(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087106
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240624BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201710
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡野 雅大
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA06
2C088AA12
2C088AA42
2C088CA19
2C088EB14
(57)【要約】
【課題】大当たりの獲得に対する遊技者の期待感を高められる遊技機を提供する。
【解決手段】判定手段の判定結果が第一当選となる場合に、特別遊技状態後に有利遊技を可能にする第一有利状態と、該判定手段の判定結果が第二当選となる場合に、特別遊技状態を介することなく有利遊技を可能にする第二有利状態を備え、該第一有利状態の終了時であるときに使用可能とされる特定の判定条件に基づいて該第二当選の判定結果とすることを優遇させる、遊技機の提供ができる。本開示によれば、第一有利状態の終了時であるときに遊技する遊技者に対して新たな興趣を向上させることが可能となる。
【選択図】
図35-2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の進行に応じて当否に関する判定情報を取得可能な取得手段と、
複数種類の判定条件のいずれかに基づいて前記判定情報の判定を行うことにより第一当選又は第二当選の判定結果を導出可能な判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて所定の作動要件を満たした場合に実行できるようにする特別遊技状態を含む複数の遊技状態に関する制御が可能な遊技制御手段と、
を備え、
前記複数の遊技状態は、
起動時における初期設定の遊技状態に関する所定の通常状態と、
前記判定結果が前記第一当選となる場合に前記特別遊技状態の終了に基づいて付与可能とされる前記所定の通常遊技より有利な遊技状態に関する第一有利状態と、
前記判定結果が前記第二当選となる場合に前記特別遊技状態を介することなく付与可能とされる前記第一有利状態とは異なる遊技状態に関する第二有利状態と、が含まれ、
前記複数種類の判定条件は、
前記所定の通常状態であるときに使用可能とされ、前記特別遊技状態の終了後に行われる前記第一有利状態の実行可能期間を、前記第二有利状態における前記第一当選となるときよりも長くして付与可能とする第一判定条件と、
あらかじめ定められた前記第一有利状態の終了条件を満たす場合に使用可能とされ、前記第一判定条件であるときよりも前記第二当選の判定結果とすることを優遇させる第二判定条件と、が含まれることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記取得手段が取得した1又は複数の判定情報の記憶が可能な記憶手段を備え、
前記第二判定条件は、
前記第一有利状態の終了条件を満たし得る所定の前記判定結果を導出するときの前記判定情報、又は、当該判定結果の導出を行う際に前記記憶手段に記憶されている前記判定情報の少なくともいずれかであって、前記判定情報の判定結果が前記第一当選とならない場合に前記第二当選を優遇する判定を可能とすることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第二判定条件は、
前記判定結果が前記第一当選となる場合に、前記所定の通常状態で前記第一当選となる場合よりも、前記特別遊技状態の終了後に付与可能とされる前記第一有利状態の実行可能期間を短くすることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記複数種類の判定条件は、
さらに、前記第二有利状態であるときに使用可能とされる第三判定条件を備え、
前記第三判定条件は、
前記判定結果が前記第一当選となる場合に、前記第一有利状態の開始から終了条件を満たす前までで前記第一当選となる場合よりも、前記特別遊技状態の終了後に付与可能とされる前記第一有利状態の実行可能期間を短くすることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項5】
遊技球の流下が可能な遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域に配置され、前記遊技球の球通過が可能な第一入賞口及び第二入賞口と、
前記遊技球の捕捉が困難な位置と前記遊技球の捕捉が容易な位置とに変位可能な可動部を用いて捕捉した前記遊技球を前記第一入賞口に誘導可能な入球支援手段と、
を備え、
前記第一有利状態は、
前記第一有利状態の終了条件を満たすまで前記入球支援手段の可動部を前記所定の通常遊技より有利な変位にすることに基づいて前記第一入賞口に前記遊技球を誘導可能とし、
前記取得手段は、
前記第一入賞口及び前記第二入賞口のいずれかへの入球に基づいて前記判定情報を取得可能とし、
前記第二判定条件は、
前記第一入賞口への入球に応じて取得した前記判定情報の判定を行う場合に前記第二当選を優遇する判定を可能とすることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項6】
前記所定の通常状態において前記入球支援手段の可動部を変位させる通常可動パターンと、前記第二有利状態において前記入球支援手段の可動部を前記通常可動パターンとは異なるよう変位させる専用可動パターンを備え、
前記専用可動パターンは、
前記通常可動パターンに基づく前記入球支援手段の可動部の変位に応じて捕捉可能とする前記遊技球の数とおおむね同等となるようにすることを特徴とする請求項5に遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機では、始動口(入球口)に遊技球が入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定の結果を報知する特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるという結果が導出されると、遊技者に有利な大当たり遊技が実行される(特許文献1参照)。
【0003】
そして、特許文献1に係る遊技機では、特別図柄の変動表示中に大当たり遊技が実行される可能性があることを示唆する予告演出の実行をさせたり、大当たり遊技が実行された後において通常遊技状態よりも始動口に遊技球が入球しやすい入賞容易状態(時短状態)にさせたりすることで、遊技者の期待感を高めるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来技術では、大当たりの獲得に対する遊技者の期待感を高めることに関して、十分に高めているとは言い難いという問題があった。
【0006】
そこで、本開示は、このような問題を鑑みてなされたものであり、遊技者が行う遊技に関する興趣を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの側面では、遊技の進行に応じて当否に関する判定情報を取得可能な取得手段と、複数種類の判定条件のいずれかに基づいて前記判定情報の判定を行うことにより第一当選又は第二当選の判定結果を導出可能な判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて所定の作動要件を満たした場合に実行できるようにする特別遊技状態を含む複数の遊技状態に関する制御が可能な遊技制御手段と、を備え、前記複数の遊技状態は、起動時における初期設定の遊技状態に関する所定の通常状態と、前記判定結果が前記第一当選となる場合に前記特別遊技状態の終了に基づいて付与可能とされる前記所定の通常遊技より有利な遊技状態に関する第一有利状態と、前記判定結果が前記第二当選となる場合に前記特別遊技状態を介することなく付与可能とされる前記第一有利状態とは異なる遊技状態に関する第二有利状態と、が含まれ、前記複数種類の判定条件は、前記所定の通常状態であるときに使用可能とされ、前記特別遊技状態の終了後に行われる前記第一有利状態の実行可能期間を、前記第二有利状態における前記第一当選となるときよりも長くして付与可能とする第一判定条件と、あらかじめ定められた前記第一有利状態の終了条件を満たす場合に使用可能とされ、前記第一の判定条件であるときよりも前記第二当選の判定結果とすることを優遇させる第二判定条件と、が含まれる遊技機が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、遊技者が行う遊技に関する興趣を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るパチンコ遊技機の正面図である。
【
図2】同パチンコ遊技機が備える第2大入賞装置等を示す概略正面図である。
【
図3】
図1に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。
【
図4】同パチンコ遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図5】同パチンコ遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図6】遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。
【
図7】(A)特別当たり乱数の判定テーブルである。(B)大当たり図柄の種別判定テーブルである。(C)小当たり図柄の種別判定テーブルである。(D)リーチ判定テーブルである。(E)時短図柄の種別判定テーブルである。
【
図8】大当たり図柄種別判定テーブル及び小当たり図柄種別判定テーブルであり、大当たり及び小当たりの種類を説明する表である。
【
図9】(A)普図当たり判定テーブルである。(B)普図の種別判定テーブルである。(C)普図変動パターン判定テーブルである。(D)電チューの開放パターン判定テーブルである。
【
図12】主制御メイン処理のフローチャートである。
【
図13】メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図18】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図19】大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図20】変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図21】特別図柄変動中処理のフローチャートである。
【
図22】特別図柄確定処理のフローチャートである。
【
図23】遊技状態管理処理のフローチャートである。
【
図24】特別電動役物処理1(大当たり遊技)のフローチャートである。
【
図25】遊技状態設定処理のフローチャートである。
【
図26】特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。
【
図27】特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。
【
図28】振分部材制御処理のフローチャートである。
【
図29】小当たり図柄の種別に応じた第2大入賞口の開放パターン及び振分部材の作動パターンを示すタイミングチャートである。
【
図30】特定領域センサ検出処理のフローチャートである。
【
図31】サブ制御メイン処理のフローチャートである。
【
図32】1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図33】10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。
【
図34-1】先読み演出実行処理(その1)のフローチャートである。
【
図34-2】保留変化予告のタイムチャートである。
【
図34-3】先読み演出実行処理(その2)のフローチャートである。
【
図35-1】遊技フロー(その1)を説明する図である。
【
図35-2】遊技フロー(その2)を説明する図である。
【
図36】(A)昼背景モードの背景画像を示す図である。(B)夜背景モードの背景画像を示す図である。(C)炎背景モードの背景画像を示す図である。
【
図37】変動演出における通常変動の具体例を示す説明図である。
【
図38】変動演出におけるNリーチ(ノーマルリーチ)の具体例を示す説明図である。
【
図39】変動演出におけるSPリーチの具体例を示す説明図である。
【
図40】変動演出におけるバトルリーチの具体例を示す説明図である。
【
図41】小当たり遊技後の演出展開の具体例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)においては、遊技機として、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を行うことが可能なパチンコ遊技機1を例示して説明する。
【0011】
なお、以下の説明は、当業者においてよく知られた技術的事項等については説明を簡略化又は省略することがある。また、当業者において通用されている用語は、その用語の定義説明等を省略して用いることがある。以下、括弧書き記載による補足内容は例示であり、その補足内容に限定されない。
【0012】
[パチンコ遊技機1の基本的なゲーム進行の概要]
以下で例示するパチンコ遊技機1は、遊技者が行う所定操作(ハンドルの回転操作)に応じて発射された遊技球を受け入れ(進入)可能とする遊技盤面(遊技球を流下させる遊技領域)に設けられた所定の入球口に遊技球が入球(遊技の進行)した場合に所定抽選の実施条件(判定情報の取得/判定要素の取得)を満たし、このことを起因とする所定契機(First-In First-Out方式に基づく抽選判定の開始タイミング/遊技条件の成立/抽選判定の開始要件の成立/本判定)に基づいて識別図柄(始動口の入球に関連する特別図柄、又は、ゲートの入球に関連する普通図柄)の変動表示が遊技機用表示装置(図柄表示器/セグ表示部)にて開始され、その開始後から所定の変動時間が経過した際に所定抽選の結果(抽選要素の判定/当否)に対応する所定種類の停止表示態様となるように識別図柄を停止表示させることで、遊技結果(当否の報知)を導出するゲーム進行を可能としている。
【0013】
また、前述の識別図柄の変動表示中において、遊技機用の演出表示装置(液晶)によって1又は複数の演出図柄の変動表示を可能とさせ、所定抽選の結果を勘案した所定の演出シナリオ(演出変動パターン)に沿ってゲーム進行(変動表示中)に係る演出報知(所定絵柄による動画表示)をすることで、当該所定抽選の結果を導出する前(識別図柄の停止表示前)に当選期待度に関する事前示唆(予告)を遊技者に対して報知可能とし、その後に獲得可能な遊技利益(賞球、特典状態、有益情報)に関する遊技者の期待感を高められるゲーム性としている。
【0014】
そして、停止表示した識別図柄の態様種類が通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり又は小当たり)に移行可能な当選結果(当選用の識別図柄の停止表示)となる場合には、遊技盤面上において通常遊技時では入球困難な状態(閉)としているあらかじめ定められた特定の入球口(入賞口又は大入賞口)に対応して設けられる所定の可動部(開閉装置)を動作させて入球容易な状態(開)とすることを可能とし、当該特定の入球口に遊技球を入球させることに基づいて遊技者に所定の遊技利益を獲得可能とするゲーム性としている。
【0015】
なお、前述の所定の可動部の実行条件(開始)については、当選結果の報知がされたことを起因としてもよいし、当選結果の報知後においてあらかじめ定められた特定入球領域に遊技球を進入させたこと(所定の作動要件を満たす)を起因としてもよい。
【0016】
さらに、前述の特別遊技の終了後などにおいて、所定抽選の当選確率を通常遊技に対応する確率(低確率状態)より高い確率にする確率変動状態、及び/又は、識別図柄の変動表示に関する実行効率を通常遊技時よりも高くし得る時間短縮状態(以下、時短状態ともいう)の少なくともいずれかに基づく有利状態(通常遊技時より優位なゲーム進行ができる特典状態、好機遊技状態、チャンス期間)の移行を可能とし、この有利状態を所定の開始条件の達成(抽選結果、遊技回数、所定の入球検知、あらかじめ定められた遊技状態の終了後など)に基づいて実施可能とすることで遊技の興趣性を高められるゲーム進行をできるようにしている。
【0017】
[遊技機の構造]
本実施形態であるパチンコ遊技機1(以下、本パチンコ遊技機1とも称す)について、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、実施形態の本パチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの遊技盤2を露呈可能に開閉が可能(軸支)とされる前面枠51には、遊技盤2を全体的に覗き見ることを可能とする透明窓(ガラス板)3C、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60a、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。
【0018】
また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63及びセレクトボタン64(
図1中の一点鎖線内の平面図参照)が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66及びスピーカ67が設けられている。演出ボタン63は、その内部に内部発光体(不図示)及び振動装置63bが内蔵されている。
【0019】
本パチンコ遊技機1では、内部発光体が発光することで、演出ボタン63が発光する。また、振動装置63bが振動することで、演出ボタン63が振動する。内部発光体の発光態様には、複数種類ある。具体的に、内部発光体の発光態様には、内部発光体が白色に発光する白色発光態様、内部発光体が黄色に発光する黄色発光態様、内部発光体が赤色に発光する赤色発光態様など、がある。
【0020】
なお、本実施形態では、特別図柄の変動中又は所定の当たり状態中における所定演出の発動契機時、又は、複数の演出のいずれかを選択する契機時などにおいて演出ボタン63の入力が有効化され、この際に内部発光体が所定色の発光態様となる場合及び/又は振動装置63bが所定パターンの振動態様となる場合があるように実行化される。そして、このときに演出ボタン63の入力(1回押し、長押し、連打など)をすることで、所定演出を発動させる、又は、複数の演出の中のいずれかを選択決定することを可能としている。
【0021】
遊技盤2には、ハンドル60aの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(
図5参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
【0022】
図1に示すハンドル60aは、遊技中(特別図柄の変動表示中)においてハンドル60aに内蔵された送風装置(ポンプアクチュエータ)60bから送風された空気(エア)を吐出孔60cから吐出できるようにしている。具体的に、送風装置60bは、瞬間的な風を連続的に生じさせることを可能とするポンプアクチュエータの構成としている。しかし、本発明はポンプアクチュエータの構成に限定されず、当該ポンプアクチュエータに代えて任意に風を生じさせ得る他の送風装置(例えば、扇風機などのファン)としてもよい。
【0023】
また、本実施形態においては、画像表示装置7の表示画面7aで行われる演出図柄の変動表示又は所定絵柄(ボタン操作指示画像63c等)による演出表示と連動してポンプアクチュエータを駆動させて風を発生可能とさせる駆動制御の構成としているが、パチンコ遊技機1の遊技過程における他のタイミングに合致させてポンプアクチュエータ(他の送風装置を含む)を駆動制御させるような構成にしてもよい。
【0024】
したがって、パチンコ遊技機1の前側近傍となるハンドル60aを把持する遊技者の掌の辺りにおいて、送風装置60bから生成される風の吐出(触覚により知覚可能な体感情報)に基づく送風演出を、レバー部60eを把持(タッチスイッチ114(
図4参照)をON)して回動操作する遊技者に付与可能としている。
【0025】
また本パチンコ遊技機1の前側近傍(打球供給皿61の辺り)において、振動装置63bから生成される振動(触覚により知覚可能な体感情報)に基づく振動演出を、演出ボタン63を押下(演出ボタン検出スイッチ63a(
図5参照)をON/所定の入力処理)する遊技者に付与可能とするようにしている。
【0026】
また、変形例として、送風装置60b又は振動装置63bが設けられる位置は、パチンコ遊技機1の前側であって、パチンコ遊技機1の前方で座位する遊技者に対して触覚により知覚可能な体感情報(風/振動)を付与可能な位置であれば、適宜な位置に設けるようにしてもよい。
【0027】
例えば、ハンドル60内に振動装置63bを設けて、当該振動装置63bから生成される振動(触覚により知覚可能な体感情報)をパチンコ遊技機1の前側近傍(遊技者がハンドル60aを把持する掌の辺り)まで振動を伝達させる構成にしてもよい。また、スピーカ67内に送風装置60bを設けて、スピーカ67の前側に設けた吐出孔からパチンコ遊技機1の前側近傍(画像表示装置を視認する遊技者の顔の辺り)まで風を送り出し可能に設ける構成にしてもよい。
【0028】
また、
図1に示すように遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面(表示部)7aには、後述の第1特別図柄(以下、特
図1とも称す)及び第2特別図柄(以下、特
図2とも称す)の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域がある。
【0029】
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの表示領域からなる。左の表示領域には左演出図柄8Lが表示され、中の表示領域には中演出図柄8Cが表示され、右の表示領域には右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。
【0030】
画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の特
図1表示器41a及び特
図2表示器41b(
図3参照)にて表示される特
図1及び特
図2の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
【0031】
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、落選に係る特図ハズレであった場合には「263」などのバラケ目(特図ハズレ目)で演出図柄を停止表示する。また、小当たりに当選した場合にはあらかじめ定めた小当たり出目(任意に設定可能、ゾロ目やバラケ目であってもよい)で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を特
図1表示器41aや特
図2表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、演出図柄8L,8C,8Rの表示領域の位置は固定的でなくてもよい。
【0032】
また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、大当たり当選時や小当たり当選時に所定の特殊図柄を含む特殊出目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
【0033】
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」とも言う)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
【0034】
また、本パチンコ遊技機1は、遊技者が演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64a(
図5参照)を操作して遊技者自身が特別図柄の変動中又は所定の当たり状態中における演出に関する所定遊技報知の出力契機や、リーチ演出(予告)等の発生頻度などを任意に変更設定できる機能を備えている。具体的には、客待ち用のデモ演出が表示されているときにメニュー画像を画像表示装置7に表示可能とし、メニュー画像を表示させることに基づいて遊技者の好みに応じた演出への変更設定を可能する仕様としている。
【0035】
なお、遊技者の好みに応じた演出への変更設定に関しては、遊技者がセレクトボタン64を利用して特別図柄の変動中において行われる演出の演出態様の変更や、演出(リーチ演出や先読み演出など)の発生頻度(演出を発生させないを含む)の変更に関する変更設定や、送風装置60bに基づいて発生させる送風演出又は振動装置63bに基づいて発生させる振動演出の発生頻度(演出を発生させないを含む)の変更設定や、いわゆる、オートボタン機能(ボタン押下せずに、ボタン押下があったとしてボタン演出を実行可能とする機能)に関する変更設定をできるようにしてよい。
【0036】
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の特
図1保留の記憶数に応じて保留アイコン(特
図1保留アイコン、特
図2保留アイコン)9Aを表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコン9Aの表示により、後述の特
図1保留表示器43a又は特
図2保留表示器43bにて表示される特
図1保留又は特
図2保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
【0037】
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
【0038】
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球しやすさが常に変わらない第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20を、第1入賞口や固定入球口、第1入球口ともいう。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄(特
図1)の抽選(大当たり抽選、すなわち抽選情報に係る特図当たり乱数等(判定情報)の取得)の契機となっている。
【0039】
また第1始動口20の右上方には、第2始動口(第一入球口)21を備える普通可変入賞装置(入球支援手段/いわゆる電動チューリップ、普通電動役物、以下において電チューと称す)22が設けられている。第2始動口21を第2入賞口や可変入球口、第2入球口ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄(特
図2)の抽選(大当たり抽選、すなわち抽選情報に係る特図当たり乱数等(判定情報)の取得)の契機となっている。
【0040】
本実施形態の電チュー22は、前後に進退可能な板材に基づくスライド式の可動部材(入球口開閉部材、可動部)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(
図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態として盤面より前方に突出しているとき)だけ遊技球の捕捉が可能とされ、当該捕捉された遊技球が可動部材23を介して誘導されてくることで入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態として盤面より後方に没入しているとき)には遊技球の捕捉ができなくなるため入球不可能となっている。なお、変形例として、盤面に沿って左右方向に開閉する羽根式の可動部材からなる電動チューリップ(周知)の構成にしてもよい。
【0041】
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口(他の特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、他の特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(他の特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(
図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、扉状の開閉部材32が開いて開口しているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球の捕捉が可能とされ、当該捕捉された遊技球が開閉部材32を介してその開口へと誘導されてくることで入球可能となる。
【0042】
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口(特別入賞口に相当)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、特別入賞手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、板材が前後に進退するスライド式のものであり、第2大入賞口ソレノイド38(
図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、スライド式の開閉部材37が開いて開口しているとき(つまり開状態として盤面より後方に没入しているとき)だけ遊技球の落下がその開口から可能とされ、当該遊技球の落下が行われることで入球可能となり、スライド式の開閉部材37が閉じているとき(つまり閉状態として盤面より前方に突出しているとき)は遊技球を落下させることができないことから入球不可能となる。
【0043】
より詳細には、
図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39及び非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39及び非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39又は非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。
【0044】
なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1の状態(通過許容状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)をとる。
【0045】
振分部材71は、
図2に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、特定領域39への遊技球の通過を許容する通過許容状態にある。振分部材71が通過許容状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
【0046】
また振分部材71は、
図2に破線で示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、特定領域39への遊技球の通過を妨げる通過阻止状態にある。振分部材71が通過阻止状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71上を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
【0047】
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技の実行契機となっている。つまり本実施形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。
【0048】
上述の特
図1の抽選又は特
図2の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選(いわゆるV入賞)する大当たりを2種大当たりという。
【0049】
また、1種大当たりに当選して実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技といい、2種大当たりに当選して実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技という。また、1種大当たりを直撃大当たりともいう。なお、このように本パチンコ遊技機1は、いわゆる1種2種混合機である。以下において、1種大当たりに係る遊技と2種大当たりに係る遊技の総称として、「当たり遊技」と称する場合がある。
【0050】
また、
図1に示すように、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート(第二入球口)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否か(条件成立)を決める普通図柄(以下、普図とも称す)の決定に関する普図抽選(すなわち、抽選情報に係る普図関係乱数(判定情報)の取得)の実行契機となっている。
【0051】
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
【0052】
このように各種の入球口(始動口、等)が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bと、がある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
【0053】
第1流路R1上には、第1始動口20と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙う。
【0054】
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過、電チュー22に係る第2始動口21、第1大入賞口30、又は第2大入賞口35への入賞を狙う。
【0055】
なお、本実施形態では、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36とはユニット化されており、一つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。また、固定入賞装置19と第1大入賞装置31とはユニット化されており、一つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。
【0056】
また
図1及び
図3に示すように、遊技盤2の右下部には、各入球口(始動口、ゲート)のそれぞれに対応して変動開始が可能となる所定の識別図柄(識別情報)を表示可能とするための表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄(特
図1)を可変表示する特
図1表示器41a、第2特別図柄(特
図2)を可変表示する特
図2表示器41b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器42が含まれている。また、表示器類40には、特
図1表示器41aの作動保留(以下、特
図1保留とも称す)の記憶数を表示する特
図1保留表示器43aと、特
図2表示器41bの作動保留(以下、特
図2保留とも称す)の記憶数を表示する特
図2保留表示器43bと、普図表示器42の作動保留(以下、普図保留とも称す)の記憶数を表示する普図保留表示器42aとが含まれている。
【0057】
特
図1の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。特
図2の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、特
図1及び特
図2を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、特
図1表示器41a及び特
図2表示器41bを総称して特図表示器(特別図柄表示器、図柄表示器、セグ表示部)41ということがある。
【0058】
特別図柄表示器41では、特別図柄(特
図1又は特
図2)を可変表示(変動表示)した後に停止表示(変動表示の終了)をすることにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選、当否に関する判定情報、特図用の乱数)の判定結果を所定時間の経過となるまで報知(確定表示)をする。停止表示される特別図柄(停止図柄の態様表示、可変表示した結果として導出される特別図柄の態様表示)は、特別図柄抽選(以下、特図抽選とも称す)によって複数種類の特別図柄(特
図1又は特
図2)の中から選択された一つの特別図柄である。
【0059】
停止図柄があらかじめ定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種別(つまり当選した大当たりの種類)に応じた大入賞口の開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技が行われる。また、停止図柄があらかじめ定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種別(つまり当選した小当たりの種類)に応じた大入賞口の開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技が行われる。なお、大当たり遊技及び小当たり遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
【0060】
具体的な一例としての特別図柄表示器41(41a、41b)は、横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄(大当たりを報知するための特別図柄)を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄(小当たりを報知するための特別図柄)を表示する。また、特図ハズレ(後述の複数種類の特別図柄のハズレのうちの一つ)である場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯した特別ハズレ図柄(ハズレを報知するための特別図柄)を表示する。また、格別ハズレ(C時短当たり、特殊ハズレ)を報知するための特別図柄(特別ハズレ図柄の一つ、以下において特図ハズレとも称す)として全てのLEDを消灯させる態様を使用している。
【0061】
また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど、適宜変更可能である。
【0062】
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球(センサ検知)があると、その入球に起因する特図入賞(以下、始動入賞とも称す)とし取得した特図抽選情報(特図当たり乱数等)に係る各種乱数の値(判定情報)は、特
図1保留記憶部85a又は特
図2保留記憶部85b(
図4参照)において該当する特図抽選に係る判定処理が消化(いわゆる当該図柄の変動が実行、各乱数(各判定情報)の本判定が実行)されるまで一時的に記憶される。
【0063】
詳細には、第1始動口20への入球(センサ検知)があると、その入球に起因する特
図1入賞(始動入賞)に基づいて取得した特
図1抽選情報(特
図1当たり乱数等)に係る各種乱数の値(判定情報)が特
図1保留(保留する判定情報)として特
図1保留記憶部85a(
図4参照)に記憶される。また、第2始動口21への入球(センサ検知)があると、その入球に起因する特
図2入賞(始動入賞)に基づいて取得した特
図2抽選情報(特
図2当たり乱数等)に係る各種乱数の値(判定情報)が特
図2保留(保留する判定情報)として特
図2保留記憶部85b(
図4参照)に記憶される。特
図1保留記憶部85aに記憶可能な特
図1保留の数、及び、特
図2保留記憶部85bに記憶可能な特
図2保留の数とには上限があり、本実施形態における上限値(上限記憶数、上限保留数)は「4」となっている。
【0064】
特
図1保留記憶部85aに記憶された特
図1保留は、その特
図1保留に基づく特別図柄の可変表示(特別図柄の抽選の判定)が可能となったとき(始動条件(抽選判定の開始)の成立時)に消化される。特
図1保留の消化とは、その特
図1保留に対応する特図当たり乱数等の特図抽選情報(判定情報)を判定して、その判定結果(当選態様又はハズレ態様)を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。したがって本パチンコ遊技機1では、第1始動口20への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中又は大当たり遊技の実行中において第1始動口20への入賞があった場合に、その入賞に対する大当たり抽選の権利(特図関係乱数に係る特図抽選情報(判定情報)の判定)をあらかじめ定められた上限値となるまで留保することができるようになっている。
【0065】
そしてこのような特
図1保留の数は、特
図1保留表示器43aに表示される。具体的には特
図1保留表示器43aは4個のLEDで構成されている。特
図1保留表示器43aは、特
図1保留の数だけLEDを点灯させることにより特
図1保留の数を表示する。
【0066】
また特
図2保留記憶部85bに記憶された特
図2保留は、その特
図2保留に基づく特別図柄の可変表示(特別図柄の抽選の判定)が可能となったとき(始動条件(抽選判定の開始)の成立時)に消化される。特
図2保留の消化とは、その特
図2保留に対応する特図当たり乱数等の特図抽選情報(判定情報)を判定して、その判定結果(当選態様又はハズレ態様)を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。したがって本パチンコ遊技機1では、第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中又は大当たり遊技の実行中において第2始動口21への入賞があった場合に、その入賞に対する大当たり抽選の権利(特図関係乱数に係る特図抽選情報(判定情報)の判定)をあらかじめ定められた上限値となるまで留保することができるようになっている。
【0067】
そしてこのような特
図2保留の数は、特
図2保留表示器43bに表示される。具体的には特
図2保留表示器43bは4個のLEDで構成されている。特
図2保留表示器43bは、特
図2保留の数だけLEDを点灯させることにより特
図2保留の数を表示する。
【0068】
なお、変形例として、特
図2の可変表示の実行中に第2始動口21への入賞があった場合には、その入賞に基づく各種乱数の値(判定情報)の取得を行わない構成としてもよい。すなわち、上限値「1」を超える特
図2保留を行わない構成としてもよい。
【0069】
普図の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器42では、普図を可変表示(変動表示)した後に停止表示(表示終了)をすることにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく抽選(普図抽選、普図抽選の当否に関する判定情報、普図用の乱数情報)の判定結果を所定時間の経過となるまで報知(確定表示)をする。停止表示される普図(可変表示した後の停止結果として導出される普図の態様表示)は、普図抽選に基づいて複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図があらかじめ定めた種類の普図(当たり用の停止態様で表示される普図/普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた電チュー22の開放パターンに基づいて第2始動口21を開放させる変位制御が行われる補助遊技(いわゆる、入賞容易化)が実行可能となる。なお、以下において、通常遊技状態(非時短時の電チュー22の開放パターン)よりも有利な電チューの開放パターンに基づいて実行可能な補助遊技に関して「電サポ(電チューサポート)」と称することもある。
【0070】
具体的な一例としての普図表示器42は、2個のLEDが上段と下段に配された計4個のLEDから構成されており(
図3参照)、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示するものである。例えば抽選結果が普図当たり(当たりを報知するための普通図柄)である場合には、上段の「○○」及び下段の「○●」(○:点灯、●:消灯)というように下段の右側LED以外が点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果が普図ハズレである場合には、上段の「●●」及び下段の「●○」というように下段の右側LED以外が消灯した普通ハズレ図柄(ハズレを報知するための普通図柄)を表示する。なお、普通ハズレ図柄の一つとして全てのLEDを消灯させる態様を使用してもよい。
【0071】
普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば各LEDが所定の順序で一つずつ点灯と消灯を繰り返すという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど、適宜変更可能である。
【0072】
なお本パチンコ遊技機1は、ゲート28への遊技球の通過(センサ検知)があると、その通過に起因する普図入賞として取得した普図当たり乱数等の各種乱数(普図関係乱数)の値(判定情報)は、RAM84内の普図保留記憶部85cに普図保留(普図に係る判定情報)として記憶され、この普図保留を普図抽選に基づく判定処理が消化(いわゆる当該図柄の変動が実行、各乱数(各判定情報)の本判定が実行)されるまでの一時的な記憶となるようにしている。そして、本実施形態では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普図の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普図の可変表示の実行中においてゲート28への通過があった場合、又は、電チュー22の開放処理中においてゲート28への通過があった場合に、その通過に対する普図抽選の判定権利(普図関係乱数に基づく判定情報(普図抽選情報)の判定)を上限値となるまで留保記憶できるようにしている。なお具体的には、上限値(上限記憶数、上限保留数)を「4」にしている。
【0073】
普図保留記憶部85cに記憶された普図保留は、他の記憶された普図保留の消化に基づいて普図の可変表示(普通図柄の抽選の判定)が可能となったとき(始動条件(抽選判定の開始)の成立時)に消化可能とされる。ここで、普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普図関係乱数(普図当たり乱数等)に基づく判定情報(普図抽選情報)の判定をして、その判定結果(当選態様又はハズレ態様)を示すための普図の可変表示を実行するときのことをいう。
【0074】
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器42aに表示される。具体的には普図保留表示器42aは4個のLEDで構成されている。普図保留表示器42aは、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
【0075】
なお、変形例として、ゲート28への遊技球の通過に基づく普図の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普図の可変表示の実行中や電チュー22の開放処理中にゲート28への通過があった場合には、その通過に基づく普図関係乱数の取得を行わない構成としてもよい。すなわち、普図表示器42の作動保留(普図保留)が上限値「1」を超える場合には記憶しない構成としてもよい。
【0076】
[遊技機の電気的構成]
次に
図4及び
図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。
図4及び
図5に示すように本パチンコ遊技機1は、遊技の進行(入球口への入球)に基づいて大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110、主制御基板80の制御に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、画像制御基板100、ランプ制御基板107、音声制御基板106、駆動制御基板60d、電源基板150、等を備えている。なお、電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給する。そして、電力が供給されるこれらの基板を介して、その他の制御基板やその他の機器(演出手段など)に対して必要な電力の供給が行われることとなる。
【0077】
本実施形態において、主制御基板80は、メイン制御部に係る構成となり、サブ制御基板90は、サブ制御部99に係る構成となるようにしている。なお、サブ制御部99は、少なくともサブ制御基板90を備え、所定の演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、盤可動体15、送風装置60b、振動装置63bなど)を用いた各種の演出に関する実行制御を可能とするものとなる。
【0078】
図5で示すように、電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給(電源投入)されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。したがって、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、本パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
【0079】
また電源基板150には、後述する遊技制御用マイコン81のRAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ(RAMクリア操作手段)152が設けられている。なお、RAMクリアスイッチ152は、本パチンコ遊技機1の裏側に配置された電源基板150上に設けられている。そのため、遊技機枠50を開放可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ152を操作することはで
きない。即ち、RAMクリアスイッチ152は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。
【0080】
本実施形態のRAMクリアスイッチ152は、タクトスイッチであり、RAMクリアスイッチ152が押下操作されると、RAMクリアスイッチ152がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン81に入力される。RAMクリアスイッチ152が押されている状態をRAMクリアスイッチ152のON状態といい、RAMクリアスイッチ152が押されていない状態をRAMクリアスイッチ152のOFF状態という。
【0081】
図4に示すように、主制御基板80には、プログラムにしたがって本パチンコ遊技機1の遊技の進行を制御するための遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。
【0082】
図4に示すRAM84には、上述した特
図1保留記憶部85a、特
図2保留記憶部85b、普図保留記憶部85cが保留記憶部85として設けられている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
【0083】
また主制御基板80には、
図4に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的なセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、及び普通入賞口センサ27aが接続されている。
【0084】
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
【0085】
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、及び振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
【0086】
さらに主制御基板80には、特
図1表示器41a、特
図2表示器41b、普図表示器42、特
図1保留表示器43a、特
図2保留表示器43b、及び普図保留表示器42aが接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
【0087】
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120及びカードユニット135(本パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60a(
図1参照)が含まれる。
【0088】
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、本パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球や貸球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。
【0089】
なお遊技者による発射装置112のハンドル60a(
図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114によってハンドル60aに遊技者が接触した旨の検知(以下、人感知ともいう)をし、発射ボリューム115がハンドル60a(レバー部60e)の回転量を検知する。そして、タッチスイッチ114によって人感知を行っていることを条件にして発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発(1分間で100発程度)の遊技球が発射されるようになっている。
【0090】
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。なお、タッチスイッチ114によって人感知を行っている旨に関する検知信号(コマンド)も送信可能としている。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
【0091】
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムにしたがって本パチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行(入球口への入球を起因とする抽選情報(判定情報)の判定)に基づいて演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
【0092】
また
図5に示すように、サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107、駆動制御基板60dが接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91(演出統制手段91A)は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字及び記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ、演出実装設計に基づいて算出可能な期待値(期待度に関する遊技情報)に対応可能な期待度示唆画像、時短回数に対応する時短回数示唆画像、メニュー画像、カスタム設定画像、時短状態に係る遊技報知画像、操作指示画像などが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
【0093】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
【0094】
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光データ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光データにしたがって枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光データの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
【0095】
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された盤可動体15を動作させる。なお盤可動体15は、
図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミック(可動役物の駆動装置)のことである。詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータにしたがって盤可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
【0096】
なお、変形例として、ランプ制御基板107又は中継基板108にCPUやモータドライバを実装してもよく、その場合、そのCPUによりランプの点灯制御を実行させてもよいし、そのCPU又はモータドライバにより盤可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらに、ランプ制御基板107又は中継基板108にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
【0097】
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、駆動制御基板60dを介して接続された送風装置60bを動作させる。なお、送風装置60bは、ハンドル60a内に設けられ、吐出孔60cから遊技者に向けて送風可能としている。詳細には演出制御用マイコン91は、送風装置60bの送風時期及び送風力、送風の仕方態様を決める送風パターンデータ(送風データともいう)を作成し、送風パターンデータにしたがって送風装置60bの動作を制御する。送風パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、上述の駆動制御基板60dにCPUやROMなどを実装してもよく、その場合、そのCPUに送風装置60bの動作制御を実行させてもよい。さらにそのROMに送風パターンに関するデータを格納してもよい。
【0098】
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、駆動制御基板60dを介して接続された振動装置63bを動作させる。なお、振動装置63bは、演出ボタン63内に設けられ、当該演出ボタン63を振動装置63bによって振動させることで遊技者に報知可能としている。詳細には演出制御用マイコン91は、振動装置63bの振動時期及び振動力、振動の仕方態様を決める振動パターンデータ(振動データともいう)を作成し、振動パターンデータにしたがって振動装置63bの動作を制御する。振動パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、上述の駆動制御基板60dにCPUやROMなどを実装してもよく、その場合、そのCPUに振動装置63bの動作制御を実行させてもよい。さらにそのROMに振動パターンに関するデータを格納してもよい。
【0099】
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ(SW)64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(
図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。所定の演出制御に基づいて有効化の状態となった演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。なお、演出ボタン63が長押し又は連打(連続的な複数回の押下)がされると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対してその旨の検知信号を出力可能としている。セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン64(
図1参照)のカーソルキー(上、下、中央、左、右)が押下操作されたことを検出するものである。所定の演出制御に基づいて有効化の状態となったセレクトボタン64のカーソルキーが押されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
【0100】
なお、本実施形態では、客待ち用のデモ演出が表示されているときにセレクトボタン64のカーソルキーの中央部が押されるとメニュー画像を画像表示装置7に表示可能とし、メニュー画像を表示されているときにセレクトボタン64のカーソルキーの中央部以外の上部、下部、左部、右部を押すことに基づいて遊技者の好みに応じた演出への変更設定を可能するカスタム設定画像を表示させる仕様としている。
【0101】
なお
図4及び
図5は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、
図4及び
図5に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、
図4及び
図5に示すいずれか複数の基板を一つの基板として構成してもよく、
図4及び
図5に示す一つの基板を複数の基板として構成してもよい。
【0102】
[本パチンコ遊技機1における主な遊技]
次に、本パチンコ遊技機1により行われる主な遊技について説明する。本パチンコ遊技機1は、第1始動口20又は第2始動口21への入賞(遊技球の入球)に基づいて、特図抽選情報となる特図関係乱数(特別図柄に係る判定情報)を取得する。特図関係乱数には、
図6(A)に示すように、特図当たり乱数、特図種別乱数、リーチ乱数、及び特図変動パターン乱数(以下、特図変動PT乱数とも称す)がある。
【0103】
特図当たり乱数は、大当たりの当否判定、小当たりの当否判定、C時短当たり(格別ハズレ)の当否判定に用いられ、かつ大当たり、小当たり、C時短当たり以外となる場合における特図ハズレの判定としても用いられる。特図当たり乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。なお、格別ハズレをC時短当たりと判定された場合には、当該格別ハズレに応じた時短図柄の停止表示をした後において、大当たり遊技又は小当たり遊技を介さずに当該時短図柄に応じたC時短当たりに対応する時短状態が作動可能とされるようになる。
【0104】
特図種別乱数は、大当たり図柄の種別判定、小当たり図柄の種別判定、時短図柄(C時短当たりに対応する図柄)の種別判定に用いられる。特図種別乱数は、0~199までの範囲で値をとる。
【0105】
リーチ乱数は、当否判定の結果が特図ハズレである場合に、その結果を示す変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりする所定の仮停止の表示態様としてもよい。リーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
【0106】
特図変動パターン乱数は、特図の変動表示に係る変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。特図変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。
【0107】
また、本パチンコ遊技機1は、ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普図抽選情報となる普図関係乱数(普図に係る判定情報)を取得する。普図関係乱数には、
図6(B)に示すように、普図当たり乱数、普図種別乱数、及び普図変動パターン乱数(以下、普図変動PT乱数とも称す)がある。普図当たり乱数は、電チュー22を開放させるか否かの普図用の当否判定に用いられる。普図当たり乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。普図種別乱数は、電チュー22を開放させる開放パターンを決めるための普図の種別判定に用いられる。普図種別乱数は、0~199までの範囲で値をとる。普図変動パターン乱数は、普図の変動表示に係る変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。普図変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。
【0108】
本パチンコ遊技機1は、所定条件の成立(取得した乱数の判定)に基づいて実行可能とされる当たり遊技後に移行可能な遊技状態として、通常状態に係る「非時短状態」、又は非時短状態より遊技者にとって有利な遊技をし得る「時短状態」を備えている。その「時短状態」の種別として、発射球数に対する賞球数の割合であるベースを高められる第1時短状態(以下、A時短とも称す)、及び第3時短状態(以下、以下、B時短とも称す)と、非時短状態と比較して上記した電チュー22の作動性及び/又は入賞容易性がほとんど変わらないため、発射球数に対する賞球数の割合であるベースを高めるまでに至らない第2時短状態(以下、微時短とも称す)がある。
【0109】
第1時短状態(A時短)又は第3時短状態(B時短)では、非時短状態に比べて短い普図変動時間(時間短縮化)になりやすくして単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数を多くさせるとともに、非時短状態と比べて単位時間当たりの電チュー22の開放時間を長くさせることを可能とする。その結果、電チュー22の開放に基づいて遊技球が第2始動口21へ入賞しやすくなり、発射球数に対する賞球数の割合であるベースを高められることとなる。そのため、第1時短状態では、所持する遊技球を減らし難くしつつ大当たり当選を狙うことができる。なお、第1時短状態(A時短)又は第3時短状態(B時短)における特図変動時間について、非時短状態に比べて短くなりやすくして単位時間当たりにおける特図抽選の実行回数を多くさせるようにするようにしてもよい。これにより、有利性を向上させることができて好適である。
【0110】
また第2時短状態(微時短)では、非時短状態と比べて単位時間当たりの電チュー22の開放時間が僅かに長くなるだけであり、遊技球が第2始動口21へ入賞しやすくならない。また、当該時短状態では、非時短状態と比べて変わらない普図変動時間にさせることで単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数を同等にすることで、単位時間当たりにおいて普図当たりと判定される回数を非時短状態のときと変わらないようにする。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが非時短状態と同等レベルで低くなる。そのため、第2時短状態では、例えば、チャンスゾーンというような遊技態様の報知構成にし、非時短状態と同様に所持する遊技球を減らしながらも、大当たり当選となったときの期待感を高められる構成にすることができる。
【0111】
本パチンコ遊技機1は、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得した特図当たり乱数を、
図7(A)に示す特別当たり乱数の判定テーブルにしたがって判定することにより、大当たり、小当たり、又は特図ハズレ(格別ハズレ)か否かを決定する。
図7(A)に示すように、第1始動口20への入賞に基づく特
図1に係る抽選と、第2始動口21への入賞に基づく特
図2に係る抽選とでは、大当たりの当選確率は同じであるが、小当たりの当選確率は異なっている。
【0112】
ここで、
図7に示す特別当たり乱数の判定テーブルに関しては、遊技状態に応じて使用可能とされる複数種類の判定条件に基づいて第一当選(大当たり、小当たり)、又は第二当選(いわゆる、C時短当たり)、並びに不当選(ハズレ)のいずれかの判定結果の導出割合を変化可能にさせ得る切り替え式(各遊技状態に対応)の当否判定テーブル群(不図示)に基づいて設定及び実行が可能な構成にしている。
【0113】
例えば、第二当選(以下、C時短当たりとも称す)に基づいて実行可能とされる第2時短状態中において使用可能となる第一(規定)の判定条件に係る規定の当否判定テーブルと、あらかじめ定められた所定の通常状態(非時短状態、遊技機の起動時においてRAMクリアに基づいて初期化された通常状態)において使用可能となる第二(通例)の判定条件(第二当選の判定結果とすることを優遇させる第二の判定条件)に係る通例の当否判定テーブルの構成を備えている。
【0114】
なお、本実施形態におけるC時短当たり(第二当選)とは、第一当選の場合とは異なり大当たり遊技を介さずに、当該C時短当たりとなる旨の報知(ハズレ図柄の停止表示)後から、第2時短状態に移行可能とさせるもの(特殊役)としている。
【0115】
また本実施形態では、前述した所定の通常状態になるときだけ第二の判定条件(以下、通例の判定条件とも称す)を使用可能にし、当該通例の判定条件が使用されているときだけC時短当たりと判定することを優遇させ得るようにしている。
【0116】
具体的に、前述した所定の通常状態中に特
図2入賞に基づく抽選を行うときであって、大当たり及び小当たりのいずれでもない場合に、格別ハズレ(特
図2のハズレの乱数値範囲の全部)であると判定させるようにしてC時短当たり(1000回の第2時短状態へ移行可能にする当たり)の報知を高確率で行わせ得る通例の判定条件(通例の当否判定テーブル)となるようにしている。さらに、前述した所定の通常状態中に特
図1入賞に基づく抽選の判定を行う場合には、格別ハズレに係るC時短当たりの判定を行わない通例の判定条件となるようにしている。
【0117】
また、第2時短状態(微時短)において特
図1入賞又は特
図2入賞に基づく抽選を行う場合は、格別ハズレに係るC時短当たりの判定をしなくなるが、特
図1入賞に係る抽選の実行に基づいて1種大当たり又は2種大当たりを発生させたときには、大当たり遊技後において時短回数が多いA時短80回の第1時短状態に必ず移行させる第一の判定条件(規定の当否判定テーブル)に基づいて行うようにしている。
【0118】
また本実施形態では、所定の通常状態の終了後の所定契機(大当たり遊技後)に移行されることなる一般の通常状態(非時短状態)中において使用可能となり、C時短当たりの判定を行わなくするとともに、A時短80回よりも少ないA時短30回の第1時短状態に移行させ得る一般の判定条件に係る一般の当否判定テーブルと、A時短(第1時短状態)の状態中において使用可能となり、C時短当たりの判定を行わなくするとともに、大当たり遊技後においてA時短80回の第1時短状態に移行させることを優遇可能にする特典の判定条件に係る特典の当否判定テーブルの構成をも備えるようにしている。
【0119】
すなわち、第一の判定条件、一般の判定条件、特典の判定条件が使用される場合には、通例の判定条件が使用されるときよりもC時短当たりと判定することを優遇させないようにしている。
【0120】
なお、変形例として、一般の判定条件に係る一般の当否判定テーブルに関し、全体的なゲームバランスの調整に応じて、格別ハズレとする旨の判定を可能にするとともに、通例の判定条件となるときよりもC時短当たりの報知を低確率で行わせ得る条件構成となるようにしてもよい。
【0121】
また、変形例として、上述の格別ハズレをC時短当たりの判定とするあらかじめ定められた遊技状態に関する設定については、遊技状態の変化(例えば、大当たり遊技後に非時短状態に移行した際に存在する保留記憶)に基づいて特図ハズレを格別ハズレとみなす抽選判定をする(C時短当たりとする判定)、又は、抽選判定をしないあらかじめ定めておけば適宜に設計可能としてかまわない。
【0122】
また、特
図1の抽選及び/又は特
図2の抽選において、C時短当たり(格別ハズレ)の構成を不存在(無し)にして抽選させるようにしてもよい。また、特
図1の抽選又は特
図2の抽選でのそれぞれにおけるC時短当たりに対して、時短図柄を複数種類設定させるようにしてもよい。この場合、時短図柄の種別A~Cに応じて、時短回数が10回の時短状態、時短回数が20回の時短状態、時短回数が30回の時短状態などのいずれかへと選択的に移行可能とするようにしてもよい。また、C時短当たりと判定した場合には、格別ハズレに応じた複数種類の時短図柄の停止表示をした後において、当該時短図柄に応じたC時短当たりに係る時短回数が互いに異なる第2時短状態を作動させるようにしてもよい。
【0123】
なお、本実施形態では、C時短当たり(第二当選)に基づいて移行可能とし、特別遊技状態を介することのない第2時短状態(第二有利状態)とは、大当たり遊技後に移行するA時短に係る第1時短状態(第一有利状態)よりも有利度合の性能が劣る(例えば、電チュー開放時間延長機能が作動されない)第2時短状態となるようにしている。しかし、変形例として、第2時短状態に係る有利度合に関する性能は、企画されるゲーム性に応じて適宜に設定(例えば、電チュー開放時間延長機能が作動される設定)が可能なものとしてもよい。
【0124】
本パチンコ遊技機1は、大当たり当選と判定した場合、特図種別乱数を、
図7(B)に示す大当たり図柄の種別判定テーブルにしたがって判定することにより、大当たり図柄の種別を決定する。特
図1の抽選では、約25%の割合で、「特
図1_大当たり図柄A」に決定し、約75%の割合で、「特
図1_大当たり図柄B」に決定する。一方、特
図2の抽選では、約60%の割合で、「特
図2_大当たり図柄A」に決定し、約40%の割合で、「特
図2_大当たり図柄B」に決定する。
【0125】
そして、当選した大当たり図柄の種別が異なると、1種大当たり遊技における大入賞口の開放パターンや、1種大当たり遊技後の遊技状態(時短状態)に関する設定が異なる(
図8参照)。なお、特別図柄表示器41には、「特
図1_大当たり図柄A」、「特
図1_大当たり図柄B」、「特
図2_大当たり図柄A」、「特
図2_大当たり図柄B」に応じた「大当たり図柄」が停止表示されることとなる
【0126】
また、本実施形態において小当たり当選と判定する場合、特図種別乱数を、
図7(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルにしたがって判定することにより、小当たり図柄の種別を決定する。具体的には、特
図1の抽選において、70%の割合で、「特
図1_小当たり図柄a」に決定し、30%の割合で、「特
図1_小当たり図柄b」に決定する。一方、特
図2の抽選において、15%の割合で、「特
図2_小当たり図柄a」に決定し、85%の割合で、「特
図2_小当たり図柄b」に決定する。
【0127】
当選した小当たり図柄の種別が異なると、小当たり遊技(1ラウンド)後における2種大当たり遊技中の大入賞口の開放パターンや、2種大当たり遊技後の遊技状態(時短状態)に関する設定が異なる(
図8参照)。なお、特別図柄表示器41には、「特
図1_小当たり図柄a」、「特
図1_小当たり図柄b」、「特
図2_小当たり図柄a」、「特
図2_小当たり図柄b」に応じた「小当たり図柄」が停止表示されることとなる。
【0128】
また、本実施形態では、「大当たり」でも「小当たり」でも「C時短当たり」でもない「特図ハズレ」と判定する場合、特別図柄表示器41に「特別ハズレ図柄」が停止表示されることとなる。
【0129】
また本パチンコ遊技機1は、大当たり遊技後に移行可能となるA時短の状態に関する期間種別(第1時短状態の種類)として、大当たり遊技後において1回の特別図柄の変動停止表示(特図ハズレ)が導出された場合にA時短の状態終了(時短OFF/非時短状態へ状態切替え)を可能にする「A時短1回」の第1時短状態と、大当たり遊技後において合計30回の特別図柄の変動停止表示(特図ハズレ)が導出された場合にA時短の状態終了を可能にする「A時短30回」の第1時短状態と、大当たり遊技後において合計80回の特別図柄の変動停止表示(特図ハズレ)が導出された場合にA時短の状態終了を可能にする「A時短80回」の第1時短状態と、C時短当たり遊技後において合計1000回の特別図柄の変動停止表示(特図ハズレ)が導出された場合に微時短の状態終了を可能にする「微時短1000回」の第2時短状態と、が設けられている(
図8参照)。
【0130】
なお、現在実行している時短状態を終了させる条件に関し、前述した各A時短の状態のそれぞれに応じて、A時短の状態中の小当たり当選時(V入賞する前)に当該時短状態を終了(時短OFF/非時短状態へ状態切替え)するか、又は、A時短の状態中の小当たり当選後の小当たり遊技時(V入賞するとき)に当該時短状態を終了(時短OFF/非時短状態へ状態切替え)するか否かを選択的に決定可能とするようにしてもよい。
【0131】
具体的には、小当たり遊技中のV入賞時の遊技状態を、特図抽選に基づいてセットされる時短回数(抽選で決定される図柄の種別)に応じて時短状態又は非時短状態にするか否かを決定可能とすることで、2種大当たり遊技後に付与し得る時短状態(A時短の回数)の種別、又は2種大当たり遊技後に時短状態に移行可能とさせるか否かを設定可能にさせるようにしてもよい。
【0132】
また本パチンコ遊技機1は、特図ハズレ判定とする場合、リーチ乱数を、
図7(D)に示すリーチ判定テーブルにしたがって判定することにより、変動演出において演出図柄8L,8C,8Rをリーチの表示態様にするか否かを決定する。なお本実施形態では、時短状態又は非時短状態か否かに基づいて演出図柄8L,8C,8Rがリーチの表示態様とするか否かの割合を異なるようにしている。
【0133】
また本パチンコ遊技機1は、大当たり及び小当たりでもない特図ハズレ(ハズレ乱数値の範囲内の一部又は全部)を、あらかじめ定められた非時短状態下(遊技機の起動時において可能な初期設定(RAMクリア)に基づいて遊技をできるようにする所定の通常状態)における特図抽選であることを条件に格別ハズレとみなして「C時短当たり」と判定することを可能とし、「C時短当たり」となる旨の判定となるときには、特別図柄表示器41に格別ハズレ図柄に対応する「時短図柄」を停止表示させて、大当たり遊技を介さずに時短状態(いわゆる、突然時短)に移行可能としている。
【0134】
そして、非時短状態中においてC時短当たりと判定した場合には、特図種別乱数を、
図7(E)に示す時短図柄の種別判定テーブルにしたがって判定することにより、時短図柄の種別を決定する。本実施形態では、特
図2の抽選において100%の割合で、「特
図2_時短図柄β」に決定する。
【0135】
変形例として、非時短状態中における特
図1の抽選においてもC時短当たりの判定を可能とし、「特
図1_時短図柄β」を決定可能にするようにしてもよいし、C時短当たりとする際に複数種類の時短図柄の中のいずれかを所定抽選に基づいて決定可能とするようにしてもよい。
【0136】
そして、特図抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた大入賞口の開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技(1種大当たり遊技)」が実行される。
【0137】
大当たり遊技は、本実施形態では、第1大入賞口30を開放させる複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技(Rとも表記する)が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
【0138】
特図抽選にて小当たりに当選すると、停止表示された小当たり図柄の種別に応じた大入賞口の開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が進入(V入賞)すると、当選している小当たり図柄の種別に応じた大入賞口の開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技(2種大当たり遊技)」が実行される。
【0139】
小当たり遊技は、本実施形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
【0140】
本実施形態では
図8に示すように、特
図1に係る特図抽選に基づいて当選可能な大当たり図柄(特
図1表示器41aに停止表示される大当たり図柄)の種別には2種類あり、具体的には「特
図1_大当たり図柄A」、「特
図1_大当たり図柄B」に当選する可能性がある。また、特
図2に係る特図抽選に基づいて当選可能な大当たり図柄(特
図2表示器41bに停止表示される大当たり図柄)の種別には2種類あり、具体的には「特
図2_大当たり図柄A」、「特
図2_大当たり図柄B」に当選する可能性がある。
【0141】
具体的に、「特
図1_大当たり図柄A」又は「特
図2_大当たり図柄A」は、10R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、1R(1回の開放)あたりにおいて規定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞した場合に第1大入賞口30を開放状態から閉鎖状態に移行(1R終了)とするが、その最大開放時間は29.5秒である。
【0142】
また、「特
図1_大当たり図柄B」又は「特
図2_大当たり図柄B」は、4R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、1R(1回の開放)あたりにおいて規定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞した場合に第1大入賞口30を開放状態から閉鎖状態に移行(1R終了)とするが、その最大開放時間は29.5秒である。
【0143】
本実施形態では、非時短(左打ち)中のメイン抽選(第1始動口20の入賞)となる特
図1の抽選に基づいて「特
図1_大当たり図柄A」又は「特
図1_大当たり図柄B」に当選した場合、この当選に基づいて行われる1種大当たり遊技後の遊技状態として「A時短(第1時短状態)」に移行可能としており、遊技者に付与可能とするA時短の回数(態様種類)を1種大当たり遊技作動時の判定処理に基づいて30回に決定(設定)可能としている(
図8参照)。
【0144】
また本実施形態では、時短(右打ち)中のメイン抽選(第2始動口21の入賞)となる特
図2の特図抽選に基づいて「特
図2_大当たり図柄A」又は「特
図2_大当たり図柄B」に当選した場合、この当選に基づいて行われる1種大当たり遊技後の遊技状態として「A時短(第1時短状態)」に移行可能としており、遊技者に付与可能とするA時短の回数(態様種類)を1種大当たり遊技作動時の判定処理に基づいて1回、30回、80回のいずれかに決定(設定)可能としている(
図8参照)。
【0145】
また、本実施形態では、特図抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回(1R)開放させる小当たり遊技が実行される。この1回(1Rあたり)の開放において規定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞した場合に第2大入賞口35を開放状態から閉鎖状態に移行(1R終了)とするが、その最大開放時間は1.6秒である。そして、この小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入球し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合(以下、V入賞又はV通過とも称す)には、大当たり当選(2種大当たり遊技の作動化条件)の達成となり、続けて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される。
【0146】
この大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当することになる。なお、小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、2種大当たり遊技は実行されない。本明細書では、大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と称することもある。なお、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開閉させるラウンドがあってもよい。
【0147】
図8に示すように、特
図1の抽選で当選可能な小当たり図柄(特
図1表示器41aに停止表示される小当たり図柄)の種別は、2種類としている。具体的には、特図種別乱数に基づく図柄抽選の結果に応じて「特
図1_小当たり図柄a(振分率:約70%)」、又は「特
図1_小当たり図柄b(振分率:約30%)」のいずれかに決定可能としている(
図7(C)参照)。
【0148】
また、特
図2の抽選で当選可能な小当たり図柄(特
図2表示器41bに停止表示される小当たり図柄)の種別は、2種類としている。具体的には、特図種別乱数に基づく図柄抽選の結果に応じて「特
図2_小当たり図柄a(振分率:約15%)」、「特
図2_小当たり図柄b(振分率:約85%)」のいずれかに決定可能としている(
図7(C)参照)。
【0149】
「特
図1_小当たり図柄a~b」は、特
図1の抽選に基づいて小当たり当選させた場合、2種大当たりの作動条件となる小当たり遊技中のV入賞(特定領域39へのV通過)を可能とさせるための小当たりの当選図柄となる。また、「特
図2_小当たり図柄b」は、特
図2の抽選に基づいて小当たり当選させた場合、2種大当たりの作動条件となる小当たり遊技中のV入賞(特定領域39へのV通過)を可能とさせるための小当たりの当選図柄となる。
【0150】
「特
図1_小当たり図柄a」、「特
図1_小当たり図柄b」又は「特
図2_小当たり図柄b」に対応する小当たり遊技は、第2大入賞口35を開放させるまでの待機に係るOP時間(秒)を0.008秒開放とするようにしている。また、「特
図2_小当たり図柄a」に対応する小当たり遊技は、第2大入賞口35を開放させるまでの待機に係るOP時間(秒)をおよそ4.6秒開放としている。そして、それら開放後に第2大入賞口35による1Rあたり最大1.6秒までの開放が1回行われる。
【0151】
本パチンコ遊技機1では、小当たり遊技の実行中にV入賞を可能とするか否かは、振分部材71の作動パターン及び開閉部材37の開放パターンによって決定可能とするようにしている。具体的には、小当たり遊技における第2大入賞口35を開放させるまでの待機に係るOP時間(秒)を、小当たり図柄の種別に応じて異ならせることで実現させている。
【0152】
具体的に、小当たり図柄の種別の判定(特
図2_小当たり図柄aかそれ以外否か)に応じて、小当たり遊技における第2大入賞口35を開放させるまでの待機に係るOP時間(秒)を4.6秒開放又は0.008秒開放のいずれかに決定可能とすることにより、小当たり遊技のOP時間の開始から一定の動作で動いている振分部材71に対する第2大入賞口35の開放タイミングを変えられるようにしている。すなわち、特
図2_小当たり図柄a以外に対応する小当たり遊技の実行中にV入賞が可能な通過用開放パターン(0.008秒開放)を実施させ、特
図2_小当たり図柄aに対応する小当たり遊技の実行中にV入賞が不可能な非通過用開放パターン(4.6秒開放/いわゆる、転落小当たり)を実施させるようにしている。
【0153】
本実施形態において、特定領域39への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)の内容(実質的に有効となるラウンド数)は、「特
図1_小当たり図柄a~b」に応じて定められている第1大入賞口30の開放パターン、又は「特
図2_小当たり図柄a~b」に応じて定められている第1大入賞口30の開放パターンに基づいて決定される。
【0154】
具体的には、「特
図1_小当たり図柄a」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から5R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させ、6R目から11R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に4Rの2種大当たり遊技が実行される。
【0155】
また、「特
図1_小当たり図柄b」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から11R目まで1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に10Rの2種大当たり遊技が実行される。
【0156】
また、「特
図2_小当たり図柄a」の当選に基づく2種大当たり遊技では、振分部材71の作動パターンが小当たり遊技の実行中にV入賞が不可能な非通過用開放パターンとなるものの、イレギュラーとしてV入賞してしまった場合は、2R目から5R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を0.2秒として第1大入賞口30を開放させ、6R目から11R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に0Rの2種大当たり遊技が実行される。
【0157】
また、「特
図2_小当たり図柄b」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から11R目まで1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に10Rの2種大当たり遊技が実行される。
【0158】
また、本実施形態では、小当たりに当選した場合の2種大当たり遊技後の遊技状態は、「時短状態(いわゆるA時短)」に移行可能としており、非時短中又は時短中において「特
図1_小当たり図柄a」に当選した場合は、遊技者に付与可能とする時短状態の時短回数(態様種類)を、2種大当たり遊技の作動条件(V入賞)を満たすときの判定処理時において1回に決定(設定)可能としている。
【0159】
また、非時短中又は時短中において「特
図1_小当たり図柄a」又は「特
図1_小当たり図柄b」に当選した場合は、遊技者に付与可能とするA時短の回数を、2種大当たり遊技の作動条件(V入賞)を満たすときの判定処理時において30回に決定(設定)可能としている(
図8参照)。
【0160】
また、非時短中において「特
図2_小当たり図柄a」又は「特
図2_小当たり図柄b」に当選した場合は、遊技者に付与可能とするA時短の回数を、2種大当たり遊技の作動条件(V入賞)を満たすときの判定処理時において1回に決定(設定)可能とし、時短中に「特
図2_小当たり図柄b」に当選した場合は、遊技者に付与可能とするA時短の回数を、2種大当たり遊技の作動条件(V入賞)を満たすときの判定処理時において80回に決定(設定)可能としている(
図8参照)。
【0161】
なお、時短中において「特
図2_小当たり図柄a」に当選した場合は、電チュー22の振分部材71の作動パターンが小当たり遊技の実行中にV入賞させることが不可能な非通過用開放パターン(2種大当たり遊技の実行不可、時短付与なし)となるが、第2大入賞口35が開放した際にイレギュラーでV入賞ができてしまった場合には、そのV入賞を満たすときの判定処理時において遊技者に付与可能とする時短状態の時短回数を1回に決定(設定)可能としている(
図8参照)。なお、変形例として、第2大入賞口35が開放した際にイレギュラーでV入賞ができてしまった場合には、そのV入賞を満たすときの判定処理時において遊技者に付与可能とする時短状態の時短回数を0回に決定(設定)可能とするようにしてもよい。
【0162】
また、本実施形態では、遊技機の起動時における初期設定(RAMクリア)に基づいて初期化された遊技状態に係る所定の通常状態(非時短状態)である場合、特
図2の抽選結果として発生し得る格別ハズレ(特図ハズレに対応付けられる乱数の全部)に基づいてC時短当たりにするという旨の判定を可能としている。
【0163】
ここから、本実施形態では、特
図2の抽選において大当たり又は小当たりよりも格別ハズレ(特図ハズレ)を引き当てやすい確率構成としている。よって、格別ハズレに基づいてC時短当たりに当選するという旨の判定の結果を高確率で導出可能としている。そして、このC時短当たりの判定となる場合には、大当たり遊技を介さなくても1000回の第2時短状態(微時短)へ移行することを可能としている(
図8参照)。
【0164】
また本実施形態における上記の所定の通常状態(非時短状態)では、右打ちにより右遊技領域3B(
図1参照)へ遊技球を進入させたとしても、電サポ制御が実行されていないため、電チュー22が開放したとしても第2始動口21に遊技球を入球させることが困難な開放パターン(ショート開放)となってしまうことから、特
図2の抽選を行わせることが困難になる。しかし、遊技店の開店前に店員により前面枠51を開放させた場合には、露呈する第2始動口21に対して遊技球を入球させ得るサポートができるようになるため、特
図2の抽選を行わせることが可能となる。なお、変形例として、上記の所定の通常状態(非時短状態)において第2始動口21へ遊技球の入球が可能となる電チュー22の開放パターンを限定的に実行可能となるようにしてもよい。
【0165】
また、本実施形態では、特図当たり乱数を判定して大当たり、小当たり、C時短当たり、又は特図ハズレの判定をした場合、特図変動PT乱数を、
図10に示す特図変動パターン判定テーブルにしたがって判定することにより、特図変動パターンが決定される。なお、時短状態では、特図の変動時間が、非時短状態よりも短くなる。具体的には、非時短状態中の特図ハズレ時における特図の平均変動時間がおおむね約27秒になり、時短状態中における特図の平均変動時間ではおおむね約9秒になるようにしている。したがって、時短状態では、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能の作動が可能なものとなる。
【0166】
[本パチンコ遊技機1における遊技状態]
次に、本パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。本実施形態では、遊技状態として、非時短状態と時短状態とがある。以下において非時短状態は、通常状態、初動遊技、又は通常遊技状態とも称する。
【0167】
本パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合における電源投入後の遊技状態は、非時短状態(所定の通常状態又は初動遊技)である。また入賞容易化に係る時短状態は、非時短状態と比べて、効率よく電チュー22(第2始動口21)に遊技球が入賞しやすくなる遊技状態(始動条件の成立のしやすさを通常遊技状態よりも向上させる遊技/第一判定手段による単位時間あたりの判定の実行効率を通常遊技状態よりも向上させる遊技)である。
【0168】
具体的には、大当たり遊技後に移行可能とする第1時短状態(A時短/入賞容易化とさせる電サポ状態)があり、当該状態では特別図柄(特
図1、特
図2)及び/又は普図の1回あたりの可変表示に要する時間が通常遊技状態と比較して短くなり、かつ、可動部材23の開状態とする1回あたりの期間が非時短状態と比較して長くなる。なお、本実施形態では、普図抽選の当選確率が、非時短状態よりも高くなる第1時短状態(A時短)とはならない。すなわち、普図抽選確率の変動機能を備えていない。しかし、変形例として、普図抽選確率の変動機能を備えるようにしてもよい。
【0169】
また本実施形態では、C時短当たり(格別ハズレに応じた特
図2の停止表示)後に移行可能とする第2時短状態(微時短)を備えており、この第2時短状態では特別図柄(特
図1、特
図2)及び/又は普図の1回あたりの可変表示に要する時間が通常遊技状態と比較して変化しないものとなり、かつ、可動部材23の開状態としている1回あたりの期間が通常遊技状態と比較して殆ど変化しない僅かなものとなり、電チュー22(第2始動口21)の可動に基づいて遊技球を容易に捕捉させ得る入賞容易状態となるまでには至らない時短状態となる。
【0170】
また本実施形態の時短回数は、時短状態下における特別図柄(特
図1及び/又は特
図2)の変動表示の実行数(特図抽選の回数)に基づくカウントの上限実行回数にあたるが、変形例として、時短回数の計数に関するカウント対象について、時短状態下における普通図柄の変動表示の実行数(普通抽選の回数)に基づくカウントの上限実行回数としてもよい。
【0171】
また時短状態に関する変形例として、普図抽選の抽選確率の変化が通常遊技状態と比較して向上する確率変動、特別図柄(特
図1、特
図2)及び/又は普図の1回あたりの可変表示に要する時間が通常遊技状態と比較して短くなる短縮変動、可動部材23の開状態としている1回あたりの期間が通常遊技状態と比較して長くなるロング開放、のいずれか1又は複数の態様を使用することで、電チュー22の可動に基づいて開口される第2始動口21に遊技球を容易に入球させやすくする入賞容易状態にするための多様なバリエーションの開放パターン態様を設けるようにしてもよい。
【0172】
また時短状態に関する変形例として、普図抽選の抽選確率の変化が全く又は殆ど確率変動しない、特別図柄(特
図1、特
図2)及び/又は普図の1回あたりの可変表示に要する時間が通常遊技状態と比較して殆ど変化しない又は全く変化しない、可動部材23の開状態としている1回あたりの期間が通常遊技状態と比較して殆ど変化しない又は全く変化しない、のいずれか1又は複数の態様を使用することで、電チュー22の可動に基づいて開口される第2始動口21に遊技球を容易に入球させやすくするまでには至らない入賞非容易状態にするための多様なバリエーションの開放パターン態様を設けるようにしてもよい。
【0173】
本パチンコ遊技機1では、
図9(A)の普図当たり判定テーブルにて示すように、非時短状態又は時短状態であるかに関わらず普図抽選が行われたときには、当たりにする判定が高い確率設定となっている。しかし、非時短状態又は第2時短状態(微時短)における電チュー22の開放パターンの変位制御によって右遊技領域3Bを流下する遊技球を捕捉することを不可能(ショート開放)とするようにしているため、非時短状態又は第2時短状態(微時短)では電チュー22に係る第2始動口21への入賞を実質的に不可能となるようにしている。そして、第1時短状態(A時短)における電チュー22の開放パターンの変位制御では、右遊技領域3Bを流下する遊技球を容易に捕捉可能(ロング開放)とするとともに、電チュー22の作動化に係るゲート28に対して遊技球を通過(普図入賞及び普図抽選)させた場合には普図当たりと判定されやすくなるゲーム性(普図の当選率がおおむね100%)となるようにしている。
【0174】
また本パチンコ遊技機1は、普図当たり乱数を判定して普図当たりとする判定結果になった場合、普図種別乱数を、
図9(B)に示す普図の種別判定テーブルにしたがって判定することにより、普図の種別(A~Dのいずれか)を決定する。具体的に、約10%の割合で「普図_A」に決定し、約20%の割合で「普図_B」に決定し、約30%の割合で「普図_C」に決定し、約40%の割合で「普図_D」に決定する。なお、普図表示器42では、普図当たり時において「普図_A~D」のそれぞれに応じた各LEDによる点灯態様(識別情報)が停止表示されることとなる。
【0175】
また本パチンコ遊技機1は、
図9(C)に示す普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図当たり乱数の判定をした際の当否の判定結果と普図変動PT乱数に基づく判定をすることにより、普図変動パターンを決定する。なお、本実施形態の時短の状態中(第1時短状態、第2時短状態)における普図の変動時間は、非時短の状態(微時短を含む)よりも短くなる。
【0176】
具体的には、非時短の状態中における普図の平均変動時間が約13秒になり、時短の状態中における普図の平均変動時間では約2秒となるようにしている。したがって、第1時短状態(A時短)では、普図表示器42の変動時間短縮機能の作動が可能なものとなる。
【0177】
本パチンコ遊技機1は、
図9(D)に示す電チュー22の開放パターン判定テーブルを用いて、遊技状態の種別(非時短、A時短、微時短)、及び、普図の種別(普図_A~D)に応じた電チュー22の開放パターンの決定を行う。
【0178】
なお、本実施形態では、時短状態の種類に応じて1回の普図当たりにおいて行われる電チュー22の開放回数が異なるとともに、電チュー22の開放時間、開放の実施となるまでのオープニング時間、又はインターバル時間の少なくともいずれかを普図の種別(普図_A~D)に応じて異ならせることを可能にしている。
【0179】
具体的に、非時短状態(所定の通常状態又は一般の通常状態)のときの電チュー22の開放パターンは、普図の種別(普図_A~D)に関わらず0.06秒開放となる「ショート1回開放」のパターンになるとともに、普図の種別(普図_A~D)に応じて、電チュー22の開放実施となるまでのオープニング時間(不図示の開放タイミング)が互いに異なる「ショート1回開放」のパターンになる。すなわち、オープニング時間が互いに異なる1回あたり0.06秒の電チュー22のショート開放が1回行われることになるため、電チュー22がショート開放しても第2始動口21に対する入賞は実質的に不可能となる。
【0180】
また第2時短状態(微時短)のときの電チュー22の開放パターンは、普図の種別(普図_A~D)に関わらず1回あたり0.06秒開放となる「ショート2回開放」のパターンになるとともに、ただし、普図の種別(普図_A~D)に応じて、電チュー22の開放実施になるまでのオープニング時間、又は、2回開放の合間となるインターバル時間(不図示の開放タイミング)が互いに異なる「ショート2回開放」のパターンとなる。すなわち、オープニング時間又はインターバル時間が互いに異なりつつ、かつ1回あたり0.06秒の電チュー22のショート開放が2回行われることになるため、電チュー22による2回のショート開放がされても第2始動口21に対する入賞は実質的に不可能となる。
【0181】
また第1時短状態(A時短)のときの電チュー22の開放パターンは、普図の種別(普図_A~D)に関わらず1回あたり2.5秒開放となる「ロング2回開放」のパターンになるとともに、普図の種別(普図_A~D)に応じて、電チュー22の開放実施となるまでのオープニング時間、又は、2回開放の合間となるインターバル時間(不図示の開放タイミング)が互いに異なる「ロング2回開放」のパターンになる。すなわち、オープニング時間又はインターバル時間が互いに異なりつつ、かつ1回あたり2.5秒の電チュー22のロング開放が2回行われることになるため、電チュー22による2回のロング開放によって第2始動口21に対する入賞が容易に達成できるようになる。なお、第2時短状態(B時短)のときの電チュー22の開放パターンは、第1時短状態(A時短)のときの電チュー22の開放パターンと同様となるため、図示及び説明を省略する。
【0182】
ここから、第1時短状態(A時短)は、非時短状態よりも電チュー22の開放回数が多くなる電チュー開放回数増加機能の作動が可能になるとともに、非時短状態又は第3時短状態よりも電チュー22の開放時間が長くなる電チュー開放時間延長機能の作動が可能になることにより入賞容易状態となる。
【0183】
なお、普図表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、電チュー22の開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が開放されやすく、第2始動口21へ遊技球が入賞しやすくなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。したがって、これらの機能が作動している状態(すなわち第1時短状態)を「高ベース状態」ともいい、作動していない状態(すなわち非時短状態)を「低ベース状態」ともいう。
【0184】
第1時短状態(高ベース状態)では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、第1時短状態(高ベース状態)とは、非時短状態(所定の通常状態又は一般の通常状態)よりも電チュー22によって第2始動口21を開放させやすくする有利な遊技を可能とする、いわゆる電サポ制御(電チュー22の可動部材23の作動により遊技球を捕捉して第2始動口21に対する入球をサポートする制御)が実行されている状態(入賞容易状態)である。そのため、第1時短状態及び/又は第3時短状態(高ベース状態)を電サポ制御状態ともいう。また通常遊技状態(低ベース状態)を非電サポ制御状態ともいう。
【0185】
なお、第1時短状態及び/又は第3時短状態(高ベース状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器42の確率変動機能、普図表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、及び、電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22に係る第2始動口21に遊技球が入賞しやすくなっていればよい。
【0186】
第1時短状態(A時短)の終了条件に関しては、当該時短状態の終了条件として回数セットされた所定の上限実行回数(A時短1回、A時短30回、A時短80回)に応じた特別図柄の変動表示(ハズレ図柄に係る停止表示の報知回数)が実行されることに基づいて終了可能としている。以下では、所定の上限実行回数の最後の変動表示の実行を、「時短最終変動」とも称する。
【0187】
また、第2時短状態(微時短)の終了条件に関しては、当該時短状態の終了条件として回数セットされた所定の上限実行回数(微時短1000回)に応じた特別図柄の変動表示(ハズレ図柄に係る停止表示の報知回数)が実行されることに基づいて終了可能としている。以下では、所定の上限実行回数の最後の変動表示の実行を、「時短最終変動」とも称する。
【0188】
第1時短状態又は第3時短状態(高ベース状態)では、右打ちにより右遊技領域3B(
図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により非時短状態(低ベース状態)と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、かつ第1始動口20に対する遊技球の入球よりも第2始動口21に対する遊技球の入球の方が入賞容易となり得る電チュー22の開放パターン(ロング2回開放)の実行が可能となっているからである。そのため、普図抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21に対する遊技球の入球(特図入賞)をさせるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の入球(特図入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
【0189】
これに対して、非時短状態(低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3A(
図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、電チュー22が開放したとしても第2始動口21への遊技球の入球がし難い開放パターン(ショート1回開放)となってしまうことから、第1始動口20に対する遊技球の入球を目指した方が第2始動口21に対する遊技球の入球を目指すよりも特図入賞をさせやすくなっているからである。そのため、第1始動口20に対する遊技球の入球(特図入賞)をさせるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の入球(特図入賞)を得ることができる。
【0190】
また、第2時短状態(微時短)では、左打ちにより左遊技領域3A(
図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電チュー開放回数増加機能の実行がされているものの、電チュー22が開放したとしても第2始動口21への遊技球の入球がし難い開放パターン(ショート2回開放)となってしまうことから、第1始動口20に対する遊技球の入球を目指した方が第2始動口21に対する遊技球の入球を目指すよりも特図入賞をさせやすくなっているからである。そのため、第1始動口20に対する遊技球の入球(特図入賞)をさせるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の特図入賞を得ることができるようになる。
【0191】
[特図入賞コマンドについて]
本パチンコ遊技機1は、いわゆる先読み演出を実行可能となるようにしている。先読み演出とは、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球(特図入賞)に応じて取得された判定情報(特図当たり乱数等の乱数値)に基づいて生成された特図入賞コマンドに含まれるコマンド情報(以下、先読み用判定情報とも称す)を参照して行う事前判定(以下、先読み判定とも称す)に基づいて実行可能とする特図変動に関する事前演出になる。この先読み演出によって、先読み判定の対象となる特図入賞(いわゆる、保留入賞)に起因する特図変動(当該の特別図柄の変動表示)の開始時に行われる当否判定(本判定)よりも前に実行される事前の図柄変動中において、その先読み判定の対象となる特図入賞(特図入賞コマンド)に関係付けられる当選期待度の示唆が可能になる。
【0192】
図11に示すように、本実施形態では、特図入賞コマンドを構成する上位コマンドと下位コマンド(先読み用判定情報)の参照に基づく先読み判定を可能としている。これにより、当該先読み判定に係る判定内容として、大当たりであるか、小当たりであるか、格別ハズレ(C時短当たり)であるか、特図ハズレであるか、などが含まれ得ることとなる。
【0193】
具体的に、大当たりである場合に応じた特図入賞コマンドである場合には、大当たり図柄の種別(大当たり図柄A、大当たり図柄Bのいずれか)を示す先読み用判定情報が含まる。また小当たりである場合に応じた特図入賞コマンドには、小当たり図柄の種別(小当たり図柄a、小当たり図柄bのいずれか)を示す先読み用判定情報が含まる。また特図ハズレである場合に応じた特図入賞コマンドとなる場合には、特図ハズレの種別及びリーチの有無を示す先読み用判定情報が含まる。また、本実施形態の特図入賞コマンドには、第1始動口20と第2始動口21とのどちらの始動口に遊技球が入球したかを示す先読み用判定情報が含まれる。
【0194】
なお、特図入賞コマンドに含まれる先読み用判定情報として、どのような先読み用判定情報を含ませるかは適宜に変更可能としてよい。例えば、特図入賞コマンドに、変動パターン種別に関する詳細な演出態様(例えば、ボタン演出の有無)に関する先読み用判定情報を含ませてもよい。
【0195】
[遊技制御用マイコン81の動作]
次に
図12~
図30に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81は、1チップマイコンで形成され、遊技制御用ROMであるROM(Read Only Memory)83と、遊技制御用RAMであるRAM(Random Access Memory)84と、遊技制御用CPUであるCPU(Central Processing Unit)82と、乱数回路(大当たり判定用の乱数値として0~65535が設定)と、情報の入出力に使用するインタフェースの端子となるI/Oポート(Input/Output Port)87などを備えている。
【0196】
ROM83は、CPU82が遊技制御処理を行うための遊技プログラムや、遊技制御処理に必要な各種データや各種テーブル等が記憶されている。
【0197】
RAM84は、CPU82が遊技制御処理を行う際にワーク用のメモリとして使用するようにしている。また、RAM84に記憶された遊技情報(例えば、現在の遊技状態、現在変動中の特
図1変動表示情報、現在変動中の特
図2変動表示情報、現在の特
図1保留情報、現在の特
図2保留情報、現在の特
図1変動回数、現在の特
図2変動回数、現在の大当たり回数、現在のラウンド数、制御コマンド等)の一部(又は全て)は、本パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても、所定期間の保持が可能なバックアップRAMとなるようにしている。
【0198】
遊技制御用マイコン81(CPU82)は、本パチンコ遊技機1の電源投入時に行う起動時処理に基づいてROM83に記憶された遊技プログラムをRAM84に展開可能として、以下の遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等の動作処理を実行可能とし、これにより本パチンコ遊技機1におけるメイン遊技に関する制御を行うようにしている。
【0199】
[主制御メイン処理]
主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、本パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から
図12に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、先ずCPU82等の初期設定を行う(ステップS001)。
【0200】
この初期設定では、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、SIOの設定、PIOの設定、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、所定情報(各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等)のリセット等を行う。例えば、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0201】
また、電源投入時におけるRAMクリアスイッチ152の入力の有無に応じて初期化される対象範囲が異なるようになる。すなわち、電源投入時にRAMクリアスイッチ152の入力がない場合は、電源投入前に実施されていた遊技状態に復帰可能な初期設定がされるようになり、電源投入時にRAMクリアスイッチ152の入力がある場合は、あらかじめ定められた通常遊技状態(所定の通常状態、初動遊技)に復帰可能な初期設定がされるようになる。
【0202】
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、
図6に示す特図当たり乱数や普図当たり乱数などの乱数種別に対応して設けられる各乱数カウンタの更新値(以下、乱数カウンタ値とも称す)の生成を行う。本実施形態における乱数カウンタ値とは、初期値(例えば、0)から高速で一ずつ加算して増やされる更新値であって、その更新値が上限値に至ると初期値に戻って再び一ずつ加算される周期的な疑似乱数である。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成されるいわゆるハードウェア乱数であってもよい。
【0203】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込み許可を行うようにする(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4ms(ミリ秒)周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされるのを待ってからの開始となる。
【0204】
[メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。
図13に示すように、遊技制御用マイコン81は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)において、先ず出力処理(S101)を実行する。
【0205】
出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
【0206】
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主に本パチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(
図4参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。なお、各入賞口への入賞に応じた賞球数は、例えば第2始動口21であれば2球など、所定の値に設定されているものとする。ただし、各入賞口への入賞に応じた賞球数を何球に設定するかは適宜変更可能である。
【0207】
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、
図12の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、
図6に示した各種乱数カウンタ値(普図関係乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0208】
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、振分部材制御処理(S107)、及び特定領域センサ検出処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特
図1保留球数に基づいて特
図1保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(
図12参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
【0209】
[センサ検出処理]
図14に示すように、遊技制御用マイコン81は、
図13のメイン側タイマ割り込み処理(S005)に係るセンサ検出処理(S104)において、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。
【0210】
そして、ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
【0211】
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特
図2保留球数(特
図2保留の数、具体的にはRAM84に設けた特
図2保留の数をカウントするカウンタの値)が「4」に達しているか否か判定する(S204)。そして、特
図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特
図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特
図2保留球数に「1」を加算する(S205)。
【0212】
続いて特
図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特
図2関係乱数取得処理(S206)では、
図6(A)に示す特図関係の乱数値群を取得し、それら取得乱数値を特
図2保留記憶部85b(
図4)に格納する。具体的には、特図当たり乱数カウンタ値(カウンタAの数値範囲の中のいずれか1の抽出値)、特図種別乱数カウンタ値(カウンタBの数値範囲の中のいずれか1の抽出値)、リーチ乱数カウンタ値(カウンタCの数値範囲の中のいずれか1の抽出値)及び特図変動パターン乱数カウンタ値(カウンタDの数値範囲の中のいずれか1の抽出値)を取得し、それら取得乱数値を特
図2保留記憶部85b(
図4)のうち現在の特
図2保留球数に応じた特
図2保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
【0213】
続いて特
図2入賞コマンド特定処理(S207)を行う。特
図2入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で格納した乱数値群に基づき、
図11に示す特図入賞コマンド特定テーブルを用いて特
図2入賞コマンドを特定する。具体的には、特図当たり乱数が「65535」であり、特図種別乱数が「199」であれば、
図11の特図入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口の箇所を参照して、特
図2入賞コマンドとして「E2H02H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばE2H)と1バイトの下位コマンド(例えば01H)からなっている。
【0214】
図11に示すテーブルにおける特図当たり乱数の区分けは、大当たり判定テーブル(
図7(A)参照)における区分けと対応している。また、特図種別乱数の区分けは、小当たり図柄の種別を区別できるようになっている(
図7(C)参照)。詳細には、特
図2の特図当たり乱数値が65250~65535の中のいずれかであり、特図種別乱数が「0~120」のいずれかであれば、「特
図2_大当たり図柄A」の大当たりと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が大当たり当選と判定される予定の大当たり当選情報であること)を示す特
図2入賞コマンド(例えば、上位コマンドの値がE2H、下位コマンドの値が01H)が特定される。
【0215】
また、特
図2の特図当たり乱数値が0~2000の中のいずれかで小当たりと判定される場合であって、特図種別乱数値が0~30の中のいずれかであれば、「特
図2_小当たり図柄a」と判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が小当たり当選と判定される予定の小当たり当選情報であって、小当たり図柄の種別は「小当たり図柄a」であること)を示す特
図2入賞コマンド(上位コマンドの値がE2H、下位コマンドの値が03H)が特定される。
【0216】
また、特
図2の特図当たり乱数値が0~2000の中のいずれかで小当たりと判定される場合であって、特図種別乱数値が31~199であれば、「特
図2_小当たり図柄b」と判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が小当たり当選と判定される予定の小当たり当選情報であって、小当たり図柄の種別は「小当たり図柄b」であること)を示す特
図2入賞コマンド(上位コマンドの値がE2H、下位コマンドの値が04H)が特定される。
【0217】
また、所定の非時短状態中における特
図2の特図当たり乱数値が2001~65249に相当する格別ハズレであればC時短当たりと判定可能とされるため、そのこと(つまり取得した判定情報がC時短当たりと判定される予定のC時短当たり当選情報であること)を示す特
図2入賞コマンド(上位コマンドの値がE2H、下位コマンドの値が05H)が特定される。また、所定の非時短状態中以外の非時短状態中又は時短状態中における特図当たり乱数値が2001~65249であれば、特図ハズレと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が特図ハズレと判定される予定の特図ハズレ情報であること)を示す特
図2入賞コマンド(上位コマンドの値がE2H、下位コマンドの値が06H)が特定される。
【0218】
なお本実施形態の特図入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、コマンドの種類(特図入賞コマンドであること)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口21への入賞か)を指定する始動口情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドは、当否種別及び図柄種別に関する抽選結果情報である。なお、このような特図入賞コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
【0219】
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS207で特定した特
図2入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S208)。
【0220】
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特
図1保留球数(特
図1保留の数、具体的にはRAM84に設けた特
図1保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否か判定する(S210)。そして、特
図1保留球数が「4」に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特
図1保留球数が「4」未満である場合には(S210でNO)、特
図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
【0221】
続いて特
図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特
図1関係乱数取得処理(S212)では、特
図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、
図6(A)に示す特図関係の乱数値群を取得し、それら取得乱数値を特
図1保留記憶部85a(
図4)に格納する。具体的には、特図当たり乱数カウンタ値(カウンタAの数値範囲の中のいずれか1の抽出値)、特図種別乱数カウンタ値(カウンタBの数値範囲の中のいずれか1の抽出値)、リーチ乱数カウンタ値(カウンタCの数値範囲の中のいずれか1の抽出値)及び特図変動パターン乱数カウンタ値(カウンタDの数値範囲の中のいずれか1の抽出値)を取得し、それら取得乱数値を特
図1保留記憶部85a(
図4)のうち現在の特
図1保留球数に応じた特
図1保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
【0222】
続いて特
図1入賞コマンド特定処理(S213)を行う。特
図1入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で格納した乱数値群に基づき、
図11に示す特図入賞コマンド特定テーブルを用いて特
図1入賞コマンドを特定する。具体的には、特図当たり乱数が「65535」であり、特図種別乱数が「199」であれば、
図11の特図入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口の箇所を参照して、特
図1入賞コマンドとして「E1H02H」というコマンドを特定する。
【0223】
上述の特
図2入賞コマンドの場合と同様、
図11に示すテーブルにおける特図当たり乱数の区分けは、大当たり判定テーブル(
図7(A)参照)における区分けと対応している。また、特図種別乱数の区分けは、小当たり図柄の種別を区別できるようになっている(
図7(C)参照)。詳細には、特図当たり乱数値が65250~65535の中のいずれかであれば大当たりと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が大当たり当選と判定される予定の大当たり当選情報であること)を示す特
図1入賞コマンドが特定される。また、特図当たり乱数値が0~330の中のいずれかであって、特図種別乱数値が0~140の中のいずれかであれば、小当たり図柄aと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が小当たり当選と判定される予定の小当たり当選情報であって、小当たり図柄の種別が「小当たり図柄a」であること)を示す特
図1入賞コマンド(上位コマンドの値がE1H、下位コマンドの値が03H)が特定される。また、特図当たり乱数値が331~65249であれば、特図ハズレと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が特図ハズレと判定される予定の特図ハズレ情報であること)を示す特
図1入賞コマンド(上位コマンドの値がE1H、下位コマンドの値が05H)が特定される。
【0224】
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS213で特定した特
図1入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S214)、処理を終える。
【0225】
[ゲート通過処理]
図15に示すように、遊技制御用マイコン81(取得手段)は、センサ検出処理(S104)に係るゲート通過処理(S202)において、普図保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が「4」に達しているか否か判定する(S221)。そして、普図保留球数が「4」に達している場合(S221でYES)には、処理を終えるが、普図保留球数が「4」未満である場合には(S221でNO)、普図保留球数に「1」を加算する(S222)。
【0226】
続いて普図関係乱数取得処理(S223)を行う。普図関係乱数取得処理(S223)では、
図6(B)に示す乱数値群を取得し、それら取得乱数値を普図保留記憶部85c(
図4)に格納する。具体的には、普図当たり乱数カウンタ値(1~65535の数値範囲の中のいずれか1の抽出値)、普図種別乱数カウンタ値(0~199の数値範囲の中のいずれか1の抽出値)、普図変動パターン乱数カウンタ値(0~99の数値範囲の中のいずれか1の抽出値)を取得し、それら取得乱数値を普図保留記憶部85c(
図4)のうち現在の普図保留球数に応じた普図保留記憶部85cの記憶領域に格納する。
【0227】
続いて普図通過コマンド特定処理(S224)を行う。普図通過コマンド特定処理(S224)では、ステップS223で格納した乱数値群に基づき、普図通過コマンド特定テーブル(不図示)を用いて普図通過コマンドを特定する。具体的には、
図9(A)に示すように、普図当たり乱数値が1~65535の中のいずれかであれば普図当たりと判定されるため、普図通過コマンド特定テーブル(不図示)を参照して、普図通過コマンドにおける上位コマンドの値がE3Hとなる旨の特定を行う。
【0228】
また、普図種別乱数の区分けにより、普通図柄の種別を区別できるようになっている(
図9(B)参照)。詳細には、普図種別乱数値が0~19の中のいずれかであれば、普図_Aと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が普図当たりの当選判定とされる予定の普図当たり当選情報であって、普図当たり図柄の種別が「普図_A」であること)を示す普図通過コマンドにおける下位コマンドの値が01Hである旨の特定を行う。また、普図種別乱数値が20~60の中のいずれかであれば、普図_Bと判定されるため、そのことを示す普図通過コマンドにおける下位コマンドの値が02Hである旨の特定を行う。また、普図種別乱数値が61~121の中のいずれかであれば、普図_Cと判定されるため、そのことを示す普図通過コマンドにおける下位コマンドの値が03Hである旨の特定を行う。また、普図種別乱数値が122~199の中のいずれかであれば、普図_Dと判定されるため、そのことを示す普図通過コマンドにおける下位コマンドの値が04Hである旨の特定を行う。また、普図当たり乱数値が0であれば、普図ハズレと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が普図ハズレと判定される予定の普図ハズレ情報であること)を示す普図通過コマンドにおける下位コマンドの値が05Hである旨の特定を行う。
【0229】
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS224で特定した普図通過コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S225)、処理を終える。
【0230】
[普通動作処理]
図16に示すように、遊技制御用マイコン81は、
図13のメイン側タイマ割り込み処理(S005)に係るセンサ検出処理(S104)に次いで、普通動作処理(S105)を行う。
【0231】
普通動作処理(S105)において、電チュー22の作動中か否かを判定する(S301)。電チュー22の作動中でなければ(S301でNO)、続いて、普図の停止表示中(普図の停止時間の開始から終了まで)か否かを判定する(S302)。普図の停止表示中でなければ(S302でNO)、続いて、普図の変動表示中か否かを判定する(S303)。普図の変動表示中でなければ(S303でNO)、続いて、上述のステップS223で取得した普図関係乱数の記憶の有無に係る普図保留球数が「0」か否かを判定する(S304)。普図保留球数が「0」であれば(S304でYES)、普図関係乱数の記憶が無いことになるので本処理を終える。
【0232】
ステップS304において、普図保留球数が「0」でなければ(S304でNO)、普図関係乱数の記憶が有ることになるので当たり判定処理(S305)を行う。普図当たり判定処理(S305)では、普図当たり判定テーブル(
図9(A)参照)に基づいて当たりか否かの判定をする。そして、普図当たり判定処理の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S306)。つまり普通図柄決定処理(S306)では、「普図ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「普図当たり」であれば「普通当たり図柄(普図_A~D)」に応じたデータをセットする。
【0233】
続いて、普図変動時間決定処理(S307)を行う。普図変動時間決定処理(S307)では、
図9(B)に示す普図変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が非時短状態であれば、普図当たりの変動時間が16秒の普図変動パターンpt1、普図当たりの変動時間が13秒の普図変動パターンpt2、普図ハズレの変動時間が10秒の普図変動パターンpt3のいずれかを選択可能とする。一方、遊技状態が時短状態であれば、普図当たりの変動時間が2.5秒の普図変動パターンpt4、普図当たりの変動時間が1.5秒の普図変動パターンpt5、普図ハズレの変動時間が2秒の普図変動パターンpt6のいずれかを選択可能とする。
【0234】
次いで、普図保留球数を1減算する(S308)。これにより普図保留記憶部85cにおける読み出し用の普図保留の格納場所(記憶領域)が空き状態となり、普図保留記憶部85cにおける各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部85cにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)を空き状態となるようにする(S309)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS307で選択した普図変動パターンによる普図の変動表示を開始させるようにする(S310)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普図の変動開始を知らせるため、普図変動開始コマンドをセットする。
【0235】
上述のステップS303にて普図の変動表示中であれば(S303でYES)、続いて、普図の変動時間が経過したか否か判定し(S311)、経過していなければ(S311でNO)、本処理を終える。一方、経過していれば(S311でYES)、普図の変動表示を、普図関係乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S312)。そして、サブ制御基板90に普図の変動停止を知らせるための普図変動停止コマンドをセットするとともに(S313)、普図の停止時間(本実施形態では500ms、
図9(C)参照)をセットして(S314)本処理を終える。
【0236】
また、上述のステップS302にて普図の停止表示中であれば(S302でYES)、続いて、ステップS314でセットした普図の停止時間が経過したか否か判定し(S315)、経過していなければ(S315でNO)、本処理を終える。一方、経過していれば(S315でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S316)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S316でNO)、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S316でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S317)。
【0237】
詳細には、非時短状態中であれば、普図の種別(普図_A~D)に応じた開放タイミングの電チュー22の開放パターンとして非時短状態用の「ショート1回開放」の開放パターンをセットする。また、第2時短状態中(微時短)であれば、普図の種別(普図_A~D)に応じた開放タイミングの電チュー22の開放パターンとして第2時短状態(微時短)用の「ショート2回開放」の開放パターンをセットする。また、第1時短状態中(A時短1回、A時短30回、A時短80回のいずれか)であれば、普図の種別(普図_A~D)に応じた開放タイミングの電チュー22の開放パターンとして第1時短状態(A時短)用の「ロング2回開放」の開放パターンをセットする(
図9(D)の電チュー開放パターン判定テーブル参照)。そして、ステップS317でセットした電チュー開放パターンにしたがって、電チュー22を作動させる変位制御を行わせる(S318)。
【0238】
また、上述のステップS301にて電チュー22の作動中であれば(S301でYES)、電チュー22の開放に基づいて規定個数の遊技球が第2始動口21に入賞したか否かを判定し(S319)、規定個数の入賞をしていれば(S319でYES)、電チュー22の作動時間の経過を待たずに電チュー22の作動を終了させる(S321)。次いで、規定個数の入賞をしていなければ(S319でNO)、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S320)、電チュー22の作動時間が経過していなければ(S320でNO)、本処理を終える。一方、電チュー22の作動時間が経過していれば(S320でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S321)。
【0239】
[特別動作処理]
図17に示すように、遊技制御用マイコン81は、
図13のメイン側タイマ割り込み処理(S005)に係る普通動作処理(S105)に次いで、特別動作処理(S106)を行う。
【0240】
特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41及び大入賞装置(第1大入賞装置31及び第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てるようにしている。
【0241】
そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903でともにNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905でともにNO、S907でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S908)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S901,S903,S905,S907の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S909)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
【0242】
[特別図柄待機処理(
図17の特別動作ステータス1)]
図18に示すように、遊技制御用マイコン81は、特別図柄待機処理(S902)において、特
図2保留記憶部85b(
図4)内に取得乱数値(上述のステップS206で取得した当たり判定前の乱数値)が格納されていないかどうかを判定する(S1001)。
【0243】
特
図2保留記憶部85b(
図4)内に取得乱数値が格納されていない場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特
図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特
図1保留球数も「0」である場合(S1007でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1013)、そうであれば(S1013でYES)処理を終え、そうでなければ(S1013でNO)、待機画面設定処理(S1014)を行う。待機画面設定処理(S1014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
【0244】
ステップS1001において特
図2保留記憶部85b(
図4)内に取得乱数値が格納されている場合(S1001でNO)には、特
図2大当たり判定処理(S1002)と特
図2変動パターン選択処理(S1003)を順次行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特
図2保留球数を1減算し、特
図2保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の読み出し用の格納場所(第1記憶領域)をクリアして空き状態となるようにする(S1004)。そして、特
図2保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の5個の格納場所(読み出し用の記憶領域+保留1~保留4の各記憶領域)のそれぞれを、現在の位置から読み出される側(第1記憶領域側)に一つシフトするとともに、特
図2保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する第5記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)を空き状態となるようにする(S1005)。このようにして、特
図2保留が保留された順に消化されるようにしている。
【0245】
続いて遊技制御用マイコン81は、特
図2変動開始処理(S1006)を実行する。特
図2変動開始処理(S1006)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、特
図2の変動表示を開始する。なお、特
図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特
図2変動開始コマンドともいう)には、特
図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データ(不図示)の情報や特
図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0246】
また、特
図2保留記憶部85b(
図4)内に取得乱数値が格納されてないが特
図1保留球数が「0」でない場合(S1001でYESかつS1007でNO)には、特
図1大当たり判定処理(S1008)と特
図1変動パターン選択処理(S1009)を順次行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特
図1保留球数を1減算し、特
図1保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の読み出し用の格納場所(第1記憶領域)をクリアして空き状態となるようにする(S1010)。そして、特
図1保留記憶部85aにおける各種カウンタ値が格納可能な5個の格納場所(各記憶領域)のそれぞれを、現在の位置から読み出される側(第1記憶領域側)に一つシフトするとともに、特
図1保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する第5記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)を空き状態となるようにする(S1011)。このようにして、特
図1保留が保留された順に消化されるようにしている。
【0247】
続いて遊技制御用マイコン81は、特
図1変動開始処理(S1012)を実行する。特
図1変動開始処理(S1012)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、特
図1の変動表示を開始する。なお、特
図1変動開始処理(S1012)でセットされる変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンドともいう)には、特
図1大当たり判定処理(S1008)でセットされた特図停止図柄データ(不図示)の情報や特
図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
【0248】
上記のように本実施形態では、特
図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特
図2保留記憶部85bに特図当たり乱数カウンタ値が格納されていない場合(S1001でYESの場合)に限って行われる。すなわち特
図2保留記憶部85b内の特図当たり乱数カウンタ値に基づく処理は、特
図1保留の消化に優先して実行される。ただし、変形例では、特
図1保留の消化は、特
図2保留記憶部85b内の特図当たり乱数カウンタ値に基づく処理中に実行されてもよい。そして本実施形態では、特
図2保留記憶部85b内の特図当たり乱数カウンタ値に基づく抽選にて小当たり当選となると、その後の小当たり遊技中(第2大入賞装置36の開放中)において特定領域39を通過することができるようになっている。
【0249】
[特
図2大当たり判定処理(特
図1大当たり判定処理)]
特
図2大当たり判定処理(S1002)と特
図1大当たり判定処理(S1008)とは、処理の流れをおおむね同等とできるため
図19に基づいてまとめて説明する。
【0250】
図19に示すように、遊技制御用マイコン81は、特
図2大当たり判定処理(S1002)又は特
図1大当たり判定処理(S1008)において、判定値として、特図入賞(始動入賞)を契機に抽出される特図当たり乱数カウンタ値(
図6のカウンタAに係る抽出値)を読み出す(S1101)。
【0251】
詳細には、特
図2大当たり判定処理(S1002)では、RAM84の特
図2保留記憶部85b(特
図2保留の読み出し用に対応する第1記憶領域)に記憶されている特図当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特
図1大当たり判定処理(S1008)では、RAM84の特
図1保留記憶部85a(特
図1保留の読み出し用に対応する第1記憶領域)に記憶されている特図当たり乱数カウンタ値を読み出す。
【0252】
次に、特別当たり乱数の判定テーブル(
図7(A))をセットする(S1102)。次いで、セットした当該判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1103)。すなわち、特図当たり乱数カウンタ値が、大当たり判定値(判定情報)である「65250」~「65535」の中のいずれかの値と一致するか否か判定する(
図7(A)参照)。
【0253】
大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば(S1103でYES)、大当たりフラグ(大当たり当選の判定結果に係る情報)のONを可能にするとともに(S1104)、特図入賞を契機に抽出される特図種別乱数カウンタ値(
図6のカウンタBに係る抽出値)を読み出して、
図7(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別(大当たりの種類)を判定する(S1105)。大当たり図柄種別を判定(S1105)した後は、大当たり図柄種別に応じた識別情報のいずれかとなる特図停止図柄データ(不図示)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1106)処理を終える。
【0254】
一方、大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」でなければ(S1103でNO)、小当たりか否かを判定する(S1107)。詳細には、特
図2大当たり判定処理(S1002)では、特図当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「100」~「65249」の中のいずれかの値と一致するか否か判定する(
図7(A)の特
図2の欄参照)。
【0255】
なお、本実施形態では、特
図2の抽選において特
図1の抽選よりも小当たり当選確率を高くなるようにしているが、変形例として、特
図1の抽選において特
図2の抽選よりも小当たり当選確率を高くなるようにしてもよい。また、特
図1の抽選又は特
図2の抽選のいずれか一方でのみ小当たり当選に係る抽選が行われるようにしてもよい。
【0256】
小当たり判定(S1107)の結果が「小当たり」であれば(S1107でYES)、小当たりフラグ(小当たり当選の判定結果に係る情報)のONを可能にするとともに(S1108)、特図種別乱数カウンタ値を読み出して、
図7(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに基づいて小当たり図柄種別(小当たりの種類)を判定する(S1109)。小当たり図柄種別を判定(S1109)した後は、小当たり図柄種別に応じた識別情報のいずれかとなる特図停止図柄データ(不図示)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1110)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、特図当たり乱数とは別に設けてもよい。
【0257】
また、特
図2大当たり判定処理(S1002)又は特
図1大当たり判定処理(S1008)では、大当たりでなく(S1103でNO)、小当たりでもなければ(S1107でNO)、「特図ハズレ(格別ハズレを含む)」であるので、特別ハズレ図柄に応じた識別情報のいずれかとなる特図停止図柄データ(不図示)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1113)処理を終える。
【0258】
特
図2大当たり判定処理(S1002)では、所定の非時短状態(所定の通常状態、初動遊技)である場合に、特図当たり乱数カウンタ値が、C時短当たり(格別ハズレ)判定値である「0」~「99」の中のいずれかの値と一致するか否かの判定か可能とする(
図7(A)の特
図2の欄参照)。そのため、特
図2大当たり判定処理(S1002)では、大当たりでなく(S1103でNO)、小当たりでもなければ(S1107でNO)、ステップS1111においてC時短当たり(格別ハズレ)か否かを判定し、「C時短当たり」であれば(S1111でYES)、C時短当たりフラグ(C時短当たり当選の判定結果に係る情報)のONを可能にするとともに(S1112)、特図種別乱数カウンタ値を読み出して、
図7(E)に示す時短図柄の種別判定テーブルに基づいてC時短当たりに係る図柄種別(時短図柄β/時短図柄の種類)の判定をし(S1113)、C時短当たりに係る図柄種別(時短図柄β)に応じた識別情報の特図停止図柄データ(不図示)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1114)処理を終える。一方、ステップS1111において「C時短当たり」でなければ(S1112でNO)、「特図ハズレ」であるので、特別ハズレ図柄に応じた識別情報の特図停止図柄データ(不図示)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1115)処理を終える。
【0259】
変形例として、特図種別乱数カウンタ値を読み出して、時短図柄種別判定テーブル又は特別ハズレ図柄種別判定テーブル(不図示)に基づいて、時短図柄又は特別ハズレ図柄の種別を判定し、時短図柄の複数種別(時短図柄β又は時短図柄α)又は特別ハズレ図柄の複数種別に応じた識別情報のいずれかとなる特図停止図柄データ(不図示)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1114)処理を終えるようにしてもよい。また、C時短当たりか否かを決める乱数を、特図当たり乱数とは別に設けてもよい。
【0260】
[特
図2変動パターン選択処理(特
図1変動パターン選択処理)]
図18の特別図柄待機処理(S902)に係る特
図2変動パターン選択処理(S1003)と特
図1変動パターン選択処理(S1009)は、処理の流れをおおむね同等とできるため、
図20に基づいてまとめて説明する。
【0261】
図20に示すように、遊技制御用マイコン81は、特
図2変動パターン選択処理(S1003)又は特
図1変動パターン選択処理(S1009)において、遊技状態が非時短状態か否か(時短フラグがOFFか否か)を判定する(S1301)。
【0262】
非時短状態であれば(S1301でYES)、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、非時短状態中大当たり用のテーブル(
図10(A)に示すテーブルのうち大当たりに該当する部分)を参照して、特図入賞を契機に抽出される特図変動パターン乱数カウンタ値(
図6のカウンタDに係る抽出値)に基づいて変動パターンを選択する(S1303)。
図10に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
【0263】
なお、変動パターンには変動演出が関連付けられており、変動パターンが決定されると、その変動パターンに応じた変動演出が実行される。具体的には例えば、変動パターンP1に基づく変動演出ではスーパーリーチ(以下、SPリーチとも称す)が実行され、変動パターンP2に基づく変動演出ではノーマルリーチ(以下、Nリーチとも称す)が実行され、変動パターンP3に基づく変動演出ではバトルリーチが実行される(
図10に示すリーチ種類の欄参照)。ここでSPリーチ又はバトルリーチとは、Nリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、大当たり遊技又は小当たり遊技が実行される期待度(当選期待度)がNリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本実施形態では、Nリーチを経てSPリーチ又はバトルリーチに至らせる発展的な実行がされる。
【0264】
一方、ステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、非時短状態中小当たり用のテーブル(
図10(A)に示すテーブルのうち小当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。
【0265】
またステップS1304において、小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、ステップS1306において、あらかじめ定められた非時短状態(所定の通常状態、初動遊技)となっているときの特
図2における格別ハズレに基づいてC時短当たりとされたか否かを判定する(S1306)。そして、C時短当たりとされていれば(S1306でYES)、非時短状態中C時短当たり用のテーブル(
図10(A)に示すC時短当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン(変動パターンP14のバトルリーチ)を選択する(S1307)。なお、時短状態となっているときの特
図2における格別ハズレは、C時短当たりの判定とされることはないため、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値であるか否かに応じた変動パターンが選択される。なお、C時短当たりした際における時短図柄の種別を、バトルリーチに基づく表示結果によって示すようにしてもよい。
【0266】
一方、C時短当たりとされていなければ(S1306でNO)、特図ハズレになるため、続いて、特図入賞を契機に抽出されるリーチ乱数カウンタ値(
図6のカウンタCに係る抽出値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1308)。
図7(D)に示すように、非時短状態中のリーチ成立乱数値は「0」~「80」の中のいずれかの値である。
【0267】
そして、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1308でYES)、即ち、リーチ有り特図ハズレの場合には、非時短状態中リーチ有り特図ハズレ用のテーブル(
図10(A)に示すテーブルのうち特図ハズレのリーチ有りに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1309)。
【0268】
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1308でNO)、即ち、リーチ無し特図ハズレの場合には、非時短状態中リーチ無し特図ハズレ用のテーブル(
図10(A)に示すテーブルのうち特図ハズレのリーチ無しに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1310)。
【0269】
なお、特
図2変動パターン選択処理(S1003)又は特
図1変動パターン選択処理(S1009)におけるリーチ無し特図ハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
【0270】
またステップS1301において、遊技状態が非時短状態でないと判定した場合(S1301でNO)、すなわち時短状態であると判定した場合には、大当たりフラグがONか否かを判定する(S1311)。ONであれば(S1311でYES)、時短状態中大当たり用のテーブル(
図10(B)に示すテーブルのうち大当たりに該当する部分)を参照して、特図入賞を契機に抽出される特図変動パターン乱数カウンタ値(
図6のカウンタDに係る抽出値)に基づいて変動パターンを選択する(S1312)。
【0271】
一方、ステップS1311において、大当たりフラグがONでなければ(S1311でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1313)。ONであれば(S1313でYES)、時短状態中小当たり用のテーブル(
図10(B)に示すテーブルのうち小当たりに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1314)。
【0272】
またステップS1313において、小当たりフラグがONでなければ(S1313でNO)、特図ハズレになるため、続いて、特図入賞を契機に抽出されるリーチ乱数カウンタ値(
図6のカウンタCに係る抽出値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1315)。
図7(D)に示すように、時短状態中のリーチ成立乱数値は「0」~「40」の中のいずれかの値である。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1315でYES)、即ち、リーチ有り特図ハズレの場合には、時短状態中リーチ有り特図ハズレ用のテーブル(
図10(B)に示すテーブルのうち特図ハズレのリーチ有りに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1316)。
【0273】
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1315でNO)、即ち、リーチ無し特図ハズレの場合には、時短状態中リーチ無し特図ハズレ用のテーブル(
図10(B)に示すテーブルのうち特図ハズレのリーチ無しに該当する部分)を参照して、特図変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1317)。
【0274】
なお、非時短状態中の特図変動パターン判定テーブルでは、全体的に時短状態中よりも変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなり、時短状態中の特図変動パターン判定テーブルでは、全体的に非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択されやすくなっている。
【0275】
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、
図20に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1319)、本処理を終える。ステップS1319でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S902)におけるステップS1006又はS1012でセットされる変動開始コマンドに含められる。
【0276】
なお、変形例として、時短状態における時短最終変動時の変動パターンの選択に係る処理について、変動パターンP14のバトルリーチが選択されるようにしてもよい。すなわち、特図抽選による当否の結果を、バトルリーチに基づく表示結果によって示すようにしてもよい。つまり、時短状態における時短最終変動時には、あらかじめ定められたリーチ演出(バトルリーチ)を実行するようにしてもよい。
【0277】
[特別図柄変動中処理(
図17の特別動作ステータス2)]
図21に示すように、遊技制御用マイコン81は、特別図柄変動中処理(S904)において、特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、
図10参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。特別図柄の変動時間が経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
【0278】
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データ(不図示)に応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄、時短図柄、特別ハズレ図柄のいずれか)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1504)、この処理を終える。
【0279】
[特別図柄確定処理(
図17の特別動作ステータス3)]
図22に示すように、遊技制御用マイコン81は、特別図柄確定処理(S906)において、特別図柄の停止時間(
図10)が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、遊技状態管理処理を行う(S1602)。なお、遊技状態管理処理ついては後に詳述する。
【0280】
次に、大当たりフラグがON(大当たり当選の判定結果に係る情報の記憶有り)であるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かを判定し(S1605)、時短フラグがONでない場合(S1605でNO)にはステップS1607に進むが、時短フラグがONである場合(S1605でYES)にはRAM84に設けている特図種別バッファを参照し、当該時短フラグをONとしたときにセットされていた時短状態の種別(時短状態の開始とさせた際の時短回数)と当選判定とする大当たり図柄の種別との組合せの判定に係るタイミング(例えば、1種大当たり遊技の作動条件が満たされる特図変動開始時又は特図変動終了時など)で時短フラグをOFFして(S1606)、ステップS1607に進む。
【0281】
なお、本実施形態における低ベース状態とは、電チュー22が頻繁に開放可能とされることによる電サポ(入賞サポート)がないという意味での低ベース状態であり、大入賞装置の作動に基づくベースアップを考慮したものではない。
【0282】
その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンド(不図示)をセットして(S1607)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1608)。ステップS1608に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たり図柄の種別に応じた大入賞口の開放パターン(詳しくは
図8を参照)をセットする(S1609)。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値について、当選した大当たり図柄の種別に応じた値にセットする。なお、大入賞口の開放パターンのセット(大入賞口の開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンドごとに行うようにしてもよい。
【0283】
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて小当たりフラグがON(小当たり当選の判定結果に係る情報の記憶有り)であるか否かを判定する(S1610)。小当たりフラグがONであれば(S1610でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1611)。
【0284】
ついで、時短フラグがONか否かを判定し(S1612)、時短フラグがONでない場合(S1612でNO)にはステップS1614に進むが、時短フラグがONである(S1612でYES)場合にはRAM84に設けた特図種別バッファを参照し、当該時短フラグをONとしたときにセットされていた時短状態の種別(実行開始とさせた際の時短回数)と当該時短状態中に当選判定された小当たり図柄の種別との組合せの判定に係るタイミング(例えば、2種大当たり遊技の作動条件が満たされるV入賞時、又は、V入賞をさせる前の2種大当たり遊技の開始時など)で時短フラグをOFFとなるようにして(S1613)、ステップS1614に進む。
【0285】
そして、遊技制御用マイコン81は、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンド(不図示)をセットして(S1614)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S1615)。ステップS1615に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たり図柄の種別に応じた大入賞口の開放パターン(詳しくは
図8を参照)をセットする(S1616)。なおこのときに、大入賞口開放カウンタの値について、当選した小当たり図柄の種別に応じた値にセットする。
【0286】
その後遊技制御用マイコン81は、振分部材作動フラグをONにして(S1617)、本処理を終える。振分部材作動フラグは、振分部材71を作動させる期間であることを示すフラグである。つまり本実施形態では、振分部材71の作動は小当たり遊技のオープニングとともに開始される。なお、振分部材71の作動パターンについては後に詳述する。
【0287】
ステップS1610において小当たりフラグがONでなければ(S1610でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1618)、本処理を終える。
【0288】
[遊技状態管理処理]
図23に示すように、遊技制御用マイコン81は、
図22の特別図柄確定処理(S906)に係る遊技状態管理処理(S1602)において、時短フラグがONか否か判定し(S1701)、時短フラグがONではなく時短フラグOFFとなっている場合(S1701でNO)は、ステップS1705に進む。
【0289】
一方、時短フラグがONである場合(S1701でYES)は、時短状態中に実行した特図ハズレ変動(特別図柄のハズレ変動表示)の回数をカウントする時短カウンタの値を1減算するとともに(S1702)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1703)。そして、「0」でない場合(S1703でNO)は、本処理を終え、「0」である場合(S1703でYES)は、時短フラグをOFFして(S1704)、ステップS1705に進む。
【0290】
ステップS1705では、大当たり後等(遊技機の初動時又は一般の通常状態の移行時から、後述のハズレカウンタが800回に到達するとき)の場合、又は、あらかじめ定められた所定の非時短状態下(初動遊技に係る所定の通常状態)においてのみ使用可能な判定条件(通例の判定条件)に基づいて判定し得るC時短当たり(格別ハズレ)の判定結果となる場合であれば(S1705でYES)、所定の時短フラグ(B時短フラグ又はC時短フラグ)をONして(S1706)、ステップS1707に進む。
【0291】
なお、本実施形態では、大当たりとならずにハズレカウンタが800回に到達する場合にはB時短フラグをONにし、大当たり遊技を介さずに時短状態へ移行可能とさせるC時短当たり(格別ハズレ)となる場合にはC時短フラグをONにする。
【0292】
ステップS1707では、時短状態を作動させるための時短カウンタの値のセットを行う。具体的に、ハズレカウンタが800回に到達する場合(大当たり後等)は、時短カウンタの値として「1000回」のセットがされているようにする。またC時短当たり(格別ハズレ)の判定結果となる場合は、「特
図2_時短図柄β」に応じた時短カウンタの値として「1000回」のセットがされているようにする。そして、ステップS1710に進む。
【0293】
なお、本実施形態では、後述するように1種大当たり遊技又は2種大当たり遊技の終了となるとき(A時短の移行時)において、大当たり図柄又は小当たり図柄の種別に応じた時短カウンタの値として「1回」、「30回(第二終了条件)」、「80回(第一終了条件)」のいずれかをセット可能にすることで、A時短フラグのONをできるようにする。
【0294】
なお、C時短当たりに関する変形例として、時短図柄βとは異なる他の時短図柄αを設け、この時短図柄αに応じた時短カウンタの値として「50回」をセットさせるようにしてもよい。すなわち、複数種類の時短図柄の中からいずれかを選択可能とし、選択された時短図柄に応じて互いに異なる時短カウンタの値を設定可能とするようにしてもよい。
【0295】
一方、大当たり後等又はC時短当たりではない場合であれば(S1705でNO)、ステップS1708に進む。ステップS1708では、大当たりフラグ又は小当たりフラグのいずれかがONであるか否かを判定し、ONであれば(S1708でYES)、ステップS1710に進む。また、大当たりフラグ又は小当たりフラグのいずれもONではなく、特図ハズレとなる場合であれば(S1708でNO)、ステップS1709に進む。
【0296】
ステップS1709では、非時短状態中に実行した特図ハズレ変動(特別図柄のハズレ変動表示)であれば回数のカウントをするハズレカウンタの値を1加算することを可能にし、ステップS1710に進む。なお、本実施形態では、あらかじめ定められた所定の非時短状態下(特図抽選の当選確率が低い低確率状態)においてハズレカウンタの値が「800回(所定の規定回数)」に到達する場合には、特図抽選の結果に応じることなく第3時短状態(いわゆる、B時短、遊タイム)へ移行可能となるようにしている。
【0297】
また前述のハズレカウンタの値は、800回に到達した場合、又は、大当たりが成立する場合にクリアがされるようにしている。なお、前述の第3時短状態は、上記した第1時短状態又は第2時短状態のいずれかと同様の時短状態とするなど適宜な設定とするようにしてよい。
【0298】
ステップS1710では、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。このコマンドが出力されることにより、サブ制御基板90に現在の遊技状態の情報が通知される。そしてサブ制御基板90により、現在の遊技状態に応じた演出モードに制御される。
【0299】
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]
特別電動役物処理1(
図17の特別動作ステータス4)は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技の実行のための処理である。
【0300】
図24に示すように、遊技制御用マイコン81は、特別電動役物処理1(S908)において、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放(単位開放遊技、ラウンド遊技)が全て終了したことを示すフラグである。
【0301】
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
【0302】
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている大入賞口の開放パターンにしたがって第1大入賞口30を開放させる(S2004)。
【0303】
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、その単位開放遊技(1ラウンド遊技)における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本実施形態では10個)に達しているか否かを判定する(S2005)。規定入賞個数に達していなければ(S2005でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(
図8参照)が経過したか否か)を判定する(S2006)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2006でNO)、本処理を終える。
【0304】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2005でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2006でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2007)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1減算し(S2008)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2009)。「0」でなければ(S2009でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
【0305】
一方「0」であれば(S2009でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンド(不図示)をセットするとともに(S2010)、大当たりのエンディングを開始する(S2011)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2012)。
【0306】
またステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2013)、エンディング時間が経過していなければ(S2013でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2013でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2014)、大当たりフラグをOFFする(S2015)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットした後(S2016)、後述の遊技状態設定処理(S2017)を行って、本処理を終える。
【0307】
[遊技状態設定処理]
図25に示すように、遊技制御用マイコン81は、特別電動役物処理1(S908)に係る遊技状態設定処理(S2017)において、今回の大当たり遊技の実行契機となった大当たりが、1種大当たりであるか否かを判定する(S2101)。この判定結果がNOであれば小当たりであるとしてステップS2109に進み、この判定結果がYESであれば、1種大当たり遊技の作動条件が満たされるときにおいて現在の遊技状態が時短状態(時短フラグON)か否かを判定する(S2102)。
【0308】
ステップS2102において、判定結果がNO(非時短状態)であればステップS2104に進み、特別図柄によって大当たり報知をする大当たり当選変動(当選判定時)における大当たり図柄の種別が「特
図1_大当たり図柄A」又は「特
図1_大当たり図柄B」の場合に、時短付与に係る時短カウンタの値(時短回数)を「30回」にセットし、大当たり図柄の種別が「特
図2_大当たり図柄A」又は「特
図2_大当たり図柄B」の場合には、左打ち遊技の推奨(非時短)中に右打ち遊技をされたイレギュラー対策として、時短カウンタの値(時短回数)を「1回」にセットし(
図8参照)、ステップS2107に進む。
【0309】
一方、ステップS2102の判定結果がYES(時短状態)であれば、ステップS2103において1種大当たり遊技の作動条件が満たされるときにおいて現在の遊技状態が微時短の状態中(第一の判定条件が使用可能とされる第2時短状態)であるか否かの判定をする。
【0310】
この判定結果がYES(微時短の状態)であれば、特別図柄によって大当たり報知をする大当たり当選変動(当選判定時)における大当たり図柄の種別が「特
図1_大当たり図柄A」又は「特
図1_大当たり図柄B」の場合に、時短付与に係る時短カウンタの値(時短回数)を「80回」にセットし、大当たり図柄の種別が「特
図2_大当たり図柄A」又は「特
図2_大当たり図柄B」の場合には、左打ち遊技の推奨(非時短)中に右打ち遊技をされたイレギュラー対策として、時短カウンタの値(時短回数)を「1回」にセットし(
図8参照)、ステップS2107に進む。
【0311】
また、ステップS2103において、判定結果がNO(A時短の状態)であればステップS2105に進み、特別図柄によって大当たり報知をする大当たり当選変動における大当たり図柄の種別(A時短の状態中に当選した図柄種類)が「特
図2_大当たり図柄A」又は「特
図2_大当たり図柄B」の場合に、時短付与に係る時短カウンタの値(時短回数)を「80回」にセットし、大当たり図柄の種別が「特
図1_大当たり図柄A」又は「特
図1_大当たり図柄B」の場合には、右打ち遊技の推奨(A時短)中に左打ち遊技をされた救済対策として、時短カウンタの値(時短回数)を「30回」にセットし(
図8参照)、ステップS2107に進む。
【0312】
またステップS2101の判定結果がNO(小当たり)であるとして進んだステップS2109では、小当たり遊技中において後述するVフラグがON(V入賞)であるか否かを判定しVフラグがONではない場合(S2109でNO)には、本処理を終了し、VフラグがONである場合(S2109でYES)には、ステップS2110においてVフラグをONする際(2種大当たり作動時/V入賞時)において時短状態(時短フラグON)であるか否かを判定する。
【0313】
ステップS2110において、判定結果がNO(非時短状態)であればステップS2111に進み、特別図柄によって小当たり報知をする小当たり当選変動における小当たり図柄の種別が「特
図1_小当たり図柄a」又は「特
図1_小当たり図柄b」の場合は、時短付与に係る時短カウンタの値(時短回数)を「30回」にセットし、小当たり図柄の種別が「特
図2_小当たり図柄a」又は「特
図2_小当たり図柄b」の場合には、左打ち遊技の推奨(非時短)中に右打ち遊技をされたイレギュラー対策として、時短カウンタの値(時短回数)を「1回」にセットし(
図8参照)、ステップS2107に進む。
【0314】
一方、ステップS2110の判定結果がYES(時短状態)であればステップS2112に進み、2種大当たり遊技の作動条件が満たされるとき(VフラグがONになるとき)において現在の遊技状態が微時短の状態中(第一の判定条件が使用可能とされる第2時短状態)であるか否かの判定をする。この判定結果がYES(微時短の状態)であればステップS2106に進み、特別図柄によって小当たり報知をする大当たり当選変動(当選判定時)における大当たり図柄の種別が「特
図1_小当たり図柄a」又は「特
図1_小当たり図柄b」の場合に、時短付与に係る時短カウンタの値(時短回数)を「80回」にセットし、小当たり図柄の種別が「特
図2_小当たり図柄a」又は「特
図2_小当たり図柄b」の場合には、左打ち遊技の推奨(非時短)中に右打ち遊技をされたイレギュラー対策として、時短カウンタの値(時短回数)を「1回」にセットし(
図8参照)、ステップS2107に進む。
【0315】
また、ステップS2112において、判定結果がNO(A時短の状態)であればステップS2113に進み、特別図柄によって小当たり報知をする小当たり当選変動における小当たり図柄の種別が「特
図2_小当たり図柄b」の場合は、時短付与に係る時短カウンタの値(時短回数)を「80回」にセットし、小当たり図柄の種別が「特
図2_小当たり図柄a」の場合(電チュー22の振分部材71の作動パターンが小当たり遊技の実行中にV入賞が不可能な非通過用開放パターンとなるが、イレギュラーでV入賞ができてしまったとき)は、時短付与に係る時短カウンタの値(時短回数)を「1回」にセットし、小当たり図柄の種別が「特
図1_小当たり図柄a」又は「特
図1_小当たり図柄b」の場合には、右打ち遊技の推奨(A時短)中に左打ち遊技をされた救済対策として、時短カウンタの値(時短回数)を「30回」にセットし(
図8参照)、ステップS2107に進む。
【0316】
次いで、ステップS2107において所定の時短フラグ(A時短フラグ)をONするとし、ステップS2108に進む。ステップS2108では、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。このコマンドが出力されることにより、サブ制御基板90に現在の遊技状態の情報が通知される。そしてサブ制御基板90により、現在の遊技状態に応じた演出モードに制御される。
【0317】
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]
特別電動役物処理2(
図17の特別動作ステータス5)は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる小当たり遊技の実行のための処理である。
【0318】
図26及び
図27に示すように、遊技制御用マイコン81は、特別電動役物処理2(S909)において、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
【0319】
小当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
【0320】
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、当選している小当たり図柄の種別に応じた大入賞口の開放パターン(
図8参照)にしたがって第2大入賞口35を開放させる(S2304)。
【0321】
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本実施形態では10個)に達しているか否かを判定する(S2305)。規定入賞個数に達していなければ(S2305でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(
図8に示すように本実施形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2306)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2306でNO)、本処理を終える。
【0322】
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2305でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2306でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2307)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1減算するとともに(S2308)、小当たり終了フラグをセットして(S2309)、本処理を終える。
【0323】
またステップS2301において小当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、
図27に示すように、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S2310)、閉鎖後インターバルの時間が経過していなければ(S2310でNO)処理を終える。なお、小当たり遊技の閉鎖後インターバルの時間については後述する。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S2310でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2311)、小当たりフラグをOFFして(S2312)、ステップS2313に進む。
【0324】
ステップS2313では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは、小当たり遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するステップS2603(
図30参照)でONされるフラグである。
【0325】
VフラグがONであれば(S2313でYES)、2種大当たり遊技を実行するため、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2314)、大当たりフラグをONして(S2315)、特別動作ステータスを「4」にセットし(S2316)、ステップS2317に進む。そして、大当たりのオープニングコマンド(不図示)をセットするとともに(S2317)、大当たりのオープニングを開始する(S2318)。これにより、第2大入賞口35を短時間にわたって開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
【0326】
一方、ステップS2313においてVフラグがONでなければ(S2313でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、大入賞口開放カウンタの値を「0」にクリアするとともに(S2320)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2321)、本処理を終える。
【0327】
[振分部材制御処理]
遊技制御用マイコン81は、
図13のメイン側タイマ割り込み処理(S005)に係る特別動作処理(S106)に次いで振分部材制御処理(S107)を行う。
【0328】
図28に示すように、振分部材制御処理(S107)では、先ず、振分部材作動フラグがONか否かを判定する(S2501)。振分部材作動フラグがONでない場合(S2501でNO)には本処理を終える。一方、振分部材作動フラグがONである場合(S2501でYES)には、小当たり遊技のオープニングが開始しているため(
図22参照)、振分部材71を所定の作動パターンにて作動させるべく振分部材作動処理(S2502)を行うとともに、V有効期間設定処理(S2503)を行う。
【0329】
振分部材作動処理(S2502)では、振分部材71の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、振分部材71の開放タイミングになったら振分部材ソレノイド73をONし、振分部材71の閉鎖タイミングになったら振分部材ソレノイド73をOFFする。これにより、振分部材71は、小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
【0330】
具体的には、振分部材71を先ず、小当たり遊技のオープニングの開始から8msにわたって通過阻止状態(
図2に破線で示す状態)に制御する。これを開放前インターバルという。続いて、4600msにわたって通過許容状態(
図2参照)に制御する。これを、V開放という。次いで、3000msにわたって通過阻止状態に制御する。これを、閉鎖後インターバルという。このような、「開放前インターバル⇒V開放⇒閉鎖後インターバル」からなる一連の動作が振分部材71の一定動作である。
【0331】
また、V有効期間設定処理(S2503)では、上記のような振分部材71の一定動作に対してV有効期間を設定する。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONにする期間である。
図29(d)に示すように、V有効期間は、特定領域39の開放開始(振分部材71を通過許容状態に制御した時点)から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、特定領域39の開放時間(振分部材71を通過許容状態に制御している時間)よりも長い時間に設定されている。これは、振分部材71の配置位置を通過した遊技球が特定領域39に至るまでのタイムラグを考慮してのことである。
【0332】
具体的にはV有効期間設定処理(S2503)では、V有効期間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、特定領域39を有効にするタイミングになったらV有効フラグをONし、特定領域39を無効にするタイミングになったらV有効フラグをOFFする。なお、後述する特定領域センサ検出処理(S108)のステップS2602では、このV有効フラグがONか否かを判断することにより、V有効期間中か否かを判定する。
【0333】
V有効期間設定処理(S2503)に続いて遊技制御用マイコン81は、振分部材71の動作が終了したか否かを判定する(S2504)。具体的には、ステップS2502でセットした振分部材71の作動時間を計測するためのタイマに基づいて、振分部材71が一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間(7600ms(
図29(c)参照)が経過したか否かを判定する。そして、振分部材71の動作が終了していない場合(S2504でNO)には、そのまま本処理を終える。これに対して、振分部材71の動作が終了している場合(S2504でYES)には、振分部材作動フラグをOFFしてから(S2505)本処理を終える。
【0334】
ここで
図29に基づいて、上記のような振分部材71の一定動作と、小当たり遊技における第2大入賞口35(開閉部材37)の開放パターンとの関係について説明する。本実施形態では、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンとして、
図29(b)及び(e)に示す2つの開放パターンがある。なお、
図29(a)は、小当たり遊技の開始のタイミングをわかりやすくするために、特別図柄の変動表示及び停止表示のタイミングを示したものである。
【0335】
図29(b)に示す開放パターンは、特
図2の抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターンである。つまり、「特
図2_小当たり図柄b」(
図8参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が可能な通過用開放パターンである。
【0336】
より詳細には、この通過用開放パターンは、8msにわたって第2大入賞口35を閉塞
した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、8msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
【0337】
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中及び第2大入賞口35の閉鎖後の6000msの期間中は、振分部材71のV開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(
図29(b)及び(c)参照)。したがって、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。なお本実施形態では、右打ちにて遊技球を連続的に発射し続けていれば、1.6秒にわたる開放期間中に必ず第2大入賞口35へ遊技球が入賞するように、第2大入賞装置36等の各装置が配されている。また、第2大入賞口35を通過した遊技球が振分部材71の配置位置に至るまでの所要時間は3000msよりも短い。
【0338】
図29(e)に示す開放パターンは、特
図2の抽選にて「特
図2_小当たり図柄a」(
図8参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が実質的に不可能な非通過用開放パターンである。
【0339】
より詳細には、この非通過用開放パターンは、4568msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、1440msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、4568msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、1440msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
【0340】
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、オープニング中に振分部材71のV開放がほぼ終了する(
図29(e)及び(c)参照)。振分部材71のV開放と、第2大入賞口35の開放とが一致している期間は、第2大入賞口35の開放開始直後の僅か40msだけである。したがって、仮に第2大入賞口35の開放開始とともに遊技球が入球しても、その遊技球が振分部材71の位置に到達する頃には振分部材71は通過阻止状態に制御されている。よって、この開放パターンが選択された場合には、遊技球が特定領域39を通過することはない。つまり、遊技球が特定領域39を通過することは実質的に不可能となっている。
【0341】
以上、
図29に基づいて説明したように、本実施形態では小当たり遊技のオープニングの開始に伴って振分部材71の動作を開始するようにしている。そして、小当たり図柄の種別に応じた2つの開放パターンのいずれかにて小当たり遊技が実行される。各開放パターンは、オープニングの時間が異なっている。したがって、それぞれの開放パターンでは、振分部材71の変位タイミングに対する第2大入賞口35の開放タイミングが異なることとなる。かくして、第2大入賞口35への入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過可能な小当たり遊技(
図29(b)の特2V通過小当たり)と、どのようなタイミングで第2大入賞口35に入賞しても特定領域39を通過することができない小当たり遊技(
図29(e)の特1V非通過小当たり)とを実行することが可能となっている。
【0342】
なお本実施形態では、小当たり遊技中は、第2大入賞装置36内に入球した遊技球の数を第2大入賞口センサ35aによる検知に基づいてカウントしているとともに、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数を特定領域センサ39a又は非特定領域センサ70aによる検知に基づいてカウントしている。つまり本実施形態では、特定領域センサ39a及び非特定領域センサ70aは、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数をカウントする排出口センサとしても機能している。そして、振分部材71の一定動作の終了時点で、両カウント値が一致していないときにはエラー報知を行うようにしている。なお第2大入賞口35の閉鎖後、両カウント値が一致したときに振分部材71の作動を停止するようにしてもよい。このようにすれば、第2大入賞口35の閉鎖後に特別図柄の変動表示をスムーズに開始することが可能となる。
【0343】
[特定領域センサ検出処理]
遊技制御用マイコン81の動作の説明に戻る。遊技制御用マイコン81は、
図13のメイン側タイマ割り込み処理(S005)に係る振分部材制御処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う。
【0344】
図30に示すように、特定領域センサ検出処理(S108)では、先ず、特定領域センサ39aをONとさせるための遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。検知がなければ(S2601でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2602)。V有効期間は、前述の振分部材制御処理(
図28)におけるV有効期間設定処理(S2503)にて設定される期間である。具体的にはV有効期間は、
図29(d)に示す期間である。
【0345】
ステップS2602でV有効期間中であると判定した場合には(S2602でYES)、VフラグをONするとともに(S2603)、V通過コマンドをセットして(S2604)、ステップS2605に進む。一方、ステップS2602でV有効期間中でないと判定した場合には(S2602でNO)、ステップS2603からステップS2606の処理を行うことなく、特定領域センサ検出処理を終える。なお、V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域39の通過)の報知を行わせるためのコマンドである。
【0346】
ステップS2605では、保留記憶部85に当選に係る記憶情報(以下、保留内当選とも称す)があるか否かを判定し、保留内当選がなければ(S2605でNO)、本処理を終えるようにする。一方、保留内当選があれば(S2605でYES)、保留内当選である旨の示唆を小当たり遊技中の演出に追加可能とさせるための保留内当選フラグをセットして、本処理を終える。
【0347】
[演出制御用マイコン91の動作]
次に、
図31~
図33に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91は、1チップマイコンで形成され、ROM(演出制御用ROM)93と、RAM(演出制御用RAM)94と、CPU(演出制御用CPU)92と、乱数回路と、I/Oポート97などを備えている。ROM93には、CPU92が演出制御処理を行うための演出制御プログラムや、演出制御処理に必要な各種データや各種テーブル等が記憶されている。
【0348】
RAM94は、CPU92が演出制御処理を行う際にワーク用のメモリとして使用されるようにしている。また、RAM94には、受信した演出制御コマンドを記憶する演出制御コマンド記憶領域と、演出制御コマンドに応じてCPU92が決定した演出制御情報を記憶する演出情報記憶領域がある。CPU92は、RAM94に記憶された演出制御コマンドの解析をして、その解析結果に応じた演出制御処理を実行する。なお、RAM94に記憶された演出制御コマンド又は演出制御情報の一部(又は全て)は、本パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても、所定期間の保持が可能なバックアップRAMとしている。
【0349】
演出制御用マイコン91は、本パチンコ遊技機1の電源投入時に行う起動時処理に基づいてROM93に記憶された遊技プログラムをRAM94に展開可能として、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等の動作処理や、後述する演出統制手段91A(CPU92)による演出関連の制御処理を実行可能とすることにより演出制御を行うようにしている。
【0350】
[サブ制御メイン処理]
図31に示すように、演出制御用マイコン91は、本パチンコ遊技機1が電源投入されると、サブ制御メイン処理のプログラムをROM93から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
【0351】
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
【0352】
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理(S4004)では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、受信したコマンドにしたがって、表示画面7a(表示部)に画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、サブ制御基板90は、画像制御基板100によって行われる種々の演出とともに、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、盤可動体15を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(変動演出、保留演出、可動体演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
【0353】
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~S4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、及び10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
【0354】
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板80から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン91に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン91は主制御基板80の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011,S4012)に優先して実行される。
【0355】
[1msタイマ割り込み処理]
図31のサブ制御メイン処理に係る1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板90に1ms周期の割り込みパルスが入力される度に実行可能とされる。
【0356】
図32に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4011)では、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、音声データ出力処理(S4103)、振動データ出力処理(S4104)、送風データ出力処理(S4105)、可動体制御処理(S4106)、ウォッチドッグタイマ処理(S4107)を順次行う。
【0357】
入力処理(S4101)では、演出ボタン検出スイッチ63aやセレクトボタン検出スイッチ64a、タッチスイッチ114などの遊技者が操作可能な操作部に対して行われる入力操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成可能となるようにしたりする。
【0358】
次いで、発光データ出力処理(S4102)では、入力処理や後述する演出用データ作成処理により作成された演出用データに基づいて、変動表示演出(画像による演出等)に合うタイミングなどで枠ランプ66、及び/又は、盤ランプ5などのランプを発光させるべく、発光データ(ランプデータ)に係る指令情報をランプ制御基板107に出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、発光データにしたがって枠ランプ66、及び/又は、盤ランプ5を所定態様にして発光させる所定の発光演出を行う。
【0359】
次いで、音声データ出力処理(S4103)では、入力処理や後述する演出用データ作成処理により作成された演出用データに基づいて、変動表示演出に合うタイミングなどでスピーカ67から音声を出力させるべく、音声データ(スピーカ67から音声、BGM、所定の効果音などの出力を制御するデータ)に係る指令情報を音声制御基板106に出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、音声データにしたがってスピーカ67から所定の音声態様の報知出力をさせる所定の音声演出を行う。
【0360】
次いで、また、振動データ出力処理(S4104)では、入力処理や後述する演出用データ作成処理により作成された演出用データに基づいて、変動表示演出に合うタイミングなどで振動装置63bを動作させて振動を発生させるべく、振動データに係る指令情報を駆動制御基板60dに出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、振動データにしたがって振動装置63bに所定態様の振動出力をさせる所定の振動演出を行う。
【0361】
次いで、また、送風データ出力処理(S4105)では、入力処理や後述する演出用データ作成処理により作成された演出用データに基づいて、変動表示演出に合うタイミングなどで送風装置60bを動作させて風(エア)を発生させるべく、送風データに係る指令情報を駆動制御基板60dに出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、送風データにしたがって送風装置60bに所定態様の送風出力をさせる所定の送風演出を行う。
【0362】
次いで、可動体制御処理(S4106)では、入力処理や後述する演出用データ作成処理により作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで盤可動体15などの可動体を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データに係る指令情報をランプ制御基板107の経由に基づく中継基板108に出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、駆動データにしたがって、盤可動体15などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。
【0363】
最後に、ウォッチドッグタイマ処理(S4107)では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行って本処理を終える。
【0364】
[10msタイマ割り込み処理]
図31のサブ制御メイン処理に係る10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板90に10ms周期の割り込みパルスが入力される度に実行可能とされる。
【0365】
図33に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4012)では、受信コマンド解析処理(S4201)、受信コマンド対応設定処理(S4202)、演出タイマ更新処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
【0366】
受信コマンド解析処理(S4201)では、受信割り込み処理(S4010)に基づいてサブ制御基板90のRAM94の受信バッファに格納されたコマンドを解析する処理をし、次ステップの受信コマンド対応設定処理(S4202)に基づいて演出制御用マイコン91が受信するコマンドの種類に応じた演出実行に関する処理を可能となるようにする。
【0367】
RAM94に格納された上記コマンドの種類に応じた演出実行に関する処理(不図示)とは、例えば、次の1~8で示す、1.特図入賞コマンドに応じた先読み演出判定処理、2.遊技状態指定コマンドに応じた演出モード更新処理、3.変動開始コマンドに応じた変動演出開始処理、4.変動停止コマンドに応じた変動演出終了処理、5.オープニングコマンドに応じたオープニング演出選択処理、6.ラウンド指定コマンドに応じたラウンド演出選択処理、7.エンディングコマンドに応じたエンディング演出選択処理、8.前述のコマンド以外のその他コマンドに応じたその他の処理などであり、それら演出実行に関する処理(不図示)を受信コマンド解析処理(S4201)の解析結果に基づいて行えるようにする。
【0368】
すなわち、受信コマンド対応設定処理(S4202)では、解析した受信コマンドに対応する演出制御コマンドの設定処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を可能とする。
【0369】
次いで演出タイマ更新処理(S4203)では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。この演出タイマ更新処理では、例えば、演出ボタン63やセレクトボタン64といった操作部の操作有効期間や、発光と音声と振動と送風と可動体動作の少なくともいずれかに基づく所定演出の実行期間の開始タイミングや終了タイミングの特定に関する計測を可能とする。
【0370】
次いで演出用データ作成処理(S4204)では、入力処理や受信コマンド解析処理に基づく処理結果(演出制御コマンドの設定)に応じた演出用データの作成を行う。
【0371】
[RAM94に格納されたコマンド種類に応じた演出実行の処理関連の概要]
上記した
図33の受信コマンド解析処理(S4201)に基づいて行う「1.先読み演出判定処理(不図示)」は、主制御基板80から特図入賞コマンド(特
図1入賞コマンド又は特
図2入賞コマンド)を受信したか否か判定し、受信していなければ本処理を終了するようにするが、特図入賞コマンドを受信していれば、主制御基板80から受信した特図入賞コマンドをサブ制御基板90のRAM94の特図保留演出記憶部(特
図1保留演出記憶部又は特
図2保留演出記憶部)に記憶することに基づいて、複数回の特図変動に亘って実行され得る相互に関連した予告演出(連続予告)や、通常表示態様の保留アイコン画像(白色の保留アイコン9A、
図1参照)に代えて、通常表示態様よりも大当たり当選期待度が高い特別表示態様の保留アイコン画像(例えば、赤色の保留アイコン9C)に表示変化させる予告演出(例えば、保留変化予告)などの先読み演出を実行可能とするか否かの決定が行われる。
【0372】
より詳細には、受信したコマンドが特
図1入賞コマンドであれば、サブ制御基板90のRAM94に設けられる特
図1保留演出記憶部(不図示)への記憶が行われる際に、先読み演出の実行抽選に係る処理をできるようにする。また、特
図2入賞コマンドであれば、サブ制御基板90のRAM94に設けられる特
図2保留演出記憶部(不図示)への記憶が行われる際に、先読み演出の実行抽選に係る処理をできるようにする。
【0373】
なお、上記「先読み演出の実行抽選に係る処理」は、後述する「演出統制手段91Aによる演出関連の制御処理」に基づいて行われるようにしている。ここから、サブ制御基板90のRAM94の特図保留演出記憶部(不図示)に記憶された特図入賞コマンドに基づく先読み判定の結果に応じて、複数種類の報知態様(保留変化予告、ゾーン予告、演出用の可動体を動作させる連続予告など)の中から選択的に先読み演出の実行を可能にするために、複数種類の先読み演出のいずれか1又は複数を抽出する決定をし得る「先読み設定抽選」が行われることとなる。
【0374】
すなわち、演出制御用マイコン91(10msタイマ割り込み処理(S4012))に基づく機能手段となる演出統制手段91Aに基づいて、所定の先読み演出(連続予告や保留変化予告など)を実行させるか否かを決定可能とし、当該決定に基づいて所定の先読み演出の実行に関する各種の設定をさせ得るようにしている。
【0375】
そして、前述の所定の先読み演出を実行しない決定となる場合には、本処理を行えるようにするが、前述の所定の先読み演出を実行する決定となる場合には、受信コマンド対応設定処理(S4202)に進んで、当該所定の先読み演出の報知態様を実行するための各種の設定を可能となるようにする。例えば、連続予告に係る先読み演出を行う場合には、連続予告中であることを示す連続予告フラグをONにしたり、連続予告の回数をカウントする連続予告カウンタに値をセットしたりすることを可能とする。したがって先読み演出判定処理は、特図入賞コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、所定の先読み演出のパターン(内容)を選択し、その選択した先読み演出のパターンにて先読み演出を実行するためのコマンドをサブ制御基板90のRAM94の出力バッファにセットするものとなる。
【0376】
また、上記した
図33の受信コマンド解析処理(S4201)に基づいて行う「2.演出モード更新処理(不図示)」は、主制御基板80から遊技状態指定コマンドを受信したか否か判定し、受信していなければ本処理を終了するようにするが、受信していれば遊技状態に応じた演出モードを演出統制手段91Aに基づいて実行可能とするために本処理を行うこととなる。したがって受信コマンド解析処理(は、遊技状態指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて演出モードのパターン(内容)を選択し、その選択した演出モードのパターンにて演出モードを実行するためのコマンドをサブ制御基板90のRAM94の出力バッファにセットするものとなる。
【0377】
また、上記した
図33の受信コマンド解析処理(S4201)に基づいて行う「3.変動演出開始処理(不図示)」は、主制御基板80から変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンド又は特
図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し、受信していなければ本処理を終了するようにするが、受信していれば特別図柄の変動演出に係る開始対応を演出統制手段91Aに基づいて実行可能とするために本処理を行うこととなる。したがって変動演出開始処理は、変動開始コマンドを解析して、その解析結果に基づいて特別図柄の変動開始演出のパターン(内容)を選択し、その選択した特別図柄の変動開始演出のパターンにて特別図柄の変動開始演出を実行するためのコマンドをサブ制御基板90のRAM94の出力バッファにセットするものとなる。
【0378】
また、上記した
図33の受信コマンド解析処理(S4201)に基づいて行う「4.変動演出終了処理(不図示)」は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し、受信していなければ本処理を終了するようにするが、受信していれば特別図柄の変動演出に係る終了対応を演出統制手段91Aに基づいて実行可能とするために本処理を行うこととなる。したがって変動演出終了処理は、変動停止コマンドを解析して、その解析結果に基づいて特別図柄の変動終了演出のパターン(内容)を選択し、その選択した特別図柄の変動終了演出のパターンにて特別図柄の変動終了演出を実行するためのコマンドをサブ制御基板90のRAM94の出力バッファにセットするものとなる。
【0379】
また、上記した
図33の受信コマンド解析処理(S4201)に基づいて行う「5.オープニング演出選択処理(不図示)」は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し、受信していなければ本処理を終了するようにするが、受信していれば特別遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)の開始時におけるオープニング演出の選択等を演出統制手段91Aに基づいて実行可能とするため本処理を行うこととなる。したがってオープニング演出選択処理は、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、特別遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択し、その選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをサブ制御基板90のRAM94の出力バッファにセットするものとなる。
【0380】
また、上記した
図33の受信コマンド解析処理(S4201)に基づいて行う「6.ラウンド演出選択処理(不図示)」は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し、受信していなければ本処理を終了するようにするが、受信していれば特別遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)の実行中に係るラウンド演出の選択等を演出統制手段91Aに基づいて実行可能とするために本処理を行うこととなる。したがってラウンド演出選択処理は、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、ラウンド遊技中に実行するラウンド演出(開放遊技演出)のパターン(内容)を選択し、その選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出制御用マイコン91におけるサブ制御基板90のRAM94の出力バッファにセットするものとなる。
【0381】
また、上記した
図33の受信コマンド解析処理(S4201)に基づいて行う「7.エンディング演出選択処理(不図示)」は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し、受信していなければ本処理を終了するようにするが、受信していれば特別遊技(大当たり遊技、小当たり遊技、時短遊技)の終了時に係るエンディング演出の選択等を演出統制手段91Aに基づいて実行可能とするために本処理を行うこととなる。したがってエンディング演出選択処理は、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択し、その選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをサブ制御基板90のRAM94の出力バッファにセットするものとなる。
【0382】
[先読み演出を実行するときの概要]
上記した「先読み演出の実行抽選に係る処理(先読み設定抽選)」では、時短状態であるか否かに応じて特
図1保留演出記憶部に記憶された特図入賞コマンドの先読み演出の抽選をするのか、特
図2保留演出記憶部に記憶された特図入賞コマンドの先読み演出の抽選をするのかを決定可能にしている。
【0383】
すなわち、非時短状態の変動表示では主特図(メイン変動)が特
図1であるため、特
図1に係る保留入賞(図柄変動中の特図入賞など)に対してのみ先読み演出を行い、特
図2に係る保留入賞に対しては先読み演出を行わないようにする。また、時短状態の変動表示では主特図(メイン変動)が特
図2であるため、特
図2に係る保留入賞に対してのみ先読み演出を行い、特
図1に係る保留入賞に対しては先読み演出を行わないようにする。
【0384】
具体的には、特図入賞コマンドに含まれている「入賞時の遊技状態を示す遊技状態情報」に基づいて、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定し、時短状態でない場合(非時短状態である場合)には、特
図1に係る特図入賞コマンドであるか否かを判定し、特
図1に係る特図入賞コマンドであると判定した場合には、今回受信した特
図1入賞コマンドに含まれる先読み用判定情報の判定をする。そして、所定の当否保留情報(例えば、当たりと判定される予定の特図保留)を示す先読み判定結果となる場合にカウントを行う特
図1保留演出用のカウンタの値を1加算することを可能にし、遊技(実行中の変動演出など)に支障をきたさないか否かに基づく先読み演出の実行可能条件(以下、「先読み演出条件」とも称す)に関する判定をする。次いで、この先読み演出条件を満たしている場合には、先読み演出の実行有無の決定、及び、どのような先読み演出の報知態様で実行可能とさせるかの決定をするための先読み設定抽選をできるようにする。
【0385】
一方、特図入賞コマンドに含まれている「入賞時の遊技状態を示す遊技状態情報」に基づいて、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定し、時短状態である場合には、特
図2入賞コマンドであるか否かを判定し、特
図2入賞コマンドであると判定した場合には、今回受信した特
図2入賞コマンドに含まれる先読み用判定情報の判定をする。そして、所定の当否保留情報(例えば、特図変動の開始時の大当たり判定処理において当たりと判定される予定の特
図2保留)を示す先読み判定結果となる場合には、特
図2保留演出用のカウンタの値を1加算することを可能にし、遊技(実行中の変動演出など)に支障をきたさないか否かに基づく先読み演出条件に関する判定をする。次いで、この先読み演出条件を満たしている場合には、先読み演出の実行有無の決定、及び、どのような先読み演出の報知態様で実行可能とさせるかの決定をするための先読み設定抽選をできるようにする。
【0386】
なお、前述の特
図1保留演出用のカウンタの値、又は、前述の特
図2保留演出用のカウンタは、サブ制御基板90のRAM94にて設けられるものであり、当該カウンタの値は、先読み判定の対象となった特図入賞コマンドに基づく変動演出の開始がされるごとに1減算される。
【0387】
また本実施形態における先読み演出の実行有無の決定については、具体的に、特
図1入賞コマンド又は特
図2入賞コマンドに含まれる先読み用判定情報の先読み判定に基づいて、SPリーチを行う大当たり(SPリーチ大当たり)である場合、及び、SPリーチは行わないがNリーチを行う大当たり(Nリーチ大当たり)である場合には、一例として、30%の確率で先読み演出を実行可能とする旨の決定を可能にしている。また、SPリーチを行うハズレ(SPリーチハズレ)である場合、及び、SPリーチは行わないがNリーチを行うハズレ(Nリーチハズレ)である場合には、15%の確率で先読み演出を実行可能とする旨の決定を可能にしている。また、リーチ無しハズレである場合には、一例として、5%の確率で先読み演出を実行可能とする旨の決定を可能にしている。また、小当たりである場合には、一例として、25%の確率で先読み演出を実行可能とする旨の決定を可能にしている。
【0388】
このように、先読み演出は、大当たり当選又は小当たり当選となるコマンド情報(先読み用判定情報)を含む特図入賞コマンドであるときの先読み判定結果である場合の方が、ハズレとなるコマンド情報(先読み用判定情報)を含む特図入賞コマンドであるときの先読み判定結果である場合よりも実行可能とさせる確率が高くなるため、大当たり又は小当たりに当選する期待度(大当たり期待度)が高いことを示唆する事前(当該変動前)の報知演出として機能する。また、先読み演出は、SPリーチハズレやNリーチハズレとなるコマンド情報(先読み用判定情報)を含む特図入賞コマンドであるときの先読み判定結果である場合の方が、リーチ無しハズレとなるコマンド情報(先読み用判定情報)を含む特図入賞コマンドであるときの先読み判定結果である場合よりも実行可能とさせる確率が高くなるため、リーチが成立する期待度(リーチ期待度)が高いことを示唆する事前(当該変動前)の報知演出としても機能する。
【0389】
[演出制御用マイコン91の受信コマンドの処理に関する例示]
以下、演出制御用マイコン91が遊技制御用マイコン81から受信したコマンドの種類は、変動演出(特別図柄の変動表示及び/又は演出図柄の変動表示に係る演出)を行わせるための変動開始コマンド(受信コマンド)である場合の処理に関する例示をする。
【0390】
演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(S4201)において、始動口への入賞に基づいて生成可能とされる変動開始コマンドを受信している(始動条件の成立)と判定した場合、当該変動開始コマンドに含まれる演出制御情報(大当たり判定結果や変動パターンなどを示すコマンド情報)に基づく演出パターンを、後述する「演出統制手段91Aによる演出関連の制御処理」の実行に基づいて決定可能とする。具体的に、特別図柄の変動表示中に実行する演出図柄の変動表示の内容、その演出図柄の変動表示とともに表示可能とする所定絵柄(キャラクタ等)を用いて事象の展開をさせるシナリオ演出(アニメーション)に係る動画内容、その演出図柄の変動表示中に導出表示又は導出報知を可能とする予告演出に係る報知内容、仮停止表示や停止表示をするときの演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ表示などを含む変動演出に対応する演出パターン等の決定を可能とする。
【0391】
そして、前述の決定された演出パターンに係る情報(以下、予告演出パターンとも称す)をサブ制御基板90のRAM94の変動演出用記憶領域(不図示)に記憶させ、当該演出パターンに応じた演出制御コマンドを出力バッファにセットし、当該演出制御コマンドに基づく各種制御処理を実行可能とさせることで、画像制御基板100、ランプ制御基板107、音声制御基板106、駆動制御基板60dの動作制御をさせて、変動開始コマンド(受信コマンド)に応じた変動演出を遊技者に対して導出可能とさせるようにしている。
【0392】
例えば、変動開始コマンド(特
図1変動開始コマンド又は特
図2変動開始コマンド)が示す特図変動パターンがSPリーチ変動である場合、このSPリーチ変動を行うための予告演出パターンを選択し、その予告演出パターンに対応する変動演出制御コマンドを出力バッファにセットし、当該変動演出制御コマンドに基づいて各処理(発光データ出力処理(S4102)、音声データ出力処理(S4103)、振動データ出力処理(S4104)、送風データ出力処理(S4105)、可動体制御処理(S4106)、コマンド送信処理(S4004)など)を実行可能とすることで、当該選択した予告演出パターンに対応するSPリーチ変動演出が画像表示装置7を介して遊技者に導出可能とされる。
【0393】
また、例えば、変動開始コマンドが示す特図変動パターンがノーマルリーチ変動である場合、ノーマルリーチ変動を行うための予告演出パターンを選択し、その予告演出パターンに対応する変動演出制御コマンドを出力バッファにセットし、当該変動演出制御コマンドに基づいて各処理を実行可能とすることで、当該選択した予告演出パターンに対応するノーマルリーチ変動演出が画像表示装置7を介して遊技者に導出可能とされる。
【0394】
なお、演出統制手段91Aに基づいて行われる演出の実現に関する処理の流れは、大当たり遊技又は小当たり遊技に伴う演出(当選報知演出、エンディング演出を含む)や、特別遊技又は時短遊技によって得られる遊技実績(出球、連荘)に応じた演出(節目報知演出)、客待ち演出、先読み演出、いわゆる当該変動に伴う予告演出、互いに異なる演出モードごとに応じた状態演出などの他の演出についても基本的には同じである。
【0395】
[演出統制手段91Aによる演出関連の制御処理]
演出統制手段91Aは、主制御基板80から受信したコマンド(特図入賞コマンド、変動開始コマンド、遊技状態指定コマンドなど)の解析処理が行われることにより、サブ制御基板90のROM93に記憶された遊技プログラムを、サブ制御基板90のRAM94に展開させ、演出関連(例えば、先読み演出、予告演出、演出モード)の実行制御を可能にさせる関係処理部(演出制御用マイコン91(CPU92)に基づく制御の機能手段)であり、「演出制御処理部91B」と「予告抽選処理部91C」を備えるものとしている(
図5参照)。以下、演出統制手段91Aにて備える「演出制御処理部91B」と「予告抽選処理部91C」のそれぞれについての概要を説明する。
【0396】
前述の「演出制御処理部91B」は、画像表示装置7の画像(演出図柄8L,8C,8R、背景図柄、ボタン操作指示画像など)を制御する画像制御基板100、枠ランプ66及び/又は盤ランプ5の発光又は盤可動体15の動作を制御するランプ制御基板107、スピーカ67の音声制御をする音声制御基板106、送風装置60bによる送風又は振動装置63bによる振動を制御する駆動制御基板60dの実行制御を可能にさせる「遊技演出制御機能」と「予告演出制御機能」をもたらす関係処理部となる。
【0397】
具体的に、「遊技演出制御機能」は、画像表示装置7、スピーカ67、枠ランプ66、盤ランプ5等によって行われる複数種類の遊技状態に応じた各種演出の実行制御に関する処理手段となる。また「予告演出制御機能」は、予告抽選処理部91Cの抽選結果に基づいて行い得る先読み演出(先読み演出の実行抽選に係る処理)、又は、予告演出(変動演出中に行う予告の実行抽選に係る処理)の実行制御に関する処理手段となる。なお、先読み演出又は予告演出は、画像表示装置7による表示演出、スピーカ67による音声演出、枠ランプ66及び/又は盤ランプ5による発光演出、振動装置63bによる振動演出、送風装置60bによる送風演出、盤可動体15による動作演出を適宜に組み合わせて導出可能とされる演出となる。
【0398】
また前述の「予告抽選処理部91C」は、特図入賞コマンドの受信処理に基づいて、先読み演出の実行有無の決定、及び、先読み演出の態様種類(演出要素)の決定を先読み設定抽選(予告演出抽選)の結果に応じて選定可能にさせる「先読み演出選定機能」と、変動開始コマンドの受信処理に基づいて、特別図柄の変動表示中に導出可能とする1又は複数の予告演出の決定、及び、当該抽出された予告演出に対応するパターン種類(演出要素)の決定を演出設定抽選(予告演出抽選)に応じて選定可能にさせる「予告演出選定機能」をもたらす関係処理部となる。
【0399】
この「先読み演出選定機能」と「予告演出選定機能」は、複数種類の演出カテゴリー、及び、当該演出カテゴリーごとに対応する複数種類の演出パターンをあらかじめ用意しておく設定下で、当たり報知(特別結果)が得られる割合(期待度の大小)に基づくように抽出させ得る演出要素(演出パターンの態様種類)の選定に関する処理手段となる。具体的に、当該変動演出前の当否の示唆に係る先読み演出を導出可能とさせる「先読み演出条件」、又は、当該変動演出中の当否の示唆に係る予告演出を導出可能とさせる「予告演出条件」に基づく抽選を行うようにし、当該抽選結果に応じて所定の演出カテゴリー(例えば、武器予告)の決定、及び、当該所定の演出カテゴリーに対応する演出パターン(例えば、剣又は槍のいずれか)を当たり報知(特別結果)が得られる割合(期待度の大小)に応じて決定可能とする。
【0400】
[先読み演出実行処理(その1)]
本パチンコ遊技機1は、
図34-1に示すような手順で、演出統制手段91Aに基づく先読み演出処理(先読み演出の実行抽選に係る処理の一例)の実行制御が行われる。以下、演出制御用マイコン91が受信するコマンドの種類は、特図入賞コマンドである場合の例示(その1)として概略的な説明を行う。
【0401】
先ず、変動演出中の特図入賞(以下、保留入賞とも称す)に係る特図入賞コマンドの受信が行われることに基づいて予告抽選処理部91Cにおける予告演出抽選(先読み設定抽選)が実行可能となる(S4701)。次いで、当該特図入賞コマンドに含まれる先読み用判定情報の参照に基づく先読み判定において、期待度の高い情報(例えば、当たり情報、SPリーチ情報、Nリーチ情報など)がある旨の先読み判定結果、及び、遊技に支障をきたさない旨に関する先読み演出条件を満たすことで行われた場合の先読み設定抽選の結果に基づいて保留変化予告(先読み演出パターン)を変動演出の実行中に行う旨の抽出処理(S4702)を実行可能にさせ、この抽出処理(S4702)が実行となる場合には、当該保留変化予告に関する演出指令を演出制御処理部91Bに取得可能とさせ、当該演出指令に応じた先読み演出制御コマンドの生成を可能にさせるようにする。
【0402】
次いで、前述の先読み演出制御コマンドの生成がされた場合には、当該先読み演出制御コマンドを用いて各種処理の実行制御を可能にさせるセット処理(S4703)を演出制御処理部91Bに基づいて行わせることで、画像制御基板100、ランプ制御基板107、音声制御基板106、駆動制御基板60dの少なくともいずれかの動作出力からなる先読み演出(遊技者に対して行う演出報知)の導出が可能とされる。
【0403】
次いで、特図入賞コマンドに含まれる先読み用判定情報の参照に基づく先読み判定結果においてSPリーチを行う情報があったか否かの判定をさせ(S4704)、SPリーチを行う先読み判定結果ではない否定(Nリーチ)の判定(S4704でNO)であった場合には、画像表示装置7に関する制御処理において通常表示態様の白色丸保留(白色の保留アイコン9A、
図1参照)に代えて緑色丸保留(不図示:緑色の保留アイコン)に色変化させる保留変化表示をさせるようにして(S4705)、本処理を終了させる。
【0404】
一方、SPリーチを行う先読み判定結果になる肯定の判定(S4704でYES)であった場合には、画像表示装置7に関する制御処理において通常表示態様の白色丸保留(保留アイコン9A)に代えてボタン形状の保留画像(以下、ボタン保留9Bとも称す、
図34―2参照)に形状変化させる保留変化表示を行わせる(S4706)とともに、演出ボタン63の実行に関する制御処理において演出ボタン63による入力操作(演出ボタン押下)の有効化をさせる(S4707)。
【0405】
次いで、演出ボタン63によるボタン押下があるか否かの判定(S4708)をさせ、肯定の判定(S4708:YES)があった場合、画像表示装置7に関する制御処理において、当該ボタン押下のタイミングでボタン保留9Bを赤色丸保留(保留アイコン)9Cに変化させる保留変化表示を変動演出中(次変動演出の開始前)において行うようにさせる(S4712)。
【0406】
一方、演出ボタン63によるボタン押下がない否定の判定(S4708でNO)になる場合は、保留入賞に基づく特図入賞コマンドの受信時に実行していた変動演出が終了するか否かの判定(S4709)をさせ、当該変動演出が終了しない否定の判定(S4709でNO)であったときにはステップS4708へと戻るループを行うようにし、当該変動演出が終了する肯定の判定(S4709でYES)となるときには、特図入賞コマンドに含まれる先読み用判定情報の参照に基づく先読み判定結果において当たりにする先読み用判定情報(当たりの先読み)であったか否かの判定をさせる(S4710)。
【0407】
ステップS4710において、当たりにする先読み用判定情報を含む先読み判定結果ではない否定(SPリーチハズレ)の判定(S4710でNO)であった場合には、画像表示装置7に関する制御処理において、保留入賞に基づく特図入賞コマンドの受信時に実行していた変動演出の終了に基づいて停止表示する特別図柄の確定期間が開始するタイミングでボタン保留9Bを赤色丸保留(赤色の保留アイコン)9Cに変化させる保留変化表示を行うようにさせる(S4712)。
【0408】
一方、ステップS4710において、当たりにする先読み用判定情報を含む先読み判定結果になる肯定の判定(S4710でYES)であった場合には、保留入賞に基づく特図入賞コマンドの受信時に実行していた変動演出の終了後の次に行われる次変動演出の開始(停止表示した特別図柄の確定期間終了)となるか否かの判定をさせ(S4711)、次変動演出が開始しない否定の判定(S4711でNO)であるときには次変動演出が開始するまで待機をさせるループを行うようにさせる。
【0409】
そしてステップS4711において、次変動演出の開始がされる肯定の判定(S4711でYES)になる場合に、画像表示装置7に関する制御処理において、次変動演出の開始タイミング(確定期間の終了時)でボタン保留9Bを赤色丸保留(保留アイコン9C)に変化させる保留変化表示を行うようにさせ(S4712)、本処理を終了させる。
【0410】
なお、変形例として、ステップS4711において、次変動演出の開始がされる肯定の判定(S4711でYES)になる場合に、画像表示装置7に関する制御処理において、次変動演出の開始タイミング(確定期間の終了時)でボタン保留9Bを赤色丸保留(保留アイコン9C)よりも期待度が高い設定に係る虹色丸保留(図示せず)に変化させる保留変化表示を行うようにさせ(S4712)、本処理を終了させるようにしてもよい。
【0411】
[保留変化予告のタイムチャート]
次に、
図34-2に示す保留変化予告(先読み演出)の概略的な流れに関するタイムチャートについて説明する。
【0412】
先ず、始動口への入賞(特図入賞)を起因として生成可能とされる変動開始コマンドを、上記した
図33の受信コマンド解析処理(S4201)に基づいて受信している(始動条件の成立)と判定された場合に、画像表示装置7において演出図柄8L,8C,8Rを変動表示させる初回の第1図柄変動(当該変動演出に係る演出パターン)の開始が行われる。
【0413】
次いで、前述の第1図柄変動の実行中において始動口への入賞(以下、保留入賞とも称す)があった場合は、その保留入賞を起因とする特図入賞コマンドが生成され、その特図入賞コマンドに含まれる先読み用判定情報の参照に基づく先読み判定の結果が所定結果(例えば、期待度が高い旨を示すコマンド情報が含まれる先読み判定結果)であって、遊技に支障をきたさない先読み演出条件を満たす場合には、保留変化予告の先読み演出が実行可能とされる。
【0414】
前述の保留変化予告の先読み演出が実行可能となる場合には、先読み判定の対象となった保留入賞に基づいて実行可能となる次回の第2図柄変動(次変動演出の開始)より前の実行となる前述の第1図柄変動中において、通常表示態様の白色丸保留(保留アイコン9A、
図1参照)の表示の代わりに、ボタン保留9B(所定の先読み演出)の表示となるように画像表示装置7にて実行させるとともに、演出ボタン63のボタン押下(入力操作)の有効化をさせる。
【0415】
図34-2(a)に示すように、画像表示装置7にてボタン保留9Bが表示された後に、演出ボタン63のボタン押下があった場合は、当該ボタン押下のタイミング(第1図柄変動の実行中)においてボタン保留9Bから赤色丸保留9Cへと変化させる。
【0416】
また
図34-2(b)に示すように、画像表示装置7にてボタン保留9Bが表示された後、第1図柄変動の終了(初回の変動時間の経過)となるまでに演出ボタン63のボタン押下がされないとともに、上記した先読み判定の所定結果として中期待度を示す先読み用判定情報(例えば、当たりにする情報が含まれないSPリーチに係る先読み判定結果)が含まれていた場合には、第1図柄変動の終了時(第一タイミング/停止表示となった特図の確定時間が開始される第1契機)においてボタン保留9Bから赤色丸保留9C(第一先読み演出)へと変化させる。
【0417】
また
図34-2(c)に示すように、画像表示装置7にてボタン保留9Bが表示された後、第1図柄変動の終了(初回の変動時間の経過)となるまでに演出ボタン63のボタン押下がされないとともに、上記した先読み判定の所定結果として高期待度を示す先読み用判定情報(例えば、当たりにする情報が含まれる先読み判定結果)が含まれていた場合には、第2図柄変動の開始時(第二タイミング/停止表示となった特図の確定時間が終了する第2契機)においてボタン保留9Bから赤色丸保留9C(第二先読み演出)へと変化させる。
【0418】
なお、上記した先読み判定の所定結果において高期待度を示す先読み用判定情報が含まれる場合に、第1図柄変動の終了時においてボタン保留9Bから赤色丸保留9C(第1先読み演出)へと変化させてもよい。また、上記した先読み判定の所定結果において中期待度を示す先読み用判定情報が含まれる場合に、第2図柄変動の開始時においてボタン保留9Bから赤色丸保留9C(第2先読み演出)へと変化させるようにしてもよい。
【0419】
また、第2図柄変動の開始時について、第2図柄変動の開始後からの所定タイミング(例えば、演出図柄がリーチ表示へと発展するまでの所定期間のいずれか)であってもよい。
【0420】
したがって、
図34-2(b)又は(c)に示すように、ボタン保留9Bが表示されたにもかかわらず第1図柄変動の終了となるまでに演出ボタン63のボタン押下がされなかった場合、特図入賞コマンドに含まれる先読み用判定情報の参照に基づく先読み判定の結果が所定結果となることに基づいて、ボタン保留9Bから赤色丸保留9Cへと変化させるタイミングを時間差で異ならせる違和感を遊技者に付与可能とするので、違和感の有無に応じてより期待度の高い示唆が可能な先読み演出(保留変化予告)の提供ができるようになる。
【0421】
なお本実施形態では、ボタン保留9Bが表示された第1図柄変動中に演出ボタン63のボタン押下がされなかった場合に、赤色丸保留9Cへと変化させるタイミングを、第1図柄変動の終了時又は第2図柄変動の開始時のいずれかとなるようにしたが、変形例として、緑色丸保留(不図示)に色変化させるなどの他の第1保留アイコン(所定の先読み演出)による保留変化表示が図柄変動中にされている状況下において、緑色丸保留(不図示)から虹色丸保留(不図示)などの他の第2保留アイコン(第一先読み演出)へと変化させるタイミングを第1図柄変動の終了時(第一タイミング)にする、又は、他の第2保留アイコン(第二先読み演出)へと変化させるタイミングを第2図柄変動の開始時(第二タイミング)にする、のいずれかとなるようにしてもよい。
【0422】
また、変形例として、通常表示態様(例えば、白色丸保留)の保留アイコン9A(所定の先読み演出の秘匿)の実行が図柄変動中にされている状況下において、白色丸保留(不図示)から青色丸保留(不図示)などの他の第2保留アイコン(第一先読み演出)へと変化させるタイミングを第1図柄変動の終了時(第一タイミング)にする、又は、他の第2保留アイコン(第二先読み演出)へと変化させるタイミングを第2図柄変動の開始時(第二タイミング)にする、のいずれかとなるようにしてもよい。
【0423】
また本実施形態では、初回の第1図柄変動の実行中における1個の保留入賞に基づく1個の特図入賞コマンドに含まれる先読み用判定情報の参照に基づく先読み判定の結果により保留変化予告を実行可能となるようにしたが、変形例として、図柄変動の実行中に成立した複数(2個~4個のいずれか)の保留入賞に基づく複数の保留記憶(特図入賞コマンド)に含まれるいずれかの先読み用判定情報の参照に基づく先読み判定の結果により保留変化予告を実行可能となるようにしてもよい。
【0424】
さらに、変形例として、2個以上の保留入賞を図柄変動中に成立させた場合において、前段の先読み保留アイコン(所定の先読み演出)から後段の先読み保留アイコン(第一先読み演出又は第二先読み演出)へと変化させるタイミングを、初回の第1図柄変動の終了時又は次回の第2図柄変動の開始時にすることに拘らずに、次回の第2図柄変動の終了時又は次々回の第3図柄変動の開始時などといった後続の2個以上に係る保留入賞を起因とする変動演出の実行に基づいて変化させるタイミングとなるようにしてもよい。
【0425】
[先読み演出実行処理(その2)]
本パチンコ遊技機1は、
図34-3に示すような手順で、演出統制手段91Aに基づく先読み演出処理(先読み演出の実行抽選に係る処理の他の一例)の実行制御が行われる。以下、演出制御用マイコン91が受信するコマンドの種類は、特図入賞コマンドである場合の例示(その2)として概略的な説明を行う。
【0426】
先ず、変動演出中の特図入賞(以下、保留入賞とも称す)に係る特図入賞コマンドの受信が行われることに基づいて予告抽選処理部91Cにおける予告演出抽選(先読み設定抽選)が実行可能となる(S4801)。次いで、特図入賞コマンドに含まれる先読み用判定情報の参照に基づく先読み判定において、期待度の高い情報(例えば、当たり情報、SPリーチ情報、Nリーチ情報など)がある旨の先読み判定結果、及び、遊技に支障をきたさない旨に関する先読み演出条件を満たすことで行われた場合の先読み設定抽選の結果に基づいて先読み違和感予告(先読み演出パターン)を変動演出の終了時に行う旨の抽出処理(S4802)を実行可能にさせ、この抽出処理(S4802)が実行となる場合には、当該先読み違和感予告に関する演出指令を演出制御処理部91Bに取得可能とさせることで、当該演出指令に応じた先読み演出制御コマンドの生成を可能にさせるようにする。
【0427】
次いで、前述の先読み演出制御コマンドの生成がされた場合には、当該先読み演出制御コマンドを用いて各種処理の実行制御を可能にさせるセット処理(S4803)を演出制御処理部91Bに基づいて行わせることで、画像制御基板100、ランプ制御基板107、音声制御基板106、駆動制御基板60dの少なくともいずれかの動作出力からなる先読み演出(遊技者に対して行う演出報知)の導出が可能とされる。
【0428】
次いで、特図入賞コマンドに含まれる先読み用判定情報の参照に基づく先読み判定結果においてSPリーチを行う情報があったか否かの判定をさせ(S4804)、SPリーチを行う先読み判定結果ではない否定(Nリーチ)の判定(S4804:NO)であった場合には、保留入賞に基づく特図入賞コマンドの生成時に実行していた変動演出にて行われる音楽(例えば、BGM)の終了時期になるか否かの判定(S4805)をさせ、その音楽の終了時期ではない否定の判定(S4805:NO)があったときにはステップS4805へと戻るループを行うようにし、その終了時期になる肯定の判定(S4805:YES)があったときには、その音楽の終了時期に応じて停止表示される特別図柄に係る確定期間の開始から、この確定期間の終了に亘って音楽が徐々に消音となるフェードアウトの制御が行われるようになる(S4806)。
【0429】
一方、SPリーチを行う先読み判定結果になる肯定の判定(S4804:YES)であった場合には、保留入賞に基づく特図入賞コマンドの生成時に実行していた変動演出の終了後に行われる次変動演出の開始(停止表示された特別図柄の確定期間の終了)となるか否かの判定をさせ(S4807)、次変動演出が開始されない否定の判定(S4807:NO)があったときには次変動演出の開始となるまで待機させるループを行うようにさせる。
【0430】
そしてステップS4807において、次変動演出が開始される肯定の判定(S4807:YES)があったときには、次変動演出が開始されるタイミングにおいて、前触れなく突然に、保留入賞に基づく特図入賞コマンドの生成時に実行していた変動演出にて行われていた音楽の出力停止をして(S4808)、本処理を終了させる。
【0431】
したがって、特図入賞コマンドに含まれる先読み用判定情報の参照に基づく先読み判定の結果が所定結果となることに基づいて、初回の第1図柄変動の終了時に音楽のフェードアウトをさせずに次回の第2図柄変動の開始時に前触れなく突然に音楽の出力停止を実行させて違和感を遊技者に付与可能とするので、違和感の有無に応じてより期待度の高い示唆が可能な先読み演出(先読み違和感予告)の提供ができるようになる。
【0432】
すなわち、本開示によれば、先読み演出として行われ得る先読み演出対象となる所定演出(保留表示演出や音楽演出など)の変化させるタイミングが通常時とは異なることに基づいて遊技者に違和感を付与する斬新な演出報知の提供ができるようになる。
【0433】
なお本実施形態では、初回の第1図柄変動の実行中における1個の保留入賞に基づく1個の特図入賞コマンドに含まれる先読み用判定情報の参照に基づく先読み判定の結果により先読み違和感予告を実行可能となるようにしたが、変形例として、図柄変動の実行中に成立した複数(2個~4個のいずれか)の保留入賞に基づく複数の保留記憶(特図入賞コマンド)に含まれるいずれかの先読み用判定情報の参照に基づく先読み判定の結果により先読み違和感予告を実行可能となるようにしてもよい。
【0434】
また、変形例として、初回の第1図柄変動の終了時からの音楽のフェードアウトをさせずに、初回の第1図柄変動の終了時に前触れなく突然に音楽の出力停止を実行させるようにしてもよい。
【0435】
さらに、変形例として、2個以上の保留入賞が図柄変動中にあった場合において、初回の第1図柄変動の終了時に音楽のフェードアウトをさせずに、次回の第2図柄変動の終了時に前触れなく突然に音楽の出力停止を実行させるようにしてもよい。すなわち、次回の第2図柄変動の終了時又は次々回の第3図柄変動の開始時などといった後続の2個以上に係る保留入賞を起因とする変動演出の実行に基づいて前触れなく突然に音楽の出力停止を実行させるようにしてもよい。
【0436】
[本実施形態における遊技の流れ(その1)]
次に、本パチンコ遊技機1における遊技の進行の流れ(その1)について、
図35-1に基づいて説明する。
【0437】
図35-1に示す「所定の通常状態(朝一の非時短の状態)」は、遊技店における朝一番で行われ得る本パチンコ遊技機1の起動時に初期設定(RAMクリアスイッチ152のON及び電源スイッチ155のON)の実施がされたことで移行する遊技状態であって、電チュー22の可動部材23を開状態に動作させるため(第2始動口21の開口)の電チュー開放パターンがショート1回開放(遊技球の捕捉が困難な開閉)の決定にしかならない入賞非容易な状態になる。
【0438】
そのため、右打ち(遊技球が右遊技領域3Bを流下するように遊技球を発射する)をしても第2始動口21に遊技球を入球させることが困難になるため、左打ち(遊技球が左遊技領域3Aを流下するように遊技球を発射する)をするようにして遊技を進行させることが好ましい遊技状態となる。すなわち、所定の通常状態において実行されるメイン図柄変動は、特
図1の抽選に基づく図柄変動となる。
【0439】
この所定の通常状態(本パチンコ遊技機1の起動時から初回の当たり遊技の実行となるまでの期間)において、第1始動口20への遊技球の入球(特図入賞)を契機とする特
図1の抽選(特図当たり乱数を含む特図関係乱数の取得)を実行させ、この特
図1の抽選に基づいて行われる当否の判定(特図当たり乱数の判定)の結果がハズレとなる場合は、当該所定の通常状態が維持されること(当該状態のループ)となり、再び第1始動口20に遊技球を入球させること(次回の特
図1の抽選)を目指すこととなる。
【0440】
一方、この所定の通常状態中において、特
図1の抽選の実行に基づいて大当たり当選させた場合、又は、小当たり当選させた後の小当たり遊技中においてV入賞(単に、Vとも称す)をさせた場合には、1種大当たり遊技後又は2種大当たり遊技後においてA時短30回の状態(第二終了条件が対応付けられる第一有利状態)へと移行することとなる。なお、このA時短30回の状態を終了可能とさせる条件は、特別図柄の変動表示の実行に基づくハズレ判定(特別図柄の停止表示)の報知回数(特図の抽選回数)が合計30回となるとき(第二終了条件)となる。
【0441】
また、この所定の通常状態において、第2始動口21への遊技球の入球により特
図2の抽選を実行させた場合、この特
図2の抽選に基づいて行われる当否の判定の結果が高確率で特図ハズレ(格別ハズレ、大当たり又は小当たり以外の特図当たり乱数の値)になることになる。
【0442】
本実施形態では、特図ハズレに対応させている特図当たり乱数の値のいずれであっても、所定の通常状態(非時短状態)中においてはC時短当たりに対応する格別ハズレである旨とする特別な判定となる条件(通例の判定条件)になるようにしている(
図7(A)参照)。そのため、この特別な判定に基づいてC時短当たり(第二当選)とする旨の判定結果が優遇されて導出されることとなる。ここで、この格別ハズレに対応する特
図2の停止表示(C時短当たりの報知)が行われた場合は、その後において微時短1000回の状態(第二有利状態)へ移行することとなる。
【0443】
なお、本実施形態では、右打ちしても第2始動口21に遊技球を入球させることが困難な所定の通常状態になることから、当該第2始動口21へ遊技球を入球させることに関して遊技店の店員による開店前のサポート作業(例えば、前面扉51の開放に基づく第2始動口21への入球)を必要としている。
【0444】
一方、この所定の通常状態中において、特
図2の抽選の実行に基づいて引き当てることが困難な抽選確率(例えば、1/299の当選確率)としている大当たり(第一当選)の判定結果を導出させた場合、又は、同じく困難な抽選確率(例えば、1/198の当選確率)としている小当たり(第一当選)の判定結果を導出させた後の小当たり遊技中(第2大入賞口35の開放中)においてV入賞(単に、Vとも称す)をさせた場合には、1種大当たり遊技後又は2種大当たり遊技後においてA時短1回の状態(第一有利状態)へと移行することとなる。
【0445】
なお、本実施形態では、所定の通常状態で特
図2の抽選を実行させることにより、小当たり当選の判定結果を導出させたとしても、その後に実行される小当たり遊技(第2大入賞口35の開放)中においてV入賞(特定領域39の球通過)をさせなかった場合(Vの未達成)は、2種大当たり遊技の作動条件が満たされないこととなる。そのため、2種大当たり遊技の不実行に基づいて所定の通常状態が維持されること(当該状態のループ)となり、再び第2始動口21に遊技球を入球させること(次回の特
図2の抽選)を目指せることとなる。
【0446】
したがって、所定の通常状態において特
図2の抽選があった場合には、微時短1000回の状態へ移行することがメインルートとなる。なお、変形例として、所定の通常状態中における特
図2の抽選の実行に基づいて発生させた1種大当たり遊技後又は2種大当たり遊技後においてA時短0回の状態(時短状態の付与なし)にさせるようにしてもよい。また、この場合は、当該状態のループをさせてもよいし、後述の一般の通常状態へ移行させるようにしてもよい。
【0447】
図35-1に示す「微時短1000回の状態(第2時短状態)」は、特別図柄(特
図1、特
図2)及び/又は普図の1回あたりの可変表示に要する時間が所定の通常状態又は後述する一般の通常状態と比較して変化しない非短縮化の状態であって、かつ、電チュー22の可動部材23を開状態に動作させるため(第2始動口21の開口)の電チュー開放パターンをショート2回開放にする状態(電チュー22の可動に基づいて遊技球を容易に捕捉させ得る状態にまでには至らない)にさせるC時短当たりに対応する入賞非容易な状態(第二有利状態)となる。
【0448】
そのため、右打ちをしても第2始動口21に遊技球を入球させるのが困難になることから、左打ちをするようにして遊技を進行させることが好ましい遊技状態となる。すなわち、微時短1000回の状態において実行されるメイン図柄変動は、特
図1の抽選に基づく図柄変動となる。
【0449】
ここで、上記した微時短1000回の状態を終了可能にさせる条件を、特別図柄の変動表示の実行に基づくハズレ判定(特別図柄の停止表示)の報知回数(特図の抽選回数)が合計1000回となるときとしているため、当該微時短1000回の状態が終了(合計1000回の特図抽選の実行)するまでに大当たり又は小当たりを引き当てることをほぼ確実にさせるようにしている。しかし、当該微時短1000回の状態が終了するまでに大当たり又は小当たりの当選をさせることができない場合(微時短の消化)は、後述する一般の通常状態へ移行することとなる。
【0450】
そして、微時短の状態中においてメインで行われる特
図1の抽選に基づいて、大当たり又は小当たりの判定結果を引き当てることで実行可能となった1種大当たり遊技又は2種大当たり遊技の終了後の遊技状態は、大当たり図柄の種別又は小当たり図柄の種別(上記した特図当たり乱数の判定に次いで行われる特図種別乱数に基づく判定結果)に関係なく、時短回数が最も多いA時短80回の状態(第一終了条件が対応付けられる第一有利状態)とする判定を、100%の確率で行う条件(第一の判定条件)になるようにしている。
【0451】
なお、微時短1000回の状態中における第2始動口21への遊技球の入球に応じて特
図2の抽選を実行させ、当該特
図2の抽選に基づいて行われる当否の判定の結果が特図ハズレ(大当たり又は小当たり以外の特図当たり乱数の値)になったとしても、C時短当たり(格別ハズレ)である旨とする判定を不能とする判定条件(第二当選の獲得を優遇させない第一の判定条件)にしている。したがって、特図ハズレに対応する特
図2の停止表示が行われた後から再び微時短1000回の状態へと移行することはない。
【0452】
したがって、A時短80回の状態よりも少ない時短回数(例えば、A時短30回の状態)とする旨の判定がされることがまずないので、遊技者にとって好適な遊技状態となる。なお、このA時短80回の状態を終了可能にさせる条件は、特別図柄の変動表示の実行に基づくハズレ判定(特別図柄の停止表示)の報知回数(特図の抽選回数)が合計80回となるとき(第一終了条件)となる。
【0453】
なお、この微時短1000回の状態中における特
図2の抽選の実行によって大当たり当選させた場合、又は、小当たり当選させた後の小当たり遊技中においてV入賞をさせた場合には、1種大当たり遊技後又は2種大当たり遊技後においてA時短1回の状態へと移行してしまうこととなる。
【0454】
なお、変形例として、微時短1000回の状態中における特
図2の抽選の実行に基づいて発生させた1種大当たり遊技後又は2種大当たり遊技後は、A時短0回の状態(時短状態の付与なし)にさせるようにしてもよい。また、この場合は、当該状態のループをさせてもよいし、後述の一般の通常状態へ移行させるようにしてもよい。
【0455】
また、前述の微時短1000回の状態中における特別図柄(特
図1、特
図2)及び/又は普通図柄(普図)の1回あたりの可変表示に要する時間(変動時間)について、非短縮化の状態にさせるようにしたが、変形例として、特別図柄(特
図1、特
図2)及び/又は普通図柄(普図)の1回あたりの可変表示に要する時間を、所定の通常状態又は後述する一般の通常状態と比較して時間短縮化(又は僅かな時間短縮化)の状態にさせるようにしてもよい。
【0456】
また、変形例として、電チュー開放パターンをショート2回開放とせずに、電チュー22の可動に基づいて遊技球の捕捉をときどき可能とするようにする非ショート開放の電チュー開放パターンになるようにして、右打ちにて遊技を進行させることが好ましい第3時短状態となるようにしてもよい。
【0457】
図35-1に示す「A時短1回又は30回又は80回の状態(第1時短状態)」は、特別図柄及び/又は普通図柄の1回あたりの可変表示に要する時間を、所定の通常状態又は後述する一般の通常状態と比較して大幅に短くさせる図柄の変動時間の短縮化状態であって、かつ、電チュー22の可動部材23を開状態に動作させるため(第2始動口21の開口)の電チュー開放パターンを遊技球の捕捉が容易なロング2回開放にさせる入賞容易な状態になる。
【0458】
すなわち、電チュー22の可動部材23によって捕捉された遊技球が第2始動口21に入球すること(特
図2入賞)を契機とする特
図2の抽選(特図当たり乱数を含む特図関係乱数)の判定が実行されやすくなる。そのため、右打ちをするようにして遊技を進行させることが好ましい遊技状態となる。すなわち、A時短に係る状態において実行されるメイン図柄変動は、特
図2の抽選に基づく図柄変動となる。
【0459】
なお、本実施形態では、特
図2の抽選にて小当たりを引き当てる抽選確率(例えば、1/32.8の当選確率)は、特
図1の抽選にて小当たりを引き当てる抽選確率(例えば、1/198の当選確率)よりも高い抽選確率としている。そのため、特
図2の抽選がメインで行われるA時短の状態は、遊技者にとって好適な遊技状態となる。
【0460】
そして、A時短80回の状態へ移行する場合には、このA時短80回の状態が終了(A時短の消化、合計80回の特図抽選の実行)するまでに、特
図2の抽選の判定に基づいて小当たりを引き当てることを挑戦させることとなり、当該A時短80回の状態の終了までに高確度で小当たりを当選させ得る抽選確率の設定にしている。
【0461】
A時短80回の状態へ移行する場合には、再びA時短の状態が維持(ループ)されやすくなるため遊技者にとって最も好適な遊技状態(最上位のA時短)となる。しかし、当該A時短80回の状態が終了するまでに大当たり又は小当たりの当選をさせることができない(A時短の消化となる)場合は、後述する一般の通常状態へ移行することとなる。
【0462】
A時短30回の状態へ移行する場合には、このA時短30回の状態が終了(A時短の消化、合計30回の特図抽選の実行)するまでに、特
図2の抽選の判定に基づいて小当たりを引き当てられる割合をおおむね中程度にさせる抽選確率の設定(例えば、1/32.8の当選確率)にしていることから、チャレンジ的な要素の高い遊技状態となる。したがって、A時短30回の状態が終了するまでに大当たり又は小当たりの当選をさせることができれば再びA時短の状態を維持(ループ)させ得ることができるが、A時短30回の状態が終了するまでに大当たり又は小当たりの当選をさせることができない(A時短の消化となる)場合は、後述する一般の通常状態へ移行することとなる。
【0463】
またA時短1回の状態へ移行する場合には、1回の当該A時短の状態が終了する(A時短の消化、1回の特図抽選に係る判定結果の報知)までに、特
図2の抽選の判定に基づいて小当たりを引き当てなければならないチャンスが1回だけの遊技状態となる。本実施形態では、1回の特
図2の抽選の判定に基づいて小当たりを引き当てることが困難な抽選確率の設定(例えば、1/32.8の当選確率)としているため、再びA時短の状態を維持(ループ)させることが困難となり、後述する一般の通常状態へ移行してしまうのがメインルートになる。
【0464】
なお、「A時短1回又は30回又は80回の状態」中における第2始動口21への遊技球の入球に応じて特
図2の抽選を実行させ、当該特
図2の抽選に基づいて行われる当否の判定の結果が特図ハズレ(大当たり又は小当たり以外の特図当たり乱数の値)になったとしても、C時短当たり(格別ハズレ)である旨とする判定を不能となる判定条件にしている。したがって、特図ハズレに対応する特
図2の停止表示が行われた後から微時短1000回の状態へと移行することはない。
【0465】
また「A時短1回又は30回又は80回の状態」中における特
図2の抽選に基づいて大当たりの当選となり、上記した特図当たり乱数の判定に次いで行われる特図種別乱数の判定に基づいて「特
図2_大当たり図柄A」又は「特
図2_大当たり図柄B」が決定されていた場合には、1種大当たり遊技の終了後において、A時短80回の状態へ移行することとなる。
【0466】
また「A時短1回又は30回又は80回の状態」中における特
図2の抽選に基づいて小当たりの当選となり、上記した特図当たり乱数の判定に次いで行われる特図種別乱数の判定に基づいて「特
図2_小当たり図柄b」が決定されていた場合には、小当たり遊技の実行に応じて開放された第2大入賞口35に入球した遊技球を特定領域39又は非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71の作動パターンが通過用開放パターン(小当たり遊技中においてV入賞が可能)になるようにし、2種大当たり遊技を実行可能になるようにしている。
【0467】
そして、特
図2の抽選に基づく2種大当たり遊技の終了後において、A時短80回の状態へ移行することとなる。なお、本実施形態では、小当たりしたときの85%の割合で「特
図2_小当たり図柄b」を決定可能とし、A時短80回の状態へ移行可能にさせる設定にしている。
【0468】
一方、「A時短1回又は30回又は80回の状態」中におけるメイン図柄変動に係る特
図2の抽選に基づいて小当たりの当選となり、上記した特図当たり乱数の判定に次いで行われる特図種別乱数の判定に基づいて「特
図2_小当たり図柄a」が決定されていた場合には、小当たり遊技の実行に応じて開放された第2大入賞口35に入球した遊技球を特定領域39又は非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71の作動パターンが非通過用開放パターン(小当たり遊技中においてV入賞が不可能)になるようにし、2種大当たり遊技の実行を不可能になるようにしている。
【0469】
本実施形態では、特
図2の抽選の実行に基づいて「特
図2_小当たり図柄a」が決定されたにもかかわらず、特定領域39にイレギュラーで遊技球が通過してしまった場合は、2種大当たり遊技後においてA時短1回の状態へと移行することとしている。
【0470】
しかし、原則的には、振分部材71によって遊技球が特定領域39に通過不可能とされたこと(2種大当たり遊技の不実行)に基づいて、A時短0回の状態(時短状態の付与なし)にさせられ、後述する一般の通常状態に移行させ得るようにしている。なお、本実施形態では、小当たりしたときの15%の割合で「特
図2_小当たり図柄a」を決定可能とし、再びA時短の状態の維持(ループ)をさせ難くする設定にしている。なお、変形例として、A時短状態中における特
図2の抽選の実行に基づいて「特
図2_小当たり図柄a」が決定された場合は、特定領域39にイレギュラーで遊技球が通過してもA時短0回の状態(時短状態の付与なし)にさせるようにしてもよい。
【0471】
また、「A時短1回又は30回又は80回の状態」中における特
図1の抽選に基づいて大当たりの当選又は小当たりの当選に基づく小当たり遊技中にV入賞となり、上記した特図当たり乱数の判定に次いで行われる特図種別乱数の判定に基づいて「特
図1_大当たり図柄A」又は「特
図1_大当たり図柄B」、あるいは「特
図1_小当たり図柄a」又は「特
図1_小当たり図柄b」が決定されていた場合には、1種大当たり遊技の実行後又は2種大当たり遊技の実行後において、A時短30回の状態に移行することとなる。
【0472】
図35-1に示す「一般の通常状態(朝一以外の非時短の状態)」は、上記した微時短又はA時短の状態を消化(時短状態の終了条件を満たした)したとき、又は時短中(非時短以外)の遊技に基づいてA時短0回の付与(時短状態の付与なし)となる場合に移行する遊技状態(いわゆる、低確率状態)である。
【0473】
この一般の通常状態では、電チュー22の可動部材23を開状態に動作させるため(第2始動口21の開口)の開放パターンがショート1回開放(遊技球の捕捉が困難な開閉)の決定にしかならない入賞非容易な状態となる。そのため、右打ちをしても第2始動口21に遊技球を入球させることが困難になることから、左打ちをするようにして遊技を進行させることが好ましい遊技状態となる。すなわち、一般の通常状態において実行されるメイン図柄変動は特
図1の抽選に基づく図柄変動となる。
【0474】
そして、一般の通常状態において、第1始動口20(又は第2始動口21)に遊技球が入球したこと(特図入賞)を契機に特
図1の抽選(又は特
図2の抽選)を実行させた場合、この特
図1の抽選(又は特
図2の抽選)に基づいて行われる当否の判定の結果がハズレとなるときは、この一般の通常状態が維持されること(当該状態のループ)になる。そのため、再び第1始動口20(又は第2始動口21)に遊技球を入球させること(次回の特図抽選の実行)を目指すこととなる。
【0475】
また、この一般の通常状態中において、特
図1の抽選の実行に基づいて大当たりに当選させた場合、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中においてV入賞をさせた場合には、1種大当たり遊技後又は2種大当たり遊技後においてA時短30回の状態へと移行することとなる。
【0476】
一方、この一般の通常状態中において、特
図2の抽選の実行に基づいて大当たりに当選させた場合、又は、小当たりの当選に基づく小当たり遊技中においてV入賞をさせた場合には、1種大当たり遊技後又は2種大当たり遊技後においてA時短1回の状態へと移行することとなる。
【0477】
なお、変形例として、一般の通常状態中における特
図2の抽選の実行に基づいて発生させた1種大当たり遊技後又は2種大当たり遊技後においてA時短0回の状態(時短状態の付与なし)にさせるようにしてもよい。また、変形例として、例えば、あらかじめ定められた特定回数(例えば、80回)のA時短を消化してしまった後に移行する一般の通常状態である場合には、特
図2の抽選及び/又は特
図1の抽選に基づいてC時短当たりに対応する格別ハズレ(特図ハズレ)である旨とする特別な判定(通例の判定条件)を使用可能とするようにしてもよい。またこの場合は、微時短1000回とは異なるあらかじめ定められた所望回数(例えば、50回)の微時短の状態へ移行可能とするようにしてもよい。
【0478】
なお、本実施形態における一般の通常状態は、上記した所定の通常状態と同様に非時短の状態となるようにしている。しかし、当該一般の通常状態中における第2始動口21への遊技球の入球に応じて特
図2の抽選を実行させ、当該特
図2の抽選に基づいて行われる当否の判定の結果が特図ハズレ(大当たり又は小当たり以外の特図当たり乱数の値)になったとしても、C時短当たり(格別ハズレ)である旨とする判定を不能とする判定条件にしている。したがって、一般の通常状態において、特図ハズレに対応する特
図2の停止表示が行われた後から微時短1000回の状態へと移行することはない。
【0479】
また本実施形態では、一般の通常状態を、1日の遊技機の稼働においてメインで滞在させる非時短の状態となるようにしている。ここで、変形例として、当該一般の通常状態に対して何らかの差別化の図れる所定の通常状態(非時短の状態)を設けるようにしてもよい。例えば、非時短の状態中におけるハマリ回数が一定数に到達してからの状態時や、有利遊技状態の終了(時短OFF)時に残っているすべての保留記憶を消化するまでの状態時、などに係る非時短(あらかじめ定められた低確率遊技)の状態においてC時短当たり(格別ハズレ)を判定可能とするようにしてもよい。
【0480】
また本実施形態では、所定の通常状態において、第2始動口21への遊技球の入球(右打ち)に基づいて特
図2の抽選を実行させた場合に、C時短当たりに対応する格別ハズレ(特図ハズレ)である旨とする特別な判定(通例の判定条件)をさせるようにしたが、変形例として、所定の通常状態において、第1始動口20への遊技球の入球(左打ち)に基づいて特
図1の抽選を実行させた場合に、C時短当たりに対応する格別ハズレ(特図ハズレ)である旨とする特別な判定(通例の判定条件)をさせるようにしてもよい。
【0481】
さらに、所定の通常状態において、第1始動口20及び第2始動口21のいずれか一方の遊技球の入球に基づいて、特
図1の抽選及び特
図2の抽選の少なくともいずれか一方を実行させることができた場合に、C時短当たりに対応する格別ハズレ(特図ハズレ)である旨とする特別な判定(通例の判定条件)をさせるようにしてもよい。
【0482】
また変形例として、上記したA時短30回の状態を終了可能(第二終了条件)とする終了契機の条件について、特別図柄の変動表示の実行に基づくハズレ判定(特別図柄の停止表示)の報知回数(特図の抽選回数)が合計30回となるときに終了させるパターンだけではなく、A時短30回の状態中において小当たり(第一当選)の判定結果(小当たり図柄の停止表示)が得られたタイミングであっても当該A時短状態を終わらせる(停止表示時に時短OFFにして非時短状態に移行させる)という追加の終了契機の条件を備えさせる条件構成とするようにしてもよい。
【0483】
この際において、上記したA時短80回の状態を終了可能(第一終了条件)とする条件においては、前述の追加の終了契機の条件を備えさせないよう(小当たり図柄の停止表示後の小当たり遊技中も時短状態が継続可能)な条件構成となるようにしてもよい。これにより、A時短30回又はA時短80回の状態であるか否かに応じて、小当たり当選後の小当たり遊技中に係るV入賞時の遊技状態が非時短状態(時短OFF)である場合と、そのV入賞時の遊技状態が非時短状態にならない場合の2パターンの選別状況を作れるようになる。
【0484】
したがって、例えば、小当たり遊技中のV入賞時が非時短状態であった場合には、2種大当たり遊技後にA時短30回(第二終了条件が対応付けられる第一有利状態)の実行が可能な設定になり易くし、小当たり遊技中のV入賞時が時短状態(A時短又は微時短)であった場合には、2種大当たり遊技後にA時短80回(第一終了条件が対応付けられる第一有利状態)の実行が可能な設定になり易くすることができるようになる。そのため、当選を獲得した場合の期待感の向上に関する遊技興趣を効果的に高めることができる。
【0485】
また変形例として、微時短1000回の状態を終了可能とする条件を、第3時短状態(B時短、遊タイム)に移行可能となる時期の到達まで微時短の状態を継続させる条件となるようにしてもよい。すなわち、特図抽選の結果に応じることなく第3時短状態へ移行開始させるためのハズレカウンタの規定回数の値と、微時短の状態を終了させるための時短回数の値とを勘案した条件設定となるようにしてもよい。
【0486】
このように本実施形態では、所定の通常状態(通例の判定条件が使用される非時短状態)において、第2始動口21(第一入賞口)に対して遊技球を入球させるか、又は、第1始動口20(第二入賞口)に対して遊技球を入球させるかの選択遊技に係る実行を可能にさせ、第2始動口21に対して遊技球を入球させ得た場合に、C時短当たり(第二当選)の判定を優遇して獲得させることが可能になる。ここから、一般の遊技状態とは異なる所定の通常状態(例えば、遊技店における朝一)において遊技を行う遊技者を対象にして期待感の向上に関する遊技興趣を効果的に高めることができる。
【0487】
また、所定の通常状態中の電チュー開放パターンは、ショート1回開放(通常可動パターン)にしかならない入賞非容易状態となるようにさせている。そのため、電チュー22によって遊技球を捕捉させることの困難性が高くなっている第2始動口21(第一入賞口)に対して遊技球を入球させ得た場合(例えば、遊技店における開店前に店員のサポート作業が行われたとき)に、第二当選(C時短当たり)の判定を優遇して獲得させ、微時短1000回の状態へ移行しやすくすることが可能になる。ここから、例えば、遊技店における意図した時期(例えば、朝一の微時短1000回のスタート状態)で遊技をする遊技者を対象にして期待感の向上に関する遊技興趣を効果的に高めることができる。
【0488】
[本実施形態における遊技の流れ(その2)]
次に、本パチンコ遊技機1における遊技の進行の流れ(その2)について、
図35-2に基づいて説明する。
【0489】
図35-2に示す「所定の通常状態(朝一(非時短)の状態)」は、遊技店における朝一番で行われ得る本パチンコ遊技機1の起動時に初期設定(RAMクリアスイッチ152のON及び電源スイッチ155のON)の実施がされたことで移行する遊技状態であって、電チュー22の可動部材23を開状態に動作させるため(第2始動口21の開口)の電チュー開放パターンがショート1回開放(遊技球の捕捉が困難な開閉、通常可動パターン)の決定にしかならない入賞非容易な状態(非時短の状態)になる。
【0490】
そのため、右打ち(遊技球が右遊技領域3Bを流下するように遊技球を発射する)をしても第2始動口21に遊技球を入球させることが困難(実質的に入球させることが不可能)になるため、左打ち(遊技球が左遊技領域3Aを流下するように遊技球を発射する)をするようにして遊技を進行させることが好ましい遊技状態となる。すなわち、所定の通常状態において実行されるメイン図柄変動は、特
図1の抽選に基づく図柄変動となる。
【0491】
この所定の通常状態(本パチンコ遊技機1の起動時から初回の当たり遊技の実行となるまでの期間)において、第1始動口20への遊技球の入球(特図入賞)を契機とする特
図1の抽選(特図当たり乱数を含む特図関係乱数の取得)を実行させ、この特
図1の抽選に基づいて行われる当否の判定(特図当たり乱数の判定)の結果が特図ハズレとなる場合は、当該所定の通常状態が維持されること(当該状態のループ)となり、再び第1始動口20に遊技球を入球させること(次回の特
図1の抽選)を目指すこととなる。
【0492】
そして、この所定の通常状態中において、特
図1の抽選の実行に基づいて大当たり当選させた場合、又は、小当たり当選させた後の小当たり遊技中においてV入賞(単に、Vとも称す)をさせた場合(第一当選となる場合)には、不図示(朝一用)の大当たり図柄種別判定テーブル及び小当たり図柄種別判定テーブル(第一判定条件)に基づいて、1種大当たり遊技後又は2種大当たり遊技後において必ずA時短80回の状態を付与可能となる(言い換えると、後述のA時短30回の状態にならない)ように移行させるようにしている。
【0493】
図35-2に示す「A時短80回の状態(上位時短中の特
図2抽選)」は、特別図柄及び/又は普通図柄の1回あたりの可変表示に要する時間を、前述した所定の通常状態(又は、後述の微時短800回の状態)と比較して大幅に短くさせる図柄の変動時間の短縮化状態であって、かつ、電チュー22の可動部材23を開状態に動作させるため(第2始動口21の開口)の電チュー開放パターンを遊技球の捕捉が容易なロング2回開放にさせる入賞容易な状態になる。
【0494】
すなわち、電チュー22の可動部材23によって捕捉された遊技球が第2始動口21に入球すること(特
図2入賞)を契機とする特
図2の抽選(特図当たり乱数を含む特図関係乱数)の判定が実行されやすくなる。そのため、右打ちをするようにして遊技を進行させることが好ましいA時短80回の状態(所定の通常遊技より有利な可動部の変位にする第一有利状態)となる。すなわち、当該A時短に係る状態において実行されるA時短メイン図柄変動は、特
図2の抽選に基づく図柄変動となる。
【0495】
なお、本実施形態では、特
図2の抽選にて小当たりを引き当てる抽選確率(例えば、1/70の当選確率)は、特
図1の抽選にて小当たりを引き当てる抽選確率(例えば、1/198の当選確率、)よりも高い抽選確率としている。そのため、特
図2の抽選がメインで行われるA時短に係る状態は、遊技者にとって好適な遊技状態となる(特別当たり乱数の判定テーブルは不図示)。なお、特
図1の抽選にて小当たりを引き当てる抽選確率を0%となるようにしてもよい。
【0496】
そして、A時短80回の状態へ移行する場合には、このA時短80回の状態が終了(A時短の消化、合計80回の特図抽選の実行)するまでに、A時短メイン図柄変動に係る特
図2の抽選の判定に基づいて小当たり又は大当たりを引き当てることを挑戦させることとなる。
【0497】
本実施形態では、A時短80回の状態(第一有利状態の実行可能期間)へ移行する場合には、後述のA時短30回の状態(第一有利状態の実行可能期間)へ移行する場合よりも特
図2の抽選を実行可能とする期間(いわゆる、電サポ期間)が長くなることから、A時短の状態中の当選を獲得しやすくなるため、遊技者にとって最も好適な遊技状態(最上位のA時短)となる。
【0498】
ここで、A時短80回の状態を終了させて非時短(時短無し/電サポ無し)の状態へと移行可能にさせるA時短終了条件(第一有利状態の終了条件、A時短80回の終了タイミング)は、特別図柄の変動表示の実行に基づくハズレ判定(特別図柄の停止表示)の報知回数(特図の抽選回数)が合計80回目となるときの特別図柄の変動表示の実行に基づくようにしている。
【0499】
具体的に、A時短80回の状態における合計80回目の特別図柄の変動表示が開始するとき(所定の判定結果を導出するとき)であって、大当たり又は特図ハズレの報知をするときは、この特別図柄の変動表示の開始時においてA時短終了条件を満たす場合となるようにし、この特別図柄の変動表示の開始時から非時短の状態へと移行させ、大当たり又は特図ハズレの報知に応じた合計80回目の特別図柄の停止表示となるときには非時短(時短無し)の状態に移行させているようにしている。
【0500】
また、A時短80回の状態における合計80回目の特別図柄の変動表示が終了するとき(所定の判定結果を導出するとき)であって、小当たりの報知をするときは、この小当たりの当選報知した後の小当たり遊技が開始されるとき(第2大入賞口35の開放時)においてA時短終了条件を満たす場合となるようにし、小当たり遊技中のV入賞(特定領域39の球通過)の発生となるときには非時短(時短無し)の状態に移行させているようにしている。
【0501】
そして、A時短80回の状態における合計80回目の特別図柄の変動表示の終了となる際(A時短終了条件を満たした後)に特
図2保留記憶部85bにて特図関係乱数(当否の判定情報)に係る特図保留(残保留0個~4個)が記憶されていた場合は、特
図2保留記憶部85bに記憶された特図関係乱数(当否の判定情報)に係る特図保留(残保留0個~4個)に関する判定を行うときにおいて非時短(時短無し)の状態に移行済みとさせているようにしている。
【0502】
なお、本実施形態では、A時短79回までの状態中に大当たり当選(第一当選)をさせた場合は、大当たり当選を報知するための特別図柄の変動表示が開始されるときにA時短80回に係る時短状態が終了することがない(すなわち、時短有りになる)ようにしている。故に、大当たり報知に応じた特別図柄の停止表示となるときにおいてA時短80回に係る時短状態の継続となるようにさせているようにしている。
【0503】
また、A時短79回までの状態中に小当たり当選(第一当選)をさせた場合は、小当たり当選の報知後のするための小当たり遊技におけるV入賞時までA時短80回の状態が終了することがない(すなわち、時短有りになる)ようにしている。故に、小当たり遊技中のV入賞(特定領域39の球通過)の発生となるときにおいてA時短80回に係る時短状態の継続となるようにさせているようにしている。
【0504】
ここから、A時短79回までの状態中において、特
図2の抽選の実行に基づいて大当たり当選させた場合(第一当選となる場合)、又は、小当たり当選させた後の小当たり遊技中においてV入賞をさせた場合(第一当選となる場合)には、A時短80回に係る時短状態を継続させていることを条件に、不図示(時短用)の大当たり図柄種別判定テーブル及び小当たり図柄種別判定テーブルに基づいて、1種大当たり遊技後又は2種大当たり遊技後において必ずA時短80回の状態を付与可能となる(言い換えると、後述のA時短30回の状態にならない)ように移行させるようにしている。
【0505】
一方、A時短80回の状態における合計80回目の特別図柄の変動表示が開始するとき(所定の判定結果を導出するとき)において、特
図2の抽選の実行に基づいて大当たり当選させた場合、又は、小当たり当選させた後の小当たり遊技中においてV入賞をさせた場合(第一当選となる場合)には、A時短80回に係る時短状態を終了(非時短の状態移行)にさせていることを条件に、不図示(非時短用)の大当たり図柄種別判定テーブル及び小当たり図柄種別判定テーブル(第二判定条件)に基づいて、1種大当たり遊技後又は2種大当たり遊技後において必ずA時短30回の状態を付与可能となる(言い換えると、A時短80回の状態にならない)ように移行させるようにしている。
【0506】
また、A時短80回の状態における合計80回目の特別図柄の変動表示の終了となる際(A時短終了条件を満たした後)に特
図2保留記憶部85bに記憶された特図関係乱数(当否の判定情報)に係る個々の特図保留(例えば、残保留0個~4個のいずれか)に関する判定に基づいて、大当たり当選させた場合(第一当選となる場合)、又は、小当たり当選させた後の小当たり遊技中においてV入賞をさせた場合(第一当選となる場合)には、A時短80回に係る時短状態を終了済み(非時短状態の移行)とさせていることを条件(第一有利状態の終了条件を満たす場合)に、不図示(非時短用)の大当たり図柄種別判定テーブル及び小当たり図柄種別判定テーブルに基づいて、1種大当たり遊技後又は2種大当たり遊技後において必ずA時短30回の状態を付与可能となる(言い換えると、A時短80回の状態にならない)ように移行させるようにしている。
【0507】
また、A時短80回の状態における合計80回目の特別図柄の変動表示の終了となる際(A時短終了条件を満たした後)に特
図2保留記憶部85bに記憶された特図関係乱数(当否の判定情報)に係る最終の特図保留(例えば、残保留4個目)に関する判定に基づいて、特図ハズレを引き当てた場合(第一当選とならない場合)には、A時短80回に係る時短状態を終了済み(非時短の状態移行)とさせていることを条件(第一有利状態の終了条件を満たす場合)に、特図ハズレ(第一当選以外)に対応させている特図当たり乱数の値のいずれであっても、C時短当たり(第二当選)に対応する格別ハズレである旨とする不図示(非時短用)の大当たり図柄種別判定テーブル及び小当たり図柄種別判定テーブル(第二判定条件)に基づいて、1種大当たり遊技又は2種大当たり遊技を介さずに必ず後述する微時短800回の状態(第二有利状態)を付与可能となるように移行させるようにしている。
【0508】
そのため、A時短80回の状態(右打ちの遊技/時短有り)における合計80回目の特別図柄の変動表示の終了となる際に特
図2保留記憶部85bに記憶された特図関係乱数に係る最終の特図保留に関する判定(第二判定条件)に基づいて大当たり又は小当たり(第一当選)の判定結果とならない場合は、C時短当たり(第二当選)とする旨の判定結果が優遇されて導出されることとなる。
【0509】
したがって、A時短80回の状態の終了時となるまでに大当たり又は小当たりの当選をさせることができない場合は、C時短当たり(第二当選、格別ハズレ)とする旨の判定結果が優遇され、C時短当たりに対応する特
図2の停止表示に基づいて必ず後述する微時短800回の状態へ移行する(言い換えると、所定の通常状態にならない)こととなる。
【0510】
なお、所定の通常状態中(左打ちの遊技)において使用可能とされる不図示(朝一用)の大当たり図柄種別判定テーブル及び小当たり図柄種別判定テーブル(第一判定条件)であるときは、C時短当たり(第二当選)に対応する格別ハズレである旨とされない(すなわち、格別ハズレとしないで特図ハズレとする)ようにしており、C時短当たりとする旨の判定結果が優遇されて導出されることがないようにしている。
【0511】
詳細には、特
図1の抽選の実行(左打ちの遊技/時短無し)に基づく特図関係乱数の判定となる場合は、C時短当たり(第二当選)に対応する格別ハズレである旨とされない(如何なる遊技状態であっても格別ハズレとしないで特図ハズレとする)ようにしており、特
図1に係る抽選においてC時短当たりとする旨の判定結果が優遇されて導出されることがないようにしている。
【0512】
すなわち、A時短80回の状態(右打ちの遊技)における合計80回目の特別図柄の変動表示の終了時(時短無し/第一有利状態の終了条件を満たすとき)となる場合であって、かつ、特
図2に係る抽選の実行(最終の特
図2保留の判定結果がハズレ)となる場合において、C時短当たりとする旨の判定結果が優遇されて導出されるようにしている。
【0513】
そして本実施形態では、A時短80回の状態を含む全般(後述のA時短30回及び微時短800回の状態も含む)の時短状態へ移行した後において、所定の通常状態に戻るルートがないようにしている。
【0514】
したがって、所定の通常状態(非時短状態)は、遊技店における朝一番で行われ得る本パチンコ遊技機1の起動時に初期設定(RAMクリアスイッチ152のON及び電源スイッチ155のON)の実施がされたときだけ移行し得る(朝一だけ出現する)稀有な遊技状態となる。
【0515】
図35-2に示す「A時短30回の状態(下位時短中の特
図2抽選)」は、A時短80回の状態と同様に、特別図柄及び/又は普通図柄の1回あたりの可変表示に要する時間を、前述した所定の通常状態(又は、後述の微時短800回の状態)と比較して大幅に短くさせる図柄の変動時間の短縮化状態であって、かつ、電チュー22の可動部材23を開状態に動作させるため(第2始動口21の開口)の電チュー開放パターンを遊技球の捕捉が容易なロング2回開放にさせる入賞容易な状態になる。
【0516】
すなわち、電チュー22の可動部材23によって捕捉された遊技球が第2始動口21に入球すること(特
図2入賞)を契機とする特
図2の抽選(特図当たり乱数を含む特図関係乱数)の判定が実行されやすくなる。そのため、右打ちをするようにして遊技を進行させることが好ましいA時短30回の状態(所定の通常遊技より有利な可動部の変位にする第一有利状態)となる。すなわち、当該A時短に係る状態において実行されるA時短メイン図柄変動は、特
図2の抽選に基づく図柄変動となる。
【0517】
そして、A時短30回の状態へ移行する場合には、このA時短30回の状態が終了(A時短の消化、合計30回の特図抽選の実行)するまでに、A時短メイン図柄変動に係る特
図2の抽選の判定に基づいて小当たり又は大当たりを引き当てることを挑戦させることとなる。
【0518】
本実施形態では、A時短30回の状態(第一有利状態の実行可能期間)へ移行する場合には、前述のA時短80回の状態(第一有利状態の実行可能期間)へ移行する場合よりも特
図2の抽選を実行可能とする期間(いわゆる、電サポ期間)が短くなることから、A時短の状態中の当選獲得がされ難くなる(A時短30回ぶんの特図抽選の全てがハズレで終わりやすくなる)ため、遊技者にとってチャレンジ性の高い遊技状態(下位のA時短)となる。
【0519】
ここで、A時短30回の状態を終了させて非時短の状態へと移行可能にさせるA時短終了条件(第一有利状態の終了条件、A時短30回の終了タイミング)は、特別図柄の変動表示の実行に基づくハズレ判定(特別図柄の停止表示)の報知回数(特図の抽選回数)が合計30回目となるときの特別図柄の変動表示の実行に基づくようにしている。
【0520】
具体的に、A時短30回の状態における合計30回目の特別図柄の変動表示が開始するとき(所定の判定結果を導出するとき)であって、大当たり又は特図ハズレの報知をするときは、この特別図柄の変動表示の開始時においてA時短終了条件を満たす場合となるようにし、この特別図柄の変動表示の開始時から非時短の状態へと移行させ、大当たり又は特図ハズレの報知に応じた合計30回目の特別図柄の停止表示となるときには非時短(時短無し)の状態に移行させているようにしている。
【0521】
また、A時短30回の状態における合計30回目の特別図柄の変動表示が終了するとき(所定の判定結果を導出するとき)であって、小当たりの報知をするときは、この小当たりの当選報知した後の小当たり遊技が開始されるとき(第2大入賞口35の開放時)においてA時短終了条件を満たす場合となるようにし、小当たり遊技中のV入賞(特定領域39の球通過)の発生となるときには非時短(時短無し)の状態に移行させているようにしている。
【0522】
また、A時短30回の状態における合計30回目の特別図柄の変動表示の終了となる際(A時短終了条件を満たした後)に特
図2保留記憶部85bにて特図関係乱数(当否の判定情報)に係る特図保留(残保留0個~4個)が記憶されていた場合は、特
図2保留記憶部85bに記憶された特図関係乱数(当否の判定情報)に係る特図保留(残保留0個~4個)に関する判定を行うときにおいて非時短(時短無し)の状態に移行済みとさせているようにしている。
【0523】
なお、本実施形態では、A時短29回までの状態中に大当たり当選(第一当選)をさせた場合は、大当たり当選を報知するための特別図柄の変動表示が開始されるときにA時短30回に係る時短状態が終了することがない(すなわち、時短有りになる)ようにしている。故に、大当たり報知に応じた特別図柄の停止表示となるときにおいてA時短30回に係る時短状態の継続となるようにさせているようにしている。
【0524】
また、A時短29回までの状態中に小当たり当選(第一当選)をさせた場合は、小当たり当選の報知後のするための小当たり遊技におけるV入賞時までA時短30回の状態が終了することがない(すなわち、時短有りになる)ようにしている。故に、小当たり遊技中のV入賞(特定領域39の球通過)の発生となるときにおいてA時短30回に係る時短状態の継続となるようにさせているようにしている。
【0525】
ここから、A時短29回までの状態中において、特
図2の抽選の実行に基づいて大当たり当選させた場合(第一当選となる場合)、又は、小当たり当選させた後の小当たり遊技中においてV入賞をさせた場合(第一当選となる場合)には、A時短30回に係る時短状態を継続させていることを条件に、不図示(時短用)の大当たり図柄種別判定テーブル及び小当たり図柄種別判定テーブルに基づいて、1種大当たり遊技後又は2種大当たり遊技後において必ずA時短80回の状態を付与可能となる(言い換えると、A時短30回の状態にならない)ように移行させるようにしている。
【0526】
一方、A時短30回の状態における合計30回目の特別図柄の変動表示が開始するとき(所定の判定結果を導出するとき)において、特
図2の抽選の実行に基づいて大当たり当選させた場合、又は、小当たり当選させた後の小当たり遊技中においてV入賞をさせた場合(第一当選となる場合)には、A時短30回に係る時短状態を終了(非時短の状態移行)にさせていることを条件に、不図示(非時短用)の大当たり図柄種別判定テーブル及び小当たり図柄種別判定テーブル(第二判定条件)に基づいて、1種大当たり遊技後又は2種大当たり遊技後において必ずA時短30回の状態を付与可能となる(言い換えると、A時短80回の状態にならない)ように移行させるようにしている。
【0527】
また、A時短30回の状態における合計30回目の特別図柄の変動表示の終了となる際(A時短終了条件を満たした後)に特
図2保留記憶部85bに記憶された特図関係乱数(当否の判定情報)に係る個々の特図保留(例えば、残保留0個~4個のいずれか)に関する判定に基づいて、大当たり当選させた場合(第一当選となる場合)、又は、小当たり当選させた後の小当たり遊技中においてV入賞をさせた場合(第一当選となる場合)には、A時短30回に係る時短状態を終了済み(非時短状態の移行)とさせていることを条件(第一有利状態の終了条件を満たす場合)に、不図示(非時短用)の大当たり図柄種別判定テーブル及び小当たり図柄種別判定テーブルに基づいて、1種大当たり遊技後又は2種大当たり遊技後において必ずA時短30回の状態を付与可能となる(言い換えると、A時短80回の状態にならない)ように移行させるようにしている。
【0528】
また、A時短30回の状態における合計30回目の特別図柄の変動表示の終了となる際(A時短終了条件を満たした後)に特
図2保留記憶部85bに記憶された特図関係乱数(当否の判定情報)に係る最終の特図保留(例えば、残保留4個目)に関する判定に基づいて、特図ハズレを引き当てた場合(第一当選とならない場合)には、A時短30回に係る時短状態を終了済み(非時短の状態移行)とさせていることを条件(第一有利状態の終了条件を満たす場合)に、特図ハズレ(第一当選以外)に対応させている特図当たり乱数の値のいずれであっても、C時短当たり(第二当選)に対応する格別ハズレである旨とする不図示(非時短用)の大当たり図柄種別判定テーブル及び小当たり図柄種別判定テーブル(第二判定条件)に基づいて、1種大当たり遊技又は2種大当たり遊技を介さずに必ず後述する微時短800回の状態(第二有利状態)を付与可能となるように移行させるようにしている。
【0529】
そのため、A時短30回の状態における合計30回目の特別図柄の変動表示の終了となる際に特
図2保留記憶部85bに記憶された特図関係乱数に係る最終の特図保留に関する判定(第二判定条件)に基づいて大当たり又は小当たり(第一当選)の判定結果とならない場合は、C時短当たり(第二当選)とする旨の判定結果が優遇されて導出されることとなる。
【0530】
すなわち、A時短30回の状態(右打ちの遊技)における合計30回目の特別図柄の変動表示の終了時(時短無し/第一有利状態の終了条件を満たすとき)となる場合であって、かつ、特
図2に係る抽選の実行(最終の特
図2保留の判定結果がハズレ)となる場合において、C時短当たりとする旨の判定結果が優遇されて導出されるようにしている。
【0531】
したがって、A時短30回の状態の終了時となるまでに大当たり又は小当たりの当選をさせることができない場合は、C時短当たり(第二当選、格別ハズレ)とする旨の判定結果が優遇され、C時短当たりに対応する特
図2の停止表示に基づいて必ず後述する微時短800回の状態へ移行する(言い換えると、所定の通常状態にならない)こととなる。
【0532】
なお、変形例として、A時短の最終変動(30回目又は80回目のA時短に係る特図変動)で特図ハズレを引き当てた場合(A時短の最終変動で第一当選とならない場合)には、当該A時短に係る状態を終了済み(特図変動の開始時に非時短の状態移行)とさせていることを条件(第一有利状態の終了条件を満たす場合)に、特図ハズレ(第一当選以外)に対応させている特図当たり乱数の値のいずれであっても、C時短当たり(第二当選)に対応する格別ハズレである旨とする不図示(非時短用)の大当たり図柄種別判定テーブル及び小当たり図柄種別判定テーブル(第二判定条件)に基づいて、1種大当たり遊技又は2種大当たり遊技を介さずに後述する微時短800回の状態(第二有利状態)を付与可能となるように移行させるようにしてもよい。
【0533】
また、変形例として、A時短30回(又はA時短80回)の状態の終了時となるまでに大当たり又は小当たりの当選をさせることができない場合は、C時短当たり(格別ハズレ)に対応する特
図2の判定結果となる場合に微時短800回の状態へ移行するようになるが、C時短当たり(格別ハズレ)としない特図ハズレに対応する特
図2の判定結果となる場合には所定の通常状態になるようにしてもよい。例えば、大当たり又は小当たりの当選確率と略同等の確率で特図ハズレ(非格別ハズレ)を引き当てたときに所定の通常状態にする場合があるようにしてもよい。
【0534】
図35に示す「微時短800回の状態(第2時短状態)」は、特別図柄(特
図1、特
図2)及び/又は普図の1回あたりの可変表示に要する時間が所定の通常状態と比較して変化しない非短縮化の状態であって、かつ、電チュー22の可動部材23を開状態に動作させるため(第2始動口21の開口)の電チュー開放パターンをショート2回開放(専用可動パターン)にする状態(電チュー22の可動に基づいて遊技球を容易に捕捉させ得る状態にまでには至らない)にさせるC時短当たりに対応する入賞非容易な状態(第一有利状態とは異なる遊技状態に関する第二有利状態)となる。
【0535】
そのため、右打ちをしても第2始動口21に遊技球を入球させるのが困難になることから、左打ちをするようにして遊技を進行させることが好ましい遊技状態となる。すなわち、微時短800回の状態において実行される微時短メイン図柄変動は、特
図1の抽選に基づく図柄変動となる。
【0536】
そして、微時短800回の状態へ移行する場合には、この微時短800回の状態が終了(微時短の消化、合計800回の特図抽選の実行)するまでに、微時短メイン図柄変動に係る特
図1の抽選の判定に基づいて小当たり又は大当たりを引き当てることを挑戦させることとなるが、微時短800回の状態が終了(特別図柄の変動表示の実行に基づくハズレ判定の報知回数が合計800回)するまでに大当たり又は小当たりを引き当てやすくなる遊技設計となるようにしている。
【0537】
しかし、微時短800回の状態が終了するまでに大当たり又は小当たりの当選をさせることができない場合(微時短の消化)は、第3時短状態(B時短、遊タイム)に移行することとなる。すなわち、特図抽選の結果に応じることなく第3時短状態へ移行開始させるためのハズレカウンタの規定回数の値と、微時短の状態を終了させるための時短回数の値とを勘案した条件設定となるようにしている(言い換えると、所定の通常状態にならない)。
【0538】
なお、本実施形態では、第3時短状態について微時短800回の状態と同等の時短状態(時短性能)となるようにして、実質的に微時短800回の状態が終わりなく継続される(当該状態のループとなる)ようにしているが、変形例として、第3時短状態をA時短80回の状態(又は、A時短30回の状態)と同等の時短状態となるようにして、遊技者にとって好適な遊技状態移行(チャンスアップ)を可能となるようにしてもよい。
【0539】
ここで、微時短800回の状態を終了させて非時短の状態へと移行可能にさせる微時短終了条件(第二有利状態の終了条件)は、微時短800回の状態中に大当たり又は特図ハズレの報知をするときには、この特別図柄の変動表示の終了時において微時短終了条件を満たす場合となるようにしている。すなわち、この特別図柄の変動表示の終了時から非時短の状態へと移行することとなるので、大当たり又は特図ハズレの報知に応じた合計30回目の特別図柄の停止表示となる際には時短(時短有り)の状態を継続させているようにしている。
【0540】
また、微時短800回の状態中に小当たりの報知をするときは、この小当たりの当選報知した後の小当たり遊技が終了されるとき(第2大入賞口35の終了時)においてA時短終了条件を満たす場合となるようにしている。故に、小当たり遊技中のV入賞(特定領域39の球通過)の発生となるときには時短(時短有り)の状態が継続するようにしている。
【0541】
そして、微時短800回までの状態中において、特
図1の抽選の実行に基づいて大当たり当選させた場合(第一当選となる場合)、又は、小当たり当選させた後の小当たり遊技中においてV入賞をさせた場合(第一当選となる場合)には、微時短800回に係る時短状態を継続(時短の状態移行)にさせていることを条件に、不図示(微時短用)の大当たり図柄種別判定テーブル及び小当たり図柄種別判定テーブル(第三判定条件)に基づいて、1種大当たり遊技後又は2種大当たり遊技後において必ずA時短30回の状態を付与可能となる(言い換えると、A時短80回の状態にならない)ように移行させるようにしている。
【0542】
このように本実施形態では、所定の通常状態(朝一の非時短状態)において、第1始動口20(第二入賞口)に対して遊技球を入球させるメイン遊技(左打ちの遊技)に係る実行を可能にして大当たり又は小当たり当選をさせることでA時短80回の状態に移行させた後、第2始動口21(第一入賞口)に対して遊技球を入球させるメイン遊技(右打ちの遊技)に係る実行を可能にするA時短80回の状態の終了時(非時短の状態移行)における当該第2始動口21に対する遊技球を入球に基づいてC時短当たり(第二当選)の判定を優遇して獲得させ微時短800回の状態に移行させることが可能になる。
【0543】
したがって、所定の通常状態からA時短に係る状態に移行させた後、再び所定の通常状態へ移行し難くさせることができる。そのため、所定の通常状態(例えば、遊技店における朝一)において遊技を行う遊技者を対象にして期待感の向上に関する遊技興趣を効果的に高めることができる。
【0544】
また、微時短800回の状態中の電チュー開放パターンは、ショート2回開放(専用可動パターン)にしかならない入賞非容易状態となるようにさせている。そのため、電チュー22によって遊技球を捕捉させることの困難性が高くなっている第2始動口21(第一入賞口)に対して遊技球を入球させ難くするなる。
【0545】
ここから、微時短800回の状態中は、第1始動口20(第二入賞口)に対して遊技球を入球させるメイン遊技(左打ちの遊技)に係る実行を可能にし、当該第1始動口20に対する遊技球の入球に基づいて大当たり又は小当たり当選をさせることでA時短30回の状態(下位の時短状態)へと移行可能にして、その後のA時短29回までの状態(右打ちの遊技)中に第2始動口21に対して遊技球を入球させ大当たり又は小当たり当選をさせることができた場合には、再びA時短80回の状態(上位の時短状態)に移行可能にさせることで、段階的にA時短に係る実行可能期間を長くさせる遊技達成感の提供が可能となり、期待感の向上に関する遊技興趣を効果的に高めることができるようになる。
【0546】
[本実施形態における演出例]
次に、本パチンコ遊技機1における演出例について、
図36~
図41に基づいて説明する。先ず、演出モードについて説明する。演出モードとは、画像表示装置7、スピーカ67、盤ランプ5、及び枠ランプ66等を用いた演出の態様であり、演出モードが異なると、例えば画像表示装置7に表示されるキャラクタやアイテム、背景画像等が異なり、演出図柄8L,8C,8Rを用いた変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
【0547】
[1.演出モード]
本実施形態の演出モードには、
図36(A)に示す通常の昼の背景画像が表示される昼背景モード、
図36(B)に示す夜の背景画像が表示される夜背景モード、
図36(C)に示す特別な昼の背景画像(通常の昼の背景画像と炎のエフェクト画像が組み合わされた背景画像)が表示される特別な昼の背景モードが含まれている。
【0548】
昼背景モード(
図36(A))は、非時短状態において設定される演出モードである。つまり、非時短状態であって特
図1の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。
【0549】
夜背景モード(
図36(B))は、大当たり遊技後に移行する第1時短状態(A時短)において設定される演出モードである。第1時短状態では、右打ちにて第2始動口21への入賞を狙って遊技を進行させるため、夜背景モードでは、演出制御用マイコン91は、右打ちにて遊技を行うべき旨を報知する右打ち報知画像RIを表示画面7aの右上部に表示する。また、夜背景モードでは、時短状態中の第2始動口21に遊技球が通過した際に行われる特図入賞数を示唆するため、演出制御用マイコン91は、特図入賞のカウント回数を示す回数表示ZIを表示画面7aの右下部に表示する。なお、回数表示ZIの値は、特図の変動表示が行われることに応じて減算の更新がされる。
【0550】
特別な昼の背景モード(
図36(C))は、C時短当たりと判定された際の第2時短状態(微時短)又はハズレカウンタの値が規定値に到達した際の第2時短状態のときに設定される演出モードである。特別な昼の背景モードは、夜背景モードと同様、昼背景モードよりも遊技者に有利な状態であることを示唆する演出として機能する。
【0551】
なお、
図36(B)では、時短回数が1回、30回、80回の各時短状態において設定される演出モードは、同じであるが、時短回数が1回、30回、80回の各時短状態のそれぞれで、異なる種類の演出モードが用意されてもよい。
【0552】
[2.変動演出]
次に、変動演出について説明する。本パチンコ遊技機1は、特別図柄の変動表示が開始されると、特別図柄の変動表示に係る変動パターン及び特図抽選の結果(大当たり判定や小当たり判定の結果、図柄種別判定の結果、リーチ判定の結果、及び、変動パターン判定の結果)などに基づいて、変動演出を実行する。変動演出では、表示画面7aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われる。演出図柄8L,8C,8Rの変動表示では、演出図柄8L,8C,8Rが変動した後に停止する。すなわち、特別図柄の変動時間にわたって、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄8L,8C,8Rの停止表示が行われる。そして、演出図柄8L,8C,8Rの停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
【0553】
[2-1.演出図柄表示領域]
画像表示装置7の表示画面7aには、
図37(A)に示すように、表示画面7aを垂直方向に3つに略均等に分けた左側、中央及び右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、及び右演出図柄領域50b3が設けられている。左演出図柄領域50b1は、変動演出における演出図柄8L,8C,8Rの停止表示のときに、左演出図柄8Lを表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2及び右演出図柄領域50b3は、中演出図柄8C及び右演出図柄8Rを表示する領域である。
【0554】
また、
図37(A)に示すように、表示画面7aの上端部の左端の一区画(左上部)には、小図柄領域50cが設けられている。小図柄領域50cは、特別図柄の変動表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。なお、演出図柄8L,8C,8Rは、変動演出中に非表示となることがあるのに対して、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は非表示となることがない。この点において、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は演出図柄8L,8C,8Rの役割を補う図柄として機能する。
【0555】
なお、
図37(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、及び小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、及び小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、各領域の範囲は適宜に変更可能である。
【0556】
[2-2.通常変動]
本パチンコ遊技機1は、変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特別図柄の変動表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
【0557】
特別図柄の変動表示が開始されると、例えば、
図37(A)に示すように、表示画面7aにおいて、左演出図柄8L、中演出図柄8C及び右演出図柄8Rが停止表示されているとともに、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2及び右小図柄KZ3が停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われておらず、特別図柄の変動表示を待機している状態から、
図37(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始されるとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「特図ハズレ変動」(リーチ無し特図ハズレの変動)の場合には、
図37(C―1)に示すように、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが異なる停止態様で仮停止してから、
図37(D)に示すように、特図ハズレを示唆する停止態様(いわゆるバラケ目)で演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も特図ハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」(ノーマルリーチによって特図ハズレが示されるリーチ有り特図ハズレの変動)などのリーチ有りの変動パターンの場合には、
図37(C―2)に示すように、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ停止態様で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄8L,8C,8Rの停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
【0558】
[2-3.Nリーチ(ノーマルリーチ)]
本パチンコ遊技機1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」、「小当たり」又は「C時短当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たり等を期待させるための演出として機能する。以下では、「大当たり」、「小当たり」又は「C時短当たり」の各当たりについて、大当たりを代表して説明するが、他の種別の当たりも基本的に同じであってよい。例えば、「大当たり」、「小当たり」又は「C時短当たり」の各当たりに係る演出図柄による演出は、各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせが異なるだけであってよい。この場合、「C時短当たり」の場合、時短図柄に応じて各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせが異なってよく、例えば、時短図柄に応じて中演出図柄8Cだけが異なってよい(例えば色違いの同じ図柄)。この場合、Nリーチは共通である。
【0559】
Nリーチでは、
図38(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、
図38(B)に示すように、中演出図柄8Cの変動速度が徐々に減速していく。そして、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、
図38(C―1)に示すように、特図ハズレを示唆する停止態様(いわゆるバラケ目)で演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も特図ハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「N大当たり変動」(ノーマルリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、
図38(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(いわゆるゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄8Cが徐々に減速することに限られず、適宜に変更又は追加することが可能である。
【0560】
また、ハズレを示唆する演出図柄8L,8C,8Rの停止態様に関して、リーチが成立しない場合のバラケ目を「非リーチバラケ目」や「非リーチハズレ目」と称し、リーチが成立する場合のバラケ目を「リーチバラケ目」や「リーチハズレ目」と称する。非リーチバラケ目を構成する各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせをどのようにするか(例えば「2・3・1」や「5・8・6」等)、及び、リーチバラケ目を構成する各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせをどのようにするか(例えば「2・1・2」や「5・4・5」等)は、演出制御用マイコン91によって選択される。また、大当たりを示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせをどのようにするか(例えば「2・2・2」や「7・7・7」等)は、当選した大当たり図柄の種別に基づいて、演出制御用マイコン91によって選択される。
【0561】
[2-4.SPリーチ]
本パチンコ遊技機1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
【0562】
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、
図39(A)に示すように、表示画面7aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示画面7aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、
図39(B)に示すように、SPリーチ専用演出が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」(SPリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、
図39(C―1)に示すように、表示画面7aに、大当たりを示唆する成功演出(例えば、主人公キャラクタ(味方キャラクタの一人)がバトルに勝利して仁王立ちしている表示、勝利演出)が行われるとともに、演出図柄8L,8C,8Rが大当たりを示唆する停止態様(いわゆるゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」(SPリーチによって特図ハズレが示されるリーチ有り特図ハズレの変動)の場合には、
図39(C―2)に示すように、特図ハズレを示唆する失敗演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示、敗北演出)が行われるとともに、演出図柄8L,8C,8Rが特図ハズレを示唆する停止態様(いわゆるバラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も特図ハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更又は追加することが可能である。本実施形態では、非時短状態における特
図1の抽選に基づくSPリーチとして、
図39に示す演出が実行されるものとする。
【0563】
[2-5.特
図2の抽選に基づく変動演出]
次に、特
図2の抽選に基づく変動演出について説明する。本パチンコ遊技機1は、特図の抽選の結果が、小当たり又はC時短当たりになる場合において、「バトルリーチ」を実行する(
図10参照)。すなわち、演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から受信した特
図2変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「P21」又は「P24」である場合、バトルリーチを伴う変動演出を実行する。バトルリーチは、変動演出においてNリーチの後に実行される。
【0564】
バトルリーチは、味方キャラクタと敵キャラクタ(第1の敵キャラクタ)とがバトルを行うリーチ演出である。具体的には、バトルリーチでは先ず、味方キャラクタと敵キャラクタとがこれから対戦することを示す画像等が表示画面7aに表示される(
図40(A))。そして、味方キャラクタと敵キャラクタとが攻防を行っている様子を示す画像が表示画面7aに表示され(不図示)、当落分岐の前には、味方キャラクタが敵キャラクタに攻撃をしかけることを示す画像が表示画面7aに表示される(
図40(B))。
【0565】
小当たり変動(特図変動パターン「P3」)に基づいて実行されたバトルリーチであれば、
図40(B)の演出の後、当たりを示唆する成功演出(当選演出)として、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利したことを示す勝利画像(味方キャラクタが喜んでいる画像と成功用背景画像G80を含む)が表示画面7aに表示されるとともに、演出図柄8L,8C,8Rが当たりを小示す「順目(1,2,3)」で仮停止表示される(
図40(C))。そして、演出図柄8L,8C,8R及び小図柄KZ1,KZ2,KZ3が「順目(1,2,3)」で確定的に停止表示される(
図40(D))。
【0566】
一方、特図ハズレ変動(特図変動パターン「P6」)に基づいて実行されたバトルリーチであれば、
図40(B)の演出の後、特図ハズレであることを示唆する失敗演出(特図ハズレ演出)として、味方キャラクタが敵キャラクタのカウンタを喰らって敗北したことを示す敗北画像(味方キャラクタが悲しんでいる画像と失敗用背景画像G81を含む)が表示画面7aに表示されるとともに、演出図柄8L,8C,8Rが特図ハズレを示唆する「リーチハズレ目」で仮停止表示される(
図40(E))。そして、演出図柄8L,8C,8R及び小図柄KZ1,KZ2,KZ3が「リーチハズレ目」で確定的に停止表示される(
図40(F))。
【0567】
また、格別ハズレをC時短当たりと判定する場合のC時短変動(特図変動パターン「P14」)に基づいて実行されたバトルリーチであれば、時短図柄の種別に応じてバトルの結果を異ならせる。具体的には、時短図柄βによるC時短当たりの場合、
図40(B)の演出の後、時短図柄βによるC時短当たりを示唆する成功演出として、
図40(C)と同様、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利したことを示す勝利画像(味方キャラクタが喜んでいる画像と成功用背景画像G80を含む)が表示画面7aに表示されるとともに、演出図柄8L,8C,8Rが、時短図柄βによるC時短当たりを示す「順目(5,6,7)」で仮停止表示される(図示せず)。そして、演出図柄8L,8C,8R及び小図柄KZ1,KZ2,KZ3が「順目(5,6,7)」で確定的に停止表示される(図示せず)。
【0568】
一方、格別ハズレをC時短当たりと判定しない場合は、
図40(E)と同様、味方キャラクタが敵キャラクタのカウンタを喰らって敗北したことを示す敗北画像(味方キャラクタが悲しんでいる画像と失敗用背景画像G81を含む)が表示画面7aに表示されるとともに、演出図柄8L,8C,8Rが特図ハズレを示唆する「非リーチハズレ目」で仮停止表示される(図示せず)。そして、演出図柄8L,8C,8R及び小図柄KZ1,KZ2,KZ3が「非リーチハズレ目」で確定的に停止表示される(図示せず)。
【0569】
[2-6.特
図2の抽選に基づく小当たり遊技以降の演出展開]
特
図2の抽選の結果が小当たり当選であった場合、バトルリーチにおいて成功演出(勝利演出)が実行され、演出図柄8L,8C,8Rが順目で確定的に停止表示されると、続いて演出制御用マイコン91は、
図41(A)に示すVチャレンジ演出を実行する。Vチャレンジ演出は、小当たり遊技中の演出であり、遊技者にV通過を発生させるチャンスであることを報知する演出である。Vチャレンジ演出には、Vアタッカー(第2大入賞装置36)を狙って右打ちをするべき旨の表示が含まれる。
【0570】
小当たり遊技においてV通過が発生した場合には、演出制御用マイコン91は、
図41(B)に示すV通過報知演出を実行する。V通過報知演出には、「V」の文字をデザインした画像が含まれる。V通過報知演出は、V通過の発生を報知する演出として機能する。また、V通過報知演出は、大当たり遊技が実行されることを示唆する演出として機能する。
【0571】
その後、演出制御用マイコン91は、2種大当たり遊技の開始に伴って、
図41(C)に示すように、大当たり演出を実行する。
【0572】
[本発明に関する変形について]
以上、本実施形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施形態の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。なお、以下で開示する発明は、遊技ホール(店)で用いられる遊技機に利用可能とすることができる。
【0573】
すなわち、上述した本パチンコ遊技機1は、いわゆる、1種2種混合機に基づく実施形態の例で説明をしたが、いわゆる、1種遊技機(デジパチ機)、2種遊技機(ハネモノ機)、同時回し機(特
図1と特
図2の変動表示を同時並行して実行させ得るパチンコ遊技機)、スロットマシンなどのいずれかに本発明を適用させてもよい。
【0574】
また、上述した本パチンコ遊技機1は、遊技球の入賞に基づいて所定数の遊技媒体(遊技球)を景品(賞球)として遊技者に払い出す仕様であったが、いわゆる、封入式遊技機(スマートパチンコ又はスマートスロット)に本発明を適用させてもよい。
【0575】
また、上述した本パチンコ遊技機1は、特別図柄の抽選関連の内部数値(大当たり確率)が段階的な設定値ごとに異なる設定変更を可能とする遊技機(いわゆる、設定付きパチンコ)に本発明を適用させてもよい。なお、いずれの設定値でも時短状態の付与に関する確率が同一となるようにしてもよいし、各設定値に応じて時短状態の付与に関する確率を異なるようにしてもよい。
【0576】
また、上述した本パチンコ遊技機1は、遊技仕様として、いわゆる、確率変動機能を搭載させる場合において、ループタイプ(確変中の終了遊技回数に実質的な上限を設定しない有利遊技状態)、又はSTタイプ(確変中の終了遊技回数に上限を設定する有利遊技状態)、転落抽選タイプ(確変中の所定抽選に当選するまで当該確変状態を継続可能とする有利遊技状態)のいずれかを適用させてもよい。
【0577】
また、上述した本パチンコ遊技機1は、遊技球を遊技盤面に向けて発射した球個数、又はその発射後において遊技盤面外に排出された球個数(いわゆる、アウト球数)と、所定の遊技状態中(通常遊技)において所定の入球口に遊技球が入球することに基づいて付与される賞球個数とを計数し、その計数結果に基づいて遊技者が遊技した実績に関する所定値(遊技ベース)を算出可能とするとともに、その所定値を遊技機用の管理表示装置(いわゆる、性能表示モニタ)において表示できるようにすることで、遊技ベースの確認管理を可能とする遊技仕様を含めるようにしてもよい。
【0578】
また、上述した本パチンコ遊技機1は、所定の遊技状態中(通常遊技)において所定抽選の結果が所定の当選となるまでに発射した球個数に基づくマイナス利益と、その当選後において所定の入球口への遊技球の入球に応じて得られる賞球個数に基づくプラス利益とから算出可能となる差玉個数(いわゆる、MY)が規定個数となる場合には、ゲーム進行の継続を困難又は不能とする遊技仕様(いわゆる、コンプリート機能)を含めるようにして、遊技者に対して射幸心を煽ることへの抑制を図ることを可能にしてもよい。
【0579】
また、本実施形態は、本パチンコ遊技機1は、遊技盤2、遊技機枠50から構成されているが、これに限られず、本パチンコ遊技機1は、本実施形態の開示内容を実行するための遊技プログラムであってもよい。このような場合、遊技プログラムは、パソコンや家庭用ゲーム機、スマートフォン等向けのソフトウェアとして提供されたり、Webブラウザでアクセスして表示・操作するWebアプリケーションとして提供されたりすることにより、パソコンや家庭用ゲーム機、スマートフォン等により実行される。また、本実施形態の開示内容を実行するための遊技プログラムが搭載されたサーバ等であってもよい。
【0580】
<本実施形態に基づいて抽出できる発明>
上述した実施形態の開示から、以下に付記する発明を備える遊技機として捉えることができる。また、以下に付記する発明の各々を組み合わせることもできる。また、発明の範囲は、上述した実施形態の説明ではなくて、当該発明の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0581】
また、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(例えば、「高い、低い、異ならせる」などの表現)において、一方が「0%」の割合であることを含んでもかまわない。すなわち、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%未満」の割合であることを含む。なお、以下の括弧書き記載による補足内容は例示であり、その補足内容に限定されない。
【0582】
[発明A]
発明Aは、遊技の進行に応じて当否に関する判定情報を取得可能な取得手段と、複数種類の判定条件のいずれかに基づいて判定情報の判定を行うことにより第一当選又は第二当選の判定結果を導出可能な判定手段と、判定手段の判定結果に基づいて所定の作動要件を満たした場合に実行できるようにする特別遊技状態を含む複数の遊技状態に関する制御が可能な遊技制御手段と、を備え、前述の複数の遊技状態は、起動時における初期設定(RAMクリア時)の遊技状態(非時短)に関する所定の通常状態と、判定結果が第一当選となる場合に特別遊技状態の終了に基づいて付与可能とされる所定の通常遊技より有利な遊技状態(A時短)に関する第一有利状態と、判定結果が第二当選となる場合に特別遊技状態を介することなく付与可能とされる第一有利状態とは異なる遊技状態(微時短)に関する第二有利状態と、が含まれ、前述の複数種類の判定条件は、所定の通常状態であるときに使用可能とされ、特別遊技状態の終了後に行われる第一有利状態の実行可能期間(A時短の回数)を、第二有利状態における第一当選となるときよりも長く(時短回数を多く)して付与可能とする第一判定条件と、あらかじめ定められた第一有利状態の終了条件を満たす場合(A時短から非時短の状態になる所定状況のとき)に使用可能とされ、第一判定条件であるときよりも第二当選の判定結果とすることを優遇させる第二判定条件と、が含まれることを特徴とする遊技機である。
【0583】
これにより、判定手段の判定結果が第一当選(大当たり又は小当たり)となる場合に、特別遊技状態後に有利遊技を可能にする第一有利状態(A時短)と、該判定手段の判定結果が第二当選となる場合に、特別遊技状態を介することなく有利遊技を可能にする第二有利状態(微時短)を備え、所定の通常状態であるときの当たりに基づく第一有利状態の実行可能期間(例えば、N回のA時短<M回のA時短)に関し、長い実行可能期間(M回のA時短/多い時短回数)となるようにして付与可能(チャンスアップ)とし、かつ、該第一有利状態の終了時になるとき(A時短から非時短の状態になる状況時)に使用可能とされる第二判定条件に基づいて、所定の通常状態時よりも該第二当選(C時短当たり)の判定結果とすることを優遇させ、第二有利状態(微時短)に移行させやすくする(言い換えると、所定の通常状態に戻り難くする)ようにしてゲーム性のバランス調整が可能となる遊技機の提供ができる。
【0584】
本開示によれば、所定の通常状態であるとき、及び、第一有利状態の終了時であるときに遊技する遊技者に対して新たな興趣を向上させることが可能となる。
【0585】
[発明A-1]
発明A-1は、発明Aにおいて、取得手段が取得した1又は複数の判定情報の記憶が可能な記憶手段を備え、上記の第二判定条件は、第一有利状態の終了条件を満たし得る所定の判定結果(A時短におけるN回目又はM回目の当否報知)を導出するときの判定情報、又は、当該判定結果の導出を行う際(A時短におけるN回目又はM回目の当否報知時)に記憶手段に記憶されている判定情報(残保留)の少なくともいずれかであって、その判定情報の判定結果が第一当選(大当たり又は小当たり)とならない場合に第二当選(C時短当たり)を優遇する判定を可能とすることを含むようにする遊技機である。
【0586】
これにより、第一有利状態の終了時であるとき(A時短から非時短の状態になる状況時)に使用可能とされる第二判定条件に基づいて、当該終了時(例えば、最終の特図保留)における判定手段の判定結果が第一当選(大当たり又は小当たり)とならない場合(格別ハズレとなる場合)に、第二当選(C時短当たり)の判定結果とすることを優遇させ、第二有利状態(微時短)に移行させやすくする遊技機の提供ができる。
【0587】
本開示によれば、第一有利状態の終了時であるときに、所定の通常状態へ移行させ難くするとともに、高確度で第二有利状態(微時短)に移行可能とさせることができ、遊技する遊技者に対して新たな興趣を向上させることが可能となる。
【0588】
なお、変形例として、第一有利状態の終了時であるとき(A時短から非時短の状態になる状況時)に使用可能とされる第二判定条件に基づいて、判定手段の判定結果が第一当選(大当たり又は小当たり)又は第二当選(C時短当たり)とならない場合に、特図ハズレとさせ得る判定条件に基づいて所定の通常状態へと移行可能にさせるようにしてもよい。
【0589】
これにより、第一有利状態の終了時であるときに第二有利状態(微時短)への移行ばかりでなく、所定確率(例えば、大当たり又は小当たりの当選確率と略同等の確率)で、所定の通常状態へ移行する場合もあり得るといったゲーム性の提供ができ、起動時における初期設定(RAMクリア時)のときにだけ出現する所定の通常状態といったマイナス印象を遊技者に与えずに、期待感の向上に関する遊技興趣を効果的に高めることができる。
【0590】
[発明A-2]
発明A-2は、発明Aにおいて、第二判定条件は、判定結果が第一当選となる場合に、所定の通常状態で第一当選となる場合よりも、特別遊技状態の終了後に付与可能とされる第一有利状態の実行可能期間を短くする(N回のA時短にする)ことを含むようにする遊技機である。
【0591】
これにより、所定の通常状態中(朝一の非時短)において第一当選(大当たり又は小当たり)となる場合は、特別遊技状態の終了後に付与可能とされる第一有利状態の実行可能期間を長く(M回のA時短、例えば、80回のA時短)し、第一有利状態の終了時であるとき(A時短から非時短の状態になる状況時)において非優遇に係る第一当選となる場合は、特別遊技状態の終了後に付与可能とされる第一有利状態の実行可能期間を短く(N回のA時短、例えば、30回のA時短を付与)することができる遊技機の提供ができる。
【0592】
本開示によれば、所定の通常状態中(朝一の非時短)の当たりとなる場合には、第一有利状態の実行可能期間を長くして付与可能とさせ、第一有利状態の終了時であるとき(A時短から非時短の状態になる状況時)において非優遇に係る第一当選となる場合は、第一有利状態の実行可能期間を短くして付与可能とさせることができることから、特に、所定の通常状態(朝一の非時短)といった平等的な特定時期(遊技店の開店時)を狙って遊技する遊技者に対して新たな興趣を向上させることが可能となる。
【0593】
[発明A-3]
発明A-3は、発明Aにおいて、複数種類の判定条件は、さらに、第二有利状態(微時短の状態)であるときに使用可能とされる第三判定条件を備え、第三判定条件は、判定結果が第一当選となる場合に、第一有利状態の開始から終了条件を満たす前(例えば、N回-1のA時短又はM回-1のA時短)までで第一当選となる場合よりも、特別遊技状態の終了後に付与可能とされる第一有利状態の実行可能期間を短く(N回のA時短、例えば、30回のA時短を付与)することを含むようにする遊技機である。
【0594】
これにより、第二有利状態の終了時であるとき(微時短)において第一当選(大当たり又は小当たり)となる場合は、特別遊技状態の終了後に行われる第一有利状態の実行可能期間を短くして付与可能(N回のA時短、例えば、30回のA時短の付与)とすることができ、当該付与可能とされた第一有利状態(N回-1のA時短、例えば、29回のA時短の短いチャンス期間)中において第一当選となる場合は、特別遊技状態の終了後に行われる第一有利状態の実行可能期間を長くして付与可能(M回のA時短、例えば、80回のA時短に係る長いチャンス期間)とすることができる遊技機の提供ができる。
【0595】
本開示によれば、第二有利状態中(微時短の状態中)であるときの当たりに基づいて第一有利状態の実行可能期間を短く(N回のA時短)になるようにして付与可能(下位のA時短モードの移行)とさせ、その後の第一有利状態(N回-1のA時短)中であるときの当たりに基づいて第一有利状態の実行可能期間を長く(M回のA時短)になるようにして付与可能(上位のA時短モードの移行)とさせることができ、付与可能とする第一有利状態の実行可能期間を段階的に変化させる(下位のA時短モードから上位のA時短モードにさせる)達成感を遊技者に対して提供可能にして興趣を向上させることが可能となる。
【0596】
[発明A-4]
発明A-4は、発明Aにおいて、遊技球の流下が可能な遊技領域を有する遊技盤と、遊技領域に配置され、遊技球の球通過が可能な第一入賞口及び第二入賞口と、遊技球の捕捉が困難な位置と遊技球の捕捉が容易な位置とに変位可能な可動部を用いて捕捉した遊技球を第一入賞口に誘導可能な入球支援手段と、を備え、第一有利状態は、第一有利状態の終了条件を満たすまで入球支援手段の可動部を所定の通常遊技より有利な変位にすることに基づいて第一入賞口に遊技球を誘導可能とし、取得手段は、第一入賞口及び第二入賞口のいずれかへの入球に基づいて判定情報を取得可能とし、第二判定条件は、第一入賞口への入球に応じて取得した判定情報の判定を行う場合に第二当選を優遇する判定を可能とする遊技機である。
【0597】
これにより、所定の通常状態(朝一の非時短/左打ちの状態/第二入賞口への入球)であるときに使用可能とされる第一判定条件であるときよりも、第一有利状態(A時短/右打ちの状態/第一入賞口への入球)の終了時であるとき(A時短から非時短の状態になる状況時)に使用可能とされる第二判定条件に基づいて該第二当選(C時短当たり)の判定結果とすることを所定の通常状態時よりも優遇させ、第二有利状態(微時短)に移行させやすくする遊技機の提供ができる。
【0598】
本開示によれば、第一有利状態の終了時であるときに遊技する遊技者に対して新たな興趣を向上させることが可能となる。
【0599】
[発明A-5]
発明A-5は、発明A-4において、所定の通常状態において入球支援手段の可動部を変位させる通常可動パターンと、第二有利状態において入球支援手段の可動部を通常可動パターンとは異なるよう変位させる専用可動パターンを備え、専用可動パターンは、通常可動パターンに基づく入球支援手段の可動部の変位に応じて捕捉可能とする遊技球の数(例えば、捕捉不能な0個)とおおむね同等(例えば、1個以下、左打ち推奨とさせるべき捕捉個数の設定、捕捉不能な0個でもよい)となるようにする遊技機である。
【0600】
これにより、第一有利状態(A時短/右打ちの状態/第一入賞口への入球)の終了時であるとき(A時短から非時短の状態になる状況時)に使用可能とされる第二判定条件に基づいて所定の通常状態時よりも該第二当選(C時短当たり)の判定結果とさせて第二有利状態(微時短)に移行させた後、専用可動パターンに基づく可動部の変位に応じて遊技球の捕捉を概ね不能とすることができることから、所定の通常状態(朝一の非時短/左打ちの状態/第二入賞口への入球)と同様のゲーム進行性とし得る第二有利状態(左打ちの状態/第二入賞口への入球)とさせる遊技機の提供ができる。
【0601】
本開示によれば、所定の通常状態もどきの第二有利状態(微時短/最下位の時短モード)中の第一当選に基づいて第一有利状態の実行可能期間を短く(N回のA時短の短いチャンス期間)になるよう付与可能とするとさせることができ、段階的に付与可能とする第一有利状態の実行可能期間が長く(時短回数が多く)なるように変化させる(下位のA時短モードから上位のA時短モードにさせる)といった達成感を遊技者に対して提供可能にして興趣を向上させることが可能となる。
【0602】
[発明A-6]
発明A-6は、発明Aにおいて、第二判定条件は、判定結果が第一当選となる場合に、所定の通常状態又は第一有利状態の開始から終了条件を満たす前(N回-1のA時短又はM回-1のA時短)までのいずれかで第一当選となる場合よりも、特別遊技状態の終了後に付与可能とされる第一有利状態の実行可能期間を短くする(N回のA時短)ことを含むようにする遊技機である。
【0603】
これにより、所定の通常状態中(朝一の非時短)又は第一有利状態中(例えば、N回-1のA時短又はM回-1のA時短)において第一当選(大当たり又は小当たり)となる場合は、特別遊技状態の終了後に付与可能とされる第一有利状態の実行可能期間を長く(M回のA時短、例えば、80回のA時短)し、第一有利状態の終了時であるとき(A時短から非時短の状態になる状況時)において非優遇に係る第一当選となる場合は、特別遊技状態の終了後に付与可能とされる第一有利状態の実行可能期間を短く(N回のA時短、例えば、30回のA時短を付与)することができる遊技機の提供ができる。
【0604】
本開示によれば、所定の通常状態中(朝一の非時短)又は第一有利状態中において第一有利状態の実行可能期間を長くして付与可能とさせ、第一有利状態の終了時であるとき(A時短から非時短の状態になる状況時)において非優遇に係る第一当選となる場合は、第一有利状態の実行可能期間を短くして付与可能とさせることができることから、特に、所定の通常状態(朝一の非時短)といった平等的な特定時期を狙って遊技する遊技者に対して新たな興趣を向上させることが可能となる。
【0605】
[発明A-7]
発明A-7は、発明Aにおいて、複数種類の判定条件は、さらに、第二有利状態(微時短の状態)であるときに使用可能とされる第三判定条件を備え、第三判定条件は、判定結果が第一当選となる場合に、所定の通常状態又は第一有利状態の開始から終了条件を満たす前(例えば、N回-1のA時短又はM回-1のA時短)までのいずれかで第一当選となる場合よりも、特別遊技状態の終了後に付与可能とされる第一有利状態の実行可能期間を短く(N回のA時短、例えば、30回のA時短を付与)することを含むようにする遊技機である。
【0606】
これにより、第二有利状態の終了時であるとき(微時短)において第一当選(大当たり又は小当たり)となる場合は、特別遊技状態の終了後に行われる第一有利状態の実行可能期間を短くして付与可能(N回のA時短、例えば、30回のA時短の付与)とすることができ、当該付与可能とされた第一有利状態(N回-1のA時短、例えば、29回のA時短の短いチャンス期間)中において第一当選となる場合は、特別遊技状態の終了後に行われる第一有利状態の実行可能期間を長くして付与可能(M回のA時短、例えば、80回のA時短に係る長いチャンス期間)とすることができる遊技機の提供ができる。
【0607】
本開示によれば、第二有利状態中(微時短の状態中)の当たりに基づいて第一有利状態の実行可能期間を短く(N回のA時短)になるようにして付与可能(下位のA時短モードの移行)とさせ、その後の第一有利状態(N回-1のA時短)中の当たりに基づいて第一有利状態の実行可能期間を長く(M回のA時短)になるようにして付与可能(上位のA時短モードの移行)とさせることができ、付与可能とする第一有利状態の実行可能期間を段階的に変化させる(下位のA時短モードから上位のA時短モードにさせる)達成感を遊技者に対して提供可能にして興趣を向上させることが可能となる。
【0608】
なお、第二当選(C時短当たり)に基づいて移行可能となる第二有利状態に係る時短状態は、ゲーム性に応じて適宜に有利度合に係る時短性能の設定(例えば、電チュー開放時間延長機能の作動がされる有無設定)が可能なものであってもよい。
【0609】
また、第二有利状態の終了条件(例えば、微時短800回)は、第3時短状態(いわゆる、B時短、遊タイム)の移行開始となるまでの終了条件となるようにしてもよい。さらに、第二有利状態の終了条件が満たされることに基づいて移行される第3時短状態は、第一有利状態(A時短、第1時短状態)と概ね同等の有利度合の時短性能からなる時短状態(微時短の状態よりもチャンスアップ可能な状態)にするものであってもよいし、第二有利状態と同等の有利度合の時短性能からなる時短状態にする(実質的に、微時短の状態のループにする)ものであってもよい。
【0610】
[発明B-1]
発明B-1は、遊技の進行に応じて当否に関する判定情報(特図関係乱数)を取得可能な取得手段と、複数種類の判定条件(遊技状態に応じて異ならせる当否判定テーブル)のいずれかに基づいて判定情報の判定を行うことにより第一当選又は第二当選の判定結果を導出可能な判定手段と、該判定手段の判定結果に基づいて所定の作動要件(当り図柄の停止表示又は当り図柄の停止表示後のV入賞)を満たした場合に実行できるようにする特別遊技状態(大当たり遊技)を含む複数の遊技状態に関する制御が可能な遊技制御手段と、を備え、該遊技制御手段は、起動時における初期設定に係る遊技状態に基づく所定の通常状態(非時短)と、該判定手段の判定結果が第一当選(大当たり又は小当たり)となる場合に、特別遊技状態の終了に基づいて所定の通常遊技よりも有利な遊技をできるようにする第一有利状態(第1時短状態)と、該判定手段の判定結果が第二当選(C時短当たり)となる場合に、特別遊技状態を介することなく所定の通常遊技よりも有利な遊技をできるようにする第二有利状態(第2時短状態)と、に関する制御が可能であり、前述の複数種類の判定条件は、第二有利状態であるときに使用可能とされる第一の判定条件と、所定の通常状態であるときに使用可能とされ、該第一の判定条件のときよりも第二当選の判定結果(獲得)とすることを優遇させる第二の判定条件を含むことを特徴とする遊技機である。
【0611】
これにより、判定手段の判定結果が第二当選(C時短当たり)となる場合に、特別遊技状態(大当たり遊技)を介することなく有利な遊技(突然時短)をできるようにする第二有利状態(C時短当たりに対応付けられる第2時短状態)を備え、該第二有利状態であるときに使用可能とされる第一の判定条件(第2時短状態に応じた当否判定テーブル、規定の判定条件)と、初期設定に基づく遊技状態となる所定の通常状態(遊技機の起動時に行うRAMクリアに基づいて設定される非時短状態)であるときに使用可能とされ、該第一の判定条件よりも第二当選の獲得を優遇させる第二の判定条件(非時短状態に応じた当否判定テーブル、通例の判定条件)を含む複数種類の判定条件を備える、遊技機が提供される。
【0612】
本開示によれば、所定の通常状態(例えば、遊技機の起動時に係る遊技店における営業開始時)であるときに遊技する遊技者に対して第二当選(C時短当たり)の判定を優遇して獲得させることが可能になり、期待感の向上に関する遊技興趣を効果的に高めることができる。
【0613】
なお、上記した「所定の通常状態」は、遊技機に電源を投入する朝一の時期(遊技機の起動時に係る遊技店の営業開始時)を含む非時短状態(第二当選の判定が優遇される低確率遊技状態)であると、遊技店における朝一の遊技機の稼働率向上が図れるので好適である。
【0614】
しかし、1日の遊技機の稼働においてメインで滞在させる一般の通常状態(非時短状態)に対して何らかの差別化の図れる所定の通常状態(非時短状態)であってもよい。例えば、非時短の状態中におけるハマリ回数が一定数に到達してからの所定時期の通常状態や、有利遊技状態の終了(時短OFF)時に残っているすべての保留記憶を消化するまでの通常状態、などの非時短(あらかじめ定められた低確率遊技)に係る状態であってもよい。
【0615】
また、上記した「第二当選の判定結果とすることを優遇させる第二の判定条件」は、上記した第一の判定条件よりも第二当選(C時短当たり)を少しでも引き当てやすくする待遇を備える判定条件であればよい。よって、上記した第一の判定条件においては第二当選の引き当てを不能とし、上記した第二の判定条件においては第二当選を引き当てられるという場合でも、上記した「優遇」に係る意味に含まれる。また、上記した第二の判定条件においては、優先的(早期)に第二当選が引き当てられやすくなるという場合も含まれる。
【0616】
また、上記した「第二の判定条件」は、前述の一般のメインで滞在させる通常状態(非時短状態)であるときに使用可能とされる一般の判定条件のときよりも第二当選(C時短当たり)を少しでも引き当てやすくする待遇を備える判定条件であってもよい。
【0617】
ここで、当該一般の判定条件では第二当選を引き当て不能とし、上記した第二の判定条件では第二当選を引き当てられるという場合を含んでもよい。また、当該一般の判定条件であっても第二当選を引き当てられるが、上記した第二の判定条件のときよりも第二当選を引き当てる確率が低い場合を含んでもよい。
【0618】
また、第二当選(C時短当たり)に基づいて移行可能となる「第二有利状態」は、第一有利状態(A時短、第1時短状態)と同等の有利度合の性能からなる時短状態であってもよいし、第一有利状態よりも有利度合の性能が劣る時短状態(例えば、電チュー開放時間延長機能の作動がされない微時短)であってもよい。すなわち、第二有利状態に係る時短状態は、ゲーム性に応じて適宜に有利度合に係る性能設定(例えば、電チュー開放時間延長機能の作動がされる有無設定)が可能なものであってもよい。また、この「第二有利状態」の終了条件は、第3時短状態(いわゆる、B時短、遊タイム)の移行開始となるまでとしてもよい。
【0619】
[発明B-2]
発明B-2は、遊技の進行に応じて当否に関する判定情報を取得可能な取得手段と、複数種類の判定条件のいずれかに基づいて判定情報の判定を行うことにより第一当選又は第二当選の判定結果を導出可能な判定手段と、第一当選に基づく特別遊技状態及び第一有利状態、並びに所定の通常状態中の第二当選に基づく第二有利状態を含む複数の遊技状態に関する制御が可能な遊技制御手段と、第一有利状態を終了可能にさせる第一終了条件(時短N回)と、第一終了条件よりも第一有利状態を終了可能にしやすくさせる第二終了条件(時短N回より少ない時短M回)とを備え、前述の複数種類の判定条件は、第二有利状態であるときに使用可能とされる第一の判定条件と、所定の通常状態であるときに使用可能とされ、該第一の判定条件のときよりも第二当選の獲得を優遇させる第二の判定条件を含み、該第一の判定条件は、第二終了条件が対応付けられる第一有利状態を実行可能な第一当選とするよりも、第一終了条件が対応付けられる第一有利状態を実行可能な第一当選にしやすくすることを特徴とする遊技機である。
【0620】
これにより、第二当選に基づく第二有利状態(C時短当たりに対応付けられる第2時短状態)であるときに使用可能とされる第一の判定条件は、第二終了条件(例えば、A時短30回)が対応付けられる第一有利状態(第1時短状態)を実行可能な第一当選とするよりも、第一終了条件(例えば、A時短80回)が対応付けられる第一有利状態(第1時短状態)を実行可能な第一当選にしやすくするできるため、遊技者にとって不利な第一当選(A時短の回数の少ない第1時短状態)の獲得回避が容易になるので、第一終了条件が対応付けられ第一有利状態中において、特別遊技状態の獲得に対する期待感の向上に関する遊技興趣を効果的に高めることができる。
【0621】
なお、第二終了条件について、特別図柄の変動表示の実行に基づいて行われるハズレ判定(特別図柄の停止表示)の報知回数(特図の抽選回数)が合計M回となるときに第一有利状態を終わらせる条件を含む他の終了条件を備える構成となるようにしてもよい。
【0622】
例えば、前述の合計M回(第二終了条件)の第一有利状態中において小当たり(第一当選)の判定結果(小当たり図柄の停止表示)が得られたタイミングで第一有利状態を終わらせる(時短OFFにして非時短状態に移行)させる追加の終了条件を含むようにさせるとともに、前述の合計N回(第一終了条件)の第一有利状態中においては当該追加の終了条件を含ませないよう(小当たり遊技中(V入賞時)も時短状態が継続可能)にしてもよい。
【0623】
これにより、第二終了条件又は第一終了条件であるか否かに応じて、小当たり当選後の小当たり遊技中におけるV入賞時の遊技状態が非時短状態になる場合と、そのV入賞時の遊技状態が時短状態になる場合の2パターンの選別状況を作れるようになり、例えば、小当たり遊技中のV入賞時が時短状態(第一有利状態又は第二有利状態)になる場合には、第一終了条件が対応付けられる第一有利状態を実行可能にし易くすることができるようになり、第二有利状態中における第一の判定条件に基づいて第一当選を獲得したときの期待感の向上に関する遊技興趣を効果的に高めることができる。
【0624】
[発明B-3]
発明B-3は、遊技球の流下が可能な遊技領域を有する遊技盤と、該遊技領域に配置され、遊技球の球通過が可能な第一入賞口及び第二入賞口と、遊技球の捕捉が困難な位置(閉鎖)と遊技球の捕捉が容易な位置(開放)とに変位可能な可動部を用いて捕捉した遊技球を第一入賞口に誘導可能な入球支援手段(電チュー)と、当否に関する判定情報を取得可能な取得手段と、複数種類の判定条件のいずれかに基づいて判定情報の判定を行うことにより第一当選又は第二当選の判定結果を導出可能な判定手段と、第一当選に基づく特別遊技状態及び第一有利状態、並びに所定の通常状態中の第二当選に基づく第二有利状態を含む複数の遊技状態に関する制御が可能な遊技制御手段と、を備え、前述の複数種類の判定条件は、第二有利状態であるときに使用可能とされる第一の判定条件と、所定の通常状態であるときに使用可能とされ、該第一の判定条件のときよりも第二当選の獲得を優遇させる第二の判定条件を含み、前述の取得手段は、第一入賞口(第1始動口20)及び第二入賞口(第2始動口21)のいずれかへの入球に基づいて判定情報(特図関係乱数)を取得可能とし、第二の判定条件は、第一入賞口への入球に応じて判定情報(特図ハズレ)を取得した場合に第二当選(C時短当たり)の判定を可能とするものであることを特徴とする遊技機である。
【0625】
これにより、第二の判定条件が使用される所定の通常状態(非時短状態)中において、第一入賞口に対して遊技球を入球させるか、又は、第二入賞口に対して遊技球を入球させるかの選択的な遊技に係る実行を可能にさせ、第一入賞口に対して遊技球を入球させ得た場合に第二当選(C時短当たり)の判定を優遇して獲得させることが可能になり、例えば、遊技店の特例日(例えば、新装開店)における朝一で遊技を行う遊技者を対象にして期待感の向上に関する遊技興趣を効果的に高めることができる。
【0626】
[発明B-4]
発明B-4は、遊技球の流下が可能な遊技領域を有する遊技盤と、該遊技領域に配置され、遊技球の球通過が可能な第一入賞口及び第二入賞口と、遊技球の捕捉が困難な位置(閉鎖)と遊技球の捕捉が容易な位置(開放)とに変位可能な可動部を用いて捕捉した遊技球を第一入賞口に誘導可能な入球支援手段(電チュー)と、当否に関する判定情報を取得可能な取得手段と、複数種類の判定条件のいずれかに基づいて判定情報の判定を行うことにより第一当選又は第二当選の判定結果を導出可能な判定手段と、第一当選に基づく特別遊技状態及び第一有利状態、並びに所定の通常状態中の第二当選に基づく第二有利状態を含む複数の遊技状態に関する制御が可能な遊技制御手段と、所定の通常状態において入球支援手段の可動部を変位させる通常可動パターン(ショート1回開放の電チュー開放パターン)と、第二有利状態において入球支援手段の可動部を通常可動パターンとは異なるよう変位させる専用可動パターン(ショート2回開放の電チュー開放パターン)を備え、前述の複数種類の判定条件は、第二有利状態であるときに使用可能とされる第一の判定条件と、所定の通常状態であるときに使用可能とされ、該第一の判定条件のときよりも第二当選の獲得を優遇させる第二の判定条件を含み、前述の取得手段は、第一入賞口(第1始動口20)及び第二入賞口(第2始動口21)のいずれかへの入球に基づいて判定情報(特図関係乱数)を取得可能とし、第二の判定条件は、第一入賞口への入球に応じて判定情報(格別ハズレ)を取得した場合に第二当選(C時短当たり)の判定を可能とするものであり、前述の専用可動パターンは、通常可動パターンに基づく入球支援手段の可動部の変位に応じて捕捉可能とする遊技球の数(例えば、捕捉不能な0個)とおおむね同等とする入球支援手段の可動部の変位にさせることを特徴とする遊技機である。
【0627】
これにより、第二の判定条件が使用される所定の通常状態(非時短状態)中において、電チュー22の開放パターンを通常可動パターン(ショート1回開放の電チュー開放パターン)にさせて入賞非容易状態にすることが可能となり、電チュー22によって遊技球を捕捉させることの困難性が高くなっている第一入賞口に対して遊技球を入球させ得た場合に、第二当選(C時短当たり)の判定を優遇して獲得させることが可能になる。ここから、例えば、遊技店における朝一で店員のサポートを受けた遊技者を対象にして期待感の向上に関する遊技興趣を効果的に高めることができる。
【0628】
[発明C]
発明Cは、遊技の進行(始動口の入球)に応じて当否に関する判定情報(特図関係乱数)の取得が可能な取得手段と、取得手段が取得した1又は複数の判定情報の記憶が可能な記憶手段と、始動条件(特図変動の開始の可能化)が成立するごとに記憶手段が記憶した個々の判定情報の本判定(特図抽選の判定)が可能な判定手段と、始動条件の成立に基づいて表示部(表示装置の表示画面)に表示される図柄を変動表示し、該図柄の変動表示の終了(停止表示)に応じて判定手段による本判定の結果を報知可能な報知手段と、記憶手段による個々の記憶に基づく所定の判定情報(特図入賞コマンド)を始動条件の成立前に事前判定する先読みが可能な事前判定手段と、事前判定の対象となった判定情報の本判定が実施される以前から先読み演出に関する示唆報知の実行制御が可能な演出制御手段(サブ制御基板)と、を備え、前述の先読み演出は、事前判定の対象となった判定情報の本判定が実施される場合に開始可能となる図柄の変動表示がされる前の第一タイミングで先読み演出に関する示唆報知を変容させる第一先読み演出と、該開始可能となる図柄の変動表示を行う際の第二タイミングで先読み演出に関する示唆報知を変容させる第二先読み演出とを含む遊技機である。
【0629】
これにより、事前判定(先読み)の対象となった判定情報に係る本判定が実施される前(事前判定する先読みが行われたとき又はその後の所定契機)に実行可能とする所定の先読み演出(本判定の実施前に行う当たりとなる可能性の示唆演出)について、第一タイミング(例えば、事前判定の先読み対象外となった変動中の図柄の終了時)で該先読み演出に関する示唆報知(保留アイコンや音楽など)を変容させる第一先読み演出の実行とするか、第二タイミング(例えば、事前判定の先読み対象となった図柄の変動表示の開始時)で該先読み演出に関する示唆報知(保留アイコンや音楽など)を変容させる第二先読み演出(例えば、色保留変化)の実行とするかの振り分けを可能にできる。
【0630】
なお、上記した第一タイミングは、事前判定の先読み対象となった判定情報に係る本判定が実施される前(いわゆる、当該変動の待機中、当該変動が表示開始となる前)に実行されている先読み対象外に係る変動表示中の図柄の終了(停止表示)前であればよく、本判定が実施されると直前で変動表示していた図柄の変動表示の終了時(当否報知の確定時を含む)でなくてもよい。
【0631】
また、上記した第二タイミングは、第一タイミングに係る図柄の変動表示の終了時から、先読み対象に係る図柄の変動表示の開始時、又は、当該変動表示の実行中に係る序盤となるまでの期間(少なくとも、当否報知(停止図柄)を遊技者に認知させるための確定表示時間)のタイムラグがあるように設けられればよい。
【0632】
したがって、先読み対象に係る図柄の変動表示の開始前から事前判定の先読み結果に基づいて実行制御される先読み演出について、該先読み演出に関する示唆報知の変容(姿形、状態、内容、外観や様子が変わること、または変えること)とされるタイミングが互いに異なる第一先読み演出、及び、第二先読み演出のバリエーションを備えることができ、これにより遊技者に違和感を付与する斬新な演出報知の提供が可能となることから、遊技者の期待感の向上に関する遊技興趣を効果的に高めることができる。
【0633】
[発明C-1]
発明C-1は、発明Cにおいて、先読み演出は、第一先読み演出の第一タイミングで該先読み演出に関する示唆報知の変容を可能とする場合と比較して、第二先読み演出の第二タイミングで該先読み演出に関する示唆報知の変容を可能とする場合の方を、事前判定手段による事前判定の先読みから、本判定が当たりとなる信頼度の向上をさせるようにする遊技機である。
【0634】
ここから、例えば、図柄の変動表示が開始となる際の第二タイミングで行うときの第二先読み演出に係る示唆報知を変容させてなる態様(虹色保留変化)は、変動表示中の図柄が停止表示となる際の第一タイミングで行うときの第一先読み演出に係る示唆報知を変容させてなる態様(赤色保留変化)よりも期待度が高いものとする設計仕様にすることが可能となり、この場合には第一タイミングに基づく第一先読み演出が実行されなかったときにおける第二先読み演出の実行に対する興趣を向上させることが可能となる。
【0635】
[発明C-2]
発明C-2は、発明Cにおいて、演出制御手段は、遊技者の入力操作が可能な操作手段に対する操作誘導用の画像表示を表示部に表示可能とし、第一先読み演出は、操作誘導用の画像表示がされても遊技者が操作手段の入力操作をせずに第一タイミングとなる場合に先読み演出に関する示唆報知の変容となる実行制御が可能とされ、第二先読み演出は、第一タイミングを越えて第二タイミングとなる場合に該先読み演出に関する示唆報知の変容となる実行制御が可能とされる遊技機である。
【0636】
これにより、操作誘導用の画像表示(ボタン保留9B)がされても遊技者が操作手段(演出ボタン63)の入力操作をしなかった場合には、第一タイミングで読み演出に関する示唆報知の変容を行う第一先読み演出が実行されるか、又は、第二タイミングで該読み演出に関する示唆報知の変容を行う第二先読み演出が実行されるか、のバリエーション予想に関する興趣を向上させることが可能となる。
【0637】
[発明C-3]
発明C-3は、発明Cにおいて、さらに、記憶手段に記憶されている判定情報の数(保留記憶数)に応じた示唆を可能とする1又は複数の保留表示(保留アイコン)を表示部(表示装置の表示画面)に表示可能とする保留表示手段を備え、演出制御手段は、保留表示を先読み演出に関する示唆報知に準ずる第一変化保留表示(ボタン保留)の態様にする先読み演出の実行制御を可能とし、第一先読み演出は、第一タイミングとなるとき、先読み演出に関する示唆報知の変容として第一変化保留表示とは異なる第二変化保留表示(色変化した他の保留アイコン)にする演出態様であり、第二先読み演出は、第二タイミングとなるとき、該先読み演出に関する示唆報知の変容として第二変化保留表示(色変化した他の保留アイコン)にする演出態様である遊技機である。
【0638】
これにより、事前判定(先読み)の対象となった判定情報に係る本判定が実施される前に実行可能とする先読み演出に係る変化保留表示(例えば、ボタン保留)について、変動表示中の図柄が停止表示となる際の第一タイミングで該変化保留表示を他の変化保留表示(通常とは異なる保留表示、先読み対象に係る図柄の変動表示中に表示可能な当該保留アイコンを含む)に変化させる第一先読み演出の実行とするか、図柄の変動表示が開始となる際の第二タイミングで該保留表示を他の変化保留表示(通常とは異なる保留表示)に変化させる第二先読み演出の実行とするかの振り分けを可能にするバリエーションを備えることができ、これにより遊技者に違和感を付与する斬新な演出報知の提供が可能となることから、遊技者の期待感の向上に関する遊技興趣を効果的に高めることができる。
【0639】
なお、第一タイミング(第一先読み演出)となるときに変容される第二変化保留表示と、
第二タイミング(第二先読み演出)となるときに変容される第二変化保留表示とは、互いに同じ表示態様(例えば、双方とも赤色の保留表示)であってもよいし、互いに異なる表示態様(例えば、赤色の保留表示と虹色の保留表示)であってもよい。但し、互いに同じ表示態様(例えば、双方とも赤色の保留表示)となる場合は、第二タイミング(第二先読み演出)となるときに変容される第二変化保留表示の方が、SPリーチなどの期待度の高い演出へと発展し易くさせるようにすると期待感の向上の観点から好適である。
【0640】
[発明C-4]
発明C-4は、発明Cにおいて、演出制御手段は、第二変化保留表示の表示色を、事前判定手段による事前判定の先読みから、本判定が当たりとなる信頼度に応じた表示色となるよう表示部に表示可能とし、先読み演出は、第一先読み演出の第一タイミングで表示される第二変化保留表示の表示色と比較して、第二先読み演出の第二タイミングで表示される第二変化保留表示の表示色の方を、信頼度の高い表示色となりやすくする演出態様である遊技機である。
【0641】
ここから、例えば、図柄の変動表示が開始となる際の第二タイミング(第二先読み演出)で変化させる第二変化保留表示(虹色保留/一番高い信頼度示唆色)は、変動表示中の図柄が停止表示となる際の第一タイミング(第一先読み演出)で変化させる第二変化保留表示(赤色保留/二番目に高い信頼度示唆色)よりも信頼度が高くなる表示色とする設計仕様にすることが可能となり、この場合には第一タイミング(第一先読み演出)に係る再度の変化保留表示が実行されなかったときにおける第二タイミング(第二先読み演出)に係る再度の変化保留表示の実行に対する興趣を向上させることが可能となる。
【0642】
[発明C-5]
発明C-5は、発明Cにおいて、さらに、図柄の変動表示の開始に基づく所定契機から当該変動表示の終了時に亘って音楽を出力可能とする音声制御手段を備え、音声制御手段は、第一タイミングから音楽の消音へと徐々に移行させる音終了演出(フェードアウト)の制御が可能であり、第二先読み演出は、前述の音終了演出とはさせずに、第二タイミングとなるときに読み演出に関する示唆報知の変容として前触れなく音楽の出力停止とさせる演出態様である遊技機である。
【0643】
これにより、事前判定(先読み)の対象となった判定情報に係る本判定が実施される前からの実行を可能とする先読み演出に関する示唆報知(音楽)について、変動表示中の図柄が停止表示となる際の第一タイミングから、図柄の変動表示が開始となる際の第二タイミングに亘ってフェードアウト(音楽の段階的な消音)されることなく、図柄の変動表示が開始となる際の第二タイミングで前触れなくカットアウト(音楽の強制的な消音)にさせるさせる第二先読み演出の実行制御をさせることができるようになる。
【0644】
したがって、本判定の実施前(当該変動前)において、事前判定の結果に基づいて実行している先読み演出の示唆報知に係る音楽の終了をさせるタイミングを異ならせる変化を行うことができ、ここから遊技者に違和感を付与する斬新な演出の提供が可能となることいから、遊技者の期待感の向上に関する遊技興趣を効果的に高めることができる。
【0645】
さらに、図柄の変動表示が開始となる際の第二タイミング(第二先読み演出)で変化させる第二先読み演出に係る音楽態様(強制的な消音/カットアウト)について、変動表示中の図柄が停止表示となる際の第一タイミングから発動される音終了演出に基づく音楽態様(段階的な消音/フェードアウト)よりも期待度が高い音響とする設計仕様にすることも可能となり、該第一タイミングで音終了演出を発動させない第二先読み演出に対する興趣を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0646】
1…パチンコ遊技機
7…画像表示装置
7a…表示画面
9A…保留アイコン
9B…ボタン保留
9C…赤色丸保留
21…第2始動口
22…普通可変入賞装置(電チュー)
23…可動部材
30…第1大入賞口
35…第2大入賞口
39…特定領域
63…演出ボタン
81…遊技制御用マイコン
91…演出制御用マイコン
100…画像制御基板