(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087272
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】制御装置、コンピュータプログラム、および制御方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20240624BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20240624BHJP
【FI】
G01C21/36
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202007
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 翔吾
【テーマコード(参考)】
2F129
3D344
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129HH02
2F129HH12
2F129HH14
3D344AA30
3D344AB01
3D344AC25
3D344AD01
(57)【要約】
【課題】表示装置と連携する制御の機能拡張に係る自由度を高める。
【解決手段】入力インタフェース11は、第一機能を実行可能な第一装置31から入力信号IPを受け付ける。プロセッサ12は、入力信号IPに基づいて、前記第一機能の実行に係る第一情報および第二機能の実行に係る第二情報を含む画像を、表示装置21に表示させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と連携する制御を行なう制御装置であって、
第一機能を実行可能な外部装置から入力信号を受け付けるインタフェースと、
前記入力信号に基づいて、前記第一機能の実行に係る第一情報および第二機能の実行に係る第二情報を含む画像を、前記表示装置に表示させるプロセッサと、
を備えている、
制御装置。
【請求項2】
前記インタフェースは、
前記第一情報に基づくユーザ指示に対応する第一指示信号と、
前記第二情報に基づくユーザ指示に対応する第二指示信号と、
を受け付け可能であり、
前記プロセッサは、前記第一指示信号に基づいて前記外部装置に前記第一機能を実行させ、前記第二指示信号に基づいて前記第二機能を実行する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第一指示信号と前記第二指示信号は、前記表示装置から出力される、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記表示装置とともに移動体に搭載される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
表示装置と連携する制御を行なう制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
第一機能を実行可能な外部装置から入力信号を受け付け、
前記入力信号に基づいて、前記第一機能の実行に係る第一情報および第二機能の実行に係る第二情報を含む画像を、表示装置に表示させる、
コンピュータプログラム。
【請求項6】
表示装置と連携して行なわれる制御方法であって、
第一機能を実行可能である外部装置から制御装置へ入力信号を入力し、
前記制御装置により、前記入力信号に基づいて、前記第一機能の実行に係る第一情報および第二機能の実行に係る第二情報を含む画像を、前記表示装置に表示させる、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置と連携する制御を行なう装置および方法に関連する。本開示は、当該制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムにも関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ドライブレコーダやナビゲーション装置などの装置が車両に後付けされることによって表示装置と連携する制御の機能拡張がなされる構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示装置と連携する制御の機能拡張に係る自由度を高めることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示により提供される態様例の一つは、表示装置と連携する制御を行なう制御装置であって、
第一機能を実行可能な外部装置から入力信号を受け付けるインタフェースと、
前記入力信号に基づいて、前記第一機能の実行に係る第一情報および第二機能の実行に係る第二情報を含む画像を、前記表示装置に表示させるプロセッサと、
を備えている。
【0006】
本開示により提供される態様例の一つは、表示装置と連携する制御を行なう制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
第一機能を実行可能な外部装置から入力信号を受け付け、
前記入力信号に基づいて、前記第一機能の実行に係る第一情報および第二機能の実行に係る第二情報を含む画像を、表示装置に表示させる。
【0007】
本開示により提供される態様例の一つは、表示装置と連携して行なわれる制御方法であって、
第一機能を実行可能である外部装置から制御装置へ入力信号を入力し、
前記制御装置により、前記入力信号に基づいて、前記第一機能の実行に係る第一情報および第二機能の実行に係る第二情報を含む画像を、前記表示装置に表示させる。
【0008】
外部装置において当初実行可能でなかった機能や、外部装置とは異なる装置により実行可能である機能を利用できるようにしたいという機能拡張のニーズが存在する。上記の各態様例に係る構成によれば、外部装置からの入力信号に制御装置を経由させることにより、外部装置において本来実行可能である第一機能の実行に係る情報に加えて、機能拡張に係る第二機能の実行に係る情報を、表示装置を通じてユーザに提示できる。
【0009】
このような表示を可能にするために、外部装置と表示装置の各々が本来備えている機能を実行するための構成を変更したり、外部装置と表示装置の少なくとも一方を交換したりする必要がないので、表示装置と連携する制御の機能拡張に係る自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る制御装置の機能構成を例示している。
【
図2】
図1の装置が搭載される車両の車室を例示している。
【
図3】
図2の表示装置に表示される画像の一例を示している。
【
図4】
図2の表示装置に表示される画像の別例を示している。
【
図5】
図2の表示装置に表示される画像の別例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付の図面を参照しつつ、実施形態例について以下詳細に説明する。以下の説明に用いられる各図面においては、各要素を認識可能な大きさとするために縮尺が適宜変更されている。
【0012】
図1は、一実施形態に係る制御装置10の機能構成を例示している。制御装置10は、
図2に例示される車両20における適宜の位置に搭載される。
【0013】
車両20は、表示装置21を備えている。本例においては、表示装置21は、運転席の前方に配置されている。しかしながら、表示装置21は、車両20の前部中央に位置するセンタクラスタに設置されてもよい。あるいは、表示装置21は、車両20のフロントガラスに画像を投影するヘッドアップディスプレイ装置であってもよい。表示装置21は、車両20において実行される様々なアプリケーションに対応する画面を表示可能な汎用の表示装置である。
【0014】
図1に例示されるように、制御装置10は、入力インタフェース11を備えている。入力インタフェース11は、第一装置31から入力信号IPを受け付けるハードウェアインタフェースとして構成されている。第一装置31は、外部装置の一例である。
【0015】
第一装置31は、第一機能を実行可能に構成されている。第一機能は、表示装置21との連携を伴う機能である。入力信号IPは、第一機能の実行に係る第一情報を表示装置21に表示させるためのデータを含むように構成されている。第一機能の例としては、カーナビゲーション機能、映像音響機器の制御機能、バックモニタの制御機能、ドアの自動開閉機能などが挙げられる。第一装置31は、車両20に設置された装置であってもよいし、車両20の乗員により携帯可能なモバイル装置であってもよい。
【0016】
入力信号IPは、第一装置31の仕様に応じてデジタル信号であってもよいし、アナログ信号であってもよい。入力信号IPがアナログ信号である場合、入力インタフェース11は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。この説明は、後述される入力インタフェース11が受け付け可能な他の信号についても同様に適用される。
【0017】
制御装置10は、プロセッサ12を備えている。プロセッサ12は、第一機能とは異なる第二機能を実行可能に構成されている。上記した第一機能の各例は、第二機能の一例でもありうる。第二機能は、第一装置31において事後的に実行可能とされた機能であってもよいし、第一装置31においては実行できない機能であってもよい。
【0018】
一例として、第二機能は、第一装置31とは異なる第二装置32において実行される機能でありうる。第二装置32は、車両20に設置された装置であってもよいし、車両20の乗員により携帯可能なモバイル装置であってもよい。第二装置32もまた、外部装置の一例である。別例として、第二機能は、外部装置を必要とすることなく制御装置10内で完了する処理でありうる。
【0019】
制御装置10は、出力インタフェース13を備えている。プロセッサ12は、入力インタフェース11が入力信号IPを受け付けると、出力インタフェース13から表示装置21へ表示制御信号DCを出力するように構成されている。すなわち、出力インタフェース13は、表示制御信号を出力可能なハードウェアインタフェースとして構成されている。
【0020】
表示制御信号DCは、表示装置21の仕様に応じてデジタル信号であってもよいし、アナログ信号であってもよい。表示制御信号DCがアナログ信号である場合、出力インタフェース13は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。この説明は、後述される出力インタフェース13が出力可能な他の信号についても同様に適用される。
【0021】
表示制御信号DCは、上記の第一情報に加えて第二機能の実行に係る第二情報を含む画像を、表示装置21に表示させるように構成されている。すなわち、プロセッサ12は、入力信号IPに基づいて、第一情報と第二情報を含む画像を表示装置21に表示させる。
【0022】
図3は、表示制御信号DCに基づいて表示装置21に表示される画像22の一例を示している。画像22は、第一部分221と第二部分222を含んでいる。
【0023】
第一部分221は、第一装置31により実行可能な第一機能に係る情報を含んでいる。当該情報は、第一機能の一覧を含みうる。第一機能の一覧は、文字、記号、図形、図像などの少なくとも一つを用いてなされうる。表示装置21がタッチパネル式ディスプレイとして構成されている場合、第一部分221は、所望の第一機能を実行させる指示を受け付けるユーザインタフェースの一部を構成しうる。
【0024】
第二部分222は、第二機能に係る情報を含んでいる。当該情報は、第二機能の一覧を含みうる。第二機能の一覧は、文字、記号、図形、図像などの少なくとも一つを用いてなされうる。表示装置21がタッチパネル式ディスプレイとして構成されている場合、第二部分222は、所望の第二機能を実行させる指示を受け付けるユーザインタフェースの一部を構成しうる。
【0025】
第一部分221の外観は、第一装置31からの入力信号IPが表示装置21へ直接的に入力された場合に表示される画像に基づいている。本例に係る画像22は、当該画像に第二部分222が重畳された状態に対応する外観を有している。
【0026】
換言すると、制御装置10のプロセッサ12は、第一装置31からの入力信号IPに基づく本来的な画像を表示装置21に表示させるための表示制御信号DCの出力態様を、第二部分222の表示を含めうるように変更している。
【0027】
第一装置31において当初実行可能でなかった機能や、第一装置31とは異なる装置により実行可能である機能を利用できるようにしたいという機能拡張のニーズが存在する。本実施形態に係る構成によれば、第一装置31からの入力信号IPに制御装置10を経由させることにより、第一装置31において本来実行可能である第一機能の実行に係る情報に加えて、機能拡張に係る第二機能の実行に係る情報を、表示装置21を通じて乗員に提示できる。
【0028】
このような表示を可能にするために、第一装置31と表示装置21の各々が本来備えている機能を実行するための構成を変更したり、第一装置31と表示装置21の少なくとも一方を交換したりする必要がないので、表示装置21と連携する制御の機能拡張に係る自由度を高めることができる。
【0029】
図4は、表示制御信号DCに基づいて表示装置21に表示される画像22の別例を示している。
図3を参照して説明した例と実質的に同一の要素については同一の参照符号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0030】
本例においては、第二部分222は第一部分221に重畳されておらず、第一部分221と隣り合うように配置されている。第一部分221の外観は、第一装置31からの入力信号IPが表示装置21へ直接に入力された場合に表示される外観に基づきつつも、第二部分222が画像22に含まれうるように大きさなどの変更がなされている。
【0031】
したがって、本例においても、プロセッサ12は、第一装置31からの入力信号IPに基づく本来的な画像を表示装置21に表示させるための表示制御信号DCの出力態様を、第二部分222の表示を含めうるように変更している。
【0032】
図1に例示されるように、表示装置21は、第一機能の実行に係る指示に応答して、第一指示信号IT1を出力するように構成されている。例えば、第一指示信号IT1は、タッチパネル式のユーザインタフェースを通じて当該指示を受け付けた第一部分221における位置を、情報として含むように構成される。第一指示信号IT1は、制御装置10の入力インタフェース11により受け付けられる。
【0033】
第一指示信号IT1は、表示装置21が本来的に備えている機能の枠組みの中で生成および出力がなされる。換言すると、第一指示信号IT1を出力可能にするための変更や改造は、表示装置21に対してなされていない。
【0034】
同様に、表示装置21は、第二機能の実行に係る指示に応答して、第二指示信号IT2を出力するように構成されている。例えば、例えば、第二指示信号IT2は、タッチパネル式のユーザインタフェースを通じて当該指示を受け付けた第二部分222における位置を、情報として含むように構成される。第二指示信号IT2は、制御装置10の入力インタフェース11により受け付けられる。
【0035】
第二指示信号IT2もまた、表示装置21が本来的に備えている機能の枠組みの中で生成および出力がなされる。換言すると、第二指示信号IT2を出力可能にするための変更や改造は、表示装置21に対してなされていない。
【0036】
第一指示信号IT1が入力インタフェース11により受け付けられた場合、プロセッサ12は、第一指示信号IT1に対応する第一機能を第一装置31に実行させる第一制御信号CS1を、出力インタフェース13から出力するように構成されている。
【0037】
第二指示信号IT2が入力インタフェース11により受け付けられた場合、プロセッサ12は、第二機能を実行するように構成されている。ここで用いられる「第二機能を実行する」という表現は、下記の通り、拡張に係る機能を実行する主体を指定することも含む意味である。
【0038】
第二機能が第一装置31により実行可能である場合、プロセッサ12は、第二機能を第一装置31に実行させる第二制御信号CS2を、出力インタフェース13から出力する。第二機能が第二装置32により実行可能である場合、プロセッサ12は、第二機能を第二装置32に実行させる第二制御信号CS2を、出力インタフェース13から出力する。第二機能が制御装置10内で完了するものである場合、第二制御信号CS2の出力はなされない。
【0039】
すなわち、乗員からの指示の入力に応答して表示装置21から出力される信号に制御装置10を経由させることにより、第一装置31における第一機能の実行、または然るべき主体による第二機能の実行がなされる。このような動作を実現するために、第一装置31と表示装置21の各々が本来備えている機能を実行するための構成を変更したり、第一装置31と表示装置21の少なくとも一方を交換したりする必要がないので、表示装置21との連携する制御の機能拡張に係る自由度を高めることができる。
【0040】
これまで説明した各種の機能を有する制御装置10のプロセッサ12は、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムがプリインストールされた記憶素子を備えたマイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの専用集積回路によって実現されうる。この場合、当該記憶素子は、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0041】
あるいは、プロセッサ12は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されうる。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたコンピュータプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。この場合、当該汎用メモリは、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。当該コンピュータプログラムは、汎用メモリにプリインストールされてもよいし、
図1に例示される通信装置23によって無線通信ネットワークを介して外部サーバ装置からダウンロードされた後、汎用メモリにインストールされてもよい。この場合、当該外部サーバ装置は、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0042】
プロセッサ12は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによって実現されてもよい。
【0043】
これまで説明した各構成は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。例示された各構成は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や他の構成との組合せがされうる。
【0044】
少なくとも第二機能の実行に係る指示は、必ずしもタッチパネル式の表示装置21を通じてなされることを要しない。
図5は、表示制御信号DCに基づいて表示装置21に表示される画像22の別例を示している。
図3を参照して説明した例と実質的に同一の要素については同一の参照符号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
【0045】
本例においては、画像22は、第一部分221と第二部分222Aを含んでいる。第二部分222Aは、対話型エージェントの外観を呈している。この場合、第二機能の実行に係る指示は、対話型エージェントに対する音声指示入力とジェスチャ指示入力の少なくとも一方を通じてなされうる。当該指示に基づく第二指示信号IT2は、音声指示入力とジェスチャ指示入力の少なくとも一方を予め受け付け可能である構成(不図示)から出力される。
【0046】
制御装置10は、車両20以外の移動体にも搭載されうる。そのような移動体の例としては、鉄道、航空機、船舶などが挙げられる。当該移動体は、運転者を必要としなくてもよい。
【0047】
機能拡張に伴う構成の追加や変更に対する制約がより強い移動体に搭載される場合において、上記の実施形態例に係る制御装置10の有利性は、より高まる。しかしながら、制御装置10は、必ずしも移動体に搭載されることを要しない。制御装置10は、住宅や施設に設置される適宜の表示装置との連携を伴う制御を行なうために使用されうる。
【符号の説明】
【0048】
10:制御装置、11:入力インタフェース、12:プロセッサ、20:車両、21:表示装置、22:画像、31:第一装置、32:第二装置、IP:入力信号、IT1:第一指示信号、IT2:第二指示信号