(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086877
(43)【公開日】2024-06-28
(54)【発明の名称】足場支持パイプ挿通工法
(51)【国際特許分類】
E04G 3/24 20060101AFI20240621BHJP
F27D 17/00 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
E04G3/24 301D
F27D17/00 105G
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024064096
(22)【出願日】2024-04-11
(62)【分割の表示】P 2020090607の分割
【原出願日】2020-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000203977
【氏名又は名称】日鉄テックスエンジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】川底 健
(57)【要約】
【課題】大型の筒状構造物に足場支持パイプを挿通する作業を安全且つ効率良く実施可能な足場支持パイプ挿通工法を提供すること。
【解決手段】筒状構造物1の周壁1a,1bに対向状態で開設された一方の貫通孔3に、足場支持パイプ5を長手方向に移動可能に挟持するガイドローラユニット7を配置する工程と、足場支持パイプ5の基端部5bに延長パイプ5dを固定する工程と、足場支持パイプ5の先端部5a側をガイドローラユニット7及び貫通孔3を経由して筒状構造物1の内部空間2へ挿入する工程と、足場支持パイプ5を貫通孔4に向かって移動させる工程と、貫通孔4の外から補助パイプ9を挿入し、足場支持パイプ5の先端部5aに連結する工程と、足場支持パイプ5の先端部5aを補助パイプ9で貫通孔4に向かって誘導する工程と、足場支持パイプ5の先端部5aを貫通孔4の外部へ露出させる工程と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状構造物の周壁に当該筒状構造物の内部空間を挟んで対向する状態で開設された少なくとも一対の貫通孔を連通するように足場支持パイプを挿通する工法であって、
一方の前記貫通孔に、前記足場支持パイプを長手方向に移動可能に挟持するガイドローラを配置する工程と、
前記足場支持パイプの基端部に延長パイプを固定する工程と、
前記足場支持パイプの先端部側を前記ガイドローラ並びに一方の前記貫通孔を経由して前記筒状構造物の内部空間へ挿入する工程と、
前記足場支持パイプを他方の前記貫通孔に向かって移動させる工程と、
他方の前記貫通孔の外部から補助パイプを挿入し、前記足場支持パイプの先端部に連結する工程と、
前記補助パイプにより前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔に向かって誘導する工程と、
前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔の外部へ露出させる工程と、を備えた足場支持パイプ挿通工法。
【請求項2】
筒状構造物の周壁に当該筒状構造物の内部空間を挟んで対向する状態で開設された少なくとも一対の貫通孔を連通するように足場支持パイプを挿通する工法であって、
一方の前記貫通孔に、前記足場支持パイプを長手方向に移動可能に挟持するガイドローラを配置する工程と、
前記足場支持パイプの基端部に延長パイプを当該足場支持パイプの内部に対し長手方向に抜き差し可能な状態に連結する工程と、
前記足場支持パイプの先端部側を前記ガイドローラ並びに一方の前記貫通孔を経由して前記筒状構造物の内部空間へ挿入する工程と、
前記足場支持パイプを他方の前記貫通孔に向かって移動させる工程と、
他方の前記貫通孔の外部から補助パイプを挿入し、前記足場支持パイプの先端部に連結する工程と、
前記補助パイプにより前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔に向かって誘導する工程と、
前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔の外部へ露出させる工程と、を備えた足場支持パイプ挿通工法。
【請求項3】
筒状構造物の周壁に当該筒状構造物の内部空間を挟んで対向する状態で開設された少なくとも一対の貫通孔を連通するように足場支持パイプを挿通する工法であって、
一方の前記貫通孔に、前記足場支持パイプを長手方向に移動可能に挟持するガイドローラを配置する工程と、
前記筒状構造物の外部において前記ガイドローラから離れた位置に前記足場支持パイプを長手方向に移動可能に下支えする支持手段を配置する工程と、
前記支持手段上に載置した前記足場支持パイプの基端部から前記足場支持パイプ内にガイドパイプを挿入し、前記足場支持パイプの先端部から突出させた前記ガイドパイプの先端部を前記ガイドローラで挟持する工程と、
前記足場支持パイプを前記ガイドパイプに沿って前記ガイドローラに向かって移動させ、一方の前記貫通孔を経由して前記筒状構造物の内部空間へ挿入する工程と、
前記足場支持パイプを他方の前記貫通孔に向かって移動させる工程と、
他方の前記貫通孔の外部から補助パイプを挿入し、前記足場支持パイプの先端部に連結する工程と、
前記補助パイプにより前記足場延長パイプの先端部を他方の前記貫通孔に向かって誘導する工程と、
前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔の外部へ露出させる工程と、を備えた足場支持パイプ挿通工法。
【請求項4】
筒状構造物の周壁に当該筒状構造物の内部空間を挟んで対向する状態で開設された少なくとも一対の貫通孔を連通するように足場支持パイプを挿通する工法であって、
前記足場支持パイプの基端部に延長パイプを固定する工程と、
前記足場支持パイプの先端部側を一方の前記貫通孔を経由して前記筒状構造物の内部空間へ挿入する工程と、
前記足場支持パイプを他方の前記貫通孔に向かって移動させる工程と、
他方の前記貫通孔の外部から補助パイプを挿入し、前記足場支持パイプの先端部に連結する工程と、
前記補助パイプにより前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔に向かって誘導する工程と、
前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔の外部へ露出させる工程と、を備えた足場支持パイプ挿通工法。
【請求項5】
有底筒状構造物の周壁に当該有底筒状構造物の内部空間を挟んで対向する状態で開設された少なくとも一対の貫通孔を連通するように足場支持パイプを挿通する工法であって、
該有底筒状構造物内において前記足場支持パイプを長手方向に移動可能に下支えする内部支持手段を前記有底構造物内の底面上に配置する工程と、
前記足場支持パイプの先端部側を一方の前記貫通孔を経由して前記有底筒状構造物の内部空間へ挿入する工程と、
前記内部支持手段で下支えされた前記足場支持パイプを他方の前記貫通孔に向かって移動させる工程と、
前記内部支持手段で下支えされた前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔の外部へ露出させる工程と、を備えた足場支持パイプ挿通工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製鉄所の転炉の上部に構築された輻射部などの大型の筒状構造物の内部に、当該筒状構造物を水平方向に貫通するように足場支持パイプを挿入する工法に関する。
【背景技術】
【0002】
製鉄所の転炉の上部に構築された輻射部や集塵ダクトあるいは工場の大型煙突などの大型の筒状構造物の内部の点検や補修を行う場合、筒状構造物内に作業床足場が設置されるが、この作業床足場を設置する前に、作業床足場を支持するためのパイプを筒状構造物の内部に水平に架設する必要がある。
【0003】
一方、本発明に関連すると考えられる従来技術として、例えば、特許文献1に記載された「垂直式の水冷ダクト内部の作業用の足場設置機構」あるいは特許文献2に記載された「ダクト内足場機構」などがある。
【0004】
特許文献1に記載された「垂直式の水冷ダクト内部の作業用の足場設置機構」は、垂直に設置された水冷ダクトの内部で使用する着脱可能な足場機構において、足場となる棒状体を水平に水冷ダクトの内筒へ挿通し、さらに内筒から外筒へ挿通するための指示部を有する貫通孔をそれぞれ水冷ダクトの外筒および内筒に設け、これら貫通孔の外筒の外部に突出する一対の支持筒を設け、貫通孔と同じ高さとなる位置に同様に他の貫通孔を設けて他の貫通孔の外部に突出するもう一対の支持筒を設置し、それぞれの対となる一対の支持筒にこれらの一対の支持筒のスパンより長い棒状体を水冷ダクトの外筒の外部から一対の支持筒および貫通孔に挿入貫通し、支持筒より外部にはみ出した棒状体を外部から固定したことを特徴とするものである。
【0005】
特許文献2に記載された「ダクト内足場機構」は、内部を作業者が移動するのに梯子状の足場を必要とするダクトにおいて、足場を設置するダクト内足場機構であり、足場を形成自在で、ダクトの内径よりも短寸に形成された複数の棒状体と、その複数の棒状体をダクトの内側で係止又は固定自在な複数の足場取付手段とからなり、棒状体に、足場取付手段に係止可能な係止部を設けると共に、複数の足場取付手段を、棒状体を所定間隔で所定位置に設置可能に、ダクトの内側に臨ませて配置して、棒状体を足場取付手段に係脱自在に構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-126979号公報
【特許文献2】特開2001-140570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された「垂直式の水冷ダクト内部の作業用の足場設置機構」並びに特許文献2に記載された「ダクト内足場機構」は、それぞれの技術分野において優れた効果を奏するものであるが、ダクト内に棒状体を挿通する工法自体については特許文献1,2に記載されていないので、本発明のように、大型の筒状構造物に足場支持パイプを挿通する作業において利用することは不可能である。
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、大型の筒状構造物に足場支持パイプを挿通する作業を安全且つ効率良く実施可能な足場支持パイプ挿通工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る第一の足場支持パイプ挿通工法は、筒状構造物の周壁に当該筒状構造物の内部空間を挟んで対向する状態で開設された少なくとも一対の貫通孔を連通するように足場支持パイプを挿通する工法であって、
一方の前記貫通孔に、前記足場支持パイプを長手方向に移動可能に挟持するガイドローラを配置する工程と、
前記足場支持パイプの基端部に延長パイプを固定する工程と、
前記足場支持パイプの先端部側を前記ガイドローラ並びに一方の前記貫通孔を経由して前記筒状構造物の内部空間へ挿入する工程と、
前記足場支持パイプを他方の前記貫通孔に向かって移動させる工程と、
他方の前記貫通孔の外部から補助パイプを挿入し、前記足場支持パイプの先端部に連結する工程と、
前記補助パイプにより前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔に向かって誘導する工程と、
前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔の外部へ露出させる工程と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る第二の足場支持パイプ挿通工法は、筒状構造物の周壁に当該筒状構造物の内部空間を挟んで対向する状態で開設された少なくとも一対の貫通孔を連通するように足
場支持パイプを挿通する工法であって、
一方の前記貫通孔に、前記足場支持パイプを長手方向に移動可能に挟持するガイドローラを配置する工程と、
前記足場支持パイプの基端部に延長パイプを当該足場支持パイプの内部に対し長手方向に抜き差し可能な状態に連結する工程と、
前記足場支持パイプの先端部側を前記ガイドローラ並びに一方の前記貫通孔を経由して前記筒状構造物の内部空間へ挿入する工程と、
前記足場支持パイプを他方の前記貫通孔に向かって移動させる工程と、
他方の前記貫通孔の外部から補助パイプを挿入し、前記足場支持パイプの先端部に連結する工程と、
前記補助パイプにより前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔に向かって誘導する工程と、
前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔の外部へ露出させる工程と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る第三の足場支持パイプ挿通工法は、筒状構造物の周壁に当該筒状構造物の内部空間を挟んで対向する状態で開設された少なくとも一対の貫通孔を連通するように足場支持パイプを挿通する工法であって、
一方の前記貫通孔に、前記足場支持パイプを長手方向に移動可能に挟持するガイドローラを配置する工程と、
前記筒状構造物の外部において前記ガイドローラから離れた位置に前記足場支持パイプを長手方向に移動可能に下支えする支持手段を配置する工程と、
前記支持手段上に載置した前記足場支持パイプの基端部から前記足場支持パイプ内にガイドパイプを挿入し、前記足場支持パイプの先端部から突出させた前記ガイドパイプの先端部を前記ガイドローラで挟持する工程と、
前記足場支持パイプを前記ガイドパイプに沿って前記ガイドローラに向かって移動させ、一方の前記貫通孔を経由して前記筒状構造物の内部空間へ挿入する工程と、
前記足場支持パイプを他方の前記貫通孔に向かって移動させる工程と、
他方の前記貫通孔の外部から補助パイプを挿入し、前記足場支持パイプの先端部に連結する工程と、
前記補助パイプにより前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔に向かって誘導する工程と、
前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔の外部へ露出させる工程と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る第四の足場支持パイプ挿通工法は、筒状構造物の周壁に当該筒状構造物の内部空間を挟んで対向する状態で開設された少なくとも一対の貫通孔を連通するように足場支持パイプを挿通する工法であって、
前記足場支持パイプの基端部に延長パイプを固定する工程と、
前記足場支持パイプの先端部側を一方の前記貫通孔を経由して前記筒状構造物の内部空間へ挿入する工程と、
前記足場支持パイプを他方の前記貫通孔に向かって移動させる工程と、
他方の前記貫通孔の外部から補助パイプを挿入し、前記足場支持パイプの先端部に連結する工程と、
前記補助パイプにより前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔に向かって誘導する工程と、
前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔の外部へ露出させる工程と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る第五の足場支持パイプ挿通工法は、有底筒状構造物の周壁に当該有底筒状構造物の内部空間を挟んで対向する状態で開設された少なくとも一対の貫通孔を連通するように足場支持パイプを挿通する工法であって、
該有底筒状構造物内において前記足場支持パイプを長手方向に移動可能に下支えする内部支持手段を前記有底構造物内の底面上に配置する工程と、
前記足場支持パイプの先端部側を一方の前記貫通孔を経由して前記有底筒状構造物の内部空間へ挿入する工程と、
前記内部支持手段で下支えされた前記足場支持パイプを他方の前記貫通孔に向かって移動させる工程と、
前記内部支持手段で下支えされた前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔の外部へ露出させる工程と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、大型の筒状構造物に足場支持パイプを挿通する作業を安全且つ効率良く実施可能な足場支持パイプ挿通工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第一実施形態である足場支持パイプ挿通工法の施工工程を示す概略工程図である。
【
図2】(a)は
図1に示す足場支持パイプ挿通工法により形成した足場支持パイプ挿通構造を示す側面図であり、(b)は前記足場支持パイプ挿通構造の平面図である。
【
図3】本発明の第二実施形態である足場支持パイプ挿通工法の施工工程を示す概略工程図である。
【
図4】(a)は
図3に示す足場支持パイプ挿通工法により形成した足場支持パイプ挿通構造を示す側面図であり、(b)は前記足場支持パイプ挿通構造の平面図である。
【
図5】本発明の第三実施形態である足場支持パイプ挿通工法の施工工程を示す概略工程図である。
【
図6】(a)は
図5に示す足場支持パイプ挿通工法により形成した足場支持パイプ挿通構造を示す側面図であり、(b)は前記足場支持パイプ挿通構造の平面図である。
【
図7】本発明の第四実施形態である足場支持パイプ挿通工法の施工工程を示す概略工程図である。
【
図8】(a)は
図7に示す足場支持パイプ挿通工法により形成した足場支持パイプ挿通構造を示す側面図であり、(b)は前記足場支持パイプ挿通構造の平面図である。
【
図9】本発明の第五実施形態である足場支持パイプ挿通工法の施工工程を示す概略工程図である。
【
図10】(a)は
図9に示す足場支持パイプ挿通工法により形成した足場支持パイプ挿通構造を示す側面図であり、(b)は前記足場支持パイプ挿通構造の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、
図1~
図10に基づいて、本発明の実施形態である足場支持パイプ挿通工法について説明する。
【0017】
初めに、
図1,
図2に基づいて、本発明の第一実施形態である足場支持パイプ挿通工法について説明する。本実施形態に係る足場支持パイプ挿通工法は、
図1(a)~(d)に示すように、製鉄所の転炉の上部に構築された輻射部などの大型の筒状構造物1の周壁1a,1bに当該筒状構造物1の内部空間2を挟んで対向する状態で開設された一対の貫通孔3,4を連通するように足場支持パイプ5を挿通する工法である。
【0018】
図1(a)に示すように、筒状構造物1の周壁1a,1bには貫通孔3,4が開設され、貫通孔3,4の周りの周壁1a,1bには貫通孔3,4と連通する筒状の突出部3a,4aが設けられている。突出部3a,4aの開口部3a,4bはそれぞれ閉止板6a,6bによって閉塞されている。また、一方の貫通孔3の突出部3aの開口部3b寄り部分の外周には蝶番8を介してガイドローラユニット7が取り付けられている。ガイドローラユニット7は上下方向に所定距離を隔てて平行に配列された複数の回転ローラ7a,7bを有している。転炉操業時、ガイドローラユニット7は、
図1(a)に示すように、開口部3bを閉塞する閉止板6aから離れた状態(開状態)で待機している。
【0019】
足場支持パイプ5の挿通作業を開始する場合、
図1(b)に示すように、一方の貫通孔3側の開口部3bを閉塞していた閉止板6aを取り外した後、蝶番8を中心にガイドローラユニット7を旋回させ、開口部3bを覆うようにガイドローラユニット7をセットする。また、他方の貫通孔4側の開口部4bを閉塞していた閉止板6bも取り外し、開口部4bを露出させる。
【0020】
また、
図1(b)に示すように、周壁1aの外側のガイドローラユニット7の近傍において、足場支持パイプ5の基端部5bに、基端部5bの外径より太径のソケット5c並びに基端部5bの内径より細径の延長パイプ5dを直列状に溶接し、足場支持パイプ5と一体化させる。
【0021】
次に、
図1(c)に示すように、足場支持パイプ5の先端部5a側を、ガイドローラユニット7の回転ローラ7a,7bの間に差し込み、複数の作業者M1,M2が協働して足場支持パイプ5と一体化した延長パイプ5dの部分を支えながら、足場支持パイプ5全体をガイドローラユニット7に向かって押し込んでいき、貫通孔4に向かって内部空間2を進行する足場支持パイプ5の先端部5aが貫通孔4から所定距離D(例えば、1m)の位置に達したところで押し込み作業を一旦停止する。
【0022】
次に、貫通孔4側の開口部4bの外側に待機している作業者M3が、足場支持パイプ5の先端部5aの内径よりも外径が小さい先端部9aを有する補助パイプ9の基端部9bを持って先端部9aを開口部4bから貫通孔4を経由して内部空間2へ差し込み、貫通孔4から所定距離D離れた位置で待機している足場支持パイプ5の先端部5aに補助パイプ9の先端部9aを挿入する。
【0023】
次に、作業者M3が補助パイプ9の基端部9bを持った状態を保ちながら、作業者M1,M2が延長パイプ5dの部分をガイドローラユニット7に向かって押し込んでいくと、足場支持パイプ5の先端部5aが補助パイプ9の先端部9a側を飲み込んでいくような状態で足場支持パイプ5全体が貫通孔4に向かって移動していく。
【0024】
この後、
図1(d)に示すように、足場支持パイプ5の先端部5aが貫通孔4側の突出部4aの開口部4bから露出した状態となったら足場支持パイプ5の移動を停止し、足場支持パイプ5の先端部5aから補助パイプ9を離脱させると、足場支持パイプ5の挿通作業が完了する。なお、
図1(d)に示す工程において、ガイドローラユニット7の外側に露出するソケット5cはストッパとしての機能も発揮する。
【0025】
図1に示す足場支持パイプ挿通工法により、製鉄所の転炉の上部に構築された輻射部などの大型の筒状構造物1の周壁1a,1bに当該筒状構造物1の内部空間2を挟んで対向する状態で開設された一対の貫通孔3,4を連通するように足場支持パイプ5を挿通することができる。また、この足場支持パイプ挿通工法により、
図2に示すように、足場支持パイプ5の基端部5bが一方の貫通孔3から露出し、先端部5aが一方の貫通孔4から露出した状態となった足場支持パイプ挿通構造を形成することができる。
【0026】
このように、
図1(a)~(d)に示す足場支持パイプ挿通工法により、大型の筒状構造物1に足場支持パイプ5を挿通する作業を安全且つ効率良く実施することができる。
【0027】
そのほか、
図1に示す足場支持パイプ挿通工法は下記のような長所を有する。
(1)作業者が筒状構造物の内部に入らなくても、足場支持パイプを挿通、架設することができる。
(2)足場支持パイプに延長パイプ、補助パイプを付け加えることにより、挿入操作性が向上すると共に、足場支持パイプの末端まで安全に挿入することができる。
(3)ガイドローラで足場支持パイプの重量を支えることにより、作業者が負担する足場支持パイプの重量を低減することができる。
(4)足場支持パイプを挿入する際の抵抗が軽減され、スムーズに挿入することが可能になる。
(5)足場支持パイプの挿入方向を操作し易くなる。
【0028】
次に、
図3,
図4に基づいて、本発明に係る第二実施形態である足場支持パイプ挿通工法について説明する。
【0029】
図3(a)に示すように、筒状構造物1の周壁1a,1bには貫通孔3,4が開設され、貫通孔3,4の周りの周壁1a,1bには貫通孔3,4と連通する筒状の突出部3a,4aが設けられている。突出部3a,4aの開口部3a,4bはそれぞれ閉止板6a,6bによって閉塞されている。
【0030】
次に、
図3(b)に示すように、一方の貫通孔3側の開口部3bを閉塞していた閉止板6aを取り外した後、蝶番8を中心にガイドローラユニット7を旋回させ、開口部3bを覆うようにガイドローラユニット7をセットする。また、他方の貫通孔4側の開口部4bを閉塞していた閉止板6bも取り外し、開口部4bを露出させる。
【0031】
また、
図3(b)に示すように、周壁1aの外側のガイドローラユニット7の近傍に配置された足場支持パイプ5の基端部5bには、基端部5bの外径より太径のソケット5c及び短管部材5fが溶接されている。短管部材5fの外周には短管部材5fの軸心に向かって進退可能なボルト5eが螺着されている。ソケット5c及び短管部材5fの内径は延長パイプ5dの外径より大であるため、延長パイプ5dは短管部材5f及びソケット5cを貫通して足場支持パイプ5の内部の基端部5b側に収納可能である。また、足場支持パイプ5の内部の基端部5b側に収納された延長パイプ5dは、ボルト5eを締め付けることにより、その位置に固定可能である。
【0032】
足場支持パイプ5の挿通作業を開始するときは、
図3(b)に示すように、ボルト5eを緩めて、足場支持パイプ5の内部の基端部5b側に収容された延長パイプ5dを短管部材5fから離れる方向に引き出した後、ボルト5eを締め付けて、その状態に固定する。
【0033】
次に、足場支持パイプ5の先端部5a側を、ガイドローラユニット7の回転ローラ7a,7bの間に差し込み、複数の作業者M1,M2が協働して足場支持パイプ5と一体化した延長パイプ5dの部分を支えながら、足場支持パイプ5全体をガイドローラユニット7に向かって押し込んでいく。この後、
図3(c)に示す作業を行うが、この作業は、
図1(c)に基づいて説明した内容と同じである。
【0034】
この後、
図3(d)に示すように、足場支持パイプ5の先端部5aが貫通孔4側の突出部4aの開口部4bから露出した状態となったら足場支持パイプ5の移動を停止し、足場支持パイプ5の先端部5aから補助パイプ9を離脱させ、ボルト5eを緩めて、延長パイプ5dを短管部材5f側から足場支持パイプ5の内部へ挿入(収納)し、ボルト5eを締め付けて延長パイプ5dを固定すると、足場支持パイプ5の挿通作業が完了する。
【0035】
図3に示す足場支持パイプ挿通工法により、大型の筒状構造物1の周壁1a,1bに当該筒状構造物1の内部空間2を挟んで対向する状態で開設された一対の貫通孔3,4を連通するように足場支持パイプ5を挿通することができる。また、この足場支持パイプ挿通工法により、
図4に示すように、足場支持パイプ5の基端部5bが一方の貫通孔3から露出し、先端部5aが一方の貫通孔4から露出した状態となった足場支持パイプ挿通構造を形成することができる。
【0036】
このように、
図3(a)~(d)に示す足場支持パイプ挿通工法は、大型の筒状構造物1に足場支持パイプ5を挿通する作業を安全且つ効率良く実施することができる。
【0037】
また、
図3に示す足場支持パイプ挿通工法は、前述した
図1に示す足場支持パイプ挿通工法と同様の長所を有していることに加え、延長パイプを足場支持パイプ内に格納することができるため、周囲の作業スペースを確保することができるという長所も有する。
【0038】
次に、
図5,
図6に基づいて、本発明の第三実施形態である足場支持パイプ挿通工法について説明する。
【0039】
図5(a)に示すように、一方の貫通孔3の突出部3aの開口部3bを閉塞する閉止板6aから離れた場所に、足場支持パイプ5を長手方向に移動可能に下支えする支持手段を配置する。支持手段は、足場支持パイプ5の挿通方向と交差する方向に配置された複数の水平バー11a,11bと、水平バー11aから離れた位置に鉛直方向に立設された支柱10と、水平バー11a,11bの上方に水平バー11a,11bと交差す方向に配置されたガイドパイプ12と、を備えている。ガイドパイプ12の基端部12bは、連結部材13を介して支柱10に固定されている。
【0040】
図5(a)に示すように、水平バー11,12の上に足場支持パイプ5を載置する。このときガイドパイプ12は足場支持パイプ5の内部を貫通し、その先端部12aが足場支持パイプ5の先端部5aから露出した状態にある。また、足場支持パイプ5の基端部5bには基端部5bの外径より太径のソケット5cが溶接されている。
【0041】
足場支持パイプ5の挿通作業を開始する場合、
図5(b)に示すように、一方の貫通孔3側の開口部3bを閉塞していた閉止板6aを取り外した後、蝶番8を中心にガイドローラユニット7を旋回させ、開口部3bを覆うようにガイドローラユニット7をセットする。また、他方の貫通孔4側の開口部4bを閉塞していた閉止板6bも取り外し、開口部4bを露出させる。
【0042】
さらに、延長パイプ14の先端部14a側をガイドローラユニット7の回転ローラ7a,7b間に差し込んで挟持させ、その先端部14aを貫通孔3より内部空間2に突出させ、この状態で延長パイプ14の基端部14bをガイドパイプ12の先端部12aに溶接する。
【0043】
次に、
図5(c)に示すように、作業者M1,M2が協働して、足場支持パイプ5全体をガイドパイプ12の長手方向に沿って貫通孔3方に向かって移動させると、ガイドパイプ12及び延長パイプ14はその位置に止まったまま、足場支持パイプ5の先端部5a側が貫通孔3を経由して筒状構造物の1内部空間2へ挿入される。足場支持パイプ5の先端部5aが貫通孔4から所定距離D離れた位置まで到達したら、挿入作業を一旦停止する。
【0044】
次に、貫通孔4側の開口部4bの外側に待機している作業者M3が、足場支持パイプ5の先端部5aの内径よりも外径が小さい先端部9aを有する補助パイプ9の基端部9bを持って、先端部9aを開口部4bから貫通孔4を経由して内部空間2へ差し込み、貫通孔4から所定距離D離れた位置で待機している足場支持パイプ5の先端部5aに補助パイプ9の先端部9aを挿入する。
【0045】
次に、作業者M3が補助パイプ9の基端部9bを持った状態を保ちながら、作業者M1,M2が延長パイプ5の基端部5b側の部分をガイドローラユニット7に向かって押し込んでいくと、足場支持パイプ5の先端部5aが補助パイプ9の先端部9a側を飲み込んでいくような状態で足場支持パイプ5全体が貫通孔4に向かって移動していく。
【0046】
この後、
図5(d)に示すように、足場支持パイプ5の先端部5aが貫通孔4側の突出部4aの開口部4bから露出した状態となったら足場支持パイプ5の移動を停止し、足場支持パイプ5の先端部5aから補助パイプ9を離脱させると、足場支持パイプ5の挿通作業が完了する。
【0047】
図5に示す足場支持パイプ挿通工法により、大型の筒状構造物1の周壁1a,1bに当該筒状構造物1の内部空間2を挟んで対向する状態で開設された一対の貫通孔3,4を連通するように足場支持パイプ5を挿通することができる。また、この足場支持パイプ挿通工法により、
図6に示すように、足場支持パイプ5の基端部5bが一方の貫通孔3から露出し、先端部5aが一方の貫通孔4から露出した状態となった足場支持パイプ挿通構造を形成することができる。
【0048】
このように、
図5(a)~(d)に示す足場支持パイプ挿通工法は、大型の筒状構造物1に足場支持パイプ5を挿通する作業を安全且つ効率良く実施することができる。
【0049】
また、
図5に示す足場支持パイプ挿通工法は、前述した
図1に示す足場支持パイプ挿通工法と同様の長所を有していることに加え、下記のような長所を有する。
(1)足場支持パイプの重量を支持する点が増えるため、作業者が体感する足場支持パイプの重量がより少なくなり挿入操作性が向上する。
(2)足場支持パイプの挿入作業のスペースが確保されない場合においても、少人数で挿入することが可能になる。
【0050】
次に、
図7,
図8に基づいて、本発明の第四実施形態である足場支持パイプ挿通工法について説明する。
【0051】
図7(a)に示すように、筒状構造物1の周壁1a,1bには貫通孔3,4が開設され、貫通孔3,4の周りの周壁1a,1bには貫通孔3,4と連通する筒状の突出部3a,4aが設けられている。突出部3a,4aの開口部3a,4bはそれぞれ閉止板6a,6bによって閉塞されている。
【0052】
次に、
図7(b)に示すように、
図7(a)において突出部3a,4aの開口部3a,4bを閉塞していた閉止板6a,6bを取り外し、開口部3a,4aを露出させる。また、周壁1aの外側の開口部3bの近傍に足場支持パイプ5を配置する。足場支持パイプ5の基端部5bには、基端部5bの外径より太径のソケット5c並びに基端部5bの内径より細径の延長パイプ5dが直列状に溶接され、足場支持パイプ5と一体化されている。
【0053】
次に、
図7(c)に示すように、足場支持パイプ5の先端部5a側を、開口部3b及び貫通孔3を経由して内部空間2に差し込み、複数の作業者M1,M2が協働して足場支持パイプ5と一体化した延長パイプ5dの部分を支えながら、足場支持パイプ5全体を他方の貫通孔4に向かって押し込んでいき、足場支持パイプ5の先端部5aが貫通孔4から所定距離D(例えば、1m)の位置に達したところで押し込み作業を一旦停止する。
【0054】
次に、貫通孔4側の開口部4bの外側に待機している作業者M3が、足場支持パイプ5の先端部5aの内径よりも外径が小さい先端部9aを有する補助パイプ9の基端部9bを持って、先端部9aを開口部4bから貫通孔4を経由して内部空間2へ差し込み、貫通孔4から所定距離D離れた位置で待機している足場支持パイプ5の先端部5aに補助パイプ9の先端部9aを挿入する。
【0055】
次に、作業者M3が補助パイプ9の基端部9bを持った状態を保ちながら、作業者M1,M2が延長パイプ5dの部分を貫通孔3に向かって押し込んでいくと、足場支持パイプ5の先端部5aが補助パイプ9の先端部9a側を飲み込んでいくような状態で足場支持パイプ5全体が貫通孔4に向かって移動していく。
【0056】
この後、
図7(d)に示すように、足場支持パイプ5の先端部5aが貫通孔4側の突出部4aの開口部4bから露出した状態となったら足場支持パイプ5の移動を停止し、足場支持パイプ5の先端部5aから補助パイプ9を離脱させると、足場支持パイプ5の挿通作業が完了する。
【0057】
図7に示す足場支持パイプ挿通工法により、筒状構造物1の周壁1a,1bに当該筒状構造物1の内部空間2を挟んで対向する状態で開設された一対の貫通孔3,4を連通するように足場支持パイプ5を挿通することができる。また、この足場支持パイプ挿通工法により、
図8に示すように、足場支持パイプ5の基端部5bが一方の貫通孔3から露出し、先端部5aが一方の貫通孔4から露出した状態となった足場支持パイプ挿通構造を形成することができる。
【0058】
このように、
図7(a)~(d)に示す足場支持パイプ挿通工法により、大型の筒状構造物1に足場支持パイプ5を挿通する作業を安全且つ効率良く実施することができる。
【0059】
そのほか、
図7に示す足場支持パイプ挿通工法は下記のような長所を有する。
(1)作業者が筒状構造物の内部に入らなくても足場支持パイプを設置することができる
(2)延長パイプ、補助パイプを付け加えることにより、挿入操作性が向上すると共に、足場支持パイプの末端まで安全に挿入することができる。
【0060】
次に、
図9,
図10に基づいて、本発明の第五実施形態である足場支持パイプ挿通工法について説明する。
【0061】
図9(a)に示すように、筒状構造物1の周壁1a,1bには貫通孔3,4が開設され、貫通孔3,4の周りの周壁1a,1bには貫通孔3,4と連通する筒状の突出部3a,4aが設けられている。突出部3a,4aの開口部3a,4bはそれぞれ閉止板6a,6bによって閉塞されている。
【0062】
次に、
図9(b)に示すように、
図9(a)において突出部3a,4aの開口部3a,4bを閉塞していた閉止板6a,6bを取り外し、開口部3a,4aを露出させる。また、足場支持パイプ15の先端部15aを、開口部3b及び貫通孔3を経由して内部空間2に向かって挿入する。また、開口部4bの近くには作業者M3が待機し、筒状構造物1の内部空間2にパイプ保持具16を持った作業者M4が待機している。パイプ保持具16の先端部はY字状をなしている。
【0063】
次に、
図9(c)に示すように、内部空間2に差し込まれた足場支持パイプ15の先端部15a側を作業者M4がパイプ保持具16を用いて下から支え、この状態を保ちながら、作業者M1と作業者M4が連携して、足場支持パイプ15全体を貫通孔4に向かって移動させる。
【0064】
次に、
図9(d)に示すように、足場支持パイプ15の先端部15aが貫通孔4側の開口部4bから露出したら、開口部4bの外側に待機している作業者M3が、足場支持パイプ15の先端部5aを手に持ち、貫通孔3側の開口部3bの外に居る作業者M1と連繋して足場支持パイプ15の位置調整を行う。
【0065】
この後、
図4(d)に示すように、足場支持パイプ15の先端部15aが貫通孔4側の開口部4bから露出し、基端部15bが貫通孔3側の開口部43bから露出した状態となったら足場支持パイプ15の挿通作業が完了する。
【0066】
図9に示す足場支持パイプ挿通工法により、筒状構造物1の周壁1a,1bに当該筒状構造物1の内部空間2を挟んで対向する状態で開設された一対の貫通孔3,4を連通するように足場支持パイプ15を挿通することができる。また、この足場支持パイプ挿通工法により、
図10に示すように、足場支持パイプ15の基端部15bが一方の貫通孔3から露出し、先端部15aが一方の貫通孔4から露出した状態となった足場支持パイプ挿通構造を形成することができる。
【0067】
このように、
図9(a)~(d)に示す足場支持パイプ挿通工法により、大型の筒状構造物1に足場支持パイプ5を挿通する作業を安全且つ効率良く実施することができる。
【0068】
そのほか、
図9に示す足場支持パイプ挿通工法は下記のような長所を有する。
(1)挿入孔の専用治具や補助パイプなどの追加装置、追加資材が不要であり、足場支持パイプそのものを挿入することができる。
(2)筒状構造物周辺の作業スペースが狭い場合や作業者人数が少ない場合においても安全・確実に足場支持パイプの挿入作業を行うことができる。
【0069】
なお、
図1~
図10に基づいて説明した足場支持パイプ挿通工法は、本発明に係る足場パイプ挿通工法を例示するものであり、本発明に係る足場パイプ挿通工法は、前述した実施形態に係る足場支持パイプ挿通工法に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明に係る足場支持パイプ挿通工法は、製鉄所の転炉の上部に構築された輻射部や集塵ダクトあるいは工場の大型煙突などの大型の筒状構造物の内部の点検や補修を行う場合に設置される作業床足場の構築作業等において広く利用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 筒状構造物
1a,1b 周壁
2 内部空間
3,4 貫通孔
3a,4a 突出部
3b,4b 開口部
5,15 足場支持パイプ
5a,12a,14a,15a 先端部
5b,12b,14b,15b 基端部
5c ソケット
5d,14 延長パイプ
5e ボルト
5f 短管部材
6a,6b 閉止板
7 ガイドローラユニット
7a,7b 回転ローラ
8 蝶番
9 補助パイプ
10 支柱
11a,11b 水平バー
12 ガイドパイプ
13 連結部材
16 パイプ保持具
M1,M2,M3,M4 作業者
【手続補正書】
【提出日】2024-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状構造物の周壁に当該有底筒状構造物の内部空間を挟んで対向する状態で開設された少なくとも一対の貫通孔を連通するように足場支持パイプを挿通する工法であって、
該有底筒状構造物内において前記足場支持パイプを長手方向に移動可能に下支えする内部支持手段を前記有底構造物内の底面上に配置する工程と、
前記足場支持パイプの先端部側を一方の前記貫通孔を経由して前記有底筒状構造物の内部空間へ挿入する工程と、
前記内部支持手段で下支えされた前記足場支持パイプを他方の前記貫通孔に向かって移動させる工程と、
前記内部支持手段で下支えされた前記足場支持パイプの先端部を他方の前記貫通孔の外部へ露出させる工程と、を備えた足場支持パイプ挿通工法。