(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008680
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20240101AFI20240112BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240112BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06Q30/06 308
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110735
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】593022629
【氏名又は名称】株式会社ジェーシービー
(71)【出願人】
【識別番号】521467087
【氏名又は名称】トヨタ・コニック・アルファ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】間下 公照
(72)【発明者】
【氏名】南井 享
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 毅
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB56
5L049CC06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外出先で動作機器に対するエネルギーの供給を可能にするにあたって、決済に関するコストを削減できるプログラム、情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】プログラムは、コンピュータ100に、エネルギーを供給する供給事業者とエネルギーの利用者との間の利用契約を示す契約情報を取得する契約取得機能111aと、契約情報を証明するための電子証明書を取得する証明書取得機能111bと、利用契約に基づく利用者の動作機器へのエネルギーの供給を可能とするために、契約情報と電子証明書の組み合わせの提供要求を利用者の利用者装置から取得する要求取得機能111cと、提供要求に応じて、組み合わせを利用者装置に提供する提供機能113と、を実現させる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
エネルギーを供給する供給事業者と前記エネルギーの利用者または前記利用者に関連する者との間の利用契約を示す契約情報を取得する契約取得機能と、
前記契約情報を証明するための電子証明書を取得する証明書取得機能と、
前記利用契約に基づく前記利用者の動作機器への前記エネルギーの供給を可能とするために、前記契約情報と前記電子証明書の組み合わせの提供要求を前記利用者の利用者装置から取得する要求取得機能と、
前記提供要求に応じて、前記組み合わせを前記利用者装置に提供する提供機能と、を実現させる、
プログラム。
【請求項2】
前記利用者装置は、前記エネルギーを前記動作機器に供給するための供給装置を含み、
前記提供機能は、前記組み合わせを前記動作機器に提供し、
前記動作機器は、前記利用契約に基づく前記動作機器への前記エネルギーの供給を可能とするために、前記供給装置に対して、前記組み合わせに基づいて前記エネルギーの供給を要求する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、前記取得された契約情報に基づいて、前記電子証明書を発行し、発行した前記電子証明書を記憶部に記憶させる発行機能を実現させ、
前記証明書取得機能は、前記記憶部から、前記電子証明書を取得する、
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
前記組み合わせに基づく前記エネルギーの供給の可否の判定の結果を、前記利用者装置から取得する判定取得機能と、
前記判定の結果が前記エネルギーの供給を不可とする判定の場合、前記利用者装置から、前記供給を可能とするための支払いを請求する請求情報を取得する請求取得機能と、
前記判定の結果が前記エネルギーの供給を不可とする判定の場合、前記利用者のアカウントを用いて決済をするための決済手段情報を取得する決済取得機能と、
前記請求情報と前記決済手段情報に基づいて、前記支払いの決済のための処理を実行する決済処理機能と、を実現させる、
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータに、取得された前記電子証明書が有効か否かを判定する判定機能と、
前記判定の結果が前記電子証明書は有効でないとする判定の場合、前記利用者装置から、前記供給を可能とするための支払いを請求する請求情報を取得する請求取得機能と、
前記判定の結果が前記電子証明書は有効でないとする判定の場合、前記利用者のアカウントを用いて決済をするための決済手段情報を取得する決済取得機能と、
前記請求情報と前記決済手段情報に基づいて、前記支払いの決済のための処理を実行する決済処理機能と、を実現させる、
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項6】
前記契約情報は、前記利用契約における前記エネルギーの利用権限者を識別するための権限者識別情報を含み、
前記利用者装置から、前記利用者を識別するための利用者識別情報を取得する利用者取得機能と、
前記権限者識別情報と前記利用者識別情報とを照合して、前記利用者が前記利用権限者であることを認証する権限者認証機能と、
前記認証の結果が認証失敗の場合、前記利用者装置から、前記供給を可能とするための支払いを請求する請求情報を取得する請求取得機能と、
前記認証の結果が認証失敗の場合、前記利用者のアカウントを用いて決済をするための決済手段情報を取得する決済取得機能と、
前記請求情報と前記決済手段情報に基づいて、前記支払いの決済のための処理を実行する決済処理機能と、を実現させる、
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記契約情報は、前記利用契約における、前記エネルギーの利用対象の対象機器を識別するための対象機器識別情報を含み、
前記動作機器または前記利用者装置から、前記動作機器を識別するための動作機器識別情報を取得する機器取得機能と、
前記対象機器識別情報と前記動作機器識別情報とを照合して、前記動作機器が前記対象機器であることを認証する機器認証機能と、
前記認証の結果が認証失敗の場合、前記利用者装置から、前記供給を可能とするための支払いを請求する請求情報を取得する請求取得機能と、
前記認証の結果が認証失敗の場合、前記利用者のアカウントを用いて決済をするための決済手段情報を取得する決済取得機能と、
前記請求情報と前記決済手段情報に基づいて、前記支払いの決済のための処理を実行する決済処理機能と、を実現させる、
請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項8】
エネルギーを供給する供給事業者と前記エネルギーの利用者との間の利用契約を示す契約情報を取得する契約取得部と、
前記契約情報を証明するための電子証明書を取得する証明書取得部と、
前記利用契約に基づく前記利用者の動作機器への前記エネルギーの供給を可能とするために、前記契約情報と前記電子証明書の組み合わせの提供要求を前記利用者の利用者装置から取得する要求取得部と、
前記提供要求に応じて、前記組み合わせを前記利用者装置に提供する提供部と、を備える、
情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
エネルギーを供給する供給事業者と前記エネルギーの利用者との間の利用契約を示す契約情報を取得し、
前記契約情報を証明するための電子証明書を取得し、
前記利用契約に基づく前記利用者の動作機器への前記エネルギーの供給を可能とするために、前記契約情報と前記電子証明書の組み合わせの提供要求を前記利用者の利用者装置から取得し、
前記提供要求に応じて、前記組み合わせを前記利用者装置に提供する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エネルギーを消費して動作する自動車などの機器(以下、「動作機器」ともいう)に対するエネルギーの供給に関する取引を決済する技術が知られている。特許文献1には、駐車中に電動車両に充電した電力量に関する充電パラメータに応じた料金を、駐車場から退場する際に、駐車料金と併せて、電子決済システムまたは料金精算機を介してこの電動車両のユーザに請求する料金請求システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記特許文献1のように、駐車場などの外出先等で動作機器に対するエネルギーの供給を可能にするために、その供給の度に売買契約を成立させて決済を行うとなると、その都度決済に関するコスト(例えば、決済システムを介してユーザに料金を請求するなどの手続きや決済に関する手数料など)が発生するため、動作機器の利用者にとってはその使い勝手に課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題を解決するため、外出先等で動作機器に対するエネルギーの供給を可能にするにあたって、決済に関するコストを削減できるプログラム、情報処理装置、および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、エネルギーを供給する供給事業者とエネルギーの利用者との間の利用契約を示す契約情報を取得する契約取得機能と、契約情報を証明するための電子証明書を取得する証明書取得機能と、利用契約に基づく利用者の動作機器へのエネルギーの供給を可能とするために、契約情報と電子証明書の組み合わせの提供要求を利用者の利用者装置から取得する要求取得機能と、提供要求に応じて、組み合わせを利用者装置に提供する提供機能と、を実現させる。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、エネルギーを供給する供給事業者とエネルギーの利用者との間の利用契約を示す契約情報を取得する契約取得部と、契約情報を証明するための電子証明書を取得する証明書取得部と、利用契約に基づく利用者の動作機器へのエネルギーの供給を可能とするために、契約情報と電子証明書の組み合わせの提供要求を利用者の利用者装置から取得する要求取得部と、提供要求に応じて、組み合わせを利用者装置に提供する提供部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、エネルギーを供給する供給事業者とエネルギーの利用者との間の利用契約を示す契約情報を取得し、契約情報を証明するための電子証明書を取得し、利用契約に基づく利用者の動作機器へのエネルギーの供給を可能とするために、契約情報と電子証明書の組み合わせの提供要求を利用者の利用者装置から取得し、提供要求に応じて、組み合わせを利用者装置に提供する。
【0009】
本発明によれば、外出先等で動作機器に対するエネルギーの供給を可能にするにあたって、決済に関するコストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係るウォレットシステムのシステム構成例を説明するための図である。
【
図2】第1実施形態に係るウォレットシステムの一例の概要を説明するための図である。
【
図3】第1実施形態に係るウォレットシステムの一例の概要を説明するための図である。
【
図4】第1実施形態に係るウォレットシステムの一例の概要を説明するための図である。
【
図5】第1実施形態に係るウォレットシステムの一例の概要を説明するための図である。
【
図6】第1実施形態に係るウォレットサーバの機能構成の一例を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係るウォレットシステムの動作例を示す図である。
【
図8】第1実施形態に係るウォレットサーバと端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図9】第2実施形態に係るウォレットシステムの一例の概要を説明するための図である。
【
図10】第2実施形態に係る端末装置200aの機能構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一または同様の構成を有する。
【0012】
本発明において、「部」、「手段」、「装置」、または「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」、「手段」、「装置」、または「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」、「手段」、「装置」、または「システム」が有する機能が、物理的手段、装置、またはソフトウェア・モジュールの2つ以上の組み合わせにより実現されても、2つ以上の「部」、「手段」、「装置」、または「システム」の機能が、1つの物理的手段、装置、またはソフトウェア・モジュールにより実現されても良い。
【0013】
[第1実施形態]
先ず、本発明の第1実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。本実施形態に係るウォレットシステム1は、エネルギーを供給する供給事業者とこのエネルギーの利用者または利用者に関連する者との間の利用契約(以下、単に「利用契約」ともいう)をポータブルにするためのシステムである。このようにポータブルにすることで、ウォレットシステム1は、利用者の住宅などの固定された場所に限らず、外出先などにおいてもこの利用契約によりエネルギーを補給できるようにする。エネルギーの利用者(以下、単に「利用者」ともいう)は、個人であっても法人であってもよい。例えば、法人による利用契約の場合、利用者は従業員、利用者に関連する者は法人であってもよい。また、例えば、世帯ごとの利用契約の場合、利用者は世帯に属する者、利用者に関連する者は世帯主であってもよい。
【0014】
ウォレットシステム1は、利用契約をポータブルにするために、利用契約を示す契約情報をウォレット技術(以下、単に「ウォレット」ともいう)により保管させる。そして、ウォレットシステム1は、電子証明書の技術を用いてウォレットに保管されている契約情報の真正性を確保しつつ、エネルギーを供給する側にこの契約情報を提示してエネルギーの供給を可能にする。契約情報を証明するための電子証明書を、以下、単に「電子証明書」ともいう。本実施形態では、ウォレットサーバ100が、オンライン環境で利用契約が利用可能なウォレット機能(以下、「オンラインウォレット」ともいう)を提供する例を説明する。
【0015】
エネルギーは、例えば、電磁気エネルギー、熱エネルギー、化学エネルギーまたは電磁波エネルギーである。より具体的には、エネルギーは、電気、ガソリン、またはガスなどであってもよい。本実施形態では、エネルギーを電気とする例を説明する。また、エネルギーは、例えば、動作機器300を燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle)とする場合、供給装置400がオンサイト方式であればガスなどの燃料、他方オフサイト方式であれば水素であってもよい。
【0016】
契約情報は、例えば、各契約を識別するための契約識別情報を含む。また、契約情報は、例えば、利用契約におけるエネルギーを利用する権限を有する利用権限者を識別するための権限者識別情報、および/またはエネルギーを利用対象の機器(以下、単に「対象機器」ともいう)を識別するための対象機器識別情報などを含んでもよい。契約情報は、例えば、契約されているプランを示すプラン情報を含んでもよい。プラン情報は、例えば、各プランのプラン名、各プランの基本料金、各プランにおけるエネルギーの利用に関する料金の算定方法(例えば、従量課金制か定額制かなど)、各プランの特典を示す特典情報などを含んでもよい。
【0017】
契約情報は、例えば、世帯ごとにエネルギーを利用する契約となっている場合、利用権限者は、この世帯の代表者(世帯主)だけでなく、この世帯に属する他の者であって動作機器を使用可能な者が含まれてもよい。契約情報は、例えば、法人との利用契約の場合、利用権限者にはこの法人の従業員が含まれてもよく、また対象機器には社用の車両などが含まれてもよい。
【0018】
電子証明書は、契約情報について、当事者または信頼できる第三者(例えば、後述する認証機関)が間違いなく本物であることを電子的に証明するものである。電子証明書は、言い換えれば、契約情報が一定の真正性があることを電子的に証明するものであってもよい。この真正性とは、例えば、正当な権限において発行されたものであることを示すものであってもよい。また、真正性とは、例えば、虚偽入力、書き換え、消去、および混同が防止されていることを示すものであってもよく、さらに、第三者から見て発行の責任の所在が明確であることを示すものであってもよい。電子証明書は、例えば、X.509の規格のフォーマットにそった証明書であってもよく、発行者または発行の責任者、サブジェクト(例えば、利用者、ウォレットサーバ100の運営者または供給事業者)、サブジェクトの公開鍵、電子証明書の有効期限、発行者または発行の責任者の電子署名などを含んでもよい。この電子署名は、例えば、サブジェクトの公開鍵と対をなす秘密鍵により暗号化された契約情報の少なくとも一部であってもよい。
【0019】
<1.システム構成>
図1を参照して、本実施形態に係るウォレットシステム1のシステム構成例を説明する。
図1に示すように、ウォレットシステム1は、ウォレットサーバ100と、利用者が使用する端末装置200と、エネルギーを消費して動作する動作機器300と、動作装置300にエネルギーを補給する際に利用者が使用する供給装置400とを含む。端末装置200および供給装置400のそれぞれは、利用者装置の一態様である。
【0020】
[ウォレットサーバ]
ウォレットサーバ100は、第1ネットワークN1を介して、端末装置200、動作機器300、供給装置400を含む外部装置との通信が可能な情報処理装置である。ウォレットサーバ100は、所定のプログラムを実行することにより、オンラインウォレットとして、Webなどの広域通信網のネットワーク上のシステムで契約情報を保管するためのオンラインウォレット機能を利用者に提供する。すなわち、利用者は、自身が使用する端末装置200および動作機器300にウォレットアプリをダウンロードしていなくとも、端末装置200が標準的に備えるWebブラウザまたはサードパーティアプリからウォレットサーバ100が備えるウォレット機能を利用することができる。
【0021】
[端末装置]
端末装置200は、利用者が使用する情報処理装置であり、例えば、スマートフォンやラップトップなどのモバイル端末である。端末装置200は、所定のプログラムを実行することにより、ウォレットサーバ100と接続して契約情報、電子証明書、これらの組み合わせ(以下、単に「組み合わせ」ともいう)、またはこれらに関する情報を送受信したり、利用者に対してこれらに関する情報を画面で表示したり、契約情報、電子証明書、組み合わせに対する指示を受け付けたりする。端末装置200は、例えば、第2ネットワークN2を介して、利用権限者を識別するための権限者識別情報、および/または対象機器を識別するための対象機器識別情報を記憶し、読み取り可能な媒体600(以下、「利用者媒体600」ともいう)と通信可能に接続されてもよい。利用者媒体600は、権限者識別情報または対象機器識別情報に替えて、利用者識別情報または動作機器識別情報を記憶してもよい。また、端末装置200は、例えば、第2ネットワークN2を介して、動作機器300と通信可能に接続されてもよい。
【0022】
端末装置200が実行する所定のプログラムは、例えば、端末装置200にインストールされたサードパーティシステムのアプリケーションプログラム(以下、「サードパーティアプリ」ともいう)であってもよい。サードパーティアプリは、例えば、汎用の端末装置である端末装置200が標準的に備えるWebブラウザであってもよいし、ECサイトを運営するプラットフォームシステム(サードパーティシステム)が提供する専用アプリ(例えば、ネイティブアプリ)であってもよい。
【0023】
利用者媒体600は、例えば、ICカードまたは磁気カード、または動作機器300に対応するキーフォブなどであってもよい。より具体的には、利用者媒体600は、電気自動車用の充電認証カードであってもよい。
【0024】
[動作機器]
動作機器300は、エネルギーを消費して動作する機器である。動作機器300は、例えば、エネルギーが電気の場合、車両、電動アシスト自転車、電動キックボード、または電動車いす等であってもよい。動作機器300は、例えば、いわゆるスマートカー、またはコネクティッドカー等の情報通信機能を備えた機器であってもよい。動作機器300は、第2ネットワークN2を介して、供給装置400と通信可能に接続されてもよい。
【0025】
[供給装置]
供給装置400は、動作機器300にエネルギーを供給するための装置である。供給装置400は、例えば、エネルギーが電気の場合、自宅や充電スポットに設置されている充電器(普通充電器と急速充電器を含む)であってもよい。また、供給装置400を運営する事業者(以下、「装置事業者」ともいう)は、供給事業者と異なる事業者であってもよいし、同じ事業者であってもよい。
【0026】
[供給事業者装置]
供給事業者装置500は、エネルギーを供給するサービスをユーザに提供する供給事業者の情報処理装置である。供給事業者装置500は、例えば、ウォレットサーバ100に契約情報および電子証明書を提供する。供給事業者は、例えば、エネルギーが電気の場合、電力供給事業者、または小売電気事業者などであってもよい。
【0027】
[その他の外部装置]
供給装置400および供給事業者装置500以外のその他の外部システムの装置(以下、「外部装置」ともいう)も、ウォレットサーバ100と通信可能に接続される。外部装置は、後述するサードパーティアプリを提供するアプリ事業者装置600(不図示)、利用者が指定する決済手段による決済を行うためのクレジットカード会社または銀行などの金融機関のサーバ装置、ポイント会社のサーバ装置等であってもよい。
【0028】
[ネットワーク]
第1ネットワークN1は、広域通信網のネットワークであり、インターネット、移動体通信網、電話回線を含む。また、第1ネットワークN1は、例えば、3G(3rd Generation)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)、またはLTE(登録商標)(Long Term Evolution)回線などを用いた無線通信方式を用いてもよい。
【0029】
第2ネットワークN2は、近距離通信のネットワークであり、(ア)端末装置200もしくは動作機器300と利用者媒体600との間、(イ)端末装置200と動作機器300との間、または(ウ)動作機器300と供給装置400との間を双方向または単一方向の接続をするための通信ネットワークである。第2ネットワークN2は、例えば、NFC(Near Field Communication)等の電磁誘導等を利用した10cm程度の至近距離での無線通信、Bluetooth(登録商標)や赤外線通信等の10m程度の近距離無線通信を実現するネットワークを含む。また、第2ネットワークN2は、例えば、Wi-Fi(登録商標)規格に準拠した無線LANを含んでもよく、ルータ(不図示)が中継することで、端末装置200と利用者媒体600との間の接続を実現させる。
【0030】
<2.概要>
図2~5を参照して、ウォレットシステム1の概要の一例を説明する。
【0031】
<2-1.全体像>
図2を参照して、ウォレットシステム1の全体像の一例を説明する。
図2に示すように、ウォレットシステム1では、契約情報が、その電子証明書と組み合わされてウォレットサーバ100のオンラインウォレットに格納される。本例では、ウォレットサーバ100は、端末装置200が備えるサードパーティアプリをフロント機能として利用するものとする。
【0032】
(0)
図2に示すように、ウォレットサーバ100と供給事業者装置500とは、利用契約を連携する。例えば、供給事業者装置500は、自装置が記憶する契約情報をウォレットサーバ100に送信する。また例えば、供給事業者装置500側で電子証明書を発行する場合、供給事業者装置500は、契約情報と併せて電子証明書もウォレットサーバ100に送信してもよい。ウォレットサーバ100は、供給事業者装置500から、契約情報および/または電子証明書を取得する。
【0033】
(1)ウォレットサーバ100は、利用契約による利用したエネルギー供給を可能にするための認証の方法(例えば、採用する認証レベルの指定、また採用する認証の要素(知識・所持・生体)の指定など)を特定する。この認証は、例えば、(ア)利用者が利用契約における利用権限者であることの認証(以下、「権限者認証」ともいう)、(イ)動作機器300が利用契約におけるエネルギーの利用対象の対象機器であることの認証(以下、「対象機器認証」ともいう)を含んでよい。ウォレットサーバ100は、例えば、契約情報に基づいて、権限者認証の方法および/または対象機器認証の方法を特定してもよい。
【0034】
(2)ウォレットサーバ100は、上記(1)の認証の要求元の装置および要求先の装置に対して、上記(1)で特定された認証の方法を指示する。この要求元の装置は、例えば、端末装置200、動作機器300、および/または動作機器300にエネルギーを供給する供給装置400であってもよい。また、この要求先の装置は、例えば、供給装置400であってもよい。
【0035】
(3a)利用者媒体600は、端末装置200に対してサードパーティアプリを利用するためのユーザ認証、言い換えればサードパーティアプリにログインするためのユーザ認証を要求する。(4a)端末装置200は、この要求に基づいて、サードパーティアプリにおけるユーザ認証を実行する。(5a)ログインされた端末装置200のサードパーティアプリとウォレットサーバ100との間で利用契約を連携する。具体的には、ウォレットサーバ100は、自装置で記憶する契約情報と電子証明書の組み合わせの提供要求をサードパーティアプリから取得して、この提供要求に応じてこの組み合わせをサードパーティアプリに提供する。(6a)端末装置200は、サードパーティアプリが取得した組み合わせに基づいて、供給装置400にエネルギーの供給を要求する。また、この供給の要求は、例えば、権限者認証のための、利用者を識別するための利用者識別情報を含んでもよい。この利用者識別情報は、例えば、ウォレットシステム1で付与した利用者ごとのID、利用者に付与されたサードパーティアプリのユーザID、利用者の氏名もしくは法人名、またはメールアドレス等であってもよい。
【0036】
(3b)利用者媒体600は、動作機器300を利用するための認証、言い換えれば動作機器300にログインして駆動させるための認証を要求する。(4a)動作機器300は、この要求に基づいて、認証を実行する。(5b)ログインされた動作機器300とウォレットサーバ100との間で利用契約を連携する。具体的には、ウォレットサーバ100は、自装置で記憶する契約情報と電子証明書の組み合わせの提供要求を動作機器300から取得して、この提供要求に応じてこの組み合わせを動作機器300に提供する。(5b’)なお、動作機器300は、この組み合わせについて、端末装置200を介して取得してもよい。(6b)動作機器300は、取得した組み合わせに基づいて、供給装置400にエネルギーの供給を要求する。また、この供給の要求は、例えば、対象機器認証のための、動作機器300を識別するための動作機器識別情報を含んでもよい。この動作機器識別情報は、例えば、ウォレットシステム1で発行し付与された動作機器300ごとのIDであってもよいし、動作機器300固有の番号(例えば、車両であればVIN)等であってもよい。
【0037】
(7)供給装置400は、端末装置200または動作機器300から取得した電子証明書の有効性を判定する。(8)電子証明書が有効であると判定した場合、供給装置400は、ウォレットサーバ100に利用契約による取引が可能か否かを問合せる。この問合せは、利用者識別情報または対象機器識別情報を含んでもよい。(9a)ウォレットサーバ100は、上記(3a)~(6a)のプロセスを経てこの問合せを取得した場合、権限者識別情報と利用者識別情報とを照合し、利用者が利用権限者に該当することを認証(権限者認証)する。(9b)他方、ウォレットサーバ100は、上記(3b)~(6b)のプロセスを経てこの問合せを取得した場合、対象機器識別情報と動作機器識別情報とを照合し、動作機器300が対象機器に該当することを認証(対象機器認証)する。本例では、上記(9a)および(9b)のいずれの場合においても認証成功とする。(10)ウォレットサーバ100は、認証の結果が成功の場合、供給装置400に取引可能と応答する。(11)供給装置400は、取引可能の応答を取得し、動作機器300へのエネルギーの供給を実行する。
【0038】
上記構成のもと、利用者は、外出先等での供給装置400による供給の際に、供給装置400(または供給事業者もしくは装置事業者)との間で売買契約を成立させて都度決済を行う必要がなく、予め締結された利用契約における取引として動作機器300にエネルギーを供給させることができる。このため、外出先等で動作機器300に対するエネルギーの供給を可能にするにあたって、決済に関するコスト(例えば、決済システムを介してユーザに料金を請求するなどの手続きや決済に関する手数料など)を削減することができる。
【0039】
上記構成のもと、利用者は、オンライン接続が可能な端末装置200または動作機器300を使用していれば、ウォレットサーバ100と接続してオンラインウォレットに保管されている契約情報と電子証明書の組み合わせを利用することができる。このため、端末装置200にウォレット機能を有するアプリ等をインストールすることなく、この組み合わせを利用することができる。
【0040】
<2-2.全体機能構成>
図3を参照して、ウォレットシステム1の全体の機能構成の一例を説明する。
図3に示すように、ウォレットシステム1全体が実現する機能は、以下のA)~F)の機能に分類される。ウォレットシステム1では、分類した機能間において互いに連携(情報連携および/または機能連携を含む。以下同じ。)を行う。なお、例えば、A)の機能に分類されるサブ機能を、A1)、A2)などの連番を振って説明する。
A)利用者向け設定・照会機能
B)サードパーティアプリ(
図3では、3
rdアプリと表記)提供先管理
C)契約連携機能
D)オンラインウォレット機能
E)IF機能
【0041】
<2-3.事前登録>
図4を参照して、ウォレットシステム1のオンラインウォレットを利用するにあたって、必要な各種情報を登録する場面について説明する。
【0042】
A1)利用者情報登録
(1)
図4に示すように、利用者は、ウォレットシステム1を利用するため、端末装置200から、ユーザの新規登録を要求、言い換えれば利用者情報の登録を要求する。ウォレットサーバ100の取得部111は、この登録を要求された利用者情報を取得する。(2)ウォレットサーバ100の登録部112は、取得された利用者情報を記憶部130に登録する、言い換えれば、ユーザの新規登録を行う。
【0043】
利用者情報は、利用者に関する情報である。利用者情報は、例えば、利用者識別情報、利用者の氏名または法人名、電話番号、住所、メールアドレス、連絡先、生年月日、および/または生体情報(例えば、顔画像データや指紋情報など)を含んでもよい。また、利用者情報は、利用者が使用する決済手段の決済手段情報を含んでもよい。決済手段情報の詳細は後述する。また、利用者情報は、例えば、利用者が使用する動作機器300に関する機器情報を含んでもよい。また、利用者情報は、例えば、利用者が使用する端末装置200に関する装置情報を含んでもよい。
【0044】
機器情報は、例えば、動作機器識別情報、動作機器300の種類(例えば、動作機器300が車両の場合は車種など)、動作機器300の燃費または電費、動作機器300の所有者に関する情報等を含んでもよい。動作機器識別情報は、例えば、動作機器300が車両の場合、車両識別番号(VIN:Vehicle Identification Number)であってもよい。
【0045】
装置情報は、各端末装置200を識別するための装置識別情報、商品名、MACアドレス、IPアドレス、および/または製造番号等を含んでもよい。
【0046】
A2)契約・決済手段情報登録
(3)利用者は、ウォレットシステム1において利用契約によるエネルギーの供給をするため、端末装置200から、契約情報の登録を要求する。ウォレットサーバ100の契約取得部111aは、端末装置200から、この登録を要求された契約情報を取得する。(4)ウォレットサーバ100の照会部114cは、取得された契約情報に示された利用契約が有効な契約として存在するか否かについて、契約相手の供給事業者の供給事業者装置500に照会する。(5)照会部114cによる照会の結果有効な契約として存在していることが確認された場合、登録部112は、取得された契約情報を記憶部130に登録する。
【0047】
(6)ウォレットサーバ100の発行部114は、上記登録された契約情報の真正性を証明するための電子証明書を発行する。(7)登録部112は、発行された電子証明書を、利用者ごとのオンラインウォレットに保管するため、記憶部130に登録する。
【0048】
(8)取得部111は、サードパーティアプリを提供するアプリ事業者のアプリ事業者装置600から、事業者登録を行うために、このアプリ事業者の事業者情報を取得する。
【0049】
事業者情報は、事業者に関する情報である。事業者情報は、例えば、各事業者を識別するための事業者識別情報、屋号、法人名、業種、住所、メールアドレス、連絡先、および/または代表者などを含んでもよい。また、事業者情報は、例えば事業者がアプリ事業者の場合、電子証明書をサードパーティアプリへ連携する際の接続に用いる情報(例えば、当該接続の接続IDなど)、および/または接続方法(例えば、API接続または専用線など)を含んでもよい。また、事業者情報は、例えば事業者がアプリ事業者の場合、連携するサードパーティアプリに関するアプリ情報を含んでもよい。アプリ情報は、各アプリを識別するためのアプリ識別情報、各アプリのアプリ名(言い換えれば、アプリタイトル)、各アプリの種別(例えば、情報提供、ゲーム、会員証、決済、またはロードサービスなど)を含んでもよい。
【0050】
(9)アプリ事業者装置600は、端末装置200に対してサードパーティアプリを提供する。言い換えれば、端末装置200は、アプリ事業者装置600から、(アプリケーションストア等を介して)サードパーティアプリをダウンロードしてインストールする。(10)端末装置200は、インストールされたサードパーティアプリをセットアップする。
【0051】
<2-4.オンラインウォレットの利用>
図5を参照して、ウォレットシステム1のオンラインウォレットを利用する場面について説明する。
【0052】
D1)オンラインウォレット、D2)ユーザIF、D3)機器IF
(1)
図5に示すように、ウォレットサーバ100は、端末装置200および動作機器300との間で契約情報と電子証明書の組み合わせを連携する。具体的には、ウォレットサーバ100の要求取得部111cは、端末装置200または動作機器300から、組み合わせの提供要求を取得する。ウォレットサーバ100の証明書取得部111bは、この提供要求に応じて、記憶部130から契約情報と電子証明書の組み合わせを取得する。ウォレットサーバ100の提供部113は、この提供要求に応じて、取得した組み合わせを要求元の端末装置200または動作機器300に提供する。
【0053】
(2a)端末装置200は、上記取得した組み合わせに基づいて、供給装置400にエネルギーの供給を要求する。この要求は、組み合わせと利用者識別情報を含んでもよい。(2b)動作機器300は、上記取得した組み合わせに基づいて、供給装置400にエネルギーの供給を要求する。この要求は、組み合わせと動作機器識別情報を含んでもよい。(3)供給装置400は、上記(2a)または上記(2b)の要求を取得して、この要求に含まれる電子証明書の有効性を判定する。
【0054】
(4)電子証明書が有効であると判定した場合、供給装置400は、ウォレットサーバ100に利用契約による取引が可能か否かを問合せる。この問合せは、上記(2a)の利用者識別情報、または上記(2b)の動作機器識別情報を含んでもよい。(5a)ウォレットサーバ100の権限者認証部116aは、供給の要求の要求元が端末装置200の場合、契約情報に含まれる権限者識別情報と利用者識別情報とを照合して、利用者が利用権限者であることを認証する。(5b)ウォレットサーバ100の機器認証部116bは、供給の要求の要求元が動作機器300の場合、契約情報に含まれる対象機器識別情報と動作機器識別情報とを照合して、動作機器300が対象機器であることを認証する。(6)ウォレットサーバ100の通信部120は、上記(5a)または上記(5b)の認証の結果が成功の場合、供給装置400に取引可能と応答する。(7)供給装置400は、取引可能の応答を取得し、動作機器300へのエネルギーの供給を実行する。
【0055】
(8)供給装置400は、ウォレットサーバ100に対して、自装置で記録したエネルギーの供給履歴を共有する。具体的には、供給装置400は、この供給履歴を示す供給履歴情報をウォレットサーバ100に送信する。ウォレットサーバ100の取得部111は、供給装置400から送信された供給履歴情報を取得する。(9)ウォレットサーバ100の照合部116cは、取得された供給履歴情報と、端末装置200が記録したエネルギーの供給に関する履歴、および/または供給事業者装置500が記録したエネルギーの供給に関する履歴を照合する。照合部116cによる照合の結果が各装置の履歴間で不整合があることを示す場合、通知部118は、その旨を端末装置200および/または供給事業者装置500に通知する。
【0056】
上記構成のもと、ウォレットシステム1では、外出先等での供給装置400による供給の際に、予め締結された利用契約における取引として動作機器300にエネルギーを供給させることができる。このため、外出先で動作機器300に対するエネルギーの供給を可能にするにあたって、決済に関するコストを削減することができる。
【0057】
上記構成のもと、ウォレットシステム1では、権限者認証および/または対象機器認証を行うことでよりセキュリティ(特に真正性または信頼性)がより高いシステムを提供することができる。
【0058】
<3.機能構成>
図6を参照して、本実施形態に係るウォレットサーバ100の機能構成を説明する。
図6に示すように、ウォレットサーバ100は、制御部110と、通信部120と、記憶部130と、を備える。
【0059】
制御部110は、取得部111と、提供部113と、を備える。また、制御部110は、登録部112、発行部114、判定部115、認証部116、決済処理部117および/または通知部118を備えてもよい。
【0060】
[取得部]
取得部111は、端末装置200、動作機器300、供給装置400または供給事業者装置500から、サイクリックにまたはイベントドリブンで、各種要求および各種情報を取得する。取得部111が各種情報等を取得する態様に関してはどのような態様でもよい。取得部111は、例えば、供給事業者装置500から、各種情報を示すファイルを受信してもよい。また、取得部111は、例えば、端末装置200から、Webブラウザの画面に対して利用者から各種情報が入力された際、この入力された各種情報を示すメッセージを随時受信してもよい。また、取得部111は、例えば、取得先の装置が実装するAPIに各種情報の参照を指示して、その参照の結果として各種情報を取得してもよい。
【0061】
取得部111は、契約取得部111aを備える。契約取得部111aは、端末装置200、供給事業者装置500または記憶部130から、契約情報を取得する。
【0062】
取得部111は、証明書取得部111bを備える。証明書取得部111bは、供給事業者装置500または記憶部130から、電子証明書を取得する。
【0063】
取得部111は、要求取得部111cを備える。要求取得部111cは、利用契約に基づく利用者の動作機器300へのエネルギーの供給を可能とするために、契約情報と電子証明書の組み合わせの提供要求を、利用者の利用者装置(例えば、端末装置200または供給装置400。以下同じ。)から取得する。
【0064】
取得部111は、例えば、判定取得部111dを備えてもよい。判定取得部111dは、組み合わせに基づくエネルギーの供給の可否の判定(以下、「供給可否判定」ともいう)の結果を、利用者装置から取得する。
【0065】
取得部111は、例えば、請求取得部111eを備えてもよい。請求取得部111eは、例えば、供給可否判定の結果がエネルギーの供給を不可とする判定の場合、利用者装置から、この供給を可能とするための支払い(以下、「供給支払い」ともいう)を請求する請求情報を取得する。
【0066】
請求取得部111eは、例えば、判定部115による判定の結果が電子証明書は有効でないとする判定の場合、利用者装置から、請求情報を取得してもよい。また、請求取得部111eは、例えば、権限者認証部116aまたは機器認証部116bによる認証の結果が認証失敗の場合、利用者装置から、請求情報を取得してもよい。
【0067】
請求情報は、例えば、各請求を識別するための請求識別情報、請求日時、請求対象のエネルギーの供給量、供給量に対する支払い金額、および/または支払い先口座の口座情報などを含んでもよい。口座情報は、例えば、支払い先口座が銀行の口座の場合、対象の銀行を識別するための銀行識別情報(例えば、銀行名および支店名など)、および口座番号などを含んでもよい。
【0068】
取得部111は、例えば、決済取得部111fを備えてもよい。決済取得部111fは、例えば、供給可否判定の結果がエネルギーの供給を不可とする判定の場合、端末装置200または記憶部130から、利用者のアカウントを用いて決済をするための決済手段情報を取得する。
【0069】
決済取得部111fは、例えば、判定部115による判定の結果が電子証明書は有効でないとする判定の場合、利用者のアカウントを用いて決済をするために、決済手段情報を取得してもよい。また、決済取得部111fは、例えば、権限者認証部116aまたは機器認証部116bによる認証の結果が認証失敗の場合、利用者装置から、利用者のアカウントを用いて決済をするために、決済手段情報を取得してもよい。
【0070】
決済手段情報は、例えば、利用者が指定する各決済手段の種別を示す種別情報(例えば、クレジットカード決済、デビットカード決済、電子マネー決済等)、各決済手段を識別するための決済手段識別情報(例えば、カード番号、口座番号等)、各決済手段を提供する決済事業者識別情報、各決済手段のセキュリティのためのセキュリティ情報などを含む。決済手段情報は、例えば、決済手段がクレジットカード決済の場合、決済手段識別情報としてカード番号、決済手段を利用する利用者の利用者情報として名義人、セキュリティ情報として有効期限およびセキュリティコードを含んでもよい。
【0071】
取得部111は、例えば、利用者取得部111gを備えてもよい。利用者取得部111gは、利用者装置から、利用者を識別するための利用者識別情報を取得する。
【0072】
取得部111は、例えば、機器取得部111hを備えてもよい。機器取得部111hは、動作機器300または端末装置200から、動作機器300を識別するための動作機器識別情報を取得する。
【0073】
[提供部]
提供部113は、端末装置200、動作機器300、供給装置400または供給事業者装置500に、各種情報を提供する。
【0074】
提供部113は、要求取得部111cが取得した提供要求に応じて、契約情報と電子証明書の組み合わせを利用者装置に提供する。このような構成によれば、提供部113は、外出先での供給装置400による供給の際に、予め締結された利用契約における取引として動作機器300にエネルギーを供給させるための組み合わせを利用者装置に提供することができる。このため、外出先で動作機器300に対するエネルギーの供給を可能にするにあたって、決済に関するコストを削減することができる。
【0075】
提供部113は、例えば、契約情報と電子証明書の組み合わせを動作機器300に提供してもよい。組み合わせを提供された動作機器300は、利用契約に基づく動作機器300へのエネルギーの供給を可能とするために、供給装置400に対して、この組み合わせに基づいてエネルギーの供給を要求する。
【0076】
上記構成によれば、提供部113は、外出先等での供給装置400による動作機器300へのエネルギーの供給の際に、予め締結された利用契約における取引として動作機器300に供給させるための組み合わせを動作機器300に提供することができる。このため、端末装置200を利用せずとも動作機器300を利用して、外出先等で動作機器300に対するエネルギーの供給を可能にするにあたって、決済に関するコストを削減することができる。
【0077】
[発行部]
発行部114は、契約取得部111aにより取得された契約情報に基づいて、契約情報を証明するための電子証明書を発行する。発行部114は、発行する電子証明書に有効期限を設定してもよい。発行部114は、発行した電子証明書を、オンラインウォレットに保管するために記憶部130に登録する。このような構成によれば、電子証明書をウォレットサーバ100自ら発行することができる。このため、エネルギーの供給にあたって、より簡易に電子証明書を用意して提供することができる。
【0078】
発行部114は、例えば、認証機関の装置(以下、「認証機関装置」ともいう)に、契約情報の電子証明書の発行要求を行ってもよい。この場合、発行部114は、認証機関装置から発行した電子証明書を取得して、記憶部130に登録する。
【0079】
[判定部]
判定部115は、電子証明書が有効か否かを判定する。判定部115は、例えば、電子証明書に含まれる有効期限内か否かを判定し、有効期限内の場合は電子証明書が有効と判定してもよい。他方、判定部115は、有効期限外の場合は電子証明書が失効と判定してもよい。また判定部115は、例えば、認証機関が発行した電子証明書の場合、この認証機関装置から取得した証明書失効リスト(CRL:Certificate Revocation List)に基づいて、電子証明書が有効か否かを判定してもよい。
【0080】
認証機関は、公的な機関でも民間の機関でもよく、例えば、信頼できる第三者機関として、TTP(Trusted Third Party(認証局))または認証機関(CA:Certification Authority)であってもよい。
【0081】
[認証部]
認証部116は、利用契約におけるエネルギーの供給を可能とするために各種認証を行う。認証部116が行う認証は、例えば、NIST SP 800-63-3が規定する当人認証(Authentication)であってもよい。また、認証部116が採用する認証レベルは、以下のように、例えば、NIST SP 800-63Bが規定するAAL(Authenticator Assurance Level)のレベル1~3のいずれかであってもよい。
・レベル1:認証情報の3要素(知識・所持・生体)のうち、単要素または複数要素を使う必要があり、当人認証の信用度がある程度ある。すなわち、最低でも単要素認証を行えば達成できる。
・レベル2:3要素のうち、IDパスワード+ワンタイムパスワードなど複数要素を使う必要があり、当人認証の信用度が相当程度ある。レベル2では、レベル3と異なり、2要素目の認証方法がソフトウェアを用いるものでも達成できる。
・レベル3:2要素認証、かつ2要素目の認証方法は耐タンパ性を有するハードウェアを用いる必要があり、当人認証の信用度が非常に高い(具体的には、PINコード+ICチップ内蔵カード(以下、「ICカード」ともいう)+マイナンバーカードなど)。
【0082】
認証部116は、権限者認証部116aを備える。権限者認証部116aは、契約情報に含まれる権限者識別情報と、利用者取得部111gにより取得された利用者識別情報とを照合して、利用者が利用権限者であることを認証(権限者認証)する。
【0083】
例えば、権限者識別情報と利用者識別情報とが同じ項目の値(例えば、利用者および利用権限者の氏名)とする場合、認証部116は、権限者識別情報と利用者識別情報とが一致するか否かを照合して、一致した場合は認証成功としてもよい。例えば、権限者識別情報と利用者識別情報とが異なる項目の値(例えば、契約情報に示された契約識別情報および利用権限者の氏名の組み合わせと、サードパーティアプリのユーザID)とする場合、認証部116は、記憶部130に契約情報と関連付けて登録されている利用者情報の中から、取得された照合対象の利用者識別情報を検索キーとして該当するものを検索する。認証部116は、検索の結果ヒットした利用者情報に関連付けられた契約情報の権限者識別情報と、照合対象の権限者識別情報とが一致するか否かを照合してもよい。
【0084】
認証部116は、機器認証部116bを備える。機器認証部116bは、契約情報に含まれる対象機器識別情報と、機器取得部111hにより取得された動作機器識別情報とを照合して、動作機器が対象機器であることを認証(対象機器認証)する。
【0085】
上記の権限者認証と同様に、例えば、対象機器識別情報と動作機器識別情報とが同じ項目の値(例えば、対象機器と動作機器のVIN)とする場合、認証部116は、対象機器識別情報と動作機器識別情報とが一致するか否かを照合して、一致した場合は認証成功としてもよい。
【0086】
認証部116は、照合部116cを備える。照合部116cは、取得部111が取得した供給履歴情報と、端末装置200が記録したエネルギーの供給に関する履歴、および/または供給事業者装置500が記録したエネルギーの供給に関する履歴を照合する
【0087】
照合部116cは、例えば、契約情報と供給履歴情報とを照合し、利用権限者または対象機器によるエネルギーの利用ではない可能性がある履歴を抽出してもよい。照合部116cは、例えば、通常使用する供給装置400、すなわち所定の回数または所定の頻度で使用する供給装置400が設置されているエリアから所定の範囲外にある他のエリアにおけるエネルギーの供給を示す履歴を抽出してもよい。また、照合部116cは、例えば、契約情報には対象機器が1台しか定められていないにも関わらず、同じ時間帯において2か所のエリアにおけるエネルギーの供給を示すそれぞれの履歴を抽出してもよい。
【0088】
照合部116cは、上記のような履歴が抽出された場合、抽出された履歴に対応する電子証明書を(一時的に)無効にしてもよい。また照合部116cは、上記のような履歴が抽出された場合、認証部116の認証レベルを上げてもよい(例えば、レベル2からレベル3へ変更する)。このような構成によれば、照合部116cは、信頼性の高いウォレット機能を提供することができる。
【0089】
[決済処理部]
決済処理部117は、請求取得部111eにより取得された請求情報と決済取得部111fにより取得された決済手段情報に基づいて、供給支払いの決済のための処理を実行する。決済処理部117は、例えば、供給可否判定の結果がエネルギーの供給を不可とする判定の場合、供給支払いの決済のための処理を実行してもよい。
【0090】
電子証明書が有効でない場合、または利用権限者もしくは対象機器の認証が認証失敗となった場合など、契約情報または供給を要求する利用者に何らかの異常またはミスがある場合、利用契約における取引のみ可能としていては、エネルギーの供給が即座に不可能となってしまう。上記構成によれば、上記のような場合においても、バックアップの手段として決済手段方法で示す決済手段での支払い決済を可能とすることでより柔軟なウォレット機能を提供することができる。
【0091】
[通知部]
通知部118は、判定部による判定の結果、認証部116による認証の結果、および/または照合部116cによる照合の結果を利用者および/または供給事業者に確認させるため、利用者装置および/または供給事業者装置500に履歴間で不整合がある旨を通知してもよい。
【0092】
通知部118は、例えば、照合部116cによる照合の結果、各装置が記録した履歴間で不整合がある場合、利用者および/または供給事業者に確認させるため、利用者装置および/または供給事業者装置500に履歴間で不整合がある旨を通知してもよい。
【0093】
通知部118は、例えば、照合部116cにより利用権限者または対象機器によるエネルギーの利用ではない可能性がある履歴が抽出された場合、利用者および/または供給事業者に確認させるため、利用者装置および/または供給事業者装置500にこの履歴が抽出された旨を通知してもよい。
【0094】
[通信部]
通信部120は、第1ネットワークN1を介して、端末装置200、動作機器300、供給装置400、または供給事業者装置500との間で電子証明書または契約情報などの各種情報を送受信する。通信部120は、例えば、利用者装置から、利用契約における取引が可能か否かの問合せを受信してもよい。また、通信部120は、この問合せに対する応答を、問合せ元の利用者装置に送信する。
【0095】
[記憶部]
記憶部130は、オンラインウォレットに保管される契約情報と電子証明書の組み合わせ、利用者情報、および/または事業者情報などの各種情報を記憶する。記憶部130は、利用者の利用者情報と、この利用者に関する契約情報と、この利用者の動作機器300の機器情報と、を関連付けて記憶してもよい。記憶部130は、データベースマネジメントシステム(DBMS)を利用して各情報を記憶してもよいし、ファイルシステムを利用して各情報を記憶してもよい。DBMSを利用する場合は、記憶部130は、情報ごとにテーブルを設けて、テーブル間を関連付けて各情報を管理してもよい。
【0096】
<4.動作例>
図7を参照して、ウォレットシステム1の動作例を説明する。
図7は、ウォレットシステム1での契約情報の取得からエネルギーの供給までの相互作用を表すシーケンス図である。なお、以下に示す処理の順番および処理のまとまりは一例であって、適宜、変更されてもよい。また、以下に示す処理の流れは一連でなくてもよい。
【0097】
図7に示すように、端末装置200は、サードパーティアプリに対する利用者の操作に応じて、組み合わせの提供要求をウォレットサーバ100に送信する(ステップS10)。ウォレットサーバ100の要求取得部111cは、端末装置200から、組み合わせの提供要求を取得する(ステップS11)。ウォレットサーバ100の契約取得部111aは、契約情報を取得する(ステップS12)。ウォレットサーバ100の証明書取得部111bは、上記取得された契約情報の電子証明書を取得する(ステップS13)。ウォレットサーバ100の提供部113は、上記取得された提供要求に応じて、契約情報と電子証明書の組み合わせを端末装置200に提供する(ステップS14)。
【0098】
端末装置200は、上記ウォレットサーバ100から提供された組み合わせを取得する(ステップS15)。端末装置200は、取得された組み合わせに基づいて、エネルギーの供給要求を供給装置400に送信する(ステップS16)。供給装置400は、端末装置200から送信された供給要求(利用者識別情報を含む)に基づいて、電子証明書の有効性を判定する(ステップS17)。
【0099】
端末装置200、ウォレットサーバ100および供給装置400は、供給装置400による上記判定の結果が電子証明書は有効であるとする場合、複合フラグメントalt1(alternative1)が示すエリアの上部内の処理を実行する。具体的には、供給装置400は、利用契約における取引が可能か否かの問合せ(利用者識別情報を含む)をウォレットサーバ100に送信する(ステップS18)。ウォレットサーバ100の取得部111がこの問合せを取得すると、ウォレットサーバ100の権限者認証部116aは、契約情報の権限者識別情報とこの問合せに含まれる利用者識別情報とを照合して、利用者が利用権限者であることを認証する(ステップS19)。
【0100】
端末装置200、ウォレットサーバ100および供給装置400は、供給装置400による上記認証の結果が認証成功である場合、複合フラグメントalt2(alternative2)が示すエリアの上部内の処理を実行する。具体的には、ウォレットサーバ100の権限者認証部116aは、利用契約における取引が可能であることを示す応答を供給装置400に送信する(ステップS20)。供給装置400は、この応答を取得すると、動作機器300に対する供給のための処理を実行する(ステップS21)。
【0101】
端末装置200、ウォレットサーバ100および供給装置400は、供給装置400による上記認証の結果が認証失敗である場合、複合フラグメントalt2が示すエリアの下部内の処理を実行する。具体的には、ウォレットサーバ100の権限者認証部116aは、利用契約における取引が不可能であることを示す応答を供給装置400に送信する(ステップS22)。ウォレットサーバ100と供給装置400は、後述するステップS23~26の処理を実行する。なお、この場合において、ステップS23の処理で電子証明書の有効性の判定の結果は送信しない。
【0102】
端末装置200、ウォレットサーバ100および供給装置400は、供給装置400による上記判定の結果が電子証明書は有効でないとする場合、複合フラグメントalt2が示すエリアの下部内の処理を実行する。具体的には、供給装置400は、電子証明書の有効性の判定の結果(有効でない)とエネルギーの供給を可能とするための支払いを請求するための請求情報をウォレットサーバ100に送信する(ステップS23)。ウォレットサーバ100の請求取得部111eは、供給装置400から、送信された請求情報を取得する(ステップS24)。ウォレットサーバ100の決済取得部111fは、記憶部130から、決済手段情報を取得する(ステップS25)。ウォレットサーバ100の決済処理部117は、請求情報と決済手段情報に基づいて、供給を可能とするための支払いの決済のための処理を実行する(ステップS26)。
【0103】
<5.ハードウェア構成>
図8を参照して、上述してきたウォレットサーバ100および端末装置200をコンピュータ800により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0104】
図8に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801と、メモリ803と、記憶装置805と、入力I/F部807と、データI/F部809と、通信I/F部811、および表示装置813を含む。
【0105】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における様々な処理を制御する。例えば、ウォレットサーバ100の制御部110または端末装置200の制御部(不図示)が備える各機能部などは、メモリ803に一時記憶されたプログラムを、プロセッサ801が実行することにより実現可能である。
【0106】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0107】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。この他、記憶装置805は、契約情報および/または利用者情報などを登録するテーブルと、当該テーブルを管理するDBを記憶することも可能である。このようなプログラムまたはデータは、必要に応じてメモリ803にロードされることにより、プロセッサ801から参照される。
【0108】
入力I/F部807は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイスなどが挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)などのインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0109】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置などがある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0110】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線または無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0111】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイなどが挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブルなどを介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部807としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置813は、入力I/F部807と一体化して構成することが可能である。
【0112】
なお、上記実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0113】
また、上記実施の形態で記載されたウォレットサーバ100が備える構成要素は、記憶装置805に格納されたプログラムがプロセッサ801によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。また、言い換えれば、これらの構成要素は、ソフトウェアまたはファームウェアとしても、それと対応するハードウェアとしても想定され、その双方の概念において、「機能」、「手段」、「部」、「処理回路」、「ユニット」、または「モジュール」などとも記載され、またそれぞれに読み替えることができる。
【0114】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。本実施形態は、第1実施形態に係るウォレットシステム1がオンラインウォレットで組み合わせを保管していたのに対し、本実施形態では、端末装置200aまたは動作機器300aのウォレット、いわゆるローカルウォレットで組み合わせを保管する形態である。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。本実施形態では、動作機器300aを車両とする例を説明する。
【0115】
図9を参照して、本実施形態に係るウォレットシステム1aの概要の一例を説明する。
図9に示すように、ウォレットシステム1aでは、契約情報が、その電子証明書と組み合わされて端末装置200aにインストールされたウォレットシステム1専用のアプリケーションプログラム(以下、「ウォレットアプリ」ともいう)によるローカルウォレット、または動作機器300aの車載OS用のソフトウェア(以下、「車載ソフト」ともいう)によるローカルウォレットに格納される。
【0116】
(0)
図9に示すように、本実施形態に係る端末装置200aまたは動作機器300aと供給事業者装置500とは、利用契約を連携する。例えば、供給事業者装置500は、自装置が記憶する契約情報を端末装置200aのウォレットアプリまたは動作機器300aの車載ソフトに送信する。また例えば、供給事業者装置500で電子証明書を発行する場合、供給事業者装置500は、契約情報と併せて電子証明書も端末装置200aのウォレットアプリまたは動作機器300aの車載ソフトに送信してもよい。端末装置200aのウォレットアプリまたは動作機器300aの車載ソフトは、供給事業者装置500から、契約情報および/または電子証明書を取得する。
【0117】
(1a)利用者媒体600は、端末装置200aのウォレットアプリを利用するためのユーザ認証、言い換えればウォレットアプリにログインするためのユーザ認証を要求する。(2a)端末装置200aは、この要求に基づいて、ウォレットアプリにおけるユーザ認証を実行する。(3a)端末装置200aのウォレットアプリは、供給事業者装置500から取得した組み合わせに基づいて、供給装置400にエネルギーの供給を要求する。また、この供給の要求は、利用者を識別するための利用者識別情報を含んでもよい。
【0118】
(1b)利用者媒体600は、動作機器300aを利用するための認証、言い換えれば動作機器300aの車載OSにログインして駆動させるための認証を要求する。(2a)動作機器300aは、この要求に基づいて、認証を実行する。(3b)動作機器300aは、取得した組み合わせに基づいて、供給装置400にエネルギーの供給を要求する。また、この供給の要求は、例えば、動作機器300aを識別するための動作機器識別情報を含んでもよい。
【0119】
(4)供給装置400は、端末装置200aまたは動作機器300aから取得した電子証明書の有効性を判定する。(5a)供給装置400、判定の結果が電子証明書は有効であることを示す場合、上記(1a)~(3a)のプロセスを経た場合には権限者識別情報と利用者識別情報とを照合し、利用者が利用権限者に該当することを認証する。(5b)他方、供給装置400、判定の結果が電子証明書は有効であることを示す場合、上記(1b)~(3b)のプロセスを経た場合には対象機器識別情報と動作機器識別情報とを照合し、動作機器300aが対象機器に該当することを認証する。本例では、上記(5a)および(5b)のいずれの場合においても認証成功とする。(6)供給装置400は、この認証の結果(認証成功)に基づいて、動作機器300aへのエネルギーの供給を実行する。
【0120】
図10を参照して、本実施形態に係る端末装置200aの機能構成の一例について説明する。
図10に示すように、端末装置200aは、端末制御部210と、端末通信部220と、端末記憶部230と、を備える。端末通信部220は、ウォレットサーバ100の通信部120と同様の機能を有してもよい。また、端末記憶部230は、ウォレットサーバ100の記憶部130と同様の機能を有してもよい。
【0121】
端末制御部210は、取得部211と、提供部213と、を備える。また、制御部110は、登録部212、発行部214、判定部215、認証部216、および/または決済処理部217を備えてもよい。第1実施形態のウォレットサーバ100の制御部110が備える各機能部と同じ名前の機能部は、制御部110が備える各機能部と同様の機能を備えてもよい。端末制御部210は、所定のプログラム(例えば、ウォレットアプリ)を実行することにより、これらの機能部を実現する。
【0122】
本実施形態に係る動作機器300aは、上記の端末装置200aの機能構成と同様の機能構成であってもよい。
【符号の説明】
【0123】
1…ウォレットシステム、100…ウォレットサーバ、110…制御部、111…取得部、111a…契約取得部、111b…証明書取得部、111c…要求取得部、112…登録部、113…提供部、114…発行部、115…判定部、116…認証部、117…決済処理部、118…通知部、120…通信部、130…記憶部、200…端末装置、300…動作機器、400…供給装置、500…供給事業者装置、600…アプリ事業者装置、800…コンピュータ、801…プロセッサ、803…メモリ、805…記憶装置、807…入力I/F部、809…データI/F部、811…通信I/F部、813…表示装置。