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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087231
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20240624BHJP
   E06B 9/58 20060101ALI20240624BHJP
   E06B 9/13 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
E06B9/17 U
E06B9/58 A
E06B9/13 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201926
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】グエン・ヴァン・ヒエン
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 聡
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA06
2E042CA01
2E042DA01
(57)【要約】
【課題】シート状の開閉体を備えた開閉装置において、座板部の下部の外側に位置されるシート状の覆部とまぐさとの接触を防止できる構成の開閉装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る開閉装置1Xは、開口部を開閉するシート状の開閉体2Xと、前記開閉体の巻取体が収容されたケースと、前記開閉体を開閉方向に沿ってガイドするガイドレール5と、を備え、前記ケースは、前記開閉体の通過路を形成するまぐさ4B,4Cを備え、前記開閉体2Xは、シート材により構成された開閉体本体と、当該開閉体本体の下端側に設けられた座板部20と、当該座板部の下端に設けられた障害物検出手段40と、シート材により形成されて前記障害物検出手段及び前記座板部の下部側を覆うように設けられた覆部50とを備えた開閉装置において、前記開閉体の開閉時における前記覆部50と前記まぐさ4B,4Cとの接触を防止する覆部保護手段60を備えたことを特徴とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開閉するシート状の開閉体と、
前記開閉体の巻取体が収容されたケースと、
前記開閉体を開閉方向に沿ってガイドするガイドレールと、
を備え、
前記ケースは、前記開閉体の通過路を形成するまぐさを備え、
前記開閉体は、シート材により構成された開閉体本体と、当該開閉体本体の下端側に設けられた座板部と、当該座板部の下端に設けられた障害物検出手段と、シート材により形成されて前記障害物検出手段及び前記座板部の下部側を覆うように設けられた覆部とを備えた開閉装置において、
前記開閉体の開閉時における前記覆部と前記まぐさとの接触を防止する覆部保護手段を備えたことを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記開閉体本体は、前記開口部を閉鎖した状態において仕切りを構成するスクリーンと、当該スクリーンの下部側の一部を矩形状に除去した開口により形成された非常口と、非常口を覆う扉とを備え、
前記覆部保護手段は、前記非常口の下側に位置するように前記座板部に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部を開閉する開閉体としてシート状の開閉体を備えた構成の開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
開口部を開閉する開閉体としてシート状の開閉体を備えた構成の開閉装置が知られている(特許文献1等参照)。
以下、図6乃至図9に基づいて、当該シート状の開閉体を備えた開閉装置の一例について説明する。尚、図7乃至図9の断面図において、断面ハッチングは省略した。
図6乃至図9に示すように、開閉装置1は、建築構造物に形成された開口部1Aを開閉可能に構成された開閉装置であり、開閉体2と、開閉手段3と、ケース4と、ガイドレール5とを備える。
尚、以下、便宜的に、前、後、上、下、左、右を、図6に示した方向と定義して説明する。
例えば、図6(a)において、「開口部1Aの前後方向」は、開口部1Aを開閉する開閉体2の開閉方向(上下方向)及び開閉体2の左右の幅方向(左右方向)と直交する方向であり、図6(a)の紙面と直交する手前側を前側と定義して説明する。
開閉体2は、開口部1Aを開閉可能に構成されたシート状部材である。
開閉手段3は、開閉体2を巻き取る巻取シャフトや巻取枠等の巻取体3Aと、巻取体3Aの中心線を回転中心として当該巻取体3Aを回転させることにより、開閉体2による開口部1Aの開閉動作を行わせる開閉駆動手段3Bとを備える。
開閉駆動手段3Bは、例えば、巻取体3Aを巻取方向及び繰出方向に回転させる駆動源としてのモータ、及び、モータの回転力を巻取体3Aに伝達する歯車やベルト等の動力伝達機構などにより構成される。
開閉駆動手段3Bにより、開閉体2が巻取体3Aに巻き取られたり、開閉体2が巻取体3Aから繰り出されることによって、開口部1Aが開閉される。
ケース4は、開口部1Aの上方の躯体1Sに取付けられて、開閉体2が巻取可能及び繰出可能に取付けられた巻取体3Aを回転可能に支持するとともに、当該巻取体3A及び巻取体3Aに巻き取られた開閉体2を収容可能に構成された箱状体である。
ケース4は、巻取体3Aの左端側を回転可能に支持する左支持体4Lと、巻取体3Aの右端側を回転可能に支持する右支持体4Rと、左支持体4Lと右支持体4Rとの間において巻取体3Aを覆うように設けられたケース板4Aと、開閉体2の通過路を形成する一対のまぐさ4B,4Cとを備える。
図6(b)に示す前側が室内側、後側が室外側であると想定した場合、例えば、室外側に位置されるまぐさ4Bは「外まぐさ」、室内側に位置されるまぐさ4Cは「内まぐさ」と呼ばれる。
尚、まぐさ4B,4Cには、天井板1Cの縁部が載置される。
左右のガイドレール5,5は、開口部1Aの左右に位置される躯体1Sに設置されて、開閉体2の左右の幅方向端部2S,2Sを開閉体2の開閉方向(上下方向)に沿ってガイドするガイド溝5aを有した構成である。
【0003】
開閉体2は、シート材により構成された開閉体本体2Aと、開閉体本体2Aの下端側に設けられた下端側構成部2Bとを備えて構成される。
開閉体本体2Aは、例えば、開口部1Xを閉鎖した状態において仕切りを構成するスクリーン10と、スクリーン10の下部側の一部を矩形状に除去した開口により形成された非常口11と、非常口11を覆う扉12とを備える。
スクリーン10の上端側が上述した巻取体3Aに連結され、開閉体2が巻取体3Aに巻取可能及び繰出可能に構成されたことによって、開閉体2が開口部1Aを開閉するように構成される。
即ち、開閉体2が巻取体3Aに巻き取られることにより開口部1Aが開口され、当該開閉体2が巻取体3Aから繰り出されて下端側構成部2Bの下端が開口部1Aの下面1Uに接触することにより開口部1Aが閉鎖される。
扉12は、開閉体2が開口部1Aを閉鎖した状態において、非常口11の前側に位置される前側扉13と非常口11の後側に位置される後側扉14とを備えて構成される。
前側扉13及び後側扉14は、非常口11の大きさよりも大きい矩形状に形成されており、それぞれ、上端辺縁側が非常口11の上方に位置されるスクリーン10に縫合部10S等により連結されている。また、スクリーン10も複数のシート材が上下方向に連なるように縫合部10S等により連結されて構成される。また、スクリーン10の左右端側には、左右のガイドレール5,5のガイド溝5aからの抜けを防止する抜け止め10Rが設けられている。
つまり、開閉体2が開口部1Aを閉鎖した状態において、前側扉13や後側扉14の左辺縁側や右辺縁側を引いたり、前側扉13や後側扉14の下辺縁側を上げることによって、人が非常口11を通過できるように構成されている。尚、符号15は、巻径調整スクリーンである。
下端側構成部2Bは、開閉体本体2Aの下端の左右幅の長さに対応した長さに形成されて、開閉体本体2Aの下端の左右幅方向全体に亘って延在するように設けられた座板部20と、非常口11の下縁側に設けられた非常口下枠部30と、座板部20の下端面に設けられた障害物検出手段40と、障害物検出手段40を覆うように座板部20に取付けられた覆部50とを備えて構成される。
図7に示すように、座板部20は、中央板21と、中央板21の前に設けられた前板22と、中央板21の後に設けられた後板23と、下部覆い部材24とが組み合わされて構成される。
中央板21、前板22、後板23は、例えば長尺方向(左右方向)の長さが開閉体本体2Aの下端の左右幅の長さに対応した長さに形成された長尺平板により構成される。
下部覆い部材24は、例えば長尺方向の長さが開閉体本体2Aの下端の左右幅の長さに対応した長さに形成された断面凹状の長尺材により構成される。
即ち、当該下部覆い部材24は、下板部24aと、下板部24aの前縁部から立ち上がる前側立ち上がり部24bと、下板部24aの後縁部から立ち上がる後側立ち上がり部24cとを備えた断面凹状の長尺材により構成される。
つまり、座板部20は、中央板21と、中央板21の前に設けられた前板22と、中央板21の後に設けられた後板23とで構成された下枠部20Aと、下枠部20Aの下部表面を覆うようにボルト20B及びナット20Nにより下枠部20Aに取付けられた下部覆い部材24とを備えて構成される。
また、スクリーン10の下部側が座板部20に取付けられている。
障害物検出手段40は、例えば、座板部20の下端面となる下部覆い部材24の下板部24aの下面に、下板部24aの左右幅方向全体に亘って延在するように取付けられたテープスイッチにより構成される。
そして、障害物検出手段40とともに上述したボルト20B及びナット20Nを覆うように覆部50が座板部20に取付けられている。
尚、上述したスクリーン10、扉12(前側扉13及び後側扉14)、覆部50は、例えば、ガラスクロス若しくはシリカクロスにより形成された可撓性シート材、あるいは、ガラスクロス若しくはシリカクロスに耐火塗料を塗布又は含浸させて形成された可撓性シート材により構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-155200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図6図7に示したシート状の開閉体を備えた構成の開閉装置によれば、本来であれば、図8に示すように、開閉体2の開閉時に、座板部20が、開閉体2の通過路を形成する一対のまぐさ4B,4C間を通過する際において、座板部20の下部の外側に位置する覆部50が一対のまぐさ4B,4Cに接触しないように構成される。
しかしながら、例えば開口部1Xの左右開口幅寸法が大きい場合等、座板部20が反ったりして、開閉体2の開閉時に、座板部20の下部の外側に位置する覆部50とまぐさ4Bや4Cとが接触してしまい、覆部50が汚れたり、擦れて破れたり、損傷したりする等の虞があった。
例えば、図9(a),(b)に示すように、開閉体2の開閉時に、覆部50のナット20N及びボルト20Bの先端部20tを覆う部分50aがまぐさ(外まぐさ)4Bと接触して、当該覆部50の部分50aが汚れたり、擦れて破れたり、損傷したりする等の虞があった。
このように、覆部50とまぐさ4Bや4Cとが接触してしまう原因としては、例えば、以下のような要因が考えられる。
・現場施工での施工ミス。
・開閉体2の開閉時の振動。
・開閉体2が柔らかく、軽い。
・非常口11があり、開閉体が巻き取られた際に、非常口部分(扉12部分)と非常口でない部分(スクリーン10部分)とで、開閉体本体2Aの巻取径が異なってしまうため、座板部20を吊る力が異なるようになってしまう。
【0006】
本発明は、上記課題を解消すべく、シート状の開閉体を備えた開閉装置において、座板部の下部の外側に位置されるシート材で形成された覆部とまぐさとの接触を防止できるようにした開閉装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る開閉装置は、開口部を開閉するシート状の開閉体と、前記開閉体の巻取体が収容されたケースと、前記開閉体を開閉方向に沿ってガイドするガイドレールと、を備え、前記ケースは、前記開閉体の通過路を形成するまぐさを備え、前記開閉体は、シート材により構成された開閉体本体と、当該開閉体本体の下端側に設けられた座板部と、当該座板部の下端に設けられた障害物検出手段と、シート材により形成されて前記障害物検出手段及び前記座板部の下部側を覆うように設けられた覆部とを備えた開閉装置において、
前記開閉体の開閉時における前記覆部と前記まぐさとの接触を防止する覆部保護手段を備えたことを特徴とする。
また、前記開閉体本体は、前記開口部を閉鎖した状態において仕切りを構成するスクリーンと、当該スクリーンの下部側の一部を矩形状に除去した開口により形成された非常口と、非常口を覆う扉とを備え、前記覆部保護手段は、前記非常口の下側に位置するように前記座板部に設けられたことを特徴とする。
本発明に係る開閉装置によれば、シート状の開閉体を備えた開閉装置において、覆部保護手段を備えたので、座板部の下部の外側に位置されるシート材で形成された覆部とまぐさとの接触を防止できる開閉装置を提供できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】シート状の開閉体を備えた開閉装置の開閉体の非常口部分を後側から見た斜視図(実施形態)。
図2】開閉体の非常口部分の下部側を示す断面図(実施形態)。
図3】覆部保護手段を示す斜視図(実施形態)。
図4】開閉体の非常口以外の部分の下部側(スクリーン10の下端に位置される座板部20側)を示す断面図(実施形態)。
図5】開閉体とまぐさとの干渉関係を示す説明図(実施形態)。
図6】シート状の開閉体を備えた開閉装置を示す図であり、(a)は開閉装置の正面図、(b)は(a)のA-A断面図(従来例)。
図7】開閉体の非常口部分の下部側を示す断面図(従来例)。
図8】開閉体とまぐさとの関係を示す断面図(従来例)。
図9】開閉体とまぐさとの干渉関係を示す説明図(従来例)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1乃至図5に示すように、実施形態に係るシート状の開閉体を備えた開閉装置1Xは、覆部保護手段60を有した下端側構成部2Xを備えた構成としたものである。
図1は、非常口11の下部側の部分を後側から見た図である。尚、図1では、覆部保護手段60を明示するために、後側扉14の下端側を除去して図示している。また、図2図4図5の断面図において、断面ハッチングは省略した。
尚、図1乃至図5において、図6乃至図9で説明した構成部分と同一部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0010】
即ち、実施形態に係る開閉装置1Xは、図6図7に示した開閉体本体2Aと下端側構成部2Bとを有した開閉体2と、開閉手段3と、ケース4と、ガイドレール5とを備えるとともに、図1図2に示すように、下端側構成部2Bに覆部保護手段60を設けて構成された下端側構成部2Cを備えた構成としたものである。
換言すれば、実施形態に係る開閉装置1Xは、開閉体本体2Aと開閉体本体2Aの下端側に設けられた下端側構成部2Cとを備えて構成された開閉体2Xと、上述した開閉手段3と、ケース4と、ガイドレール5とを備えて構成される。
【0011】
つまり、図1図2に示すように、下端側構成部2Cは、開閉体本体2Aの下端の左右幅の長さに対応した長さに形成されて、開閉体本体2Aの下端の左右幅方向全体に亘って延在するように設けられた座板部20と、非常口11の下縁側に設けられた非常口下枠部30Xと、座板部20の下端面に設けられた障害物検出手段40と、障害物検出手段40を覆うように座板部20に取付けられた覆部50と、開閉体2Xの開閉時における覆部50とまぐさ4B,4Cとの接触を防止する覆部保護手段60とを備えて構成される。
【0012】
尚、開閉体本体2A、座板部20、障害物検出手段40、覆部50の構成は、上述したとおりであるので、説明を省略する。
【0013】
図1図2に示すように、非常口下枠部30Xは、下枠板31と、下枠板31の後に設けられた下枠板固定用後側部材32と、下枠板31の前に設けられた下枠板固定用前側部材33とが組み合わされて構成される。
下枠板31は、例えば長尺方向(左右方向)の長さが非常口11の左右方向の開口幅寸法より長い長さに形成された長尺平板により構成される。
下枠板固定用前側部材32の長尺方向の長さ、及び、下枠板固定用後側部材33の長尺方向の長さは、非常口11の左右方向の開口幅寸法より若干短い長さに形成された断面段状の長尺部材により構成される。
即ち、下枠板固定用後側部材32は、例えば、後板23の後面に接触する下側縦板部32aと、下側縦板部32aの上端縁より前方に延長して後板23の上面に接触する横板部32bと、横板部32bの前端縁より上方に延長して下枠板31の後面に接触する上側縦板部32cとを有した断面段状の長尺部材により構成される。
また、下枠板固定用前側部材33は、例えば、前板22の前面に接触する下側縦板部33aと、下側縦板部33aの上端縁より後方に延長して前板22の上面に接触する横板部33bと、横板部33bの後端縁より上方に延長して下枠板31の前面に接触する上側縦板部33cと、上側縦板部33cの上端縁より後方に延長して下枠板31の上面に接触する上側横板部33dと、上側横板部33dの後端縁より下方に延長して下枠板固定用後側部材32の上側縦板部32cの上端側後面に接触する係合縦板部33eとを有した断面段状の長尺部材により構成される。
尚、非常口下枠部30Xは、図7に示した非常口下枠部30と構成自体は同じであるが、後述するように、下枠板固定用後側部材33の後面(表面)側に覆部保護手段60が設けられるという点において、非常口下枠部30と異なるものである。
【0014】
また、覆部50の上端側を押さえるための覆部押さえ部材55を備える。
覆部押さえ部材55は、前側覆部押さえ部材55Aと後側覆部押さえ部材55Bとで構成される。
例えば、前側覆部押さえ部材55A及び後側覆部押さえ部材55Bは、それぞれ、図4に示すように、縦板部55aと当該縦板部55aの上端縁より延長する横板部55bとを備えた長尺な断面L字状の所謂アングル材により構成される。
【0015】
図3に示すように、覆部保護手段60は、例えば、下枠板固定用後側部材32の横板部32bの上面に載置される係合横板部61と、係合横板部61の後端縁から下方に延長して後板23の後面に接触する縦板部62と、縦板部62の下端縁から後方斜め下方に延長する斜板部63と、斜板部63の下端縁より下方に延長する下端側縦板部64とを備え、縦板部62に、後述するボルトの先端側を貫通させるためのボルト通し孔65が形成された板状加工部材であり、例えば、金属板を加工して構成されたものである。
【0016】
次に下端側構成部2Cの組立方法の一例について説明する。
まず、座板部20が組み立てられる。
スクリーン10の下端側を上方に折り返した部分と折り返されていないスクリーン10の部分とを重ねて縫合部10S等により結合することで、スクリーン10の下端側に、中央板21を左右方向に貫通させて収容するための中央板収容部を形成する。そして、当該中央板収容部の左端又は右端の開口から当該中央板収容部に中央板21が挿入された後、中央板21の前面側に前板22が配置され、かつ、中央板21の後面側に後板23が配置されて下枠部20Aが構成される。
そして、当該下枠部20Aの下部側が、下部覆い部材24の凹部内に嵌め込まれた後、下部覆い部材24の前側立ち上がり部24b、前板23、スクリーン10、中央板21、スクリーン10、後板23、下部覆い部材24の後側立ち上がり部24cに形成された図外のボルト通し孔にボルト20Bを通した後、当該ボルト20Bの先端側にナット20Nを締結することにより、スクリーン10の下端側に座板部20が組み立てられる。
尚、障害物検出手段40を構成するテープスイッチは、座板部20の下端面となる下部覆い部材24の下板部24aの下面の左右幅方向全体に沿って延在するように、予め設けおくことが好ましい。
また、ボルト20B及びナット20Nによる下部覆い部材24の固定箇所は、下部覆い部材24の長尺方向(左右方向)に沿って所定間隔を隔てて複数設けられる。
【0017】
次に、座板部20に覆部50を組付ける。
障害物検出手段40、ボルト20Bの頭部20H、ナット20N及びボルト20Bの先端部20tを覆うように、覆部50を配置して、図4に示すように、覆部50の前側の上端側の後面が前板22の前面と接触し、かつ、覆部50の後側の上端側の前面が後板23の後面と接触した状態となるように、前側に前側覆部押さえ部材55Aを設置し、かつ、後側に後側覆部押さえ部材55Bを設置する。つまり、図1図4に示すように、前側覆部押さえ部材55Aの横板部55bを前板22の上面に載置するとともに前側覆部押さえ部材55Aの縦板部55aを覆部50の前側の前面と接触させ、かつ、後側覆部押さえ部材55Bの横板部55bを後板23の上面に載置するとともに後側覆部押さえ部材55Bの縦板部55aを覆部50の後側の後面と接触させるように、前側覆部押さえ部材55A及び後側覆部押さえ部材55Bを設置する。
その後、例えば、前側覆部押さえ部材55Aの縦板部55a、覆部50、前板22、スクリーン10、中央板21、スクリーン10、後板23、覆部50、後側覆部押さえ部材55Bの縦板部55aに設けられた図外のボルト通し孔に貫通させたボルト71Bの先端側にナット71Nを締結することにより、障害物検出手段40、ボルト20Bの頭部20H、ナット20N及びボルト20Bの先端部20tを覆う覆部50が、座板部20に組付けられる。
尚、前後の覆部押さえ部材55A,55Bは、非常口11の下部側以外の部分、即ち、非常口下枠部30Xが設けられている部分以外の座板部20の上端側に設けられる。
また、ボルト71B及びナット71Nによる前後の覆部押さえ部材55A,55Bの固定箇所は、例えば当該覆部押さえ部材55A,55Bの長尺方向(左右方向)に沿って所定間隔を隔てて複数設けられる。
【0018】
次に、座板部20に非常口下枠部30X及び覆部保護手段60を組付ける。
図1図2に示すように、非常口11の下部に構成された座板部20の中央板21の上端面に下枠板31を設けて、当該下枠板31の後面側及び座板部20の後板23の後面側に下枠板固定用後側部材32を設置するとともに、下枠板31の前面側及び座板部20の前板22の前面側に下枠板固定用前側部材33を設置し、さらに、下枠板固定用後側部材32の後面側に覆部保護手段60を設置する。
そして、下枠板固定用前側部材33の下側縦板部33a、覆部50、前板22、スクリーン10、中央板21、スクリーン10、後板23、覆部50、下枠板固定用後側部材32の下側縦板部32aに設けられた図外のボルト通し孔、及び、覆部保護手段60の縦板部62に設けられたボルト通し孔65に貫通させたボルト70Bの先端側にナット70Nを締結することにより、座板部20に非常口下枠部30X及び覆部保護手段60が組付けられる。
さらに、下枠板固定用前側部材33の上側縦板部33c、下枠板31、下枠板固定用後側部材32の上側縦板部32cに設けられた図外のボルト通し孔に貫通させたボルト80Bの先端側にナット80Nを締結することにより、下枠板31が座板部20の中央板21の上端面に位置された状態で、下枠板固定用前側部材33と下枠板31と下枠板固定用後側部材32とが強固に結合される。
【0019】
以上のように構成された実施形態に係る開閉装置1Xによれば、座板部20に覆部保護手段60を設けた構成としたので、図5に示すように、開閉体2Xの開閉時に、座板部20が一対のまぐさ4B,4C間を通過する際において、ナット20N及びボルト20Bの先端部20tを覆う覆部50の部分50aの外側に位置される覆部保護手段60がまぐさ(外まぐさ)4Bと接触することにより、ナット20N及びボルト20Bの先端部20tを覆う覆部50とまぐさ4Bとの接触を防止できるようになるため、覆部50の部分50aが汚れたり、擦れて破れたり、損傷したりする等を抑制できる開閉装置を提供できるようになった。
【0020】
尚、覆部保護手段60の形状,構成は、上述した形状,構成に限定されない。
即ち、覆部保護手段60は、座板部20に取付けられて、開閉体2Xの開閉時において、覆部50とまぐさ4Bやまぐさ4Cとの接触を防止することができるものであれば良い。
【0021】
また、実施形態では、覆部保護手段60を、非常口11の下に位置される座板部20の左右間の中央側に1個だけ設けた例を例示したが、覆部保護手段60は、スクリーン10の下端に位置される座板部20にも設けるようにしても良い。
例えば、覆部50のナット20N及びボルト20Bの先端部20tを覆う部分50aの外側に位置する部分のすべてに覆部保護手段60を設けることが好ましい。
【0022】
即ち、本発明に係る開閉装置は、非常口11を備えた開閉装置において、非常口11の下に位置される座板部20に覆部保護手段60が少なくとも1個設けられた構成であればよい。
【0023】
また、本発明に係る開閉装置は、非常口11を備えないシート状の開閉体を備えた構成の開閉装置において、座板部20に覆部保護手段60が少なくとも1個設けられた構成であればよい。
【0024】
即ち、本発明に係る開閉装置は、スクリーン10の下端の左右幅方向の全体に亘って座板部20が設けられた構成の開閉体を備えた開閉装置において、当該座板部20に覆部保護手段60が少なくとも1個設けられた構成であればよい。
【0025】
また、実施形態では、覆部保護手段60が、座板部20の後側にのみ設けられた構成の開閉装置を例示したが、覆部保護手段60は、座板部20の後側及び前側に設けられた構成としても良いし、あるいは、座板部20の前側にのみ設けられた構成としても良い。
即ち、本発明に係る開閉装置においては、覆部50とまぐさ4Bとが接触する可能性、覆部50とまぐさ4Cとが接触する可能性を考慮して、適切な箇所に覆部保護手段60を設けるようにすればよい。
【0026】
即ち、本発明に係るシート状の開閉体を備えた構成の開閉装置は、覆部保護手段60が、座板部20の後側及び前側のうちの少なくとも一方側に少なくとも1つ設けられた構成であればよい。
【符号の説明】
【0027】
1A 開口部
1X 開閉装置
2A 開閉体本体
2X 開閉体
3A 巻取体
4 ケース
4B,4C まぐさ
5 ガイドレール
10 スクリーン
11 非常口
12 扉
20 座板部
40 障害物検出手段
50 覆部
60 覆部保護手段

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9