(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087451
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】冷却具
(51)【国際特許分類】
A41D 13/005 20060101AFI20240624BHJP
A41D 13/05 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
A41D13/005 103
A41D13/05 131
A41D13/05 118
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202279
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】521132820
【氏名又は名称】株式会社TAT
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(72)【発明者】
【氏名】朴 晟濟
【テーマコード(参考)】
3B011
3B211
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AC01
3B011AC21
3B211AA01
3B211AC01
3B211AC21
(57)【要約】
【課題】人体の腹が冷却されることを低減しつつ、人体の胴を適切に冷却する。
【解決手段】人体の胴に装着される冷却具100であって、前身頃を形成する第1冷却具1と、後身頃を形成する第2冷却具2とを備える。第1冷却具1及び第2冷却具2のそれぞれは、保冷剤3と、保冷剤3を収容するパック4とによって形成される。第1冷却具1の下端12は、第2冷却具2の上端21よりも下方に配置され、且つ、第2冷却具2の下端22よりも上方に配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の胴に装着される冷却具であって、
前身頃を形成する第1冷却具と、
後身頃を形成する第2冷却具とを備え、
前記第1冷却具及び前記第2冷却具のそれぞれは、保冷剤と、前記保冷剤を収容するパックとによって形成され、
前記第1冷却具の下端は、前記第2冷却具の上端よりも下方に配置され、且つ、前記第2冷却具の下端よりも上方に配置される冷却具。
【請求項2】
請求項1に記載の冷却具において、
前記第1冷却具は、前記人体の腹に配置されず、前記人体の胸に配置され、
前記第2冷却具は、前記人体の背中に配置される冷却具。
【請求項3】
請求項1に記載の冷却具において、
前記第1冷却具の下端は、前記第2冷却具の下端よりも、前記第2冷却具の上下寸法の1/3以上上方に離れている冷却具。
【請求項4】
請求項1に記載の冷却具において、
前記第2冷却具の前記保冷剤の少なくとも一部は、前記第1冷却具の下端よりも下方に配置される冷却具。
【請求項5】
請求項1に記載の冷却具において、
前記第2冷却具の前記保冷剤の少なくとも一部は、前記第1冷却具の下端よりも上方に配置される冷却具。
【請求項6】
請求項1に記載の冷却具において、
前記第1冷却具及び前記第2冷却具のそれぞれの前記パックは、間隔をあけて並んで前記保冷剤を個別に収容する複数の収容室を有している冷却具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、冷却具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、人体の胴を冷却する冷却服が開示されている。冷却服は、胴の前面の略全体に亘る前身頃と、胴の後面の略全体に亘る後身頃とを備えている。前身頃及び後身頃のそれぞれの内部には、吸水材が設けられている。吸水材に吸収された水分が気化することによって、胴が冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述した冷却服では、人体の腹が必要以上に冷却される場合がある。そのため、腹痛、下痢又は食欲不振等の体調不良を生じさせる虞がある。
【0005】
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、人体の腹が冷却されることを低減しつつ、人体の胴を適切に冷却することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示された冷却具は、人体の胴に装着される冷却具であって、前身頃を形成する第1冷却具と、後身頃を形成する第2冷却具とを備え、前記第1冷却具及び前記第2冷却具のそれぞれは、保冷剤と、前記保冷剤を収容するパックとによって形成され、前記第1冷却具の下端は、前記第2冷却具の上端よりも下方に配置され、且つ、前記第2冷却具の下端よりも上方に配置される。
【発明の効果】
【0007】
前記冷却具は、人体の腹が冷却されることを低減しつつ、人体の胴を適切に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】
図4は、
図1のIV-IV線における冷却具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、冷却具100の正面図である。
図2は、冷却具100の背面図である。
図3は、冷却具100の側面図である。冷却具100は、人体の胴9に装着されて胴9を冷却する。なお、以下では、冷却具100について、冷却具100が装着される人体の方向を用いて説明する。すなわち、冷却具100が装着された人体の前を、「前」とする。「後」、「左」、「右」、「上」及び「下」についても同様である。
【0010】
冷却具100は、前身頃を形成して胴9の前面に沿って配置される第1冷却具1と、後身頃を形成して胴9の後面に沿って配置される第2冷却具2とを備えている。この例では、冷却具100は、第1冷却具1と第2冷却具2とを連結する肩掛けストラップ7をさらに備えている。冷却具100は、第1冷却具1と第2冷却具2とを連結する胴ストラップ8をさらに備えている。
【0011】
第1冷却具1及び第2冷却具2のそれぞれは、前後方向と交差する方向、詳しくは前後方向と略直交する方向に拡がった平板状に形成されている。すなわち、第1冷却具1及び第2冷却具2のそれぞれの厚さ方向は、前後方向と略一致する。
【0012】
図4は、
図1のIV-IV線における冷却具100の断面図である。第1冷却具1及び第2冷却具2のそれぞれは、保冷剤3と、保冷剤3を収容するパック4とによって形成されている。
【0013】
保冷剤3は、熱を吸収して固相から液相に変化するPCM(Phase Change Material)である。保冷剤3は、例えば、脂肪族炭化水素を含む。脂肪族炭化水素は、例えば、パラフィン又は脂肪族飽和炭化水素である。保冷剤3は、脂肪族炭化水素として、テトラデカン(C14H30)、ヘキサデカン(C16H34)及びオクタデカン(C18H38)のうち少なくとも1つを含んでもよい。保冷剤3は、テトラデカン、ヘキサデカン及びオクタデカンのうち1つだけ若しくは2つだけ含んでもよいし、全てを含んでもよい。保冷剤3は、脂肪族炭化水素に加えて、高吸水性樹脂(SAP:Super Absorbent Polymer)、水、アロマ、グラファイト(Graphite)、有機物又はミネラル等をさらに含み得る。保冷剤3の融点は、例えば、常温である。保冷剤3の融点は、5℃以上35℃以下であることが好ましく、15℃以上35℃以下であることがさらに好ましい。保冷剤3は、固相及び液相のとき、人体の熱を顕熱として吸収する。保冷剤3は、固相から液相へ変化するとき、人体の熱を潜熱、詳しくは融解熱として吸収する。尚、第1冷却具1の保冷剤3の物性と、第2冷却具2の保冷剤3の物性とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0014】
パック4は、可撓性を有している。パック4は、例えば、熱可塑性ポリウレタン(TPU:Thermoplastic Polyurethane)、ナイロン(Nylon)、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinylchloride)、ポリエチレン(PE:Polyethylene)及びポリプロピレン(PP:Polypropylene)等の樹脂のうち1つ又は複数の混合体から形成される。
【0015】
パック4は、保冷剤3を収容する複数の収容室43を有している。複数の収容室43のそれぞれは、密閉されている。すなわち、保冷剤3は、収容室43毎に個別に収容されている。複数の収容室43は、前後方向と交差する方向に並んでいる。具体的には、複数の収容室43は、上下方向及び左右方向に並んでいる。この例では、パック4の全体形状、収容室43の総数、収容室43の形状は、第1冷却具1と第2冷却具2とで異なる。第1冷却具1のパック4には、左右方向に並ぶ4つの収容室43の列が上下方向に4列配置されている。第2冷却具2のパック4には、左右方向に並ぶ4つの収容室43の列が、上下方向に6列配置されている。パック4には、パック4を前後方向に貫通する複数の通気孔44がさらに形成されてもよい。
【0016】
パック4は、2枚のシートを重ね合わせて互いに接合することによって形成されている。具体的には、パック4は、前後方向において重なり合う第1シート41及び第2シート42を有している。第1シート41の外周縁と第2シート42の外周縁とは、重なり合っている。第1冷却具1と第2冷却具2とは、互いの第1シート41を向かい合わせにして配置される。
【0017】
第1シート41は平坦である。一方、第2シート42には、第1シート41とは反対の方へ凹んだ複数の凹部42aが形成されている。各凹部42aの第1シート41側の開口は、第1シート41によって閉塞されている。第1シート41と第2シート42とは、各凹部42aが第1シート41によって密閉されるように互いに接合されている。具体的には、第2シート42のうち凹部42aを除く部分、即ち、第2シート42の外周縁及び隣り合う凹部42aの間の部分は、第1シート41に接合されている。第1シート41と第2シート42との接合は、例えば、熱溶着によって実現される。尚、
図4では、パック4において接合された部分の境界が実線で示されているが、実際には接合された部分の境界は明確に現れなくてもよい。収容室43は、凹部42aと第1シート41とによって形成されている。
【0018】
肩掛けストラップ7は、人体の肩に掛けられる。この例では、冷却具100は、一対の肩掛けストラップ7を有している。一対の肩掛けストラップ7は、左右方向に離間している。肩掛けストラップ7は、第1冷却具1の上部(詳しくは、第1冷却具1のパック4の上端)と第2冷却具2の上部(詳しくは、第2冷却具2のパック4の上端)とを連結している。肩掛けストラップ7は、肩掛けストラップ7の長さを調整するための長さ調節具71を有してもよい。長さ調節具71は、例えば、環、バックル又は面ファスナである。後述する長さ調節具81も同様である。
【0019】
胴ストラップ8は、胴9の周囲に配置される。この例では、冷却具100は、一対の胴ストラップ8を有している。一対の胴ストラップ8は、第1冷却具1及び第2冷却具2の側部に配置されている。一方の胴ストラップ8は、第1冷却具1の左部(詳しくは、第1冷却具1のパック4の左端)と第2冷却具2の左部(詳しくは、第2冷却具2のパック4の左端)とを連結している。他方の胴ストラップ8は、第1冷却具1の右部(詳しくは、第1冷却具1のパック4の右端)と第2冷却具2の右部(詳しくは、第2冷却具2のパック4の右端)とを連結している。胴ストラップ8は、胴ストラップ8の長さを調整するための長さ調節具81を有してもよい。
【0020】
冷却具100は、例えば以下に示すように胴9に装着される。すなわち、ユーザの頭部を第1冷却具1と第2冷却具2との間と、左右の肩掛けストラップ7の間とに順に通して冷却具100の外側に出す。ユーザの左腕を左の肩掛けストラップ7と左の胴ストラップ8との間から冷却具100の外側に出す。ユーザの右腕を右の肩掛けストラップ7と右の胴ストラップ8との間から冷却具100の外側に出す。こうして冷却具100が胴9に装着される。冷却具100が胴9に装着されることにより、第1冷却具1によって胴9の前部が冷却され、第2冷却具2によって胴の後部が冷却される。尚、肩掛けストラップ7の長さ及び胴ストラップ8の長さは、ユーザの体格等に応じて適宜調節される。
【0021】
続いて、第1冷却具1及び第2冷却具2の構成について、さらに詳しく説明する。第1冷却具1の下端12は、第2冷却具2の上端21よりも下方に配置され、且つ、第2冷却具2の下端22よりも上方に配置される。ここで、第1冷却具1の上端11は、第1冷却具1の保冷剤3の最上端を実質的に意味する。例えば、第1冷却具1において複数の収容室43に保冷剤3が収容されている場合には、その中で最も上に位置する収容室43に収容される保冷剤3の最上端が第1冷却具1の上端11である。第1冷却具1の下端12は、第1冷却具1の保冷剤3の最下端を実質的に意味する。例えば、第1冷却具1において複数の収容室43に保冷剤3が収容されている場合には、最も下に位置する収容室43に収容される保冷剤3の最下端が、第1冷却具1の下端12である。第2冷却具2の上端21は、第2冷却具2の保冷剤3の最上端を実質的に意味する。例えば、第2冷却具2において複数の収容室43に保冷剤3が収容されている場合には、その中で最も上に位置する収容室43に収容される保冷剤3の最上端が、第2冷却具2の上端21である。第2冷却具2の下端22は、第2冷却具2の保冷剤3の最上端を実質的に意味する。例えば、第2冷却具2において複数の収容室43に保冷剤3が収容されている場合には、最も下に位置する収容室43に収容される保冷剤3の最下端が、第2冷却具2の下端22である。
【0022】
詳しくは、第1冷却具1の上下寸法L1(即ち上下方向における上端11から下端12までの距離)は、第2冷却具2の上下寸法L2(即ち上下方向における上端21から下端22までの距離)よりも短い。第1冷却具1の上端11と第2冷却具2の上端21とが同じ高さに位置する場合、第1冷却具1の下端12は、上下方向において、第2冷却具2の上端21と下端22との間に配置される。例えば、第1冷却具1の上下寸法L1は、第2冷却具2の上下寸法L2の2/3以下である。第1冷却具1の上下寸法L1は、第2冷却具2の上下寸法L2の1/3以上である。第1冷却具1の左右寸法と、第2冷却具2の左右寸法とは、略同じである。第1冷却具1の厚さと第2冷却具2の厚さとは、略同じである。
【0023】
より具体的には、第1冷却具1は、横長の形状を有している。すなわち、第1冷却具1の上下寸法L1は、第1冷却具1の左右寸法よりも短い。第2冷却具2は、縦長の形状を有している。すなわち、第2冷却具2の上下寸法L2は、第2冷却具2の左右寸法よりも長い。
【0024】
冷却具100が胴9に装着されると、第1冷却具1は胸91に配置され、第2冷却具2は背中93に配置される。具体的には、第1冷却具1は、胴9の前面のうち腹92よりも上方の部分に配置され、腹92には配置されない。第2冷却具2は、背中の下部(即ち腰)と背中の上部(即ち腰よりも上方の部分)とに亘って配置される。
【0025】
より具体的には、第1冷却具1の第1シート41は、胸91に沿う。第1冷却具1の第2シート42は、胸91とは反対側に面する。第2冷却具2の第1シート41は、背中93に沿う。第2冷却具2の第2シート42は、背中93とは反対側に面する。第1冷却具1の上端11と、第2冷却具2の上端21とは、略同じ高さに配置される。第1冷却具1の下端12は、第2冷却具2の上端21よりも下方に配置される。第1冷却具1の下端12は、第2冷却具2の下端22よりも上方に配置される。第1冷却具1の下端12は、第2冷却具2の下端22よりも、第2冷却具2の上下寸法L2の1/3以上上方に離れる。第2冷却具2の保冷剤3の一部は、第1冷却具1の下端12よりも上方に位置する。第2冷却具2の保冷剤3の他の一部は、第1冷却具1の下端12よりも下方に位置する。
【0026】
ここで、第1冷却具1の下端12は、第2冷却具2の下端22よりも上方に位置し、第1冷却具1は、腹92に配置されない。そのため、冷却具100によって腹92が冷却されにくい。したがって、ユーザの腹が冷却されることを低減しつつ、胴9を適切に冷却できる。
【0027】
さらに、第1冷却具1の下端12は、第2冷却具2の下端22よりも、第2冷却具2の上下寸法L2の1/3以上上方に離れている。そのため、冷却具100によって腹92が冷却されることを一層低減できる。
【0028】
加えて、第2冷却具2の保冷剤3の一部は、第1冷却具1の下端12よりも下方に配置される。そのため、第2冷却具2によって背中93の下部を冷却することができる。したがって、ユーザの腹が冷却されることを低減しつつ、冷却具100によって胴9を一層冷却できる。
【0029】
加えて、第2冷却具2の保冷剤3の一部は、第1冷却具1の下端12よりも上方に配置される。そのため、第2冷却具2によって、背中のうち腰よりも上方の部分を冷却することができる。したがって、ユーザの腹が冷却されることを低減しつつ、冷却具100によって胴9を一層冷却できる。
【0030】
また、第1冷却具1及び第2冷却具2のそれぞれのパック4は、間隔をあけて並んだ複数の収容室43を有しており、パック4のうち隣り合う収容室43の間の部分には、保冷剤3が存在しない。そのため、パック4のうち隣り合う収容室43の間の部分は、保冷剤3が収容された収容室43と比べて曲がりやすい部分になる。したがって、第1冷却具1及び第2冷却具2のそれぞれを胴9に形状に沿って容易に変形させることができる。そのため、冷却具100によって胴9を一層冷却することができる。
【0031】
続いて、変形例の冷却具200について説明する。
図5は、変形例の冷却具200の斜視図である。冷却具200は、第1冷却具1と第2冷却具2とが一体化していることが冷却具100と異なる。尚、冷却具200の基本的な構成については、冷却具100と同じであるため説明を省略する。
【0032】
冷却具200は、肩掛けストラップ7を備えていない。第1冷却具1の上部と第2冷却具2の上部とは、接続されている。具体的には、第1冷却具1のパック4の上端と第2冷却具2の上端とは、連続している。これにより、第1冷却具1と第2冷却具2とが一体化している。第1冷却具1と第2冷却具2との接続部分が人体の肩に掛けられて、冷却具200が胴9に装着される。
【0033】
この例では、第1冷却具1と第2冷却具2とが一体化している。例えば、第1冷却具1の第1シート41と第2冷却具2の第1シート41とは、1枚のシートである。第1冷却具1の第2シート42と第2冷却具2の第2シート42とは、1枚のシートである。そのため、第1シート41と第2シート42の2枚のシートを重ね合わせて互いに接合することによって、第1冷却具1のパック4と第2冷却具2のパック4とを容易に製造することができる。また、第1冷却具1の上部と第2冷却具2の上部とが接続されることにより、肩掛けストラップ7を省略できる。
【0034】
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0035】
例えば、第1冷却具1の上下寸法L1は、第2冷却具2の上下寸法L2の2/3を超えてもよい。第1冷却具1の上下寸法L1は、第2冷却具2の上下寸法L2の1/3未満であってもよい。第1冷却具1及び第2冷却具2のそれぞれのパック4の形状、大きさ、材質等は限定されない。第1冷却具1及び第2冷却具2のそれぞれの保冷剤3の材質等は限定されない。
【0036】
第2冷却具2の保冷剤3は、第1冷却具1の下端12よりも下方にのみ配置されてもよい。すなわち、第2冷却具2の保冷剤3は、少なくとも第1冷却具1の下端12よりも下方に配置されていればよい。
【0037】
肩掛けストラップ7及び胴ストラップ8のそれぞれは、省略可能である。
【0038】
本開示の技術をまとめると、以下のようになる。
【0039】
[1] 人体の胴9に装着される冷却具100,200であって、前身頃を形成する第1冷却具1と、後身頃を形成する第2冷却具2とを備え、前記第1冷却具1及び前記第2冷却具2のそれぞれは、保冷剤3と、前記保冷剤3を収容するパック4とによって形成され、前記第1冷却具1の下端12は、前記第2冷却具2の上端21よりも下方に配置され、且つ、前記第2冷却具2の下端22よりも上方に配置される。
【0040】
この構成によれば、第1冷却具1及び第2冷却具2によって胴9を冷却することができる。しかも、第1冷却具1の下端12は、第2冷却具2の下端22よりも上方に位置するため、第1冷却具1によって腹92が冷却されにくく、体調不良が生じ難い。したがって、胴9を適切に冷却できる。
【0041】
[2] [1]に記載の冷却具100,200において、前記第1冷却具1は、前記人体の腹92に配置されず、前記人体の胸91に配置され、前記第2冷却具2は、前記人体の背中93に配置される。
【0042】
この構成によれば、冷却具100,200によって腹92が冷却されることを一層低減できる。
【0043】
[3] [1]又は[2]に記載の冷却具100,200において、前記第1冷却具1の下端12は、前記第2冷却具2の下端22よりも、前記第2冷却具2の上下寸法L2の1/3以上上方に離れている。
【0044】
この構成によれば、冷却具100,200によって腹92が冷却されることを一層低減できる。
【0045】
[4] [1]乃至[3]のいずれか1つに記載の冷却具100,200において、前記第2冷却具2の前記保冷剤3の少なくとも一部は、前記第1冷却具1の下端12よりも下方に配置される。
【0046】
この構成によれば、第2冷却具2によって背中93の下部を冷却でき、冷却具100,200によって胴9を一層冷却できる。
【0047】
[5] [1]乃至[4]のいずれか1つに記載の冷却具において、前記第2冷却具2の前記保冷剤3の少なくとも一部は、前記第1冷却具1の下端12よりも上方に配置される。
【0048】
この構成によれば、第2冷却具2によって背中93の上部を冷却でき、冷却具100,200によって胴9を一層冷却できる。
【0049】
[6] [1]乃至[5]のいずれか1つに記載の冷却具100において、前記第1冷却具1及び前記第2冷却具2のそれぞれの前記パック4は、間隔をあけて並んで前記保冷剤3を個別に収容する複数の収容室43を有している。
【0050】
この構成によれば、第1冷却具1及び第2冷却具2のそれぞれのパック4のうち隣り合う収容室43の間の部分は、保冷剤3が存在せず、保冷剤3が収容された収容室43と比べて曲がりやすい部分になる。そのため、第1冷却具1及び第2冷却具2のそれぞれは、胴9に形状に沿って変形しやすい。したがって、第1冷却具1及び第2冷却具2によって胴9を一層冷却できる。
【符号の説明】
【0051】
100,200 冷却具
1 第1冷却具
12 第1冷却具の下端
2 第2冷却具
21 第2冷却具の上端
22 第2冷却具の下端
3 保冷剤
4 パック
43 収容室
9 胴
91 胸
92 腹
93 背中
L2 第2冷却具の上下寸法
【手続補正書】
【提出日】2023-07-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の胴に装着される冷却具であって、
前身頃を形成する第1冷却具と、
後身頃を形成する第2冷却具とを備え、
前記第1冷却具及び前記第2冷却具のそれぞれは、保冷剤と、前記保冷剤を取り出し不能に収容するパックとによって形成され、
前記第1冷却具の下端は、前記第2冷却具の上端よりも下方に配置され、且つ、前記第2冷却具の下端よりも上方に配置され、
前記第1冷却具の下端は、前記第2冷却具の下端よりも、前記第2冷却具の上下寸法の1/3以上上方に離れている冷却具。
【請求項2】
請求項1に記載の冷却具において、
前記第1冷却具は、前記人体の腹に配置されず、前記人体の胸に配置され、
前記第2冷却具は、前記人体の背中に配置される冷却具。
【請求項3】
請求項1に記載の冷却具において、
前記第2冷却具の前記保冷剤の少なくとも一部は、前記第1冷却具の下端よりも下方に配置される冷却具。
【請求項4】
請求項1に記載の冷却具において、
前記第2冷却具の前記保冷剤の少なくとも一部は、前記第1冷却具の下端よりも上方に配置される冷却具。
【請求項5】
請求項1に記載の冷却具において、
前記第1冷却具及び前記第2冷却具のそれぞれの前記パックは、間隔をあけて並んで前記保冷剤を個別に収容する複数の収容室を有している冷却具。