(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086892
(43)【公開日】2024-06-28
(54)【発明の名称】画像読取装置、画像読取制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240621BHJP
【FI】
H04N1/00 350
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024064736
(22)【出願日】2024-04-12
(62)【分割の表示】P 2020035536の分割
【原出願日】2020-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】谷山 良一
(72)【発明者】
【氏名】筒井 黎
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼口 喜博
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼瀬 裕二
(57)【要約】
【課題】登録された複数の設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる画像読取装置、画像読取制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】制御部は、ユーザーに対応付けてユーザー固有の表示色を登録し、ユーザーによる入力に応じて読取部による画像の読取に関するジョブアイコンをユーザーに対応付けて登録し、ユーザーが特定された場合、登録したジョブアイコンのうち、そのユーザーに対応しないジョブアイコンよりも優先して、そのユーザーに対応するジョブアイコンを表示部に表示させ、かつ、そのユーザーに対応付けて登録した表示色で、ジョブアイコン、ジョブアイコンの背景画像、ヘッダー画像、及び、フッター画像の少なくとも何れかを表示部に表示させる制御を行う。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿から画像を読み取る読取部と、
前記読取部を制御する制御部と、
前記読取部による画像の読取に関する情報を表示する表示部と、を備え、
前記制御部は、
ユーザーに対応付けてユーザー固有の表示色を登録し、
ユーザーによる入力に応じて前記読取部による画像の読取に関するジョブアイコンをユーザーに対応付けて登録し、
ユーザーが特定された場合、登録したジョブアイコンのうち、当該ユーザーに対応しないジョブアイコンよりも優先して、当該ユーザーに対応するジョブアイコンを前記表示部に表示させ、かつ、当該ユーザーに対応付けて登録した表示色で、ジョブアイコン、ジョブアイコンの背景画像、ヘッダー画像、及び、フッター画像の少なくとも何れかを前記表示部に表示させる制御を行い、
前記表示部に表示されたジョブアイコンのうちユーザーによる入力に応じて選択されたジョブアイコンのジョブ内容で前記読取部に画像を読み取らせることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記制御部は、ユーザーを認証することによりユーザーを特定することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記読取部による画像の読取に関するジョブアイコンを、所定数を上限として所定の表示領域に表示し、
前記制御部は、
ユーザーが特定された場合、登録したジョブアイコンのうち、当該ユーザーに対応するジョブアイコンを、当該ユーザーに対応しないジョブアイコンよりも優先する優先順位を決定し、
ユーザーが特定された場合、登録したジョブアイコンのうち、決定した優先順位が高い順に所定数を上限としてジョブアイコンを前記表示部に表示させ、ユーザーによる入力に応じて前記表示部に表示させるジョブアイコンを切り替えることを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記制御部は、ユーザーが特定された場合、当該ユーザーに対応するジョブアイコンのうち、登録した優先度が高いジョブアイコンを、登録した優先度が低いジョブアイコンよりも優先する優先順位を決定することを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記制御部は、ユーザーによる入力に応じて取得された検索情報に基づいて、登録したジョブアイコンを検索し、検索した結果に基づいて登録したジョブアイコンの優先順位を決定することを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項6】
原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知部を備え、
前記読取部による画像の読取に関するジョブアイコンには、原稿のサイズが第1サイズである第1ジョブアイコンと、原稿のサイズが第2サイズである第2ジョブアイコンとが含まれており、
前記制御部は、前記原稿サイズ検知部によって検知された原稿のサイズが前記第1サイズである場合に、前記第1ジョブアイコンを前記第2ジョブアイコンよりも優先する優先順位を決定することを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項7】
ユーザーに対応付けてユーザー固有の表示色を登録する表示色登録ステップと、
ユーザーによる入力に応じて原稿からの画像の読取に関するジョブアイコンをユーザーに対応付けて登録する登録ステップと、
ユーザーが特定された場合、前記登録ステップにおいて登録されたジョブアイコンのうち、当該ユーザーに対応しないジョブアイコンよりも優先して、当該ユーザーに対応するジョブアイコンを表示部に表示させ、かつ、当該ユーザーに対応付けて登録した表示色で、ジョブアイコン、ジョブアイコンの背景画像、ヘッダー画像、及び、フッター画像の少なくとも何れかを前記表示部に表示させる制御を行う表示制御ステップと、
前記表示制御ステップにおいて表示されたジョブアイコンのうちユーザーによる入力に応じて選択されたジョブアイコンのジョブ内容で読取部に画像を読み取らせる読取制御ステップと、を実行することを特徴とする画像読取制御方法。
【請求項8】
コンピューターに、
ユーザーに対応付けてユーザー固有の表示色を登録する表示色登録ステップと、
ユーザーによる入力に応じて原稿からの画像の読取に関するジョブアイコンをユーザーに対応付けて登録する登録ステップと、
ユーザーが特定された場合、前記登録ステップにおいて登録されたジョブアイコンのうち、当該ユーザーに対応しないジョブアイコンよりも優先して、当該ユーザーに対応するジョブアイコンを表示部に表示させ、かつ、当該ユーザーに対応付けて登録した表示色で、ジョブアイコン、ジョブアイコンの背景画像、ヘッダー画像、及び、フッター画像の少なくとも何れかを前記表示部に表示させる制御を行う表示制御ステップと、
前記表示制御ステップにおいて表示されたジョブアイコンのうちユーザーによる入力に応じて選択されたジョブアイコンのジョブ内容で読取部に画像を読み取らせる読取制御ステップと、を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿から画像を読み取る画像読取装置、画像読取制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、原稿から画像を読み取る読取部を備えた画像読取装置が開示されている。このような画像読取装置では、画像の読取に関する複数の設定条件がユーザーにより登録可能である。そして、登録された設定条件を示す複数のアイコン(設定条件情報)が所定の表示領域に表示されるとともに、表示された複数のアイコンのうち何れかがユーザーにより選択されたときに、選択されたアイコンに対応する設定条件に基づいて画像の読取が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の画像読取装置では、例えば複数のユーザーによって設定条件が登録されるなどによって設定条件を登録する数が多くなると、ユーザーの所望とする設定条件を示す設定条件情報が所定の表示領域に表示されていないことがある。この場合、ユーザーの操作に応じて、ユーザーの所望とする設定条件を示す設定条件情報を所定の表示領域に表示させた後に選択しなければならない。そのため、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する画像読取装置は、原稿から画像を読み取る読取部と、前記読取部を制御する制御部と、前記読取部による画像の読取に関する情報を表示する表示部と、を備え、前記制御部は、ユーザーに対応付けてユーザー固有の表示色を登録し、ユーザーによる入力に応じて前記読取部による画像の読取に関するジョブアイコンをユーザーに対応付けて登録し、ユーザーが特定された場合、登録したジョブアイコンのうち、当該ユーザーに対応しないジョブアイコンよりも優先して、当該ユーザーに対応するジョブアイコンを前記表示部に表示させ、かつ、当該ユーザーに対応付けて登録した表示色で、ジョブアイコン、ジョブアイコンの背景画像、ヘッダー画像、及び、フッター画像の少なくとも何れかを前記表示部に表示させる制御を行い、前記表示部に表示されたジョブアイコンのうちユーザーによる入力に応じて選択されたジョブアイコンのジョブ内容で前記読取部に画像を読み取らせる。
【0006】
上記課題を解決する画像読取制御方法は、ユーザーに対応付けてユーザー固有の表示色を登録する表示色登録ステップと、ユーザーによる入力に応じて原稿からの画像の読取に関するジョブアイコンをユーザーに対応付けて登録する登録ステップと、ユーザーが特定された場合、前記登録ステップにおいて登録されたジョブアイコンのうち、当該ユーザーに対応しないジョブアイコンよりも優先して、当該ユーザーに対応するジョブアイコンを表示部に表示させ、かつ、当該ユーザーに対応付けて登録した表示色で、ジョブアイコン、ジョブアイコンの背景画像、ヘッダー画像、及び、フッター画像の少なくとも何れかを前記表示部に表示させる制御を行う表示制御ステップと、前記表示制御ステップにおいて表示されたジョブアイコンのうちユーザーによる入力に応じて選択されたジョブアイコンのジョブ内容で読取部に画像を読み取らせる読取制御ステップと、を実行する。
【0007】
上記課題を解決するプログラムは、コンピューターに、ユーザーに対応付けてユーザー固有の表示色を登録する表示色登録ステップと、ユーザーによる入力に応じて原稿からの画像の読取に関するジョブアイコンをユーザーに対応付けて登録する登録ステップと、ユーザーが特定された場合、前記登録ステップにおいて登録されたジョブアイコンのうち、当該ユーザーに対応しないジョブアイコンよりも優先して、当該ユーザーに対応するジョブアイコンを表示部に表示させ、かつ、当該ユーザーに対応付けて登録した表示色で、ジョブアイコン、ジョブアイコンの背景画像、ヘッダー画像、及び、フッター画像の少なくとも何れかを前記表示部に表示させる制御を行う表示制御ステップと、前記表示制御ステップにおいて表示されたジョブアイコンのうちユーザーによる入力に応じて選択されたジョブアイコンのジョブ内容で読取部に画像を読み取らせる読取制御ステップと、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態における画像読取装置を示す斜視図。
【
図3】画像読取装置の電気的構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、画像読取装置の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の画像読取装置11は、側面視が略台形形状を有する本体12と、画像読取対象である原稿Dが載置(セット)される原稿サポート13とを備える。本体12には、排出口12Bの下側にスタッカー15が前後方向にスライド可能な状態で収納されている。
【0010】
原稿サポート13は、本体12の後側上方へ斜めに延出することで複数枚の原稿Dを載置可能な平面状の載置面13Aを有する。原稿サポート13には、原稿Dが搬送される搬送方向Yと交差(特に直交)する幅方向Xにスライド可能な一対のエッジガイド13Bが設けられている。載置面13A上に積載された原稿Dは、一対のエッジガイド13Bに挟まれることで、給送口12Aに対して幅方向Xに位置決めされる。また、原稿サポート13の載置面13Aには、スライド式の補助サポート部13Cが出退可能に設けられている。載置面13A上に積載された原稿Dは、スライド式の補助サポート部13Cと当接することで給送口12Aに対して搬送方向Yに位置決めされる。なお、幅方向Xが、画像読取装置11が原稿Dの画像を読み取るときの主走査方向、搬送方向Yが副走査方向となる。
【0011】
原稿サポート13に載置された原稿Dは、本体12の上部に開口する給送口12Aから本体12内へ1枚ずつ給送される。給送された原稿Dは、本体12内を所定の搬送経路29(
図2参照)に沿って搬送され、その搬送途中の読取領域SAで画像が読み取られた後、本体12の前側下部に開口する排出口12Bから排出される。
【0012】
本体12の前面部12Cには、電源ボタン20が設けられている。本体12の前面部12Cには、所定の画像を表示領域23に表示する例えば液晶パネル等の表示部22が設けられている。表示部22は、画像読取装置11に関する情報を表示するように構成される。表示部22には、ユーザーの触接操作を検知可能な例えばタッチパネル等の入力部21が設けられている。入力部21は、画像読取装置11に指示を与えるときにユーザーの触接操作に応じて必要な情報を入力するように構成される。
【0013】
図2に示すように、本体12は、本体部18と、本体部18の前端部を中心に回動可能に連結されたカバー部19とを備える。本体12は、本体部18とカバー部19との間において給送口12Aから排出口12Bに至るまで延びる搬送経路29(搬送通路)を有する。
【0014】
本体12内には、原稿Dを搬送する搬送機構30が備えられている。搬送機構30は、原稿サポート13上に積載(セット)された原稿Dを1枚ずつ本体12内へ案内しつつ給送する給送部30Aと、給送した原稿Dを搬送経路29に沿って読取領域SAを通るように搬送する搬送部31と、搬送部31による搬送途中で画像が読み取られた後の原稿Dを排出する排出部32とを有している。搬送機構30は、原稿サポート13上に積載された複数枚の原稿Dを、読取領域SAを通るように搬送経路29に沿って1枚ずつ順番に搬送する自動原稿送り機能を有している。
【0015】
給送部30Aは、本体12内の搬送経路29の上流端位置に、給送ガイド30Bと対向する1つの給送ローラー33(ピックアップローラー)を備えている。給送部30Aは、原稿サポート13上に積載された複数枚の原稿Dを1枚ずつ給送口12Aから給送ガイド30Bに沿って給送する。
【0016】
搬送部31は、給送ローラー33よりも搬送方向Yの下流側の位置に配置された給送ローラー対34と、搬送方向Yにおいて読取領域SAよりも上流側の位置に配置された搬送ローラー対35とを備えている。給送ローラー対34は、駆動ローラー34Aと分離ローラー34B(リタードローラー)とにより構成される。搬送ローラー対35は、駆動ローラー35Aと従動ローラー35Bとにより構成される。
【0017】
排出部32は、搬送方向Yに読取領域SAよりも下流側の位置に配置された排出ローラー対36を備えている。排出ローラー対36は、駆動ローラー36Aと従動ローラー36Bとにより構成される。なお、排出ローラー対36は、搬送ローラー対35と共に原稿Dの読取り中の搬送も担う。
【0018】
このように、搬送方向Yの上流側から順に、給送ローラー33、給送ローラー対34、搬送ローラー対35及び排出ローラー対36がそれぞれ配置され、それぞれ幅方向Xに間隔を隔てて一対ずつ配置されている。
【0019】
給送系の複数のローラー33,34Aは、これらの動力源である給送モーター37の動力により回転駆動する。原稿サポート13に積載された複数枚の原稿Dは、給送ローラー33により最下位のものから1枚ずつ順番に給送口12Aから本体12内へ給送される。このように、給送部30A(ローラー33,34A等)は、給送モーター37を動力源として駆動する。
【0020】
また、給送系の分離ローラー34B及び搬送系の駆動ローラー35A,36Aは、その動力源である搬送モーター38の動力により回転駆動する。給送ローラー33により本体12内へ給送された原稿Dは、読取領域SAに搬送された後に、排出口12Bから排出される。このように、搬送部31(搬送ローラー対34等)と排出部32(排出ローラー対36等)とは、搬送モーター38を共通の動力源として駆動する。
【0021】
また、駆動ローラー35A,36Aは、原稿Dを読み取るときに同じ搬送速度(読取速度)で原稿Dを搬送するように回転駆動する。各従動ローラー35B,36Bは、それぞれが対をなす駆動ローラー35A,36Aの回転により連れ回りする。
【0022】
また、本体12内には、複数のローラー対34~36のうち搬送系の1つの駆動ローラーの回転を検出可能なエンコーダー44(例えばロータリーエンコーダー)が設けられている。エンコーダー44は、駆動ローラーの回転量に比例する数のパルスを含む検出信号を制御部50(コントローラー)に出力する。よって、制御部50は、エンコーダー44の検出信号に基づき、制御部50において搬送中の原稿Dの位置(搬送位置)の把握及び搬送速度の把握を行うことができる。
【0023】
また、一対の給送ローラー33の間には、原稿サポート13にセットされた原稿Dの有無を検知する原稿センサー45が配置されている。原稿センサー45は、例えばレバーを有する接触式センサーであり、原稿サポート13に原稿Dがセットされると、そのセットされた原稿Dがレバーを押すことでONする。
【0024】
また、搬送方向Yに搬送ローラー対35のニップ点よりもやや下流側の位置には、原稿Dの有無を検出可能な原稿有無センサー46が配置されている。原稿有無センサー46は、例えばレバー(接触子)を有する接触式センサーである。原稿有無センサー46は、原稿Dの先端がレバーを押すことで原稿Dを検知してONし、その原稿Dの後端が通り過ぎてレバーが押されなくなると、原稿Dを検知しなくなってOFFする。よって、制御部50は、原稿有無センサー46の検知信号(ON/OFF)に基づき、原稿Dの先端が搬送ローラー対35を通過したこと、及び原稿Dの後端が搬送ローラー対35を通過したことを検知する。原稿有無センサー46が原稿Dの先端と後端とを検知した検知結果は、後述する読取部40(40A,40B)の読取動作の開始と終了のタイミングを決める制御に用いられる。また、原稿有無センサー46は、原稿Dの先端と後端とを検知可能であるため、原稿Dの先端が検知されてから後端が検知されるまでの原稿Dの搬送距離に基づいて原稿Dの搬送方向Yにおける長さ、つまりその長さから決まる原稿サイズを検出することもできる。なお、原稿有無センサー46は、光学式センサー等の非接触センサーとしてもよい。
【0025】
画像読取装置11の本体12内には、画像を読み取る読取部40が設けられている。読取部40は、搬送方向Yにおける搬送ローラー対35と排出ローラー対36との間の位置において搬送経路29を挟む両側に一対設けられている。本実施形態において、一対の読取部40は、搬送経路29に沿って搬送される原稿Dの表面(下面)を読み取る第1読取部40Aと、搬送経路29に沿って搬送される原稿Dの裏面(上面)を読み取る第2読取部40Bとからなり、搬送方向Yに互いに少しずれた位置に配置されているが、一方の読取部を備えない構成であってもよい。
【0026】
一対の読取部40は、読取領域SAに光を照射することにより搬送中の原稿Dに光を照射可能な光源41と、原稿Dから画像を読み取ることができるイメージセンサー42とにより構成されている。通常読取モードでは、第1読取部40Aだけが読取動作を行い原稿Dの表面が読み取られ、両面読取モードでは、第1読取部40Aと第2読取部40Bとが共に読取動作を行い原稿Dの両面(表裏面)が読み取られる。
【0027】
光源41は、例えばLEDや蛍光ランプ等により構成される。イメージセンサー42は、光源41から照射された光が原稿Dで反射した反射光を受光し、受光した光を電気信号に変換して受光量に応じた値の画素信号を出力する。このように、イメージセンサー42は、画像を読み取るセンサーである。イメージセンサー42は、例えばリニアイメージセンサーである。画像読取装置11は、カラースキャンとモノクロスキャン(グレースケールスキャン)とが可能である。なお、以下では、光源41及びイメージセンサー42を、第1読取部40A側のものを指して、第1光源41A及び第1イメージセンサー42Aと記し、第2読取部40B側のものを指して、第2光源41B及び第2イメージセンサー42Bと記す場合がある。
【0028】
イメージセンサー42は、複数の光電変換素子を主走査方向Xに沿って一列に配置した、例えばコンタクト型イメージセンサーである。さらにイメージセンサー42は、具体的にはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーである。イメージセンサー42は、各光電変換素子が受光した光を光電変換して受光量に応じた値の画素信号を出力する。
【0029】
さらに、イメージセンサー42と搬送経路29を挟んで対向するように色基準板43が配置されている。色基準板43は、読取部40の読取対象となる領域のうち、原稿Dの領域を含み、かつ、原稿Dの領域よりも広い領域に配置されている。このため、読取部40により読み取られた画像として原稿Dの領域であるか否かを把握可能となる部材である。つまり、色基準板43は、原稿Dの背景として読み取られる背景板である。また、色基準板43は、シェーディング補正用の白基準値を得るための部材であり、白色を呈する白基準板又はグレー(灰色)を呈するグレー基準板が用いられる。これにより、色基準板43が白基準画像として読み取られ、読み取られた白基準画像に基づいて白基準値が生成される。グレー基準板の場合は、原稿の背景(グレー背景)として読み取って原稿Dの位置及び領域の検出にも用いられる。なお、原稿領域検出用のセンサーを別途設けた場合は、色基準板43は白基準板であることが好ましい。また、色基準板43は、板形状に限らず、輝度の基準となる白基準値を得るための基準部材であれば、形状及び色については問わない。
【0030】
画像読取装置11は、制御部50を備えている。制御部50は、ユーザーが操作する入力部21(
図1参照)からの操作信号又は後述するホスト装置100からの読取指示信号(読取指示)に基づいて原稿Dから画像を読み取るジョブが入力されると、画像読取装置11を制御する。制御部50は、読取制御を行うときは、給送モーター37、搬送モーター38及び読取部40(40A,40B)を制御し、読取部40によって原稿Dから読み取られた画像に基づく画像データを処理する。
【0031】
次に
図3を参照して、画像読取装置11の電気的構成について説明する。
図3に示すように、画像読取装置11は、通信ケーブルを通じてホスト装置100と接続されている。ホスト装置100は、例えばパーソナルコンピューター(以下「PC」ともいう。)であり、その本体と電気的に接続された入力部101と表示部102とを備える。ホスト装置100は、読取ドライバー用プログラムがインストールされることで、その内部に画像読取装置11に対して読取り指示を行う機能をもつソフトウェアよりなる読取ドライバーを備える。なお、ホスト装置100は、PCに限らず、携帯情報端末(PDA(Personal Digital Assistants))、タブレットPC又はスマートフォン等のスマートデバイス等でもよい。
【0032】
ユーザーにより入力部21又はホスト装置100の入力部101が操作されたときに、画像読取処理に関する設定条件が設定される。つまり、ユーザーの入力により設定条件が設定される。設定条件には、原稿サイズ、読取解像度、読取色、片面読取り・両面読取り等を含む読取条件と、読取データ(画像データ)の保存形式、転送方法及び保存先を含む保存条件とが含まれる。原稿サイズには、例えばA4サイズ、B5サイズなどがあり、読取解像度には、例えば300dpi/600dpiがあり、読取色には、モノクロ(グレースケール)/カラーがある。保存形式には、PDF形式、PDF/A形式、JPEG形式、GIF形式、TIFF形式等がある。また、転送方法には、ホスト装置100への転送及びメール転送があり、保存先に保存先のアドレスが指定される。
【0033】
画像読取装置11は、これを統括的に制御する制御部50を内蔵している。制御部50は、マイクロプロセッサー等からなるコンピューター60を備える。コンピューター60は、RAM及び不揮発性メモリー等からなる記憶部61(メモリー)を備える。記憶部61は、読取制御の際に実行すべきプログラムPR等を記憶する。
【0034】
また、制御部50は、ホスト装置100から各種のデータや信号を入力する入力インターフェイスからなる入力部62と、画像読取装置11が読み取った読取データをホスト装置100に出力する出力インターフェイスからなる出力部63とを備える。
【0035】
さらに制御部50は、イメージセンサー42A,42Bに対して読出動作を含む各種の動作タイミングを規定するパルス信号を出力するタイミングジェネレーター64(以下「TG64」とも記す。)を備える。また、制御部50は、イメージセンサー42A,42Bから入力した画素信号をアナログ/デジタル変換(A/D変換)するアナログフロントエンド65(以下「AFE65」とも記す。)を備える。
【0036】
記憶部61には、
図6にフローチャートで示された登録ジョブ制御処理を含むプログラムPRが記憶されている。また、記憶部61には、ユーザーの入力により設定条件が記憶される。コンピューター60は、プログラムPRの実行により内部に構成されるソフトウェアからなる機能部分として、主制御部70、搬送制御部71、読取制御部72及び画像処理部73を備える。主制御部70は、画像読取装置11を統括的に制御する。
【0037】
搬送制御部71は、主制御部70の指示に従って給送モーター37及び搬送モーター38を駆動制御する。給送モーター37の駆動により給送ローラー33が回転することで、原稿サポート13にセットされた複数枚の原稿Dが最下位のものから1枚ずつ順番に本体12内へ給送される。また、給送モーター37が駆動されることで給送ローラー対34を構成する一方の駆動ローラー34Aが回転駆動し、搬送モーター38が駆動されることで他方の分離ローラー34Bが回転駆動する。特に、搬送制御部71は、搬送経路29の途中の読取領域SAを読取解像度(例えば300/600dpi)に応じた読取速度で原稿Dを搬送させるように給送モーター37及び搬送モーター38を駆動制御する。例えば読取解像度が相対的に低い(例えば300dpi)場合は原稿Dが高速度で搬送され、読取解像度が相対的に高い(例えば600dpi)場合は原稿Dが低速度で搬送される。
【0038】
読取制御部72は、TG64を介して読取部40を制御し、読取部40に原稿Dの画像を読み取らせる。特に、読取制御部72は、イメージセンサー42に対して読出動作を含む各種動作の動作タイミングを規定するパルス信号をTG64に出力し、不図示の光源駆動部を介して光源41の発光を制御し、光源41から読取領域SAに光を照射させる。
【0039】
画像処理部73は、読取部40により読み取られた画像のデジタル信号がAFE65を介して入力されると、入力されたデジタル信号に基づく画像データを一時的に記憶し、記憶した画像データにシェーディング補正等の公知の補正処理を行い、原稿Dの画像データを生成する。画像処理部73は、シェーディング補正の他にもガンマ補正等の各種補正を施して、補正済みの画像データを、出力部63を介して通信ケーブル(図示せず)を通じてホスト装置100に出力する。
【0040】
本実施形態において、画像読取装置11は、ユーザーによる入力に応じて設定条件が選択され、その後に、ユーザーによる入力に応じて、選択結果に対応する設定条件で画像の読取が行われるが、その設定条件について事前に登録する事前登録機能(所謂、「お気に入りジョブ登録機能」)を有する。表示部22には、事前に登録された設定条件を示す設定条件情報の一例としてのジョブアイコン(例えば
図7の符号90B~90Eに示す)が表示可能であり、表示されたジョブアイコンの選択が入力部21から入力されると、選択されたジョブアイコンに対応する設定条件に基づいて画像の読取が行われる。
【0041】
このように、通常においては、画像の読取毎に、設定条件を選択するための入力を行った後に、画像の読取を行うための入力を行う必要があるが、設定条件を事前に登録しておけば、事前に登録した設定条件を示すジョブアイコンを選択するだけで、事前に登録した設定条件に基づいて画像の読取を行うことができる。特に、複数の設定条件(例えば原稿サイズ及び解像度など)を選択する必要がある場合には、複数の設定条件の組み合わせを事前に登録しておけば、複数の設定条件の組み合わせを示すジョブアイコンを選択するだけで、事前に登録した複数の設定条件の組み合わせに基づいて画像の読取を行うことができる。
【0042】
また、本実施形態において、画像読取装置11は、ユーザーを認証する認証機能を有する。ユーザーを認証した場合、認証したユーザーによって表示部22に優先して表示させるジョブアイコンを異ならせることができる。本実施形態において、表示部22の表示領域23には、所定数(例えば4個)を上限としてジョブアイコンが表示可能である一方で、所定数を超える数の設定条件が登録可能である。このため、従来においては、表示部22の表示領域23に表示されているジョブアイコンの選択を行うことができるときはよいが、表示部22の表示領域23に表示されていないジョブアイコンの選択を行う場合、例えば表示切替などの入力を行って、ユーザーの所望とするジョブアイコンを探す必要があった。そこで、本実施形態においては、このような場合、認証したユーザーによって表示部22に優先して表示させるジョブアイコンを異ならせることができ、ユーザーの所望とするジョブアイコンを選択し易い状況を提供することができる。
【0043】
図3に示すように、主制御部70は、認証部76、登録部77、決定部78及び表示制御部79を有する。言い換えると、制御部50は、認証部76、登録部77、決定部78及び表示制御部79を有する。本実施形態において、認証部76は、入力部21から入力されたユーザーID及びパスワードを、記憶部61に記憶されているユーザーID及びパスワードと比較し、ユーザーを認証するが、これに限らない。例えば、認証部76は、ユーザーIDを読み取り可能な媒体(例えばIDカード)からユーザーID及びパスワードを読み取り、記憶部61に記憶されているユーザーID及びパスワードと比較し、ユーザーを認証してもよい。つまり、認証部76は、任意の方法でユーザーを認証できればよい。また、このような認証部76は、ユーザーを特定可能な特定部としても機能する。
【0044】
登録部77は、ユーザーの入力に応じて設定条件を事前に登録する。設定条件の具体的な一例としては、読取原稿サイズとしてA4サイズ、読取解像度として600dpi、読取色としてモノクロ、保存形式としてPDF形式、転送方式としてホスト装置100への転送などがあり、1種類の設定条件のみならず、複数種類の設定条件の組み合わせが含まれている。
【0045】
また、
図4に示すように、本実施形態において、記憶部61には、ユーザーデータベースUDBが記憶されている。ユーザーデータベースUDBとしては、ユーザーIDと、パスワードと、ユーザー名称と、表示色と、表示順序とが対応付けられている。ユーザーデータベースUDBは、ユーザーによる入力に応じて更新される。
【0046】
ユーザーIDは、ユーザーを識別可能にする情報であり、パスワードは、ユーザーの認証を行うときに用いられるパスワードであり、ユーザー名称は、表示部22に表示させるユーザーの名称である。
【0047】
表示色としては、表示部22に表示させるユーザー固有の色であり、設定された表示色で画像が表示される。具体的な一例をあげると、ユーザーUAに対応する表示色CLAとして「青」が設定されている場合には、表示部22の表示領域23の一部の画像が青色で表示される。
【0048】
表示順序としては、認証されたユーザーに対応する設定条件のうち、表示部22に表示させるジョブアイコンの優先順序を決定するための情報である。具体的な一例としては、設定条件が登録された登録時間の昇順、降順、設定条件の種別(ジョブ内容)順、ジョブアイコンの名称(五十音及び英数字など)の昇順、降順、ジョブアイコンを利用(選択)した回数の履歴である利用履歴順などが該当する。
【0049】
このように、ユーザーデータベースUDBが参照されることによって、ユーザーの認証が行われる。そして、ユーザーが認証された場合、ユーザーデータベースUDBが参照されることによって、認証されたユーザーに対応する表示色及び表示順序が特定可能となる。
【0050】
また、
図5に示すように、本実施形態において、記憶部61には、登録ジョブデータベースJDBが記憶されている。登録ジョブデータベースJDBとしては、登録ジョブIDと、登録時間と、登録名称と、ユーザーIDと、優先表示フラグと、ジョブ内容と、履歴情報の一例としての利用履歴とが対応付けられている。登録ジョブデータベースJDBは、ユーザーによる入力に応じて更新される。
【0051】
登録ジョブIDは、登録された設定条件固有の情報であり、登録時間は、設定条件が登録された時間(年月日及び時間)を示す情報であり、登録名称は、表示部22に表示させる設定条件(ジョブアイコン)として登録された名称である。
【0052】
ユーザーIDは、登録ジョブに対応するユーザーを示すユーザーIDである。つまり、登録部77は、設定条件をユーザーと対応するように登録する。優先表示フラグは、ユーザーを認証した場合、認証したユーザーに対応する設定条件のうち、最優先として表示させる設定条件であるか否かを示す情報である。ジョブ内容は、1種類の設定条件の内容又は複数種類の設定条件の組み合わせの内容を示す情報である。利用履歴は、登録された設定条件が利用された回数を示す履歴情報である。
【0053】
このように、ユーザーが認証された場合、登録ジョブデータベースJDBが参照されることによって、認証されたユーザーに対応する設定条件であるか否か、認証されたユーザーに対応する設定条件のうち最優先で表示させる設定条件であるか、設定条件の内容、利用履歴が特定可能となる。つまり、登録部77は、ユーザーによる入力に応じて、設定条件をユーザーに対応付けて登録する。
【0054】
決定部78は、登録部77によって登録された設定条件から、表示部22にジョブアイコンとして表示させる設定条件の優先順位を決定する。特に、決定部78は、認証部76によってユーザーが認証された場合、登録ジョブデータベースJDBを参照し、認証されたユーザーに対応する設定条件を、そのユーザーに対応しない設定条件よりも優先するように優先順位を決定する。また、決定部78は、認証部76によってユーザーが認証された場合、登録ジョブデータベースJDBを参照し、認証されたユーザーに対応する設定条件のうち、優先表示フラグが設定されている設定条件を、優先表示フラグが設定されていない設定条件よりも優先するように優先順位を決定する。
【0055】
表示制御部79は、表示部22に表示させる画像についての制御を行う。特に、表示制御部79は、決定部78によって決定された設定条件に対応するジョブアイコンを表示させる。つまり、表示制御部79は、認証されたユーザーに応じて、優先した表示させるジョブアイコンを異ならせることができる。
【0056】
次に、
図6に示されるフローチャートを参照して、コンピューター60が行う登録ジョブ制御処理について説明する。登録ジョブ制御処理は、所定周期で実行される処理である。
【0057】
図6に示すように、ステップS11において、制御部50は、入力部21からの入力に応じてログイン入力があったか否かを判定する。この処理において、制御部50は、ログイン入力がなかったと判定した場合、ステップS12~S14を実行することなく、ステップS15に移行する。一方、制御部50は、ログイン入力があったと判定した場合、ステップS12に移行する。
【0058】
ステップS12において、制御部50は、ユーザー認証処理を実行する。この処理において、制御部50は、入力部21からの入力に応じたユーザーID及びパスワードを取得する。そして、制御部50は、ユーザーデータベースUDBを参照し、入力されたユーザーID及びパスワードが一致する情報がユーザーデータベースUDBにあるか否かを判定することによりユーザーの認証を行い、ステップS13に移行する。本実施形態において、ステップS12が特定ステップ(認証ステップ)の一例に相当する。
【0059】
ステップS13において、制御部50は、ステップS12において行われたユーザー認証の結果に基づいて、認証は正常であるか否かを判定する。制御部50は、入力されたユーザーID及びパスワードが一致する情報がユーザーデータベースUDBにあると判定した場合に、ユーザー認証が正常に行われたと判定する。制御部50は、認証は正常ではないと判定した場合、ステップS14を実行することなく、ステップS15に移行する。一方、制御部50は、認証は正常であると判定した場合、ステップS14に移行する。
【0060】
ステップS14において、制御部50は、ユーザーに対応する表示順序及び表示色を決定する。この処理において、制御部50は、登録ジョブデータベースJDBを参照し、登録されている設定条件のうち、認証されたユーザーに対応し、優先表示フラグが設定されている優先度が高い設定条件を、認証されたユーザーに対応し、優先表示フラグが設定されていない優先度が低い設定条件よりも優先して優先順位を決定する。また、制御部50は、ユーザーが認証されている場合、登録ジョブデータベースJDBを参照し、登録されている設定条件のうち、認証されたユーザーに対応する設定条件を、ユーザーに対応しない設定条件よりも優先して優先順位を決定する。
【0061】
また、制御部50は、ユーザーデータベースUDBを参照し、認証されたユーザー(ユーザーID)に対応する表示順序を読み出す。そして、制御部50は、登録ジョブデータベースJDBを参照し、認証されたユーザーに対応し、優先表示フラグが設定されている設定条件を、認証されたユーザーに対応する表示順序に従った順位となるように優先順位を決定する。また、制御部50は、登録ジョブデータベースJDBを参照し、認証されたユーザーに対応し、優先表示フラグが設定されていない設定条件を、認証されたユーザーに対応する表示順序に従った順位となるように優先順位を決定する。
【0062】
特に、制御部50は、認証されたユーザーに対応する表示順序として利用履歴が設定されている場合、登録ジョブデータベースJDBを参照し、画像を読み取った回数が多い設定条件を、画像を読み取った回数が少ない設定条件よりも優先する優先順位を決定する。つまり、制御部50は、利用履歴に基づいて、登録された設定条件のうち、第1特定設定条件と比較して画像が読み取られた頻度が高い第2特定設定条件を、第1特定設定条件よりも優先する優先順位を決定する。
【0063】
また、制御部50は、記憶部61から通常(標準)の表示順序を読み出し、登録ジョブデータベースJDBを参照し、認証されたユーザーに対応しない設定条件を、通常の表示順序に従って優先順位を決定する。本実施形態において、通常の優先順位は、ジョブアイコン(設定条件)の登録日時が古い順であるが、これに限らず、また、例えば、画像読取装置11として通常の優先順位が変更可能であってもよい。このように、制御部50は、ユーザーが認証された場合、認証されたユーザーに対応する表示順序を決定する。
【0064】
また、制御部50は、ユーザーデータベースUDBを参照し、認証されたユーザー(ユーザーID)に対応する表示色を読み出し、読み出した表示色を決定し、ステップS15に移行する。具体的に、制御部50は、ユーザーデータベースUDBを参照し、認証されたユーザーIDに対応する表示色を読み出し、通常の表示色(例えば白など)ではない表示色(例えば青など)が設定されているときには、その表示色を決定する。一方、制御部50は、通常の表示色が設定されているときには、通常の表示色を決定する。このように、制御部50は、ユーザーが認証された場合、認証されたユーザーに対応する表示色を決定する。本実施形態において、ステップS14が決定ステップの一例に相当する。
【0065】
ステップS15において、制御部50は、ジョブ登録操作があったか否かを判定する。この処理において、制御部50は、ユーザー認証が正常に行われた状態で、入力部21からの入力に応じてジョブ登録操作があったか否かを判定する。制御部50は、ジョブ登録操作がなかったと判定した場合、ステップS16,S17を実行することなく、ステップS18に移行する。一方、制御部50は、ジョブ登録操作があったと判定した場合、ステップS16に移行する。
【0066】
ステップS16において、制御部50は、ユーザーに対応するジョブを登録する。この処理において、制御部50は、入力部21からの入力に応じて設定条件を取得し、取得した設定条件を、認証されているユーザーのユーザーIDと対応付けて登録ジョブデータベースJDBに登録する。つまり、制御部50(登録部77)は、ユーザーによる入力に応じて設定条件をユーザーに対応付けて登録する。特に、制御部50(登録部77)は、ユーザーによる入力に応じて、優先表示フラグという優先度に対応付けて設定条件を登録する。また、本実施形態において、制御部50(登録部77)は、ユーザーによる入力に応じて、設定条件に対応する表示色を登録することにより、認証されているユーザーに対応付けて表示色を登録する。本実施形態において、ステップS16が登録ステップの一例に相当する。
【0067】
ステップS17において、制御部50は、ジョブ表示更新処理を実行する。この処理において、制御部50は、ステップS14と同じように、登録された設定条件を含めてユーザーに対応する表示順序及び表示色を決定し、ジョブアイコン(設定条件)の表示順序と、ジョブアイコンの背景画像の表示色を更新する。本実施形態において、ステップS17が決定ステップの一例に相当する。
【0068】
ステップS18において、制御部50は、入力部21からの入力に応じてログアウト入力があったか否かを判定する。この処理において、制御部50は、ログアウト入力がなかったと判定した場合、ステップS19を実行することなく、ステップS20に移行する。一方、制御部50は、ログアウト入力があったと判定した場合、ステップS19に移行する。
【0069】
ステップS19において、制御部50は、記憶部61に記憶された通常の表示順序及び表示色を読み出し、通常の表示順序及び表示色を決定する。また、本実施形態において、電源が投入されたときには、ユーザーが認証されておらず、制御部50は、ステップS19と同じように、通常の表示順序及び表示色を決定する。つまり、制御部50は、ユーザーが認証されていない場合、ユーザーに対応する表示順序及び表示色ではなく、通常の表示順序及び表示色を決定することとなる。本実施形態において、ステップS19が決定ステップの一例に相当する。
【0070】
ステップS20において、制御部50は、ジョブ表示条件が成立したか否かを判定する。この処理において、制御部50は、入力部21からの入力に応じて、表示部22に複数のジョブアイコンを表示させる操作が行われたときにジョブ表示条件が成立したと判定する。制御部50は、ジョブ表示条件が成立していないと判定した場合、ステップS21を実行することなく、ステップS22に移行する。一方、制御部50は、ジョブ表示条件が成立したと判定した場合、ステップS21に移行する。
【0071】
ステップS21において、制御部50は、決定した表示順序及び表示色でジョブ表示画面を表示させる。この処理において、制御部50(表示制御部79)は、ステップS14,S17,S19において決定されたジョブアイコンの優先順位を参照し、優先順位に基づいてジョブアイコンを表示部22に表示させる。特に、制御部50(表示制御部79)は、ユーザーが認証された場合、ステップS14,S17において決定された優先順位が高い順に所定数を上限としてジョブアイコンを表示部22に表示させる。そして、制御部50(表示制御部79)は、スワイプ操作等のユーザーによる入力に応じて、ジョブアイコンを左右方向にスライドさせて、表示させるジョブアイコンを切り替える。
【0072】
また、制御部50(表示制御部79)は、ユーザーが認証されている場合、ユーザーデータベースUDBを参照し、認証されているユーザー(ユーザーID)に対応する表示色を読み出し、その表示色で背景画像90G(
図11、
図16及び
図18参照)を表示部22に表示させる。一方、制御部50は、ユーザーが認証されていない場合、通常の表示色で背景画像90G(
図7参照)を表示部22に表示させる。本実施形態において、ステップS21が表示制御ステップの一例に相当する。
【0073】
また、本実施形態において、制御部50は、ユーザーによる入力に応じて、表示部22の表示領域23に各種の画面を表示させ、各種の画面において各種の表示領域に各種画像(例えばボタン、アイコン、タブなど)を表示させることとなる。
【0074】
ステップS22において、制御部50は、ジョブ選択操作があったか否かを判定する。この処理において、制御部50は、入力部21からの入力に応じて、メイン画面80に表示されているジョブアイコンが選択(触接)されたときに、ジョブ選択操作あったと判定する。制御部50は、ジョブ選択操作がなかったと判定した場合、ステップS23を実行することなく、登録ジョブ制御処理を終了する。一方、制御部50は、ジョブ選択操作あったと判定した場合、ステップS23に移行する。
【0075】
ステップS23において、制御部50は、選択操作されたジョブを実行し、ステップS24に移行する。この処理において、制御部50は、選択操作されたジョブアイコンに対応する設定条件を読み出し、設定条件に基づいて、原稿Dを搬送するように給送モーター37及び搬送モーター38を制御し、画像の読取を行わせるように読取部40を制御する。つまり、制御部50(読取制御部72)は、表示部22に表示されたジョブアイコンのうちユーザーによる入力に応じて選択されたジョブアイコンに対応する設定条件で読取部40に画像を読み取らせる。本実施形態において、ステップS23が読取制御ステップの一例に相当する。
【0076】
そして、ステップS24において、制御部50は、登録ジョブデータベースJDBにおいて、選択操作されたジョブアイコンに対応する利用履歴を更新し、登録ジョブ制御処理を終了する。このように、制御部50は、選択操作されたジョブアイコンに基づく設定条件毎に、画像が読み取られた回数を利用履歴として記憶する。
【0077】
次に、画像読取装置11の作用について説明する。
図7に示すように、表示部22の表示領域23には、メイン画面80が表示されている。メイン画面80としては、所定の表示領域の一例であるメイン領域80Aと、ヘッダー領域80Bと、フッター領域80Cとが割り当てられている。このメイン画面80は、特定のユーザーがログインしておらず、任意のユーザーにより使用される状態での画面である。
【0078】
メイン領域80Aには、画像読取ボタン90Aが表示されている。画像読取ボタン90Aが触接されると、現在設定されている設定条件で画像の読取が行われる。
また、メイン領域80Aには、複数のジョブアイコン90B~90Eが表示されている。複数のジョブアイコン90B~90Eの何れかが触接されると、画像読取ボタン90Aが触接されることなく、触接されたジョブアイコンに対応する設定条件で画像の読取が行われる。
【0079】
表示部22の表示領域23が左右方向にスワイプ操作されると、メイン領域80Aに表示されるジョブアイコンがスライドして、別のジョブアイコンが表示される。特に、メイン画面80の表示が開始されると、左側から順に優先順位の高いジョブアイコンが表示されており、左方向にスワイプ操作されると、優先順位の低いジョブアイコンも表示可能となる。
【0080】
具体的な一例をあげると、メイン画面80の表示が開始されたときには、ジョブアイコン90Bとして、優先順位が1番であるジョブアイコンが表示され、ジョブアイコン90C~90Eとしては、優先順位が2~4番であるジョブアイコンが表示される。そして、左方向にスワイプ操作されると、複数のジョブアイコンが左方向にスライドし、優先順位が1番であるジョブアイコンが左側にスライドして消去される。また、ジョブアイコン90B~90Dとして、優先順位が2~4番であるジョブアイコンが表示され、ジョブアイコン90Eとして、優先順位が5番であるジョブアイコンが新たに表示される。また、現状では、ユーザー認証が行われていないため、ジョブアイコンの優先順位は、ユーザーに対応しない通常の優先順位となっている。
【0081】
また、メイン領域80Aには、お気に入りボタン90Fが表示されている。お気に入りボタン90Fが触接されると、ジョブアイコン(設定条件)の登録及び編集を行うことができる。また、メイン領域80Aにおいて、画像読取ボタン90A、複数のジョブアイコン90B~90E、お気に入りボタン90Fなどの各種画像の背景には、白色の背景画像90Gが表示されている。ヘッダー領域80Bには、ログイン開始ボタン90Hが表示されている。ログイン開始ボタン90Hが触接されると、
図8に示すログイン画面81が表示される。
【0082】
図8に示すように、ログイン画面81には、ユーザーIDを入力するための入力ボックス91Aと、ログインボタン91Bと、新規登録ボタン91Cとが表示されている。入力ボックス91Aが触接されると、ユーザーIDが選択可能であり、ユーザーIDが選択された状態でログインボタン91Bが触接されると、
図9に示すパスワード入力画面82が表示される。
【0083】
図9に示すように、パスワード入力画面82には、複数の入力ボタンが表示されており、入力ボタンの入力に応じてパスワードが入力可能となる。パスワードが入力されて、ユーザーが認証されてログインが正常に行われると、
図10に示すログイン結果画面83が表示された後に、メイン画面80に戻る。
【0084】
図11に示すように、ログインが正常に行われると、メイン画面80のメイン領域80Aには、認証されたユーザーに対応する優先順位でジョブアイコン90B~90Eが表示される。
【0085】
本実施形態において、ジョブアイコン90B~90Eが表示される優先順位としては、認証されたユーザーに対応するジョブアイコンが、認証されたユーザーに対応しないジョブアイコンよりも高い順位となる。また、本実施形態において、ジョブアイコン90B~90Eが表示される優先順位としては、認証されたユーザーに対応するジョブアイコンのなかでは、優先表示フラグが設定されたジョブアイコンのほうが、優先表示フラグが設定されていないジョブアイコンよりも高い順位となる。
【0086】
また、本実施形態において、ジョブアイコン90B~90Eが表示される優先順位としては、認証されたユーザーに対応し、優先表示フラグが設定されたジョブアイコンのなかでは、ユーザー毎に設定された表示順序に従う順位となる。また、本実施形態において、ジョブアイコン90B~90Eが表示される優先順位としては、認証されたユーザーに対応し、優先表示フラグが設定されていないジョブアイコンのなかでは、ユーザー毎に設定された表示順序に従う順位となる。また、本実施形態において、ジョブアイコン90B~90Eが表示される優先順位としては、認証されたユーザーに対応しないジョブアイコンのなかでは、通常の優先順位に応じた順位である。
【0087】
お気に入りボタン90Fが触接されると、
図12に示すジョブ画面84が表示される。ジョブ画面84には、ユーザータブ94A~94Dと、ジョブ編集ボタン94E~94Iと、ジョブ登録ボタン94Jとが表示される。
【0088】
ユーザータブ94A~94Dは、ユーザーの登録順に表示されており、左右方向にスワイプ操作されると、ユーザータブの表示切替が行われる。ユーザータブ94A~94Dの何れかが選択されると、選択されたユーザーに対応するジョブアイコン(設定条件)のジョブ編集ボタン94E~94I及びジョブ登録ボタン94Jが表示される。この場合、ユーザーUAに対応するジョブアイコンが5つ登録されており、5つのジョブアイコンに対応するジョブ編集ボタン94E~94Iが表示されており、1つのジョブ登録ボタン94Jが表示されている。
【0089】
ジョブ編集ボタン94E~94Iは、事前に登録されているジョブアイコン(設定条件)の編集を行うためのボタンである。ジョブ登録ボタン94Jは、新たにジョブアイコン(設定条件)を登録するためのボタンである。ジョブ登録ボタン94Jが触接されると、
図13に示すジョブ登録画面85が表示される。
【0090】
図13に示すように、ジョブ登録画面85には、新たにジョブアイコン(設定条件)のジョブ内容を登録するための画像が表示される。本実施形態において、ジョブ登録画面85には、ジョブアイコンの名称を入力するためのジョブ名称登録ボックス95A、登録する各種のジョブ内容(設定条件)を指定するための複数の設定条件ボタン95B~95Dが表示される。
【0091】
具体的な一例をあげると、複数の設定条件ボタン95B~95Dのうち、設定条件ボタン95Bが原稿サイズを指定するボタンとして、設定条件ボタン95Cが解像度を指定するボタンとして、設定条件ボタン95Dが読取色を指定するボタンとしてそれぞれ設定されているが、これに限らない。
【0092】
ジョブアイコンのジョブ内容が設定された後に、OKボタン95Eが触接されると、新たにジョブアイコンが登録されて、
図14に示す登録確認画面86が表示される。
そして、
図15に示すように、ジョブ画面84において、登録されたジョブアイコンに対応するジョブ編集ボタン94Kが表示される。また、この場合、例えば、登録されたジョブアイコンに対応するように優先表示フラグが設定されている場合、優先表示フラグが設定されていることを示す画像(本実施形態では星印画像)がジョブアイコンに対応するように表示される。
【0093】
図16に示すように、メイン画面80に戻ると、新たに登録したジョブアイコンを含めた優先順位でジョブアイコン90B~90Eが表示される。また、例えば、登録されたジョブアイコンに対応するように優先表示フラグが設定されている場合、優先表示フラグが設定されたジョブアイコンが優先順位の高いジョブアイコン90Bとして表示される。また、優先表示フラグが設定されていることを示す画像(本実施形態では星印画像)がジョブアイコンに対応するように表示される。
【0094】
また、
図17に示すように、ジョブアイコンの登録及び編集を行う場合に、ユーザーの入力に応じて、アイコン選択画面87が表示される場合がある。アイコン選択画面87には、複数種類のアイコン画像97A~97Fが表示されており、複数種類のアイコン画像97A~97Fのうち何れかをジョブアイコンのアイコン画像として登録することができる。
【0095】
また、アイコン選択画面87には、複数種類の表示色画像97G~97Jが表示されており、複数種類の表示色画像97G~97Jのうち何れかをジョブアイコンの表示色として登録することができる。本実施形態において、ジョブアイコンに対応するように登録された表示色は、ジョブアイコンに対応するユーザーに対応する表示色として登録される。このため、例えば、ユーザーUAに対応するジョブアイコンの表示色として青色が登録された場合、ユーザーUAに対応する表示色として青色が登録される。
【0096】
そして、
図18に示すように、ユーザーが認証された場合においてユーザーに対応する表示色が設定されている場合には、メイン画面80のメイン領域80Aにおいて、通常の表示色(白色)ではなく、ユーザーに対応する表示色(例えば青色)で、所定情報の一例である背景画像90G(
図18のハッチング領域)が表示される。
【0097】
以上、詳述したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ユーザーによる入力に応じて画像の読取に関する設定条件がユーザーに対応付けて登録される。ユーザーが認証された場合、登録された設定条件のうち、認証されたユーザーに対応する設定条件を、認証されたユーザーに対応しない設定条件よりも優先する優先順位が決定され、決定された優先順位で設定条件を示すジョブアイコンが表示される。このため、認証されたユーザーに対応する設定条件を優先して表示させることができ、ユーザーに対応する設定条件を選択し易い状況を提供することができ、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0098】
(2)また、ユーザーを認証することによってユーザーを特定することができ、ユーザーを適切に特定することができる。
(3)表示部22は、画像の読取に関する設定条件を示すジョブアイコンを、所定数(本実施形態では4個)を上限として表示領域23(メイン領域80A)に表示する。ユーザーが認証された場合、登録された設定条件のうち、決定された優先順位が高い順に所定数を上限として設定条件を示すジョブアイコンが表示され、ユーザーによる入力に応じて表示させるジョブアイコンが切り替わる。このため、ジョブアイコンを表示する数に上限がある場合であっても、優先順位が高い順にジョブアイコンが表示され、ユーザーによる入力に応じて表示させるジョブアイコンを切り替えることができ、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0099】
(4)画像の読取に関する設定条件が、優先表示フラグに基づく優先度に対応付けて登録され、登録された優先度に基づいて、登録された設定条件の優先順位が決定される。このため、設定条件に対応するように登録された優先表示フラグという優先度に基づいて、登録された設定条件の優先順位を決定することができ、ユーザーによる入力に応じた優先度で設定条件を表示させることができ、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0100】
(5)特に、ユーザーが認証された場合、認証されたユーザーに対応する設定条件のうち、登録された優先度が高い設定条件を、登録された優先度が低い設定条件よりも優先する優先順位が決定される。このため、認証されたユーザーに対応する設定条件のなかでも、設定条件に優先度を対応付けて登録することができる。そして、ユーザーに対応する設定条件の優先順位を優先度に基づいて決定することができ、ユーザーによる入力に応じた優先度で設定条件を表示させることができ、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0101】
(6)ユーザーによる入力に応じて選択されたジョブアイコンに基づく設定条件毎に、画像が読み取られた利用履歴が記憶され、利用履歴に基づいて、登録された設定条件のうち、画像が読み取られた頻度が高い設定条件(第2特定設定条件)を、画像が読み取られた頻度が低い設定条件(第1特定設定条件)よりも優先する優先順位が決定される。このため、画像が読み取られた利用履歴に基づいて、登録された設定条件の優先順位を決定することができ、画像が読み取られた利用履歴に基づく優先順位でジョブアイコンを表示させることができ、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0102】
(7)また、従来においては、複数のユーザーによって設定条件が登録される場合、ユーザーが認証された場合であっても、認証されたユーザーが認識し難くかった。そのため、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることが望まれている。そこで、ユーザーに対応付けて表示色が登録され、ユーザーが認証された場合、認証されたユーザーに対応する表示色で背景画像90Gが表示される。このため、背景画像90Gが表示される表示色から、特定されたユーザーが認識可能となり、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0103】
(8)表示部22に表示させる情報として、ジョブアイコンの背景画像90Gを視認するときに、その表示色から、認証されたユーザーが認識可能となり、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0104】
(第2実施形態)
第1実施形態においては、ユーザーが認証された場合、ユーザーに対応する表示色で背景画像90Gが表示されたが、これに限らない。例えば、第2実施形態においては、ユーザーに対応する表示色でジョブアイコンの表示領域の一部又は全部が表示されてもよい。
【0105】
具体的な一例としては、
図18に示すジョブアイコン90B~90Eの外枠が、ユーザーに対応する表示色で表示されてもよい。また、ジョブアイコン90B~90Eのモチーフ画像の背景に位置する背景画像が、ユーザーに対応する表示色で表示されてもよい。詳しくは、ジョブアイコン90B~90Eは、ジョブアイコンの種類(モチーフ)を示す種別画像と、その種別画像の背景画像とから構成される場合、背景画像がユーザーに対応する表示色で表示されてもよい。つまり、ジョブアイコン90B~90Eの領域内において、ジョブアイコンの種類を示す種別画像の背景画像が、ユーザーに対応する表示色で表示されてもよい。また、例えば、種別画像が、ユーザーに対応する表示色で表示されてもよい。また、ジョブアイコン90B~90Eに、ユーザーに対応する表示色の付加画像が表示されてもよい。また、例えば、これらの組み合わせであってもよい。つまり、ジョブアイコン90B~90Eの領域のうち一部又は全部の領域が、ユーザーに対応する表示色で表示されてもよい。
【0106】
また、例えば、ユーザーが認証された場合に、認証されたユーザーに対応するジョブアイコンが、ユーザーに対応する表示色で表示されてもよい。この場合、認証されたユーザーに対応しないジョブアイコンが、認証されたユーザー以外の他のユーザーに対応する表示色で表示されても、通常の表示色で表示されてもよい。また、例えば、ユーザーが認証された場合であってもユーザーが認証されていない場合であっても、ユーザーに対応するジョブアイコンが、ユーザーに対応する表示色で表示されてもよい。この場合、認証されたユーザーに対応する優先順位でジョブアイコンが表示されなくても問題ない。
【0107】
以上、詳述したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(9)従来においては、例えば複数のユーザーによって設定条件が登録されるなどによって設定条件を登録する数が多くなると、ユーザーの所望とする設定条件を示す設定条件情報が表示されていたとしても、それ以外の設定条件情報も表示されていることから、ユーザーの所望とする設定条件を示す設定条件情報を探さないといけない。そのため、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることが望まれている。そこで、ユーザーに対応付けて表示色が登録され、ユーザーに対応する表示色で、ユーザーに対応するジョブアイコンの表示領域の一部又は全部が表示される。このため、ジョブアイコンの表示領域の一部又は全部が表示される表示色から、ユーザーが認識可能となり、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0108】
(10)表示部22に表示させる情報として、ジョブアイコンを視認するときに、そのジョブアイコンの表示色から、認証されたユーザー及び認証されたユーザーに対応するジョブアイコンであるか否かが認識可能となり、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0109】
(第3実施形態)
第1及び第2実施形態においては、ユーザーによる入力に応じて、ユーザーデータベースUDBとして、ユーザーに対応する表示順序に基づいて優先順位が決定されたが、これに限らない。例えば、第3実施形態においては、ユーザーによる入力に関係なく、原稿Dのサイズが検知された結果、検知した原稿Dのサイズに対応する設定条件を、検知した原稿Dのサイズに対応しない設定条件よりも優先する優先順位が決定されてもよい。
【0110】
第3実施形態において、画像読取装置11は、原稿Dが載置される原稿サポート13において、エッジガイド13Bが予め定めた位置に配置されているか否かを検知する第1検知センサーと、補助サポート部13Cが予め定めた位置に配置されているか否かを検知する第2検知センサーとを有する。本実施形態において、第1検知センサー及び第2検知センサーが原稿Dのサイズを検知する原稿サイズ検知部の一例に相当するが、1個又は3個以上のセンサーを用いてもよい。また、例えば、載置面13Aに原稿Dを検知するためのセンサーを備え、載置面13Aに載置された原稿Dのサイズが検知されてもよい。
【0111】
制御部50は、第1検知センサー及び第2検知センサーと接続されており、第1検知センサーからの検知信号及び第2検知センサーからの検知信号を入力可能である。そして、制御部50は、第1検知センサーからの検知信号及び第2検知センサーからの検知信号に基づいて、原稿サポート13の載置面13Aに載置された原稿Dのサイズを特定する。
【0112】
そして、制御部50は、特定した原稿Dのサイズに基づいて優先順位を決定する。具体的な一例をあげると、画像の読取に関する設定条件には、原稿のサイズが第1サイズ(例えばA4サイズなど)である設定条件(第1設定条件の一例)と、原稿のサイズが第2サイズ(例えばB5サイズなど)である設定条件(第2設定条件の一例)とが含まれている。そして、制御部50(決定部78)は、特定(検知)された原稿Dのサイズが第1サイズである場合に、原稿のサイズが第1サイズである設定条件を、原稿Dのサイズが第2サイズである設定条件よりも優先する優先順位を決定する。
【0113】
この場合、詳しくは、制御部50は、登録されている設定条件(ジョブアイコン)のうち、特定された原稿Dのサイズが一致する設定条件を、特定された原稿Dのサイズが一致しない設定条件よりも優先して優先順位を決定してもよい。そして、制御部50は、特定された原稿Dのサイズが一致する設定条件のうち、認証されたユーザーに対応する設定条件を、認証されたユーザーに対応しない設定条件よりも優先して優先順位を決定してもよい。制御部50は、特定された原稿Dのサイズが一致しない設定条件のうち、認証されたユーザーに対応する設定条件を、認証されたユーザーに対応しない設定条件よりも優先して優先順位を決定してもよい。
【0114】
また、制御部50は、認証されたユーザーに対応する設定条件のうち、特定された原稿Dのサイズが一致する設定条件を、特定された原稿Dのサイズが一致しない設定条件よりも優先して優先順位を決定してもよい。また、制御部50は、認証されたユーザーに対応しない設定条件のうち、特定された原稿Dのサイズが一致する設定条件を、特定された原稿Dのサイズが一致しない設定条件よりも優先して優先順位を決定してもよい。
【0115】
また、制御部50は、認証されたユーザーに対応し、優先表示フラグが設定された設定条件のうち、特定された原稿Dのサイズが一致する設定条件を、特定された原稿Dのサイズが一致しない設定条件よりも優先して優先順位を決定してもよい。また、制御部50は、認証されたユーザーに対応し、優先表示フラグが設定されていない設定条件のうち、特定された原稿Dのサイズが一致する設定条件を、特定された原稿Dのサイズが一致しない設定条件よりも優先して優先順位を決定してもよい。
【0116】
以上、詳述したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(11)画像の読取に関する設定条件には、原稿Dのサイズが第1サイズ(例えばA4サイズ)である設定条件(第1設定条件)と、原稿Dのサイズが第2サイズ(例えばB5サイズ)である設定条件(第2設定条件)とが含まれている。第1検知センサー及び第2検知センサーからの信号に基づいて特定された原稿Dのサイズが第1サイズである場合、原稿Dのサイズが第1サイズである設定条件を、原稿Dのサイズが第2サイズである設定条件よりも優先する優先順位が決定される。このため、検知された原稿Dのサイズに基づいて、登録された設定条件の優先順位を決定することができ、原稿Dのサイズに基づく優先順位でジョブアイコンを表示させることができ、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0117】
なお、上記実施形態は以下に示す変更例のような形態に変更することもできる。さらに、上記実施形態および以下に示す変更例を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできるし、以下に示す変更例同士を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできる。
【0118】
・例えば、原稿Dとしての名刺から画像を読み取る場合、名刺の幅方向を位置決めするガイド部材が、画像読取装置11(原稿サポート13)に取り付け可能に構成されてもよい。この場合、画像読取装置11は、ガイド部材が取り付けられているか否かを検知するセンサーを備え、制御部50は、センサーからの信号に基づいて、原稿Dのサイズが名刺サイズであると特定し、原稿Dのサイズが名刺サイズである設定条件を、原稿Dのサイズが名刺サイズではない設定条件よりも優先して優先順位を決定してもよい。つまり、画像読取装置11は、原稿Dをガイドするガイド部材が取り付けられたか否かを検知するセンサーを備えてもよい。そして、制御部50(決定部78)は、ガイド部材が取り付けられたか否かの検知結果に基づいて、原稿Dのサイズを特定し、特定(検知)された原稿Dのサイズが第1サイズである場合に、原稿のサイズが第1サイズである設定条件を、原稿Dのサイズが第2サイズである設定条件よりも優先する優先順位を決定してもよい。
【0119】
・例えば、ユーザーが認証された場合、ユーザーに対応する表示色で、メイン画面80のヘッダー領域80Bの一部又は全部が表示されてもよい。また、例えば、ユーザーが認証された場合、ユーザーに対応する表示色で、メイン画面80のフッター領域80Cの一部又は全部が表示されてもよい。また、例えば、ユーザーが認証された場合、ユーザーに対応する表示色で、メイン画面80以外の各種画面の画像が表示されてもよい。また、例えば、第1実施形態及び第2実施形態と含めた組み合わせであってもよく、第1実施形態及び第2実施形態と含めた少なくとも何れかであってもよい。つまり、ユーザーが認証された場合、ユーザーに対応する表示色で、表示部22に表示させる情報(所定情報の一例)としてのジョブアイコン、ジョブアイコンの背景画像、ヘッダー画像、及び、フッター画像の少なくとも何れかが表示されてもよい。このように、表示部22に表示させる情報として、ジョブアイコン、ジョブアイコンの背景画像、ヘッダー画像及びフッター画像の少なくとも何れかを視認するときに、その表示色から、特定されたユーザーが認識可能となり、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0120】
・例えば、ユーザーデータベースUDBの表示順序として、入力されたキーワードに基づいて設定条件が検索され、検索された結果に基づいて優先順位が決定されてもよい。具体的な一例としては、ユーザーデータベースUDBの表示順序として、キーワード検索であること及びそのキーワードが対応付けることができる。この場合、制御部50は、ユーザーが認証された場合、認証されたユーザーに対応する表示順序を読み出す。そして、制御部50は、読み出した表示順序が、キーワード検索であること及びキーワードである場合、登録ジョブデータベースJDBの設定条件の名称を参照し、キーワードと一致する設定条件を、キーワードと一致しない設定条件よりも優先する優先順位を決定する。また、制御部50は、読み出した表示順序が、キーワード検索であること及びキーワード(例えばA4など)である場合、登録ジョブデータベースJDBの設定条件のジョブ内容を参照し、キーワードと一致する設定条件を、キーワードと一致しない設定条件よりも優先する優先順位を決定してもよい。つまり、制御部50は、ユーザーによる入力に応じて取得された検索情報の一例としてのキーワードに基づいて設定条件を検索し、検索した結果に基づいて設定条件の優先順位を決定してもよい。これにより、ユーザーによる入力に応じたキーワードに基づく優先順位で設定条件を表示させることができ、設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0121】
・ジョブアイコンが選択された回数が利用履歴として記憶されたが、これに限らず、例えば、ジョブアイコンが選択された結果、画像を読み取った原稿Dの枚数が利用履歴として記憶されてもよい。また、現在の時刻を遡って予め定められた所定期間(例えば1か月)における利用履歴に基づいて、優先順位が決定されてもよい。
【0122】
・設定条件としては、画像の読取に関する任意の条件であればよく、例えば、日時情報条件、人表現条件、宛先表現条件、原稿種類表現条件、文書元表現条件などがあってもよい。日時情報条件としては、ユーザーの誕生日、記念日、ユーザーの所属する会社の記念日、契約日など、大事な日時として設定されている条件である。人表現条件としては、1人、複数人、女性、男性、男児、女児などがある。宛先表現条件としては、フォルダ、クラウド、メール、USBなどがある。原稿種類表現条件としては、原稿単枚、原稿複数枚、名刺、封筒、はがき、カード、レシート、写真、領収書、免許証、小切手などがある。文書元表現条件としては、学校、病院、薬品(薬局)、会社などがある。
【0123】
・例えば、ユーザーに表示順序が対応付けられていなくてもよく、ユーザーに対応する表示順序に替えて、通常の表示順序が適用されてもよい。例えば、ジョブアイコン(設定条件)に優先表示フラグが対応付けられていなくてもよく、この場合、優先表示フラグに基づく優先順位が決定されなくてよい。
【0124】
・例えば、表示部22の表示領域23に表示されるメイン画面80は、ヘッダー領域80B及びフッター領域80Cの少なくとも何れかを備えなくてもよい。つまり、ジョブアイコンが表示される所定の表示領域としては、表示部22の表示領域23の一部であっても全部であってもよい。
【0125】
・1つのジョブアイコンを消去し、1つのジョブアイコンを表示させるように表示切替しなくても、所定数のジョブアイコンの全てを消去し、所定数の別のジョブアイコンを表示させるように表示切替してもよい。また、例えば、これらの両方を別操作に応じて実現させてもよい。また、スワイプ操作ではなく、例えば、単なる触接操作などにより、各種の入力(入力操作)が実現されてもよい。
【0126】
・画像読取ボタン90Aが触接されずに、ジョブアイコンが触接されることにより、画像の読取が行われても、ジョブアイコンが触接された後に、画像読取ボタン90Aが触接されることにより画像の読取が行われてもよい。
【0127】
・登録される1つの設定条件に対して1つのユーザーIDが対応付けられたが、これに限らず、例えば、登録される1つの設定条件に対して複数のユーザーIDが対応付けられてもよい。
【0128】
・ユーザーによる入力に応じて、ユーザーと対応付けて設定条件が登録される場合、入力したユーザーと、設定条件と対応付けられるユーザーとが同じであっても異なってもよい。つまり、入力しているユーザーと、設定条件が対応付けられているユーザーとが同じであっても異なってもよい。
【0129】
・ユーザーが認証されなくても、画像読取装置11を利用するユーザーが特定可能であればよい。
・入力部21としては、タッチパネルに限らず、例えば操作ボタンなどであってもよい。
【0130】
・原稿有無センサー46が配置される位置は、原稿Dが排出される前に原稿Dの有無、原稿Dの先端及び後端を検出可能な位置であればよい。
・搬送部31及び排出部32の動力源が共通であることに限定されず、搬送部31及び排出部32をそれぞれ別々の動力源で駆動してもよい。例えば搬送部31の動力源を搬送モーターとし、排出部32の動力源を排出モーターとする。
【0131】
・イメージセンサーは、CMOSイメージセンサーに限定されず、例えばMOS(Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー、又はCCD(charge coupled device)イメージセンサーとしてもよい。
【0132】
・イメージセンサー42は、リニアイメージセンサーに限定されず、エリアイメージセンサーでもよい。
・コンピューター60内の各機能部は、CPUにより実現することに限らず、例えば、ASIC(application specific integrated circuit)及びFPGA(field-programmable gate array)等の電子回路によりハードウェアで実現してもよく、ソフトウェアとハードウェアとの両方で実現してもよい。
【0133】
・原稿の材質は紙に限定されず、樹脂製のフィルムやシート、織物、金属フィルムなどであってもよい。
・画像読取装置は、スキャナー機能に加え、印刷機能及びコピー機能を備えた複合機の一部でもよい。
【0134】
・画像読取装置は、シートフィード型に限らず、フラットベッド型でもよい。フラットベッド型の画像読取装置である場合、本体内には副走査方向(X方向)に沿って移動可能なキャリッジを備え、キャリッジは、走査用モーターを動力源として移動し、キャリッジに設けられた光源及び読取部により、原稿台のガラス板上にセットされた原稿の画像を読み取る。この種のフラットベッド型の画像読取装置でも、原稿を自動で給送する自動原稿給送装置(オートシートフィーダー)が設けられたものであれば、上記実施形態を適用することができる。また、画像読取装置に限らず、画像読取装置における画像読取制御方法及びプログラムに上記実施形態を適用することができる。
【0135】
以下、前記実施形態及び変更例から把握される技術思想を効果と共に記載する。
画像読取装置は、原稿から画像を読み取る読取部と、前記読取部を制御する制御部と、前記読取部による画像の読取に関する情報を表示する表示部と、を備え、前記制御部は、ユーザーによる入力に応じて前記読取部による画像の読取に関する設定条件をユーザーに対応付けて登録する登録部と、ユーザーを特定する特定部と、前記特定部によってユーザーが特定された場合、前記登録部によって登録された設定条件のうち、当該ユーザーに対応する設定条件を、当該ユーザーに対応しない設定条件よりも優先する優先順位を決定する決定部と、前記決定部によって決定された優先順位で設定条件を示す設定条件情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、前記表示部に表示された設定条件を示す設定条件情報のうちユーザーによる入力に応じて選択された設定条件情報に基づく設定条件で前記読取部に画像を読み取らせる読取制御部と、を有する。
【0136】
この構成によれば、ユーザーによる入力に応じて画像の読取に関する設定条件がユーザーに対応付けて登録される。ユーザーが特定された場合、登録された設定条件のうち、特定されたそのユーザーに対応する設定条件を、ユーザーに対応しない設定条件よりも優先する優先順位が決定され、決定された優先順位で設定条件を示す設定条件情報が表示される。このため、ユーザーに対応する設定条件を優先して表示させることができ、ユーザーに対応する設定条件を選択し易い状況を提供することができ、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0137】
上記画像読取装置において、前記特定部は、ユーザーを認証する認証部であってもよい。
この構成によれば、ユーザーを認証することによってユーザーを特定することができ、ユーザーを正確に特定することができる。
【0138】
上記画像読取装置において、前記表示部は、前記読取部による画像の読取に関する設定条件を示す設定条件情報を、所定数を上限として所定の表示領域に表示し、前記表示制御部は、前記特定部によってユーザーが特定された場合、前記登録部によって登録された設定条件のうち、前記決定部によって決定された優先順位が高い順に所定数を上限として設定条件を示す設定条件情報を表示させ、ユーザーによる入力に応じて表示させる設定条件情報を切り替えてもよい。
【0139】
この構成によれば、表示部は、画像の読取に関する設定条件を示す設定条件情報を、所定数を上限として所定の表示領域に表示し、ユーザーが特定された場合、登録された設定条件のうち、決定された優先順位が高い順に所定数を上限として設定条件を示す設定条件情報が表示され、ユーザーによる入力に応じて表示させる設定条件情報が切り替わる。このため、設定条件情報を表示する数に上限がある場合であっても、優先順位が高い順に設定条件情報が表示され、ユーザーによる入力に応じて表示させる設定条件情報を切り替えることができ、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0140】
上記画像読取装置において、前記登録部は、前記読取部による画像の読取に関する設定条件を優先度に対応付けて登録し、前記決定部は、前記登録部によって登録された優先度に基づいて、前記登録部によって登録された設定条件の優先順位を決定してもよい。
【0141】
この構成によれば、画像の読取に関する設定条件が優先度に対応付けて登録され、登録された優先度に基づいて、登録された設定条件の優先順位が決定される。このため、設定条件に対応するように登録された優先度に基づいて、登録された設定条件の優先順位を決定することができ、ユーザーによる入力に応じた優先度で設定条件を表示させることができ、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0142】
上記画像読取装置において、前記決定部は、前記特定部によってユーザーが特定された場合、当該ユーザーに対応する設定条件のうち、前記登録部によって登録された優先度が高い設定条件を、前記登録部によって登録された優先度が低い設定条件よりも優先する優先順位を決定してもよい。
【0143】
この構成によれば、ユーザーが特定された場合、特定されたそのユーザーに対応する設定条件のうち、登録された優先度が高い設定条件を、登録された優先度が低い設定条件よりも優先する優先順位が決定される。このため、特定されたそのユーザーに対応する設定条件のなかでも、設定条件に優先度を対応付けて登録することによって、ユーザーに対応する設定条件の優先順位を優先度に基づいて決定することができる。したがって、ユーザーによる入力に応じた優先度で設定条件を表示させることができ、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0144】
上記画像読取装置において、前記決定部は、ユーザーによる入力に応じて取得された検索情報に基づいて前記登録部によって登録された設定条件を検索し、検索した結果に基づいて前記登録部によって登録された設定条件の優先順位を決定してもよい。
【0145】
この構成によれば、ユーザーによる入力に応じて取得された検索情報に基づいて登録された設定条件を検索し、検索した結果に基づいて登録された設定条件の優先順位が決定される。このため、ユーザーによる入力に応じて取得された検索情報に基づいて登録された設定条件が検索され、その結果に基づいて登録された設定条件の優先順位を決定することができる。したがって、ユーザーによる入力に応じた検索情報に基づく優先順位で設定条件を表示させることができ、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0146】
上記画像読取装置において、原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知部を備え、前記読取部による画像の読取に関する設定条件には、原稿のサイズが第1サイズである第1設定条件と、原稿のサイズが第2サイズである第2設定条件とが含まれており、前記決定部は、前記原稿サイズ検知部によって検知された原稿のサイズが前記第1サイズである場合に、前記第1設定条件を前記第2設定条件よりも優先する優先順位を決定してもよい。
【0147】
この構成によれば、画像の読取に関する設定条件には、原稿のサイズが第1サイズである第1設定条件と、原稿のサイズが第2サイズである第2設定条件とが含まれており、検知された原稿のサイズが第1サイズである場合に、第2設定条件よりも第1設定条件を優先する優先順位が決定される。このため、検知された原稿のサイズに基づいて、登録された設定条件の優先順位を決定することができ、原稿のサイズに基づく優先順位で設定条件情報を表示させることができ、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0148】
上記画像読取装置において、前記制御部は、ユーザーによる入力に応じて選択された設定条件情報に基づく設定条件毎に前記読取制御部によって画像が読み取られた履歴情報を記憶し、前記決定部は、前記履歴情報に基づいて、前記登録部によって登録された設定条件のうち、第1特定設定条件と比較して画像が読み取られた頻度が高い第2特定設定条件を、前記第1特定設定条件よりも優先する優先順位を決定してもよい。
【0149】
この構成によれば、ユーザーによる入力に応じて選択された設定条件情報に基づく設定条件毎に、画像が読み取られた履歴情報が記憶され、履歴情報に基づいて、登録された設定条件のうち、第1特定設定条件と比較して画像が読み取られた頻度が高い第2特定設定条件を、第1特定設定条件よりも優先する優先順位が決定される。このため、画像が読み取られた履歴情報に基づいて、登録された設定条件の優先順位を決定することができ、画像が読み取られた履歴情報に基づく優先順位で設定条件情報を表示させることができ、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0150】
上記画像読取装置において、前記登録部は、ユーザーに対応付けて表示色を登録し、前記表示制御部は、前記特定部によってユーザーが特定された場合、当該ユーザーに対応する表示色で前記表示部に所定情報を表示させてもよい。
【0151】
この構成によれば、ユーザーに対応付けて表示色が登録され、ユーザーが特定された場合、特定されたユーザーに対応する表示色で所定情報が表示される。このため、所定情報が表示される表示色から、特定されたユーザーが認識可能となり、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0152】
上記画像読取装置において、前記所定情報は、前記表示部に表示させる情報として、前記登録部によって登録された設定条件を示す設定条件情報、前記設定条件情報の背景画像、ヘッダー画像及びフッター画像の少なくとも何れかであってもよい。
【0153】
この構成によれば、表示部に表示させる情報として、設定条件情報、設定条件情報の背景画像、ヘッダー画像及びフッター画像の少なくとも何れかを視認するときに、その表示色から、特定されたユーザーが認識可能となり、登録された設定条件から何れかを選択することに対してユーザーの利便性を高めることができる。
【0154】
画像読取制御方法は、ユーザーによる入力に応じて原稿からの画像の読取に関する設定条件をユーザーに対応付けて登録する登録ステップと、ユーザーを特定する特定ステップと、前記特定ステップにおいてユーザーが特定された場合、前記登録ステップにおいて登録された設定条件のうち、当該ユーザーに対応する設定条件を、当該ユーザーに対応しない設定条件よりも優先する優先順位を決定する決定ステップと、前記決定ステップにおいて決定された優先順位で設定条件を示す設定条件情報を表示部に表示させる表示制御ステップと、前記表示制御ステップにおいて表示された設定条件を示す設定条件情報のうちユーザーによる入力に応じて選択された設定条件情報に基づく設定条件で読取部に画像を読み取らせる読取制御ステップと、を実行する。この方法によれば、上記画像読取装置と同様の効果が得られる。
【0155】
プログラムは、コンピューターに、ユーザーによる入力に応じて原稿からの画像の読取に関する設定条件をユーザーに対応付けて登録する登録ステップと、ユーザーを特定する特定ステップと、前記特定ステップにおいてユーザーが特定された場合、前記登録ステップにおいて登録された設定条件のうち、当該ユーザーに対応する設定条件を、当該ユーザーに対応しない設定条件よりも優先する優先順位を決定する決定ステップと、前記決定ステップにおいて決定された優先順位で設定条件を示す設定条件情報を表示部に表示させる表示制御ステップと、前記表示制御ステップにおいて表示された設定条件を示す設定条件情報のうちユーザーによる入力に応じて選択された設定条件情報に基づく設定条件で読取部に画像を読み取らせる読取制御ステップと、を実行させる。このプログラムによれば、上記画像読取装置と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0156】
D…原稿、JDB…登録ジョブデータベース、UDB…ユーザーデータベース、11…画像読取装置、30…搬送機構、30A…給送部、31…搬送部、32…排出部、33…給送ローラー、34…給送ローラー対、35…搬送ローラー対、36…排出ローラー対、37…給送モーター、38…搬送モーター、40,40A,40B…読取部、41,41A,41B…光源、42,42A,42B…イメージセンサー、43,43A,43B…色基準板、44…エンコーダー、45…原稿センサー、46…原稿有無センサー、50…制御部(コントローラー)、60…コンピューター、61…記憶部、70…主制御部、71…搬送制御部、72…読取制御部、73…画像処理部、76…認証部(特定部)、77…登録部、78…決定部、79…表示制御部、80…メイン画面、80A…メイン領域、90B~90E…ジョブアイコン、90G…背景画像、100…ホスト装置、D…原稿、PR…プログラム。