(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087287
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】貯湯給湯システム
(51)【国際特許分類】
F24H 1/18 20220101AFI20240624BHJP
F24H 15/296 20220101ALI20240624BHJP
F24H 15/457 20220101ALI20240624BHJP
F24H 15/421 20220101ALI20240624BHJP
F24H 15/172 20220101ALI20240624BHJP
【FI】
F24H1/18 G
F24H15/296
F24H15/457
F24H15/421
F24H15/172
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202030
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】木村 艶隆
【テーマコード(参考)】
3L122
【Fターム(参考)】
3L122AA02
3L122AA14
3L122AB22
3L122BA04
3L122BA14
3L122DA01
3L122DA15
3L122EA06
3L122EA50
(57)【要約】
【課題】日によって給湯使用量が大きく変動する場合でも適量の貯湯を行うことができる業務用の貯湯給湯システムを提供すること。
【解決手段】熱源機(2)と、貯湯運転により熱源機(2)で加熱された湯水を貯湯する貯湯タンク(3)と、貯湯運転を制御する制御装置(4) とを備えた貯湯給湯装置(1)と、通信網(10)を介して制御装置(4)と貯湯給湯装置(1)の運転情報を通信する外部サーバ(11)とで構成された業務用の貯湯給湯システム(20)において、外部サーバ(11)は、貯湯給湯装置(1)が設置された施設の業務管理システム(12)から通信網(10)を介して送信される当日の業務予定データ及び過去の業務実績データと、この業務実績データに対応する過去の運転情報に含まれる給湯使用量データとの相関関係に基づいて必要貯湯量を予測し、制御装置(4)は、この必要貯湯量に応じて、貯湯運転を制御するように構成した。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源機と、貯湯運転により前記熱源機で加熱された湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯運転を制御する制御装置とを備えた貯湯給湯装置と、通信網を介して前記制御装置と前記貯湯給湯装置の運転情報を通信する外部サーバとで構成された業務用の貯湯給湯システムにおいて、
前記外部サーバは、前記貯湯給湯装置が設置された施設の業務管理システムから前記通信網を介して当日の業務予定データ及び過去の業務実績データを取得し、この業務実績データと前記運転情報に含まれる給湯使用量データとの相関関係と前記業務予定データに基づいて必要貯湯量を予測し、
前記制御装置は、前記必要貯湯量に応じて、前記貯湯運転を制御することを特徴とする貯湯給湯システム。
【請求項2】
前記業務予定データ及び前記相関関係が時間帯毎に設定され、
前記外部サーバは、前記業務予定データに対応する時間帯毎の前記相関関係基づいて時間帯毎に前記必要貯湯量を予測し、
前記制御装置は、前記時間帯毎に予測された前記必要貯湯量に応じて、前記貯湯運転を制御することを特徴とする請求項1に記載の貯湯給湯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務で使用する大量の湯水の給湯に対応可能なように、貯湯運転によって加熱した湯水を貯湯タンクに貯湯しておき、この貯湯された湯水を給湯する貯湯給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、貯湯運転によって加熱した湯水を貯湯タンクに貯湯し、この貯湯タンクの湯水を給湯する貯湯給湯装置が一般家庭で利用されている。そして、過不足なく貯湯タンクに貯湯するために、例えば特許文献1のように、過去の給湯使用量に基づいて蓄熱量を制御する技術が知られている。
【0003】
一方、例えば工場や宿泊施設のように、業務において湯水が一度に大量に使用される場合がある施設では、少量の給湯から大量の給湯まで対応可能な給湯システムが利用されている。例えば複数の燃焼式の給湯器の作動台数を給湯要求能力に応じて増減させて給湯するマルチ給湯システムや、家庭用よりも規模が大きい業務用の貯湯給湯システムが利用されている。
【0004】
マルチ給湯システムの最大給湯能力は給湯器の台数で決まるので、最大給湯使用量に合わせて給湯器の台数を設定することになる。一方、貯湯給湯システムは、加熱された湯水が貯湯タンクに満たされるまで貯湯運転を行って、大量の給湯使用に備えることができるので、熱源機の給湯能力はマルチ給湯システムほど大きくなくてもよく、導入し易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
業務用の貯湯給湯システムでは、給湯使用量が日毎に変動する場合に、貯湯運転によって貯湯されても使用されずに無駄になる湯水がある。そこで特許文献1のように、過去の給湯使用量に基づいて貯湯量を制御することが考えられる。しかし、使用人数が定まっている家庭用とは異なり、業務用の貯湯給湯システムでは日によって給湯使用量が大きく変動する場合が多いので、過不足がないように貯湯することは困難である。
【0007】
そこで、本発明は、日によって給湯使用量が大きく変動する場合でも適量の貯湯を行うことができる業務用の貯湯給湯システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明の貯湯給湯システムは、熱源機と、貯湯運転により前記熱源機で加熱された湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯運転を制御する制御装置とを備えた貯湯給湯装置と、通信網を介して前記制御装置と前記貯湯給湯装置の運転情報を通信する外部サーバとで構成された業務用の貯湯給湯システムにおいて、前記外部サーバは、前記貯湯給湯装置が設置された施設の業務管理システムから前記通信網を介して当日の業務予定データ及び過去の業務実績データを取得し、この業務実績データと前記運転情報に含まれる給湯使用量データとの相関関係と前記業務予定データに基づいて必要貯湯量を予測し、前記制御装置は、前記必要貯湯量に応じて、前記貯湯運転を制御することを特徴としている。
【0009】
上記構成によれば、外部サーバは、貯湯給湯装置が設置された施設の業務管理システムから当日の業務予定データ及び過去の業務実績データを取得し、業務実績データと運転情報に含まれている給湯使用量データとの相関関係と当日の業務予定データに基づいて、必要貯湯量を予測する。貯湯給湯装置の制御装置は、この予測された必要貯湯量に応じて貯湯運転を行う。業務予定データと業務実績データは、例えば工場では生産品目と生産数量に関するデータであり、例えば宿泊施設では利用人数に関するデータである。貯湯給湯システムは、当日の業務予定データと、業務実績データと対応する給湯使用量データとの相関関係を利用して、当日の必要貯湯量を予測し、この必要貯湯量を貯湯するので、日によって給湯使用量が大きく変動する場合でも適量の貯湯を行うことができる。
【0010】
請求項2の発明の貯湯給湯システムは、請求項1の発明において、前記業務予定データ及び前記相関関係が時間帯毎に設定され、前記外部サーバは、前記業務予定データに対応する時間帯毎の前記相関関係基づいて時間帯毎に前記必要貯湯量を予測し、前記制御装置は、前記時間帯毎に予測された前記必要貯湯量に応じて、前記貯湯運転を制御することを特徴としている。
上記構成によれば、外部サーバは、当日の時間帯毎の業務予定データと、これに対応する過去の業務実績データと給湯使用量との時間帯毎の相関関係に基づいて、時間帯毎の必要貯湯量を予測する。貯湯給湯装置の制御装置は、この予測された時間帯毎の必要貯湯量に応じて貯湯運転を行う。例えば工場では日によって且つ時間帯によって生産品目と生産数量が変わり、例えば宿泊施設では日によって利用人数が変わると共に時間帯によって利用人数のうちの実際に滞在している人数が変わる。貯湯給湯システムは、予測される時間帯毎の必要貯湯量を貯湯するので、日毎且つ時間帯毎に給湯使用量が大きく変動する場合でも適量の貯湯を行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の貯湯給湯システムによれば、日によって給湯使用量が大きく変動する場合でも適量の貯湯を行うことができ、貯湯された湯水が無駄になることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例に係る貯湯給湯システムの説明図である。
【
図2】実施例に係る工場の必要貯湯量予測の説明図である。
【
図3】実施例に係る宿泊施設の必要貯湯量予測の説明図である。
【
図4】実施例に係る宿泊施設の時間帯毎の必要貯湯量予測の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例0014】
最初に、貯湯給湯装置1を有する業務用の貯湯給湯システム20について
図1に基づいて説明する。
貯湯給湯装置1は、熱源機2と、貯湯運転によって熱源機2で加熱した湯水を貯湯する貯湯タンク3を備えている。熱源機2は、例えばガス燃焼式の複数の給湯器2a~2dによって構成されたマルチ給湯システムであり、要求される加熱能力に応じて作動台数を増減させて貯湯運転を制御する制御装置4を備えている。
【0015】
貯湯タンク3の上部には、貯湯された湯水を矢印HWで示すように給湯するための給湯通路5が接続されている。給湯通路5から給湯される湯水は、給湯先で例えば上水との混合により所望の温度に調整されて使用される。貯湯タンク3の下部には給水通路6が接続され、給湯される湯水量に相当する量の上水が、矢印Wのように貯湯タンク3に供給される。
【0016】
また、貯湯タンク3の下部と熱源機2の入水部が熱源機往き通路7で接続され、熱源機2の出湯部と貯湯タンク3の上部が熱源機戻り通路8で接続されている。熱源機往き通路7には例えば貯湯ポンプ7a,7bが並列に接続され、駆動するポンプを切替弁7cによって切替え可能である。貯湯運転時には、貯湯ポンプ7a,7bの一方を駆動することによって、貯湯タンク3の下部から湯水が熱源機2に導入され、熱源機2で所定の目標貯湯温度に加熱されて貯湯タンク3の上部に戻される。
【0017】
給湯通路5には給湯流量センサ5aが装備され、熱源機2の複数の給湯器2a~2dには給水流量センサ2e~2hが夫々装備されている。制御装置4は、給湯流量センサ5aの検知流量と流量を検知している時間に基づいて給湯使用量を算出する。また、制御装置4は、給水流量センサ2e~2hの各々の検知流量と流量を検知している時間に基づいて貯湯運転による貯湯量を算出する。尚、貯湯タンク3に高さ方向に例えば複数の貯湯温度センサが装備され、これらが夫々検知する湯水温度によって貯湯量を取得するようにしてもよい。
【0018】
制御装置4は、設定された目標貯湯温度の湯水を事前に貯湯タンク3に目標貯湯量まで貯湯するために、熱源機2の複数の給湯器2a~2dの作動台数、切替弁7cと貯湯ポンプ7a,7bを制御して、貯湯運転を行う。この制御装置4は、通信装置9を介して通信網10(インターネット)に接続され、通信網10に接続されている遠隔監視を行う外部サーバ11と通信する機能を有する。また、例えば目標貯湯温度等の設定操作のために、操作端末4aが制御装置4に接続されている。
【0019】
貯湯給湯システム20は、迅速に貯湯給湯装置1のメンテナンス対応を行うことができるように、貯湯給湯装置1と外部サーバ11とで構成されている。外部サーバ11は、例えば貯湯給湯装置1のエラー情報、給湯量(施設の給湯使用量)、累積作動時間のような運転情報等に基づいて、交換部品や作業員の手配を行う。この外部サーバ11には、貯湯給湯装置1が設置された施設の例えば業務管理システム12から、この施設の業務データ(業務実績データと業務予定データ)が通信網10を介して送信され、業務に支障がないようにメンテナンスの手配を行うことができる。
【0020】
また、外部サーバ11は、貯湯給湯装置1が設置された施設の業務実績データと対応する給湯使用量との相関関係を算出し、この相関関係を利用してこの施設の業務予定データに対する必要貯湯量を予測する。この必要貯湯量の予測は貯湯給湯装置1の制御装置4に送信される。制御装置4は、予測された必要貯湯量を貯湯するために貯湯運転を制御する。例えば必要貯湯量が貯湯タンク3の最大貯湯量を超える場合には、最大貯湯量に到達したら貯湯運転を休止し、給湯使用があったら貯湯運転を再開して、必要貯湯量を貯湯するまで貯湯運転の休止と再開を繰り返す。尚、湯水の量を熱量に換算して、業務実績データと給湯使用熱量の相関関係を算出し、この相関関係と業務予定データから必要貯湯熱量を予測し、この必要貯湯熱量を貯湯するようにしてもよい。
【0021】
図2は、複数の生産品目を有する工場の必要貯湯量予測の説明図である。この工場では、業務実績データとして日毎の(a)生産実績が業務管理システム12から外部サーバ11に送信され、対応する日毎の(b)給湯使用量が制御装置4から外部サーバ11に送信される。(a)生産実績には、生産品目と生産数量が含まれている。(a)生産実績と(b)給湯使用量から、これらの間の相関関係として、例えば生産品A,B,Cについて(c)1つ当たりの給湯使用量が夫々算出される。生産品目毎の(c)1つ当たりの給湯使用量は、過去の生産品目1つ当たりの給湯使用量の例えば平均値である。
【0022】
また、業務予定データとして当日の(d)生産予定が業務管理システム12から外部サーバ11に送信される。この(d)生産予定には、当日の生産品目と生産数量が含まれている。そして、当日の生産品A,B,Cの(d)生産予定と、対応する生産品A,B,Cの(c)1つ当たりの給湯使用量に基づいて、当日の(e)必要貯湯量予測がなされる。従って、生産品目と生産数量が変動して日毎に給湯使用量が変動する場合でも、適量の貯湯を行うことができ、貯湯された湯水が無駄になることを防止することができる。
【0023】
図3は、宿泊施設の必要貯湯量予測の説明図である。この宿泊施設では、業務実績データとして日毎の(a)利用人数実績が業務管理システム12から外部サーバ11に送信され、対応する日毎の(b)給湯使用量が制御装置4から外部サーバ11に送信される。(a)利用人数実績は、大人と子供が区別されているが、例えば性別や年齢で区別されてもよく、特に区別がなくてもよい。(a)利用人数実績と(b)給湯使用量から、これらの間の相関関係として、例えば大人と子供の(c)1人当たりの給湯使用量が夫々算出される。(c)1人当たりの給湯使用量は、過去の1人当たりの給湯使用量の例えば平均値である。
【0024】
また、業務予定データとして当日の(d)利用人数予定が業務管理システム12から外部サーバ11に送信される。この(d)利用人数予定は、(a)利用人数実績と同様に大人と子供が区別されている。そして、当日の(d)利用人数と対応する(c)1人当たりの給湯使用量に基づいて、当日の(e)必要貯湯量予測がなされる。従って、利用人数が変動して日毎に給湯使用量が変動する場合でも、適量の貯湯を行うことができ、貯湯された湯水が無駄になることを防止することができる。
【0025】
宿泊施設は様々な人に利用されるので、給湯使用量が利用者毎に大きく異なる場合があり、給湯使用量が増大する時間帯が日毎に変わる場合がある。そこで、日毎の業務データと給湯使用量の代わりに、一層詳細な日毎の且つ時間帯毎の業務データと給湯使用量を用いることができる。
【0026】
図4は、宿泊施設の時間帯毎の必要貯湯量予測の説明図である。この宿泊施設では、業務実績データとして日毎且つ時間帯毎の(a)利用人数実績が業務管理システム12から外部サーバ11に送信され、日毎且つ時間帯毎の(b)給湯使用量が制御装置4から外部サーバ11に送信される。
【0027】
(a)利用人数実績はチェックイン済み利用者の人数の実績であり、外出を考慮せずに宿泊施設滞在中であった人数である。そして、(a)利用人数実績と(b)給湯使用量の間の相関関係として、時間帯毎の(c)1人当たりの給湯使用量を算出することができる。(c)1人当たりの給湯使用量は、過去の同時間帯の1人当たりの給湯使用量の例えば平均値である。
【0028】
また、業務予定データとして当日の時間帯毎の(d)利用人数予定が業務管理システム12から外部サーバ11に送信される。(d)利用人数予定は、例えば予約時に申告した到着予定時刻に基づいて外出を考慮せずに宿泊施設滞在中となる予定人数である。
【0029】
当日の時間帯毎の(d)利用人数予定と、対応する過去の実績における時間帯毎の(a)利用人数実績と(b)給湯使用量の相関関係である時間帯毎の(c)1人当たりの給湯使用量に基づいて、当日の時間帯毎の(e)必要貯湯量予測がなされる。この時間帯毎に予測される必要貯湯量が事前に貯湯されるように、貯湯運転が行われる。貯湯運転では、予測された必要貯湯量から現在の貯湯量を差し引いた量を貯湯してもよい。
【0030】
こうして、時間帯毎に給湯使用量が変動する場合でも、時間帯毎の必要貯湯量予測に基づいて適量の貯湯を行うことができ、貯湯されても使用されずに無駄になる湯水を少なくすることができる。宿泊施設と同様に、工場において時間帯毎に生産品目と生産数量が変わり時間帯毎に給湯使用量が変動する場合でも、時間帯毎の必要貯湯量予測に基づいて適量の貯湯を行うことができ、貯湯されても使用されずに無駄になる湯水を少なくすることができる。
【0031】
日毎且つ時間帯毎の業務実績データと対応する給湯使用量のデータは毎日増加してゆくため、データが多すぎて却って相関関係の算出が複雑になり、必要貯湯量の予測が困難になる場合がある。また、例えば平日と休日とで利用者の構成が異なり、過去の業務実績データと対応する給湯使用量のデータをそのまま使用すると精度よく必要貯湯量を予測できない場合がある。
【0032】
そこで、受信した日毎の又は日毎且つ時間帯毎の業務実績データと、対応する給湯使用量のデータを、例えば曜日毎に又は曜日毎且つ時間帯毎に平均化しておく。そして、この平均化した業務実績データと給湯使用量との相関関係を算出し、当日の業務予定データと、これに対応する曜日の相関関係又は対応する曜日の時間帯毎の相関関係に基づいて給湯使用量を予測する。
【0033】
業務実績データと、これに対応する給湯使用量のデータを受信しても平均化されてデータが増えないので、必要貯湯量を容易に予測することができ、外部サーバ11のデータ記憶量を節約することができる。また、当日の業務予定データ又は当日の時間帯毎の業務予定データと、対応する曜日の相関関係又は対応する曜日の時間帯毎の相関関係に基づいて必要貯湯量を予測するので、例えば平日と休日とで利用者の構成が異なる場合でも、その影響を受けずに必要貯湯量を予測することができる。それ故、適量の貯湯を行うことができ、貯湯されても使用されずに無駄になる湯水を少なくすることができる。
【0034】
上記貯湯給湯システム20の作用、効果について説明する。
外部サーバ11は、貯湯給湯装置1が設置された施設の業務管理システム12から当日の業務予定データ及び過去の業務実績データを取得し、業務実績データと運転情報に含まれている給湯使用量データとの相関関係と前記業務予定データに基づいて、必要貯湯量を予測する。貯湯給湯装置1の制御装置4は、この予測された必要貯湯量に応じて貯湯運転を行う。業務予定データと業務実績データは、例えば工場では生産品目と生産数量に関するデータであり、例えば宿泊施設では利用人数に関するデータである。貯湯給湯システム20は、当日の業務予定データと、業務実績データと対応する給湯使用量データとの相関関係を利用して、外部サーバ11が当日の必要貯湯量を予測し、貯湯給湯装置1がこの必要貯湯量を貯湯するので、日によって給湯使用量が大きく変動する場合でも適量の貯湯を行うことができる。
【0035】
貯湯給湯システム20は、当日の時間帯毎の業務予定データと、これに対応する過去の業務実績データと給湯使用量との時間帯毎の相関関係に基づく時間帯毎の必要貯湯量の予測に応じて貯湯運転を行うこともできる。例えば工場では時間帯によって生産品目と生産数量が変わり、例えば宿泊施設では日によって利用人数が変わると共に時間帯によって当日の利用人数のうちの実際に滞在している人数が変わる。貯湯給湯システム20は、予測される時間帯毎の必要貯湯量を貯湯するので、日毎及び時間帯毎に給湯使用量が大きく変動する場合でも適量の貯湯を行うことができる。
【0036】
外部サーバ11が必要貯湯量を予測する例を説明したが、制御装置4が、外部サーバ11から業務予定データと、これに対応する業務実績データとそのときの給湯使用量データの相関関係を受信して、必要貯湯量を予測してもよい。また、制御装置4が、外部サーバ11からの業務予定データと、これに対応する業務実績データとそのときの給湯使用量データを受信し、相関関係を算出して必要貯湯量を予測してもよい。
【0037】
その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく上記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。