(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008706
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理システム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G16H 20/10 20180101AFI20240112BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110776
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】515356214
【氏名又は名称】株式会社ハッピースマイル
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】山本 高之
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】薬剤を患者に配達する場合でも、薬剤師が患者に確実に服薬指導をできるようにする。
【解決手段】プログラムは、患者端末1に、薬剤師に処方箋を送信するための操作を受け付けるステップと、薬剤師から薬局で薬を受け取るか、薬を配達してもらうかを選択するための第1画面を出力部11に表示させるステップと、薬を配達してもらうことが選択された場合に、服薬指導をオンラインで受けるための第2画面を出力部11に表示させるステップと、を実行させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
処方箋を送信するための操作と、前記処方箋に基づく薬を受け取る受取場所を入力する操作とを受け付けるステップと、
前記受取場所において、薬剤師が存在するか否かを判定するステップと、
前記受取場所において薬剤師が存在しないと判定した場合に、薬剤師による服薬指導をオンラインで受けるための画面を表示部に表示させるステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記画面を前記表示部に表示させるステップにおいて、薬の受け取りが可能な場所と薬剤師が存在する一以上の薬局とを関連付けて記憶する記憶部を参照し、入力する操作を受け付けた前記受取場所に関連付けられている前記一以上の薬局に存在する薬剤師のうちのいずれかによる前記服薬指導をオンラインで受けるための前記画面を前記表示部に表示させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータに、複数の薬局のうちのいずれかで前記薬を受け取るか、薬局以外の場所に前記薬を配達してもらうかを選択するための画面を表示部に表示させるステップをさらに実行させ、
薬剤師が存在するか否かを判定するステップにおいて、薬剤師が存在する第1薬局と薬剤師が存在しない第2薬局とのうちの前記第2薬局を前記受取場所として選択された場合、又は前記薬を配達してもらうことが選択された場合に、前記受取場所において薬剤師が存在しないと判定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、前記受取場所において薬剤師が存在しないと判定した場合に、前記服薬指導をオンラインで受ける操作が行われたことを条件として、前記処方箋の内容を示す処方箋データを前記薬剤師に送信するステップをさらに実行させるための、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記処方箋データを送信するステップにおいて、前記受取場所において薬剤師が存在しないと判定した場合に、前記服薬指導をオンラインで受ける操作が行われたことにより服薬指導の日時の予約が確定したことを条件として、前記処方箋データを前記薬剤師に送信する、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータに、
前記処方箋データを送信するステップの後に、
前記薬剤師との間でのオンライン会議を開始するステップと、
前記オンライン会議中に患者の顔画像を撮影するステップと、
前記顔画像を示す顔画像データを前記薬剤師に送信するステップと、
をさらに実行させるための、
請求項4又は5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記顔画像データを送信するステップにおいて、前記処方箋データに関連付けて前記顔画像データを送信する、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
処方箋を送信する患者が使用する患者端末と、処方箋を受信する薬剤師により使用される薬剤師端末と、前記患者端末と前記薬剤師端末との間の通信を管理する情報処理装置と、を備え、
前記患者端末は、
処方箋を送信するための操作と、前記処方箋に基づく薬を受け取る受取場所を入力する操作とを受け付ける操作受付部と、
前記受取場所において、薬剤師が存在するか否かを判定する判定部と、
前記受取場所において薬剤師が存在しないと判定した場合に、薬剤師による服薬指導をオンラインで受けるための画面を表示部に表示させる表示処理部と、
前記受取場所において薬剤師が存在すると判定された場合、前記処方箋の内容を示す処方箋データと、当該処方箋データの送信先とを前記情報処理装置に送信し、前記受取場所において薬剤師が存在しないと判定された場合、前記画面において前記服薬指導をオンラインで受けるための操作が行われたことを条件として、前記処方箋データと前記送信先とを前記情報処理装置に送信する送信処理部と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記処方箋データを受信する患者データ受信部と、
前記処方箋データを前記送信先に対応する前記薬剤師端末に送信する薬剤師用データ送信部と、
を有し、
前記薬剤師端末は、前記処方箋データを受信すると、当該処方箋データの内容を表示部に表示させる、
情報処理システム。
【請求項9】
前記情報処理装置は、
前記薬剤師が前記患者に前記服薬指導をするためのオンライン会議を実行する会議実行部と、
前記会議実行部が前記オンライン会議を前記処方箋データに関連付けて記録する記録部と、
をさらに有する、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記情報処理装置は、
前記薬剤師が前記患者に前記服薬指導をするためのオンライン会議を実行する会議実行部と、
前記オンライン会議中に前記患者の顔画像を示す顔画像データを記録する記録部と、
をさらに有し、
前記薬剤師用データ送信部は、前記処方箋データに関連付けて、前記顔画像データを前記薬剤師端末に送信する、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記情報処理装置は、
前記薬剤師に関連付けて、薬を配達可能な一以上の店舗を記憶する記憶部と、
前記一以上の店舗を示す店舗データを前記患者端末に送信する患者用データ送信部と、
をさらに有し、
前記患者データ受信部は、前記一以上の店舗から前記患者が選択した店舗を示す選択店舗データを受信し、
前記薬剤師用データ送信部は、前記選択店舗データを前記薬剤師端末に送信する、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記情報処理装置は、
前記薬剤師用データ送信部が前記選択店舗データを前記薬剤師端末に送信した後に、前記選択店舗データに薬を配達することを了承する通知を受信する薬剤師データ受信部と、
前記薬剤師データ受信部が前記通知を受信した場合に、前記選択店舗データに対応する店舗の端末に、前記処方箋データの少なくとも一部と前記患者の顔画像を示す顔画像データとを送信する店舗用データ送信部と、
をさらに有する、
請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
薬局の場所と、当該薬局における薬剤師の存在の有無とを関連付けて記憶する記憶部と、
処方箋に基づく薬を受け取る受取場所を、患者が使用する患者端末から取得する取得部と、
前記記憶部に記憶されている情報を参照し、前記受取場所において薬剤師が存在するか否かを判定する判定部と、
前記受取場所において薬剤師が存在しないと判定された場合に、薬剤師による服薬指導をオンラインで受けるための画面を前記患者端末に表示させる表示処理部と、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理システム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、薬局で調剤された薬を配送する需要が高まりつつある。特許文献1には、患者に薬を配送する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
処方箋に基づいて調剤された薬剤を患者に渡す場合、薬剤師が服薬指導を行うことが義務付けられている。上記技術に係るシステムを利用することにより、患者は、薬局に行かなくても薬を受け取ることができるが、この場合、薬剤師が患者に対して服薬指導をすることができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、薬剤を患者に配達する場合でも、薬剤師が患者に確実に服薬指導をできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係るプログラムは、コンピュータに、処方箋を送信するための操作と、前記処方箋に基づく薬を受け取る受取場所を入力する操作とを受け付けるステップと、前記受取場所において、薬剤師が存在するか否かを判定するステップと、前記受取場所において薬剤師が存在しないと判定した場合に、薬剤師による服薬指導をオンラインで受けるための画面を表示部に表示させるステップと、を実行させる。
【0007】
前記画面を前記表示部に表示させるステップにおいて、薬の受け取りが可能な場所と薬剤師が存在する一以上の薬局とを関連付けて記憶する記憶部を参照し、入力する操作を受け付けた前記受取場所に関連付けられている前記一以上の薬局に存在する薬剤師のうちのいずれかによる前記服薬指導をオンラインで受けるための前記画面を前記表示部に表示させてもよい。
【0008】
前記プログラムは、前記コンピュータに、複数の薬局のうちのいずれかで前記薬を受け取るか、薬局以外の場所に前記薬を配達してもらうかを選択するための画面を表示部に表示させるステップをさらに実行させてもよいし、薬剤師が存在するか否かを判定するステップにおいて、薬剤師が存在する第1薬局と薬剤師が存在しない第2薬局とのうちの前記第2薬局を前記受取場所として選択された場合、又は前記薬を配達してもらうことが選択された場合に、前記受取場所において薬剤師が存在しないと判定してもよい。
【0009】
前記プログラムは、前記コンピュータに、前記受取場所において薬剤師が存在しないと判定した場合に、前記服薬指導をオンラインで受ける操作が行われたことを条件として、前記処方箋の内容を示す処方箋データを前記薬剤師に送信するステップをさらに実行させてもよい。
【0010】
前記処方箋データを送信するステップにおいて、前記受取場所において薬剤師が存在しないと判定した場合に、前記服薬指導をオンラインで受ける操作が行われたことにより服薬指導の日時の予約が確定したことを条件として、前記処方箋データを前記薬剤師に送信してもよい。
【0011】
前記プログラムは、前記コンピュータに、前記処方箋データを送信するステップの後に、前記薬剤師との間でのオンライン会議を開始するステップと、前記オンライン会議中に患者の顔画像を撮影するステップと、前記顔画像を示す顔画像データを前記薬剤師に送信するステップと、をさらに実行させてもよい。
前記顔画像データを送信するステップにおいて、前記処方箋データに関連付けて前記顔画像データを送信してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様に係る情報処理システムは、処方箋を送信する患者が使用する患者端末と、処方箋を受信する薬剤師により使用される薬剤師端末と、前記患者端末と前記薬剤師端末との間の通信を管理する情報処理装置と、を備え、前記患者端末は、処方箋を送信するための操作と、前記処方箋に基づく薬を受け取る受取場所を入力する操作とを受け付ける操作受付部と、前記受取場所において、薬剤師が存在するか否かを判定する判定部と、前記受取場所において薬剤師が存在しないと判定した場合に、薬剤師による服薬指導をオンラインで受けるための画面を表示部に表示させる表示処理部と、前記受取場所において薬剤師が存在すると判定された場合、前記処方箋の内容を示す処方箋データと、当該処方箋データの送信先とを前記情報処理装置に送信し、前記受取場所において薬剤師が存在しないと判定された場合、前記画面において前記服薬指導をオンラインで受けるための操作が行われたことを条件として、前記処方箋データと前記送信先とを前記情報処理装置に送信する送信処理部と、を有し、前記情報処理装置は、前記処方箋データを受信する患者データ受信部と、前記処方箋データを前記送信先に対応する前記薬剤師端末に送信する薬剤師用データ送信部と、を有し、前記薬剤師端末は、前記処方箋データを受信すると、当該処方箋データの内容を表示部に表示させる。
【0013】
前記情報処理装置は、前記薬剤師が前記患者に前記服薬指導をするためのオンライン会議を実行する会議実行部と、前記会議実行部が前記オンライン会議を前記処方箋データに関連付けて記録する記録部と、をさらに有してもよい。
【0014】
前記情報処理装置は、前記薬剤師が前記患者に前記服薬指導をするためのオンライン会議を実行する会議実行部と、前記オンライン会議中に前記患者の顔画像を示す顔画像データを記録する記録部と、をさらに有してもよいし、前記薬剤師用データ送信部は、前記処方箋データに関連付けて、前記顔画像データを前記薬剤師端末に送信してもよい。
【0015】
前記情報処理装置は、前記薬剤師に関連付けて、薬を配達可能な一以上の店舗を記憶する記憶部と、前記一以上の店舗を示す店舗データを前記患者端末に送信する患者用データ送信部と、さらに有し、前記患者データ受信部は、前記一以上の店舗から前記患者が選択した店舗を示す選択店舗データを受信してもよいし、前記薬剤師用データ送信部は、前記選択店舗データを前記薬剤師端末に送信してもよい。
【0016】
前記情報処理装置は、前記薬剤師用データ送信部が前記選択店舗データを前記薬剤師端末に送信した後に、前記選択店舗データに薬を配達することを了承する通知を受信する薬剤師データ受信部と、前記薬剤師データ受信部が前記通知を受信した場合に、前記選択店舗データに対応する店舗の端末に、前記処方箋データの少なくとも一部と前記患者の顔画像を示す顔画像データとを送信する店舗用データ送信部と、をさらに有してもよい。
【0017】
本発明の第3の態様に係る情報処理装置は、薬局の場所と、当該薬局における薬剤師の存在の有無とを関連付けて記憶する記憶部と、処方箋に基づく薬を受け取る受取場所を、患者が使用する患者端末から取得する取得部と、前記記憶部に記憶されている情報を参照し、前記受取場所において薬剤師が存在するか否かを判定する判定部と、前記受取場所において薬剤師が存在しないと判定された場合に、薬剤師による服薬指導をオンラインで受けるための画面を前記患者端末に表示させる表示処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、薬剤を患者に配達する場合でも、薬剤師が患者に確実に服薬指導をできるようになるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】第1実施形態に係る患者端末の構成を示す図である。
【
図3】専用アプリの表示画面の一例を示す図である。
【
図4】専用アプリの表示画面の一例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係る情報処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図7】第2実施形態に係る患者端末1の構成を示す図である。
【
図8】第2実施形態に係る情報処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1実施形態>
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの構成を示す図である。情報処理システムSは、薬剤師が患者に処方薬を提供する薬提供サービスを提供するために用いられるシステムである。情報処理システムSは、患者端末1と、薬剤師端末2と、情報処理装置3とを有する。
【0021】
患者端末1は、患者が使用する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等である。患者は、患者端末1を用いて、医師から受け取った処方箋を薬剤師に送信する。患者端末1には、患者を識別するための患者識別情報(以下、「患者ID(identifier)」という。)が関連付けられている。患者端末1には、例えば、薬提供サービスを提供するための専用のアプリケーションプログラム(以下、「専用アプリ」という。)がインストールされている。専用アプリは、調剤依頼機能と、指導受講機能とを有する。外部サーバが提供する専用アプリにおいて患者が患者IDを入力したことにより、患者が患者IDを入力した患者端末1が患者IDに関連付けられた状態になってもよい。
【0022】
調剤依頼機能は、患者が処方箋をもとに薬の調剤を薬剤師に依頼するために実行される機能である。患者が専用アプリにおいて処方箋の内容と、薬の調剤を依頼する薬剤師を特定するための薬剤師特定情報とを入力すると、患者端末1は、入力された処方箋の内容を示す処方箋データを、情報処理装置3を介して薬剤師特定情報によって特定される薬剤師に送信することにより、処方箋をもとに薬の調剤を薬剤師に依頼する。
【0023】
指導受講機能は、薬剤師が患者に服薬指導をするために実行される機能である。薬提供サービスでは、薬剤師に調剤を依頼する薬の受取方法として、薬剤師から薬局で薬を受け取る第1方法と、薬を配達してもらって受け取る第2方法とのうちのいずれかを患者が選択することができる。第1方法が選択された場合、患者は、薬局に来店したときに、薬剤師による服薬指導の受講と、薬の提供とを受ける。
【0024】
一方、第2方法が選択された場合、指導受講機能が実行され、患者は、患者と薬剤師との間におけるオンライン会議で薬剤師から服薬指導を受ける。その後、患者は、薬剤師、薬局のスタッフ又は配達業者によって配達された薬を受け取る。患者は、自宅で薬を受け取ってもよく、薬が配達された自宅の近くの店舗で薬を受け取ってもよい。
【0025】
このように第2方法が選択された場合に指導受講機能が実行されることで、患者端末1は、薬が配達される場合であっても、患者に対して、当該薬に対応する服薬指導を薬剤師から受けさせることができる。これにより、患者端末1は、患者が自己判断で服薬をやめたり、服薬の量を間違えたりする事態の発生を低減することができる。その結果、患者端末1は、患者が薬の用法・用量を誤ってしまう蓋然性を低減させることができる。
【0026】
薬剤師端末2は、処方箋を受信する薬剤師により使用される端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等である。薬剤師端末2は、薬剤師の専用端末でなくてもよく、例えば薬局に設置された端末であってもよい。薬剤師は、薬剤師端末2を使用して患者から処方箋を受信する。薬剤師端末2は、処方箋データの内容を表示するための表示部を有する。薬剤師端末2には、薬剤師を識別するための薬剤師識別情報(以下、「薬剤師ID」という。)が関連付けられている。薬剤師端末2には、薬剤師が存在(勤務)する薬局を識別するための薬局識別情報(以下、「薬局ID」という。)が関連付けられていてもよい。外部サーバが提供する専用アプリにおいて薬剤師が薬剤師IDを入力したことにより、薬剤師が薬剤師IDを入力した薬剤師端末2が薬剤師IDに関連付けられた状態になってもよい。
【0027】
情報処理装置3は、薬提供サービスを管理する装置であり、例えば、サーバである。情報処理装置3は、患者に関する情報と、薬局に関する情報とを記憶している。患者に関する情報は、患者ID、名前、住所及びクレジット情報等を含む。薬局に関する情報は、薬局の場所と、当該薬局における薬剤師の存在の有無等を含む。薬局に関する情報は、これに限らず、薬局に薬剤師が存在する場合において、当該薬局に存在する薬剤師IDをさらに含んでもよい。
【0028】
情報処理装置3は、薬提供サービスの管理として、患者端末1と薬剤師端末2との間の通信を管理する。情報処理装置3は、例えば、患者端末1から処方箋データと薬剤師特定情報とを受信すると、薬剤師特定情報によって特定される薬剤師が使用する薬剤師端末2に処方箋データを送信する。薬剤師端末2は、情報処理装置3から処方箋データを受信すると、当該処方箋データの内容を表示部に表示させる。また、情報処理装置3は、例えば、薬剤師が患者に服薬指導を行うためのオンライン会議の実行を制御する。
【0029】
本明細書においては、情報処理システムSが情報処理装置3を有する例を説明するが、これに限らない。例えば、情報処理システムSは、患者端末1と薬剤師端末2とを有し、情報処理装置3が有する機能を薬剤師端末2が有してもよい。
以下、患者端末1と情報処理装置3の構成について説明する。
【0030】
[患者端末1の構成]
図2は、第1実施形態に係る患者端末1の構成を示す図である。患者端末1は、出力部11と、操作部12と、撮像部13と、通信部14と、記憶部15と、制御部16とを有する。制御部16は、操作受付部161と、表示処理部162と、取得処理部163と、送信処理部164とを有する。
【0031】
出力部11は、テキスト及び画像を表示する表示部(例えばディスプレイ)と、音声を出力するスピーカとを含む。操作部12は、患者の操作を受け付ける入力デバイスである。操作部12は、例えば、表示部に重ねて設けられたタッチパネルである。
【0032】
撮像部13は、撮像画像を撮像するカメラである。通信部14は、ネットワークに接続するためのインターフェイスであり、例えば通信コントローラを含んで構成されている。
【0033】
記憶部15は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部15は、制御部16が実行するプログラムを記憶している。
【0034】
制御部16は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部16は、記憶部15に記憶されたプログラムを実行することにより、操作受付部161、表示処理部162、取得処理部163及び送信処理部164として機能する。以下、各構成部が実行する処理の内容を、調剤依頼機能と指導受講機能とに分けて説明する。
【0035】
[調剤依頼機能]
操作受付部161は、操作部12を介して、患者による操作を受け付ける。表示処理部162は、専用アプリの表示画面を出力部11に表示させる。専用アプリの表示画面が出力部11に表示されると、操作受付部161は、当該表示画面において薬剤師に処方箋を送信するための操作を受け付ける。操作受付部161は、例えば、薬剤師に処方箋を送信するための操作として、処方箋の内容の入力と、薬剤師特定情報の入力とを受け付ける。
【0036】
図3及び
図4は、専用アプリの表示画面の一例を示す図である。
図3(a)に示す表示画面は、処方箋を入力するための処方箋入力画面D1である。処方箋入力画面D1には、処方箋の内容を入力するための入力項目が設けられており、患者が処方箋入力画面D1において処方箋の内容を入力すると、操作受付部161は、処方箋の内容の入力を受け付ける。
【0037】
上記において、薬剤師に処方箋を送信するための操作として、患者が処方箋入力画面D1において処方箋の内容を入力する例を説明したが、これに限らない。例えば、患者が処方箋入力画面D1において撮像部13によって処方箋が撮像された撮像画像を添付する操作を行うことにより、操作受付部161は、薬剤師に処方箋を送信するための操作を受け付けてもよい。
【0038】
患者が処方箋入力画面D1において注文ボタンを押下すると、表示処理部162は、処方箋をもとに薬を調剤してもらう薬局を選択するための表示画面を出力部11に表示させる。表示処理部162は、例えば、
図4(a)に示す表示画面を出力部11に表示させる。
図4(a)に示す表示画面は、処方箋をもとに薬を調剤してもらう薬局を選択するための薬局選択画面D2である。
【0039】
薬局選択画面D2には、薬を調剤することが可能な薬局のリストが表示されている。例えば、まず、患者が処方箋入力画面D1において注文ボタンを押下すると、取得処理部163は、上記薬局のリストを情報処理装置3から取得する。そして、表示処理部162は、取得処理部163が取得した薬局のリストを表示した薬局選択画面D2を出力部11に表示させる。なお、記憶部15には、予め薬局のリストが記憶されており、表示処理部162は、記憶部15に記憶されている薬局のリストを表示した薬局選択画面D2を出力部11に表示させてもよい。
【0040】
薬局選択画面D2に表示される薬局は、薬提供サービスにおいて薬を調剤することが可能な全ての薬局であってもよいし、患者端末1が存在する場所(例えば、患者端末1が有する不図示のGPS(Global Positioning System)受信機が受信した信号によって特定される位置座標)から所定の範囲内に存在する薬局であってもよい。患者が薬局選択画面D2において薬局のリストから処方箋をもとに薬を調剤してもらうことを希望する調剤希望薬局を選択すると、操作受付部161は、調剤希望薬局の選択を受け付ける。
【0041】
患者が薬局選択画面D2において決定ボタンを押下すると、表示処理部162は、薬剤師から薬局で薬を受け取るか、薬を配達してもらうかを選択するための表示画面を出力部11に表示させる。表示処理部162は、例えば、
図3(b)に示す表示画面を出力部11に表示させる。
図3(b)に示す表示画面は、薬の受取方法を選択するための受取方法選択画面D3(第1画面)である。
【0042】
受取方法選択画面D3には、薬剤師から薬局で薬を受け取る第1方法と、薬を配達してもらって受け取る第2方法との2つの受取方法が表示されている。患者が受取方法選択画面D3において第1方法及び第2方法のうちのいずれかの方法を選択すると、操作受付部161は、薬の受取方法の選択を受け付ける。
【0043】
第2方法が選択された場合、操作受付部161は、薬の配達先の入力をさらに受け付ける。操作受付部161は、例えば、薬の配達先として、患者の住所の入力を受け付ける。操作受付部161は、薬の配達先として、薬局以外の店舗の入力を受け付けてもよい。店舗は、例えばコンビニエンスストアであるが、これに限らず、店舗の従業員が接客することによって店舗に係るサービスが提供される店舗であればいずれであってもよい。例えば、薬局には、薬の調剤が可能な調剤可能店舗(例えば、薬剤師がいる薬局)と、薬の調剤が不可能な調剤不可能店舗(例えば、薬剤師がいない薬局)とがあり、操作受付部161は、調剤可能店舗での薬の調剤の依頼を受け付け、調剤された薬の配達先として調剤不能店舗(例えばユーザの自宅から最寄りの薬局)の入力を受け付けてもよい。
【0044】
例えば、まず、受取方法選択画面D3において第2方法が選択されると、取得処理部163は、上記店舗のリストを情報処理装置3から取得する。そして、表示処理部162は、取得処理部163が取得した店舗のリストを表示した不図示の表示画面を出力部11に表示させる。患者が店舗のリストの中から薬の配達先として希望する希望店舗を選択すると、操作受付部161は、希望店舗の選択を受け付ける。
【0045】
患者が受取方法選択画面D3において第1方法(薬局で薬を受け取る方法)を選択して決定ボタンを押下した場合、表示処理部162は、専用アプリを終了させる。一方、表示処理部162は、患者が受取方法選択画面D3において第2方法(薬を配達してもらって受け取る方法)を選択して決定ボタンを押下した場合に、服薬指導をオンラインで受けるための表示画面を出力部11に表示させる。表示処理部162は、例えば、
図4(b)に示す表示画面を出力部11に表示させる。
図4(b)に示す表示画面は、服薬指導の受講を予約する予約画面D4(第2画面)である。
【0046】
予約画面D4には、薬局選択画面D2で選択された薬局において服薬指導の受講が可能な日時のリストが表示されている。例えば、まず、患者が受取方法選択画面D3において第2方法を選択して決定ボタンを押下すると、取得処理部163は、上記日時のリストを情報処理装置3から取得する。そして、表示処理部162は、取得処理部163が取得した日時のリストを表示した予約画面D4を出力部11に表示させる。
【0047】
患者が予約画面D4において日時のリストの中から服薬指導の受講を希望する受講希望日時を選択すると、操作受付部161は、受講希望日時の選択を受け付ける。患者が予約画面D4において決定ボタンを押下すると、表示処理部162は、専用アプリの表示画面を表示させる処理を終了する。上記において、第2画面が予約画面D4である例を説明したが、これに限らない。例えば、第2画面は、後述する服薬指導を受講するための受講画面であってもよい。
【0048】
図2に戻り、送信処理部164は、専用アプリの表示画面において患者が入力又は選択した情報を含む調剤要求を情報処理装置3に送信する。調剤要求は、処方箋をもとに薬の調剤を薬剤師に依頼するための要求である。
【0049】
送信処理部164は、処方箋データを薬剤師に送信する。具体的には、まず、送信処理部164は、処方箋データと薬剤師特定情報とを含む調剤要求を情報処理装置3に送信する。薬剤師特定情報は、例えば、患者が選択した調剤希望薬局に対応する薬局IDを含む。そして、情報処理装置3は、薬剤師特定情報によって特定される薬剤師端末2に処方箋データを含む要求通知を送信する。要求通知は、患者から処方箋をもとに薬の調剤の依頼が要求されたことを示すための通知である。送信処理部164は、患者が第1方法及び第2方法の中から選択した薬の受取方法を示す受取情報をさらに含む調剤要求を情報処理装置3に送信してもよい。
【0050】
送信処理部164は、受取方法選択画面D3において第1方法(薬局で薬を受け取る方法)が選択された場合、処方箋データを薬剤師に送信する。一方、送信処理部164は、受取方法選択画面D3において第2方法(薬を配達してもらって受け取る方法)が選択された場合に、服薬指導をオンラインで受ける操作が行われたことを条件として、処方箋データを薬剤師に送信する。
【0051】
より具体的には、送信処理部164は、薬の受取方法として第2方法が選択された場合に、服薬指導をオンラインで受ける操作が行われたことにより服薬指導の日時の予約が確定したことを条件として、処方箋データを薬剤師に送信する。送信処理部164は、例えば、受取方法選択画面D3で第2方法が選択された場合に表示される予約画面D4において、操作受付部161がオンライン会議の受講希望日時の選択を受け付けた後に、処方箋データを薬剤師に送信する。このようにすることで、患者端末1は、患者が服薬指導を受講していないにも関わらず、薬剤師が処方箋に基づいて調剤した薬を患者に配達してしまう事態の発生を防ぐことができる。
【0052】
送信処理部164は、受取方法選択画面D3において第2方法が選択された場合、予約画面D4において患者が選択した受講希望日時をさらに含む調剤要求を情報処理装置3に送信してもよい。取得処理部163は、送信処理部164が情報処理装置3に受講希望日時を送信したことに応じて情報処理装置3が送信した会議IDを取得してもよい。会議IDは、患者と薬剤師との間で行われるオンライン会議を識別するための情報である。取得処理部163は、会議IDを取得すると、会議IDと、患者に対応する患者IDと、薬剤師に対応する薬剤師IDとを関連付けて記憶部15に記憶させる。
【0053】
[指導受講機能]
送信処理部164が処方箋データを送信した後において、患者が専用アプリにおいて服薬指導を受講するための操作を行うと、表示処理部162は、患者と薬剤師との間でのオンライン会議の表示を制御する。表示処理部162は、例えば、画像及び音声を出力部11にそれぞれ出力させ、撮像部13が撮像した患者の動画像を示す動画像データを薬剤師に送信する。
【0054】
表示処理部162は、現在時刻が予約画面D4において選択されたオンライン会議の受講希望日時を経過すると、オンライン会議を開始させる。表示処理部162は、例えば、記憶部15に記憶されている会議IDを含む会議実行要求を情報処理装置3に送信することにより、オンライン会議を開始させる。会議実行要求は、オンライン会議を実行させるための要求である。
【0055】
患者端末1は、服薬指導を受講した患者の顔画像を薬剤師に送信してもよい。具体的には、まず、表示処理部162は、オンライン会議中に患者の顔画像を撮像部13に撮影させる。そして、送信処理部164は、撮像部13が撮像した患者の顔画像を示す顔画像データを薬剤師に送信する。
【0056】
オンライン会議の後において、薬剤師は、調剤した薬を入れる袋に顔画像データを印刷又は当該袋に顔画像データを印刷した写真を同封し、薬を配達する。このようにすることで、患者端末1は、薬を渡す人(例えば、薬剤師、薬局のスタッフ又は店舗の従業員)が、薬を渡すときに、袋に印刷された顔画像又は袋に同封された顔画像の写真を参照することにより、薬を渡される人が薬剤師による服薬指導を受講した患者本人であるか否かを確認することができる。
【0057】
送信処理部164は、処方箋データに関連付けて顔画像データを送信してもよい。このようにすることで、患者端末1は、処方箋データによって示される処方箋をもとに調剤する薬を、薬剤師が誤って顔画像データによって示される患者以外の人に配達してしまう事態の発生確率を低減させることができる。
【0058】
患者端末1は、薬を調剤する薬剤師の顔画像を表示させてもよい。例えば、送信処理部164が調剤要求を情報処理装置3に送信した後に、取得処理部163は、患者が薬の調剤を依頼した薬局の薬剤師の顔画像を情報処理装置3から取得する。そして、患者が薬局に訪れたとき又は配達された薬を受け取るときに患者端末1の専用アプリにおいて薬剤師の顔画像を表示する操作を行うと、表示処理部162は、情報処理装置3から取得した薬剤師の顔画像を出力部11に表示させる。このようにすることで、患者端末1は、患者と対面する人が薬剤師であるか否か、又は当該薬剤師と関係がある人であるか否かを患者に確認させることができる。
【0059】
[情報処理装置3の構成]
図5は、情報処理装置3の構成を示す図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。制御部33は、受信部331と、送信部332と、会議実行部333と、記録部334とを有する。
【0060】
通信部31は、ネットワークに接続するためのインターフェイスであり、例えば通信コントローラを含んで構成されている。記憶部32は、ROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部32は、制御部33が実行するプログラムを記憶している。記憶部32は、患者に関する情報と、薬局に関する情報とを記憶している。
【0061】
制御部33は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部33は、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部331、送信部332、会議実行部333及び記録部334として機能する。
【0062】
受信部331は、患者データ受信部として機能し、患者端末1から処方箋データを含む調剤要求を受信する。受信部331は、薬剤師特定情報をさらに含む調剤要求を受信してもよい。また、受信部331は、患者が第1方法及び第2方法の中から選択した薬の受取方法を示す受取情報をさらに含む調剤要求を受信してもよい。受信部331は、薬剤師データ受信部としてさらに機能し、種々の情報を薬剤師端末2から受信してもよい。
【0063】
送信部332は、薬剤師用データ送信部として機能し、処方箋データを含む要求通知を送信先に対応する薬剤師端末2に送信する。具体的には、送信部332は、要求通知を、処方箋データの送信先として薬剤師特定情報によって特定される薬剤師の薬剤師端末2に送信する。送信部332は、例えば、記憶部32に記憶されている薬局に関する情報を参照し、薬剤師特定情報に含まれる薬局IDの薬局に存在する薬剤師を特定し、特定した薬剤師の薬剤師端末2に要求通知を送信する。薬剤師端末2は、要求通知を受信すると、要求通知に含まれる処方箋データの内容を表示部に表示させる。
【0064】
送信部332は、受信部331がさらに受信した受取情報をさらに含む要求通知を、薬剤師端末2に送信してもよい。送信部332は、受信部331がさらに受信したオンライン会議の受講希望日時をさらに含む要求通知を、薬剤師端末2に送信してもよい。
【0065】
送信部332は、患者用データ送信部としてさらに機能し、種々の情報を患者端末1に送信してもよい。送信部332は、例えば、受信部331が患者端末1から受信した受取情報が第2方法であることを示す場合、オンライン会議を実施するための会議情報を、患者端末1及び薬剤師端末2に送信する。会議情報は、例えば、オンライン会議を開始する開始日時と、オンライン会議を識別するための会議IDとを含む。送信部332は、受信部331が調剤要求を受信した後に、当該調剤要求によって特定される患者が薬の調剤を依頼した薬局の薬局に関する情報(例えば薬剤師の顔画像)を患者端末1に送信してもよい。
【0066】
情報処理装置3は、薬の受取先として患者が選択した希望店舗を示す選択店舗データを薬剤師に送信してもよい。例えば、記憶部32には、薬剤師に関連付けて、薬を配達可能な一以上の店舗を管理するデータベースが記憶されている。図示はしないが、データベースには、薬剤師(例えば、薬剤師を識別するための薬剤師ID)と、店舗(例えば、店舗を識別するための店舗ID)とが関連付けて記憶されている。なお、データベースには、薬剤師に代えて薬局(例えば薬局ID)と、店舗(例えば、店舗を識別するための店舗ID)とが関連付けて記憶されていてもよい。
【0067】
この場合において、まず、受信部331が薬剤師特定情報を受信すると、送信部332は、当該薬剤師特定情報によって特定される薬剤師に関連付けてデータベースに記憶されている一以上の店舗を示す店舗データを患者端末1に送信する。そして、送信部332が店舗データを送信した後に、受信部331が一以上の店舗から患者が選択した希望店舗を示す選択店舗データを受信すると、送信部332は、選択店舗データを薬剤師端末2に送信する。
【0068】
薬剤師が、調剤した薬を選択店舗データによって示される店舗に配達し、その後、患者は、店舗で薬を受け取る。このようにすることで、情報処理装置3は、患者の都合が良いタイミングで薬を受け取らせることができる。
【0069】
送信部332は、店舗用データ送信部としてさらに機能し、処方箋データの少なくとも一部と、患者の顔画像を示す顔画像データとを、選択店舗データに対応する店舗の端末に送信してもよい。処方箋データの少なくとも一部は、例えば、処方箋データによって示される薬の名称、処方された患者の名前等である。この場合、送信部332は、患者が選択した店舗に薬を配達することを薬剤師が了承した場合に、情報を店舗の端末に送信してもよい。
【0070】
具体的には、まず、受信部331は、送信部332が選択店舗データを薬剤師端末2に送信した後に、選択店舗データに薬を配達することを了承する了承通知を薬剤師端末2から受信する。そして、送信部332は、受信部331が了承通知を受信した場合に、選択店舗データに対応する店舗の端末に、処方箋データの少なくとも一部と患者の顔画像を示す顔画像データとを送信する。このようにすることで、情報処理装置3は、薬剤師にとって都合が悪い店舗(例えば、薬局から遠い店舗、又は店舗の営業時間中に配達できない店舗等)に配達しなければならない事態の発生を抑止することができる。
【0071】
会議実行部333は、薬剤師が患者に服薬指導をするためのオンライン会議を実行する。具体的には、会議実行部333は、現在時刻がオンライン会議の会議日時(患者が選択したオンライン会議の受講希望日時)を経過した後において、患者端末1及び薬剤師端末2から、会議IDを含む会議実行要求を受信したことに応じて、オンライン会議を実行する。会議実行部333は、例えば、会議実行要求に含まれる会議IDに関連付けられている患者IDに対応する患者端末1と、会議ID及び患者IDに関連付けられている薬剤師IDに対応する薬剤師端末2の間における通信を確立させることにより、オンライン会議を実行する。
【0072】
記録部334は、会議実行部333がオンライン会議を処方箋データに関連付けて記録する。具体的には、記録部334は、オンライン会議中に患者の顔画像を示す顔画像データを記録する。記録部334は、受信部331が患者端末1から受信した顔画像データを記録してもよい。このようにすることで、情報処理装置3は、薬剤師が患者に薬を渡す前にオンライン会議にて薬の服薬指導を行った証拠を記録することができる。
【0073】
記録部334が顔画像データを記録すると、送信部332は、処方箋データに関連付けて、顔画像データを薬剤師端末2に送信してもよい。このようにすることで、情報処理装置3は、薬剤師が患者に薬を渡す前にオンライン会議にて薬の服薬指導を行った証拠を薬剤師に記録させることができる。
【0074】
[第1実施形態に係る情報処理システムSの処理]
続いて、第1実施形態に係る情報処理システムSの処理の流れについて説明する。
図6は、第1実施形態に係る情報処理システムSの処理の流れを示すシーケンス図である。本処理は、患者が患者端末1において専用アプリを起動する操作を行ったことに応じて、表示処理部162が、処方箋入力画面D1を出力部11に表示させたことを契機として開始する。
【0075】
患者が処方箋入力画面D1において処方箋の内容を入力すると、操作受付部161は、処方箋の内容の入力を受け付ける(S1)。操作受付部161が処方箋の内容の入力を受け付けると、取得処理部163は、薬を調剤することが可能な薬局のリストを情報処理装置3から取得する(S2)。表示処理部162は、薬局のリストが表示された薬局選択画面D2を出力部11に表示させる。患者が薬局選択画面D2において薬局のリストから処方箋をもとに薬を調剤してもらうことを希望する調剤希望薬局を選択すると、操作受付部161は、調剤希望薬局の選択を受け付ける(S3)。
【0076】
操作受付部161が薬局の選択を受け付けると、表示処理部162は、受取方法選択画面D3を出力部11に表示させる。患者が受取方法選択画面D3において第1方法及び第2方法のうちのいずれかの方法を選択すると、操作受付部161は、薬の受取方法の選択を受け付ける(S4)。
【0077】
表示処理部162は、薬の受取方法として第2方法が選択されたか否かを判定する(S5)。表示処理部162は、第2方法が選択されていないと判定した場合、すなわち、第1方法が選択されたと判定した場合(S5においてNO)、処理をS8に進める。一方、第2方法が選択されたと表示処理部162が判定した場合(S5においてYES)、取得処理部163が、薬局選択画面において選択された薬局の薬剤師による服薬指導が可能な日時のリストを取得する(S6)。
【0078】
表示処理部162は、当該日時のリストが表示された予約画面D4を出力部11に表示させる。患者が予約画面D4において日時のリストの中から服薬指導の受講を希望する受講希望日時を選択すると、操作受付部161は、受講希望日時の選択を受け付ける(S7)。
【0079】
送信処理部164は、専用アプリの表示画面において患者が入力又は選択した情報を含む調剤要求を情報処理装置3に送信する(S8)。薬の受取方法として第1方法が選択された場合、送信処理部164は、処方箋データと、薬剤師特定情報と、受取情報とを含む調剤要求を情報処理装置3に送信する。薬の受取方法として第2方法が選択された場合、送信処理部164は、受講希望日時をさらに含む調剤要求を情報処理装置3に送信する。
【0080】
情報処理装置3において、受信部331が患者端末1から調剤要求を受信すると、送信部332は、調剤要求に含まれる処方箋データと受取情報とを含む要求通知を、調剤要求に含まれる薬剤師特定情報によって特定される薬局の薬剤師に対応する薬剤師端末2に送信する(S9)。送信部332は、調剤要求に受講希望日時がさらに含まれる場合、当該受講希望日時をさらに含む要求通知を薬剤師端末2に送信する。そして、薬剤師端末2は、要求通知を受信すると、当該要求通知に含まれる情報を表示部に表示させる(S10)。
【0081】
[第1実施形態における効果]
以上説明したとおり、患者端末1は、薬剤師から薬局で薬を受け取るか、薬を配達してもらうかを選択するための第1画面(受取方法選択画面)において、薬を配達してもらうことが選択された場合に、服薬指導をオンラインで受けるため第2画面を出力部11に表示させる。このようにすることで、患者端末1は、薬が配達される場合であっても、患者に対して、当該薬に対応する服薬指導を薬剤師から受けさせることができる。これにより、患者端末1は、患者が自己判断で服薬をやめたり、服薬の量を間違えたりする事態の発生を低減することができる。その結果、患者端末1は、患者が薬の用法・用量を誤ってしまう蓋然性を低減させることができる。
【0082】
<第2実施形態>
[薬の受取場所における薬剤師の存在有無に応じて第2画面を表示させる]
続いて、第2実施形態について説明する。第1実施形態に係る情報処理システムSは、薬剤師に調剤を依頼する薬の受取方法として第1方法(薬剤師から薬局で薬を受け取る方法)と第2方法(薬を配達してもらって受け取る方法)とのうちの第2方法が選択された場合に、服薬指導をオンラインで受けるための第2画面を患者端末1に表示させる。
【0083】
これに対して、第2実施形態に係る情報処理システムSは、患者が入力した薬の受取場所において薬剤師が存在しない場合に第2画面を患者端末1に表示させる点で第1実施形態と異なる。受取場所は、薬剤師が存在する薬局、薬剤師が存在しない薬局、薬局以外の店舗(例えばコンビニエンスストア等)、又は薬局及び店舗以外の場所(例えば患者の自宅等)である。以下に、第1実施形態と異なる部分について説明を行う。第1実施形態と同じ部分については適宜説明を省略する。
【0084】
図7は、第2実施形態に係る患者端末1の構成を示す図である。記憶部15は、薬剤師が存在する薬局のリストを記憶している。また、記憶部15は、薬の受け取りが可能な場所と、薬剤師が存在する一以上の薬局とを関連付けて記憶する不図示のデータベースを記憶している。薬の受け取りが可能な場所は、薬剤師が存在する薬局、薬剤師が存在しない薬局、又は薬局以外の店舗等である。
【0085】
制御部16は、判定部165をさらに有する。操作受付部161は、処方箋を送信するための操作と、処方箋に基づく薬を受け取る受取場所を入力する操作とを受け付ける。例えば、専用アプリの表示画面には、処方箋の内容を入力するための入力項目と、受取場所を入力するための入力項目とが設けられており、患者が表示画面において、各入力項目に情報を入力することにより、操作受付部161は、処方箋を送信するための操作と受取場所を入力する操作とを受け付ける。
【0086】
判定部165は、操作受付部161が受け付けた受取場所において、薬剤師が存在するか否かを判定する。判定部165は、例えば、記憶部15に記憶されている薬局のリストを参照し、操作受付部161が受け付けた受取場所が薬局のリストに含まれている場合、受取場所に薬剤師が存在すると判定し、受取場所が薬局のリストに含まれていない場合、受取場所に薬剤師が存在しないと判定する。
【0087】
判定部165は、第1画面において患者が選択した第1方法及び第2方法のうちのいずれかに基づいて、受取場所において薬剤師が存在するか否かを判定してもよい。具体的には、まず、表示処理部162は、複数の薬局のうちのいずれかで薬を受け取るか、薬局以外の場所に薬を配達してもらうかを選択するための第1画面を出力部11に表示させる。そして、判定部165は、薬剤師が存在する第1薬局と薬剤師が存在しない第2薬局とのうちの第1薬局を受取場所として選択された場合に、受取場所において薬剤師が存在すると判定する。一方、判定部165は、第1薬局と第2薬局とのうちの第2薬局を受取場所として選択された場合、又は薬を配達してもらうことが選択された場合に、受取場所において薬剤師が存在しないと判定する。
【0088】
判定部165は、問合せ部として機能し、操作受付部161が受け付けた受取場所において薬剤師が存在するか否かを情報処理装置3に問い合わせてもよい。例えば、情報処理装置3の記憶部32には、薬剤師が存在する薬局のリストが記憶されている。
【0089】
この場合において、まず、患者端末1の判定部165は、操作受付部161が受け付けた受取場所を情報処理装置3に送信する。情報処理装置3において、送信部332は、判定部としてさらに機能し、記憶部32に記憶されている薬局のリストを参照し、受信部331が受信した受取場所において薬剤師が存在するか否かを判定する。
【0090】
送信部332は、受取場所が薬局のリストに含まれている場合、受取場所に薬剤師が存在することを示す情報を患者端末1に送信する。一方、送信部332は、受取場所が薬局のリストに含まれていない場合、受取場所に薬剤師が存在しないことを示す情報を送信する。そして、患者端末1の判定部165は、情報処理装置3から受取場所に薬剤師が存在するか否かを示す情報を取得する。
【0091】
表示処理部162は、受取場所において薬剤師が存在しないと判定部165が判定した場合に、薬剤師による服薬指導をオンラインで受けるための第2画面を出力部11に表示させる。具体的には、表示処理部162は、記憶部15に記憶されているデータベースを参照し、操作受付部161が受け付けた受取場所に関連付けられている一以上の薬局に存在する薬剤師のうちのいずれかによる服薬指導をオンラインで受けるための第2画面を出力部11に表示させる。
【0092】
表示処理部162は、例えば、受取場所に薬剤師が存在する複数の薬局が関連付けられている場合、受取場所から相対的に近い薬局(例えば、受取場所から最も近い薬局)を選択し、選択した薬局に存在する薬剤師による服薬指導をオンラインで受けるための第2画面を出力部11に表示させる。操作受付部161が患者から薬剤師又は薬剤師が存在する薬局の選択を受け付け、表示処理部162は、選択された薬剤師又は選択された薬局に存在する薬剤師による服薬指導をオンラインで受けるための第2画面を出力部11に表示させてもよい。このようにすることで、患者端末1は、受取場所に薬剤師が存在しない場合であっても、薬剤師による服薬指導を患者に受けさせることができる。
【0093】
送信処理部164は、判定部165による判定結果に応じて、処方箋の内容を示す処方箋データを薬剤師に送信する。送信処理部164は、受取場所において薬剤師が存在すると判定された場合、処方箋の内容を示す処方箋データと、当該処方箋データの送信先とを情報処理装置3に送信する。一方、送信処理部164は、受取場所において薬剤師が存在しないと判定された場合、第2画面において服薬指導をオンラインで受けるための操作が行われたことを条件として、処方箋データと送信先とを情報処理装置3に送信する。
【0094】
なお、情報処理装置3の送信部332は、表示処理部としてさらに機能し、受取場所において薬剤師が存在しないと判定した場合、第2画面を患者端末1に表示させてもよい。送信部332は、例えば、受取場所において薬剤師が存在しないと判定した場合、第2画面を表示させるための表示指示を患者端末1に送信する。そして、患者端末1において、判定部165が表示指示を取得すると、表示処理部162は、当該表示指示に基づいて第2画面を出力部11に表示させる。
【0095】
[第2実施形態に係る情報処理システムSの処理]
続いて、第2実施形態に係る情報処理システムSの処理の流れについて説明する。
図8は、第2実施形態に係る情報処理システムSの処理の流れを示すシーケンス図である。
図8に示すS13からS17までの処理は、
図6に示すS6からS10までの処理と同様であるため、説明を省略する。
【0096】
本処理は、患者端末1の操作受付部161が、患者端末1の専用アプリの表示画面において、処方箋の内容を入力する操作と、受取場所を入力する操作とを受け付けたことを契機として開始する(S11)。判定部165は、記憶部15に記憶されている薬局のリストを参照し、操作受付部161が受け付けた受取場所において、薬剤師が存在するか否かを判定する(S12)。
【0097】
判定部165が、受取場所において薬剤師が存在しないと判定した場合(S12においてNOの場合)、表示処理部162は、取得処理部163が取得した日時のリストを表示した第2画面を出力部11に表示させる(S13)。一方、判定部165が、受取場所において薬剤師が存在すると判定した場合(S12においてYESの場合)、送信処理部164は、調剤要求を情報処理装置3に送信する(S15)。
【0098】
<変形例>
患者端末1は、薬剤師が存在しない薬局又は薬局以外の店舗(以下、「店舗等」という。)に設置される端末であってもよい。例えば、患者が店舗等に来店し、患者端末1を用いて処方箋に基づく薬の調剤の依頼と、薬剤師による服薬指導の予約を行う。そして、患者は、服薬指導を受講する日時に再度店舗等に来店し、患者端末1を用いて薬剤師による服薬指導を受ける。その後、患者は、調剤された薬を店舗等、又は店舗等以外の場所(例えば患者の自宅)で受け取る。このようにすることで、例えば、複数の薬局を管理する事業者は、薬剤師が存在しない薬局であっても、薬の調剤の依頼の受け付け、オンラインによる患者への服薬指導、調剤された薬の提供を行うことができる。これにより、上記事業者は、薬剤師が存在しない薬局において、薬剤師が存在する薬局と同様のサービスを提供することができる。
【0099】
[第2実施形態における効果]
以上説明したとおり、患者端末1は、患者が入力した受取場所に薬剤師が存在しない場合に、薬剤師に服薬指導をオンラインで受けるため第2画面を出力部11に表示させる。このようにすることで、患者端末1は、薬が配達される場合であっても、患者に対して、当該薬に対応する服薬指導を薬剤師から受けさせることができる。
【0100】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0101】
1 患者端末
11 出力部
12 操作部
13 撮像部
14 通信部
15 記憶部
16 制御部
161 操作受付部
162 表示処理部
163 取得処理部
164 送信処理部
2 薬剤師端末
3 情報処理装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
331 受信部
332 送信部
333 会議実行部
334 記録部
S 情報処理システム