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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087399
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
   A47B 13/00 20060101AFI20240624BHJP
【FI】
A47B13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202203
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】藤本 有希
(72)【発明者】
【氏名】古賀 貴秀
(72)【発明者】
【氏名】高塩 紗織
(72)【発明者】
【氏名】高橋 謙介
(72)【発明者】
【氏名】西上 真凪
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NQ09
(57)【要約】
【課題】例えば在宅勤務で回転椅子を使用するに当たって、幼児が椅子で遊ぶことで怪我するような事態を防止する。
【解決手段】移動規制装置によって椅子4をテーブル1に寄せた状態に拘束することにより、幼児が椅子で遊ぶことを防止する。移動規制装置は、テーブル1の天板2に固定される固定部材11,12と、椅子4の背もたれ7を後ろから抱持するベルト(引き寄せ部材)13とを有しており、ベルト13の一端は一方の固定部材12に内蔵したリールに連結されて、ベルト13の他端には係止金具18を設けている。ベルト13は、不使用時には一方の固定部材12に巻き取られている。ベルト13を引き出して他方の固定部材11に接続することにより、椅子4をテーブル1に寄せた状態に拘束できる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座をテーブルの天板下方に入り込ませた椅子が前記テーブルから離れないように保持する移動規制装置であって、
前記椅子を後ろから囲うか又は前記椅子に連結されていて前記椅子の左右両側から前記テーブルの側に延びるようになっている引き寄せ部材と、前記引き寄せ部材の左右両端に設けられて前記テーブル又はこれに隣接した什器に取り付く固定部材と、を有している、
椅子の移動規制装置。
【請求項2】
前記椅子は背もたれを備えており、
前記引き寄せ部材は、前記椅子の背もたれを後ろから抱持し得るように可撓性を有する細長い1本の形態になっており、その一端と他端とが、それぞれ前記テーブルに設けた左右の固定部材に接続されるようになっている、
請求項1に記載した椅子の移動規制装置。
【請求項3】
前記引き寄せ部材は、ベルト状又は紐状に形成されていて前記左右の固定部材のうち一方の固定部材に巻き取り可能に取り付けられており、前記引き寄せ部材のうち前記一方の固定部材から露出した他端に、他方の固定部材に着脱自在な継手を設けている、
請求項2に記載した椅子の移動規制装置。
【請求項4】
前記一方の固定部材には、前記引き寄せ部材の引出しを可能にするボタンを設けている、
請求項3に記載した椅子の移動規制装置。
【請求項5】
前記固定部材は、前記テーブルにおける天板の縁部又は脚を掴持するクランプ式に構成されている、
請求項1又は2に記載した椅子の移動規制装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、椅子をテーブルから離れないように保持する移動規制装置に関するものであり、特に、回転椅子やキャスタ付き椅子の移動規制を主たる目的にしている。
【背景技術】
【0002】
椅子はオフィスや店舗などで広く使用されているが、家庭で使用することも多い。特に、近年の在宅勤務の広がりに伴って家庭での使用が広がっているが、家庭で使用する場合の問題として、幼児(小児)がいる場合の安全性の問題がある。椅子の構造に関連した幼児の安全性の問題として、回動する部材による指挟みの問題があり、この点、例えば特許文献1には、回動式の部材を備えた椅子において、幼児が触れた場合の指挟みを防止する機能を備えた椅子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-135497公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、椅子と幼児との関係について見ると、幼児が椅子を玩具代わりにして遊ぶことによる安全性の問題もある。例えば、回転椅子は座が旋回して幼児にとって格好の遊び道具として映ることから、幼児が床に立って座を強く回転させたり、座によじ登って旋回させて遊んだりすることがある。
【0005】
そして、床に立って座を強く回転させた場合は、座のコーナー部や背もたれが身体に当たって怪我をするおそれがあり、座によじ登って回転させると、回転の勢いがつき過ぎて本人が振り落とされるおそれがある。また、幼児が座によじ登った場合は、座から落下して怪我をするおそれもある。キャスタ付きの椅子の場合は、椅子につかまったまま床上を移動させて、壁等に衝突して怪我をするおそれがあり、また、強く押された椅子が家具類を壊すことも想定される。
【0006】
幼児が椅子を玩具代わりに遊ぶことによる問題は椅子に内在した問題ではないが、何らかの対策が要請される。本願発明はこの要請に応えんとするものであり、特に回転椅子に関して、通常の使用の利便性は損なうことなく幼児の安全性を確保できる技術を開示するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は様々な構成を含んでおり、その例を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は上位概念を成すもので、
「座をテーブルの天板下方に入り込ませた椅子が前記テーブルから離れないように保持する移動規制装置であって、
前記椅子を後ろから囲うか又は前記椅子に連結されていて前記椅子の左右両側から前記テーブルの側に延びるようになっている引き寄せ部材と、前記引き寄せ部材の左右両端に設けられて前記テーブル又はこれに隣接した什器に取り付く固定部材と、を有している」
という構成になっている。
【0008】
請求項2の発明は請求項1を具体化したものであり、
「前記椅子は背もたれを備えており、
前記引き寄せ部材は、前記椅子の背もたれを後ろから抱持し得るように可撓性を有する細長い1本の形態になっており、その一端と他端とが、それぞれ前記テーブルに設けた左右の固定部材に接続されるようになっている」
という構成になっている。
【0009】
請求項3の発明は請求項2を具体化したもので、
「前記引き寄せ部材は、ベルト状又は紐状に形成されていて前記左右の固定部材のうち一方の固定部材に巻き取り可能に取り付けられており、前記引き寄せ部材のうち前記一方の固定部材から露出した他端に、他方の固定部材に着脱自在な継手を設けている」
という構成になっている。
【0010】
請求項4の発明は請求項3を具体化したもので、
「前記一方の固定部材には、前記引き寄せ部材の引出しを可能にするボタンを設けている」
という構成になっている。
【0011】
請求項5の発明は請求項1又は2を具体化したもので、
「前記固定部材は、前記テーブルにおける天板の縁部又は脚を掴持するクランプ式に構成されている」
という構成になっている。
【発明の効果】
【0012】
本願発明の移動規制装置を使用すると、椅子は、非使用状態でその座をテーブルの天板下方に入り込ませた状態に拘束できる。従って、幼児が座を回転させて遊ぼうとしたり、座によじ登って遊ぼうとしたり、押して遊ぼうとしたりしても、それらの行為を行うことはできない。すなわち、椅子を遊び道具として使用できないのであり、これにより、幼児の安全を確保できる。本願発明の装置は、幼児の安全のための使用に代えて又はこれに加えて、地震に際しての椅子の移動防止に使用することも可能である。
【0013】
引き寄せ部材は様々な材質・形状のものを使用できるが、請求項2のようにベルトや紐のような可撓性を有するものを使用すると、大きさや形態が異なる様々な椅子に対応できる。従って、汎用性に優れている。また、取り外した状態では小さく纏めることができるため、取り扱いや保管の手間も軽減できる。
【0014】
更に、請求項2では1本の引き寄せ部材を使用しており、1本の引き寄せ部材によって椅子の背もたれを後ろから抱持するものであり、左右の固定部材をテーブルの天板に取り付けるだけで使用できるため、大きさや形態が異なる各種の椅子に使用できる。従って、簡単な構造でありながら汎用性・融通性に優れている。
【0015】
なお、請求項2のように左右の固定部材を使用すると、左右の固定部材をテーブルにおける天板の左右端部に固定しても問題なく使用できるため、固定部材を天板に取り付けたままでテーブルを使用することも可能である。従って、固定部材の着脱の手間を無くすことも可能である。
【0016】
請求項3の構成を採用すると、ベルト状又は紐状の引き寄せ部材は1つの固定部材に巻き取られるため、不使用時に引き寄せ部材の保管に手間を省くことができると共に、紛失のおそれも無くすことができる。また、引出し量を任意に調節できるため、大きさが異なる椅子への対応性にも優れている。更に、椅子の固定作業も迅速に行える。
【0017】
既述のように、固定部材はテーブルの天板に取り付けたままにしておくことができるが、請求項3のように引き寄せ部材を巻き取り方式にすると、固定部材をテーブルの天板に取り付けたままにしておいても引き寄せ部材は邪魔にならないため、特に好適である。なお、引き寄せ部材はばねによって固定部材に自動的に巻き取ることも可能であるし、人が手作業でリールを回して巻き取ったり、固定部材に手作業で巻き付けたりすることも可能である。
【0018】
請求項4の構成を採用すると、幼児が椅子をテーブルの外側に引っ張っても椅子は動かないため、安全性を更に向上できる。また、引き寄せ部材は引き出した長さに保持されるため、椅子の拘束作業もワンタッチ的に行える。
【0019】
固定部材は様々な態様を採用できるが、請求項5のようにクランプ方式を採用すると、テーブルの天板や脚に簡単に取り付けできるため、汎用性に優れている。また、取り付け作業も簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態を示す図で、(A)は拘束前の斜視図、(B)は天板の下方から見た斜視図である。
図2】第1実施形態を示す図で、(A)はベルトを引き出した状態の斜視図、(B)は使用状態の平面図である。
図3】固定部材の別例である第2実施形態を示す縦断側面図である。
図4】第3実施形態の斜視図である。
図5】固定部材の別例である第4実施形態を示す縦断側面図である。
図6】第5実施形態を示す図で、(A)は平面図、(B)は(A)のB-B視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(1).第1実施形態
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1,2に示す第1実施形態を説明する。テーブル1は、天板2と左右の脚3とを有している。脚3は板状に形成されているが、棒状脚やL形脚などの各種の形態を使用できる。
【0022】
他方、椅子4は、キャスタ付きの脚装置5と水平回転自在な座6と背もたれ7とを備えている。脚装置5はガスシリンダより成る脚支柱8を備えており、従って、座6は高さを任意に調節できる。背もたれ7は、座6の左右外側に立設されたサイドフレーム9に背フレーム10を介して取り付けられている。背もたれ7は、樹脂背の背板にクッション材を張った構造になっている。
【0023】
本実施形態では、移動規制装置として、左右の固定部材11,12と1本のベルト13とを備えている。左右の固定部材11,12は天板2の縁部(前端縁)を挟持するクランプ方式であり、本体部14とその上下両端に設けた一対の挟持板15,16とを有している。下挟持板16には下方からねじ17がねじ込まれており、ねじ17を天板2の下面に突っ張らせることにより、天板2に対して固定される。ねじ17の上端には大径の当接板17aを設けている。
【0024】
ベルト13は引き寄せ部材の一例であり、その一端は右固定部材12に内蔵したリール(図示せず)に連結されて、ベルト13の他端には係止金具18が接続されている。右固定部材12に内蔵したリールはばねによって一方方向に回転力が付与されており、従って、ベルト13を、係止金具18のみを露出させた状態に全体を右固定部材12の内部に巻き取ることができる。
【0025】
ベルト13は右固定部材12の内部に自動巻き取りされるが、ベルト13の引出しにはロックが掛かっており、ロックは、本体部14の上面に設けた解除ボタン19を押すことで解除される。すなわち、解除ボタン19を押した状態でベルト13を引き出すことが可能であり、また、ベルト13から手を離した状態で解除ボタン19を押すと、ベルト13は自動巻き取りされる。なお、解除ボタン19は、押し下げ式のボタンであり、幼児の力では押せない硬さに設定されている。また、解除ボタン19は、通常時は押し下げが規制され、本体部14の側面等に別に設けた操作部を操作することで規制が解除され押し下げが可能となり、操作部から手を離すと再び押し下げが規制される二重ロック式を採用することも好適である。解除ボタン19を回転式に構成して、回転操作により、プッシュ可能状態とプッシュ不能状態とに変わる構成も採用できる。
【0026】
左固定部材11における本体部14の外周面には、ベルト13の係止金具18が連結される上下長手の係止穴20を設けている。左固定部材11の内部には、係止金具18と係合するばね付勢式の爪部材が配置されており、係止金具18を係止穴20に差し込むと、爪部材がいったんばねに抗して逃げ回動してから戻り回動することによって係止金具18と係合し、これにより、ベルト13の他端は左固定部材11に対して連結される。
【0027】
左固定部材11における本体部14の上面には、内蔵した爪部材を逃がし回動する(ロックを解除する)ための係合解除ボタン21を設けている。従って、係合解除ボタン21を押した状態でベルト13を引くと、係止金具18は左固定部材11から離脱する。なお、係合解除ボタン21は、押し下げ式のボタンであり、幼児の力では押せない硬さに設定されている。また、係合解除ボタン21は通常時は押し下げが規制され、別に設けた操作部を操作することで規制が解除され押し下げが可能となり、操作部から手を離すと再び押し下げが規制される二重ロック式を採用することも好適である。
【0028】
幼児がいる環境下で椅子4を使用しないときは、座6を天板2の下方空間にいっぱいに入り込ませて背もたれ7を天板2の前端縁に当接又は近接させ、次いで、ベルト13を右固定部材12から引き出して係止金具18を左固定部材11に接続したらよい。これにより、椅子4は、その背もたれ7を天板2に当接又は近接させた状態でテーブル1から引き離し不能に保持される。従って、幼児が椅子4を玩具代わりに遊ぶことはできず、幼児の安全を確保できる。
【0029】
なお、椅子4をテーブル1の空間に格納するにおいて、サイドフレーム9が天板2の前端縁に当接することも想定されるが、その場合でも椅子4をテーブル1から引き離すことはできないため、幼児の安全は確保される。肘掛け装置を備えた椅子において、肘掛けが天板2の前端縁に当接する場合も同様である。
【0030】
固定部材11,12は天板2の左右端部に配置されているため、人が椅子に腰掛けてテーブル1を使用するに際してあまり邪魔にならない。従って、固定部材11,12を一々着脱することなく、固定部材11,12を取り付けたままでデスクワークを行える。実施形態のようにベルト13を巻き取り方式に構成すると、固定部材11,12を天板2に取り付けた状態のままでベルト13を右固定部材12に格納できるため、椅子4の拘束作業をごく簡単に行える。
【0031】
ベルト13で椅子4を拘束するに際しては、一般に、ベルト13をいったん長めに引き出してから係止金具18を左固定部材11に連結するが、係止金具18を左固定部材11に接続してから、右固定部材12の解除ボタン19を押すと、ベルト13は巻き取り方向に引かれてピンと張った状態に保持される。従って、椅子4をテーブル1に当てた状態にしっかりと拘束できる。
【0032】
なお、図では便宜的に右固定部材12を巻き取り式にしているが、巻き取り式の固定部材12を右に配置するか左に配置するかは使用者が任意に選択できる。図では固定部材11,12は天板2の前端縁に固定しているが、天板2の左右側縁が外側にある程度はみ出ている場合は、固定部材11,12を天板2の左右側縁に取り付けることも可能である。
【0033】
固定部材11,12に他の機能を持たせることも可能である。例えば、着座した人が肘を当てるアームレストの機能を持たせたり、ボトル類やカップ類、皿類を載置する小テーブル又はホルダの機能を持たせたりすることが可能である。この場合は、係止金具18等の接続部は、アームレスト部や小テーブル部の下面部又は側面部に設けるのが好ましい。
【0034】
(2).他の実施形態
次に、他の実施形態を説明する。図3に示す第2実施形態は、固定部材23の変形例であり、この実施形態では、固定部材23は、ばねを使用したクリップ方式になっている。すなわち、この実施形態では、一対のクランプ体24に設けたブラケット25がピン26で連結されて、ピン26にねじりトーションばね27を装着することにより、一対のクランプ体24で天板2等を挟持するようになっている。
【0035】
クランプ体24には、天板2に当てる摩擦部材28を設けている。ねじりトーションばね27のばね力は、大人は変形させ得るが幼児は変形不能な大きさに設定している。左固定部材11として紐29を使用しており、クランプ体24の基部に設けた穴30に紐29を通して係止しているが、鉤状のフック(図示せず)をクランプ体24に連結してもよい。この場合のフックは、ナス環のようにストッパーを備えてものが好ましい。
【0036】
図4に示す第3実施形態では、移動規制装置は、天板2に取り着くクランプ式の左右の固定部材31と、椅子4の背もたれ7に設けたベルトホルダー32とを有しており、ベルトホルダー32に、左右のベルト33を巻き取り可能に設けている。左右のベルト33の先端には係止金具18を設けており、固定部材31には、係止金具18が差し込まれる係止穴20を設けている。
【0037】
ベルトホルダー32には左右の解除ボタン19を設けており、左右の固定部材31にも係合解除ボタン21を設けている。ベルトホルダー32は、接着剤や両面粘着テープで背もたれ7の背面に固定されている。
【0038】
図5に示す第4実施形態は固定部材34の別例であり、この固定部材34は、テーブル1の板状脚3や天板2に固定されるクランプ体35と、クランプ体35に水平回転自在に取り付けられた本体部14とを有している。クランプ体35は脚3に固定する場合は天板2に固定する場合とで姿勢が90度相違するが、本体部14は水平回転するため、クランプ体35が脚3に固定されても天板2に固定されても、ベルト13はその広幅面を鉛直姿勢にすることができる。
【0039】
図6に示す第5実施形態では、移動規制装置は、天板2に取り付くクランプ式の左右固定部材36と、両端にフック37を設けた1本の紐材38とで構成されている。フック37は鉤状でかつ屈曲したく字形のストッパー39を備えている。ストッパー39は、その基端を支点にして回動するもので、ばね(図示せず)によって閉じ方向に付勢されている。フック37は、ばねに抗してストッパー39を回動させることにより、固定部材36に設けた接続穴40に嵌脱させることができる。
【0040】
紐材38は、絞り具41によって長さを調節できる。絞り具41に、紐材38の折り返し部を弾性的に挟持するようにばねで付勢されたロック材(図示せず)と、ロック材による挟持を解除するボタン42とが設けられている。ボタン42を押して絞り具41を移動させることにより、紐材38の長さを調節できる。紐材38に代えて、バックル付きのベルトを使用することも可能である。
【0041】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、固定部材は真空吸着式にすることも可能である。固定部材を鉤状に形成して、これをテーブルの棒状足に引っ掛けることも可能である(この場合も、ナス環タイプが好ましい)。クランプ式等の固定部材を天板の後端縁に取り付けることも可能である。
【0042】
テーブルが例えば2つの棚(ラック)で左右から挟まれた状態に配置されている場合、棚に固定部材を取り付けることも可能である。この場合は、固定部材を棚に取り付けた状態で机上面をフルに使用できる利点がある。引き寄せ部材としてはチェーンやワイヤーも使用できる。
【0043】
椅子は必ずしも座が回転するタイプである必要はない。座が回転しないキャスタ付きの椅子(例えば、キャスタ付きパイプ椅子)の場合、幼児が押して遊んだり乗って遊んだりして安全が損なわれるおそれがあるが、キャスタ付き椅子をテーブルに拘束しておくことにより、幼児の安全を確保できる。地震時の安全性も確保できる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本願発明は、椅子の移動規制装置に具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0045】
1 テーブル
2 天板
3 脚
4 椅子
5 脚装置
6 座
7 背もたれ
11,12 固定部材
13 引き寄せ部材の一例としてのベルト
14 本体部
15,16 挟持板
18 係止金具
19 巻き取りロック解除ボタン
21 係合解除ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6