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特開2024-87214情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087214
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/278 20110101AFI20240624BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240624BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20240624BHJP
   G06F 16/735 20190101ALI20240624BHJP
【FI】
H04N21/278
G06Q50/10
H04N21/258
G06F16/735
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201879
(22)【出願日】2022-12-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】蛭子 ▲たく▼磨
(72)【発明者】
【氏名】平手 勇宇
(72)【発明者】
【氏名】アブロール サティアン
(72)【発明者】
【氏名】ロヨラ パブロ
(72)【発明者】
【氏名】ラーマン エムディ モスタフィズ
(72)【発明者】
【氏名】コンダパカ マノゥチ
【テーマコード(参考)】
5B175
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5B175DA04
5B175HA01
5B175KA12
5C164FA06
5C164SB31S
5C164SC01S
5C164SC11P
5C164SD01P
5C164UD53S
5C164YA08
5C164YA10
5L049BB26
(57)【要約】
【課題】家族を構成する1以上のユーザへレコメンドするコンテンツを決定する。
【解決手段】情報処理装置は、複数のユーザのユーザ特徴に基づいて、該複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフを作成し、該関係性グラフを用いて、該複数のユーザのうち、コンテンツ配信サービスに登録している登録ユーザと、該登録ユーザと同居する同居ユーザとを含む、家族ユーザを予測し、該コンテンツ配信サービスにより該登録ユーザに対して提供された複数のコンテンツのそれぞれが、該家族ユーザのうちの誰によって視聴されたかを識別し、該記識別の結果に基づいて、学習モデルにより、該家族ユーザに対してレコメンドするレコメンデーションコンテンツを決定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザのユーザ特徴に基づいて、前記複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフを作成するグラフ作成手段と、
前記関係性グラフを用いて、前記複数のユーザのうち、コンテンツ配信サービスに登録している登録ユーザと、前記登録ユーザと同居する同居ユーザとを含む、家族ユーザを予測する予測手段と、
前記コンテンツ配信サービスにより前記登録ユーザに対して提供された複数のコンテンツのそれぞれが、前記家族ユーザのうちの誰によって視聴されたかを識別する識別手段と、
前記識別の結果に基づいて、学習モデルにより、前記家族ユーザに対してレコメンドするレコメンデーションコンテンツを決定する決定手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記学習モデルは、候補コンテンツの特徴を表すメタデータと、前記家族ユーザの前記ユーザ特徴とを入力して、前記家族ユーザにより前記候補コンテンツが選択される確率を出力するように構成され、
前記決定手段は、前記学習モデルを用いて、前記家族ユーザに対する前記レコメンデーションコンテンツを決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記家族ユーザそれぞれの前記ユーザ特徴は、前記家族ユーザそれぞれの行動傾向を含み、
前記識別手段は、前記複数のコンテンツのそれぞれが、前記家族ユーザのうちの誰によって視聴されたかを、前記家族ユーザそれぞれの行動傾向に応じて識別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記識別手段は、前記複数のコンテンツのそれぞれについて、コンテンツの特徴を表すメタデータと、コンテンツ視聴したと識別される1以上のユーザの前記ユーザ特徴とを組み合わせた組み合わせデータを、前記識別の結果として生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記学習モデルを生成する学習手段を更に有し、
前記学習手段は、前記組み合わせデータを用いて、前記家族ユーザそれぞれについての第1学習モデルを学習させ、
前記家族ユーザ全ての前記第1学習モデルを統合した第2学習モデルを、前記学習モデルとして生成する、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記識別手段は、前記複数のコンテンツのそれぞれが、前記家族ユーザのうちの誰によって視聴されたかを、ルールベースで識別する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記複数のコンテンツは、映画、アニメ、またはドラマを含むカルチャーコンテンツと、広告コンテンツの少なくとも一方を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
複数のユーザのユーザ特徴に基づいて、前記複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフを作成するグラフ作成工程と、
前記関係性グラフを用いて、前記複数のユーザのうち、コンテンツ配信サービスに登録している登録ユーザと、前記登録ユーザと同居する同居ユーザとを含む、家族ユーザを予測する予測工程と、
前記コンテンツ配信サービスにより前記登録ユーザに対して提供された複数のコンテンツのそれぞれが、前記家族ユーザのうちの誰によって視聴されたかを識別する識別工程と、
前記識別の結果に基づいて、学習モデルにより、前記家族ユーザに対してレコメンドするレコメンデーションコンテンツを決定する決定工程と、
含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
情報処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、該プログラムは、前記コンピュータに、
複数のユーザのユーザ特徴に基づいて、前記複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフを作成するグラフ作成処理と、
前記関係性グラフを用いて、前記複数のユーザのうち、コンテンツ配信サービスに登録している登録ユーザと、前記登録ユーザと同居する同居ユーザとを含む、家族ユーザを予測する予測処理と、
前記コンテンツ配信サービスにより前記登録ユーザに対して提供された複数のコンテンツのそれぞれが、前記家族ユーザのうちの誰によって視聴されたかを識別する識別処理と、
前記識別の結果に基づいて、学習モデルにより、前記家族ユーザに対してレコメンドするレコメンデーションコンテンツを決定する決定処理と、を含む処理を実行させるためのものである、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関し、特に、コンテンツをユーザにレコメンドするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット上で動画コンテンツを提供するコンテンツ配信サービスが広く普及している。コンテンツ配信サービスでは、サービスの更なる利用向上のために、映画やアニメといった動画コンテンツや広告コンテンツを含むメディアコンテンツをレコメンドすることが重要である。特許文献1には、ユーザの関心および活動(例えば、ユーザの検索クエリ、検索結果、視聴履歴、購入履歴、ユーザの身体活動)の知識に基づいて選択されたコンテンツのレコメンデーションを表示するための方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2022-527229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、コンテンツ配信サービスは、当該サービスに登録したユーザ(登録ユーザ)に対してコンテンツを提供する。当該登録ユーザに対しては、特許文献1に開示された技術を用いることにより、当該登録ユーザに適したコンテンツをレコメンドすることが可能となる。
【0005】
一方で、当該登録ユーザを含む複数のユーザで構成される家族が、コンテンツを視聴するデジタルデバイス(例えば、スマートテレビやタブレット端末)を共有する場合、視聴されたコンテンツは、当該登録ユーザ以外のユーザである場合がある。言い換えると、共有されたデジタルデバイスで視聴されたコンテンツは、家族のどのユーザにより視聴されたかは、基本的にはわからない。従来では、このような場合に、家族における当該登録ユーザ以外のユーザの特徴を考慮して、家族全体もしくは個々のユーザへレコメンドするコンテンツを決定するための仕組みは存在しなかった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、家族を構成する1以上のユーザへレコメンドするコンテンツを決定するための仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明による情報処理装置の一態様は、複数のユーザのユーザ特徴に基づいて、前記複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフを作成するグラフ作成手段と、前記関係性グラフを用いて、前記複数のユーザのうち、コンテンツ配信サービスに登録している登録ユーザと、前記登録ユーザと同居する同居ユーザとを含む、家族ユーザを予測する予測手段と、前記コンテンツ配信サービスにより前記登録ユーザに対して提供された複数のコンテンツのそれぞれが、前記家族ユーザのうちの誰によって視聴されたかを識別する識別手段と、前記識別の結果に基づいて、学習モデルにより、前記家族ユーザに対してレコメンドするレコメンデーションコンテンツを決定する決定手段と、を有する。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明による情報処理方法の一態様は、複数のユーザのユーザ特徴に基づいて、前記複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフを作成するグラフ作成工程と、前記関係性グラフを用いて、前記複数のユーザのうち、コンテンツ配信サービスに登録している登録ユーザと、前記登録ユーザと同居する同居ユーザとを含む、家族ユーザを予測する予測工程と、前記コンテンツ配信サービスにより前記登録ユーザに対して提供された複数のコンテンツのそれぞれが、前記家族ユーザのうちの誰によって視聴されたかを識別する識別工程と、前記識別の結果に基づいて、学習モデルにより、前記家族ユーザに対してレコメンドするレコメンデーションコンテンツを決定する決定工程と、を含む。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明による情報処理プログラムの一態様は、情報処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、該プログラムは、前記コンピュータに、複数のユーザのユーザ特徴に基づいて、前記複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフを作成するグラフ作成処理と、前記関係性グラフを用いて、前記複数のユーザのうち、コンテンツ配信サービスに登録している登録ユーザと、前記登録ユーザと同居する同居ユーザとを含む、家族ユーザを予測する予測処理と、前記コンテンツ配信サービスにより前記登録ユーザに対して提供された複数のコンテンツのそれぞれが、前記家族ユーザのうちの誰によって視聴されたかを識別する識別処理と、前記識別の結果に基づいて、学習モデルにより、前記家族ユーザに対してレコメンドするレコメンデーションコンテンツを決定する決定処理と、を含む処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、家族を構成する1以上のユーザへレコメンドするコンテンツを決定するための仕組みが提供される。
上記した本発明の目的、態様および効果並びに上記されなかった本発明の目的、態様および効果は、当業者であれば添付図面および請求の範囲の記載を参照することにより下記の発明を実施するための形態から理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態による情報処理システムの構成例を示す。
図2図2は、実施形態において想定されるユースケースを説明する概略図である。
図3図3は、実施形態による情報処理装置の機能構成例を示す。
図4図4は、ソーシャルグラフの作成処理のフローチャートを示す。
図5A図5Aは、ソーシャルグラフにおける明示的リンクを説明するための図である。
図5B図5Bは、ソーシャルグラフにおける暗示的リンクを説明するための図である。
図6A図6Aは、リンク間の関係性の推論処理を説明するための図である。
図6B図6Bは、ペアをクラスタへグループ化する処理の一例のフローチャートを示す。
図7A図7Aは、ユーザペアに対する関係性の親密度に基づく親密度スコアの概念図を示す。
図7B図7Bは、親密度スコア予測モデルの概略アーキテクチャを示す。
図7C図7Cは、ソーシャルグラフの概念図を示す。
図8A図8Aは、視聴スコア予測モデルの学習手順を説明するための図である。
図8B図8Bは、視聴スコア予測モデルの学習手順を説明するための図である。
図8C図8Cは、視聴スコア予測モデルの学習手順を説明するための図である。
図9A図9Aは、レコメンデーションコンテンツの決定手順を説明するための図である。
図9B図9Bは、レコメンデーションコンテンツの決定手順を説明するための図である。
図10図10は、実施形態による情報処理装置により実行される全体の処理のフローチャートを示す。
図11図11は、実施形態による情報処理装置と通信装置のハードウェア構成例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための実施形態について詳細に説明する。以下に開示される構成要素のうち、同一機能を有するものには同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、以下に開示される実施形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正または変更されるべきものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0013】
[情報処理システムの構成例]
図1に、本実施形態による情報処理システムの構成例を示す。本情報処理システムは、その一例として、図1に示すように、情報処理装置10と、任意の複数のユーザ1~Nにより使用される複数の通信装置11-1~11-N(N>1)を含んで構成される。なお、以下の説明において、特に説明がない限り、通信装置11-1~11-Nを通信装置11と総称しうる。
【0014】
通信装置11は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、スマートテレビといった表示部(表示面)を有するデバイスである。通信装置11は、LTE(Long Term Evolution)等の公衆網や、無線LAN(Local Area Network)等の無線通信網を介して、情報処理装置10と通信可能に構成されている。1ユーザが複数の通信装置11を使用してもよく、この場合、それぞれの通信装置11は情報処理装置10と通信可能に構成される。通信装置11がスマートフォンやタブレット端末といった、液晶ディスプレイ等の表示部に装備されたGUI(Graphic User Interface)を有するデバイスの場合、ユーザはGUIにより各種操作を行うことができる。当該操作は、指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、画面に表示された画像等のコンテンツに対する各種の操作を含む。
なお、通信装置11は、図1に示すような形態のデバイスに限らず、デスクトップ型のPC(Personal Computer)や、ノート型のPCといったデバイスであってもよい。その場合、各ユーザによる操作は、マウスやキーボードといった入力装置を用いて行われうる。また、通信装置11は、表示面を別に備えてもよい。
【0015】
通信装置11は、情報処理装置10から、または、不図示の他の装置から情報処理装置10を介して提供されるウェブサービス(インターネット関連サービス)を利用することができる。
当該ウェブサービスは、コンテンツ配信サービス(ストリーミングサービス)を含むことができる。コンテンツ配信サービスは、映画、アニメ、ドラマといった動画コンテンツを提供するサービスであり、広告コンテンツ(動画もしくは静止画)も提供されうる。本開示では、映画、アニメ、ドラマといった動画コンテンツと広告コンテンツとを区別するために、当該動画コンテンツを、カルチャーコンテンツとも称する。
また、当該ウェブサービスは、オンラインモールやネットスーパー、あるいは、通信、金融、不動産、スポーツ、旅行に関するサービスを含むことができる。
【0016】
これらのウェブサービスは、例えば、ユーザが、情報処理装置10や他の装置から提供されるAPI(Application Programming Interface)に利用登録することにより、当該ユーザにより利用されうる。また、当該ウェブサービスは、何らかのメンバーシップサービスを含み、エンティティ間のインタラクション(アクション)を観測可能または管理可能なサービスであれば、その種別に制限はない。ウェブサービスの利用登録の際に、各ユーザには、ユーザを識別するユーザIDが関連付けられる。
【0017】
ユーザは、ウェブサービスの利用を介して、当該ユーザや、当該ユーザが使用する通信装置11に関する情報を情報処理装置10に伝達する。例えば、通信装置11は、通信装置11のIP(Internet Protocol)アドレスや、ユーザの住所やユーザの氏名(名字と名前)といった情報を、情報処理装置10に伝達しうる。また、コンテンツ配信サービスを利用するユーザは、通信装置11でコンテンツを視聴することにより、視聴されたコンテンツの履歴(視聴履歴)の情報が情報処理装置10に伝達される。
【0018】
ここで、本実施形態で想定する1つのユースケースを、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態で想定されるユースケースを説明する概略図である。前述のように、本実施形態では、情報処理装置10から、または、不図示の他の装置から情報処理装置10を介して提供されるウェブサービスは、コンテンツ配信サービスを含むことができる。本開示において、コンテンツ配信サービスを利用するために当該サービスに利用登録しているユーザを、「登録ユーザ」と称する。
【0019】
登録ユーザ20は、コンテンツ配信サービスに利用登録しているユーザである。図2では、登録ユーザ20を含む家族ユーザ(家族メンバー)23が、通信装置11を用いて、コンテンツ配信サービスにより登録ユーザ20に対して提供される一連のコンテンツ26を視聴することを示している。通信装置11は、例えば、スマートテレビ251やタブレット端末252でありうる。家族ユーザ23は、登録ユーザ20を含む、登録ユーザ20と同居する家族(世帯)のメンバーである。同居ユーザ24は、家族ユーザ23のうち、登録ユーザ20以外の家族ユーザである。同居ユーザ24は、一例として、登録ユーザ20の配偶者である配偶者ユーザ21と、登録ユーザ20の子である子ユーザ22を含む。
【0020】
一連のコンテンツ26は、家族ユーザ23が使用する通信装置11により視聴されたコンテンツであり、コンテンツ26-1~26-m(m>0)を含む。各コンテンツには、コンテンツを識別するコンテンツIDが付与されている。各コンテンツは、カルチャーコンテンツや広告コンテンツでありうる。各コンテンツは、カルチャーコンテンツや広告コンテンツ以外のコンテンツであってもよい。後述するように、各コンテンツは、コンテンツの特徴を表す情報であるメタデータが、付帯情報として付与されている。家族ユーザ23はそれぞれ、所定の操作により、通信装置11に提供された複数のコンテンツから選択したコンテンツを視聴することができる。視聴されたコンテンツの視聴履歴の情報は、通信装置11から情報処理装置10に伝達される。
【0021】
図2において、家族ユーザ23(登録ユーザ20、配偶者ユーザ21、および子ユーザ22)は、図1に示すユーザ1~Nのいずれかである。よって、情報処理装置10は、登録ユーザ20、配偶者ユーザ21、および子ユーザ22による、ウェブサービスの利用を介した情報を取得可能に構成されている。一方で、コンテンツ配信サービスには、登録ユーザ20が登録されているが、配偶者ユーザ21と子ユーザ22は登録されていない。よって、情報処理装置10は、家族ユーザ23がコンテンツ視聴のために使用する通信装置11から取得したコンテンツの視聴履歴(家族ユーザ23による視聴履歴)を、登録ユーザ20の視聴履歴として認識する。すなわち、情報処理装置10は、家族ユーザ23による視聴履歴を、登録ユーザ20、配偶者ユーザ21、および子ユーザ22の視聴履歴に明示的に区別して認識することはできない。
【0022】
本実施形態による情報処理装置10は、登録ユーザ20と同居する同居ユーザ24(図2の例では、配偶者ユーザ21と子ユーザ22)を予測する(すなわち、家族ユーザ23を予測する)。そして、情報処理装置10は、コンテンツ配信サービスが登録ユーザ20に対して提供したコンテンツのそれぞれが、家族ユーザ23のうち誰により視聴されたかを予測する。さらに、情報処理装置10は、当該予測結果に基づいて家族ユーザ23全体、および/または、家族ユーザ23それぞれに対してレコメンドするコンテンツ(以下、レコメンデーションコンテンツ)を決定する。
【0023】
具体的には、まず、情報処理装置10は、ユーザ1~Nにより使用される通信装置11-1~11-Nから各種情報を取得し、当該情報に基づいて、ソーシャルグラフ(関係性グラフ)を作成する。ソーシャルグラフは、複数のユーザ間の社会的関係性を示すグラフネットワークである。第2に、情報処理装置10は、ソーシャルグラフに基づいて、同居ユーザ24を予測して検出する。第3に、情報処理装置10は、コンテンツ配信サービスが登録ユーザ20に対して提供したコンテンツのそれぞれが、家族ユーザ23のうち誰により視聴されたかを予測(識別)する。そして情報処理装置10は、当該予測結果(識別結果)に基づいて、家族ユーザ23それぞれに対する視聴スコア予測モデル113を学習させ、家族ユーザ23全体に対する視聴スコア予測モデル113を生成する。情報処理装置10は、視聴スコア予測モデル113を用いて、家族ユーザ23それぞれ、および/または、家族ユーザ23全体に対するレコメンデーションコンテンツを決定する。
【0024】
[情報処理装置10の機能構成]
図3は、本実施形態による情報処理装置10の機能構成の一例を示す。
図3に示す情報処理装置10は、ユーザ特徴取得部101、視聴履歴取得部102、ソーシャルグラフ作成部103、家族ユーザ予測部104、視聴ユーザ予測部105、学習部106、レコメンデーションコンテンツ決定部107、および出力部108、学習モデル記憶部110、およびデータ記憶部120を備える。学習モデル記憶部110は、ユーザ特徴予測モデル111、親密度スコア予測モデル112、および視聴スコア予測モデル113を記憶している。当該各種学習モデルについては後述する。また、データ記憶部120は、ユーザ特徴121および視聴履歴122を記憶している。図3の説明にあたり、図1図2を参照する。
【0025】
ユーザ特徴取得部101は、通信装置11-1~11-Nのそれぞれから、当該通信装置やユーザについての事実特徴(事実情報)を、ユーザ特徴として取得する。ユーザ特徴は、通信装置やユーザから実際に、または、客観的に得られる、事実に基づく特徴(情報)である。ユーザ特徴取得部101は例えば、通信装置11から直接的にユーザ特徴を取得することができる。また、ユーザ特徴取得部101は、通信装置11のユーザにより所定のウェブサービスに登録された情報として、ユーザ特徴を取得することができる。ユーザ特徴には、ユーザを識別するユーザIDが紐づけられている。
【0026】
ユーザ特徴は、通信装置11のIPアドレス、ユーザの住所やユーザの氏名、ユーザが保持するクレジットカードの番号、ユーザのデモグラフィック情報(性別、年齢、居住地域、職業、家族構成等の人口統計学的なユーザ属性)等を含む。
また、ユーザ特徴は、ウェブサービス利用時における登録番号や登録名を含んでもよい。また、ユーザ特徴は、通話履歴、所定のウェブサービス利用時における商品のユーザの住所以外の配送先住所、ウェブサービス利用時の利用状況、購入履歴、利用履歴、検索履歴、サービスの利用により貯めることが可能なポイントに関する情報を含んでもよい。
また、ユーザ特徴は、ユーザが在宅している曜日や時間といった、在宅時間に関する特徴を含んでもよい。当該在宅時間に関する特徴は、例えば、ユーザがウェブサービスを利用してアイテムを購入した際の、ユーザにより指定された配達日時や実際の配達日時から取得されうる。
また、ユーザ特徴は、たばこを吸う、酒を飲む、といった、嗜好に関する特徴を含んでもよい。当該嗜好に関する特徴は、例えば、ユーザがウェブサービスを利用して購入したアイテムに基づいて取得されうる。
このように、ユーザ特徴は、通信装置11またはユーザ自身に関連する情報や、通信を介した所定のサービス利用に関する情報を含む、あらゆる情報を含むことができる。
【0027】
また、ユーザ特徴取得部101は、取得したユーザ特徴を、学習済みのユーザ特徴予測モデル111に適用して、当該ユーザ特徴に対して推定されたユーザ特徴(推定ユーザ特徴(属性))も取得するように構成される。ユーザ特徴予測モデル111は、対象のユーザのユーザ特徴(すなわち、事実特徴)を入力として、複数のユーザ特徴それぞれが当該対象のユーザに該当する(適合する)確率(該当確率)を出力するように構成される。ユーザ特徴取得部101は、該当確率から、最終的に、当該対象ユーザの推定ユーザ特徴を決定する。
【0028】
例えば、ユーザ特徴取得部101は、対象ユーザのユーザ特徴として、対象ユーザのデモグラフィック情報と過去のウェブサービスにおける購入履歴や趣向を示すデータをユーザ特徴予測モデル111に入力する。ユーザ特徴予測モデル111からは、該当確率として、当該対象ユーザが購入すると推定される複数のアイテムや当該対象ユーザが有しうる複数の趣向や、当該対象ユーザの行動傾向それぞれに対する確率が出力される。そして、ユーザ特徴取得部101は、所定値以上の確率を有するアイテムや趣向や行動傾向を、当該対象ユーザの推定ユーザ特徴として、取得することができる。行動傾向は、例えば、子を有するといったライフステージに関する特徴や、在宅勤務しているといったライフスタイルに関する特徴を含む。
【0029】
ユーザ特徴取得部101は、取得および推定したユーザ特徴を、ユーザ特徴121としてデータ記憶部120に記憶させる。ユーザ特徴は、ユーザIDと紐づけて記憶される。
【0030】
視聴履歴取得部102は、ユーザ1~Nのうち、コンテンツ配信サービスに登録している登録ユーザの通信装置11から、コンテンツの視聴履歴の情報を取得する。視聴履歴取得部102により取得される視聴履歴の情報は、登録ユーザの視聴履歴の情報に対応する。図2を参照すると、視聴履歴取得部102は、家族ユーザ23のいずれかによって視聴されたコンテンツの履歴を、登録ユーザ20の視聴履歴として取得する。視聴履歴の情報は、視聴された各コンテンツのコンテンツID、メタデータ、および視聴日時(視聴時間)の情報が含まれる。
【0031】
メタデータ(付帯情報)は、各コンテンツに付与された、当該コンテンツの特徴を表す情報である。メタデータは例えば、映画、アニメ、ドラマといったカルチャーコンテンツの場合は、ジャンル、コンテンツの対象年齢層、タイトル、出演者(俳優等)、監督、コンテンツ時間、シリーズナンバー、および、あらすじ等の情報を含みうる。また、広告コンテンツの場合は、メタデータは、広告主、対象アイテム(商品やサービス)、ジャンル等の情報を含みうる。視聴履歴取得部102は、取得した視聴履歴の情報を、視聴履歴122としてデータ記憶部120に記憶させる。視聴履歴122は、ユーザIDと紐づけて記憶される。図2を参照すると、登録ユーザ20から取得された視聴履歴は、登録ユーザ20のユーザIDと紐づけて記憶される。
【0032】
ソーシャルグラフ作成部103は、ユーザ特徴取得部101により取得された各種ユーザ特徴を用いて、ソーシャルグラフ(関係性グラフ)を作成する。ソーシャルグラフの作成手順については後述する。
【0033】
家族ユーザ予測部104は、コンテンツ配信サービスの登録ユーザを含む家族ユーザを予測(探索)する。まず、家族ユーザ予測部104は、ユーザ1~Nのうちのいずれかである登録ユーザのユーザIDを取得し、当該登録ユーザを識別する。当該登録ユーザのユーザIDは、操作者により入力部(図11の入力部1105)を介して入力されてもよいし、通信部(図11の通信I/F1107)を介して入力されてもよい。あるいは、当該登録ユーザのユーザIDは、記憶部(図11のROM1102やRAM1103)に格納されている任意のプログラムによって設定されてもよい。家族ユーザ予測部104は、データ記憶部120のユーザ特徴121から、登録ユーザのユーザIDに基づいて、登録ユーザのユーザ特徴を取得する。
【0034】
そして、家族ユーザ予測部104は、取得した登録ユーザのユーザ特徴と、ソーシャルグラフ作成部103により作成されたソーシャルグラフに基づいて、当該登録ユーザを含む家族ユーザを予測する。図2を参照すると、家族ユーザ予測部104は、登録ユーザ20のユーザ特徴とソーシャルグラフに基づいて、同居ユーザ24を予測する。なお、登録ユーザが単身者であり、同居ユーザが存在しない場合(家族ユーザ数=1)もあるため、家族ユーザ予測部104は、登録ユーザに対する同居ユーザの有無も判定できるように構成される。ソーシャルグラフに基づく家族ユーザの予測手順については後述する。
【0035】
視聴ユーザ予測部105は、視聴履歴122に含まれる登録ユーザの視聴履歴と、家族ユーザ予測部104により予測された家族ユーザに基づいて、当該視聴履歴に含まれる1以上のコンテンツのそれぞれを視聴した1以上のユーザ(以下、視聴ユーザ)を予測(識別)する。すなわち、視聴ユーザ予測部105は、登録ユーザの視聴履歴に含まれる1以上のコンテンツが、家族ユーザのうちのどの1以上のユーザによって視聴されたかを予測する。当該予測は、当該1以上のコンテンツのそれぞれと、家族ユーザのそれぞれとの対応付け(アラインメント)に対応する。図2を参照すると、視聴ユーザ予測部105は、コンテンツ26のそれぞれの視聴ユーザを予測する。すなわち、視聴ユーザ予測部105は、コンテンツ26のそれぞれが、登録ユーザ20、配偶者ユーザ21、および子ユーザ22のうちの誰によって視聴されたかを予測(識別)する。
【0036】
本実施形態では、視聴ユーザ予測部105は、登録ユーザの視聴履歴に含まれる1以上のコンテンツのメタデータおよび/または視聴日時、および、ユーザ特徴121から取得した家族ユーザ23のユーザ特徴を参照し、当該予測を行う。例えば、視聴ユーザ予測部105は、メタデータおよび/または視聴日時、および、ユーザ特徴との間の共通の特徴を用いて、当該予測を行ってよい。図2を参照すると、コンテンツ26-1のメタデータが、ジャンル=アニメ、および、コンテンツの対象年齢層=3歳~10歳を含み、視聴日時が平日の夕方であり、子ユーザ22のユーザ特徴に含まれる年齢が8歳であるとする。この場合、コンテンツ26-1のメタデータに含まれるコンテンツの対象年齢と、子ユーザ22の年齢の特徴が共通するため、視聴ユーザ予測部105は、コンテンツ26-1の視聴ユーザは子ユーザ22であると予測することができる。
【0037】
これに代えて、もしくは、これに加えて、視聴ユーザ予測部105は、ルールベースで当該予測を行ってよい。当該ルールは、コンテンツのメタデータおよび/または視聴日時、および、ユーザ特徴とを対応付けたルールである。当該ルールの一例は、メタデータが、ジャンル=アニメを含み、視聴日時が平日の夕方であるコンテンツの視聴ユーザは、ユーザ特徴に、年齢が6歳~12歳および/または平日の夕方に在宅していることを含むユーザである、ことを示すルールである。コンテンツ26-2のメタデータが、ジャンル=アニメを含み、視聴日時が平日の夕方である場合に、視聴ユーザ予測部105は、当該例示的なルールに基づいて、コンテンツ26-2の視聴ユーザは、子ユーザ22(8歳)であると予測することができる。さらに、配偶者ユーザ21のユーザ特徴121が、平日の夕方に在宅していることを含む場合に、視聴ユーザ予測部105は、当該例示的なルールに基づいて、コンテンツ26-2の視聴ユーザは、さらに、配偶者ユーザ21を含むことを予測することができる。
【0038】
また、当該ルールは、コンテンツのメタデータおよび/または視聴日時、および、ユーザ特徴に含まれる行動傾向とを対応付けたルールであってよい。例えば、長いコンテンツ時間(例えば、2時間以上)のメタデータを有するコンテンツを、在宅勤務していることを行動傾向に含むユーザに対応付けるというルールを設定する。当該例示的なルールは、在宅勤務しているユーザは、通勤時間が節約でき在宅時間が長いことから、長いコンテンツ時間のコンテンツを観る可能性が高いという予測(例えば、経験則)に基づく。コンテンツ26-3のメタデータが長いコンテンツ時間を含み、登録ユーザ20の行動傾向が在宅勤務していることを含む場合、視聴ユーザ予測部105は、コンテンツ26-3の視聴ユーザは、登録ユーザ20であると予測することができる。これにより、視聴ユーザ予測部105は、家族ユーザそれぞれの行動傾向に応じて、各コンテンツの視聴ユーザを予測することができる。
【0039】
当該ルールは例えば、経験則や機械学習により作成されうる。当該ルールは、操作者により入力部(図11の入力部1105)を介して入力されてもよいし、通信部(図11の通信I/F1107)を介して入力されてもよい。あるいは、当該ルールは、予めシステムにおいて設定されていてもよいし、記憶部(図11のROM1102やRAM1103)に格納されている任意のプログラムによって設定されてもよい。
【0040】
視聴ユーザ予測部105は、このような予測処理により、視聴履歴122に含まれるコンテンツそれぞれを、1以上の視聴ユーザと対応付ける。さらに、視聴ユーザ予測部105は、当該対応付けから、視聴履歴122に含まれるコンテンツそれぞれと、1以上の視聴ユーザとの組み合わせデータを生成(準備)する。当該組み合わせデータには、コンテンツのコンテンツIDおよびメタデータと、当該コンテンツに対応付けられた視聴データのユーザ特徴が含まれる。また、当該組み合わせデータには、コンテンツの視聴日時の情報が含まれてもよい。
【0041】
学習部106は、視聴ユーザ予測部105により生成された組み合わせデータを用いて、視聴スコア予測モデル113を学習させる。視聴スコア予測モデル113は、コンテンツのメタデータと、ユーザのユーザ特徴の組み合わせデータを入力として、当該コンテンツの視聴スコアを予測する、機械学習のための学習モデルである。視聴スコアは、入力されたコンテンツが、入力されたユーザ特徴を有するユーザにより視聴される確率(可能性)を示し、例えば0~1の数値で表される(最大確率=1)。視聴スコアは、視聴の確率だけでなく、コンテンツが表示された画面上で当該コンテンツがクリック動作により選択される確率といった、あらゆるアクションにより当該コンテンツが選択される確率を示す。学習部106による視聴スコア予測モデル113の学習手順については後述する。
【0042】
レコメンデーションコンテンツ決定部107は、学習部106によって学習された視聴スコア予測モデル113を用いて、レコメンデーションコンテンツを決定する。図2を参照すると、レコメンデーションコンテンツ決定部107は、家族ユーザ23に対するレコメンデーションコンテンツを決定する。レコメンデーションコンテンツの決定手順については後述する。
【0043】
出力部108は、レコメンデーションコンテンツ決定部107により決定されたレコメンデーションコンテンツを出力する。例えば、出力部108は、レコメンデーションコンテンツに関する情報を生成し、当該情報を登録ユーザが使用する通信装置11の表示部に出力(表示)する。出力部108は、当該レコメンデーションコンテンツに関する情報を生成して出力してもよい。当該出力は、表示による出力や音声による出力といった、あらゆる形態の出力を含みうる。
【0044】
[ソーシャルグラフの作成手順]
次に、本実施形態によるソーシャルグラフの作成手順について説明する。なお、以下の説明においてユーザA~Eは、説明のために参照するユーザであり、通信装置11のユーザでありうる。また、ソーシャルグラフは、複数のエンティティ(図5A図5Bの例では、丸で囲まれたユーザノードに対応)の接続で構成される。以下の説明では、当該ユーザノードを単にユーザと称する。図4に、本実施形態によるソーシャルグラフ作成部103により実行されるソーシャルグラフの作成処理のフローチャートを示す。以下、図4の処理の各工程について説明する。
【0045】
<S41:ソーシャルグラフにおける明示的リンクと暗示的リンクの作成>
S41では、ソーシャルグラフ作成部103は、複数のユーザ間の明示的リンクと暗示的リンクを予測して作成する。
ソーシャルグラフにおけるリンクの作成処理について、図5A図5Bを参照して説明する。図5Aは、ソーシャルグラフにおける明示的リンクを説明するための図であり、図5Bは、ソーシャルグラフにおける暗示的リンクを説明するための図である。ソーシャルグラフにおける明示的リンクとは、2ユーザ間(ユーザペア)の明示的な共通のユーザ特徴により作成されるリンクである。ソーシャルグラフにおける暗示的リンクとは、ユーザペアの明示的な共通のユーザ特徴の存在は不明確であるものの、すでに作成されている明示的リンクを利用して、間接的な関係として作成されるリンクである。
【0046】
図5Aに、ユーザの通信装置のIPアドレスを共通なユーザ特徴として用いてソーシャルグラフにおける明示的リンクを作成する例を示す。図5Aは、ユーザA~Cが利用可能なウェブサービスとして、オンラインモール51、ゴルフ場予約サービス52、旅行関連予約サービス53、およびカード管理システム54が存在する例を示す。図5Aでは、これら4つのウェブサービスが示されているが、ウェブサービスの数は特定の数に限定されない。
【0047】
オンラインモール51は、オンラインで(インターネットを使用して)利用可能なショッピングモールである。オンラインモール51は、例えば、ファッション、書籍、食品、コンサートチケット、不動産といった多種多様な商品やサービスを提供することができる。
ゴルフ場予約サービス52は、オンラインでゴルフ場に関するサービスを提供するウェブサイトで運営され、例えばゴルフ場の検索および予約やレッスン情報を提供することができる。
旅行関連予約サービス53は、オンラインで利用可能な各種旅行サービスを提供するウェブサイトで運営される。旅行関連予約サービス53は、例えば、ホテルやトラベルツアーの予約、航空券やレンタカーの予約、観光情報、ホテル、ホテル周辺の情報を提供することができる。
カード管理システム54は、所定のカード管理会社により発行および管理されるクレジットカードに関するサービスを提供するウェブサイトで運営される。カード管理システム54は、オンラインモール51、ゴルフ場予約サービス52、および旅行関連予約サービス53の少なくともいずれかと関連して、サービスを提供してもよい。
【0048】
図5Aの例では、ユーザA~Cはそれぞれ、同じIPアドレス(=198.45.66.xx)を用いて、オンラインモール51、ゴルフ場予約サービス52、旅行関連予約サービス53を利用している。IPアドレスの情報は、ユーザ特徴取得部101により取得されうる。
このような場合、ソーシャルグラフ作成部103は、ユーザA~Cは、リンク状態55に示すように、同じIPアドレスの特徴で、ソーシャルグラフにおける明示的リンク(実線のリンク)を相互に作成する。
【0049】
図5Aのほか、共通のユーザ特徴として、ユーザの住所の特徴や、ユーザが使用するクレジットカード番号の特徴等を共通な特徴として用いて、ソーシャルグラフにおける明示的リンクを作成することができる。
【0050】
図5Bに、ソーシャルグラフにおいてユーザ間に暗示的リンクを作成する例を示す。図5Bの例では、ユーザAに対して、ユーザC、ユーザD、ユーザEが明示的リンクで接続され、ユーザBに対して、ユーザC、ユーザD、ユーザEが明示的リンクで接続されている。このようなリンク特徴(リンク間の関係を示す特徴)を、共通の特徴空間へ埋め込み、各ユーザ(各ノード)間で暗黙的に関係性が構築されるとして推論されたリンクが、暗示的リンクとして作成(確立)される。図5Bの例では、ユーザAとユーザBは、明示的リンクで接続されていないが、共通の特徴空間で関係性を有すると推論された結果、暗示的リンク(点線のリンク)が作成されている。なお、ソーシャルグラフ作成部103は、明示的リンクで接続されたノード(ユーザ)で構成されるユーザ間関係グラフの学習(表現学習、関係学習、埋込学習、知識グラフ埋め込み)を行うことで、ユーザ間の暗示的リンクを予測し作成する。このとき、ソーシャルグラフ作成部103は、既知の埋め込みモデルまたはその拡張に適宜、基づき、当該学習を行ってよい。
【0051】
<S42:リンク間の関係性の推論>
S42では、ソーシャルグラフ作成部103は、S41で予測および作成されたリンク間の関係性を推論する。リンク間の関係性の推論処理について、図6A図6Bを参照して説明する。図6Aは、リンク間の関係性の推論処理を説明するための図であり、明示的リンクで接続されたユーザAとユーザB間のリンクの関係性を推論する例を示す。
【0052】
ソーシャルグラフ作成部103は、S41で作成されたリンクで接続されたユーザのペアをデータポイントとして扱い、ユーザ特徴取得部101により取得された各種情報を用いて、当該ペア(データポイント)を、共通のタイプを表すクラスタにグループ化する。当該各種情報は、IPアドレス、住所、クレジットカード、年齢、性別、友人といった情報でありうる。また、各クラスタは、配偶者、親子、近所の人、同世帯、同僚、友達、同性別きょうだい、異性別きょうだい等の関係を持つクラスタでありうる。図6Aの例では、ユーザのペアをバツ印で示し、当該ペアがグループ化されうるクラスタとして、親子クラスタ61、配偶者クラスタ62、同性別きょうだいクラスタ63、友人クラスタ64、同世帯クラスタ65を示す。なお、図6Aでは5つのクラスタを示すが、クラスタの数は特定の数に限定されない。
【0053】
例えば、ソーシャルグラフ作成部103は、ユーザAとユーザBが、同じ名字、年齢差が10歳未満、逆の性別、同じ住所、という特徴60を有する(共有する)場合、ソーシャルグラフ作成部103は、ユーザAとユーザBのペアを、夫と妻(配偶者)の関係を表すクラスタ(配偶者クラスタ62)にグループ化することができる。
【0054】
図6Bに、ソーシャルグラフ作成部103により実行される、ペアをクラスタへグループ化する処理の一例のフローチャートを示す。
S61の開始時点で、グループ化の対象のペアについて、同じ住所と同じ名字の特徴を有するものとする。S62では、ソーシャルグラフ作成部103は、当該対象のペアについて、同じ性別の特徴を有するか否かを判定する。当該対象のペアが同じ性別の特徴を有する場合(S62でYes)、S63においてソーシャルグラフ作成部103は、当該対象のペアについて、年齢の差が所定の閾値(=X値)以下か否かを判定する。当該対象のペアの年齢の差がX値より大きい場合(S63でNo)、ソーシャルグラフ作成部103は、当該対象のペアを親子クラスタ61へグループ化する。年齢の差がX値以下の場合(S63でYes)、ソーシャルグラフ作成部103は、当該対象のペアを同性別きょうだいクラスタ63へグループ化する。また、当該対象のペアが同じ性別の特徴を有さない場合(S62でNo)、S64においてソーシャルグラフ作成部103は、当該対象のペアの年齢の差が所定の閾値(=Y値)以下か否かを判定する。年齢の差がY値より大きい場合(S64でNo)、ソーシャルグラフ作成部103は、当該対象のペアを親子クラスタ61へグループ化する。年齢の差がY値以下の場合(S64でYes)、ソーシャルグラフ作成部103は、当該対象のペアを配偶者クラスタ62へグループ化する。
【0055】
<S43:関係性の親密度に基づく親密度スコアの割り当て>
S43では、ソーシャルグラフ作成部103は、S42で推論されたペアに対する関係性の親密度に基づくスコア(社会的関係性の高さを表すスコア)を予測し、当該スコアを当該ペアに割り当てる。当該スコアを、本実施形態では、親密度スコアと称する。本実施形態において、親密度スコアは、0~1の間の数値であるが、親密度スコアが取りうる数値に特定の限定はない。図7Aに、ユーザペアに対する関係性の親密度に基づく親密度スコアの概念図を示す。
【0056】
図7Aの例では、明示的リンクで接続されたユーザAとユーザBが有する(共有する)特徴によって、当該ユーザペア間の関係性の親密度が変化する。図7Aの上部では、ユーザAとユーザBが、同性別きょうだい、同じ住所、1200回の通話履歴、50回のギフトのやり取り、という特徴70を有する場合、当該ユーザペア間の関係性の親密度(すなわち、親密度スコア)は高くなる。一方、図7Aの下部では、ユーザAとユーザBが、同性別きょうだい、異なる住所、30回の通話履歴、2回のギフトのやり取り、という特徴71を有する場合、当該ユーザペア間の関係性の親密度(すなわち、親密度スコア)は低くなる。このように、図7Aの例のように、同性別きょうだいであるユーザAとユーザBであっても、当該ユーザのペアで共有される他の特徴により、当該ペアの関係性の親密度は異なるものとなる。関係性の親密度の高いペアは、互いの社会的距離が近く、高い影響を有することが観察される。一方、関係性の親密度の低いペアは、互いの社会的距離が遠く、近しい関係にないことが観察される。
【0057】
本実施形態では、ユーザペアに対する親密度スコアを、親密度スコア予測モデル112を用いて予測する。図7Bに、親密度スコア予測モデル112の概略アーキテクチャを示す。親密度スコア予測モデル112は、ユーザペアの特徴(ペアが共有する特徴)72を入力として、当該特徴72に対する親密度スコア73を予測する学習モデルである。
【0058】
親密度スコア予測モデル112は例えば、弱教師付き学習(Weak Supervised Learning)を行う学習モデルである。本実施形態では、親密度スコア予測モデル112は、図6Aに示したような、ユーザペアに対する複数の特徴に対して付された親密度スコア(0~1)を教師データとして学習された学習モデルとする。例えば、学習段階では、教師データとしては、図7Aの特徴70に設定された1に近い親密度スコアと、特徴71に設定された0に近い親密度スコアといった組み合わせデータが使用される。なお、親密度スコア予測モデル112は、ユーザペアの関係性の種別毎に異なってよく、一の関係性の種別に応じてトレーニングされた学習モデルであってよい。
【0059】
なお、本実施形態では、ユーザペアに対する親密度スコアを、親密度スコア予測モデル112を用いて予測したが、ソーシャルグラフ作成部103は、他の手法により、当該スコアを予測するように構成されてもよい。このように、ソーシャルグラフ作成部103は、ユーザペアにおいて共有される特徴に基づいて、当該ペアに対して親密度スコアを割り当てる。
【0060】
以上の処理により、複数のユーザ間で明示的リンクまたは暗示的リンクが形成され、各リンク間では親密度スコアが割り当てられ、ソーシャルグラフが作成される。ソーシャルグラフの概念図を図7Cに示す。図7Cに示すソーシャルグラフ700において、各ユーザ701~703それぞれは複数の特徴を有し、ユーザのペアに対しては上記のように予測された親密度スコアが割り当てられる。
【0061】
[家族ユーザ予測手順]
次に、本実施形態による家族ユーザの予測手順について説明する。本実施形態では、家族ユーザ予測部104は、ソーシャルグラフ作成部103により作成されたソーシャルグラフに基づいて、登録ユーザを含む家族ユーザを予測する。本実施形態では、ソーシャルグラフにおいて、親密度スコア(図7Cを参照)だけでなく、各ペア間の共有の(共通の)ユーザ特徴(図6Aを参照)に基づいて、家族ユーザを予測する。
【0062】
家族ユーザ予測部104は、まず、登録ユーザと同居する同居ユーザが存在するか否かを判定する。例えば、家族ユーザ予測部104は、ソーシャルグラフにおいて、登録ユーザとの関係で親密度スコアが高く(例えば、親密度スコアが所定の閾値以上)、かつ、当該登録ユーザと共通の住所と同じ名字を有するという第1の条件を満たすユーザを探索する。第1の条件を満たすユーザが存在する場合、同居ユーザが存在すると判定し、そうでない場合に、同居ユーザが存在しないと判定することができる。また、家族ユーザ予測部104は、ソーシャルグラフにおいて、当該登録ユーザと共通の住所を有するという第2の条件を満たすユーザを探索してもよい。この場合、第2の条件を満たすユーザが存在する場合、同居ユーザが存在すると判定し、そうでない場合に、同居ユーザが存在しないと判定することができる。
【0063】
同居ユーザが存在しないと判定した場合は、家族ユーザ予測部104は、家族ユーザは登録ユーザのみであると予測する。一方、同居ユーザが存在すると判定した場合、同居ユーザの有無のために使用した条件(例えば、前述の第1の条件または第2の条件)を満たすユーザを、同居ユーザであると予測する。続いて、家族ユーザ予測部104は、ソーシャルグラフに基づいて、当該登録ユーザと当該同居ユーザとの関係(家族構成)を抽出する。図2の例では、家族ユーザ予測部104は、配偶者ユーザ21は登録ユーザ20の配偶者であり、子ユーザ22は登録ユーザ20の子であることを認識する。
【0064】
[視聴スコア予測モデルの学習手順]
次に、視聴スコア予測モデル113の学習手順について、図2図8A図8Cを参照して説明する。図8A図8Bは、視聴スコア予測モデル113の学習手順を説明するための図である。本実施形態による視聴スコア予測モデル113は、ブースティングを用いたツリー(決定木)ベースのモデルであり、例えば、XGBoostをベースにした学習モデルである。なお、視聴スコア予測モデル113は、時間帯毎に個別に学習または統合されてよい。
【0065】
図8Aを参照して、視聴スコア予測モデル113の入力データと出力データの関係を説明する。図8Aの例では、視聴スコア予測モデル113には、コンテンツ26-1とユーザ特徴80の組み合わせデータが入力される。ここで、入力されるコンテンツは、当該コンテンツのコンテンツIDとメタデータを含む。また、ユーザ特徴80は、ウェブサービス上での、デモグラフィック情報、購入履歴、およびサービス利用状況を含む。ユーザ特徴80は、他の種類のユーザ特徴を含むように構成されてもよい。入力された組み合わせデータに対して、視聴スコア予測モデル113から出力される視聴スコア81は、入力されたコンテンツ26-1が、入力されたユーザ特徴80を有するユーザにより選択(視聴を含む)される確率(可能性)を示す。
【0066】
学習時は、視聴ユーザ予測部105により生成された組み合わせデータを用いて、視聴スコア予測モデル113が学習される。当該組み合わせデータは、視聴されたコンテンツと視聴ユーザとの組み合わせを示すことから、視聴スコア予測モデル113から出力される視聴スコアは、1(最大確率)として学習される。例えば、図8Aでは、コンテンツ26-1とユーザ特徴80の組み合わせデータが入力され、視聴スコア81(=1)を出力するように学習される。
【0067】
図8Bを参照して、図2に示す家族ユーザ23に対して視聴ユーザ予測部105により生成された組み合わせデータを用いた学習処理を説明する。図2を参照し、登録ユーザ20を含む家族ユーザ23がコンテンツ26を視聴した場合を想定する。この場合、視聴ユーザ予測部105は、登録ユーザ20、配偶者ユーザ21、および子ユーザ22の少なくともいずれかのユーザ特徴と、コンテンツ26-1~26-mそれぞれとの組み合わせデータを生成する。図8Bの例では、コンテンツ26は、コンテンツ26-1~26-9(すなわち、m=9)を含む。生成された組み合わせデータは、コンテンツ26-1~コンテンツ26-3それぞれと登録ユーザ20のユーザ特徴80との組み合わせデータ、コンテンツ26-4~コンテンツ26-6それぞれと配偶者ユーザ21のユーザ特徴83との組み合わせデータ、コンテンツ26-6~コンテンツ26-9それぞれと子ユーザ22のユーザ特徴84との組み合わせデータを含む。コンテンツ26-6は、配偶者ユーザ21と子ユーザ22のユーザ特徴と組み合わされている。これは、視聴ユーザ予測部105により、コンテンツ26-6の視聴ユーザは、配偶者ユーザ21と子ユーザ22と予測され、コンテンツ26-6が両ユーザと対応付けられていることを意味している。
【0068】
当該組み合わせデータを用いて、家族ユーザ23それぞれに対して、視聴スコア予測モデル113(ユーザベースの視聴スコア予測モデル)が学習される。図8Bでは、登録ユーザ20、配偶者ユーザ21、および子ユーザ22の視聴スコア予測モデル113を、それぞれ、視聴スコア予測モデル113-1、113-2、113-3で示す。視聴スコア予測モデル113-1は、コンテンツ26-1~コンテンツ26-3それぞれと登録ユーザ20のユーザ特徴82との組み合わせデータが入力され、視聴スコア81-1(=1)を出力するように学習される。視聴スコア予測モデル113-2は、コンテンツ26-4~コンテンツ26-6それぞれと配偶者ユーザ21のユーザ特徴83との組み合わせデータが入力され、視聴スコア81-2(=1)を出力するように学習される。視聴スコア予測モデル113-3は、コンテンツ26-6~コンテンツ26-9それぞれと子ユーザ22のユーザ特徴84との組み合わせデータが入力され、視聴スコア81-3(=1)を出力するように学習される。
【0069】
図8Aと同様に、ユーザ特徴82~84は、ウェブサービス上での、デモグラフィック情報、購入履歴、およびサービス利用状況を含むように構成されているが、これに限定されない。また、配偶者ユーザ21のユーザ特徴83と、子ユーザ22のユーザ特徴84には、登録ユーザ20との家族構成における関係を含めてもよい。例えば、ユーザ特徴83は、「配偶者」、ユーザ特徴84には「子」を示す特徴を含めてもよい。
【0070】
また、コンテンツ26-6~コンテンツ26-9に、コンテンツの視聴日時の情報が含まれる場合に、当該視聴日時に応じた重みづけを行うように、視聴スコア予測モデル113-1~113-3が学習されてもよい。例えば、視聴日時が現在または所定の時間帯に近いほど、視聴スコアが高くなるように、視聴スコア予測モデル113-1~113-3が学習されてもよい。これにより、例えば、最近視聴したコンテンツと同様なメタデータを有するコンテンツがレコメンデーションコンテンツとして決定される可能性が高くなりうる。
【0071】
学習された視聴スコア予測モデル113-1~113-3は、家族ユーザ全体の視聴スコア予測モデル113に統合される。図8Bに、学習された視聴スコア予測モデル113-1~113-3を統合した視聴スコア予測モデル113の概念図を示す。当該統合した視聴スコア予測モデル113を用いることにより、入力されたコンテンツ(メタデータとコンテンツIDを含む)に対する家族ユーザ23全体による視聴スコアを予測することが可能となる。学習部106は、統合することによって生成した視聴スコア予測モデル113を、学習済み視聴スコア予測モデル113として、学習モデル記憶部110に格納する。学習部106は、各ユーザついて学習した視聴スコア予測モデル113(例えば、図8Bの視聴スコア予測モデル113-1~113-3)も、学習モデル記憶部110に格納してよい。
【0072】
家族ユーザ予測部104により、同居ユーザが存在すると判定された場合は、例えば、図8Bのように、家族ユーザそれぞれとコンテンツそれぞれとの組み合わせデータを用いて視聴スコア予測モデル113-1~113-3が学習される。一方で、同居ユーザが存在しないと予測された場合は、視聴されたコンテンツは全て、登録ユーザによって視聴されたことになり、より多くの学習データで学習されうる。そのため、家族ユーザ予測部104により、同居ユーザが存在しないと予測された登録ユーザに対する視聴スコア予測モデル113の学習を、優先的に行ってもよい。
【0073】
例えば、図2を参照し、登録ユーザ20がコンテンツ26全てを視聴した場合を想定する。この場合、視聴ユーザ予測部105は、登録ユーザ20のユーザ特徴とコンテンツ26-1~26-mそれぞれとの組み合わせデータを生成する。そして、視聴スコア予測モデル113は、コンテンツ26-1~コンテンツ26-mそれぞれと登録ユーザ20のユーザ特徴との組み合わせデータが入力され、視聴スコア(=1)を出力するように学習される。このような登録ユーザのみの学習処理により、登録ユーザのユーザ特徴を有するユーザに対する視聴スコアの精度が向上しうる。
【0074】
[レコメンデーションコンテンツの予測手順]
次に、レコメンデーションコンテンツ決定部107によるレコメンデーションコンテンツの決定手順について、図2図9A図9Bを参照して説明する。図9A図9Bは、レコメンデーションコンテンツの決定手順を説明するための図である。本実施形態では、レコメンデーションコンテンツ決定部107は、学習部106により学習されて生成された視聴スコア予測モデル113を用いて、レコメンデーションコンテンツを決定するように構成される。
【0075】
図9Aにおいて、コンテンツ91-1~91-n(n>0)を含むコンテンツ91は、あらかじめ準備されたレコメンド候補のコンテンツ(候補コンテンツ)である。コンテンツ91は、操作者により入力部(図11の入力部1105)を介して入力されてもよいし、通信部(図11の通信I/F1107)を介して入力されてもよい。あるいは、コンテンツ91は、予めシステムにおいて設定されていてもよいし、記憶部(図11のROM1102やRAM1103)に格納されている任意のプログラムによって設定されてもよい。
【0076】
レコメンデーションコンテンツ決定部107は、コンテンツ91(メタデータとコンテンツIDを含む)と、家族ユーザ23それぞれのユーザ特徴を、学習済みの視聴スコア予測モデル113に入力する。具体的には、レコメンデーションコンテンツ決定部107は、コンテンツ91のそれぞれと登録ユーザ20のユーザ特徴82との組み合わせデータ、コンテンツ91のそれぞれと配偶者ユーザ21のユーザ特徴83との組み合わせデータ、コンテンツ91のそれぞれと子ユーザ22のユーザ特徴83との組み合わせデータを、視聴スコア予測モデル113に入力する。視聴スコア予測モデル113は、当該入力データから、家族ユーザ23全体の視聴スコア92を予測して出力する。レコメンデーションコンテンツ決定部107は、コンテンツ91-1~91-nのうち、所定の閾値以上の視聴スコア92を有するコンテンツを、家族ユーザ23に対するレコメンデーションコンテンツと決定することができる。所定の閾値は、例えば、0.7である。より高い視聴スコア92を有するコンテンツは、家族ユーザ23の少なくともいずれかにより視聴される可能性が高く、レコメンデーションの効果が高い。なお、コンテンツ91は、学習段階で使用したコンテンツ26の少なくとも一部を含んでもよい。
【0077】
このように、視聴スコア予測モデル113を用いることにより、家族ユーザ全体へのレコメンドコンテンツを決定することができる。これに加えて、あるいは、これに代えて、レコメンデーションコンテンツ決定部107は、家族ユーザを構成する各ユーザに対するレコメンドコンテンツを決定するように構成されてもよい。図9Bを参照して、図2における家族ユーザ23それぞれに対するレコメンデーションコンテンツを決定する手順につい説明する。
【0078】
図9Bにおいて、レコメンデーションコンテンツ決定部107は、コンテンツ91(メタデータとコンテンツIDを含む)と、家族ユーザ23それぞれのユーザ特徴を、学習済みの視聴スコア予測モデル113-1~113-3に入力する。具体的には、レコメンデーションコンテンツ決定部107は、コンテンツ91のそれぞれと登録ユーザ20のユーザ特徴82との組み合わせデータを、視聴スコア予測モデル113-1に入力する。同様に、レコメンデーションコンテンツ決定部107は、コンテンツ91のそれぞれと配偶者ユーザ21のユーザ特徴83との組み合わせデータを、視聴スコア予測モデル113-2に入力し、コンテンツ91のそれぞれと子ユーザ22のユーザ特徴83との組み合わせデータを、視聴スコア予測モデル113-3に入力する。視聴スコア予測モデル113-1~113-3はそれぞれ、当該入力データから、登録ユーザ20の視聴スコア92-1、配偶者ユーザ21の視聴スコア92-2、および子ユーザ22の視聴スコア92-3を予測して出力する。レコメンデーションコンテンツ決定部107は、コンテンツ91-1~91-nのうち、所定の閾値(例えば、0.7)以上の視聴スコアを有するコンテンツを、レコメンデーションコンテンツと決定することができる。図8Bの例では、レコメンデーションコンテンツ決定部107は、所定の閾値以上の視聴スコア92-1を有するコンテンツを、登録ユーザ20に対するレコメンデーションコンテンツと決定することができる。同様に、レコメンデーションコンテンツ決定部107は、所定の閾値以上の視聴スコア92-2を有するコンテンツを、配偶者ユーザ21に対するレコメンデーションコンテンツと決定し、所定の閾値以上の視聴スコア92-2を有するコンテンツを、子ユーザ22に対するレコメンデーションコンテンツと決定することができる。なお、コンテンツ91は、学習段階で使用したコンテンツ26の少なくとも一部を含んでもよい。
【0079】
さらに、レコメンデーションコンテンツ決定部107は、視聴スコア92-1~92-3から、家族ユーザ23全体の視聴スコア93を決定してもよい。例えば、レコメンデーションコンテンツ決定部107は、コンテンツ毎に視聴スコア92-1~92-3の和を算出し、当該和を視聴スコア93として決定してよい。あるいは、レコメンデーションコンテンツ決定部107は、コンテンツ毎に視聴スコア92-1~92-3のそれぞれの最大スコアを抽出し、当該抽出した3つの最大スコアを視聴スコア93として決定してよい。そして、レコメンデーションコンテンツ決定部107は、所定の閾値以上の視聴スコア93を有するコンテンツを、家族ユーザ23全体に対するレコメンデーションコンテンツと決定することができる。
【0080】
レコメンデーションコンテンツ決定部107により決定された家族ユーザ23全体に対するレコメンドコンテンツは、出力部108によって、登録ユーザ20の通信装置11(例えば、図2のスマートテレビ251やタブレット端末252)上に表示される。ここで、家族ユーザのいずれかにより視聴されたかに基づくコンバージョン率(CVR)を用いて、学習部106は、視聴スコア予測モデル113(および/または視聴スコア予測モデル113-1~113-3)をさらに学習させることができる。
【0081】
[全体の処理の流れ]
図10に、本実施形態による情報処理装置10により実行される全体の処理のフローチャートを示す。図10の説明のために、図1に示した情報処理システムを参照する。
【0082】
S1001において、ユーザ特徴取得部101は、通信装置11-1~11-Nから、各ユーザのユーザ特徴を取得し、ユーザ特徴121としてデータ記憶部120に格納する。S1001の処理は、過去の一定の期間におけるユーザ特徴および推定したユーザ特徴の取得(収集)処理でありうる。
【0083】
S1002において、視聴履歴取得部102は、ユーザ1~Nのうち、コンテンツ配信サービスに登録している登録ユーザの通信装置11から、コンテンツの視聴履歴の情報を取得する。視聴履歴の情報は、視聴された各コンテンツのコンテンツID、メタデータ、および視聴日時(視聴時間)の情報が含まれる。視聴履歴取得部102は、取得した視聴履歴の情報を、視聴履歴122としてデータ記憶部120に格納する。
【0084】
S1003において、ソーシャルグラフ作成部103は、S1001でデータ記憶部120に格納されたユーザ特徴121を用いて、ユーザ1~Nについてのソーシャルグラフを作成する。ソーシャルグラフ作成部103は、ソーシャルグラフにおける各ユーザペアに対して、当該ペアに共通する特徴に基づいて、親密度スコアを割り当てる。ソーシャルグラフの具体的な作成手順は、上述の通りである。
【0085】
S1004において、家族ユーザ予測部104は、コンテンツ配信サービスの登録ユーザを識別し、当該登録ユーザを含む家族ユーザを予測する。家族ユーザ予測部104は、入力された(設定された)登録ユーザのユーザIDを取得し、登録ユーザのユーザIDに対応するユーザ特徴(登録ユーザのユーザ特徴)を、ユーザ特徴121から取得する。続いて、家族ユーザ予測部104は、取得した登録ユーザのユーザ特徴と、S1003で作成されたソーシャルグラフとに基づいて、登録ユーザと同居する同居ユーザを予測し、家族ユーザを予測する。家族ユーザの具体的な予測手順は、上述の通りである。
【0086】
S1005において、視聴ユーザ予測部105は、S1002でデータ記憶部120に格納された視聴履歴122に含まれる登録ユーザの視聴履歴と、S1004で予測された家族ユーザに基づいて、当該視聴履歴に含まれる1以上のコンテンツの視聴ユーザを予測(識別)する。当該予測は、当該1以上のコンテンツのそれぞれと、家族ユーザのそれぞれとの対応付け(アラインメント)に対応する。さらに、視聴ユーザ予測部105は、当該対応付けから、視聴履歴122に含まれるコンテンツそれぞれと、1以上の視聴ユーザとの組み合わせデータを生成する。当該組み合わせデータには、コンテンツのコンテンツIDおよびメタデータと、当該コンテンツに対応付けられた視聴データのユーザ特徴が含まれる。また、当該組み合わせデータには、コンテンツの視聴日時の情報が含まれてもよい。
【0087】
S1006において、学習部106は、視聴スコア予測モデル113を学習させる。具体的には、学習部106は、まず、S1005で生成された、コンテンツと視聴ユーザとの組み合わせデータに基づいて、視聴ユーザそれぞれに対応する視聴スコア予測モデル113を学習させる。図8Bの例では、学習部106は、視聴スコア予測モデル113-1~113-3を学習させる。さらに、学習部106は、視聴ユーザそれぞれに対応する視聴スコア予測モデル113を統合することによって、家族ユーザ全体に対する視聴スコア予測モデル113を生成する。図8Cの例では、学習部106は、視聴スコア予測モデル113-1~113-3を統合した視聴スコア予測モデル113を生成する。視聴スコア予測モデル113の具体的な学習および生成手順は、上述の通りである。
【0088】
S1007において、レコメンデーションコンテンツ決定部107は、家族ユーザに対するレコメンデーションコンテンツを決定する。レコメンデーションコンテンツ決定部107は、S1006で学習された視聴スコア予測モデル113を用いて、家族ユーザに対するレコメンデーションコンテンツを決定する。ここで、レコメンデーションコンテンツ決定部107は、家族ユーザそれぞれに対するレコメンデーションコンテンツを決定してもよい。レコメンデーションコンテンツの具体的な決定手順は、上述の通りである。
【0089】
S1008において、出力部108は、S1007で決定されたレコメンデーションコンテンツを、登録ユーザを含む家族ユーザに提示する。例えば、図2を参照すると、出力部108は、家族ユーザ23に対するレコメンデーションコンテンツを、登録ユーザ20の通信装置11(例えば、図2のスマートテレビ251やタブレット端末252)上に表示する。ここで、レコメンデーションコンテンツは、当該コンテンツの一部の画像や、当該コンテンツのタイトルや出演者といった、コンテンツの内容が把握できるように表示されうる。
【0090】
[情報処理装置10のハードウェア構成]
図11は、本実施形態による情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
本実施形態による情報処理装置10は、単一または複数の、あらゆるコンピュータ、モバイルデバイス、または他のいかなる処理プラットフォーム上にも実装することができる。
図11を参照して、情報処理装置10は、単一のコンピュータに実装される例が示されているが、本実施形態による情報処理装置10は、複数のコンピュータを含むコンピュータシステムに実装されてよい。複数のコンピュータは、有線または無線のネットワークにより相互通信可能に接続されてよい。
【0091】
図11に示すように、情報処理装置10は、CPU1101と、ROM1102と、RAM1103と、HDD1104と、入力部1105と、表示部1106と、通信I/F1107と、システムバス1108とを備えてよい。情報処理装置10はまた、外部メモリを備えてよい。
CPU(Central Processing Unit)1101は、情報処理装置10における動作を統括的に制御するものであり、データ伝送路であるシステムバス1108を介して、各構成部(1102~1107)を制御する。
【0092】
ROM(Read Only Memory)1102は、CPU1101が処理を実行するために必要な制御プログラム等を記憶する不揮発性メモリである。なお、当該プログラムは、HDD(Hard Disk Drive)1104、SSD(Solid State Drive)等の不揮発性メモリや着脱可能な記憶媒体(不図示)等の外部メモリに記憶されていてもよい。
RAM(Random Access Memory)1103は、揮発性メモリであり、CPU1101の主メモリ、ワークエリア等として機能する。すなわち、CPU1101は、処理の実行に際してROM1102から必要なプログラム等をRAM1103にロードし、当該プログラム等を実行することで各種の機能動作を実現する。図2に示す学習モデル記憶部110とデータ記憶部120は、RAM1103で構成されうる。
【0093】
HDD1104は、例えば、CPU1101がプログラムを用いた処理を行う際に必要な各種データや各種情報等を記憶している。また、HDD1104には、例えば、CPU1101がプログラム等を用いた処理を行うことにより得られた各種データや各種情報等が記憶される。
入力部1105は、キーボードやマウス等のポインティングデバイスにより構成される。
表示部1106は、液晶ディスプレイ(LCD)等のモニターにより構成される。表示部1106は、入力部1105と組み合わせて構成されることにより、GUI(Graphical User Interface)として機能してもよい。
【0094】
通信I/F1107は、情報処理装置10と外部装置との通信を制御するインタフェースである。
通信I/F1107は、ネットワークとのインタフェースを提供し、ネットワークを介して、外部装置との通信を実行する。通信I/F1107を介して、外部装置との間で各種データや各種パラメータ等が送受信される。本実施形態では、通信I/F1107は、イーサネット(登録商標)等の通信規格に準拠する有線LAN(Local Area Network)や専用線を介した通信を実行してよい。ただし、本実施形態で利用可能なネットワークはこれに限定されず、無線ネットワークで構成されてもよい。この無線ネットワークは、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)等の無線PAN(Personal Area Network)を含む。また、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)や、WiMAX(登録商標)等の無線MAN(Metropolitan Area Network)を含む。さらに、LTE/3G、4G、5G等の無線WAN(Wide Area Network)を含む。なお、ネットワークは、各機器を相互に通信可能に接続し、通信が可能であればよく、通信の規格、規模、構成は上記に限定されない。
【0095】
図3に示す情報処理装置10の各要素のうち少なくとも一部の機能は、CPU1101がプログラムを実行することで実現することができる。ただし、図2に示す情報処理装置10の各要素のうち少なくとも一部の機能が専用のハードウェアとして動作するようにしてもよい。この場合、専用のハードウェアは、CPU1101の制御に基づいて動作する。
【0096】
[通信装置11のハードウェア構成]
図1に示す通信装置11のハードウェア構成は、図11と同様でありうる。すなわち、通信装置11は、CPU1101と、ROM1102と、RAM1103と、HDD1104と、入力部1105と、表示部1106と、通信I/F1107と、システムバス1108とを備えうる。通信装置11は、情報処理装置10により提供された各種情報を、表示部1106に表示し、GUI(入力部1105と表示部1106による構成)を介してユーザから受け付ける入力操作に対応する処理を行うことができる。
【0097】
このように、本実施形態では、登録ユーザを含む家族ユーザが、不特定多数のユーザのユーザ特徴に基づいて作成されたソーシャルグラフから予測される。そして、登録ユーザに対して提供された(すなわち、登録ユーザによって視聴された)複数のコンテンツそれぞれの視聴ユーザが予測(識別)される。当該予測(識別)によって得られた組み合わせデータによって、家族ユーザそれぞれに対するユーザベースの視聴スコア予測モデル113(第1学習モデル)が学習され、当該学習された複数の第1学習モデルを統合することによって、家族ユーザ23全体に対する視聴スコア予測モデル113(第2学習モデル)が生成される。生成された視聴スコア予測モデル113は、家族ユーザ全体に対するレコメンデーションコンテンツを決定するために使用される。決定されたレコメンデーションコンテンツは、視聴スコア予測モデル113の出力である視聴スコア(コンテンツが選択される可能性)がより高いコンテンツである。当該レコメンデーションコンテンツが家族ユーザに提示されることにより、CVRの向上といった、レコメンデーションの効果の向上が期待される。
【0098】
なお、上記において特定の実施形態が説明されているが、当該実施形態は単なる例示であり、本発明の範囲を限定する意図はない。本明細書に記載された装置および方法は上記した以外の形態において具現化することができる。また、本発明の範囲から離れることなく、上記した実施形態に対して適宜、省略、置換および変更をなすこともできる。かかる省略、置換および変更をなした形態は、請求の範囲に記載されたものおよびこれらの均等物の範疇に含まれ、本発明の技術的範囲に属する。
【0099】
本実施形態の開示は以下の構成を含む。
[1]複数のユーザのユーザ特徴に基づいて、前記複数のユーザ間の社会的関係性を示す関係性グラフを作成するグラフ作成手段と、前記関係性グラフを用いて、前記複数のユーザのうち、コンテンツ配信サービスに登録している登録ユーザと、前記登録ユーザと同居する同居ユーザとを含む、家族ユーザを予測する予測手段と、前記コンテンツ配信サービスにより前記登録ユーザに対して提供された複数のコンテンツのそれぞれが、前記家族ユーザのうちの誰によって視聴されたかを識別する識別手段と、前記識別の結果に基づいて、学習モデルにより、前記家族ユーザに対してレコメンドするレコメンデーションコンテンツを決定する決定手段と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【0100】
[2]前記学習モデルは、候補コンテンツの特徴を表すメタデータと、前記家族ユーザのユーザ特徴とを入力して、前記家族ユーザにより前記候補コンテンツが選択される確率を出力するように構成され、前記決定手段は、前記学習モデルを用いて、前記家族ユーザに対する前記レコメンデーションコンテンツを決定する、[1]に記載の情報処理装置。
【0101】
[3]前記家族ユーザそれぞれの前記ユーザ特徴は、前記家族ユーザそれぞれの行動傾向を含み、前記識別手段は、前記複数のコンテンツのそれぞれが、前記家族ユーザのうちの誰によって視聴されたかを、前記家族ユーザそれぞれの行動傾向に応じて識別する、[1]または[2]に記載の情報処理装置。
【0102】
[4]前記識別手段は、前記複数のコンテンツのそれぞれについて、コンテンツの特徴を表すメタデータと、コンテンツ視聴したと識別される1以上のユーザの前記ユーザ特徴とを組み合わせた組み合わせデータを、前記識別の結果として生成する、[1]から[3]のいずれかに記載の情報処理装置。
【0103】
[5]前記学習モデルを生成する学習手段を更に有し、前記学習手段は、前記組み合わせデータを用いて、前記家族ユーザそれぞれについての第1学習モデルを学習させ、前記家族ユーザ全ての前記第1学習モデルを統合した第2学習モデルを、前記学習モデルとして生成する、[4]に記載の情報処理装置。
【0104】
[6]前記識別手段は、前記複数のコンテンツのそれぞれが、前記家族ユーザのうちの誰によって視聴されたかを、ルールベースで識別する、[1]から[5]のいずれかに記載の情報処理装置。
【0105】
[7]前記複数のコンテンツは、映画、アニメ、またはドラマを含むカルチャーコンテンツと、広告コンテンツの少なくとも一方を含む、[1]から[6]のいずれかに記載の情報処理装置。
【符号の説明】
【0106】
1~N:ユーザ、10:情報処理装置、11-1~11-N:通信装置、101:ユーザ特徴取得部、102:視聴履歴取得部、103:ソーシャルグラフ作成部、104:家族ユーザ予測部、105:視聴ユーザ予測部、106:学習部、107:レコメンデーションコンテンツ決定部、108:出力部、110:学習モデル記憶部、111:ユーザ特徴予測モデル、112:親密度スコア予測モデル、112:視聴スコア予測モデル、120:データ記憶部、121:ユーザ特徴、122:視聴履歴
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11