(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087340
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】パレットサイズ拡張部材
(51)【国際特許分類】
B65D 19/32 20060101AFI20240624BHJP
【FI】
B65D19/32 E
B65D19/32 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202109
(22)【出願日】2022-12-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 納品日 令和4年12月6日 納品先 日東電工株式会社 豊橋事業所(愛知県豊橋市中原町字平山18番地)
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 友和
【テーマコード(参考)】
3E063
【Fターム(参考)】
3E063AA02
3E063BA05
3E063BB04
3E063CA04
3E063CA13
3E063CA25
3E063DA05
3E063EE01
3E063FF20
3E063GG10
(57)【要約】
【課題】運搬時や保管時の取り扱いが容易で、異なる大きさの貨物にも効率よく対応できるパレットサイズ拡張部材を、低コストで提供する。
【解決手段】段ボール等のシート材から成り、拡張天板1の一方の端辺にブラケット部2が連設され、拡張天板1は、パレット40の貨物載置面41の一方の端辺に臨む部分のみに被さり、その端辺から張り出すものとし、ブラケット部2は、拡張天板1から順次連なる斜支板21、垂直板22及び水平板23が折り曲げられて三角筒状をなすものとし、ブラケット部2の垂直板22又はこれに付属するスペーサ部3がパレット40の周囲各辺に対応する側面に沿うように、拡張天板1がパレット40の貨物載置面41に係止されて、パレット40に装着固定されるものとする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材から成り、拡張天板(1)の一方の端辺にブラケット部(2)が連設され、前記拡張天板(1)は、パレット(40)の貨物載置面(41)の一方の端辺に臨む部分のみに被さり、その端辺から張り出すものとされ、
前記ブラケット部(2)は、前記拡張天板(1)から順次連なる斜支板(21)、垂直板(22)及び水平板(23)が折り曲げられて三角筒状をなすものとされ、
前記垂直板(22)がパレット(40)の側面に沿う状態で前記拡張天板(1)がパレット(40)の貨物載置面(41)に係止されて、パレット(40)に装着固定されるパレットサイズ拡張部材。
【請求項2】
シート材から成り、拡張天板(1)の一方の端辺にブラケット部(2)が連設され、前記拡張天板(1)は、パレット(40)の貨物載置面(41)の一方の端辺に臨む部分のみに被さり、その端辺から張り出すものとされ、
前記ブラケット部(2)は、前記拡張天板(1)から順次連なる斜支板(21)、垂直板(22)及び水平板(23)が折り曲げられて三角筒状をなすものとされ、
前記垂直板(22)には、切目線(30)を介して切離可能にスペーサ部(3)が連設され、
前記スペーサ部(3)が前記パレット(40)の側面と前記垂直板(22)との間に介在する大拡張状態で、又は、前記スペーサ部(3)が前記垂直板(22)から切り離されて前記垂直板(22)がパレット(40)の側面に沿う小拡張状態で、前記拡張天板(1)がパレット(40)の貨物載置面(41)に係止されて、パレット(40)に装着固定されるパレットサイズ拡張部材。
【請求項3】
前記拡張天板(1)には、切込を入れてロック片(11)が形成され、前記ロック片(11)がパレット(40)の貨物載置面(41)の穴(42)に押し込まれて、パレット(40)に装着固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載のパレットサイズ拡張部材。
【請求項4】
前記ブラケット部(2)は、前記拡張天板(1)の端辺の両端部及び中間部に連設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパレットサイズ拡張部材。
【請求項5】
前記スペーサ部(3)は、前記拡張天板(1)の端辺の両端部に連設されているブラケット部(2)に、その垂直板(22)の内側に連なるように1個ずつ設けられ、前記拡張天板(1)の端辺の中間部に連設されているブラケット部(2)に、その垂直板(22)の両側に連なるように2個設けられていることを特徴とする請求項2に記載のパレットサイズ拡張部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パレットの貨物載置面からはみ出す貨物を支持するためのパレットサイズ拡張部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パレットに貨物を載置して輸送する際、パレットの貨物載置面よりも底面が大きな貨物を載せると、貨物が可撓性を有するものである場合、貨物のパレットからはみ出した部分に変形が生じる恐れがある。このような現象を防止するためには、貨物のサイズに応じたパレットを使用すればよいが、適正なサイズのパレットが用意できない場合もある。
【0003】
その対策として、下記特許文献1では、
図7に示すようなパレットサイズ拡張部材E
2が提案されている。このパレットサイズ拡張部材E
2は、パレット60の上部に着脱されるものであり、パレット60の貨物載置面より面積が大きい天板51の両端部の下面に四角柱状の支持桟52が固定された構成となっている。パレットサイズ拡張部材E
2の材料は、段ボールや木材が好ましいとされている。
【0004】
パレット60は、長方形状の貨物載置面を形成する細長い板材のデッキボード61を複数本間隔をあけて平行に並べ、デッキボード61の長さ方向に交差するように、その長さ方向の両端部及び中央部に桁62を配置し、桁62の上面にデッキボード61を固定したものとされている。
【0005】
このようなパレットサイズ拡張部材E
2を、
図8に示すようにパレット60の上部に装着すると、天板51の両端部がパレット60から張り出して、支持桟52がパレット60の両端部に位置する桁62の側面に当接し、天板51にパレット60の貨物載置面からはみ出す貨物が載せられても、天板51の端部により貨物が撓まないように支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のようなパレットサイズ拡張部材E2では、天板51がパレット60の貨物載置面よりも大きくなっているため、材料に要するコストが高くなるほか、運搬時や保管時のスペース効率が悪く、取り扱いが困難であるという問題がある。
【0008】
そのほか、天板51の大きさが変えられないため、異なる大きさの貨物を支持するためには、天板51の大きさが異なる複数種類のものを用意しなければならず、輸送用資材の製造や管理に要するコストが増大するという問題もある。
【0009】
そこで、この発明は、運搬時や保管時の取り扱いが容易で、異なる大きさの貨物にも効率よく対応できるパレットサイズ拡張部材を、低コストで提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、この発明に係るパレットサイズ拡張部材は、シート材から成り、拡張天板の一方の端辺にブラケット部が連設され、前記拡張天板は、パレットの貨物載置面の一方の端辺に臨む部分のみに被さり、その端辺から張り出すものとされ、
前記ブラケット部は、前記拡張天板から順次連なる斜支板、垂直板及び水平板が折り曲げられて三角筒状をなすものとされ、
前記垂直板がパレットの側面に沿う状態で前記拡張天板がパレットの貨物載置面に係止されて、パレットに装着固定されるものとしたのである。
【0011】
また、シート材から成り、拡張天板の一方の端辺にブラケット部が連設され、前記拡張天板は、パレットの貨物載置面の一方の端辺に臨む部分のみに被さり、その端辺から張り出すものとされ、
前記ブラケット部は、前記拡張天板から順次連なる斜支板、垂直板及び水平板が折り曲げられて三角筒状をなすものとされたパレットサイズ拡張部材において、
前記垂直板には、切目線を介して切離可能にスペーサ部が連設され、
前記スペーサ部が前記パレットの側面と前記垂直板との間に介在する大拡張状態で、又は、前記スペーサ部が前記垂直板から切り離されて前記垂直板がパレットの側面に沿う小拡張状態で、前記拡張天板がパレットの貨物載置面に係止されて、パレットに装着固定されるものとしたのである。
【0012】
また、前記拡張天板には、切込を入れてロック片が形成され、前記ロック片がパレットの貨物載置面の穴に押し込まれて、パレットに装着固定されるものとしたのである。
【0013】
さらに、前記ブラケット部は、前記拡張天板の端辺の両端部及び中間部に連設されているものとしたのである。
【0014】
また、前記スペーサ部は、前記拡張天板の端辺の両端部に連設されているブラケット部に、その垂直板の内側に連なるように1個ずつ設けられ、前記拡張天板の端辺の中間部に連設されているブラケット部に、その垂直板の両側に連なるように2個設けられているものとしたのである。
【発明の効果】
【0015】
この発明に係るパレットサイズ拡張部材は、拡張天板がパレットの貨物載置面の一方の端辺に臨む部分のみに被さるものとされ、パレットの貨物載置面よりも相当小さくなるため、運搬時や保管時に嵩張ることがなく、取り扱いが容易なものとなり、製造に要する材料費も抑制され、低コストで提供することができる。
【0016】
また、ブラケット部が三角筒体をなすため、堅固な構造となり、パレットの貨物載置面からはみ出した貨物をしっかりと支持することができる。
【0017】
さらに、折り曲げと差し込みだけで組み立てられ、設備コストを抑制しつつ、作業性がよく、少ない工数で製造できるものとすることができる。
【0018】
また、ブラケット部の垂直板に切離可能なスペーサ部を付設しておくと、貨物のはみ出しが小さい場合には、スペーサ部を切り取り、貨物のはみ出しが大きい場合には、スペーサ部を切り取ることなく、垂直板とパレットの側面との間に介在させることにより、異なる大きさの貨物にも効率よく対応できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】この発明に係るパレットサイズ拡張部材の大拡張形態(スペーサ部を使用した形態)でのパレットへの装着状態を示す全体斜視図
【
図2】同上のパレットサイズ拡張部材のブランクを示す図
【
図4】同上の大拡張形態でのパレットへの装着状態を示す部分斜視図
【
図5】同上の小拡張形態(スペーサ部を使用しない形態)でのパレットへの装着状態を示す部分斜視図
【
図6】同上の(6A)大拡張形態と、(6B)小拡張形態の関係を示す正面図
【
図7】特許文献1に記載のパレットサイズ拡張部材とパレットとを分離した斜視図
【
図8】同上のパレットサイズ拡張部材のパレットへの装着状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
<概要>
図1に示すパレットサイズ拡張部材E
1は、紙製の段ボールから成り、2個を1組として使用し、各個それぞれ樹脂製のパレット40の両側に取り付けて、貨物のパレット40からはみ出した部分を支持するものである。
【0021】
パレット40は、平面形状が長方形であり、貨物載置面41には多数のリブが格子状に配列されて穴42が形成され、貨物載置面41の長辺に対応する側面にフォークリフトのフォークが差し込まれる差込口43が設けられたものとなっている。
【0022】
<ブランク>
パレットサイズ拡張部材E
1の組立前のブランクは、
図2に示すように、長方形の拡張天板1の一方の長辺の両端部及び中間部にブラケット部2となる部分が連設され、両端部のブラケット部2の内側及び中間部のブラケット部2の両側にスペーサ部3となる部分が連設された形状となっている。
【0023】
このブランクにおいて、段ボールの段目方向は、拡張天板1とブラケット部2とが連なる方向へ向けられ、段目方向の強度が他方向の強度よりも大きくなることから、パレット40の貨物載置面41から張り出した部分の撓みが抑制されるように配慮されている。
【0024】
拡張天板1は、パレット40の貨物載置面41の短辺に臨む部分のみに被さり、その短辺から張り出す寸法とされている。拡張天板1には、切込及びヒンジとなる折目線を入れて、パレット40に固定するための4対のロック片11と、ブラケット部2の組立形状を維持して拡張天板1に係止するための3個の係止片12とが形成されている。
【0025】
ブラケット部2は、拡張天板1から斜支板21、垂直板22及び水平板23が折目線を介して順次連なり、斜支板21、垂直板22及び水平板23が折り曲げられて三角筒体を形成するものとされている。垂直板22には、水平板23との境界に臨んで方形状の係止穴24が形成され、係止穴24は、水平板23に僅かに切れ込んでいる。
【0026】
両端部のブラケット部2に連なるスペーサ部3は、ブラケット部2の垂直板22の内側に切目線30を介して支持板31が切離可能に繋がり、支持板31に拡延板32及び支持板33が折目線を介して順次連設され、その反対側に拡延板34及び支持板35が折目線を介して順次連設され、支持板35の側端に拡延板36及び差込片36aが折目線を介して順次連設されたものとなっている。
【0027】
このスペーサ部3において、支持板33には、拡延板32との境界に沿ってスリット状の係止穴33aが形成され、支持板35の先端縁には、ヒンジとなる折目線を介して舌片状の係止片35aが突設されている。
【0028】
中間部のブラケット部2に連なるスペーサ部3は、ブラケット部2の垂直板22の両側に切目線30を介して支持板31が切離可能に繋がり、支持板31に拡延板32、支持板33及び拡延板37が折目線を介して順次連設され、その反対側に拡延板34が連設されると共に、支持板33の一方の端辺に、拡延板38及び差込片38aが折目線を介して順次連設されたものとなっている。
【0029】
このスペーサ部3において、拡延板37には、支持板33との境界に沿ってスリット状の係止穴37aが形成され、拡延板34の先端縁には、ヒンジとなる折目線を介して舌片状の係止片34aが突設されている。
【0030】
また、中間部のブラケット部2に連なる一対のスペーサ部3のうち、一方のスペーサ部3の支持板33には、拡延板38との境界に臨んで方形状の係止穴33bが形成され、係止穴33bは、拡延板38に僅かに切れ込んでいる。他方のスペーサ部3の支持板33には、拡延板38への切込により係止片33cが突設されている。
【0031】
<ブランクからの組立過程>
上記のようなパレットサイズ拡張部材E
1のブランクを組み立てるには、
図3に上下反転状態で示すように、拡張天板1からブラケット部2の部分を三角筒状に折り曲げ、拡張天板1と斜支板21とが鋭角をなし、拡張天板1に対して垂直板22が直交し、水平板23が拡張天板1の裏面に重なるようにする。そして、係止片12を係止穴24に押し込んで、ブラケット部2を三角筒状に保形する。
【0032】
(大拡張形態への組み立て)
また、スペーサ部3を使用して、貨物を支持可能な面積を大きく拡張する大拡張形態とする場合には、それぞれのスペーサ部3を箱形状に組み立て、切目線30を軸としてブラケット部2の垂直板22に沿うように折り曲げる。
【0033】
その際、両端部のブラケット部2に連なるスペーサ部3は、支持板31から拡延板32を水平方向へ折り曲げて、支持板33を垂直方向へ折り曲げると共に、拡延板34を水平方向へ折り曲げて、支持板33に被さるように支持板35を垂直方向へ折り曲げ、係止穴33aに係止片35aを差し込む。
【0034】
そして、支持板31と垂直板22とを重ね合わせて、スペーサ部3の端面を閉じるように拡延板36を折り曲げ、差込片36aをブラケット部2の内部で垂直板22を抱き込むように折り曲げると、両端部のブラケット部2にスペーサ部3が密着して固定される。
【0035】
また、中間部のブラケット部2の両側に連なるスペーサ部3は、それぞれ支持板31から拡延板32を水平方向へ折り曲げて、支持板33を垂直方向へ折り曲げると共に、支持板33から拡延板37を水平方向へ折り曲げ、拡延板37に被さるように支持板31から拡延板34を水平方向へ折り曲げ、係止穴37aに係止片34aを差し込む。
【0036】
そして、これらのスペーサ部3の端面を閉じるように拡延板38を折り曲げ、差込片38aをスペーサ部3の内部で支持板31に沿うように折り曲げ、一方のスペーサ部3の係止穴33bに他方のスペーサ部3の係止片33cを押し込むと、これらのスペーサ部3同士が連結され、中間部のブラケット部2に密着した状態で固定される。
【0037】
(小拡張形態への組み立て)
一方、スペーサ部3を使用せず、貨物を支持可能な面積を若干拡張する小拡張形態とする場合には、スペーサ部3を組み立てる必要はなく、それぞれのブラケット部2から切目線30に沿ってスペーサ部3を切り離しておく。
【0038】
<パレットへの装着>
(大拡張形態)
このように大拡張形態へと組み立てたパレットサイズ拡張部材E
1を使用して、パレット40とパレットサイズ拡張部材E
1から成る貨物運搬用基台の天面の面積を拡大するには、
図4に示すように、拡張天板1をパレット40の貨物載置面41の端部に載せる。
【0039】
そして、スペーサ部3の支持板33,35をパレット40の端辺に対応する側面に沿わせ、ロック片11をパレット40の貨物載置面41の穴42に押し込む。これにより、パレットサイズ拡張部材E1は、パレット40に装着固定される。
【0040】
(小拡張形態)
一方、小拡張形態としたパレットサイズ拡張部材E
1を使用して、パレット40とパレットサイズ拡張部材E
1から成る貨物運搬用基台の天面の面積を拡張するには、
図5に示すように、拡張天板1をパレット40の貨物載置面41の部分に載せる。
【0041】
そして、ブラケット部2の垂直板22をパレット40の端辺に対応する側面に沿わせ、ロック片11をパレット40の貨物載置面41の穴42に押し込む。これにより、パレットサイズ拡張部材E1は、パレット40に装着固定される。
【0042】
(大拡張形態と小拡張形態の比較)
図6(6A)に示す大拡張形態では、パレット40の両側面とパレットサイズ拡張部材E
1の垂直板22との間にそれぞれスペーサ部3が介在しているため、スペーサ部3が介在しない
図6(6B)に示す小拡張形態に比べて、パレット40とパレットサイズ拡張部材E
1から成る貨物運搬用基台は、パレット40の両側でそれぞれスペーサ部3の厚さtの分だけ延長され、貨物を支持可能な天面の面積が拡大される。
【0043】
<効果>
上記のようなパレットサイズ拡張部材E1は、拡張天板1がパレット40の貨物載置面41の一方の端辺に臨む部分のみに被さるものとされ、パレット40の貨物載置面41よりも相当小さくなるため、運搬時や保管時に嵩張ることがなく、取り扱いが容易なものとなり、製造に要する材料費も抑制され、低コストで提供することができる。
【0044】
また、ブラケット部2が三角筒体をなすため、堅固な構造となり、パレット40の貨物載置面41からはみ出した貨物をしっかりと支持することができる。
【0045】
また、ブラケット部2の垂直板22に切離可能なスペーサ部3を付設しているので、貨物のはみ出しが小さい場合には、スペーサ部3を切り取り、貨物のはみ出しが大きい場合には、スペーサ部3を切り取ることなく、垂直板22とパレット40の側面との間に介在させることにより、異なる大きさの貨物にも効率よく対応できる。
【0046】
このように、1種類のパレットサイズ拡張部材E1で2サイズ分の貨物輸送に兼用できるので、パレットサイズ拡張部材E1自体の運搬や保管に要するコストも抑制される。
【0047】
そして、パレット40からはみ出した貨物の荷重を、両端部のブラケット部2だけでなく、中間部のブラケット部2でも受け止めるので、耐圧強度に優れ、重い貨物を安定した状態で支持することができる。
【0048】
また、
図2に示すように、段ボールを打ち抜いたブランクにおいて、両端部のブラケット部2の間に、中間部のブラケット部2及びこれらのブラケット部2に連なるスペーサ部3を配置しているので、材料を効率よく使用でき、材料に要するコストが抑制される。
【0049】
また、ブランクを折り曲げて差し込むだけで組み立てられ、テープ貼りやグルア貼りを必要としないので、作業性がよく、少ない工数で製造でき、設備コストも抑制される。
【0050】
<その他>
上記実施形態では、重く大きい貨物に対応できるようにするため、パレットサイズ拡張部材E1として、拡張天板1の両端部及び中間部にブラケット部2を設けたものを例示したが、輸送する貨物が小さく、使用するパレット40が小さい場合や、貨物が軽い場合には、中間部のブラケット部2は省略してもよい。
【0051】
また、異なる大きさの貨物に対応できるようにするため、ブラケット部2に切目線30を介してスペーサ部3が連設されたものを例示したが、パレット40からのはみ出しが小さい貨物だけを輸送する場合には、ブランクの製造段階において、予めスペーサ部3のないものとしてもよい。
【0052】
また、2個を1組として使用し、各個それぞれ樹脂製のパレット40の両側に取り付ける使用形態について例示したが、貨物の大きさによっては、パレット40の片側に1個だけ取り付けて使用するようにしてもよい。
【0053】
そのほか、材料のシート材が紙製の段ボールであるものを想定して説明したが、材料のシート材としては、ポリプロピレン等から成り、多数のリブを有する中空構造に成型されたプラスチック段ボールを使用することもできる。
【符号の説明】
【0054】
E1 パレットサイズ拡張部材
1 拡張天板
11 ロック片
12 係止片
2 ブラケット部
21 斜支板
22 垂直板
23 水平板
24 係止穴
3 スペーサ部
30 切目線
31,33,35 支持板
32,34,36,37,38 拡延板
33a,33b,37a 係止穴
33c,34a,35a 係止片
36a,38a 差込片
40 パレット
41 貨物載置面
42 穴
43 差込口