(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087395
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/84 20060101AFI20240624BHJP
E06B 9/17 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
E06B9/84 A
E06B9/17 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202197
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 展行
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042CA01
(57)【要約】
【課題】既設または新設の開閉装置において、巻取軸の脱落を確実に防止することができる開閉装置を提供することを課題とする。
【解決手段】開閉装置であって、巻取軸2と、前記巻取軸2に巻装されるシャッターカーテン3と、前記巻取軸2を回転自在に支持するとともに、その一端側が建物等の躯体Bに固定される左右のブラケット4と、前記巻取軸2を正逆回転させる開閉機20と、を備え、前記開閉装置の左右の前記ブラケット4間には、前記建物等の前記躯体Bに固定される1つ又は複数の補強部材6が設けられ、左右の前記ブラケット4と、左右の前記ブラケット4に隣接する複数の前記補強部材6との間には、前記補強部材6に対する前記ブラケット4の対向間隔を所定の範囲内に規制することで前記巻取軸2の脱落を防止する脱落防止部100が配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻取軸と、
前記巻取軸に巻装されるシャッターカーテンと、
前記巻取軸を回転自在に支持するとともに、その一端側が建物等の躯体に固定される左右一対のブラケットと、
前記巻取軸を正逆回転させる開閉機と、
を備えた開閉装置であって、
前記開閉装置の前記左右一対のブラケット間には、前記建物等の前記躯体に固定される1つ又は複数の補強部材が設けられ、
前記ブラケットと、前記ブラケットに隣接する前記補強部材との間には、前記補強部材に対する前記ブラケットの対向間隔を所定の範囲内に規制することで前記巻取軸の脱落を防止する脱落防止部が配置されている
ことを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記脱落防止部は、複数の索体と、これら索体の張力を調整する張力調整部を含み構成されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
【請求項3】
前記補強部材は、前記巻取軸の上側において、前記開閉装置の前方へ略水平に延びる第1部材と、この第1部材の先端部から下方へ略鉛直に延びる第2部材と、この第2部材の下端部から第1部材の延び方向とは逆方向である後方へ略水平に延びる第3部材と、を含んで構成され、
前記第1部材の後端部が、前記建物等の前記躯体に固定されていることを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
【請求項4】
前記複数の前記補強部材間には、前記補強部材間の対向間隔を所定の範囲内に規制する補助脱落防止部が配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
【請求項5】
前記補助脱落防止部は、複数の索体と、これら索体の張力を調整する張力調整部を含み構成されていることを特徴とする請求項4記載の開閉装置。
【請求項6】
前記脱落防止部は、前記ブラケットと、前記ブラケットに隣接する前記補強部材との間の前側の位置に複数配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
【請求項7】
前記脱落防止部は、前記ブラケットの上部前側と、前記ブラケットに隣接する前記補強部材の上部後側との間に配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の開閉装置として、例えば、特許文献1に記載されているように、天井部材で仕切られている天井裏空間に、左右のブラケットが配置され、これらのブラケットに巻取軸の軸方向の両端部が回転自在に支持されているシャッター装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のシャッター装置は、シャッターカーテンを巻き取り、繰り出すための巻取軸を備え、この巻取軸の軸方向の両端部に設けられた軸部は、軸受け部材を介して左右のブラケットに回転自在に支持されている。
ところで、このような構造を有するシャッター装置においては、例えば、地震等によって建物(躯体)に強い揺れが生じた場合、シャッター装置が振動し、ブラケットと巻取軸とが相対変位(相対移動)することで、巻取軸の軸部がブラケット側の軸受け部材から脱落することも考えられ、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであって、既設または新設の開閉装置(例えば、シャッター装置)において、巻取軸の脱落を確実に防止することができる開閉装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題に鑑みて、本発明の一つは、以下の構成を具備するものである。
巻取軸と、前記巻取軸に巻装されるシャッターカーテンと、前記巻取軸を回転自在に支持するとともに、その一端側が建物等の躯体に固定される左右一対のブラケットと、前記巻取軸を正逆回転させる開閉機と、を備えた開閉装置であって、前記開閉装置の前記左右一対のブラケット間には、前記建物等の前記躯体に固定される1つ又は複数の補強部材が設けられ、前記ブラケットと、前記ブラケットに隣接する前記補強部材との間には、前記補強部材に対する前記ブラケットの対向間隔を所定の範囲内に規制することで前記巻取軸の脱落を防止する脱落防止部が配置されていることを特徴とする開閉装置。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシャッター装置の全体を示す概略正面図である。
【
図3】同シャッター装置における脱落防止部の配置の例を示す概略斜視図である。
【
図4】第1索体とブラケットとを連結する連結構造の例を示す概略図である。
【
図5】第1索体とブラケットとを連結する連結構造の例を示す概略図である。
【
図6】第2索体と補強部材とを連結する連結構造の例を示す概略図である。
【
図7】同シャッター装置における脱落防止部の他の配置の例を示す概略斜視図である。
【
図8】脱落防止部の配置の変形例を示す概略斜視図である。
【
図9】脱落防止部の配置の変形例を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0009】
[実施形態1]
図1は、本発明の一実施形態に係るシャッター装置の全体を示す概略正面図であり、
図2は、
図1のI-I線における概略断面図であり、
図3は、同シャッター装置における脱落防止部の配置の例を示す概略斜視図である。本発明の実施形態は、例えば、開閉装置の一例である防災用のシャッター装置1として構成される。
【0010】
(シャッター装置の全体構成)
シャッター装置1は、巻取軸2、巻取軸2に巻装されるシャッターカーテン3、巻取軸2を回転自在に支持する左右一対のブラケット4、巻取軸2を正逆回転させる開閉機20等を含み構成されている。
巻取軸2は、
図1及び
図2に示すように、天井材Aで形成される天井によって仕切られる天井裏空間T1に配置されている。この巻取軸2には、通常時、シャッターカーテン3が巻き取られており、火災等の非常事態発生時にシャッターカーテン3が巻取軸2から繰り出されて閉じ移動することにより、室内空間T2に防災区画が形成される。
【0011】
巻取軸2の軸方向の両端部は、左右一対のブラケット4により回転自在に支持され、これらのブラケット4は、防災用のシャッター装置1が設置される建物等の構造物(躯体B)にアンカー部材等の固定手段により取り付けられている。
【0012】
シャッターカーテン3は、多数のスラットを上下に連設することによって形成されたカーテン本体部3aと、このカーテン本体部3aの下端部に取り付けられた座板3bを含み構成されている。シャッターカーテン3は、室内空間T2に配置される壁等の躯体Cに取り付けられた左右一対のガイドレール13に案内されて上下方向に移動する。
【0013】
左右一対のブラケット4は、
図3に示すように、平板状の本体部4aと、本体部4aの上縁部から左右方向外方に向けて折曲された上側フランジ部4bと、本体部4aの下縁部から左右方向外方に向けて折曲された下側フランジ部4cとを備えて構成されている。
また、ブラケット4には、巻取軸2の軸部2aを挿入するための孔部(不図示)が形成されている。この孔部に、例えばビス等の止着具でブラケット4に止着されている軸受け部材5を介して巻取軸2の軸部2aがブラケット4に回転自在に支持される。また、この軸部2aの先端部には軸部2aと一体回転する従動回転体2b(例えば、従動スプロケット)が外嵌されている。
なお、ブラケット4における軸部2aを挿入する孔部は、ブラケット4の前方(
図2では右側)に向かって開口するスリット(凹部)として形成してもよい。
【0014】
左右一対のブラケット4の間には、複数の補強部材6がシャッター装置1の左右方向(
図1の左右方向)に間隔をあけて配置されている。これら補強部材6の上部は、躯体Bに固定された取付け部材7に結合されている。取付け部材7は、例えば、上下方向が長さ方向となっているアングル材で形成され、アンカー部材等の固定手段で躯体Bに取り付けられている。
なお、
図1及び
図2には、シャッター装置1の左右方向に2つの補強部材6を配置した例が示されているが、配置する補強部材6の設置数は、1つ又は複数に設定することができ、また、設置位置は任意に設定可能である。
【0015】
補強部材6は、取付け部材7に溶接又はビス等の結合具で結合されている。補強部材6は、
図2に示すように、巻取軸2の上側において、シャッター装置1の前方(
図2の右方向)へ略水平に延びる第1部材6Aと、この第1部材6Aの先端部から下方へ略鉛直に延びる第2部材6Bと、この第2部材6Bの下端部から第1部材6Aの延び方向とは逆方向である後方(
図2の左方向)へ略水平に延びる第3部材6Cと、を含んで構成されている。
【0016】
これら第1~3部材6A,6B,6Cは、例えばアングル材や角筒材で形成されている。第1部材6Aと第2部材6Bとは、例えばアングル材や平板材等からなる第1連結部材8を介して、それら部材6A,6B,8間に空間部8aを形成するように溶接又はビス等の結合具で結合される。
また、第2部材6Bと第3部材6Cとは、例えばアングル材や平板材等からなる第2連結部材9を介して、それら部材6B,6C,9間に空間部9aを形成するように溶接又はビス等の結合具で結合される。
【0017】
また、左右一対のブラケット4同士の下端部における対向間には、躯体B側に位置してまぐさ部10が左右方向長尺状に設けられている。このまぐさ部10は、前後方向(
図2の左右方向)に対向する前後一対の前まぐさ10a及び後まぐさ10bを備えて構成され、これらの前まぐさ10a及び後まぐさ10bによって、シャッターカーテン3が出入りする出入口スリットが形成されるとともに、天井材Aの端縁が覆われる。
【0018】
前まぐさ10aは、略鉛直に延びる第1前方鉛直部10a1と、この第1前方鉛直部10a1の下端縁から後方へ略水平に延びる第2前方水平部10a2と、この第2前方水平部10a2の後端縁から下方へ略鉛直に延びる第3前方鉛直部10a3とを含み構成されている。
【0019】
第1前方鉛直部10a1の上部の前側位置には、例えば、断面コの字型のチャンネル材等で形成される長尺の前方取付け部材11が溶接又はビス等の結合具で固定されている。この前方取付け部材11は、補強部材6の第3部材6Cの後端部に溶接又はビス等の結合具で固定される。
また、第3前方鉛直部10a3の下端縁には、天井材Aの端縁を載置する略断面L字状の第4前方載置部10a4が形成されている。
【0020】
後まぐさ10bは、略水平に延びる第1後方水平部10b1と、この第1後方水平部10b1の前端縁から下方へ略鉛直に延びる第2後方鉛直部10b2とを含み構成されている。
第1後方水平部10b1の後端部は、例えば、角筒材やアングル材で形成される躯体Bに固定された後方取付け部材12に溶接又はビス等の結合具で固定される。また、第2後方鉛直部10b2の下端縁には、天井材Aの端縁を載置する略断面L字状の第3後方載置部10b3が形成されている。
【0021】
なお、前まぐさ10a、後まぐさ10b、前方取付け部材11、及び後方取付け部材12は、左右一対のブラケット4の間隔方向である左右方向に連続して延びる長寸部材となっている。
【0022】
また、左右一対のブラケット4の間には、
図3に示すように、複数のケース15(図示の例では左右のケース15a、中央のケース15b)が、それぞれの端部同士が重ね合わせられて左右方向に並べられて配置されている。これらのケース15のうち、左右に配置されたケース15aの端部は、それぞれ左右のブラケット4に接触している。
なお、
図3には、シャッター装置1の左右方向に、左右のケース15a及び中央のケース15bの3つのケース15に分割して配置した例が示されているが、その分割の態様(設置数)は任意に設定可能である。
【0023】
これら複数のケース15(15a,15b)は、板金を湾曲させて形成されており、
図2に示すように、巻取軸2の全周のうち、躯体Bとは反対側の巻取軸2の略半周程度を覆うものとなっている。ケース15の上側の端部には、上部係止部15Aが折り曲げ加工で形成されており、この上部係止部15Aは、補強部材6の第1部材6Aの後部下面に溶接又はビス等で結合されている長尺の取付け部材16に挿入、係止されている。
また、ケース15の下端には、下部係止部15Bが折り曲げ加工で形成されており、前方取付け部材11に挿入、係止されている。
【0024】
これら複数のケース15(15a,15b)は、室内空間T2で火災が発生したときに、前後一対の前まぐさ10a及び後まぐさ10bにより形成された出入口スリットを通過した煙が天井裏空間T1の全体に充満することを防止することができる。
【0025】
開閉機20は、巻取軸2を回転駆動するためのものであり、
図3に示すように、左右一対のブラケット4のうち、一方のブラケット4に取り付けられる。例えば、ブラケット4の前端縁に、ねじやビス等の一体化手段により連結した支持板21に開閉機20を設置することができる。
【0026】
開閉機20は、例えば電動モータ等からなる開閉機本体20a、出力軸20b及び駆動回転体20c(例えば、駆動スプロケット)を含み構成されており、支持板21の内面に開閉機本体20aが固定支持される。この開閉機本体20aの出力軸20bは、支持板21に形成された貫通孔(不図示)から外方に突出し、その先端部に出力軸20bと一体回転する駆動回転体20cが外嵌されている。
【0027】
開閉機20の駆動回転体20c(例えば、駆動スプロケット)と、巻取軸2の軸部2aに外嵌された従動回転体2b(例えば、従動スプロケット)との間には、例えば、伝動チェーンや伝動ベルト等からなる伝動連結体22が懸回され、開閉機20の正逆回転に伴い巻取軸2が正逆回転されるように構成されている。
この開閉機20の回転駆動は、不図示の自動閉鎖装置、手動閉鎖装置、操作部、検知器(煙感知器、熱感知器またはヒューズ装置)、リミットスイッチ等に接続される制御装置によって制御される。
【0028】
通常時のシャッターカーテン3は、このシャッターカーテン3の略全体が巻取軸2に巻き取られていることにより、シャッターカーテン3の下端部の座板3bがまぐさ部10の出入口スリットの高さ位置に達する全開状態となっている。
火災が発生すると、煙等を検知した検知器からの信号により、制御装置が開閉機20を作動させてシャッターカーテン3を下方へ閉じ移動させる。シャッターカーテン3は、
図1に示すように、室内空間T2に配置される壁等の躯体Cに取り付けられた左右一対のガイドレール13に案内されながら下方へ閉じ移動し、これにより、室内空間T2に防災区画が形成される。
なお、上述した実施形態は、開閉装置の一例である防災用のシャッター装置の例として説明したが、本発明の実施形態に係るシャッター装置は、出入口等の開口部をシャッターカーテンが開閉する各種シャッター装置にも適用可能である。
【0029】
(巻取軸の脱落防止部)
次に、シャッター装置1における巻取軸2の脱落を防止する脱落防止部100の構成について説明する。この脱落防止部100は、地震等によって建物(躯体)に強い揺れが生じた場合であっても、シャッター装置1の左右のブラケット4が、巻取軸2に対して巻取軸2の軸方向(
図1の左右方向)に相対変位(相対移動)すること防ぎ(左右一対のブラケット4が所定範囲を超えて先拡がり状に拡開移動することを制限)、巻取軸2の軸部2aがブラケット4から脱落(抜出)するのを防止するためのものである。
【0030】
図3には、シャッター装置1における脱落防止部100の配置の例が示されており、左右のブラケット4と、各ブラケット4に隣接する補強部材6との間の上側位置に、左右の脱落防止部100を配置した例が示されている。
シャッター装置1の左右に配置された脱落防止部100は、例えば金属製のワイヤロープ等からなる複数の索体200,300と、これら索体200,300の張力を調整する張力調整部としてのターンバックル400を含み構成されている。
【0031】
索体200,300は、ブラケット4側に連結される第1索体200と、補強部材6側に連結される第2索体300を有し、これら索体200,300の各端部にターンバックル400が連結されている。
第1索体200は、その一端部が後述する連結構造Iによりブラケット4側に取り付けられるとともに、他端部がターンバックル400に取り付けられる。また、第2索体300は、その一端部がターンバックル400に取り付けられるともに、その他端部が後述する連結構造IIにより補強部材6側に取り付けられる。
なお、第1索体200及び第2索体300と、ターンバックル400とは、公知の連結構造により連結されている。
【0032】
ターンバックル400は、第1索体200の他端部及び第2索体300の一端部に取り付けられており、このターンバックル400により第1索体200及び第2索体300の張力が所定の張力に調整できるように構成されている。
なお、本実施形態においては、張力調整部としてターンバックル400を使用しているが、これに限定されるものではない。例えば、張力調整部として、公知のラチェット機構を備えた緊張機や張線器(シメラー)等を使用してもよい。
【0033】
この脱落防止部100は、シャッター装置1の左右のブラケット4と各ブラケット4に隣接する補強部材6との間に取り付けられるとともに、ターンバックル400により第1索体200と第2索体200とに張力が付与されて配設される。
左右のブラケット1は、この脱落防止部100によって躯体Bに結合されている補強部材6に対してその間隔が拡がらないように保持(規制)されていることから、地震等の揺れでシャッター装置1が振動しても、巻取軸2の巻取軸2がブラケットに対して軸方向(
図1の左右方向)に相対的に移動(変形)すること防ぎ、巻取軸2の軸部2aがブラケット4から脱落(抜出)するのを防止することができる。
【0034】
次に、第1索体200とブラケット4とを連結する連結構造I、及び、第2索体300と補強部材6とを連結する連結構造IIの具体的な構成の例を説明する。
【0035】
(連結構造I)
図4(a)~(d)には、連結構造Iとして、第1索体200をブラケット4に対して直接的に取り付ける連結構造IAの各例が示されており、また、
図5(a)~(d)には、連結構造Iとして、第1索体200をブラケット4に対して係止具を介して取り付ける連結構造IBの各例が示されている。
なお、
図4及び
図5に示す連結構造IA,IBは、
図3に示す左右方向右側に配設された脱落防止部100の第1索体200とブラケット4との連結構造IAを示すが、
図3に示す左右方向左側に配設された脱落防止部100の第1索体200とブラケット4との連結構造IAも同様である。
【0036】
<連結構造210>
図4(a)には、連結構造IAの一例としての連結構造210が示されている。この連結構造210は、同図(a)に示すように、第1索体200の一端部を、ブラケット4の本体部4aの上部前方側に形成された貫通孔4a1に挿通するとともに、挿通した部位をブラケット4の上側フランジ部4bを囲むループ211を構成するように折り返し、この折り返した部分を、金属管等のカシメ止め用の固定部212でカシメ止めすることにより構成したものである。かくして、第1索体200の一端部がブラケット4に連結される。
【0037】
<連結構造220>
図4(b)には、連結構造IAの一例としての連結構造220が示されている。この連結構造220は、同図(b)に示すように、第1索体200の一端部を、ブラケット4の上側フランジ部4bの前方側に形成された貫通孔4b1に挿通するとともに、その一端部(先端部分221)を金属管等のカシメ止め用の固定部222でカシメ止めすることにより構成したものである。かくして、第1索体200の一端部がブラケット4に連結される。
【0038】
<連結構造230>
図4(c)には、連結構造IAの一例としての連結構造230が示されている。この連結構造230は、同図(c)に示すように、止めボルト232を、ワッシャー234を介して第1索体200の一端部に予め形成したループ部分231に挿通させた後、当該止めボルト232を、ブラケット4の上側フランジ部4bの前方側に形成した貫通孔4b1に挿通させてナット235で締め付け固定して構成したものである。かくして、第1索体200の一端部がブラケット4に連結される。
【0039】
<連結構造240>
図4(d)には、連結構造IAの一例としての連結構造240が示されている。この連結構造240は、同図(d)に示すように、止めボルト242を、ワッシャー243を介して第1索体200の一端部に予め形成したループ部分241に挿通させた後、ワッシャー245及びナット246で締め付け、その後、当該止めボルト242をブラケット4の上側フランジ部4bの前方側に形成した貫通孔4b1に挿通させてナット247で締め付け固定して構成したものである。かくして、第1索体200の一端部がブラケット4に連結される。
【0040】
以上の連結構造IAによれば、第1索体200の一端部を、簡便な構造で直接的にブラケット4に連結することができ、脱落防止部100の配設作業を円滑に行うことができる。
【0041】
次に、第1索体200をブラケット4に対して係止具を介して取り付ける連結構造IBの例を説明する。
【0042】
<連結構造250>
図5(a)には、連結構造IBの一例としての連結構造250が示されている。この連結構造250は、同図(a)に示すように、第1索体200の一端部を、係止具253を介してブラケット4に連結するものである。
係止具253は、平板状の本体部253aと、本体部253aの一端縁に連接されて下方に延びる鉛直部253bと、鉛直部253bの下端縁に連接されて本体部253aと略平行状態で対向するように延びる水平部253cとを有する。
また、本体部253aの他端側(同図(a)の左側)には、第1索体200の一端部(先端部分)を挿通するための貫通孔(不図示)が形成されるとともに、水平部253cには、止めボルト254と螺合するネジ孔(不図示)が形成されている。
この係止具253は、例えば、平面視略矩形状の金属製の平板材を、その一端側を折り曲げ加工することで形成される。なお、この係止具253は、例えば、合成樹脂材料等から一体成形してもよい。
【0043】
この連結構造250は、係止具253の他端側(同図(a)の左側)に形成された貫通孔(不図示)に第1の索体200を連結するとともに、係止具253の一端側(同図(a)の右側)を、ブラケット4の上側フランジ部4bに係止し、止めボルト254を用いて連結するように構成したものである。
【0044】
第1索体200の一端部(先端部分)は、係止具253に形成された貫通孔(不図示)に挿通されてループ251を構成するように折り返され、この折り返された部分を金属管等のカシメ止め用の固定部252でカシメ止めすることにより、第1索体200と係止具253とが連結される。
また、係止具253における本体部253aの下面、及び鉛直部253bの内面を、それぞれ、ブラケット4における上側フランジ部4bの上面、及び上側フランジ部4bの端面に当接させた状態で、係止具253の水平部253cに形成されたネジ孔(不図示)に止めボルト254を螺合させることにより、係止具253をブラケット4に連結することができる。かくして、第1索体200の一端部が係止具253を介してブラケット4に連結される。
【0045】
<連結構造260>
図5(b)には、連結構造IBの一例としての連結構造260が示されている。この連結構造260は、同図(b)に示すように、第1索体200の一端部を、係止具263を介して第1索体200の一端部をブラケット4に連結するものである。
係止具263は、平板状の本体部263aと、本体部263aの一端縁に連接されて下方に延びる鉛直部263bと、鉛直部263bの下端縁に連接されて本体部263aと略平行状態で対向するように延びる水平部263cとを有する。
また、本体部263aの他端側(同図(b)の左側)には、第1索体200の一端部(先端部分)を挿通するための貫通孔(不図示)が形成されるとともに、本体部263aの一端側(同図(b)の右側)には、止めボルト264と螺合するネジ孔(不図示)が形成されている。
この係止具263は、例えば、平面視略矩形状の金属製の平板材を、その一端側を折り曲げ加工することで形成される。なお、この係止具263は、例えば、合成樹脂材料等から一体成形してもよい。
【0046】
この連結構造260は、係止具263の他端側(同図(a)の左側)に形成された貫通孔(不図示)に第1の索体200を連結するとともに、係止具263の一端側(同図(a)の右側)を、ブラケット4の上側フランジ部4bに係止し、止めボルト264を用いて連結するように構成したものである。
【0047】
第1索体200と係止具263の連結態様(ループ261、固定部262)は、上述した連結構造250における第1索体200と係止具253の連結態様と同様であるので、その説明を省略する。
また、係止具263における水平部263cの上面、及び鉛直部263bの内面を、それぞれ、ブラケット4における上側フランジ部4bの下面、及び上側フランジ部4bの端面に当接させた状態で、係止具263の本体部263aの一端側に形成されたネジ孔(不図示)に止めボルト264を螺合させることにより、係止具263をブラケット4に連結することができる。かくして、第1索体200の一端部が係止具263を介してブラケット4に連結される。
【0048】
<連結構造270>
図5(c)には、連結構造IBの一例としての連結構造270が示されている。この連結構造270は、同図(c)に示すように、第1索体200の一端部を、係止具273を介してブラケット4に連結するものである。
係止具273は、平板状の本体部273aと、本体部273aの一端縁に連接されて下方に延びる鉛直部273bと、鉛直部273bの下端縁に連接されて本体部273aと略平行状態で対向するように延びる水平部273cとを有する。
また、本体部273aの他端側(同図(c)の左側)には、第1索体200の一端部(先端部分)を挿通するための貫通孔(不図示)が形成されるとともに、本体部273aの略中央には、止めボルト274を左右方向(同図(c)の左右方向)に案内可能な長孔(不図示)が形成されている。
この係止具273は、例えば、平面視略矩形状の金属製の平板材を、その一端側を折り曲げ加工することで形成される。なお、この係止具273は、例えば、合成樹脂材料等から一体成形してもよい。
【0049】
この連結構造270は、係止具273の他端側(同図(a)の左側)に形成された貫通孔(不図示)に第1の索体200を連結するとともに、一端側(同図(a)の右側)を、ブラケット4の上側フランジ部4bに係止し、止めボルト274を用いて連結するように構成したものである。
【0050】
第1索体200と係止具273の連結態様(ループ271、固定部272)は、上述した連結構造250における第1索体200と係止具253の連結態様と同様であるので、その説明を省略する。
また、係止具273における本体部273aの下面、及び鉛直部273bの内面を、それぞれ、ブラケット4における上側フランジ部4bの上面、及び上側フランジ部4bの端面に当接させた状態で、係止具273の本体部273aに形成されたその長手方向(同図(c)の左右方向)に延びる長孔(不図示)に止めボルト274のネジ部274aを挿通し、このネジ部274aに第1ナット275及び第2ナット276を螺合させることにより、係止具273をブラケット4に連結することができる。
この場合、止めボルト274のネジ部274aは、本体部273aに形成された長孔に左右方向に位置調整可能(移動可能)に挿通されているため、第1ナット275及び第2ナット276がブラケット4の内面に当接した状態で止めボルト274を締め付けることで、係止具273をブラケット4に容易かつ確実に連結することができる。かくして、第1索体200の一端部が係止具273を介してブラケット4に連結される。
【0051】
<連結構造280>
図5(d)には、連結構造IBの一例としての連結構造280が示されている。この連結構造280は、同図(d)に示すように、第1索体200の一端部を、係止具283を介してブラケット4に連結するものである。
係止具283は、平板状の本体部283aと、本体部283aの一端縁に連接されて下方に延びる鉛直部283bとを有する。
また、本体部283aの他端側(同図(b)の左側)には、第1索体200の一端部(先端部分)を挿通するための貫通孔(不図示)が形成されるとともに、鉛直部283bには、止めボルト284と螺合するネジ孔(不図示)が形成されている。
この係止具283は、例えば、平面視略矩形状の金属製の平板材を、その一端側を折り曲げ加工することで形成される。なお、この係止具283は、例えば、合成樹脂材料等から一体成形してもよい。
【0052】
この連結構造280は、係止具283の他端側(同図(d)の左側)に形成された貫通孔(不図示)に第1の索体200を連結するとともに、係止具283の一端側(同図(d)の右側)を、ブラケット4の上側フランジ部4bに係止し、止めボルト284を用いて連結するように構成したものである。
【0053】
第1索体200と係止具283の連結態様(ループ281、固定部282)は、上述した連結構造250における第1索体200と係止具253の連結態様と同様であるので、その説明を省略する。
また、係止具283における鉛直部283bの内面をブラケット4における上側フランジ部4bの端面に当接させるとともに、係止具283の鉛直部283bに形成されたネジ孔(不図示)に止めボルト284のネジ部284aを螺合させて、このネジ部284aの先端部をブラケット4の本体部4aの外面に当接させることで、係止具283をブラケット4に連結することができる。
この場合、ブラケット4の上側フランジ部4bは、係止具283の本体部283a及び鉛直部283bと、止めボルト284とによって、正面視略コの字に囲われることになるので、第1索体200及び第2索体300に張力を付与した状態で、係止具283がブラケット4から離脱することを防ぐことができ、係止具283をブラケット4に連結した状態で保持することができる。かくして、第1索体200の一端部が係止具283を介してブラケット4に連結される。
【0054】
以上の連結構造IBによれば、第1索体200の一端部を、係止具を介した簡便な構造でブラケット4に連結することができ、脱落防止部100の配設作業を円滑に行うことができる。
【0055】
(連結構造II)
次に、第2索体300と補強部材6とを連結する連結構造IIの具体的な構成の例を説明する。
図6(a)(b)には、
図3の左右方向右側に配設した脱落防止部100の第2索体300を、補強部材6に取り付けた連結構造の例が示されており、また、
図6(c)(d)には、
図3の左右方向左側に配設した脱落防止部100の第2索体300を、補強部材6に取り付けた連結構造の例が示されている。
【0056】
<連結構造310>
図6(a)には、連結構造IIの一例としての連結構造310が示されている。この連結構造310は、同図(a)に示すように、第2索体300の他端部が、補強部材6における第2部材6Bの上部に連結されるように構成したものである。
補強部材6の第1部材6Aと第2部材6Bとは、
図3に示すように、例えばアングル材や平板材等からなる第1連結部材8を介して、それら部材6A,6B,8間に空間部8aを形成するように溶接又はビス等の結合具で結合されている。
第2索体300の他端部は、この空間部8aに挿通されてループ311を構成するように折り返され、この折り返された部分が金属管等のカシメ止め用の固定部312でカシメ止めされている。かくして、第2索体300の他端部が補強部材6に連結される。
【0057】
<連結構造320>
図6(b)には、連結構造IIの一例としての連結構造320が示されている。この連結構造320は、同図(b)に示すように、第2索体300の他端部を、係止具323を介して補強部材6における第2部材6Bの上部に連結されるように構成したものである。
係止具323は、平板状の本体部323aと、本体部323aの他端縁に連接されて後方に略直角に延びる第1面部323bと、第1面部323bの後端縁に連接されて本体部323aと略平行状態で対向するように延びる第2面部323cとを有する。
また、本体部323aの一端側(同図(b)の右側)には、第2索体300の他端部(先端部分)を挿通するための貫通孔(不図示)が形成されるとともに、第2面部323cには、止めボルト324と螺合するネジ孔(不図示)が形成されている。
この係止具323は、例えば、平面視略矩形状の金属製の平板材を、その他端側を折り曲げ加工することで形成される。なお、この係止具323は、例えば、合成樹脂材料等から一体成形してもよい。
【0058】
この連結構造320は、係止具323の一端側(
図6(a)の右側)に形成された貫通孔(不図示)に第2の索体300を連結するとともに、係止具323の他端側(同図(a)の左側)を、補強部材6の第2部材6Bに係止し、止めボルト324を用いて連結するように構成したものである。
【0059】
第2索体300の他端部(先端部分)は、係止具323の貫通孔に挿通されてループ321を構成するように折り返され、この折り返された部分を金属管等のカシメ止め用の固定部322でカシメ止めすることにより、第2索体300と係止具323とが連結される。
また、係止具323における本体部323aの内面、及び第1面部323bの内面を、それぞれ、補強部材6の第2部材6Bの外面(L型アングル材の2面)に当接させた状態で、係止具323の第2面部323cに形成されたネジ孔(不図示)に止めボルト324のネジ部324aを螺合させて、このネジ部324aの先端部を第2部材6Bの内面に当接させることで、係止具343を補強部材6の第2部材6Bに連結することができる。かくして、第2索体300の他端部が係止具323を介して補強部材6に連結される。
【0060】
<連結構造330>
図6(c)には、連結構造IIの一例としての連結構造330が示されている。この連結構造330は、同図(c)に示すように、第2索体300の一端部を、補強部材6における第2部材6Bの上部に連結されるように構成したものであり、その具体的な連結構造330(ループ331、固定部332)は、上述した連結構造310と同様であるので、その説明を省略する。
【0061】
<連結構造340>
図6(d)には、連結構造IIの一例としての連結構造340が示されている。この連結構造340は、同図(d)に示すように、第2索体300の一端部が、係止具343を介して補強部材6における第2部材6Bの上部に連結されるように構成したものである。
係止具343は、平板状の本体部343aと、本体部343aの一端縁に連接されて後方に略直角に延びる第1面部343bと、第1面部343bの後端縁に連接されて本体部343aと略平行状態で対向するように延びる第2面部343cとを有する。
また、本体部323aの他端側(同図(b)の左側)には、第2索体300の一端部(先端部分)を挿通するための貫通孔(不図示)が形成されるとともに、第1面部343bには、止めボルト344と螺合するネジ孔(不図示)が形成されている。
この係止具343は、例えば、平面視略矩形状の金属製の平板材を、その一端側を折り曲げ加工することで形成される。なお、この係止具343は、例えば、合成樹脂材料等から一体成形してもよい。
【0062】
この連結構造340は、係止具343の他端側(
図6(d)の左側)に形成された貫通孔(不図示)に第2の索体300を連結するとともに、係止具343の一端側(同図(a)の右側)を、補強部材6の第2部材6Bに係止し、止めボルト344を用いて連結するように構成したものである。
【0063】
第2索体300と係止具343の連結態様(ループ341、固定部342)は、上述した連結構造320における第2索体300と係止具323の連結態様と同様であるので、その説明を省略する。
また、係止具343における本体部343aの内面及び第1面部343bの内面を、それぞれ、補強部材6の第2部材6Bの外面(L型アングル材の1面)及び端面に当接させた状態で、係止具343の第1面部343bに形成されたネジ孔(不図示)に止めボルト344を螺合させることにより、係止具343を補強部材6の第2部材6Bに連結することができる。
この場合、補強部材6の第2部材6Bの一部分は、係止具343の本体部343a及び第1面部343bと、止めボルト344とによって、平面視略コの字に囲われることになるので、第1索体200及び第2索体300に張力を付与した状態で、係止具343が補強部材6から離脱することを防ぐことができ、係止具343を補強部材6に連結した状態で保持することができる。かくして、第2索体300の一端部が係止具343を介して補強部材6に連結される。
【0064】
以上の連結構造IIによれば、第2索体300の端部を、簡便な構造で補強部材6に連結することができ、脱落防止部100の配設作業を円滑に行うことができる。
【0065】
以上のとおり、シャッター装置1において、左右のブラケット4と、各ブラケット4に隣接する補強部材6との間の上部前側の位置には、連結構造Iや連結構造IIにより巻取軸の脱落防止部100が配置され、この脱落防止部100により、各ブラケット4は、躯体Bに結合されている補強部材6に対してその間隔が拡がらないように保持(規制)されることになる。したがって、地震等の揺れでシャッター装置1が振動しても、巻取軸2の巻取軸2がブラケットに対して軸方向(
図1の左右方向)に相対的に移動(変形)することを防ぎ、巻取軸2の軸部2aがブラケット4から脱落(抜出)するのを防止することができる。
【0066】
上述した実施形態は、脱落防止部100を、左右のブラケット4と、各ブラケット4に隣接する補強部材6との間の上部前側の位置に配置しているが、その配置態様は、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以下、本発明に係る脱落防止部の他の配置の例について説明する。
【0067】
[実施形態2]
図7には、本発明に係る開閉装置の脱落防止部の他の配置例(実施形態2)が示されている。この実施形態2は、上述した
図3に示す開閉装置1に配設した脱落防止部100に加え、新たな脱落防止部100’及び補助脱落防止部500を付加して構成したものであり、具体的には、左右のブラケット4と、各ブラケット4に隣接する補強部材6との間の上部前側及び下部前側の位置にそれぞれ脱落防止部100,100’を配置するとともに、隣接する補強部材6同士の間の上部前側及び下部前側の位置に脱落防止部100,100’の機能を補助する補助脱落防止部500を配置したものである。
以下、主にその変更部分について説明し、上記実施形態1と同一となる構成には同一の符号を付けて重複する説明を省略する。
【0068】
(脱落防止部100’)
脱落防止部100’は、左右のブラケット4と、各ブラケット4に隣接する補強部材6との間の下部前側の位置に配置される。この脱落防止部100’も、その上部位置に配置される上述した脱落防止部100と同様に、ブラケット4側に連結される第1索体200’と、補強部材6側に連結される第2索体300’を有し、これら索体200’,300’の各端部にターンバックル400’が連結される。
脱落防止部100’におけるブラケット4(下側フランジ部4c)及び補強部材6(第2部材6B)との連結態様は、上述した脱落防止部100における連結態様と同様である。
【0069】
(補助脱落防止部500)
補助脱落防止部500は、脱落防止部100,100’の機能を補助するものであり、隣接する補強部材6同士の間の上部前側及び下部前側の位置に配置される。この補助脱落防止部500は、例えば、金属製のワイヤロープからなる複数の索体510,520と、これら索体510,520の張力を調整する張力調整部としてのターンバックル530とを含み構成されている。
【0070】
各索体510は、それぞれの一端部が、隣接する一方の補強部材6の上部前側及び下部前側の位置に連結されるとともに、それぞれの他端部が、ターンバックル530に連結される。また、各索体520は、それぞれの他端部が、隣接する他方の補強部材6の上部前側及び下部前側の位置に連結されるとともに、それぞれの一端部が、ターンバックル530に連結される。
上下に配置された各索体510,520と各補強部材6との連結の態様は、上述した
図6に示す実施形態と同様である。
【0071】
この本実施形態2においては、シャッター装置1の左右のブラケット4と、各ブラケット4に隣接する補強部材6との間の上部前側及び下部前側の複数の位置にそれぞれ脱落防止部100,100’が配置されていることから、地震等によって建物(躯体)に強い揺れが生じた場合であっても、シャッター装置1の左右のブラケット4は、巻取軸2の軸方向(
図1の左右方向)に相対変位(相対移動)することがより制限(規制)され、巻取軸2の軸部2aがブラケット4から脱落(抜出)するのを確実に防止することができる。
【0072】
また、躯体Bに固定される複数の補強部材6間には、補助脱落防止部500が配置され、隣接する補強部材6同士が連結されることから、地震等による建物(躯体)に強い揺れが生じた場合であっても、隣接する補強部材6の対向間隔は所定の範囲内に規制されて安定的な状態を維持することができるため、補強部材6と各ブラケット4との間に配置される脱落防止部100,100’の機能をより効果的なものとすることができる。
【0073】
また、シャッター装置1における脱落防止部100,100’及び補助脱落防止部500の配置の態様は、以下のように変更して構成することも可能である。
【0074】
[変形例1]
図8(a)には、脱落防止部及び補助脱落防止部の他の配置形態(変形例1)を示す概略斜視図が示されている。
この変形例1は、左右のブラケット4と、各ブラケット4に隣接する補強部材6との間の上部前側の位置に脱落防止部100Aが配置されるとともに、さらに、隣接する補強部材6同士の間の上部前側の位置に脱落防止部100Aの機能を補助する補助脱落防止部500Aが配置されて構成されたものである。
脱落防止部100A及び補助脱落防止部500Aは、上述した実施形態2の脱落防止部100及び補助の補助脱落防止部500と同様に構成され、また、ブラケット4(上側フランジ部4b)や各補強部材6との連結の態様も同様である。
【0075】
[変形例2]
図8(b)には、脱落防止部及び補助脱落防止部の他の配置形態(変形例2)を示す概略斜視図が示されている。
この変形例2は、左右のブラケット4と、各ブラケット4に隣接する補強部材6との間の下部前側の位置に脱落防止部100Bが配置されるとともに、さらに、隣接する補強部材6同士の間の下部前側の位置に脱落防止部100Bの機能を補助する補助脱落防止部500Bが配置されて構成されたものである。
脱落防止部100B及び補助の補助脱落防止部500Bは、上述した実施形態2の脱落防止部100’及び補助の補助脱落防止部500と同様に構成され、また、ブラケット4(上側フランジ部4b)や各補強部材6との連結の態様も同様である。
【0076】
[変形例3]
図9(a)には、脱落防止部及び補助脱落防止部の他の配置形態(変形例3)を示す概略斜視図が示されている。
この変形例3は、左右のブラケット4の上部前側(上側フランジ部4bの前側)と、各ブラケット4に隣接する補強部材6の下部前側(第2部材6Bの下部)との間に第1脱落防止部100C1が配置されるとともに、左右のブラケット4の下部前側(下側フランジ部4cの前側)と、各ブラケット4に隣接する補強部材6の上部前側(第2部材6Bの上部)との間に第2脱落防止部100C2が配置されている。
さらに、隣接する一方の補強部材6の上部前側(第2部材6Bの上部)と、隣接する他方の補強部材6の下部前側(第2部材6Bの下部)との間に補助の第3脱落防止部500C1が配置されるとともに、隣接する一方の補強部材6の下部前側(第2部材6Bの下部)と、隣接する他方の補強部材6の上部前側(第2部材6Bの上部)との間に補助の第4脱落防止部500C2が配置されて構成されている。
第1,第2脱落防止部100C1,100C2及び補助の第3,第4脱落防止部500C1,500C2は、上述した実施形態2の脱落防止部100及び補助脱落防止部500と同様に構成され、また、ブラケット4(上側フランジ部4b、下側フランジ部4c)や各補強部材6との連結の態様も同様である。
【0077】
[変形例4]
図9(b)には、脱落防止部の他の配置形態(変形例4)を示す概略斜視図が示されている。
この変形例4は、左右のブラケット4の上部前側(上側フランジ部4bの前側)と、各ブラケット4に隣接する補強部材6の上部後側(第1部材6Aの後側)との間に脱落防止部100Dが配置されて構成されたものである。
脱落防止部100Dは、上述した実施形態2の脱落防止部100’と同様に構成され、また、ブラケット4(上側フランジ部4b)や各補強部材6との連結の態様も同様である。
なお、この変形例4においても、隣接する補強部材6同士の間に、脱落防止部100D機能を補助する上述した補助の補助脱落防止部が配置されてもよい。
また、この変形例4において、さらに、上述した脱落防止部100,100’や補助脱落防止部500を追加的に配置してもよい。
【0078】
これらの変形例によっても、シャッター装置1の左右のブラケット4は、巻取軸2の軸方向(
図1の左右方向)に相対変位(相対移動)することが制限(規制)され、巻取軸2の軸部2aがブラケット4から脱落(抜出)するのを防止することができる。
【0079】
また、上記実施形態において、脱落防止部100は、
図4及び
図5に示す連結構造Iや、
図6に示す連結構造IIにより、ブラケット4及び補強部材6に連結したが、そのような連結構造に限定されない。例えば、脱落防止部100を構成する索体200の端部及び索体300の端部のそれぞれを、ブラケット4に形成した貫通孔4a1,4b1及び補強部材6に形成された空間部8a,9aに挿通させるとともに、挿通した各端部を公知の固定手段で連結固定するように構成してもよい。
また、補助脱落防止部500についても、同様に、索体510の端部及び索体520の端部のそれぞれを補強部材6に形成された空間部8a,9aに挿通させるとともに、挿通した各端部を公知の固定手段で連結固定するように構成してもよい。
【0080】
また、上記実施形態においては、脱落防止部及び補助脱落防止部を、複数の索体(例えば金属製のワイヤロープ)と、これら索体の張力を調整する張力調整部とを含み構成した例を説明したが、これらの索体を、鋼材などの金属材料で構成される複数の長尺のボルト部材で構成してもよい。この場合、複数のボルト部材の各一端部には、ブラケット4や補強部材6に取り付け可能な固定部を設けるとともに、各他端部には張力調整部としてのターンバックル部材にそれぞれネジ結合するネジ部を構成すればよい。
【0081】
また、本発明の脱落防止部は、既設または新設の開閉装置(例えば、シャッター装置)に適用できる。
【0082】
<総括>
以上のとおり、上記実施形態では以下の発明を開示している。
(1)
巻取軸と、前記巻取軸に巻装されるシャッターカーテンと、前記巻取軸を回転自在に支持するとともに、その一端側が建物等の躯体に固定される左右一対のブラケットと、前記巻取軸を正逆回転させる開閉機と、を備えた開閉装置であって、前記開閉装置の前記左右一対のブラケット間には、前記建物等の前記躯体に固定される1つ又は複数の補強部材が設けられ、前記ブラケットと、前記ブラケットに隣接する前記補強部材との間には、前記補強部材に対する前記ブラケットの対向間隔を所定の範囲内に規制することで前記巻取軸の脱落を防止する脱落防止部が配置されていることを特徴とする開閉装置(
図1~9参照)。
(2)
前記脱落防止部は、複数の索体と、これら索体の張力を調整する張力調整部を含み構成されていることを特徴とする上記(1)記載の開閉装置(
図3、
図7参照)。
(3)
前記補強部材は、前記巻取軸の上側において、前記開閉装置の前方へ略水平に延びる第1部材と、この第1部材の先端部から下方へ略鉛直に延びる第2部材と、この第2部材の下端部から第1部材の延び方向とは逆方向である後方へ略水平に延びる第3部材と、を含んで構成され、前記第1部材の後端部が、前記建物等の前記躯体に固定されていることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の開閉装置(
図2参照)。
(4)
前記複数の前記補強部材間には、前記補強部材間の対向間隔を所定の範囲内に規制する補助脱落防止部が配置されることを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の開閉装置(
図7、
図8、
図9(a)参照)。
(5)
前記補助脱落防止部は、複数の索体と、これら索体の張力を調整する張力調整部を含み構成されていることを特徴とする上記(4)記載の開閉装置(
図7参照)。
(6)
前記脱落防止部は、前記ブラケットと、前記ブラケットに隣接する前記補強部材との間の前側の位置に複数配置されることを特徴とする上記(1)~(5)のいずれかに記載の開閉装置(
図7、
図9(a)参照)。
(7)
前記脱落防止部は、前記ブラケットの上部前側と、前記ブラケットに隣接する前記補強部材の上部後側との間に配置されることを特徴とする上記(1)~(6)のいずれかに記載の開閉装置(
図9(b)参照)。
【符号の説明】
【0083】
2:巻取軸
3:シャッターカーテン
4:ブラケット
20:開閉機
100,100’:脱落防止部
200,200’,300,300’:索体
400,400’:ターンバックル(張力調整部)
500,500’:補助脱落防止部
510,520:索体