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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087239
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】電池ボックス装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/296 20210101AFI20240624BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20240624BHJP
   H01M 50/202 20210101ALI20240624BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240624BHJP
【FI】
H01M50/296
H01M50/50 101
H01M50/202 501C
H01M50/505
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022201936
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】595020883
【氏名又は名称】株式会社はくぶん
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】塚本 修
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AS26
5H040AT01
5H043AA11
5H043AA19
5H043BA02
5H043CA03
5H043FA04
5H043JA01D
5H043LA02D
5H043LA21D
(57)【要約】
【課題】より簡単に導線を接続することを可能とする電池ボックス装置を提供することである。
【解決手段】電池ボックス装置10は、電池13を収納可能な電池ケース部32と、一方側に設けられ電池ケース部32に収納された電池13に接続可能な電極接点部と、他方側に設けられる接続部とを有する導体部34と、接続部と接触可能な突起部40を有し、突起部40が接続部と突起部40の間に挿入される導線を接続部側に押し付けるように付勢力を有する押圧部36と、を含む電池ボックス部30を備え、接続部は、上下方向に延伸する壁部37と、壁部37から突出する庇部38とを有しており、突起部40は、導線が庇部38の先端と突起部40の先端に接触して折れ曲がって接続部に接続されるように庇部38の高さと異なる高さの位置に設けられることを特徴とする。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池を収納可能な電池ケース部と、
一方側に設けられ前記電池ケース部に収納された前記電池に接続可能な電極接点部と、他方側に設けられる接続部とを有する導体部と、
前記接続部と接触可能な突起部を有し、該突起部が前記接続部と前記突起部の間に挿入される導線を前記接続部側に押し付けるように付勢力が与えられる押圧部と、
を含む電池ボックス部を備え、
前記接続部は、上下方向に延伸する壁部と、前記壁部から突出する庇部とを有しており、
前記突起部は、前記導線が前記庇部の先端と前記突起部の先端に押圧されて折れ曲がって前記接続部に接続するように前記庇部の高さと異なる高さの位置に設けられることを特徴とする電池ボックス装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電池ボックス装置において、
前記庇部は、高さ方向に所定の間隔をおいて設けられる2つの庇を有し、
前記突起部は、前記2つの庇の間の高さの位置に設けられることを特徴とする電池ボックス装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電池ボックス装置において、
所定の間隔をおいて並んで配置される2つの前記電池ボックス部を並列に接続するように、前記2つの電池ボックス部の前記各接続部と前記各突起部にそれぞれ挟持されて前記各接続部に接続可能な2つの第2の導体部と、
2つの前記電池ボックス部に跨って設けられ、2つの前記第2の導体部に接続される第2の接続部と、
前記第2の接続部と接触可能な第2の突起部を有し、該第2の突起部が前記第2の接続部と前記第2の突起部の間に挿入される前記導線を前記第2の接続部側に押し付けるように付勢力が与えられる第2の押圧部とを備えることを特徴とする電池ボックス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池ボックス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小学生の理科学習のための様々な学習キットが開発されている。理科学習のための学習キットとして、例えば、電気のはたらきを学ぶためにモータを使った理科実験用モーターカーが開発されている。
【0003】
本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、電池をセット可能な第1のセット部と第2のセット部と第3のセット部とを備え、前記第1のセット部の一方の電極と、前記第3のセット部の他方の電極とを接続する第1の電極部材と、第2の電極部材と、第3の電極部材と、第4の電極部材と、第1の接続位置と第2の接続位置に移動可能な移動電極部材とを備え、前記第1の接続位置においては、前記第1のセット部にセットした電池と第2のセット部にセットした電池を並列接続として、前記第3の電極部材と前記移動電極部材とに接続した負荷に供給し、前記第2の接続位置においては、前記第1のセット部にセットした電池と第3のセット部にセットした電池を直列接続として、前記第3の電極部材と前記移動電極部材とに接続した負荷に供給し得るように構成された電池ホルダーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-138234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
理科実験用モーターカーにおいては、電池とモータとを電気的に接続するために導線などが用いられている。従来の電池ボックスの電池の接続部では、小学生が導線を接続するには時間と手間がかかるという課題があった。
【0006】
本発明の目的は、より簡単に導線を接続することを可能とする電池ボックス装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る電池ボックス装置は、電池を収納可能な電池ケース部と、一方側に設けられ前記電池ケース部に収納された前記電池に接続可能な電極接点部と、他方側に設けられる接続部とを有する導体部と、前記接続部と接触可能な突起部を有し、該突起部が前記接続部と前記突起部の間に挿入される導線を前記接続部側に押し付けるように付勢力が与えられる押圧部と、を含む電池ボックス部を備え、前記接続部は、上下方向に延伸する壁部と、前記壁部から突出する庇部とを有しており、前記突起部は、前記導線が前記庇部の先端と前記突起部の先端に押圧されて折れ曲がって前記接続部に接続するように前記庇部の高さと異なる高さの位置に設けられることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る電池ボックス装置において、前記庇部は、高さ方向に所定の間隔をおいて設けられる2つの庇を有し、前記突起部は、前記2つの庇の間の高さの位置に設けられることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係る電池ボックス装置において、所定の間隔をおいて並んで配置される2つの前記電池ボックス部を並列に接続するように、前記2つの電池ボックス部の前記各接続部と前記各突起部にそれぞれ挟持されて前記各接続部に接続可能な2つの第2の導体部と、2つの前記電池ボックス部に跨って設けられ、2つの前記第2の導体部に接続される第2の接続部と、前記第2の接続部と接触可能な第2の突起部を有し、該第2の突起部が前記第2の接続部と前記第2の突起部の間に挿入される前記導線を前記第2の接続部側に押し付けるように付勢力が与えられる第2の押圧部とを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、より簡単に導線を接続することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る実施形態の電池ボックス装置を備えた理科実験用モーターカーを示す図である。
図2】本発明に係る実施形態の電池ボックス装置を備えた理科実験用モーターカーを示す図である。
図3】本発明に係る実施形態の電池ボックス装置を示す図である。
図4】本発明に係る実施形態の電池ボックス装置において押圧部を押した様子を示す図である。
図5】本発明に係る実施形態の電池ボックス装置の斜視図である。
図6】本発明に係る実施形態の電池ボックス装置において押圧部を押した様子を示す図である。
図7】本発明に係る実施形態の電池ボックス装置を示す図である。
図8】本発明に係る実施形態の電池ボックス装置において、2つの電池ボックス部から並列接続部を分離させた様子を示す図である。
図9】本発明に係る実施形態の電池ボックス装置を示す図である。
図10】本発明に係る実施形態の電池ボックス装置を示す図である。
図11】本発明に係る実施形態の電池ボックス装置において、各構成要素を分離させた様子を示す図である。
図12】本発明に係る実施形態の電池ボックス装置を示す図である。
図13】本発明に係る実施形態の電池ボックス装置を示す図である。
図14】本発明に係る実施形態の電池ボックス装置において、各構成要素を分離させた様子を示す図である。
図15】本発明に係る実施形態の電池ボックス装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0013】
図1及び図2は、本発明に係る実施形態の電池ボックス装置10を備えた理科実験用モーターカー1を示す図である。図1は、理科実験用モーターカー1の走行モードの形態を示す図であり、図2は、理科実験用モーターカー1の発射モードの形態を示す図である。
【0014】
図3は、本発明に係る実施形態の電池ボックス装置10を示す図である。図3(a)は、電池ボックス装置10の平面図であり、図3(b)は、電池ボックス装置10の側面図であり、図3(c)は、図3(a)のA-A線断面図である。
【0015】
図4は、本発明に係る実施形態の電池ボックス装置10において押圧部36を押した様子を示す図である。図4(a)は、電池ボックス装置10の平面図であり、図4(b)は、電池ボックス装置10の側面図であり、図4(c)は、図4(a)のA-A線断面図である。
【0016】
図5は、本発明に係る実施形態の電池ボックス装置10の斜視図である。図5(a)は、電池ボックス装置10の押圧部36を操作していない状態の斜視図であり、図5(b)は、電池ボックス装置10の押圧部36を操作している状態の斜視図である。
【0017】
図6は、本発明に係る実施形態の電池ボックス装置10において電池13を取り外した様子を示す斜視図である。図6(a)は、電池ボックス装置10の押圧部36を操作していない状態の斜視図であり、図6(b)は、電池ボックス装置10の押圧部36を操作している状態の斜視図である。
【0018】
最初に、本発明に係る実施形態の電池ボックス装置10が搭載された理科実験用モーターカー1の全体について説明し、その後、電池ボックス装置10について詳説する。
【0019】
理科実験用モーターカー1は、電池13から供給される電力に基づいて駆動するモータ11の回転力を通じて走行する走行モードから飲料用キャップ8を発射する発射モードへと変形可能な構造を有している。発射台に変形可能な理科実験用モーターカー1は、電池ボックス装置10と、モータ11と、車輪部12と、本体部16とを備えている。
【0020】
モータ11は、電池ボックス装置10に収納される電池13から供給される電力に基づく電磁力を利用して回転する回転子を有し、この回転子の中央部に設けられる回転軸を回転させる。なお、電池ボックス装置10とモータ11とは導線7を介して電気的に接続されている。
【0021】
前輪側の車輪部12は、図1に示されるように本体部16に走行モードとして装着するための2つの凸部15(図2参照)が設けられており、本体部16には2つの凸部15が嵌合される2つの凹部(不図示)が形成されている。これにより、前輪側の車輪部12と本体部16とを着脱することが出来る。
【0022】
また、前輪側の車輪部12を本体部16から分離し、本体部16を発射モードとするために前輪側の車輪部12を起立させた際に、凹部19に嵌合するための凸部15が形成されている。
【0023】
ここで、走行モードとは、図1に示されるように、前輪側の車輪部12と後輪側の車輪部12が共に本体部16に装着されて四輪の車両となった状態であり、モータ11の回転力により走行可能となるモードである。
【0024】
これに対し、発射モードとは、図2に示されるように、前輪側の車輪部12の車輪12aが下方に位置し車輪12bが上方に位置するようにシャフト12cを起立させて固定された状態である。
【0025】
この時、案内レール18の下流側(麓側)の壁部と前輪側の車輪12aとの間に形成される隙間を飲料用キャップ8が通過可能な状態となるように車輪12aが設置されており、案内レール18の上流側(頂上側)から飲料用キャップ8が案内されてきて下流側に位置したときに、前輪側の車輪12aの回転により、飲料用キャップ8が発射される。
【0026】
次に、本発明に係る実施形態の電池ボックス装置10について詳細に説明する。電池ボックス装置10は、モータ11に電力を供給する電池13を収納する装置である。電池ボックス装置10は、2つの電池ボックス部30を含んで構成される。各電池ボックス部30は、電池ケース部32と、導体部34と、押圧部36とを含んで構成される。
【0027】
電池ケース部32は、電池13を収納可能なケースである。電池13は、電解液を固体に染み込ませて担持させ、扱いやすくした一次電池であるものとして説明するが、もちろん、充電可能な二次電池であってもよい。
【0028】
電池13は、略円柱形状を有しており、天井部に正極が設けられており、底面部には負極が設けられている。電池13は、ここでは、単三の乾電池であるものとして説明するが、もちろん、その他の大きさの電池でもよい。
【0029】
電池ケース部32は、電池13の天井部、底面部及び側面部の一部を覆うような形状の凹部を有している。図3に示されるように、電池ケース部32において、電池13の天井部側に設けられる壁部32Tと、電池13の底面部側に設けられる壁部32Bには、それぞれ導体部34が設けられている。
【0030】
図3に示されるように、壁部32T,32Bの断面形状は、上方向に突出する略凸状である。そして、導体部34の断面形状は、略凹状(図3では上下反転)であり、図3(c)に示されるように、導体部34が壁部32T,32Bに覆いかぶさるような状態となっている。
【0031】
導体部34は、電池ケース部32に収納された電池13に接続可能な電極接点部34T,34Bと、電極接点部34T,34Bと反対側に設けられる接続部34P,34Mとを有する。
【0032】
導体部34は、導電率が高い材質、例えば、ニッケルめっきで構成されることが好ましい。図3に示されるように、電極接点部34T,34Bは、電池13の正極及び負極に接続可能なような凸状の形状を有している。
【0033】
接続部34P,34Mは、上下方向に延伸する壁部37と、壁部37から突出する庇部38とを有している。庇部38は、高さ方向に所定の間隔をおいて設けられる2つの庇38a,38bを有している。
【0034】
壁部37は、理科実験用モーターカー1を床面に設置したときに床面に対して略垂直となる。2つの庇38a,38bは、壁部37とのなす角度が約20°~30°となるように床面方向に向けて斜め方向に伸びている。
【0035】
押圧部36は、突起部40と、操作部43と、付勢部45とを備えている。突起部40は、接続部34P,34Mと接触可能なように、庇部38に対向するように設けられている。
【0036】
突起部40は、導線7が庇部38の先端と突起部40の先端に押圧されて折れ曲がって接続部34P,34Mに接続されるように庇部38の高さと異なる高さの位置に設けられている略凸状の形状を有している。より具体的には、図3に示されるように、突起部40は、2つの庇38a,38bの間の高さの位置に設けられている。
【0037】
操作部43は、接続部34P,34Mと突起部40の間に挿入される導線7の横方向のずれを規制するために、図3(a)に示されるように、平面視で略凹形状を有している。
【0038】
付勢部45は、押圧部36の下部の下方に配置されるコイルバネである。付勢部45は、突起部40が接続部34P,34Mと突起部40の間に挿入される導線を接続部34P,34M側に押し付けるように付勢力を有する。
【0039】
そして、ユーザである小学生が指を用いて押圧部36の天井面の端部を押すと、図4に示されるように、押圧部36が傾いて突起部40と接続部34P,34Mとの間に隙間が形成される。これにより、電池13とモータ11とを接続するための導線7を挿入することでき、導線7の挿入後に押圧部36の天井部から指を離すと付勢部45の付勢力により、導線7が庇部38の先端と突起部40の先端に押圧されて、折れ曲がって接続部34P,34Mに接続される。なお、ここでは、導線7は、電気伝導率の高い銅7aを絶縁体で被覆するビニル導線であるものとして説明するが、その他の導線であってもよい。
【0040】
続いて、上記構成の電池ボックス装置10の作用について説明する。理科実験用モーターカー1を用いて電気のはたらきを学ぶ場合に、電池ボックス装置10の2つの電池ボックス部30に電池13を挿入する。
【0041】
2つの電池13を直列に接続するように導線7を準備し、2つの電池13とモータ11とを電気的に接続する。導線7を2つの電池13に接続する場合、図4に示されるように、電池ボックス部30の押圧部36の天井面の端部に力を加えて押し下げることで、突起部40と接続部34P,34Mとの間に隙間が形成される。
【0042】
このように形成された隙間に導線7を挿入して押圧部36へ加えた力を開放すると、図3に示されるように付勢部45の付勢力によって導線7が接続部34P,34M側に押し付けられる。このとき、導線7は庇部38と突起部40によって折り曲げられて接続部34P,34Mに接続する。これにより、導線7を上方向に引っ張っても抜けないようになっている。
【0043】
以上のように、電池ボックス装置10を用いることで、ユーザの指で押圧部36を押し下げて開いた状態で導線7を挿入し、その後、指を離すだけで、導線7は庇部38と突起部40によって折り曲げられて接続部34P,34Mに接続される。したがって、小学生でも簡単に導線7を接続することができるという顕著な効果を奏する。
【0044】
次に、電池ボックス装置10の第1変形例である電池ボックス装置20について説明する。図7は、本発明に係る実施形態の電池ボックス装置20を示す図である。図8は、本発明に係る実施形態の電池ボックス装置20において、2つの電池ボックス部30から並列接続部42を分離させた様子を示す図である。
【0045】
図9は、本発明に係る実施形態の電池ボックス装置20を示す図である。図9(a)は、電池ボックス装置20の平面図であり、図9(b)は、電池ボックス装置20の側面図であり、図9(c)は、図9(a)のB-B線断面図であり、図9(d)は、図9(a)のA-A線断面図である。
【0046】
電池ボックス装置20は、所定の間隔をおいて並んで配置される2つの電池ボックス部30と、2つの電池ボックス部30を並列接続する並列接続部42とを備えている。
【0047】
並列接続部42は、図7,8に示されるように、接続部44と、2つの導体部46と、押圧部48とを備えている。並列接続部42は、2つの電池ボックス部30に嵌合することができ、各電池ボックス部30に収納された2つの電池13を並列に接続する。
【0048】
接続部44は、図7,8に示されるように、2つの電池ボックス部30に跨って設けられる架設部材であり、架設部材の両端部の下方側には2つの導体部46に接続される。また、接続部44の中央部には、図7,8に示されるように押圧部48が設けられている。
【0049】
接続部44は、中央部において、接続部34P,34Mと同様に上下方向に延伸する壁部と壁部から突出する庇部とを有しており、当該中央部から2つの電池ボックス部30側に向けて延伸する板状の部材である。接続部44は、導電率が高い材質、例えば、ニッケルめっきで構成されることが好ましい。
【0050】
2つの導体部46は、所定の間隔をおいて並んで配置される2つの電池ボックス部30を並列に接続するように、2つの電池ボックス部30の接続部34P,34Mと突起部40にそれぞれ挟持されて接続部34P,34Mに接続可能な導体である。導体部46は、導電率が高い材質、例えば、ニッケルめっきで構成されることが好ましい。
【0051】
2つの導体部46は、接続部44の両端部から下方に向けて突出するように設けられている。図8,9に示されるように、導体部46は、庇部38を迂回しつつ突起部40によって接続部34P,34Mに接続されるような凹凸形状を有している。
【0052】
押圧部48は、押圧部36と同様の構造を有しており、突起部と、操作部と、付勢部とを備えている。押圧部48は、接続部44と接触可能な突起部を有し、当該突起部が接続部44と当該突起部の間に挿入される導線を接続部44側に押し付けるように付勢力を有する。
【0053】
押圧部48の突起部は、突起部40と同様の形状を有しており、接続部44と接触可能なように、接続部44の庇部に対向するように設けられている。
【0054】
押圧部48の突起部は、導線7が接続部44の庇部の先端と押圧部48の突起部の先端に押圧されて折れ曲がって接続部44に接続されるように庇部の高さと異なる高さの位置に設けられている。
【0055】
押圧部48の操作部は、接続部44と押圧部48の突起部の間に挿入される導線7の横方向のずれを規制するために、図9(a)に示されるように、平面視で略凹形状を有している。
【0056】
押圧部48の付勢部は、押圧部48の下部の下方に配置されるコイルバネである。押圧部48の付勢部は、押圧部48の突起部が接続部44と当該突起部の間に挿入される導線を接続部44側に押し付けるように付勢力を有する。
【0057】
続いて、上記構成の電池ボックス装置20の作用について説明する。電池ボックス装置20は、電池ボックス装置10と同様の電池ボックス部30を備えているため、同様の効果を有する。さらに、電池ボックス装置20は、並列接続部42を備えている。
【0058】
電池ボックス装置20において、電池ボックス部30の押圧部36を押し下げて、並列接続部42の導体部46を電池ボックス部30の接続部34P,34Mに接続する。これにより、図7に示されるように、2つの電池ボックス部30を2つの並列接続部42によって接続する。
【0059】
そして、モータ11に接続される2つの導線7を2つの並列接続部42に接続する。具体的には、指を用いて押圧部48を押し下げて開いた状態で導線を挿入し、その後、指を離すだけで、導線7は接続部44の庇部と押圧部48の突起部によって折り曲げられて接続部44に接続される。
【0060】
このように、電池ボックス装置20の並列接続部42を用いることで、2つの電池ボックス部30を簡単に並列接続にすることができるという利点がある。
【0061】
次に、電池ボックス装置10の第2変形例である電池ボックス装置10aについて説明する。図10は、本発明に係る実施形態の電池ボックス装置10aを示す図である。図11は、本発明に係る実施形態の電池ボックス装置10aにおいて、各構成要素を分離させた様子を示す図である。
【0062】
図12は、本発明に係る実施形態の電池ボックス装置10aを示す図である。図12(a)は、電池ボックス装置10aの平面図であり、図12(b)は、電池ボックス装置10aの側面図であり、図12(c)は、図12(a)のA-A線断面図である。
【0063】
電池ボックス装置10aは、電池ボックス部30aを備えている。電池ボックス部30aは、電池ボックス部30と同様の構成を有しており、電池ケース部32と、導体部34aと、押圧部36aとを備えている。
【0064】
導体部34aは、電池ボックス部30aの接続部34P,34Mに加えて、図11,12に示されるように、さらに外側に伸びて略U字状に上昇するように延伸している。このように延伸した端部は、図12に示されるように、押圧部36aの底側の角部を支持している。
【0065】
導体部34aは、導電率が高く、かつ、付勢力を有する材質で構成することで、電池ボックス部30の付勢部45の代用となり、押圧部36aを導体部34aに押し付けるように力が働く。これにより、電池ボックス装置10aにおいても、電池ボックス装置10と同様の効果を奏する。
【0066】
次に、電池ボックス装置10の第2変形例である電池ボックス装置10bについて説明する。図13は、本発明に係る実施形態の電池ボックス装置10bを示す図である。図14は、本発明に係る実施形態の電池ボックス装置10bにおいて、各構成要素を分離させた様子を示す図である。
【0067】
図15は、本発明に係る実施形態の電池ボックス装置10bを示す図である。図15(a)は、電池ボックス装置10bの平面図であり、図15(b)は、電池ボックス装置10bの側面図であり、図15(c)は、図15(a)のA-A線断面図である。
【0068】
電池ボックス装置10bは、電池ボックス部30bを備えている。電池ボックス部30bは、電池ボックス部30と同様の構成を有しており、電池ケース部32と、押圧部36bと、付勢部39とを備えている。
【0069】
付勢部39は、図15に示されるように、略U字状部材であり、外側の端部において押圧部36bの底側の角部を支持している。また、付勢部39は、押圧部bを導体部34側に押し付けることができる程度の付勢力を有する部材、例えば、樹脂で構成されている。
【0070】
付勢部39は、電池ボックス部30の付勢部45の代用となり、押圧部36bを導体部34に押し付けるように力が働く。これにより、電池ボックス装置10bにおいても、電池ボックス装置10と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0071】
1 理科実験用モーターカー、7 導線、8 飲料用キャップ、10,10a,10b 電池ボックス装置、11 モータ、12 車輪部、12a,12b 車輪、12c シャフト、13 電池、15 凸部、16 本体部、18 案内レール、19 凹部、20 電池ボックス装置、30,30a,30b 電池ボックス部、32 電池ケース部、32B,32T 壁部、34,34a 導体部、34P,34M 接続部、34T,34B 電極接点部、36,36a,36b 押圧部、37 壁部、38 庇部、38a,38b 庇、39 付勢部、40 突起部、42 並列接続部、43 操作部、44 接続部、45 付勢部、46 導体部、48 押圧部。

図1
図2
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図15