(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087203
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】給紙装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 1/14 20060101AFI20240624BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240624BHJP
B65H 3/68 20060101ALI20240624BHJP
B65H 3/06 20060101ALI20240624BHJP
B65H 3/52 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
B65H1/14 310Z
G03G15/00 401
G03G15/00 407
B65H3/68
B65H3/06 350A
B65H3/52 310G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201863
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 裕典
【テーマコード(参考)】
2H072
3F343
【Fターム(参考)】
2H072AA09
2H072AA12
2H072AA24
2H072AA29
2H072BA03
2H072BA13
2H072BA20
2H072BB04
2H072JA02
2H072JA04
2H072JA05
3F343FA02
3F343FA03
3F343FB01
3F343FC04
3F343GA01
3F343GB01
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3F343HD17
3F343JA01
3F343JD08
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3F343JD35
3F343JD39
3F343KA03
3F343KA17
3F343KA20
3F343KB03
3F343KB17
3F343LA04
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3F343LC19
3F343LD10
3F343MA03
3F343MA12
3F343MA15
3F343MA32
3F343MA45
3F343MA54
3F343MB04
3F343MB12
3F343MC17
3F343MC23
(57)【要約】
【課題】給紙ローラに向けて用紙をガイドするガイド部材に対する用紙の食い込みを解消することができる給紙装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】本開示の一態様に係る給紙装置は、トレイと、繰出ローラと、給紙ローラと、ガイド部材と、昇降機構と、第1検知部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記トレイから繰り出された用紙を前記搬送路に給送する給紙処理を実行し、前記給紙処理において前記第1検知部によって前記給送される用紙が検知されない場合に、前記給紙処理を停止した後、前記給紙処理を再開するリトライ処理を実行し、前記リトライ処理において、前記給紙処理を停止した後、前記給紙処理を再開する前に、前記トレイを所定の範囲内において昇降させる昇降処理を実行し、前記所定の範囲とは、前記トレイに載置される最上位の用紙が前記繰出ローラによって繰り出された場合に前記ガイド部材に当接可能な範囲である。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を載置可能であるトレイと、
前記トレイに載置された用紙を繰り出す繰出ローラと、
繰り出された用紙を搬送路に給送する給紙ローラと、
前記トレイから繰り出された用紙を前記給紙ローラに向かってガイドし、前記給紙ローラに向かうにつれて上側に傾斜して設けられるガイド部材と、
前記トレイの高さを変更可能な昇降機構と、
前記給紙ローラの下流側に配置され、前記給紙ローラによって給送される用紙を検知する第1検知部と、
前記給紙ローラ及び前記昇降機構を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記給紙ローラを回転させることで、前記トレイから繰り出された用紙を前記搬送路に給送する給紙処理を実行し、
前記給紙処理において前記第1検知部によって前記給送される用紙が検知されない場合に、前記給紙処理を停止した後、前記給紙処理を再開するリトライ処理を実行し、
前記リトライ処理において、前記給紙処理を停止した後、前記給紙処理を再開する前に、前記トレイを所定の範囲内において昇降させる昇降処理を実行し、
前記所定の範囲とは、前記トレイに載置される最上位の用紙が前記繰出ローラによって繰り出された場合に前記ガイド部材に当接可能な範囲である、給紙装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記昇降処理において、
前記トレイの上昇動作及び下降動作を前記所定の範囲内において実行する、請求項1に記載の給紙装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記昇降処理において、
前記給紙処理の停止時における前記トレイの高さ位置から前記トレイを上昇させた後、前記給紙処理の停止時における前記トレイの高さ位置まで下降させる、請求項1または請求項2に記載の給紙装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記昇降処理において、
前記給紙処理の停止時における前記トレイの高さ位置から前記トレイを下降させた後、前記給紙処理の停止時における前記トレイの高さ位置まで上昇させる、請求項1または請求項2に記載の給紙装置。
【請求項5】
前記制御部は、
第1用紙と、前記第1用紙よりも厚みの大きい第2用紙と、を含む複数種類の用紙に関する設定を含むジョブの設定を受け付ける設定部を有し、
前記制御部は、
前記第2用紙が設定された場合において、
前記第1用紙が設定された場合における前記給紙処理の停止時の前記トレイの高さ位置よりも高い位置から前記トレイを下降させた後、前記トレイを上昇させる、もしくは、前記第1用紙が設定された場合における前記給紙処理の停止時の前記トレイの高さ位置よりも高い位置から前記トレイを上昇させた後、前記トレイを下降させる、請求項1または請求項2に記載の給紙装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記給紙処理において、前記給紙ローラを回転させてから所定時間内に前記第1検知部によって前記給送される用紙が検知されない場合に、ピックミスと判定する判定部を有する、請求項1または請求項2に記載の給紙装置。
【請求項7】
前記制御部は、
第1用紙と、前記第1用紙よりも厚みの大きい第2用紙と、を含む複数種類の用紙に関する設定を含むジョブの設定を受け付ける設定部を有し、
前記ピックミスの判定に用いられる前記所定時間は、前記第2用紙が設定された場合の方が、前記第1用紙が設定された場合よりも長い、請求項6に記載の給紙装置。
【請求項8】
前記制御部は、
第1用紙と、前記第1用紙よりも厚みの大きい第2用紙と、を含む複数種類の用紙に関する設定を含むジョブの設定を受け付ける設定部を有し、
前記制御部は、
前記リトライ処理が実行される回数の上限は、前記第1用紙が設定された場合よりも前記第2用紙が設定された場合の方が大きい、請求項1または請求項2に給紙装置。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の給紙装置を備えた、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は給紙装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置には、画像形成部、画像読取部等に用紙を給送する給紙装置が設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、用紙に対し下方から当接可能であるとともに用紙の積載方向に上下動可能なフラッパを有する用紙載置部と、用紙載置部の上方に配置され、フラッパ上の用紙を給紙可能な給紙ローラと、フラッパを積載方向に上下動作させるフラッパ駆動部と、を備え、用紙載置部の用紙を介して給紙ローラを下方から押圧した状態で、給紙ローラを回転させることで用紙の給紙を開始する給紙装置が開示されている。
【0004】
特許文献1に記載の給紙装置では、給紙が開始されているにも関わらず、給送された用紙が検知されないミスフィードが生じた場合に、給紙ローラの回転駆動を一旦停止させてから再度駆動するリトライ制御が行われることが開示されている。さらに、特許文献1に記載の給紙装置では、ミスフィードが生じた場合に、給紙ローラを再度駆動するまでの間に、フラッパを上下動させることで、用紙に対して給紙ローラが滑ることを起因とするミスフィードが再度発生することを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
また、特許文献1に記載の給紙装置の他にも、例えば、トレイに載置された最上位の用紙を繰り出す繰出ローラと、繰り出された用紙を搬送路に給送する給紙ローラと、繰出ローラによって繰り出された用紙を給紙ローラに向かってガイドするガイド部材と、を有する給紙装置が開示されている。このような給紙装置では、ガイド部材は、高い摩擦係数を有するゴム質材料に形成されることで、繰り出される用紙に対してガイド部材が抵抗となるため、用紙の分離ミス(ダブルフィード)を抑制している。
【0007】
しかしながら、上述のような給紙装置では、特許文献1に記載の給紙装置とは異なる理由により、ピックミス(ミスフィード)が生じやすい。具体的には、繰り出される用紙に対してガイド部材が抵抗となるため、ガイド部材に対して用紙の先端が当接したときに食い込みが生じやすい。そのため、ガイド部材に対する用紙の先端の食い込みを起因とするピックミス(ミスフィード)が生じやすい。
【0008】
そこで、本開示の一態様は、例えば、給紙ローラに向けて用紙をガイドするガイド部材に対する用紙の食い込みを解消することができる給紙装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係る給紙装置は、用紙を載置可能であるトレイと、前記トレイに載置された用紙を繰り出す繰出ローラと、繰り出された用紙を搬送路に給送する給紙ローラと、前記トレイから繰り出された用紙を前記給紙ローラに向かってガイドし、前記給紙ローラに向かうにつれて上側に傾斜して設けられるガイド部材と、前記トレイの高さを変更可能な昇降機構と、前記給紙ローラの下流側に配置され、前記給紙ローラによって給送される用紙を検知する第1検知部と、前記給紙ローラ及び前記昇降機構を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記給紙ローラを回転させることで、前記トレイから繰り出された用紙を前記搬送路に給送する給紙処理を実行し、前記給紙処理において前記第1検知部によって前記給送される用紙が検知されない場合に、前記給紙処理を停止した後、前記給紙処理を再開するリトライ処理を実行し、前記リトライ処理において、前記給紙処理を停止した後、前記給紙処理を再開する前に、前記トレイを所定の範囲内において昇降させる昇降処理を実行し、前記所定の範囲とは、前記トレイに載置される最上位の用紙が前記繰出ローラによって繰り出された場合に前記ガイド部材に当接可能な範囲である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図6A】上限センサが検知片を検知していない状態における給紙ユニットの概略側面図である。
【
図6B】上限センサが検知片を検知した状態における給紙ユニットの概略側面図である。
【
図7】画像形成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図8】操作パネルに表示される複数種類の用紙に関する操作入力の受付画面である。
【
図9A】左トレイの初期位置を示す原稿搬送部の断面図である。
【
図9B】普通紙モードにおける左トレイの高さ位置を示す原稿搬送部の断面図である。
【
図9C】厚紙モードにおける左トレイの高さ位置を示す原稿搬送部の断面図である。
【
図10】普通紙モードにおける左トレイの高さ位置と厚紙モードにおける左トレイの高さ位置とを比較した原稿搬送部の概略側面図である。
【
図11】制御部による給紙処理の開始前の昇降制御に係るフローの一例である。
【
図12】昇降処理における左トレイの昇降動作の一例である。
【
図13】昇降処理における左トレイの昇降動作の別例である。
【
図14】制御部によるピックミス判定時における給紙処理に係るフローの一例である。
【
図15】制御部によるリトライ処理の一例を示すフローである。
【
図16】制御部によるリトライ処理の別例を示すフローである。
【
図17】普通紙モード及び厚紙モードにおける判定時間とリトライ回数の上限とをそれぞれ示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0012】
以下、
図1を参照して、本開示の一態様に係る画像形成装置1について説明する。
図1は、画像形成装置1を示す概略断面図である。以下では、印刷部10(給紙部110)側を下側とし、原稿搬送部30側を上側とし、原稿搬送部30の排出トレイ360側を右側とし、原稿搬送部30の搬送路330側を左側と規定して説明する。
【0013】
画像形成装置1は、例えば、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能よびファクシミリ機能などを有する複合機である。画像形成装置1は、画像読取部20によって読み取られた画像データを外部に送信し、また、読み取られた原稿の画像データまたは外部から受信した画像データを単色または多色にて原稿に画像形成する。
【0014】
画像形成装置1は、印刷部10と、画像読取部20と、原稿搬送部30と、操作パネル40(
図7参照)と、を備える。印刷部10は、用紙等の記録媒体に画像を形成する。画像読取部20は、印刷部10の上方に配置され、原稿の読取を行う。原稿搬送部30は、画像読取部20の上側に配置され、トレイに載置された原稿を画像読取部20の原稿載置台上に向かって順次搬送する。
【0015】
以下では、
図1を用いて、印刷部10について説明する。
【0016】
印刷部10は、給紙部110と、搬送ローラ対120と、レジストローラ対130と、画像形成部140と、排出ローラ対150と、排出トレイ160と、を備える。なお、画像形成装置1の内部には、給紙部110から給紙された用紙を、搬送ローラ対120、レジストローラ対130、画像形成部140、及び排出ローラ対150を経由させて、排出トレイ160に送るための搬送経路R1が形成されている。
【0017】
給紙部110は、画像形成部140の下部に配置されたカセット111と、用紙が積載される給紙トレイ112と、給紙トレイ112の一端の上側に設けられたピックアップローラ113と、ピックアップローラ113よりも用紙の搬送方向の下流側に配置された給紙ローラ114と、給紙ローラ114に圧接された分離ローラ115と、を備える。
【0018】
給紙部110では、ピックアップローラ113により給紙トレイ112から用紙を繰り出して給紙ローラ114へと導き、用紙を給紙ローラ114と分離ローラ115との間に通して1枚ずつに分離し、搬送ローラ対120によって用紙を搬送経路R1に搬送する。
【0019】
レジストローラ対130は、トナー像形成のタイミングに合わせて用紙を送りだす。レジストローラ対130は、用紙を一旦停止させて、用紙先端を揃えた後、後述の中間転写ベルト146aと転写ローラ147との間のニップ域でのトナー像の転写タイミングに合わせて、用紙を搬送する。
【0020】
画像形成部140は、感光体ドラム141と、帯電器142と、露光ユニット143と、現像ユニット144と、クリーナユニット145と、中間転写ベルトユニット146と、転写ローラ147と、定着ユニット148等を備える。
【0021】
なお、画像形成部140において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のカラー画像に応じたものである。このため、感光体ドラム141、帯電器142、現像ユニット144、クリーナユニット145のそれぞれは、各色に応じた4種類の潜像を形成するように4個ずつ設けられ、これらによって4つの画像形成ステーションが構成される。トナーカートリッジは、各画像形成ステーションに対応するトナーを供給できるように4個設けられる。
【0022】
感光体ドラム141は、導電性を有する円筒状の基体の表面に感光層が形成された静電潜像担持体である。帯電器142は、感光体ドラム141の表面を所定の電位に帯電させる。露光ユニット143は、レーザ出射部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニットである。露光ユニット143は、帯電された感光体ドラム141の表面を露光することによって、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム141の表面に形成する。現像ユニット144は、感光体ドラム141の表面に形成された静電潜像を、4色のトナーによって顕像化する。クリーナユニット145は、現像および画像転写後における感光体ドラム141の表面に残留したトナーを除去して回収する。
【0023】
中間転写ベルトユニット146は、中間転写ベルト146a、駆動ローラ146b、従動ローラ146cおよび4つの中間転写ローラ146d等を備える。中間転写ベルトユニット146は、感光体ドラム141の上方に配置される。中間転写ベルト146aは、各感光体ドラム141に接触するように設けられ、各中間転写ローラ146dを用いて、対応する感光体ドラム141に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト146aに順次重ねて転写することによって、中間転写ベルト146a上にトナー像が形成される。
【0024】
転写ローラ147は、搬送経路R1において、駆動ローラ146bの近傍に配置される。転写ローラ147と中間転写ベルト146aとの間のニップ域に用紙が通過することによって、中間転写ベルト146a上に形成されたトナー像が用紙に転写される。
【0025】
定着ユニット148は、ヒートローラ148aおよび加圧ローラ148bを備える。定着ユニット148は、搬送経路R1において、転写ローラ147の上方、言い換えれば、用紙の搬送方向の下流側に配置される。ヒートローラ148aと加圧ローラ148bとの間のニップ域を用紙が通過することによって、用紙に転写されたトナー像が溶融、混合および圧接されて、用紙に対してトナー像が熱定着される。トナー像が定着された用紙は、排出ローラ対150によって排出トレイ160に搬送される。
【0026】
また、用紙の表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、用紙を排出ローラ対150から反転経路R2へと逆方向に搬送する。反転経路R2では、反転ローラ対170を通じて用紙の表裏を反転させ、用紙をレジストローラ対130へ再度導く。その後、表面と同様にして裏面に画像形成を行われた用紙は、排出トレイ160に搬送される。
【0027】
次に、
図1を用いて、画像読取部20について説明する。
【0028】
画像読取部20は、用紙上に形成された画像を読み取り、画像データを生成する。画像読取部20の上面左側には、透明板状の送り読み込み用コンタクトガラス21が設けられる。画像読取部20の上面かつ、送り読み込み用コンタクトガラス21の右側には、透明板状の載置読取用コンタクトガラス22が設けられる。画像読取部20の上方には、ヒンジ等を介して原稿搬送部30が開閉自在に取り付けられる。原稿搬送部30がヒンジ等を介して開かれると、画像読取部20の上面が開放され、載置読取用コンタクトガラス22上に原稿を手置きで置くことができる。画像読取部20の上面よりも左側には、操作パネル40が設けられる。操作パネル40は、表示パネル、タッチパネル、ハードキー等を含む。
【0029】
画像読取部20は、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等をさらに備える。画像読取部20は、用紙表面を光源によって露光し、用紙表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度や色度が検出され、用紙表面の画像に基づく画像データが生成される。ラインセンサとしては、CCDやCIS等が用いられる。
【0030】
次に、
図1から
図3までを用いて、原稿搬送部30について説明する。
図2は、原稿搬送部30を示す斜視図である。
図3は、原稿搬送部30を示す断面図である。原稿搬送部30は、後述の給紙トレイ310に載置された原稿を送り読み込み用コンタクトガラス21に向けて搬送する。原稿搬送部30は、原稿を上方から押さえるカバーとして機能する。
【0031】
図2及び
図3に示すように、原稿搬送部30は、各種の構造物を有する本体部31を有する。本体部31は、用紙を載置可能である給紙トレイ310と、給紙トレイ310上の用紙を給送する給紙ユニット320と、給送された用紙を搬送する搬送路330と、搬送路330に用紙を搬送する複数の搬送ローラ対340と、排出ローラ対350と、排出トレイ360と、給紙トレイ310を昇降させる昇降機構370(
図4参照)と、を備える。
【0032】
給紙トレイ310は、複数枚の原稿を積層して載置可能な形状を有する。給紙トレイ310に載置された原稿は、給紙ユニット320によって、1枚ずつ搬送路330に送りだされる。
【0033】
給紙トレイ310は、排出トレイ360と高さ方向に並べて配置される。具体的には、給紙トレイ310が上段に配置され、排出トレイ360が下段に配置される。
【0034】
給紙トレイ310は、左トレイ311及び右トレイ312を備える。左トレイ311と右トレイ312とは左右方向に並べて配置される。左トレイ311は、昇降機構370によって昇降可能である。左トレイ311は、右端部に位置する回動支点F周りに上下方向に回動可能である。昇降機構370の具体的な構成は、後述する。
【0035】
右トレイ312は、本体部31に固定される。右トレイ312は、右側から左側に向かうにつれて低くなるように傾斜している。すなわち、右トレイ312に原稿を載置した際に、原稿は自重によって左トレイ311側へ滑って移動するように傾斜が設けられている。なお、給紙トレイ310は、左トレイ311のみ昇降可能であるが、これに限らず、左トレイ311及び右トレイ312が全体的に昇降可能であってもよい。
【0036】
左トレイ311には、原稿の幅方向(前後方向)の端部を揃えるための2つの原稿ガイド311aが設けられている。2つの原稿ガイド311aは、左トレイ311において幅方向に移動可能に幅方向に対向して設けられる。これにより、2つの原稿ガイド311aの間に原稿を挟み、原稿の幅方向の両端に接する位置まで2つの原稿ガイド311aを移動させることで、原稿の幅方向の位置決めを行うことができる。
【0037】
図3に示すように、本体部31には、左トレイ311の左端(先端)と対向するように設けられ、上方に立ち上がる壁面31aが設けられる。壁面31aは、左トレイ311の回動軌跡に沿った湾曲形状を有している。壁面31aに原稿の先端が当接されることで、原稿の搬送方向の位置決めを行うことができる。
【0038】
また、本体部31の上面には、本体部31に対して開閉自在に取り付けられたカバー31bが設けられる。カバー31bには、本体部31に対してカバー31bを開閉するための把持部31cが設けられる。把持部31cがユーザによって把持されることで、本体部31とカバー31bとの係止状態が解除され、カバー31bを開放する方向に移動させることができる。
【0039】
また、本体部31の内部後側には、各種の駆動源及び動力伝達部材を収容する収容部31dが設けられる。収容部31dには、例えば、駆動源として、後述の給紙モータ322b(
図7参照)、後述の昇降機構370を構成する昇降モータ371(
図7参照)などが収容されており、動力伝達部材として、後述の昇降機構370を構成するギアなどが収容されている。
【0040】
図4を用いて、左トレイ311を昇降させる昇降機構370について説明する。
図4は、昇降機構370を示す原稿搬送部30の断面図である。
図4では、昇降機構370、給紙トレイ310、給紙ユニット320等の部材以外について図示を省略している。
【0041】
昇降機構370は、昇降モータ371と、昇降モータ371の出力軸に噛み合う第1ギア372と、第1ギア372と噛み合う第2ギア373と、第2ギア373と噛み合う第3ギア374と、第3ギア374に噛み合う扇形ギア375と、扇形ギア375の回転中心に固定され、前後方向に沿って延びる回転軸376と、回転軸376から左側に延び、左トレイ311の左部を下方から支持する1対のアーム377と、を備える。
【0042】
以上の構成において、昇降モータ371を駆動させると、昇降モータ371の駆動力が、第1ギア372、第2ギア373、第3ギア374を介して扇形ギア375に伝達され、扇形ギア375が回転される。扇形ギア375の回転に伴って、回転軸376とともに1対のアーム377が上下方向に回動される。例えば、1対のアーム377の左端部が上方に回動されることで、左トレイ311の左端部が回動支点F周りに上方に回動され、左トレイ311は上昇する。また、1対のアーム377の左端部が下方に回動されることで、左トレイ311の左端部が回動支点F周りに下方に回動され、左トレイ311は下降する。
【0043】
図5及び
図6を用いて、給紙ユニット320について説明する。
図5は、給紙ユニット320を示す斜視図である。
図5では、給紙ユニット320の一部の部材について図示を省略している。
図6Aは、後述の上限センサ32が検知片325dを検知していない状態における給紙ユニット320の概略側面図である。
図6Bは、後述の上限センサ32が検知片325dを検知した状態における給紙ユニット320の概略側面図である。
【0044】
図5及び
図6に示すように、給紙ユニット320は、主に、ピックアップローラ321と、給紙ローラ322と、ピックアップローラ321及び給紙ローラ322を一体的に覆うカバー部材323と、分離ローラ324と、カバー部材323を上方から押圧する押圧アーム325と、ピックアップローラ321から繰り出された用紙を給紙ローラ322に向かってガイドするガイド部材326と、を備える。
【0045】
ピックアップローラ321は、左トレイ311上の用紙を繰り出す。ピックアップローラ321には、前後方向に延びる回転軸321aが設けられる。回転軸321aは、カバー部材323に回転可能に支持される。
【0046】
給紙ローラ322は、ピックアップローラ321によって繰り出された用紙を搬送路330に給送する。給紙ローラ322は、ピックアップローラ321よりも搬送方向の下流側(左側)に配置される。給紙ローラ322には、前後方向に延びる回転軸322aが設けられる。回転軸322aは、カバー部材323を貫通して本体部31に回転可能に支持される。回転軸322aの一方の端部には、給紙モータ322b(
図7参照)が接続される。回転軸322aと給紙ローラ322とは、給紙クラッチ322c(
図7参照)を介して接続されており、給紙モータ322bの駆動が停止している状態で給紙ローラ322が回転しても、回転軸322aは回転しない。
【0047】
カバー部材323は、ピックアップローラ321及び給紙ローラ322の上方を覆っている。カバー部材323の下部は、開口しており、ピックアップローラ321の下部及び給紙ローラ322の下部が露出している。カバー部材323の内部では、ピックアップローラ321及び給紙ローラ322がベルトを介して連結されており、給紙モータ322bが駆動されると、給紙ローラ322とともにピックアップローラ321が回転されることで、左トレイ311上にある最上位の用紙を搬送方向に繰り出すことができる。
【0048】
カバー部材323は、給紙ローラ322の回転軸322aを支点として右側(ピックアップローラ321側)が上下方向に揺動可能に構成される。カバー部材323の揺動範囲は、本体部31に設けられた各種の規制部材によって上限と下限とが規定されている。
【0049】
分離ローラ324は、給紙ローラ322と対向して設けられ、給紙ローラ322に圧接される。分離ローラ324は、用紙に対して給紙ローラ322とは逆方向の搬送力を与える。
【0050】
押圧アーム325は、カバー部材323の揺動端部(右端部)を上方から押圧する。すなわち、押圧アーム325は、カバー部材323を介してピックアップローラ321を上方から押圧する。押圧アーム325は、前後に対向する一対の延伸部325aと、一対の延伸部325aの右端部同士をつなぐ押圧部325bと、押圧部325bを下方に付勢する付勢部材325c(
図6A参照)と、を有する。
【0051】
一対の延伸部325aは、ピックアップローラ321を間に挟むように本体部31に設けられる。一対の延伸部325aは、その左端部を支点として、右部側が上下方向に揺動可能に構成される。押圧部325bは、カバー部材323の揺動端部(右端部)の上側に位置する。付勢部材325cは、一対の延伸部325aのうち、一方の延伸部325aに設けられ、延伸部325aの右端部を下方に向けて付勢する。すなわち、付勢部材325cは、押圧部325bを下方に向けて付勢する。
【0052】
本体部31には、左トレイ311を上昇させた際の上限位置を検知する上限センサ32が設けられる。上限センサ32は、例えば、光学センサであり、発光部32aから受光部32bに向かって光を照射し、受光部32bに光が到達したか否かによって、物体の検知を行う。上限センサ32は、後述の押圧アーム325に設けられた検知片325dを検知することで、左トレイ311の上限位置を検知している。ここでの上限位置とは、基準となる厚みを有する後述の第1用紙(普通紙)を用いた場合の左トレイ311の上限位置である。
【0053】
押圧アーム325は、一対の延伸部325aのうち、他方の延伸部325aに検知片325dが設けられる。検知片325dは、他方の延伸部325aから前後方向における外側に向けて突出するように設けられる。
【0054】
以下では、
図6を用いて、上限センサ32による検知片325dの検知について説明する。
【0055】
図6Aに示す状態では、左トレイ311は、ピックアップローラ321に当接しておらず、付勢部材325cの付勢力によって押圧アーム325がピックアップローラ321を上方から押圧している。この状態では、押圧アーム325の検知片325dは、上限センサ32よりも下側に位置している。すなわち、上限センサ32は、検知片325dを検知していない状態である。
図6Aに示す状態からから左トレイ311を上昇させると、左トレイ311の用紙束Mの最上位の用紙がピックアップローラ321に当接し、付勢部材325cの付勢力に抗してピックアップローラ321とともに押圧アーム325を押し上げる。これにより、検知片325dが上側に移動し、上限センサ32が検知片325dを検知した
図6Bに示す状態となる。後述の第1用紙(普通紙)を用いる場合は、上限センサ32が検知片325dを検知した場合、左トレイ311の上昇を停止させて、後述の給紙処理を開始するものとする。
【0056】
図6に示すように、ガイド部材326は、左トレイ311から繰り出される用紙を給紙ローラ322に向かってガイドする。ガイド部材326は、ピックアップローラ321と給紙ローラ322との間に設けられる。具体的には、ガイド部材326は、例えば、本体部31における壁面31aの上端部に設けられ、給紙ローラ322に向かうにつれて上側に傾斜するように設けられる。ガイド部材326の左端部は、給紙ローラ322と分離ローラ324との間のニップ域に向かうように上側に傾斜している。
【0057】
ガイド部材326は、例えば、平板状の部材である。ガイド部材326は、その上面に、上側に傾斜するガイド面326aが設けられる。ガイド部材326は、例えば、シリコンやウレタン等の高い摩擦係数(例えば、1.2~1.7)を有するゴム質材料からなる弾性部材によって形成される。
【0058】
以上の構成において、ピックアップローラ321によって左トレイ311上の最上位の用紙が繰り出されると、最上位の用紙の先端がガイド部材326のガイド面326aに当接し、ガイド面326aに沿って給紙ローラ322までガイドされる。また、ガイド部材326が高い摩擦係数を有するゴム質材料で形成されていることから、給紙ローラ322に向かって繰り出される用紙に対してガイド部材326が抵抗となり、用紙の分離ミス(ダブルフィード)を効果的に抑制することができる。
【0059】
本体部31には、左トレイ311を下降させた際の下限位置を検知する下限センサ33(
図3参照)が設けられる。下限センサ33は、例えば、光学センサである。下限センサ33は、上限センサ32と同様の構成のため、説明は省略する。また、下限センサ33は、左トレイ311に設けられた検知片(図示せず)を検知することで、左トレイ311の下限位置を検知している。ここでの下限位置とは、後述の左トレイ311の初期位置P1である。
【0060】
本体部31には、左トレイ311上に原稿が載置されていることを検知する原稿検知センサ34(
図3参照)が設けられる。原稿検知センサ34は、例えば、発光部と受光部とを有する光学センサである。原稿検知センサ34は、例えば、本体部31の上部、具体的には、左トレイ311の左端部と対向する部分に設けられる。原稿検知センサ34は、例えば、左トレイ311上に原稿が載置されていないときには発光部から受光部への光が遮光される。
【0061】
本体部31には、給紙ユニット320によって給送される用紙を検知する通紙センサ35(
図3参照)が設けられる。通紙センサ35は、例えば、発光部と受光部とを有する光学センサである。通紙センサ35は、給紙ユニット320の搬送方向の下流側に配置される。通紙センサ35は、給紙ユニット320を介して搬送路330に搬送された用紙の先端を検知することで、給紙ユニット320によって搬送路330に用紙が給送されたことを検知する。
【0062】
以上の構成において、左トレイ311が昇降機構370によって上昇されると、左トレイ311に載置される最上位の用紙がピックアップローラ321に当接する。そして、左トレイ311に載置される最上位の用紙がピックアップローラ321に当接した状態において、給紙モータ322bが駆動されると、左トレイ311上の最上位の用紙が、ピックアップローラ321によって左方向に繰り出される。ピックアップローラ321によって左方に繰り出された用紙の先端は、ガイド部材326を経由して給紙ローラ322まで繰り出される。ガイド部材326を経由して給紙ローラ322に繰り出された用紙は、給紙ローラ322及び分離ローラ324の間のニップ域を通じて搬送路330に給送される。搬送路330に搬送された用紙は、複数の搬送ローラ対340によって画像読取部20の送り読み込み用コンタクトガラス21を経由した後、排出ローラ対350によって排出トレイ360に排出される。
【0063】
図7を用いて、画像形成装置1のハードウェア構成について説明する。
図7は、画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0064】
画像形成装置1は、制御部200、記憶部210、通信部220、印刷部10、画像読取部20、原稿搬送部30、操作パネル40等を含む。
【0065】
制御部200は、画像形成装置1を制御する。制御部200は、記憶部210に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現している。制御部200は、例えば、1つまたは複数のCPU(Central Processing Unit)等により構成されている。
【0066】
記憶部210は、画像形成装置1の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部210は、例えば、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成される。
【0067】
通信部220は、例えば、コンピュータ等の外部端末との間で各種データの無線通信を制御する。なお、通信部220は、無線通信を制御するものに限らず、有線通信を制御するものであってもよい。
【0068】
制御部200は、記憶部210、通信部220、印刷部10、画像読取部20、原稿搬送部30を構成する給紙モータ322b、給紙クラッチ322c、昇降モータ371、上限センサ32、下限センサ33、原稿検知センサ34、通紙センサ35等と接続される。
【0069】
制御部200は、給紙モータ322bを制御し、ピックアップローラ321及び給紙ローラ322を回転させることで、左トレイ311から繰り出された用紙を搬送路330に給送する給紙処理を実行可能である。
【0070】
制御部200は、設定部201と、昇降制御部202と、判定部203と、カウント部204と、を含む。
【0071】
設定部201は、操作パネル40により受け付けられた操作入力に従って、各種ジョブに関する設定を行う。各種ジョブとは、印刷ジョブや、画像読取ジョブ等である。設定部201は、例えば、画像読込ジョブに関して、複数種類の用紙に関する設定を行うことができる。設定部201は、複数種類の用紙として、例えば、第1用紙(普通紙)と、第2用紙(厚紙)と、第3用紙(薄紙)と、第4用紙(名刺用の厚紙)とを設定可能である。
【0072】
第1用紙とは、基準となる厚みを有する普通紙である。第2用紙とは、普通紙よりも厚みの大きい厚紙である。第3用紙とは、普通紙よりも厚みの小さい薄紙である。第4用紙とは、普通紙よりも厚みが大きく、かつ普通紙よりもサイズの小さい名刺用の厚紙である。
【0073】
なお、設定部201は、画像読込ジョブに関して、複数種類の用紙に関する設定を行っているが、これに限らず、印刷ジョブに関して、複数種類の用紙に関する設定を行ってもよい。
【0074】
図8を用いて、複数種類の用紙に関する操作入力の受付画面について説明する。
図8は、操作パネル40に表示される複数種類の用紙に関する操作入力の受付画面を示す。
【0075】
図8に示すように、受付画面には、「原稿の種類を選択ください」との文字が表示されるとともに、「普通紙」に対応するボタン41と、「厚紙」に対応するボタン42と、「薄紙」に対応するボタン43と、「名刺」に対応するボタン44とが表示される。ユーザが、所望のボタンをタッチすることにより、設定部201は、当該ボタンに対応する用紙の種類を設定する。
【0076】
例えば、「普通紙」に対応するボタン41がタッチされると、設定部201は、普通紙モードの設定を行う。また、「厚紙」に対応するボタン42がタッチされると、設定部201は、厚紙モードの設定を行う。また、設定部201は、「薄紙」に対応するボタン43がタッチされると、薄紙モードの設定を行う。また、設定部201は、「名刺」に対応するボタン44がタッチされると、名刺モードの設定を行う。
【0077】
昇降制御部202は、各種センサの検知結果に基づいて、昇降モータ371を制御する。以下では、昇降制御部202による給紙処理の開始前に係る左トレイ311の昇降制御について説明する。
【0078】
図9及び
図10を用いて、給紙処理の開始前に係る左トレイ311の昇降制御について説明する。
図9Aは、左トレイ311の初期位置P1を示す原稿搬送部30の断面図である。
図9Bは、普通紙モードにおける左トレイ311の高さ位置P2を示す原稿搬送部30の断面図である。
図9Cは、厚紙モードにおける左トレイ311の高さ位置P3を示す原稿搬送部30の断面図である。
図10は、普通紙モードにおける左トレイ311の高さ位置P2と厚紙モードにおける左トレイ311の高さ位置P3とを比較した原稿搬送部30の概略側面図である。
図9A、
図9B、
図9C及び
図10では、原稿搬送部30の給紙トレイ310、給紙ユニット320以外の部材については図示をそれぞれ省略している。
【0079】
図9Aに示すように、給紙処理の開始前において、左トレイ311は初期位置P1に位置している。
【0080】
まず、
図9B及び
図10を用いて、普通紙モードにおける左トレイ311の昇降制御について説明する。
図9Bに示すように、昇降制御部202は、普通紙モードでは、左トレイ311を初期位置P1から上限センサ32が検知片325dを検知する高さ位置P2まで左トレイ311を上昇させるように昇降モータ371を制御する。
【0081】
上限センサ32が検知片325dを検知する高さ位置P2とは、基準となる厚みを有する第1用紙(普通紙)に基づいて設定される高さ位置である。高さ位置P2とは、給紙処理を開始して、左トレイ311に載置される用紙束Mからピックアップローラ321によって最上位の用紙が繰り出されたとき、例えば、用紙の先端がガイド部材326におけるガイド面326aの中央よりも下側に当接する高さ位置である。これにより、繰り出された最上位の用紙がガイド面326aを駆け上がる距離を十分に確保できる。ゆえに、ガイド部材326によってダブルフィードを抑制しつつ、給紙ローラ322に向けて用紙をガイドすることができる。なお、高さ位置P2は、繰り出された最上位の用紙の先端が、ガイド面326aの中央よりも下側に当接する高さ位置であるが、これに限らず、最上位の用紙の先端がガイド面326aを駆け上がる距離を十分に確保できればよく、ガイド面326aの中央近傍に当接する高さ位置であってもよいし、ガイド面326aの中央よりも上側に当接する高さ位置であってもよい。
【0082】
次に、
図9C及び
図10を用いて、厚紙モードにおける左トレイ311の昇降制御について説明する。
図9C及び
図10に示すように、昇降制御部202は、普通紙モードと比較して、第1所定量A1だけ高くなるように昇降モータ371を制御する。具体的には、昇降制御部202は、左トレイ311を初期位置P1から上限センサ32が検知片325dを検知する高さ位置P2よりも第1所定量A1だけ高い高さ位置P3まで左トレイ311を上昇させるように昇降モータ371を制御する。
【0083】
第1所定量A1とは、左トレイ311に載置される用紙束Mからピックアップローラ321によって最上位の用紙が繰り出されたとき、用紙の先端がガイド部材326のガイド面326aに当接可能な範囲で設定される。本例では、第1所定量A1とは、例えば、3mmである。本例では、高さ位置P3とは、給紙処理を開始して、ピックアップローラ321によって最上位の用紙が繰り出されたとき、例えば、用紙の先端がガイド部材326におけるガイド面326aの中央よりも上側に当接する高さ位置である。なお、高さ位置P3は、繰り出された最上位の用紙の先端が、ガイド面326aの中央よりも上側に当接する高さ位置であるが、これに限らず、高さ位置P2よりも高ければよく、ガイド面326aの中央近傍に当接する高さ位置であってもよいし、ガイド面326aの中央よりも下側に当接する高さ位置であってもよい。
【0084】
第2用紙(厚紙)は、第1用紙(普通紙)と比較して、厚みが大きいため、紙に曲げの力が与えられたときの抵抗性が大きくなる。そのため、繰り出された最上位の用紙がガイド面326aを駆け上がる距離が、第1用紙(普通紙)と同様の距離である場合、ピックアップローラ321のスリップが増大することによってピックミスが生じやすい。
【0085】
そこで、昇降制御部202は、厚紙モードでは、普通紙モードと比較して、第1所定量A1だけ高くなるように昇降モータ371を制御する。これにより、ピックアップローラ321によって繰り出された最上位の用紙がガイド面326aを駆け上がる距離を小さくできる。ゆえに、ピックミスを抑制しつつ、給紙ローラ322に向けて用紙をガイドすることができる。なお、第2用紙(厚紙)は、第1用紙(普通紙)と比較して、厚みが大きく、紙同士が離れやすいため、ダブルフィードが生じにくい。そのため、厚紙モードでは、ガイド面326aを駆け上がる距離を小さくしたとしても、ダブルフィードを抑制することができる。
【0086】
以下では、薄紙モードと、名刺モードとにおける給紙処理の開始前に係る左トレイ311の昇降制御について説明する。
【0087】
昇降制御部202は、薄紙モードでは、普通紙モードと比較して、第2所定量A2だけ高くなるように昇降モータ371を制御する。具体的には、昇降制御部202は、左トレイ311を初期位置P1から上限センサ32が検知片325dを検知する高さ位置P2よりも第2所定量A2だけ高い高さ位置まで左トレイ311を上昇させるように昇降モータ371を制御する。
【0088】
第2所定量A2とは、第1所定量A1より小さい値である。すなわち、薄紙モードでは、普通紙モードよりも高く、かつ厚紙モードよりも低い位置に左トレイ311を上昇させる。
【0089】
第3用紙(薄紙)は、第1用紙(普通紙)と比較して、厚みが小さいため、紙に曲げの力が与えられたときの抵抗性が小さくなる。そのため、繰り出された最上位の用紙がガイド面326aを駆け上がる距離が、第1用紙(普通紙)と同様の距離である場合、第3用紙(薄紙)に抵抗がかかり、用紙の先端が折れる等の破損が生じる場合がある。
【0090】
そこで、昇降制御部202は、薄紙モードでは、普通紙モードと比較して、第1所定量A1よりも小さい第2所定量A2だけ高くなるように昇降モータ371を制御する。これにより、ピックアップローラ321によって繰り出された最上位の用紙がガイド面326aを駆け上がる距離をある程度確保しつつ、小さくすることができる。ゆえに、用紙の破損等及びダブルフィードを抑制しつつ、給紙ローラ322に向けて用紙をガイドすることができる。
【0091】
昇降制御部202は、名刺モードでは、普通紙モードと比較して、第3所定量A3だけ高くなるように昇降モータ371を制御する。具体的には、昇降制御部202は、左トレイ311を初期位置P1から上限センサ32が検知片325dを検知する高さ位置P2よりも第3所定量A3だけ高い高さ位置まで左トレイ311を上昇させるように昇降モータ371を制御する。
【0092】
第3所定量A3とは、第1所定量A1より大きい値である。すなわち、名刺モードでは、厚紙モードよりも高い位置に左トレイ311を上昇させる。
【0093】
第4用紙(名刺用の厚紙)は、第1用紙(普通紙)と比較して、厚みが大きく、かつサイズが小さいため、紙に曲げの力が与えられたときの抵抗性が大きくなる。そのため、繰り出された最上位の用紙がガイド面326aを駆け上がる距離が、第1用紙(普通紙)と同様の距離である場合、ピックアップローラ321のスリップが増大することによってピックミスが生じやすい。
【0094】
そこで、昇降制御部202は、名刺モードでは、普通紙モードと比較して、第1所定量A1よりも大きい第3所定量A3だけ高くなるように昇降モータ371を制御する。これにより、ピックアップローラ321によって繰り出された最上位の用紙がガイド面326aを駆け上がる距離を小さくすることができる。ゆえに、ピックミスを抑制しつつ、給紙ローラ322に向けて用紙をガイドすることができる。なお、第4用紙(名刺用の厚紙)は、第1用紙(普通紙)と比較して、厚みが大きく、紙同士が離れやすいため、ダブルフィードが生じにくい。そのため、名刺モードでは、ガイド面326aを駆け上がる距離を小さくしたとしても、ダブルフィードを抑制することができる。
【0095】
また、
図10に示すように、昇降制御部202は、厚紙モードにおいて、普通紙モードと比較して、ガイド面326aに対する左トレイ311の用紙が載置される載置面の角度が小さくなるように昇降機構370を制御する。厚紙モードにおけるガイド面326aに対する載置面の角度a2は、普通紙モードにおけるガイド面326aに対する載置面の角度a1よりもガイド面326aに近づくように小さくなる。また、
図10に示すように、回動支点Fは、左トレイ311の搬送方向の上流側の端部(右端部)に設けられる。左トレイ311は、右端部に位置する回動支点F周りに上下方向に回動可能である。例えば、左トレイ311の左端部が回動支点F周りに上方に回動されることで、左トレイ311は上昇する。また、左トレイ311の左端部が回動支点F周りに下方に回動されることで、左トレイ311は下降する。
【0096】
以上のように、厚紙モードでは、普通紙モードと比較して、左トレイ311の傾きが、ガイド面326aに近づくように左トレイ311が上昇される。ゆえに、左トレイ311上の用紙の先端がガイド面326aに当接するときの抵抗を小さくできるため、ピックミスが生じることを抑制できる。
【0097】
なお、左トレイ311の傾きは、左トレイ311が上昇するほど、ガイド面326aに近づくように構成される。そのため、左トレイ311の傾きは、厚紙モード、薄紙モード、名刺モードの何れであっても、普通紙モードよりもガイド面326aに近づくため、ピックミスが生じることを抑制できる。
【0098】
以上のように、用紙の種類に応じて左トレイ311の高さを変更することで、給紙処理時において、用紙の種類に応じて生じ得る給紙不良を低減することができる。
【0099】
また、昇降制御部202において上限センサ32が検知片325dを検知してから左トレイ311を上昇させる量については、用紙の種類ごとに昇降モータ371を回転させる回転角を予め記憶部210に記憶しているものとする。
【0100】
また、昇降制御部202は、厚紙モードでは、左トレイ311を初期位置P1から高さ位置P3まで段階的に上昇させてもよいし、左トレイ311を初期位置P1から高さ位置P3まで連続して上昇させてもよい。
【0101】
まず、左トレイ311を初期位置P1から高さ位置P3まで段階的に上昇させる場合について説明する。昇降制御部202は、原稿検知センサ34によって左トレイ311上に原稿が載置されたことを検知し、かつ操作パネル40を介していずれかの操作入力(タッチ操作入力)が受け付けられた場合に、初期位置P1から高さ位置P2まで左トレイ311を上昇させた後、左トレイ311を停止させる。これにより、操作パネル40によってジョブの設定を開始する前に、予め高さ位置P2まで左トレイ311を上昇させることができる。そして、昇降制御部202は、例えば、操作パネル40を介して厚紙モードに設定されたジョブを開始する指示が受け付けられた場合に、高さ位置P2から高さ位置P3まで左トレイ311を上昇させる。
【0102】
次に、左トレイ311を初期位置P1から高さ位置P3まで連続して上昇させる場合について説明する。昇降制御部202は、例えば、原稿検知センサ34によって左トレイ311上に原稿が載置されたことを検知し、かつ操作パネル40を介して厚紙モードに設定されたジョブを開始する指示が受け付けられた場合に、初期位置P1から高さ位置P3まで左トレイ311を連続して上昇させる。
【0103】
以上のように、厚紙モードでは、左トレイ311を段階的に上昇させてもよいし、左トレイ311を連続して上昇させてもよい。なお、厚紙モードに限らず、薄紙モード、名刺モードにおいても同様に、左トレイ311を段階的に上昇させてもよいし、連続して上昇させてもよい。
【0104】
図11を用いて、給紙処理の開始前に係る左トレイ311の昇降制御に係るフローについて説明する。
図11は、制御部200による給紙処理の開始前の昇降制御に係るフローの一例である。
図11に示すフローでは、用紙の種類として、普通紙モード及び厚紙モードが設定可能であるものとする。
【0105】
S11では、原稿検知センサ34が左トレイ311上に原稿が載置されたことを検知して、S12に進む。S12では、操作部を介していずれかの(入力操作)タッチ操作が受け付けられた否かを判定する。S12においてタッチ操作が受け付けられた場合、すなわち、S12においてYesの場合、S13に進む。S12において、タッチ操作が受け付けられていない場合、すなわち、S12においてNoの場合、S12に戻る。
【0106】
S13では、左トレイ311を上昇させて、S14に進む。S14では、上限センサ32が検知片325dを検知したか否かを判定する。S14において、上限センサ32が検知片325dを検知したと判定した場合、すなわち、S14においてYesの場合、S15に進む。S14において、上限センサ32が検知片325dを検知していないと判定した場合、すなわち、S14においてNoの場合、S14に戻る。S15では、左トレイ311を停止させて、S16に進む。
【0107】
S16では、ジョブの開始指示が受け付けられたか否かを判定する。S16においてジョブの開始指示が受け付けられたと判定された場合、S16においてYesの場合、S17に進む。S16においてジョブの開始指示が受け付けられていないと判定された場合、すなわち、S16においてNoの場合、S16に戻る。S17では、厚紙モードであるか否かを判定する。S17において厚紙モードであると判定された場合、すなわち、S17においてYesの場合、S18に進む。S17において厚紙モードでない、すなわち、普通紙モードであると判定された場合、すなわち、S17においてNoの場合、終了となる。S18では、左トレイ311を第1所定量A1だけ上昇させて終了となる。
【0108】
次に、給紙処理中に係る左トレイ311の昇降補正制御について説明する。給紙処理では、給紙モータ322bを駆動してピックアップローラ321及び給紙ローラ322を回転させることで、左トレイ311上の用紙束Mから1枚ずつ用紙が搬送路330に送り込まれる。そして、左トレイ311上の用紙束Mが徐々に減っていき、左トレイ311に積載された最上位の用紙の高さが低くなると、押圧部325bに押圧されて、ピックアップローラ321が徐々に下がっていく。それに伴って、検知片325dが下がった結果、上限センサ32が検知片325dを検知しなくなるため、用紙の先端がガイド部材326の所望の位置に当接せず、用紙を給紙ローラ322に向けて適切にガイドできない場合がある。
【0109】
そこで、昇降制御部202は、普通紙モードでは、給紙処理中において上限センサ32が検知片325dを検知しなくなった場合、左トレイ311を給紙処理の開始前の高さ位置P2から上限センサ32が検知片325dを検知する高さ位置まで左トレイ311をさらに上昇させるように昇降モータ371を制御する。
【0110】
また、昇降制御部202は、厚紙モードでは、給紙処理中において上限センサ32が検知片325dを検知しなくなった場合、普通紙モードと比較して、第1所定量A1だけ高くなるように昇降モータ371を制御する。同様に、昇降制御部202は、薄紙モードでは、普通紙モードと比較して、第2所定量A2だけ高くなるように昇降モータ371を制御する。また、昇降制御部202は、名刺モードでは、普通紙モードと比較して、第3所定量A3だけ高くなるように昇降モータ371を制御する。
【0111】
これにより、給紙処理中に左トレイ311上の用紙束Mが減って、ガイド面326aに対する用紙の先端が当接する位置が低くなったとしても、左トレイ311を上昇させることで、用紙の先端が当接する位置を高くすることができるため、給紙不良を抑制しつつ、給紙ローラ322に用紙を繰り出すことができる。
【0112】
次に、給紙処理中に係る昇降補正制御の第1変形例について説明する。
【0113】
制御部200は、給紙ユニット320によって搬送路330に給送された用紙の枚数である給紙枚数をカウントするカウント部204を有する。カウント部204は、給紙処理が開始されると、給紙枚数をカウントする。また、カウント部204は、給紙枚数が所定の閾値に達した場合に、給紙枚数のカウントをリセットする。
【0114】
昇降制御部202は、厚紙モードでは、上限センサ32が検知片325dを検知している状態において、給紙枚数が所定の閾値に達したと判定された場合、左トレイ311を所定量だけ高くなるように昇降モータ371を制御する。ここでの所定量とは、例えば、厚紙の厚みに給紙枚数を乗じた値に基づいて設定される。
【0115】
これにより、左トレイ311上の用紙束Mが一定枚数減るたびに左トレイ311を上昇させることができるため、ガイド面326aに対する用紙の先端が当接する位置が下がりすぎることを防止できる。ゆえに、上限センサ32が検知片325dを検知しているにも関わらず、ピックアップローラ321のスリップが増大することによってピックミスが生じることを効果的に抑制できる。
【0116】
なお、上述の給紙処理中における左トレイ311の昇降制御について、第2用紙(厚紙)を用いて説明したが、これに限らず、例えば、第3用紙(薄紙)を用いた場合や、第4用紙(名刺用の厚紙)を用いた場合にも適用できる。
【0117】
次に、制御部200によるピックミス判定時における給紙処理に係る制御について説明する。
【0118】
制御部200は、給紙処理中においてピックミスが生じているか否かを判定する判定部203を有する(
図7参照)。判定部203は、給紙モータ322bを駆動して給紙ローラ322を回転させてから所定時間内に、通紙センサ35によって搬送路330に用紙が給送されたことを検知しない場合に、ピックミスが生じていると判定する。判定部203は、給紙モータ322bを駆動して給紙ローラ322を回転させてから所定時間内に、通紙センサ35によって搬送路330に用紙が給送されたことを検知した場合、ピックミスが生じていないと判定する。上述のピックミスの判定に用いられる所定時間(判定時間とも称する)については、
図17を用いて後述する。
【0119】
制御部200は、ピックミスが生じていると判定された場合、給紙モータ322bの駆動を一旦停止させた後、給紙モータ322bを再度駆動するリトライ処理を実行する。昇降制御部202は、リトライ処理において、給紙モータ322bの駆動を一旦停止させた後、給紙モータ322bを再度駆動する前に、左トレイ311を所定の範囲内において昇降させる昇降処理を行う。所定の範囲とは、左トレイ311に載置される最上位の用紙が繰り出されたとき、用紙の先端がガイド部材326におけるガイド面326aに当接可能な範囲である。
【0120】
図12及び
図13を用いて、昇降制御部202による昇降処理について説明する。
図12は、昇降処理における左トレイ311の昇降動作の一例である。
図13は、昇降処理における左トレイ311の昇降動作の別例である。昇降制御部202は、昇降処理において、所定の範囲内において左トレイ311の上昇動作及び左トレイ311の下降動作を実行する。昇降制御部202において左トレイ311を昇降させる量については、昇降モータ371を回転させる回転角を予め記憶部210に記憶しているものとする。
【0121】
図12に示すように、昇降制御部202は、左トレイ311を基準位置P4(
図12の実線にて示される位置)から下降位置P5(
図12の破線にて示される位置)まで下降させる。そして、昇降制御部202は、左トレイ311を下降位置P5(
図12の破線にて示される位置)から元の高さ位置(
図12の実線にて示される基準位置P4)まで上昇させる。
【0122】
基準位置P4とは、ピックミスが生じていると判定されたときの位置である。基準位置P4は、例えば、給紙処理開始前の左トレイ311の高さ位置(例えば、普通紙モードであれば高さ位置P2、厚紙モードであれば高さ位置P3)、もしくは給紙処理中に左トレイ311の高さ位置が補正された場合は補正後の高さ位置である。下降位置P5とは、左トレイ311を下降させたときの位置である。本例では、下降位置P5とは、左トレイ311に載置される最上位の用紙をピックアップローラ321によって繰り出したときに、用紙の先端がガイド部材326のガイド面326aの下端部に当接する位置である。
【0123】
以上のように、判定部203によってピックミスが生じていると判定された場合に、昇降制御部202は、左トレイ311を下降させた後、左トレイ311を上昇させる、すなわち、左トレイ311の下降動作及び上昇動作を行うことで、用紙の先端が上下に揺動され、ガイド部材326に対する用紙の先端の食い込みを解消することができる。ゆえに、リトライ処理時に当該食い込みを起因とするピックミスが再度発生することを防止できる。また、左トレイ311を昇降させる際に、左トレイ311を下げすぎると、用紙が前後方向にずれ、用紙の斜め送りが誘発されやすい。そこで、所定の範囲内において左トレイ311を昇降させることで、用紙の斜め送りが誘発されることを防止している。また、元の高さ位置(基準位置P4)に戻すように、左トレイ311を昇降させることで、給紙処理を円滑に再開させることができる。
【0124】
なお、昇降制御部202は、左トレイ311を下降させた後、左トレイ311を上昇させているが、これに限らず、例えば、左トレイ311を上昇させた後、左トレイ311を下降させてもよい。
【0125】
図13に示すように、昇降制御部202は、左トレイ311を基準位置P4(
図13の実線にて示される位置)から上昇位置P6(
図13の破線にて示される位置)まで上昇させる。そして、昇降制御部202は、左トレイ311を上昇位置P6(
図13の破線にて示される位置)から元の高さ位置(
図13の実線にて示される基準位置P4)まで下降させる。
【0126】
基準位置P4とは、上述にて説明した位置である。上昇位置P6とは、左トレイ311を上昇させたときの位置である。本例では、上昇位置P6とは、左トレイ311に載置される最上位の用紙をピックアップローラ321によって繰り出されたときに、用紙の先端がガイド部材326のガイド面326aの上端部に当接する位置である。
【0127】
以上のように、判定部203によってピックミスが生じていると判定された場合に、昇降制御部202は、左トレイ311を上昇させた後、左トレイ311を下降させる、すなわち、左トレイ311の上昇動作及び下降動作を行うことで、用紙の先端が上下に揺動され、ガイド部材326に対する用紙の先端の食い込みを解消することができる。ゆえに、リトライ処理時に当該食い込みを起因とするピックミスが再度発生することを防止できる。
【0128】
なお、昇降制御部202が左トレイ311を昇降させる量については、昇降モータ371を回転させる回転角を予め記憶部210に記憶しているが、これに限らない。例えば、昇降制御部202は、上限センサ32の検知結果を用いて左トレイ311を昇降させてもよい。例えば、昇降制御部202は、上限センサ32が検知片325dを検知しなくなる位置、もしくは当該位置から所定量だけ下降させた位置を下降位置P5と設定する。この場合、上限センサ32が検知片325dを検知しなくなる位置、もしくは当該位置から所定量だけ下降させた位置である下降位置P5まで左トレイ311を下降させた後、再度、元の高さ位置(基準位置P4)まで左トレイ311を上昇させればよい。また、上述した昇降処理について、用紙の種類に関する設定に関わらず、適用することができる。
【0129】
例えば、普通紙モードでは、厚紙モード、薄紙モード、名刺モードと比較して、左トレイ311が低い位置にあるため、所定の範囲内における左トレイ311の下降可能な幅が小さく、上昇可能な幅が大きくなる。ゆえに、普通紙モードでは、左トレイ311を上昇させた後、下降させることが好ましい。これにより、左トレイ311の昇降幅を十分に確保することができるため、ガイド部材326に対する用紙の先端の食い込みを効果的に解消することができる。ゆえに、リトライ処理時に当該食い込みを起因とするピックミスが再度発生することを防止できる。
【0130】
また、厚紙モードでは、普通紙モードにおける左トレイ311の高さ位置よりも高い位置を基準位置P4として所定の範囲内で左トレイ311を昇降させればよい。第2用紙(厚紙)は、第1用紙(普通紙)と比較して、厚みが大きいため、紙に曲げの力が与えられたときの抵抗性が大きくなる。そのため、第2用紙(厚紙)は、第1用紙(普通紙)と比較して、特に、用紙の先端がガイド部材326に食い込みすく、当該食い込みを起因とするピックミスが生じやすいため、厚紙モードにおいて、昇降処理を実行することで、食い込みを起因とするピックミスが再度発生することを効果的に防止することができる。
【0131】
また、厚紙モードでは、普通紙モードと比較して、左トレイ311が高い位置にあるため、所定の範囲内における左トレイ311の上昇可能な幅は小さく、下降可能な幅は大きくなる。ゆえに、厚紙モードでは、左トレイ311を下降させた後、上昇させることが好ましい。これにより、左トレイ311の昇降幅を十分に確保することができるため、ガイド部材326に対する用紙の先端の食い込みを解消することができる。ゆえに、リトライ処理時に当該食い込みを起因とするピックミスが再度発生することを防止できる。
【0132】
なお、厚紙モードに限らず、薄紙モードや、名刺モードにおいても、普通紙モードと比較して、左トレイ311が高い位置にあるため、左トレイ311の昇降幅を十分に確保する観点から、左トレイ311を下降させた後、上昇させることが好ましい。
【0133】
なお、昇降制御部202は、昇降処理において、少ない動作回数で用紙の先端の食い込みを解消するという観点から、左トレイ311の上昇動作及び下降動作をそれぞれ1回ずつ行うことが好ましいが、これに限らず、左トレイ311を基準位置P4に戻すことができればよく、左トレイ311の上昇動作及び下降動作をそれぞれ任意の回数だけ実行してもよい。昇降制御部202は、例えば、左トレイ311を基準位置P4から下降位置P5まで下降させてから、上昇位置P6まで上昇させた後、基準位置P4まで再度下降させてもよい。
【0134】
図14を用いて、ピックミス判定時における給紙処理に係るフローについて説明する。
図14は、制御部200によるピックミス判定時における給紙処理に係るフローの一例である。
図14では、給紙処理を開始しているものとする。
【0135】
S21では、判定部203によってピックミスが生じているか否かを判定する。S21において、判定部203によってピックミスが生じていると判定された場合、すなわち、S21においてYesの場合、S22に進む。S21において、判定部203によってピックミスが生じていないと判定された場合、すなわち、S21においてNoの場合、給紙処理が正常に行われているものとして、終了となる。S22では、リトライ処理の実行回数が所定回数(後述のリトライ回数の上限)に達していないか否かを判定する。S22において、リトライ処理の実行回数が所定回数に達していないと判定された場合、S22においてYesの場合、S23に進む。S22において、リトライ処理の実行回数が所定回数に達していると判定された場合、S22においてNoの場合、S24に進む。S23では、リトライ処理を実行し、S21に戻る。S24では、ジャムが発生しているとして、給紙処理を中断し、終了となる。
【0136】
以下では、
図15及び
図16を用いて、S23で実行されるリトライ処理について説明する。
図15は、リトライ処理の一例を示すフローである。
図16は、リトライ処理の別例を示すフローである。
【0137】
まず、
図15を用いて、リトライ処理の一例について説明する。S31では、給紙モータ322bの駆動を停止し、給紙ローラ322を停止させて、S32に進む。S32では、所定の範囲内で左トレイ311を下降させて、S33に進む。S33では、所定の範囲内で左トレイ311を上昇させて、S34に進む。S34では、給紙モータ322bを駆動し、給紙ローラ322を再度回転させて、S21に戻る。なお、S31では、給紙クラッチ322cを制御して、給紙モータ322bからの動力を給紙ローラ322へ伝達することを遮断することで、給紙ローラ322を停止させてもよい。また、S34では、給紙クラッチ322cを制御して、給紙モータ322bからの動力を給紙ローラ322へ伝達することで、給紙ローラ322を回転させてもよい。
【0138】
次に、
図16を用いて、リトライ処理の別例について説明する。S41では、給紙モータ322bの駆動を停止し、給紙ローラ322を停止させて、S42に進む。S42では、所定の範囲内で左トレイ311を上昇させて、S43に進む。S43では、左トレイ311を下降させて、S44に進む。S44では、給紙モータ322bを駆動し、給紙ローラ322を再度回転させて、S21に戻る。なお、S41では、給紙クラッチ322cを制御して、給紙モータ322bからの動力を給紙ローラ322へ伝達することを遮断することで、給紙ローラ322を停止させてもよい。また、S44では、給紙クラッチ322cを制御して、給紙モータ322bからの動力を給紙ローラ322へ伝達することで、給紙ローラ322を回転させてもよい。
【0139】
図17を用いて、普通紙モード及び厚紙モードにおけるピックミスの判定に用いられる所定時間(判定時間)と、リトライ処理の実行回数(リトライ回数とも称する)の上限とについて説明する。
図17は、普通紙モード及び厚紙モードにおける判定時間とリトライ回数の上限とをそれぞれ示す表である。
【0140】
図17に示すように、判定時間は、厚紙モードの方が、普通紙モードよりも長い。例えば、普通紙モードでは、予想時間T1に、用紙が100mm搬送されるのにかかる時間T2を加えた時間を判定時間としている。予想時間T1とは、給紙ローラ322を回転させることで、用紙が給送されてから通紙センサ35に達するまでに想定される時間であり、予め定められた時間である。用紙が100mm搬送されるのにかかる時間T2とは、給紙ローラ322によって用紙が100mm搬送されるのに要する時間であり、給紙ローラ322の回転速度に基づいて算出される。一方、厚紙モードでは、予想時間T1に、用紙が200mm搬送されるのにかかる時間T3を加えた時間を判定時間としている。用紙が200mm搬送されるのにかかる時間T2とは、給紙ローラ322によって用紙が200mm搬送されるのに要する時間であり、給紙ローラ322の回転速度に基づいて算出される。以上のように、厚紙モードの方が、普通紙モードよりも、判定時間が長く設定される。
【0141】
第2用紙(厚紙)は、第1用紙(普通紙)と比べて、厚みが大きいため、仮にピックミスが生じたとしても、第2用紙(厚紙)は、第1用紙(普通紙)と比べて、ダメージを受けにくい。そこで、厚紙モードでは、普通紙モードと比較して、ピックミスの判定に用いられる所定時間(判定時間)を長くとることで、用紙にかかるダメージを抑えつつ、ピックミスの誤検出を抑制できる。
【0142】
図17に示すように、リトライ処理の実行回数(リトライ回数)の上限は、厚紙モードの方が、普通紙モードよりも大きい。リトライ回数の上限とは、リトライ処理を連続して実行可能な回数の上限である。制御部200は、リトライ回数が上限に達した場合、給紙不良(ジャム)が発生しているものとして、給紙処理を中断する。
【0143】
普通紙モードにおけるリトライ回数の上限は、例えば、1回である。すなわち、リトライ処理を1回実行した後、再度、判定部203によってピックミスが生じていると判定された場合、ジャムが発生しているものとして、給紙処理を中断する。一方、厚紙モードにおけるリトライ回数の上限は、例えば、2回である。すなわち、リトライ処理を2回実行した後、再度、判定部203によってピックミスが生じていると判定された場合、ジャムが発生しているものとして、給紙処理を中断する。
【0144】
第2用紙(厚紙)は、第1用紙(普通紙)と比べて、厚みが大きいため、仮にピックミスが生じたとしても、第2用紙(厚紙)は、第1用紙(普通紙)と比べて、ダメージを受けにくい。そこで、第2用紙(厚紙)が設定された場合、第1用紙(普通紙)が設定された場合と比較して、リトライ回数の上限を大きくすることで、用紙にかかるダメージを抑えつつ、給紙不良の誤検出を抑制できる。
【0145】
以上の構成において、給紙装置(原稿搬送部30)は、用紙を載置可能であるトレイ(左トレイ311)と、トレイ(左トレイ311)に載置された用紙を繰り出す繰出ローラ(ピックアップローラ321)と、繰り出された用紙を搬送路330に給送する給紙ローラ322と、トレイ(左トレイ311)から繰り出された用紙を給紙ローラ322に向かってガイドし、給紙ローラ322に向かうにつれて上側に傾斜して設けられるガイド部材326と、トレイ(左トレイ311)の高さを変更可能な昇降機構370と、給紙ローラ322の下流側に配置され、給紙ローラ322によって給送される用紙を検知する第1検知部(通紙センサ35)と、給紙ローラ322及び昇降機構370を制御する制御部200と、を備える。制御部200は、給紙ローラ322を回転させることで、トレイ(左トレイ311)から繰り出された用紙を搬送路330に給紙処理を実行する。制御部200は、給紙処理において、第1検知部(通紙センサ35)によって給送される用紙が検知されない場合に、給紙処理を停止した後、給紙処理を再開するリトライ処理を実行する。制御部200は、リトライ処理において、給紙処理を停止した後、給紙処理を再開する前に、トレイ(左トレイ311)を所定の範囲内において昇降させる昇降処理を実行し、所定の範囲とは、トレイ(左トレイ311)に載置される最上位の用紙が繰出ローラ(ピックアップローラ321)によって繰り出された場合にガイド部材326に当接可能な範囲である。
【0146】
以上のように、ピックミスが生じていると判定された場合に、左トレイ311の上昇動作及び下降動作を行うことで、用紙の先端が上下に揺動され、ガイド部材326に対する用紙の先端の食い込みを解消することができる。ゆえに、リトライ処理時に当該食い込みを起因とするピックミスが再度発生することを防止できる。さらに、所定の範囲内において左トレイ311を昇降させることで、用紙の斜め送りが誘発されることを防止できる。
【0147】
以上の構成において、給紙装置(原稿搬送部30)は、用紙を載置可能であるトレイ(左トレイ311)と、トレイ(左トレイ311)に載置された用紙を繰り出す繰出ローラ(ピックアップローラ321)と、繰り出された用紙を搬送路330に給送する給紙ローラ322と、トレイ(左トレイ311)から繰り出された用紙を給紙ローラ322に向かってガイドし、給紙ローラ322に向かうにつれて上側に傾斜して設けられるガイド部材326と、トレイ(左トレイ311)の高さを変更可能な昇降機構370と、給紙ローラ322の下流側に配置され、給紙ローラ322によって給送される用紙を検知する第1検知部(通紙センサ35)と、給紙ローラ322及び昇降機構370を制御する制御部200と、を備える給紙装置(原稿搬送部30)の給紙方法であって、制御部200は、給紙ローラ322を回転させることで、トレイ(左トレイ311)から繰り出された用紙を搬送路330に給紙処理を実行するステップと、給紙処理において、第1検知部(通紙センサ35)によって給送される用紙が検知されない場合に、給紙処理を停止した後、給紙処理を再開するリトライ処理を実行するステップと、リトライ処理において、給紙処理を停止した後、給紙処理を再開する前に、トレイ(左トレイ311)を所定の範囲内において昇降させる昇降処理を実行するステップと、を備える。所定の範囲とは、トレイ(左トレイ311)に載置される最上位の用紙が繰出ローラ(ピックアップローラ321)によって繰り出された場合にガイド部材326に当接可能な範囲である。
【0148】
また、制御部200は、昇降処理において、トレイ(左トレイ311)の上昇動作及び下降動作を所定の範囲内において実行する。
【0149】
制御部200は、昇降処理において、給紙処理の停止時におけるトレイ(左トレイ311)の高さ位置(基準位置P4)からトレイ(左トレイ311)を上昇させた後、給紙処理の停止時におけるトレイ(左トレイ311)の高さ位置(基準位置P4)まで下降させる。これにより、給紙処理を円滑に再開させることができる。
【0150】
制御部200は、昇降処理において、給紙処理の停止時におけるトレイ(左トレイ311)の高さ位置(基準位置P4)からトレイ(左トレイ311)を下降させた後、給紙処理の停止時におけるトレイ(左トレイ311)の高さ位置(基準位置P4)まで上昇させる。これにより、給紙処理を円滑に再開させることができる。
【0151】
制御部200は、第1用紙(普通紙)と、第1用紙(普通紙)よりも厚みの大きい第2用紙(厚紙)と、を含む複数種類の用紙に関する設定を含むジョブの設定を受け付ける設定部201を有する。制御部200は、第2用紙(厚紙)が設定された場合において、第1用紙(普通紙)が設定された場合における給紙処理の停止時のトレイ(左トレイ311)の高さ位置よりも高い位置(基準位置P4)からトレイ(左トレイ311)を下降させた後、トレイ(左トレイ311)を上昇させる、もしくは、第1用紙(普通紙)が設定された場合における給紙処理の停止時のトレイ(左トレイ311)の高さ位置よりも高い位置(基準位置P4)からトレイ(左トレイ311)を上昇させた後、トレイ(左トレイ311)を下降させる。
【0152】
制御部200は、給紙処理において、給紙ローラ322を回転させてから所定時間内に第1検知部(通紙センサ35)によって給送される用紙が検知されない場合に、ピックミスと判定する判定部203を有する。
【0153】
制御部200は、第1用紙(普通紙)と、第1用紙(普通紙)よりも厚みの大きい第2用紙(厚紙)と、を含む複数種類の用紙に関する設定を含むジョブの設定を受け付ける設定部201を有し、ピックミスの判定に用いられる所定時間は、第2用紙(厚紙)が設定された場合の方が、第1用紙(普通紙)が設定された場合よりも長い。これにより、第2用紙(厚紙)が設定された場合であっても、用紙にかかるダメージを抑えつつ、ピックミスの誤検出を抑制できる。
【0154】
制御部200は、第1用紙(普通紙)と、第1用紙(普通紙)よりも厚みの大きい第2用紙(厚紙)と、を含む複数種類の用紙に関する設定を含むジョブの設定を受け付ける設定部201を有し、制御部200は、リトライ処理が実行される回数の上限は、第1用紙(普通紙)が設定された場合よりも第2用紙(厚紙)が設定された場合の方が大きい。これにより、第2用紙(厚紙)が設定された場合であっても、用紙にかかるダメージを抑えつつ、給紙不良の誤検出を抑制できる。
【0155】
また、画像形成装置1は、給紙装置(原稿搬送部30)を備える。
【0156】
また、プログラムは、コンピュータを画像形成装置1(原稿搬送部30)の制御部200として、動作させる。
【0157】
なお、上記の給紙装置(原稿搬送部30)は、画像読取部20に用紙を給紙するための装置であるが、これに限らず、印刷部10に用紙を給紙するための装置であってもよい。この場合、例えば、給紙装置は、印刷部10の給紙部110を有する構成であってもよいし、印刷部10に用紙を給紙するための手差しトレイを有する構成であってもよい。
【0158】
また、上記の給紙装置(原稿搬送部30)は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。また、上記の給紙方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0159】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0160】
1 画像形成装置、30 原稿搬送部(給紙装置)、35 通紙センサ(第1検知部)、200 制御部、201 設定部、202 昇降制御部、203 判定部、311 左トレイ(トレイ)、321 ピックアップローラ(繰出ローラ)、322 給紙ローラ、326 ガイド部材、330 搬送路、370 昇降機構、P4 基準位置