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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087344
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】繊維製品用液体洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20240624BHJP
   C11D 1/722 20060101ALI20240624BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20240624BHJP
   C11D 1/83 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D1/722
C11D1/72
C11D1/83
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202117
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】伏谷 将典
(72)【発明者】
【氏名】杉本 沙織
(72)【発明者】
【氏名】田井 亜衣子
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB31
4H003AC08
4H003BA12
4H003DA01
4H003DB01
4H003DC02
4H003EA21
4H003EB04
4H003EB08
4H003EB14
4H003EB22
4H003EC01
4H003EC02
4H003ED02
4H003FA04
4H003FA12
4H003FA16
4H003FA26
(57)【要約】
【課題】洗浄力、低温安定性及び高温安定性に優れる濃縮型の繊維製品用液体洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】(A)成分:下記式(a1)で表されるノニオン界面活性剤と、(B)成分:下記式(b1)で表されるガーベットアルコール型ノニオン界面活性剤と、(C)成分:非石鹸系アニオン界面活性剤と、水と、を含有し、前記水の含有量が、繊維製品用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、40質量%以下であり、前記(B)成分の含有量に対する前記(A)成分の含有量の質量比を表す(A)/(B)が3以上である、繊維製品用液体洗浄剤組成物。
11-O-[(EO)/(A11O)]-(EO)-R12 ・・・(a1)
-CHR-CH-O-(RO)-H ・・・(b1)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分:下記式(a1)で表されるノニオン界面活性剤と、
(B)成分:下記式(b1)で表されるガーベットアルコール型ノニオン界面活性剤と、
(C)成分:非石鹸系アニオン界面活性剤と、
水と、を含有し、
前記水の含有量が、繊維製品用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、40質量%以下であり、
前記(B)成分の含有量に対する前記(A)成分の含有量の質量比を表す(A)/(B)が3以上である、繊維製品用液体洗浄剤組成物。
11-O-[(EO)/(A11O)]-(EO)-R12 ・・・(a1)
[式(a1)中、R11は炭素数8~22の直鎖の炭化水素基であり、R12は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基であり、EOはオキシエチレン基であり、sはEO平均繰り返し数を示す3~25の数であり、A11Oはオキシプロピレン基及びオキシブチレン基の少なくとも一方であり、tはA11Oの平均繰り返し数を示す0~6の数であり、uはEOの平均繰り返し数を示す0~20の数である。]
-CHR-CH-O-(RO)-H ・・・(b1)
[式(b1)中、R及びRはそれぞれ独立して鎖状の1価の炭化水素基であり、RとRとの合計の炭素数は4~16であり、Rは炭素数1~4のアルキレン基であり、pはROの平均繰り返し数を示す1~20の数である。]
【請求項2】
前記(C)成分の含有量に対する前記(A)成分及び前記(B)成分の合計の含有量の質量比を表す[(A)+(B)]/(C)が、1~20である請求項1に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
界面活性剤の総量が、繊維製品用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、35~70質量%である請求項1又は2に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物。
【請求項4】
有機溶剤をさらに含有する請求項1又は2に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物。
【請求項5】
洗剤自動投入機能を備えた洗濯機用である請求項1又は2に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維製品用液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維製品用の液体洗浄剤の分野では、環境負荷に対する意識が高まっている。そこで、液体洗浄剤を収容する容器を小型化することで、物流におけるエネルギー削減やゴミの減量が図られている。
容器の小型化に伴い、洗浄力が高いことに加えて、洗濯1回当たりの使用量が少ない液体洗浄剤が求められている。こうした要求に対し、界面活性剤の濃度を高めた濃縮型の液体洗浄剤が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-229387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
界面活性剤が高濃度に配合された液体洗浄剤の中でも、直鎖の炭化水素基を有するポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が高濃度に配合された液体洗浄剤の場合、高温での保管時に沈殿や析出が生じやすく、冬場の使用時のような低温(例えば5℃)下でゲル化や固化が生じやすい。
また、近年、洗剤を自動投入する洗濯機が増えている。これに伴い、複数回の洗濯が可能な量の液体洗浄剤が洗濯機内部のタンク内に充填され、洗濯の間もタンク内に液体洗浄剤が保管されることが増えている。洗剤タンクは一般的に密閉されておらずかつ洗濯機から発生する熱に曝される。そのため、タンク内に充填される液体洗浄剤は、上述のような沈殿や析出のリスクが高くなり、重量減少も懸念される。
液体洗浄剤に分岐型ノニオン界面活性剤を配合することは、低温下での流動性を高めるために有用と考えられる。しかし、汎用の分岐型ノニオン界面活性剤を配合すると、洗浄力が低下する傾向がある。
【0005】
本発明は、洗浄力、低温安定性及び高温安定性に優れる濃縮型の繊維製品用液体洗浄剤組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は以下の態様を有する。
<1>
(A)成分:下記式(a1)で表されるノニオン界面活性剤と、
(B)成分:下記式(b1)で表されるガーベットアルコール型ノニオン界面活性剤と、
(C)成分:非石鹸系アニオン界面活性剤と、
水と、を含有し、
前記水の含有量が、繊維製品用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、40質量%以下であり、
前記(B)成分の含有量に対する前記(A)成分の含有量の質量比を表す(A)/(B)が3以上である繊維製品用液体洗浄剤組成物。
11-O-[(EO)/(A11O)]-(EO)-R12 ・・・(a1)
[式(a1)中、R11は炭素数8~22の直鎖の炭化水素基であり、R12は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基であり、EOはオキシエチレン基であり、sはEO平均繰り返し数を示す3~25の数であり、A11Oはオキシプロピレン基及びオキシブチレン基の少なくとも一方であり、tはA11Oの平均繰り返し数を示す0~6の数であり、uはEOの平均繰り返し数を示す0~20の数である。]
-CHR-CH-O-(RO)-H ・・・(b1)
[式(b1)中、R及びRはそれぞれ独立して鎖状の1価の炭化水素基であり、RとRとの合計の炭素数は4~16であり、Rは炭素数1~4のアルキレン基であり、pはROの平均繰り返し数を示す1~20の数である。]
<2>
前記(C)成分の含有量に対する前記(A)成分及び前記(B)成分の合計の含有量の質量比を表す[(A)+(B)]/(C)が、1~20である<1>に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物。
<3>
界面活性剤の総量が、繊維製品用液体洗浄剤組成物の総質量に対し、35~70質量%である<1>又は<2>に記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物。
<4>
有機溶剤をさらに含有する<1>~<3>のいずれかに記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物。
<5>
洗剤自動投入機能を備えた洗濯機用である<1>~<4>のいずれかに記載の繊維製品用液体洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、洗浄力、低温安定性及び高温安定性に優れる濃縮型の繊維製品用液体洗浄剤組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態に係る繊維製品用液体洗浄剤組成物(以下、単に「液体洗浄剤組成物」ともいう。)は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、水と、を含有する。
【0009】
<(A)成分>
(A)成分は、下記式(a1)で表されるノニオン界面活性剤(以下、「ノニオン界面活性剤(a1)」ともいう。)である。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
【0010】
11-O-[(EO)/(A11O)]-(EO)-R12 ・・・(a1)
[式(a1)中、R11は炭素数8~22の直鎖の炭化水素基であり、R12は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基であり、EOはオキシエチレン基であり、sはEO平均繰り返し数を示す3~25の数であり、A11Oはオキシプロピレン基及びオキシブチレン基の少なくとも一方であり、tはA11Oの平均繰り返し数を示す0~6の数であり、uはEOの平均繰り返し数を示す0~20の数である。]
【0011】
式(a1)中、R11の炭化水素基の炭素数は、8~22であり、10~18が好ましく、12~18がより好ましい。R11の炭化水素基は直鎖である。R11の炭化水素基は不飽和結合を有していてもよいし、有していなくてもよい。
-O-に結合するR11の炭素原子は、第一級炭素原子でも第二級炭素原子でもよい。-O-に結合するR11の炭素原子が第一級炭素原子である場合、-O-は、R11を構成する炭素原子のうち直鎖の末端に位置する炭素原子に結合する。-O-に結合するR11の炭素原子が第二級炭素原子である場合、-O-は、R11を構成する炭素原子のうち直鎖の末端以外に位置する炭素原子に結合する。
【0012】
12がアルキル基の場合、炭素数は1~6であり、1~3が好ましい。
12がアルケニル基の場合、炭素数は2~6であり、2~3が好ましい。
12は水素原子が特に好ましい。
【0013】
sは3~25であり、5~25が好ましく、7~20がより好ましく、7~18がさらに好ましく、7~15が特に好ましい。
tは0~6であり、0~3が好ましく、0がより好ましい。
uは0~20であり、0~15が好ましく、0~10がより好ましい。
s+uは3~30が好ましく、5~25がより好ましく、5~20がさらに好ましく、7~20が特に好ましく、7~15が最も好ましい。
【0014】
tが0ではない場合、つまりノニオン界面活性剤(a1)が、EOとオキシプロピレン基(以下、「PO」ともいう。)、EOとオキシブチレン基(以下、「BO」ともいう。)、又はEOとPOとBOを有する場合、[(EO)/(A11O)]においてEOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOの分布(配列順)に特に限定はない。これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。また、EOが「R11-O-」に結合してもよいし、PO又はBOが「R11-O-」に結合してもよい。
tが0ではない場合、ノニオン界面活性剤(a1)は、EOとPO、又はEOとBOを有することが好ましい。
【0015】
<(B)成分>
(B)成分は、下記式(b1)で表されるガーベットアルコール型ノニオン界面活性剤である。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
【0016】
-CHR-CH-O-(RO)-H ・・・(b1)
[式(b1)中、R及びRはそれぞれ独立して鎖状の1価の炭化水素基であり、RとRとの合計の炭素数は4~16であり、Rは炭素数1~3の炭化水素基であり、pはROの平均繰り返し数を示す1~20の数である。]
【0017】
式(b1)中、R及びRはそれぞれ独立して鎖状の1価の炭化水素基である。RとRとの合計の炭素数は4~16であり、4~14が好ましく、6~14がより好ましく、6~12がさらに好ましい。
及びRにおける鎖状の1価の炭化水素基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。鎖状の1価の炭化水素基は不飽和結合を有していてもよいし、有していなくてもよい。鎖状の1価の炭化水素基としては、アルキル基又はアルケニル基が好ましい。
の炭素数とRの炭素数とが異なる場合、R及びRのうち炭素数の少ない方の炭素数は2~7が好ましく、多い方の炭素数は4~14が好ましい。
【0018】
式(b1)中のR-CHR-CH-は、ガーベットアルコール(R-CHR-CH-OH)から水酸基1つを除いた残基である。
ガーベットアルコールは、原料アルコールをガーベット反応(ゲルベ反応)に供して得られるアルコールである。ガーベット反応では、2分子の原料アルコールが縮合して二量体化される。例えば、原料アルコールとしてR-CH-CH-OH(ただし、Rは炭素数1~7の鎖状の1価の炭化水素基である。)を用いると、R-CH-CH-CHR-CH-OHで表されるガーベットアルコールが得られる。ガーベットアルコールを形成する2分子の原料アルコールは異なっていてもよい。2分子の原料アルコールが同一である場合、Rの炭素数とRの炭素数との差は2となる。
-CH(R)-CH-の具体例としては、2-エチルヘキシル基、2-プロピルヘプチル基等が挙げられる。
【0019】
pは1~20であり、3~14が好ましく、4~12がより好ましく、5~10が最も好ましい。
は炭素数1~4のアルキレン基である。Rとしては、炭素数2~3のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。即ち、ROとしては、EO及びPOの少なくとも一方が好ましく、EOがより好ましい。
(RO)においてEOとPOが混在してもよい。EOとPOが混在する場合、これらはランダム状に混在してもよく、ブロック状に混在してもよい。
【0020】
(B)成分の具体例としては、2-エチルヘキシルアルコールエトキシレート等の2-エチルヘキシルアルコールアルコシレート、2-プロピルヘプチルアルコールエトキシレート等の2-プロピルヘプチルアルコールアルコキシレート等が挙げられる。
これらの中でも、2-プロピルヘプチルアルコールエトキシレートが好ましい。エチレンオキシドの平均付加モル数は3~14が好ましく、4~12がより好ましく、5~10が最も好ましい。
【0021】
(B)成分は、市販品を用いてもよく、公知の製造方法により製造したものを用いてもよい。
例えば、2-エチルヘキシルアルコールエトキシレートの市販品としては、日本乳化剤製のニューコール 1008等が挙げられる。2-プロピルヘプチルアルコールエトキシレートの市販品としては、BASF製のLutensol XP-100、Lutensol XP-80、Lutensol XP-50等が挙げられる。
(B)成分の製造方法としては、例えば、炭素数8~18のガーベットアルコールに対し、1~20モル相当のアルキレンオキシドを付加する方法が挙げられる。ガーベットアルコールは、前述のような原料アルコールをガーベット反応に供して製造したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。例えば2-プロピルヘプチルアルコールは、ペンタノールをガーベット反応に供して得られる。
【0022】
<(C)成分>
(C)成分は、非石鹸系アニオン界面活性剤である。
「非石鹸系アニオン界面活性剤」とは、高級脂肪酸又はその塩(いわゆる石鹸)を除くアニオン界面活性剤である。高級脂肪酸は典型的には、炭素数8~22の脂肪酸である。
(C)成分は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
【0023】
(C)成分としては、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩(LAS)、α-オレフィンスルホン酸又はその塩(AOS)、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル硫酸エステル又はその塩(AS)、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル又はその塩(AES)、アルカンスルホン酸又はその塩、α-スルホ脂肪酸エステル又はその塩、内部オレフィンスルホン酸又はその塩(IOS)、ヒドロキシアルカンスルホン酸又はその塩(HAS)、アルキルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸又はその塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アルケニルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アシルアミノカルボン酸又はその塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル又はその塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル又はその塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。
これらのアニオン界面活性剤の塩の形態としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩等)、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等)等が挙げられる。
【0024】
(C)成分としては、LAS、AOS、AS、AESが好ましく、なかでも、洗浄力がより高まる観点から、LAS、AESがより好ましい。(C)成分は少なくともAESもしくはLASを含むことが好ましく、LASとAESの両方を含むことがより好ましい。
LASを含むことで低温安定性が向上しやすく、AESを含むことで皮脂洗浄力が向上しやすい。
LASとしては、直鎖アルキル基の炭素数が8~22であるものが好ましい。
【0025】
AESは、下記式(c1)で表される。
17-O-[(EO)/(PO)]-SO ・・・(c1)
[式(c1)中、R17は、炭素数8~20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数8~20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。POはオキシプロピレン基である。mはEOの平均繰り返し数を表す0.1以上の数である。nはPOの平均繰り返し数を表す0~6の数である。Mは対カチオンである。]
【0026】
式(c1)中、R17のアルキル基又はアルケニル基の炭素数は、10~20が好ましく、12~14がより好ましい。
17としては、炭素数10~20の直鎖のアルキル基が好ましく、炭素数12~14の直鎖のアルキル基がより好ましい。具体的には、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。
【0027】
mは0.1~5が好ましく、0.1~3がより好ましく、0.5~2がさらに好ましく、0.5~1.5が特に好ましい。
nは0~6であり、0~3が好ましく、0がより好ましい。
m+nは0.1以上であり、0.5~10が好ましく、1~5がより好ましい。
【0028】
nが0でない場合、つまりAESがEOとPOを有する場合、[(EO)/(PO)]におけるEOとPOの分布(配列順)に特に限定はない。これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。また、EOが「R17-O-」に結合してもよいし、POが「R17-O-」に結合してもよい。
EOとPOとをブロック状に配列させる方法としては、例えば、エチレンオキシドを導入した後にプロピレンオキシドを導入する方法、プロピレンオキシドを導入した後にエチレンオキシドを導入する方法、エチレンオキシドを導入した後にプロピレンオキシドを導入し、さらに、エチレンオキシドを導入する方法等が挙げられる。
【0029】
としては、例えばNa、K、Hが挙げられる。
【0030】
AESとしては、皮脂洗浄力の点から、R17が炭素数10~20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又は炭素数10~20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基であり、m+nが1~5であるものが好ましい。
AESにおいては、保存安定性の点から、式(c1)で表される化合物の総質量に対し、上記式(c1)におけるm=0、n=0の化合物の割合が35~55質量%であることが好ましい。
【0031】
<水>
水としては特に制限されず、精製水、蒸留水、イオン交換水、水道水等が挙げられる。これらの水は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
【0032】
<有機溶剤>
液体洗浄剤組成物は、有機溶剤をさらに含有していてもよい。
液体洗浄剤組成物が有機溶剤を含有することで、液体洗浄剤組成物の低温安定性及び高温での重量減少率低減効果をより高められる。
有機溶剤としては、下記式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」ともいう。)、グリコールエーテル、化合物(1)及びグリコールエーテル以外のアルコール、ケトン、化合物(1)以外のエステル等が挙げられ、中でも、化合物(1)、グリコールエーテル、化合物(1)及びグリコールエーテル以外のアルコールが好ましい。
【0033】
CHO-CR31(CH)-CHR32-CHR33-O-R34 ・・・(1)
[式(1)中、R31~R33は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1~3のアルキル基であり、R34は、水素原子又はアセチル基である。]
【0034】
式(1)中、R31~R33は、全てが水素原子であるか、又は1つがアルキル基であり、他の2つが水素原子であることが好ましい。即ち、R31~R33の内、2つ以上が水素原子であることが好ましい。R31~R33の内、2つ以上が水素原子であると、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性のさらなる向上を図れる。
31~R33のいずれかがアルキル基である場合、アルキル基の炭素数は、1~2が好ましく、1がより好ましい。R31~R33の炭素数が上記数値範囲内であると、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性のさらなる向上を図れる。
34は、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性のさらなる向上を図る観点から、水素原子が好ましい。
【0035】
化合物(1)としては、例えば、3-メトキシブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール、3-メトキシ-3-エチルブタノール、3-メトキシ-3-プロピルブタノール、3-メトキシ-2-メチルブタノール、3-メトキシ-2-エチルブタノール、3-メトキシ-2-プロピルブタノール、3-メトキシ-1-メチルブタノール、3-メトキシ-1-エチルブタノール、3-メトキシ-1-プロピルブタノール等、式(1)中のR34が水素原子であるもの;3-メトキシブチルアセテート、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、3-メトキシ-3-エチルブチルアセテート、3-メトキシ-3-プロピルブチルアセテート、3-メトキシ-2-メチルブチルアセテート、3-メトキシ-2-エチルブチルアセテート、3-メトキシ-2-プロピルブチルアセテート、3-メトキシ-1-メチルブチルアセテート、3-メトキシ-1-エチルブチルアセテート、3-メトキシ-1-プロピルブチルアセテート等、式(1)中のR34がアセチル基であるもの等が挙げられる。
【0036】
グリコールエーテルとしては、下記式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」ともいう。)が挙げられる。
35-(OR36OH ・・・(2)
[式(2)中、R35は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又はフェニル基であり、R36は炭素数2~4のアルキレン基であり、wは、OR36の平均繰り返し数(即ち、炭素数2~4のアルキレンオキシドの平均付加モル数)を表す1~30000の数である。]
【0037】
化合物(2)としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。
式(2)において、R35が水素原子である化合物としては、ポリエチレングリコールが挙げられる。ポリエチレングリコールとしては、式(2)におけるwが5以上のものが好ましい。また、ポリエチレングリコールの質量平均分子量は、200~1320000が好ましく、200~5000がより好ましく、200~2000がさらに好ましく、200~1000が特に好ましい。これらの中でも、質量平均分子量が1000(wが22~24)のポリエチレングリコールが特に好ましい。なお、ポリエチレングリコールの質量平均分子量は、溶媒としてメタノールを用いてGPCにより測定した値を、ポリエチレングリコールにおける較正曲線に基づいて算出した値を示す。
【0038】
化合物(1)及びグリコールエーテル以外のアルコールとしては、2-イソブチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-4-メタノール、炭素数2~4の一価アルコール、炭素数2~4の多価アルコール等が挙げられる。
炭素数2~4の一価アルコールとしては、例えば、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール等が挙げられる。
炭素数2~4の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
【0039】
これらの有機溶剤の中でも、流動性に優れる点、臭気の穏やかな点、原料の入手のしやすさの点から、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールが好ましく、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3-メトキシ-3-メチルブタノールがより好ましい。
これらの有機溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
【0040】
2種以上の有機溶剤を組み合わせる場合、化合物(1)を含むことが好ましく、化合物(1)と一価アルコールとの組み合わせ、及び化合物(1)と化合物(2)との組み合わせがより好ましく、化合物(1)と一価アルコールとの組み合わせがさらに好ましく、3-メトキシ-3-メチルブタノールとポリエチレングリコールとの組み合わせが特に好ましい。有機溶剤が上記の組み合わせであれば、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性を向上させつつ、高温での重量減少率の低減効果を高められる。
【0041】
化合物(1)と他の有機溶剤とを組み合わせる場合、化合物(1)/他の有機溶剤で表される質量比は、0.1~10が好ましく、0.5~8がより好ましく、1~6がさらに好ましい。上記質量比が上記範囲内であれば、液体洗浄剤組成物の低温における液安定性を向上させつつ、高温での重量減少率の低減効果を高められる。
【0042】
<酵素>
液体洗浄剤組成物は、酵素をさらに含有していてもよい。
酵素としては、例えばプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼなどが挙げられる。酵素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
これらの酵素は、一般に、酵素を含有する製剤(酵素製剤)として市販されている。液体洗浄剤組成物を調製する際、通常、酵素製剤の形態で配合される。
【0043】
プロテアーゼとしては、セリンプロテアーゼのように、分子内にセリン、ヒスチジン、及びアスパラギン酸を有するプロテアーゼが好ましい。
プロテアーゼを含有する製剤(プロテアーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できる商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L、Coronase Evity 48L、Progress Uno101L;ジェネンコア社から入手できる商品名Purafect L、Purafect OX、Properase Lなどが挙げられる。
【0044】
アミラーゼを含有する製剤(アミラーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できる商品名Termamyl 300L、Termamyl Ultra 300L、Duramyl 300L、Stainzyme 12L、Stainzyme Plus 12L、Amplify Prime;ジェネンコア社から入手できる商品名Maxamyl;天野エンザイム社から入手できる商品名プルラナーゼアマノ;生化学工業社から入手できる商品名DB-250などが挙げられる。
【0045】
リパーゼを含有する製剤(リパーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できる商品名Lipex 100L、Lipolase 100Lなどが挙げられる。
【0046】
セルラーゼを含有する製剤(セルラーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できる商品名Carezyme 4500L、Carezyme Premium 4500L、Endolase 5000L、Celluclean 4500Tなどが挙げられる。
【0047】
マンナナーゼを含有する製剤(マンナナーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できる商品名Mannaway 4.0L、Mannaway 200Lなどが挙げられる。
【0048】
ペクチナーゼを含有する製剤(ペクチナーゼ製剤)としては、例えばノボザイムズ社から入手できるPectawash、Pectaway、XPectなどが挙げられる。
これらの酵素製剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
【0049】
<他の成分>
液体洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、(A)成分、(B)成分、(C)成分、水、有機溶剤及び酵素以外の他の成分を含有していてもよい。
他の成分としては、液体洗浄剤に通常用いられる成分が挙げられ、例えば、(A)成分及び(B)成分以外のノニオン界面活性剤、(C)成分以外のアニオン界面活性剤(例えば、高級脂肪酸及びその塩)、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、キレート剤、ハイドロトロープ剤(例えば、芳香族スルホン酸及びその塩)、洗浄性ビルダー、安定化剤、アルカリ剤(例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン)、金属イオン捕捉剤、シリコーン等の風合い向上剤、防腐剤、蛍光剤、移染防止剤、パール剤、酸化防止剤、抗菌剤、着色剤として汎用の色素又は顔料、乳濁化剤、香料、pH調整剤等が挙げられる。
【0050】
<含有量>
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対し、20~60質量%が好ましく、25~50質量%がより好ましく、30~40質量%が最も好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲の下限値以上であると、皮脂洗浄力がより優れ、上限値以下であると、高温での重量減少率がより低減される。
【0051】
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対し、1~20質量%が好ましく、2~15質量%がより好ましく、3~10質量%がさらに好ましく、3~8質量%が最も好ましい。(B)成分の含有量が上記範囲の下限値以上であると、低温安定性がより優れ、上限値以下であると、皮脂洗浄力がより優れる。
【0052】
液体洗浄剤組成物において、(B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比を表す(A)/(B)は、3以上であり、3~30がより好ましく、4~20がさらに好ましく、5~10が最も好ましい。(A)/(B)が上記範囲の下限値以上であると、低温安定性に優れ、上限値以下であると、高温での重量減少率がより低減される。
【0053】
(C)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対し、2~40質量%が好ましく、3~30質量%がより好ましく、4~20質量%がさらに好ましく、5~20質量%が最も好ましい。(C)成分の含有量が上記範囲の下限値以上であると、低温安定性がより優れ、上限値以下であると、高温での重量減少率がより低減される。
【0054】
液体洗浄剤組成物において、(C)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の質量比を表す(A)/(C)は、0.1以上が好ましく、0.3~15がより好ましく、1~8が最も好ましい。(A)/(C)が上記範囲の下限値以上であると、皮脂洗浄力がより優れ、上限値以下であると、高温での低温安定性がより優れる。
【0055】
液体洗浄剤組成物において、(C)成分の含有量に対する(B)成分の含有量の質量比を表す(B)/(C)は、0.1以上が好ましく、0.1~5がより好ましく、0.2~3がさらに好ましく、0.3~1が最も好ましい。(B)/(C)が上記範囲の下限値以上であると、低温安定性がより優れ、上限値以下であると、高温での重量減少率がより低減される。
【0056】
液体洗浄剤組成物において、(C)成分の含有量に対する(A)成分及び(B)成分の合計の含有量の質量比を表す[(A)+(B)]/(C)は、0.1以上が好ましく、0.5~20がより好ましく、1.5~10がさらに好ましく、2.5~7が最も好ましい。[(A)+(B)]/(C)が上記範囲の下限値以上であると、皮脂洗浄力がより優れ、上限値以下であると、低温安定性がより優れる。
【0057】
水の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対し、40質量%以下であり、38質量%以下が好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。また、水の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対し、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。水の含有量が上記範囲の上限値以下であると、高温での重量減少率が低減される。また、水の含有量が上記範囲の下限値以上であると、低温安定性がより優れる。
上記下限値及び上記上限値は適宜組み合わせることができる。例えば、水の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対し、10~40質量%、15~38質量%、又は20~35質量%であってよい。
【0058】
液体洗浄剤組成物において、(B)成分の含有量に対する水の含有量の質量比を表す水/(B)は、1以上が好ましく、1.5~20がより好ましく、2~15がさらに好ましく、3~10が最も好ましい。水/B比が上記範囲の下限値以上であると、低温安定性がより優れ、上限値以下であると、皮脂洗浄力がより優れる。
【0059】
液体洗浄剤組成物に含まれる界面活性剤の総量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対し30質量%以上が好ましく、35~70質量%がより好ましく、40~60質量%がさらに好ましく、45~55質量%が最も好ましい。界面活性剤の総量が上記範囲の下限値以上であると、皮脂洗浄力がより優れ、上限値以下であると、低温安定性がより優れる。
界面活性剤の総量は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、及びこれら以外の界面活性剤の合計の含有量である。
【0060】
液体洗浄剤組成物が有機溶剤を含有する場合、有機溶剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対し、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、また、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、12質量%以下が最も好ましい。有機溶剤の含有量が上記範囲の下限値以上であると、低温安定性がより優れ、上限値以下であると、高温での重量減少率がより低減される。
上記下限値及び上記上限値は適宜組み合わせることができる。例えば、有機溶剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対し、3~20質量%、3~15質量%、3~12質量%、又は5~12質量%であってよい。
【0061】
液体洗浄剤組成物が酵素を含有する場合、酵素の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対し、0.1~10質量%が好ましく、0.5~7質量%がより好ましく、1~5%がさらに好ましく、2~4質量%が最も好ましい。酵素の含有量が上記範囲の下限値以上であると、皮脂やタンパク質等の洗浄力がより優れ、上限値以下であると、低温安定性がより優れる。
なお、酵素が酵素製剤の形態で配合される場合、酵素の含有量は、酵素製剤としての質量である。
なお、液体洗浄剤組成物の各成分の含有量の合計は100質量%を超えない。
【0062】
<物性>
液体洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、6~9が好ましく、6.5~8.5がより好ましく、7~8がさらに好ましい。
液体洗浄剤組成物のpHは、必要に応じて、pH調整剤を添加することにより調整できる。
pHは、測定対象を25℃とし、pHメーター(製品名:HM-30G、東亜ディーケーケー社製)により測定される値である。
【0063】
<製造方法>
本実施形態の液体洗浄剤組成物は、従来公知の液体洗浄剤組成物の製造方法に準じて製造することができる。例えば、水の一部に、pH調整剤を除く各成分を加えて混合した後、必要に応じてpH調整剤を添加してpHを調整した後、水の残部を加えて全体量を100質量%とすることにより製造できる。得られた液体洗浄剤組成物は、ボトル容器、スクイズ容器、パウチ容器等の容器に収容して容器入り液体洗浄剤製品とすることが好ましい。
【0064】
容器入り液体洗浄剤製品の容器の一態様として、プラスチック製の容器本体とプラスチック製のキャップを備えるプラスチック製容器を用いることができる。容器本体は口部を有し、キャップは口部に着脱自在に装着されるように構成されている。
容器本体の材質は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの透明性または半透明性を有する合成樹脂が好ましい。容器本体の成形法は、例えば2軸延伸ブロー成形法が挙げられる。
キャップは、液体洗浄剤を計量できる計量筒部を有する形状のキャップ(以下、計量キャップともいう)が好ましい。キャップの材質はポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの透明性または半透明性を有する合成樹脂が好ましい。キャップの成形法は、射出成形法が挙げられる。
計量キャップの形状は、公知の形状とすることができる。例えば特開2020-200095号公報に記載されているような、軸線方向に延びる計量筒部と、前記計量筒部の前記軸線方向の先端に前記軸線を中心とする周方向の一部に設けられ、前記軸線方向に突出する舌状部とを有する形状とすることができる。
【0065】
<使用方法>
液体洗浄剤組成物の使用方法としては、例えば液体洗浄剤組成物を洗濯機の液体洗浄剤組成物の投入口に入れてから洗濯機を稼働させる方法、液体洗浄剤組成物を洗濯時に被洗物と一緒に水に投入する方法、液体洗浄剤組成物を予め水に溶解して調製される洗浄液に被洗物を浸漬する方法、液体洗浄剤組成物を被洗物に直接塗布して、例えば3分~24時間放置し、その後、通常の洗濯を行う方法等が挙げられる。
【0066】
また、近年実用化された洗剤自動投入機能を備えた洗濯機を使用することも好ましい。
洗剤自動投入機能は、洗剤を収納したタンクから、投入用配管を経由して、自動的に洗濯槽に洗剤を投入する機能である。投入用配管の途中には、シリンジポンプ等の計量手段が設けられており、洗濯物の量等に応じて設定された一定量を、タンクから洗濯槽へと移送できるようになっている。
【0067】
洗剤自動投入機能を利用すれば、計量の手間が省けるだけでなく、計量時に液体洗浄剤組成物が手に付着したり、こぼれて洗濯機や周囲を汚してしまったりすることを回避できる。
また、本実施形態の液体洗浄剤組成物は濃縮型であるため、洗濯1回当たりの使用量が、10mL前後と非常に少ない場合がある。このような少量の液体洗浄剤組成物は、キャップ等で正確に計量することが難しく、液量が不足したり過剰となったりしやすい。洗剤自動投入機能を利用すれば、少量の液体洗浄剤組成物でも正確に計量することができるので、充分な洗浄力を発揮しやすく、使いすぎによる無駄も回避できるので好ましい。
【0068】
また、自動で所定の量の液体を吐出できる自動ディスペンサーを使用することも好ましい。自動ディスペンサーを使用する場合も、少量の液体洗浄剤組成物でも正確に計量することができるため、充分な洗浄力を発揮しやすく、使いすぎによる無駄も回避できるので好ましい。
自動ディスペンサーの中には、赤外線センサなどを利用して、スイッチ等に触れなくとも自動的に吐出するものも市販されている。このような自動ディスペンサーを使用すれば、片手に保持した容器を差し出すだけで液体洗浄剤を計量することができ、使用者の負担軽減効果が大きい。
【0069】
また、自動ディスペンサーを使用する場合、軟質容器に吐出された液体洗浄剤組成物を受け、その軟質容器をそのまま洗濯機に投入することも好ましい。これにより、吐出された液体洗浄剤組成物の全量を、確実に洗浄液中に溶解させることができる。
そのまま洗濯機に投入可能な軟質容器の材質としては、例えば、シリコ-ン樹脂、ポリ塩化ビニル、エラストマー、軟質ポリエステル、軟質ポリプロピレン、ポリウレタン等が挙げられる。
【0070】
被洗物の例としては、例えば衣類(衣料)、布巾、タオル類、シーツ、カーテン等の繊維製品などが挙げられる。繊維製品の素材は特に限定されず、綿、絹、羊毛等の天然繊維、ポリエステル、ポリアミド等の化学繊維などのいずれでもよい。
液体洗浄剤組成物を水に溶解して使用する場合、例えば5~5000倍(体積基準)に希釈することが好ましい。
被洗物の質量あたりの水量である浴比(洗濯時の洗浄液の質量/被洗物の質量)は、ドラム型洗濯機であれば5以上、縦型洗濯機であれば10以上が好ましい。
洗浄処理において使用される液体洗浄剤組成物の量は、被洗物の質量(布量)/液体洗浄剤組成物の質量の比が、10~500が好ましく、10~300がさらに好ましく、10~100がさらに好ましい。
液体洗浄剤組成物は、繊維製品用の洗浄剤組成物として好適である。
【0071】
本実施形態の液体洗浄剤組成物は、界面活性剤として(A)成分と(B)成分と(C)成分とを含有することで、洗浄力、高温安定性及び低温安定性に優れる。また、水の含有量が40質量%以下の濃縮型の液体洗浄剤組成物であり、少ない使用量で洗浄力を発揮できる。
(B)成分は、疎水部(R-CH(R)-CH-)の構造がかさ高い。これにより、特に水が少ない濃縮型の液体洗浄剤組成物中での活性剤の配列を乱しやすく、ガーベットアルコール型ではない一般的な分岐型のノニオン界面活性剤と比較して、液体洗浄剤組成物が低温に置かれた場合の固化が生じ難くなる。また、(B)成分の疎水部の構造がかさ高いことで、(B)成分が皮脂汚れ等の疎水性物質に吸着した際に汚れ界面に並ぶ活性剤総量が少なくなる一方で、界面張力低下能が高くなることから、高い皮脂洗浄力が発揮される。
【0072】
洗剤自動投入機能を備えた洗濯機は、衣類乾燥時に、洗剤を収容するタンク内の温度も上昇しやすい。またシリンジポンプ等でタンク内の洗剤を吸引して移送するために、洗剤をタンクは完全に密閉されていない。後述の実施例に示されるように、洗剤自動投入機能を備えた洗濯機のタンク内で液体洗浄剤を保存すると、重量が減少しやすい傾向がある。
本実施形態の液体洗浄剤組成物は、高温安定性に優れるので、洗剤自動投入機能を備えた洗濯機のタンク内に収容して用いられる、洗剤自動投入用液体洗浄剤として好適である。加えて、少ない使用量で高い洗浄力を発揮できる濃縮型の液体洗浄剤であるため、洗濯機のタンクの容量で洗濯できる回数が多い点でも洗剤自動投入用液体洗浄剤として好適である。
【実施例0073】
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
各例で使用した原料は、以下の通りである。
【0074】
(使用原料)
<(A)成分>
・直鎖AE(15EO):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン社製、商品名「LMAO-90」)、第一級アルコール(質量比で炭素数12アルコール/炭素数14アルコール=7/3)1モルに、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。式(a1)において、R11が炭素数12のアルキル基(C12)及び炭素数14のアルキル基(C14)(質量比でC12:C14=70:30)、R12が水素原子、-O-に結合するR11の炭素原子が第一級炭素原子、sが15、tが0、uが0である化合物。
・直鎖AE(12EO):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン社製、商品名「LMAL-90」)、第一級アルコール(質量比で炭素数12アルコール/炭素数14アルコール=7/3)1モルに、12モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。式(a1)において、R11が炭素数12のアルキル基(C12)及び炭素数14のアルキル基(C14)(質量比でC12:C14=70:30)、R12が水素原子、-O-に結合するR11の炭素原子が第一級炭素原子、sが12、tが0、uが0である化合物。
・直鎖AE(9EO):第一級アルコール(質量比で炭素数12アルコール/炭素数14アルコール=7/3)1モルに、9モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。式(a1)において、R11が炭素数12のアルキル基(C12)及び炭素数14のアルキル基(C14)(質量比でC12:C14=70:30)、R12が水素原子、-O-に結合するR11の炭素原子が第一級炭素原子、sが9、tが0、uが0である化合物。
・直鎖AE(7EO):第一級アルコール(質量比で炭素数12アルコール/炭素数14アルコール=7/3)1モルに、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。式(a1)において、R11が炭素数12のアルキル基(C12)及び炭素数14のアルキル基(C14)(質量比でC12:C14=70:30)、R12が水素原子、-O-に結合するR11の炭素原子が第一級炭素原子、sが7、tが0、uが0である化合物。
【0075】
<(B)成分及びその比較成分>
・1級分岐AE(10EO):ペンタノールをガーベット反応に供して得られたC10のアルコールに対し、10モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol XP100、BASF社製)。式(b1)において、Rがn-ペンチル基、Rがn-プロピル基、ROがEO、pが10である化合物。
・1級分岐AE(5EO):ペンタノールをガーベット反応に供して得られたC10のアルコールに対し、5モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol XP50、BASF社製)。式(b1)において、Rがn-ペンチル基、Rがn-プロピル基、ROがEO、pが5である化合物。
・1級分岐AE(8AO):ペンタノールをガーベット反応に供して得られた炭素数10のアルコールに、8モル相当のエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加したもの(BASF社製、商品名Lutensol XL80、BASF社製)。式(b1)において、Rがn-ペンチル基、Rがn-プロピル基、ROがEO及びPO、pが8である化合物。
・比較成分1:ガーベットアルコール型ではない1級分岐AE(7EO)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(炭素数13のアルコールに7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。式(a1)において、R11が炭素数13の分岐鎖状のアルキル基であり、酸素原子に結合するR11の炭素原子は第一級炭素原子であり、R12が水素原子であり、sが7であり、tが0であり、uが0である化合物。下記合成方法により合成されたもの。
比較成分1の合成方法:
Sasol社製のEXXAL(登録商標)13を400gと、30質量%NaOH水溶液3.33gを耐圧型反応容器内に仕込み、該反応容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。次いで、反応液を撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)1145gを反応液中に徐々に加えた。この時、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら、エチレンオキシドを吹き込み管で加えた。エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%パラトルエンスルホン酸を加えて中和し、比較成分1を得た。
【0076】
<(C)成分>
・LAS:炭素数10~14のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ライオン社製、商品名「ライポン(登録商標)LH-200」。
・AES:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムとポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウムとの混合物、EOの平均付加モル数1)。式(c1)におけるR17が炭素数12及び14の直鎖状のアルキル基、mが1、nが0、Mがナトリウムであり、AES全体に対するmが0かつnが0である化合物の割合が43質量%である。下記合成方法により合成したもの。
【0077】
AESの合成方法:
容量4Lのオートクレーブ中に、原料アルコールとしてプロクター・アンド・ギャンブル社製の商品名CO1270アルコール(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの質量比75/25の混合物)400gと、反応用触媒として水酸化カリウム触媒0.8gとを仕込み、該オートクレーブ内を窒素で置換した後、攪拌しながら昇温した。
続いて、温度を180℃、圧力を0.3MPa以下に維持しながらエチレンオキシド91gを導入し、反応させることによりアルコールエトキシレートを得た。
ガスクロマトグラフ:Hewlett-Packard社製のGC-5890と、検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)と、カラム:Ultra-1(HP社製、L25m×φ0.2mm×T0.11μm)と、を用いて分析した結果、得られたアルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの平均付加モル数が1.0であった。また、エチレンオキシドが付加していない化合物の量が得られたアルコールエトキシレート全体に対して43質量%であった。
次に、上記で得たアルコールエトキシレート237gを、攪拌装置付の500mLフラスコに採り、窒素で置換した後、液体無水硫酸(サルファン)96gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりAESを得た。
【0078】
<水>
・水:商品名「精製水」、関東化学社製。
【0079】
<有機溶剤>
・ポリエチレングリコール:純正化学社製、商品名「PEG#1000」、質量平均分子量1000。
・ソルフィット:3-メトキシ-3-メチルブタノール(クラレ社製、商品名「ソルフィット」)。
・ブチルカルビトール(日本乳化剤社製、商品名「ジエチレングリコールモノブチルエーテル」)。
・プロピレングリコール(中央化成社製、商品名「化粧用プロピレングリコール」)。
【0080】
<酵素>
・プロテアーゼ:商品名「ProgressUno」、ノボザイムズジャパン社製。
・アミラーゼ:商品名「Amplify Prime100L」、ノボザイムズジャパン社製。
【0081】
<他の成分>
・椰子脂肪酸:石鹸(日油社製、商品名「椰子脂肪酸」)。
・乳酸ナトリウム:酵素安定化剤(武蔵野化学研究所社製、商品名「乳酸ソーダ60E」)。
・パラトルエンスルホン酸:ハイドロトロープ剤(協和発酵キリン社製、商品名「PTS酸」)。
・クエン酸:(一方社油脂工業株式会社製、商品名「液体クエン酸」)。
・ダイクロサン:4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル(BASF社製、商品名「TINOSAN HP100」)。
・BIT:1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン(クラリアントジャパン社製、商品名「NIPACIDE BIT20」)。
・BHT:酸化防止剤、ジブチルヒドロキシトルエン(住友化学社製、商品名「SUMILZER BHT-R」)。
・香料:特開2002-146399号公報の表11~18に記載の香料組成物A。
・色素:癸巳化成株式会社製、商品名「緑色3号」。
・色素:ミリケンジャパン合同会社製、商品名「Brilliant Orange」。
・色素:ミリケンジャパン合同会社製、商品名「Violet FL」。
・色素:ミリケンジャパン合同会社製、商品名「Violet SH」。
・色素:ミリケンジャパン合同会社製、商品名「SeaGreen CC」。
・モノエタノールアミン:pH調整剤(日本触媒社製、商品名「モノエタノールアミン」)。
・NaOH:水酸化ナトリウム、pH調整剤(東亞合成社製、商品名「水酸化ナトリウム」)。
【0082】
(実施例1~18、比較例1~6)
表1~4の配合量に従い液体洗浄剤組成物を製造した。表中の配合量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対する百分率(質量%)である。
具体的には、500mLのビーカーに、(A)成分、(B)成分、(C)成分、水、有機溶剤を投入し、マグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.製)で充分に攪拌した。その後、酵素、その他任意成分を添加し、さらによく攪拌した。
次いで、25℃でのpHが7.7になるように、NaOHを添加した後、全体量が100質量%になるように水を加えて、液体洗浄剤組成物を得た。
【0083】
得られた液体洗浄剤組成物について下記評価方法により、高温での重量減少率(高温安定性)、低温安定性、及び皮脂洗浄力(洗浄力)を評価した。評価結果を表1~4に併記する。
なお、表中の配合量の単位は「質量%」であり、純分換算量を示す。また、配合量の空欄は、その成分が配合されていないこと(配合量0質量%)を意味する。
NaOHの配合量の「バランス」とは、液体洗浄剤のpHを7.7とするために必要充分な量であることを示す。
【0084】
(評価方法)
<高温での重量減少率>
保存容器Aの場合、透明のガラス瓶(広口規格びん、PS-NO.6)に、各例の液体洗浄剤組成物20mLを充填し、蓋を開けた状態で40℃の恒温槽内に14日間静置して保存した。
保存容器Bの場合、日立社製ドラム式洗濯機(BD-SX110E)に付属の自動投入洗剤用タンク(部品番号BD-SX110CL-002、容量:約1000mL、非密閉容器)に、各例の液体洗浄剤組成物400mLを充填し、蓋を閉じた状態で40℃の恒温槽内に14日間静置して保存した。
保存前後での重量減少率(%)を計算し、下記評価基準に従って評価した。「◎」及び「○」を合格とした。
[評価基準]
◎:重量減少率 0%以上15%未満。
〇:重量減少率 15%以上30%未満。
△:重量減少率 30%以上45%未満。
×:重量減少率 45%以上。
【0085】
<低温安定性>
透明のガラス瓶(広口規格びん、PS-NO.6)に、各例の液体洗浄剤組成物20mLを充填し、蓋を閉めて密封した。この状態で5℃の恒温槽内に7日間静置して保存した。
保存後、ガラス瓶内の液体洗浄剤組成物の外観を目視で観察し、下記評価基準に従って低温安定性を評価した。「◎」及び「○」を合格とした。
[評価基準]
◎:ガラス瓶内の液体洗浄剤組成物が透明で沈殿物質等が認められず、液の流動性が高い。
〇:ガラス瓶内の液体洗浄剤組成物が透明で沈殿物質等が認められず、液の流動性が低い。
△:ガラス瓶内の液体洗浄剤組成物に濁りが認められるが、液の流動性がある。
×:ガラス瓶内の液体洗浄剤組成物に濁りが認められ、液の流動性がない。
【0086】
<皮脂洗浄力>
油化協布(未汚れ布)に人工汚垢を含浸して作製した人工汚垢布(一般財団法人洗濯科学協会製)を、5cm×5cmに裁断したものを汚染布とした。
洗浄試験器として、Terg-O-tometer(UNITED STATES TESTING社製)を用いた。
洗浄液として、水(25℃、5゜DH)900mLに対し、液体洗浄剤組成物を濃度が200ppmになるように加え、30秒間撹拌して調製したものを用いた。
洗浄試験器に、洗浄液と、上記の汚染布10枚と、洗浄メリヤス布とを投入し、浴比20倍に合わせて、120rpm、25℃で10分間洗浄した。その後、二槽式洗濯機(三菱電機社製、製品名「CW-C30A1-H1」)に移し、1分間脱水した後、水(25℃、5゜DH)30L中で3分間濯ぎ、風乾した。
未汚れ布及び洗浄前後の汚染布について、それぞれ反射率を色差計(日本電色工業社製、製品名「SE7700型」)で測定し、下記式(i)より洗浄率(%)を算出した。
洗浄率(%)=(洗浄前の汚染布のK/S-洗浄後の汚染布のK/S)/(洗浄前の汚染布のK/S-未汚れ布のK/S)×100 ・・・(i)
[式(i)中、K/S=(1-R/100)/(2R/100)。Rは反射率(%)]
【0087】
汚染布10枚について洗浄率(%)を算出してその平均値を求め、洗浄率の平均値(%)を下記評価基準に従って評価した。「◎」及び「○」を合格とした。
[評価基準]
◎:洗浄率の平均値が80%以上100%以下。
〇:洗浄率の平均値が60%以上80%未満。
△:洗浄率の平均値が40%以上60%未満。
×:洗浄率の平均値が0%以上40%未満。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
【表4】
【0092】
表1~4の結果に示されるように、実施例1~18の液体洗浄剤組成物は、少ない使用量で高い洗浄力を発揮できるとともに、高温安定性及び低温安定性がいずれも良好であった。
なお、実施例1と実施例4とは、液体洗浄剤組成物の組成が同じであり保存容器が異なる例である。
【0093】
一方、(A)成分を含まない比較例1は、高温安定性、低温安定性及び洗浄力に劣っていた。
(B)成分の代わりにその比較成分を用いた比較例2は、低温安定性に劣っていた。
(B)成分を含まない比較例3は、低温安定性に劣っていた。
(C)成分を含まない比較例4は、低温安定性に劣っていた。
水の含有量が40質量%超の比較例5は、高温安定性及び洗浄力に劣っていた。
(A)/(B)が3未満の比較例6は、洗浄力に劣っていた。