(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087316
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】複合粉体及びこれを含有する化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/25 20060101AFI20240624BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20240624BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20240624BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
A61K8/25
A61Q1/02
A61Q1/12
A61Q17/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202072
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
(72)【発明者】
【氏名】木崎 寿美子
(72)【発明者】
【氏名】野中 麻由
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AB212
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB332
4C083AB432
4C083AB442
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC092
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC212
4C083AC242
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC542
4C083AC912
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083AD492
4C083BB26
4C083CC12
4C083CC19
4C083DD11
4C083DD17
4C083DD21
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD30
4C083DD32
4C083DD33
4C083EE05
4C083EE06
4C083FF01
(57)【要約】
【課題】
凹凸ぼかし効果及び使用感触に優れ、良好なカバー力及びツヤ感を両立する複合粉体並びにかかる複合粉体を含有する化粧料を提供することを課題とする。
【解決手段】
板状粉体にウニ状顔料級酸化チタンを被覆した複合粉体並びにかかる複合粉体を含有する化粧料。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状粉体にウニ状顔料級酸化チタンを被覆した複合粉体。
【請求項2】
請求項1に記載の複合粉体を含有する化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合粉体及びこれを含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
ファンデーション等の化粧料には、カバー力、しわ・毛穴等の凹凸ぼかし効果、ツヤ感、使用感等において優れた効果を発揮することが求められる。
従来、シミ・そばかす等の肌の色ムラをカバーするために酸化チタン等の屈折率の高い粉体を用いた化粧料が開示されている(特許文献1~3)。しかし、カバー力向上のために酸化チタン等の屈折率の高い粉体を高配合した化粧料は、可視光領域、特に青色波長の反射率が高くなり、仕上がりに厚ぼったさが生じて不自然になり、十分なツヤ感が得られなくなる傾向があった。
一方、ツヤ感のある自然な仕上がりを実現するためにマイカやタルク等の屈折率の低い粉体が用いられているが、色ムラをカバーする効果が低いことが課題であった。
さらに、しわ・毛穴等の凹凸をぼかすために球状粉体が用いられているが、球状粉体に色ムラをカバーする効果は無く、ツヤ感を付与する効果も無いことが課題であった。
以上述べたように各原料を併用してもそれぞれの効果が打ち消され、化粧料に求められる効果を同時に達成することは難しかった。
【0003】
上記課題を解決するべく、鋭意研究開発が試みられており、特定の光学特性を有する粉体を得る技術(特許文献4)が開示されている。しかしながら、より優れた効果を兼ね備えた技術の開発が強く望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭43-25644号公報
【特許文献2】特開平6-56628号公報
【特許文献3】特開平8-188723号公報
【特許文献4】特許第6258462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
凹凸ぼかし効果及び使用感触に優れ、良好なカバー力及びツヤ感を両立する複合粉体並びにかかる複合粉体を含有する化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、かかる課題について鋭意検討した結果、本発明を完成するにいたった。すなわち本発明は、次のとおりである。
[1]
板状粉体にウニ状顔料級酸化チタンを被覆した複合粉体。
[2]
[1]の複合粉体を含有する化粧料。
【発明の効果】
【0007】
本発明の複合粉体及びかかる複合粉体を含有する化粧料は、凹凸ぼかし効果及び使用感触に優れ、良好なカバー力及びツヤ感を両立するという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は実施例1の分光変角色差計を用いた測定結果を示す。
【
図2】
図2は比較例1の分光変角色差計を用いた測定結果を示す。
【
図3】
図3は比較例2の分光変角色差計を用いた測定結果を示す。
【
図4】
図4は比較例3の分光変角色差計を用いた測定結果を示す。
【
図5】
図5は比較例4の分光変角色差計を用いた測定結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
本発明の複合粉体は板状粉体にウニ状顔料級酸化チタンを被覆した複合粉体である。
【0011】
本発明の複合粉体に使用する板状粉体は、通常化粧料に配合し得るものであれば特に限定されない。たとえば、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、合成マイカ、カオリン、セリサイト、シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、ガラス末、アルミ末、シルク、セルロース、結晶セルロース、デンプン、ラウロイルリシン等が挙げられる。これらの中でも効果の点からマイカ、セリサイト、合成マイカを用いることが好ましく、皮脂でくすみにくい合成マイカを用いることがさらに好ましい。
【0012】
上記板状粉体の平均粒径は、1~100μmが好ましく、1~50μmがより好ましく、1~30μmがさらに好ましい。
本発明において、平均粒径は、電子顕微鏡観察、レーザー回折/散乱法による粒度分布測定機によって、測定される。具体的には、レーザー回折/散乱法の場合、エタノールを分散媒として、レーザー回折散乱式粒度分布測定器で測定し、50%メジアン径を平均粒子径とする。厚さは原子間力顕微鏡により基準面との差を測定し、相加平均したものを平均厚さとする。
【0013】
上記板状粉体のアスペクト比は、20~100が好ましく、55~100がより好ましく、効果の点から、光を多く反射させる80~95がさらに好ましい。
アスペクト比は、平均粒子径と平均厚さとの比により計算されるものであり、アスペクト比=平均粒子径/平均厚さで定義される。
【0014】
本発明の複合粉体に使用するウニ状顔料級酸化チタンは、微細な棒状ルチル型酸化チタンをウニ状に凝集させたものであり、通常化粧料に配合し得るものであれば特に限定されない。平均粒径は200nm~400nmが好ましい。平均粒経が200nm~400nmを外れると、隠蔽力が劣る傾向があり、また透明感も不十分となる。本発明において平均粒径は透過型電子顕微鏡により測定を行ったものである。
【0015】
上記ウニ状顔料級酸化チタンは無機材料による表面処理を施したものを用いる。
【0016】
表面処理剤として使用できる無機材料としては、酸化チタン粉体の光触媒活性を抑制できるものであれば特に限定されない。上記無機材料は酸化物であってもよく、水酸化物であってもよい。上記無機材料は亜鉛、チタン、セリウム、鉄、マグネシウム、カルシウム、ケイ素およびアルミニウムの群から選択される少なくとも1種の酸化物であってもよく、水酸化物であってもよい。上記無機材料は水和物であってもよい。
上記無機材料は、光触媒活性が抑制されやすい点において、アルミニウム化合物を含むことが好ましい。
【0017】
上記ウニ状顔料級酸化チタンの市販品としては、例えば、「ST-705SA」(チタン工業株式会社製、平均粒径250nm)等が挙げられる。
【0018】
本発明の複合粉体における板状粉体へのウニ状顔料級酸化チタンの被覆率は、10~30質量%が好ましく、20~30質量%がさらに好ましい。30質量%を超えて被覆すると凝集が生じ、十分なカバー力及びツヤ感を得ることが難しい。
【0019】
複合粉体の板状粉体へのウニ状顔料級酸化チタンの被覆方法としては、これまで知られた各種方法、例えば物理化学的な混合摩砕法(乾式、湿式)や化学的な沈着法などが選択され実施されるが、本発明の複合粉体においては乾式の混合摩砕法が有利に用いられる。
【0020】
本発明の複合粉体は、拡散光に青色領域が多く、正反射光に赤色波長が多い特徴を有するため、凹凸ぼかし効果及び使用感触に優れ、良好なカバー力及びツヤ感を両立することが可能となった。
【0021】
本発明の複合粉体に使用する板状粉体及びウニ状顔料級酸化チタンはそれぞれ単独で、又は複合化後にさらに表面処理を施すことができる。
【0022】
表面処理剤として使用できる無機材料としては、特に限定されない。上記無機材料は酸化物であってもよく、水酸化物であってもよい。上記無機材料は亜鉛、チタン、セリウム、鉄、マグネシウム、カルシウム、ケイ素およびアルミニウムの群から選択される少なくとも1種の酸化物であってもよく、水酸化物であってもよい。上記無機材料は水和物であってもよい。
【0023】
ケイ素化合物としては、例えば、シリカ、水和シリカ等が挙げられる。
【0024】
アルミニウム化合物としては、例えば、水酸化アルミニウム、アルミナ、アルミナ水和物等が挙げられる。
【0025】
表面処理剤として使用できる有機材料としては、例えば、シリコーン化合物、脂肪酸、脂肪酸石鹸、脂肪酸エステル、アミノ酸、N-アシルアミノ酸等が挙げられる。これらの有機材料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】
シリコーン化合物としては、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン,ジメチルポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーンオイル、メチルトリメトキシシラン,エチルトリメトキシシラン,ヘキシルトリメトキシシラン,オクチルトリメトキシシラン等のアルキルシラン、トリフルオロメチルエチルトリメトキシシラン,ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン、(アクリレーツ/アクリル酸トリデシル/メタクリル酸トリエトキシシリルプロピル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、トリエトキシカプリリルシラン等が挙げられる。
【0027】
脂肪酸としては、例えば、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ロジン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0028】
脂肪酸石鹸としては、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、12-ヒドロキシステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。
【0029】
脂肪酸エステルとしては、例えば、デキストリン脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0030】
アミノ酸としては、例えば、プロリン、ヒドロキシプロリン、アラニン、グリシン、サルコシン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸及びこれらの塩等が挙げられる。
【0031】
N-アシルアミノ酸としては、例えば、ラウロイルグルタミン酸、ミリストイルグルタミン酸、ステアロイルグルタミン酸、オレイリルグルタミン酸、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸、ミリストイルアスパラギン酸、オレイリルアスパラギン酸、ヤシ油脂肪酸アスパラギン酸、ジラウロイルグルタミン酸リシン、ラウロイルリシン、パルミトイルサルコシン及びこれらの塩等が挙げられる。
【0032】
上記表面処理剤の中でも、板状粉体に対する被覆剤としては、メチルハイドロジェンポリシロキサンが最も好ましい。ウニ状顔料級酸化チタンの被覆剤としてはステアリン酸、メチルハイドロジェンポリシロキサンから選択される1種又は2種が好ましく、ステアリン酸が最も好ましい。
【0033】
上記表面処理剤の本発明の複合粉体に対する被覆率は特に限定されず、適宜望まれる効果に合わせて被覆率を調整することできる。母粉体に対し0.01~10質量%被覆することが好ましく、1~8質量%がさらに好ましい。
【0034】
本発明の複合粉体は、化粧料に配合することができる。この化粧料は、上記複合粉体を含有することによってカバー力、凹凸ぼかし効果、ツヤ感及び使用感触に優れるという効果を発揮する。
【0035】
複合粉体の化粧料への配合量としては、1~90質量%が好ましい。配合量が1質量%未満の場合、複合粉体の効果が化粧料中で有効に発揮されにくくなる傾向がある。90質量%を超えて配合すると、製剤化が困難になる傾向がある。
【0036】
本発明の複合粉体を含有する化粧料の用途としては、ファンデーション、アイカラー、チークカラー、口紅、マスカラ、アイライナー、アイブロウなどのメイクアップ化粧料をはじめ、紫外線防御用化粧料、手用化粧料、全身用化粧料等その用途を問わない。
【0037】
本発明の複合粉体を含有する化粧料の剤型は問わない。かかる剤型としては、水系組成物、水中油型乳化組成物、油中水型乳化組成物、水中油中水型乳化組成物、油中水中油型乳化組成物、液晶組成物、油系組成物、粉体組成物、エアゾール、泡吐出型組成物、非エアゾール型スプレー組成物などが例示される。
【0038】
本発明の複合粉体を含有する化粧料は、通常の製造方法により製造することができる。
【0039】
本発明の複合粉体を含有する化粧料には、通常化粧料に配合し得る成分を配合することができる。
【実施例0040】
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、配合量は、特に指定しない限り質量%を意味する。また、実施例又は比較例は常法により調製した。
【0041】
粉体1:平均粒経7μm及びアスペクト比85~90である合成マイカ
粉体2:水酸化アルミニウム及びステアリン酸により処理された平均粒径250nmのウニ状顔料級酸化チタン
粉体3:平均粒経20μm及びアスペクト比70であるマイカ
粉体4:水酸化アルミニウム及びジメチコンにより処理された平均粒径250nmの顔料級酸化チタン
【0042】
(複合粉体1)
ハイドロゲンジメチコン処理を行った粉体1と粉体2をブレンダーを用いて混合することにより複合粉体1を得た。この複合粉体を顕微鏡で観察したところ、粉体1に粉体2が被覆されていた。
【0043】
(複合粉体2)
粉体3と粉体4をブレンダーを用いて混合することにより複合粉体2を得た。この複合粉体を顕微鏡で観察したところ、粉体3に粉体4が被覆されていた。複合粉体2は水酸化アルミニウム及びメチコンによる処理を行った。
【0044】
[凹凸ぼかし効果]
上記複合粉体1,2及び上記粉体1,2,4を毛穴モデル(株式会社ビューラックス社製:頬部肌模型No.10A)に十分量のせて指で伸ばした後、過剰量を払い落として均一に塗布した。上記粉体を塗布した毛穴モデルを暗幕下で蛍光灯を当て正反射の角度から観察を行い、凹凸ぼかし効果について専門評価者3名が合議により下記の基準により目視評価を行った。
さらに、表面写真を撮影し、二値化処理を行った後、画像解析ソフト(ImageJ)を使用して輝度の標準偏差を得た。標準偏差の値が小さいほど、毛穴が目立たないことを示す。結果を表1に示す。
【0045】
[カバー力、ツヤ感]
標準黒色板に、3cm×3cmの半透明粘着テープを貼付し、その粘着テープの表面に、上記複合粉体1,2及び上記粉体1,2,4を十分量のせて指で伸ばした後、過剰量を払い落として均一に塗布した。その塗布面に、入射角-45°にて入射光を照射し、受光角を-80°~80°の範囲で変角しながら反射光の反射率の測定を分光変角色差計(日本電色工業株式会社製:GC5000)を用いて行った。結果を
図1~5に示す。
さらに、専門評価者3名が上記粉体を手の甲に適量塗布し、各粉体のカバー力及びツヤ感を合議により下記の基準により評価を行った。結果を表1に示す。
【0046】
[使用感]
専門評価者3名が上記複合粉体1,2及び上記粉体1,2,4を手の甲に適量塗布し、各粉体の使用感触を合議により下記の基準により評価を行った。結果を表1に示す。
【0047】
[評価基準]
「◎」:非常に良い
「〇」:良い
「△」:少し悪い
「×」:悪い
【0048】
【0049】
表1に示したように本発明の複合粉体は凹凸ぼかし効果、カバー力、ツヤ感及び使用感のすべての評価項目において優れた結果が得られた。
図1から明らかなように本発明の複合粉体は、全角度において反射率が高く、特に正反射の角度において反射率が高いため、カバー力及びツヤ感に優れたものであった。一方、赤色波長については正反射以外の角度において透過率が高く、正反射の角度において反射率が高いため、凹凸を効果的に補正することができ、凹凸ぼかし効果に優れたものであった。
すなわち、透過率、拡散反射及び正反射のバランスに優れているため、カバー力、ツヤ感を有しながら、凹凸ぼかし効果に優れることが確認された。
【0050】
表1及び
図2から明らかなように比較例1の複合粉体2は全角度において反射率が高く、特に正反射の角度において反射率が高いためカバー力及びツヤ感に優れるものの、赤色波長の透過率が低く、凹凸ぼかし効果が得られなかった。さらに使用感も満足のいくものではなかった。
また、表1及び
図3から明らかなように比較例2の粉体1は正反射の角度において反射率が高く、ツヤ感に優れるものの、正反射以外の角度において反射率が非常に低く、透過率が高いため透明度が高く、カバー力及び凹凸ぼかし効果は得られなかった。さらに使用感も満足のいくものではなかった。
また、表1及び
図4から明らかなように比較例3の粉体2は全角度において反射率が同程度であり、カバー力に優れるものの、正反射の角度においても反射率が高くなることはなく、ツヤ感は得られなかった。一方、赤色波長の反射率は低く、透過率が高いため凹凸ぼかし効果は発揮するが、正反射の角度においても赤色波長の反射率が同程度であり、満足のいく凹凸ぼかし効果は得られなかった。さらに使用感も劣るものであった。
また、表1及び
図5から明らかなように比較例4の粉体4は全角度において反射率が高く、カバー力に優れるものの、正反射の角度において反射率が高くなることはなく、ツヤ感は得られなかった。赤色波長においても同様に全角度において反射率が高く、透過率が低いため凹凸ぼかし効果は得られなかった。さらに使用感も劣るものであった。
【0051】
つぎに本発明の複合粉体を配合した化粧料について記載する。以下に示す化粧料はいずれも常法により製造したものである。
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
上記化粧料は凹凸ぼかし効果、カバー力、ツヤ感、使用感のすべての評価項目において優れた効果を発揮した。