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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024086986
(43)【公開日】2024-06-28
(54)【発明の名称】端子対
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/57 20110101AFI20240621BHJP
【FI】
H01R12/57
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024069003
(22)【出願日】2024-04-22
(62)【分割の表示】P 2020108988の分割
【原出願日】2020-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】笹田 浩介
(72)【発明者】
【氏名】近藤 快人
(57)【要約】
【課題】コネクタの幅を小さくすることが出来る端子対を提供する。
【解決手段】プラグと基板とを接続する第1端子および第2端子を含む端子対であって、第1端子および第2端子は、プラグ側から基板側に向かって、先端部、ツイスト部、終端部の順序で各構成要素を含み、先端部は、短冊形状であって、いずれも所定の鉛直面上に位置して水平方向かつプラグ側から基板側に向かう方向に延伸され、ツイスト部は、第1端子および第2端子の該当箇所を90°捩じることにより形成され、終端部は、短冊形状であって、いずれも所定の水平面上に位置して水平方向かつプラグ側から基板側に向かう方向に延伸される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグと基板とを接続する第1端子および第2端子を含む端子対であって、
前記第1端子および前記第2端子は、プラグ側から基板側に向かって、先端部、ツイスト部、終端部の順序で各構成要素を含み、
前記先端部は、短冊形状であって、いずれも所定の鉛直面上に位置して水平方向かつプラグ側から基板側に向かう方向に延伸され、
前記ツイスト部は、前記第1端子および前記第2端子の該当箇所を90°捩じることにより形成され、
前記終端部は、短冊形状であって、いずれも所定の水平面上に位置して水平方向かつプラグ側から基板側に向かう方向に延伸される
端子対。
【請求項2】
請求項1に記載の端子対であって、
前記第1端子のツイスト部は、該当箇所を所定の回転方向に90°捩じることにより形成され、
前記第2端子のツイスト部は、該当箇所を前記所定の回転方向と逆方向に90°捩じることにより形成される
端子対。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに使用される端子対に関する。
【背景技術】
【0002】
電気コネクタの従来例として例えば特許文献1がある。特許文献1の電気コネクタは、ターミナルのテール部の曲げ加工が容易にでき、しかも複数のターミナルの電気長を等しくできる構造を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-067961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば差動信号伝送用コネクタにおいては、差動端子1ペアが占有する幅が大きくなるため、複数ペアを配置することによりコネクタの幅が大きくなり、多連化、複数コネクタの並列実装に不利であった。
【0005】
そこで本発明では、コネクタの幅を小さくすることが出来る端子対を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の端子対は、プラグと基板とを接続する第1端子および第2端子を含む。
【0007】
第1端子および第2端子は、プラグ側から基板側に向かって、先端部、ツイスト部、終端部の順序で各構成要素を含む。先端部は、短冊形状であって、いずれも所定の鉛直面上に位置して水平方向かつプラグ側から基板側に向かう方向に延伸される。ツイスト部は、第1端子および第2端子の該当箇所を90°捩じることにより形成される。終端部は、短冊形状であって、いずれも所定の水平面上に位置して水平方向かつプラグ側から基板側に向かう方向に延伸される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の端子対によれば、コネクタの幅を小さくすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1の端子対の斜視図。
図2】実施例1の端子対の右側面図。
図3】実施例1の端子対の平面図。
図4】実施例1の端子対を組み込んだコネクタの例1の第1の斜視図。
図5】実施例1の端子対を組み込んだコネクタの例1の第2の斜視図。
図6】実施例1の端子対を組み込んだコネクタの例1の正面図。
図7】実施例1の端子対を組み込んだコネクタの例1の断面図。
図8】実施例1の端子対を組み込んだコネクタの例2の斜視図。
図9】実施例1の端子対を組み込んだコネクタの例3の第1の斜視図。
図10】実施例1の端子対を組み込んだコネクタの例3の第2の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例0011】
以下、図1を参照して実施例1の端子対の構造を説明する。本実施例の端子対は、例えば差動信号伝送に用いる差動1ペア用コネクタに使用することが出来る。本実施例の端子対は、プラグと基板とを接続する第1端子11および第2端子12を含む。
【0012】
第1端子11は、プラグ側(同図にプラグ←と表記した側)から基板側(同図に→基板と表記した側)に向かって、先端部111、傾斜部112、第1直線部113、ツイスト部114、第1屈曲部115、第2直線部116、第2屈曲部117、終端部118の順序で各構成要素を含む。
【0013】
同様に、第2端子12は、プラグ側から基板側に向かって、先端部121、傾斜部122、第1直線部123、ツイスト部124、第1屈曲部125、第2直線部126、第2屈曲部127、終端部128の順序で各構成要素を含む。
【0014】
なお、第1端子11と第2端子12の長手方向の全長は等しく、第1端子11と第2端子12の対応する各構成要素の長さは等しい。
【0015】
<先端部111、先端部121>
先端部111、121は、短冊形状であって、いずれも所定の鉛直面(同図の鉛直面A)上に位置して水平方向かつプラグ側から基板側に向かう方向に延伸される。先端部111、121は、図示しないプラグ(またはプラグ側端子)と接続される。
【0016】
<傾斜部112、傾斜部122>
傾斜部112は、先端部111と第1直線部113の間に位置し、所定の鉛直面(同図の鉛直面A)上に位置して、斜め下方向に傾斜しながらプラグ側から基板側に向かう方向に延伸する。
【0017】
傾斜部122は、先端部121と第1直線部123の間に位置し、所定の鉛直面(同図の鉛直面A)上に位置して、斜め上方向に傾斜しながらプラグ側から基板側に向かう方向に延伸する。
【0018】
<第1直線部113、第1直線部123>
第1直線部113は傾斜部112とツイスト部114の間に位置し、所定の鉛直面(同図の鉛直面A)上に位置して、水平方向かつプラグ側から基板側に向かう方向に延伸される。
【0019】
同様に、第1直線部123は傾斜部122とツイスト部124の間に位置し、所定の鉛直面(同図の鉛直面A)上に位置して、水平方向かつプラグ側から基板側に向かう方向に延伸される。
【0020】
<ツイスト部114、ツイスト部124>
ツイスト部114は、第1直線部113と第1屈曲部115の間に位置する該当箇所を90°捩じることにより形成される。
【0021】
同様に、ツイスト部124は、第1直線部123と第1屈曲部125の間に位置する該当箇所を90°捩じることにより形成される。
【0022】
このように端子を90°捩じることにより、第1端子11と第2端子12の間の距離を変えることなく(差動結合状態を維持したまま)、基板実装部では水平方向に並んだ配置に変換することが可能となり、基板実装においては通常の差動コネクタと同様のパターン引き回しが可能となる。また差動結合を維持したまま基板まで接続できることで、信号伝送品質に優れたコネクタを実現できる。
【0023】
図2に示すようにツイスト部114は、該当箇所において斜め下方向に傾斜しながらプラグ側から基板側に向かう方向に延伸される。ツイスト部124は、該当箇所において斜め上方向に傾斜しながらプラグ側から基板側に向かう方向に延伸される。
【0024】
このとき、図2に示すように、第1端子11の傾斜部112およびツイスト部114における鉛直下方向への延伸長さの合計はLであって、第2端子12の傾斜部122およびツイスト部124における鉛直上方向への延伸長さの合計はLである。従って、コネクタ内に端子対を配置する際に、後端部118、128の高さを揃えて配置するため、先端部111は先端部121よりも上側に位置し、先端部111と先端部121は鉛直方向に間隔2L空けてコネクタ内に配置されることになる。
【0025】
このように、プラグ、またはプラグ側端子と接続する差動ペアを鉛直方向上下に並べて配置することで、差動端子1ペアが占有する幅を小さくすることができ、端子を格納するコネクタ幅を小さくすることができる。コネクタ幅を小さくすることで多連コネクタの場合は、複数ペアを狭ピッチで配置可能となり、また1ペアのコネクタであれば、基板1辺に多く並べて実装することが可能となる。
【0026】
また、コネクタ内に端子対を配置する際に、第1端子11と第2端子12は、長さ方向に揃えて配置される。第1端子11および第2端子12が先端部111、121から後端部118、128に至るまで同じ長さで構成することにより、差動ペア内の信号遅延がなく、信号伝送品質に優れたコネクタを実現できる。
【0027】
また、図3に示すように、ツイスト部114、124は、基板、または基板側端子に接続する終端部118、128の配列方向に、互いに間隔が開くように傾斜しながら延伸される。ツイスト部114、124における配列方向への延伸長さをdとすると、終端部118、128は配列方向に間隔2d空けて配置されることになる。
【0028】
<第1屈曲部115、第1屈曲部125>
第1屈曲部115は、ツイスト部114と第2直線部116の間に位置して、水平方向(同図の水平面B上を延伸する向き)かつプラグ側から基板側に向かう方向に延伸された端子を鉛直下方向に屈曲させて形成される。
【0029】
同様に、第1屈曲部125は、ツイスト部124と第2直線部126の間に位置して、水平方向(同図の水平面B上を延伸する向き)かつプラグ側から基板側に向かう方向に延伸された端子を鉛直下方向に屈曲させて形成される。
【0030】
<第2直線部116、第2直線部126>
第2直線部116は、第1屈曲部115と第2屈曲部117の間に位置し、短冊形状であって、鉛直方向かつプラグ側から基板側に向かう方向に延伸される。
【0031】
同様に、第2直線部126は、第1屈曲部125と第2屈曲部127の間に位置し、短冊形状であって、鉛直方向かつプラグ側から基板側に向かう方向に延伸される。
【0032】
<第2屈曲部117、第2屈曲部127>
第2屈曲部117は、第2直線部116と終端部118の間に位置して、鉛直方向かつプラグ側から基板側に向かう方向に延伸された端子を水平方向に屈曲させて形成される。
【0033】
同様に、第2屈曲部127は、第2直線部126と終端部128の間に位置して、鉛直方向かつプラグ側から基板側に向かう方向に延伸された端子を水平方向に屈曲させて形成される。
【0034】
<終端部118、終端部128>
終端部118、128は、最も基板側に位置し、短冊形状であって、いずれも所定の水平面(同図の水平面C)上に位置して水平方向かつプラグ側から基板側に向かう方向に延伸される。終端部118、128は、基板(または基板側端子)と接続される。
【0035】
<端子対11、12を組みこんだコネクタの例1>
図4図7に実施例1の端子対11、12を組み込んだコネクタの例1(コネクタ1)を示す。図4に示すように、コネクタ1は、絶縁体のケース13に1対の端子対11、12を上述の位置関係のまま、収容、固定することで形成される。図5に示すように第1屈曲部115、125、第2直線部116、126、第2屈曲部117、127、終端部118、128は、ケース13の背面側から外部に露出している。
【0036】
図6の断面指示線7-7で示した断面図である図7に示すように、端子対11、12を収容するケース13は、プラグ側に位置してプラグが挿通(収容)される筒形状のプラグ挿通部131と、基板側に位置して樹脂が充填され、端子対11、12を固定する充填部132を含む。先端部111、121は、充填部132から露出し、プラグ挿通部131内に位置している。
【0037】
<端子対11、12を組み込んだコネクタの例2>
図8にコネクタ2として示すように、例1のコネクタ1を並列に複数連結してコネクタを構成してもよい。
【0038】
<端子対11、12を組み込んだコネクタの例3>
図9図10にコネクタ3として示すように、幅方向に長く形成されたケース33に複数の端子対を幅方向に配列してコネクタを構成してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10