(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008714
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】人力駆動車用のリアスプロケット、および、人力駆動車用のリアスプロケットを支持するように構成されるスプロケットキャリア
(51)【国際特許分類】
B62M 9/10 20060101AFI20240112BHJP
F16H 55/30 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B62M9/10
F16H55/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110797
(22)【出願日】2022-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】ブーン コーン リム
(72)【発明者】
【氏名】ウィ ブーン ノーマン ロイ
【テーマコード(参考)】
3J030
【Fターム(参考)】
3J030AC10
3J030BA07
3J030BB09
3J030BD01
3J030BD06
3J030CA10
(57)【要約】
【課題】変速性能を向上させるための構造の配置の自由度を向上できる人力駆動車用のリアスプロケットを提供する。
【解決手段】人力駆動車用のリアスプロケットは、スプロケットボディに設けられる複数のスプロケット締結孔を備え、複数のスプロケット締結孔のそれぞれは、リアスプロケットとスプロケットキャリアとを互いに締結する締結部材を受けるように構成され、複数のスプロケット締結孔は、第1スプロケット孔軸心を有する少なくとも1つの第1スプロケット締結孔と、第2スプロケット孔軸心を有する少なくとも1つの第2スプロケット締結孔と、を含み、径方向において、回転中心軸心から第1スプロケット孔軸心までの第1スプロケット径距離が定義され、径方向において、回転中心軸心から第2スプロケット孔軸心までの第2スプロケット径距離が定義され、第1スプロケット径距離は、第2スプロケット径距離と異なる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用のリアスプロケットであって、前記リアスプロケットは、回転中心軸心と、軸方向外向面と、軸方向内向面と、を有し、軸方向、径方向、および、周方向が前記回転中心軸心に関して定義され、前記軸方向内向面は、前記軸方向において、前記軸方向外向面とは反対側の面に設けられ、前記軸方向内向面は、前記リアスプロケットが前記人力駆動車に取り付けられる取付状態において、前記軸方向における前記人力駆動車の軸方向中心面を向くように構成され、
前記リアスプロケットは、スプロケットボディと、前記径方向において、前記スプロケットボディから径方向外側に延びる複数のスプロケット歯と、前記スプロケットボディに設けられる複数のスプロケット締結孔と、を備え、
前記複数のスプロケット締結孔のそれぞれは、前記リアスプロケットとスプロケットキャリアとを互いに締結する締結部材を受けるように構成され、
前記複数のスプロケット締結孔は、第1スプロケット孔軸心を有する少なくとも1つの第1スプロケット締結孔と、第2スプロケット孔軸心を有する少なくとも1つの第2スプロケット締結孔と、を含み、
前記少なくとも1つの第1スプロケット締結孔は、前記径方向において、前記少なくとも1つの第1スプロケット締結孔から径方向外側に前記複数のスプロケット締結孔のうちの他のスプロケット締結孔が無いように配置され、
前記少なくとも1つの第2スプロケット締結孔は、前記径方向において、前記少なくとも1つの第2スプロケット締結孔から径方向外側に前記複数のスプロケット締結孔のうちの他のスプロケット締結孔が無いように配置され、
前記径方向において、前記回転中心軸心から前記第1スプロケット孔軸心までの第1スプロケット径距離が定義され、
前記径方向において、前記回転中心軸心から前記第2スプロケット孔軸心までの第2スプロケット径距離が定義され、
前記第1スプロケット径距離は、前記第2スプロケット径距離と異なる、リアスプロケット。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1スプロケット締結孔は、複数の第1スプロケット締結孔を含む、請求項1に記載のリアスプロケット。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第2スプロケット締結孔は、複数の第2スプロケット締結孔を含む、請求項1に記載のリアスプロケット。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第1スプロケット締結孔は、前記第1スプロケット径距離が前記第2スプロケット径距離よりも大きくなるように、前記径方向において、前記少なくとも1つの第2スプロケット締結孔から径方向外側に配置される、請求項1に記載のリアスプロケット。
【請求項5】
前記複数のスプロケット歯は、駆動チェーンが隣接する小さいスプロケットから前記リアスプロケットに移動するダウンシフト動作を促進するように構成される複数のダウンシフト促進歯を含み、
前記複数のダウンシフト促進歯は、前記ダウンシフト動作において駆動チェーンに最初に係合するように構成されるダウンシフト開始歯と、ダウンシフト凹部歯と、を含み、
前記ダウンシフト凹部歯は、前記周方向において前記ダウンシフト開始歯と前記ダウンシフト凹部歯との間に前記複数のスプロケット歯のうちの他のスプロケット歯が無いように、前記リアスプロケットの駆動回転方向に関する前記ダウンシフト開始歯の下流側において前記ダウンシフト開始歯に隣接し、
前記ダウンシフト凹部歯は、前記軸方向において、前記軸方向外向面から前記軸方向内向面に向けて凹むように、前記ダウンシフト凹部歯の前記軸方向外向面に設けられるダウンシフト凹部を有し、
前記複数のスプロケット締結孔のそれぞれは、前記ダウンシフト凹部と重なることを避けるように配置される、請求項1に記載のリアスプロケット。
【請求項6】
前記第1スプロケット径距離は、前記第2スプロケット径距離よりも大きく、
前記少なくとも1つの第2スプロケット締結孔は、前記径方向において、前記ダウンシフト凹部から径方向内側に配置される、請求項5に記載のリアスプロケット。
【請求項7】
前記複数のスプロケット歯は、駆動チェーンが前記リアスプロケットから隣接する小さいスプロケットに移動するアップシフト動作を促進するように構成される複数のアップシフト促進歯を含み、
前記複数のアップシフト促進歯は、前記アップシフト動作において駆動チェーンを隣接する小さいスプロケットに向かって変位させるように構成されるアップシフト変位歯と、前記アップシフト動作において、駆動チェーンから最初に外れるように構成されるアップシフト開始歯と、アップシフト凹部歯と、を含み、
前記アップシフト開始歯は、前記軸方向において前記軸方向外向面から前記軸方向内向面に向けて凹むように前記アップシフト開始歯の前記軸方向外向面に設けられる第1アップシフト凹部を有し、
前記アップシフト開始歯は、前記周方向において前記アップシフト開始歯と前記アップシフト変位歯との間に前記複数のスプロケット歯のうちの他のスプロケット歯が無いように、前記リアスプロケットの駆動回転方向に関する前記アップシフト変位歯の上流側において前記アップシフト変位歯に隣接し、
前記アップシフト凹部歯は、前記軸方向において前記軸方向外向面から前記軸方向内向面に向けて凹むように前記アップシフト凹部歯の前記軸方向外向面に設けられる第2アップシフト凹部を有し、
前記アップシフト凹部歯は、前記周方向において前記アップシフト凹部歯と前記アップシフト開始歯との間に前記複数のスプロケット歯のうちの他のスプロケット歯が無いように、前記リアスプロケットの駆動回転方向に関する前記アップシフト開始歯の上流側において前記アップシフト開始歯に隣接し、
前記複数のスプロケット締結孔は、前記第1アップシフト凹部および前記第2アップシフト凹部と重なることを避けるように配置される、請求項1に記載のリアスプロケット。
【請求項8】
前記第1スプロケット径距離は、前記第2スプロケット径距離よりも大きく、
前記少なくとも1つの第2スプロケット締結孔は、前記径方向において、前記第1アップシフト凹部および前記第2アップシフト凹部から径方向内側に配置される、請求項7に記載のリアスプロケット。
【請求項9】
前記複数のスプロケット締結孔は、第1サブスプロケット孔軸心を有する少なくとも1つの第1サブスプロケット締結孔を含み、
前記少なくとも1つの第1サブスプロケット締結孔は、前記径方向において、前記少なくとも1つの第1スプロケット締結孔から径方向内側に配置される、請求項1に記載のリアスプロケット。
【請求項10】
前記第1サブスプロケット孔軸心は、前記周方向において、前記第1スプロケット孔軸心と揃う、請求項9に記載のリアスプロケット。
【請求項11】
前記複数のスプロケット締結孔は、第2サブスプロケット孔軸心を有する少なくとも1つの第2サブスプロケット締結孔を含み、
前記少なくとも1つの第2サブスプロケット締結孔は、前記径方向において、前記少なくとも1つの第2スプロケット締結孔から径方向内側に配置される、請求項9に記載のリアスプロケット。
【請求項12】
前記第2サブスプロケット孔軸心は、前記周方向において、前記第2スプロケット孔軸心と揃う、請求項11に記載のリアスプロケット。
【請求項13】
前記径方向において、前記回転中心軸心から前記第1サブスプロケット孔軸心までの第3スプロケット径距離が定義され、
前記径方向において、前記回転中心軸心から前記第2サブスプロケット孔軸心までの第4スプロケット径距離が定義され、
前記第3スプロケット径距離は、前記第4スプロケット径距離と等しい、請求項11に記載のリアスプロケット。
【請求項14】
前記径方向において、前記第1スプロケット孔軸心から前記第1サブスプロケット孔軸心までの第5スプロケット径距離が定義され、
前記径方向において、前記第2スプロケット孔軸心から前記第2サブスプロケット孔軸心までの第6スプロケット径距離が定義され、
前記第5スプロケット径距離は、前記第6スプロケット径距離よりも大きい、請求項11に記載のリアスプロケット。
【請求項15】
前記スプロケットボディは、外側環状ボディと、前記リアスプロケットがハブアセンブリに取り付けられる組立状態において、トルクを伝達可能なハブアセンブリのスプロケット支持ボディに連結されるように構成される内側環状ボディと、前記径方向において、前記外側環状ボディと前記内側環状ボディとの間に延びる複数の連結アームと、を含み、
前記少なくとも1つの第1スプロケット締結孔は、前記外側環状ボディに少なくとも一部が配置され、
前記少なくとも1つの第2スプロケット締結孔は、前記複数の連結アームの少なくとも1つに全体が配置される、請求項1に記載のリアスプロケット。
【請求項16】
前記複数のスプロケット歯のそれぞれは、前記径方向における最大径方向長さと、前記軸方向における最大軸方向長さと、を有し、
前記最大径方向長さは、前記最大軸方向長さよりも大きい、請求項1に記載のリアスプロケット。
【請求項17】
人力駆動車用のリアスプロケットを支持するように構成されるスプロケットキャリアであって、前記スプロケットキャリアは、回転中心軸心を有し、軸方向、径方向、および、周方向が前記回転中心軸心に関して定義され、
前記スプロケットキャリアは、中心ボディと、前記径方向において、前記中心ボディから径方向外側に延びる複数の支持アームと、前記複数の支持アームに設けられる複数のキャリア締結孔と、を備え、
前記複数のキャリア締結孔のそれぞれは、前記スプロケットキャリアと前記リアスプロケットとを互いに締結する締結部材を受けるように構成され、
前記複数のキャリア締結孔は、第1キャリア孔軸心を有する少なくとも1つの第1キャリア締結孔と、第2キャリア孔軸心を有する少なくとも1つの第2キャリア締結孔と、を含み、
前記少なくとも1つの第1キャリア締結孔は、前記径方向において、前記少なくとも1つの第1キャリア締結孔から径方向外側に前記複数のキャリア締結孔のうちの他のキャリア締結孔が無いように配置され、
前記少なくとも1つの第2キャリア締結孔は、前記径方向において、前記少なくとも1つの第2キャリア締結孔から径方向外側に前記複数のキャリア締結孔のうちの他のキャリア締結孔が無いように配置され、
前記径方向において、前記回転中心軸心から前記第1キャリア孔軸心までの第1キャリア径距離が定義され、
前記径方向において、前記回転中心軸心から前記第2キャリア孔軸心までの第2キャリア径距離が定義され、
前記第1キャリア径距離は、前記第2キャリア径距離と異なる、スプロケットキャリア。
【請求項18】
前記少なくとも1つの第1キャリア締結孔は、複数の第1キャリア締結孔を含む、請求項17に記載のスプロケットキャリア。
【請求項19】
前記少なくとも1つの第2キャリア締結孔は、複数の第2キャリア締結孔を含む、請求項17に記載のスプロケットキャリア。
【請求項20】
前記少なくとも1つの第1キャリア締結孔は、前記第1キャリア径距離が前記第2キャリア径距離よりも大きくなるように、前記径方向において、前記少なくとも1つの第2キャリア締結孔から径方向外側に配置される、請求項17に記載のスプロケットキャリア。
【請求項21】
前記複数のキャリア締結孔は、第1サブキャリア孔軸心を有する少なくとも1つの第1サブキャリア締結孔を含み、
前記少なくとも1つの第1サブキャリア締結孔は、前記径方向において、前記少なくとも1つの第1キャリア締結孔の径方向内側に配置される、請求項17に記載のスプロケットキャリア。
【請求項22】
前記第1サブキャリア孔軸心は、前記周方向において、前記第1キャリア孔軸心と揃う、請求項21に記載のスプロケットキャリア。
【請求項23】
前記複数のキャリア締結孔は、第2サブキャリア孔軸心を有する少なくとも1つの第2サブキャリア締結孔を含み、
前記少なくとも1つの第2サブキャリア締結孔は、前記径方向において、前記少なくとも1つの第2キャリア締結孔の径方向内側に配置される、請求項21に記載のスプロケットキャリア。
【請求項24】
前記第2サブキャリア孔軸心は、前記周方向において、前記第2キャリア孔軸心と揃う、請求項23に記載のスプロケットキャリア。
【請求項25】
前記径方向において、前記回転中心軸心から前記第1サブキャリア孔軸心までの第3キャリア径距離が定義され、
前記径方向において、前記回転中心軸心から前記第2サブキャリア孔軸心までの第4キャリア径距離が定義され、
前記第3キャリア径距離は、前記第4キャリア径距離と等しい、請求項23に記載のスプロケットキャリア。
【請求項26】
前記径方向における前記第1キャリア孔軸心から前記第1サブキャリア孔軸心までの第5キャリア径距離が定義され、
前記径方向における前記第2キャリア孔軸心から前記第2サブキャリア孔軸心までの第6キャリア径距離が定義され、
前記第5キャリア径距離は、前記第6キャリア径距離よりも大きい、請求項23に記載のスプロケットキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用のリアスプロケット、および、人力駆動車用のリアスプロケットを支持するように構成されるスプロケットキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、人力駆動車用のリアスプロケットを開示する。特許文献1のリアスプロケットは、変速性能を向上させるための構造と、複数のスプロケット締結孔と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0225745号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のスプロケット締結孔が変速性能を向上させるための構造に影響を与える位置に配置されると、人力駆動車用のリアスプロケットの変速性能の向上が抑制されるおそれがある。
【0005】
本開示の目的の1つは、変速性能を向上させるための構造の配置の自由度を向上できる人力駆動車用のリアスプロケット、および、人力駆動車用のリアスプロケットを支持するように構成されるスプロケットキャリアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1側面に従うリアスプロケットは、人力駆動車用のリアスプロケットであって、前記リアスプロケットは、回転中心軸心と、軸方向外向面と、軸方向内向面と、を有し、軸方向、径方向、および、周方向が前記回転中心軸心に関して定義され、前記軸方向内向面は、前記軸方向において、前記軸方向外向面とは反対側の面に設けられ、前記軸方向内向面は、前記リアスプロケットが前記人力駆動車に取り付けられる取付状態において、前記軸方向における前記人力駆動車の軸方向中心面を向くように構成され、前記リアスプロケットは、スプロケットボディと、前記径方向において、前記スプロケットボディから径方向外側に延びる複数のスプロケット歯と、前記スプロケットボディに設けられる複数のスプロケット締結孔と、を備え、前記複数のスプロケット締結孔のそれぞれは、前記リアスプロケットとスプロケットキャリアとを互いに締結する締結部材を受けるように構成され、前記複数のスプロケット締結孔は、第1スプロケット孔軸心を有する少なくとも1つの第1スプロケット締結孔と、第2スプロケット孔軸心を有する少なくとも1つの第2スプロケット締結孔と、を含み、前記少なくとも1つの第1スプロケット締結孔は、前記径方向において、前記少なくとも1つの第1スプロケット締結孔から径方向外側に前記複数のスプロケット締結孔のうちの他のスプロケット締結孔が無いように配置され、前記少なくとも1つの第2スプロケット締結孔は、前記径方向において、前記少なくとも1つの第2スプロケット締結孔から径方向外側に前記複数のスプロケット締結孔のうちの他のスプロケット締結孔が無いように配置され、前記径方向において、前記回転中心軸心から前記第1スプロケット孔軸心までの第1スプロケット径距離が定義され、前記径方向において、前記回転中心軸心から前記第2スプロケット孔軸心までの第2スプロケット径距離が定義され、前記第1スプロケット径距離は、前記第2スプロケット径距離と異なる。
第1側面のリアスプロケットによれば、変速性能を向上させるための構造の配置に応じて、互いに異なるスプロケット径距離になるように複数のスプロケット締結孔をスプロケットボディに配置できる。したがって、複数のスプロケット締結孔が変速性能を向上させるための構造に影響を与える位置に配置されにくいため、リアスプロケットの変速性能が確保できる。互いに異なるスプロケット径距離になるように複数のスプロケット締結孔をスプロケットボディに配置できるため、変速性能を向上させるための構造の配置の自由度が向上する。第1側面のリアスプロケットによれば、リアスプロケットの形状に応じて互いに異なるスプロケット径距離になるように複数のスプロケット締結孔をスプロケットボディに配置できるため、リアスプロケットの強度が確保できる。
【0007】
本開示の第1側面に従う第2側面のリアスプロケットにおいて、前記少なくとも1つの第1スプロケット締結孔は、複数の第1スプロケット締結孔を含む。
第2側面のリアスプロケットによれば、複数の第1スプロケット締結孔によって、リアスプロケットをより確実にスプロケットキャリアへ締結できる。
【0008】
本開示の第1または第2側面に従う第3側面のリアスプロケットにおいて、前記少なくとも1つの第2スプロケット締結孔は、複数の第2スプロケット締結孔を含む。
第3側面のリアスプロケットによれば、複数の第2スプロケット締結孔によって、リアスプロケットをより確実にスプロケットキャリアへ締結できる。
【0009】
本開示の第1から第3側面のいずれか1つに従う第4側面のリアスプロケットにおいて、前記少なくとも1つの第1スプロケット締結孔は、前記第1スプロケット径距離が前記第2スプロケット径距離よりも大きくなるように、前記径方向において、前記少なくとも1つの第2スプロケット締結孔から径方向外側に配置される。
第4側面のリアスプロケットによれば、第2スプロケット締結孔が第1スプロケット締結孔よりも径方向内側に配置されるため、第2スプロケット締結孔が変速性能を向上させるための構造の配置に影響しにくい。したがって、変速性能を向上させるための構造の配置の自由度が向上する。
【0010】
本開示の第1から第4側面のいずれか1つに従う第5側面のリアスプロケットにおいて、前記複数のスプロケット歯は、駆動チェーンが隣接する小さいスプロケットから前記リアスプロケットに移動するダウンシフト動作を促進するように構成される複数のダウンシフト促進歯を含み、前記複数のダウンシフト促進歯は、前記ダウンシフト動作において駆動チェーンに最初に係合するように構成されるダウンシフト開始歯と、ダウンシフト凹部歯と、を含み、前記ダウンシフト凹部歯は、前記周方向において前記ダウンシフト開始歯と前記ダウンシフト凹部歯との間に前記複数のスプロケット歯のうちの他のスプロケット歯が無いように、前記リアスプロケットの駆動回転方向に関する前記ダウンシフト開始歯の下流側において前記ダウンシフト開始歯に隣接し、前記ダウンシフト凹部歯は、前記軸方向において、前記軸方向外向面から前記軸方向内向面に向けて凹むように、前記ダウンシフト凹部歯の前記軸方向外向面に設けられるダウンシフト凹部を有し、前記複数のスプロケット締結孔のそれぞれは、前記ダウンシフト凹部と重なることを避けるように配置される。
第5側面のリアスプロケットによれば、ダウンシフト凹部歯によってダウンシフト動作において変速ショックが少ない円滑なダウンシフトが実現できる。第5側面のリアスプロケットによれば、複数のスプロケット締結孔がダウンシフト凹部と重なることを避けるように配置されるため、ダウンシフトにおける変速性能が、複数のスプロケット締結孔による影響を受けにくい。
【0011】
本開示の第5側面に従う第6側面のリアスプロケットにおいて、前記第1スプロケット径距離は、前記第2スプロケット径距離よりも大きく、前記少なくとも1つの第2スプロケット締結孔は、前記径方向において、前記ダウンシフト凹部から径方向内側に配置される。
第6側面のリアスプロケットによれば、第2スプロケット締結孔がダウンシフト凹部に重ならないため、複数のダウンシフト促進歯をスプロケットボディのうちの好適な位置に配置できる。
【0012】
本開示の第1から第6側面のいずれか1つに従う第7側面のリアスプロケットにおいて、前記複数のスプロケット歯は、駆動チェーンが前記リアスプロケットから隣接する小さいスプロケットに移動するアップシフト動作を促進するように構成される複数のアップシフト促進歯を含み、前記複数のアップシフト促進歯は、前記アップシフト動作において駆動チェーンを隣接する小さいスプロケットに向かって変位させるように構成されるアップシフト変位歯と、前記アップシフト動作において、駆動チェーンから最初に外れるように構成されるアップシフト開始歯と、アップシフト凹部歯と、を含み、前記アップシフト開始歯は、前記軸方向において前記軸方向外向面から前記軸方向内向面に向けて凹むように前記アップシフト開始歯の前記軸方向外向面に設けられる第1アップシフト凹部を有し、前記アップシフト開始歯は、前記周方向において前記アップシフト開始歯と前記アップシフト変位歯との間に前記複数のスプロケット歯のうちの他のスプロケット歯が無いように、前記リアスプロケットの駆動回転方向に関する前記アップシフト変位歯の上流側において前記アップシフト変位歯に隣接し、前記アップシフト凹部歯は、前記軸方向において前記軸方向外向面から前記軸方向内向面に向けて凹むように前記アップシフト凹部歯の前記軸方向外向面に設けられる第2アップシフト凹部を有し、前記アップシフト凹部歯は、前記周方向において前記アップシフト凹部歯と前記アップシフト開始歯との間に前記複数のスプロケット歯のうちの他のスプロケット歯が無いように、前記リアスプロケットの駆動回転方向に関する前記アップシフト開始歯の上流側において前記アップシフト開始歯に隣接し、前記複数のスプロケット締結孔は、前記第1アップシフト凹部および前記第2アップシフト凹部と重なることを避けるように配置される。
第7側面のリアスプロケットによれば、第1アップシフト凹部および第2アップシフト凹部によって、アップシフト動作において変速ショックが少ない円滑なアップシフトが実現できる。第7側面のリアスプロケットによれば、複数のスプロケット締結孔が第1アップシフト凹部および第2アップシフト凹部と重なることを避けるように配置されるため、アップシフトにおける変速性能が、複数のスプロケット締結孔による影響を受けにくい。
【0013】
本開示の第7側面に従う第8側面のリアスプロケットにおいて、前記第1スプロケット径距離は、前記第2スプロケット径距離よりも大きく、前記少なくとも1つの第2スプロケット締結孔は、前記径方向において、前記第1アップシフト凹部および前記第2アップシフト凹部から径方向内側に配置される。
第8側面のリアスプロケットによれば、第2スプロケット締結孔がアップシフト凹部に重ならないため、複数のアップシフト促進歯をスプロケットボディのうちの好適な位置に配置できる。
【0014】
本開示の第1から第8側面のいずれか1つに従う第9側面のリアスプロケットにおいて、前記複数のスプロケット締結孔は、第1サブスプロケット孔軸心を有する少なくとも1つの第1サブスプロケット締結孔を含み、前記少なくとも1つの第1サブスプロケット締結孔は、前記径方向において、前記少なくとも1つの第1スプロケット締結孔から径方向内側に配置される。
第9側面のリアスプロケットによれば、第1スプロケット締結孔および第1サブスプロケット締結孔によって、リアスプロケットを、スプロケットキャリアにより確実に締結できる。
【0015】
本開示の第9側面に従う第10側面のリアスプロケットにおいて、前記第1サブスプロケット孔軸心は、前記周方向において、前記第1スプロケット孔軸心と揃う。
第10側面のリアスプロケットによれば、第1スプロケット締結孔と第1サブスプロケット締結孔とが周方向において揃うため、リアスプロケットを、スプロケットキャリアにより確実に締結できる。
【0016】
本開示の第9または第10側面に従う第11側面のリアスプロケットにおいて、前記複数のスプロケット締結孔は、第2サブスプロケット孔軸心を有する少なくとも1つの第2サブスプロケット締結孔を含み、前記少なくとも1つの第2サブスプロケット締結孔は、前記径方向において、前記少なくとも1つの第2スプロケット締結孔から径方向内側に配置される。
第11側面のリアスプロケットによれば、第2スプロケット締結孔および第2サブスプロケット締結孔によって、リアスプロケットを、スプロケットキャリアにより確実に締結できる。
【0017】
本開示の第11側面に従う第12側面のリアスプロケットにおいて、前記第2サブスプロケット孔軸心は、前記周方向において、前記第2スプロケット孔軸心と揃う。
第12側面のリアスプロケットによれば、第2スプロケット締結孔と第2サブスプロケット締結孔とが周方向において揃うため、リアスプロケットを、スプロケットキャリアにより確実に締結できる。
【0018】
本開示の第11または第12側面に従う第13側面のリアスプロケットにおいて、前記径方向において、前記回転中心軸心から前記第1サブスプロケット孔軸心までの第3スプロケット径距離が定義され、前記径方向において、前記回転中心軸心から前記第2サブスプロケット孔軸心までの第4スプロケット径距離が定義され、前記第3スプロケット径距離は、前記第4スプロケット径距離と等しい。
第13側面のリアスプロケットによれば、第3スプロケット径距離と第4スプロケット径距離とが径方向において等しいため、リアスプロケットを、スプロケットキャリアにより確実に締結できる。
【0019】
本開示の第11から第13側面のいずれか1つに従う第14側面のリアスプロケットにおいて、前記径方向において、前記第1スプロケット孔軸心から前記第1サブスプロケット孔軸心までの第5スプロケット径距離が定義され、前記径方向において、前記第2スプロケット孔軸心から前記第2サブスプロケット孔軸心までの第6スプロケット径距離が定義され、前記第5スプロケット径距離は、前記第6スプロケット径距離よりも大きい。
第14側面のリアスプロケットによれば、第1サブスプロケット締結孔および第2サブスプロケット締結孔が変速性能を向上させるための構造に重なりにくい。したがって、変速性能を向上させるための構造の配置の自由度が向上する。
【0020】
本開示の第1から第14側面のいずれか1つに従う第15側面のリアスプロケットにおいて、前記スプロケットボディは、外側環状ボディと、前記リアスプロケットがハブアセンブリに取り付けられる組立状態において、トルクを伝達可能なハブアセンブリのスプロケット支持ボディに連結されるように構成される内側環状ボディと、前記径方向において、前記外側環状ボディと前記内側環状ボディとの間に延びる複数の連結アームと、を含み、前記少なくとも1つの第1スプロケット締結孔は、前記外側環状ボディに少なくとも一部が配置され、前記少なくとも1つの第2スプロケット締結孔は、前記複数の連結アームの少なくとも1つに全体が配置される。
第15側面のリアスプロケットによれば、第2スプロケット締結孔が複数の連結アームの少なくとも1つに全体が配置されるため、第2スプロケット締結孔が変速性能を向上させるための構造に重なりにくい。したがって、リアスプロケットは、変速性能を向上させるための構造の配置の自由度を向上でき、かつ、リアスプロケットの軽量化を実現できる。
【0021】
本開示の第1から第15側面のいずれか1つに従う第16側面のリアスプロケットにおいて、前記複数のスプロケット歯のそれぞれは、前記径方向における最大径方向長さと、前記軸方向における最大軸方向長さと、を有し、前記最大径方向長さは、前記最大軸方向長さよりも大きい。
第16側面のリアスプロケットによれば、最大軸方向長さを短くできるため、リアスプロケットアセンブリに含まれるスプロケットの枚数を多くできる。最大軸方向長さが短いため、変速動作時の駆動チェーンの移動距離が短くなり、円滑な変速が可能になる。
【0022】
本開示の第17側面に従うスプロケットキャリアは、人力駆動車用のリアスプロケットを支持するように構成されるスプロケットキャリアであって、前記スプロケットキャリアは、回転中心軸心を有し、軸方向、径方向、および、周方向が前記回転中心軸心に関して定義され、前記スプロケットキャリアは、中心ボディと、前記径方向において、前記中心ボディから径方向外側に延びる複数の支持アームと、前記複数の支持アームに設けられる複数のキャリア締結孔と、を備え、前記複数のキャリア締結孔のそれぞれは、前記スプロケットキャリアと前記リアスプロケットとを互いに締結する締結部材を受けるように構成され、前記複数のキャリア締結孔は、第1キャリア孔軸心を有する少なくとも1つの第1キャリア締結孔と、第2キャリア孔軸心を有する少なくとも1つの第2キャリア締結孔と、を含み、前記少なくとも1つの第1キャリア締結孔は、前記径方向において、前記少なくとも1つの第1キャリア締結孔から径方向外側に前記複数のキャリア締結孔のうちの他のキャリア締結孔が無いように配置され、前記少なくとも1つの第2キャリア締結孔は、前記径方向において、前記少なくとも1つの第2キャリア締結孔から径方向外側に前記複数のキャリア締結孔のうちの他のキャリア締結孔が無いように配置され、前記径方向において、前記回転中心軸心から前記第1キャリア孔軸心までの第1キャリア径距離が定義され、前記径方向において、前記回転中心軸心から前記第2キャリア孔軸心までの第2キャリア径距離が定義され、前記第1キャリア径距離は、前記第2キャリア径距離と異なる。
第17側面のスプロケットキャリアによれば、複数のキャリア締結孔を異なるキャリア径距離に配置できるため、キャリア締結孔のそれぞれに対応するスプロケット締結孔の位置に応じて複数のキャリア締結孔を配置できる。したがって、変速性能を向上させるための構造に影響を与える位置に配置されないように、キャリア締結孔に対応するスプロケット締結孔を、スプロケットキャリアに支持されるリアスプロケットに配置できるため、スプロケットキャリアは、リアスプロケットの変速性能を向上させるための構造の配置の自由度を向上できる。
【0023】
本開示の第17側面に従う第18側面のスプロケットキャリアにおいて、前記少なくとも1つの第1キャリア締結孔は、複数の第1キャリア締結孔を含む。
第18側面のスプロケットキャリアによれば、複数の第1キャリア締結孔によって、スプロケットキャリアを、リアスプロケットにより確実に締結できる。
【0024】
本開示の第17または第18側面に従う第19側面のスプロケットキャリアにおいて、前記少なくとも1つの第2キャリア締結孔は、複数の第2キャリア締結孔を含む。
第19側面のスプロケットキャリアによれば、複数の第2キャリア締結孔によって、スプロケットキャリアを、リアスプロケットにより確実に締結できる。
【0025】
本開示の第17から第19側面のいずれか1つに従う第20側面のスプロケットキャリアにおいて、前記少なくとも1つの第1キャリア締結孔は、前記第1キャリア径距離が前記第2キャリア径距離よりも大きくなるように、前記径方向において、前記少なくとも1つの第2キャリア締結孔から径方向外側に配置される。
第20側面のスプロケットキャリアによれば、リアスプロケットの変速性能を向上させるための構造の配置に応じて、第2キャリア締結孔を第1キャリア締結孔よりも径方向内側に配置できる。第2キャリア締結孔が径方向内側に配置されるため、第2キャリア締結孔に対応するスプロケット締結孔が、軸方向において変速性能を向上させるための構造に影響を与えにくい。したがって、スプロケットキャリアは、リアスプロケットの変速性能を向上させるための構造の配置の自由度に貢献できる。
【0026】
本開示の第17から第20側面のいずれか1つに従う第21側面のスプロケットキャリアにおいて、前記複数のキャリア締結孔は、第1サブキャリア孔軸心を有する少なくとも1つの第1サブキャリア締結孔を含み、前記少なくとも1つの第1サブキャリア締結孔は、前記径方向において、前記少なくとも1つの第1キャリア締結孔の径方向内側に配置される。
第21側面のスプロケットキャリアによれば、第1キャリア締結孔および第1サブキャリア締結孔によって、スプロケットキャリアを、リアスプロケットにより確実に締結できる。
【0027】
本開示の第21側面に従う第22側面のスプロケットキャリアにおいて、前記第1サブキャリア孔軸心は、前記周方向において、前記第1キャリア孔軸心と揃う。
第22側面のスプロケットキャリアによれば、第1キャリア締結孔と第1サブキャリア締結孔とが周方向において揃うため、スプロケットキャリアを、リアスプロケットにより確実に締結できる。
【0028】
本開示の第21または第22側面に従う第23側面のスプロケットキャリアにおいて、前記複数のキャリア締結孔は、第2サブキャリア孔軸心を有する少なくとも1つの第2サブキャリア締結孔を含み、前記少なくとも1つの第2サブキャリア締結孔は、前記径方向において、前記少なくとも1つの第2キャリア締結孔の径方向内側に配置される。
第23側面のスプロケットキャリアによれば、第2キャリア締結孔および第2サブキャリア締結孔によって、スプロケットキャリアを、リアスプロケットにより確実に締結できる。
【0029】
本開示の第23側面に従う第24側面のスプロケットキャリアにおいて、前記第2サブキャリア孔軸心は、前記周方向において、前記第2キャリア孔軸心と揃う。
第24側面のスプロケットキャリアによれば、第2キャリア締結孔と第2サブキャリア締結孔とが周方向において揃うため、スプロケットキャリアを、リアスプロケットにより確実に締結できる。
【0030】
本開示の第23または第24側面に従う第25側面のスプロケットキャリアにおいて、前記径方向において、前記回転中心軸心から前記第1サブキャリア孔軸心までの第3キャリア径距離が定義され、前記径方向において、前記回転中心軸心から前記第2サブキャリア孔軸心までの第4キャリア径距離が定義され、前記第3キャリア径距離は、前記第4キャリア径距離と等しい。
第25側面のスプロケットキャリアによれば、第3キャリア径距離と第4キャリア径距離と等しいため、リアスプロケットを、スプロケットキャリアにより確実に締結できる。
【0031】
本開示の第23から第25側面のいずれか1つに従う第26側面のスプロケットキャリアにおいて、前記径方向における前記第1キャリア孔軸心から前記第1サブキャリア孔軸心までの第5キャリア径距離が定義され、前記径方向における前記第2キャリア孔軸心から前記第2サブキャリア孔軸心までの第6キャリア径距離が定義され、前記第5キャリア径距離は、前記第6キャリア径距離よりも大きい。
第26側面のスプロケットキャリアによれば、スプロケットキャリアに支持されるリアスプロケットにおいて、第1サブキャリア締結孔および第2サブキャリア締結孔に対応するスプロケット締結孔が変速性能を向上させるための構造に重なりにくい。したがって、変速性能を向上させるための構造の配置の自由度が向上する。
【発明の効果】
【0032】
本開示の人力駆動車用のリアスプロケット、および、人力駆動車用のリアスプロケットを支持するように構成されるスプロケットキャリアは、変速性能を向上させるための構造の配置の自由度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】実施形態の人力駆動車用のリアスプロケット、および、人力駆動車用のリアスプロケットを支持するように構成されるスプロケットキャリアを含む人力駆動車用のリアスプロケットアセンブリを含む人力駆動車を示す模式図である。
【
図2】
図1の人力駆動車用のリアスプロケットアセンブリの側面図である。
【
図3】
図2の人力駆動車用のリアスプロケット、人力駆動車用のリアスプロケットを支持するように構成されるスプロケットキャリア、および、締結部材の側面図である。
【
図5】
図2の人力駆動車用のリアスプロケットの側面図である。
【
図6】
図5の複数のダウンシフト促進歯、複数のアップシフト促進歯、および、チェーンを示す平面図である。
【
図7】
図2の人力駆動車用のリアスプロケットを支持するように構成されるスプロケットキャリアの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
<実施形態>
図1から
図7を参照して、実施形態に係る人力駆動車用のリアスプロケット30、および、スプロケットキャリア70が説明される。
図1に示される人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車10は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が支持される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10が自転車として説明される。
【0035】
本明細書において、以下の方向を示す用語「前(フロント)」、「後ろ(リア)」、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「横」、「上方」、および、「下方」、並びに任意の他の類似の方向を示す用語は、人力駆動車10の基準位置(例えば、サドル、または、シート上)においてハンドルバーを向いたライダを基準に決定されるそれらの方向を指す。
【0036】
図1に示されるように、例えば、人力駆動車10は、クランク12と、フロントスプロケット14と、ハブアセンブリ16と、駆動チェーン18と、リアスプロケットアセンブリ26と、を含む。フロントスプロケット14は、クランク12に取り付けられる。
【0037】
クランク12は、クランク軸20、および、一対のクランクアーム22を含む。一対のクランクアーム22のそれぞれは、クランク軸20に取り付けられる。一対のクランクアーム22のそれぞれには、ペダル24が回転可能に連結される。
【0038】
例えば、ハブアセンブリ16は、ハブ軸28を含む。リアスプロケットアセンブリ26は、人力駆動車10のフレーム10Fに対して回転可能に、ハブ軸28上に取り付けられる。ハブ軸28は、フレーム10Fに対して回転不能に、フレーム10Fに取り付けられる。ハブアセンブリ16は、スプロケット支持ボディ16Aを含む。リアスプロケットアセンブリ26は、スプロケット支持ボディ16Aを介して、ハブ軸28に連結される。
【0039】
リアスプロケットアセンブリ26は、それぞれ寸法の異なる複数のスプロケットを含む。複数のスプロケットの数は任意に選択できる。例えば、
図2に示されるリアスプロケットアセンブリ26は、9枚のスプロケットを含む。リアスプロケットアセンブリ26は、2枚以上、かつ、9枚未満のスプロケットを含んでもよく、10枚以上のスプロケットを含んでもよい。
【0040】
例えば、人力駆動車10は、リアディレイラをさらに含む。リアディレイラは、変速動作を実行する。変速動作は、複数のスプロケットの1つに係合する駆動チェーン18を、複数のスプロケットの1つから他の1つに移動するように駆動チェーン18を移動させる動作である。
【0041】
図1および
図6に示されるように、駆動チェーン18は、複数のローラ18A、複数のアウターリンク18B、および、複数のインナーリンク18Cを含む。アウターリンク18Bは、一対のアウタープレートが軸方向ADに並ぶように構成される。インナーリンク18Cは、一対のインナープレートが軸方向ADに並ぶように構成される。駆動チェーン18は、フロントスプロケット14とリアスプロケットアセンブリ26に含まれる複数のスプロケットのいずれか1つとに巻き掛けられる。駆動チェーン18は、ペダル24に加えられるトルクを、フロントスプロケット14からリアスプロケットアセンブリ26に伝達する。リアスプロケットアセンブリ26は、ハブアセンブリ16を介して、トルクを人力駆動車10の後輪に伝達する。
【0042】
図2に示されるように、本実施形態では、リアスプロケットアセンブリ26に含まれる複数のスプロケットのうち、もっとも直径が大きいスプロケットが、リアスプロケット30として説明される。本実施形態では、リアスプロケットアセンブリ26に含まれる複数のスプロケットのうち、2番目に直径が大きいスプロケットが、スプロケット26Aとして説明される。スプロケット26Aは、リアスプロケット30に隣接する小さいスプロケットである。
図2は、組立状態におけるリアスプロケットアセンブリ26を示す。例えば、組立状態は、リアスプロケット30がハブアセンブリ16に取り付けられる状態である。
【0043】
図2および
図3に示されるように、例えば、リアスプロケットアセンブリ26は、リアスプロケット30とスプロケットキャリア70とを備える。例えば、スプロケットキャリア70は、組立状態においてスプロケットキャリア70の回転中心軸心がリアスプロケット30の回転中心軸心Cと一致するように、リアスプロケットアセンブリ26に取り付けられる。
【0044】
図1および
図4に示されるように、リアスプロケット30は、回転中心軸心Cと、軸方向外向面30Aと、軸方向内向面30Bと、を有する。リアスプロケット30の回転中心軸心Cは、リアスプロケットアセンブリ26の回転中心軸心に一致する。軸方向AD、径方向RD、および、周方向CDが回転中心軸心Cに関して定義される。軸方向内向面30Bは、軸方向ADにおいて、軸方向外向面30Aとは反対側の面に設けられる。軸方向内向面30Bは、取付状態において、軸方向ADにおける人力駆動車10の軸方向中心面CSを向くように構成される。例えば、人力駆動車10の軸方向中心面CSは、人力駆動車10の横方向の中心と実質的に一致する。取付状態は、リアスプロケット30が人力駆動車10に取り付けられる状態である。取付状態において、リアスプロケットアセンブリ26は組立状態である。取付状態において、リアスプロケットアセンブリ26は、ハブ軸28に取り付けられる。
【0045】
図4から
図6に示されるように、リアスプロケット30は、スプロケットボディ32と、複数のスプロケット歯34と、複数のスプロケット締結孔36と、を備える。複数のスプロケット歯34は、径方向RDにおいて、スプロケットボディ32から径方向外側に延びる。スプロケット歯34がアウターリンク18Bの一対のアウタープレートの間、および、インナーリンク18Cの一対のインナープレートの間に嵌まり込むことによって、リアスプロケット30が駆動チェーン18に係合する。例えば、各スプロケット歯34は、駆動面と、回転中心軸心Cに関する周方向CDにおいて駆動面の反対に設けられる非駆動面と、を有する。駆動面は、リアスプロケット30の駆動回転方向RD1において、スプロケット歯34の上流側に位置する側面である。リアスプロケット30が駆動回転方向RD1に回転する場合、スプロケット歯34のそれぞれは、駆動面において駆動チェーン18のローラ18Aに係合する。
【0046】
図4および
図5に示されるように、複数のスプロケット締結孔36は、スプロケットボディ32に設けられる。複数のスプロケット締結孔36のそれぞれは、締結部材38を受けるように構成される。締結部材38は、リアスプロケット30とスプロケットキャリア70とを互いに締結する。締結部材38は、複数の締結部材38を含む。複数の締結部材38は、同一のスプロケットキャリア70をリアスプロケット30に締結するために、複数のスプロケット締結孔36に取り付けられる。複数のスプロケット締結孔36のそれぞれは、例えば、軸方向ADに延びる。複数のスプロケット締結孔36のそれぞれは、スプロケットボディ32を軸方向ADに貫通する。締結部材38は、リアスプロケット30に対するスプロケットキャリア70の位置を決定する。例えば、締結部材38は、リベットを含む。
【0047】
締結部材38の寸法は、締結部材38が取り付けられるスプロケット締結孔36の寸法と対応する。例えば、スプロケット締結孔36は、締結部材38がスプロケット締結孔36から突出しないように構成される。例えば、複数のスプロケット締結孔36の内径は、互いに全て等しい。複数のスプロケット締結孔36のうちの少なくとも1つの内径が、複数のスプロケット締結孔36のうちの他の内径と異なっていてもよい。スプロケット締結孔36は、スプロケット孔軸心を有する。スプロケット孔軸心は、スプロケット締結孔36の中心を通過する軸心である。
【0048】
複数のスプロケット締結孔36は、少なくとも1つの第1スプロケット締結孔40と、少なくとも1つの第2スプロケット締結孔42と、を含む。少なくとも1つの第1スプロケット締結孔40は、第1スプロケット孔軸心S1を有する。少なくとも1つの第1スプロケット締結孔40は、それぞれの第1スプロケット孔軸心S1が径方向RDにおいて同じ位置に配置される。少なくとも1つの第1スプロケット締結孔40は、それぞれの第1スプロケット孔軸心S1が周方向CDにおいて異なる位置に配置される。少なくとも1つの第2スプロケット締結孔42は、第2スプロケット孔軸心S2を有する。複数の第2スプロケット締結孔42は、それぞれの第2スプロケット孔軸心S2が径方向RDにおいて同じ位置に配置される。複数の第2スプロケット締結孔42は、それぞれの第2スプロケット孔軸心S2が周方向CDにおいて異なる位置に配置される。少なくとも1つの第1スプロケット締結孔40は、径方向RDにおいて、少なくとも1つの第1スプロケット締結孔40から径方向外側に複数のスプロケット締結孔36のうちの他のスプロケット締結孔36が無いように配置される。少なくとも1つの第2スプロケット締結孔42は、径方向RDにおいて、少なくとも1つの第2スプロケット締結孔42から径方向外側に複数のスプロケット締結孔36のうちの他のスプロケット締結孔36が無いように配置される。
【0049】
径方向RDにおいて、回転中心軸心Cから第1スプロケット孔軸心S1までの第1スプロケット径距離X1が定義される。径方向RDにおいて、回転中心軸心Cから第2スプロケット孔軸心S2までの第2スプロケット径距離X2が定義される。第1スプロケット径距離X1は、第2スプロケット径距離X2と異なる。例えば、第1スプロケット径距離X1は、第2スプロケット径距離X2よりも大きい。
【0050】
例えば、少なくとも1つの第1スプロケット締結孔40は、複数の第1スプロケット締結孔40を含む。例えば、複数の第1スプロケット締結孔40は、6つの第1スプロケット締結孔40を含む。例えば、少なくとも1つの第2スプロケット締結孔42は、複数の第2スプロケット締結孔42を含む。例えば、複数の第2スプロケット締結孔42は、2つの第2スプロケット締結孔42を含む。
【0051】
本実施形態では、第1スプロケット締結孔40と第2スプロケット締結孔42との総数は8つであり、第1スプロケット締結孔40の数は6つであり、第2スプロケット締結孔42の数は、2つである。例えば、第1スプロケット締結孔40の数は、第2スプロケット締結孔42の数よりも多い。第1スプロケット締結孔40の数は、第2スプロケット締結孔42の数以下であってもよい。
【0052】
例えば、少なくとも1つの第1スプロケット締結孔40は、第1スプロケット径距離X1が第2スプロケット径距離X2よりも大きくなるように、径方向RDにおいて、少なくとも1つの第2スプロケット締結孔42から径方向外側に配置される。例えば、全ての第1スプロケット締結孔40は、第1スプロケット径距離X1が第2スプロケット径距離X2よりも大きくなるように、径方向RDにおいて、全ての第2スプロケット締結孔42から径方向外側に配置される。
【0053】
例えば、第1スプロケット径距離X1は、第2スプロケット径距離X2の1.0倍よりも大きく、かつ、第2スプロケット径距離X2の1.5倍よりも小さい。例えば、第1スプロケット径距離X1は、第2スプロケット径距離X2の1.1倍よりも大きく、かつ、第2スプロケット径距離X2の1.2倍よりも小さい。例えば、第1スプロケット径距離X1は、80.0mmである。例えば、第2スプロケット径距離X2は、69.5mmである。第1スプロケット径距離X1および第2スプロケット径距離X2は、リアスプロケット30の形状に応じて設定されてもよい。
【0054】
例えば、複数のスプロケット締結孔36は、少なくとも1つの第1サブスプロケット締結孔44を含む。例えば、少なくとも1つの第1サブスプロケット締結孔44は、複数の第1サブスプロケット締結孔44を含む。例えば、複数の第1サブスプロケット締結孔44は、6つの第1サブスプロケット締結孔44を含む。例えば、少なくとも1つの第1サブスプロケット締結孔44は、第1サブスプロケット孔軸心S3を有する。少なくとも1つの第1サブスプロケット締結孔44は、それぞれの第1サブスプロケット孔軸心S3が径方向RDにおいて同じ位置に配置される。少なくとも1つの第1サブスプロケット締結孔44は、それぞれの第1サブスプロケット孔軸心S3が周方向CDにおいて異なる位置に配置される。
【0055】
例えば、少なくとも1つの第1サブスプロケット締結孔44は、径方向RDにおいて、少なくとも1つの第1スプロケット締結孔40から径方向内側に配置される。例えば、全ての第1サブスプロケット締結孔44は、径方向RDにおいて、全ての第1スプロケット締結孔40から径方向内側に配置される。少なくとも1つの第1サブスプロケット締結孔44の数は、少なくとも1つの第1スプロケット締結孔40の数と等しい。
【0056】
例えば、複数のスプロケット締結孔36は、少なくとも1つの第2サブスプロケット締結孔46を含む。例えば、少なくとも1つの第2サブスプロケット締結孔46は、複数の第2サブスプロケット締結孔46を含む。例えば、複数の第2サブスプロケット締結孔46は、2つの第2サブスプロケット締結孔46を含む。例えば、少なくとも1つの第2サブスプロケット締結孔46は、第2サブスプロケット孔軸心S4を有する。少なくとも1つの第2サブスプロケット締結孔46は、それぞれの第2サブスプロケット孔軸心S4が径方向RDにおいて同じ位置に配置される。少なくとも1つの第2サブスプロケット締結孔46は、それぞれの第2サブスプロケット孔軸心S4が周方向CDにおいて異なる位置に配置される。
【0057】
例えば、少なくとも1つの第2サブスプロケット締結孔46は、径方向RDにおいて、少なくとも1つの第2スプロケット締結孔42から径方向内側に配置される。例えば、全ての第2サブスプロケット締結孔46は、径方向RDにおいて、全ての第2スプロケット締結孔42から径方向内側に配置される。少なくとも1つの第2サブスプロケット締結孔46の数は、少なくとも1つの第2スプロケット締結孔42の数と等しい。
【0058】
例えば、径方向RDにおいて、回転中心軸心Cから第1サブスプロケット孔軸心S3までの第3スプロケット径距離X3が定義される。例えば、径方向RDにおいて、回転中心軸心Cから第2サブスプロケット孔軸心S4までの第4スプロケット径距離X4が定義される。例えば、第3スプロケット径距離X3は、第4スプロケット径距離X4と等しい。例えば、第3スプロケット径距離X3および第4スプロケット径距離X4は、60mmである。第3スプロケット径距離X3および第4スプロケット径距離X4は、リアスプロケット30の形状に応じて設定されてもよい。
【0059】
例えば、径方向RDにおいて、第1スプロケット孔軸心S1から第1サブスプロケット孔軸心S3までの第5スプロケット径距離X5が定義される。例えば、径方向RDにおいて、第2スプロケット孔軸心S2から第2サブスプロケット孔軸心S4までの第6スプロケット径距離X6が定義される。例えば、第5スプロケット径距離X5は、第6スプロケット径距離X6と異なる。例えば、第5スプロケット径距離X5は、第6スプロケット径距離X6よりも大きい。
【0060】
例えば、第5スプロケット径距離X5は、第6スプロケット径距離X6の2倍よりも大きく、かつ、第6スプロケット径距離X6の3倍よりも小さい。例えば、第5スプロケット径距離X5は、第6スプロケット径距離X6の2倍よりも大きく、かつ、第6スプロケット径距離X6の2.5倍よりも小さい。例えば、第5スプロケット径距離X5は、20.0mmである。例えば、第6スプロケット径距離X6は、9.5mmである。第5スプロケット径距離X5および第6スプロケット径距離X6は、リアスプロケット30の形状に応じて設定されてもよい。
【0061】
図4に示されるように、締結部材38は、第1締結部材38Aと、第2締結部材38Bと、を含む。第1締結部材38Aの軸方向ADにおける長さは、第2締結部材38Bの軸方向ADにおける長さよりも短い。第1締結部材38Aは、第1スプロケット締結孔40および第2スプロケット締結孔42に取り付けられる。第1締結部材38Aは、軸方向ADにおいてリアスプロケット30およびスプロケットキャリア70を貫通する。第2締結部材38Bは、第1サブスプロケット締結孔44および第2サブスプロケット締結孔46に取り付けられる。第2締結部材38Bは、軸方向ADにおいてスプロケットキャリア70、リアスプロケット30、位置決め部材26B、スプロケット26Aの順に貫通する。位置決め部材26Bは、軸方向ADにおけるスプロケット26Aに対するリアスプロケット30の位置を決める部材である。
【0062】
図4および
図5に示されるように、例えば、スプロケットボディ32は、外側環状ボディ32Aと、内側環状ボディ32Bと、複数の連結アーム32Cと、を含む。外側環状ボディ32Aは、外側環状内周部32Dと、外側環状外周部32Eと、を有する。外側環状内周部32Dは、外側環状ボディ32Aのうち、取付状態においてハブ軸28を向く部分である。外側環状内周部32Dには、複数の連結アーム32Cが設けられる。外側環状外周部32Eは、外側環状ボディ32Aのうち、取付状態において回転中心軸心Cに関する径方向RDにおいて外側環状内周部32Dとは反対側の部分である。外側環状外周部32Eには、複数のスプロケット歯34が設けられる。
【0063】
例えば、内側環状ボディ32Bは、組立状態において、トルクを伝達可能なハブアセンブリ16のスプロケット支持ボディ16Aに連結されるように構成される。例えば、組立状態は、リアスプロケット30がハブアセンブリ16に取り付けられる状態である。組立状態において、リアスプロケット30は、リアスプロケットアセンブリ26の一部として、ハブアセンブリ16に取り付けられる。内側環状ボディ32Bは、ハブアセンブリ16のスプロケット支持ボディ16Aと係合する複数のリアスプロケットスプライン歯32Fを有する。複数のリアスプロケットスプライン歯32Fが、ハブアセンブリ16のスプロケット支持ボディ16Aと係合することによって、トルクが内側環状ボディ32Bからスプロケット支持ボディ16Aに伝達される。
【0064】
例えば、複数の連結アーム32Cは、径方向RDにおいて、外側環状ボディ32Aと内側環状ボディ32Bとの間に延びる。複数の連結アーム32Cは、リアスプロケット30の回転中心軸心Cに関する径方向RDにおいて、外側環状ボディ32Aと内側環状ボディ32Bとの間に位置する。例えば、複数の連結アーム32Cは、8本の連結アーム32Cを含む。
【0065】
図1および
図5に示されるように、ペダル24に入力されたトルクは、クランク12、フロントスプロケット14、および、駆動チェーン18を介してリアスプロケット30に入力される。リアスプロケット30に入力されたトルクは、複数のスプロケット歯34からスプロケットボディ32に伝達される。内側環状ボディ32Bがハブアセンブリ16のスプロケット支持ボディ16Aに連結されるため、スプロケットボディ32に伝達されたトルクがスプロケット支持ボディ16Aに伝達される。スプロケット支持ボディ16Aに伝達されたトルクは、人力駆動車10の後輪に出力される。
【0066】
例えば、第1スプロケット締結孔40と第2スプロケット締結孔42との総数は、複数の連結アーム32Cの数と等しい。例えば、1つの連結アーム32Cに、複数の第1スプロケット締結孔40のうちの1つ、または、複数の第2スプロケット締結孔42のうちの1つが対応する。例えば、1つの連結アーム32Cの延びる方向において、複数の第1スプロケット締結孔40のうちの1つ、または、複数の第2スプロケット締結孔42のうちの1つがスプロケットボディ32に設けられる。
【0067】
図5に示されるように、例えば、少なくとも1つの第1スプロケット締結孔40は、外側環状ボディ32Aに少なくとも一部が配置される。例えば、全ての第1スプロケット締結孔40は、それぞれ外側環状ボディ32Aに少なくとも一部が配置され、かつ、複数の連結アーム32Cの少なくとも1つに少なくとも一部が配置される。少なくとも1つの第1スプロケット締結孔40は、外側環状ボディ32Aに全体が配置されてもよい。少なくとも1つの第1スプロケット締結孔40は、連結アーム32Cの少なくとも1つに全体が配置されてもよい。例えば、少なくとも1つの第2スプロケット締結孔42は、複数の連結アーム32Cの少なくとも1つに全体が配置される。例えば、全ての第2スプロケット締結孔42のそれぞれは、複数の連結アーム32Cのうちの1つに、全体が配置される。
【0068】
例えば、複数の連結アーム32Cのそれぞれは、回転中心軸心Cを通過する連結アーム中心線A1を有する。連結アーム中心線A1は、連結アーム32Cのそれぞれの周方向CDにおける中心を通過する。連結アーム中心線A1は、連結アーム32Cのそれぞれの周方向CDにおける中心ではなく、連結アーム32Cのそれぞれの周方向CDにおける重心を通過してもよい。複数の連結アーム32Cは、連結アーム中心線A1が回転中心軸心Cを通過しないように配置されてもよい。
【0069】
例えば、連結アーム中心線A1のそれぞれは、周方向CDにおいて第1スプロケット締結孔40または第2スプロケット締結孔42を通過する。例えば、周方向CDにおいてダウンシフト凹部54、第1アップシフト凹部60Aまたは第2アップシフト凹部62Aと重なる連結アーム中心線A1は、第2スプロケット締結孔42を通過する。例えば、連結アーム中心線A1のそれぞれは、周方向CDにおいて第1サブスプロケット締結孔44または第2サブスプロケット締結孔46を通過する。例えば、周方向CDにおいてダウンシフト凹部54、第1アップシフト凹部60Aまたは第2アップシフト凹部62Aと重なる連結アーム中心線A1は、第2サブスプロケット締結孔46を通過する。
【0070】
1つの第1スプロケット締結孔40は、1つの連結アーム中心線A1が通過するように、スプロケットボディ32に配置される。1つの連結アーム中心線A1は、1つの第1スプロケット締結孔40の第1スプロケット孔軸心S1を通過する。1つの連結アーム中心線A1上において、1つの第1スプロケット締結孔40よりも径方向外側のスプロケットボディ32には、他のスプロケット締結孔36が配置されない。
【0071】
1つの第2スプロケット締結孔42は、1つの連結アーム中心線A1が通過するように、スプロケットボディ32に配置される。1つの連結アーム中心線A1は、1つの第2スプロケット締結孔42の第2スプロケット孔軸心S2を通過する。1つの連結アーム中心線A1上において、1つの第2スプロケット締結孔42よりも径方向外側のスプロケットボディ32には、他のスプロケット締結孔36が配置されない。
【0072】
1つの第1サブスプロケット締結孔44は、1つの連結アーム中心線A1が通過するように、スプロケットボディ32に配置される。1つの連結アーム中心線A1は、1つの第1サブスプロケット締結孔44の第1サブスプロケット孔軸心S3を通過する。例えば、第1サブスプロケット孔軸心S3は、周方向CDにおいて、第1スプロケット孔軸心S1と揃う。第1サブスプロケット孔軸心S3のそれぞれは、周方向CDにおいて、第1スプロケット孔軸心S1のうちのいずれか1つと揃う。1つの連結アーム中心線A1上において、1つの第1サブスプロケット締結孔44よりも径方向内側のスプロケットボディ32には、他のスプロケット締結孔36が配置されない。1つの連結アーム中心線A1上において、1つの第1サブスプロケット締結孔44よりも径方向外側のスプロケットボディ32には、第1スプロケット締結孔40が配置される。
【0073】
1つの第2サブスプロケット締結孔46は、1つの連結アーム中心線A1が通過するように、スプロケットボディ32に配置される。1つの連結アーム中心線A1は、1つの第2サブスプロケット締結孔46の第2サブスプロケット孔軸心S4を通過する。例えば、第2サブスプロケット孔軸心S4は、周方向CDにおいて、第2スプロケット孔軸心S2と揃う。第2サブスプロケット孔軸心S4のそれぞれは、周方向CDにおいて、第2スプロケット孔軸心S2のうちのいずれか1つと揃う。1つの連結アーム中心線A1上において、1つの第2サブスプロケット締結孔46よりも径方向内側のスプロケットボディ32には、他のスプロケット締結孔36が配置されない。1つの連結アーム中心線A1上において、1つの第2サブスプロケット締結孔46よりも径方向外側のスプロケットボディ32には、第2スプロケット締結孔42が配置される。
【0074】
図4に示されるように、例えば、複数のスプロケット歯34のそれぞれは、径方向RDにおける最大径方向長さL1と、軸方向ADにおける最大軸方向長さL2と、を有する。例えば、最大径方向長さL1は、スプロケットボディ32の外側環状外周部32Eからスプロケット歯34の歯先までの長さである。例えば、最大軸方向長さL2は、軸方向外向面30Aから軸方向内向面30Bまでの長さである。例えば、最大径方向長さL1は、最大軸方向長さL2よりも大きい。
【0075】
図5および
図6に示されるように、例えば、複数のスプロケット歯34は、複数のダウンシフト促進歯48を含む。例えば、複数のダウンシフト促進歯48は、ダウンシフト動作を促進するように構成される。例えば、ダウンシフト動作は、駆動チェーン18が隣接する小さいスプロケット26Aからリアスプロケット30に移動する動作である。例えば、駆動チェーン18は、ダウンシフト動作において、人力駆動車10のリアディレイラによって、スプロケット26Aからリアスプロケット30に移動させられる。
【0076】
例えば、複数のダウンシフト促進歯48は、ダウンシフト開始歯50と、ダウンシフト凹部歯52と、を含む。例えば、ダウンシフト開始歯50は、ダウンシフト動作において駆動チェーン18に最初に係合するように構成される。ダウンシフト開始歯50の歯先は、軸方向ADにおいて、ダウンシフト開始歯50の駆動面からダウンシフト開始歯50の非駆動面に向かって軸方向外向面30Aに近づくように傾斜する。
【0077】
例えば、ダウンシフト凹部歯52は、ダウンシフト動作において、駆動チェーン18が軸方向ADにおいて軸方向外向面30Aから軸方向内向面30Bに向かう方向に移動できるように構成される。例えば、ダウンシフト凹部歯52は、周方向CDにおいてダウンシフト開始歯50とダウンシフト凹部歯52との間に複数のスプロケット歯34のうちの他のスプロケット歯34が無いように、リアスプロケット30の駆動回転方向RD1に関するダウンシフト開始歯50の下流側においてダウンシフト開始歯50に隣接する。ダウンシフト凹部歯52の歯先は、軸方向ADにおいて、ダウンシフト凹部歯52の駆動面からダウンシフト凹部歯52の非駆動面に向かって軸方向内向面30Bに近づくように傾斜する。
【0078】
例えば、ダウンシフト凹部歯52は、ダウンシフト凹部54を有する。例えば、ダウンシフト凹部54は、軸方向ADにおいて、軸方向外向面30Aから軸方向内向面30Bに向けて凹むように、ダウンシフト凹部歯52の軸方向外向面30Aに設けられる。例えば、ダウンシフト凹部54は、第1ダウンシフト凹部54Aと第2ダウンシフト凹部54Bとを含む。例えば、第1ダウンシフト凹部54Aおよび第2ダウンシフト凹部54Bは、段押し加工によって形成される。第2ダウンシフト凹部54Bの軸方向ADにおける深さは、第1ダウンシフト凹部54Aの軸方向ADにおける深さと異なる。例えば、第2ダウンシフト凹部54Bの軸方向ADにおける深さは、第1ダウンシフト凹部54Aの軸方向ADにおける深さよりも大きい。第2ダウンシフト凹部54Bの軸方向ADにおける深さは、第1ダウンシフト凹部54Aの軸方向ADにおける深さと異ならなくてもよい。
【0079】
複数のダウンシフト促進歯48は、リアスプロケット30のダウンシフト領域を形成する。ダウンシフト領域には、ダウンシフト動作におけるリアスプロケット30の変速性能を向上させる構造として、ダウンシフト凹部54が形成される。リアスプロケット30には、複数のダウンシフト領域が形成される。複数のダウンシフト領域のそれぞれには、ダウンシフト開始歯50と、ダウンシフト凹部歯52と、が形成される。
図5のリアスプロケット30には、4つのダウンシフト領域が形成される。
【0080】
ダウンシフト動作における駆動チェーン18の動作について説明する。
ダウンシフト動作において、スプロケット26Aに係合する駆動チェーン18が、リアディレイラによって、リアスプロケット30のダウンシフト凹部歯52に向かって移動する。リアディレイラによって、駆動チェーン18は、リアスプロケット30に向かって移動し、かつ、ダウンシフト凹部54に沿ってスプロケット26Aの径方向外側に誘導される。ダウンシフト開始歯50の歯先が、ダウンシフト開始歯50の駆動面からダウンシフト開始歯50の非駆動面に向かって、軸方向外向面30Aに近づくように傾斜しているため、ダウンシフト開始歯50に駆動チェーン18が嵌り込みやすい。径方向外側に誘導された駆動チェーン18に、ダウンシフト開始歯50の歯先が嵌まり込むことによって、ダウンシフト開始歯50が駆動チェーン18に係合する。その後、リアスプロケット30が駆動回転方向RD1に回転するにしたがって、駆動チェーン18が、スプロケット26Aから外れる。スプロケット26Aから外れた駆動チェーン18がリアスプロケット30に係合することによって、ダウンシフト動作が終了する。
【0081】
例えば、複数のスプロケット締結孔36のそれぞれは、ダウンシフト凹部54と重なることを避けるように配置される。例えば、複数のスプロケット締結孔36のそれぞれは、ダウンシフト凹部54から第1所定間隔以上を置いて配置される。複数のスプロケット締結孔36のうち、周方向CDにおいてダウンシフト凹部54と重なるスプロケット締結孔36は、径方向RDにおいてダウンシフト凹部54と重ならないように配置される。例えば、第1スプロケット締結孔40は、周方向CDにおいてダウンシフト凹部54と重ならないように配置される。例えば、第2スプロケット締結孔42は、径方向RDにおいてダウンシフト凹部54と重ならないように配置される。例えば、第1サブスプロケット締結孔44および第2サブスプロケット締結孔46は、周方向CDおよび径方向RDにおいてダウンシフト凹部54と重ならないように配置される。
【0082】
例えば、第1スプロケット径距離X1は、第2スプロケット径距離X2よりも大きい。例えば、少なくとも1つの第2スプロケット締結孔42は、径方向RDにおいて、ダウンシフト凹部54から径方向内側に配置される。第2スプロケット締結孔42は、径方向RDにおいてダウンシフト凹部54よりも径方向内側に配置される。第1サブスプロケット締結孔44および第2サブスプロケット締結孔46は、径方向RDにおいてダウンシフト凹部54よりも径方向内側に配置される。
【0083】
例えば、複数のスプロケット歯34は、複数のアップシフト促進歯56を含む。例えば、複数のアップシフト促進歯56は、アップシフト動作を促進するように構成される。例えば、アップシフト動作は、駆動チェーン18がリアスプロケット30から隣接する小さいスプロケット26Aに移動する動作である。例えば、駆動チェーン18は、アップシフト動作において、人力駆動車10のリアディレイラによって、リアスプロケット30からスプロケット26Aに移動させられる。
【0084】
例えば、複数のアップシフト促進歯56は、アップシフト変位歯58と、アップシフト開始歯60と、アップシフト凹部歯62と、を含む。例えば、アップシフト変位歯58は、アップシフト動作において駆動チェーン18を隣接する小さいスプロケット26Aに向かって変位させるように構成される。アップシフト変位歯58の歯先は、軸方向ADにおいて、アップシフト変位歯58の駆動面からアップシフト変位歯58の非駆動面に向かって軸方向内向面30Bに近づくように傾斜する。
【0085】
例えば、アップシフト開始歯60は、アップシフト動作において、駆動チェーン18から最初に外れるように構成される。例えば、アップシフト開始歯60は、周方向CDにおいてアップシフト開始歯60とアップシフト変位歯58との間に複数のスプロケット歯34のうちの他のスプロケット歯34が無いように、リアスプロケット30の駆動回転方向RD1に関するアップシフト変位歯58の上流側においてアップシフト変位歯58に隣接する。
【0086】
例えば、アップシフト開始歯60は、第1アップシフト凹部60Aを有する。例えば、第1アップシフト凹部60Aは、軸方向ADにおいて軸方向外向面30Aから軸方向内向面30Bに向けて凹むようにアップシフト開始歯60の軸方向外向面30Aに設けられる。第1アップシフト凹部60Aは、アップシフト開始歯60の駆動面からアップシフト開始歯60の非駆動面まで延びる。例えば、第1アップシフト凹部60Aは、段押し加工によって形成される。
【0087】
例えば、アップシフト凹部歯62は、アップシフト動作において、アップシフト開始歯60から外れた駆動チェーン18と係合しないように構成される。例えば、アップシフト凹部歯62は、周方向CDにおいてアップシフト凹部歯62とアップシフト開始歯60との間に複数のスプロケット歯34のうちの他のスプロケット歯34が無いように、リアスプロケット30の駆動回転方向RD1に関するアップシフト開始歯60の上流側においてアップシフト開始歯60に隣接する。
【0088】
例えば、アップシフト凹部歯62は、第2アップシフト凹部62Aを有する。例えば、第2アップシフト凹部62Aは、軸方向ADにおいて軸方向外向面30Aから軸方向内向面30Bに向けて凹むようにアップシフト凹部歯62の軸方向外向面30Aに設けられる。第2アップシフト凹部62Aは、アップシフト凹部歯62の駆動面からアップシフト凹部歯62の非駆動面まで延びる。例えば、第2アップシフト凹部62Aは、段押し加工によって形成される。
【0089】
第2アップシフト凹部62Aの軸方向ADにおける深さは、第1アップシフト凹部60Aの軸方向ADにおける深さと異なる。例えば、第2アップシフト凹部62Aの軸方向ADにおける深さは、第1アップシフト凹部60Aの軸方向ADにおける深さよりも小さい。第2アップシフト凹部62Aの軸方向ADにおける深さは、第1アップシフト凹部60Aの軸方向ADにおける深さと異ならなくてもよい。
【0090】
複数のアップシフト促進歯56は、リアスプロケット30のアップシフト領域を形成する。アップシフト領域には、アップシフト動作におけるリアスプロケット30の変速性能を向上させる構造として、第1アップシフト凹部60Aおよび第2アップシフト凹部62Aが形成される。リアスプロケット30には、複数のアップシフト領域が形成される。複数のアップシフト領域のそれぞれには、アップシフト変位歯58と、アップシフト開始歯60と、アップシフト凹部歯62と、が形成される。
図5のリアスプロケット30には、5つのアップシフト領域が形成される。
【0091】
アップシフト動作における駆動チェーン18の動作について説明する。
アップシフト動作において、リアスプロケット30に係合する駆動チェーン18が、リアディレイラによって、スプロケット26Aに向かって移動する。駆動チェーン18がアップシフト変位歯58に係合すると、アップシフト変位歯58の歯先が、アップシフト変位歯58の駆動面からアップシフト変位歯58の非駆動面に向かって、軸方向内向面30Bに近づくように傾斜するため、駆動チェーン18がスプロケット26Aに向けて寄せられる。第1アップシフト凹部60Aによってアップシフト開始歯60の歯先が軸方向内向面30Bに寄っているため、スプロケット26Aに向けて寄せられた駆動チェーン18は、アップシフト開始歯60から外れやすい。第2アップシフト凹部62Aによってアップシフト凹部歯62の歯先がアップシフト開始歯60の歯先よりも軸方向内向面30Bに寄っているため、アップシフト開始歯60から外れた駆動チェーン18は、アップシフト凹部歯62に係合しない。その後、リアスプロケット30が駆動回転方向RD1に回転するにしたがって、駆動チェーン18が、リアスプロケット30から外れる。リアスプロケット30から外れた駆動チェーン18がスプロケット26Aに係合することによって、アップシフト動作が終了する。
【0092】
例えば、複数のスプロケット締結孔36は、第1アップシフト凹部60Aおよび第2アップシフト凹部62Aと重なることを避けるように配置される。例えば、複数のスプロケット締結孔36のそれぞれは、第1アップシフト凹部60Aから第2所定間隔以上を置き、かつ、第2アップシフト凹部62Aから第3所定間隔以上を置いて配置される。第1スプロケット締結孔40は、周方向CDにおいて第1アップシフト凹部60Aおよび第2アップシフト凹部62Aと重ならないように配置される。第2スプロケット締結孔42は、径方向RDにおいて第1アップシフト凹部60Aおよび第2アップシフト凹部62Aと重ならないように配置される。第1サブスプロケット締結孔44および第2サブスプロケット締結孔46は、周方向CDおよび径方向RDにおいて、第1アップシフト凹部60Aおよび第2アップシフト凹部62Aと重ならないように配置される。
【0093】
例えば、第1スプロケット径距離X1は、第2スプロケット径距離X2よりも大きい。例えば、少なくとも1つの第2スプロケット締結孔42は、径方向RDにおいて、第1アップシフト凹部60Aおよび第2アップシフト凹部62Aから径方向内側に配置される。第2スプロケット締結孔42は、径方向RDにおいて第1アップシフト凹部60Aおよび第2アップシフト凹部62Aよりも径方向内側に配置される。第1サブスプロケット締結孔44および第2サブスプロケット締結孔46は、径方向RDにおいて第1アップシフト凹部60Aおよび第2アップシフト凹部62Aよりも径方向内側に配置される。
【0094】
図3に示されるように、スプロケットキャリア70は、人力駆動車用のリアスプロケット30を支持するように構成される。例えば、スプロケットキャリア70は、リアスプロケット30よりも軽量な材料によって形成される。スプロケットキャリア70は、リアスプロケット30と同一の材料によって形成されてもよい。
【0095】
スプロケットキャリア70は、回転中心軸心を有する。スプロケットキャリア70の回転中心軸心は、リアスプロケット30の回転中心軸心Cに一致する。本実施形態では、スプロケットキャリア70の回転中心軸心が、回転中心軸心Cとして説明される。軸方向、径方向、および、周方向が回転中心軸心に関して定義される。スプロケットキャリア70の回転中心軸心に関して定義される軸方向、径方向、および、周方向は、リアスプロケット30の回転中心軸心Cに関して定義される軸方向AD、径方向RD、および、周方向CDに一致する。本実施形態では、スプロケットキャリア70の回転中心軸心に関して定義される軸方向、径方向、および、周方向が、軸方向AD、径方向RD、および、周方向CDとしてそれぞれ説明される。
【0096】
図4および
図7に示されるように、スプロケットキャリア70は、中心ボディ72と、複数の支持アーム74と、複数のキャリア締結孔76と、を備える。中心ボディ72は、組立状態において、ハブアセンブリ16のスプロケット支持ボディ16Aに連結されるように構成される。組立状態において、スプロケットキャリア70は、リアスプロケットアセンブリ26の一部として、ハブアセンブリ16に取り付けられる。中心ボディ72は、ハブアセンブリ16のスプロケット支持ボディ16Aと係合する複数のスプロケットキャリアスプライン歯72Aを有する。中心ボディ72が複数のスプロケットキャリアスプライン歯72Aを有さなくてもよい。スプロケットキャリア70は締結部材38によってリアスプロケット30に締結されることによって、リアスプロケットアセンブリ26に取り付けられてもよい。
【0097】
複数の支持アーム74は、径方向RDにおいて、中心ボディ72から径方向外側に延びる。例えば、複数の支持アーム74は、8本の支持アーム74を含む。複数の支持アーム74の数は、複数の連結アーム32Cの数と等しい。複数の支持アーム74の数は、複数の連結アーム32Cの数と異なっていてもよい。複数の支持アーム74の数は、複数の連結アーム32Cの数よりも少なくてもよい。
【0098】
複数のキャリア締結孔76は、複数の支持アーム74に設けられる。複数のキャリア締結孔76のそれぞれは、締結部材38を受けるように構成される。締結部材38は、スプロケットキャリア70とリアスプロケット30とを互いに締結する。複数の締結部材38は、同一のリアスプロケット30をスプロケットキャリア70に締結するために、複数のキャリア締結孔76に取り付けられる。例えば、1つのキャリア締結孔76は、1つのスプロケット締結孔36に取り付けられた締結部材38を受けるように構成される。
【0099】
例えば、複数のキャリア締結孔76の数は、複数のスプロケット締結孔36の数と等しい。例えば、複数のキャリア締結孔76のそれぞれは、軸方向ADにおいて、複数のスプロケット締結孔36のいずれか1つに対応する位置に配置される。キャリア締結孔76は、キャリア孔軸心を有する。キャリア孔軸心は、キャリア締結孔76の中心を通過する軸心である。複数のキャリア締結孔76は、少なくとも1つの第1キャリア締結孔78と、少なくとも1つの第2キャリア締結孔80と、を含む。
【0100】
少なくとも1つの第1キャリア締結孔78は、第1キャリア孔軸心C1を有する。少なくとも1つの第1キャリア締結孔78は、それぞれの第1キャリア孔軸心C1が径方向RDにおいて同じ位置に配置される。少なくとも1つの第1キャリア締結孔78は、それぞれの第1キャリア孔軸心C1が周方向CDにおいて異なる位置に配置される。少なくとも1つの第2キャリア締結孔80は、第2キャリア孔軸心C2を有する。複数の第2キャリア締結孔80は、それぞれの第2キャリア孔軸心C2が径方向RDにおいて同じ位置に配置される。複数の第2キャリア締結孔80は、それぞれの第2キャリア孔軸心C2が周方向CDにおいて異なる位置に配置される。少なくとも1つの第1キャリア締結孔78は、径方向RDにおいて、少なくとも1つの第1キャリア締結孔78から径方向外側に複数のキャリア締結孔76のうちの他のキャリア締結孔76が無いように配置される。少なくとも1つの第2キャリア締結孔80は、径方向RDにおいて、少なくとも1つの第2キャリア締結孔80から径方向外側に複数のキャリア締結孔76のうちの他のキャリア締結孔76が無いように配置される。
【0101】
径方向RDにおいて、回転中心軸心Cから第1キャリア孔軸心C1までの第1キャリア径距離Y1が定義される。径方向RDにおいて、回転中心軸心Cから第2キャリア孔軸心C2までの第2キャリア径距離Y2が定義される。第1キャリア径距離Y1は、第2キャリア径距離Y2と異なる。例えば、第1キャリア径距離Y1は、第2キャリア径距離Y2よりも大きい。例えば、第1キャリア径距離Y1は、第1スプロケット径距離X1と等しい。例えば、第2キャリア径距離Y2は、第2スプロケット径距離X2と等しい。
【0102】
例えば、少なくとも1つの第1キャリア締結孔78は、複数の第1キャリア締結孔78を含む。例えば、複数の第1キャリア締結孔78は、6つの第1キャリア締結孔78を含む。例えば、少なくとも1つの第2キャリア締結孔80は、複数の第2キャリア締結孔80を含む。例えば、複数の第2キャリア締結孔80は、2つの第2キャリア締結孔80を含む。
【0103】
例えば、少なくとも1つの第1キャリア締結孔78は、第1キャリア径距離Y1が第2キャリア径距離Y2よりも大きくなるように、径方向RDにおいて、少なくとも1つの第2キャリア締結孔80から径方向外側に配置される。例えば、全ての第1キャリア締結孔78は、第1キャリア径距離Y1が第2キャリア径距離Y2よりも大きくなるように、径方向RDにおいて、全ての第2キャリア締結孔80から径方向外側に配置される。
【0104】
例えば、複数のキャリア締結孔76は、少なくとも1つの第1サブキャリア締結孔82を含む。例えば、少なくとも1つの第1サブキャリア締結孔82は、複数の第1サブキャリア締結孔82を含む。例えば、複数の第1サブキャリア締結孔82は、6つの第1サブキャリア締結孔82を含む。例えば、少なくとも1つの第1サブキャリア締結孔82は、第1サブキャリア孔軸心C3を有する。少なくとも1つの第1サブキャリア締結孔82は、それぞれの第1サブキャリア孔軸心C3が径方向RDにおいて同じ位置に配置される。少なくとも1つの第1サブキャリア締結孔82は、それぞれの第1サブキャリア孔軸心C3が周方向CDにおいて異なる位置に配置される。
【0105】
例えば、少なくとも1つの第1サブキャリア締結孔82は、径方向RDにおいて、少なくとも1つの第1キャリア締結孔78の径方向内側に配置される。例えば、全ての第1サブキャリア締結孔82は、径方向RDにおいて、全ての第1キャリア締結孔78から径方向内側に配置される。少なくとも1つの第1サブキャリア締結孔82の数は、少なくとも1つの第1キャリア締結孔78の数と等しい。
【0106】
例えば、複数のキャリア締結孔76は、少なくとも1つの第2サブキャリア締結孔84を含む。例えば、少なくとも1つの第2サブキャリア締結孔84は、複数の第2サブキャリア締結孔84を含む。例えば、複数の第2サブキャリア締結孔84は、2つの第2サブキャリア締結孔84を含む。例えば、少なくとも1つの第2サブキャリア締結孔84は、第2サブキャリア孔軸心C4を有する。少なくとも1つの第2サブキャリア締結孔84は、それぞれの第2サブキャリア孔軸心C4が径方向RDにおいて同じ位置に配置される。少なくとも1つの第2サブキャリア締結孔84は、それぞれの第2サブキャリア孔軸心C4が周方向CDにおいて異なる位置に配置される。
【0107】
例えば、少なくとも1つの第2サブキャリア締結孔84は、径方向RDにおいて、少なくとも1つの第2キャリア締結孔80の径方向内側に配置される。例えば、全ての第2サブキャリア締結孔84は、径方向RDにおいて、全ての第2キャリア締結孔80から径方向内側に配置される。少なくとも1つの第2サブキャリア締結孔84の数は、少なくとも1つの第2キャリア締結孔80の数と等しい。
【0108】
例えば、径方向RDにおいて、回転中心軸心Cから第1サブキャリア孔軸心C3までの第3キャリア径距離Y3が定義される。例えば、径方向RDにおいて、回転中心軸心Cから第2サブキャリア孔軸心C4までの第4キャリア径距離Y4が定義される。例えば、第3キャリア径距離Y3は、第4キャリア径距離Y4と等しい。例えば、第3キャリア径距離Y3は、第3スプロケット径距離X3と等しい。例えば、第4キャリア径距離Y4は、第4スプロケット径距離X4と等しい。
【0109】
例えば、径方向RDにおける第1キャリア孔軸心C1から第1サブキャリア孔軸心C3までの第5キャリア径距離Y5が定義される。例えば、径方向RDにおける第2キャリア孔軸心C2から第2サブキャリア孔軸心C4までの第6キャリア径距離Y6が定義される。例えば、第5スプロケット径距離X5は、第6スプロケット径距離X6と異なる。例えば、第5キャリア径距離Y5は、第6キャリア径距離Y6よりも大きい。第5キャリア径距離Y5は、第5スプロケット径距離X5と等しい。第6キャリア径距離Y6は、第6スプロケット径距離X6と等しい。
【0110】
第1キャリア締結孔78は、その第1キャリア締結孔78に対応する位置に配置される第1スプロケット締結孔40に取り付けられた締結部材38を受けるように構成される。第2キャリア締結孔80は、その第2キャリア締結孔80に対応する位置に配置される第2スプロケット締結孔42に取り付けられた締結部材38を受けるように構成される。第1サブキャリア締結孔82は、その第1サブキャリア締結孔82に対応する位置に配置される第1サブスプロケット締結孔44に取り付けられた締結部材38を受けるように構成される。第2サブキャリア締結孔84は、その第2サブキャリア締結孔84に対応する位置に配置される第2サブスプロケット締結孔46に取り付けられた締結部材38を受けるように構成される。
【0111】
例えば、複数の支持アーム74のそれぞれは、回転中心軸心Cを通過する支持アーム中心線A2を有する。支持アーム中心線A2は、支持アーム74のそれぞれの周方向CDにおける中心を通過する。支持アーム中心線A2は、支持アーム74のそれぞれの周方向CDにおける中心ではなく、支持アーム74のそれぞれの周方向CDにおける重心を通過してもよい。複数の支持アーム74は、支持アーム中心線A2が回転中心軸心Cを通過しないように配置されてもよい。
【0112】
1つの第1キャリア締結孔78は、1つの支持アーム中心線A2が通過するように、支持アーム74に配置される。1つの支持アーム中心線A2は、1つの第1キャリア締結孔78の第1キャリア孔軸心C1を通過する。1つの支持アーム中心線A2上において、1つの第1キャリア締結孔78よりも径方向外側の支持アーム74には、他のキャリア締結孔76が配置されない。
【0113】
1つの第2キャリア締結孔80は、1つの支持アーム中心線A2が通過するように、支持アーム74に配置される。1つの支持アーム中心線A2は、1つの第2キャリア締結孔80の第2キャリア孔軸心C2を通過する。1つの支持アーム中心線A2上において、1つの第2キャリア締結孔80よりも径方向外側の支持アーム74には、他のキャリア締結孔76が配置されない。
【0114】
1つの第1サブキャリア締結孔82は、1つの支持アーム中心線A2が通過するように、支持アーム74に配置される。1つの支持アーム中心線A2は、1つの第1サブキャリア締結孔82の第1サブキャリア孔軸心C3を通過する。例えば、第1サブキャリア孔軸心C3は、周方向CDにおいて、第1キャリア孔軸心C1と揃う。第1サブキャリア孔軸心C3のそれぞれは、周方向CDにおいて、第1キャリア孔軸心C1のうちのいずれか1つと揃う。1つの支持アーム中心線A2上において、1つの第1サブキャリア締結孔82よりも径方向内側の支持アーム74には、他のキャリア締結孔76が配置されない。1つの支持アーム中心線A2上において、1つの第1サブキャリア締結孔82よりも径方向外側の支持アーム74には、第1キャリア締結孔78が配置される。
【0115】
1つの第2サブキャリア締結孔84は、1つの支持アーム中心線A2が通過するように、支持アーム74に配置される。1つの支持アーム中心線A2は、1つの第2サブキャリア締結孔84の第2サブキャリア孔軸心C4を通過する。例えば、第2サブキャリア孔軸心C4は、周方向CDにおいて、第2キャリア孔軸心C2と揃う。第2サブキャリア孔軸心C4のそれぞれは、周方向CDにおいて、第2キャリア孔軸心C2のうちのいずれか1つと揃う。1つの支持アーム中心線A2上において、1つの第2サブキャリア締結孔84よりも径方向内側の支持アーム74には、他のキャリア締結孔76が配置されない。1つの支持アーム中心線A2上において、1つの第2サブキャリア締結孔84よりも径方向外側の支持アーム74には、第2キャリア締結孔80が配置される。
【0116】
<変更例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用のリアスプロケット、および、人力駆動車用のリアスプロケットを支持するように構成されるスプロケットキャリアが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用のリアスプロケット、および、人力駆動車用のリアスプロケットを支持するように構成されるスプロケットキャリアは、例えば以下に示される実施形態の変更例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変更例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明が省略される。
【0117】
・スプロケットキャリア70は、軸方向ADにおいて、リアスプロケット30とスプロケット26Aとの間に設けられてもよい。例えば、スプロケットキャリア70は、位置決め部材26Bの代わりに、リアスプロケット30とスプロケット26Aとの間に設けられる。
【0118】
・第2スプロケット径距離X2が第1スプロケット径距離X1よりも大きくてもよい。例えば、少なくとも1つの第2スプロケット締結孔42は、径方向RDにおいて、少なくとも1つの第2スプロケット締結孔42よりも径方向外側に配置される。第2スプロケット径距離X2が第1スプロケット径距離X1よりも大きい場合、第5スプロケット径距離X5が、第6スプロケット径距離X6よりも小さくてもよい。第2スプロケット径距離X2が第1スプロケット径距離X1よりも大きい場合、第1キャリア径距離Y1が、第2キャリア径距離Y2よりも小さくてもよい。第2スプロケット径距離X2が第1スプロケット径距離X1よりも大きい場合、締結部材38によって、径方向RDにおいて第2スプロケット締結孔42に対応する箇所の軸方向ADにおける剛性が向上する。
【0119】
・第1スプロケット締結孔40の数および第2スプロケット締結孔42の数は、例えば、リアスプロケット30の形状等に応じて適宜変更できる。第1スプロケット締結孔40の数は、1つであってもよい。第2スプロケット締結孔42の数は、1つであってもよい。
【0120】
・複数の第2スプロケット締結孔42のうちの1つが、ダウンシフト凹部54と重なるように構成されていてもよい。この場合であっても、他の第2スプロケット締結孔42がダウンシフト凹部54と重なることを避けるように配置できるため、リアスプロケット30は変速性能を確保できる。
【0121】
・複数の第2スプロケット締結孔42は、それぞれ異なる第2スプロケット径距離X2でスプロケットボディ32に配置されてもよい。それぞれ異なる第2スプロケット径距離X2は、例えば、いずれも第1スプロケット径距離X1と異なる。
【0122】
・スプロケットボディ32は、複数の連結アーム32Cを含んでいなくてもよい。スプロケットボディ32が複数の連結アーム32Cを含まない場合、例えば、外側環状ボディ32Aと内側環状ボディ32Bとが径方向RDにおいて連続するようにスプロケットボディ32が形成される。
【0123】
・スプロケットボディ32は、ダウンシフト凹部歯52に代えてまたは加えて、スプロケットボディ32にダウンシフト凹部歯52以外のダウンシフトを促進可能な構造を備えていてもよい。要するに、スプロケットボディ32の形状に影響するダウンシフト動作における変速性能を向上させるための構造を含むリアスプロケットが、第1スプロケット締結孔40および第2スプロケット締結孔42を備えることによって、変速性能を確保できる。
【0124】
・スプロケットボディ32は、第1アップシフト凹部60Aおよび第2アップシフト凹部62Aに代えてまたは加えて、スプロケットボディ32にダウンシフト凹部62A以外のアップシフトを促進可能な構造を備えていてもよい。要するに、スプロケットボディ32の形状に影響するアップシフト動作における変速性能を向上させるための構造を含むリアスプロケットが、第1スプロケット締結孔40および第2スプロケット締結孔42を備えることによって、変速性能を確保できる。
【0125】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0126】
10…人力駆動車、16…ハブアセンブリ、16A…スプロケット支持ボディ、18…駆動チェーン、26A…スプロケット、30…リアスプロケット、30A…軸方向外向面、30B…軸方向内向面、32…スプロケットボディ、32A…外側環状ボディ、32B…内側環状ボディ、32C…連結アーム、34…スプロケット歯、36…スプロケット締結孔、38…締結部材、40…第1スプロケット締結孔、42…第2スプロケット締結孔、44…第1サブスプロケット締結孔、46…第2サブスプロケット締結孔、48…ダウンシフト促進歯、50…ダウンシフト開始歯、52…ダウンシフト凹部歯、54…ダウンシフト凹部、56…アップシフト促進歯、58…アップシフト変位歯、60…アップシフト開始歯、60A…第1アップシフト凹部、62…アップシフト凹部歯、62A…第2アップシフト凹部、70…スプロケットキャリア、72…中心ボディ、74…支持アーム、76…キャリア締結孔、78…第1キャリア締結孔、80…第2キャリア締結孔、82…第1サブキャリア締結孔、84…第2サブキャリア締結孔。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
例えば、第1スプロケット径距離X1は、第2スプロケット径距離X2よりも大きい。例えば、少なくとも1つの第2スプロケット締結孔42は、径方向RDにおいて、ダウンシフト凹部54から径方向内側に配置される。例えば、全ての第2スプロケット締結孔42は、径方向RDにおいてダウンシフト凹部54よりも径方向内側に配置される。第1サブスプロケット締結孔44および第2サブスプロケット締結孔46は、径方向RDにおいてダウンシフト凹部54よりも径方向内側に配置される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0093】
例えば、第1スプロケット径距離X1は、第2スプロケット径距離X2よりも大きい。例えば、少なくとも1つの第2スプロケット締結孔42は、径方向RDにおいて、第1アップシフト凹部60Aおよび第2アップシフト凹部62Aから径方向内側に配置される。例えば、全ての第2スプロケット締結孔42は、径方向RDにおいて第1アップシフト凹部60Aおよび第2アップシフト凹部62Aよりも径方向内側に配置される。第1サブスプロケット締結孔44および第2サブスプロケット締結孔46は、径方向RDにおいて第1アップシフト凹部60Aおよび第2アップシフト凹部62Aよりも径方向内側に配置される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0118】
・第2スプロケット径距離X2が第1スプロケット径距離X1よりも大きくてもよい。例えば、少なくとも1つの第2スプロケット締結孔42は、径方向RDにおいて、少なくとも1つの第1スプロケット締結孔40よりも径方向外側に配置される。第2スプロケット径距離X2が第1スプロケット径距離X1よりも大きい場合、第5スプロケット径距離X5が、第6スプロケット径距離X6よりも小さくてもよい。第2スプロケット径距離X2が第1スプロケット径距離X1よりも大きい場合、第1キャリア径距離Y1が、第2キャリア径距離Y2よりも小さくてもよい。第2スプロケット径距離X2が第1スプロケット径距離X1よりも大きい場合、締結部材38によって、径方向RDにおいて第2スプロケット締結孔42に対応する箇所の軸方向ADにおける剛性が向上する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0124
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0124】
・スプロケットボディ32は、第1アップシフト凹部60Aおよび第2アップシフト凹部62Aに代えてまたは加えて、スプロケットボディ32に第1アップシフト凹部60Aおよび第2アップシフト凹部62A以外のアップシフトを促進可能な構造を備えていてもよい。要するに、スプロケットボディ32の形状に影響するアップシフト動作における変速性能を向上させるための構造を含むリアスプロケットが、第1スプロケット締結孔40および第2スプロケット締結孔42を備えることによって、変速性能を確保できる。