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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087301
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】制御装置、および、制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 53/80 20190101AFI20240624BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20240624BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240624BHJP
   B60L 58/21 20190101ALI20240624BHJP
【FI】
B60L53/80
H02J7/02 F
H02J7/00 X
B60L58/21
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202054
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 正俊
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA02
5G503BB01
5G503DA08
5G503EA05
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC13
5H125BC21
5H125BC28
5H125CD02
5H125EE27
5H125EE29
5H125EE41
(57)【要約】
【課題】車両から取り外されて充電が推奨される電池パックをユーザに報知する制御装置、および、制御方法を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る制御装置は、複数の電池パックが脱着可能な車両に搭載される。制御装置は、コントローラを備える。コントローラは、車両のシステムが終了したとき、ユーザによる車両からの電池パックの取り外し準備動作があったとき、ユーザからの報知要求操作があったとき、の少なくとも1つのタイミングにおいて、電池パックの状態に応じて決定された充電を推奨する電池パックの優先順位を報知する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池パックを脱着可能な車両に搭載される制御装置であって、
前記車両のシステムが終了したとき、ユーザによる前記車両からの電池パックの取り外し準備動作があったとき、ユーザからの報知要求操作があったとき、の少なくとも1つのタイミングにおいて、前記電池パックの状態に応じて決定された、充電を推奨する電池パックの優先順位を報知するコントローラ、を備える、制御装置。
【請求項2】
複数の電池パックを脱着可能な車両に搭載される制御装置であって、
前記車両のシステムが終了したとき、ユーザによる前記車両からの電池パックの取り外し準備動作があったとき、ユーザからの報知要求操作があったとき、の少なくとも1つのタイミングにおいて、前記電池パックの状態に応じて決定された、前記複数の電池パックのうちで最も充電を推奨する電池パックを報知するコントローラ、を備える、制御装置。
【請求項3】
複数の電池パックを脱着可能な車両に搭載される制御装置であって、
前記車両のシステムが終了したとき、ユーザによる前記車両からの電池パックの取り外し準備動作があったとき、ユーザからの報知要求操作があったとき、の少なくとも1つのタイミングにおいて、前記電池パックの状態に応じて決定された、前記複数の電池パックのうちで充電を推奨する電池パックを報知するコントローラ、を備え、
前記コントローラは、前記報知する電池パックの個数を、ユーザからの設定入力に応じて変更する、制御装置。
【請求項4】
前記電池パックの状態は、各電池パックの充電状態、および、各電池パックの劣化状態を含む、請求項1~3のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項5】
前記コントローラは、充電状態が充電要請閾値以下である電池パックが複数個ある場合、前記充電状態が前記充電要請閾値以下である電池パックの全てを、充電を推奨する電池パックとして報知する、請求項1~3のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項6】
前記コントローラは、電池パックに設けられる報知部と、前記車両の電池パック取付位置近傍に設けられた報知部の少なくとも1つを用いて、前記報知を行う、請求項1~3のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項7】
前記コントローラは、ユーザによる前記電池パックを前記車両から取り外しての充電が行われると推定した場合に、前記報知を行う、請求項1~3のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項8】
複数の電池パックを脱着可能な車両に搭載される制御装置の制御方法であって、
前記車両のシステムが終了したとき、ユーザによる前記車両からの電池パックの取り外し準備動作があったとき、ユーザからの報知要求操作があったとき、の少なくとも1つのタイミングにおいて、前記電池パックの状態に応じて決定された充電を推奨する電池パックの優先順位を報知する、制御方法。
【請求項9】
複数の電池パックを脱着可能な車両に搭載される制御装置の制御方法であって、
前記車両のシステムが終了したとき、ユーザによる前記車両からの電池パックの取り外し準備動作があったとき、ユーザからの報知要求操作があったとき、の少なくとも1つのタイミングにおいて、前記電池パックの状態に応じて決定された、前記複数の電池パックのうちで最も充電を推奨する電池パックを報知する、制御方法。
【請求項10】
複数の電池パックを脱着可能な車両に搭載される制御装置の制御方法であって、
前記車両のシステムが終了したとき、ユーザによる前記車両からの電池パックの取り外し準備動作があったとき、ユーザからの報知要求操作があったとき、の少なくとも1つのタイミングにおいて、前記電池パックの状態に応じて決定された、前記複数の電池パックのうちで充電を推奨する電池パックを報知し、
前記報知する電池パックの個数は、ユーザからの設定入力に応じて変更される、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、および、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の電池パックを脱着可能な車両において、車両に搭載された電池パックの状態を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の従来技術では、各電池パックの状態が検出され、残量が所定残量以下になった電池パックが検出されると、その電池パックの交換を促す表示が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2019/240244号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような、複数の電池パックを車両から着脱可能で、充電のために電池パックを車両から取り外して充電場所まで運ぶ必要がある車両の場合、ユーザは、多くの電池パックを運ぶことを避け、取り外して充電する電池パックの数を減らそうと考える可能性がある。
【0006】
しかしながら、従来技術の車両では、取り外して充電する電池パックの数を減らそうとした場合、ユーザは、どの電池パックを優先して充電すべきかを判断することが難しいという課題がある。
【0007】
たとえば特許文献1に記載の従来技術は、残量が所定残量以下になった場合に報知するので、電池パックの取り外しを行う際に表示を行うものではなく、また、電池パックの残量が所定残量以下になっていなければ、電池パックの交換を促す表示は行われない。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の電池パックのうち、充電されることが推奨される電池パックをユーザに報知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の一態様に係る制御装置は、複数の電池パックが脱着可能な車両に搭載される。制御装置は、コントローラを備える。コントローラは、車両のシステムが終了したとき、ユーザによる車両からの電池パックの取り外し準備動作があったとき、ユーザからの報知要求操作があったとき、の少なくとも1つのタイミングにおいて、電池パックの状態に応じて決定された充電を推奨する電池パックの優先順位を報知する。
【発明の効果】
【0010】
実施形態の一態様によれば、複数の電池パックのうち、充電されることが推奨される電池パックをユーザに報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態に係る制御装置が搭載される車両のシステムの概略を説明する図である。
図2図2は、第1実施形態に係る報知装置に表示される画像の一例を示す図である。
図3図3は、第1実施形態に係る制御装置の概略を説明する図である。
図4図4は、第1実施形態に係る報知処理を説明するフローチャートである。
図5図5は、複数の電池パックの報知部によって優先順位を示す一例の図である。
図6図6は、比較例における電池パックの蓄電量と、車両の使用可能電流との関係を示す図である。
図7図7は、第2実施形態に係る報知装置に表示される画像の一例を示す図である。
図8図8は、第2実施形態に係る報知処理を説明するフローチャートである。
図9図9は、第3実施形態に係る報知装置に表示される画像の一例を示す図である。
図10図10は、第3実施形態に係る報知処理を説明するフローチャートである。
図11図11は、第4実施形態における電池パックの状態を示す図である。
図12図12は、第4実施形態に係る報知処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る制御装置、および、制御方法について詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る制御装置1が搭載される車両のシステムの概略について、図1を参照し説明する。図1は、第1実施形態に係る制御装置1が搭載される車両のシステムの概略を説明する図である。
【0014】
車両は、複数の電池パック2から電力が供給されて走行する車両である。車両は、電動車両、および、ハイブリッド車両を含む。
【0015】
車両は、複数の電池パック2を取り付け可能である。たとえば、複数の電池パック2は、車両に対して脱着可能である。具体的には、各電池パック2は、車両に対してそれぞれ脱着可能である。各電池パック2は、車両から取り外された状態でそれぞれ充電可能である。車両から取り外された電池パック2は、外部に設けられた充電装置に接続されて充電される。たとえば、車両から取り外された電池パック2は、家屋内のコンセント電源に接続された充電装置に取り付けられて充電される。
【0016】
なお、車両は、全ての電池パック2が取り付けられなくてもよい。すなわち、車両に取り付けられる電池パック2の数は、必ずしも最大数(複数の電池パック2の全て)でなくてもよい。たとえば、3つの電池パック2を取り付け可能な車両は、2つの電池パック2が取り付けられた状態で走行することも可能である。
【0017】
車両は、制御装置1と、複数の電池パック2と、モータ3と、操作装置4と、報知装置5とを備える。
【0018】
制御装置1は、たとえば、車両の電源、および、車両の駆動力などを制御する統合制御装置であるVCU(Vehicle Control Unit)である。なお、制御装置1は、VCUに限られることはなく、車両に搭載されるECU(Electronic Control Unit)などであってもよい。制御装置1の詳細は、後述される。
【0019】
複数の電池パック2は、並列接続される。なお、ここでは、3つの電池パック2が並列接続された一例を用いて説明するが、電池パック2の数は、これに限られることはない。複数の電池パック2は、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。また、3つの電池パック2を区別するために、3つの電池パック2は、電池パック2A、電池パック2B、および、電池パック2Cと記載される場合がある。また、電池パック2Aは、「パックA」として記載される場合がある。電池パック2Bは、「パックB」として記載される場合がある。電池パック2Cは、「パックC」として記載される場合がある。
【0020】
モータ3は、複数の電池パック2から電力が供給される。モータ3は、複数の電池パック2から供給される電力によって、車両が走行するための駆動力を発生させる。また、モータ3は、回生駆動によって発電する。複数の電池パック2は、モータ3によって発電された電力によって充電可能である。
【0021】
操作装置4は、複数の電池パック2から電力が供給される。操作装置4は、複数の電池パック2とは異なる電池から電力が供給されてもよい。操作装置4は、制御装置1に対する操作が入力される。操作装置4は、乗車するユーザによって操作される。操作装置4は、たとえば、車両に設けられた操作パネルである。操作装置4は、ユーザが有する端末装置であってもよい。端末装置は、たとえば、スマートフォン、タブレット端末、および、PC(Personal Computer)などである。操作装置4は、後述する報知装置5における報知の有無に関する操作が入力される。すなわち、操作装置4は、報知装置5による報知を行うか否かを切り替える操作が入力される。
【0022】
報知装置5は、複数の電池パック2から電力が供給される。報知装置5は、複数の電池パック2とは異なる電池から電力が供給されてもよい。報知装置5は、たとえば、車両に設けられたディスプレイである。報知装置5は、スピーカを含んでもよい。報知装置5は、ユーザが有する端末装置であってもよい。操作装置4と報知装置5とは一体に設けられてもよい。端末装置は、操作装置4、および、報知装置5を含んでもよい。操作装置4、および、報知装置5は、1つの端末装置であってもよい。操作装置4、および、報知装置5は、別々の端末装置であってもよい。操作装置4、および、報知装置5は、ナビゲーションシステムであってもよい。
【0023】
報知装置5は、車両のシステムが終了したタイミングにおいて、電池パック2の状態に応じて決定された充電を推奨する電池パック2(以下、「推奨電池パック2」と称する場合がある。)の優先順位を報知する。報知装置5は、スタートスイッチがOFFにされた車両のシステム終了時に、各電池パック2の状態に応じて、車両から取り外され、かつ、充電されることが推奨される推奨電池パック2の優先順位を報知する。たとえば、報知装置5は、終了画像を表示することで、推奨電池パック2の優先順位を報知する。優先順位は、各電池パック2の状態に基づいて設定される。各電池パック2の状態は、各電池パック2の充電状態(SOC:State of Charge)を含む。なお、充電状態には、充電率や蓄電量、残容量等が含まれる。以下の記載では、一例である蓄電量の記載が用いられる。
【0024】
たとえば、報知装置5は、各電池パック2に対応するアイコンを終了画像として表示することで、推奨電池パック2の優先順位を報知する。報知装置5は、推奨電池パック2の優先順位を音声によって報知してもよい。報知装置5は、推奨電池パック2の優先順位を表示し、かつ、推奨電池パック2の優先順位を音声によって報知してもよい。
【0025】
終了画像では、各電池パック2の蓄電量に基づいて、推奨電池パック2の優先順位が表示される。たとえば、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2に対応するアイコンは、赤色のアイコンで表示される。そして、2番目に充電されることが推奨される推奨電池パック2に対応するアイコンは、黄色のアイコンで表示される。他の電池パック2に対応するアイコンは、白色のアイコンで表示される。
【0026】
たとえば、報知装置5は、図2に示す画像P1を表示する。図2は、第1実施形態に係る報知装置5に表示される画像P1の一例を示す図である。図2では、アイコンの色が、ハッチングの間隔によって示される。「赤色」は、最も間隔が短いハッチングによって示される。「黄色」は、「赤色」よりも間隔が長いハッチングによって示される。「白色」は、白抜き(ハッチング無し)によって示される。
【0027】
たとえば、電池パック2Aの蓄電量が「80%」であり、電池パック2Bの蓄電量が「90%」であり、かつ、電池パック2Cの蓄電量が「59%」である場合、電池パック2Cの蓄電量が最も小さい。その次に、電池パック2Aの蓄電量が小さい。電池パック2Bの蓄電量が最も大きい。
【0028】
このような場合、電池パック2Cに対応するアイコンQ3は、「赤色」で表示される。電池パック2Aに対応するアイコンQ1は、「黄色」で表示される。電池パック2Bに対応するアイコンQ2は、「白色」で表示される。
【0029】
なお、報知装置5における各電池パック2のアイコンの表示位置は、車両に取り付けられる各電池パック2の取付位置に対応してもよい。たとえば、図2に示される画像P1の一例では、各電池パック2は、車両の上方から下方に向けて、電池パックA、電池パックB、および、電池パックCの順で取り付けられている。
【0030】
電池パック2に対応するアイコンの代わりに、電池パック2のID、または、電池パック2の番号が表示されてもよい。また、電池パック2の取付位置のID、または、電池パック2の取付位置の番号が表示されてもよい。
【0031】
画像P1において、推奨電池パック2の優先順位は、符号(番号、および、アルファベットなど)によって表示されてもよい。推奨電池パック2の優先順位は、文字で表示されてもよい。たとえば、推奨電池パック2の優先順位は、「最優先」、「優先次点」などと表示されてもよい。
【0032】
最も充電が優先される推奨電池パック2は、画像P1においてより明確にわかるように、他の電池パック2とは異なる表示がされてもよい。たとえば、画像P1において、最も充電が優先される推奨電池パック2の表示が点滅し、かつ、他の電池パック2の表示は点滅しない。また、画像P1において、最も充電が優先される推奨電池パック2の表示のみが、他の電池パック2の表示とは異なる表示色で表示されてもよい。また、画像P1において、最も充電が優先される推奨電池パック2のみが表示され、他の電池パック2が表示されなくてもよい。また、画像P1において、最も充電が優先される推奨電池パック2の表示の近傍に、「最優先」の文字が表示されてもよい。
【0033】
最も充電が優先される推奨電池パック2の数は、1つに限られることはない。最も充電が優先される推奨電池パック2の数は、複数であってもよい。
【0034】
複数の電池パック2、モータ3、操作装置4、および、報知装置5は、制御装置1と有線通信、または、無線通信によって接続される。有線通信は、たとえば、CAN(Controller Area Network)、イーサネット(登録商標)、LIN(Local Interconnect Network)、USB(Universal Serial Bus)などによる通信を含む。無線通信は、Wi-Fi(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、Zigbee(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)などによる通信を含む。
【0035】
次に、第1実施形態に係る制御装置1について、図3を参照し説明する。図3は、第1実施形態に係る制御装置1の概略を説明する図である。
【0036】
制御装置1は、通信部10と、記憶部11と、コントローラ12とを備える。通信部10は、たとえば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部10は、複数の電池パック2、モータ3、操作装置4、および、報知装置5と有線通信、または、無線通信する。
【0037】
記憶部11は、たとえば、不揮発性メモリやフラッシュメモリ、および、ハードディスクドライブといった不揮発性記憶媒体である。
【0038】
コントローラ12は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって機能する。
【0039】
コントローラ12は、通信部10を介して、各電池パック2から、各電池パック2の状態に関する情報を取得する。コントローラ12は、各電池パック2に設けられたBMSから、各電池パック2の状態に関する情報を取得する。具体的には、コントローラ12は、各電池パック2に設けられたBMSから、各電池パック2の蓄電量に関する情報を取得する。
【0040】
コントローラ12は、車両のシステム終了時に、推奨電池パック2の優先順位を設定する。コントローラ12は、取得された各電池パック2の状態に基づいて、推奨電池パック2の優先順位を設定する。コントローラ12は、各電池パック2の蓄電量に基づいて、推奨電池パック2の優先順位を設定する。
【0041】
コントローラ12は、蓄電量が小さい推奨電池パック2の優先順位が高くなるように、複数の推奨電池パック2にそれぞれ優先順位を設定する。
【0042】
コントローラ12は、車両のシステムが終了するタイミングにおいて、推奨電池パック2の優先順位を報知するための信号を生成する。たとえば、コントローラ12は、車両のシステム終了時に、終了画像を報知装置5に表示するための信号を生成する。終了画像は、推奨電池パック2の優先順位を報知する画像である。コントローラ12は、車両のシステム終了時に、推奨電池パック2の優先順位を、音声によって報知装置5で報知するための信号を生成してもよい。
【0043】
コントローラ12は、生成した信号を、通信部10を介して、報知装置5に送信する。これにより、報知装置5では、たとえば、図2に示す画像P1が表示される。
【0044】
次に、第1実施形態に係る報知処理について、図4を参照し説明する。図4は、第1実施形態に係る報知処理を説明するフローチャートである。コントローラ12は、スタートスイッチがOFFにされた場合に、報知処理を実行する。
【0045】
コントローラ12は、各電池パック2から、各電池パック2の蓄電量に関する情報を取得する(S100)。
【0046】
コントローラ12は、推奨電池パック2の優先順位を設定する(S101)。コントローラ12は、各電池パック2の蓄電量に基づいて、推奨電池パック2の優先順位を設定する。コントローラ12は、蓄電量が小さい推奨電池パック2の優先順位が高くなるように、推奨電池パック2の優先順位を設定する。
【0047】
コントローラ12は、推奨電池パック2の優先順位を報知するための終了画像の信号を生成する(S102)。
【0048】
コントローラ12は、生成した信号を、報知装置5に送信する(S103)。これにより、推奨電池パック2の優先順位を示す終了画像が報知装置5に表示される。
【0049】
なお、終了画像の表示は、表示後、所定時間の経過によって、終了される。所定時間は、予め設定された時間である。なお、操作装置4、および、報知装置5が、端末装置である場合、終了画像の表示は、端末装置による操作が行われることで、終了されてもよい。推奨電池パック2の優先順位は、車両に搭載された装置、および、端末装置によって表示されてもよい。車両に搭載された装置は、車両に設けられる報知装置5を含む。推奨電池パック2の優先順位が、車両に搭載された装置、および、端末装置に表示される場合、推奨電池パック2の優先順位の表示を開始するタイミングは、両装置で異なってもよい。推奨電池パック2の優先順位が、車両に搭載された装置、および、端末装置に表示される場合、推奨電池パック2の優先順位の表示を終了するタイミングは、両装置で異なってもよい。
【0050】
推奨電池パック2の優先順位が、車両に搭載された装置、および、端末装置に表示される場合、端末装置による表示は、車両に搭載された装置よりも表示タイミングが遅くてもよい。推奨電池パック2の優先順位が、車両に搭載された装置、および、端末装置に表示される場合、端末装置による表示は、車両に搭載された装置による推奨電池パック2の優先順位の表示が終了した後に、行われてもよい。推奨電池パック2の優先順位が、車両に搭載された装置、および、端末装置に表示される場合、端末装置による表示は、スタートスイッチがOFFにされた後に、行われてもよい。
【0051】
推奨電池パック2の優先順位が、端末装置に表示される場合、端末装置による表示は、電池パック2を収納する車両の収容部の蓋が開けられたタイミングで開始されてもよい。推奨電池パック2の優先順位が、端末装置に表示される場合、端末装置は、推奨電池パック2の優先順位に関するデータを受信した後に、ユーザによる表示操作に応じて、推奨電池パック2の優先順位の表示を行ってもよい。端末装置は、推奨電池パック2の優先順位に関するデータを受信した状態で待機する。そして、端末装置は、ユーザによって、推奨電池パック2の優先順位の表示操作がされた場合に、推奨電池パック2の優先順位の表示を行う。
【0052】
報知装置5による推奨電池パック2の優先順位の表示は、スタートスイッチがOFFにされる前に行われてもよい。報知装置5による推奨電池パック2の優先順位の表示は、車両のシステムの電源をOFFにする操作が行われた場合に、終了してもよい。推奨電池パック2の優先順位の表示が、スタートスイッチがOFFにされる前に行われる場合、推奨電池パック2の優先順位の表示は、スタートスイッチがOFFにされた後に、所定時間が経過するまで表示されてもよい。
【0053】
なお、コントローラ12は、推奨電池パック2の優先順位を、図5に示すように、電池パック2に設けられる報知部20によって報知してもよい。電池パック2に設けられる報知部20は、たとえば、表示ランプである。図5は、複数の電池パック2の報知部20によって優先順位を示す一例の図である。
【0054】
たとえば、コントローラ12は、報知部20の表示形態を変更することで、推奨電池パック2の優先順位を報知する。たとえば、コントローラ12は、最も優先順位が高い推奨電池パック2の報知部20を「赤色」で点灯させる。コントローラ12は、2番目に優先順位が高い推奨電池パック2の報知部20を「黄色」で点灯させる。コントローラ12は、最も優先順位が低い推奨電池パック2の報知部20を「白色」で点灯させる。
【0055】
図5に示す一例では、電池パック2Aの蓄電量が「80%」である。電池パック2Bの蓄電量が「90%」である。電池パック2Cの蓄電量が「59%」である。電池パック2Cの優先順位が最も高い。電池パック2Aの優先順位が2番目に高い。電池パック2Bの優先順位が最も低い。
【0056】
そのため、電池パック2Cの報知部20Cは、「赤色」に点灯する。電池パック2Aの報知部20Aは、「黄色」に点灯する。電池パック2Bの報知部20Bは、「白色」に点灯する。図5では、報知部20の色が、ハッチングの間隔によって表示される。「赤色」は、最も間隔が短いハッチングによって示される。「黄色」は、「赤色」よりも間隔が長いハッチングによって示される。「白色」は、白抜き(ハッチング無し)によって示される。
【0057】
なお、報知部20の表示形態は、これらに限られることはない。たとえば、報知部20の点灯、または、点滅させることで、推奨電池パック2の優先順位が報知されてもよい。たとえば、最も優先順位が高い推奨電池パック2の報知部20が点滅されてもよい。そして、他の推奨電池パック2の報知部20が点灯されてもよい。
【0058】
推奨電池パック2の優先順位を表示する報知部は、車両における電池パック2の取付位置の近傍に設けられてもよい。推奨電池パック2の優先順位を表示する報知部は、電池パック2、および、車両における電池パック2の取付位置の近傍にそれぞれ設けられてもよい。
【0059】
コントローラ12は、報知装置5による報知、および、各電池パック2の報知部20による報知によって、推奨電池パック2の優先順位を報知してもよい。
【0060】
コントローラ12は、ユーザによる車両からの電池パック2の取り外し準備動作があった場合に、推奨電池パック2の優先順位を報知してもよい。車両からの電池パック2の取り外し準備動作は、電池パック2が収容される収容部の蓋が開けられる動作を含む。車両からの電池パック2の取り外し準備動作は、収容部の蓋のロックが外される動作を含んでもよい。車両からの電池パック2の取り外し準備動作は、電池パック2を収容部に固定するロックが外される動作を含んでもよい。
【0061】
コントローラ12は、ユーザからの報知要求操作があった場合に、推奨電池パック2の優先順位を報知してもよい。コントローラ12は、ユーザによって報知要求操作が行われた場合に、推奨電池パック2の優先順位を報知する。報知要求操作は、車両のシステムが起動された状態、たとえば、スタートスイッチがONとなっている状態に行われてもよい。車両のシステムが起動された状態は、車両が走行している状態、および、車両が停車している状態を含む。報知要求操作は、車両のシステムが終了した後に行われてもよい。
【0062】
報知要求操作は、ユーザによって任意のタイミングで行われる。報知要求操作は、車両に設けられたスイッチなどの入力操作、および、端末装置のボタンなどの入力操作を含む。
【0063】
コントローラ12は、ユーザからの報知要求操作があった場合、報知要求操作が行われた時点における蓄電量に基づいて、推奨電池パック2の優先順位を設定する。コントローラ12は、ユーザからの報知要求操作があった場合、車両のシステムが終了する時点における各電池パック2の蓄電量を予測して、推奨電池パック2の優先順位を設定してもよい。コントローラ12は、ユーザからの報知要求操作があった場合、車両からの電池パック2の取り外し準備動作が行われる時点における各電池パック2の蓄電量を予測して、推奨電池パック2の優先順位を設定してもよい。
【0064】
このように、コントローラ12は、ユーザによる電池パック2を車両から取り外しての充電が行われると推定した場合に、推奨電池パック2の優先順位を報知する。
【0065】
推奨電池パックの優先順位が報知されない比較例は、ユーザが複数の電池パックのうち、或る電池パックを車両から取り外して充電する場合に、以下の問題が生じるおそれがある。比較例における問題について、図6を参照し説明する。図6は、比較例における電池パックの蓄電量と、車両の使用可能電流との関係を示す図である。図6に示す比較例の車両には、「パックA」、「パックB」、および、「パックC」の3つの電池パックが取り付けられている。
【0066】
使用可能電流は、複数の電池パックの保護のために、制限される電流値である。使用可能電流は、各電池パックの蓄電量と、温度とに応じて、BMSによって決定される。使用可能電流は、蓄電量が小さくなるほど小さくなる。また、使用可能電流は、蓄電量が小さい電池パックに合わせて決定される。
【0067】
図6の(a)は、車両のシステム終了時における各電池パックの蓄電量と、複数の電池パックによって使用可能な電流とを示す。3つの電池パックでは、「パックA」の蓄電量が最も大きい。「パックB」の蓄電量が2番目に大きい。「パックC」の蓄電量が最も小さい。使用可能電流は、蓄電量が最も小さい「パックC」の蓄電量に合わせて決定される。
【0068】
図6の(a)の状態から、「パックA」が車両から取り外されて充電された後に、「パックA」が車両に取り付けられた場合、各電池パックの蓄電量と、複数の電池パックによって使用可能な電流とは、図6の(b)の状態となる。「パックA」は充電されたため、「パックA」の蓄電量は大きくなる。しかし、「パックB」、および、「パックC」は、充電されていないため、「パックB」、および、「パックC」の蓄電量は、変化しない。そのため、複数の電池パックの合計蓄電量は、増えるものの、使用可能電流は、「パックC」の蓄電量に合わせて決定されるため、増えない。
【0069】
図6の(b)の状態から、車両が走行した場合、各電池パックから電力が車両に供給される。そのため、各電池パックの蓄電量と、複数の電池パックによって使用可能な電流とは、図6の(c)の状態となる。各電池パックから電力が車両に供給されるため、各電池パックの蓄電量が低下する。また、使用可能電流は、「パックC」の蓄電量に合わせて低下する。
【0070】
図6の(c)の状態から、「パックA」が車両から取り外されて充電された後に、「パックA」が車両に取り付けられた場合、各電池パックの蓄電量と、複数の電池パックによって使用可能な電流とは、図6の(d)の状態となる。「パックA」は充電されたため、「パックA」の蓄電量は大きくなる。しかし、「パックB」、および、「パックC」は、充電されていないため、「パックB」、および、「パックC」の蓄電量は、変化しない。そのため、複数の電池パックの合計蓄電量は、増えるものの、使用可能電流は、「パックC」の蓄電量に合わせて決定されるため、増えない。
【0071】
このように、複数の電池パック2のうち、蓄電量が小さい電池パックが充電されない場合、使用可能電流が増えないため、車両の走行性能が低下する。
【0072】
推奨電池パックの優先順位について報知されない比較例では、ユーザは、充電されることが推奨される電池パックを判断できないため、上記する問題が生じる。
【0073】
第1実施形態に係る制御装置1は、複数の電池パック2を脱着可能な車両に搭載される。制御装置1は、コントローラ12を備える。コントローラ12は、車両のシステムが終了したタイミングにおいて、電池パック2の蓄電量に応じて決定された推奨電池パック2の優先順位を報知する。コントローラ12は、ユーザによる車両からの電池パック2の取り外し準備動作が行われたタイミングにおいて、推奨電池パック2の優先順位を報知してもよい。コントローラ12は、ユーザからの報知要求操作が行われたタイミングにおいて、推奨電池パック2の優先順位を報知してもよい。すなわち、コントローラ12は、車両のシステムが終了したとき、ユーザによる車両の電池パック2の取り外し準備動作があったとき、ユーザからの報知要求操作があったとき、の少なくとも1つのタイミングにおいて、推奨電池パック2の優先順位を報知する。コントローラ12は、ユーザによる電池パック2を車両から取り外しての充電が行われると推定した場合に、推奨電池パック2の優先順位の報知を行う。
【0074】
これにより、制御装置1は、複数の電池パック2のうち、充電されることが推奨される推奨電池パック2をユーザに報知することができる。すなわち、ユーザは、複数の電池パック2のうち、充電されることが推奨される推奨電池パック2を容易に認識することができる。複数の電池パック2のうち、充電されることが推奨される推奨電池パック2が充電された後に、車両に取り付けられることで、制御装置1は、各電池パック2における蓄電量のばらつきを抑制することができる。そのため、制御装置1は、車両における使用可能電流を増加させることができる。したがって、充電された電池パック2が車両に取り付けられた場合、制御装置1は、車両の走行性能を向上させることができる。
【0075】
コントローラ12は、電池パック2に設けられる報知部20と、車両における電池パック2の取付位置の近傍に設けられた報知部の少なくとも1つを用いて、充電されることが推奨される推奨電池パック2を報知する。
【0076】
これにより、ユーザは、車両から電池パック2を取り外す場合に、推奨電池パック2を容易に認識することができる。そのため、制御装置1は、ユーザによる推奨電池パック2の外し間違いを抑制することができる。
【0077】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る制御装置1について説明する。ここでは、第1実施形態とは異なる箇所が説明される。第1実施形態と同じ構成などの説明は、省略される。
【0078】
報知装置5は、車両のシステム終了時に、第1実施形態で充電が推奨される電池パック2の優先順位を報知していたのに替えて、複数の電池パック2のうち、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2を報知する。報知装置5は、終了画像を表示することで、複数の電池パック2のうち、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2を報知する。
【0079】
また、報知装置5は、車両のシステム終了時に、複数の電池パック2の合計蓄電量を報知する。合計蓄電量は、各電池パック2の蓄電量の平均値である。報知装置5は、終了画像を表示することで、複数の電池パック2の合計蓄電量を報知する。終了画像は、複数の電池パック2のうち、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2を示す画像、および、複数の電池パック2の合計蓄電量を示す画像を含む。
【0080】
たとえば、報知装置5は、終了画像として、複数の電池パック2のうち、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2を示す画像、および、複数の電池パック2の合計蓄電量を示す画像を並べて表示する。
【0081】
たとえば、報知装置5は、図7に示す画像P2を表示する。図7は、第2実施形態に係る報知装置5に表示される画像P2の一例を示す図である。
【0082】
たとえば、電池パック2Aの蓄電量が「30%」であり、電池パック2Bの蓄電量が「80%」であり、かつ、電池パック2Cの蓄電量が「80%」である場合、3つの電池パック2の合計蓄電量は、「63.3%」である。また、電池パック2Aの蓄電量が最も小さい。すなわち、電池パック2Aが、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2である。
【0083】
この場合、報知装置5は、図7に示すように、複数の電池パック2の合計蓄電量、および、最も充電されることが推奨される電池パック2A(「パックA」)の蓄電量を、並べて表示する。
【0084】
なお、報知装置5は、複数の電池パック2のうち、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2を示す画像のみを終了画像として表示してもよい。また、報知装置5は、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2の蓄電量に加えて、他の推奨電池パック2の蓄電量を表示してもよい。すなわち、報知装置5は、各推奨電池パック2の蓄電量を表示してもよい。報知装置5は、各推奨電池パック2の蓄電量を並べて表示してもよい。報知装置5は、各推奨電池パック2の蓄電量を順番に表示してもよい。報知装置5は、各推奨電池パック2の蓄電量を表示する場合、最も充電を推奨される推奨電池パック2がわかるように表示してもよい。報知装置5は、各推奨電池パック2の蓄電量を表示する場合、各推奨電池パック2の優先順位を表示してもよい。
【0085】
また、報知装置5は、複数の電池パック2のうち、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2を示す画像と、複数の電池パック2の合計蓄電量を示す画像とを、終了画像として交互に表示してもよい。
【0086】
また、報知装置5に表示される画像の表示態様は、操作装置4によるユーザの操作に応じて、制御装置1によって変更されてもよい。報知装置5に表示される画像の表示態様は、第1表示態様と、第2表示態様とに切り替えられる。第1表示態様は、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2を示す画像と、複数の電池パック2の合計蓄電量を示す画像とが並べて表示される態様である。第2表示態様は、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2を示す画像と、複数の電池パック2の合計蓄電量を示す画像とが交互に表示される態様である。
【0087】
また、報知装置5は、車両のシステム終了時以外に、終了画像と同様の画像を表示してもよい。たとえば、報知装置5は、車両のシステム終了時以外に、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2を示す画像と、複数の電池パック2の合計蓄電量を示す画像とを交互に表示してもよい。この場合、操作装置4によるユーザの操作に応じて、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2を示す画像と、複数の電池パック2の合計蓄電量を示す画像とのいずれか一方を表示してもよい。車両のシステム終了時以外とは、たとえば、スタートスイッチがONにされた車両のシステム起動時、車両の走行開始時、および、車両の走行中などであるが、これらに限定されるものではない。
【0088】
コントローラ12は、各電池パック2の蓄電量に基づいて、複数の電池パック2の合計蓄電量を算出する。コントローラ12は、各電池パック2の蓄電量に基づいて、最も蓄電量が小さい電池パック2を検出する。
【0089】
コントローラ12は、車両のシステム終了時に、各電池パック2の蓄電量に基づいて、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2を設定する。コントローラ12は、各電池パック2の蓄電量のうち、最も蓄電量が小さい電池パック2を、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2として設定する。
【0090】
コントローラ12は、報知装置5によって報知するための信号を生成する。コントローラ12は、車両のシステム終了時に、終了画像を報知装置5に報知するための信号を生成する。終了画像は、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2を示す画像、および、複数の電池パック2の合計蓄電量を示す画像を含む。
【0091】
次に、第2実施形態に係る報知処理について、図8を参照し説明する。図8は、第2実施形態に係る報知処理を説明するフローチャートである。コントローラ12は、スタートスイッチがOFFにされた場合に、報知処理を実行する。
【0092】
コントローラ12は、各電池パック2から、各電池パック2の蓄電量に関する情報を取得する(S200)。
【0093】
コントローラ12は、各電池パック2の蓄電量に基づいて、複数の電池パック2の合計蓄電量を算出する(S201)。コントローラ12は、各電池パック2の蓄電量の平均値を、複数の電池パック2の合計蓄電量として算出する。
【0094】
コントローラ12は、複数の電池パック2のうち、最も蓄電量が小さい電池パック2を検出する(S202)。
【0095】
コントローラ12は、複数の電池パック2のうち、最も蓄電量が小さい電池パック2を、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2として設定する(S203)。
【0096】
コントローラ12は、終了画像の信号を生成する(S204)。終了画像は、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2を示す画像、および、複数の電池パック2の合計蓄電量を示す画像を含む。
【0097】
コントローラ12は、生成した信号を、報知装置5に送信する(S205)。これにより、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2を示す終了画像が報知装置5に表示される。また、複数の電池パック2の合計蓄電量を示す終了画像が報知装置5に表示される。
【0098】
制御装置1は、複数の電池パック2を脱着可能な車両に搭載される。制御装置1は、コントローラ12を備える。コントローラ12は、車両のシステムが終了したタイミングにおいて、電池パック2の蓄電量に応じて決定された、複数の電池パック2のうちで最も充電を推奨する推奨電池パック2を報知する。コントローラ12は、ユーザによる車両からの電池パック2の取り外し準備動作が行われたタイミングにおいて、電池パック2の蓄電量に応じて決定された、複数の電池パック2のうちで最も充電を推奨する推奨電池パック2を報知してもよい。コントローラ12は、ユーザからの報知要求操作が行われたタイミングにおいて、電池パック2の蓄電量に応じて決定された、複数の電池パック2のうちで最も充電を推奨する推奨電池パック2を報知してもよい。すなわち、コントローラ12は、車両のシステムが終了したとき、ユーザによる準備動作があったとき、ユーザからの報知要求操作があったときの少なくとも1つのタイミングにおいて、複数の電池パック2のうちで最も充電を推奨する推奨電池パック2を報知する。
【0099】
これにより、ユーザは、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2を容易に認識することができる。そのため、ユーザは、最も充電される必要がある電池パック2を優先的に充電することができる。最も充電されることが推奨される推奨電池パック2が充電された後に、車両に取り付けられることで、制御装置1は、各電池パック2における蓄電量のばらつきを抑制することができる。そのため、制御装置1は、車両における使用可能電流を増加させることができる。したがって、充電された電池パック2が車両に取り付けられた場合、制御装置1は、車両の走行性能を向上させることができる。
【0100】
コントローラ12は、複数の電池パック2の合計蓄電量と、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2の蓄電量とを報知する。
【0101】
これにより、ユーザは、複数の電池パック2の合計蓄電量と、および、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2の蓄電量とを容易に認識することができる。ユーザは、複数の電池パック2の全体の状態と、充電されることが推奨される推奨電池パック2の個別の状態とを把握することができる。
【0102】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る制御装置1について説明する。ここでは、第1実施形態とは異なる箇所が説明される。第1実施形態と同じ構成などの説明は、省略される。
【0103】
報知装置5は、車両のシステム終了時に、第1実施形態で充電が推奨される電池パック2の優先順位を報知していたのに替えて、複数の電池パック2のうち、充電されることが推奨される推奨電池パック2を報知する。
【0104】
操作装置4は、複数の電池パック2のうち、推奨電池パック2の個数(以下、「報知個数」と称する。)に関する操作がユーザによって入力される。報知個数に関する操作は、所定のタイミングで行われる。たとえば、報知個数に関する操作は、車両のシステム起動時に行われる。報知個数に関する操作は、車両の停車中に行われてもよい。報知個数に関する操作は、車両のシステム終了時に行われてもよい。
【0105】
報知装置5は、操作装置4によって設定される報知個数に応じて推奨電池パック2を報知する。
【0106】
たとえば、報知個数が「1つ」に設定されている場合、報知装置5は、最も優先順位が高い電池パック2を、推奨電池パック2として報知する。報知装置5は、複数の電池パック2のうち、最も蓄電量が小さい電池パック2を推奨電池パック2として報知する。
【0107】
たとえば、報知個数が「2つ」に設定されている場合、報知装置5は、最も優先順位が高い電池パック2、および、2番目に優先順位が高い電池パック2を推奨電池パック2として報知する。報知装置5は、複数の電池パック2のうち、最も蓄電量が小さい電池パック2、および、2番目に蓄電量が小さい電池パック2を推奨電池パック2として報知する。
【0108】
たとえば、報知装置5は、図9に示す画像P3を表示する。図9は、第3実施形態に係る報知装置5に表示される画像P3の一例を示す図である。
【0109】
たとえば、電池パック2Aの蓄電量が「80%」であり、電池パック2Bの蓄電量が「50%」であり、かつ、電池パック2Cの蓄電量が「45%」である場合、最も優先順位が高い電池パック2は、最も蓄電量が小さい電池パック2Cである。また、2番目に優先順位が高い電池パック2は、2番目に蓄電量が小さい電池パック2Bである。報知個数が「2つ」である場合、推奨電池パック2は、電池パック2C、および、電池パック2Bである。
【0110】
この場合、報知装置5は、図9に示すように、電池パック2B(「パックB」)の蓄電量、および、電池パック2C(「パックC」)の蓄電量を、並べて表示する。
【0111】
コントローラ12は、操作装置4から、通信部10を介して、報知個数に関する情報を取得する。操作装置4がユーザによって操作されることで、操作装置4において報知個数が変更された場合、コントローラ12は、報知個数を、ユーザの操作に応じて変更する。取得された報知個数は、記憶部11に記憶される。
【0112】
なお、新たな報知個数に関する情報が取得された場合、記憶部11に記憶される報知個数は、新たな報知個数に更新される。
【0113】
コントローラ12は、車両のシステム終了時に、各電池パック2の蓄電量に基づいて、推奨電池パック2を設定する。具体的には、コントローラ12は、各電池パック2の蓄電量に基づいて、各電池パック2に優先順位を設定する。コントローラ12は、蓄電量が小さい順に、各電池パック2の優先順位を高くする。コントローラ12は、報知個数、および、各電池パック2の優先順位に基づいて、推奨電池パック2を設定する。コントローラ12は、記憶部11から報知個数に関する情報を読み出す。コントローラ12は、読み出した報知個数の推奨電池パック2を設定する。
【0114】
コントローラ12は、たとえば、報知個数が「1つ」である場合、最も優先順位が高い電池パック2を、推奨電池パック2として設定する。
【0115】
コントローラ12は、たとえば、報知個数が「2つ」である場合、最も優先順位が高い電池パック2、および、2番目に優先順位が高い電池パック2を、推奨電池パック2として設定する。
【0116】
コントローラ12は、報知装置5によって報知するための信号を生成する。コントローラ12は、車両のシステム終了時に、終了画像を報知装置5に報知するための信号を生成する。終了画像は、報知個数の推奨電池パック2を示す画像である。
【0117】
コントローラ12は、生成した信号を、通信部10を介して、報知装置5に送信する。これにより、報知装置5では、報知個数の推奨電池パック2を示す終了画像が表示される。すなわち、コントローラ12は、推奨電池パック2を、報知個数分、報知する。
【0118】
次に、第3実施形態に係る報知処理について、図10を参照し説明する。図10は、第3実施形態に係る報知処理を説明するフローチャートである。コントローラ12は、スタートスイッチがOFFにされた場合に、報知処理を実行する。
【0119】
コントローラ12は、各電池パック2から、各電池パック2の蓄電量に関する情報を取得する(S300)。コントローラ12は、報知個数に関する情報を記憶部11から読み出す(S301)。
【0120】
コントローラ12は、推奨電池パック2を設定する(S302)。コントローラ12は、報知個数、および、各電池パック2の蓄電量に基づいて、推奨電池パック2を設定する。コントローラ12は、電池パック2の蓄電量が小さい順に、報知個数に応じた推奨電池パック2を設定する。すなわち、コントローラ12は、報知個数の推奨電池パック2を設定する。
【0121】
コントローラ12は、終了画像の信号を生成する(S303)。終了画像は、報知個数の推奨電池パック2を示す画像である。
【0122】
コントローラ12は、生成した信号を、報知装置5に送信する(S304)。これにより、報知個数の推奨電池パック2を示す終了画像が報知装置5によって表示される。すなわち、コントローラ12は、報知個数の推奨電池パック2を報知する。
【0123】
なお、コントローラ12は、第2実施形態と同様に、複数の電池パック2の合計蓄電量を報知してもよい。たとえば、報知装置5には、報知個数の推奨電池パック2を示す画像と、複数の電池パック2の合計蓄電量を示す画像とが、並べて表示される。報知個数の推奨電池パック2を示す画像と、複数の電池パック2の合計蓄電量を示す画像とは、報知装置5に交互に表示されてもよい。
【0124】
制御装置1は、複数の電池パック2を脱着可能な車両に搭載される。制御装置1は、コントローラ12を備える。コントローラ12は、車両のシステムが終了したタイミングにおいて、電池パック2の蓄電量に応じて決定された推奨電池パック2を報知する。コントローラ12は、ユーザによる車両からの電池パック2の取り外し準備動作が行われたタイミングにおいて、推奨電池パック2を報知してもよい。コントローラ12は、ユーザからの報知要求操作が行われたタイミングにおいて、推奨電池パック2を報知してもよい。すなわち、コントローラ12は、車両のシステムが終了したとき、ユーザによる車両の電池パック2の取り外し準備動作があったとき、ユーザからの報知要求操作があったとき、の少なくとも1つのタイミングにおいて、推奨電池パック2を報知する。コントローラ12は、報知個数を、ユーザからの設定入力に応じて変更する。
【0125】
これにより、たとえば、ユーザは、ユーザが車両から取り外して運ぶことができる電池パック2の個数を設定できる。ユーザは、ユーザが車両から取り外して運ぶことができる推奨電池パック2を容易に認識することができる。複数の電池パック2のうち、充電されることが推奨される推奨電池パック2が充電された後に、車両に取り付けられることで、制御装置1は、各電池パック2における蓄電量のばらつきを抑制することができる。そのため、制御装置1は、車両における使用可能電流を増加させることができる。したがって、充電された電池パック2が車両に取り付けられた場合、制御装置1は、車両の走行性能を向上させることができる。
【0126】
なお、コントローラ12は、ユーザの体格、年齢、および、性別などのユーザ情報に基づいて、報知個数を設定してもよい。ユーザ情報は、操作装置4によって入力される。また、コントローラ12は、過去に車両から取り外された電池パック2の個数を検出し、検出した個数を、報知個数に設定してもよい。車両から取り外された電池パック2の個数は、たとえば、各電池パック2のBMSによって検出される。車両から取り外された電池パック2の個数は、複数の電池パック2が収納される収納部に設けられた検知センサによって検出されてもよい。
【0127】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る制御装置1について説明する。ここでは、第1実施形態とは異なる箇所が説明される。第1実施形態と同じ構成などの説明は、省略される。
【0128】
コントローラ12は、通信部10を介して、各電池パック2から、各電池パック2の状態に関する情報を取得する。各電池パック2の状態は、各電池パック2の蓄電量(充電状態)、および、各電池パック2の劣化度(劣化状態)を含む。コントローラ12は、各電池パック2に設けられたBMSから、各電池パック2の蓄電量に関する情報と、各電池パック2の劣化度に関する情報とを取得する。電池パック2の劣化度は、電池パック2が劣化するほど小さくなる。たとえば、劣化度が「90%」の電池パック2は、劣化度が「95%」の電池パック2よりも、電池パック2の劣化が進んでいる。
【0129】
コントローラ12は、車両のシステム終了時に、各電池パック2の蓄電量と、各電池パック2の劣化度とに基づいて、推奨電池パック2を設定する。
【0130】
具体的には、コントローラ12は、車両のシステム終了時に、各電池パック2の蓄電量に基づいて、各電池パック2の仮優先順位を設定する。コントローラ12は、蓄電量が小さい電池パック2の仮優先順位が高くなるように、複数の電池パック2にそれぞれ仮優先順位を設定する。
【0131】
コントローラ12は、仮優先順位において、所定の上位順位以上である電池パック2(以下、「上位電池パック2」と称する。)を設定する。所定の上位順位は、予め設定された順位である。たとえば、所定の上位順位は、2位である。所定の上位順位が2位である場合、上位電池パック2には、仮優先順位が最も高い電池パック2、および、仮優先順位が2番目に高い電池パック2が含まれる。すなわち、上位電池パック2には、最も蓄電量が小さい電池パック2、および、2番目に蓄電量が小さい電池パック2が含まれる。所定の上位順位は、ユーザによる操作装置4の操作によって設定されてもよい。
【0132】
コントローラ12は、上位電池パック2の蓄電量が、第1所定閾値以上であるか否かを、各上位電池パック2に対して判定する。第1所定閾値は、予め設定された値である。第1所定閾値は、電池パック2が充電されることによって電池パック2の蓄電量が、所定蓄電範囲よりも大きくなる値である。所定蓄電範囲(たとえば、蓄電量の差異の絶対値が5パーセントポイント以内)は、予め設定された範囲である。所定蓄電範囲は、電池パック2の劣化を抑制できる範囲である。すなわち、電池パック2は、所定蓄電範囲内の蓄電量によって充放電されることで、劣化を抑制できる。所定蓄電範囲は、たとえば、電池パック2の蓄電量が30%以上、かつ、80%以下の範囲である。第1所定閾値は、たとえば、55%である。
【0133】
各上位電池パック2の蓄電量がそれぞれ第1所定閾値以上である場合、コントローラ12は、各上位電池パック2の劣化度(劣化状態)に基づいて、上位電池パック2の仮優先順位を調整する。具体的には、コントローラ12は、上位電池パック2の仮優先順位を、劣化度が大きい順に並べ直す。すなわち、コントローラ12は、上位電池パック2の仮優先順位を、劣化度が大きい順に設定し直す。なお、劣化度が同じである場合、蓄電量に基づいた仮優先順位が維持される。各上位電池パック2の蓄電量がそれぞれ第1所定閾値以上である場合、コントローラ12は、各上位電池パック2の劣化度に基づいて調整した仮優先順位を、優先順位として確定させる。
【0134】
各上位電池パック2のうち、少なくとも1つの蓄電量が第1所定閾値未満である場合、コントローラ12は、上位電池パック2の仮優先順位を、優先順位として確定させる。
【0135】
蓄電量が第1所定閾値未満である状態で、電池パック2から車両に電力が供給された場合、電池パック2の蓄電量が、所定蓄電範囲よりも小さくなるおそれがある。たとえば、蓄電量が50%の電池パック2から、車両に電力が供給された場合、電池パック2の蓄電量は、30%未満となるおそれがある。そのため、各上位電池パック2のうち、少なくとも1つの蓄電量が第1所定閾値未満である場合、コントローラ12は、上位電池パック2の劣化度を考慮せずに、蓄電量に基づいた仮優先順位を、優先順位として確定させる。
【0136】
コントローラ12は、上位電池パック2ではない電池パック2については、蓄電量に基づいて設定された仮優先順位を、優先順位として確定させる。
【0137】
たとえば、車両に取り付けられた3つの電池パック2の蓄電量、および、劣化度が、図11の(a)に示す状態であるとする。電池パック2A(「パックA」)の蓄電量は「80%」であり、かつ、電池パック2Aの劣化度は「95%」である。電池パック2B(「パックB」)の蓄電量は「60%」であり、かつ、電池パック2Bの劣化度は「95%」である。電池パック2C(「パックC」)の蓄電量は「59%」であり、かつ、電池パック2Cの劣化度は「90%」である。また、所定の上位順位が、2位であるとする。第1所定閾値は、55%であるとする。図11は、第4実施形態における電池パック2の状態を示す図である。
【0138】
図11の(a)に示す一例では、電池パック2Cの蓄電量が最も小さい。また、電池パック2Bの蓄電量が2番目に小さい。そして、電池パック2Aの蓄電量が最も大きい。そのため、蓄電量に基づいた仮優先順位は、電池パック2Cが最も高い。蓄電量に基づいた仮優先順位は、電池パック2Bが2番目に高い。蓄電量に基づいた仮優先順位は、電池パック2Aが最も低い。上位電池パック2は、電池パック2B、および、電池パック2Cである。また、電池パック2Bの蓄電量、および、電池パック2Cの蓄電量は、共に第1所定閾値よりも大きい。
【0139】
そのため、電池パック2B、および、電池パック2Cについては、劣化度に基づいて、仮優先順位が調整される。電池パック2Bの劣化度は、電池パック2Cの劣化度よりも大きい。したがって、電池パック2Bの仮優先順位と、電池パック2Cの仮優先順位とが変更される。その結果、3つの電池パック2において、優先順位は、電池パック2Bが最も高い。優先順位は、電池パック2Cが2番目に高い。そして、優先順位は、電池パック2Aが最も低い。
【0140】
このように設定された優先順位に基づいて、電池パック2Bが充電されることで、図11の(b)に示すように、電池パック2Bの蓄電量が100%となる。電池パック2Bの蓄電量が100%となることで、電池パック2Bが劣化し易くなるが、劣化度が低い電池パック2Cの劣化が抑制される。そのため、各電池パック2の劣化度が均一化される。
【0141】
コントローラ12は、優先順位に基づいて推奨電池パック2を設定する。
【0142】
次に、第4実施形態に係る報知処理について、図12を参照し説明する。図12は、第4実施形態に係る報知処理を説明するフローチャートである。コントローラ12は、スタートスイッチがOFFにされた場合に、報知処理を実行する。
【0143】
コントローラ12は、各電池パック2から、各電池パック2の状態に関する情報を取得する(S400)。具体的には、コントローラ12は、各電池パック2の蓄電量に関する情報、および、各電池の劣化度に関する情報を取得する。
【0144】
コントローラ12は、各電池パック2の蓄電量に基づいて、各電池パック2の仮優先順位を設定する(S401)。コントローラ12は、蓄電量が小さい順に、電池パック2の仮優先順位を高くなるように、各電池パック2の仮優先順位を設定する。
【0145】
コントローラ12は、上位電池パック2を設定する(S402)。コントローラ12は、仮優先順位に基づいて、上位電池パック2を設定する。
【0146】
コントローラ12は、各上位電池パック2の蓄電量が、第1所定閾値以上であるか否かを判定する(S403)。
【0147】
各上位電池パック2の蓄電量が、第1所定閾値以上である場合(S403:Yes)、コントローラ12は、各上位電池パック2の劣化度に基づいて、上位電池パック2の仮優先順位を調整する(S404)。コントローラ12は、上位電池パック2の仮優先順位を、劣化度が大きい順に並べ直す。
【0148】
コントローラ12は、優先順位を確定させる(S405)。コントローラ12は、上位電池パック2については、各上位電池パック2の劣化度に基づいた仮優先順位を、優先順位として確定させる。コントローラ12は、上位電池パック2ではない電池パック2については、蓄電量に基づいて設定された仮優先順位を、優先順位として確定させる。すなわち、コントローラ12は、推奨電池パック2の優先順位を設定する。
【0149】
各上位電池パック2の蓄電量のうち、少なくとも1つの蓄電量が、第1所定閾値未満である場合(S403:No)、コントローラ12は、優先順位を確定させる(S406)。コントローラ12は、上位電池パック2については、上位電池パック2の仮優先順位を、優先順位として確定させる。コントローラ12は、上位電池パック2ではない電池パック2については、蓄電量に基づいて設定された仮優先順位を、優先順位として確定させる。コントローラ12は、蓄電量に基づいて設定された仮優先順位を、優先順位として確定させる。すなわち、コントローラ12は、推奨電池パック2の優先順位を設定する。
【0150】
コントローラ12は、推奨電池パック2の優先順位を報知するための終了画像の信号を生成する(S407)。
【0151】
コントローラ12は、生成した信号を、報知装置5に送信する(S408)。これにより、推奨電池パック2の優先順位を示す終了画像が報知装置5によって表示される。
【0152】
電池パック2の状態は、各電池パック2の蓄電量(充電状態)、および、各電池パック2の劣化度(劣化状態)を含む。すなわち、コントローラ12は、各電池パック2の蓄電量と、各電池パック2の劣化度とに基づいて、優先順位を設定する。
【0153】
これにより、制御装置1は、電池パック2の蓄電量と電池パック2の劣化度とに基づいた推奨電池パック2の優先順位をユーザに報知することができる。制御装置1は、各電池パック2の劣化度が均一になるように、推奨電池パック2の優先順位をユーザに報知することができる。優先順位に従って推奨電池パック2が充電されることで、各電池パック2の劣化度が均一化される。すなわち、制御装置1は、各電池パック2の劣化度を均一化することができる。従って、制御装置1は、電池パック2の寿命を延ばすことができる。
【0154】
なお、コントローラ12は、各電池パック2の蓄電量と、各電池パック2の劣化度とに基づいて、推奨電池パック2を設定してもよい。たとえば、コントローラ12は、第2実施形態において、電池パック2の蓄電量と、各電池パック2の劣化度とに基づいて、最も充電されることが推奨される推奨電池パック2を設定してもよい。また、コントローラ12は、第3実施形態において、電池パック2の蓄電量と、各電池パック2の劣化度とに基づいて、報知個数の推奨電池パック2を設定してもよい。コントローラ12は、第2実施形態、および、第3実施形態において、第4実施形態と同様に、各電池パック2の蓄電量に基づいて仮優先順位を設定する。そして、コントローラ12は、上位電池パック2について各電池パック2の劣化度に基づいて仮優先順位を調整する。
【0155】
これにより、制御装置1は、電池パック2の蓄電量と電池パック2の劣化度とに基づいた推奨電池パック2をユーザに報知することができる。たとえば、制御装置1は、各電池パック2の劣化度が均一になるように、推奨電池パック2をユーザに報知することができる。優先順位に従って推奨電池パック2が充電されることで、各電池パック2の劣化度が均一化される。すなわち、制御装置1は、各電池パック2の劣化度を均一化することができる。従って、制御装置1は、電池パック2の寿命を延ばすことができる。
【0156】
変形例に係る制御装置1において、コントローラ12は、蓄電量(充電状態)が第2所定閾値(充電要請閾値)以下である電池パック2が複数個ある場合、蓄電量が第2所定閾値以下である電池パック2の全てを、推奨電池パック2として報知してもよい。第2所定閾値は、予め設定された値である。第2所定閾値は、第1所定閾値よりに低く設定されている。第2所定閾値は、第1所定閾値よりも小さい。第2所定閾値は、第2所定閾値以下の電池パック2によって車両に電力が供給された場合、電池パック2の蓄電量が所定蓄電範囲よりも小さくなることで、電池パック2の劣化が促進される値である。たとえば、第2所定閾値は、35%である。
【0157】
たとえば、コントローラ12は、各実施形態における報知処理とは別の処理として、蓄電量が第2所定閾値以下である電池パック2を、各電池パック2の蓄電量に基づいて検出する。そして、コントローラ12は、検出された、蓄電量が第2所定閾値以下である電池パック2の全てについて、充電されることが推奨される電池パック2として報知する。
【0158】
コントローラ12は、蓄電量が第1所定閾値以上である場合、蓄電量に加えて、劣化度を考慮して推奨電池パック2の優先順位を設定する。コントローラ12は、設定した推奨電池パック2の優先順位を報知する。
【0159】
コントローラ12は、蓄電量が第1所定閾値未満であり、かつ、第2所定閾値よりも大きい場合、劣化度を考慮せずに、蓄電量に基づいて推奨電池パック2の優先順位を設定する。コントローラ12は、設定した推奨電池パック2の優先順位を報知する。なお、コントローラ12は、蓄電量が第1所定閾値未満であり、かつ、第2所定閾値よりも大きい場合、蓄電量が第1所定閾値以上である場合よりも、劣化度の考慮度合いを少なくして、推奨電池パック2の優先順位を設定してもよい。たとえば、コントローラ12は、蓄電量、に応じたポイント、および、劣化度に応じてポイントを、各電池パック2に付与し、推奨電池パック2の優先順位を設定する。コントローラ12は、蓄電量が第1所定閾値未満であり、かつ、第2所定閾値よりも大きい場合、蓄電量が第1所定閾値以上である場合よりも、劣化度に応じたポイントを小さくする。
【0160】
コントローラ12は、蓄電量が第2所定閾値以下である場合、蓄電量が第2所定閾値以下である電池パック2の全てを推奨電池パック2として報知する。
【0161】
これにより、ユーザは、蓄電量が第2所定閾値以下である電池パック2の全てを認識することができる。蓄電量が第2所定閾値以下である電池パック2が充電されることで、制御装置1は、電池パック2の蓄電量が第2所定閾値以下となることを抑制することができる。そのため、制御装置1は、電池パック2の劣化を抑制することができる。
【0162】
複数の電池パック2は、車両に搭載された状態で、外部電源に接続されて充電可能に構成してもよい。例えば、車両に設けられた充電ケーブルが外部電源に接続され、複数の電池パック2は、車両に搭載された状態で、まとめて充電可能に構成される。すなわち、車両は、外部充電機能を有する車両であってもよい。外部充電機能は、有線、および、無線のいずれの方法による充電を含む。このような車両では、外部充電機能を用いた充電と、電池パック2を車両から取り外して行われる充電とに関わらず、推奨電池パック2などの報知が行われてもよい。また、電池パック2を車両から取り外して充電を行う設定がされている場合にのみ、推奨電池パック2などの報知が行われてもよい。また、外部充電機能を用いて充電されることが推定される場合には、推奨電池パック2などの報知が行われなくてもよい。外部充電機能を用いて充電されることが推定される場合は、充電スタンドが設けられた敷地内に車両が停車する場合、および、外部電源を有する充電設備の近傍に車両が停車する場合などを含む。また、外部電源を有する充電設備がない施設(たとえば、ユーザの自宅、および、ユーザが事前登録している施設を含む。)に車両が停車した場合、推奨電池パック2などの報知を積極的に行ってもよい。たとえば、外部電源を有する充電設備がない施設に車両が停車する場合には、外部電源を有する充電設備がある施設に車両が停車する場合よりも、報知時間を長くする。また、外部電源を有する充電設備がない施設に車両が停車する場合には、外部電源を有する充電設備がある施設に車両が停車する場合よりも、報知の種類などを増加させてもよい。
【0163】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0164】
1 制御装置
2 電池パック
2A 電池パック
2B 電池パック
2C 電池パック
4 操作装置
5 報知装置
10 通信部
11 記憶部
12 コントローラ
20 報知部
20A 報知部
20B 報知部
20C 報知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12