(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087034
(43)【公開日】2024-06-28
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240621BHJP
A63F 13/80 20140101ALN20240621BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/80 E
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024070597
(22)【出願日】2024-04-24
(62)【分割の表示】P 2019131009の分割
【原出願日】2019-07-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (ア)ウェブサイトによる発表 掲載日:2018年11月27日から2019年7月16日 (イ)レビュー記事の公開による発明の公開 公開日:2019年4月10日 (ウ)プレイ動画の公開による発明の公開 公開日:2019年5月30、31日 (エ)ゲーム・アプリケーションのリリースによる発明の公開 リリースおよびアップデート日:2019年5月30日から2019年7月10日 アプリケーション名:「最果てのバベル」
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】福塚 翼
(72)【発明者】
【氏名】野口 裕弘
(57)【要約】
【課題】興趣性を向上させる。
【解決手段】コンピュータに、予め設定された所定の属性を有する対象媒体が所定数含まれるように、2以上の媒体を選択する選択処理を実行させ、前記選択処理の途中において、前記対象媒体の獲得数に応じて、前記選択処理が終了する前に前記選択処理の方法の切り替えを実行させ、前記切り替え前に用いられる選択テーブルに含まれる複数の媒体と、前記切り替え後に用いられる選択テーブルに含まれる複数の媒体とは、少なくとも一部が共通し、前記切り替え前の選択テーブルまたは前記切り替え後の選択テーブルを用いて、前記対象媒体が前記所定数選択されるまで媒体の選択を繰り返し実行させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
予め設定された所定の属性を有する対象媒体が所定数含まれるように、2以上の媒体を選択する選択処理を実行させ、
前記選択処理の途中において、前記対象媒体の獲得数に応じて、前記選択処理が終了する前に前記選択処理の方法の切り替えを実行させ、
前記切り替え前に用いられる選択テーブルに含まれる複数の媒体と、前記切り替え後に用いられる選択テーブルに含まれる複数の媒体とは、少なくとも一部が共通し、
前記切り替え前の選択テーブルまたは前記切り替え後の選択テーブルを用いて、前記対象媒体が前記所定数選択されるまで媒体の選択を繰り返し実行させる、プログラム。
【請求項2】
1または複数の情報処理装置を備える情報処理システムであって、
予め設定された所定の属性を有する対象媒体が所定数含まれるように、2以上の媒体を選択する選択処理を実行し、
前記選択処理の途中において、前記対象媒体の獲得数に応じて、前記選択処理が終了する前に前記選択処理の方法の切り替えを実行し、
前記切り替え前に用いられる選択テーブルに含まれる複数の媒体と、前記切り替え後に用いられる選択テーブルに含まれる複数の媒体とは、少なくとも一部が共通し、
前記切り替え前の選択テーブルまたは前記切り替え後の選択テーブルを用いて、前記対象媒体が前記所定数選択されるまで媒体の選択を繰り返し実行する、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームにおいて利用可能なオブジェクトを取得する抽選処理を、複数回連続して実行可能なゲームが公知である。また、特許文献1では、複数回連続して抽選処理を行う場合の結果として、所定の条件を満たすオブジェクトの取得を保証可能なゲームを実現するプログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の媒体が含まれる群から所定数の対象媒体が確定的に選択されることを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に示す一実施形態によれば、
プロセッサ及びメモリを備えるコンピュータによって実行されるゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
ユーザの操作に応答して、前記ゲームプログラムに基づくゲームにおいて利用可能である一群のゲーム媒体の中から、n個(nは2以上の整数)の前記ゲーム媒体を選択する選択処理を実行するステップと、ここで、所定の属性を有する少なくともk個(kは1以上且つn以下の整数)の対象ゲーム媒体が含まれるように前記n個のゲーム媒体が選択され、
前記選択処理で選択されたn個の前記ゲーム媒体を前記ユーザに付与するステップと、
を実行させ、
前記選択処理を実行するステップにおいて、
i-1回目までの選択処理の回数及びi-1回目までの対象ゲーム媒体の獲得枚数に応じて、i回目の選択処理の方法を切り替えるステップを、
前記プロセッサに実行させる、ゲームプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、複数の媒体が含まれる群から所定数の対象媒体が確定的に選択されることを可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】ゲームシステムのハードウェア構成を示す図である。
【
図2】ユーザ端末およびサーバの機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】ステージのプレイ画面の一例を示す図である。
【
図4】抽選処理全体の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】第一実施形態において、連続した抽選において複数のキャラクタを選択する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】第二実施形態において、抽選処理で使用する確率テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示に係るゲームシステムは、複数のユーザにゲームを提供するためのシステムである。以下、ゲームシステムについて図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が本発明に含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。
【0009】
<ゲームシステム1のハードウェア構成>
図1は、ゲームシステム1のハードウェア構成を示す図である。ゲームシステム1は図示の通り、複数のユーザ端末100と、サーバ200とを含む。各ユーザ端末100は、サーバ200とネットワーク2を介して接続する。ネットワーク2は、インターネットおよび図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システム等で構成される。この移動通信システムとしては、例えば、所謂3G、4G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、および所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が挙げられる。
【0010】
サーバ200(コンピュータ、情報処理装置)は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってよい。サーバ200は、プロセッサ20と、メモリ21と、ストレージ22と、通信IF23と、入出力IF24とを備える。サーバ200が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。
【0011】
ユーザ端末100(コンピュータ、情報処理装置)は、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、またはタブレット型コンピュータ等の携帯端末であってよい。ユーザ端末100は、ゲームプレイに適したゲーム装置であってもよい。ユーザ端末100は図示の通り、プロセッサ10と、メモリ11と、ストレージ12と、通信インターフェース(IF)13と、入出力IF14と、タッチスクリーン15(表示部)とを備える。ユーザ端末100が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。なお、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15に代えて、または、加えて、ユーザ端末100本体とは別に構成されたディスプレイ(表示部)を接続可能な入出力IF14を備えていてもよい。
【0012】
図1に示すように、ユーザ端末100は、外部のメモリカード等の記憶媒体1030の装着を、入出力IF14を介して受け付けてもよい。これにより、ユーザ端末100は、記憶媒体1030に記録されるプログラムおよびデータを読み込むことができる。記憶媒体1030に記録されるプログラムは、例えばゲームプログラムである。
【0013】
ユーザ端末100は、サーバ200等の外部の装置と通信することにより取得したゲームプログラムをユーザ端末100のメモリ11に記憶してもよいし、記憶媒体1030から読み込むことにより取得したゲームプログラムをメモリ11に記憶してもよい。
【0014】
以上で説明したとおり、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100に対して情報を入力する機構の一例として、通信IF13、入出力IF14、タッチスクリーン15を備える。入力する機構としての上述の各部は、ユーザの入力操作を受け付けるように構成された操作部と捉えることができる。
【0015】
例えば、操作部がタッチスクリーン15で構成される場合、ユーザ端末100は、タッチスクリーン15の入力部151に対して実施されたユーザの操作をユーザの入力操作として特定し、受け付ける。あるいは、操作部が通信IF13又は入出力IFで構成される場合、ユーザ端末100は、通信IF又は入出力IF14と接続されるユーザ端末100とは異なる入力装置(図示せず)から出力される信号をユーザの入力操作として特定し、受け付けてもよい。
【0016】
<各装置のハードウェア構成要素>
プロセッサ10は、ユーザ端末100全体の動作を制御する。プロセッサ20は、サーバ200全体の動作を制御する。プロセッサ10および20は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、およびGPU(Graphics Processing Unit)を含む。
【0017】
プロセッサ10は後述するストレージ12からプログラムを読み出し、後述するメモリ11に展開する。プロセッサ20は後述するストレージ22からプログラムを読み出し、後述するメモリ21に展開する。プロセッサ10およびプロセッサ20は展開したプログラムを実行する。
【0018】
メモリ11および21は主記憶装置である。メモリ11および21は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置で構成される。メモリ11は、プロセッサ10が後述するストレージ12から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ10に作業領域を提供する。メモリ11は、プロセッサ10がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。メモリ21は、プロセッサ20が後述するストレージ22から読み出した各種プログラムおよびデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ20に作業領域を提供する。メモリ21は、プロセッサ20がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0019】
本実施形態においてプログラムとは、ゲームをユーザ端末100により実現するためのゲームプログラムであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームをユーザ端末100とサーバ200との協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。なお、ユーザ端末100とサーバ200との協働により実現されるゲームは、一例として、ユーザ端末100において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。あるいは、該プログラムは、該ゲームを複数のユーザ端末100の協働により実現するためのゲームプログラムであってもよい。また、各種データとは、ユーザ情報およびゲーム情報などのゲームに関するデータ、ならびに、ユーザ端末100とサーバ200との間または複数のユーザ端末100間で送受信する指示または通知を含んでいる。
【0020】
ストレージ12および22は補助記憶装置である。ストレージ12および22は、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成される。ストレージ12およびストレージ22には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0021】
通信IF13は、ユーザ端末100における各種データの送受信を制御する。通信IF23は、サーバ200における各種データの送受信を制御する。通信IF13および23は例えば、無線LAN(Local Area Network)を介する通信、有線LAN、無線LAN、または携帯電話回線網を介したインターネット通信、ならびに近距離無線通信等を用いた通信を制御する。
【0022】
入出力IF14は、ユーザ端末100がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またユーザ端末100がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF14は、USB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行ってもよい。入出力IF14は、例えば、ユーザ端末100の物理ボタン、カメラ、マイク、または、スピーカ等を含み得る。サーバ200の入出力IF24は、サーバ200がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであり、またサーバ200がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF24は、例えば、マウスまたはキーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0023】
ユーザ端末100のタッチスクリーン15は、入力部151と表示部152とを組み合わせた電子部品である。入力部151は、例えばタッチセンシティブなデバイスであり、例えばタッチパッドによって構成される。表示部152は、例えば液晶ディスプレイ、または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。
【0024】
入力部151は、入力面に対しユーザの操作(主にタッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等の物理的接触操作)が入力された位置を検知して、位置を示す情報を入力信号として送信する機能を備える。入力部151は、図示しないタッチセンシング部を備えていればよい。タッチセンシング部は、静電容量方式または抵抗膜方式等のどのような方式を採用したものであってもよい。
【0025】
図示していないが、ユーザ端末100は、該ユーザ端末100の保持姿勢を特定するための1以上のセンサを備えていてもよい。このセンサは、例えば、加速度センサ、または、角速度センサ等であってもよい。ユーザ端末100がセンサを備えている場合、プロセッサ10は、センサの出力からユーザ端末100の保持姿勢を特定して、保持姿勢に応じた処理を行うことも可能になる。例えば、プロセッサ10は、ユーザ端末100が縦向きに保持されているときには、縦長の画像を表示部152に表示させる縦画面表示としてもよい。一方、ユーザ端末100が横向きに保持されているときには、横長の画像を表示部に表示させる横画面表示としてもよい。このように、プロセッサ10は、ユーザ端末100の保持姿勢に応じて縦画面表示と横画面表示とを切り替え可能であってもよい。
【0026】
<ゲーム概要>
ゲームシステム1は、ゲームプログラムに基づくゲームにおいて利用可能な特定のオブジェクトを含む複数のオブジェクトのうち何れか1つを、確率テーブルに基づいて選択する選択処理を実行するシステムである。
【0027】
選択処理は、確率テーブルに基づいて複数のオブジェクトのうち何れか一つのオブジェクトが選択される処理であればよく、例えば、抽選によって選択する処理が挙げられる。以下、本実施形態では、オブジェクトを選択する処理を抽選(いわゆる、ガチャ)処理として説明する。本実施形態では、抽選処理を複数回実行する。以下、「複数」回の抽選処理を「n」(nは2以上の整数)回の抽選処理ともいう。このように、所定の複数回数まとめて実行される抽選処理を、説明の便宜上、同時に複数回実行する場合も含めて、「連続した抽選処理」とも呼称する。なお、連続した抽選処理中の1回の抽選処理に要する消費アイテムの価値は、連続させずに1回だけ行う抽選処理に要する消費アイテムの価値と同じか、より少ない方が望ましい。
【0028】
また、選択処理が実行されて選択結果として決定されたオブジェクトは、ユーザに付与され、ゲームプレイに利用できる。なお、オブジェクト等について、ユーザに関連付けてメモリに記憶させることを、ユーザに付与する、という。
【0029】
抽選処理によって選択されるオブジェクトとしては、ゲームにおいて利用可能なキャラクタ、キャラクタに関連付けて用いられるオブジェクト等が挙げられる。キャラクタに関連付けて用いられるオブジェクトとしては、例えば、キャラクタに関連付けて利用される、武器・防具等のアイテム、ジョブ、特殊な攻撃、回復、キャラクタ等のオブジェクトの状態を変化させるスキル等であってもよい。本実施形態では、抽選処理によって選択されるオブジェクトがキャラクタである形態について説明する。
【0030】
抽選処理で選択される各キャラクタは、そのキャラクタに固有の希少度(レアリティ)を有する。希少度とは、ゲームにおけるキャラクタの希少性を数値で表した一種のゲームパラメータである。キャラクタの希少度が高いほど、ゲームにおけるそのキャラクタの希少性が高いことを意味する。本開示では、キャラクタの希少度は、S、A、B、Cランクの何れかの値を取る。以下、S、A、B、Cランクの希少度を有するキャラクタを、それぞれ単に、S、A、B、Cランクのキャラクタとも呼称する。キャラクタの希少度が高いほど、抽選によってそのキャラクタが選択される確率は低い。言い換えれば、キャラクタの希少度が高いほど、そのキャラクタをユーザが取得できる可能性は低い。ゲームにおけるキャラクタの価値は、希少度が高いほどより高い。例えば、キャラクタの希少度がより高いほど、キャラクタの性能はより高い。
【0031】
ゲームシステム1によって実行されるゲーム(以下、本ゲーム)は、特定のジャンルに限らず、あらゆるジャンルのゲームであってよい。例えば、テニス、卓球、ドッジボール、野球、サッカーおよびホッケーなどのスポーツを題材としたゲーム、パズルゲーム、クイズゲーム、RPG、アドベンチャーゲーム、シューティングゲーム、シミュレーションゲーム、育成ゲーム、ならびに、アクションゲームなどであってもよい。以下、一例として、本ゲームは、所定の達成条件が設定されたステージ単位でプレイ可能なパズルゲームであるものとして説明を行う。ゲーム内容の詳細については後述する。
【0032】
また、本ゲームは、特定のプレイ形態に限らず、あらゆるプレイ形態のゲームであってもよい。例えば、単一のユーザによるシングルプレイゲーム、および、複数のユーザによるマルチプレイゲーム、また、マルチプレイゲームの中でも、複数のユーザが対戦する対戦ゲーム、および、複数のユーザが協力する協力プレイゲームなどであってもよい。
【0033】
<ゲームシステム1の機能的構成>
図2は、ゲームシステム1に含まれるサーバ200およびユーザ端末100の機能的構成を示すブロック図である。サーバ200およびユーザ端末100のそれぞれは、図示しない、一般的なコンピュータとして機能する場合に必要な機能的構成、および、ゲームにおける公知の機能を実現するために必要な機能的構成を含み得る。
【0034】
ユーザ端末100は、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能と、ゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能を有する。ユーザ端末100は、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、通信IF13、および入出力IF14等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。
【0035】
サーバ200は、各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100がゲームを進行させるのを支援する機能を有する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、サーバ200は、ゲームに参加する各ユーザ端末100と通信して、ユーザ端末100同士のやりとりを仲介する機能を有していてもよい。サーバ200は、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、通信IF23、および入出力IF24等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。
【0036】
記憶部120および記憶部220は、ゲームプログラム、ゲーム情報132およびユーザ情報133を格納する。ゲームプログラム131は、ユーザ端末100が実行するゲームプログラムである。ゲームプログラム231は、サーバ200が実行するゲームプログラムである。ゲーム情報132は、制御部110および制御部210がゲームプログラムを実行する際に参照するデータである。ユーザ情報133は、ユーザのアカウントに関するデータである。記憶部220において、ゲーム情報132およびユーザ情報133は、ユーザ端末100ごとに格納されている。また、記憶部220に格納されたゲーム情報132には、抽選処理において各キャラクタが選択される選択確率を規定した確率テーブルが含まれる。確率テーブルの詳細については後述する。
【0037】
<サーバ200の機能的構成>
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム231を実行することにより、サーバ200を統括的に制御する。例えば、制御部210は、ユーザ端末100に各種データおよびプログラム等を送信する。制御部210は、ゲーム情報もしくはユーザ情報の一部または全部をユーザ端末100から受信する。ゲームがマルチプレイゲームである場合には、制御部210は、ユーザ端末100からマルチプレイの同期の要求を受信して、同期のためのデータをユーザ端末100に送信してもよい。
【0038】
制御部210は、ゲームプログラム231の記述に応じて、抽選実行部212として機能する。制御部210は、実行するゲームの性質に応じて、ユーザ端末100におけるゲームの進行を支援するために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
【0039】
抽選実行部212は、ユーザ端末100からの要求に応じて、ゲームにおいて利用可能なキャラクタを選択するための抽選を実行し、抽選結果を、要求元のユーザ端末100に送信する。
【0040】
<ユーザ端末100の機能的構成>
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム131を実行することにより、ユーザ端末100を統括的に制御する。例えば、制御部110は、ゲームプログラム131およびユーザの操作にしたがって、ゲームを進行させる。また、制御部110は、ゲームを進行させている間、必要に応じて、サーバ200と通信して、情報の送受信を行う。
【0041】
制御部110は、ゲームプログラム131の記述に応じて、操作受付部111、抽選部112、判定部113、オブジェクト管理部114、ゲーム進行部115、および表示制御部116として機能する。制御部110は、実行するゲームの性質に応じて、ゲームを進行させるために、図示しないその他の機能ブロックとしても機能することができる。
【0042】
操作受付部111は、入力部151に対するユーザの入力操作を検知し受け付ける。例えば、操作受付部111は、上述の入力操作の、入力部151における入力位置の座標を検出し、該入力操作の種類を特定する。操作受付部111は、例えば、タッチ操作、スライド操作、スワイプ操作、およびタップ操作等を特定する。
【0043】
抽選部112は、ゲームにおいて利用可能なキャラクタを選択する為の抽選を、サーバ200に要求する。また、抽選部112は、サーバ200から抽選結果を取得する。例えば、抽選部112は、ユーザによって保有される消費アイテムと引き換えに、抽選をサーバ200に要求する。また、抽選部112は、ゲームにおいてその他の条件が満たされた場合に、抽選をサーバ200に要求してもよい。
【0044】
判定部113は、ゲームの進行に必要な各種の判定処理を実行する。判定部113は、例えば、抽選処理の実行を指示するユーザ操作がなされたか否かを判定する。
【0045】
オブジェクト管理部114は、ゲームにおいてユーザが利用可能なキャラクタ等の各種のオブジェクトを管理する。オブジェクト管理部114は、例えば、ユーザが利用可能なオブジェクトを表す情報を記憶部120に記憶させることによって、当該オブジェクトをユーザに付与する。
【0046】
ゲーム進行部115は、ゲームの実行に係る各種処理を行う。例えば、ゲーム進行部115は、操作受付部111が受け付けた入力操作の入力位置の座標と操作の種類とから示されるユーザの指示内容を解釈し、当該解釈に基づいて、ゲームを進行させる処理を行う。
【0047】
表示制御部116は、タッチスクリーン15の表示部152に対して、制御部110の各部によって実行された処理結果が反映されたゲーム画面を出力する。表示制御部は、制御部110の各部によって生成された映像を含むゲーム画面を表示部152に表示してもよい。また、表示制御部は、グラフィカルユーザインターフェース(以下、GUI)を、該ゲーム画面に重畳して描画してもよい。
【0048】
図2に示すサーバ200およびユーザ端末100の機能は一例にすぎない。サーバ200は、ユーザ端末100が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、ユーザ端末100は、サーバ200が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。さらに、ユーザ端末100およびサーバ200以外の他の装置をゲームシステム1の構成要素とし、該他の装置にゲームシステム1における処理の一部を実行させてもよい。すなわち、本実施形態においてゲームプログラムを実行するコンピュータは、ユーザ端末100、サーバ200、および他の装置の何れであってもよいし、これらの複数の装置の組み合わせにより実現されてもよい。
【0049】
<ゲーム画面例>
図3は、本実施形態のゲームシステム1に基づくゲームにおいて、ユーザ端末100の表示部152において表示されるステージのプレイ画面の一例を示す図である。
【0050】
図3(A)は、ゲーム進行部115によって表示されるパズル画面であって、上述したステージのプレイ画面の一例である。このパズル画面は、複数のパズル要素501と、射出台502とを含む盤面によって構成される。複数のパズル要素501は、盤面内に配置される。各パズル要素501には、複数種類のキャラクタの何れかが表示されている。射出台502上には、キャラクタ要素503の何れかがセットされ得る。ゲーム進行部115は、射出台502上のキャラクタ要素503が操作されると、当該キャラクタ要素503を射出して複数のパズル要素501の少なくとも一部に衝突させ、衝突に応じて、複数のパズル要素501の配置を変更する。このとき、複数のパズル要素501のうち、射出されたキャラクタ要素503と同種のキャラクタが表示されたパズル要素501が、所定数以上連続して配置されれば、ゲーム進行部115は、それらのパズル要素501を盤面から除去する。また、ゲーム進行部115は、除去されたパズル要素501に応じてプレイ結果を算出する。プレイ結果は、例えば、連続して除去された同種のパズル要素501の個数(連鎖数)によって表される。
【0051】
ここで、射出台502上にセット可能なキャラクタ要素503は、ユーザが保有しているキャラクタの何れかである。例えば、ゲーム進行部115は、保有しているキャラクタの一覧504から、射出台502にセットするキャラクタ要素503を選択可能な選択画面を表示してもよい。
図3(B)は、選択画面の一例である。選択画面は、保有しているキャラクタの一覧504を含む。この例では、一覧504は、「スター」、「ハート」、「ルナ」の3つのキャラクタを含んでいる。なお、本例では、一覧504の中で「スター」が選択されているものとする。また、選択画面は、選択されたキャラクタに関するパラメータ表示505を含んでいる。また、選択画面は、選択されたキャラクタのキャラクタ要素503を射出台502にセットすることを指示する「セット」ボタン506を含んでいる。
【0052】
この例では、パラメータ表示505には、選択されたキャラクタである「スター」に関するパラメータとして、レベルが23であることと、得点単価が454であることが表示されている。レベルは、当該キャラクタが最初にユーザに付与されたときには、初期値(例えば、1)が設定される。また、レベルは、例えば、当該キャラクタによるプレイ中の累計得点に応じてアップする。また、レベルは、例えば、当該キャラクタと同一のキャラクタがユーザに付与されたときにアップする。得点単価は、プレイにおいて盤面から除去されたときの得点の単価である。得点単価は、レベルアップに伴い増加する。保有カプセル群の何れかが開封されてキャラクタが得られた場合には、このような選択画面の一覧504に、新たなキャラクタが追加される。あるいは、開封されて得られたキャラクラが既存のキャラクタである場合は、当該キャラクタのレベルがアップする。
【0053】
<抽選処理全体の処理フロー>
続いて、本ゲームにおける抽選処理全体の処理フローの一例について、
図4を参照してステップごとに説明する。なお、以下の説明に基づく処理は一例であって、本実施形態に係る発明を特定の構成に限定するものではない。また、以下の説明において、フローチャートを用いて説明する一連の処理ステップのうち、ユーザ端末100によって実行されるものとして記載したステップの少なくとも一部が、サーバ200によって実行されてもよい。また、サーバ200によって実行されるものとして記載したステップの少なくとも一部が、ユーザ端末100によって実行されてもよい。
図4は、抽選処理全体の処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
ステップS101において、判定部113は、抽選処理の実行を指示するユーザ操作がなされたか否かを判定する。抽選処理の実行が指示されたと判定部113が判定した場合には(ステップS101のYES)、続いてステップS102の処理が実行される。一方、抽選処理の実行が指示されていないと判定部113が判定した場合には(ステップS101のNO)、
図4のフローチャートに基づく処理が終了する。抽選処理に関する画面例については後述する。本実施形態では、ユーザ操作に基づいて抽選処理を実行するが、本発明はこのような形態に限定されず、例えば、ゲーム内に設定される所定の条件を満たすことで自動的に抽選部112が抽選処理を実行してもよい。
【0055】
抽選処理は、ゲームにおいて利用可能な所定の消費アイテムと引き換えに実行される。ゲームプログラムは、抽選処理を実行する度に、ユーザに関連付けてメモリに記憶された所定の消費アイテムを、対応する価値分だけ減算する。例えば、抽選処理において減算する価値の大きさは消費アイテムの個数に比例する。また、所定の消費アイテムは、有償で販売される有価アイテムであってもよいし、ゲームプレイ中に無償で入手可能なアイテムであってもよい。
【0056】
ステップS102において、抽選部112は、サーバ200に対してn枚のキャラクタを選択するための抽選処理の実行を要求する。詳細には、抽選部112は、特定のキャラクタ(対象ゲーム媒体の一例)を含む複数のキャラクタのうち何れか1つを、複数のキャラクタ各々に設定された選択確率に基づいて選択する抽選処理をn回実行する処理をサーバ200に要求する。
【0057】
ステップS103において、抽選実行部212は、抽選処理を実行して、Aランク以上のキャラクタを少なくともk枚含むようにn枚のキャラクタを選択する。ステップS104において、オブジェクト管理部114は、選択されたn枚のキャラクタをユーザに付与する。キャラクタの付与は、選択されたキャラクタをユーザに関連付けてメモリ11に記憶させることを意図する。制御部110は、ユーザが当該n枚のキャラクタを獲得したことを示す画面を表示部152に表示させる。
【0058】
<抽選処理に係る画面例および確率テーブル>
続いて、本発明の一態様である抽選処理を行う場合の、画面例、および抽選処理において各キャラクタが選択される確率を規定した確率テーブルの一例について説明する。
図5(A)は、抽選処理の指示を受け付ける画面の一例を示す図である。
【0059】
図5(A)において、アイコン302aおよび302bは、抽選処理において選択され得るキャラクタの外観図を示している。テキスト304aおよび304bは、それぞれアイコン302aおよび302bが示すキャラクタの名称を示している。アイコン306aおよび306bは、それぞれアイコン302aおよび302bが示すキャラクタの希少度を示している。星の個数が4個であることは、希少度がSランクであることに対応している。星の個数が3、2、1個であることは、それぞれ希少度がA、B、Cランクであることに対応している。アイコン308は、近傍に図示されたキャラクタ、ここでは「ロボ」が、抽選処理で選択され得るキャラクタとして所定の日時以降に追加された新しいキャラクタであることを示している。
【0060】
ボタン310は、確率テーブルの表示画面に遷移することを指示するUIオブジェクトの一例である。ボタン312は、ゲームにおいて使用可能な消費アイテム5個と引き換えに、抽選処理を1回実行することを指示するUIオブジェクトの一例である。また、ボタン314は、消費アイテム50個と引き換えに、抽選処理を計10回実行することを指示するUIオブジェクトの一例である。
【0061】
図5(A)に示す画面において、判定部113がボタン310に対する選択操作が行われたと判定すると、次に、制御部110は
図5(B)に示す画面を表示部152に表示させる。
図5(B)は、確率テーブル318を含む画面例を示す図である。
【0062】
テキスト316は、抽選処理の内容をユーザに示すための表示である。具体的には、テキスト316は、ボタン314に対応する連続した10回の抽選処理(いわゆる、10連ガチャ)において、少なくとも3枚の特定のキャラクタを抽選結果に含ませる手順の一例を示している。
【0063】
テキスト316に示すように、本実施形態では、ユーザの操作に応答して複数のキャラクタを選択するための連続した抽選処理を行う場合において、i-1回目までの抽選回数とi-1回目までの特定のキャラクタの獲得枚数に応じて、i-1回目の選択処理の方法を後述の通常抽選処理(第一処理方法の一例)と引き直し処理(第二処理方法の一例)とで切り替える。具体的には、例えば、7回目までの特定のキャラクタの獲得枚数に応じて、8回目以降の選択処理の方法を切り替える。通常抽選処理と引き直し処理の詳細については後述する。また、本実施形態では、特定のキャラクタはAランク以上のキャラクタ(対象ゲーム媒体)である形態について説明する。
【0064】
確率テーブル318は、各キャラクタの名称、ランク、各キャラクタ各々に設定された選択確率、および各ランクのキャラクタが選択される確率の合計を示している。各キャラクタ各々に設定された選択確率は、互いに異なっていてもよく、一部又は全部が同一であってもよい。本実施形態では、ランクごとに選択確率は異なり、同じランクであれば選択確率は同じである。なお、選択確率は、抽選対象のキャラクタの識別子ごとに設定されていてもよい。
【0065】
また、抽選処理において選択され得るキャラクタには所定時点以降に利用可能となった新しいキャラクタが含まれていてもよい。例えば、新しいキャラクタが、所定期間ごとに、又は任意のタイミングで、選択の対象のキャラクタとして追加されたり、既に対象となっているキャラクタの一部と入れ替わったりしてもよい。これにより、連続した抽選の結果に確定的に含まれるAランク以上のキャラクタとして、所定時点以降に利用可能となったキャラクタが付与されることを期待できるので、連続した抽選の実行を指示することに対するユーザの動機づけが向上する。また、選択の対象となるキャラクタには、所定期間のみ提供されるキャラクタが含まれていてもよい。例えば、所定時点で選択の対象のキャラクタとして追加された後に、所定時点で選択対象のキャラクタから削除されてもよい。これにより、連続した抽選の結果に確定的に含まれるAランク以上のキャラクタとして、所定期間のみ提供されるキャラクタが付与されることを期待できるので、連続した抽選の実行を指示することに対するユーザの動機づけが向上する。
【0066】
なお、ボタン312を起点とした1枚のキャラクタを選択するための1回のみの抽選処理は、
図4のフローチャートに基づく処理において、n回を1回、n枚を1枚と読み替えることにより説明される。
【0067】
図5(A)に示す画面において、ボタン314に対する選択操作が行われた場合、続いて
図6(A)に示す画面が表示される。
図6(A)は、計10回の連続した抽選処理の実行についての確認画面の一例を示す図である。ここで、テキスト621は、現時点においてユーザに関連付けられた消費アイテムの個数、換言すると、当該ユーザが所持する消費アイテムの個数を示している。ボタン622とボタン623とは、当該抽選処理の実行の可否を指示するUIオブジェクトの一例である。ここで、ボタン622に対する選択操作がなされた場合、例えば、
図5(A)に示す画面に遷移する。ボタン623に対する選択操作がなされた場合、連続した抽選処理が実行され、
図6(B)に示す画面が表示される。なお、ボタン623に対する選択操作は、
図4のフローチャートのステップS101の判定における「抽選処理の実行が指示された場合」に相当する。
【0068】
図6(B)は、連続した抽選処理の結果を示す画面の一例を示す図である。ここで、アイコン626は、その近傍に図示されたキャラクタのランクを示しており、例えばキャラクタ「ティア」の希少度はAランクである。また、キャラクタ「ベア」および「ロボ」の希少度はSランクである。
【0069】
なお、オブジェクトの表示順は、抽選処理において選択された順番であることに限定されず、例えば、高いランクのオブジェクトから順に並べて表示される構成でもよい。また、
図6(B)において、高いランクのオブジェクトに対しては、絢爛な装飾が施されるような表示形態でもよい。また、テキスト628は、ユーザに関連付けられた、残りの消費アイテムの個数を示している。そして、ボタン627に対する選択操作がなされた場合、例えば
図5(A)に示す画面に遷移する。以上が、抽選処理における画面遷移の流れである。また、
図5(A)のボタン312に対する選択操作がなされた場合における、単発の抽選処理は、上述した説明において、抽選回数の10回を1回と読み替えることにより、同様に説明される。
【0070】
<第一実施形態に係る抽選処理のフローチャート例>
図7は、第一実施形態において、n枚のキャラクタを選択するための抽選処理の流れを示すフローチャートである。以下で説明される処理例は、
図4に示すステップS103の処理の一例である。本実施形態のある局面において、抽選実行部212は、ユーザの操作に応答して、ゲームプログラム121に基づくゲームにおいて利用可能である一群のキャラクタの中から、n枚(nは2以上の整数)のキャラクタを選択する抽選処理を実行し、選択されたn枚のキャラクタをユーザに付与する。ここで、n枚のキャラクタのうちAランク以上のキャラクタが少なくともk枚(kは1以上且つn以下の整数)含まれるように、n枚のキャラクタが選択される。
【0071】
本実施形態では、n=10、k=3の場合について説明する。当然ながら、nおよびkはこれらの値に限定されない。例えば、n=11、k=2であってもよい。
【0072】
まず、ステップS201において、抽選実行部212は、1回目の選択処理において通常抽選処理を実行する。通常抽選処理は、例えば、確率テーブル318を用いてキャラクタを選択する処理である。これにより、一群のキャラクタのうち1枚のキャラクタが選択される。
【0073】
次に、ステップS202において、抽選実行部212は、ステップS201で実行された選択処理がn-k回目の選択処理であるか否かを判定する。当該選択処理がn-k回目の選択処理ではないと判定された場合(ステップS202のNo)、抽選実行部212は、処理をステップS201へと戻す。一方、当該選択処理がn-k回目の選択処理であると判定された場合(ステップS202のYes)、抽選実行部212は、処理をステップS203へと移行する。なお、抽選処理は、ある局面では、1枚のキャラクタを選択する1回の処理を複数回実行する処理であってもよく、他の局面では、複数枚のキャラクタを一度に選択する処理を1回だけ実行する処理であってもよい。いずれにせよ、1回目からn-k回目(本例では7回目)の通常抽選処理が実行された結果、Bランク~Sランクのうちいずれかのn-k枚(本例では7枚)のキャラクタが選択される。
【0074】
次に、ステップS203において、抽選実行部212は、現在までの抽選回数をi-1とし、i-1回目までの抽選で獲得したAランク以上のキャラクタの枚数をjとした場合に次式を満たすか否かを判定する。
i-1-(n-k)=j・・・(1)
【0075】
上記式(1)を満たさない場合(ステップS203のNo)、ステップS204において抽選実行部212は、i回目の抽選処理として通常抽選処理を実行する。具体的には、i-1回までの抽選回数が7回である場合には、i-1-(n-k)=j,i=8より、j=0となる。したがって、7回目までの抽選処理で獲得したAランク以上のキャラクタの獲得枚数(j)が0枚以外の数(すなわち、1枚以上)であった場合には、上記式(1)を満たさないため、抽選実行部212は、8回目の抽選処理において通常抽選処理を実行する。このように、i回目の抽選処理でAランク以上のキャラクタが出なくても、n回の抽選終了時にAランク以上のキャラクタがk枚以上となることを保証できる場合には、抽選実行部212は、i回目の抽選処理で通常抽選を行う。ステップS204の終了後、抽選実行部212は、ステップS206へ移行する。
【0076】
一方、上記式(1)を満たす場合(ステップS203のYes)、ステップS205において、抽選実行部212は、i回目の抽選処理として引き直し処理を実行する。引き直し処理とは、確率テーブル318を用いて、Aランク以上のキャラクタが選択されるまでキャラクタ選択を繰り返す処理である。すなわち、抽選実行部212は、i回目の抽選処理において、Aランク以上のキャラクタが選択されるまでキャラクタの選択処理を繰り返し実行する。具体的には、7回目までの抽選処理で獲得したAランク以上のキャラクタの獲得枚数(j)が0枚であった場合には、上記式(1)を満たすため、抽選実行部212は、8回目の抽選処理において引き直し処理を実行する。このように、i回目の抽選処理でAランク以上のキャラクタが出なければ、n回の抽選終了時にAランク以上のキャラクタがk枚以上となることを保証できなくなる場合には、抽選実行部212は、i回目の抽選処理で通常抽選処理に替えて引き直し抽選を実行する。すなわち、8回目の抽選処理でAランク以上のキャラクタが選択されなければ、10連の抽選処理にて選択される10枚のキャラクタのうちAランク以上のキャラクタが3枚以上となることを保証できなくなる場合にのみ、抽選実行部212は、8回目の抽選処理で引き直し処理を実行する。ステップS205の終了後、抽選実行部212は、ステップS206へ移行する。
【0077】
次に、ステップS206において、抽選実行部212は、i回目の抽選処理がn回目の抽選処理であるか否か、すなわち、i=nであるか否かを判定する。
i=nでないと判定された場合(ステップS206のNo)、抽選実行部212は、処理をステップS203へと戻す。具体的には、8回目の抽選処理の実行後においてはi=nではないと判定されるため、抽選実行部212は、ステップS203に戻り、i=9の場合に、上記式(1)を満たすか否かを判定する。
【0078】
i=9の場合には、i-1-(n-k)=j,i=9より、j=1となる。すなわち、8回目までの抽選処理で獲得したAランク以上のキャラクタの獲得枚数(j)が1枚以外の数であった場合には、上記式(1)を満たさない。なお、8回目の選択処理までにAランク以上のキャラクタの獲得枚数が少なくとも1枚以上となっているため、i=9の場合にjが1枚より少ない数(すなわち、0枚)となることはない。そのためi=9でj<1となる場合に、上記式(1)を満たさないとして、抽選実行部212は、9回目の抽選処理において通常抽選処理を実行する。一方、i=9でj=1となる場合には、上記式(1)を満たすとして、抽選実行部212は、9回目の抽選処理において引き直し処理を実行する。このように、9回目の抽選処理においても、当該抽選処理でAランク以上のキャラクタが選択されなければ、Aランク以上のキャラクタが全体で3枚以上となることを保証できなくなる場合にのみ、抽選実行部212は、引き直し処理を実行する。9回目の抽選処理において通常抽選処理又は引き直し処理を実行した後に、抽選実行部212は、再びステップS206へと移行する。
【0079】
9回目の抽選処理の実行後のステップS206においてはi=nではないと判定されるため、抽選実行部212は、ステップS203に戻り、i=10の場合に、上記式(1)を満たすか否かを判定する。
【0080】
i=10の場合には、i-1-(n-k)=j,i=10より、j=2となる。すなわち、9回目までの抽選処理で獲得したAランク以上のキャラクタの獲得枚数(j)が2枚以外の数であった場合には、上記式(1)を満たさない。なお、9回目の選択処理までにAランク以上のキャラクタの獲得枚数が少なくとも2枚以上となっているため、i=10の場合にjが2枚より少ない数(すなわち、0枚または1枚)となることはない。そのためi=10でj<2となる場合に、上記式(1)を満たさないとして、抽選実行部212は、10回目の抽選処理において通常抽選処理を実行する。一方、i=10でj=2となる場合には、上記式(1)を満たすとして、抽選実行部212は、10回目の抽選処理において引き直し処理を実行する。このように、10回目の抽選処理においても、当該抽選処理でAランク以上のキャラクタが選択されなければ、Aランク以上のキャラクタが全体で3枚以上となることを保証できなくなる場合にのみ、抽選実行部212は、引き直し処理を実行する。10回目の抽選処理において通常抽選処理又は引き直し処理を実行した後に、抽選実行部212は、再びステップS206へと移行する。
【0081】
ステップS206において、i=nであると判定された場合(ステップS206のYes)、ステップS207において、抽選実行部212は、1回目からn回目までの抽選処理で選択されたn枚のキャラクタを抽選結果として決定し、ユーザに付与する。10回目の抽選処理の実行後のステップS206では、i=nとなるため、抽選実行部212は、10回目までの抽選処理で選択された10枚のキャラクタをユーザに付与する。このとき、10枚のキャラクタのうちAランク以上のキャラクタが少なくとも3枚以上含まれてい
る。具体的には、抽選実行部212は、抽選結果をユーザ端末100に通知し、ユーザ端末100は、当該通知に応答して、Aランク以上のキャラクタを少なくとも3枚含む10枚のキャラクタを、ユーザに関連付けて記憶部120に記憶させる。これにより、Aランク以上のキャラクタが3枚以上確定的に排出される抽選処理が完了する。
【0082】
なお、
図7の処理フローでは、8回目から10回目までの各選択処理において式(1)を満たしているか否かを都度判定して、通常抽選処理を実行するか引き直し処理を実行するかを切り替えているが、この例に限られない。8回目の抽選処理の際に、この抽選処理でAランク以上のキャラクタが出なければ保証枚数を達成できなくなると判定された場合には、抽選実行部212は、8回目の抽選処理にて引き直し処理を実行するとともに、9回目及び10回目の抽選処理においても自動的に引き直し処理を実行するように制御してもよい。
【0083】
<第一実施形態における主要な作用効果>
本実施形態によれば、抽選実行部212は、ユーザの操作に応答して、ゲームにおいて利用可能である一群のキャラクタ(ゲーム媒体の一例)の中から、n枚(nは2以上の整数)のキャラクタを選択する抽選処理を実行し、当該抽選処理で選択されたn枚のキャラクタをユーザに付与するように構成されている。そして、抽選処理の実行時において、抽選実行部212は、一群のキャラクタのうち少なくともk枚(kは1以上且つn以下の整数)のAランク以上のキャラクタ(対象ゲーム媒体の一例)が含まれるように、n枚のキャラクタを選択し、i-1回目までの抽選回数及びi-1回目までのAランク以上のキャラクタの獲得枚数に応じて、i回目の抽選処理の方法を切り替えるように構成されている。この構成によれば、Aランク以上のキャラクタがk枚以上含まれるようにn枚のキャラクタを選択する抽選処理を効率的に実行することができる。
【0084】
また、本実施形態において、抽選実行部212は、通常抽選処理と引き直し処理との切り替えを、n-k+1回目以降の抽選処理において実行してもよい。具体的には、抽選実行部212は、i-1回目までの抽選処理において獲得したAランク以上のキャラクタの獲得枚数をjとしたときに、i-1-(n-k)=jを満たす場合には、i回目の選択処理において引き直し処理を実行し、i-1-(n-k)≠jとなる場合には、i回目の選択処理において通常抽選処理を実行するように構成されている。このように、i回目の選択処理においてAランク以上のキャラクタが選択されなければ、Aランク以上のキャラクタの保証枚数が達成できなくなる場合にのみ、引き直し処理を実行することで、Aランク以上のキャラクタが確定的に含まれる枚数(保証枚数)が必要以上に多くなってしまうこと、すなわち、保証枚数の上振れをできるだけ防止することができる。
【0085】
また、本実施形態においては、抽選実行部212は、単一の確率テーブル(選択テーブルの一例)を用いて通常抽選処理及び引き直し処理を実行してもよい。このように、本実施形態において採用される抽選処理方法によれば、一通りの確率テーブルを用いるだけでよく、抽選処理が容易となる。したがって、n体のキャラクタを選択する際のサーバ200の処理負荷が高くなることを防止できる。
【0086】
また、本実施形態においては、複数のキャラクタのうちAランク以上のキャラクタが選択される確率に関する情報を、例えば確率テーブル318として、ユーザに提供している。このように、Aランク以上のキャラクタの選択確率をユーザに提供することで、本ゲームに対するユーザの満足度を向上させることができる。
【0087】
<ソフトウェアによる実現例>
制御部210の制御ブロック(特に、抽選実行部212)、ならびに、制御部110の制御ブロック(特に、抽選部112、判定部113、オブジェクト管理部114およびゲーム進行部115)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0088】
後者の場合、制御部210または制御部110、もしくはその両方を備えた情報処理装置は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0089】
<第二実施形態に係る選択テーブル>
図8は、第二実施形態におけるゲームにおいて使用可能なオブジェクト選択テーブル800の一例である。
図8に示すオブジェクト選択テーブル800は、第一実施形態の確率テーブル318と同様に、例えば、ユーザの入力操作に応じてサーバ200において実行される選択処理の結果に基づいて、1以上のオブジェクト(ゲーム媒体)をユーザに付与するために用いられる。第二実施形態にてユーザに付与されるオブジェクトとしては、例えば、ゲームキャラクタや、武器、防具、アクセサリ、ジョブなどのゲームキャラクタのパラメータを調整するアイテム等が挙げられる。なお、ジョブとは、典型的には、戦士、魔法使いなどのゲームキャラクタの職業であり、例えば、ゲームキャラクタに設定することで、当該ゲームキャラクタのパラメータを調整したり、当該ゲームキャラクタが使用可能なスキルを規定したりするものである。
【0090】
第二実施形態におけるゲームにおいては、ユーザ端末100のオブジェクト管理部114は、ユーザが使用可能なムキャラクタの中からユーザの操作入力によって指定された1以上のキャラクタを含むデッキを構成する。ここで、デッキとは、例えば、ゲーム内のイベント(例えば、戦闘イベント)に参加させる1以上のキャラクタを定義したものをいう。オブジェクト管理部114は、例えば、構成されたデッキに関する情報を記憶部120に記憶させ、ゲーム内のイベントを当該デッキに基づいて進行可能な状態にする。
【0091】
さらに、オブジェクト管理部114は、ユーザの入力操作に基づいて、ユーザが選択したキャラクタに設けられたオブジェクト設定用の枠(以下、設定枠と称することもある)に、ユーザに付与されているオブジェクトの中から選択されたオブジェクトを設定する。設定枠は、一のキャラクタに対して一つでもよいし、複数設けられていてもよいし、キャラクタ毎に定められた数の設定枠が設けられていてもよい。また、設定枠には、設定可能なオブジェクトの種類が定められていてもよい。設定枠として、例えば、武器用の設定枠、防具用の設定枠、アクセサリ用の設定枠、ジョブ用の設定枠等を設けてもよい。
【0092】
図8に示すように、オブジェクト選択テーブル800には、オブジェクトを識別するためのオブジェクトID801に関連付けて、対応キャラクタ802、ジョブ種803、武器種804、希少度805、及び選択確率806が記憶されている。なお、オブジェクト選択テーブル800には、オブジェクトID801に関連付けて、少なくとも選択確率806が記憶されていればよく、また、上記以外の項目(例えば、オブジェクトのパラメータ等)が記憶されていてもよい。
【0093】
オブジェクトID801欄に記憶されているオブジェクトは、ジョブおよび武器のいずれかのカテゴリに属する。以下、ジョブカテゴリに属するものをジョブオブジェクトと称することがあり、武器カテゴリに属するものを武器オブジェクトと称することがある。
【0094】
ジョブオブジェクトは、対応キャラクタ802欄に示されるキャラクタに対応している。例えば、オブジェクトIDが「1101」のジョブオブジェクトは、対応キャラクタが「C1」である。これは、当該ジョブオブジェクトは、キャラクタC1に対してのみ設定できることを示している。すなわち、ジョブオブジェクトには、設定可能なキャラクタが予め定められている。例えば、オブジェクトIDが「1101」~「1103」のジョブオブジェクトはキャラクタC1にのみ設定可能であり、オブジェクトID「1201」~「1202」のジョブオブジェクトは、キャラクタC2にのみ設定可能である。
【0095】
ジョブ種803欄には、ジョブオブジェクトのジョブの種類が記憶されている。ジョブ種803欄において、例えば、ジョブ種「J1」は戦士を表し、「J2」は弓兵を表し、「J3」は魔法使いを表し、「J4」は銃士を表す。ジョブ種は、各キャラクタに共通の汎用的なものでもよいし、各キャラクタ固有のものでもよい。また、ジョブの種類に応じて、装備可能となる武器オブジェクトの種類を決定してもよい。例えば、オブジェクトID「1103」と「1201」のジョブオブジェクトは、ジョブ種が「J3」で同一であるため、これらのジョブオブジェクトに基づいて装備可能となる武器オブジェクトの種類を同じにしてもよい。
【0096】
武器オブジェクトは、設定可能なキャラクタは予め定められていないが、武器種804欄に示される武器種が設定されている。例えば、オブジェクトIDが「5101」と「5102」の武器オブジェクトは武器種がともに「W1」(例えば、剣)であり、オブジェクトIDが「5201」と「5202」の武器オブジェクトは武器種がともに「W2」(例えば、魔法杖)である。なお、武器種としては、特に限定されず、例えば、剣、槍、ハンマー、銃、弓、魔法杖などが挙げられる。
【0097】
希少度805欄には、各オブジェクトの希少度が記憶されている。
図8の例では、N、R、SRの順で希少度が高くなる。選択確率806欄には、各オブジェクトの選択確率が記憶されている。選択確率は、オブジェクト毎に個別に設定してもよいし、希少度に応じて一律に設定してもよい。また、同一の希少度であっても、ジョブオブジェクトと武器オブジェクトとで選択確率が異なるように設定してもよい。
【0098】
第二実施形態においても、ユーザからの指示内容がオブジェクトの選択処理を要求するものであると判定された場合、抽選実行部212は、オブジェクト選択テーブル800を参照して、ジョブオブジェクトと武器オブジェクトとを合計でn枚選択するための抽選処理を実行する。抽選実行部212は、例えば、抽選処理の結果として選択されたn枚のオブジェクトのうちジョブオブジェクトがk枚以上は含まれるように抽選処理を実行する。
【0099】
第二実施形態における抽選処理の方法は、
図7に示すフローチャートと同様である。すなわち、抽選実行部212は、i-1回目までの抽選処理において獲得したジョブオブジェクトの獲得枚数をjとしたときに、i-1-(n-k)=jを満たす場合には、i回目の選択処理においてオブジェクト選択テーブル800を用いて引き直し処理を実行し、i-1-(n-k)≠jとなる場合には、i回目の選択処理においてオブジェクト選択テーブル800を用いて通常抽選処理を実行する。このように、第二実施形態においても、i回目の選択処理においてジョブオブジェクトが選択されなければ、ジョブオブジェクトの保証枚数が達成できなくなる場合にのみ、引き直し処理を実行することで、ジョブオブジェクトの獲得枚数の上振れをできるだけ防ぐことができる。
【0100】
また、第二実施形態では、ジョブオブジェクトと武器オブジェクトとが同一のオブジェクト選択テーブル800に含まれている。これにより、ジョブオブジェクトのみが含まれる選択テーブルと、武器オブジェクトのみが含まれる選択テーブルとを設ける場合よりも、テーブルの数を減らし、かつ、選択処理用の表示画面のシンプル化を図ることができる。
【0101】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0102】
[付記事項]
本開示の内容を列記すると以下の通りである。
【0103】
(項目1)
プロセッサ及びメモリを備えるコンピュータによって実行されるゲームプログラムであって、
前記ゲームプログラムは、前記プロセッサに、
ユーザの操作に応答して、前記ゲームプログラムに基づくゲームにおいて利用可能である一群のゲーム媒体の中から、n個(nは2以上の整数)の前記ゲーム媒体を選択する選択処理を実行するステップと、ここで、所定の属性を有する少なくともk個(kは1以上且つn以下の整数)の対象ゲーム媒体が含まれるように前記n個のゲーム媒体が選択され、
前記選択処理で選択されたn個の前記ゲーム媒体を前記ユーザに付与するステップと、
を実行させ、
前記選択処理を実行するステップにおいて、
i-1回目までの選択処理の回数及びi-1回目までの対象ゲーム媒体の獲得枚数に応じて、i回目の選択処理の方法を切り替えるステップを、
前記プロセッサに実行させる、ゲームプログラム。
これにより、所定数の対象ゲーム媒体が確定的に含まれる複数のゲーム媒体を選択する処理を効率的に実行することができる。特に、対象ゲーム媒体が確定的に含まれる枚数、すなわち、保証枚数の上振れを抑制することができる。
【0104】
(項目2)
前記切り替えるステップは、n-k+1回目以降の選択処理において実行される、項目1に記載のゲームプログラム。
これにより、保証枚数の上振れを簡便に抑制できる。
【0105】
(項目3)
前記i回目の選択処理の方法を切り替えるステップにおいて、単一の選択テーブルを用いて前記ゲーム媒体を選択する第一処理方法と、前記単一の選択テーブルを用いて前記対象ゲーム媒体が選択されるまでゲーム媒体の選択を繰り返し実行する第二処理方法との間で、前記選択処理の方法を切り替える、請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
これにより、複数のゲーム媒体に所定数の対象ゲーム媒体が確定的に含まれるための処理をより効率的に実行することができるとともに、対象ゲーム媒体の枚数の上振れを確実に抑制することができる。また、一通りの選択テーブルを用いるだけで、所定数の対象ゲーム媒体を確定的に含めることができ、選択処理が容易となる。
【0106】
(項目4)
i-1回目までの選択処理において獲得した前記対象ゲーム媒体の枚数をjとしたときに、i-1-(n-k)=jを満たす場合には、i回目の選択処理において前記第二処理方法を実行する、項目3に記載のゲームプログラム。
i回目の選択処理において対象ゲーム媒体が選択されなければ、対象ゲーム媒体の保証枚数が達成できなくなる場合にのみ、第二方法である引き直し処理を実行することで、対象ゲーム媒体の獲得枚数の上振れを効果的に抑制できる。
【0107】
(項目5)
i-1-(n-k)≠jとなる場合には、i回目の選択処理において前記第一処理方法を実行する、項目4に記載のゲームプログラム。
i回目の選択処理において対象ゲーム媒体が選択されなくても、対象ゲーム媒体の保証枚数が達成できる可能性がある場合には、第一方法である通常選択処理を実行することが好ましい。
【0108】
(項目6)
前記対象ゲーム媒体は、基準値以上の希少度、または、所定の属性が設定されるものである、項目1から5のいずれかに記載のゲームプログラム。
対象ゲーム媒体として、上記のゲーム媒体が含まれることが好ましい。
【0109】
(項目7)
前記一群のゲーム媒体のうち前記対象ゲーム媒体が選択される確率に関する情報を前記ユーザに提供するステップを、さらに前記プロセッサに実行させる、項目1から6のいずれかに記載のゲームプログラム。
この構成によれば、所定数の対象ゲーム媒体が確定的に含まれる確率をユーザに提供することで、当該ゲームに対するユーザの満足度を向上させることができる。
【0110】
(項目8)
プロセッサ及びメモリを備えるコンピュータがゲームプログラムを実行する方法であって、
前記方法は、前記プロセッサが、
ユーザの操作に応答して、前記ゲームプログラムに基づくゲームにおいて利用可能である一群のゲーム媒体の中から、n個(nは2以上の整数)の前記ゲーム媒体を選択する選択処理を実行するステップと、ここで、所定の属性を有する少なくともk個(kは1以上且つn以下の整数)の対象ゲーム媒体が含まれるように前記n個のゲーム媒体が選択され、
前記選択処理で選択されたn個の前記ゲーム媒体を前記ユーザに付与するステップと、
を実行することを含み、
前記選択処理を実行するステップにおいて、
i-1回目までの選択処理の回数及びi-1回目までの対象ゲーム媒体の獲得枚数に応じて、i回目の選択処理の方法を切り替えるステップを含む、方法。
本項目に係る方法は、項目1に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。
【0111】
(項目9)
情報処理装置であって、
前記情報処理装置は、
ゲームプログラムを記憶する記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行することにより、前記情報処理装置の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
ユーザの操作に応答して、前記ゲームプログラムに基づくゲームにおいて利用可能である一群のゲーム媒体の中から、n個(nは2以上の整数)の前記ゲーム媒体を選択する選択処理を実行し、ここで、所定の属性を有する少なくともk個(kは1以上且つn以下の整数)の対象ゲーム媒体が含まれるように前記n個のゲーム媒体が選択され、
前記選択処理で選択されたn個の前記ゲーム媒体を前記ユーザに付与するように構成され、
前記制御部は、前記選択処理の実行時において、
i-1回目までの選択処理の回数及びi-1回目までの対象ゲーム媒体の獲得枚数に応じて、i回目の選択処理の方法を切り替えるように構成されている、情報処理装置。
本項目に係る情報処理装置は、項目1に係るゲームプログラムと同様の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0112】
1:ゲームシステム、2:ネットワーク、10:プロセッサ、11:メモリ、12:ストレージ、13:通信インターフェース(IF)、15:タッチスクリーン、20:プロセッサ、21:メモリ、22:ストレージ、100:ユーザ端末、110:制御部、111:操作受付部、112:抽選部、113:判定部、114:オブジェクト管理部、115:ゲーム進行部、116:表示制御部、120:記憶部、121,131:ゲームプログラム、132:ゲーム情報、133:ユーザ情報、151:入力部、152:表示部、200:サーバ、210:制御部、212:抽選実行部、220:記憶部、231:ゲームプログラム、318:確率テーブル、800:オブジェクト選択テーブル、803:ジョブ種、804:武器種