(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024008740
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】自動たこ焼き器
(51)【国際特許分類】
A47J 37/06 20060101AFI20240112BHJP
A47J 37/04 20060101ALI20240112BHJP
A47J 37/07 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A47J37/06 366
A47J37/04 Z
A47J37/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110861
(22)【出願日】2022-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】514292573
【氏名又は名称】イーベルスベルク株式会社
(72)【発明者】
【氏名】東 忠男
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA04
4B040AA08
4B040AC03
4B040AD14
4B040AE09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単に取り扱いが出来、確実かつ迅速に略球状に加熱調理が可能で、容易に取り外して簡単に洗浄できるたこ焼きプレートを提供する。
【解決手段】焼きプレート本体1を、互いに2分割可能なたこ焼きプレートと振動伝達プレートで構成し、バーナー及びモーターを収納する本体ケース10の上方部に焼きプレート本体1を配設し、振動伝達プレートを本体ケース10に固着すると共に、たこ焼きプレートを本体ケース10に着脱可能に装着したこと、及び、バーナーの熱源をカセットボンベ9より供給されるようした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼きプレート本体1は、加熱調理されるたこ焼き具材(ルー)を収容する半球状凹部を有するたこ焼きプレート1Aと、モーター7の起振作用を利用して振動を伝える振動伝達プレート1Bを、上下2分割可能に積層して形成し、振動伝達プレート1Bをケース本体10に固着すると共に、たこ焼きプレート1Aを取外し自在とした自動たこ焼き器。
【請求項2】
ケース本体10に固定された振動伝達プレート1Bに、特定の角度に取付けられたモーター7の出力軸には特定の角度に設定された振り子ウエイト12を装着して、モーター7を回転駆動させることで、振り子ウエイト12の上下左右の振動をたこ焼きプレート1Aに伝え、調理されるべき「たこ焼き具材(ルー)」を、自由自在に回転させることが出来る請求項1に記載の自動たこ焼き器。
【請求項3】
卓上型の調理器具で、カセットボンベ9方式で加熱調理が可能で、持ち運び自由な、家庭用・アウトドアー用の請求項1に記載の自動たこ焼き器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体ケース10に、たこ焼きプレート1Aと振動伝達プレート1Bを上下2分割可能に接合された焼きプレート本体1を装着したものであるが、本体ケース10の主体部10Aに、振動伝達プレート1Bを、例えば3本のスプリング11で支え、同時にモーターサポート6に取付けたモーター7の出力軸に振り子ウエイト12を固定し、モーター7を回転駆動させて起振作用を利用しながら、カセットボンベ9に接続されたバーナー5で、燃焼加熱して、溶いたたこ焼き粉、たこ、天かす、青ネギ等のたこ焼き具材(ルー)を自由に回転させながら、略球状のたこ焼きを、自動で焼き上げて調理することができる、家庭用・アウトドアー用に好適な自動たこ焼き器の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
球状の凹み焼き面を有する焼きプレートを振動させて、凹み焼き面に充填されたたこ焼き具材を回転させながら焼くものとして、焼きプレートをバネで器体に支承し、振動源で焼きプレートを振動させるもので、振動手段としてモータの回転軸に偏芯ロータを装着して、上下左右に回転させたり、磁場の変更により振動を発生させたりするのが知られており、更には偏芯ロータが装着されたモータを傾けて設置することにより、単一のモータで上下左右に加え斜めの振動も発生させるようにしたものが知られている(特許文献1)。
【0003】
この種の調理器の対象食材はいわゆる粉物の一種であるため、調理すると直ぐにその上面から一部が溢れ出ることが付き物である。しかしながら、前記先行技術では、焼きプレートは、製造認可の制限(電気事業法に基づく電気用品安全法:PSE)があるため、本体ケースに固着されていて、汚れた場合は拭き取るかもしくは全体を分解しなければならず、簡単に取り外して洗浄し難い欠点があった。
【0004】
また前記先行技術では、モーターを振動源に使用する関係上、熱源も電気的熱源を使用することが一般的である。ところが、モーターの使用電力に比して熱源を電気的なものとした場合は、1台の使用電力(例えば100V×750W)が大きいため、数台以上の同時使用が困難となる欠点が否めなかった。しかも、モーターは熱源に近接しているため、熱源やたこ焼きプレートの輻射熱により過熱されて故障することが多い欠点もあった。
即ち、国内の通常家屋に於いては、定格引込電力が100V×20~25Aであり、自動たこ焼き器の熱源が電気的なものでは、電子レンジ、IHヒーターや電気ストーブ等々とは併用使用が難しい。
【0005】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、簡単な構成で、たこ焼きの具材(ルー)を均一に加熱すると共に振動も加えることにより、まるで踊るがごときクルクル廻らせ、小さな子供達でも、年配者や身体障害者でも、簡単に取り扱いが出来て、確実かつ迅速に略球状に加熱調理を可能とするものにおいて、たこ焼きプレートを容易に取り外して簡単に洗浄できるようにすることにある。
即ち、装置全体を分解しなくても、たこ焼きプレート1Aのみを簡易に取外して洗浄し、常に清潔な状態に保って使用することができ、また、複数台の並行使用も可能としたことであり、更に耐久性も向上させ、卓上型・家庭用及びアウトドアー用にも適用が容易で、持ち運びが可能な、自動たこ焼器を提供することである。因みに、モーターの使用電力は100V×15W程度で、極僅かである。
特許文献1(特許第5117826号公報)の発明者、東 忠男が発明した当時には、家庭内、卓上型調理器具に於いては、加熱源(ヒーター等〉と駆動部(モーター)が同居付随の機器に、型式認定の製造許可を必要とする、経産省・電気事業法に基づく電気用品安全法(PSE)の省令が有ったことから、たこ焼きプレート1Aを簡易に取外し洗浄する機械構造が認められなかったが、新開発以来10年が経過し、家庭用調理器具に於いて、ホットプレート、たこ焼きプレート等の多機能プレートが取外し可能な技術革新となり、本発明の如く加熱源(ヒーター・カセットボンベ等〉と駆動部(モーター)が同居付随の機器に、型式認定の製造許可が認定される時代の社会情勢になった。(東 忠男 ; 本案件発明者と同一人物)
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、加熱調理されるべき食材を収容する半球状凹部を有するたこ焼きプレート1Aの下方に振動伝達プレート1Bを積層して焼きプレート本体1を形成し、焼きプレート本体1を加熱するバーナー5と、たこ焼きプレート1Aを略水平に支持した状態で、垂直線に対して傾斜した軸線周りにモーター7の出力軸に取付けた振り子ウエイト12を回転駆動させることによって振動を発生させ、前記たこ焼きプレート1A及び振動伝達プレート1Bに伝達して、滑らかな振動を起こさせる様にしたものの改良に関するもので、上記バーナー5及びモーター7を収納する本体ケース10の上方部に載置される焼きプレート本体1は下層の振動伝達プレート1Bと、上層のたこ焼きプレート1Aとにより形成し、たこ焼きプレート1Aを振動伝達プレート1Bに対して着脱可能に装着したことを第1の特徴とする。
【0008】
また、請求項1に記載の自動振動たこ焼き器であって、自動たこ焼き器の稼働時、2分割型のたこ焼きプレート1A及び振動伝達プレート1Bが、常時滑らか振動するようにしたことが第2の特徴、そして、ここにバーナー5の熱源が、カセットボンベ9より供給されるものであることを第3の特徴とする。
【0009】
更に、請求項1に記載の自動たこ焼き器であって、下記内容に、特許文献1(特許第5117826号公報)の発明者 東 忠男が発明した以後に、本案件の改良開発発明を実施するものである。ポイントは、箇条書きにすると、下記の通りである。
【0010】
(1)焼きプレート本体1を、加熱により調理するためのたこ焼きプレート1A及び、このたこ焼きプレート1Aに振動を伝える振動伝達プレート1Bにより構成し、両者を上下2分割型に改良し、振動伝達プレート1Bは本体ケース10に容易には取り外せないように固着されるが、たこ焼きプレート1Aは、振動伝達プレート1Bから取外し可能な構造となったことから、軽量化されたたこ焼きプレート1Aのみを分離して取外し、洗浄可能となり、常に清潔な状態で使用することが出来るようになった。
電気事業法に基づく電気用品安全法(PSE)の省令に基づき、家庭用調理器具に於いて、ホットプレート、たこ焼きプレート等の多機能プレートが取外し可能な技術革新の今日となり、本発明の如く加熱源(ヒーター・カセットボンベ等)と駆動部(モーター)が同居付随の卓上設置の調理機器に、型式認定の製造許可が認定される見通しとなった背景がある。
【0011】
(2)2分割型の焼きプレート本体1の下方の構成部材である振動伝達プレート1Bとモーター7の取り付けに当たり、モーターサポート6を介して装着するが、この時、たこ焼きプレート1Aからの伝導熱対策として、モーターサポート6の脚柱部は、たこ焼きプレート1Aに、3ヶ所等、複数の突起物を付随した台座に取り付けることで、熱遮断性が格段に向上した。ここで振動伝達プレート1Bは本体ケース10に対して、通常は分離できないように固着されるもので、ねじ止め、リベット、溶接等任意である。
【0012】
(3)モーターサポート6とモーター7をセットアップする時に於いても、モーターサポート6に、例えば4ヶ所のボルト貫通穴に、1ケ所の突起物を付随した台座に取り付けることで、熱遮断性が格段に向上した。
【0013】
(4)2分割型のたこ焼きプレート1A及び振動伝達プレート1Bのうち、下層の振動伝達プレート1Bと本体ケース10を固定するために、必要に応じて特殊構造のスプリング11で固定する。
【0014】
以上の内容から、従来の特許文献1(特許第5117826号公報)に提示の方法にては、焼きあがった「たこ焼きの形状」が、ラグビーボール状に細長くなる欠点があったが、「モーター取付角度23度」に於いては、全量がまん丸になることが判明し、試行錯誤から発見された究極的な成果となった。
即ち、たこ焼きプレート1Aの「たこ焼き具材(ルー)」を、自由自在に回転させるには、2分割型の振動伝達プレート1Bをベクトル理論の応用で、特定の角度に設定されたモーターの回転運動を、たこ焼きプレート1Aの半球状凹部内にて、上下左右運動に変換することで、まん丸いたこ焼きが焼き上がることとなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、焼きプレート本体1を、焼き調理をメインとするたこ焼きプレート1Aと、それに振動を伝えるための振動伝達プレート1Bの積層構造とし、かつ、両者を分離可能とすると共に、振動伝達プレート1Bは本体ケース10にしっかりと固着しておき、それにより重量が半減され軽量化されたたこ焼きプレート1Aを本体ケース10の上方部に着脱可能としたため、必要な時にたこ焼きプレート1Aのみを本体ケース10より簡単に取り外して水洗し、常に綺麗な状態でたこ焼きの調理をできるものである。尚、本体ケース10とたこ焼きプレート1Aと本体ケース10上縁との間に隙間が形成されるようにしておくと、たこ焼きプレート1Aの縁から溢れ零れたものが、本体ケース10の外周上部に垂れ下がらず、更に清潔に使用できる。
【0016】
また、調理用の熱源を電気的なものとする場合は、一般的にトースターや電子レンジ等と同様、500kwや1KW程度を要するため、一般家庭もしくは営業店舗に於いても複数台を同時に使用すると、ブレーカーが落ちてしまっていたが、本発明ではカセットボンベ9により供給されるもの、プロパンガス、水素燃料等にしたことにより、一般家庭は勿論、レストランの調理場、ボーリング場の催しサイト等の商用使用でも、複数台を容易に並行使用できる。また、アウトドアーにおいても、簡単な商用電源があれば使用可能であり、その他、ポータブル発電機、自動車の電源等からでも使用できる利点もある。
(国内の通常家屋に於いては、定格引込電力100V×20~25Aであり、電子レンジ、IHヒーターや電気ストーブ等々とは併用使用が難しい。)
【0017】
更に、モーター7はバーナー5で加熱されるたこ焼きプレート1Aの熱が、振動伝達プレート1B等から熱伝導により伝わる熱により、短時間の使用でも過熱され、使用不可となることも多いが、好ましくは、モーター7と本体ケース10側の接続部分を一部点接触状態としておくことにより、熱伝導が大幅に抑制され、モーター7の短時間でのダウンを防止することができる。そのために振動伝達プレート1Bを環状とすると共に、振動伝達プレート1Bとたこ焼きプレート1A下面の接触を極力少なくするべく、焼き穴の一部、例えば3個の下面側に小さな支持のための突起33をするのが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明の一実施例の概略斜視図、
図2はその分解斜視図であり、焼きプレート本体1は、2分割可能に上下に接合されたたこ焼きプレート1Aと振動伝達プレート1Bとで構成され、下方の振動伝達プレート1Bはケース本体10の上部にねじ等で固着され、たこ焼きプレート1Aは振動伝達プレート1Bの上方に固定フック30などにより着脱自在に取り付けられるもので、焼きプレート本体1はリングガード2、振動伝達プレート1Bを介してバーナーマウント4上に装着される。バーナーマウント4にはバーナー5が配置される。
【0019】
ここで焼きプレート本体1をたこ焼きプレート1Aと振動伝達プレート1Bを分離可能な2層構造としたのは、全体として分厚い構造の焼き部位を構成できるようにするためであり、分離せずに分厚いまま本体ケース10より取り外せるようにすると、取り外しての洗浄が重くなり、取扱いが困難となるためであり、また分厚い一体物を本体ケース10に着脱自在とした場合は、本発明のような振動たこ焼き器では、常時振動をしているため、装着状態が不安定になりやすいことによる。
【0020】
即ち、本発明に拠れば、焼きプレート本体1全体としては分厚く、たこの具材を遠赤外線でしっかりと焼いたり保温したりできることを維持しつつ、焼きプレート本体1全体に比して軽量な上層のたこ焼きプレート1Aのみを本体ケース10より取外して洗うことになるので、扱いが容易となる。しかも下層の振動伝達プレート1Bは本体ケース10に固着されているので、常時の振動でも焼きプレート本体1の下部の振動伝達プレート1Bがぐらつかず、安定して焼くことができるのである。
【0021】
そして本体ケース10は主機構部を収納する主体部10Aと、それに連接されるカセット収納部10Bより成り、モーターサポート6に支持されたモーター7が本体ケース10の主体部10Aの底部に収納され、このモーター7の上方にバーナーマウント4が配置される。
【0022】
カセット収納部10Bにはカセットボンベ9が装着できるようになっていて、カセットボンベ9から供給されるガス、例えばLPG、水素ガス等によりバーナー5を燃焼させ、たこ焼きプレート1Aの半球状の凹み部に入れたたこ焼きの素材を焼くことができる。
【0023】
モーター7を保持するモーターサポート6は、下部の適所にて本体ケース10の主体部10Aに固定されたスプリング11の上端に振動可能に連結され、偏芯状態でモーター7の回転軸に装着された振り子ウエイト12により、モーター7が回転すると、振動が発生し、たこ焼きプレート1Aを振動させる。
【0024】
ここで、図示実施例のモーター7はモーターサポート6によりたこ焼きプレート1A及び振動伝達プレート1Bに対して傾斜した適宜角度(23度)で設置されていて、適度に前後左右上下に分散させた振動の合成状態が発生し、たこ焼きプレート1Aの丸穴に収納された具材が振動してクルクルと廻りながら焼けるのである。
【0025】
本体ケース10は、筒状の主体部10Aとカセット収納部10Bより成り、主体部10Aに溶接等で設置されるフレーム22、22・・・により、略すり鉢状のバーナーマウント4が取着され、このバーナーマウント4の底部にバーナー5が設置される。またフレーム22、22・・・を介して本体ケース10の主体部10Aに下端部が装着されたスプリング11、11・・・の上端部に振動伝達プレート1Bが接続されて、本体ケース10の上面側に振動伝達プレート1Bが取り付けられると共に、同スプリング11、11・・・の上端にはその振動伝達プレート1Bを介してモーターサポート6の上端部が連結される。モーター7はバーナーマウント4の下方に装着されている。
【0026】
振動伝達プレート1Bの適所にばね弾性を有する固定フック30、30・・・によりたこ焼きプレート1Aの周辺適所が着脱自在に装着配置される。たこ焼きプレート1Aの外周は、本体ケース10の上縁に装着されるリングガード2によりカバーされ、調理中の滓が本体ケース10の外周にこぼれないようにカバーされる。またリングガード2は火傷防止の機能を持つことになる。
尚、たこ焼きプレート1Aの振動伝達プレート1Bに対しての着脱自在な取り付け方は、上記固定フック30によるもの以外に、ボルトと蝶ナットやその他適宜簡単に着脱できる機構であれば適宜適用することができる。更には、たこ焼きプレート1Aが振動伝達プレート1B上に密着した状態で固定するためのフック等の着脱具はケース本体10に設置しても構わない。
【0027】
モーターサポート6は回転軸に振り子ウエイト12が変位して装着されたモーター7を適宜傾けて配置され、その回転により振動伝達プレート1B及びたこ焼きプレート1Aに振動が伝えられるようになっている。また本体ケース10の片側下部に位置するカセット収納部10Bにはカセットボンベ9が装着される。
【0028】
更にモーターサポート6と振動伝達プレート1Bの取り付けは、複数のステー24、24・・・により接続されるが、ステー24の上端を振動伝達プレート1Bの下面に全面で接触せず、部分的に点接触した状態で取り付けられ、バーナーマウント4と、バーナー5で加熱され発熱しているたこ焼きプレート1Aの下方への伝播は、振動伝達プレート1Bの環状形状と、たこ焼きプレート1Aと振動伝達プレート1Bの接触が複数の脚部の点接触に分散させてある。例えば
図5~
図7はその一例で、たこ焼きプレート1Aの複数の焼き穴の幾つかの下面のみに小さな突起33を設けて、両者の接触面積を最小限度に少なくすることにより、熱くなったたこ焼きプレート1Aの下面からモーター7への熱の影響を十分抑制することができる。
【0029】
また振動伝達プレート1Bが環状形状になっている場合は、バーナーの炎を、たこ焼きプレート1Aに効率よく当てることができる。そして振動伝達プレート1Bには、直接に炎での加熱はしない構造になっていて、たこ焼きプレート1Aの熱が伝導することが抑えられる。
そうでない場合はバーナー5で加熱されるたこ焼きプレート1A、振動伝達プレート1Bから熱伝導により伝わる熱により、短時間使用でも一般的にモーター7が過熱され、使用不可となることも多いが、このようにしておくと、モーター7と本体ケース10側の接続部分を点接触的に分散状態としたことにより、熱伝導が大幅に抑制され、モーター7の過熱によるダウンを防止し、長時間の使用にも耐えることができる。
たこ焼きプレート1Aと振動伝達プレート1Bの接続構造に於いても3脚方式を採用しており、たこ焼きプレート1Aから振動伝達プレート1Bに熱が伝わりにくくしている。
【0030】
本発明のたこ焼きプレート1Aと振動伝達プレート1Bは、図示例では
図7、
図8のように3本の固定フック30で固定接続され、互いに密着して、たこ焼きプレート1Aを安定して保持できる。
3本のフック、3本のスプリング、3脚のモーターサポート等々は、「3点バランス保持理論」に基づく。
【0031】
尚、たこ焼きプレート1Aを平プレートに交換するなら「お好み焼きや焼肉」を焼くことができ、またジンギスカンプレートとかグリルプレートに交換するなら「多種多様な焼き物」ができるチョイスプレートになる。現状の一般市場で見受けられる平プレート、たこ焼きプレート、グリルプレート等々の「多機能プレート」に於いては、単なる「熱加熱」機能があるだけであるが、本発明の自動たこ焼き器の様に、たこ焼き具材を自由に廻しながら、たこ焼きを焼き上げることは出来ない。またグリルプレートなら、焦げ付かせないで焼き上げが可能となる。
また、たこ焼きプレート1Aの裏面を平板構造にするなら、表面、裏面とで、両方の使い方が出来ることになる。
【0032】
以下、使用状態を簡単に説明する。前記モーター7は、本体ケース10の適所に設けられる振動スイッチをオン状態とすることによって商用交流電源からの電力が供給され、モーター7の出力軸が一定の回転速度、たとえば1000~1500rpmで一方向に回転駆動される。このような出力軸の回転によって、振り子ウエイト12が前記傾斜した軸線まわりに回転する。モーター7の回転は、前記モーターサポート6を介してたこ焼きプレート1A及び振動伝達プレート1Bに振動として伝達される。
また入力電源は、家庭用調理器具であることから、安全対策を優先したマグネットスイッチ方式とし、万が一にも設置中、稼働中に引っかかることにより、たこ焼き器が転倒することが無いように安全対策を施しておくことができる。
【0033】
上記のようにモーター7を回転させながら、カセット収納部10Bに収容されたカセットボンベ9よりガスが供給されるバーナー5を燃焼させて振動伝達プレート1Bを介し、或いは直接的にたこ焼きプレート1Aを加熱し、その半球状の凹部に収納されたたこ焼きの具材を加熱調理するもので、その際、上記のモーター7、振り子ウエイト12による振動がたこ焼きプレート1Aに伝わるものである。
【0034】
このようにして、例えば振り子ウエイト12は1000~1500rpmの高速で回転駆動されるので、高い周期でたこ焼きプレート1Aを振動させ、たこ焼きの焦げ付きを防止しながら、たこ焼きを回転させて、均一に加熱することができ、更には、焼きあがったたこ焼きを焦がすことなく保温しながら保持することができる。
たこ焼きプレート1Aの上表面は、フッ素樹脂を塗布することで、たこ焼き用の油を使用しないで、焼き上げることができる。
【0035】
本体ケース10の下面側は、特に図示しないが、適宜カバーに覆われ、防振ゴムの3脚が取り付けられ、テーブルなどの載置台上に本発明装置機器を載置した状態おいて、機器の振動を吸収し、全体の振動を緩和して安定的に支持することができる。カメラの3脚の如く、確実に設置が出来ることで、安全性をクリアしている。
【0036】
また本体ケース10には、複数の透孔が軸線方向に間隔をあけ、かつ周方向に位置を違えて千鳥状に形成される。このように複数の透孔が形成されることによって、本体ケース10は約44%~55%の開口率を有し、本体ケース10内の空間に通気性を付与するもので、内部が加熱されたとき、その輻射熱によって本体ケース10が過熱されることを防止し、安全性が確保される。
【0037】
このような本発明装置は、その対象の食材の性質上、零れたり飛び散ったりして周囲を汚したり、使用後は表面に汚れがこびり付いたりするものであるが、たこ焼きプレート1Aは本体ケース10の上部より簡単に取り外せるので、使用後は取り外して水洗することにより、常に清浄に保つことができる。そして、焼きプレート本体1全体を着脱するのではなく、下層の振動伝達プレート1Bはそのままとし、上層のたこ焼きプレート1Aのみを取り外すこととしたので、取り外して洗う部位が軽量となり、その扱いが容易となるのである。
尚、たこ焼きプレート1Aの外方をリングガード2で覆うようにしておくと、本体ケース10の外周の汚れを抑制することができる。また火傷防止の機能を持っている。
【0038】
また、カセットボンベ9より供給されるガス等の燃料で燃焼するバーナー5を熱源としたため、使用電源がモーター7(10~20W程度)を回転させるものにのみ限定されることになり、一般家庭では勿論、業務用においてでも、多数台を並行して使用しても、使用電力が低く納まり、一般家庭以外の例えばキャンプ場、カラオケボックスやボーリング場等での催しコーナー等で多数台設置して同時に稼働させても電源ブレーカーを落としてしまうことがない。またアウトドアーであっても、商用電源や、車載電源が使用できる環境であれば、簡単に使用できる。
【0039】
あるいは、自動で丸く丸めることの機能を応用するなら、ヒーター電源を使用しないで、廻らせることが出来る機能から、鶏肉・牛肉・豚肉等々のミートボールや魚由来のフィッシュボールの製造、棟上げ餅、黄な粉餅の製造、等々に「丸くする」機能を利用することが容易になり、多用途に使用が可能である。
【0040】
更に、モーター7へのバーナー5からの熱伝導を低減させるようにすれば、高熱調理であってもモーター7への熱伝導が抑制されて、耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図5】同上のたこ焼きプレート1Aと振動伝達プレート1Bの接続の一実施例の概略断面図。
【
図6】同上のたこ焼きプレート1Aと振動伝達プレート1Bの接続部分の概略下面図。
【符号の説明】
【0042】
1は焼きプレート本体、1Aはたこ焼きプレート、1Bは振動伝達プレート、5はバーナー、7はモーター、9はカセットボンベ、10は本体ケース、12は振り子ウエイト。