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特開2024-87009リハビリ支援装置、リハビリ支援装置の制御方法及びプログラム
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  • 特開-リハビリ支援装置、リハビリ支援装置の制御方法及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087009
(43)【公開日】2024-06-28
(54)【発明の名称】リハビリ支援装置、リハビリ支援装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20240621BHJP
   G16Y 10/60 20200101ALI20240621BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20240621BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20240621BHJP
【FI】
G16H20/00
G16Y10/60
G16Y20/40
G16Y40/20
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024069895
(22)【出願日】2024-04-23
(62)【分割の表示】P 2020178385の分割
【原出願日】2020-10-23
(71)【出願人】
【識別番号】598041566
【氏名又は名称】学校法人北里研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 秀一
(72)【発明者】
【氏名】高平 尚伸
(72)【発明者】
【氏名】穴田 聡
(57)【要約】
【課題】患者が専門家との対面による評価を要さずともリハビリテーションにおける適切な指示を受けることができるようにする。
【解決手段】リハビリ支援装置は、身体の動きを示すセンサデータを入力する入力部と、前記センサデータとリハビリに関する提案内容とを含む教師データを用いて事前に学習された学習済みアルゴリズムを用いて、前記入力されたセンサデータに応じた、リハビリに関する提案内容を出力する出力部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の動きを示すセンサデータを入力する入力部と、
前記センサデータとリハビリに関する提案内容とを含む教師データを用いて事前に学習された学習済みアルゴリズムを用いて、前記入力されたセンサデータに応じた、リハビリに関する提案内容を出力する出力部と、
を備えるリハビリ支援装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記リハビリに関する提案内容として、活動量の目標値を出力する、
請求項1に記載のリハビリ支援装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記リハビリに関する提案内容として、獲得可能な動きの目標を出力する、
請求項1又は請求項2に記載のリハビリ支援装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記リハビリに関する提案内容として、獲得可能な日常生活動作を出力する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のリハビリ支援装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記リハビリに関する提案内容として、重症度の変化に伴う目標を出力する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のリハビリ支援装置。
【請求項6】
前記リハビリに関する提案内容は、FMAに基づく重症度の評価結果に対応して定められた提案内容である、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のリハビリ支援装置。
【請求項7】
身体の動きを示すセンサデータを入力するステップと、
前記センサデータとリハビリに関する提案内容とを含む教師データを用いて事前に学習された学習済みアルゴリズムを用いて、前記入力されたセンサデータに応じた、リハビリに関する提案内容を出力するステップと、
を備えるリハビリ支援方法。
【請求項8】
リハビリ支援装置のコンピュータに、
身体の動きを示すセンサデータを入力するステップと、
前記センサデータとリハビリに関する提案内容とを含む教師データを用いて事前に学習された学習済みアルゴリズムを用いて、前記入力されたセンサデータに応じた、リハビリに関する提案内容を出力するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リハビリ支援装置、リハビリ支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、リハビリにおいて正しい動きができるようにサポートできる支援装置が開示されている。より具体的には、支援装置はセンサを介して取得したユーザの「リハビリテーション時の動き」と、「セラピストと一緒に行ったリハビリテーション時の正しい動きの情報」とが異なっている場合に、その「動き」が間違っていることを知らせるとともに、「正しい動き」に近づくように誘導することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-099557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまで、専門家が麻痺患者と対面し、その動きをみて機能評価を行い、適切なアドバイスや目標設定がなされてきた。近年、コロナ感染症の影響などにより、テレリハビリテーションの需要が高まることが予想される。そこで、患者が専門家との対面による評価を要さずともリハビリテーションにおける適切な指示を受けることができる仕組みが求められている。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、患者が専門家との対面による評価を要さずともリハビリテーションにおける適切な指示を受けることができるリハビリ支援装置、リハビリ支援方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、リハビリ支援装置は、身体の動きを示すセンサデータを入力する入力部と、前記センサデータとリハビリに関する提案内容とを含む教師データを用いて事前に学習された学習済みアルゴリズムを用いて、前記入力されたセンサデータに応じた、リハビリに関する提案内容を出力する出力部と、を備える。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、前記出力部は、前記リハビリに関する提案内容として、活動量の目標値を出力する。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、前記出力部は、前記リハビリに関する提案内容として、トレーニング動作の目標を出力する。
【0009】
本発明の第4の態様によれば、前記出力部は、前記リハビリに関する提案内容として、獲得可能な日常生活動作を出力する。
【0010】
本発明の第5の態様によれば、前記出力部は、前記リハビリに関する提案内容として、重症度の変化に伴う目標を出力する。
【0011】
本発明の第6の態様によれば、リハビリに関する提案内容は、FMAに基づく重症度の評価結果に対応して定められた提案内容である。
【0012】
本発明の第7の態様によれば、リハビリ支援方法は、身体の動きを示すセンサデータを入力するステップと、前記センサデータとリハビリに関する提案内容とを含む教師データを用いて事前に学習された学習済みアルゴリズムを用いて、前記入力されたセンサデータに応じた、リハビリに関する提案内容を出力するステップと、を有する。
【0013】
本発明の第8の態様によれば、プログラムは、リハビリ支援装置のコンピュータに、身体の動きを示すセンサデータを入力するステップと、前記センサデータとリハビリに関する提案内容とを含む教師データを用いて事前に学習された学習済みアルゴリズムを用いて、前記入力されたセンサデータに応じた、リハビリに関する提案内容を出力するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0014】
上述のリハビリ支援装置、リハビリ支援方法およびプログラムによれば、患者が専門家との対面による評価を要さずともリハビリテーションにおける適切な指示を受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施形態に係るリハビリ支援装置の全体構成を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る機械学習アルゴリズムの機能を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る機械学習アルゴリズムの機能を示す図である。
図4】第1の実施形態に係るリハビリ支援装置による処理の例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係るリハビリ支援装置による処理の例を示す図である。
図6】第1の実施形態に係るリハビリ支援装置による処理の例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係るリハビリ支援装置による処理の例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係るリハビリ支援装置による処理の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態に係るリハビリ支援システムについて、図1図8を参照しながら説明する。
【0017】
(リハビリ支援装置の全体構成)
図1は、第1の実施形態に係るリハビリ支援装置の全体構成を示す図である。
図1に示すリハビリ支援装置1は、腕時計タイプのウェアラブル端末装置である。リハビリ支援装置1は、例えば、上肢麻痺患者の、麻痺側の腕に取り付けられて用いられる。なお、本実施形態においては、リハビリ支援装置1は、専用の端末装置であるものとして説明するが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。例えば、リハビリ支援装置1は、一般的なスマートフォンやスマートウォッチに、専用のプログラム(アプリケーション)を適用することで、以下に説明するリハビリ支援装置1として機能するものであってもよい。
【0018】
図1に示すように、リハビリ支援装置1は、CPU10と、メモリ11と、タッチセンサ12と、ディスプレイ13と3軸加速度計14とを備えている。
【0019】
CPU10は、予め用意されたプログラムに従って動作するプロセッサである。CPU10は、このプログラムに従って動作することで後述の種々の機能を発揮する。
【0020】
メモリ11は、いわゆる主記憶装置であって、CPU10の動作に必要な記憶領域を有する。
【0021】
タッチセンサ12は、利用者(上肢麻痺患者)のタッチ操作を受け付ける入力手段の一例である。
【0022】
ディスプレイ13は、種々の情報などを表示して利用者に通知する表示手段の一例である。
【0023】
3軸加速度計14は、本体(リハビリ支援装置1)の空間上の動き(加速度)を検知可能なセンサである。
【0024】
リハビリ支援装置1のCPU10は、プログラムに従って動作することで、入力部100、出力部101としての機能を発揮する。
【0025】
入力部100は、3軸加速度計14を通じて得られたデータであって、利用者の身体(本実施形態では麻痺側の上肢)の動きを示すセンサデータを入力する。
【0026】
出力部101は、学習済みの機械学習アルゴリズムALを用いて、入力部100によって入力されたセンサデータに応じた、リハビリに関する提案内容を、ディスプレイ13に表示(出力)する。
【0027】
機械学習アルゴリズムALは、センサデータとリハビリに関する提案内容とを含む教師データを用いて事前に学習された学習済みアルゴリズムである。
【0028】
(機械学習アルゴリズムの機能)
図2図3は、第1の実施形態に係る機械学習アルゴリズムの機能を示す図である。
図2は、学習段階における機械学習アルゴリズムALの機能を示している。また、図3は、実用段階における機械学習アルゴリズムALの機能を示している。
【0029】
図2に示すように、教師データDTを機械学習アルゴリズムALに入力することで機械学習(教師あり学習)を行う。
【0030】
教師データDTは、3軸加速度計14から取得されたセンサデータと、当該センサデータに対応するリハビリに関する提案内容とをセットとした教師データである。
【0031】
ここで、上肢麻痺に対する上肢機能評価の一般的手法について簡単に説明する。
上肢機能評価の評価方法に関しては、専門家(作業療法士)が患者と対面で行うことが一般的であり、通常、Fugl-Meyer Assessment(以下、「FMA」と表記する。)に基づいて定量的に評価される。FMAは、脳卒中の上肢機能評価において国際的に最も使用され検者間にて高い信頼性があり、効果のアウトカムとなる。FMAの上肢運動機能は、項目ごとに、“0点(全くできない)”,“1点(不十分)”,“2点(十分可能)”の3段階で評価され、その合計点(66点満点)が上肢機能評価(重症度)となる。FMAは、専門家が患者に対し、肩、前腕、手関節、手指の各運動を行わせて評価する。そして、専門家は、このFMAの点数(重症度)にしたがい、患者に対し、適切な目標設定やアドバイスを行う。
【0032】
本実施形態に係る機械学習アルゴリズムALは、このFMAに準拠するように学習される。具体的には、図2に示すように、教師データDTは、各種センサデータ(入力値)に対し、FMAによる重症度の評価結果に準拠した目標設定をペアとして用意される。ここでセンサデータは、3軸加速度計14によって取得されたデータ群であり、上肢(リハビリ支援装置1が取り付けられた腕)の活動量、上肢運動の軌跡、上肢の移動距離などが含まれる。
【0033】
このようにして学習された機械学習アルゴリズムALによれば、実用段階において、図3に示すように、ある患者のセンサデータD1が入力された場合に、当該センサデータD1から推定される重症度に基づいて、FMAに準拠した、患者固有の目標設定D2を出力することができる。
【0034】
(リハビリ支援装置の処理)
図4図8は、第1の実施形態に係るリハビリ支援装置による処理の例を示す図である。
以下、図4図8を参照しながら、第1の実施形態に係るリハビリ支援装置の具体的な処理について詳しく説明する。
【0035】
(上肢活動量)
図4に示すように、リハビリ支援装置1は、リハビリに関する提案内容として、上肢麻痺の重症度に応じた上肢活動量の目標値を出力する。
【0036】
具体的には、リハビリ支援装置1の入力部100は、3軸加速度計14(図1)を通じて得られた患者固有のセンサデータの入力を受け付ける。そして、出力部101は、事前に学習された機械学習アルゴリズムALに対し、患者固有のセンサデータを入力し、当該機械学習アルゴリズムALから上肢活動量の目標値を取得する。
【0037】
図4に示すように、リハビリ支援装置1は、ディスプレイ13(図1)に表示画像Gを表示させる。この表示画像Gには、例えば、現在(今日1日)の時間帯別上肢活動量および総活動量と、次の時間帯(明日1日)の時間帯別上肢活動量の目標値および総活動量の目標値とが表示される。
【0038】
ここで出力される上肢活動量の目標値は、上述した機械学習アルゴリズムALにより出力されるので、FMAを用いた専門家の判断に準じたものとなる。
【0039】
(獲得可能な動き)
図5に示すように、リハビリ支援装置1は、リハビリに関する提案内容として、上肢麻痺の重症度に応じた「獲得可能な動き」の目標(トレーニング内容)を出力する。
【0040】
具体的には、入力部100は、3軸加速度計14(図1)を通じて得られた患者固有のセンサデータの入力を受け付ける。そして、出力部101は、事前に学習された機械学習アルゴリズムALに対し、患者固有のセンサデータを入力し、当該機械学習アルゴリズムALから「獲得可能な動き」の目標を取得する。
【0041】
図5に示すように、リハビリ支援装置1は、ディスプレイ13(図1)に表示画像Gを表示させる。この表示画像Gには、例えば、獲得可能な動きの目標(トレーニング内容)がアニメーション表示される。
【0042】
ここで出力される「獲得可能な動き」の目標は、上述した機械学習アルゴリズムALにより出力されるため、FMAを用いた専門家の判断に準じたものとなる。
【0043】
(獲得可能な日常生活動作)
図6図7に示すように、リハビリ支援装置1は、リハビリに関する提案内容として、上肢麻痺の重症度に応じた「獲得可能な日常動作」の目標を出力する。
【0044】
具体的には、入力部100は、3軸加速度計14(図1)を通じて得られた患者固有のセンサデータの入力を受け付ける。そして、出力部101は、事前に学習された機械学習アルゴリズムALに対し、患者固有のセンサデータを入力し、当該機械学習アルゴリズムALから「獲得可能な日常生活動作」の目標を取得する。
【0045】
図6に示すように、リハビリ支援装置1は、ディスプレイ13(図1)に、食事動作の目標を示す表示画像Gを表示させる。食事動作の目標は、例えば、重症度に応じて、「全介助」、「ユニバーサルカフ付きスプーンを使用」、「太柄自助具スプーンを使用」、「普通スプーンで自立」、「自助具箸+普通スプーンで自立」、「箸で自立」のいずれかが設定される。
【0046】
また、図7に示すように、リハビリ支援装置1は、ディスプレイ13(図1)に、更衣動作の目標を示す表示画像Gを表示させる。更衣動作の目標は、例えば、重症度に応じて、「全介助」、「低い位置で腕を伸ばして袖を通せる」、「前開きシャツを、肩を少し上げて腕を伸ばして袖を通せる」、「前開きシャツを、肩を高く上げて腕を伸ばして袖を通せる」、「ボタンを閉めることができる」のいずれかが設定される。
【0047】
図6図7のように出力される「獲得可能な日常動作」の目標は、上述した機械学習アルゴリズムALにより出力されるので、FMAを用いた専門家の判断に準じたものとなる。
【0048】
(重症度の変化に伴う目標値の設定)
図8に示すように、リハビリ支援装置1は、リハビリに関する提案内容として、上肢麻痺の重症度の変化に伴った目標を出力する。
【0049】
具体的には、入力部100は、3軸加速度計14(図1)を通じて得られた患者固有のセンサデータの入力を受け付ける。そして、出力部101は、事前に学習された機械学習アルゴリズムALに対し、患者固有のセンサデータを入力し、当該機械学習アルゴリズムALから、重症度の変化に伴った目標を取得する。
【0050】
例えば、リハビリ支援装置1は、一週間前の総活動量と現在の総活動量とを比較した結果、改善傾向がみられている場合、総活動量の目標値として、現在の総活動量のみに基づいて設定される目標値(基準)よりも高い目標値が設定される(図8(a)参照)。
【0051】
また、リハビリ支援装置1は、一週間前の総活動量と現在の総活動量とを比較した結果、改善傾向がみられていない場合、総活動量の目標値として、現在の総活動量のみに基づいて設定される目標値(基準)よりも低い目標値が設定される(図8(b)参照)。
【0052】
なお、図8は、「重症度の変化に伴う目標値の設定」として、「総活動量」の目標設定を例に説明したものであるが、「獲得可能な動き」(図5)、「獲得可能な日常生活動作」(図6図7)の目標設定についても同様に処理される。
【0053】
このような重症度の変化に伴う目標値の設定(縦断的分析)も、上述した機械学習アルゴリズムALにより出力されるので、FMAを用いた専門家の判断に準じたものとなる。
【0054】
(作用効果)
以上のとおり、第1の実施形態に係るリハビリ支援装置1は、患者に取り付けた活動量センサによる「センサデータ」と、「活動量・動きの目標の提案」、「獲得可能な日常動作の提案」、「重症度の変化に伴う目標値の設定(縦断的分析)」等の提案内容を教師あり学習で学習させた学習済みAI(機械学習アルゴリズムAL)を有することを特徴としている。この学習済みAIを用いることで、患者が専門家との対面による評価を要さずとも、専門家と同等のアドバイス、指示を受けることができる。
【0055】
上述の実施形態においては、リハビリ支援装置1の各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0056】
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0057】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1 リハビリ支援装置
10 CPU
11 メモリ
12 タッチセンサ
13 ディスプレイ
14 3軸加速度計
100 入力部
101 出力部
AL 機械学習アルゴリズム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の動きを示すセンサデータを入力する入力部と、
前記センサデータとリハビリに関する提案内容とを含む教師データを用いて事前に学習された学習済みアルゴリズムを用いて、前記入力されたセンサデータに応じた、リハビリに関する提案内容を出力する出力部と、
を備え、
前記学習済みアルゴリズムは、ある患者についての前記センサデータと、同一の患者に対して専門家が評価したFMAの点数に準拠する目標設定とをペアとして用意された前記教師データを用いて学習されている、
リハビリ支援装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記リハビリに関する提案内容として、活動量の目標値を出力する、
請求項1に記載のリハビリ支援装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記リハビリに関する提案内容として、獲得可能な動きの目標を出力する、
請求項1又は請求項2に記載のリハビリ支援装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記リハビリに関する提案内容として、獲得可能な日常生活動作を出力する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のリハビリ支援装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記リハビリに関する提案内容として、重症度の変化に伴う目標を出力する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のリハビリ支援装置。
【請求項6】
前記リハビリに関する提案内容は、FMAに基づく重症度の評価結果に対応して定められた提案内容である、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のリハビリ支援装置。
【請求項7】
リハビリ支援装置が、身体の動きを示すセンサデータを入力するステップと、
前記リハビリ支援装置が、前記センサデータとリハビリに関する提案内容とを含む教師データを用いて事前に学習された学習済みアルゴリズムを用いて、前記入力されたセンサデータに応じた、リハビリに関する提案内容を出力するステップと、
を備え、
前記学習済みアルゴリズムは、ある患者についての前記センサデータ と、同一の患者に対して専門家が評価したFMAの点数に準拠する目標設定とをペアとして用意された前記教師データを用いて学習されている、
リハビリ支援装置の制御方法。
【請求項8】
リハビリ支援装置のコンピュータに、
身体の動きを示すセンサデータを入力するステップと、
前記センサデータとリハビリに関する提案内容とを含む教師データを用いて事前に学習された学習済みアルゴリズムを用いて、前記入力されたセンサデータに応じた、リハビリに関する提案内容を出力するステップと、
を実行させるプログラムであって、
前記学習済みアルゴリズムは、ある患者についての前記センサデータ と、同一の患者に対して専門家が評価したFMAの点数に準拠する目標設定とをペアとして用意された前記教師データを用いて学習されている、
プログラム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、リハビリ支援装置、リハビリ支援装置の制御方法及びプログラムに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、患者が専門家との対面による評価を要さずともリハビリテーションにおける適切な指示を受けることができるリハビリ支援装置、リハビリ支援装置の制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。