(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087486
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】空調システム、通知方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/49 20180101AFI20240624BHJP
F24F 11/52 20180101ALI20240624BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20240624BHJP
F24F 11/58 20180101ALI20240624BHJP
【FI】
F24F11/49
F24F11/52
F24F11/64
F24F11/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202332
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 聖哉
(72)【発明者】
【氏名】山本 真大
(72)【発明者】
【氏名】高木 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】鍋島 雅貴
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA37
3L260BA44
3L260BA61
3L260BA64
3L260BA73
3L260CB69
3L260CB70
3L260CB86
3L260DA11
3L260EA01
3L260EA06
3L260EA19
3L260FA20
3L260GA15
3L260GA17
3L260GA19
3L260JA15
3L260JA18
(57)【要約】
【課題】空調システムにおいて、試運転が必要な空調機を操作する操作端末に、選択的に試運転を促す情報を表示させる。
【解決手段】空調システムは、空調機と制御部とを備え、前記制御部は、前記空調機の運転履歴情報に基づいて、前記空調機を操作する操作端末に前記空調機の試運転を促す情報を表示させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調機と制御部とを備え、
前記制御部は、前記空調機の運転履歴情報に基づいて、前記空調機を操作する操作端末に前記空調機の試運転を促す情報を表示させる、
空調システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記運転履歴情報に基づいて、前記試運転が必要な空調機を特定し、
前記試運転が必要な空調機を操作する前記操作端末に、前記試運転を促す情報を表示させる、
請求項1に記載の空調システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記運転履歴情報に基づいて、前記試運転に適した時期を特定し、
前記試運転に適した時期に、前記操作端末に前記試運転を促す情報を表示させる、
請求項1に記載の空調システム。
【請求項4】
前記試運転を促す情報は、前記運転履歴情報に基づいて通知されたことを示す情報を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空調システム。
【請求項5】
前記試運転を促す情報は、前記空調機が、前記試運転で実行する運転内容を示す情報を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空調システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記空調機の停止期間の情報に基づいて、前記操作端末に前記試運転を促す情報を表示させる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空調システム。
【請求項7】
前記空調機は、前記空調機を通信ネットワークに接続する通信部を備え、
前記通信部は、
前記空調機の前記運転履歴情報を前記制御部に送信し、
前記制御部から送信される前記試運転を促す情報を前記操作端末に送信する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空調システム。
【請求項8】
前記通信部は、前記制御部からの要求に応じて、前記空調機の前記運転履歴情報を前記制御部に送信する、請求項7に記載の空調システム。
【請求項9】
前記空調システムは、前記試運転を促す情報を表示する前記操作端末を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空調システム。
【請求項10】
前記操作端末は、前記空調機に設定済のスケジュールと前記試運転とのいずれを優先するかを選択する選択画面をさらに表示する、請求項9に記載の空調システム。
【請求項11】
前記操作端末は、前記空調機が前記試運転を実行中に、前記試運転を実行中であることを示す表示画面を表示する、請求項9に記載の空調システム。
【請求項12】
前記操作端末は、前記空調機が前記試運転を実行中に、ユーザが行うべきチェック内容を表示する、請求項9に記載の空調システム。
【請求項13】
前記操作端末は、
前記空調機が前記試運転を実行中に、ユーザによるチェック結果を入力する表示画面を表示し、
前記表示画面に入力された前記チェック結果を前記制御部に通知する、
請求項9に記載の空調システム。
【請求項14】
前記操作端末は、前記空調機が前記試運転を実行中に、前記試運転のキャンセル操作を受け付ける表示要素を表示する、請求項9に記載の空調システム。
【請求項15】
前記操作端末は、
前記空調機を複数登録可能であり、
前記空調機ごとに前記試運転の実行履歴を表示可能である、
請求項9に記載の空調システム。
【請求項16】
前記運転履歴情報は、前記試運転の実行履歴を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空調システム。
【請求項17】
前記運転履歴情報は、前記空調機の消費電力量の情報を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空調システム。
【請求項18】
前記制御部は、
前記運転履歴情報の代表値を算出し、
前記代表値と閾値との比較結果に基づいて、予め設定された所定期間に前記試運転を促す情報を、前記操作端末に表示させる、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の空調システム。
【請求項19】
空調機と制御部とを有する空調システムにおいて、
前記制御部が、前記空調機の運転履歴情報に基づいて、前記空調機を操作する操作端末に試運転を促す情報を表示させる、
通知方法。
【請求項20】
空調機と制御部とを有する空調システムにおいて、
前記制御部に、前記空調機の運転履歴情報に基づいて、前記空調機を操作する操作端末に試運転を促す情報を表示させる処理を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空調システム、通知方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
空調機を本格的に使い始める前の時期に、例えば、空調機が故障していないか、又は問題なく動作するか等を確認するために、空調機を試験的に運転する試運転を行うことが知られている。
【0003】
また、中間期における保守作業者の作業負担を分散するために、サーバが、複数の空調機を複数のグループに分類し、グループに分類した空調機の試運転に関わる情報を、空調機に対応する端末装置に通知する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術によれば、例えば、中間期に空調機の試運転を促す情報を、複数の空調機に対応する複数の端末装置に分散して通知することができる。
【0006】
しかし、実際には、サーバ装置が管理する全ての空調機が、所定の中間期に試運転が必要であるとは限らない。従って、従来の技術では、実際には試運転が必要ではない空調機に対応する端末装置にも、試運転を促すメッセージが通知されてしまうという問題がある。
【0007】
本開示は、空調システムにおいて、試運転が必要な空調機を操作する操作端末に、選択的に試運転を促す情報を表示させる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様に係る空調システムは、空調機と制御部とを備え、前記制御部は、前記空調機の運転履歴情報に基づいて、前記空調機を操作する操作端末に前記空調機の試運転を促す情報を表示させる。
【0009】
本開示の第1の態様によれば、空調システムにおいて、試運転が必要な空調機を操作する操作端末に、選択的に試運転を促す情報を表示させることができる。
【0010】
本開示の第2の態様は、第1の態様に記載の空調システムであって、前記制御部は、前記運転履歴情報に基づいて、前記試運転が必要な空調機を特定し、前記試運転が必要な空調機を操作する前記操作端末に、前記試運転を促す情報を表示させる。
【0011】
本開示の第3の態様は、第1の態様に記載の空調システムであって、前記制御部は、前記運転履歴情報に基づいて、前記試運転に適した時期を特定し、前記試運転に適した時期に、前記操作端末に前記試運転を促す情報を表示させる。これにより、空調システムは、例えば、試運転が必要なときに、試運転が必要な空調機を操作する操作端末に試運転を促す情報を表示させることができる。
【0012】
本開示の第4の態様は、第1~第3の態様のいずれかに記載の空調システムであって、前記試運転を促す情報は、前記運転履歴情報に基づいて通知されたことを示す情報を含む。これにより、空調機を利用するユーザは、試運転を促す情報がなぜ表示されたのかを知ることができる。
【0013】
本開示の第5の態様は、第1~第4の態様のいずれかに記載の空調システムであって、前記試運転を促す情報は、前記空調機が、前記試運転で実行する運転内容を示す情報を含む。これにより、空調機を利用するユーザは、試運転を行うか否か等を判断することが容易になる。
【0014】
本開示の第6の態様は、第1~第5の態様のいずれかに記載の空調システムであって、前記制御部は、前記空調機の停止期間の情報に基づいて、前記操作端末に前記試運転を促す情報を表示させる。
【0015】
本開示の第7の態様は、第1~第6の態様のいずれかに記載の空調システムであって、前記空調機は、前記空調機を通信ネットワークに接続する通信装置を備え、前記通信装置は、前記空調機の前記運転履歴情報を前記制御部に送信し、前記制御部から送信される前記試運転を促す情報を前記操作端末に送信する。
【0016】
本開示の第8の態様は、第7の態様に記載の空調システムであって、前記通信装置は、前記制御部からの要求に応じて、前記空調機の前記運転履歴情報を前記制御部に送信する。
【0017】
本開示の第9の態様は、第1~第8の態様のいずれかに記載の空調システムであって、前記空調システムは、前記試運転を促す情報を表示する前記操作端末を含む。
【0018】
本開示の第10の態様は、第1~9の態様のいずれかに記載の空調システムであって、前記操作端末は、前記空調機に設定済のスケジュールと前記試運転とのいずれを優先するかを選択する選択画面をさらに表示する。これにより、空調機を利用するユーザは、設定済のスケジュールを優先するか、試運転を優先するかを選択することができる。
【0019】
本開示の第11の態様は、第1~10の態様のいずれかに記載の空調システムであって、前記操作端末は、前記空調機が前記試運転を実行中に、前記試運転を実行中であることを示す表示画面を表示する。
【0020】
本開示第12の態様は、第1~第11の態様のいずれかに記載の空調システムであって、前記操作端末は、前記空調機が前記試運転を実行中に、ユーザが行うべきチェック内容を表示する。これにより、空調機を利用するユーザは、空調機の操作マニュアル等がなくても、試運転に関するチェックを行うことができる。
【0021】
本開示の第13の態様は、第1~第12の態様のいずれかに記載の空調システムであって、前記操作端末は、前記空調機が前記試運転を実行中に、ユーザによるチェック結果を入力する入力画面を表示し、前記入力画面に入力された前記チェック結果を前記制御部に通知する。
【0022】
本開示の第14の態様は、第1~第13の態様のいずれかに記載の空調システムであって、前記操作端末は、前記空調機が前記試運転を実行中に、前記試運転のキャンセル操作を受け付ける表示要素を表示する。
【0023】
本開示の第15の態様は、第1~第14の態様のいずれかに記載の空調システムであって、前記操作端末は、前記空調機を複数登録可能であり、前記空調機ごとに前記試運転の実行履歴を表示可能である。
【0024】
本開示の第16の態様は、第1~第15の態様のいずれかに記載の空調システムであって、前記運転履歴情報は、前記試運転の実行履歴を含む。
【0025】
本開示の第17の態様は、第1~第16の態様のいずれかに記載の空調システムであって、前記運転履歴情報は、前記空調機の消費電力量の情報を含む。
【0026】
本開示の第18の態様は、第1~第17の態様のいずれかに記載の空調システムであって、前記制御部は、前記運転履歴情報の代表値を算出し、前記代表値と閾値との比較結果に基づいて、予め設定された所定期間に前記試運転を促す情報を、前記操作端末に表示させる。
【0027】
本開示の第19の態様に係る通知方法は、空調機と制御部とを有する空調システムにおいて、前記制御部が、前記空調機の運転履歴情報に基づいて、前記空調機を操作する操作端末に試運転を促す情報を表示させる。
【0028】
本開示の第20の態様に係るプログラムは、空調機と制御部とを有する空調システムにおいて、前記制御部に、前記空調機の運転履歴情報に基づいて、前記空調機を操作する操作端末に試運転を促す情報を表示させる処理を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本実施形態に係る空調システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る空調システムのシステム構成の別の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る空調システムの処理の概要について説明するための図である。
【
図4】本実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
【
図5】実施例1に係る試運転の判定処理の例を示すフローチャートである。
【
図6】実施例1に係る空調システムの処理の例を示すシーケンス図である。
【
図7】本実施形態に係る表示画面の例を示す図(1)である。
【
図8】本実施形態に係る表示画面の例を示す図(2)である。
【
図9】本実施形態に係る表示画面の例を示す図(3)である。
【
図10】実施例1に係る操作端末の表示処理の例を示すフローチャートである。
【
図11】本実施形態に係る表示画面の例を示す図(4)である。
【
図12】本実施形態に係る表示画面の例を示す図(5)である。
【
図13】実施例2係る判定処理の例を示すフローチャートである。
【
図14】実施例3に係る空調システムの処理の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本開示の実施形態(本実施形態)について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0031】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る空調システムのシステム構成の一例を示す図である。
図1の例では、空調システム1は、サーバ装置10、ルーター20、空調機30a、30b、・・・、通信部40a、40b、・・・、及び操作端末100等を含む。なお、以下の説明において、空調機30a、30b、・・・のうち、任意の空調機を示す場合、「空調機30」を用いる。また、通信部40a、40b、・・・のうち、任意の通信部を示す場合、「通信部40」を用いる。
【0032】
空調機30は、例えば、空調システム(空気調和システム)の室内機であり、空調機30に接続された通信部40を介して、サーバ装置10、又は空調機30を操作する操作端末100等と通信可能である。空調機30は、例えば、操作端末100からの操作に応じて、空気調和の対象となる空間に対する冷房運転、暖房運転、又は除湿運転等を実行する。
【0033】
通信部40は、空調機30に、例えば、無線LAN(Local Area Network)通信等の通信機能を追加するための無線LANアダプタ等の無線通信装置である。通信部40は、例えば、無線LAN通信のステーション(STA: Station)として機能し、無線LAN通信のアクセスポイント(AP: Access Point)であるルーター20を介して、空調機30を通信ネットワーク2に接続する。
【0034】
なお、通信部40は、無線LAN通信とは異なる無線通信方式で、空調機30を通信ネットワーク2に接続するものであってもよい。さらに、通信部40は、無線通信に限られず、有線通信で、空調機30を通信ネットワーク2に接続する有線通信装置であってもよい。ここでは、通信部40が、無線LAN通信で、空調機30を通信ネットワーク2に接続するものとして、以下の説明を行う。
【0035】
ルーター20は、例えば、無線LAN通信のアクセスポイントの機能を有し、アクセスポイントに接続する通信部40を通信ネットワーク2に接続する。また、ルーター20は、ルーター20のアクセスポイントに接続する操作端末100と、通信部40との間の通信を中継する。
【0036】
操作端末100は、例えば、スマートフォン、又はタブレット端末等の情報端末である。操作端末100は、操作端末100が備える制御部で、空調システム1に対応するアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)を実行することにより、操作端末100に対応する空調機30を操作(又は設定)する操作端末として機能する。また、操作端末100は、LTE(Long Term Evolution)、又は5G(5th Generation)等の無線WAN(Wide Area Network)通信3で通信ネットワーク2に接続し、サーバ装置10経由で空調機30を操作する。また、操作端末100は、無線LAN通信でルーター20に接続している場合、サーバ装置10を経由せずに、空調機30の操作を行えるものであってもよい。ここでは、操作端末100が、サーバ装置10を経由して、空調機30を操作するものとして、以下の説明を行う。
【0037】
サーバ装置10は、例えば、コンピュータの構成を備えた情報処理装置、又は複数のコンピュータで構成されるシステムであり、空調システム1に含まれる複数の空調機30a、30b、・・・を制御する。また、本実施形態に係るサーバ装置10は、空調機30の運転履歴情報に基づいて、空調機30を操作する操作端末100に、当該空調機30の試運転を促す情報を表示させる機能を有している。
【0038】
図2は、本実施形態に係る空調システムのシステム構成の別の一例を示す。
図2の例では、空調機30は、通信部40を有しており、通信部40を介して、サーバ装置10、又は空調機30等と通信可能である。このように、通信部40は、空調機30の内部に設けられていてもよい。ここでは、
図1に示すように、通信部40が、空調機30の外部に設けられているものとして、以下の説明を行う。
【0039】
(処理の概要)
図3は、本実施形態に係る空調システムの処理の概要について説明するための図である。サーバ装置10は制御部を備え、制御部は、空調機30の運転履歴情報に基づいて、空調機30を操作する操作端末100に、空調機30の試運転を促す情報を表示させる機能を有している。
【0040】
ここで、制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、所定のプログラムを実行することにより、サーバ装置10が備える様々な機能を実現する。なお、制御部は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の他のデバイスであってもよい。
【0041】
また、試運転は、空調機30が故障していないか、又は問題なく動作するか等を確認するために、空調機30を試験的に運転することである。例えば、夏季が近づき気温が上がると、複数の空調機30で一斉に冷房運転が行われる。しかし、この時期に、空調機30に問題が見つかると、修理、又は設置等の依頼が集中するため、例えば、修理、又は設置等の対応に時間を要する場合がある。
【0042】
そこで、例えば、特許文献1に示すような従来の技術では、冷房運転が行われる期間(以下、冷房期と呼ぶ)と、暖房運転を行われる期間(以下、暖房期と呼ぶ)との間の中間期に、空調機を操作する操作端末に、試運転を促す情報を操作端末に通知している。
【0043】
しかし、実際には、サーバ装置10が管理する全ての空調機30が、中間期に試運転が必要とは限らない。従って、従来の技術では、実際には試運転が必要ではない空調機を操作する操作端末にも、試運転を促すメッセージが通知されてしまうという問題がある。
【0044】
そこで、本実施形態に係る制御部は、空調機30の運転履歴情報に基づいて、試運転が必要な空調機30を操作する操作端末100に、空調機30の試運転を促す情報を表示させる。
図2の例では、操作端末100は、待ち受け画面310に、サーバ装置10の制御部からの空調機30の試運転を促す情報を表示するプッシュ通知311を表示している。
【0045】
ここで、空調機30の運転履歴情報には、例えば、空調機30の消費電力量、空調機30の発信、停止回数(以下、発停回数と呼ぶ)、空調機30の圧縮機の周波数、空調機30の室内機のファンモータの回転数、又はサーモスタットのON、OFF回数等が含まれる。
【0046】
例えば、サーバ装置10の制御部は、空調機30の運転履歴情報を参照して、空調機30の所定の期間の消費電力量が少ない場合、所定の期間、空調機30を使用していないと判断し、試運転を促す情報を操作端末100に表示させる。なお、空調機30の所定の期間の消費電力量は、空調機30の停止期間の情報の一例である。例えば、サーバ装置10の制御部は、運転履歴情報から空調機30の停止期間を特定する他の情報を取得可能である場合、空調機30の停止期間が所定の期間以上である場合に、試運転を促す情報を操作端末100に表示させてもよい。
【0047】
また、サーバ装置10の制御部は、所定の期間の発停回数が所定値より少ないとき、又は圧縮機周波数の日ごとの平均値が所定値より低いとき等に、試運転を促す情報を操作端末100に表示させてもよい。さらに、サーバ装置10の制御部は、室内機のファンモータの回転数の日ごとの平均値が所定値より低いとき、又はサーモスタットのON、OFF回数が所定値より少ないとき等に、試運転を促す情報を操作端末100に表示させてもよい。
【0048】
好ましくは、サーバ装置10の制御部が、操作端末100に表示させる試運転を促す情報は、空調機30の運転履歴情報に基づいて通知されたことを示す情報を含む。
図2の例では、操作端末100が表示するプッシュ通知311には、運転履歴情報の一例である消費電力(消費電力量)に基づいて、プッシュ通知311が行われたことが示されている。
【0049】
また、ユーザが、操作端末100に表示されたプッシュ通知を選択すると、操作端末100は、空調システム1に対応するアプリ(以下、エアコンアプリと呼ぶ)を起動して、例えば、
図2に示すようなアプリ画面320を、操作端末100に表示する。
図2の例では、アプリ画面320には、試運転の説明を表示するための「試運転とは?」ボタン321、及び空調機30の試運転を開始するための「試運転開始」ボタン322が表示されている。
【0050】
このように、空調システム1の制御部は、運転履歴情報に基づいて、例えば、試運転が必要な空調機30を特定し、試運転が必要な空調機30に、空調機30の試運転を促す情報を表示させる。従って、本実施形態によれば、空調システム1において、試運転が必要な空調機30を操作する操作端末100に、選択的に試運転を促す情報を表示させることができる。
【0051】
なお、試運転が必要な空調機30を操作する操作端末100に、試運転を促す情報を表示させる処理は、例えば、操作端末100が備える制御部が実行してもよい。
【0052】
<ハードウェア構成>
サーバ装置10、操作端末100、通信部40、及び空調機30は、例えば、
図4に示すようなコンピュータ400のハードウェア構成を有している。
図4は本実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ400は、例えば、制御部401、メモリ402、ストレージデバイス403、通信装置404、出力装置405、入力装置406、ドライブ装置407、及びバス409等を有している。
【0053】
制御部401は、例えば、ストレージデバイス403、又はメモリ402等の記憶媒体に記憶した所定のプログラムを実行することにより、様々な機能を実現するCPU等のプロセッサである。なお、制御部401は、CPU以外にも、GPU(Graphics Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサを含んでいてもよい。
【0054】
メモリ402は、例えば、制御部401のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリであるRAM(Random Access Memory)、及び制御部401の起動用のプログラム等を記憶する不揮発性のメモリであるROM(Read Only Memory)等を含む。ストレージデバイス403は、OS(Operating System)、アプリケーション等のプログラム、及び各種のデータ等を記憶する不揮発性の大容量の記憶装置である。
【0055】
通信装置404は、他の装置と通信するための様々な通信インタフェースを含む。例えば、コンピュータ400がサーバ装置10である場合、通信装置404には、NIC(Network Interface Card)等が含まれる。コンピュータ400が操作端末100である場合、通信装置404には、無線WAN通信、及び無線LAN通信を行う無線通信インタフェース等が含まれる。コンピュータ400が、例えば、
図1に示すように、空調機30の外部に接続された通信部40である場合、通信部40には、無線LAN通信を行う無線通信インタフェース、及び空調機30と通信するための有線通信インタフェース等が含まれる。コンピュータ400が、例えば、
図2に示すように、通信部40を含む空調機30である場合、通信装置404は、通信部40として無線LAN通信を行う。この場合、通信部40は、コンピュータ400の構成を有していなくてもよい(有していてもよい)。
【0056】
出力装置405は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、又はLED(Light Emitting Diode)等の外部へ出力を行う出力デバイスである。入力装置406は、例えば、タッチパネル、キーボード、又はポインティングデバイス等の外部からの入力を受け付ける入力デバイスである。なお、出力装置405と入力装置406は、例えば、タッチパネルディスプレイ等、出力装置405と入力装置406が一体化された表示入力デバイスであってもよい。
【0057】
ドライブ装置407は、記憶媒体(記録媒体)408をコンピュータ400に接続するためのデバイスである。ここでいう記憶媒体408には、例えば、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記憶媒体408には、例えば、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。バス409は、上記の各構成要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号、及び各種の制御信号等を伝送する。
【0058】
<処理の流れ>
続いて、本実施形態に係る通知方法の処理の流れについて説明する。
【0059】
[実施例1]
(試運転の判定処理)
図4は、実施例1に係る試運転の判定処理の例を示すフローチャートである。この処理は、サーバ装置10が備える制御部401が、空調機30を操作する操作端末100に、試運転を促す情報を表示させるか否かを判定する試運転の判定処理の例を示している。なお、操作端末100が複数の空調機30を操作可能である場合、制御部401は、操作端末100が操作可能な複数の空調機30の各々に対して、
図5の処理を実行する。
【0060】
ステップS501において、制御部401は、一例として、日付が月末になると、ステップS502以降の処理を実行する。なお、制御部401は、月末以外の日付(例えば、月初め等)に、ステップS502以降の処理を実行するものであってもよい。
【0061】
ステップS502において、制御部401は、空調機30の運転履歴情報から、1ヶ月分のデータの代表値を算出する。例えば、制御部401は、空調機30の1ヶ月分の消費電力量の日ごとの平均値を算出する。
【0062】
ステップS503において、制御部401は、算出した代表値と、予め設定された所定値とを比較し、比較結果に基づいて処理を分岐させる。代表値が所定値以上である場合、制御部401は、処理をステップS504に移行させる。一方、代表値が所定値未満である場合、制御部401は、処理をステップS505に移行させる。ここで、所定値は、例えば、空調機30が使用されていない、又は空調機30の使用頻度が十分に低いと判断するための閾値が、予め設定されているものとする。
【0063】
ステップS504に移行すると、制御部401は、制御部401が管理する試運転フラグをOFFとし、試運転を促す情報を操作端末100に表示させる処理を行わない。
【0064】
一方、ステップS505に移行すると、制御部401は、日付が所定の通知期間内であるか否かを判断する。ここで、所定の通知期間は、例えば、冷房運転が行われる冷房期の前の中間期(例えば4~6月)、又は暖房運転が行われる暖房期の前の中間期(例えば9~11月)が予め設定されているものとする。なお、所定の通知期間は、予め設定された所定期間の一例である。
【0065】
日付が所定の通知期間内でない場合、制御部401は、処理をステップS506に移行させる。一方、日付が所定の通知期間内である場合、制御部401は、処理をステップS507に移行させる。
【0066】
ステップS506に移行すると、制御部401は、制御部401が管理する試運転フラグがONであるか否かを判断する。試運転フラグがONである場合、制御部401は、処理をステップS507に移行させる。一方、試運転フラグがONでない場合、制御部401は、
図5の処理を終了させる。
【0067】
ステップS507に移行すると、制御部401は、試運転を促す情報を表示させると判定する。
【0068】
ステップS508において、制御部401は、ユーザが、空調機30の試運転を実施したか否かを判断する。ユーザが試運転を実施した場合、制御部401は、処理をステップS504に移行させ、試運転フラグをOFFとする。一方、ユーザが試運転を実施していない場合、制御部401は、処理をステップS509に移行させ、試運転フラグをONとする。なお、試運転フラグは、試運転の実行履歴の一例である。また、試運転の実行履歴は、空調機30の運転履歴情報の一例である。
【0069】
また、ステップS501、S502において、制御部401が、1ヶ月ごとに、1ヶ月分のデータの代表値を算出する処理は一例である。例えば、制御部401は、所定の日数ごとに、所定の期間分のデータの代表値を算出するものであれば、所定の日数、及び所定の期間は、1ヶ月に限られない。
【0070】
図5の処理により、空調システム1は、試運転の実行履歴に基づいて、所定の期間ごとに、空調機30の試運転を促す情報を、空調機30を操作する操作端末100に表示させるか否かを判定する。
【0071】
(空調システムの処理の例)
図6は、実施例1に係る空調システムの処理の例を示すシーケンス図である。
【0072】
ステップS601において、サーバ装置10の制御部401は、
図5で説明した試運転の判定処理を実行し、
図5のステップS507において、「試運転を促す情報を表示させる」と判定された場合、
図6のステップS602以降の処理を実行する。
【0073】
ステップS602において、サーバ装置10の制御部401は、操作端末100に表示させるプッシュ通知内容を、空調機30を操作する操作端末100に送信する。例えば、制御部401は、
図3に示すようなプッシュ通知311に表示させる、空調機30の試運転を促す情報を操作端末100に送信する。
【0074】
ステップS603において、操作端末100は、試運転を促すメッセージを表示する。例えば、操作端末100は、
図3に示すような、空調機30の試運転を促すプッシュ通知311を、操作端末100に表示する。
【0075】
ステップS604において、操作端末100を利用するユーザが、空調システム1に対応するアプリを開くと、空調システム1は、ステップS605以降の処理を実行する。例えば、ユーザは、操作端末100が表示したプッシュ通知311を選択することにより、空調システム1に対応するアプリを開くことができる。
【0076】
ステップS605において、操作端末100は、例えば、
図3に示すようなアプリ画面320を表示する。
【0077】
好ましくは、ステップS606において、操作端末100は、アプリ画面320上に、例えば、
図7(A)に示すような選択画面710を表示する。この選択画面710には、例えば、空調機30が、試運転で実行する運転内容(例えば、「冷房16℃で30分の運転」等)が表示される。これにより、ユーザが、試運転を行うか否かを判断することが容易になる。なお、この選択画面710は、試運転を促す情報の別の一例である。
【0078】
また、選択画面710において、ユーザが「はい」ボタン711を選択したときに、空調機30に運転スケジュールが登録されている場合、操作端末100は、例えば、
図7に示すような、スケジュールの選択画面720を操作端末100に表示させる。これにより、ステップS607において、ユーザは、選択画面720から、設定済の運転スケジュールを優先するか、試運転を優先するかを選択することができるようになる。なお、ステップS606、S607の処理は、好適な一例であり、必須ではない。例えば、操作端末100は、ステップS606、S607の処理を省略して、
図3に示すようなアプリ画面320のみを表示するものであっても良い。
【0079】
ステップS608、S609において、操作端末100は、ユーザによる試運転の開始操作を受け付けると、サーバ装置10に対して、空調機30の試運転の開始を要求する。例えば、操作端末100は、サーバ装置10が提供するAPI(Application Programming Interface)を利用して、サーバ装置10に対して空調機30の試運転の開始を要求する。
【0080】
ステップS610において、サーバ装置10の制御部401は、空調機30の試運転開始の要求を受け付けると、通信部40が提供するAPIを利用して、通信部40に対して、空調機30の試運転の開始を要求する。なお、ここでは、通信部40が、コンピュータ400の構成を備えているものとする。
【0081】
ステップS611において、通信部40は、空調機30の試運転開始の要求を受け付けると、空調機30が提供するAPIを利用して、予め定義された試運転の運転内容を空調機30に送信する。これにより、ステップS612において、空調機30は、試運転を開始する。なお、試運転の運転内容は、操作端末100で設定可能なものであってもよいし、サーバ装置10が、試運転の運転内容を通信部40に送信するもの等であってもよい。
【0082】
ステップS612において、操作端末100は、ステップS610~S612の処理と並行して、例えば、
図8(A)に示すような、空調機30が試運転を実行中であることを示す表示画面810を表示する。
図8(A)の例では、表示画面810には、例えば、試運転中の空調機30の情報811、及びリモコン操作用の操作ボタン812等が表示されている。ユーザは、例えば、空調機30の情報811に基づいて、例えば、空調機30が正しく冷房運転をしているか等を確認することができる。また、ユーザは、例えば、操作ボタン812を用いて、風向を正常に変更できるか、又は風量を正しく変更できるか等を確認することができる。
【0083】
好ましくは、操作端末100は、空調機30が試運転を実行中に、例えば、
図8(B)に示すような、ユーザが実行すべきチェック内容を示す表示画面820を表示する。また、表示画面820には、次のチェック内容を表示するための送りボタン821が表示されている。ユーザは、このボタン821を選択することにより、例えば、
図9(A)に示すような、次のチェック内容を示す表示画面910を表示することができる。さらに、操作端末100は、全てのチェック内容の表示を終えた後に、例えば、
図9(B)に示すように、空調機30に関するサポートを受け付けるコンタクトセンター等にアクセスするための「コンタクトセンター」ボタン1011を、表示画面1010に表示する。これにより、ユーザは、チェック結果に問題がある場合、チェック結果に関する問合せを容易に行えるようになる。
【0084】
ここで、
図6に戻り、シーケンス図の説明を続ける。ステップS614において、ユーザは、操作端末100が表示する、例えば、
図8(A)、
図8(B)、
図9(A)、又は
図9(B)に示すような表示画面に基づいて、空調機30が正常に動作しているかを確認する。
【0085】
ステップS615において、空調機30は、試運転が終わると、試験結果を通信部40に送信する。これに応じて、ステップS616において、通信部40は、例えば、試験が完了したことを示すプッシュ通知内容をサーバ装置10に送信する。これに応じて、ステップS617において、サーバ装置10の制御部401は、試験が完了したことを示すプッシュ通知内容を操作端末に送信する。なお、試験が完了したことを示すプッシュ通知の内容は、サーバ装置10の制御部401が生成するものであってもよい。
【0086】
ステップS618において、操作端末100は、アプリ画面320上に、空調機30の試運転が完了したことを表示する。
(操作端末の表示処理)
図10は、実施例1に係る操作端末の表示処理の例を示すフローチャートである。この処理は、操作端末100が備える制御部401が、例えば、
図3(A)、
図3(B)、
図7(A)、
図7(B)、
図8(A)、
図8(B)、
図9(A)、及び
図9(B)等に示した表示画面を表示する処理の概要を示している。
【0087】
ステップS1001において、操作端末100が、サーバ装置10から、試運転を促すプッシュ通知内容を受信すると、操作端末100の制御部401は、ステップS1002以降の処理を実行する。
【0088】
ステップS1002において、操作端末100の制御部401は、例えば、
図3に示すような、空調機30の試運転を促すプッシュ通知311を表示する。
【0089】
ステップS1003において、操作端末100の制御部401は、ユーザが、空調システム1に対応するアプリを起動したか否かを判断する。ユーザがアプリを起動した場合、操作端末100の制御部401は、処理をステップS1004に移行させる。一方、ユーザがアプリを起動しない場合(例えば、ユーザがプッシュ通知311を無視した場合)、操作端末100の制御部401は、
図10の処理を終了する。
【0090】
ステップS1004に移行すると、操作端末100の制御部401は、起動したアプリのアプリ画面320乗に、例えば、
図7(A)に示すような、試運転を実行するか否かを選択する選択画面710を表示する。なお、操作端末100の制御部401は、選択画面710において「はい」ボタン711が選択された場合、例えば、7(B)に示すような、設定済の運転スケジュールを優先するか、試運転を優先するかを選択する選択画面720を、さらに表示してもよい。
【0091】
ステップS1005において、操作端末100の制御部401は、ユーザによる試運転の開始操作を受け付けたか否かを判断する。例えば、制御部401は、
図7(A)に示すような選択画面710において、「はい」ボタン711が選択された場合、又は
図8(B)に示すような選択画面720において、試運転を優先することが選択された場合、試運転の開始操作を受け付けたと判断する。試運転の開始操作を受け付けた場合、操作端末100の制御部401は、処理をステップS1006に移行させる。一方、試運転の開始操作を受け付けていない場合、操作端末100の制御部401は、
図10の処理を終了する。
【0092】
ステップS1006に移行すると、操作端末100の制御部401は、試運転の開始をサーバ装置10に要求する。また、ステップS1007において、操作端末100の制御部401は、例えば、
図8(A)、
図8(B)、
図9(A)、及び
図9(B)に示すような、試運転中の表示画面を操作端末100に表示する。
【0093】
ステップS1008において、操作端末100の制御部401が、サーバ装置10から試運転の完了通知を受信すると、ステップS1009において、操作端末100の制御部401は、試運転が完了したことを操作端末100に表示する。
【0094】
(応用例1)
操作端末100は、
図3に示すような、空調機30の試運転を促すプッシュ通知311が、ユーザによって選択されなかった場合、次回、ユーザがアプリを起動したときに、
図11(A)に示すような、試運転を促すメッセージ1110を表示してもよい。また、操作端末100は、例えば、空調機30の試運転が行われるまで、又は、ユーザが、「このメッセージを表示しない」ボタン1111を選択するまで、ユーザがアプリを起動したときに、このメッセージ1110を繰り返し表示してもよい。これにより、空調システム1は、ユーザに、空調機30の試運転をより効果的に促すことができる。
【0095】
なお、
図11(A)に示した、試運転を促すメッセージ1110は一例である。例えば、操作端末100には、空調機30を複数登録可能であり、試運転を促すメッセージ1110には、空調機ごとに試運転の実行履歴、又は試運転を促すメッセージ等を表示可能である。例えば、操作端末100は、ユーザがアプリを起動し、操作端末100に登録されている複数の空調機30から、操作対象となる空調機30が選択されたときに、選択された空調機30に対する試運転の実行履歴、又は試運転を促すメッセージ等を表示してもよい。
【0096】
(応用例2)
操作端末100は、例えば、
図11(B)に示すように、空調機30の試運転中に表示する表示画面1120に、試運転を中止、又はキャンセルするための「試運転を中止」ボタン1121を表示してもよい。これは、空調機30が試運転を始めてしまうと、空調機30のリモコン等には、試運転をキャンセルするためのボタン等がないので、試運転を中止できなくなる恐れがあるためである。操作端末100は、「試運転を中止」ボタン1121が選択されると、例えば、試運転の中止をサーバ装置10に要求する。これにより、ユーザは、試運転を開始してしまった後でも、容易に試運転を中止できるようになる。なお、「試運転を中止」ボタン1121は、試運転のキャンセル操作を受け付ける表示要素の一例である。
【0097】
(応用例3)
操作端末100は、例えば、
図12に示すように、空調機30の試運転中に表示する表示画面1210に、チェック結果を入力する入力ボタン1211を表示してもよい。また、操作端末100は、例えば、
図9(B)に示すような表示画面1010において、「コンタクトセンター」ボタン1011が選択されたときに、入力されたチェック結果をコンタクトセンターに送信してもよい。これにより、コンタクトセンターにおいて、ユーザに対応する担当者は、操作端末100から送信されたチェック結果を見ながら、より迅速で適切な対応ができるようになる。
【0098】
[実施例2]
実施例1では、制御部401が、例えば、月末などの予め定められたタイミングで、
図5に示すような試運転の判定処理を行うことにより、複数の空調機30のうち、試運転が必要な空調機30を特定していた。
【0099】
実施例2では、サーバ装置10の制御部401が、例えば、
図13に示すような試運転の判定処理を、所定の間隔で繰り返し実行することにより、空調機30の試運転に適した時期を特定する場合の処理の例について説明する。
【0100】
図13は、実施例2に係る試運転の判定処理の例を示すフローチャートである。制御部401は、例えば、
図13に示した処理を所定の間隔で繰り返し実行する。なお、ここでは、
図5で説明した実施例1に係る試運転の判定処理と同様の処理に対する詳細な説明は省略する。
【0101】
ステップS1301において、サーバ装置10の制御部401は、直近の所定の期間(例えば、1ヶ月、10日間、又は1週間等)のデータの代表値を算出する。例えば、サーバ装置10は、空調機30の直近の所定の期間の消費電力量の日ごとの平均値を算出する。
【0102】
ステップ1302において、サーバ装置10の制御部401は、算出した代表値と、予め設定された所定値とを比較し、代表値が所定値以上である場合、
図13の処理を終了させる。一方、代表値が所定値未満である場合、制御部401は、処理をステップS1303に移行させる。
【0103】
ステップS1303に移行すると、制御部401は、日付が、冷房運転が行われる冷房期(例えば、7~8月)の前であるか否かを判断する。日付が冷房期の前である場合、制御部401は、処理をステップS1304に移行させる。一方、日付が冷房期の前でない場合、制御部401は、処理をステップS1304に移行させる。
【0104】
ステップS1304に移行すると、制御部401は、空調機30を操作する操作端末100に、冷房の試運転を促す情報を表示させる。
【0105】
一方、ステップS1305に移行すると、制御部401は、日付が、暖房運転が行われる暖房期(例えば、12~2月)の前であるか否かを判断する。日付が暖房期の前である場合、制御部401は、処理をステップS1306に移行させる。一方、日付が暖房期の前でない場合、制御部401は、
図13の処理を終了させる。
【0106】
図13の処理により、空調システム1は、空調機30の試運転に適した時期を特定し、試運転に適した時期に、空調機30を操作する操作端末100に、空調機30の試運転を促すメッセージを表示させることができる。
【0107】
[実施例3]
実施例1では、例えば、
図6のステップS601において、サーバ装置10の制御部401が、例えば、
図5に示すような試運転の判定処理を実行していた。実施例2では、例えば、
図5に示すような試運転の判定処理を、操作端末100の制御部401が実行する場合の処理の例について説明する。
【0108】
図14は、実施例3に係る空調システムの処理の例を示すフローチャートである。なお、基本的な処理内容は、
図6で説明した実施例1に係る空調システムの処理と同様なので、ここでは、実施例1との相違点を中心に説明する。
【0109】
ステップS1401において、操作端末100の制御部401は、一例として、日付が月末になると、ステップS1402以降の処理を実行する。なお、制御部401は、月末以外の日付(例えば、月初め等)に、ステップS1402以降の処理を実行するものであってもよい。
【0110】
ステップS1402において、操作端末100の制御部401は、サーバ装置10が提供するAPIを利用して、空調機30の1ヶ月分のデータ(例えば、消費電力量等)の取得を、サーバ装置10に要求する。これに応じて、ステップS1403において、サーバ装置10は、通信部40が提供するAPIを利用して、空調機30の1ヶ月分のデータの取得を、通信部40に要求する。
【0111】
ステップS1404、S1405において、通信部40は、空調機30から、空調機30の1ヶ月分のデータを取得し、取得したデータをサーバ装置10に送信する。
【0112】
ステップS1406において、サーバ装置10は、空調機30の1ヶ月分のデータを操作端末100に送信する。なお、サーバ装置10が、空調機30の運転履歴情報を管理している場合、ステップS1403~S1405の処理は省略することができる。
【0113】
ステップS1407において、操作端末100の制御部401は、例えば、
図5のステップS502~S509に示すような、試運転の判定処理を実行する。また、操作端末100の制御部401は、この判定処理において、「試運転を促す情報を表示させる」と判定した場合、ステップS1408の処理を実行する。
【0114】
ステップS1408において、操作端末100の制御部401は、例えば、
図6のステップS603~S618と同様の処理を実行する。
【0115】
このように、操作端末100の制御部401は、サーバ装置10から、空調機30のデータを取得することにより、サーバ装置10の制御部401と同様に、試運転の判定処理を行うことができる。
【0116】
以上、本開示の各実施形態によれば、空調システム1において、試運転が必要な空調機30を操作する操作端末100に、選択的に試運転を促す情報を表示させることができる。
【0117】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0118】
1 空調システム
10 サーバ装置
20 ルーター
30、30a、30b 空調機
40、40a、40b 通信部
100 操作端末
400 コンピュータ
401 制御部