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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087134
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/30 20060101AFI20240624BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
A63F9/30 501Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201756
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関根 正浩
(72)【発明者】
【氏名】西野 雄人
(57)【要約】
【課題】複数のステーションを備えつつ、各ステーションのプレイエリアの狭小化を抑えることができるゲーム装置を提供する。
【解決手段】本開示の一態様に係るゲーム装置は、ゲームのプレイによって移動させられる遊技物品Pが配置されるプレイエリアと、前記遊技物品Pの移動の前記ゲームにおける目的地である目的エリアと、を含む2つのステーションを備え、前記2つのステーションは、並設されており、前記2つのステーションのそれぞれの前記目的エリアは、前記2つのステーションの平面視において、前記2つのステーションの並び方向である第1の方向C1と直交する第2の方向C2に並ぶ。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームのプレイによって移動させられる遊技物品が配置されるプレイエリアと、前記遊技物品の移動の前記ゲームにおける目的地である目的エリアと、を含む2つのステーションを備え、
前記2つのステーションは、並設されており、
前記2つのステーションのそれぞれの前記目的エリアは、
前記2つのステーションの平面視において、前記2つのステーションの並び方向である第1の方向と直交する第2の方向に並ぶ、
ゲーム装置。
【請求項2】
前記2つのステーションのそれぞれの前記目的エリアは、
前記2つのステーションの平面視において、前記2つのステーションのそれぞれの前記プレイエリアから前記第1の方向に突出する
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記2つのステーションのそれぞれは、前記目的エリアに移動した前記遊技物品が取り出される取出部を備える
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記2つのステーションのそれぞれの前記取出部は、
前記2つのステーションの高さ方向において前記プレイエリアの下方に位置する
請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記2つのステーションのそれぞれの前記目的エリアは開口部を含み、
前記2つのステーションは、それぞれ、
前記開口部から前記取出部に向かって傾斜する傾斜面を含むスロープ部を備える
請求項4に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記2つのステーションのそれぞれの境界部に、前記2つのステーション間の前記遊技物品の移動を阻止する仕切部を備える
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記2つのステーションのそれぞれの境界部において、それぞれの前記目的エリアの境界部分が、前記2つのステーションの平面視において前記第1の方向に対して傾斜する
請求項1に記載のゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンター等のアミューズメント施設、及び、ショッピングモールのゲームコーナー等に、景品を獲得することを目的としたプライズゲームをプレイヤーに行わせるゲーム装置が設置されている。また、この種のゲーム装置において、プライズゲームが行われる2つのステーションを備えることにより、2人のプレイヤーがそれぞれのステーションで同時にプライズゲームをプレイ可能とすることが知られている(例えば、特許文献1から特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-340142号公報
【特許文献2】意匠登録第1588379号公報
【特許文献3】特許第3869586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ゲーム装置が複数のステーションを備える場合、より大きな設置面積が必要となる場合がある。そこで、各ステーションを小型化することで設置面積の縮小を図った場合、各ステーションにおけるプレイエリアの狭小化を招く、という課題がある。
【0005】
本開示は、複数のステーションを備えつつ、各ステーションのプレイエリアの狭小化を抑えることができるゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つの態様に係るゲーム装置は、ゲームのプレイによって移動させられる遊技物品が配置されるプレイエリアと、前記遊技物品の移動の前記ゲームにおける目的地である目的エリアと、を含む2つのステーションを備え、前記2つのステーションは、並設されており、前記2つのステーションのそれぞれの前記目的エリアは、前記2つのステーションの平面視において、前記2つのステーションの並び方向である第1の方向と直交する第2の方向に並ぶ。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係るクレーンゲーム装置の全体構成の一例を示す斜視図である。
図2】クレーンゲーム装置の全体構成の一例を示す正面図である。
図3】第1のステーション、及び第2のステーションの平面視におけるエリア構成を模式的に示す図である。
図4】第2実施形態に係るクレーンゲーム装置が備える空間部の平面視における構成を模式的に示す図である。
図5】第1のプレイエリア、及び第2のプレイエリアにおいて遊技物品が直線移動可能な範囲を示す図である。
図6】第1変形例に係る空間部の平面視における構成を模式的に示す図である。
図7】第2変形例に係る空間部の平面視における構成を模式的に示す図である。
図8】第3変形例に係る空間部の平面視における構成を模式的に示す図である。
図9】第4変形例に係る空間部の平面視における構成を模式的に示す図である。
図10】第5変形例に係る空間部の平面視における構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本開示に係る好適な形態を説明する。なお、図面において、各部の寸法および縮尺が実際と適宜に異なる場合があり、理解を容易にするために模式的に示している部分を含む場合がある。また、以下の説明において、本開示を限定する旨の特段の記載がない限り、本開示の範囲は以下の説明に記載された形態に限られない。本開示の範囲は当該形態の均等の範囲を含む。
【0009】
1.第1実施形態
[クレーンゲーム装置1の全体構成]
図1は、本実施形態に係るクレーンゲーム装置1の全体構成の一例を示す斜視図である。
クレーンゲーム装置1は、ゲーム装置の一例であり、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用、又は業務用のゲーム装置である。この種のゲーム装置は「アーケードゲーム機」とも呼ばれる。クレーンゲーム装置1は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として施設に設置される。
【0010】
また、本実施形態のクレーンゲーム装置1は、景品の獲得を目的にプレイされるプライズゲームを提供するゲーム装置の一例でもある。プライズゲームは「景品獲得ゲーム」とも呼ばれる。プライズゲームは、ゲームに係るユーザの行為に応じて動作する各種の動作手段を介して遊技物品Pがゲームにおける目的地まで移動した場合に、景品をそのユーザに付与するタイプのゲームである。遊技物品Pには、景品それ自体、又は、景品とは別の物品であって、当該景品の獲得権を生じさせる物品が用いられる。なお、本開示において、図3を参照して後に説明する第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2が「ゲームにおける目的地」に用いられる。
【0011】
本実施形態のクレーンゲーム装置1は、図1に示すように、1つの筐体2を備え、この筐体2に、ユーザによってゲームがプレイされる第1のステーションS1、及び第2のステーションS2が並設されている。この構成により、1台のクレーンゲーム装置1において、2人のユーザが同時にゲームをプレイ可能となる。
【0012】
以下の説明において、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2の並びの方向を「第1の方向C1」と称し、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2の平面視において、第1の方向C1に直交する方向を「第2の方向C2」と称する。また、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2の正面視において上下の方向を「高さ方向C3」と称する。特段の断りが無い限り、「上方」、及び「下方」は、それぞれ、高さ方向C3における上方、及び下方を指す。
また、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2の並び方向は、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2の平面視において、例えば、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2同士を結ぶ方向によって特定される。高さ方向C3は、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2の平面に垂直な方向に対応する。なお、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2については、後に、図3を参照して説明する。
【0013】
本実施形態の筐体2は、直方体形状を成しており、基台10と空間部20とを備え、基台10の高さ方向C3における上方に空間部20が設けられる。
基台10は、クレーンゲーム装置1の全体を制御するコンピュータ12、及び、第1の景品取出経路部70-1、及び第2の景品取出経路部70-2などを収容する箱体である。第1の景品取出経路部70-1、及び第2の景品取出経路部70-2については、図2を参照して後述する。
【0014】
コンピュータ12は、処理装置と、処理装置が読み取り可能な記録媒体である記憶装置と、を含み、記憶装置に記憶されているプログラムを処理装置が実行することにより、各種の制御を実現する装置である。処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの少なくとも1つのプロセッサーを含む。処理装置の機能の一部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の回路によって構成されてもよい。記憶装置は、例えば、不揮発性メモリーと揮発性メモリーとを含む。不揮発性メモリーは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
【0015】
なお、コンピュータ12は、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2ごとに設けられてもよいし、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2が1台のコンピュータ12を共有してもよい。図1には、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2が1台のコンピュータ12を共有する構成が示されている。
【0016】
空間部20は、遊技物品Pを収容する閉鎖空間20Sを含み、この閉鎖空間20Sの中において上記動作手段による遊技物品Pの移動が行われる。本実施形態の空間部20は、底面板20Aと、正面板20B、左側面板20C、右側面板20D、及び背面板20Eと、天板20Fと、を備え、これらによって上記閉鎖空間20Sが区画される。正面板20B、左側面板20C、及び右側面板20Dには、透明のガラス製、又は樹脂製の板状部材が用いられており、閉鎖空間20Sの内部が視認可能になっている。背面板20E、及び天板20Fは、透明、半透明、及び不透明のいずれでもよい。
【0017】
本実施形態の閉鎖空間20Sの中には、陳列台21、及び仕切部25が設けられる。
陳列台21は、遊技物品Pなどの適宜の物品の陳列、又は展示に用いられる台である。本実施形態では、閉鎖空間20Sのうちの背面板20Eに近い範囲が上記動作手段による遊技物品Pの移動に供されない範囲となっており、この範囲が後述の陳列台エリアAKに用いられ、この陳列台エリアAKに陳列台21が配置される。
仕切部25は、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2の間での遊技物品Pの移動を阻止するものである。仕切部25の詳細については後述する。
【0018】
なお、本実施形態において、閉鎖空間20Sを区画する天板20Fが筐体2の天面を形成する。しかしながら、クレーンゲーム装置1は、筐体2の天面となる部材を天板20Fと別に備えてもよい。また、閉鎖空間20Sを区画する底面板20Aが基台10の天面を形成する。しかしながら、クレーンゲーム装置1は、基台10の天面となる部材を底面板20Aと別に備えてもよい。
また、正面板20B、左側面板20C、右側面板20D、及び背面板20Eの板面は、それぞれ平面状でもよいし、曲面を含んでもよい。
【0019】
[第1のステーションS1、及び第2のステーションS2の全体構成]
本実施形態において、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2は、それぞれ同じ構成を備える。すなわち、第1のステーションS1は、第1のゲーム空間部30-1と、第1の操作部40-1と、第1の搬送部50-1と、第1の取出部60-1と、第1の景品取出経路部70-1と、を備える。また、第2のステーションS2は、第2のゲーム空間部30-2と、第2の操作部40-2と、第2の搬送部50-2と、第2の取出部60-2と、第2の景品取出経路部70-2と、を備える。
【0020】
第1のゲーム空間部30-1、及び第2のゲーム空間部30-2は、それぞれ1以上の遊技物品Pが配置される空間であり、上記の空間部20の中に設けられる。本実施形態の第1のゲーム空間部30-1は、上記空間部20を第1の方向C1において2等分した一方の部分に対応し、第2のゲーム空間部30-2は他方の部分に対応する。また、第1のゲーム空間部30-1の上方には第1の搬送部50-1が設けられ、第2のゲーム空間部30-2の上方には第2の搬送部50-2が設けられる。
【0021】
第1の搬送部50-1、及び第2の搬送部50-2は、上述の動作手段の一例であり、それぞれ把持装置52と、搬送機構54と、を備える。
把持装置52は、ゲームに係るユーザの行為に応じて遊技物品Pを把持する動作を行う装置であり、具体的には、開閉自在なアーム520Aと、アーム520Aをユーザの行為に応じて開状態と閉状態との間で状態変位させるモータ装置520Bと、を備え、アーム520Aの状態変位によって遊技物品Pの把持、及び把持の解放が行われる。なお、アーム520Aの形状、数、及び材質は限定されない。
【0022】
搬送機構54は、把持装置52を第1の方向C1、第2の方向C2、及び高さ方向C3の3軸方向に移動させる機構である。具体的には、搬送機構54は、2本の横行用レール540A、540Bと、1本の縦行用レール541と、横行用モータユニット542と、縦行用モータユニット543と、を備える。
【0023】
2本の横行用レール540A、540Bは、それぞれ第1の方向C1に互いに平行に延びるレールである。また、縦行用レール541は、第2の方向C2に延び、2本の横行用レール540A、540Bに架設されるレールである。
【0024】
横行用モータユニット542は、横行用モータ装置を内蔵するユニットである。横行用モータユニット542は、縦行用レール541の一方の端部541Aに、横行用レール540Aと係合自在に設けられる。そして、横行用モータユニット542が横行用モータ装置の駆動力によって横行用レール540Aを移動することにより、縦行用レール541が第1の方向C1に沿って移動する。なお、縦行用レール541の他方の端部541Bには、横行用レール540Bに支持される支持部材544が設けられる。
【0025】
縦行用モータユニット543は、縦行用モータ装置と、昇降装置とを内蔵するユニットであり、縦行用レール541に設けられる。縦行用モータ装置は、第2の方向C2に延びる縦行用レール541に沿って縦行用モータユニット543を移動させる。昇降装置は、支持部材546を介して上記把持装置52を高さ方向C3に昇降自在に支持する装置である。なお、把持装置52を昇降させるための具体的な形態は適宜であり、例えば、支持部材546の一例であるワイヤを昇降装置が巻き取り、及び繰り出しを行うことにより把持装置52を昇降させる形態でもよい。また例えば、支持部材546の一例である伸縮パイプを昇降装置が伸縮させることにより把持装置52を昇降させる形態でもよい。
【0026】
第1の操作部40-1、及び第2の操作部40-2は、それぞれ、ユーザによって操作される1以上の操作装置400を備え、各操作装置400が基台10の正面に第1の方向C1に並べて設けられる。操作装置400の具体的な形態、及び、数は限定されない。操作装置400の具体的な形態の例は、レバー装置、及びボタンなどである。また、第1の操作部40-1、及び第2の操作部40-2は、プレイ料金に相当する価値を有した媒体が投入される投入口などが設けられた投入部、及び、プレイ可能な回数を表示する表示装置を有する表示部などを含んでもよい。
【0027】
本実施形態において、操作装置400に対するユーザの操作が、上述した「ゲームに係るユーザの行為」の1つの形態に相当する。すなわち、基台10に収められたコンピュータ12が搬送機構54及び把持装置52を、操作装置400の操作に応じて制御することにより、把持装置52が初期位置から第1の方向C1、第2の方向C2、及び高さ方向C3の3軸方向に移動し、移動後の位置でアーム520Aを開閉させて遊技物品Pを把持する動作を行う。その後、コンピュータ12の制御によって搬送機構54がユーザの操作にかかわらずに、第1の目的エリアAT-1又は第2の目的エリアAT-2まで把持装置52を自動で移動し、把持装置52がその位置でアーム520Aを開くことで遊技物品Pの把持を解放する動作を行う。
【0028】
なお、把持装置52の初期位置は、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2ごとに、それぞれの搬送機構54の可動範囲の中で適宜に設定可能である。例えば、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2における把持装置52の初期位置は、それぞれ第1の目的エリアAT-1又は第2の目的エリアAT-2の上方の位置でもよいし、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2の隅に対応する位置でもよい。
また、第1のステーションS1における初期位置と第1の目的エリアAT-1との位置関係と、第2のステーションS2における初期位置と第2の目的エリアAT-2との位置とは、互いに異なってもよく、例えば次のように、それぞれの位置関係が設定されてもよい。すなわち、第1のステーションS1における初期位置は、第1の目的エリアAT-1から左側面板20Cに向けて第1の方向C1に変位した位置に設定される。これに対し、第2のステーションS2における初期位置は、第2の目的エリアAT-2から右側面板20Dと正面板20Bとが交わる隅部に向けて第1の方向C1、及び第2の方向C2の二軸方向に変位した位置に設定される。このように互いに異なる位置関係が設定された場合でも、本実施形態のクレーンゲーム装置1では、ユーザの操作に応じた位置で把持装置52が遊技物品Pの把持動作を行った後、把持装置52は自動で第1の目的エリアAT-1又は第2の目的エリアAT-2まで移動するため、ゲームの有利性に差異を生じることがない。
【0029】
第1の取出部60-1、及び第2の取出部60-2は、それぞれ、遊技物品Pを筐体2の外に取り出すための取出口600を含み、各取出口600が基台10の正面に第1の方向C1に並べて設けられる。
【0030】
図2は、クレーンゲーム装置1の全体構成の一例を示す正面図である。なお、図2では、第1の搬送部50-1、及び第2の搬送部50-2と、仕切部25と、空間部20に配置された遊技物品Pとが省略されている。
図2に示すように、第1の景品取出経路部70-1は、第1のゲーム空間部30-1に設けられた第1の目的エリアAT-1から第1の取出部60-1へ遊技物品Pを通す経路である。また、第2の景品取出経路部70-2は、第2のゲーム空間部30-2に設けられた第2の目的エリアAT-2から第2の取出部60-2へ遊技物品Pを通す経路である。第1の景品取出経路部70-1、及び第2の景品取出経路部70-2は、それぞれ、基台10の内部に設けられる。
【0031】
次いで、クレーンゲーム装置1の動作を第1のステーションS1でユーザがゲームをプレイする場合を例に簡単に説明する。
第1のステーションS1においてユーザが第1の操作部40-1を操作すると、コンピュータ12が当該操作に応じて第1の搬送部50-1を制御し、当該制御によって、第1のゲーム空間部30-1の中を把持装置52が第1の方向C1、第2の方向C2、及び高さ方向C3に移動し、また、遊技物品Pを把持する動作を行う。ユーザの操作に基づく把持装置52の把持、及び移動によって遊技物品Pが第1の目的エリアAT-1に達すると、当該遊技物品Pが第1の景品取出経路部70-1を通って第1の取出部60-1に至り、当該遊技物品Pが外に取り出し可能になる。これにより、ユーザが第1のゲーム空間部30-1の中の遊技物品Pを取得可能となる。なお、第2のステーションS2でユーザがゲームをプレイする場合の動作も同様である。
【0032】
[第1のステーションS1、及び第2のステーションS2の平面視構成]
図3は、空間部20の平面視における構成を模式的に示す図である。なお、同図には、空間部20の下方に設けられた第1の景品取出経路部70-1、及び第2の景品取出経路部70-2も図示されている。
上述の通り、本実施形態の空間部20は、陳列台21と、第1のステーションS1の第1のゲーム空間部30-1と、第2のステーションS2の第2のゲーム空間部30-2とを含み、これらは、空間部20の平面視において、互いに重複しないように設けられる。すなわち、空間部20の平面視において、当該空間部20の平面視エリア20ARは、図3に示すように、陳列台エリアAKと、第1のゲームエリアAL-1と、第2のゲームエリアAL-2との3つのエリアに互いに重複しないように区画される。
なお、本開示において、空間部20の平面視エリア20ARは、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2を平面視に対応するものであり、また、空間部20の底面のエリア、すなわち底面板20Aの表面におけるエリアを示すものである。
【0033】
陳列台エリアAKは、陳列台21が配置されるエリアである。本実施形態の陳列台エリアAKは、背面板20Eの境界線S20Eから第2の方向C2に一定の距離Qaの幅を有し、かつ、第1の方向C1に延びる矩形状を成している。なお、第1の方向C1における陳列台エリアAKの長さは適宜である。また、陳列台エリアAKは、第1の方向C1において、2以上のエリアに分割されてもよい。この場合において、分割された各エリアは、第1の方向C1において互いに離れていてもよい。
【0034】
第1のゲームエリアAL-1、及び第2のゲームエリアAL-2は、それぞれ第1のステーションS1の第1のゲーム空間部30-1、及びを第2のステーションS2の第2のゲーム空間部30-2を平面視したエリアである。したがって、上述の通り、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2の平面視において、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2は第1の方向C1に並設されているため、第1のゲームエリアAL-1、及び第2のゲームエリアAL-2も第1の方向C1に並んで配置される。
【0035】
第1のゲームエリアAL-1は、第1のプレイエリアAP-1と、上述の第1の目的エリアAT-1と、を含み、第2のゲームエリアAL-2は、第2のプレイエリアAP-2と、上述の第2の目的エリアAT-2とを含む。
第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2は遊技物品Pが配置されるエリアである。「遊技物品Pの配置」には、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2への載置が含まれる。
【0036】
第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2は、上述の通り、「ゲームにおける目的地」に用いられるエリアである。第1の目的エリアAT-1には第1の開口部ATK-1が設けられており、遊技物品Pが第1の搬送部50-1によって第1の目的エリアAT-1に到達すると、第1の搬送部50-1による把持が解放されて第1の開口部ATK-1から上述の第1の景品取出経路部70-1に落下する。そして、遊技物品Pが第1の景品取出経路部70-1を自重によって移動し第1の取出部60-1に到達する。また、第2の目的エリアAT-2にも第2の開口部ATK-2が設けられており、遊技物品Pが第2の搬送部50-2によって第2の目的エリアAT-2に到達すると、第2の搬送部50-2による把持が解放されて第2の開口部ATK-2から上述の第2の景品取出経路部70-2に落下する。そして、遊技物品Pが第2の景品取出経路部70-2を自重によって移動し第2の取出部60-2に到達する。
【0037】
第1の開口部ATK-1、及び第2の開口部ATK-2の開口部の寸法、及び形状は、遊技物品Pが通過可能な寸法、及び形状であり、ゲームに用いられる遊技物品Pの大きさに応じて、第1の開口部ATK-1、及び第2の開口部ATK-2の開口面積、すなわち第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2の面積が予め設定される。
【0038】
なお、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2は、それぞれ、第1の開口部ATK-1、及び第2の開口部ATK-2を必ずしも備える必要はない。例えば、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2は、任意の部材で画定された単なる領域であってもよい。この場合、第1の目的エリアAT-1、又は第2の目的エリアAT-2に遊技物品Pが移動させられたことを、例えば、設置施設のスタッフが目視で確認することにより景品獲得の可否を判断する。
【0039】
ここで、遊技物品Pの大型化に伴い、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2の面積を増大させると、第1のゲームエリアAL-1、及び第2のゲームエリアAL-2の面積、すなわち空間部20の平面視エリア20ARの面積が増大する。この平面視エリア20ARの面積の増大は筐体2の設置面積の増大に繋がる。
一方、ゲーム機の設置施設においては、単位面積あたりの売上額が施設経営上の重要な指標の1つに用いられる。しかしながら、平面視エリア20ARの面積の増大によってゲーム機の設置面積が増大すると、単位面積あたりの売上額が悪化し易くなる。
【0040】
そこで、第1の対応策として、第1のゲームエリアAL-1の第1のプレイエリアAP-1と、第2のゲームエリアAL-2の第2のプレイエリアAP-2とをそれぞれ狭小化することにより、平面視エリア20ARの面積の増大を抑える、といったことが考えられる。
しかしながら、第1の対応策によると、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2の狭小化によって、載置可能な遊技物品Pの数が減ったり、配置する位置に制限が生じたりする、という問題を生じる。また、第1のゲームエリアAL-1、及び第2のゲームエリアAL-2を区画する正面板20B、左側面板20C、及び右側面板20Dの近くに遊技物品Pが配置される場合も多くなる。この場合、把持装置52のアーム520Aの開閉が正面板20B、左側面板20C、及び右側面板20Dに阻害されて遊技物品Pの把持に失敗する場合が増え、ゲームの難易度が過度に高まるといった問題もある。
【0041】
加えて、遊技物品Pの載置位置から第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2までの移動距離が短くなるため、プレイを重ねることで遊技物品Pを徐々に第1の目的エリアAT-1又は第2の目的エリアAT-2に近付ける、というプレイをユーザに提供することが難しくなる。この結果、遊技物品Pが第1の目的エリアAT-1又は第2の目的エリアAT-2に移動する場合を除いて、遊技物品Pがプレイ開始時点の載置位置付近に留まる場合が多くなり易いため、ユーザは進捗感、及び期待感を得られずに途中で断念し易くなる。
また、プレイを重ねることで遊技物品Pを徐々に第1の目的エリアAT-1又は第2の目的エリアAT-2に近付ける、というプレイをユーザに提供することが難しいため、遊技物品Pが把持されてから第1の目的エリアAT-1、又は第2の目的エリアAT-2に至るまでの遊び、及び演出が限定的になる。具体的には、遊技物品Pが把持されてから第1の目的エリアAT-1、又は第2の目的エリアAT-2に移動するまでの間に、把持装置52が揺動したり、移動中の遊技物品Pが他の遊技物品Pなどの部材に衝突して把持装置52から落ちそうになったりする遊び、及び演出を提供し難くなる。これらの結果、遊技物品Pの移動に伴うゲーム性が単調化し、興趣性が損なわれる、という問題を生じる。
【0042】
このように、第1の対応策によると、遊技物品Pの配置が制限されたり、ゲームのプレイに伴う遊技物品Pの移動に支障を来たしたりするスペースが第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2に生じる。このようなスペースは、ゲームに利用され難いスペースであり、実質的に無駄なスペースとなる。したがって、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2の狭小化に加え、無駄なスペースも生じることにより、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2においてゲームに利用可能な面積は更に縮小されることになる。
【0043】
上記問題は、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2を狭小化するという第1の対応策によって生じるものであるが、遊技物品Pの大型化という要素が加わると、上記問題は更に深刻なものとなる。
【0044】
また、第2の対応策として、例えば、上記特許文献2の意匠登録第1588379号公報に示される通り、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2が1つの目的エリアを共有する、といったことが考えられる。
しかしながら、遊技物品Pを取り出すための第1の取出部60-1、及び第2の取出部60-2も共有されるため、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2のそれぞれでユーザがゲームをプレイしている場合、2人のユーザは目的エリアで互いの遊技物品Pが干渉しないように注意してプレイする必要が生じる、という問題がある。この問題を解決するために、目的エリアの大きさを当該互いの遊技物品Pが干渉しない大きさに拡張すると、平面視エリア20ARの面積増大を抑制する効果が得難くなる。
また、一方のユーザが仮に遊技物品Pを目的エリアまで移動できたとしても、他方のユーザのプレイを邪魔しないように遊技物品Pを取り出す必要があり、利便性が悪い、という問題もある。この問題を解決するために、目的エリアを共有しつつ、第1の取出部60-1、及び第2の取出部60-2を備える構成も考えられるが、この構成においては、目的エリアに達した遊技物品Pを、第1の取出部60-1、及び第2の取出部60-2に振り分ける機構等が必要になる。
【0045】
そこで、本実施形態では、図3に示すように、平面視エリア20ARにおいて、第1のゲームエリアAL-1の第1の目的エリアAT-1と、第2のゲームエリアAL-2の第2の目的エリアAT-2とが互いに第2の方向C2に並んで配置される。この配置により、第1のゲームエリアAL-1、及び第2のゲームエリアAL-2における、すなわち第1のステーションS1、及び第2のステーションS2における、上述の無駄なスペースが抑えられる。したがって、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2を備える構成において、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2の狭小化を抑えつつ、設置面積の増大抑制を図ることができる。さらに、第1のゲームエリアAL-1、及び第2のゲームエリアAL-2は、それぞれ個別の目的エリアを含むため、上記第2の対応策において生じる上述した各種の問題も生じることがない。
【0046】
本実施形態では、第1のゲームエリアAL-1において、第1の目的エリアAT-1が第1のプレイエリアAP-1から第1の方向C1に突出量Qbで突出した凸状部を形成し、また、第2のゲームエリアAL-2において、第2の目的エリアAT-2が第2のプレイエリアAP-2から第1の方向C1に突出量Qbで突出した凸状部を形成する。そして、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2が第2の方向C2に並ぶことにより、第1のゲームエリアAL-1、及び第2のゲームエリアAL-2がそれぞれの凸状部分で互いに組み合うこととなる。
【0047】
また、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2が、それぞれ第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2から突出するため、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2において第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2が占める面積が抑えられる。したがって、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2において、遊技物品Pの配置に利用可能な実質的な面積の減少が抑えられる。
本実施形態では、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2は、その全体が第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2から突出するため、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2の全体を遊技物品Pの配置に利用できる。
【0048】
ここで、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2に、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2の一部が入り込む場合、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2の形状が単純な矩形にならずに歪になる。このため、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2の中に、遊技物品Pを載置し難いスペース、及び、把持装置52による遊技物品Pの把持が困難となるスペースといった、ゲームに利用し難い無駄なスペースが生じ易くなる。
そして、例えば、ユーザが遊技物品Pを第1の目的エリアAT-1、又は第2の目的エリアAT-2に徐々に近付けたとしても、把持装置52による把持が困難なスペースに遊技物品Pが入り込んでしまった場合には、ユーザはプレイを続行できなくなる。この場合、ユーザは設置施設のスタッフに依頼して遊技物品Pを、例えば初期位置に戻してもらうなどの対応が必要になる。
これに対し、本実施形態の第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2は、その全体が第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2から突出するため、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2の形状が歪になることなく、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2の全体を有効にゲームに利用できる。
【0049】
本実施形態において、上述の構成の第1のゲームエリアAL-1、及び第2のゲームエリアAL-2は、図3に示すように、互いに点対称な形状、すなわち互いに対称点Oを中心として反転した形状を成している。さらに本実施形態では、第1のゲームエリアAL-1、及び第2のゲームエリアAL-2は、互いに点対称なLの字状を成している。したがって、両者が対称点Oを挟んで第1の方向C1に並べられることにより、すなわち、第1の目的エリアAT-1と第2の目的エリアAT-2とは第2の方向C2に対称点Oを挟んで並ぶことにより、第1のゲームエリアAL-1、及び第2のゲームエリアAL-2が互いの間に隙間を形成することなく組み合って全体として矩形状のエリアを形成する。クレーンゲーム装置1の設置面積の増大は、かかる隙間の削減によっても抑えられる。
【0050】
また、第1のゲームエリアAL-1において、本実施形態の第1のプレイエリアAP-1、及び第1の目的エリアAT-1はいずれも矩形状である。同様に、第2のゲームエリアAL-2において、本実施形態の第2のプレイエリアAP-2、及び第2の目的エリアAT-2はいずれも矩形状である。第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2は、それぞれ全体が平面視矩形状に開口することにより、上記第1の開口部ATK-1、及び第2の開口部ATK-2形成される。ただし、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2の形状と、第1の開口部ATK-1、及び第2の開口部ATK-2における開口の平面視形状は一致する必要はない。例えば、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2の形状が矩形状である場合に、第1の開口部ATK-1、及び第2の開口部ATK-2の開口の平面視形状は、矩形状以外の多角形状、及び円形状などであってもよい。
【0051】
また、第1のゲームエリアAL-1において、本実施形態の第1の目的エリアAT-1の第2の方向C2における幅Qcは、第1のプレイエリアAP-1の第2の方向C2における幅Qdの半分である。同様に、第2のゲームエリアAL-2において、第2の目的エリアAT-2の第2の方向C2における幅Qcは、第2のプレイエリアAP-2の第2の方向C2における幅Qdの半分である。しかしながら、図7、及び図8を参照して後述するように、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2がサブ領域APSを含む等の理由により、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2の幅Qcが、第1のゲームエリアAL-1、及び第2のゲームエリアAL-2の幅Qdの半分より小さくてもよい。
【0052】
[遊技物品Pの取出に係る構成]
第1のステーションS1、及び第2のステーションS2は、それぞれ、上述の通り、遊技物品Pがユーザによって取り出されるための第1の取出部60-1、及び第2の取出部60-2を備える。本実施形態において、第1の取出部60-1、及び第2の取出部60-2は、図2に示すように、それぞれ、第1のゲームエリアAL-1、及び第2のゲームエリアAL-2の下方に位置する。したがって、第1の取出部60-1、及び第2の取出部60-2は、それぞれの他方のステーションに侵入することがなく、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2のそれぞれでユーザが同時にゲームをプレイしている場合でも、各ユーザは相手のプレイを邪魔することなく遊技物品Pを取り出すことができる。また、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2において、目的エリアと取出部とが一対一に対応するため、第2の対応策において述べたように1つの目的エリアを2つの取出部で共用する構成に比べ、遊技物品Pを振り分ける機構等も不要となる。
【0053】
なお、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2の平面視において、第1の取出部60-1、及び第2の取出部60-2の互いの位置関係は、図1から図3に示す位置関係に限定されない。例えば、第1の取出部60-1、及び第2の取出部60-2のは、それぞれ、第1のゲームエリアAL-1、及び第2のゲームエリアAL-2を間に挟んだ位置に配置されてもよい。この場合において、第1のゲームエリアAL-1、及び第2のゲームエリアAL-2を間に挟む位置は、第1の方向C1における位置、及び第2の方向C2における位置のどちらでもよい。
【0054】
図2、及び図3に示すように、第1のステーションS1の第1の景品取出経路部70-1は、第1の目的エリアAT-1の第1の開口部ATK-1から第1の取出部60-1に向かって傾斜する傾斜面71Aを含む第1のスロープ部71-1を備える。また、第2のステーションS2の第2の景品取出経路部70-2も、第2の目的エリアAT-2の第2の開口部ATK-2から第2の取出部60-2に向かって傾斜する傾斜面71Aを含む第2のスロープ部71-2を含む。
【0055】
すなわち、本実施形態では、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2がそれぞれ第1のスロープ部71-1、及び第2のスロープ部71-2を介して第1の取出部60-1、及び第2の取出部60-2に接続される。したがって、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2と、第1の取出部60-1、及び第2の取出部60-2との位置関係にかかわらず、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2から第1の取出部60-1、及び第2の取出部60-2へ第1のスロープ部71-1、及び第2のスロープ部71-2を介して遊技物品Pがスムーズに導かれる。
【0056】
なお、第1のスロープ部71-1、及び第2のスロープ部71-2は、第1の景品取出経路部70-1、及び第2の景品取出経路部70-2の全部の区間に亘って設けられてもよいし、一部の区間に限って設けられてもよい。また、第1のスロープ部71-1、及び第2のスロープ部71-2の傾斜面71Aは、直線状に傾斜する面であってもよいし、傾斜の少なくとも一部に曲線を含む面でもよい。
【0057】
[仕切部25の構成]
本実施形態のクレーンゲーム装置1は、空間部20の中に、図1に示すように、仕切部25を備える。仕切部25は、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2の間での遊技物品Pの移動を阻止する部材である。詳述すると、図3に示すように、第1のステーションS1の第1のゲームエリアAL-1と、第2のステーションS2の第2のゲームエリアAL-2との境界部は、第1の境界部分K1、第2の境界部分K2、及び第3の境界部分K3の3つの部分を含む。第1の境界部分K1は、第1の目的エリアAT-1と第2の目的エリアAT-2とが接する部分である。第2の境界部分K2は、第1の目的エリアAT-1と第2のプレイエリアAP-2とが接する部分である。第3の境界部分K3は、第2の目的エリアAT-2と第1のプレイエリアAP-1とが接する部分である。
【0058】
そして、仕切部25は、図1に示すように、第1の境界部分K1、第2の境界部分K2、及び第3の境界部分K3に沿って立設された透明な板状部材を備える。板状部材の高さ方向C3の高さは、少なくとも、把持装置52に把持された遊技物品Pが衝突する高さである。この板状部材により、第1のステーションS1と第2のステーションS2との間での遊技物品Pの移動が阻止される。また、第1の目的エリアAT-1と第2の目的エリアAT-2とが第2の方向C2に隙間無く並設されていても、第1の目的エリアAT-1と第2の目的エリアAT-2との間での遊技物品Pの移動を確実に阻止することができる。
【0059】
なお、仕切部25は、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2の間で遊技物品Pの移動を阻止可能であれば、第1の境界部分K1、第2の境界部分K2、及び第3の境界部分K3の3つの部分の全域に亘って設けられる必要はない。
【0060】
以上説明したように、本実施形態のクレーンゲーム装置1において、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2が並設される。第1のステーションS1の第1の目的エリアAT-1、及び第2のステーションS2の第2の目的エリアAT-2は、それぞれ、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2の平面視に対応する上記平面視エリア20ARにおいて、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2の並び方向である第1の方向C1と直交する第2の方向C2に並ぶ。
したがって、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2における無駄なスペースが抑えられるため、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイの狭小化を抑えつつ、設置面積の増大抑制を図ることができる。
【0061】
2.第2実施形態
本開示の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明において、第1実施形態において示した要素については、同一の符号を付し、その説明を適宜に省略する。
【0062】
図4は、本実施形態のクレーンゲーム装置1が備える空間部20の平面視における構成を模式的に示す図である。図5は、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2において遊技物品Pが直線移動可能な範囲を示す図である。
本実施形態のクレーンゲーム装置1において、第1実施形態と同様に、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2が第1の方向C1に並設されており、第1のゲームエリアAL-1と第2のゲームエリアAL-2も第1の方向C1に並設される。さらに、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2も、第1実施形態と同様に、第2の方向C2に並べられている。
一方、本実施形態のクレーンゲーム装置1は、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2の形状が矩形状でない点において、第1実施形態のクレーンゲーム装置1と構成を異にする。
【0063】
具体的には、図4に示すように、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2は、各々の輪郭線のうち上述の第1の境界部分K1が平面視において第1の方向C1に対して傾斜する形状、すなわち台形形状となっている。第1の境界部分K1が第1の方向C1に対して傾斜することにより、図5に示すように、第1のプレイエリアAP-1と第1の目的エリアAT-1とが接する箇所の第2の方向C2における幅Qeが、当該第1のプレイエリアAP-1の第2の方向C2における幅Qdの半分よりも大きくなる。同様に、第2のプレイエリアAP-2と第2の目的エリアAT-2とが接する箇所の第2の方向C2における幅Qeが、当該第2のプレイエリアAP-2の第2の方向C2における幅Qdの半分よりも大きくなる。
したがって、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2のそれぞれにおいて、遊技物品Pを1回の直線移動、すなわち最短距離の移動によって第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2に移動可能な範囲Eが第1実施形態の構成よりも広くなる。換言すれば、最短距離の移動によって第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2へ遊技物品Pを移動できる機会が増えるため、ユーザにとっては、把持装置52による移動中に遊技物品Pが落下するリスクを低減できる。
【0064】
なお、第1の方向C1に対する上述の第1の境界部分K1の傾斜は直線状に限らず、境界部分K1の一部又は全部に曲線を含んでもよい。
【0065】
以上説明したように、本実施形態のクレーンゲーム装置1において、第1実施形態と同様に、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2が並設され、また、第1のステーションS1の第1の目的エリアAT-1、及び第2のステーションS2の第2の目的エリアAT-2も第2の方向C2に並べられる。
したがって、第1実施形態と同様に、第1のステーションS1、及び第2のステーションS2における無駄なスペースが抑えられるため、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイの狭小化を抑えつつ、設置面積の増大抑制を図ることができる。
【0066】
3.変形例
以上に例示した第1実施形態、及び第2実施形態に付加される具体的な変形の形態を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の形態を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
【0067】
(第1変形例)
図6は、第1変形例に係る空間部20の平面視における構成を模式的に示す図である。
第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2は、図6に示すように、第1の方向C1に互いに幅αだけずれて並んでもよい。幅αの大きさは限定されない。
【0068】
(第2変形例、及び第3変形例)
図7は第2変形例に係る空間部20の平面視における構成を模式的に示す図であり、図8は第3変形例に係る空間部20の平面視における構成を模式的に示す図である。
第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2は矩形状に限らない。
例えば図7、及び図8に示すように、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2は、それぞれ、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2に沿って第1の方向C1に延びる1つ以上のサブ領域APSを含んでもよい。サブ領域APSの第2の方向C2における幅Qfは、当該サブ領域APSの用途に応じて適宜に設定される。例えば、サブ領域APSは、遊技物品P、装飾用物品、及び広告用物品といった各種物品の置き場所として用いられてもよい。
【0069】
第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2において、サブ領域APSは、図7に示すように、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2を第2の方向C2において挟む位置に設けられてもよい。
また、図8に示すように、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2において、サブ領域APSは、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2によって第2の方向C2において挟まれる位置に設けられてもよい。
さらにまた、第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2において、サブ領域APSは、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2を第2の方向C2において挟む位置と、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2によって挟まれる位置との両方に設けられてもよい。
【0070】
(第4変形例)
図9は、第4変形例に係る空間部20の平面視における構成を模式的に示す図である。
第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2がそれぞれ第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2から第1の方向C1に突出する構成において、図9に示すように、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2の一部の範囲Fが第1のプレイエリアAP-1、及び第2のプレイエリアAP-2に含まれてもよい。
本変形例によれば、次のような効果が得られる。すなわち、第1のステーションS1の第1の搬送部50-1、及び、第2のステーションS2の第2の搬送部50-2のそれぞれの第1の方向C1の可動範囲によっては、第1のゲームエリアAL-1、及び第2のゲームエリアAL-2の第1の方向C1における中間部Gまで遊技物品Pを移動し難い場合がある。これに対して、本変形例では、範囲Fの分だけ、第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2に遊技物品Pが到達する位置が中間部Gよりも手前となる。これにより、第1の搬送部50-1、及び第2の搬送部50-2の可動範囲が中間部Gを含まない等の理由により、遊技物品Pを第1の目的エリアAT-1、及び第2の目的エリアAT-2まで移動し難いといった事を防止できる。
【0071】
(第5変形例)
図10は、第5変形例に係る空間部20の平面視における構成を模式的に示す図である。
図10に示すように、空間部20の平面視エリア20ARは陳列台エリアAKを有しなくてもよい。また、第1のステーションS1の第1の操作部40-1と、第2のステーションS2の第2の操作部40-2とは、第1の方向C1に横並びに配置される構成に限らず、図10に示すように、第1のゲームエリアAL-1、及び第2のゲームエリアAL-2を挟んで対向する位置に配置されてもよい。
【0072】
(他の変形例)
各実施形態、及び各変形例において、第1の搬送部50-1、及び第2の搬送部50-2の搬送により遊技物品Pが移動する形態を説明した。しかしながら、遊技物品Pの移動の形態は、遊技物品Pが押圧力などの外力を受けて自ら移動する形態でもよい。外力の例には、例えばプッシャー装置との接触による押圧力、及び、磁気などの非接触の力などが挙げられる。
【0073】
各実施形態、及び各変形例において、クレーンゲーム装置1をゲーム装置の例として説明した。しかしながら、本開示のゲーム装置は、クレーンゲーム装置1に限定されるものではなく、ゲームのプレイによって移動させられる遊技物品Pが配置されるプレイエリアと、遊技物品Pの移動のゲームにおける目的地である目的エリアと、を含む2つのステーションを備える装置であればよい。
【0074】
各実施形態、及び各変形例において、クレーンゲーム装置1が現実空間に存在する有体物である形態を説明した。しかしながら、クレーンゲーム装置1は、仮想空間に配置された仮想的なオブジェクトでもよい。この場合において、仮想空間、及び、クレーンゲーム装置1に対応する仮想的なオブジェクトの生成は、コンピュータが備える処理装置の演算処理によって実現される。
【0075】
[付記]
以上の記載から、本開示について、以下に付記された態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、各付記の態様に図面の符号を便宜的に括弧書で併記する。しかしながら、本開示に係る態様が図示の具体的な形態に限定されるものではない。
【0076】
[付記1]
ゲームのプレイによって移動させられる遊技物品(P)が配置されるプレイエリア(AP-1、AP-2)と、前記遊技物品(P)の移動の前記ゲームにおける目的地である目的エリア(AT-1、AT-2)と、を含む2つのステーション(S1、S2)を備え、
前記2つのステーション(S1、S2)は、並設されており、
前記2つのステーション(S1、S2)のそれぞれの前記目的エリア(AT-1、AT-2)は、
前記2つのステーション(S1、S2)の平面視において、前記2つのステーション(S1、S2)の並び方向である第1の方向(C1)と直交する第2の方向(C2)に並ぶ。
【0077】
付記1によれば、2つのステーション(S1、S2)のそれぞれの目的エリア(AT-1、AT-2)が第2の方向(C2)に並ぶため、複数のステーション(S1、S2)を備えつつ、各ステーション(S1、S2)のプレイエリア(AP-1、AP-2)の狭小化を抑え、かつ、設置面積の増大を抑えることができる。加えて、2つのステーション(S1、S2)がそれぞれ目的エリア(AT-1、AT-2)を含むため、2つのステーション(S1、S2)のそれぞれでプレイヤーが同時にゲームをプレイできる。
【0078】
ゲームの形態には、景品の獲得を目的として行われるプライズゲームが含まれる。
「遊技物品(P)」は、ゲームに係る物品である。「遊技物品(P)」の形態には、ゲームのプレイによって獲得される景品と、当該景品の獲得権を生じさせる物品とが含まれる。
「移動」の形態には、遊技物品(P)が押圧力などの外力を受けて自ら移動する形態と、搬送機構(54)の搬送により移動する形態と、が含まれる。外力は、例えばプッシャー装置との接触による押圧力、及び、磁気などの非接触の力などである。搬送機構(54)は、例えば、遊技物品(P)を把持するための動作、遊技物品(P)を持ち上げるための動作、及び遊技物品(P)を搬送するための動作などの各種動作を、ゲームをプレイするプレイヤーの操作に応じて行う機構である。搬送するための動作は、搬送方向を転換する動作を含んでもよい。搬送方向の転換は2回以上行われてもよい。
「プレイエリア(AP-1、AP-2)」、及び「目的エリア(AT-1、AT-2)」は、それぞれ、ステーション(S1、S2)を平面視した領域において区画される平面的な領域の概念である。2つのステーション(S1、S2)の各プレイエリア(AP-1、AP-2)は互いに合同であっても、合同でなくてもよい。また、2つのステーション(S1、S2)の各目的エリア(AT-1、AT-2)は互いに合同であっても、合同でなくてもよい。
「プレイエリア(AP-1、AP-2)」、及び「目的エリア(AT-1、AT-2)」の平面視における形状は限定されない。すなわち、「プレイエリア(AP-1、AP-2)」、及び「目的エリア(AT-1、AT-2)」の平面視における輪郭線が全て直線、全て曲線、又は、直線と曲線との組み合わせのいずれでもよい。
「2つのステーション(S1、S2)の並び方向」は、各ステーション(S1、S2)の平面視において、それぞれのプレイエリア(AP-1、AP-2)同士を結ぶ方向によって特定される。この場合において、各プレイエリア(AP-1、AP-2)が異形である場合、「2つのステーション(S1、S2)の並び方向」は、各プレイエリア(AP-1、AP-2)の主たる領域の例えば中心同士を結ぶ方向によって特定される。
「第1の方向(C1)と直交する第2の方向(C2)」における「直交」は、完全な直交に限らず、多少のズレを含んでもよい。
「第2の方向(C2)に並ぶ」形態には、2つのステーション(S1、S2)のそれぞれの目的エリア(AT-1、AT-2)が接する状態と、プレイエリア(AP-1、AP-2)などの他のエリアを挟んで並ぶ形態と、が含まれる。また、「第2の方向(C2)に並ぶ」形態において、2つのステーション(S1、S2)のそれぞれの目的エリア(AT-1、AT-2)は第1の方向(C1)に互いにずれていてもよい。
【0079】
[付記2]
前記2つのステーション(S1、S2)のそれぞれの前記目的エリア(AT-1、AT-2)は、
前記2つのステーション(S1、S2)の平面視において、前記2つのステーション(S1、S2)のそれぞれの前記プレイエリア(AP-1、AP-2)から前記第1の方向(C1)に突出する
付記1に記載のゲーム装置(1)。
【0080】
付記2によれば、2つのステーション(S1、S2)のそれぞれのプレイエリア(AP-1、AP-2)において、目的エリア(AT-1、AT-2)によって割かれる範囲を減らすことができる。したがって、プレイエリア(AP-1、AP-2)における遊技物品(P)の配置の自由度に与える目的エリア(AT-1、AT-2)の影響を減らすことができる。
【0081】
「突出する」形態には、次の2つの形態が含まれる。
第1の形態は、プレイエリア(AP-1、AP-2)に含まれる部分、及び当該プレイエリア(AP-1、AP-2)から突出した部分の両方を目的エリア(AT-1、AT-2)が有する形態である。
第2の形態は、プレイエリア(AP-1、AP-2)に含まれる部分を有さずに、当該プレイエリア(AP-1、AP-2)から突出する部分のみを目的エリア(AT-1、AT-2)が有する形態、換言すれば、プレイエリア(AP-1、AP-2)から前記第1の方向(C1)に突出した位置に目的エリア(AT-1、AT-2)が配置される形態である。
【0082】
[付記3]
前記2つのステーション(S1、S2)のそれぞれは、前記目的エリア(AT-1、AT-2)に移動した前記遊技物品(P)が取り出される取出部(60-1、60-2)を備える
付記1または付記2に記載のゲーム装置(1)。
【0083】
付記3によれば、各ステーション(S1、S2)においてゲームをプレイしているプレイヤーは、それぞれ、相手のプレイの状況にかかわらずに遊技物品(P)を取り出すことができる。
また、目的エリア(AT-1、AT-2)と取出部(60-1、60-2)とが一対一に対応するため、1つの目的エリア(AT-1、AT-2)を2つの取出部(60-1、60-2)で共用する構成に比べ、適切な取出部(60-1、60-2)に遊技物品(P)を振り分ける機構も不要となる。
【0084】
[付記4]
前記2つのステーション(S1、S2)のそれぞれの前記取出部(60-1、60-2)は、
前記2つのステーション(S1、S2)の高さ方向(C3)において前記プレイエリア(AP-1、AP-2)の下方に位置する
付記3に記載のゲーム装置(1)。
【0085】
付記4によれば、2つのステーション(S1、S2)のそれぞれの取出部(60-1、60-2)が、他方のステーション(S1、S2)に浸入することがない。したがって、各ステーション(S1、S2)でゲームをプレイしているプレイヤーは、それぞれ、相手のプレイを邪魔せずに遊技物品(P)を取り出すことができる。
【0086】
「高さ方向(C3)」は、プレイエリア(AP-1、AP-2)の平面に垂直な方向に対応する。
2つのステーション(S1、S2)の平面視における各ステーション(S1、S2)の「取出部(60-1、60-2)」の位置は限定されない。例えば、各ステーション(S1、S2)の「取出部(60-1、60-2)」は、平面視において、互いに横並びの位置に配置されてもよいし、各ステーション(S1、S2)のプレイエリア(AP-1、AP-2)を挟んだ位置に配置されてもよい。各ステーション(S1、S2)のプレイエリア(AP-1、AP-2)を挟んだ位置は、第1の方向(C1)における位置、及び第2の方向(C2)における位置のどちらでもよい。
【0087】
[付記5]
前記2つのステーション(S1、S2)のそれぞれの前記目的エリア(AT-1、AT-2)は開口部(ATK-1、ATK-2)を含み、
前記2つのステーション(S1、S2)は、それぞれ、
前記開口部(ATK-1、ATK-2)から前記取出部(60-1、60-2)に向かって傾斜する傾斜面(71A)を含むスロープ部(71-1、71-2)を備える
付記4に記載のゲーム装置(1)。
【0088】
付記5によれば、目的エリア(AT-1、AT-2)と取出部(60-1、60-2)との位置関係にかかわらず、目的エリア(AT-1、AT-2)に達した遊技物品(P)をスロープ部(71-1、71-2)によってスムーズに取出部(60-1、60-2)まで導くことができる。
【0089】
「傾斜面(71A)」の始点は、「開口部(ATK-1、ATK-2)」が含む開口に一致しなくてもよく、その始点は「開口部(ATK-1、ATK-2)」の開口から離れていてもよい。また、「傾斜面(71A)」の終点は、「取出部(60-1、60-2)」が含む取出口に一致しなくてもよく、その終点は「取出部(60-1、60-2)」の取出口から離れていてもよい。
【0090】
[付記6]
前記2つのステーション(S1、S2)のそれぞれの境界部に、前記2つのステーション(S1、S2)間の前記遊技物品(P)の移動を阻止する仕切部(25)を備える
付記1から付記5のいずれか1に記載のゲーム装置(1)。
【0091】
付記6によれば、2つのステーション(S1、S2)のそれぞれの目的エリア(AT-1、AT-2)が互いに近接して配置されている場合でも、一方のステーション(S1、S2)の目的エリア(AT-1、AT-2)に、他方のステーション(S1、S2)の遊技物品(P)が入り込むことを確実に阻止できる。
【0092】
「仕切部(25)」の高さは、2つのステーション(S1、S2)間における遊技物品(P)の移動を阻止する可能な高さ以上であれば限定されない。
「仕切部(25)」の態様には、ゲームをプレイする位置からプレイヤーが目的エリア(AT-1、AT-2)を視認可能にする態様を含み、この態様の一例には、仕切部(25)が透明であることが挙げられる。
【0093】
[付記7]
前記2つのステーション(S1、S2)のそれぞれの境界部において、それぞれの前記目的エリア(AT-1、AT-2)の境界部分(K1)が、前記2つのステーションの平面視において前記第1の方向に対して傾斜する
付記1から付記6のいずれか1に記載のゲーム装置(1)。
【0094】
付記7によれば、各プレイエリア(AP-1、AP-2)において、直線的な移動によって遊技物品(P)を目的エリア(AT-1、AT-2)まで移動可能な範囲(E)を増やすことができる。
【0095】
「傾斜」する輪郭線の部分(K1)は、直線でもよく、また、一部又は全部に曲線を含んでもよい。「傾斜」する部分を含む輪郭線の目的エリア(AT-1、AT-2)の形状の1つの形態は台形状である。
【符号の説明】
【0096】
1…クレーンゲーム装置、20…空間部、25…仕切部、30-1…第1のゲーム空間部、30-2…第2のゲーム空間部、60-1…第1の取出部、60-2…第2の取出部、71-1…第1のスロープ部、71-2…第2のスロープ部、71A…傾斜面、600…取出口、AL-1…第1のゲームエリア、AL-2…第2のゲームエリア、AP-1…第1のプレイエリア、AP-2…第2のプレイエリア、AT-1…第1の目的エリア、AT-2…第2の目的エリア、ATK-1…第1の開口部、ATK-2…第2の開口部、C1…第1の方向、C2…第2の方向、C3…高さ方向、K1…第1の境界部分、K2…第2の境界部分、K3…第3の境界部分、P…遊技物品、S1…第1のステーション、S2…第2のステーション。
図1
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