(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087191
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】ガス絶縁開閉装置
(51)【国際特許分類】
H02B 13/035 20060101AFI20240624BHJP
H01H 33/64 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
H02B13/035 301H
H02B13/035 301C
H01H33/64 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201837
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120444
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】華表 宏隆
(72)【発明者】
【氏名】小薗 秀明
(72)【発明者】
【氏名】田中 克征
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 和幸
【テーマコード(参考)】
5G017
【Fターム(参考)】
5G017BB02
5G017GG01
(57)【要約】
【課題】小型化を図ることができ、絶縁性能を良好に保つことができるようにすること。
【解決手段】ガス絶縁開閉装置(10)は、開閉軸(11)と同一軸線上に並んで設けられる固定側電極(13)及び可動側電極(14)と、固定側電極及び可動側電極を支持する樹脂フレーム(15)と、固定側電極を樹脂フレームに固定する雄ねじ部材(29)とを備えている。樹脂フレームは、左右両側に形成された側壁(22)と、側壁に連なって内方に突出形成されたリブ(24)とを備えている。固定側電極は、リブの突出方向先端側に配置される本体部(26)と、本体部に連なってリブと上下方向にて重なる位置に形成され、雄ねじ部材が挿通される挿通穴(27a)が形成される取付部(27)とを備えている。雄ねじ部材は、上下方向と平行となってリブにねじ込まれることで取付部をリブに固定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の操作機構を介して軸方向に動作可能に設けられる開閉軸と、
前記開閉軸と同一軸線上に並んで設けられ、前記開閉軸の動作によって前記開閉軸との電気的な接続が切り替えられる第1電極及び第2電極と、
前記第1電極及び前記第2電極を支持する樹脂フレームと、
前記第1電極を前記樹脂フレームに固定する雄ねじ部材とを備えたガス絶縁開閉装置であって、
前記開閉軸は、前記軸方向の動作によって前記第2電極を挿通した状態を維持しつつ、前記第1電極に挿抜され、
前記樹脂フレームは、前記軸方向に対する交差方向の両側に形成された側壁と、
前記側壁に連なって内方に突出形成されたリブとを備え、
前記第1電極は、前記開閉軸が挿通される挿通路を形成し、前記リブの突出方向先端側に配置される本体部と、
前記本体部に連なって前記リブと前記軸方向にて重なる位置に形成され、且つ、前記雄ねじ部材が挿通される挿通穴が形成される取付部とを備え、
前記雄ねじ部材は、前記軸方向と平行となって前記挿通穴に挿通され、前記リブにねじ込まれることで前記取付部を前記リブに固定することを特徴とするガス絶縁開閉装置。
【請求項2】
前記樹脂フレームは、前記本体部の設置部分にて、前記軸方向及び前記交差方向の両方に交差する方向に開通する開口を備えていることを特徴とする請求項1に記載のガス絶縁開閉装置。
【請求項3】
前記軸方向にて、前記本体部における前記第2電極側の端部に比べて前記雄ねじ部材の先端の方が、前記第2電極に近い配置とされることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス絶縁開閉装置。
【請求項4】
前記リブの内部に所定方向に延出する埋込導体が埋設され、
前記埋込導体は、前記雄ねじ部材と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス絶縁開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス絶縁開閉装置に関し、特に、受配電設備用に用いられるガス絶縁開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるガス絶縁開閉装置にあっては、絶縁支持体に支持される複数の電極と、複数の電極間を電気的に開閉するように軸方向に摺動するロッド形の可動接触子とを備えて構成されている。複数の電極及び可動接触子は互いに軸整列している。特許文献2には、絶縁フレームに設けられた取付リブに可動側導体がボルトで固定されたガス絶縁開閉装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-096806号公報
【特許文献2】特開2013-131440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したガス絶縁開閉装置では、絶縁支持体に電極を支持する構造にて、複数の電極が整列する整列方向の寸法だけでなく、該整列方向に直交する方向の寸法を小型化する要求がある。しかも、絶縁不良が生じることを防止できるよう、電極と絶縁支持体との固定を良好にすることが求められる。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、小型化を図ることができ、絶縁性能を良好に保つことができるガス絶縁開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における一態様のガス絶縁開閉装置は、所定の操作機構を介して軸方向に動作可能に設けられる開閉軸と、前記開閉軸と同一軸線上に並んで設けられ、前記開閉軸の動作によって前記開閉軸との電気的な接続が切り替えられる第1電極及び第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極を支持する樹脂フレームと、前記第1電極を前記樹脂フレームに固定する雄ねじ部材とを備えたガス絶縁開閉装置であって、前記開閉軸は、前記軸方向の動作によって前記第2電極を挿通した状態を維持しつつ、前記第1電極に挿抜され、前記樹脂フレームは、前記軸方向に対する交差方向の両側に形成された側壁と、前記側壁に連なって内方に突出形成されたリブとを備え、前記第1電極は、前記開閉軸が挿通される挿通路を形成し、前記リブの突出方向先端側に配置される本体部と、前記本体部に連なって前記リブと前記軸方向にて重なる位置に形成され、且つ、前記雄ねじ部材が挿通される挿通穴が形成される取付部とを備え、前記雄ねじ部材は、前記軸方向と平行となって前記挿通穴に挿通され、前記リブにねじ込まれることで前記取付部を前記リブに固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、雄ねじ部材で第1電極を固定するので、該固定の強度を高めて絶縁性能を良好に保つことができる。しかも、側壁の内方にリブを形成し、リブに対して開閉軸の軸方向から雄ねじ部材により第1電極を固定できるので、該軸方向だけでなく軸方向に対する交差方向の寸法が大きくなることを抑制して小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1A及び
図1Bは、実施の形態に係るガス絶縁開閉装置の部分概略正面図である。
【
図4】
図4A~
図4Cは実施の形態及び従来構造のガス絶縁開閉装置の大きさを比較した説明図である。
【
図5】変形例に係るガス絶縁開閉装置の
図3と同様の断面図である。
【
図6】他の変形例に係るガス絶縁開閉装置の
図3と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係るガス絶縁開閉装置(以下、単に「開閉装置」という)について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施することができるものである。以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。また、以下の説明において、特に明示しない限り、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」は、各図において矢印で示した方向を基準として用いる。但し、各構成の向きは、一例にすぎず、任意の向きに変更することができる。
【0010】
本発明は、例えば、キュービクル形ガス絶縁開閉装置(C-GIS:Cubicle Gas Insulated Switchgear)に適用される。しかしながら、本発明が適用される開閉装置については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、キュービクル形でない他のガス絶縁開閉装置にも適用することができる。
【0011】
図1A及び
図1Bは、実施の形態に係るガス絶縁開閉装置の部分概略正面図である。
図1Aに示すように、開閉装置10は、軸方向が上下方向に向けられた開閉軸11と、上下に所定距離離れて配置された固定側電極(第1電極)13及び可動側電極(第2電極)14と、固定側電極13及び可動側電極14を支持する樹脂フレーム15とを備えている。固定側電極13及び可動側電極14は左右幅が略同一に形成されている。
【0012】
開閉軸11は、所定の操作機構(不図示)を介して軸方向(上下方向)に動作可能に設けられる。操作機構は、詳細な説明を省略するが、適宜な回転機構やシリンダ等の駆動源からの駆動力をレバーやリンク機構を介して開閉軸11に伝達し、開閉軸11を
図1A、
図1Bに示す少なくとも2つの位置に位置決めできるよう駆動する。
【0013】
開閉軸11は、上から下に向かって並んで接続される可動接点導体17及び絶縁ロッド18を備えている。可動接点導体17及び絶縁ロッド18は、それぞれ概ね丸軸状に形成されて同一中心軸線上に設けられている。可動接点導体17は、金属等により構成され、固定側電極13及び可動側電極14に接触して電気的に導通可能に設けられる。絶縁ロッド18は、樹脂材等の適宜な絶縁材料によって形成される。
【0014】
固定側電極13及び可動側電極14は、開閉軸11が挿通される挿通路13a、14aを形成している。挿通路13a、14aは、丸軸状の開閉軸11に応じて丸穴状に形成される。固定側電極13及び可動側電極14は、挿通路13a、14aの中心位置と、開閉軸11の中心位置とが同一軸線上に並ぶように設けられる。
【0015】
挿通路13a、14aの内部には、接触子13b、14bが設けられる。接触子13b、14bは、開閉軸11の可動接点導体17に接触しつつ貫通可能な筒状またはリング状に形成されている。接触子13b、14bは、開閉装置10により開閉される回路を構成する導体(不図示)に電気的に接続される。
【0016】
図1A及び
図1Bに示すように、開閉軸11は、軸方向の動作によって可動側電極14を挿通した状態を維持しつつ、固定側電極13に挿抜される。
図1Aに示すように、可動接点導体17が可動側電極14の接触子14bに接触し、固定側電極13の接触子13bに非接触となる場合、各電極13、14間の通電を遮断(開路)する。また、
図1Bに示すように、可動接点導体17が各電極13、14の接触子13b、14bに接触する場合、各電極13、14間にて通電(閉路)する。このように、開閉軸11が軸方向に動作することによって固定側電極13及び可動側電極14と、開閉軸11との電気的な接続が切り替えられる。
【0017】
可動側電極14は、軸方向が前後方向(
図1中紙面直交方向)に向けられる4本の雄ねじ部材20によって、樹脂フレーム15の後述する後壁23の前面側(手前側)に固定される。雄ねじ部材20は、前方から見て、可動側電極14の左右両側において上下に並んで2本ずつ設けられる。
【0018】
図2は、
図1Aの平面図である。
図2に示すように、樹脂フレーム15は、上方から見て前方を開放するコ字状に設けられ、上下方向に延出する形状を備えている。具体的には、樹脂フレーム15は、開閉軸11を挟む左右方向両側に形成された一対の側壁22と、各側壁22の後端間を連結する後壁23とを備え、前方を開放する形状に設けられている。
【0019】
ここで、
図2の左右方向は、開閉軸11の軸方向となる上下方向に対して直交(交差)する交差方向とされる。また、各側壁22にて、上方から見て、開閉軸11に対向する方向が内方とされ、その反対側が外方とされる。
【0020】
また、樹脂フレーム15は、側壁22の内面(内方の面)に連なって内方に突出形成された左右一対のリブ24を更に備えている。一対のリブ24は、側壁22の上端側に形成されて固定側電極13を支持している(
図1A参照)。
【0021】
続いて、リブ24、固定側電極13及びこれらの周辺構造について、
図1及び
図2に加え、
図3も参照して説明する。
図3は、
図2のA-A線断面図である。
【0022】
図3にも示すように、固定側電極13は、挿通路13aを形成する本体部26と、本体部26の左右両側面における上部領域から外方に向かって突出形成された一対の取付部27とを備えている。また、固定側電極13は、複数本の雄ねじ部材29を介してリブ24に固定される。
【0023】
本体部26は、取付部27より下方に位置する部分が一対のリブ24の間に配置されている。よって、本体部26は、各リブ24の突出方向先端側に配置される。なお、本体部26と各リブ24の先端との間には若干の隙間が形成される。
【0024】
取付部27は、本体部26の左右両面に連なって形成され、リブ24の上面に載置されるように設けられる。言い換えると、取付部27は、リブ24と上下方向にて重なる位置に形成される。取付部27には、雄ねじ部材29が挿通される挿通穴27aが上下方向に貫通して形成される。
【0025】
雄ねじ部材29は、上下方向(開閉軸11の軸方向)と平行となって挿通穴27aに挿通され、先端側がリブ24にねじ込まれる。これにより、雄ねじ部材29とリブ24によって取付部27が締結され、取付部27を含む固定側電極13がリブ24に固定される。
【0026】
リブ24の内部には埋込導体31が埋設されている。埋込導体31は、雄ねじ部材29の下端に当接しており、雄ねじ部材29と電気的に接続されている。埋込導体31は、リブ24と同様に前後方向(上下方向及び左右方向の両方に交差する方向)に延出するよう設けられる。
【0027】
樹脂フレーム15は、本体部26の設置部分にて、前後方向に開通する開口33を備えている。開口33の形成縁となる後壁23の上端は、リブ24の下端よりも下方に形成される。
【0028】
図2に戻り、固定側電極13は、上方から見た形状は円形に形成され、左右方向中央領域が本体部26により形成される。そして、本体部26の左右両側それぞれに取付部27が連なり、該取付部27はリブ24と上下方向(
図2の紙面直交方向)で重なるように形成される。左右の取付部27及びリブ24それぞれにて、前後に並んで2本ずつ雄ねじ部材29が設けられる。
【0029】
なお、固定側電極13及び可動側電極14の設置領域にて、各側壁22の外面は、部分的に膨出したりせずに上下及び前後方向に平行なフラットな面によって形成される。
【0030】
次いで、上記実施の形態の開閉装置10の大きさについて、
図4に示すように上記実施の形態の構成と従来構造とを並べて図示しつつ比較して説明する。
図4Aは
図1と同様となる上記実施の形態の部分正面図であり、
図4Bは第1従来構造の開閉装置、
図4Cは第2従来構造の開閉装置の
図4Aと同様の部分正面図である。なお、各比較構造にて、上記実施の形態と共通または類似する構成については同一符号を付す。
【0031】
図4Bの第1従来構造は、上記実施の形態の構成に対し、固定側電極13Bの構成が相違している。第1従来構造の固定側電極13Bは、上記実施の形態の可動側電極14と同様に構成され、軸方向が前後方向に向けられる4本の雄ねじ部材20Bによって、樹脂フレーム15Bにおける後壁23の前面側に固定される。第1従来構造の樹脂フレーム15Bは、上記実施の形態に対してリブ24が形成されずに上方に延長した構成とされる。
【0032】
図4Cの第2従来構造は、上記実施の形態の構成に対し、固定側電極13Cの構成が相違している。第2従来構造の固定側電極13Cは、本体部26Cが可動側電極14と同一の左右幅に形成され、取付部27Cが本体部26Cの左右両側面から外方に向かって突出形成される。第2従来構造の樹脂フレーム15Cは、上記実施の形態に対してリブ24が形成されず、雄ねじ部材29Cをねじ込むことができる領域を確保すべく、側壁22Cの厚みを大きく形成した構成とされる。
【0033】
図4Bの第1従来構造と
図4Aの実施の形態の構成とは、可動側電極14の上端と、固定側電極13、13Bの下端との間の電極間距離LA、LBは同一とされ、樹脂フレーム15、15Cの左右幅WA、WBも同一とされる。一方、第1従来構造では固定側電極13Bが可動側電極14と同様に雄ねじ部材20Bで固定され、該雄ねじ部材20Bを上下方向複数個所に設ける必要がある。このため、固定側電極13Bを含む高さ寸法HBが、実施の形態の高さ寸法HAより大きくなる。言い換えると、実施の形態の構成では、第1従来構造に比べて上下方向の寸法を小さくして小型化を図ることができる。
【0034】
図4Cの第2従来構造と
図4Aの実施の形態の構成とは、可動側電極14の上端と、固定側電極13、13Cの下端との間の電極間距離LA、LCは同一とされ、固定側電極13、13Cを含む高さ寸法HA、HCも同一とされる。一方、第2従来構造では、固定側電極13Cを固定すべく、側壁22Cの上面に雄ねじ部材29Cを上方からねじ込むので、側壁22Cの厚みを大きくする必要がある。このため、樹脂フレーム15Cの左右幅WCが、実施の形態の樹脂フレーム15の左右幅WAより大きくなる。言い換えると、実施の形態の構成では、第2従来構造に比べて左右方向の寸法を小さくして小型化を図ることができる。
【0035】
上記実施の形態においては、上述したように上下方向だけでなく左右方向においても小型化を図ることができる。しかも、固定側電極13を雄ねじ部材29によって強固に固定することで、固定側電極13の取付部27の下面とリブ24の上面との密着性を高めることができる。これにより、かかる密着が要求される部位にて隙間が生じることを防止でき、該隙間に起因する放電等の絶縁不良の発生を回避可能となり、絶縁性能を良好に保つことが可能となる。
【0036】
また、樹脂フレーム15に前後方向に開通する開口33を形成したので、固定側電極13周りにて比誘電率が高くなる構造物を少なくすることができる。これにより、固定側電極13と樹脂フレーム15との間の隙間に電界が集中することによる放電発生のリスクを低減でき、絶縁性能を良好に維持することができる。
【0037】
更に、リブ24の内部に埋込導体31を埋設したので、リブ24において、固定側電極13と同電位となる部位を雄ねじ部材29から埋込導体31へと下方に拡大可能となる。よって、電界が集中し易くなる固定側電極13の下部外縁と、その近傍のリブ24との間の電位差を抑制でき、固定側電極13と樹脂フレーム15との間の隙間にて電界が上昇することを抑制できる。従って、これによっても、放電発生のリスクを低減でき、絶縁性能を良好に維持することができる。
【0038】
しかも、埋込導体31は前後方向に延出する形状を有するので(
図2参照)、固定側電極13と樹脂フレーム15との間の隙間にて電界上昇を抑制できる範囲を広くすることができ、絶縁性能のより良好に維持することができる。
【0039】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、向きなどについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0040】
上記実施の形態において、リブ24に埋込導体31を埋設した構成としたが、これに限られず、
図5及び
図6に示す変形例のように、埋込導体31を省略した構成としてもよい。
図5の変形例では、本体部26の下端部(可動側電極14側の端部)に比べ、雄ねじ部材29の下端(先端)の方が上方に位置している。
【0041】
図6の変形例では、本体部26の下端部に比べ、雄ねじ部材29の下端の方が下方に位置して可動側電極14に近い配置とされる。言い換えると、
図6の変形例では、本体部26の下端部より雄ねじ部材29の下端が下方に配置される。雄ねじ部材29の下端を本体部26の下端部に近付けることで、固定側電極13と樹脂フレーム15との間の隙間にて電界が上昇することを抑制できる。
【0042】
また、埋込導体31の形状は、丸軸状に限定されるものでなく、片状や角柱状にしたり、雄ねじ部材29に螺合する雌ねじ部分を備えた構成にする等、種々の変更が可能である。
【0043】
また、上記実施の形態では、第1電極を固定側電極13、第2電極を可動側電極14としたが、開閉軸11と同一軸線上に並んで設けられて開閉軸11との電気的な接続が切り替え可能であれば、接地電極等の他の電極としてもよい。
【0044】
また、上記実施の形態における開口33を形成せずに樹脂フレーム15の上部後方領域を閉塞する構成としてもよいが、開口33を設けた方が絶縁性能をより良好に維持できる点で有利となる。
【0045】
また、上記実施の形態では、開閉軸11の軸方向を上下方向とした構成にて、該軸方向に対する交差方向を上下方向に直交する左右方向としたが、これに限られるものでない。軸方向に対する交差方向の角度は、左右方向に対して所定角度異なる角度としてもよい。更に、軸方向及び交差方向の両方に交差する方向を前後方向としたが、これに限られるものでなく、前後方向に対して所定角度異なる角度としてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10 :開閉装置
11 :開閉軸
13 :固定側電極(第1電極)
13a :挿通路
14 :可動側電極(第2電極)
14a :挿通路
15 :樹脂フレーム
22 :側壁
24 :リブ
26 :本体部
27 :取付部
27a :挿通穴
29 :雄ねじ部材
31 :埋込導体
33 :開口