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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087099
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】エンジン
(51)【国際特許分類】
   F02B 67/04 20060101AFI20240624BHJP
   F02B 67/00 20060101ALI20240624BHJP
   F02M 39/02 20060101ALI20240624BHJP
   F01P 5/12 20060101ALI20240624BHJP
   F01M 1/02 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
F02B67/04 A
F02B67/00 C
F02B67/00 G
F02M39/02 A
F01P5/12 F
F01M1/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201698
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津島 幸平
(72)【発明者】
【氏名】正置 龍二
(72)【発明者】
【氏名】柏原 浩
【テーマコード(参考)】
3G313
【Fターム(参考)】
3G313AA07
3G313AA09
3G313BB14
(57)【要約】
【課題】エンジンの耐久性および信頼性を向上することができる技術を提供する。
【解決手段】例示的なエンジンは、クランク軸と、前記クランク軸の一端側に取り付けられる第1歯車と、前記クランク軸の他端側に取り付けられる第2歯車と、前記第1歯車と前記第2歯車とのうちいずれかと噛み合う複数の被動歯車と、を備える。前記第1歯車は、前記複数の被動歯車のうちエンジン最高出力時の駆動トルクが最も大きい第1被動歯車と噛み合う。前記第2歯車は、前記複数の被動歯車のうちエンジン最高出力時の駆動トルクが二番目に大きい第2被動歯車と噛み合う。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランク軸と、
前記クランク軸の一端側に取り付けられる第1歯車と、
前記クランク軸の他端側に取り付けられる第2歯車と、
前記第1歯車と前記第2歯車とのうちいずれかと噛み合う複数の被動歯車と、
を備え、
前記第1歯車は、前記複数の被動歯車のうちエンジン最高出力時の駆動トルクが最も大きい第1被動歯車と噛み合い、
前記第2歯車は、前記複数の被動歯車のうちエンジン最高出力時の駆動トルクが二番目に大きい第2被動歯車と噛み合う、エンジン。
【請求項2】
前記第1被動歯車によって、燃料供給ポンプ又は燃料噴射ポンプが駆動される、請求項1に記載のエンジン。
【請求項3】
前記第2被動歯車によって、冷却液ポンプおよび潤滑油ポンプのうちの少なくとも一方が駆動される、請求項1に記載のエンジン。
【請求項4】
前記第1歯車および前記第2歯車のうちの少なくとも一方は、平歯車である、請求項1から3のいずれか1項に記載のエンジン。
【請求項5】
前記第1歯車および前記第2歯車のうちの少なくとも一方は、機械構造用炭素鋼鋼材で構成される、請求項1から3のいずれか1項に記載のエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料噴射ポンプ、冷却水ポンプ、潤滑油ポンプ等の複数の補機をクランク軸の動力を利用して駆動させるエンジンが知られる(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、クランク軸の一端に取り付けられるクランクギヤにより、燃料噴射ポンプ、冷却水ポンプ、および、潤滑油ポンプに動力を伝達する構成が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-009655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クランク軸に取り付けられる1つのクランクギヤで複数の補機を駆動する構成の場合、クランクギヤに大きい負荷がかかり易くなる。クランクギヤに加わる負荷が大きくなり過ぎることを抑制できると、クランクギヤの耐久性を向上することができる。この結果、エンジンの耐久性や信頼性が向上することが期待できる。
【0005】
本発明は、エンジンの耐久性および信頼性を向上することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的なエンジンは、クランク軸と、前記クランク軸の一端側に取り付けられる第1歯車と、前記クランク軸の他端側に取り付けられる第2歯車と、前記第1歯車と前記第2歯車とのうちいずれかと噛み合う複数の被動歯車と、を備える。前記第1歯車は、前記複数の被動歯車のうちエンジン最高出力時の駆動トルクが最も大きい第1被動歯車と噛み合う。前記第2歯車は、前記複数の被動歯車のうちエンジン最高出力時の駆動トルクが二番目に大きい第2被動歯車と噛み合う。
【発明の効果】
【0007】
例示的な本発明によれば、エンジンの耐久性および信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】エンジンの概略の構成を示す左側面図
図2】エンジンの概略の構成を示す正面図
図3】エンジンの概略の構成を示す平面図
図4】エンジンが備えるインジェクタについて説明するための模式図
図5】エンジンが備える冷却システムの概要を示す模式図
図6】エンジンが備える潤滑システムの概要を示す模式図
図7】エンジンが備える、クランク軸と、クランク軸の回転により駆動される補機とを抽出して示す概略斜視図
図8】エンジンが備えるクランク軸の概略の構成を示す斜視図
図9】エンジンの後側におけるギヤ配置の概略の構成を示す図
図10】エンジンの前側におけるギヤ配置の概略の構成を示す図
図11】第1変形例に係るエンジンを説明するための図
図12】第2変形例に係るエンジンを説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図面においては、適宜、3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。以下の説明においては、X方向を前後方向、Y方向を左右方向、Z方向を上下方向とする。なお、+X側が前側、-X側が後側とする。+Y側を左側、-Y側を右側とする。+Z側を上側、-Z側を下側とする。詳細には、図1に示すクランク軸(出力軸)の中心線Jが延びる方向を前後方向とする。フライホイールハウジング3に収容されるフライホイール(不図示)に対してシリンダブロック11が配置される側を前側とする。また、シリンダブロック11に対してオイルパン2が配置される側を下側として上下方向を定義する。前後方向および上下方向に直交する方向を左右方向と定義し、前方から後方に向かって見た場合に左となる側を左側、右となる側を右側とする。なお、これらの方向は単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係及び方向を限定する意図はない。
【0010】
<1.エンジンの概要>
図1は、本発明の実施形態に係るエンジン100の概略の構成を示す左側面図である。図2は、本発明の実施形態に係るエンジン100の概略の構成を示す正面図である。図3は、本発明の実施形態に係るエンジン100の概略の構成を示す平面図である。主に図1から図3を参照して、エンジン100の概要を説明する。
【0011】
エンジン100は、一例として発電のために使用するエンジンである。ただし、エンジン100は、発電用エンジンに限らず、船舶推進用エンジン等の他の用途に利用されるエンジンであってもよい。エンジン100はディーゼルエンジンである。エンジン100は、大きくは、エンジン本体1とオイルパン2とを備える。エンジン本体1は、シリンダブロック11と、ヘッドブロック12と、ヘッドカバー13とを備える。
【0012】
シリンダブロック11の内部には、複数のピストン(不図示)と、各ピストンに連結され、前後方向に延びるクランク軸10(後述の図7図8参照)とが配置される。すなわち、エンジン100はクランク軸10を備える。クランク軸10は、ピストンの往復運動を回転運動に変換する。クランク軸10の後端には、フライホイールハウジング3に収容されるフライホイール(不図示)が取り付けられる。フライホイールは、クランク軸10と一体的に回転し、エンジン100の動力を取り出すために利用される。
【0013】
シリンダブロック11は、左右のそれぞれに、前後方向に並ぶ複数のシリンダ14(後述の図4参照)を有する。複数のピストンのそれぞれは、各シリンダ14内に配置される。なお、エンジン100は、一例としてV型12気筒エンジンであり、左右のそれぞれにおいて前後方向に並ぶシリンダ14の数は6個である。
【0014】
ヘッドブロック12は、各シリンダ14の上方に重ねて配置される。すなわち、エンジン本体1は、左右のそれぞれに、前後方向に並ぶ6つのヘッドブロック12を有する。各ヘッドブロック12は、シリンダ14、ヘッドブロック12、および、ピストンで構成される燃焼室にガスを供給するための吸気ポート(不図示)と、燃焼室からガスを排気する排気ポート(不図示)とを有する。
【0015】
ヘッドカバー13は、各ヘッドブロック12の上方に配置される。すなわち、エンジン本体1は、左右のそれぞれに、前後方向に並ぶ6つのヘッドカバー13を有する。各ヘッドカバー13は、ヘッドブロック12に配置される吸気弁および排気弁(不図示)を覆う。各ヘッドカバー13には、インジェクタ16(後述の図4参照)が取り付けられる。
【0016】
図4は、本発明の実施形態に係るエンジン100が備えるインジェクタ16について説明するための模式図である。図4には、インジェクタ16に関する理解を容易とするために、シリンダ14を有するシリンダブロック11も示されている。以下、エンジン100が備えるシリンダ14の列(シリンダ列15)のうち、エンジン100の左側において前後方向に並ぶシリンダ列を左シリンダ列15L、右側において前後方向に並ぶシリンダ列を右シリンダ列15Rとする。左シリンダ列15Lを構成する各シリンダ14に対して1つずつインジェクタ16が設けられる。また、右シリンダ列15Rを構成する各シリンダ14に対して1つずつインジェクタ16が設けられる。以下、左シリンダ列15Lに対応して設けられるインジェクタ16を左インジェクタ16L、右シリンダ列15Rに対応して設けられるインジェクタ16を右インジェクタ16Rとする。本実施形態では、左インジェクタ16Lおよび右インジェクタ16Rの数は、それぞれ6個である。
【0017】
各インジェクタ16の、燃料を噴射する噴射口が設けられる一端部(下端部)は、燃焼室に臨む。各インジェクタ16は、燃料を高圧として吐出する燃料ポンプ4から高圧燃料配管17を介して供給される燃料を、適宜のタイミングで燃焼室に噴射する。燃焼室に噴射された燃料の燃焼により生じる力によって、ピストンが往復運動を行う。なお、本実施形態では、燃料ポンプ4は、エンジン100の左側面の後方に配置される。
【0018】
エンジン100の左側に設けられる、シリンダ列15、ヘッドブロック12、および、ヘッドカバー13は、左バンクLBを構成する。エンジン100の右側に設けられる、シリンダ列15、ヘッドブロック12、および、ヘッドカバー13は、右バンクRBを構成する。
【0019】
また、エンジン100は、給気マニホールド5および排気マニホールド6を備える。
【0020】
給気マニホールド5は、詳細は後述する過給機7から供給された空気または混合気である給気を各シリンダ(燃焼室)に分配する。詳細には、給気マニホールド5は、左右のそれぞれに配置されるシリンダ列15L、15Rに対応して、エンジン本体1の左右の側面に1つずつ配置される。左右に配置される給気マニホールド5は、いずれも前後方向に延びる。以下、左シリンダ列15Lに対応して左側に設けられる給気マニホールド5を左給気マニホールド5Lと表現する。右シリンダ列15Rに対応して右側に設けられる給気マニホールド5を右給気マニホールド5Rと表現する。
【0021】
排気マニホールド6は、各シリンダ14(燃焼室)からの排気を集約する。詳細には、排気マニホールド6は、左右のそれぞれに配置されるシリンダ列15L、15Rに対応して2つ配置される。2つの排気マニホールド6は、いずれも前後方向に延びる。2つの排気マニホールド6は、V型エンジンを構成する左右のバンクLB、RBにより形成されるVバンクの内側に左右に並んで配置される。以下、左シリンダ列15Lに対応してVバンク内の左側に配置される排気マニホールド6を、左排気マニホールド6Lと表現する。右シリンダ列15Rに対応してVバンク内の右側に配置される排気マニホールド6を、右排気マニホールド6Rと表現する。
【0022】
過給機7は、エンジン100の後方上部に配置される。過給機7は、エンジン100の外部から供給された空気や混合気を加圧圧縮してインタークーラ8を介して給気マニホールド5に供給する。過給機7は、排気マニホールド6から供給される排ガスを駆動源とするターボチャージャである。
【0023】
なお、給気マニホールド5と接続されるインタークーラ8は、第1冷却液ポンプ18の駆動により冷却液を供給され、給気を冷却する。本実施形態においては、冷却液は冷却水である。ただし、冷却液は、例えば不凍液等の水以外の液体であってもよい。不凍液は、例えば、純水とエチレングリコールとを所定割合で混合した液体である。以下、第1冷却液ポンプ18のことを低温水ポンプ18と記載する。本実施形態では、低温水ポンプ18は、エンジン100の前面右側に配置される。過給機7から供給される給気は、加圧圧縮されることにより圧縮熱が発生して温度が上昇する。インタークーラ8は、冷却水と、加圧圧縮された給気との間で熱交換を行うことで給気を冷却する。すなわち、インタークーラ8が設けられることにより、給気マニホールド5に供給される給気の温度を所望の温度に調整することができる。
【0024】
過給機7は、詳細には、エンジン100の左側に設けられる左過給機7Lと、エンジン100の右側に設けられる右過給機7Rとを有する。左過給機7Lは、インタークーラ8を介して左給気マニホールド5Lに空気等(給気)を供給する。右過給機7Rは、インタークーラ8を介して右給気マニホールド5Rに空気等(給気)を供給する。左排気マニホールド6Lで集約された排ガスは、左過給機7Lを介して外部に排気される。右排気マニホールド6Rで集約された排ガスは、右過給機7Rを介して外部に排気される。
【0025】
オイルパン2は、シリンダブロック11の下方に配置され、潤滑油を貯留する。オイルパン2に貯留される潤滑油は、エンジン100の潤滑が必要な各部に供給される。
【0026】
<2.冷却システムの概要>
次に、エンジン100が備える冷却システムの概要について説明する。図5は、エンジン100が備える冷却システムの概要を示す模式図である。なお、図5に示す冷却システムは、主にエンジン本体1を冷却するための冷却システムである。本実施形態においては、上述したインタークーラ8への冷却水の供給は、別の冷却システムにより行われる。また、本実施形態においては、冷却液は冷却水である。ただし、冷却液は、例えば不凍液等の水以外の液体であってもよい。
【0027】
図5に示す第2冷却液ポンプ21は、シリンダブロック11やヘッドブロック12等のエンジン100における冷却が必要な箇所に冷却液を供給するためのポンプである。エンジン100における冷却が必要な箇所には、シリンダブロック11およびヘッドブロック12の他に、過給機7や後述のオイルクーラ32等が含まれてよい。第2冷却液ポンプ21は、詳細には、インタークーラ8に冷却水を供給する低温水ポンプ18とは別の冷却水ポンプである。図5に示す冷却システムにおいては、インタークーラ8を冷却する冷却水に比べて高温の水が流れる。この点を考慮して、以下、第2冷却液ポンプ21のことを高温水ポンプ21と表現する。高温水ポンプ21は、クランク軸10からギヤを介して伝達される回転動力により駆動される。本実施形態では、高温水ポンプ21は、エンジン100の前面左側に配置される(図2参照)。
【0028】
高温水ポンプ21の駆動により、左バンク冷却液通路22Lと右バンク冷却液通路22Rとに冷却液が送り出される。左バンク冷却液通路22Lを流れる冷却液は、左バンクLBを構成するシリンダ14の周囲やヘッドブロック12を冷却する。右バンク冷却液通路22Rを流れる冷却液は、右バンクRBを構成するシリンダ14の周囲やヘッドブロック12を冷却する。
【0029】
左バンク冷却液通路22Lおよび右バンク冷却液通路22Rを流れた後の冷却液(戻り冷却液)は、サーモスタットケース23へと送られる。本実施形態では、サーモスタットケース23は、エンジン100の左側面の前側上部に配置される(図1参照)。サーモスタットケース23は、サーモスタット23aを内部に有する。サーモスタット23aは、冷却液の温度を設定された温度の付近に保つ機能を有する。詳細には、サーモスタット23aの作用により、サーモスタットケース23に送り込まれた戻り冷却液は、冷却が必要とされる場合には冷却液クーラ24に送られ、冷却が不要な場合には直接高温水ポンプ21に戻される。
【0030】
冷却液クーラ24は、戻り冷却液の冷却を行う。冷却液クーラ24は、熱交換を利用して戻り冷却液の冷却を行う熱交換器である。冷却液クーラ24を通過した戻り冷却液は、高温水ポンプ21に送られる。冷却液クーラ24は、液冷式であっても空冷式であってもよい。
【0031】
<3.潤滑システムの概要>
次に、エンジン100が備える潤滑システムの概要について説明する。図6は、エンジン100が備える潤滑システムの概要を示す模式図である。図6に示す潤滑油ポンプ31は、エンジン100における潤滑が必要な各部に潤滑油を供給するためのポンプである。潤滑油ポンプ31は、クランク軸10からギヤを介して伝達される回転動力により駆動される。図6には、潤滑油が潤滑油ポンプ31の駆動により各部に供給される流れのみが示されており、潤滑油がオイルパン2に戻る流れについては図示が省略されている。本実施形態では、潤滑油ポンプ31は、エンジン100の前側に配置される。図1において、潤滑油ポンプ31は、オイルパン2の内側に存在するために隠れて見ない。
【0032】
オイルパン2に貯留された潤滑油は、潤滑油ポンプ31の駆動によってオイルクーラ32に送られる。なお、本実施形態においては、オイルクーラ32には、高温水ポンプ21から冷却液が送られる。オイルクーラ32に送られた潤滑油は、冷却液との間で熱交換を行うことにより冷却される。本実施形態では、オイルクーラ32は、エンジン100の前面上部に配置される(図2参照)。
【0033】
なお、本実施形態では、潤滑油ポンプ31によって吸い上げられた潤滑油のうちの一部は、遠心こし器33へ送られ、遠心こし器33で浄化された後にオイルパン2へ戻される。これにより、オイルパン2内のオイルの浄化を図ることができる。本実施形態において、遠心こし器33は、エンジン100の左側面に配置される(図1参照)。
【0034】
オイルクーラ32を通過した潤滑油は、オイルフィルタ装置34へ送られる。オイルフィルタ装置34は、潤滑油を浄化する。本実施形態において、オイルフィルタ装置34は、エンジン100の前面左側に配置される(図2参照)。
【0035】
オイルフィルタ装置34により浄化された潤滑油は、調圧弁35により所定の圧力に調整されて、エンジン本体1に設けられるメインギャラリ36へ送られる。なお、調圧弁35によりリリーフされた潤滑油はオイルパン2へ戻される。本実施形態において、調圧弁35は、エンジン100の左側面の前側に配置される。
【0036】
メインギャラリ36は、詳細には、左右のシリンダ列15L、15Rのそれぞれに対して1つずつ設けられる。なお、図6では、便宜的に2つのメインギャラリ36は上下に並んでいるが、実際には、2つのメインギャラリ36は、左右に並ぶ。各メインギャラリ36へ送られた潤滑油は、ピストンやクランク軸10等のエンジン本体1に含まれる潤滑が必要な各部に分配される。メインギャラリ36からエンジン本体1の各部へ供給されたオイルは、適宜オイルパン2へ戻される。また、2つのメインギャラリ36のうちの一方を通過した潤滑油は、過給機7へ供給される。詳細には、潤滑油は、左過給機7Lと右過給機7Rとへ供給される。2つのメインギャラリ36のうちの他方を通過したオイルは、燃料ポンプ4へ供給される。過給機7および燃料ポンプ4へ供給されたオイルは、適宜オイルパン2へ戻される。
【0037】
<4.ギヤの構成>
次に、エンジン100が備えるギヤ(歯車)の構成について説明する。図7は、エンジン100が備える、クランク軸10と、クランク軸10の回転により駆動される補機とを抽出して示す概略斜視図である。図7に示すように、クランク軸10の回転により駆動される補機には、上述した燃料ポンプ4、低温水ポンプ18、高温水ポンプ21、および、潤滑油ポンプ31が含まれる。また、補機には、オルタネータ19が含まれる。オルタネータ19は、クランク軸10の回転により生じる回転動力を利用して交流の電気を生成する発電機である。各補機とクランク軸10とは、エンジン100の後部に配置されるフライホイールハウジング3や、エンジン100の前部に配置されるギヤケース20に収容されるギヤを介して連結される。この点の詳細については、後述する。
【0038】
なお、図7に示すように、本実施形態においては、クランク軸10の駆動によりカム軸51も駆動される。カム軸51は、クランク軸10と同様に、前後方向に延びて、シリンダブロック11内に収容される。カム軸51の駆動(回転)により、動弁機構(不図示)が駆動され、エンジン100の吸気弁や排気弁(不図示)が開閉作動を行う。
【0039】
図8は、エンジン100が備えるクランク軸10の概略の構成を示す斜視図である。図8に示すように、クランク軸10の後端部には、後側クランクギヤ101が、クランク軸10に対して相対回転不能に取り付けられる。また、クランク軸10の前端部には、前側クランクギヤ102が、クランク軸10に対して相対回転不能に取り付けられる。すなわち、エンジン100は、クランク軸10の一端側に取り付けられる第1歯車101と、クランク軸10の他端側に取り付けられる第2歯車102とを備える。
【0040】
後側クランクギヤ(第1歯車)101と前側クランクギヤ(第2歯車)102とのうち、少なくとも一方は、平歯車であってよい。平歯車を用いることによって、クランクギヤの部品コストを低減して、エンジン100の製造コストと抑制することができる。本実施形態では、後側クランクギヤ101と前側クランクギヤ102とは、いずれも平歯車である。平歯車は、歯たけが並歯よりも高く構成された高歯歯車であっても良い。なお、後側クランクギヤ101と前側クランクギヤ102とのうち、少なくとも一方は、平歯車ではなく、例えば、はすば歯車等の他の歯車であってもよい。
【0041】
また、後側クランクギヤ(第1歯車)101と前側クランクギヤ(第2歯車)102とのうち、少なくとも一方は、機械構造用炭素鋼鋼材で構成されてよい。機械構造用炭素鋼鋼材を用いることで、クランクギヤの材料コストや製造コストを低減して、エンジン100の製造コストを抑制することができる。本実施形態では、後側クランクギヤ101と前側クランクギヤ102とは、いずれも機械構造用炭素鋼鋼材を用いて構成される。なお、後側クランクギヤ101と前側クランクギヤ102とのうち、少なくとも一方は、機械構造用炭素鋼鋼材ではなく、例えば、クロムモリブデン鋼等の他の材料を用いて構成されてもよい。
【0042】
図9は、エンジン100の後側におけるギヤ配置の概略の構成を示す図である。図9に示すように、エンジン100の後側には、後側クランクギヤ101の他に、補機を駆動する駆動ギヤが配置される。当該駆動ギヤには、燃料ポンプ駆動ギヤ41が含まれる。燃料ポンプ駆動ギヤ41は、燃料ポンプ4に備えられ、当該ポンプの駆動軸に取り付けられる。
【0043】
また、エンジン100の後側には、後側クランクギヤ101や駆動ギヤの他に、少なくとも一つのアイドルギヤが配置される。なお、アイドルギヤは必須ではなく、後側クランクギヤ101に駆動ギヤが噛み合う構成としてもよい。本実施形態では、エンジン100の後側に配置されるアイドルギヤの数は複数である。複数のアイドルギヤには、第1アイドルギヤ61と、第2アイドルギヤ62とが含まれる。本実施形態では、第1アイドルギヤ61は、前後方向に2つの平歯車が並ぶ二段歯車として構成される。第1アイドルギヤ61は、大径の前側歯車61aと、小径の後側歯車61bとを含む。第2アイドルギヤ62は、1つの平歯車で構成される。
【0044】
第1アイドルギヤ61は、後側クランクギヤ101と第2アイドルギヤ62との両方と噛み合う。詳細には、第1アイドルギヤ61を構成する前側歯車61aが、後側クランクギヤ101と噛み合う。第1アイドルギヤ61を構成する後側歯車61bが、第2アイドルギヤ62と噛み合う。第2アイドルギヤ62は、第1アイドルギヤ61と燃料ポンプ駆動ギヤ41との両方と噛み合う。
【0045】
換言すると、燃料ポンプ駆動ギヤ41は、第1アイドルギヤ61および第2アイドルギヤ62を介して後側クランクギヤ101と連結される。クランク軸10の回転により後側クランクギヤ101が回転すると、第1アイドルギヤ61および第2アイドルギヤ62によって燃料ポンプ駆動ギヤ41に回転動力が伝達され、燃料ポンプ駆動ギヤ41が回転する。すなわち、クランク軸10の回転により、燃料ポンプ4が駆動する。
【0046】
図10は、エンジン100の前側におけるギヤ配置の概略の構成を示す図である。図10に示すように、エンジン100の前側には、前側クランクギヤ102の他に、補機等を駆動する複数の駆動ギヤが配置される。複数の駆動ギヤには、低温水ポンプ駆動ギヤ181と、オルタネータ駆動ギヤ191と、高温水ポンプ駆動ギヤ211と、潤滑油ポンプ駆動ギヤ311と、カム軸駆動ギヤ511とが含まれる。
【0047】
なお、低温水ポンプ駆動ギヤ181は、低温水ポンプ18に備えられ、当該ポンプの駆動軸に取り付けられる。オルタネータ駆動ギヤ191は、オルタネータ19に備えられ、当該オルタネータの駆動軸に取り付けられる。高温水ポンプ駆動ギヤ211は、高温水ポンプ21に備えられ、当該ポンプの駆動軸に取り付けられる。潤滑油ポンプ駆動ギヤ311は、潤滑油ポンプ31に備えられ、当該ポンプの駆動軸に取り付けられる。カム軸駆動ギヤ511は、カム軸51の前端部に取り付けられる。
【0048】
また、エンジン100の前側には、前側クランクギヤ102や、複数の駆動ギヤの他に、複数のアイドルギヤが配置される。複数のアイドルギヤには、第3アイドルギヤ63と、第4アイドルギヤ64と、第5アイドルギヤ65と、第6アイドルギヤ66とが含まれる。本実施形態では、第3アイドルギヤ63、第4アイドルギヤ64、および、第6アイドルギヤ66は、1つの平歯車で構成される。第5アイドルギヤ65は、前後方向に2つの平歯車が並ぶ二段歯車として構成される。第5アイドルギヤ65は、小径の前側歯車65aと、大径の後側歯車65bとを含む。
【0049】
第3アイドルギヤ63は、前側クランクギヤ102と低温水ポンプ駆動ギヤ181との両方と噛み合う。換言すると、低温水ポンプ駆動ギヤ181は、第3アイドルギヤ63を介して前側クランクギヤ102と連結される。クランク軸10の回転により前側クランクギヤ102が回転すると、第3アイドルギヤ63によって低温水ポンプ駆動ギヤ181に回転動力が伝達され、低温水ポンプ駆動ギヤ181が回転する。すなわち、クランク軸10の回転により、低温水ポンプ18が駆動する。
【0050】
第4アイドルギヤ64は、前側クランクギヤ102、オルタネータ駆動ギヤ191、および、高温水ポンプ駆動ギヤ211と噛み合う。換言すると、オルタネータ駆動ギヤ191および高温水ポンプ駆動ギヤ211は、第4アイドルギヤ64を介して前側クランクギヤ102と連結される。クランク軸10の回転により前側クランクギヤ102が回転すると、第4アイドルギヤ64によってオルタネータ駆動ギヤ191および高温水ポンプ駆動ギヤ211に回転動力が伝達され、オルタネータ駆動ギヤ191および高温水ポンプ駆動ギヤ211が回転する。すなわち、クランク軸10の回転により、オルタネータ19および高温水ポンプ21が駆動する。
【0051】
第5アイドルギヤ65は、前側クランクギヤ102とカム軸駆動ギヤ511との両方と噛み合う。詳細には、第5アイドルギヤ65を構成する後側歯車65bが、前側クランクギヤ102と噛み合う。第5アイドルギヤ65を構成する前側歯車65aが、カム軸駆動ギヤ511と噛み合う。カム軸駆動ギヤ511は、第5アイドルギヤ65を介して前側クランクギヤ102と連結される。クランク軸10の回転により前側クランクギヤ102が回転すると、第5アイドルギヤ65によってカム軸駆動ギヤ511に回転動力が伝達され、カム軸駆動ギヤ511が回転する。すなわち、クランク軸10の回転により、カム軸51が駆動する。
【0052】
第6アイドルギヤ66は、前側クランクギヤ102と潤滑油ポンプ駆動ギヤ311との両方と噛み合う。換言すると、潤滑油ポンプ駆動ギヤ311は、第6アイドルギヤ66を介して前側クランクギヤ102と連結される。クランク軸10の回転により前側クランクギヤ102が回転すると、第6アイドルギヤ66によって潤滑油ポンプ駆動ギヤ311に回転動力が伝達され、潤滑油ポンプ駆動ギヤ311が回転する。すなわち、クランク軸10の回転により、潤滑油ポンプ31が駆動する。
【0053】
以上からわかるように、エンジン100が備える複数の駆動ギヤは、クランク軸10の後方と前方とに分けて配置される。このために、後側クランクギヤ101と前側クランクギヤ102とのうちの一方に偏って大きな負荷が加わることを抑制することができる。
【0054】
また、本実施形態では、エンジン100は、後側クランクギヤ(第1歯車)101と前側クランクギヤ(第2歯車)102とのうちいずれかと噛み合う複数の被動歯車(本実施形態ではアイドルギヤ61、63、64、65、66が該当)を備える。そして、後側クランクギヤ(第1歯車)101は、複数の被動歯車のうちエンジン最高出力時の駆動トルクが最も大きい第1被動歯車と噛み合う。また、前側クランクギヤ(第2歯車)102は、複数の被動歯車のうちエンジン最高出力時の駆動トルクが二番目に大きい第2被動歯車が噛み合う。
【0055】
なお、エンジン最高出力時は、エンジン100の出力が最高となった状態を指す。また、上述の第1被動歯車は、エンジン100が最高出力時でない場合には、複数の被動歯車の中で駆動トルクが最も大きくなくてもよい。また、上述の第2被動歯車は、エンジン100が最高出力時でない場合には、複数の被動歯車の中で駆動トルクが二番に大きくなくてもよい。
【0056】
エンジン100の最高出力時においては、クランクギヤ101、102は、当該クランクギヤと噛み合う被動歯車から大きな力を受けやすい。本実施形態では、エンジン100の最高出力時において駆動トルクが大きくなる上位2つの被動歯車が、クランク軸10の前後に分散して配置される。このために、前後のクランクギヤのうちの一方に偏って過大な負荷が加わることを抑制することができる。この結果、クランクギヤ101、102が損傷する可能性を低減できるとともに、クランクギヤ101、102の寿命を延ばすことができる。すなわち、本実施形態によれば、エンジン100の耐久性および信頼性を向上することができる。
【0057】
また、本実施形態では、クランクギヤ101、102に加わる負荷が過度に大きくなることを抑制することができるために、クランクギヤ101、102の強度レベルについては、多少の低下が許容されることなる。このために、例えば、はすば歯車に比べて強度が低いとされる平歯車で、クランクギヤ101、102を構成することができる。また、例えば、クロムモリブデン鋼よりも強度が低くなる機械構造用炭素鋼鋼材を用いてクランクギヤ101、102を構成することができる。
【0058】
本実施形態では、上述の第1被動歯車は、第1アイドルギヤ61である。すなわち、上述の第1被動歯車によって、燃料ポンプ4が駆動される。なお、本実施形態では、燃料ポンプ4は、コモンレールに燃料を供給する構成のエンジンと同様に燃料供給ポンプと表現することができる。ただし、本発明は、コモンレールを採用しない構成のエンジンにも適用することができ、この場合、燃料ポンプ4は、いわゆる燃料噴射ポンプであってよい。以上からわかるように、エンジンは、上述の第1被動歯車によって、燃料供給ポンプ又は燃料噴射ポンプが駆動される構成とされてよい。
【0059】
また、本実施形態では、燃料ポンプ4を駆動する燃料ポンプ駆動ギヤ41以外の駆動ギヤは、エンジン100の前側に配置される。すなわち、上述の第2被動歯車は、前側クランクギヤ102と噛み合う。上述の第2被動歯車は、例えば、第3アイドルギヤ63、第4アイドルギヤ64、および、第6アイドルギヤ66のうちのいずれかであってよい。すなわち、上述の第2被動歯車は、低温水ポンプ18、高温水ポンプ21、および、潤滑油ポンプ31のうちのいずれかを駆動する構成であってよい。なお、低温水ポンプ18および高温水ポンプ21は、冷却液ポンプの例示である。また、冷却液ポンプと潤滑油ポンプとが同じアイドルギヤで駆動される構成としてもよい。以上からわかるように、エンジンは、上述の第2被動歯車によって、冷却液ポンプおよび潤滑油ポンプのうちの少なくとも一方が駆動される構成であってよい。
【0060】
また、以上では、第1歯車101と噛み合う歯車が、上述の第1被動歯車のみとしたが、これは例示にすぎない。第1歯車101は、上述の第1被動歯車に加えて、上述の第2被動歯車以外の歯車と噛み合ってもよい。すなわち、エンジン100の後部に、燃料ポンプ4以外の補機が配置されてもよい。また、以上では、第1歯車101がエンジン100の後側に配置され、第2歯車102がエンジン100の前側に配置される構成としたが、これは例示である。すなわち、第1歯車がエンジンの前側に配置され、第2歯車がエンジンの後側に配置される構成であってもよい。
【0061】
また、クランク軸10の駆動によって駆動される補機の数や種類について、以上に示した構成は例示にすぎない。クランク軸10の駆動によって駆動される補機の数や種類について、以上に示した構成以外としてよい。
【0062】
例えば、以上では、燃料ポンプ4の数が1つとされたが、燃料ポンプ4の数は複数とされてもよい。この場合、例えば、図11に示すように、第2アイドルギヤ62と噛み合う燃料ポンプ駆動ギヤ41の数が複数とされてよい。図11に示す例では、燃料ポンプ4の数が2つである場合を想定しており、第2アイドルギヤ62には、第1燃料ポンプ駆動ギヤ41Aと第2燃料ポンプ駆動ギヤ41Bとが噛み合っている。
【0063】
また、例えば、エンジンが舶用エンジンとされる場合、エンジンが、クランク軸10の駆動によって駆動される海水ポンプを備える構成としてよい。この場合、例えば図12に示すように、第3アイドルギヤ63に、低温水ポンプ駆動ギヤ181に加えて、海水ポンプ駆動ギヤ71が噛み合う構成等としてよい。なお、海水ポンプは、海水を用いた熱交換を利用して上述した冷却液(高温水や低温水)を冷却する熱交換器に、海水を供給するためのポンプであってよい。
【0064】
<5.留意事項等>
本明細書中に開示される種々の技術的特徴は、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。また、本明細書中に示される複数の実施形態および変形例は可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
【0065】
以上に説明した実施形態では、本発明がV型エンジンに適用される構成とした。ただし、これは例示にすぎない。本発明は、例えば、ピストンが上下方向に往復動する直列型エンジンや、ピストンが水平方向に往復動する水平対向型エンジン等の他のエンジンにも広く適用可能である。
【0066】
<6.付記>
本明細書における例示的なエンジンは、クランク軸と、前記クランク軸の一端側に取り付けられる第1歯車と、前記クランク軸の他端側に取り付けられる第2歯車と、前記第1歯車と前記第2歯車とのうちいずれかと噛み合う複数の被動歯車と、を備え、前記第1歯車は、前記複数の被動歯車のうちエンジン最高出力時の駆動トルクが最も大きい第1被動歯車と噛み合い、前記第2歯車は、前記複数の被動歯車のうちエンジン最高出力時の駆動トルクが二番目に大きい第2被動歯車と噛み合う構成(第1の構成)であってよい。
【0067】
上記第1の構成のエンジンは、前記第1被動歯車によって、燃料供給ポンプ又は燃料噴射ポンプが駆動される構成(第2の構成)であってよい。
【0068】
上記第1又は第2の構成のエンジンは、前記第2被動歯車によって、冷却液ポンプおよび潤滑油ポンプのうちの少なくとも一方が駆動される構成(第3の構成)であってよい。
【0069】
上記第1から第3のいずれかの構成のエンジンにおいて、前記第1歯車および前記第2歯車のうちの少なくとも一方は、平歯車である構成(第4の構成)であってよい。
【0070】
上記第1から第4のいずれかの構成のエンジンにおいて、前記第1歯車および前記第2歯車のうちの少なくとも一方は、機械構造用炭素鋼鋼材で構成される構成(第5の構成)であってよい。
【符号の説明】
【0071】
4・・・燃料ポンプ
10・・・クランク軸
18・・・低温水ポンプ
21・・・高温水ポンプ
31・・・潤滑油ポンプ
61・・・第1アイドルギヤ
63・・・第3アイドルギヤ
64・・・第4アイドルギヤ
66・・・第6アイドルギヤ
100・・・エンジン
101・・・後側クランクギヤ
102・・・前側クランクギヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12