(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087407
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】車両用駆動装置
(51)【国際特許分類】
B60W 20/17 20160101AFI20240624BHJP
B60K 6/26 20071001ALI20240624BHJP
B60K 6/445 20071001ALI20240624BHJP
B60W 10/08 20060101ALI20240624BHJP
B60K 6/365 20071001ALI20240624BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20240624BHJP
B60L 15/00 20060101ALI20240624BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20240624BHJP
B60L 50/16 20190101ALI20240624BHJP
F16H 1/28 20060101ALI20240624BHJP
F16H 57/12 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
B60W20/17
B60K6/26 ZHV
B60K6/445
B60W10/08 900
B60K6/365
H02K7/116
B60L15/00 Z
B60L15/20 M
B60L50/16
F16H1/28
F16H57/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202223
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 翔平
【テーマコード(参考)】
3D202
3J027
5H125
5H607
【Fターム(参考)】
3D202AA03
3D202BB12
3D202CC42
3D202EE02
3D202EE09
3J027FA11
3J027FB01
3J027GA03
3J027GB03
3J027GC13
3J027GC24
3J027GD04
3J027GD08
3J027GD12
5H125AA01
5H125AC08
5H125AC12
5H125BA00
5H125CA02
5H125CB02
5H125CC01
5H125FF01
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607BB21
5H607BB26
5H607CC01
5H607CC03
5H607DD02
5H607DD19
5H607EE31
(57)【要約】
【課題】歯打ち音を抑制する。
【解決手段】車両用駆動装置は、ロータ軸に対して軸方向に移動可能に設けられるロータ備える電動モータを有する。前記車両用駆動装置は、前記ロータ軸に対して軸方向に移動可能に設けられ、前記ロータの端面に対向して配置される第1ギヤを有する。前記車両用駆動装置は、前記第1ギヤに噛み合う第2ギヤを備え、前記第1ギヤと車輪とを互いに連結する動力伝達経路を有する。前記車両用駆動装置は、前記ロータをステータの径方向内側に配置する第1位置と、前記ロータを前記第1位置よりも前記第1ギヤに近づける第2位置と、に移動させるアクチュエータを有する。前記車両用駆動装置は、前記アクチュエータによって前記ロータを前記第2位置に移動させ、前記ロータと前記第1ギヤとの間に作用する磁力によって前記第1ギヤを軸方向に付勢し、前記第1ギヤの歯面を前記第2ギヤの歯面に押し当てる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられる車両用駆動装置であって、
ロータ軸に対して軸方向に移動可能に設けられるロータと、前記ロータの径方向外側に配置されるステータと、を備える電動モータと、
前記ロータ軸に対して軸方向に移動可能に設けられ、前記ロータの端面に対向して配置される第1ギヤと、
前記第1ギヤに噛み合う第2ギヤを備え、前記第1ギヤと車輪とを互いに連結する動力伝達経路と、
前記ロータを前記ステータの径方向内側に配置する第1位置と、前記ロータを前記第1位置よりも前記第1ギヤに近づける第2位置と、に移動させるアクチュエータと、
を有し、
前記アクチュエータによって前記ロータを前記第2位置に移動させ、前記ロータと前記第1ギヤとの間に作用する磁力によって前記第1ギヤを軸方向に付勢し、前記第1ギヤの歯面を前記第2ギヤの歯面に押し当てる、
車両用駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用駆動装置において、
前記第1ギヤは、永久磁石を備えている、
車両用駆動装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用駆動装置において、
前記第1ギヤおよび前記第2ギヤは、ヘリカルギヤである、
車両用駆動装置。
【請求項4】
請求項1に記載の車両用駆動装置において、
前記動力伝達経路に連結されるエンジンと、
互いに通信可能に接続されるプロセッサおよびメモリを備え、前記エンジンおよび前記アクチュエータを制御する制御システムと、
を有し、
前記制御システムは、前記アクチュエータによって前記ロータを前記第2位置に移動させた状態のもとで、前記エンジンを始動する、
車両用駆動装置。
【請求項5】
請求項1に記載の車両用駆動装置において、
互いに通信可能に接続されるプロセッサおよびメモリを備え、前記電動モータおよび前記アクチュエータを制御する制御システム、を有し、
前記制御システムは、前記アクチュエータによって前記ロータを前記第2位置に移動させた状態のもとで、前記電動モータを力行状態と回生状態とに交互に切り替える、
車両用駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられる車両用駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車両等の車両には、車輪を駆動するための電動モータが搭載されている(特許文献1~3参照)。また、電動モータと車輪とを互いに連結する動力伝達経路には、各種ギヤ列や回転軸等が組み込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-61487号公報
【特許文献2】特開2019-84892号公報
【特許文献3】特開2020-100262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、動力伝達経路に組み込まれるギヤ列には、歯面間の隙間であるバックラッシュが設定されている。このため、動力伝達経路の入力トルクが変動した場合には、ギヤ列の歯面が互いに衝突して歯打ち音を発生させる虞がある。ギヤ列の歯打ち音は乗員に違和感を与える要因であることから、歯打ち音を抑制することが求められている。
【0005】
本発明の目的は、歯打ち音を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態の車両用駆動装置は、車両に設けられる車両用駆動装置であって、ロータ軸に対して軸方向に移動可能に設けられるロータと、前記ロータの径方向外側に配置されるステータと、を備える電動モータと、前記ロータ軸に対して軸方向に移動可能に設けられ、前記ロータの端面に対向して配置される第1ギヤと、前記第1ギヤに噛み合う第2ギヤを備え、前記第1ギヤと車輪とを互いに連結する動力伝達経路と、前記ロータを前記ステータの径方向内側に配置する第1位置と、前記ロータを前記第1位置よりも前記第1ギヤに近づける第2位置と、に移動させるアクチュエータと、を有し、前記アクチュエータによって前記ロータを前記第2位置に移動させ、前記ロータと前記第1ギヤとの間に作用する磁力によって前記第1ギヤを軸方向に付勢し、前記第1ギヤの歯面を前記第2ギヤの歯面に押し当てる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、アクチュエータによってロータを第2位置に移動させ、ロータと第1ギヤとの間に作用する磁力によって第1ギヤを軸方向に付勢し、第1ギヤの歯面を第2ギヤの歯面に押し当てる。これにより、歯打ち音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態である車両用駆動装置が設けられる車両を示す図である。
【
図2】パワーユニットの内部構造の一例を示す図である。
【
図3】車両用駆動装置が備える制御システムの一例を示す図である。
【
図4】制御ユニットの基本構造の一例を示す図である。
【
図5】モータジェネレータおよび遊星ギヤ列の一例を示す図である。
【
図6】モータジェネレータおよび遊星ギヤ列の一例を示す図である。
【
図8】各動力伝達経路に対するピニオンの微小回転の伝達状況を示す図である。
【
図9】バックラッシュ低減制御の実行タイミングの一例を示す図である。
【
図10】バックラッシュ低減制御の実行タイミングの一例を示す図である。
【
図11】サンギヤ、ピニオンおよびロータ軸の変形例を示す図である。
【
図12】本発明の他実施形態である車両用駆動装置が備えるパワーユニットの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一または実質的に同一の構成や要素については、同一の符号を付して繰り返しの説明を省略する。
【0010】
[パワーユニット]
図1は本発明の一実施形態である車両用駆動装置10が設けられる車両11を示す図である。
図1に示すように、車両11には、エンジン12およびモータジェネレータMG1,MG2を備えたパワーユニット13が搭載されている。パワーユニット13の後輪出力軸14には、プロペラ軸15およびリヤデファレンシャル機構16を介して後輪17が連結されている。また、パワーユニット13にはフロントデファレンシャル機構18が組み込まれており、フロントデファレンシャル機構18には前輪19が連結されている。図示するパワーユニット13は、全輪駆動用のパワーユニットであるが、これに限られることはなく、前輪駆動用や後輪駆動用のパワーユニットであっても良い。
【0011】
図2はパワーユニット13の内部構造の一例を示す図である。
図2に示すように、パワーユニット13は、エンジン12およびモータジェネレータMG1からなる第1駆動系21と、モータジェネレータMG2からなる第2駆動系22と、を有している。
【0012】
第1駆動系21は、動力源としてエンジン12およびモータジェネレータMG1を有している。エンジン12のクランク軸23にはダンパ機構24を介して伝達軸25が連結されており、この伝達軸25には駆動ギヤ26aが固定されている。また、駆動ギヤ26aに噛み合う従動ギヤ26bには伝達軸27が固定されており、この伝達軸27には遊星ギヤ列30を介してモータジェネレータMG1のロータ31が連結されている。なお、駆動ギヤ26aおよび従動ギヤ26bによってギヤ列26が構成されている。
【0013】
伝達軸27とロータ31とを連結する遊星ギヤ列30は、ピニオン30pを回転可能に支持するキャリア30cと、ピニオン30pに噛み合うサンギヤ30sと、ピニオン30pに噛み合うインターナルギヤとも呼ばれるリングギヤ30rと、を有している。遊星ギヤ列30のキャリア30cには伝達軸27が連結されており、遊星ギヤ列30のサンギヤ30sにはモータジェネレータMG1のロータ31が連結されている。また、エンジントルクおよびモータトルクを出力する出力軸として、遊星ギヤ列30のリングギヤ30rには第1出力軸32が連結されている。
【0014】
第2駆動系22は、動力源としてモータジェネレータMG2を有している。モータジェネレータMG2のロータ33には、遊星ギヤ列40を介して第2出力軸34が連結されている。ロータ33と第2出力軸34とを連結する遊星ギヤ列40は、ピニオン40pを回転可能に支持するキャリア40cと、ピニオン40pに噛み合うサンギヤ40sと、ピニオン40pに噛み合うインターナルギヤとも呼ばれるリングギヤ40rと、を有している。遊星ギヤ列40のキャリア40cには第2出力軸34が連結されており、遊星ギヤ列40のサンギヤ40sにはモータジェネレータMG2のロータ33が連結されている。なお、遊星ギヤ列40のリングギヤ40rは、パワーユニット13のハウジング35に固定されている。
【0015】
また、第2駆動系22の第2出力軸34には、第1駆動系21の第1出力軸32がギヤ列36を介して連結されている。また、第2出力軸34の一端部には、ギヤ列37を介して前輪出力軸38が連結されており、第2出力軸34の他端部には、カップリング39を介して後輪出力軸14が連結されている。前輪出力軸38は前述したフロントデファレンシャル機構18を介して前輪19に連結されており、後輪出力軸14は前述したリヤデファレンシャル機構16を介して後輪17に連結されている。
【0016】
図2に示すように、モータジェネレータ(電動モータ)MG2のロータ33には、遊星ギヤ列40のサンギヤ(第1ギヤ)40sが連結されている。また、サンギヤ40sと前輪(車輪)19とは、サンギヤ40sに噛み合うピニオン(第2ギヤ)40p等からなる動力伝達経路41を介して互いに連結されている。図示する例において、動力伝達経路41は、ピニオン40p、キャリア40c、第2出力軸34、ギヤ列37、前輪出力軸38およびフロントデファレンシャル機構18等によって構成されている。また、
図1および
図2に示すように、遊星ギヤ列40のサンギヤ40sと後輪(車輪)17とは、サンギヤ40sに噛み合うピニオン40p等からなる動力伝達経路42を介して互いに連結されている。図示する例において、動力伝達経路42は、ピニオン40p、キャリア40c、第2出力軸34、カップリング39、後輪出力軸14、プロペラ軸15およびリヤデファレンシャル機構16等によって構成されている。
【0017】
また、第2出力軸34と第1出力軸32とは、ギヤ列36を介して互いに連結されている。つまり、第2駆動系22を構成する動力伝達経路41および動力伝達経路42には、ギヤ列36を介して第1駆動系21を構成する動力伝達経路43およびエンジン12が連結されている。図示する例において、動力伝達経路41,42とエンジン12とを連結する動力伝達経路43は、第1出力軸32、リングギヤ30r、ピニオン30p、キャリア30c、伝達軸27、ギヤ列26、伝達軸25およびダンパ機構24等によって構成されている。このように、動力伝達経路41,42には、動力伝達経路43を介してエンジン12が連結されている。
【0018】
[制御システム]
図3は車両用駆動装置10が備える制御システム80の一例を示す図である。
図3に示すように、エンジン12の吸気マニホールド50には、吸入空気量を調整するスロットルバルブ51が設けられている。また、エンジン12には、吸気ポートやシリンダ内に燃料を噴射するインジェクタ52が設けられており、点火コイルや点火プラグ等からなる点火デバイス53が設けられている。エンジントルクやエンジン回転数を制御するため、スロットルバルブ51、インジェクタ52および点火デバイス53等には、エンジン制御ユニット54が接続されている。
【0019】
モータジェネレータMG1は、ステータコイル60が巻き付けられるステータ61と、円筒形状のステータ61に収容されるロータ31と、を有している。ステータ61にはインバータ62が接続されており、インバータ62にはバッテリパック63が接続されている。また、インバータ62を介してモータジェネレータMG1を制御するため、インバータ62には第1モータ制御ユニット64が接続されている。第1モータ制御ユニット64は、複数のスイッチング素子等からなるインバータ62を制御することにより、モータジェネレータMG1のモータトルクやモータ回転数を制御する。なお、モータジェネレータMG1は、モータ回転数を上げる力行トルクを発生させる力行状態と、モータ回転数を下げる回生トルクを発生させる回生状態と、に制御可能である。また、モータジェネレータMG1の回生状態は、発電状態とも呼ばれている。
【0020】
モータジェネレータMG2は、ステータコイル60が巻き付けられるステータ71と、円筒形状のステータ71に収容されるロータ33と、を有している。ステータ71にはインバータ72が接続されており、インバータ72にはバッテリパック63が接続されている。また、インバータ72を介してモータジェネレータMG2を制御するため、インバータ72には第2モータ制御ユニット73が接続されている。第2モータ制御ユニット73は、複数のスイッチング素子等からなるインバータ72を制御することにより、モータジェネレータMG2のモータトルクやモータ回転数を制御する。なお、モータジェネレータMG2は、モータ回転数を上げる力行トルクを発生させる力行状態と、モータ回転数を下げる回生トルクを発生させる回生状態と、に制御可能である。また、モータジェネレータMG2の回生状態は、発電状態とも呼ばれている。
【0021】
車両用駆動装置10には、パワーユニット13を制御するため、複数の電子制御ユニットからなる制御システム80が設けられている。制御システム80を構成する電子制御ユニットとして、前述したエンジン制御ユニット54およびモータ制御ユニット64,73が設けられるとともに、これらの制御ユニット54,64,73に制御信号を出力する車両制御ユニット81が設けられている。これらの制御ユニット54,64,73,81は、CAN等の車載ネットワーク82を介して互いに通信可能に接続されている。車両制御ユニット81は、各種制御ユニットや後述する各種センサからの入力情報に基づき、エンジン12やモータジェネレータMG1,MG2等の作動目標を設定する。そして、エンジン12やモータジェネレータMG1,MG2等の作動目標に応じた制御信号を生成し、これらの制御信号をエンジン制御ユニット54やモータ制御ユニット64,73等に出力する。
【0022】
車両制御ユニット81に接続されるセンサとして、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ83、およびブレーキペダルの操作量を検出するブレーキセンサ84がある。また、車両制御ユニット81に接続されるセンサとして、前輪出力軸38や後輪出力軸14の回転速度から車速を検出する車速センサ85、およびクランク軸23の回転速度であるエンジン回転数を検出するエンジン回転センサ86がある。また、車両制御ユニット81に接続されるセンサとして、モータジェネレータMG1のロータ回転速度であるモータ回転数を検出する第1モータ回転センサ87、およびモータジェネレータMG2のロータ回転速度であるモータ回転数を検出する第2モータ回転センサ88がある。さらに、車両制御ユニット81には、制御システム80の起動時に運転者に操作されるスタートスイッチ89が接続されており、運転手によるセレクトレバー90の操作位置を検出するポジションスイッチ91が接続されている。
【0023】
図4は制御ユニット54,64,73,81の基本構造の一例を示す図である。
図3に示すように、電子制御ユニットである制御ユニット54,64,73,81は、プロセッサ100およびメインメモリ(メモリ)101等が組み込まれたマイクロコントローラ102を有している。メインメモリ101には所定のプログラムが格納されており、プロセッサ100によってプログラムが実行される。プロセッサ100とメインメモリ101とは、互いに通信可能に接続されている。なお、マイクロコントローラ102に複数のプロセッサ100を組み込んでも良く、マイクロコントローラ102に複数のメインメモリ101を組み込んでも良い。
【0024】
また、制御ユニット54,64,73,81には、入力回路103、駆動回路104、通信回路105、外部メモリ106および電源回路107等が設けられている。入力回路103は、各種センサから入力される信号を、マイクロコントローラ102に入力可能な信号に変換する。駆動回路104は、マイクロコントローラ102から出力される信号に基づき、前述したインバータ62,72等の各種デバイスに対する駆動信号を生成する。通信回路105は、マイクロコントローラ102から出力される信号を、他の制御ユニットに向けた通信信号に変換する。また、通信回路105は、他の制御ユニットから受信した通信信号を、マイクロコントローラ102に入力可能な信号に変換する。さらに、電源回路107は、マイクロコントローラ102、入力回路103、駆動回路104、通信回路105および外部メモリ106等に対し、安定した電源電圧を供給する。また、不揮発性メモリ等からなる外部メモリ106には、プログラムおよび各種データ等が記憶される。
【0025】
[モータジェネレータおよびサンギヤ]
続いて、モータジェネレータMG2およびサンギヤ40sの構造について詳細に説明する。
図5および
図6は、モータジェネレータMG2および遊星ギヤ列40の一例を示す図である。
図5に示すように、モータジェネレータMG2は、円筒形状のロータ33と、ロータ33の径方向外側に配置されるステータ71と、を有している。モータジェネレータMG2のロータ33は、積層された複数枚の電磁鋼板からなるロータコア110と、ロータコア110に設けられる複数の永久磁石111と、を有している。また、ハウジング35に固定されるステータ71は、積層された複数枚の電磁鋼板からなるステータコア112と、ステータコア112に巻き付けられるステータコイル70と、を有している。
【0026】
モータジェネレータMG2のロータ33を支持するため、第2出力軸34の径方向外側には中空形状のロータ軸113が設けられている。ロータ33の回転中心を貫通する貫通穴116には内スプライン歯114が形成されており、ロータ軸113の外周面には外スプライン歯115が形成されている。また、ロータ33の貫通穴116にはロータ軸113が挿入されており、内スプライン歯114と外スプライン歯115とは互いに摺動可能に係合している。つまり、モータジェネレータMG2のロータ33は、ロータ軸113に対して軸方向に移動可能に設けられている。
【0027】
また、モータジェネレータMG2は、ロータ33を軸方向に移動させるスライド機構120を有している。スライド機構120は、ロータ33に取り付けられるベアリング121と、ハウジング35に傾動可能に支持されるレバー部材122と、プッシュロッド123を備えた電動アクチュエータ(アクチュエータ)124と、を有している。レバー部材122の一端部はベアリング121に連結されており、レバー部材122の他端部はプッシュロッド123に連結されている。また、電動アクチュエータ124には第2モータ制御ユニット73が接続されており、電動アクチュエータ124は第2モータ制御ユニット73からの制御信号に基づき制御される。さらに、電動アクチュエータ124は、プッシュロッド123を押し出す第1状態と、プッシュロッド123を引き込む第2状態と、に動作可能である。
【0028】
図5に示すように、電動アクチュエータ124のプッシュロッド123を引き込むことにより、レバー部材122を矢印a1方向に回動させることができ、ロータ33をステータ71の径方向内側に配置する第1位置に移動させることができる。このように、ロータ33を第1位置に移動させることにより、ステータ71の内周面にロータ33の外周面のほぼ全てを対向させることができ、モータジェネレータMG2の有効磁束を最大限に確保することができる。
【0029】
一方、
図6に示すように、電動アクチュエータ124のプッシュロッド123を押し出すことにより、レバー部材122を矢印a2方向に回動させることができ、ロータ33を第1位置よりもサンギヤ40sに近づける第2位置に移動させることができる。このように、ロータ33を第2位置に移動させることにより、ステータ71の内側からロータ33の一部を突出させることができ、有効磁束を減らして回転時の逆起電力を下げることができる。なお、制御システム80は、予め設定されたモータジェネレータMG2の運転領域において、ロータ33を第2位置に移動させて逆起電力を低下させることにより、モータジェネレータMG2のモータ回転数を高めている。また、モータジェネレータMG2は、可変界磁モータとも呼ばれている。
【0030】
図5に示すように、モータジェネレータMG2のロータ33の近傍には、ロータ33の端面33aに対向するサンギヤ40sが配置されている。また、サンギヤ40sの回転中心を貫通する貫通穴129には内スプライン歯125が形成されており、ロータ軸113の外周面には外スプライン歯126が形成されている。さらに、サンギヤ40sの貫通穴129にはロータ軸113が挿入されており、内スプライン歯125と外スプライン歯126とは互いに摺動可能に係合している。つまり、遊星ギヤ列40のサンギヤ40sは、ロータ軸113に対して軸方向に移動可能に設けられている。また、ロータ33の端面33aに対向するサンギヤ40sの側面127には永久磁石128が設けられており、この永久磁石128の磁極はロータ33に対して反発する向きに設定されている。つまり、永久磁石128によってサンギヤ40sの側面127に現れる磁極と、ロータ33の端面33aに現れる磁極とは、互いに同じ極に設定されている。さらに、
図5の拡大部分に示すように、遊星ギヤ列40のサンギヤ40sおよびピニオン40pは、歯筋が軸方向に対して傾斜するヘリカルギヤである。
【0031】
[バックラッシュ低減制御]
電動アクチュエータ124によるバックラッシュ低減制御について説明する。
図6に示すように、電動アクチュエータ124のプッシュロッド123を押し出して、ロータ33をサンギヤ40sに近づけることにより、ロータ33とサンギヤ40sとの間に作用する磁力を高めてサンギヤ40sを軸方向に付勢することができる。つまり、ロータ33をサンギヤ40sに近づけることにより、磁力によってサンギヤ40sを矢印b1方向に付勢することができる。ここで、
図7は遊星ギヤ列40を軸方向から示した図である。前述したように、軸方向に付勢されたサンギヤ40sは歯筋が傾斜するヘリカルギヤであることから、
図7に矢印c1で示すように、サンギヤ40sの歯面130をピニオン40pの歯面131に向けて移動させることができる。そして、サンギヤ40sの歯面130はピニオン40pの歯面131に押し当てられ、ピニオン40pを矢印c2方向に微小回転させることができる。つまり、サンギヤ40sとピニオン40pとのバックラッシュを減少させることが可能である。
【0032】
このようなピニオン40pの微小回転は、前述した各動力伝達経路41~43に伝達される。ここで、
図8は各動力伝達経路41~43に対するピニオン40pの微小回転の伝達状況を示す図である。
図8に矢印X1で示すように、ピニオン40pの微小回転は、各機械要素のバックラッシュを減らしつつ動力伝達経路41に伝達される。つまり、ピニオン40pの微小回転は、各機械要素のバックラッシュを減らしながら、キャリア、第2出力軸34、ギヤ列37、前輪出力軸38およびフロントデファレンシャル機構18等に伝達される。
【0033】
また、
図8に矢印X2で示すように、ピニオン40pの微小回転は、各機械要素のバックラッシュを減らしつつ動力伝達経路42に伝達される。つまり、ピニオン40pの微小回転は、各機械要素のバックラッシュを減らしながら、キャリア、第2出力軸34、カップリング39および後輪出力軸14等に伝達される。さらに、
図8に矢印X3で示すように、ピニオン40pの微小回転は、各機械要素のバックラッシュを減らしつつ動力伝達経路43に伝達される。つまり、ピニオン40pの微小回転は、各機械要素のバックラッシュを減らしながら、キャリア40c、第2出力軸34、ギヤ列36、第1出力軸32、リングギヤ30r、ピニオン30p、キャリア30c、伝達軸27、ギヤ列26、伝達軸28およびダンパ機構24等に伝達される。
【0034】
これまで説明したように、電動アクチュエータ124のプッシュロッド123を押し出して、ロータ33をサンギヤ40sに近づけることにより、磁力によってサンギヤ40sを軸方向に付勢することができる。これにより、サンギヤ40sの歯面130をピニオン40pの歯面131に押し当てることができ、ピニオン40pを微小回転させて各動力伝達経路41~43のバックラッシュを減らすことができる。このように、各動力伝達経路41~43のバックラッシュを減らすことにより、各動力伝達経路41~43においてトルクフローが反転した場合であっても、各動力伝達経路41~43を構成する各ギヤ列の歯打ち音を抑制することができる。
【0035】
図示する例では、バックラッシュ低減制御において、サンギヤ40sの歯面130をピニオン40pの歯面131に押し当てているが、歯面の押し当て方向としてはドライブ側であってもコースト側であっても良い。ドライブ側の歯面を押し当てるかコースト側の歯面を押し当てるかについては、動力伝達経路41~43の各ギヤ列に関する歯打ち音の抑制効果から決定される。なお、歯面の押し当て方向は、サンギヤ40sおよびピニオン40pにおける歯筋の向きによって設定することができる。
【0036】
前述の説明では、ロータ33からサンギヤ40sを離す反発側の磁力を作用させているが、これに限られることはなく、ロータ33にサンギヤ40sを近づける吸着側の磁力を作用させても良い。また、前述の説明では、サンギヤ40sに永久磁石128を取り付けているが、これに限られることはなく、サンギヤ40sから永久磁石128を削減しても良い。このように、サンギヤ40sから永久磁石128を取り外した場合であっても、磁性体からなるサンギヤ40sを吸着側の磁力によってロータ33側に付勢することが可能である。
【0037】
[バックラッシュ低減制御:エンジン始動時]
図9はバックラッシュ低減制御の実行タイミングの一例を示す図である。制御システム80は、例えば、駐車レンジや走行レンジでエンジン12をクランキングする際に、電動アクチュエータ124によるバックラッシュ低減制御を実行する。つまり、制御システム80は、電動アクチュエータ124によってロータ33を第2位置に移動させた状態のもとで、エンジン12を始動させる。なお、エンジン始動時には、モータジェネレータMG1によってエンジン12がクランキングされる。
【0038】
図9に示すように、電動アクチュエータ124によってロータ33をサンギヤ40sに接近させ、磁力によってサンギヤ40sを軸方向に付勢することにより、動力伝達経路43のバックラッシュを減少させることができる(矢印X3)。つまり、動力伝達経路43を構成する従動ギヤ26bの歯面132を駆動ギヤ26aの歯面133に押し当てることができ、ギヤ列26のバックラッシュを減少させることができる。これにより、エンジン12のクランキングに伴うトルク変動Tf1がギヤ列26に入力された場合であっても、ギヤ列26の歯打ち音を抑制することができる。なお、歯打ち音の抑制箇所としてはギヤ列26に限られることはなく、動力伝達経路43を構成する各ギヤ列の歯打ち音を抑制することができる。
【0039】
[バックラッシュ低減制御:定速走行時]
図10はバックラッシュ低減制御の実行タイミングの一例を示す図である。制御システム80は、例えば、モータジェネレータMG2を用いて車両11を定速走行させる際に、電動アクチュエータ124によるバックラッシュ低減制御を実行する。つまり、制御システム80は、電動アクチュエータ124によってロータ33を第2位置に移動させた状態のもとで、車速を所定速度に維持するため、モータジェネレータMG2を力行状態と回生状態とに交互に切り替える。
【0040】
図10に示すように、電動アクチュエータ124によってロータ33をサンギヤ40sに接近させ、磁力によってサンギヤ40sを軸方向に付勢することにより、動力伝達経路43のバックラッシュを減少させることができる(矢印X1,X2)。つまり、動力伝達経路41,42を構成する各ギヤ列の歯面を押し当てることができ、これらギヤ列のバックラッシュを減少させることができる。これにより、所定速度を維持するためにモータジェネレータMG2の力行状態と回生状態とが交互に繰り返され、動力伝達経路41,42の各ギヤ列にトルク変動Tf2が入力された場合であっても、動力伝達経路41,42を構成する各ギヤ列の歯打ち音を抑制することができる。
【0041】
[他実施形態1]
前述の説明では、遊星ギヤ列40のサンギヤ40sおよびピニオン40pとしてヘリカルギヤを採用しているが、これに限られることはなく、サンギヤ40sおよびピニオン40pとしてスパーギヤを採用しても良い。ここで、
図11はサンギヤ40s、ピニオン40pおよびロータ軸113の変形例を示す図である。なお、
図11に示した遊星ギヤ列140は、遊星ギヤ列40と同様に機能するギヤ列であるが、歯筋が異なることから符号140を付して説明する。同様に、
図11に示したロータ軸143は、ロータ軸113と同様に機能する回転軸であるが、スプライン歯が異なることから符号143を付して説明する。また、
図11において、
図6に示した部材と同様の部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0042】
図11に示すように、遊星ギヤ列140のサンギヤ(第1ギヤ)140sおよびピニオン(第2ギヤ)140pは、歯筋が軸方向に対して平行なスパーギヤである。また、サンギヤ140sの回転中心を貫通する貫通穴144には内スプライン歯141が形成されており、ロータ軸143の外周面には外スプライン歯142が形成されている。さらに、サンギヤ140sの貫通穴144にはロータ軸143が挿入されており、内スプライン歯141と外スプライン歯142とは互いに摺動可能に係合している。また、内スプライン歯141および外スプライン歯142は、軸方向に対して歯筋が傾斜するヘリカルスプラインである。つまり、遊星ギヤ列140のサンギヤ140sは、ロータ軸143に対して回転しながら軸方向に移動可能に設けられている。
【0043】
図11に示すように、電動アクチュエータ124のプッシュロッド123を押し出して、ロータ33をサンギヤ140sに近づけることにより、ロータ33とサンギヤ140sとの間に作用する磁力によってサンギヤ140sを軸方向に付勢することができる。つまり、ロータ33をサンギヤ140sに近づけることにより、磁力によってサンギヤ140sを矢印b1方向に付勢することができる。ここで、サンギヤ140sは軸方向に移動する際に矢印d1方向に回転するため、サンギヤ140sの歯面をピニオン140pの歯面に向けて移動させることができる。そして、サンギヤ140sの歯面はピニオン140pの歯面に押し当てられ、ピニオン140pを微小回転させて各動力伝達経路41~43のバックラッシュを減らすことができる。このように、各動力伝達経路41~43のバックラッシュを減らすことにより、各動力伝達経路41~43におけるトルクフローが反転した場合であっても、各動力伝達経路41~43を構成する各ギヤ列の歯打ち音を抑制することができる。
【0044】
[他実施形態2]
前述の説明では、エンジン12およびモータジェネレータMG1,MG2を備えたハイブリッド車両11に対して車両用駆動装置10を設けているが、これに限られることはない。例えば、動力源としてモータジェネレータMG2のみを備えた電気自動車に対して車両用駆動装置を設けても良い。ここで、
図12は本発明の他実施形態である車両用駆動装置150が備えるパワーユニット151の一例を示す図である。なお、
図12において、
図2に示した部材と同様の部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
図12に示すように、モータジェネレータ(電動モータ)MG2のロータ33には、遊星ギヤ列40のサンギヤ(第1ギヤ)40sが連結されている。また、サンギヤ40sと前輪(車輪)19とは、サンギヤ40sに噛み合うピニオン(第2ギヤ)40p等からなる動力伝達経路41を介して互いに連結されている。図示する例において、動力伝達経路41は、ピニオン40p、キャリア40c、第2出力軸34、ギヤ列37、前輪出力軸38およびフロントデファレンシャル機構18等によって構成されている。また、モータジェネレータMG2には、ロータ33を軸方向に移動させるスライド機構120が設けられている。
【0046】
このように、モータジェネレータMG2のみを備えた電気自動車であっても、例えば、モータジェネレータMG2を用いて車両を定速走行させる際に、電動アクチュエータ124によるバックラッシュ低減制御が実行される。つまり、制御システム80は、電動アクチュエータ124によってロータ33を第2位置に移動させた状態のもとで、車速を所定速度に維持するため、モータジェネレータMG2を力行状態と回生状態とに交互に切り替える。前述したように、電動アクチュエータ124によってロータ33をサンギヤ40sに接近させ、磁力によってサンギヤ40sを軸方向に付勢することにより、動力伝達経路41のバックラッシュを減少させることができる。これにより、所定車速を維持するためにモータジェネレータMG2の力行状態と回生状態とが交互に繰り返され、動力伝達経路41の各ギヤ列に対してトルク変動が入力された場合であっても、動力伝達経路41を構成する各ギヤ列の歯打ち音を抑制することができる。
【0047】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。前述の説明では、パワーユニット13に対して2つのモータジェネレータMG1,MG2を設けているが、これに限られることはなく、パワーユニット13に対して1つのモータジェネレータを設けても良い。また、前述の説明では、モータジェネレータMG2にスライド機構120を設けているが、これに限られることはなく、モータジェネレータMG1のみにスライド機構120を設けても良く、モータジェネレータMG1,MG2の双方にスライド機構120を設けても良い。また、前述の説明では、ロータ33を移動させるアクチュエータとして、電動アクチュエータ124を用いているが、これに限られることはなく、油圧アクチュエータを用いても良い。また、前述の説明では、レバー部材122を用いてロータ33を軸方向に移動させているが、これに限られることはない。例えば、油圧アクチュエータとして、ロータ33の端部に油圧室を形成することにより、油圧室に作動油を供給してロータ33を軸方向に移動させても良い。
【0048】
前述したように、ロータ33によってサンギヤ40sを軸方向に付勢することにより、サンギヤ40sの歯面130をピニオン40pの歯面131に押し当て、ピニオン40pを微小回転させている。このピニオン40pの微小回転によって各動力伝達経路41~43のバックラッシュを減らしているが、動力伝達経路41~43を構成する全ての機械要素のバックラッシュを無くす必要はなく、少なくともサンギヤ40sの歯面130がピニオン40pの歯面131に押し当てられれば良いことはいうまでもない。また、前述の説明では、第1ギヤとして遊星ギヤ列40のサンギヤ40sを採用し、第2ギヤとして遊星ギヤ列40のピニオン40pを採用しているが、遊星ギヤ列を構成するギヤに限られることはない。
【0049】
前述の説明では、ロータ軸113とロータ33との支持構造として、内スプライン歯114および外スプライン歯115からなるスプライン構造を採用しているが、これに限られることはない。例えば、ロータ軸113とロータ33との支持構造として、ロータ軸113とロータ33との間に転動体を介在させたボールスプライン構造を採用しても良い。同様に、ロータ軸113とサンギヤ40sとの支持構造として、内スプライン歯125,141および外スプライン歯126,142からなるスプライン構造を採用しているが、これに限られることはない。例えば、ロータ軸113とサンギヤ40sとの支持構造として、ロータ軸113とサンギヤ40sとの間に転動体を介在させたボールスプライン構造を採用しても良い。
【符号の説明】
【0050】
10 車両用駆動装置
11 車両
12 エンジン
17 後輪(車輪)
19 前輪(車輪)
33 ロータ
33a 端面
40s サンギヤ(第1ギヤ)
40p ピニオン(第2ギヤ)
41 動力伝達経路
42 動力伝達経路
80 制御システム
100 プロセッサ
101 メインメモリ(メモリ)
113 ロータ軸
124 電動アクチュエータ(アクチュエータ)
128 永久磁石
130 歯面
131 歯面
140s サンギヤ(第1ギヤ)
140p ピニオン(第2ギヤ)
143 ロータ軸
150 車両用駆動装置
MG2 モータジェネレータ(電動モータ)