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特開2024-87211(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド、感光性組成物、硬化物及び物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087211
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド、感光性組成物、硬化物及び物品
(51)【国際特許分類】
   C09D 179/08 20060101AFI20240624BHJP
   C08G 73/10 20060101ALI20240624BHJP
   C08F 290/14 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
C09D179/08 A
C08G73/10
C08F290/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201874
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000168414
【氏名又は名称】荒川化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】川添 圭
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴史
(72)【発明者】
【氏名】福田 猛
(72)【発明者】
【氏名】木村 和毅
【テーマコード(参考)】
4J038
4J043
4J127
【Fターム(参考)】
4J038DG022
4J038DG262
4J038FA111
4J038FA112
4J038FA221
4J038FA291
4J038GA01
4J038GA03
4J038GA11
4J038JC02
4J038KA03
4J038KA04
4J038KA06
4J038KA08
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4J038NA11
4J038NA14
4J038NA18
4J038PA17
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4J038PC05
4J043PC086
4J043QB16
4J043QB26
4J043RA35
4J043SA06
4J043SA62
4J043SB05
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4J043TB01
4J043UA121
4J043UA131
4J043UA132
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4J043UB121
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4J043VA062
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4J043ZB22
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4J127AA03
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4J127BB071
4J127BB221
4J127BC021
4J127BC151
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4J127BE511
4J127BE51Y
4J127BF451
4J127BF45X
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4J127BG16X
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4J127BG25X
4J127BG271
4J127BG27Y
4J127BG311
4J127BG31X
4J127CB371
4J127CC091
4J127CC111
4J127FA14
4J127FA17
4J127FA38
4J127FA41
(57)【要約】      (修正有)
【課題】(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド、感光性組成物、硬化物及び物品を提供すること。
【解決手段】(メタ)アクリロイル基含有ポリイミドであって、ジアミン単位100モル%に対し、前記(メタ)アクリロイル基含有ポリイミドは、ダイマージアミン単位10モル%~40モル%、エーテル結合含有ジアミン単位15モル%~50モル%及びフェニレンジアミン単位3モル%~15モル%を含む、(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(メタ)アクリロイル基含有ポリイミドであって、
ジアミン単位100モル%に対し、前記(メタ)アクリロイル基含有ポリイミドは、
ダイマージアミン単位10モル%~40モル%、
エーテル結合含有ジアミン単位15モル%~50モル%及び
フェニレンジアミン単位3モル%~15モル%を含む、
(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド。
【請求項2】
(メタ)アクリロイル基含有部位は、カルボキシル基含有ジアミン単位とイソシアネート基含有(メタ)アクリレートとの反応物である、請求項1に記載の(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の(メタ)アクリロイル基含有ポリイミドを含む、感光性組成物。
【請求項4】
請求項3に記載の感光性組成物の硬化物。
【請求項5】
請求項4に記載の硬化物を含む、物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド、感光性組成物、硬化物及び物品に関する。
【0002】
出願人はダイマージアミンを用いて製造されるポリイミド(ダイマージアミン使用ポリイミド)の研究開発を行っている(特許文献1)。ダイマージアミン使用ポリイミドは比誘電率、誘電正接が低い。そのため、ダイマージアミン使用ポリイミドは高周波の電気信号が用いられるフレキシブル銅張積層板に接着剤として用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-199645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、貯蔵弾性率及びリソグラフ性が良好である硬化物を製造するための(メタ)アクリロイル基含有ポリイミドを提供することとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示により以下の項目が提供される。
(項目1)
(メタ)アクリロイル基含有ポリイミドであって、
ジアミン単位100モル%に対し、前記(メタ)アクリロイル基含有ポリイミドは、
ダイマージアミン単位10モル%~40モル%、
エーテル結合含有ジアミン単位15モル%~50モル%及び
フェニレンジアミン単位3モル%~15モル%を含む、
(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド。
(項目2)
(メタ)アクリロイル基含有部位は、カルボキシル基含有ジアミン単位とイソシアネート基含有(メタ)アクリレートとの反応物である、上記項目に記載の(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド。
(項目3)
上記項目のいずれか1項に記載の(メタ)アクリロイル基含有ポリイミドを含む、感光性組成物。
(項目4)
上記項目に記載の感光性組成物の硬化物。
(項目5)
上記項目に記載の硬化物を含む、物品。
【0006】
本開示において、上述した1又は複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得る。
【発明の効果】
【0007】
本開示の(メタ)アクリロイル基含有ポリイミドを用いることにより、貯蔵弾性率及びリソグラフ性が良好である硬化物を製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の全体にわたり、各物性値、含有量等の数値の範囲は、適宜(例えば下記の各項目に記載の値から選択して)設定され得る。具体的には、数値αとして、A3、A2、A1(A3>A2>A1とする)が例示される場合、数値αの範囲は、例えば、A3以下、A2以下、A3未満、A2未満、A1以上、A2以上、A1より大きい、A2より大きい、A1~A2(A1以上A2以下)、A1~A3、A2~A3、A1以上A3未満、A1以上A2未満、A2以上A3未満、A1より大きくA3未満、A1より大きくA2未満、A2より大きくA3未満、A1より大きくA3以下、A1より大きくA2以下、A2より大きくA3以下等が挙げられる。
【0009】
本発明が解決しようとする課題が解決される限り、成分、条件、数値等は、明細書の記載に限定されない。
【0010】
「αβ量(A/B)」は、B100αに対するAのβ量(α)を意味する。αは、例えば、質量%、モル%、質量部等が挙げられる。β量は、例えば、含有量、使用量等が挙げられる。「質量%含有量(A/B)」は、B100質量%に対するAの含有量(質量%)を意味する。
【0011】
「γ比(A/B)」は、式「A÷B」により算出されるγ比を意味する。γ比は、例えば、質量比、モル比等が挙げられる。
【0012】
本開示において「不揮発分」は、有機溶媒及び水以外の成分の合計質量を意味する。1つの実施形態において、対象物Aの不揮発分は、対象物A 1gを180℃で加熱して恒量に達した時点で残存した成分の合計質量とする。
【0013】
「(メタ)アクリル」は、「アクリル及びメタクリルからなる群より選択される少なくとも1つ」を意味する。「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート及びメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1つ」を意味する。「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル及びメタクリロイルからなる群より選択される少なくとも1つ」を意味する。
【0014】
[(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド:ポリイミド]
本開示は、(メタ)アクリロイル基含有ポリイミドであって、
ジアミン単位100モル%に対し、前記(メタ)アクリロイル基含有ポリイミドは、
ダイマージアミン単位10モル%~40モル%、
エーテル結合含有ジアミン単位15モル%~50モル%及び
フェニレンジアミン単位3モル%~15モル%を含む、
(メタ)アクリロイル基含有ポリイミドに関する。
【0015】
<ダイマージアミン>
ダイマージアミンは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0016】
「ダイマージアミン」は、ダイマー酸の全てのカルボキシル基を一級アミノ基に置換した化合物を意味する。「ダイマー酸」は、不飽和脂肪酸の二量体を意味する。不飽和脂肪酸は、例えば、オレイン酸等が挙げられる。
【0017】
1つの実施形態において、ダイマージアミンは、下記式により表される。m+nは、好ましくは、6~17が挙げられる。p+qは、好ましくは、8~19が挙げられる。「破線部」は、炭素-炭素単結合又は炭素-炭素二重結合を意味する。
【化1】
【0018】
市販品(ダイマージアミン)は、例えば、バーサミン551(コグニクスジャパン(株)製)、バーサミン552(コグニクスジャパン(株)製;バーサミン551の水添物)、PRIAMINE1075、PRIAMINE1074(クローダジャパン(株)製)等が挙げられる。
【0019】
モル%含有量(ダイマージアミン単位/ジアミン単位)は、例えば、40モル%、35モル%、30モル%、25モル%、20モル%、15モル%、10モル%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、10モル%~40モル%が挙げられる。
【0020】
質量%含有量(ダイマージアミン単位/ジアミン単位)は、例えば、70質量%、69質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、20質量%~70質量%が挙げられ、より好ましくは、25質量%~69質量%が挙げられる。
【0021】
モル%含有量(ダイマージアミン単位/(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、例えば、15モル%、13モル%、11モル%、10モル%、9モル%、7モル%、5モル%、3モル%、2モル%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、2モル%~15モル%が挙げられ、より好ましくは、3モル%~11モル%が挙げられる。
【0022】
質量%含有量(ダイマージアミン単位/(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、例えば、30質量%、28質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、7質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、7質量%~30質量%が挙げられ、より好ましくは、8質量%~28質量%が挙げられる。
【0023】
<エーテル結合含有ジアミン>
エーテル結合含有ジアミンは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0024】
エーテル結合含有ジアミンは、例えば、ジアミノジフェニルエーテル、ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシフェニル)エーテル等が挙げられる。
【0025】
ジアミノジフェニルエーテルは、例えば、3,3’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル等が挙げられる。
【0026】
ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパンは、例えば、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等が挙げられる。
【0027】
ビス(アミノフェノキシ)ベンゼンは、例えば、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン等が挙げられる。
【0028】
ビス(アミノフェノキシフェニル)エーテルは、例えば、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル等が挙げられる。
【0029】
1つの実施形態において、エーテル結合含有ジアミンは、好ましくは、ジアミノジフェニルエーテルが挙げられる。
【0030】
質量%含有量(エーテル結合含有ジアミン単位/ジアミン単位)は、例えば、50モル%、45モル%、40モル%、35モル%、30モル%、25モル%、20モル%、16モル%、15モル%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、15モル%~50モル%が挙げられ、より好ましくは、16モル%~40モル%が挙げられる。好ましい理由は、例えば、成膜性向上等が挙げられる。
【0031】
質量%含有量(エーテル結合含有ジアミン単位/ジアミン単位)は、50質量%、47質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、11質量%、10質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、10質量%~50質量%が挙げられ、より好ましくは、11質量%~47質量%が挙げられる。
【0032】
モル%含有量(エーテル結合含有ジアミン単位/(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、例えば、15モル%、13モル%、11モル%、10モル%、9モル%、7モル%、5モル%、4モル%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、4モル%~15モル%が挙げられる。
【0033】
質量%含有量(エーテル結合含有ジアミン単位/(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、例えば、15質量%、13質量%、11質量%、10質量%、9質量%、7質量%、5質量%、4質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、4質量%~15質量%が挙げられる。
【0034】
<フェニレンジアミン>
フェニレンジアミンは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0035】
「フェニレンジアミン」は、ベンゼン環が有する6個の水素原子のうち2個をアミノ基に置換した化合物を意味する。
【0036】
フェニレンジアミンは、例えば、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン等が挙げられる。
【0037】
モル%含有量(フェニレンジアミン単位/ジアミン単位)は、例えば、15モル%、13モル%、11モル%、10モル%、9モル%、8モル%、7モル%、6モル%、5モル%、4モル%、3モル%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、3モル%~15モル%が挙げられ、より好ましくは、4モル%~10モル%が挙げられる。
【0038】
質量%含有量(フェニレンジアミン単位/ジアミン単位)は、例えば、10質量%、9質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、4質量%、3質量%、2質量%、1質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、1質量%~10質量%が挙げられ、より好ましくは、2質量%~9質量%が挙げられる。
【0039】
モル%含有量(フェニレンジアミン単位/(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、例えば、5モル%、4.5モル%、4モル%、3.5モル%、3モル%、2.5モル%、2モル%、1.5モル%、1モル%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、1モル%~5モル%が挙げられる。
【0040】
質量%含有量(フェニレンジアミン単位/(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、例えば、2.4質量%、2.1質量%、2質量%、1.9質量%、1.7質量%、1.5質量%、1.3質量%、1.1質量%、1質量%、0.9質量%、0.7質量%、0.5質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0.5質量%~2.4質量%が挙げられる。
【0041】
<カルボキシル基含有ジアミン>
カルボキシル基含有ジアミンは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0042】
カルボキシル基含有ジアミンは、ジアミノ安息香酸、アルキレンビス(2-アミノ安息香酸)、ビス(アミノフェノキシ)安息香酸、ジアミノカルボキシジフェニルアルカン、ジアミノジカルボキシジフェニルエーテル等が例示される。
【0043】
ジアミノ安息香酸は、3,5-ジアミノ安息香酸、2,5-ジアミノ安息香酸、3,4-ジアミノ安息香酸等が例示される。
【0044】
アルキレンビス(2-アミノ安息香酸)は、5,5’-メチレンビス(2-アミノ安息香酸)、5,5’-メチレンビス(3-アミノ安息香酸)等が例示される。
【0045】
ビス(アミノフェノキシ)安息香酸は、3,5-ビス(3-アミノフェノキシ)安息香酸、3,5-ビス(4-アミノフェノキシ)安息香酸等が例示される。
【0046】
ジアミノカルボキシジフェニルアルカンは、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジカルボキシジフェニルメタン、3,3’-ジカルボキシ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン等が例示される。
【0047】
ジアミノジカルボキシジフェニルエーテルは、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジカルボキシジフェニルエーテル等が例示される。
【0048】
モル%含有量(カルボキシル基含有ジアミン単位/ジアミン単位)は、例えば、50モル%、45モル%、40モル%、35モル%、30モル%、25モル%、20モル%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、20モル%~50モル%が挙げられる。
【0049】
質量%含有量(カルボキシル基含有ジアミン単位/ジアミン単位)は、例えば、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、10質量%~50質量%が挙げられる。
【0050】
モル%含有量(カルボキシル基含有ジアミン単位/(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、例えば、16モル%、15モル%、13モル%、11モル%、10モル%、9モル%、7モル%、5モル%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、5モル%~16モル%が挙げられる。
【0051】
質量%含有量(カルボキシル基含有ジアミン単位/(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、例えば、12質量%、10質量%、9質量%、7質量%、5質量%、4質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、4質量%~12質量%が挙げられる。
【0052】
含有量(カルボキシル基含有ジアミン単位)は、含有量((メタ)アクリロイル基含有単位)も含む。
【0053】
<(メタ)アクリロイル基含有単位>
(メタ)アクリロイル基含有部位は、カルボキシル基含有ジアミン単位とイソシアネート基含有(ポリ)(メタ)アクリレートとの反応物、カルボキシル基含有ジアミン単位とグリシジル基含有(ポリ)(メタ)アクリレートとの反応物、カルボキシル基含有ジアミン単位と酸無水物基含有(ポリ)(メタ)アクリレートとの反応物、カルボキシル基含有ジアミン単位と水酸基含有(ポリ)(メタ)アクリレートとの反応物等が挙げられる。1つの実施形態において、(メタ)アクリロイル基含有部位は、好ましくは、カルボキシル基含有ジアミン単位とイソシアネート基含有(ポリ)(メタ)アクリレートとの反応物等が挙げられる。好ましい理由は、硬化物の貯蔵弾性率向上、硬化物の線膨張係数低下、(メタ)アクリロイル基導入量向上、誘電特性(誘電率、誘電正接)低下等が挙げられる。
【0054】
(イソシアネート基含有(ポリ)(メタ)アクリレート)
イソシアネート基含有(ポリ)(メタ)アクリレートは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0055】
1つの実施形態において、イソシアネート基含有(ポリ)(メタ)アクリレートは、1~2個の(メタ)アクリロイル基を有する。
【0056】
イソシアネート基含有(ポリ)(メタ)アクリレートは、下記構造式で表される。
【化2】
(式中、Ri1は水素原子又はメチル基であり、Ri2は置換又は非置換のアルキレン基であり、Ri3は置換又は非置換のアルキレン基であり、Zは単結合又は酸素原子である。)
【0057】
アルキレン基は、好ましくは、炭素数1~4のアルキレン基が挙げられ、より好ましくは、メチレン基が挙げられる。
【0058】
アルキレン基の置換基は、好ましくは、アルキル基、メチルオキシ(メタ)アクリロイル基が挙げられ、より好ましくは、メチル基、メチルオキシ(メタ)アクリロイル基が挙げられる。
【0059】
イソシアネート基含有(ポリ)(メタ)アクリレートは、例えば、2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、1,1-(ビス(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、2-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エチルイソシアネート等が挙げられる。
【0060】
モル%含有量((メタ)アクリロイル基含有単位/(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、例えば、5モル%、4.5モル%、4モル%、3.5モル%、3モル%、2.5モル%、2モル%、1.5モル%、1モル%、0.5モル%、0.1モル%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0.1モル%~5モル%が挙げられる。
【0061】
質量%含有量((メタ)アクリロイル基含有単位/(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、例えば、20質量%、19質量%、17質量%、15質量%、13質量%、11質量%、10質量%、9質量%、7質量%、5質量%、3質量%、1質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、1質量%~20質量%が挙げられる。
【0062】
<テトラカルボン酸無水物部位>
テトラカルボン酸無水物は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0063】
イミド構造単位を構成するテトラカルボン酸無水物とアミック酸構造単位を構成するテトラカルボン酸無水物は同じであっても異なっていてもよい。
【0064】
テトラカルボン酸無水物は、例えば、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、4,4’-[プロパン-2,2-ジイルビス(1,4-フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、2,2-ビス(3,3’,4,4’-テトラカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシフェニル)スルホン二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸無水物、9,9’-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン酸二無水物、9,9’-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)フルオレン酸二無水物、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロペンタノン-α’-スピロ-2”-ノルボルナン-5,5”,6,6”-テトラカルボン酸二無水物、1,4-ビス(ノルボルナン-5,5”,6,6”-テトラカルボン酸二無水物)ベンゼン等が挙げられる。
【0065】
1つの実施形態において、テトラカルボン酸無水物は、好ましくは、2,2-ビス(3,3’,4,4’-テトラカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物が挙げられる。
【0066】
モル%含有量(テトラカルボン酸無水物単位/(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、例えば、50モル%、45モル%、40モル%、35モル%、30モル%、25モル%、20モル%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、20モル%~50モル%が挙げられる。
【0067】
質量%含有量(テトラカルボン酸無水物単位/(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、例えば、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、50質量%~75質量%が挙げられる。
【0068】
<その他の構成単位>
1つの実施形態において、上記(メタ)アクリロイル基含有ポリイミドは、任意で上記以外の構成単位(その他の構成単位)を含み得る。その他の構成単位は、単独又は2種以上で含まれ得る。
【0069】
その他の構成単位は、例えば、トリカルボン酸無水物単位等が挙げられる。
【0070】
1つの実施形態において、質量%含有量(その他の構成単位/(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、好ましくは、1質量%未満、0.1質量%未満、0.01質量%未満、0質量%等が挙げられる。
【0071】
1つの実施形態において、モル%含有量(その他の構成単位/(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、好ましくは、1モル%未満、0.1モル%未満、0.01モル%未満、0モル%等が挙げられる。
【0072】
<物性((メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)>
重量平均分子量((メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、例えば、100,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000等が挙げられる。1つの実施形態において、上記重量平均分子量、好ましくは、10,000~100,000が挙げられる。
【0073】
数平均分子量((メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、例えば、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000等が挙げられる。1つの実施形態において、上記数平均分子量は、好ましくは、5,000~50,000が挙げられる。
【0074】
測定条件(重量平均分子量、数平均分子量)は、例えば、下記条件等が挙げられる。
機種:製品名「HLC-8320GPC」(東ソー(株)製)
カラム:製品名「TSKgel guardcolum SuperHZ-L+TSKgel SuperHZM-M」(東ソー(株)製)
展開溶媒:テトラヒドロフラン
流量:0.35mL/分
測定温度:40℃
検出器:RI
標準:ポリスチレン
ポリマー濃度:0.2wt%
【0075】
(メタ)アクリル当量((メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、例えば、10,000g/eq、9500g/eq、9000g/eq、8500g/eq、8000g/eq、7500g/eq、7000g/eq、6500g/eq、6000g/eq、5500g/eq、5000g/eq、4500g/eq、4000g/eq、3500g/eq、3000g/eq、2500g/eq、2000g/eq、1500g/eq、1000g/eq、500g/eq等が挙げられる。1つの実施形態において、上記(メタ)アクリル当量は、好ましくは、500g/eq~10,000g/eqが挙げられる。
【0076】
<製造方法((メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)>
(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)は、下記工程を含む製造方法により製造され得る。
(1)ポリアミック酸合成工程
(2)ポリイミド合成工程
(3)(メタ)アクリロイル基導入工程
【0077】
反応条件(ポリアミック酸合成工程)は、例えば、下記条件等が挙げられる。
反応温度:20℃~100℃
反応時間:1時間~10時間
【0078】
反応条件(ポリイミド合成工程)は、例えば、下記条件等が挙げられる。
反応温度:100℃~200℃
反応時間:1時間~20時間
【0079】
反応条件((メタ)アクリロイル基導入工程)は、例えば、下記条件等が挙げられる。
反応温度:70℃~100℃
反応時間:1時間~20時間
【0080】
反応触媒は、例えば、第3級アミン、ホスフィン等が挙げられる。
【0081】
第3級アミンは、例えば、トリエチルアミン、ジメチルアニリン等が挙げられる。
【0082】
ホスフィンは、例えば、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
【0083】
脱水剤は、例えば、酸無水物等が挙げられる。
【0084】
酸無水物は、例えば、無水酢酸、無水安息香酸等が挙げられる。
【0085】
反応溶媒は、例えば、後述の有機溶媒等が挙げられる。
【0086】
[感光性組成物:組成物]
本開示は、上記(メタ)アクリロイル基含有ポリイミドを含む、感光性組成物に関する。
【0087】
<(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド>
質量%含有量((メタ)アクリロイル基含有ポリイミド/感光性組成物不揮発分)は、例えば、100質量%、95質量%、90質量%、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、40質量%~100質量%が挙げられる。
【0088】
<ポリ(メタ)アクリレート>
1つの実施形態において、感光性組成物は、任意で、ポリ(メタ)アクリレートを含み得る。ポリ(メタ)アクリレートは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0089】
「ポリ(メタ)アクリレート」は、2個以上(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味する。
【0090】
ポリ(メタ)アクリレートは、例えば、(ポリ)ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、(ポリ)トリメチロールプロパンポリ(メタ)アクリレート、(ポリ)グリセリンポリ(メタ)アクリレート、ウレタンポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0091】
(ポリ)ポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートは、例えば、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0092】
(ポリ)トリメチロールプロパンポリ(メタ)アクリレートは、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0093】
(ポリ)グリセリンポリ(メタ)アクリレートは、例えば、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(メタ)アクリレート、ジグリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0094】
(ウレタンポリ(メタ)アクリレート)
ウレタンポリ(メタ)アクリレートは、例えば、水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート及びポリイソシアネートを含む化合物群の反応物等が挙げられる。
【0095】
<水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート>
水酸基含有ポリ(メタ)アクリレートは、例えば、(ポリ)ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、(ポリ)トリメチロールプロパンポリ(メタ)アクリレート、(ポリ)グリセリンポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0096】
ポリイソシアネートは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0097】
<ポリイソシアネート>
「ポリイソシアネート」は、2個以上のイソシアネート基(-N=C=O)を有する化合物を意味する。
【0098】
ポリイソシアネートは、例えば、直鎖脂肪族ポリイソシアネート、分岐脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート並びにこれらのビウレット体、イソシアヌレート体、アロファネート体、アダクト体等が挙げられる。
【0099】
直鎖脂肪族ポリイソシアネートは、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0100】
分岐脂肪族ポリイソシアネートは、例えば、ジエチルペンチレンジイソシアネート、トリメチルブチレンジイソシアネート、トリメチルペンチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0101】
脂環族ポリイソシアネートは、例えば、単環脂環族ポリイソシアネート、架橋環脂環族ポリイソシアネート、縮合環脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0102】
単環脂環族ポリイソシアネートは、例えば、水添キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、シクロヘプチレンジイソシアネート、シクロデシレンジイソシアネート、3,5,5-トリメチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
【0103】
架橋環脂環族ポリイソシアネートは、例えば、トリシクロデシレンジイソシアネート、アダマンタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等が挙げられる。
【0104】
縮合環脂環族ポリイソシアネートは、例えば、ビシクロデシレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0105】
芳香族ポリイソシアネートは、例えば、単環芳香族ポリイソシアネート、縮合環芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0106】
単環芳香族ポリイソシアネートは、例えば、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート等のジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルテトラメチルメタンジイソシアネート等のテトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジベンジルイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0107】
縮合環芳香族ポリイソシアネートは、1,5-ナフチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0108】
1つの実施形態において、ポリ(メタ)アクリレートは、好ましくは、(ポリ)ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートが挙げられ、より好ましくは、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。好ましい理由は、例えば、硬化物の線膨張係数低下等が挙げられる。
【0109】
質量%含有量(ポリ(メタ)アクリレート/感光性組成物不揮発分)は、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~60質量%が挙げられる。
【0110】
<光重合開始剤>
1つの実施形態において、感光性組成物は、任意で、光重合開始剤を含み得る。光重合開始剤は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0111】
光重合開始剤は、例えば、α-ヒドロキシジメチルアセトフェノン基含有光重合開始剤、α-ヒドロキシシクロアルキルフェノン、α-アミノアルキルフェノン、ベンジルジメチルケタール、無置換又は置換アルキルフェノン、無置換又は置換ベンジル、無置換又は置換ベンゾフェノン、アシルホスフィンオキシド、置換チオキサントン、オキシムエステル等が挙げられる。
【0112】
α-ヒドロキシジメチルアセトフェノン基含有光重合開始剤は、例えば、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシル)-フェニル]-2-ヒドロキシ-メチルプロパノン、2-ヒドロキシ-1-(4-(4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル)フェニル)-2-メチルプロパン-1-オン等が挙げられる。
【0113】
α-ヒドロキシシクロアルキルフェノンは、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
【0114】
α-アミノアルキルフェノンは、例えば、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン等が挙げられる。
【0115】
ベンジルジメチルケタールは、例えば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等が挙げられる。
【0116】
無置換又は置換アルキルフェノンは、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-フェニル-2-(p-トルエンスルホニルオキシ)アセトフェノン、ベンゾイン、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルホリノブチロフェノン、2-メチル-4’-(メチルチオ)-2-モルホリノプロピオフェノン、2-イソニトロソプロピオフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等が挙げられる。
【0117】
無置換又は置換ベンジルは、例えば、ベンジル、p-アニシル等が挙げられる。
【0118】
無置換又は置換ベンゾフェノンは、例えば、ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、1,4-ジベンゾイルベンゼン、2-ベンゾイル安息香酸、4-ベンゾイル安息香酸、2-ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。
【0119】
アシルホスフィンオキシドは、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
【0120】
置換チオキサントンは、例えば、2-クロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
【0121】
オキシムエステルは、例えば、1.2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)](すなわち2-((ベンゾイルオキシ)イミノ)-1-(4-(フェニルチオ)フェニル)オクタン-1-オン);
エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)(すなわち1-(((1-(9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル)エチリデン)アミノ)オキシ)エタン-1-オン)等が挙げられる。
【0122】
1つの実施形態において、光重合開始剤は、好ましくは、オキシムエステルが挙げられる。好ましい理由は、例えば、硬化物の線膨張係数低下等が挙げられる。
【0123】
質量%含有量(光重合開始剤/感光性組成物不揮発分)は、例えば、10質量%、9質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、4質量%、3質量%、2質量%、1質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~10質量%が挙げられる。
【0124】
<連鎖移動剤>
1つの実施形態において、感光性組成物は、任意で、連鎖移動剤を含み得る。連鎖移動剤は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0125】
連鎖移動剤は、例えば、チオール基含有連鎖移動剤等が挙げられる。
【0126】
チオール基含有連鎖移動剤は、例えば、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラプロピレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ポリエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ポリプロピレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]-イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。
【0127】
質量%含有量(連鎖移動剤/感光性組成物不揮発分)は、例えば、20質量%、18質量%、16質量%、15質量%、14質量%、12質量%、10質量%、9質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、4質量%、3質量%、2質量%、1質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~20質量%が挙げられる。
【0128】
<有機溶媒>
1つの実施形態において、感光性組成物は、任意で、有機溶媒を含み得る。有機溶媒は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0129】
有機溶媒は、例えば、非プロトン性極性溶媒、脂環式溶媒、アルコール系溶媒、芳香族系溶媒等が挙げられる。
【0130】
非プロトン性極性溶媒は、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルカプロラクタム、メチルトリグライム、メチルジグライム等が挙げられる。
【0131】
脂環式溶媒は、例えば、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサン等が挙げられる。
【0132】
アルコール溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ベンジルアルコール、クレゾール等が挙げられる。
【0133】
芳香族系溶媒は、例えば、トルエン等が挙げられる。
【0134】
質量%含有量(有機溶媒/感光性組成物)は、例えば、90質量%、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~90質量%が挙げられる。
【0135】
<添加剤>
上記感光性組成物は、任意で(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド、ポリ(メタ)アクリレート、光重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒のいずれにも該当しない剤を添加剤として含み得る。
【0136】
添加剤は、例えば、架橋剤、難燃剤、脱水剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、無機フィラー、有機フィラー等が挙げられる。
【0137】
1つの実施形態において、質量%含有量(添加剤/感光性組成物)は、好ましくは、1質量%未満、0.1質量%未満、0.01質量%未満、0質量%等が挙げられる。
【0138】
1つの実施形態において、質量部含有量(添加剤/(メタ)アクリロイル基含有ポリイミド、ポリ(メタ)アクリレート、光重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒のいずれか1つ)は、好ましくは、1質量部未満、0.1質量部未満、0.01質量部未満、0質量部等が挙げられる。
【0139】
上記剤を分散・混合することにより、感光性組成物は、製造され得る。
【0140】
分散・混合手段は、例えば、乳化分散機、超音波分散装置等が挙げられる。
【0141】
用途(感光性組成物)は、例えば、感光性レジスト組成物、感光性封止組成物、中空パッケージ用感光性レジスト組成物、中空パッケージ用感光性封止組成物等が挙げられる。
【0142】
[硬化物]
本開示は、上記感光性組成物の硬化物に関する。
【0143】
上記硬化物は、例えば、活性エネルギー線硬化物、熱硬化物等が挙げられる。
【0144】
硬化物は、下記工程を含む製造方法により製造され得る。
(1)塗工工程
(2)乾燥工程
(3)露光/現像工程
【0145】
(塗工工程)
塗工方法は、例えば、スピンコーター塗工、バーコーター塗工、ブレードコーター塗工、カーテンコーター塗工等が挙げられる。
【0146】
(乾燥工程)
乾燥条件は、例えば、循風乾燥機、ホットプレート、恒温槽等により、40~150℃で1~30分間静置する条件等が挙げられる。
【0147】
(露光/現像工程)
露光は、紫外線、エキシマレーザー光、半導体レーザー等の活性エネルギー線を照射して行われる。照射するエネルギー線量は、例えば、30mJ/cm~3,500mJ/cm等が挙げられる。
【0148】
現像方法は、例えば、浸漬法、スプレー法等が挙げられる。現像液は、例えば、N-メチル-2-ピロリドン、N-シクロヘキシル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ-ブチロラクトン、α-アセチル-γ-ブチロラクトン等が挙げられる。また、各溶媒を2種以上、例えば数種類組合せて用いることもできる。
【0149】
熱硬化条件は、例えば、下記条件等が挙げられる。
温度:200℃~350℃
時間:1時間~10時間
【0150】
[物品]
本開示は、上記硬化物を含む、物品に関する。
【0151】
物品は、例えば、電子部品、フィルターデバイス、半導体素子、モバイル端末、サーバー、ネットワークスイッチ、リジットプリント回路基板、フレキシブルプリント回路基板等が挙げられる。
【実施例0152】
以下、実施例及び比較例を通じて本発明を具体的に説明する。但し、上述の説明及び以下の実施例は、本発明を限定する目的で記載されていない。本発明は、特許請求の範囲のみにより限定される。以下特に説明がない限り、部、%等の数値は質量基準である。
【0153】
実施例1-1:製造((メタ)アクリロイル基含有ポリイミド)
攪拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入菅を備えた反応容器に、4,4‘-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物(商品名「6FDA」、ダイキン工業(株)製。以下、6FDAと略す。)を88.0g、メチルシクロヘキサンを46.7g及びシクロヘキサノンを233.3g仕込み、60℃まで加熱した。次いで、ダイマージアミン(商品名:「PRIAMINE1075」、クローダジャパン(株)製。以下、PRIAMINE1075と表記)10.2g及び4,4’-ジアミノフェニルエーテル(商品名:「ODA」、セイカ(株)製。以下、ODAと略す。)15.1gを徐々に添加した後、p-フェニレンジアミン(商品名:「p-フェニレンジアミン」、デュポン社製。以下、PPDと略す)2.0g、3,5-ジアミノ安息香酸(商品名:「3,5-DABA」、日本純良薬品(株)製。以下、DABAと略す。)11.5gを滴下した後、140℃で12時間かけてイミド化反応させることにより、ポリイミド溶液(1-1B)を得た。
このポリイミド溶液(1-1B)400.0g入れた反応容器に2-イソシアナトエチルアクリレート(商品名:「カレンズAOI」、昭和電工(株)製。)5.3g、シクロヘキサノンを21.9g仕込み、80℃になるまで加熱し、トリフェニルホスフィン4.1gを入れ7時間反応させ、アクリロイル基含有ポリイミド溶液(1-1、不揮発分30%)を得た。
【0154】
特段言及がない限り、下記例は、表のように変更した以外は、上記と同様に実施した。
【0155】
【表1】
【0156】
<説明>
表中の数字はモル%である。
DDA:ダイマージアミン(製品名「PRIAMINE1075」、クローダジャパン(株)製)
ODA:4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(製品名「ODA」、セイカ(株)製)
DABA:3,5-ジアミノ安息香酸(製品名「3,5-DABA」、日本純良薬品(株)製)
PPD:p-フェニレンジアミン(製品名:「p-フェニレンジアミン」、デュポン社製)
6FDA:2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物(ダイキン(株)製)
AOI:2-イソシアナトエチルアクリレート(製品名「カレンズ AOI」、昭和電工(株)製)
【0157】
実施例2-1:製造(感光性組成物)
アクリロイル基含有ポリイミド溶液(1-1)10.0g、ポリアクリレートとして、DPPAを3.0g、光重合開始剤としてOXE01を0.3g、有機溶剤としてシクロヘキサノン7.7gを混合し、よく攪拌して、不揮発分30%の感光性組成物を得た。
【0158】
特段言及がない限り、下記例は、表のように変更した以外は、上記と同様に実施した。
【0159】
【表2】
【0160】
<説明>
DPPA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
OXE01:1.2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)](すなわち2-((ベンゾイルオキシ)イミノ)-1-(4-(フェニルチオ)フェニル)オクタン-1-オン)(製品名「Omnirad OXE01」、IGM Resins社製)
Omni2959:1-[4-(2-ヒドロキシエトキシル)-フェニル]-2-ヒドロキシ-メチルプロパノン(製品名「Omnirad 2959」、IGM Resins社製)
【0161】
上記感光性組成物を下記条件で硬化させた後、貯蔵弾性率及びリソグラフ性を評価した。
調整した感光性組成物を0.7mm厚のガラス基板上にバーコーター♯50で塗工し、120℃で5分間乾燥させて膜厚25μmの硬化物を得た。
【0162】
<貯蔵弾性率、線膨張係数評価用サンプル>
上記硬化物に対し、ghI線平行露光装置を用い、UV-A域の硬化線量300mJ/cmで照射し、UV硬化させた。その後、170℃で30分間露光後ベークを行い、硬化膜を得た。この硬化膜を1cm幅に切り出し、ガラス基板から剥離し貯蔵弾性率測定用試験片を得た。また、線膨張係数評価用には0.4cm幅に切り出した。
【0163】
<リソグラフ性評価用サンプル>
上記硬化物に対し、125μm×125μmサイズの正方形の遮光部を有するネガ型マスクを介して、300mJ/cm(ghI線平行露光装置、UV-A域)でUV硬化させ、リソグラフ性評価用サンプルとした。
【0164】
貯蔵弾性率
<貯蔵弾性率評価用サンプル>で得られた試験片に対し、動的粘弾性測定装置(日立ハイテクサイエンス社製、DMA7100)を用い、下記測定条件により測定した。
測定条件:窒素雰囲気下、引張モード、周波数1.0Hz、チャック間距離10mm
180℃での貯蔵弾性率E’(GPa)を下記評価基準で判定した。
<評価基準>
○:1.0より大きい
×:1.0以下
【0165】
リソグラフ性
<リソグラフ性評価用サンプル>で記載した条件で作製、露光された硬化膜を、シクロペンタノンに60秒間浸漬して現像を行った。現像後の硬化膜を共焦点レーザー顕微鏡で観察し、125μm×125μmサイズの凹部が形成されているかを確認し、下記評価基準で判定した。
<評価基準>
○:残渣なし
×:残渣あり
【0166】
評価例:測定(線膨張係数)
<線膨張係数評価用サンプル>で得られた試験片に対し、熱機械分析装置(日立ハイテクサイエンス社製、TMA7100)を用い、下記測定条件により測定した。
測定条件:窒素雰囲気下、チャック間距離10mm、
なお、30℃から150℃での平均膨張係数(ppm/℃)を採用し、下記評価基準で判定した。
<評価基準>
○:100未満
×:100以上
【0167】
【表3】