(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087333
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】注意喚起方法選択装置、注意喚起方法選択方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240624BHJP
【FI】
G08G1/16 D
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202099
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】久保 知之
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA06
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC04
5H181FF18
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】歩行者の属性および飛び出す可能性に基づいて、適切な注意喚起方法を選択することを可能にする。
【解決手段】バスの前後に設置されたカメラによってバスが停車中に撮影された映像に基づいて、バスの前後にいる歩行者を検知し、映像から検出した歩行者の身体状態を用いて、歩行者の属性と属性に対応した判断基準に基づく歩行者が飛び出す可能性とを判断し、属性と飛び出す可能性とに基づいて注意喚起方法を選択し、注意喚起方法に応じた指示を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスの前後に設置されたカメラによって前記バスが停車中に撮影された映像に基づいて、前記バスの前後にいる歩行者を検知する検知手段と、
前記検知手段が前記歩行者を検知した場合に、前記映像から検出した前記歩行者の身体状態を用いて、前記歩行者の属性と前記属性に対応した判断基準とに基づく前記歩行者が飛び出す可能性とを判断する判断手段と、
前記判断手段が判断した前記属性と前記歩行者が飛び出す可能性とに基づいて注意喚起方法を選択する選択手段と、
前記選択手段が選択した前記注意喚起方法に応じた指示を出力する出力手段と
を備える注意喚起方法選択装置。
【請求項2】
前記歩行者の身体状態は、姿勢、歩き方、身長、又は移動速度の少なくともいずれか1つを含む
請求項1に記載した注意喚起方法選択装置。
【請求項3】
前記判断手段は、前記歩行者の身体状態を用いて、前記歩行者の属性が、高齢者、携帯端末を操作中の人物、又は子供のいずれかを判断する
請求項1に記載した注意喚起方法選択装置。
【請求項4】
前記歩行者の身体状態は、前記歩行者の移動速度及び姿勢を含み、
前記判断手段は、前記移動速度および前記姿勢に基づいて、前記歩行者の属性が高齢者であるか否かを判断する
請求項3に記載した注意喚起方法選択装置。
【請求項5】
前記選択手段は、前記判断手段が前記歩行者の属性が高齢者であり、前記飛び出す可能性が高いと判断した場合に、前記注意喚起方法として、高齢者が聞き取りやすい音を出力することを選択する
請求項3に記載した注意喚起方法選択装置。
【請求項6】
前記歩行者の身体状態は、前記歩行者の歩き方及び姿勢を含み、
前記判断手段は、前記歩き方および姿勢に基づいて、前記歩行者の属性が携帯端末を操作中の人物であるか否かを判断する
請求項3に記載した注意喚起方法選択装置。
【請求項7】
前記歩行者の身体状態は、前記歩行者の身長及び移動速度を含み、
前記判断手段は、前記身長に基づいて前記歩行者の属性が子供であると判断し、前記移動速度に基づいて前記歩行者が飛び出す可能性を判断する
請求項3に記載した注意喚起方法選択装置。
【請求項8】
前記選択手段は、前記判断手段が前記歩行者の属性が子供であり、前記飛び出す可能性が高いと判断した場合に、前記注意喚起方法として、子供が理解しやすい音を出力することを選択する
請求項3に記載した注意喚起方法選択装置。
【請求項9】
前記検知手段は、さらに車両を検知し、
前記判断手段は、前記検知手段が前記車両を検知した場合に、前記映像から検出した前記歩行者の身体状態を用いて、前記歩行者の属性と前記属性に対応した判断基準に基づく前記歩行者が飛び出す可能性とを判断する
請求項1に記載した注意喚起方法選択装置。
【請求項10】
前記検知手段は、複数の前記歩行者を検知し、
前記判断手段は、前記検知手段が前記複数の歩行者を検知した場合に、前記複数の歩行者の前記移動速度が一番速い歩行者の前記属性と前記属性に対応した判断基準に基づく前記歩行者が飛び出す可能性とを判断する
請求項2に記載した注意喚起方法選択装置。
【請求項11】
前記出力手段が前記注意喚起方法に応じた指示を出力した回数と、出力した場所の情報とを記録する記録手段を備え、
前記出力手段は、前記記録手段が記録した前記回数が所定回数を超えた前記場所の情報を出力する
請求項1から10のいずれかに記載した注意喚起方法選択装置。
【請求項12】
バスの前後に設置されたカメラによってバスが停車中に撮影された映像に基づいて、前記バスの前後にいる歩行者を検知し、
前記歩行者を検知した場合に、前記映像から検出した前記歩行者の身体状態を用いて、前記歩行者の属性と前記属性に対応した判断基準に基づく前記歩行者が飛び出す可能性とを判断し、
判断した前記属性と前記歩行者が飛び出す可能性とに基づいて注意喚起方法を選択し、
選択した前記注意喚起方法に応じた指示を出力する、
注意喚起方法選択方法。
【請求項13】
コンピュータに、
バスの前後に設置されたカメラによってバスが停車中に撮影された映像に基づいて、前記バスの前後にいる歩行者を検知し、
前記歩行者を検知した場合に、前記映像から検出した前記歩行者の身体状態を用いて、前記歩行者の属性と前記属性に対応した判断基準に基づく前記歩行者が飛び出す可能性とを判断し、
判断した前記属性と前記歩行者が飛び出す可能性とに基づいて注意喚起方法を選択し、
選択した前記注意喚起方法に応じた指示を出力する、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、注意喚起方法選択装置、注意喚起方法選択方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
バスは、乗客の乗降者のためにバス停等に停車をする。このとき、停車しているバスの前後を通り、道路を横断しようとする歩行者は、バスの車体の陰に隠れてしまう。そのため、バスを追い越そうとする後続車の運転手や、反対車線を走行する対向車の運転手からは、横断しようとする歩行者が見えづらい状態となる。その結果、バスの陰から飛び出す歩行者と、後続車や対向車の接触事故が発生している。
【0003】
そこで、接触事故の防止のために、歩行者や運転手に警告を行う装置が知られている。特許文献1に記載されている危険報知装置は、大型車の前を横断する歩行者と、大型車を追い越そうとする車両を検知する。そして、歩行者と追い越し車両に対して危険を報知する。
【0004】
また、特許文献2に記載されている車載用警告装置は、後退しようとする車両の後方にいる歩行者の属性を、顔画像の顔の特徴から識別する。そして、歩行者の属性によって警告内容を切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-080360号公報
【特許文献2】特開2010-111275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の危険報知装置では、歩行者の属性及び飛び出す可能性に対応した注意喚起を行うことができない場合がある。
【0007】
そして、特許文献2に記載の車載用警告装置では、歩行者の飛び出す可能性に対応した注意喚起を行うことができない場合がある。
【0008】
本開示の目的は、適切な注意喚起方法を選択することを可能にする、注意喚起方法選択装置、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために、本開示の一態様において、注意喚起方法選択装置は、バスの前後に設置されたカメラによってバスが停車中に撮影された映像に基づいて、バスの前後にいる歩行者を検知する検知手段と、検知手段が歩行者を検知した場合に、映像から検出した歩行者の身体状態を用いて、歩行者の属性と属性に対応した判断基準に基づく歩行者が飛び出す可能性とを判断する判断手段と、判断手段が判断した属性と飛び出す可能性とに基づいて注意喚起方法を選択する選択手段と、選択手段が選択した注意喚起方法に応じた指示を出力する出力手段と、を備える。
【0010】
上述の課題を解決するために、本開示の一態様において、注意喚起方法選択方法は、バスの前後に設置されたカメラによってバスが停車中に撮影された映像に基づいて、バスの前後にいる歩行者を検知し、歩行者を検知した場合に、映像から検出した歩行者の身体状態を用いて、歩行者の属性と属性に対応した判断基準に基づく歩行者が飛び出す可能性とを判断し、判断した属性と歩行者が飛び出す可能性とに基づいて注意喚起方法を選択し、選択した注意喚起方法に応じた指示を出力する。
【0011】
上述の課題を解決するために、本開示の一態様において、プログラムは、コンピュータに、バスの前後に設置されたカメラによってバスが停車中に撮影された映像に基づいて、バスの前後にいる歩行者を検知し、歩行者を検知した場合に、映像から検出した歩行者の身体状態を用いて、歩行者の属性と属性に対応した判断基準に基づく歩行者が飛び出す可能性とを判断し、判断した属性と歩行者が飛び出す可能性とに基づいて注意喚起方法を選択し、選択した注意喚起方法に応じた指示を出力する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、適切な注意喚起方法を選択することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施形態にかかる注意喚起方法選択装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態にかかる、歩行者と対向車の位置関係の一例を説明する図である。
【
図3】第1の実施形態にかかる、歩行者と後続車の位置関係の一例を説明する図である。
【
図4】第1の実施形態にかかる注意喚起システムの構成例を示すブロック図である。
【
図5】第1の実施形態にかかるサイネージに表示する画面の例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態にかかるディスプレイに表示するが画面の例を示す図である。
【
図7】第1に実施形態にかかる注意喚起方法選択装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】第1に実施形態にかかる注意喚起方法選択装置における高齢者に関する処理の動作を示すフローチャートである。
【
図9】第1に実施形態にかかる注意喚起方法選択装置における携帯端末を操作中の人物に関する処理の動作を示すフローチャートである。
【
図10】第1に実施形態にかかる注意喚起方法選択装置における子供に関する処理の動作を示すフローチャートである。
【
図11】第1の実施形態にかかる注意喚起方法選択装置における判断部が用いる判断基準の一例である。
【
図12】第2の実施形態にかかる注意喚起システムの構成例を示すブロック図である。
【
図13】第2の実施形態にかかる注意喚起における記録部が記録する情報の例を示す図である。
【
図14】第2の実施形態にかかる地図サービスにおける表示の例を示す図である。
【
図15】各実施形態のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1の実施形態]
次に、実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、第1の実施形態における注意喚起方法選択装置10の構成を示すブロック図である。注意喚起方法選択装置10は、バスの前後に設置されたカメラによってバスが停車中に撮影された映像に基づいて、バスの前後にいる歩行者を検知する検知部101と、検知部101が歩行者を検知した場合に、映像から検出した歩行者の身体状態を用いて、歩行者の属性と属性に対応した判断基準に基づく歩行者が飛び出す可能性とを判断する判断部102と、判断部102が判断した属性と飛び出す可能性とに基づいて注意喚起方法を選択する選択部103と、選択部103が選択した注意喚起方法に応じた指示を出力する出力部104と、を備える。
【0016】
ここで、本実施形態において想定される、注意喚起方法選択装置の使用状況について、
図2および
図3を用いて説明を行う。
図2および
図3は一例であり、車両の位置、歩行者の属性及び注意喚起方法選択方法については、これに限られない。
【0017】
図2は、停車中のバスB1の後方を通過し、道路を横断しようとする歩行者A1と、バスの対向車線を走行している対向車C1の位置関係を示す図である。
図2に示す状況において、歩行者A1は、バスB1の車両によって対向車C1の運転手から見えづらい状態である。そのため、歩行者A1と対向車C1による衝突事故の危険がある。そこで、本開示の注意喚起方法選択装置は、歩行者A1および対向車C1の運転手に対して、注意喚起を行う。
【0018】
図3は、停車中のバスB2の前方を通過し、道路を横断しようとする歩行者A2と、バスと同じ方向に走行している後続車C2の位置関係を示す図である。
図3に示す状況において、歩行者A2は、バスB2の車両によって後続車C2の運転手から見えづらい状態である。そのため、歩行者A2と後続車C2による衝突事故の危険がある。そこで、本開示の注意喚起方法選択装置は、歩行者A2および後続車C2の運転手に対して、注意喚起を行う。
【0019】
以上の使用状況を一例とする、第1の実施形態における注意喚起方法選択装置10の構成を説明する。
【0020】
検知部101は、バスの前後に設置されたカメラによってバスが停車中に撮影された映像に基づいて、バスの前後にいる歩行者を検知する検知手段の一態様である。具体的に、検知部101は、バスの前後に設置されたカメラによってバスが停車中に撮影された映像を受信する。そして、検知部101は、受信した映像に基づいて、バスの前後にいる歩行者を検知する。歩行者の検知には一般的な画像認識手法を用いる。ここで、本実施形態で用いる映像は動画像である。
【0021】
判断部102は、検知部101が歩行者を検知した場合に、映像から検出した歩行者の身体状態を用いて、歩行者の属性と属性に対応した判断基準に基づく歩行者が飛び出す可能性とを判断する判断手段の一態様である。具体的には、判断部102は、検知部101が歩行者を検知した場合に、映像から歩行者の身体状態を検出する。歩行者の身体状態には、例えば姿勢、身長、歩き方、移動速度が挙げられる。また、本実施形態において、判断される属性の種類は、高齢者、携帯端末を操作中の人物、および子供の3種類であるが、以上に限定されない。判断部102は、歩行者の身体状態から歩行者の属性を判断する。そして、判断部102は、属性に対応した判断基準に基づき歩行者が飛び出す可能性を判断する。本実施形態では、飛び出す可能性が高い場合と、飛び出す可能性がある場合の2段階で判断を行うが、これに限られない。属性の判断基準と、歩行者の属性に対応した飛び出す可能性の判断基準については、後ほど説明する。
【0022】
選択部103は、判断手段が判断した属性と飛び出す可能性とに基づいて注意喚起方法を選択する選択手段の一態様である。歩行者の属性と飛び出す可能性とに基づいて、選択部103が選択する注意喚起方法については、後ほど説明する。
【0023】
出力部104は、選択手段が選択した注意喚起方法に応じた指示を出力する出力手段の一態様である。指示の出力先は、後述する前方サイネージ121、後方サイネージ122、前方スピーカ131、後方スピーカ132、および後方ディスプレイ142である。出力先は、前方サイネージ121、後方サイネージ122、前方スピーカ131、後方スピーカ132、または後方ディスプレイ142のうちいずれか1つ以上であってもよい。
【0024】
図4は、第1の実施形態における注意喚起システムの構成を示すブロック図である。本実施形態の注意喚起システムは、注意喚起方法選択装置10、前方カメラ111、後方カメラ112,前方サイネージ121、後方サイネージ122、前方スピーカ131、後方スピーカ132、および後方ディスプレイ142を備える。注意喚起方法選択装置10の構成は前述のとおりである。注意喚起方法選択装置10、前方カメラ111、後方カメラ112,前方サイネージ121、後方サイネージ122、前方スピーカ131、後方スピーカ132、および後方ディスプレイ142はバスに搭載されている。
【0025】
前方カメラ111は、バスの前方に設置されたカメラである。また、後方カメラ112は、バスの後方に設置されたカメラである。バスが停車しているときに、前方カメラ111および後方カメラ112は、バスの前後の映像を撮影する。ここで映像とは動画像である。そして、撮影した映像を注意喚起方法選択装置10の検知部101に送信する。前方カメラ111および後方カメラ112は、例えば、バスのドライブレコーダーを用いてもよい。
【0026】
前方サイネージ121は、バスの前方に設置されたサイネージであり、後方サイネージ122は、バスの後方に設置されたサイネージである。前方サイネージ121および後方サイネージ122は、例えば、バスの行き先表示を行う表示装置を用いてもよい。用いる装置はこれに限定されない。前方サイネージ121および後方サイネージ122は、出力部104から指示を受信する。前方サイネージ121および後方サイネージ122での表示の一例を
図5に示す。
【0027】
出力部104が出力する指示には、表示させる内容についての情報も含まれている。表示させる内容についての情報とは、例えば、表示するメッセージの内容や、縁取りおよびメッセージの背景の色が考えられる。出力部104から指示を受信した前方サイネージ121および後方サイネージ122は、その指示に含まれる情報に基づき表示を行う。
【0028】
ほかにも、出力部104から出力される指示には、歩行者の属性と飛び出す可能性に対応した表示を行う指示のみを含み、表示させる内容についての情報は含まれなくてもよい。この場合、表示させる内容についての情報は、歩行者の属性および飛び出す可能性と紐づけられており、前方サイネージ121および後方サイネージ122のデータベースに保存されている。出力部104から指示を受信した前方サイネージ121および後方サイネージ122は、データベースから、歩行者の属性および飛び出す可能性に対応した表示させる内容の情報を読み出す。そして、読みだした情報に基づき表示を行う。
【0029】
前方スピーカ131は、バスの前方に設置されたスピーカであり、後方スピーカ132は、バスの後方に設置されたスピーカである。前方スピーカ131および後方スピーカ132は、出力部104から指示を受信すると、その指示に対応した音声を出力する。
【0030】
後方ディスプレイ142は、バスの後方に設置されたディスプレイである。出力部104から指示を受信すると、その指示に対応した表示を行う。後方ディスプレイでの表示の一例を
図6に示す。
【0031】
以上のように構成された注意喚起システムにおける、注意喚起方法選択装置10の動作について、
図7のフローチャートを参照して説明する。
【0032】
図7は第1の実施形態における注意喚起方法選択装置10の動作の概要を示すフローチャートである。
【0033】
まず、検知部101は、前方カメラ111または後方カメラ112によってバスが停車中に撮影された映像の解析を行う(ステップS1)。そして、検知部101は、解析の結果、バスの前または後ろに歩行者がいるかを検知する(ステップS2)。検知部101が、バスの前後に歩行者を検知しなかった場合(ステップS2でNO)、注意喚起方法選択装置10は動作を終了する。そして、検知部101が、バスの前または後ろに歩行者を検知した場合(ステップS2でYES)、判断部102は歩行者の属性と飛び出す可能性の判断を行う。
【0034】
まず判断部102は、歩行者が高齢者であるかの判断を行う(ステップS3)。そして、歩行者が高齢者であると判断した場合には(ステップS3でYES)、ステップS4に進む。ステップS4では、判断部102が、高齢者の飛び出す可能性を判断し、選択部103が注意喚起方法を選択し、出力部104が注意喚起方法に応じた指示を出力する。ステップS3とステップS4については後程詳細に説明する。
【0035】
歩行者が高齢者ではないと判断した場合には(ステップS3でNO)、判断部102は、歩行者が携帯端末を操作中の人物であるかの判断を行う(ステップS5)。そして、歩行者が携帯端末を操作中の人物であると判断した場合には(ステップS5でYES)、ステップS6に進む。ステップS6では、判断部102が、携帯端末を操作中の人物の飛び出す可能性を判断し、選択部103が注意喚起方法を選択し、出力部104が注意喚起方法に応じた指示を出力する。ステップS5とステップS6についても後程詳細に説明する。
【0036】
歩行者が携帯端末を操作中の人物ではないと判断した場合には(ステップS5でNO)、判断部102は、歩行者が子供であるかの判断を行う(ステップS7)。そして、歩行者が子供であると判断した場合には(ステップS7でYES)、ステップS8に進む。ステップS8では、判断部102が子供の飛び出す可能性を判断し、選択部103が注意喚起方法を選択し、出力部104が注意喚起方法に応じた指示を出力する。ステップS7とステップS8についても後程詳細に説明する。
【0037】
判断部102が、歩行者が子供ではないと判断した場合(ステップS7でNO)には、選択部103はディスプレイに前方カメラ111の映像を表示することを選択する(ステップS9)。そして、出力部104はディスプレイに前方カメラ111の映像を表示する指示を出力する(ステップS9)。また、ステップS4、ステップS6、もしくはステップS8において、出力部104が注意喚起方法に応じた指示を出力した場合にも、ステップS9に進む。そして、注意喚起方法選択装置10は動作を終了する。
【0038】
ステップS9では、歩行者の属性にかかわらず、後方ディスプレイに142よって前方カメラ111の映像の表示を行う。後方ディスプレイでの表示を行うことで、後続車の運転手に対して注意を促す。歩行者がバスの後方にいる場合には、後方ディスプレイ142での表示を行わなくてもよい。
【0039】
図6に示された後方ディスプレイ142における表示の一例において、ディスプレイの縁取り142aは、例えば赤色で表示することで、運転手に対して注意喚起を行う。
【0040】
本実施形態の動作のフローでは、歩行者の属性について、高齢者、携帯端末を操作中の人物、そして子供の順番で判断を行っている。しかし、これらの属性の判断の順番は入れ替えてもよい。属性の判断の順番を入れ替えることにより、本実施形態の注意喚起方法選択装置は、優先的に注意喚起を行いたい属性の判断を先に行う構成となる。この構成により、優先的に注意喚起を行いたい属性に対応する注意喚起方法を、注意喚起方法選択装置が選択し、出力するまでの時間を短縮することが可能である。その結果、優先的に注意喚起を行いたい属性の歩行者と車両による事故の発生防止に効果的である。
【0041】
さらに、高齢者、携帯端末を操作中の人物および子供のうち、いずれか1つまたは2つの属性についてのみ判断を行うフローとしてもよい。注意喚起方法選択装置の使用環境、例えば、通学路を通過するバス路線のような地域性に応じて、必要性の高い属性のみを判断するフローに変更することが可能である。判断を行う属性の種類を減らし、短いフローで注意喚起が行えることで、事故の防止により効果的である。
【0042】
次に、
図8、
図9、
図10を用いて、高齢者、携帯端末を操作中の人物、および子供に関する動作についてそれぞれ説明を行う。
【0043】
まず、
図8を用いて高齢者に関する動作について説明するとともに、高齢者に関する判断基準及び注意喚起方法についても説明する。
図8は高齢者に関する動作のフローチャートである。
【0044】
まず、ステップS31からステップS34において、歩行者の属性が高齢者であるかどうかの判断を行う。これは、
図7のステップS3に該当する。
【0045】
ここで、歩行者の属性が高齢者であるかどうかの判断基準は、歩行者の姿勢および移動速度である。歩行者の姿勢が前かがみで足が上がっていない状態であり、かつ、移動速度が秒速1.0m以下である場合、判断部102は歩行者が高齢者であると判断する。姿勢が前かがみであるとは、例えば円背指数に基づいて判断する。また、足があがっているかどうかは、例えば股関節の進展可動域に基づいて判断する。そして、高齢者の移動速度については、加齢による歩くスピードの低下に基づき設定しているが、この速度に限られない。
【0046】
ステップS31において、判断部102は映像から歩行者の姿勢を検出する。そして、姿勢が前かがみになっており、かつ足が上がっていないかの判断を行う(ステップS32)。歩行者の姿勢が前かがみではない、もしくは足があがっている場合には(ステップS32でNO)、歩行者は高齢者ではないと判断し、高齢者に関する動作は終了する。そしてステップS5に進む。
【0047】
歩行者の姿勢が前かがみになっており、かつ足が上がっていない場合には(ステップS32でYES)、判断部102は歩行者の移動速度を検出する(ステップS33)。そして、移動速度が秒速1.0m以下であるかどうかの判断を行う(ステップS34)。移動速度は1.0mより早い場合には(ステップS34でYES)、歩行者は高齢者ではないと判断し、高齢者に関する動作は終了する。そしてステップS5に進む。
【0048】
移動速度が1.0m以下である場合には(ステップS34でNO)、歩行者が高齢者であると判断し、ステップS41に進む。
【0049】
ここで、本実施形態では、判断部102が、歩行者の姿勢を検出し(ステップS31)、ステップS32において判断をしたあとに、歩行者の移動速度を検出している(ステップS33)。しかし、ステップS31において、判断部102が、歩行者の姿勢および歩行者の移動速度を同時に検出するフローとしてもよい。ほかにも、先に歩行者の移動速度を検出したあとに歩行者の姿勢を検出するフローでもよい。
【0050】
次に、ステップS41において高齢者の飛び出す可能性について判断を行う。
図11は、それぞれの属性に対応した、飛び出す可能性の判断基準を示した表である。高齢者の飛び出す可能性の判断基準は、高齢者の姿勢である。具体的には、高齢者の顔の角度が0°より下を向いているか否かを判断する。ここで、地面と水平方向を0°とする。顔は0°より下を向いている場合には、高齢者は下を見ながら歩いており、車両への注意が不十分であると考えられる。そのため、飛び出す可能性が高いと判断する。一方で、顔が0°より下を向いていない場合には、高齢者は車両への注意を払っていると考えられる。そのため、飛び出す可能性があると判断する。ここで、飛び出す可能性の判断基準である顔の角度は0°に限られず、高齢者が十分に車両への注意を払える角度を適宜設定すればよい。
【0051】
したがって、ステップS41において、判断部102がステップS31で検出した歩行者の姿勢を用いて、高齢者の飛び出す可能性について判断を行う。高齢者の顔の角度が0°より下を向いている場合には(ステップS41でYES)、判断部102は、高齢者が飛び出す可能性は高いと判断する。
【0052】
歩行者の属性が高齢者であり、飛び出す可能性が高いと判断された場合の注意喚起方法は、運転手に注意を促すために、高齢者が飛び出す可能性が高いことを前方サイネージ121もしくは後方サイネージ122に表示すること、および、飛び出す可能性が高いと判断された場合の注意喚起方法は、高齢者に危険であることを伝えるために、高齢者が聞き取りやすい音を前方スピーカ131もしくは後方スピーカ132で出力することの2点である。
【0053】
そこで、ステップS42において、選択部103は、高齢者が飛び出す可能性が高いことをサイネージに表示することを選択し、出力部104はサイネージに表示する指示を出力する。
図5に示された、前方サイネージ121または後方サイネージ122での表示の一例を用いて、具体的な表示の内容を説明する。高齢者の飛び出す可能性が高い場合には、サイネージの縁取り12aは赤で表示する。そして、文字12bは、文字の色を赤と黒で交互に変更し、警告メッセージを表示する。また、文字12bの背景12cは黄色で表示する。警告メッセージおよび色については、これに限られない。
【0054】
さらに、選択部103は高齢者に対して危険であることを伝えるために、高齢者が聞き取りやすい音を前方スピーカ131または後方スピーカ132で出力すること選択し、出力部104は指示を出力する(ステップS43)。検知部101が、歩行者をバスの前方に検知した場合には、前方スピーカ131を用いて注意喚起を行い、歩行者をバスの後方に検知した場合には、後方スピーカ132を用いて注意喚起を行う。また、高齢者が聞き取りやすい音として、例えば2000Hzから200Hzに下降するスイープ音が考えられる。警告音はこれに限られず、加齢による聴力低下を伴った高齢者にも聞き取りやすい周波数の警告音を、出力部104は出力する。
【0055】
一方で、高齢者の顔の角度が0°より下を向いていない場合には(ステップS41でNO)、判断部102は、高齢者が飛び出す可能性があると判断する。歩行者の属性が高齢者であり、飛び出す可能性があると判断された場合の注意喚起方法は、高齢者が飛び出す可能性があることを前方サイネージ121または後方サイネージ122に表示することである。前方サイネージ121または後方サイネージ122に表示することで、後続車や対向車の運転手に注意を促す。
【0056】
そこで、選択部103は高齢者が飛び出す可能性が高いことをサイネージに表示することを選択し、出力部104はサイネージに表示する指示を出力する(ステップS44)。高齢者が飛び出す可能性がある場合、
図5においてサイネージの縁取り12aは黒であり、文字12bについては黒文字で表示する。文字の背景12cは黄色である。警告メッセージの内容はこれに限られず、飛び出す可能性が高い場合とメッセージの内容を変更してもよい。
【0057】
以上のステップS43もしくはステップS44を行うと、高齢者に関する動作は終了し、ステップS9に進む。前述のステップS41からステップS44は
図7のステップS4に該当する。
【0058】
次に、
図9を用いて携帯端末を操作中の人物に関する動作について説明するとともに、携帯端末を操作中の人物に関する判断基準及び注意喚起方法についても説明する。
図9は携帯端末を操作中の人物に関する動作のフローチャートである。
【0059】
まず、ステップS51からステップS54において、歩行者の属性が携帯端末を操作中の人物であるかどうかの判断を行う。これは
図7のステップS5に該当する。
【0060】
ここで、歩行者の属性が携帯端末を操作中の人物でありかどうかの判断基準は、歩行者の姿勢と歩き方である。具体的に説明する。まず、姿勢の基準は、両手もしくは片手を顔の前に置き、かつ、顔を0°より下に向けているか否かである。さらに、歩き方の基準は、蛇行しているか否かである。歩行者の蛇行の幅が、例えば0.39m以上である場合に、歩き方が蛇行していると判断する。歩き方が蛇行していると判断する蛇行の幅は、これに限られない。両手もしくは片手を顔の前に置き、かつ、顔を0°より下に向けている、かつ、歩き方が蛇行している場合、判断部102は歩行者が携帯端末を操作中の人物であると判断する。
【0061】
ステップS51において、判断部102は映像から歩行者の姿勢を検出する。そして、両手もしくは片手を顔の前に置いており、かつ、顔を0°より下に向けているかの判断を行う(ステップS52)。歩行者の両手もしくは片手が顔の前にない場合、または顔を0°より下に向けていない場合には(ステップS52でNO)、歩行者は携帯端末を操作中の人物ではないと判断し、携帯端末を操作中の人物に関する動作は終了する。そしてステップS5に進む。
【0062】
歩行者の両手もしくは片手を顔の前に置いており、かつ、顔を0°より下に向けている場合には(ステップS52でYES)、判断部102は歩行者の歩き方を検出する(ステップS53)。そして、歩行者の歩き方が蛇行しているかどうかの判断を行う(ステップS54)。歩行者の歩き方が蛇行していない場合には(ステップS54でNO)、携帯端末を操作中の人物に関する動作を終了し、ステップS7に進む。
【0063】
歩行者の歩き方が蛇行している場合には(ステップS54でYES)、歩行者が携帯端末を操作中の人物であると判断し、ステップS61に進む。
【0064】
ここで、本実施形態では、判断部102が、歩行者の姿勢を検出し(ステップS51)、ステップS52において判断をしたあとに、歩行者の歩き方を検出している(ステップS53)。しかし、ステップS51において、判断部102が、歩行者の姿勢および歩行者の歩き方を同時に検出するフローとしてもよい。また、ステップS51で用いる歩行者の姿勢を、高齢者に関する動作のステップS31で検出しておいてもよい。ほかにも、先に歩行者の歩き方を検出したあとに歩行者の姿勢を検出するフローでもよい。
【0065】
次に、ステップS61において携帯端末を操作中の人物の飛び出す可能性について判断を行う。
図11に示した表より、携帯端末を操作中の人物の飛び出す可能性の判断基準は、歩行者の姿勢である。具体的には、判断部102は、所定時間内に1回以上顔を上げているか否かを検出し、携帯端末を操作中の人物が飛び出す可能性の判断を行う。歩行者が携帯端末を操作中の人物であり、所定時間内に1回以上、顔をあげていない場合には前方を注意していないとして、飛び出す可能性が高いと判断する。一方で、歩行者が携帯端末を操作中の人物であっても、所定時間内に1回以上、顔を上げている場合には前方を注意しているとして、判断部102は、飛び出す可能性があると判断する。
【0066】
したがって、ステップS61において、ステップS51で検出された歩行者の姿勢を用いて、判断部102は携帯端末を操作中の人物の飛び出す可能性について判断を行う。携帯端末を操作中の人物が、所定時間内に1回以上顔を上げていない場合には(ステップS61でYES)、判断部102は、携帯端末を操作中の人物が飛び出す可能性は高いと判断する。
【0067】
歩行者の属性が携帯端末を操作中の人物であり、飛び出す可能性は高いと判断された場合の注意喚起方法は、運転手に注意を促すために、携帯端末を操作中の人物が飛び出す可能性が高いことを前方サイネージ121もしくは後方サイネージ122に表示すること、および、携帯端末を操作中の人物に危険であることを伝えるために、警告音を前方スピーカ131もしくは後方スピーカ132で出力することの2点である。
【0068】
そこで、選択部103は携帯端末を操作中の人物が飛び出す可能性が高いことを前方サイネージ121もしくは後方サイネージ122に表示することを選択し、出力部104は前方サイネージ121もしくは後方サイネージ122に表示する指示を出力する(ステップS62)。前方サイネージ121もしくは後方サイネージ122による具体的な表示は、高齢者の場合と同様でもよいし、変更してもよい。
【0069】
さらに、選択部103は携帯端末を操作中の人物に対して危険であることを伝えるために、警告音をスピーカで出力すること選択し、出力部104は指示を出力する(ステップS63)。検知部101が、歩行者をバスの前方に検知した場合には、前方スピーカ131を用いて注意喚起を行い、歩行者をバスの後方に検知した場合には、後方スピーカ132を用いて注意喚起を行う。ここで、前方スピーカで出力する警告音とは、車両への注意を促すメッセージを出力してもよいし、例えば「ピーピー」というような音のみを出力してもよい。
【0070】
一方で、携帯端末を操作中の人物が所定時間内に1回以上顔を上げている場合には(ステップS61でNO)、判断部102は、携帯端末を操作中の人物が飛び出す可能性があると判断する。歩行者の属性が携帯端末を操作中の人物であり、飛び出す可能性があると判断された場合の注意喚起方法は、携帯端末を操作中の人物が飛び出す可能性があることを前方サイネージ121または後方サイネージ122に表示することである。前方サイネージ121または後方サイネージ122に表示することで、後続車や対向車の運転手に注意を促す。
【0071】
そこで、選択部103は携帯端末を操作中の人物が飛び出す可能性が高いことをサイネージに表示することを選択し、出力部104はサイネージに表示する指示を出力する(ステップS64)。前方サイネージ121もしくは後方サイネージ122による具体的な表示は、高齢者の場合と同様でもよいし、変更してもよい。
【0072】
以上のステップS63もしくはステップS64を行うと、携帯端末を操作中の人物に関する動作は終了し、ステップS9に進む。前述のステップS61からステップS64は
図7のステップS6に該当する。
【0073】
次に、
図10を用いて子供に関する動作について説明するとともに、子供に関する判断基準及び注意喚起方法についても説明する。
図10は子供に関する動作のフローチャートである。
【0074】
まず、ステップS71からステップS72において、歩行者の属性が子供であるかどうかの判断を行う。これは、
図7のステップS7に該当する。
【0075】
ここで、歩行者の属性が子供であるかどうかの判断基準は、歩行者の身長である。歩行者の身長が152.8cm以下である場合、判断部102は歩行者が子供であると判断する。身長の判断基準である152.8cmは、12歳の平均身長に基づき設定しているが、これに限られない。
【0076】
ステップS71において、判断部102は映像から歩行者の身長を検出する。そして、身長が152.8cm以下であるかの判断を行う(ステップS72)。歩行者の身長が152.8cmより大きい場合には(ステップS72でNO)、歩行者は子供ではないと判断し、子供に関する動作は終了する。そしてステップS9に進む。
【0077】
歩行者の身長が152.8cm以下の場合には(ステップS72でYES)、歩行者が子供であると判断し、ステップS81に進む。
【0078】
次に、ステップS81において子供の飛び出す可能性の判断を行う。
図11に示した表より、子供の飛び出す可能性の判断基準は、子供の移動速度である。子供の移動速度が時速2.0km以上の場合には、子供が走っている状況と考えられるため、飛び出す可能性が高いと判断する。一方で、移動速度が時速2.0km未満の場合には、子供は歩いていると考えられるため、飛び出す可能性があると判断する。子供が飛び出す可能性の判断基準である移動速度はこの速度に限られない。
【0079】
したがって、ステップS81において、判断部102は子供の移動速度を検出する。そして、子供の飛び出す可能性について判断を行う(ステップS82)。子供の移動速度が時速2.0km以上である場合には(ステップS82でYES)、判断部102は、子供が飛び出す可能性は高いと判断する。
【0080】
歩行者の属性が子供であり、飛び出す可能性が高いと判断された場合の注意喚起方法は、運転手に注意を促すために、子供が飛び出す可能性が高いことを後方サイネージ122に表示すること、および、子供に危険であることを伝えるために、こどもが理解しやすい音を前方スピーカ131で出力することの2点である。
【0081】
そこで、ステップS83において、選択部103は子供が飛び出す可能性が高いことをサイネージに表示することを選択し、出力部104はサイネージに表示する指示を出力する。
図5には、前方サイネージ121または後方サイネージ122での表示の一例を示す。前方サイネージ121もしくは後方サイネージ122による具体的な表示は、高齢者の場合と同様でもよいし、変更してもよい。
【0082】
さらに、選択部103は子供に対して危険であることを伝えるために、子供が理解しやすい音をスピーカで出力すること選択し、出力部104は指示を出力する(ステップS84)。ここで、子供が理解しやすい音とは、平易な言葉を用いて前方への注意を促すメッセージを出力してもよい。平易な言葉でのメッセージとして、例えば、「前を見て」、「車が来てるよ」というメッセージが考えられる。また、文章ではなく一単語の音声を出力することで、前方への周囲を促してもよい。一単語での音声としては、例えば、「危ないよ」、「止まって」という単語が考えられる。さらに、これらのメッセージの声を、子供によく知られているキャラクターの声で出力してもよい。ほかにも、子供によく知られているアニメの音楽を出力してもよい。
【0083】
一方で、子供の移動速度が時速2.0km未満である場合には(ステップS82でNO)、判断部102は、子供が飛び出す可能性があると判断する。歩行者の属性が子供であり、飛び出す可能性があると判断された場合の注意喚起方法は、子供が飛び出す可能性があることを前方サイネージ121または後方サイネージ122に表示することである。前方サイネージ121または後方サイネージ122に表示することで、後続車や対向車の運転手に注意を促す。
【0084】
そこで、選択部103は子供が飛び出す可能性が高いことをサイネージに表示することを選択し、出力部104はサイネージに表示する指示を出力する(ステップS85)。前方サイネージ121もしくは後方サイネージ122による具体的な表示は、高齢者の場合と同様でもよいし、変更してもよい。
【0085】
ステップS84もしくはステップS85を行うと、子供に関する動作は終了し、ステップS9に進む。以上のステップS81からステップS85は、
図7のステップS8に該当する。
【0086】
上述した本実施形態における注意喚起方法選択装置10は、バスの前後に設置されたカメラによってバスが停車中に撮影された映像に基づいて、バスの前後にいる歩行者を検知する検知部101と、検知部101が歩行者を検知した場合に、映像から検出した歩行者の身体状態を用いて、歩行者の属性と属性に対応した判断基準に基づく歩行者が飛び出す可能性とを判断する判断部102と、判断部102が判断した属性と飛び出す可能性とに基づいて注意喚起方法を選択する選択部103と、選択部103が選択した注意喚起方法に応じた指示を出力する出力部104と、を備える。判断部102が歩行者の属性と属性に対応した判断基準に基づく歩行者が飛び出す可能性とを判断するので、適切な注意喚起方法を選択することができる。
【0087】
そして、適切な注意喚起方法を選択し、出力することによって、車両の運転手及びバスの前後にいる歩行者に対して適切な注意喚起を行うことができる。その結果、歩行者と車両との接触事故の防止が可能となる。
【0088】
本実施形態では、判断部102は、歩行者の身体状態を用いて、歩行者の属性が、高齢者、携帯端末を操作中の人物、又は子供のいずれかを判断する。これらの属性の歩行者は、事故にあう危険性が高いと考えられる。なぜなら、これらの属性の歩行者は、車両に対する注意が不十分であると考えられるからである。さらに、歩行者の属性が子供の場合には、車両の運転手から認識しづらいために、事故の危険性が高いと考えられる。したがって、本実施形態では、事故にあう危険性が高い属性の歩行者に対して注意喚起を行うことができる。さらに、歩行者の属性に応じた注意喚起方法を選択することで、危険な状況の歩行者に対して効果的に注意喚起を行うことが可能である。
【0089】
また、本実施形態において、判断部102が属性および飛び出す可能性の判断に用いる歩行者の身体状態は、姿勢、歩き方、身長、又は移動速度の少なくともいずれか1つを含んでいる。そして、これらの身体状態の検出には、本実施形態の判断部102は、カメラが撮影した映像、特に動画像を用いている。上記の身体状態を用いることで、歩行者の属性だけでなく、飛び出す可能性についても判断を行うことができる。
【0090】
歩行者の属性だけでなく、飛び出す可能性についても判断を行うことができることで、適切な注意喚起方法を選択することができる。本実施形態の注意喚起方法選択装置は、歩行者の属性および歩行者が飛び出す可能性に基づいて、注意喚起方法を選択している。歩行者の属性に基づいて注意喚起方法を選択する効果は上述の通りである。そして、飛び出す可能性に基づいて注意喚起方法を選択することで、車両の運転手および歩行者に対して適切な危険回避行動を促すことができる。例えば、注意喚起を行っても、運転手が危険性の高さを認識していない場合には、歩行者に対する十分な注意が払われず事故が発生する可能性がある。同様に、歩行者も危険性の誤認により、事故が発生する可能性がある。一方、危険性が高くない状況での注意喚起にもかかわらず、運転手が非常に危険な状況だと認識してしまうことで、急ブレーキを踏むなどの過剰な危険回避行動をとってしまい、他の事故を誘発してしまう可能性も考えられる。しかし、本実施形態の注意喚起方法選択装置は歩行者が飛び出す可能性に基づいて注意喚起方法を選択することで、運転手に対して適切な注意喚起を行うことが可能である。その結果、事故の危険性が歩行者および運転手に適切に認識される。その結果、歩行者および運転手が適切な危険回避行動をとることができる。したがって、運転手及び歩行者の注意不足による事故を防止できる。さらに、運転手の過剰な危険回避行動に起因する事故の可能性をも低減できる。
【0091】
さらに、選択部103が選択する注意喚起方法は、属性および飛び出す可能性に応じて変更されている。例えば、高齢者の飛び出す可能性が高い場合に、選択部103は、注意喚起方法として、高齢者が聞き取りやすい音を出力することを選択する。高齢者が聞き取りやすい音を出力することで、高齢者に適切に注意喚起を行うことができる。ほかにも、選択部103は、注意喚起方法として、バスの前後に設置されたサイネージに出力することを選択する。そして、サイネージでの表示は、歩行者の飛び出す可能性に応じて異なる。飛び出す可能性に応じてサイネージの表示を変更することで、歩行者および運転手に対して、適切な注意喚起を行うことができる。その結果、歩行者および運転手が適切な危険回避行動をとることができ、接触事故の防止ができる。
【0092】
[第1の実施形態の変形例]
本開示の第1の実施形態の変形例について説明する。以下、本変形例の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0093】
本変形例では、検知部101は、歩行者と、さらに車両の検知も行う。そして、判断部102は、検知部101が車両を検知した場合に、歩行者の身体状態を用いて、歩行者の属性と属性に対応した判断基準に基づく歩行者が飛び出す可能性とを判断する。具体的には、歩行者が検知された場合でも、車両が検知されていない、つまり接触事故の危険がない状況では、歩行者の属性および飛び出す可能性の判断を行わない構成である。
【0094】
本変形例の構成においては、不必要な注意喚起を削減することができる。つまり、歩行者が検知された場合でも、車両が検知されていない状況では、接触事故の危険はないことから注意喚起は不要である。このような不要な注意喚起を削減することができる。不要な状況での注意喚起を削減することで、接触事故の危険性が高い状況での注意喚起をより効果的に行うことができる。
【0095】
ほかの変形例として、検知部101は複数の歩行者の検知をおこなってもよい。まず、検知部101がバスの前後にいる複数の歩行者を検知する。そして判断部102は、検知部101が複数の歩行者を検知した場合に、複数の歩行者の身体状態を検出する。そして、複数の歩行者の身体状態に基づいて、属性および飛び出す可能性の判断対象となる1人の歩行者を決定する。そして、判断対象である歩行者について、第1の実施形態と同様に、属性および飛び出す可能性の判断を行う。
【0096】
判断対象である歩行者の決定方法として、複数の歩行者の移動速度を用いる方法が考えられる。判断部102が、複数の歩行者の移動速度を検出する。そして、複数の歩行者のうち移動速度が一番速い歩行者を判断対象である歩行者に決定し、属性と属性に対応した判断基準に基づく歩行者が飛び出す可能性とを判断する。
【0097】
判断部102が、複数の歩行者の移動速度が一番速い歩行者の、属性と属性に対応した判断基準に基づく歩行者が飛び出す可能性とを判断することで、車両との接触事故を防止できる。なぜなら、移動速度が一番速い歩行者は、車両の進路に最初に侵入する可能性が、複数の歩行者の中で一番高いと考えられる。つまり、車両との接触事故にあう危険性が一番高い歩行者であると考えられる。したがって、事故の危険性が高い歩行者について属性および飛び出す可能性を判断し、注意喚起を行うことで事故の防止に効果的である。
【0098】
判断対象である歩行者の決定方法として、ほかにも複数の歩行者の身長を用いる方法も考えられる。判断部102が、複数の歩行者の身長を検出する。そして、複数の歩行者のうち身長が一番小さい人を判断対象である歩行者に決定する。
【0099】
身長が一番小さい歩行者は、バスの陰に隠れてしまい、運転手から一番見えづらい歩行者であると考えられる。そこで、身長が一番小さい歩行者について属性および飛び出す可能性の判断をし、注意喚起を行うことで、車両と歩行者の接触事故を防止する可能性を高める。
【0100】
[第2の実施形態]
次に、本開示の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0101】
図12は、本開示の第2の実施形態にかかる注意喚起方法選択装置20を含む注意喚起システムの構成を示すブロック図である。
【0102】
図12を参照すると、本実施形態における注意喚起方法選択装置20は、第1の実施形態の注意喚起方法選択装置と比較して、さらに記録部205を備えている。
【0103】
注意喚起方法選択装置20における記録部205は、出力部104が注意喚起方法に応じた指示を出力した回数と、出力した場所の情報とを記録する記録手段の一態様である。具体的には、出力部104が注意喚起方法に応じた指示を出力した回数と、注意喚起方法に応じた指示が出力された場所の情報とを紐づけて記録する。
図13は、記録部205に保存されるデータの一例である。注意喚起方法に応じた指示が出力された場所の情報として、バス停名を記録する。また、注意喚起方法を出力した回数がそれぞれのバス停名と紐づけて記録されている。場所の情報は、バスの系統名、行先またはバス停の位置情報でもよい。さらに、注意喚起方法に応じた指示を出力した回数は、属性ごとに回数を記録されてもよいし、飛び出す可能性ごとに記録されてもよい。
【0104】
そして、指示を出力した回数が所定回数を超えた場所が存在する場合、記録部205は、出力部104に対して出力回数が所定回数を超えた場所の情報を送信する。ここで、所定回数とは必要に応じて設定される回数であり、バス停ごとに異なる回数が設定されてもよい。
【0105】
出力部104は、出力回数が所定回数を超えた場所の情報を、記録部から受信する。そして、場所の情報を外部の地図サービスなどのデータベース251に送信する。この地図サービスには、歩行者や運転手が経路検索などに用いる地図、およびバス会社や都道府県、市町村が管理する地図が含まれる。
【0106】
出力部104から、場所の情報を受信した地図サービスは、場所の情報に基づき、地図上に危険な場所、例えば危険なバス停を表示する。地図上に危険なバス停を表示した画面の例を
図14に示す。ほかにも、出力部104が送信した場所の情報に基づき、バス会社のホームページや市町村のホームページに危険なバス停の一覧を表示することも考えられる。
【0107】
上述した本実施形態における注意喚起方法選択装置10は、出力部104が注意喚起方法に応じた指示を出力した回数と、出力した場所の情報とを記録する記録部205を備え、出力部104は、記録部205が記録した回数が所定回数を超えた場所の情報を出力する。注意喚起方法に応じた指示を出力した回数が所定回数を超えた場所とは、接触事故の危険性が高い場所であると考えられる。したがって、そのような危険な場所の情報を出力することで、危険な場所について広く周知することができる。広く周知された結果、歩行者および運転手が注意を払うことから、接触事故の防止が可能となる。
【0108】
[第2の実施形態の変形例]
本開示の第1の実施形態の変形例について説明する。以下、本変形例の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0109】
本変形例では、記録部205が記録する、注意喚起方法に応じた指示を出力した回数が所定回数を超えた場所の情報に基づき、検知部101が歩行者の検知を行う。
【0110】
具体的に説明する。注意喚起回数が所定回数を超えた場所の情報を、記録部205は検知部101に対して送信する。そして、場所の情報を受信した検知部101は、その場所にバスが停車するときに、カメラが撮影した映像に基づいて歩行者を検知する。
【0111】
記録部が記録した注意喚起回数が所定回数を超えた場所で、バスが停止する場合に、検知部101は、バスの前後にいる歩行者を検知する。この構成により、危険な場所での事故の防止を可能にする。
【0112】
[ハードウェア構成例]
図15は、本開示における注意喚起方法選択装置10を、プロセッサを含むコンピュータ30で実現したハードウェア構成の一例を示す図である。
図15に示されるように、注意喚起方法選択装置10はプロセッサ301、ROM(Read Only Memory)302,RAM(Random Access Memory)303,プログラムを格納するハードディスク等の記憶装置304、ネットワーク接続用の通信インターフェース、データの入出力を行う入出力インターフェースを含む。各構成部は、バス307を介して接続されている。
【0113】
プロセッサ301は、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータの全体を制御する。プロセッサ301は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)などがあげられる。プロセッサは、記憶装置304、ROM302などに記憶されたプログラムをロードする。そして、プロセッサ301は、プログラムにコーディングされている各処理を実行する。また、プロセッサ301は、コンピュータ30の一部または全部として機能する。そして、プロセッサ301は、プログラムに基づいて図示したフローチャートにおける処理または命令を実行してもよい。
【0114】
ROM302はアプリケーションプログラム、各実施の形態にかかるプログラムなどを記憶する。また、RAM303は、プロセッサ801のワークエリアとして使用される。そして、記憶装置304は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、HDD(Hard Disk Driver)などがあげられる。記憶装置304は例えばOS(Operating System)のプログラム、アプリケーションプログラム、各実施形態に係るプログラム、などを記憶する。
【0115】
入出力インターフェース305は、周辺機器に接続される。接続方法は有線であっても無線であってもよい。周辺機器には、例えばカメラ、スピーカ、ディスプレイ、サイネージがあげられる。
【0116】
通信インターフェース306は、無線または有線の通信回線を通じて、LAN(Local Network)、WAN(Wide Area Network)などの通信ネットワークに接続される。なお、通信ネットワークは複数の通信ネットワークによって構成されてもよい。これにより、コンピュータは通信ネットワークを介して外部の装置に接続される。
【0117】
以上はコンピュータのハードウェア構成の一例である。コンピュータは
図15に示す一部の構成を有していてもよい、また、コンピュータは
図15に示す以外の構成を有していてもよい。
【0118】
以上、各実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではない。各本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が把握し得る様々な変更を適用した実施形態を含み得る。本開示は、本明細書に記載された事項を必要に応じて適宜に組み合わせ、または置換した実施形態を含み得る。例えば、特定の実施形態を用いて説明された事項は、矛盾を生じない範囲において、ほかの実施形態に対しても適用され得る。例えば、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施形態を実施するときには、その複数の動作の順番を内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【0119】
上記の実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されることができる。ただし、上記の実施形態の一部または全部は、以下に限られない。
【0120】
(付記1)
バスの前後に設置されたカメラによって前記バスが停車中に撮影された映像に基づいて、前記バスの前後にいる歩行者を検知する検知手段と、
前記検知手段が前記歩行者を検知した場合に、前記映像から検出した前記歩行者の身体状態を用いて、前記歩行者の属性と前記属性に対応した判断基準とに基づく前記歩行者が飛び出す可能性とを判断する判断手段と、
前記判断手段が判断した前記属性と前記飛び出す可能性とに基づいて注意喚起方法を選択する選択手段と、
前記選択手段が選択した前記注意喚起方法に応じた指示を出力する出力手段と
を備える注意喚起方法選択装置。
(付記2)
前記歩行者の身体状態は、姿勢、歩き方、身長、又は移動速度の少なくともいずれか1つを含む
付記1に記載した注意喚起方法選択装置。
(付記3)
前記判断手段は、前記歩行者の身体状態を用いて、前記歩行者の属性が、高齢者、携帯端末を操作中の人物、又は子供のいずれかを判断する
付記1または2に記載した注意喚起方法選択装置。
(付記4)
前記歩行者の身体状態は、前記歩行者の移動速度及び姿勢を含み、
前記判断手段は、前記移動速度および前記姿勢に基づいて、前記歩行者の属性が高齢者であるか否かを判断する
付記3に記載した注意喚起方法選択装置。
(付記5)
前記判断手段は、前記歩行者の属性が高齢者である場合に、前記歩行者の姿勢に基づいて前記飛び出す可能性を判断する
付記4に記載した注意喚起方法選択装置。
(付記6)
前記判断手段は、前記飛び出す可能性が高いと判断し、
前記選択手段は、前記注意喚起方法として、高齢者が聞き取りやすい音を出力することを選択する
付記3または5に記載した注意喚起方法選択装置。
(付記7)
前記歩行者の身体状態は、前記歩行者の歩き方及び姿勢を含み、
前記判断手段は、前記歩き方および姿勢に基づいて、前記歩行者の属性が携帯端末を操作中の人物であるか否かを判断する
付記3に記載した注意喚起方法選択装置。
(付記8)
前記判断手段は、前記歩行者の属性が携帯端末を操作中の人物である場合に、前記歩行者の歩き方に基づいて前記飛び出す可能性を判断する
付記7に記載した注意喚起方法選択装置。
(付記9)
前記歩行者の身体状態は、前記歩行者の身長及び移動速度を含み、
前記判断手段は、前記身長に基づいて前記歩行者の属性が子供であると判断し、前記移動速度に基づいて前記飛び出す可能性を判断する
付記3に記載した注意喚起方法選択装置。
(付記10)
前記選択手段は、前記判断手段が前記歩行者の属性が子供であり、前記飛び出す可能性が高いと判断した場合に、前記注意喚起方法として、子供が理解しやすい音を出力することを選択する
付記3または9に記載した注意喚起方法選択装置。
(付記11)
前記選択手段は、前記注意喚起方法として、バスの前後に設置されたサイネージに出力することを選択し、
前記サイネージでの表示は、前記歩行者の飛び出す可能性に応じて異なる
付記1から10のいずれかに記載した注意喚起方法選択装置。
(付記12)
前記検知手段は、さらに車両を検知し、
前記判断手段は、前記検知手段が前記車両を検知した場合に、前記映像から検出した前記歩行者の身体状態を用いて、前記歩行者の属性と前記属性に対応した判断基準に基づく前記歩行者が飛び出す可能性とを判断する
付記1から11のいずれかに記載した注意喚起方法選択装置。
(付記13)
前記検知手段は、複数の前記歩行者を検知し、
前記判断手段は、前記検知手段が前記複数の歩行者を検知した場合に、前記複数の歩行者の前記移動速度が一番速い歩行者の前記属性と前記属性に対応した判断基準に基づく前記歩行者が飛び出す可能性とを判断する
付記2から12のいずれかに記載した注意喚起方法選択装置。
(付記14)
前記出力手段が前記注意喚起方法に応じた指示を出力した回数と、出力した場所の情報とを記録する記録手段を備え、
前記出力手段は、前記記録手段が記録した前記回数が所定回数を超えた前記場所の情報を出力する
付記1から13のいずれかに記載した注意喚起方法選択装置。
(付記15)
前記記録手段が記録した前記回数が所定回数を超えた場所で、前記バスが停止する場合に、
前記検知手段は、前記バスの前後にいる歩行者を検知する
付記14に記載した注意喚起方法選択装置。
(付記16)
バスの前後に設置されたカメラによってバスが停車中に撮影された映像に基づいて、前記バスの前後にいる歩行者を検知し、
前記歩行者を検知した場合に、前記映像から検出した前記歩行者の身体状態を用いて、前記歩行者の属性と前記属性に対応した判断基準に基づく前記歩行者が飛び出す可能性とを判断し、
判断した前記属性と前記飛び出す可能性とに基づいて注意喚起方法を選択し、
選択した前記注意喚起方法に応じた指示を出力する、
注意喚起方法選択方法。
(付記17)
コンピュータに、
バスの前後に設置されたカメラによってバスが停車中に撮影された映像に基づいて、前記バスの前後にいる歩行者を検知し、
前記歩行者を検知した場合に、前記映像から検出した前記歩行者の身体状態を用いて、前記歩行者の属性と前記属性に対応した判断基準に基づく前記歩行者が飛び出す可能性とを判断し、
判断した前記属性と前記飛び出す可能性とに基づいて注意喚起方法を選択し、
選択した前記注意喚起方法に応じた指示を出力する、
処理を実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0121】
10、20 注意喚起方法選択装置
101 検知部
102 判断部
103 選択部
104 出力部
111 前方カメラ
112 後方カメラ
121 前方サイネージ
122 後方サイネージ
131 前方スピーカ
132 後方スピーカ
142 後方ディスプレイ
205 記録部
251 データベース
30 コンピュータ
301 プロセッサ
302 ROM
303 RAM
304 記憶装置
305 入出力インターフェース
306 通信インターフェース
307 バス