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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087268
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】コネクタ装置及び電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6587 20110101AFI20240624BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20240624BHJP
【FI】
H01R13/6587
H01R12/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202000
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】592028846
【氏名又は名称】I-PEX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100208591
【弁理士】
【氏名又は名称】井後 智哉
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 元
(72)【発明者】
【氏名】本村 聖夜
【テーマコード(参考)】
5E021
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FB01
5E021FB14
5E021FC21
5E021FC40
5E021LA10
5E021LA12
5E021LA15
5E223AA30
5E223AB08
5E223AB59
5E223BA01
5E223BA07
5E223BB01
5E223BB12
5E223CA11
5E223CB22
5E223CD01
5E223DA05
5E223DB09
5E223DB36
5E223EB04
5E223EB13
(57)【要約】
【課題】シェルの簡素化が可能なコネクタ装置を提供する。
【解決手段】コネクタ装置1は、電気コネクタ2と、電気コネクタ2に嵌合される相手コネクタ3とを備える。電気コネクタ2は、一対の第1コンタクト21と、電気コネクタ2と相手コネクタ3との嵌合方向に沿った軸線Lの軸まわりに一対の第1コンタクト21の周囲の一部を覆う第1シェル22と、第1ハウジング23と、を備える。相手コネクタ3は、一対の第2コンタクト31と、軸まわりに一対の第2コンタクト31の周囲の一部を覆う第2シェル32と、第2ハウジング33と、を備える。電気コネクタ2と相手コネクタ3との嵌合状態において嵌合方向から見ると、第1シェル22及び第2シェル32は、一対の第1コンタクト21と一対の第2コンタクト31とが接触するコンタクト接触部を軸まわりに囲む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板に実装される電気コネクタと、第2基板に実装され、前記電気コネクタに嵌合される相手コネクタとを備えるコネクタ装置であって、
前記電気コネクタは、
前記第1基板のシグナル導体に電気的に接続される導電性の一対の第1コンタクトと、
前記第1基板のグランド導体に電気的に接続され、前記電気コネクタと前記相手コネクタとの嵌合方向に沿った軸線の軸まわりに前記一対の第1コンタクトの周囲の一部を覆う導電性の第1シェルと、
前記一対の第1コンタクトと前記第1シェルとを絶縁状態で保持する第1ハウジングと、を備え、
前記相手コネクタは、
前記第2基板のシグナル導体に電気的に接続される導電性の一対の第2コンタクトと、
前記第2基板のグランド導体に電気的に接続され、前記軸まわりに前記一対の第2コンタクトの周囲の一部を覆う導電性の第2シェルと、
前記一対の第2コンタクトと前記第2シェルとを絶縁状態で保持する第2ハウジングと、を備え、
前記電気コネクタと前記相手コネクタとの嵌合状態において、前記一対の第1コンタクトが前記一対の第2コンタクトに接触すると共に、前記第1シェルが前記第2シェルに接触し、
前記嵌合状態において前記嵌合方向から見ると、前記第1シェル及び前記第2シェルは、前記一対の第1コンタクトと前記一対の第2コンタクトとが接触するコンタクト接触部を前記軸まわりに囲む、
コネクタ装置。
【請求項2】
前記第1シェルは、互いに対向する一対の第1側面と、前記一対の第1側面を連結する第1連結面とを備え、
前記第2シェルは、互いに対向する一対の第2側面と、前記一対の第2側面を連結する第2連結面とを備え、
前記嵌合状態において前記嵌合方向から見ると、前記一対の第1側面、前記一対の第2側面、前記第1連結面及び前記第2連結面は、前記コンタクト接触部を前記軸まわりに囲む、
請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記一対の第2側面は、前記第2基板から離れるように突出する一対の突出部を備え、
前記嵌合状態において、前記一対の突出部は、前記一対の第1側面に接触し、
前記一対の突出部と前記一対の第1側面とが接触するシェル接触部は、前記コンタクト接触部よりも前記第1基板に近い、
請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記嵌合状態において前記嵌合方向から見ると、前記一対の第1コンタクトは、前記第1シェル及び前記第2シェルに囲まれた領域の外において前記第1基板のシグナル導体に電気的に接続される、
請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記電気コネクタは、それぞれが前記一対の第1コンタクトと前記第1シェルとを含む複数の第1ユニットを備え、
前記複数の第1ユニットは、前記嵌合方向に直交する方向と前記一対の第1コンタクトの配列方向に直交する方向とに沿って配置され、かつ、前記一対の第1コンタクトの配列方向に沿って配置されており、
前記相手コネクタは、それぞれが前記一対の第2コンタクトと前記第2シェルとを含む複数の第2ユニットを備え、
前記複数の第2ユニットは、前記嵌合方向に直交する方向と前記一対の第2コンタクトの配列方向に直交する方向とに沿って配置され、かつ、前記一対の第2コンタクトの配列方向に沿って配置されている、
請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項6】
前記一対の第1コンタクトは、前記第1基板に沿って延び、前記第1基板のシグナル導体に電気的に接続される第1接続脚部を備え、
前記一対の第2コンタクトは、前記第2基板に沿って延び、前記第2基板のシグナル導体に電気的に接続される第2接続脚部を備え、
前記嵌合状態において、前記第1接続脚部と前記第2接続脚部とは、互いに離れる方向に向かって延びている、
請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項7】
前記一対の第1側面は、前記一対の第1コンタクトの配列方向において、前記第1接続脚部を挟むように対向し、
前記一対の第2側面は、前記一対の第2コンタクトの配列方向において、前記第2接続脚部を挟むように対向し、
前記嵌合状態において、前記一対の第1側面が、前記一対の第1コンタクトの配列方向において前記コンタクト接触部を挟むように対向すると共に、前記一対の第2側面が、前記一対の第2コンタクトの配列方向において前記コンタクト接触部を挟むように対向する、
請求項6に記載のコネクタ装置。
【請求項8】
前記嵌合状態において、前記第1連結面は、前記第2接続脚部に対向しておらず、前記第2連結面は、前記第1接続脚部に対向していない、請求項6に記載のコネクタ装置。
【請求項9】
前記嵌合状態において前記嵌合方向から見ると、前記一対の第1コンタクトは、前記第2連結面と前記第1基板との間を通って前記第1シェル及び前記第2シェルに囲まれた領域の外に延びて、前記第1基板のシグナル導体に電気的に接続される、請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項10】
前記嵌合状態において、前記嵌合方向に直交する方向であり、かつ、前記一対の第1コンタクトの配列方向に直交する方向から見ると、前記第1連結面と前記第2連結面とが互いに対向していない、請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項11】
前記第1ハウジングには、前記相手コネクタとの嵌合時に前記相手コネクタに対向する主面と、前記第1基板に対向する裏面とを繋ぐように貫通した嵌合孔が形成されており、
前記第2ハウジングには、前記電気コネクタとの嵌合時に前記電気コネクタに対向する主面を基端として、前記第2基板から離れるように突出する嵌合突起が形成されており、
前記嵌合状態において、前記嵌合孔と前記嵌合突起とが嵌合する、
請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項12】
第1基板に実装され、第2基板に実装された相手コネクタと嵌合される電気コネクタであって、
前記第1基板のシグナル導体に電気的に接続される導電性の一対の第1コンタクトと、
前記第1基板のグランド導体に電気的に接続され、前記電気コネクタと前記相手コネクタとの嵌合方向に沿った軸線の軸まわりに前記一対の第1コンタクトの周囲の一部を覆う導電性の第1シェルと、
前記一対の第1コンタクトと前記第1シェルとを絶縁状態で保持するハウジングと、を備え、
前記相手コネクタとの嵌合状態において、前記一対の第1コンタクトが前記相手コネクタの導電性の一対の第2コンタクトに接触すると共に、前記第1シェルが前記相手コネクタの導電性の第2シェルに接触し、
前記嵌合状態において前記嵌合方向から見ると、前記第1シェル及び前記第2シェルは、前記一対の第1コンタクトと前記一対の第2コンタクトとが接触するコンタクト接触部を前記軸まわりに囲む、
電気コネクタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタ装置及び電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板上に実装され、ケーブルの先端に接続されるプラグコネクタに嵌合されるリセプタクルコネクタが開示されている。特許文献1のリセプタクルコネクタは、一対のコンタクト部材を覆った状態でプラグコネクタのシェルに接続されるシェルを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6965685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板上に実装される電気コネクタのシェルの簡素化が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係るコネクタ装置は、第1基板に実装される電気コネクタと、第2基板に実装され、電気コネクタに嵌合される相手コネクタとを備える。電気コネクタは、第1基板のシグナル導体に電気的に接続される導電性の一対の第1コンタクトと、第1基板のグランド導体に電気的に接続され、電気コネクタと相手コネクタとの嵌合方向に沿った軸線の軸まわりに一対の第1コンタクトの周囲の一部を覆う導電性の第1シェルと、一対の第1コンタクトと第1シェルとを絶縁状態で保持する第1ハウジングと、を備える。相手コネクタは、第2基板のシグナル導体に電気的に接続される導電性の一対の第2コンタクトと、第2基板のグランド導体に電気的に接続され、軸まわりに一対の第2コンタクトの周囲の一部を覆う導電性の第2シェルと、一対の第2コンタクトと第2シェルとを絶縁状態で保持する第2ハウジングと、を備える。電気コネクタと相手コネクタとの嵌合状態において、一対の第1コンタクトが一対の第2コンタクトに接触すると共に、第1シェルが第2シェルに接触する。嵌合状態において嵌合方向から見ると、第1シェル及び第2シェルは、一対の第1コンタクトと一対の第2コンタクトとが接触するコンタクト接触部を軸まわりに囲む。
【0006】
電気コネクタでは、第1シェルが一対の第1コンタクトの周囲の一部を軸まわりに覆っている。第1シェルが一対の第1コンタクトの周囲の全部を軸まわりに覆う場合と比較して、第1シェルの簡素化を図ることができる。相手コネクタでは、第2シェルが一対の第2コンタクトの周囲の一部を軸まわりに覆っている。第2シェルが一対の第2コンタクトの周囲の全部を軸まわりに覆う場合と比較して、第2シェルの簡素化を図ることができる。嵌合状態において嵌合方向から見ると、第1シェル及び第2シェルがコンタクト接触部を軸まわりに囲んでいる。これにより、嵌合状態におけるシールド性能を向上させることができる。
【0007】
第1シェルは、互いに対向する一対の第1側面と、一対の第1側面を連結する第1連結面とを備えてもよい。第2シェルは、互いに対向する一対の第2側面と、一対の第2側面を連結する第2連結面とを備えてもよい。嵌合状態において嵌合方向から見ると、一対の第1側面、一対の第2側面、第1連結面及び第2連結面は、コンタクト接触部を軸まわりに囲んでもよい。第1シェルは、一対の第1側面及び第1連結面により、いわゆるU字型又はH字型の形状を有する。第2シェルは、一対の第2側面及び第2連結面により、いわゆるU字型又はH字型の形状を有する。このような第1シェル及び第2シェルの形状は、例えば打ち抜いた金属板に曲げ加工等を施すことにより容易に製造可能である。これにより、第1シェル及び第2シェルの簡素化を図ることができる。また、嵌合状態において嵌合方向から見ると、一対の第1側面、一対の第2側面、第1連結面及び第2連結面は、コンタクト接触部の周囲を軸まわりに囲む。これにより、嵌合状態におけるシールド性能を向上させることができる。
【0008】
一対の第2側面は、第2基板から離れるように突出する一対の突出部を備えてもよい。嵌合状態において、一対の突出部は、一対の第1側面に接触してもよい。一対の突出部と一対の第1側面とが接触するシェル接触部は、コンタクト接触部よりも第1基板に近くてもよい。嵌合状態において、一対の突出部が、コンタクト接触部よりも第1基板に近い箇所で一対の第1側面に接触している。第2基板と第1基板との間の距離を小さくすると共に、第2基板から第1基板に向かう方向において一対の突出部の長さが大きくなることにより、一対の突出部の弾性力を容易に確保することができる。
【0009】
嵌合状態において嵌合方向から見ると、一対の第1コンタクトは、第1シェル及び第2シェルに囲まれた領域の外において第1基板のシグナル導体に電気的に接続されてもよい。第1シェル及び第2シェルに囲まれた領域内では、一対の第1コンタクトが一対の第2コンタクトと接触する。第1シェル及び第2シェルに囲まれた領域の外では、一対の第1コンタクトが第1基板のシグナル導体に電気的に接続される。すなわち、第1シェル及び第2シェルに囲まれた領域の内外に亘って一対の第1コンタクトが形成されている。このような一対の第1コンタクトでは、一対の第2コンタクトとの接触箇所から第1基板のシグナル導体との接触箇所までに亘る長さが大きくなることにより、一対の第1コンタクトの弾性力を容易に確保することができる。
【0010】
電気コネクタは、それぞれが一対の第1コンタクトと第1シェルとを含む複数の第1ユニットを備えてもよい。複数の第1ユニットは、嵌合方向に直交する方向と一対の第1コンタクトの配列方向に直交する方向とに沿って配置され、かつ、一対の第1コンタクトの配列方向に沿って配置されていてもよい。相手コネクタは、それぞれが一対の第2コンタクトと第2シェルとを含む複数の第2ユニットを備えてもよい。複数の第2ユニットは、嵌合方向に直交する方向と一対の第2コンタクトの配列方向に直交する方向とに沿って配置され、かつ、一対の第2コンタクトの配列方向に沿って配置されていてもよい。嵌合状態において、複数の第1ユニット及び複数の第2ユニットのそれぞれについてシールド性能を確保することができる。これにより、第1ユニット同士、及び第2ユニット同士の間隔を小さくすることができるので、電気コネクタ及び相手コネクタの高密度化を図ることができる。
【0011】
一対の第1コンタクトは、第1基板に沿って延び、第1基板のシグナル導体に電気的に接続される第1接続脚部を備えてもよい。一対の第2コンタクトは、第2基板に沿って延び、第2基板のシグナル導体に電気的に接続される第2接続脚部を備えてもよい。嵌合状態において、第1接続脚部と第2接続脚部とは、互いに離れる方向に向かって延びていてもよい。第1接続脚部と第2接続脚部とが互いに離れる方向に延びている。第1接続脚部と第2接続脚部とが互いに離間することにより、第1接続脚部と第2接続脚部とが互いに与える影響を抑制することができる。
【0012】
一対の第1側面は、一対の第1コンタクトの配列方向において、第1接続脚部を挟むように対向していてもよい。一対の第2側面は、一対の第2コンタクトの配列方向において、第2接続脚部を挟むように対向していてもよい。嵌合状態において、一対の第1側面が、一対の第1コンタクトの配列方向においてコンタクト接触部を挟むように対向すると共に、一対の第2側面が、一対の第2コンタクトの配列方向においてコンタクト接触部を挟むように対向していてもよい。これにより、一対の第1コンタクト及び一対の第2コンタクトの配列方向におけるシールド性能を向上させることができる。
【0013】
嵌合状態において、第1連結面は、第2接続脚部に対向していなくてもよい。第2連結面は、第1接続脚部に対向していなくてもよい。嵌合状態において、第1連結面は第2接続脚部を開放し、第2連結面は第1接続脚部を開放している。これにより、第1接続脚部及び第2接続脚部の視認性が向上する。
【0014】
嵌合状態において嵌合方向から見ると、一対の第1コンタクトは、第2連結面と第1基板との間を通って第1シェル及び第2シェルに囲まれた領域の外に延びて、第1基板のシグナル導体に電気的に接続されてもよい。一対の第1コンタクトが第2連結面と第1基板との間を通って形成されている。すなわち、第1シェル及び第2シェルに囲まれた領域の内外に亘って一対の第1コンタクトが形成されている。このような一対の第1コンタクトでは、一対の第2コンタクトとの接触箇所から第1基板のシグナル導体との接触箇所までに亘る長さが大きくなることにより、一対の第1コンタクトの弾性力を容易に確保することができる。
【0015】
嵌合状態において、嵌合方向に直交する方向であり、かつ、一対の第1コンタクトの配列方向に直交する方向から見ると、第1連結面と第2連結面とが互いに対向していなくてもよい。この場合、一対の第1コンタクト及び一対の第2コンタクトの視認性が向上する。
【0016】
第1ハウジングには、相手コネクタとの嵌合時に相手コネクタに対向する主面と、第1基板に対向する裏面とを繋ぐように貫通した嵌合孔が形成されていてもよい。第2ハウジングには、電気コネクタとの嵌合時に電気コネクタに対向する主面を基端として、第2基板から離れるように突出する嵌合突起が形成されていてもよい。嵌合状態において、嵌合孔と嵌合突起とが嵌合してもよい。この場合、嵌合突起及び嵌合孔は、電気コネクタと相手コネクタとの嵌合時のガイドとして機能する。その結果、第1コンタクトと第2コンタクトとの接触の信頼性を向上させることができる。
【0017】
本開示の一側面に係る電気コネクタは、第1基板に実装され、第2基板に実装された相手コネクタと嵌合される。電気コネクタは、第1基板のシグナル導体に電気的に接続される導電性の一対の第1コンタクトと、第1基板のグランド導体に電気的に接続され、電気コネクタと相手コネクタとの嵌合方向に沿った軸線の軸まわりに一対の第1コンタクトの周囲の一部を覆う導電性の第1シェルと、一対の第1コンタクトと第1シェルとを絶縁状態で保持するハウジングと、を備える。相手コネクタとの嵌合状態において、一対の第1コンタクトが相手コネクタの導電性の一対の第2コンタクトに接触すると共に、第1シェルが相手コネクタの導電性の第2シェルに接触する。嵌合状態において嵌合方向から見ると、第1シェル及び第2シェルは、一対の第1コンタクトと一対の第2コンタクトとが接触するコンタクト接触部を軸まわりに囲む。
【0018】
電気コネクタでは、第1シェルが一対の第1コンタクトの周囲の一部を軸まわりに覆っている。第1シェルが一対の第1コンタクトの周囲の全部を軸まわりに覆う場合と比較して、第1シェルの簡素化を図ることができる。相手コネクタとの嵌合状態において嵌合方向から見ると、第1シェル及び第2シェルがコンタクト接触部を軸まわりに囲んでいる。これにより、嵌合状態におけるシールド性能を向上させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、シェルの簡素化が可能なコネクタ装置及び電気コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、コネクタ装置の外観を例示する斜視図である。
図2図2は、電気コネクタの平面図である。
図3図3の(a)は、一対の第1コンタクトの外観を例示する斜視図である。図3の(b)は、一対の第1コンタクトの外観を例示する平面図である。図3の(c)は、一対の第1コンタクトの外観を例示する側面図である。図3の(d)は、一対の第1コンタクトの外観を例示する底面図である。
図4図4の(a)は、第1シェルの外観を例示する斜視図である。図4の(b)は、第1シェルの外観を例示する平面図である。図4の(c)は、第1シェルの外観を例示する側面図である。図4の(d)は、第1シェルの外観を例示する底面図である。
図5図5の(a)は、第1ユニットの外観を例示する斜視図である。図5の(b)は、第1ユニットの外観を例示する平面図である。図5の(c)は、第1ユニットの外観を例示する側面図である。図5の(d)は、第1ユニットの外観を例示する底面図である。
図6図6は、電気コネクタの外観の一部を拡大して例示する拡大平面図である。
図7図7は、電気コネクタの外観の一部を拡大して例示する拡大底面図である。
図8図8は、第1サイドシェルによる連結を例示する側面図である。
図9図9は、相手コネクタの平面図である。
図10図10の(a)は、一対の第2コンタクトの外観を例示する斜視図である。図10の(b)は、一対の第2コンタクトの外観を例示する平面図である。図10の(c)は、一対の第2コンタクトの外観を例示する側面図である。図10の(d)は、一対の第2コンタクトの外観を例示する底面図である。
図11図11の(a)は、第2シェルの外観を例示する斜視図である。図11の(b)は、第2シェルの外観を例示する平面図である。図11の(c)は、第2シェルの外観を例示する側面図である。図11の(d)は、第2シェルの外観を例示する底面図である。
図12図12の(a)は、第2ユニットの外観を例示する斜視図である。図12の(b)は、第2ユニットの外観を例示する平面図である。図12の(c)は、第2ユニットの外観を例示する側面図である。図12の(d)は、第2ユニットの外観を例示する底面図である。
図13図13は、相手コネクタの外観の一部を拡大して例示する拡大平面図である。
図14図14は、相手コネクタの外観の一部を拡大して例示する拡大底面図である。
図15図15は、第2サイドシェルによる連結を例示する側面図である。
図16図16は、嵌合状態における第1ユニット及び第2ユニットの外観を例示する斜視図である。
図17図17は、嵌合状態における第1ユニット及び第2ユニットの外観を例示する平面図である。
図18図18は、図17のxviii-xviii線に沿う断面を示す断面図である。
図19図19は、図17のxix-xix線に沿う断面を示す断面図である。
図20図20は、変形例に係るコネクタ装置の外観を例示する斜視図である。
図21図21の(a)は、変形例に係る第1ユニットの外観を例示する斜視図である。図21の(b)は、変形例に係る第1ユニットの外観を例示する平面図である。図21の(c)は、変形例に係る第1ユニットの外観を例示する側面図である。図21の(d)は、変形例に係る第1ユニットの外観を例示する底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0022】
[コネクタ装置]
図1は、本開示に係るコネクタ装置1の外観を例示する斜視図である。コネクタ装置1は、例えば電子機器内におけるプリント基板同士の接続に用いられる装置である。コネクタ装置1は、第1基板200(図2参照)に実装される電気コネクタ2と、第2基板300(図9参照)に実装され、電気コネクタ2に嵌合される相手コネクタ3とを備える。コネクタ装置1では、Z軸方向に沿って電気コネクタ2と相手コネクタ3とが嵌合される。電気コネクタ2と相手コネクタ3とが嵌合することにより、第1基板200と第2基板300とが電気的に接続される。以下、Z軸方向を嵌合方向という。嵌合方向から見ると、電気コネクタ2及び相手コネクタ3は、いずれも長方形に近似している。以下、嵌合方向から見て、長方形状の電気コネクタ2及び相手コネクタ3の短辺方向をX軸方向といい、長辺方向をY軸方向という。X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに直交している。
【0023】
[電気コネクタ]
図2は、電気コネクタ2の平面図である。電気コネクタ2は、例えばリセプタクルコネクタであり、第1基板200に実装される。第1基板200は、例えばプリント基板である。第1基板200には、それぞれ図示しない複数のシグナル導体(信号回路の一部を構成する導体)及び複数のグランド導体(グランド回路の一部を構成する導体)が形成されている。電気コネクタ2は、一対の第1コンタクト21と、第1シェル22と、第1ハウジング23と、一対の第1サイドシェル24とを備える。電気コネクタ2は、それぞれが一対の第1コンタクト21と第1シェル22とを含む複数の第1ユニット20を備える。
【0024】
一対の第1コンタクト21は、第1基板200のシグナル導体に電気的に接続される。一対の第1コンタクト21は、複数種類の差動信号を伝送する。複数種類の差動信号は、例えば高速信号及び低速信号である。一対の第1コンタクト21は、X軸方向に沿って互いに離間して並んで配置されている。以下、X軸方向を配列方向ともいう。
【0025】
第1シェル22は、導電性の例えば金属板により形成され、第1基板200のグランド導体に電気的に接続される。第1シェル22は、嵌合方向に沿った軸線Lの軸まわりに一対の第1コンタクト21の周囲の一部を覆う。例えば、第1シェル22は、X軸方向における二方向及びY軸方向における一方向から一対の第1コンタクト21の周囲を覆う。換言すると、第1シェル22は、筒状ではない。
【0026】
第1ハウジング23は、絶縁性の例えば樹脂により形成され、一対の第1コンタクト21と第1シェル22とを絶縁状態で保持する。第1ハウジング23は、複数の第1ユニット20を保持する。第1ハウジング23は、それぞれが複数の第1ユニット20をX軸方向に沿って保持し、且つY軸方向に沿って並んで配置される複数のブロック230を備える。
【0027】
複数の第1ユニット20は、嵌合方向に直交する方向と一対の第1コンタクト21の配列方向に直交する方向とに沿って配置され、かつ、一対の第1コンタクト21の配列方向に沿って配置されている。すなわち、複数の第1ユニット20は、X軸方向及びY軸方向に沿って配置されている。複数の第1ユニット20の個数は限定されない。一例では、複数の第1ユニット20の個数は60個であってもよい。この場合、X軸方向に沿って並んだ10個の第1ユニット20が、Y軸方向に沿って6セット並んでいてもよい。X軸方向に隣り合う複数の第1ユニット20の間の間隔D1は、Y軸方向に隣り合う複数の第1ユニット20の間の間隔D2より小さくてもよい。
【0028】
一対の第1サイドシェル24は、導電性の例えば金属板により形成され、第1ハウジング23の複数のブロック230をY軸方向に沿って連結する連結部材である。一対の第1サイドシェル24は、複数のブロック230のX軸方向の両端に配置される。一対の第1サイドシェル24は、複数のブロック230のそれぞれに係合することにより、複数のブロック230を連結する。
【0029】
図3の(a)は、一対の第1コンタクト21の外観を例示する斜視図である。図3の(b)は、一対の第1コンタクト21の外観を例示する平面図である。図3の(c)は、一対の第1コンタクト21の外観を例示する側面図である。図3の(d)は、一対の第1コンタクト21の外観を例示する底面図である。
【0030】
図3の(b)及び(d)に示されるように、嵌合方向から見ると、一対の第1コンタクト21はY軸方向に沿って延伸している。図3の(c)に示されるように、配列方向から見ると、一対の第1コンタクト21は、S字状に近似する形状を有する。一対の第1コンタクト21は、例えば打ち抜いた金属板に曲げ加工等を施すことにより形成される。一対の第1コンタクト21は、第1接触部211と、第1接続脚部212と、第1連結部213とを備える。
【0031】
第1接触部211は、第1基板200から離間するように、Z軸方向に沿って突出している。第1接続脚部212は、第1基板200に沿って延び、第1基板200のシグナル導体に電気的に接続される。第1連結部213は、第1接触部211と第1接続脚部212とを連結する。第1連結部213は、第1基板200から離間し、さらに第1基板200に近接するように曲がることによってクランク状に形成されている。
【0032】
図4の(a)は、第1シェル22の外観を例示する斜視図である。図4の(b)は、第1シェル22の外観を例示する平面図である。図4の(c)は、第1シェル22の外観を例示する側面図である。図4の(d)は、第1シェル22の外観を例示する底面図である。
【0033】
図4の(b)及び(d)に示されるように、嵌合方向から見ると、第1シェル22は、いわゆるU字型又はH字型の形状を有する。第1シェル22は、例えば打ち抜いた金属板に曲げ加工等を施すことにより形成される。第1シェル22は、互いに対向する一対の第1側面221と、一対の第1側面221を連結する第1連結面222とを備える。第1シェル22は、第1連結面222に対向する面を有しない。
【0034】
図4の(a)に示されるように、一対の第1側面221は、Y軸方向及びZ軸方向に広がる平板状の形状を有する。一対の第1側面221は、第1基板200に対向し、Y軸方向に沿って形成されたグランド接続部221aを備える。グランド接続部221aは、第1基板200のグランド導体に電気的に接続される。
【0035】
第1連結面222は、X軸方向及びZ軸方向に広がる平板状の形状を有する。第1連結面222は、X軸方向の両端において一対の第1側面221を連結する。第1連結面222は、第1基板200に対向し、X軸方向に沿って形成されたグランド接続部222aを備える。グランド接続部222aは、第1基板200のグランド導体に電気的に接続される。
【0036】
図5の(a)は、第1ユニット20の外観を例示する斜視図である。図5の(b)は、第1ユニット20の外観を例示する平面図である。図5の(c)は、第1ユニット20の外観を例示する側面図である。図5の(d)は、第1ユニット20の外観を例示する底面図である。
【0037】
一対の第1側面221は、一対の第1コンタクト21の配列方向において一対の第1コンタクト21を挟むように対向している。一対の第1側面221は、一対の第1コンタクト21の配列方向において一対の第1コンタクト21を覆うように配置される。図5の(b)に示されるように、一対の第1側面221のY軸方向における全長は、一対の第1コンタクト21のY軸方向における全長よりも長い。図5の(d)に示されるように、グランド接続部221aのY軸方向における全長は、一対の第1コンタクト21のY軸方向における全長よりも長い。
【0038】
第1連結面222は、Y軸方向において一対の第1コンタクト21の第1接触部211に対向している。第1連結面222は、Y軸方向において一対の第1コンタクト21の第1接触部211を覆うように配置される。図5の(d)に示されるように、グランド接続部222aのX軸方向における全長は、一対の第1コンタクト21のX軸方向における配置間の距離よりも長い。
【0039】
図6及び図7を参照して、第1ハウジング23について説明する。図6は、電気コネクタ2の外観の一部を拡大して例示する拡大平面図である。図7は、電気コネクタ2の外観の一部を拡大して例示する拡大底面図である。嵌合方向から見ると、第1ハウジング23は長方形に近似する形状を有する。第1ハウジング23の各ブロック230は、第1基板200に沿って平面状に広がる主面230a及び裏面230bを備える。
【0040】
主面230aは、相手コネクタ3との嵌合時に相手コネクタ3に対向する面である。裏面230bは、第1基板200に対向する面である。各ブロック230には、複数の第1ユニット20のそれぞれに対応して、主面230aと裏面230bとの間を繋ぐように貫通した、一対の内溝231と、窓232と、一対の外溝233と、連結溝234と、嵌合孔235と、係合溝236とが形成されている。
【0041】
一対の内溝231は、一対の第1コンタクト21が配置されるように形成された溝である。窓232は、嵌合方向から見て第1コンタクト21の第1接続脚部212を露出させる孔である。一対の外溝233は、一対の第1コンタクト21の配列方向において、一対の内溝231を挟みこむように形成された溝である。一対の外溝233は、第1シェル22の一対の第1側面221を収容する。連結溝234は、一対の外溝233を連結する溝である。連結溝234は、第1シェル22の第1連結面222を収容する。嵌合孔235は、電気コネクタ2と相手コネクタ3との嵌合時に、後述する嵌合突起334と嵌合する。嵌合孔235は、複数のブロック230をY軸方向に並べて電気コネクタ2を製造する際、ブロック230を載置する治具(不図示)の突起を嵌合孔235に嵌合させることにより、ブロック230間の位置決めを行うことができる。係合溝236は、第1サイドシェル24を収容する溝である。係合溝236は、ブロック230一つあたり一つ以上設けられていてもよい。例えば、係合溝236は、Y軸方向において所定の間隔で複数設けられている。
【0042】
図8は、第1サイドシェル24による連結を例示する側面図である。第1サイドシェル24は、櫛状の形状を有する。第1サイドシェル24は、例えば金属板により形成される。第1サイドシェル24は、連結板241と、突起部242とを備える。連結板241は、細長い板状の形状を有しており、Y軸方向に平面状に広がる。突起部242は、嵌合方向において、複数のブロック230の係合溝236に向かって突出する。突起部242は、係合溝236の数に対応するように設けられる。例えば、突起部242は、Y軸方向において所定の間隔で複数設けられている。複数の突起部242は、嵌合方向に沿った軸線K1ごとに、複数の係合溝236に対して圧入によってそれぞれ収容される。
【0043】
[相手コネクタ]
図9は、相手コネクタ3の平面図である。図9は、嵌合方向において上下が反転された状態で示されている。すなわち、図9は、嵌合方向に沿って電気コネクタ2から見た平面視に対応する。相手コネクタ3は、例えばプラグコネクタであり、第2基板300に実装される。第2基板300は、例えばプリント基板である。第2基板300には、それぞれ図示しない複数のシグナル導体及び複数のグランド導体が形成されている。相手コネクタ3は、一対の第2コンタクト31と、第2シェル32と、第2ハウジング33と、一対の第2サイドシェル34とを備える。相手コネクタ3は、それぞれが一対の第2コンタクト31と第2シェル32とを含む複数の第2ユニット30を備える。
【0044】
一対の第2コンタクト31は、導電性の例えば金属板により形成され、第2基板300のシグナル導体に電気的に接続される。一対の第2コンタクト31は、複数種類の差動信号を伝送する。複数種類の差動信号は、例えば高速信号及び低速信号である。一対の第2コンタクト31は、X軸方向に沿って互いに離間して並んで配置されている。
【0045】
第2シェル32は、導電性の例えば金属板により形成され、第2基板300のグランド導体に電気的に接続される。第2シェル32は、嵌合方向に沿った軸線Lの軸まわりに一対の第2コンタクト31の周囲の一部を覆う。例えば、第2シェル32は、X軸方向における二方向及びY軸方向における一方向から一対の第2コンタクト31の周囲を覆う。換言すると、第2シェル32は、筒状ではない。
【0046】
第2ハウジング33は、絶縁性の例えば樹脂により形成され、一対の第2コンタクト31と第2シェル32とを絶縁状態で保持する。第2ハウジング33は、複数の第2ユニット30を保持する。第2ハウジング33は、それぞれが複数の第2ユニット30をX軸方向に沿って保持し、且つY軸方向に沿って並んで配置される複数のブロック330を備える。嵌合方向から見ると、各ブロック330は、凹型に近似する形状を有する。
【0047】
複数の第2ユニット30は、嵌合方向に直交する方向と一対の第2コンタクト31の配列方向に直交する方向とに沿って配置され、かつ、一対の第2コンタクト31の配列方向に沿って配置されている。すなわち、複数の第2ユニット30は、Y軸方向及びX軸方向に沿って配置されている。複数の第2ユニット30の個数は限定されない。一例では、複数の第2ユニット30の個数は60個であってもよい。この場合、X軸方向に沿って並んだ10個の第2ユニット30が、Y軸方向に沿って6セット並んでいてもよい。X軸方向に隣り合う複数の第2ユニット30の間の間隔D3は、Y軸方向に隣り合う複数の第2ユニット30の間の間隔D4より小さくてもよい。
【0048】
一対の第2サイドシェル34は、導電性の例えば金属板により形成され、第2ハウジング33の複数のブロック330をY軸方向に沿って連結する連結部材である。一対の第2サイドシェル34は、複数のブロック330のX軸方向の両端に配置される。一対の第2サイドシェル34は、複数のブロック330のそれぞれに係合することにより、複数のブロック330を連結する。
【0049】
図10の(a)は、一対の第2コンタクト31の外観を例示する斜視図である。図10の(b)は、一対の第2コンタクト31の外観を例示する平面図である。図10の(c)は、一対の第2コンタクト31の外観を例示する側面図である。図10の(d)は、一対の第2コンタクト31の外観を例示する底面図である。
【0050】
図10の(c)に示されるように、配列方向から見ると、一対の第2コンタクト31はZ軸方向に沿って延伸している。配列方向から見ると、一対の第2コンタクト31は、S字状に近似する形状を有する。一対の第2コンタクト31は、例えば打ち抜いた金属板に曲げ加工等を施すことにより形成される。一対の第2コンタクト31は、第2接触部311と、第2接続脚部312と、第2連結部313とを備える。
【0051】
第2接触部311は、Z軸方向に沿って広がる平板状の形状を有する。第2接続脚部312は、第2基板300に沿って延び、第2基板300のシグナル導体に電気的に接続される。第2連結部313は、Z軸方向に沿って延伸し、第2接触部311と第2接続脚部312とを連結する。
【0052】
図11の(a)は、第2シェル32の外観を例示する斜視図である。図11の(b)は、第2シェル32の外観を例示する平面図である。図11の(c)は、第2シェル32の外観を例示する側面図である。図11の(d)は、第2シェル32の外観を例示する底面図である。
【0053】
図11の(b)及び(d)に示されるように、嵌合方向から見ると、第2シェル32は、いわゆるU字型又はH字型の形状を有する。第2シェル32は、例えば打ち抜いた金属板に曲げ加工等を施すことにより形成される。第2シェル32は、互いに対向する一対の第2側面321と、一対の第2側面321を連結する第2連結面322とを備える。第2シェル32は、第2連結面322に対向する面を有しない。
【0054】
図11の(a)に示されるように、一対の第2側面321は、Y軸方向及びZ軸方向に広がる平板状の形状を有する。一対の第2側面321は、第2基板300に対向し、Y軸方向に沿って形成されたグランド接続部321aを備える。グランド接続部321aは、第2基板300のグランド導体に電気的に接続される。一対の第2側面321は、第2基板300から離れるように突出する一対の突出部323を備える。
【0055】
一対の突出部323は、いわゆる板ばねとして機能する。一対の突出部323は、嵌合方向に沿って第2基板300から離れるにつれてX軸方向において互いに離間するように湾曲する。一対の突出部323は、それぞれ基部323aと、接触部323bと、先端部323cとを備える。基部323a、接触部323b及び先端部323cは、第2基板300から離れるように、この順に設けられている。基部323a同士は、互いに離間するように傾斜する。接触部323b同士は、互いに最も離間する部分である。先端部323c同士は、互いに近接するように傾斜する。突出部323は、先端部323cから基部323aに向かって漸次幅広となるように形成されている。すなわち、突出部323は第1基板200に向かった幅広となっている。
【0056】
第2連結面322は、X軸方向及びZ軸方向に広がる平板状の形状を有する。第2連結面322は、X軸方向の両端において一対の第2側面321を連結する。第2連結面322は、第2基板300に対向し、X軸方向に沿って形成されたグランド接続部322aを備える。グランド接続部322aは、第2基板300のグランド導体に電気的に接続される。
【0057】
図12の(a)は、第2ユニット30の外観を例示する斜視図である。図12の(b)は、第2ユニット30の外観を例示する平面図である。図12の(c)は、第2ユニット30の外観を例示する側面図である。図12の(d)は、第2ユニット30の外観を例示する底面図である。
【0058】
一対の第2側面321は、一対の第2コンタクト31の配列方向において一対の第2コンタクト31を挟むように対向している。一対の第2側面321は、一対の第2コンタクト31の配列方向において一対の第2コンタクト31を覆うように配置される。図12の(b)に示されるように、一対の第2側面321のY軸方向における全長は、一対の第2コンタクト31のY軸方向における全長よりも長い。グランド接続部321aのY軸方向における全長は、第2接続脚部312のY軸方向における全長よりも長い。
【0059】
突出部323は、一対の第2コンタクト31の配列方向において一対の第2コンタクト31の第2接触部311に対向している。突出部323は、一対の第2コンタクトの配列方向において第2接触部311を覆うように配置される。図12の(c)に示されるように、一対の第2側面321のZ軸方向における全長は、一対の第2コンタクト31のZ軸方向における全長よりも長い。
【0060】
図13及び図14を参照して、第2ハウジング33について説明する。図13は、相手コネクタ3の外観の一部を拡大して例示する拡大平面図である。図14は、相手コネクタ3の外観の一部を拡大して例示する拡大底面図である。嵌合方向から見ると、第2ハウジング33は長方形に近似する形状を有する。第2ハウジング33の各ブロック330は、第2基板300に沿って平面状に広がる主面330a及び裏面330bを備える。
【0061】
主面330aは、電気コネクタ2との嵌合時に電気コネクタ2に対向する面である。裏面330bは、第2基板300に対向する面である。各ブロック330には、複数の第2ユニット30のそれぞれに対応して、主面330aと裏面330bとを繋ぐように、柱状部331と、係合溝335とが形成されている。柱状部331には、主面330aと裏面330bとを繋ぐように貫通した孔332が形成されている。また、柱状部331には、X軸方向に直交するように設けられた一対の側面333が設けられている。各ブロック330は、X軸方向の両端において、主面330aを基端として第2基板300から離れるように突出する嵌合突起334を備える。
【0062】
柱状部331は、一対の第2コンタクト31の配置に沿って、例えばインサート成型により角柱状に形成される。柱状部331は、一対の第2コンタクト31の第2連結部313を収容し、裏面330bから一対の第2コンタクト31の第2接続脚部312を露出させる。孔332は、第2シェル32の一部を収容する孔である。具体的には、孔332は、第2連結面322の一部を収容し、裏面330bからグランド接続部322aを露出させる。一対の側面333は、第2シェル32の一対の第2側面321に接触する。嵌合突起334は、柱状の形状を有する。嵌合突起334は、先端と側面とを繋ぐ曲面334aを有する。主面330aから嵌合突起334の先端までの長さは、主面330aから第2ユニット30の先端(先端部323c)までの長さよりも長くてもよい。換言すると、嵌合突起334は、第2ユニット30よりも突き出ていてもよい。嵌合突起334は、電気コネクタ2との嵌合時に嵌合孔235と嵌合する。すなわち、嵌合突起334及び嵌合孔235は、電気コネクタ2と相手コネクタ3との嵌合時のガイドとして機能する。嵌合突起334の曲面334aは、第1ハウジング23の嵌合孔235の近傍の主面230aと接触したときに摺動して、嵌合突起334と嵌合孔235との位置合わせを行ってもよい。係合溝335は、第2サイドシェル34を収容する溝である。係合溝335は、ブロック330一つあたり一つ以上設けられていてもよい。例えば、係合溝335は、Y軸方向において所定の間隔で複数設けられている。
【0063】
図15は、第2サイドシェル34による連結を例示する側面図である。第2サイドシェル34は、櫛状の形状を有する。第2サイドシェル34は、例えば金属板により形成される。第2サイドシェル34は、連結板341と、突起部342とを備える。連結板341は、細長い板状の形状を有しており、Y軸方向に平面状に広がる。突起部342は、嵌合方向において、複数のブロック330の係合溝335に向かって突出する。突起部342は、係合溝335の数に対応するように設けられる。例えば、突起部342は、Y軸方向において所定の間隔で複数設けられている。複数の突起部342は、嵌合方向に沿った軸線K2ごとに、複数の係合溝236に対して圧入によってそれぞれ収容される。
【0064】
[嵌合状態]
図16図19を参照して、電気コネクタ2と相手コネクタ3との嵌合状態(以下、「嵌合状態」という。)の詳細を説明する。図16は、嵌合状態における第1ユニット20及び第2ユニット30の外観を例示する斜視図である。図17は、嵌合状態における第1ユニット20及び第2ユニット30の外観を例示する平面図である。図18は、図17のxviii-xviii線に沿う断面を示す断面図である。図19は、図17のxix-xix線に沿う断面を示す断面図である。図16図19では、第1ハウジング23、第2ハウジング33、第1基板200及び第2基板300の図示が省略されている。
【0065】
図16に示されるように、嵌合状態において、第1連結面222は、第2接続脚部312に対向していない。換言すると、第1連結面222は、第2接続脚部312を開放している。第2連結面322は、第1接続脚部212に対向していない。換言すると、第2連結面322は、第1接続脚部212を開放している。嵌合状態において、嵌合方向、及び一対の第1コンタクト21の配列方向に直交する方向から見ると、第1連結面222と第2連結面322とが互いに対向していない。すなわち、Y軸方向において、第1連結面222と第2連結面322とが互いに対向していない。嵌合状態において、第1連結面222は、第2シェル32に接触していない。
【0066】
図17に示されるように、嵌合状態において嵌合方向から見ると、第1シェル22及び第2シェル32に囲まれた領域Rが形成されている。領域Rは、嵌合状態において嵌合方向から見ると、第1シェル22の第1連結面222と、第2シェル32の第2連結面322とが互いに対向するように嵌合されることによって形成されている。嵌合状態において嵌合方向から見ると、一対の第1コンタクト21は、第1シェル22及び第2シェル32に囲まれた領域Rの外において第1基板200のシグナル導体に電気的に接続される。より具体的には、嵌合状態において嵌合方向から見ると、一対の第1コンタクト21は、第2連結面322と第1基板200との間を通って第1シェル22及び第2シェル32に囲まれた領域Rの外に延びて、第1基板200のシグナル導体に電気的に接続される。嵌合状態において嵌合方向から見ると、一対の第2コンタクト31は、領域Rの中において第2基板300のシグナル導体に電気的に接続される。
【0067】
嵌合状態において嵌合方向から見ると、領域Rの中において一対の第1コンタクト21と一対の第2コンタクト31とが接触する。図18に示されるように、嵌合状態において、一対の第1コンタクト21と一対の第2コンタクト31とが接触し、コンタクト接触部Cを形成する。コンタクト接触部Cは、一対の第1コンタクト21の第1接触部211と一対の第2コンタクト31の第2接触部311との接触箇所である。嵌合状態において、第1接触部211は、第2接触部311を挟んで第2連結面322と対向していない。
【0068】
第1接続脚部212における第1基板200との接触箇所には、はんだ付けが行われる。第1基板200とコンタクト接触部Cとの間の距離D5は、第1接続脚部212における第1基板200との接触箇所とコンタクト接触部Cとの間の距離D6よりも小さい。これにより、第1接続脚部212と第1基板200との間に付されたはんだがコンタクト接触部Cに到達するという、いわゆるはんだ上がりを防止できる。
【0069】
図17に戻り、嵌合状態において嵌合方向から見ると、第1シェル22及び第2シェル32は、一対の第1コンタクト21と一対の第2コンタクト31とが接触するコンタクト接触部Cを軸線Lの軸まわりに囲む。より具体的には、嵌合状態において嵌合方向から見ると、一対の第1側面221、一対の第2側面321、第1連結面222及び第2連結面322は、コンタクト接触部Cを軸線Lの軸まわりに囲む。換言すると、嵌合状態において嵌合方向から見ると、コンタクト接触部Cは、第1シェル22及び第2シェル32に囲まれた領域Rの中に形成される。
【0070】
一対の第1側面221は、一対の第1コンタクト21の配列方向において、第1接続脚部212を挟むように対向している。一対の第2側面321は、一対の第2コンタクト31の配列方向において、第2接続脚部312を挟むように対向している。嵌合状態において、一対の第1側面221が、一対の第1コンタクト21の配列方向においてコンタクト接触部Cを挟むように対向すると共に、一対の第2側面321が、一対の第2コンタクト31の配列方向においてコンタクト接触部Cを挟むように対向する。
【0071】
嵌合状態において、第1接続脚部212と第2接続脚部312とは、互いに離れる方向に向かって延びている。例えば、第1接続脚部212はY軸の正方向に延びており、第2接続脚部312は、Y軸の負方向に延びている。
【0072】
図19に示されるように、嵌合状態において、第1シェル22は第2シェル32を挟むように接触し、シェル接触部Sを形成する。シェル接触部Sは、第1シェル22の一対の第1側面221と第2シェル32の一対の第2側面321との接触箇所である。より具体的には、シェル接触部Sは、一対の第1側面221と一対の第2側面321の一対の突出部323との接触箇所である。シェル接触部Sは、コンタクト接触部Cよりも第1基板200に近い。
【0073】
一対の突出部323は、弾性変形して一対の第1側面221に接触する。嵌合時において、一対の突出部323の先端部323cは、第1シェル22と接触し、傾斜に合わせて摺動することにより位置合わせのガイドとして機能する。一対の突出部323の接触部323bは、一対の第1側面221を押圧するように接触する。
【0074】
[まとめ]
以上の例示は、以下の構成を含む。
(1)第1基板200に実装される電気コネクタ2と、第2基板300に実装され、電気コネクタ2に嵌合される相手コネクタ3とを備えるコネクタ装置1であって、電気コネクタ2は、第1基板200のシグナル導体に電気的に接続される導電性の一対の第1コンタクト21と、第1基板200のグランド導体に電気的に接続され、電気コネクタ2と相手コネクタ3との嵌合方向に沿った軸線Lの軸まわりに一対の第1コンタクト21の周囲の一部を覆う導電性の第1シェル22と、一対の第1コンタクト21と第1シェル22とを絶縁状態で保持する第1ハウジング23と、を備え、相手コネクタ3は、第2基板300のシグナル導体に電気的に接続される導電性の一対の第2コンタクト31と、第2基板300のグランド導体に電気的に接続され、軸まわりに一対の第2コンタクト31の周囲の一部を覆う導電性の第2シェル32と、一対の第2コンタクト31と第2シェル32とを絶縁状態で保持する第2ハウジング33と、を備え、電気コネクタ2と相手コネクタ3との嵌合状態において、一対の第1コンタクト21が一対の第2コンタクト31に接触すると共に、第1シェル22が第2シェル32に接触し、嵌合状態において嵌合方向から見ると、第1シェル22及び第2シェル32は、一対の第1コンタクト21と一対の第2コンタクト31とが接触するコンタクト接触部Cを軸まわりに囲む、コネクタ装置1。
【0075】
電気コネクタ2では、第1シェル22が一対の第1コンタクト21の周囲の一部を軸まわりに覆っている。第1シェル22が一対の第1コンタクト21の周囲の全部を軸まわりに覆う場合と比較して、第1シェル22の簡素化を図ることができる。相手コネクタ3では、第2シェル32が一対の第2コンタクト31の周囲の一部を軸まわりに覆っている。第2シェル32が一対の第2コンタクト31の周囲の全部を軸まわりに覆う場合と比較して、第2シェル32の簡素化を図ることができる。嵌合状態において嵌合方向から見ると、第1シェル22及び第2シェル32がコンタクト接触部Cを軸まわりに囲んでいる。これにより、嵌合状態におけるシールド性能を向上させることができる。
【0076】
(2)第1シェル22は、互いに対向する一対の第1側面221と、一対の第1側面221を連結する第1連結面222とを備え、第2シェル32は、互いに対向する一対の第2側面321と、一対の第2側面321を連結する第2連結面322とを備え、嵌合状態において嵌合方向から見ると、一対の第1側面221、一対の第2側面321、第1連結面222及び第2連結面322は、コンタクト接触部Cを軸まわりに囲む、(1)のコネクタ装置1。第1シェル22は、一対の第1側面221及び第1連結面222により、いわゆるU字型又はH字型の形状を有する。第2シェル32は、一対の第2側面321及び第2連結面322により、いわゆるU字型又はH字型の形状を有する。このような第1シェル22及び第2シェル32の形状は、例えば打ち抜いた金属板に曲げ加工等を施すことにより容易に製造可能である。これにより、第1シェル22及び第2シェル32の簡素化を図ることができる。また、嵌合状態において嵌合方向から見ると、一対の第1側面221、一対の第2側面321、第1連結面222及び第2連結面322は、コンタクト接触部Cの周囲を軸まわりに囲む。これにより、嵌合状態におけるシールド性能を向上させることができる。
【0077】
(3)一対の第2側面321は、第2基板300から離れるように突出する一対の突出部323を備え、嵌合状態において、一対の突出部323は、一対の第1側面221に接触し、一対の突出部323と一対の第1側面221とが接触するシェル接触部Sは、コンタクト接触部Cよりも第1基板200に近い、(2)のコネクタ装置1。嵌合状態において、一対の突出部323が、コンタクト接触部Cよりも第1基板200に近い箇所で一対の第1側面221に接触している。第2基板300と第1基板200との間の距離を小さくすると共に、第2基板300から第1基板200に向かう方向において一対の突出部323の長さが大きくなることにより、一対の突出部323の弾性力を容易に確保することができる。
【0078】
(4)嵌合状態において嵌合方向から見ると、一対の第1コンタクト21は、第1シェル22及び第2シェル32に囲まれた領域の外において第1基板200のシグナル導体に電気的に接続される、(1)~(3)のいずれかのコネクタ装置1。第1シェル22及び第2シェル32に囲まれた領域内では、一対の第1コンタクト21が一対の第2コンタクト31と接触する。第1シェル22及び第2シェル32に囲まれた領域の外では、一対の第1コンタクト21が第1基板200のシグナル導体に電気的に接続される。すなわち、第1シェル22及び第2シェル32に囲まれた領域の内外に亘って一対の第1コンタクト21が形成されている。このような一対の第1コンタクト21では、一対の第2コンタクト31との接触箇所から第1基板200のシグナル導体との接触箇所までに亘る長さが大きくなることにより、一対の第1コンタクト21の弾性力を容易に確保することができる。
【0079】
(5)電気コネクタ2は、それぞれが一対の第1コンタクト21と第1シェル22とを含む複数の第1ユニットを備え、複数の第1ユニットは、嵌合方向に直交する方向と一対の第1コンタクト21の配列方向に直交する方向とに沿って配置され、かつ、一対の第1コンタクト21の配列方向に沿って配置されており、相手コネクタ3は、それぞれが一対の第2コンタクト31と第2シェル32とを含む複数の第2ユニットを備え、複数の第2ユニットは、嵌合方向に直交する方向と一対の第2コンタクト31の配列方向に直交する方向とに沿って配置され、かつ、一対の第2コンタクト31の配列方向に沿って配置されている、(1)~(4)のいずれかのコネクタ装置1。嵌合状態において、複数の第1ユニット及び複数の第2ユニットのそれぞれについてシールド性能を確保することができる。これにより、第1ユニット同士、及び第2ユニット同士の間隔D1,D2,D3及びD4を小さくすることができるので、電気コネクタ2及び相手コネクタ3の高密度化を図ることができる。
【0080】
(6)一対の第1コンタクト21は、第1基板200に沿って延び、第1基板200のシグナル導体に電気的に接続される第1接続脚部212を備え、一対の第2コンタクト31は、第2基板300に沿って延び、第2基板300のシグナル導体に電気的に接続される第2接続脚部312を備え、嵌合状態において、第1接続脚部212と第2接続脚部312とは、互いに離れる方向に向かって延びている、(2)又は(3)のコネクタ装置1。第1接続脚部212と第2接続脚部312とが互いに離れる方向に延びている。第1接続脚部212と第2接続脚部312とが互いに離間することにより、第1接続脚部212と第2接続脚部312とが互いに与える影響を抑制することができる。
【0081】
(7)一対の第1側面221は、一対の第1コンタクト21の配列方向において、第1接続脚部212を挟むように対向し、一対の第2側面321は、一対の第2コンタクト31の配列方向において、第2接続脚部312を挟むように対向し、嵌合状態において、一対の第1側面221が、一対の第1コンタクト21の配列方向においてコンタクト接触部Cを挟むように対向すると共に、一対の第2側面321が、一対の第2コンタクト31の配列方向においてコンタクト接触部Cを挟むように対向する、(6)のコネクタ装置1。これにより、一対の第1コンタクト21及び一対の第2コンタクト31の配列方向におけるシールド性能を向上させることができる。
【0082】
(8)嵌合状態において、第1連結面222は、第2接続脚部312に対向しておらず、第2連結面322は、第1接続脚部212に対向していない、(6)又は(7)のコネクタ装置1。嵌合状態において、第1連結面222は第2接続脚部312を開放し、第2連結面322は第1接続脚部212を開放している。これにより、第1接続脚部212及び第2接続脚部312の視認性が向上する。
【0083】
(9)嵌合状態において嵌合方向から見ると、一対の第1コンタクト21は、第2連結面322と第1基板200との間を通って第1シェル22及び第2シェル32に囲まれた領域の外に延びて、第1基板200のシグナル導体に電気的に接続される、(2)又は(3)のコネクタ装置1。一対の第1コンタクト21が第2連結面322と第1基板200との間を通って形成されている。すなわち、第1シェル22及び第2シェル32に囲まれた領域の内外に亘って一対の第1コンタクト21が形成されている。このような一対の第1コンタクト21では、一対の第2コンタクト31との接触箇所から第1基板200のシグナル導体との接触箇所までに亘る長さが大きくなることにより、一対の第1コンタクト21の弾性力を容易に確保することができる。
【0084】
(10)嵌合状態において、嵌合方向に直交する方向であり、かつ、一対の第1コンタクト21の配列方向に直交する方向から見ると、第1連結面222と第2連結面322とが互いに対向していない、(2)又は(3)のコネクタ装置1。この場合、一対の第1コンタクト21及び一対の第2コンタクト31の視認性が向上する。
【0085】
(11)第1ハウジング23には、相手コネクタ3との嵌合時に相手コネクタ3に対向する主面230aと、第1基板200に対向する裏面230bとを繋ぐように貫通した嵌合孔235が形成されており、第2ハウジング33には、電気コネクタ2との嵌合時に電気コネクタ2に対向する主面330aを基端として、第2基板300から離れるように突出する嵌合突起334が形成されており、嵌合状態において、嵌合孔235と嵌合突起334とが嵌合する、(1)~(10)のいずれかのコネクタ装置1。この場合、嵌合突起334及び嵌合孔235は、電気コネクタ2と相手コネクタ3との嵌合時のガイドとして機能する。その結果、第1コンタクト21と第2コンタクト31との接触の信頼性を向上させることができる。
【0086】
(12)第1基板200に実装され、第2基板300に実装された相手コネクタ3と嵌合される電気コネクタ2であって、第1基板200のシグナル導体に電気的に接続される一対の第1コンタクト21と、第1基板200のグランド導体に電気的に接続され、電気コネクタ2と相手コネクタ3との嵌合方向に沿った軸線Lの軸まわりに一対の第1コンタクト21の周囲の一部を覆う第1シェル22と、一対の第1コンタクト21と第1シェル22とを絶縁状態で保持するハウジング(第1ハウジング23)と、を備え、相手コネクタ3との嵌合状態において、一対の第1コンタクト21が相手コネクタ3の一対の第2コンタクト31に接触すると共に、第1シェル22が相手コネクタ3の第2シェル32に接触し、嵌合状態において嵌合方向から見ると、第1シェル22及び第2シェル32は、一対の第1コンタクト21と一対の第2コンタクト31とが接触するコンタクト接触部Cを軸まわりに囲む、電気コネクタ2。
【0087】
電気コネクタ2では、第1シェル22が一対の第1コンタクト21の周囲の一部を軸まわりに覆っている。第1シェル22が一対の第1コンタクト21の周囲の全部を軸まわりに覆う場合と比較して、第1シェル22の簡素化を図ることができる。相手コネクタ3との嵌合状態において嵌合方向から見ると、第1シェル22及び第2シェル32がコンタクト接触部Cを軸まわりに囲んでいる。これにより、嵌合状態におけるシールド性能を向上させることができる。
【0088】
[変形例]
以上、実施形態について説明したが、本開示は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0089】
上記実施形態では、電気コネクタ2がリセプタクルコネクタである例を説明したが、電気コネクタ2はプラグコネクタであってもよい。この場合、相手コネクタ3はリセプタクルコネクタであってもよい。この場合においても、本開示のコネクタ装置1、電気コネクタ2及び相手コネクタ3によれば、シェルの簡素化が可能となる。
【0090】
上記実施形態では、複数のブロック230及び複数のブロック330が同一の向きに配置されているが、これに限られない。例えば、複数のブロック230及び複数のブロック330が異なる向きに配置されていてもよい。複数のブロック230及び複数のブロック330は、異なる構成のブロックを備えていてもよい。例えば、複数のブロック230は、第1シェル22を保持せずに、複数の第1コンタクト21を保持してもよい。複数のブロック330は、第2シェル32を保持せずに、複数の第2コンタクト31を保持してもよい。
【0091】
図20は、変形例に係るコネクタ装置1Aの外観を例示する斜視図である。コネクタ装置1Aは、電気コネクタ2Aと、相手コネクタ3Aとを備える点でコネクタ装置1とは異なる。以下、コネクタ装置1Aについて、コネクタ装置1と異なる点について説明する。電気コネクタ2Aは、第1サイドシェル24の代わりに第1フレーム24Aを備える。相手コネクタ3Aは、第2サイドシェル34の代わりに第2フレーム34Aを備える。
【0092】
第1フレーム24Aは、第1ハウジング23の複数のブロック230をY軸方向に沿って連結する連結部材である。第1フレーム24Aは、複数のブロック230のX軸方向及びY軸方向を囲む枠状の形状を有する。第1フレーム24Aは、複数のブロック230のそれぞれに係合することにより、複数のブロック230を連結する。第1フレーム24Aは、例えば樹脂により形成される。例えば、第1フレーム24Aは、複数のブロック230を並べて位置決めした後、第1フレーム24Aを象ったキャビティを有する金型に収め、該キャビティに樹脂を注入することにより形成される。
【0093】
第2フレーム34Aは、第2ハウジング33の複数のブロック330をY軸方向に沿って連結する連結部材である。第2フレーム34Aは、複数のブロック330のX軸方向及びY軸方向を囲む枠状の形状を有する。第2フレーム34Aは、複数のブロック330のそれぞれに係合することにより、複数のブロック330を連結する。第2フレーム34Aは、例えば樹脂により形成される。例えば、第2フレーム34Aは、複数のブロック330を並べて位置決めした後、第2フレーム34Aを象ったキャビティを有する金型に収め、該キャビティに樹脂を注入することにより形成される。
【0094】
図21の(a)は、変形例に係る第1ユニット20Aの外観を例示する斜視図である。図21の(b)は、変形例に係る第1ユニット20Aの外観を例示する平面図である。図21の(c)は、変形例に係る第1ユニット20Aの外観を例示する側面図である。図21の(d)は、変形例に係る第1ユニット20Aの外観を例示する底面図である。第1ユニット20Aは、第1シェル22の代わりに第1シェル22Aを備える点で第1ユニット20とは異なる。以下、第1ユニット20Aについて、第1ユニット20と異なる点について説明する。第1ユニット20Aは、一対の第1上面223を備える。
【0095】
一対の第1上面223は、一対の第1側面221のそれぞれの上端を基端として、互いに近付くように広がる平板状の形状を有する。例えば、一対の第1上面223は、一方の第1側面221の上端から他方の第1側面221に向かって屈曲して、互いに対向するように形成される。一対の第1上面223は、嵌合方向において、一対の第1コンタクト21のそれぞれの第1連結部213の上方に配置される。一対の第1上面223は、第1連結部213を挟むように第1基板200と対向する。一対の第1上面223は、嵌合方向において、第1接触部211の上方には位置していない。すなわち、一対の第1上面223は、第1接触部211には対向していない。このような構成によれば、第1ユニット20Aの遮蔽性が向上する。
【符号の説明】
【0096】
1,1A…コネクタ装置、2,2A…電気コネクタ、3,3A…相手コネクタ、20…第1ユニット、21…第1コンタクト、22…第1シェル、23…第1ハウジング、24…第1サイドシェル、30…第2ユニット、31…第2コンタクト、32…第2シェル、33…第2ハウジング、34…第2サイドシェル、200…第1基板、211…第1接触部、212…第1接続脚部、213…第1連結部、221…第1側面、222…第1連結面、223…第1上面、235…嵌合孔、236…係合溝、300…第2基板、311…第2接触部、312…第2接続脚部、313…第2連結部、321…第2側面、322…第2連結面、323…突出部、334…嵌合突起、335…係合溝、24A…第1フレーム、34A…第2フレーム、C…コンタクト接触部、L…軸線、R…領域、S…シェル接触部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21