップS240が行われてもよい。
【0047】
また、図7のステップS240において、表示処理部120は、表示部130に、ユーザが選択した人の動線情報が示す動線、行為内容情報、及び行為位置情報を表示部130に表示させるとともに、他の人の動線情報が示す動線、行為内容情報、及び行為位置情報も表示部130に表示させてもよい。この場合、表示処理部120は、ユーザが選択した人の動線情報が示す動線、行為内容情報、及び行為位置情報を、他の人の動線情報が示す動線、行為内容情報、及び行為位置情報から識別可能な状態(例えば色を変える等)で表示部130に表示させる。
【0048】
本実施形態によっても、第1実施形態と同様に、人の動きはわかりやすく表示される。また本実施形態によれば、取得部110が複数の人の動線情報を取得したとしても、ユーザが希望しない人の動線は表示部130に表示されない。従って、人の動きはわかりやすくなる。
【0049】
[第3実施形態]
本実施形態に係る動線表示装置10は、ユーザから動線情報が満たすべき条件(以下、選択条件と記載)を取得し、この選択条件を満たす動線情報を取得する。
【0050】
図10は、本実施形態に係る動線表示装置10の機能構成の一例を示す図である。本図に示す動線表示装置10は、取得部110が上記した選択条件を取得し、その選択条件を満たす動線情報を動線情報記憶部140から取得する点を除いて、上記したいずれかの実施形態と同様である。
【0051】
動線情報記憶部140は、例えば動線情報を、その動線情報に対応する映像が生成された日時及び場所(又は映像を生成したカメラの識別情報)に紐づけて記憶している。そして取得部110が取得する選択条件の一例は、場所及び日時の組み合わせである。この場合、表示処理部120は、表示部130に、ある特定の場所のある時間帯における人の動線を表示させる。
【0052】
なお、選択条件は、動線情報に含まれる行為を含んでいてもよい。この場合、表示処理部120は、表示部130に、ある特定の場所のある時間帯において、特定の行為(例えば走る、周囲を見回すなど)を行った人の動線のみを表示させる。また選択条件は、複数の行為と、当該複数の行為の順序を含んでいてもよい。この場合、表示処理部120は、表示部130に、複数の行為を指定された順序で行った人の動線を表示させる。一例として、表示処理部120は、表示部130に、「歩いて・転んで・立ち上がった」人の動線を表示させる。
【0053】
なお、動線情報記憶部140は、例えば、人物ID別に、その人物が映っている映像を生成したカメラの識別子、その人物が映っているフレーム画像の識別子(または日時)、及びそのフレーム画像におけるその人物の位置及び行為(例えば行動特徴量)を記憶している。ただし、動線情報記憶部140が記憶しているデータの構造はこの例に限定されない。
【0054】
図11は、図10の変形例の一例を示す図である。本図に示す動線表示装置10において、取得部110は動線情報記憶部140の代わりに映像記憶部150から情報を取得する。映像記憶部150は、カメラが生成した映像を、そのカメラが設置されている場所が特定可能な情報(例えばカメラの識別子)に紐づけて記憶している。なお、映像は、各フレーム画像が生成された日時を示す情報も含んでいる。
【0055】
そして取得部110は、上記した選択条件を取得すると、選択条件に含まれる場所及び日時を満たす映像を映像記憶部150から取得する。そして取得部110は、この映像を処理することにより、上記した動線情報を生成する。そして取得部110は、選択条件に「行為」が含まれていた場合、生成した動線情報のうち選択条件としての「行為」を満たす動線情報を選択する。
【0056】
本実施形態によっても、第1実施形態と同様に、人の動きはわかりやすく表示される。また、動線表示装置10は、表示部130に、ユーザが所望する条件(例えば場所及び日時)における人の動線を表示させることができる。
【0057】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0058】
例えば第3実施形態又はその変形例において、表示処理部120は、行為別に、その行為(例えば転ぶ、走るなど)が行われた場所を集計し、その行為が行われやすい場所を特定してもよい。この場合、表示処理部120は、場所別にその行為が行われた件数を表示部130に表示させてもよい。
【0059】
また上記した各実施形態において、表示処理部120は、動線の代わりに姿勢変化タイムラインを表示させてもよい。姿勢変化タイムラインの一例は、横軸を時間軸として、各行為が行われたマークや文字をその行為が行われた時刻に対応する位置に表示させるものである。
【0060】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0061】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1.人の動線、並びに、前記人が前記動線に沿って移動したときに行った行為及び当該行為を行った位置を示す行為情報を含む動線情報を取得する取得手段と、
表示手段に、前記動線、前記行為の内容を示す行為内容情報、及び前記行為を行った位置を示す行為位置情報を表示させる表示制御手段と、
を備える動線表示装置。
2.上記1に記載の動線表示装置において、
前記行為内容情報の少なくとも一つはマーク又は文字である動線表示装置。
3.上記2に記載の動線表示装置において、
前記マーク又は文字は、前記動線のうち当該行為が行われた位置又はその近傍に表示されることにより、前記行為位置情報を兼ねている動線表示装置。
4.上記1~3のいずれか一項に記載の動線表示装置において、
前記行為内容情報の少なくとも一つは、前記動線を示す線であり、当該線の種類によって前記行為を示している動線表示装置。
5.上記4に記載の動線表示装置において、
前記線の種類は、前記動線における前記人の移動速度を用いて設定されている動線表示装置。
6.上記1~5のいずれか一項に記載の動線表示装置において、
前記動線情報は、前記行為が行われたタイミングを示すタイミング情報を含んでおり、
前記表示制御手段は、前記表示手段に、前記タイミング情報が示すタイミングも表示させる動線表示装置。
7.上記1~6のいずれか一項に記載の動線表示装置において、
前記取得手段は、複数の前記人それぞれの前記動線情報を取得し、
前記表示制御手段は、前記複数の人それぞれの前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報を前記表示手段に表示させる動線表示装置。
8.上記7に記載の動線表示装置において、
前記表示制御手段は、
前記複数の人から少なくとも一人をユーザに選択させるため選択表示を前記表示手段に表示させ、
前記選択表示において前記ユーザが選択した前記人を特定する情報を取得し、当該人の前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報を前記表示手段に表示させるとともに、他の前記人の前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報を前記表示手段に表示させない動線表示装置。
9.上記7に記載の動線表示装置において、
前記表示制御手段は、
前記複数の人から少なくとも一人をユーザに選択させるため選択表示を前記表示手段に表示させ、
前記選択表示において前記ユーザが選択した前記人を特定する情報を取得し、当該人の前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報を、他の前記人の前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報から識別可能な状態で前記表示手段に表示させる動線表示装置。
10.上記1~9のいずれか一項に記載の動線表示装置において、
前記取得手段は、
当該取得手段が取得すべき前記動線情報が満たすべき条件である選択条件を取得し、
複数の前記人の前記動線情報を記憶している記憶手段から、前記選択条件を満たす前記動線情報を取得する動線表示装置。
11.上記10に記載の動線表示装置において、
前記選択条件は、前記行為に関している動線表示装置。
12.上記11に記載の動線表示装置において、
前記選択条件は、複数の前記行為と、当該複数の行為の順序を含んでいる動線表示装置。
13.コンピュータが、
人の動線、並びに、前記人が前記動線に沿って移動したときに行った行為及び当該行為を行った位置を示す行為情報を含む動線情報を取得する取得処理と、
表示手段に、前記動線、前記行為の内容を示す行為内容情報、及び前記行為を行った位置を示す行為位置情報を表示させる表示処理と、
を行う動線表示方法。
14.上記13に記載の動線表示方法において、
前記行為内容情報の少なくとも一つはマーク又は文字である動線表示方法。
15.上記14に記載の動線表示方法において、
前記マーク又は文字は、前記動線のうち当該行為が行われた位置又はその近傍に表示されることにより、前記行為位置情報を兼ねている動線表示方法。
16.上記13~15のいずれか一項に記載の動線表示方法において、
前記行為内容情報の少なくとも一つは、前記動線を示す線であり、当該線の種類によって前記行為を示している動線表示方法。
17.上記16に記載の動線表示方法において、
前記線の種類は、前記動線における前記人の移動速度を用いて設定されている動線表示方法。
18.上記13~17のいずれか一項に記載の動線表示方法において、
前記動線情報は、前記行為が行われたタイミングを示すタイミング情報を含んでおり、
前記表示制御処理において、前記コンピュータは、前記表示手段に、前記タイミング情報が示すタイミングも表示させる動線表示方法。
19.上記13~18のいずれか一項に記載の動線表示方法において、
前記取得処理において、前記コンピュータは、複数の前記人それぞれの前記動線情報を取得し、
前記表示制御処理において、前記コンピュータは、前記複数の人それぞれの前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報を前記表示手段に表示させる動線表示方法。
20.上記19に記載の動線表示方法において、
前記表示制御処理において、前記コンピュータは、
前記複数の人から少なくとも一人をユーザに選択させるため選択表示を前記表示手段に表示させ、
前記選択表示において前記ユーザが選択した前記人を特定する情報を取得し、当該人の前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報を前記表示手段に表示させるとともに、他の前記人の前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報を前記表示手段に表示させない動線表示方法。
21.上記19に記載の動線表示方法において、
前記表示制御処理において、前記コンピュータは、
前記複数の人から少なくとも一人をユーザに選択させるため選択表示を前記表示手段に表示させ、
前記選択表示において前記ユーザが選択した前記人を特定する情報を取得し、当該人の前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報を、他の前記人の前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報から識別可能な状態で前記表示手段に表示させる動線表示方法。
22.上記13~21のいずれか一項に記載の動線表示方法において、
前記取得処理において、前記コンピュータは、
当該取得手段が取得すべき前記動線情報が満たすべき条件である選択条件を取得し、
複数の前記人の前記動線情報を記憶している記憶手段から、前記選択条件を満たす前記動線情報を取得する動線表示方法。
23.上記22に記載の動線表示方法において、
前記選択条件は、前記行為に関している動線表示方法。
24.上記23に記載の動線表示方法において、
前記選択条件は、複数の前記行為と、当該複数の行為の順序を含んでいる動線表示方法。
25.コンピュータに、
人の動線、並びに、前記人が前記動線に沿って移動したときに行った行為及び当該行為を行った位置を示す行為情報を含む動線情報を取得する取得機能と、
表示手段に、前記動線、前記行為の内容を示す行為内容情報、及び前記行為を行った位置を示す行為位置情報を表示させる表示処理機能と、
を持たせるプログラム。

26.上記25に記載のプログラムにおいて、
前記行為内容情報の少なくとも一つはマーク又は文字であるプログラム。
27.上記26に記載のプログラムにおいて、
前記マーク又は文字は、前記動線のうち当該行為が行われた位置又はその近傍に表示されることにより、前記行為位置情報を兼ねているプログラム。
28.上記25~27のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記行為内容情報の少なくとも一つは、前記動線を示す線であり、当該線の種類によって前記行為を示しているプログラム。
29.上記28に記載のプログラムにおいて、
前記線の種類は、前記動線における前記人の移動速度を用いて設定されているプログラム。
30.上記25~29のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記動線情報は、前記行為が行われたタイミングを示すタイミング情報を含んでおり、
前記表示制御機能は、前記表示手段に、前記タイミング情報が示すタイミングも表示させるプログラム。
31.上記25~30のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記取得機能は、複数の前記人それぞれの前記動線情報を取得し、
前記表示制御機能は、前記複数の人それぞれの前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報を前記表示手段に表示させるプログラム。
32.上記31に記載のプログラムにおいて、
前記表示制御機能は、
前記複数の人から少なくとも一人をユーザに選択させるため選択表示を前記表示手段に表示させ、
前記選択表示において前記ユーザが選択した前記人を特定する情報を取得し、当該人の前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報を前記表示手段に表示させるとともに、他の前記人の前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報を前記表示手段に表示させないプログラム。
33.上記31に記載のプログラムにおいて、
前記表示制御機能は、
前記複数の人から少なくとも一人をユーザに選択させるため選択表示を前記表示手段に表示させ、
前記選択表示において前記ユーザが選択した前記人を特定する情報を取得し、当該人の前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報を、他の前記人の前記動線、前記行為内容情報、及び前記行為位置情報から識別可能な状態で前記表示手段に表示させるプログラム。
34.上記25~33のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記取得機能は、
当該取得手段が取得すべき前記動線情報が満たすべき条件である選択条件を取得し、
複数の前記人の前記動線情報を記憶している記憶手段から、前記選択条件を満たす前記動線情報を取得するプログラム。
35.上記34に記載のプログラムにおいて、
前記選択条件は、前記行為に関しているプログラム。
36.上記35に記載のプログラムにおいて、
前記選択条件は、複数の前記行為と、当該複数の行為の順序を含んでいるプログラム。
【符号の説明】
【0062】
10 動線表示装置
110 取得部
120 表示処理部
130 表示部
140 動線情報記憶部
150 映像記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11