(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087499
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】半導体記憶装置および半導体記憶装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/50 20230101AFI20240624BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
H10B43/50
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202347
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池山 拓斗
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP47
5F083EP48
5F083EP76
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083GA10
5F083JA03
5F083JA04
5F083JA05
5F083JA19
5F083JA39
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA20
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083PR03
5F083PR05
5F083ZA28
5F101BA45
5F101BB02
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH14
5F101BH15
(57)【要約】
【課題】リソグラフィの補正マージンを確保して寸法変換差を低減すること。
【解決手段】実施形態の半導体記憶装置は、階段部が、複数の板状部で分割された領域であって、第2の方向にこの順に隣接する第1乃至第3の領域を有し、第2の方向に沿う断面で見た場合に、第1乃至第3の領域のそれぞれは、第2の方向に並び、異なる高さ位置を有する複数のテラス面を有し、第1及び第2の領域では、複数の板状部のうち第1及び第2の領域を分割する板状部に対して、複数のテラス面の高さ位置の配置が線対称となっており、第2及び第3の領域では、複数の板状部のうち第2及び第3の領域を分割する板状部に対して、複数のテラス面の高さ位置の配置が非線対称となっている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の導電層と複数の絶縁層とが1層ずつ交互に積層された積層体と、
前記複数の導電層が階段状に加工された階段部と、
前記積層体の積層方向および前記積層方向に交差する第1の方向に前記積層体内を延び、前記積層方向と前記第1の方向とに交差する第2の方向に、前記積層体および前記積層体の前記階段部を分割する複数の板状部と、を備え、
前記階段部は、
前記複数の板状部で分割された領域であって、前記第2の方向にこの順に隣接する第1乃至第3の領域を有し、
前記第2の方向に沿う断面で見た場合に、
前記第1乃至第3の領域のそれぞれは、前記第2の方向に並び、異なる高さ位置を有する複数のテラス面を有し、
前記第1及び第2の領域では、前記複数の板状部のうち前記第1及び第2の領域を分割する板状部に対して、前記複数のテラス面の高さ位置の配置が線対称となっており、
前記第2及び第3の領域では、前記複数の板状部のうち前記第2及び第3の領域を分割する板状部に対して、前記複数のテラス面の高さ位置の配置が非線対称となっている、
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記階段部は、
前記複数の板状部で分割された領域であって、前記第2の領域の反対側で前記第3の領域に隣接する第4の領域を更に有し、
前記第2の方向に沿う断面で見た場合に、
前記第4の領域は、前記第2の方向に並び、異なる高さ位置を有する複数のテラス面を有し、
前記第3及び第4の領域では、前記複数の板状部のうち前記第3及び第4の領域を分割する板状部に対して、前記複数のテラス面の高さ位置の配置が非線対称となっている、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記階段部は、
前記複数の板状部で分割された領域であって、前記第3の領域の反対側で前記第4の領域に隣接する第5の領域を更に有し、
前記第2の方向に沿う断面で見た場合に、
前記第5の領域は、前記第2の方向に並び、異なる高さ位置を有する複数のテラス面を有し、
前記第4及び第5の領域では、前記複数の板状部のうち前記第4及び第5の領域を分割する板状部に対して、前記複数のテラス面の高さ位置の配置が線対称となっている、
請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第2の方向に沿う断面で見た場合に、
前記第1乃至第5の領域のそれぞれは、前記複数の導電層のうち、前記積層方向に連続する導電層をテラス面とする3つのテラス面を有する、
請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記階段部では、
前記複数の導電層のうち、前記第1の方向に並ぶテラス面の導電層の階層が3つずつ増加していく、
請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第2の方向に沿う断面で見た場合に、
前記第1乃至第5の領域のそれぞれは、前記複数の導電層のうち、前記積層方向に連続する導電層をテラス面とする4つのテラス面を有する、
請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記階段部では、
前記複数の導電層のうち、前記第1の方向に並ぶテラス面の導電層の階層が4つずつ増加していく、
請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
複数の第1の絶縁層と複数の第2の絶縁層とが1層ずつ交互に積層された積層体を形成し、
前記複数の第1の絶縁層が階段状に加工された階段部を形成し、
前記積層体の積層方向および前記積層方向に交差する第1の方向に前記積層体内を延び、前記積層方向と前記第1の方向とに交差する第2の方向に、前記積層体および前記積層体の前記階段部を分割する複数の板状部を形成し、
前記階段部を形成するときは、
前記複数の板状部で分割されることとなる領域であって、前記第2の方向にこの順に隣接する第1乃至第3の領域に跨って、前記第1乃至第3の領域の前記第2の方向の幅未満の幅を前記第2の方向に有するよう第1のマスクパターンを形成し、
前記第1のマスクパターンから露出する前記積層体の表面から、前記複数の第1及び第2の絶縁層のうち1対の第1及び第2の絶縁層を除去し、
前記第1のマスクパターンを除去した後、前記複数の板状部で分割されることとなる領域であって、前記第2及び第3の領域と、記第2の領域の反対側で前記第3の領域に隣接する第4の領域とに跨って、前記第2乃至第4の領域の前記第2の方向の幅未満の幅を前記第2の方向に有するよう第2のマスクパターンを形成し、
前記第2のマスクパターンから露出する前記積層体の表面から、前記1対の第1及び第2の絶縁層を除去し、
前記第1のマスクパターンを形成するときは、
前記第2及び第3の領域の境界部分に対して、前記第2の方向における中心位置を前記第2の領域側にずらして前記第1のマスクパターンを形成し、
前記第2のマスクパターンを形成するときは、
前記第2及び第3の領域の境界部分に対して、前記第2の方向における中心位置を前記第3の領域側にずらして前記第2のマスクパターンを形成する、
半導体記憶装置の製造方法。
【請求項9】
前記第2のマスクパターンから露出する前記積層体を加工した後、
前記第1乃至第4の領域のそれぞれは、前記第2の方向に並び、異なる高さ位置を有する複数のテラス面を有することとなり、
前記第2及び第3の領域では、前記第2及び第3の領域の境界部分に対し、前記複数のテラス面の高さ位置の配置が線対称となっている、
請求項8に記載の半導体記憶装置の製造方法。
【請求項10】
前記第2のマスクパターンを除去した後、前記第2及び第3の領域に跨って、前記第2及び第3の領域の一部を覆うよう第3のマスクパターンを形成し、
前記第3のマスクパターンから露出する前記積層体の表面から、前記1対の第1及び第2の絶縁層を除去し、
前記第3のマスクパターンを形成するときは、
前記第2及び第3の領域の境界部分に、前記第2の方向における中心位置を一致させて前記第3のマスクパターンを形成する、
請求項9に記載の半導体記憶装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置および半導体記憶装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元不揮発性メモリでは、例えば複数の導電層が積層された積層体の一部を階段状に加工して、個々の導電層を上層配線へと引き出している。このような階段状の構造を取る階段部は、リソグラフィ及びエッチングにより形成される。このとき、寸法変換差を抑制するようリソグラフィで補正を行う。しかしながら、導電層の積層数の増加に伴い、リソグラフィの補正限界に達しつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-112363号公報
【特許文献2】特表2021-523577号公報
【特許文献3】特開2021-103773号公報
【特許文献4】特開2022-104020号公報
【特許文献5】特開2022-041226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つの実施形態は、リソグラフィの補正マージンを確保して寸法変換差を低減することができる半導体記憶装置および半導体記憶装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体記憶装置は、複数の導電層と複数の絶縁層とが1層ずつ交互に積層された積層体と、前記複数の導電層が階段状に加工された階段部と、前記積層体の積層方向および前記積層方向に交差する第1の方向に前記積層体内を延び、前記積層方向と前記第1の方向とに交差する第2の方向に、前記積層体および前記積層体の前記階段部を分割する複数の板状部と、を備え、前記階段部は、前記複数の板状部で分割された領域であって、前記第2の方向にこの順に隣接する第1乃至第3の領域を有し、前記第2の方向に沿う断面で見た場合に、前記第1乃至第3の領域のそれぞれは、前記第2の方向に並び、異なる高さ位置を有する複数のテラス面を有し、前記第1及び第2の領域では、前記複数の板状部のうち前記第1及び第2の領域を分割する板状部に対して、前記複数のテラス面の高さ位置の配置が線対称となっており、前記第2及び第3の領域では、前記複数の板状部のうち前記第2及び第3の領域を分割する板状部に対して、前記複数のテラス面の高さ位置の配置が非線対称となっている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態にかかる半導体記憶装置の構成を示す断面図。
【
図2】実施形態にかかる半導体記憶装置の階段部のY方向の断面を含む模式図。
【
図3】実施形態にかかる半導体記憶装置の階段部のY方向の断面を含む模式図。
【
図4】実施形態にかかる半導体記憶装置の階段部のX方向の断面を含む模式図。
【
図5】実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一部を順に例示するY方向に沿う断面図。
【
図6】実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一部を順に例示するY方向に沿う断面図。
【
図7】実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一部を順に例示するY方向に沿う断面図。
【
図8】実施形態にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一部を順に例示するY方向に沿う断面図。
【
図9】実施形態にかかるGY階段の形成時に用いられるマスクパターンの補正例について説明する積層体の上面図。
【
図10】比較例にかかるGY階段の形成方法の手順の一例を示すY方向の断面図。
【
図11】実施形態の変形例にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一部を順に例示する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0008】
(半導体記憶装置の構成例)
図1は、実施形態にかかる半導体記憶装置1の構成を示すX方向に沿う断面図である。ただし、
図1においては図面の見やすさを考慮してハッチングを省略する。
【0009】
なお、本明細書において、X方向およびY方向は共に、後述するワード線の面の向きに沿う方向であり、X方向とY方向とは互いに直交する。また、後述するワード線の電気的な引き出し方向を第1の方向と呼ぶことがあり、この第1の方向はX方向に沿う方向である。また、第1の方向と交差する方向を第2の方向と呼ぶことがあり、この第2の方向はY方向に沿う方向である。ただし、半導体記憶装置1は製造誤差を含みうるため、第1の方向と第2の方向とは必ずしも直交しない。
【0010】
図1に示すように、半導体記憶装置1は積層体LMと周辺回路PERとを備える。
【0011】
積層体LMは、ソース線SL上に、複数のワード線が絶縁層を介して積層された構造を備える。半導体記憶装置1が積層体LMを支持する支持基板10を備えていてもよい。この場合、支持基板10は半導体基板、セラミック基板、またはガラス基板等であってよく、ソース線SLは支持基板の表層に配置される。支持基板10が半導体基板である場合には、ソース線SLが、支持基板10表層の不純物が拡散された拡散層等であってもよい。
【0012】
積層体LMのX方向の両端部ではワード線が階段状に加工されており、ワード線の各段にはコンタクトCCが接続される。コンタクトCCの上端はプラグを介して上層配線等に接続される。上層配線は、更にプラグを介して端子TERnに接続される。端子TERnは例えば銅(Cu)等で構成される。
【0013】
積層体LM中には、積層体LMを積層方向に貫通してソース線SLに到達する複数のピラーPLがマトリクス状に配置されている。個々のピラーPLはメモリ層およびチャネル層を備える。ピラーPLのチャネル層は、下端においてソース線SLに接続され、上端はプラグ等を介してビット線BLに接続される。ピラーPLと積層体LMのワード線との交差部にはメモリセルMCが形成される。
【0014】
このように、半導体記憶装置1は、例えば3次元に配置されるメモリセルMCを備える3次元不揮発性メモリとして構成されている。
【0015】
積層体LM、コンタクトCC、プラグ、上層配線、及びビット線BL等は絶縁層50で覆われている。端子TERnは絶縁層50の上面に露出している。
【0016】
周辺回路PERは、半導体基板20上に形成された複数のトランジスタTRを含んで構成され、上記複数のメモリセルMCの電気的な動作を制御する。トランジスタTRは、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ等であり、半導体基板20の表層に配置される拡散層等であるアクティブ領域AAを有する。
【0017】
トランジスタTRはコンタクトCSを介して上層配線に接続される。上層配線は、更にプラグを介して端子TERtに接続される。端子TERtは、例えば銅(Cu)等で構成される。
【0018】
トランジスタTR等を含む周辺回路PER、コンタクトCS、及びプラグ等は絶縁層30で覆われている。端子TERtは絶縁層30の上面に露出している。
【0019】
半導体記憶装置1は、積層体LMを覆う絶縁層50と周辺回路PERを覆う絶縁層30とが接合された構成を有する。これにより、絶縁層50上面に露出する端子TERnと絶縁層30上面に露出する端子TERtとが接合される。
【0020】
このように、積層体LMのピラーPL及びコンタクトCC等の構成と周辺回路PERとは、端子TERn,TERtを介して電気的に導通している。周辺回路PERは、例えばメモリセルMCと接続される積層体LMのワード線に所定電圧を付与することにより、メモリセルMCの書き込み動作および読み出し動作等を制御する。
【0021】
次に、
図2~
図4を用いて、半導体記憶装置1の階段部SPの構成について説明する。
【0022】
図2及び
図3は、実施形態にかかる半導体記憶装置1の階段部SPのY方向の断面を含む模式図である。
図2(a)及び
図3(a)は階段領域SRの上面図であり、
図2(b)(c)及び
図3(b)(c)は階段部SPのY方向に沿う断面図である。なお、
図2(a)の上面図において、紙面下方側が積層体LMのX方向端部であり、紙面上方側が、上述のピラーPL(
図1参照)が配置される積層体LMの中央部側である。
【0023】
図2に示すように、半導体記憶装置1が備える積層体LMは、ソース線SL上に配置され、複数のワード線WLと複数の絶縁層OLとが1層ずつ交互に積層された構造を有する。複数の導電層としてのワード線WLは、それぞれが例えばタングステン層またはモリブデン層等である。複数の絶縁層OLは、それぞれが例えば酸化シリコン層等である。
【0024】
積層体LMには、積層体LMを積層方向およびX方向に延びる複数の板状コンタクトLIが配置されている。複数の板状部としての板状コンタクトLIは、Y方向に所定の間隔を空けてX方向に延びる。これにより、積層体LMは、複数の板状コンタクトLIによってY方向に複数に分割されている。
【0025】
個々の板状コンタクトLIは、図示しない絶縁層を側壁に備え、また、絶縁層の更に内側に充填される図示しない導電層を備える。これにより、板状コンタクトLIはソース線SLに電気的に接続されるソース線コンタクトとして機能する。ただし、板状コンタクトLIに替えて、絶縁層が全体に充填された板状部により、積層体LMがY方向に分割されていてもよい。
【0026】
また、積層体LMは、X方向の端部に階段領域SRを備える。階段領域SRは、階段部SP、上段部SM、及び複数のコンタクトCCを備える。
【0027】
階段部SPは、複数のワード線WL及び複数の絶縁層OLが、X方向およびY方向に階段状に加工された形状を有する。階段部SPにおいて、1つのワード線WLと、その直上の絶縁層OLとを対として、1対または複数対のワード線WL及び絶縁層OLが1つの段を構成することで、X方向およびY方向に、高さ位置の異なる複数のテラス面が配置されることとなる。
【0028】
X方向において、階段部SPのテラス面は、積層体LMのX方向端部から中央部へと向かって高くなっていく。このとき、X方向に隣接する各段のテラス面は、ワード線WLの3層分、つまり、3対のワード線WL及び絶縁層OLの分、積層体LMの積層方向における高さ位置が異なっている。すなわち、X方向に隣接する各段において、積層体LMの最下層からn番目のワード線WLが下層側の最上層のワード線WLである場合、最下層から(n+3)番目のワード線WLが上層側の最上層のワード線WLとなる。このように、階段部SPのX方向に延びる部分をGX階段などとも呼ぶ。
【0029】
Y方向において、階段部SPは、Y方向に隣接する板状コンタクトLIの間のそれぞれの領域に、高さの異なる3つのテラス面を含む。このとき、板状コンタクトLIの間の1つの領域に含まれるテラス面は、ワード線WLの1層分、つまり、1対のワード線WL及び絶縁層OLの分ずつ高さが異なる。すなわち、板状コンタクトLI間の1つの領域には、積層体LMの最下層からn番目、(n+1)番目、及び(n+2)番目のワード線WLをそれぞれ最上層とする3つの段が含まれることとなる。このように、階段部SPのY方向に延びる部分をGY階段などとも呼ぶ。
【0030】
このように、X方向およびY方向に階段部SPに配置される、異なる高さ位置の複数のテラス面には、それぞれコンタクトCCが配置されている。より詳細には、個々のコンタクトCCは、個々のテラス面を構成する絶縁層OLを貫通し、テラス面の絶縁層OLと積層方向の下方で隣接するワード線WLに接続されている。
【0031】
また、階段領域SRの上段部SMは、階段部SPよりも積層体LMの中央部寄りに配置されている。Y方向に隣接する板状コンタクトLIで挟まれた上段部SMの各領域には、最上層のワード線WLに接続されるコンタクトCCが配置されている。
【0032】
なお、本明細書では、階段部SPのテラス面が向いた方向を半導体記憶装置1の上方側と定義する。また、階段部SPの個々のテラス面は、実質的に絶縁層OLにより構成されるものの、本明細書では、コンタクトCCの接続対象である、直下のワード線WLをもテラス面を形成する構成に含むことがある。
【0033】
図2(c)は、
図2(a)中の矢印(c)で示す位置におけるY方向に沿う断面図である。すなわち、
図2(c)は、階段部SPの最下段の断面を示している。
【0034】
図2(c)に示すように、Y方向に隣接する板状コンタクトLIに挟まれた積層体LMの領域を、紙面左側から順に領域AR1~AR6と呼ぶこととする。また、積層体LM下方のソース線SLの上面を階層LY0と呼び、最下層から1対目のワード線WL及び絶縁層OLを階層LY1と呼び、以降、2対目、3対目・・・を階層LY2,LY3・・・と呼ぶこととする。また、最下層から1対目のワード線WL及び絶縁層OLで構成されるテラス面を階層LY1のテラス面と呼び、以降、2対目、3対目・・・のワード線WL及び絶縁層OLで構成されるテラス面を階層LY2,LY3・・・のテラス面と呼ぶこととする。
【0035】
領域AR1には、領域AR2側へと向かって、高さの異なる3つのテラス面、つまり、階層LY1,LY2,LY3のテラス面がこの順に含まれる。領域AR2には、領域AR1側から領域AR3側へと向かって、階層LY3,LY2,LY1のテラス面がこの順に含まれる。領域AR3には、領域AR2側から領域AR4側へと向かって、階層LY2,LY0,LY1のテラス面がこの順に含まれる。
【0036】
領域AR4には、領域AR3側から領域AR5側へと向かって、階層LY1,LY2,LY3のテラス面がこの順に含まれる。領域AR5には、領域AR4側から領域AR6側へと向かって、階層LY3,LY2,LY1のテラス面がこの順に含まれる。領域AR6には、領域AR5側から遠ざかる方向に向かって、階層LY1,LY0,LY2のテラス面がこの順に含まれる。
【0037】
なお、階段部SPのX方向の最下段に配置される階層LY1~LY3までのテラス面には、これらのテラス面におけるワード線WLにそれぞれ接続されるコンタクトCCが配置されている。ただし、階層LY0のテラス面は、積層体LM下方のソース線SLが露出した面であり、接続すべきワード線WLを有さない。このため、階層LY0のテラス面にはコンタクトCCは配置されない。
【0038】
以上のことから、複数のテラス面の高さ位置の配置は領域AR1と領域AR4とで等しく、このようなテラス面の配置は、Y方向に並ぶ3つの領域ごとに繰り返される。また、複数のテラス面の高さ位置の配置は領域AR2と領域AR5とで等しく、このようなテラス面の配置もまた、Y方向に並ぶ3つの領域ごとに繰り返される。
【0039】
さらに、領域AR3と領域AR6とにおいて、例えばこれらの間に位置する領域AR4、AR5を挟んで、複数のテラス面の高さ位置の配置が線対称となっている。領域AR3のテラス面の配置と、領域AR6のテラス面の配置とは、Y方向に並ぶ3つの領域ごとに交互に繰り返される。
【0040】
したがって、領域AR1,AR2では、領域AR1,AR2を分割する板状コンタクトLIに対して、複数のテラス面の高さ位置の配置が線対称となっている。また、領域AR1に領域AR2の反対側で隣接する領域、及び領域AR1~AR3では、領域AR1,AR2を分割する板状コンタクトLIに対して、複数のテラス面の高さ位置の配置が線対称となっている。このように、領域AR1,AR2を分割する板状コンタクトLIを中心として、テラス面の配置が互いに線対称となる領域がX方向両側に延びている。
【0041】
また、領域AR4,AR5では、領域AR4,AR5を分割する板状コンタクトLIに対して、複数のテラス面の高さ位置の配置が線対称となっている。また、領域AR3~AR6では、領域AR4,AR5を分割する板状コンタクトLIに対して、複数のテラス面の高さ位置の配置が線対称となっている。このように、領域AR4,AR5を分割する板状コンタクトLIを中心として、テラス面の配置が互いに線対称となる領域がX方向両側に延びている。
【0042】
一方で、領域AR1,AR2、または領域AR4,AR5から外れた複数組の領域同士では、複数のテラス面の高さ位置の配置が非線対称となる。すなわち、例えば領域AR2,AR3では、領域AR2,AR3を分割する板状コンタクトLIに対して、複数のテラス面の高さ位置の配置が非線対称となっている。同様に、例えば領域AR3,AR4では、領域AR3,AR4を分割する板状コンタクトLIに対して、複数のテラス面の高さ位置の配置が非線対称となっている。また、例えば領域AR5,AR6では、領域AR5,AR6を分割する板状コンタクトLIに対して、複数のテラス面の高さ位置の配置が非線対称となっている。
【0043】
このようなY方向における階段部SPのテラス面の配置は、X方向側にテラス面の高さ位置が増していくGY階段の各段においても維持される。
【0044】
図2(b)は、
図2(a)中の矢印(b)で示す位置におけるY方向に沿う断面図である。すなわち、
図2(b)は、階段部SPの最下段から2段目の断面を示している。
【0045】
図2(b)に示すように、最下段から2段目の断面においてもY方向における階段部SPのテラス面の配置が維持されるため、各領域AR1~AR6にそれぞれ含まれる複数のテラス面は、最下段の対応するテラス面の階層よりも3つ分、上層側の階層の高さ位置を有することとなる。
【0046】
すなわち、領域AR1には、領域AR2側へと向かって、階層LY4,LY5,LY6のテラス面がこの順に含まれる。領域AR2には、領域AR1側から領域AR3側へと向かって、階層LY6,LY5,LY4のテラス面がこの順に含まれる。領域AR3には、領域AR2側から領域AR4側へと向かって、階層LY5,LY3,LY4のテラス面がこの順に含まれる。
【0047】
領域AR4には、領域AR3側から領域AR5側へと向かって、階層LY4,LY5,LY6のテラス面がこの順に含まれる。領域AR5には、領域AR4側から領域AR6側へと向かって、階層LY6,LY5,LY4のテラス面がこの順に含まれる。領域AR6には、領域AR5側から遠ざかる方向に向かって、階層LY4,LY3,LY5のテラス面がこの順に含まれる。
【0048】
なお、階段部SPのX方向の最下段に配置される階層LY3~LY6までのテラス面には、これらのテラス面におけるワード線WLにそれぞれ接続されるコンタクトCCが配置されている。
【0049】
図3(c)は、
図3(a)中の矢印(c)で示す位置におけるY方向に沿う断面図である。すなわち、
図3(c)は、階段部SPの最下段から3段目の断面を示している。なお、
図3(a)は階段領域SRの上面図であり、
図2(a)の再掲である。また、
図3(c)において、階層LY6よりも下層側のワード線WL及び絶縁層OLは省略されている。
【0050】
図3(c)に示すように、最下段から3段目の断面においてもY方向における階段部SPのテラス面の配置が維持されるため、各領域AR1~AR6にそれぞれ含まれる複数のテラス面は、
図2(b)に示す最下段から2番目の段の対応するテラス面の階層よりも3つ分、上層側の階層の高さ位置を有することとなる。
【0051】
すなわち、領域AR1には、領域AR2側へと向かって、階層LY7,LY8,LY9のテラス面がこの順に含まれる。領域AR2には、領域AR1側から領域AR3側へと向かって、階層LY9,LY8,LY7のテラス面がこの順に含まれる。領域AR3には、領域AR2側から領域AR4側へと向かって、階層LY8,LY6,LY7のテラス面がこの順に含まれる。
【0052】
領域AR4には、領域AR3側から領域AR5側へと向かって、階層LY7,LY8,LY9のテラス面がこの順に含まれる。領域AR5には、領域AR4側から領域AR6側へと向かって、階層LY9,LY8,LY7のテラス面がこの順に含まれる。領域AR6には、領域AR5側から遠ざかる方向に向かって、階層LY7,LY6,LY8のテラス面がこの順に含まれる。
【0053】
なお、階段部SPのX方向の最下段に配置される階層LY6~LY9までのテラス面には、これらのテラス面におけるワード線WLにそれぞれ接続されるコンタクトCCが配置されている。
【0054】
図3(b)は、
図3(a)中の矢印(b)で示す位置におけるY方向に沿う断面図である。すなわち、
図3(b)は、階段部SPの最上段の断面を示している。なお、
図3(b)においても、階層LY6よりも下層側のワード線WL及び絶縁層OLは省略されている。
【0055】
図3(b)に示すように、最上段の断面においてもY方向における階段部SPのテラス面の配置が維持される。また、
図2及び
図3の例では、最下段から最上段まで、X方向に6段のGX階段を有する。このため、各領域AR1~AR6にそれぞれ含まれる複数のテラス面は、
図3(c)に示す最下段から3番目の段の対応するテラス面の階層よりも9つ分、上層側の階層の高さ位置を有することとなる。
【0056】
すなわち、領域AR1には、領域AR2側へと向かって、階層LY16,LY17,LY18のテラス面がこの順に含まれる。領域AR2には、領域AR1側から領域AR3側へと向かって、階層LY18,LY17,LY16のテラス面がこの順に含まれる。領域AR3には、領域AR2側から領域AR4側へと向かって、階層LY17,LY15,LY16のテラス面がこの順に含まれる。
【0057】
領域AR4には、領域AR3側から領域AR5側へと向かって、階層LY16,LY17,LY18のテラス面がこの順に含まれる。領域AR5には、領域AR4側から領域AR6側へと向かって、階層LY18,LY17,LY16のテラス面がこの順に含まれる。領域AR6には、領域AR5側から遠ざかる方向に向かって、階層LY16,LY15,LY17のテラス面がこの順に含まれる。
【0058】
なお、階段部SPのX方向の最下段に配置される階層LY15~LY17までのテラス面には、これらのテラス面におけるワード線WLにそれぞれ接続されるコンタクトCCが配置されている。ただし、
図2及び
図3の例では、階層LY18のテラス面は、積層体LMの最上層のワード線WLと絶縁層OLとで構成されている。また、最上層のワード線WLに接続するコンタクトは、複数の板状コンタクトLIで分割された領域AR1~AR6ごとに上段部SMにそれぞれ配置されている。このため、階段部SPの階層LY18のテラス面にはコンタクトCCは配置されない。
【0059】
階段部SPのこのような構成により、多段に積層される複数のワード線WLのそれぞれを電気的に引き出すことができる。ここで、上述のように、積層体LMは複数の板状コンタクトLIによってY方向に分割されている。このため、複数の板状コンタクトLIで挟まれた階段部SPの領域AR1~AR6ごとに、最下層の階層LY1から最上層の2番目の階層LY17のテラス面のそれぞれにコンタクトCCが配置されることとなる。その様子を
図4に示す。
【0060】
図4は、実施形態にかかる半導体記憶装置1の階段部SPのX方向の断面を含む模式図である。
【0061】
図4(a)~
図4(d)は、階段部SPにおけるX方向の異なる断面を示す図である。
図4(Ga)(Gb)は、
図2(a)及び
図3(a)の異なる領域をそれぞれ含む階段領域SRの上面図である。
【0062】
より具体的には、
図4(Ga)は、
図2及び
図3における領域AR1または領域AR4を含む上面図であり、
図4(Gb)は、
図2及び
図3における領域AR3を含む上面図である。
図4(a)~
図4(c)は、
図4(Ga)に示す領域AR1または領域AR4においてY方向に並ぶ3つのテラス面のそれぞれの断面図である。
図4(d)~
図4(f)は、
図4(Gb)に示す領域AR3においてY方向に並ぶ3つのテラス面のそれぞれの断面図である。
【0063】
図4(a)は、
図2(Ga)中の矢印(a)で示す位置におけるX方向に沿う断面図である。
図4(a)に示すように、この断面において、X方向に延びるGX階段は、下段側から上段側に向かって、階層LY3,LY6,LY9,LY12,LY15,LY18のテラス面を有している。
【0064】
図4(b)は、
図2(Ga)中の矢印(b)で示す位置におけるX方向に沿う断面図である。
図4(b)に示すように、この断面において、X方向に延びるGX階段は、下段側から上段側に向かって、階層LY2,LY5,LY8,LY11,LY14,LY17のテラス面を有している。
【0065】
図4(c)は、
図2(Ga)中の矢印(c)で示す位置におけるX方向に沿う断面図である。
図4(c)に示すように、この断面において、X方向に延びるGX階段は、下段側から上段側に向かって、階層LY1,LY4,LY7,LY10,LY13,LY16のテラス面を有している。
【0066】
このように、領域AR1または領域AR4内には、Y方向に並ぶ3つのテラス面がX方向に次第に高さ位置を増していくことで、積層体LMに含まれる階層LY1~LY18までの全てのワード線WLのテラス面が含まれる。
【0067】
これらの階層LY1~LY18までのテラス面のうち、上述のように、階段部SPの階層LY1~LY17までのテラス面のそれぞれにコンタクトCCが配置され、また、この領域AR1または領域AR4に対応する上段部SMに最上層のワード線WLに接続されるコンタクトCCが配置されることで、複数の板状コンタクトLIによって分割される領域AR1または領域AR4内において、積層体LM内の全てのワード線WLを電気的に上層配線へと引き出すことができる。
【0068】
また、このように、板状コンタクトLIによって分割される1つの領域内に、3つのGX階段が配置される階段部SPの構成を3列階段などとも呼ぶ。1つの領域内に複数のGX階段が配置される3列階段等の複数列階段の構造を取ることで、階段部SPのX方向の長さを短縮することができる。
【0069】
図4(d)は、
図2(Gb)中の矢印(d)で示す位置におけるX方向に沿う断面図である。
図4(d)に示すように、この断面において、X方向に延びるGX階段は、下段側から上段側に向かって、階層LY2,LY5,LY8,LY11,LY14,LY17のテラス面を有している。
【0070】
図4(e)は、
図2(Gb)中の矢印(e)で示す位置におけるX方向に沿う断面図である。
図4(e)に示すように、この断面において、X方向に延びるGX階段は、下段側から上段側に向かって、階層LY0,LY3,LY6,LY9,LY12,LY15のテラス面を有している。
【0071】
図4(f)は、
図2(Gb)中の矢印(f)で示す位置におけるX方向に沿う断面図である。
図4(f)に示すように、この断面において、X方向に延びるGX階段は、下段側から上段側に向かって、階層LY1,LY4,LY7,LY10,LY13,LY16のテラス面を有している。
【0072】
このように、領域AR3内には、Y方向に並ぶ3つのテラス面がX方向に次第に高さ位置を増していくことで、積層体LMに含まれる階層LY1~LY17までのワード線WLのテラス面が含まれる。
【0073】
上述のように、これらの階段部SPの階層LY1~LY17までのテラス面のそれぞれにコンタクトCCが配置され、また、この領域AR3に対応する上段部SMに最上層のワード線WLに接続されるコンタクトCCが配置されることで、複数の板状コンタクトLIによって分割される領域AR3内において、積層体LM内の全てのワード線WLを電気的に上層配線へと引き出すことができる。
【0074】
また、上述のように、上記に示した以外の領域AR2,AR3,AR6はそれぞれ、上記に示す領域AR1,AR4,AR3に対しY方向に線対称の関係にある。このため、領域AR1,AR4,AR3と同様、領域AR2,AR3,AR6にも少なくとも階層LY1~LY17までのワード線WLのテラス面が含まれる。
【0075】
したがって、これらの領域AR2,AR3,AR6のテラス面、及びこれらの領域AR2,AR3,AR6に対応する上段部SMに最上層のワード線WLに接続されるコンタクトCCが配置されることで、複数の板状コンタクトLIによって分割されるそれぞれの領域AR2,AR3,AR6内において、積層体LM内の全てのワード線WLを電気的に上層配線へと引き出すことができる。
【0076】
(半導体記憶装置の製造方法)
次に、
図5~
図9を用いて、実施形態の半導体記憶装置1の製造方法の例について説明する。
【0077】
図5~
図8は、実施形態にかかる半導体記憶装置1の製造方法の手順の一部を順に例示するY方向に沿う断面図である。なお、
図5~
図8においては、階段部SPの形成方法の例を中心に説明する。
【0078】
まず、
図5及び
図6を用いて、GY階段の形成方法の例について説明する。
図5は、階段部SPの形成領域のY方向に沿う断面図である。
図6は、階段部SPの形成領域の上面図である。
【0079】
図5及び
図6に示す時点で板状コンタクトLIは未形成であるが、説明の便宜上、板状コンタクトLIを破線で示す。また、
図5においては、最上層の階層LY18から下層の階層LY15までの構成を示す。なお、
図5及び
図6に示す処理に先駆けて、基板上にはソース線SLが形成されている。
【0080】
図5(a)に示すように、ソース線SL上に複数の第1の絶縁層としての絶縁層NLと、複数の第2の絶縁層としての絶縁層OLが1層ずつ交互に積層された積層体LMsを形成する。絶縁層NLは、例えば窒化シリコン層等の犠牲層であり、後の工程で導電材等に置き換えられてワード線WLとなる。
【0081】
図5(a)及び
図6(a)に示すように、積層体LMs上に第1のマスクパターンとしてのマスクパターン61を形成する。マスクパターン61は、積層体LMsのピラーPL等が形成される領域を覆っている。また、階段部SPが形成されることとなる領域において、マスクパターン61は、Y方向に所定の間隔を空けてX方向に延びている。このようなマスクパターン61は、例えばポジ型またはネガ型のレジスト層等の有機系材料で構成されており、EUV(Extreme Ultra-Violet)またはKrF線等を用いて露光される。
【0082】
より具体的には、マスクパターン61は、例えば領域AR3~AR5に跨って形成される。このとき、マスクパターン61は、領域AR3~AR5のうち2つ分の幅をY方向に有するよう形成される。また、マスクパターン61は、領域AR4,AR5の境界部分、つまり、領域AR4,AR5の間に形成されることとなる板状コンタクトLIに対して、Y方向における中心位置が領域AR4側にずれて形成される。
【0083】
これにより、領域AR3~AR5に跨って形成されるマスクパターン61は、階段部SPが最終的に有することとなる、上述の1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR3上の領域AR4との境界部分に形成される。また、マスクパターン61は、領域AR4の全体を覆って形成される。また、マスクパターン61は、2つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR5上の領域AR4との境界部分に形成される。
【0084】
同様に、マスクパターン61は、領域AR2を含み、領域AR3とは反対方向に並ぶ3つの領域に跨って形成される。この場合にも、マスクパターン61は、領域AR2を含むこれら3つの領域のうち2つ分の幅をY方向に有するよう形成される。また、マスクパターン61は、領域AR1,AR2の境界部分、つまり、領域AR1,AR2の間に形成されることとなる板状コンタクトLIに対して、Y方向における中心位置が領域AR1側にずれて形成される。
【0085】
これにより、領域AR2を含む3つの領域に跨って形成されるマスクパターン61は、1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR2の反対側で領域AR1に隣接する領域上の領域AR1との境界部分に形成される。また、マスクパターン61は、領域AR1の全体を覆って形成される。また、マスクパターン61は、2つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR2上の領域AR1との境界部分に形成される。
【0086】
このように、階段部SPが形成される領域において、マスクパターン61は、Y方向に周期的なパターンを有して形成される。
【0087】
また、以上のように形成したマスクパターン61から露出する積層体LMsの表面から、階層LY18に属する1対の絶縁層NL,OLをエッチングする。このとき、エッチングには、プラズマによるドライエッチング、または、薬液によるウェットエッチング等を用いることができる。
【0088】
上記エッチングにより、Y方向に周期的なパターンを有するマスクパターン61の間の領域AR2,AR3、及び領域AR5,AR6等の一部領域から、階層LY18の絶縁層NL,OLが除去されて、階層LY17に属する絶縁層OLが露出する。その後、酸素プラズマ等を用いたアッシングにより、マスクパターン61を除去する。
【0089】
図5(b)及び
図6(b)に示すように、積層体LMs上に第2のマスクパターンとしてのマスクパターン62を形成する。マスクパターン62は、マスクパターン61と同様、積層体LMsのピラーPL等が形成される領域を覆っている。また、階段部SPが形成されることとなる領域において、マスクパターン62は、マスクパターン61とは若干異なる位置に、Y方向に所定の間隔を空けてX方向に延びている。
【0090】
より具体的には、マスクパターン62は、例えば領域AR4~AR6に跨って形成される。このとき、マスクパターン62は、領域AR4~AR6のうち2つ分の幅をY方向に有するよう形成される。また、マスクパターン62は、領域AR4,AR5の境界部分、つまり、領域AR4,AR5の間に形成されることとなる板状コンタクトLIに対して、Y方向における中心位置が領域AR5側にずれて形成される。
【0091】
これにより、領域AR4~AR6に跨って形成されるマスクパターン62は、2つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR4上の領域AR5との境界部分に形成される。また、マスクパターン62は、領域AR5の全体を覆って形成される。また、マスクパターン62は、1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR6上の領域AR5との境界部分に形成される。
【0092】
同様に、マスクパターン62は、例えば領域AR1~AR3に跨って形成される。この場合にも、マスクパターン62は、領域AR1~AR3のうち2つ分の幅をY方向に有するよう形成される。また、マスクパターン62は、領域AR1,AR2の境界部分、つまり、領域AR1,AR2の間に形成されることとなる板状コンタクトLIに対して、Y方向における中心位置が領域AR2側にずれて形成される。
【0093】
これにより、領域AR1~AR3に跨って形成されるマスクパターン62は、2つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR1上の領域AR2との境界部分に形成される。また、マスクパターン62は、領域AR2の全体を覆って形成される。また、マスクパターン62は、1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR3上の領域AR2との境界部分に形成される。
【0094】
このように、階段部SPが形成される領域において、マスクパターン62もまた、Y方向に周期的なパターンを有して形成される。
【0095】
また、以上のように形成したマスクパターン62から露出する積層体LMsの表面から、1対の絶縁層NL,OLをエッチングする。
【0096】
このとき、Y方向に周期的なパターンを有するマスクパターン62の間の領域AR3,AR4等において、マスクパターン62形成後に新たに露出した一部領域から、階層LY18の絶縁層NL,OLが除去されて、階層LY17に属する絶縁層OLが露出する。また、マスクパターン62の間の領域AR3,AR4等において、マスクパターン61を用いたエッチングで階層LY18の絶縁層NL,OLが除去済みの一部領域から、階層LY18下層の階層LY17の絶縁層NL,OLが除去されて、階層LY16に属する絶縁層OLが露出する。
【0097】
これにより、領域AR1~AR6等のそれぞれに、高さの異なる2つまたは3つのテラス面が形成される。このとき、例えば領域AR1,AR2では、領域AR1,AR2の境界部分に対し、複数のテラス面の高さ位置の配置が線対称となる。また例えば、領域AR4,AR5では、領域AR4,AR5の境界部分に対し、複数のテラス面の高さ位置の配置が線対称となる。
【0098】
ただし、このときのテラス面のY方向の幅は、階段部SPが最終的に有することとなる、上述のテラス面のY方向の幅と必ずしも一致しない。また、このときのテラス面は、X方向において、階段部SPとなる領域の全体に亘り同じ高さとなっている。
【0099】
その後、酸素プラズマ等を用いたアッシングにより、マスクパターン62を除去する。
【0100】
図5(c)及び
図6(c)に示すように、積層体LMs上に第3~第5のマスクパターンとしてのマスクパターン63を形成する。マスクパターン63は、マスクパターン61,62と同様、積層体LMsのピラーPL等が形成される領域を覆っている。また、階段部SPが形成されることとなる領域において、マスクパターン63は、マスクパターン61,62とは異なる位置に、Y方向に所定の間隔を空けてX方向に延びている。
【0101】
より具体的には、第3のマスクパターンとしてのマスクパターン63は、例えば領域AR4,AR5に跨って形成される。このとき、マスクパターン63は、領域AR4,AR5の境界部分、つまり、領域AR4,AR5の間に形成されることとなる板状コンタクトLIに対して、Y方向における中心位置が一致するよう領域AR4,AR5の一部領域に形成される。
【0102】
これにより、領域AR4,AR5に跨って形成されるマスクパターン63は、階段部SPが最終的に有することとなる、上述の1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR4上の領域AR5との境界部分に形成される。また、マスクパターン63は、1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR5上の領域AR4との境界部分に形成される。
【0103】
同様に、マスクパターン63は、例えば領域AR1,AR2に跨って形成される。このとき、マスクパターン63は、領域AR1,AR2の境界部分、つまり、領域AR1,AR2の間に形成されることとなる板状コンタクトLIに対して、Y方向における中心位置が一致するよう領域AR1,AR2の一部領域に形成される。
【0104】
これにより、領域AR1,AR2に跨って形成されるマスクパターン63は、階段部SPが最終的に有することとなる、上述の1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR1上の領域AR2との境界部分に形成される。また、マスクパターン63は、1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR2上の領域AR1との境界部分に形成される。
【0105】
このように、階段部SPが形成される領域において、第3のマスクパターンとしてのマスクパターン63もまた、Y方向に周期的なパターンを有して形成される。
【0106】
また、第4のマスクパターンとしてのマスクパターン63は、例えば領域AR2とは反対側で領域AR1に隣接する領域の、領域AR1に接する側の一部を覆うように形成される。このとき、マスクパターン63は、階段部SPが最終的に有することとなる、上述の1つ分のテラス面のY方向の幅を有して上記領域上の領域AR1との境界部分に形成される。
【0107】
階段部SPが形成される領域において、第4のマスクパターンとしてのマスクパターン63は、領域AR1,AR2の境界部分、及び領域AR4、AR5の境界部分等に形成される第3のマスクパターンとしてのマスクパターン63に対して1つおきに、Y方向に周期的なパターンを有して形成される。
【0108】
また、第5のマスクパターンとしてのマスクパターン63は、例えば領域AR3の、領域AR2に接する側の一部を覆うように形成される。このとき、マスクパターン63は、階段部SPが最終的に有することとなる、上述の1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR3上の領域AR2との境界部分に形成される。
【0109】
階段部SPが形成される領域において、第5のマスクパターンとしてのマスクパターン63もまた、領域AR1,AR2の境界部分、及び領域AR4、AR5の境界部分等に形成される第3のマスクパターンとしてのマスクパターン63に対して1つおきに、Y方向に周期的なパターンを有して形成される。
【0110】
これにより、第4及び第5のマスクパターンとしてのマスクパターン63は、例えば第3のマスクパターンとしてのマスクパターン63が形成される領域AR1,AR2の境界部分に対して、Y方向に線対称に配置されることとなる。
【0111】
また、以上のように形成したマスクパターン63から露出する積層体LMsの表面から、1対の絶縁層NL,OLをエッチングする。
【0112】
このとき、Y方向に所定間隔で配置されるマスクパターン63の間の各領域において、マスクパターン63形成後に新たに露出した一部領域から、階層LY18の絶縁層NL,OLが除去されて、階層LY17に属する絶縁層OLが露出する。
【0113】
また、マスクパターン63の間の各領域において、マスクパターン62を用いたエッチングで階層LY18の絶縁層NL,OLが除去済みの一部領域から、階層LY18下層の階層LY17の絶縁層NL,OLが除去されて、階層LY16に属する絶縁層OLが露出する。
【0114】
また、マスクパターン63の間の各領域において、マスクパターン61,62を用いたエッチングで階層LY18,LY17の絶縁層NL,OLが除去済みの一部領域から、階層LY17下層の階層LY16の絶縁層NL,OLが除去されて、階層LY15に属する絶縁層OLが露出する。
【0115】
図5(d)及び
図6(d)に示すように、酸素プラズマ等を用いたアッシングにより、マスクパターン63を除去する。これにより、階段部SPが最終的に有することとなる上述のGY階段の形状が、Y方向に沿う断面に形成される。このとき、例えば領域AR1,AR2では、領域AR1,AR2の境界部分に対し、線対称となった複数のテラス面の高さ位置の配置が維持されている。ただし、上述のように、この段階において、GY階段の各テラス面は、X方向において、階段部SPとなる領域の全体に亘り同じ高さとなっている。
【0116】
次に、
図7及び
図8を用いて、GX階段の形成方法の例について説明する。
【0117】
図7(a)~
図7(c)及び
図8(a)~
図8(b)は、階段部SPの形成領域のY方向に沿う断面図であって、上述の
図4(a)に示す断面と同じ断面を示している。
図7(d)~
図7(f)及び
図8(c)~
図8(d)は、階段部SPの形成領域の上面図である。
【0118】
図7(a)及び
図7(d)に示すように、階段部SPにおけるGX階段の最下段が形成される領域が露出したマスクパターン70を積層体LMs上に形成する。また、マスクパターン70から露出した積層体LMsの表面から、3つ分の階層LY18~LY16に属する絶縁層NL,OLをエッチングにより除去する。これにより、積層体LMsのGX階段の最下段が形成される部分には、階層LY15に属する絶縁層OLが露出する。
【0119】
図7(b)及び
図7(e)に示すように、例えば酸素プラズマ等を用いたスリミングにより、階段部SPの形成領域上のマスクパターン70のX方向の端部を後退させて、マスクパターン71を形成する。これにより、GX階段の最下段から2段目となる領域が新たに露出する。
【0120】
また、マスクパターン71から新たに露出した積層体LMsの表面から、3つ分の階層LY18~LY16に属する絶縁層NL,OLをエッチングにより除去する。これにより、積層体LMsのGX階段の最下段から2段目が形成される部分には、階層LY15に属する絶縁層OLが露出する。
【0121】
これと並行して、マスクパターン70を用いたエッチングで階層LY18~LY16の絶縁層NL,OLが除去済みの領域から、3つ分の階層LY15~LY13に属する絶縁層NL,OLをエッチングにより除去する。これにより、積層体LMsのGX階段の最下段が形成される部分には、階層LY12に属する絶縁層OLが露出する。
【0122】
図7(c)及び
図7(f)に示すように、例えば酸素プラズマ等を用いたスリミングにより、階段部SPの形成領域上のマスクパターン71のX方向の端部を更に後退させて、マスクパターン72を形成する。これにより、GX階段の最下段から3段目となる領域が新たに露出する。
【0123】
また、マスクパターン72から新たに露出した積層体LMsの表面から、3つ分の階層LY18~LY16に属する絶縁層NL,OLをエッチングにより除去する。これにより、積層体LMsのGX階段の最下段から3段目が形成される部分には、階層LY15に属する絶縁層OLが露出する。
【0124】
これと並行して、マスクパターン71を用いたエッチングで階層LY18~LY16の絶縁層NL,OLが除去済みの領域から、3つ分の階層LY15~LY13に属する絶縁層NL,OLをエッチングにより除去する。これにより、積層体LMsのGX階段の最下段から2段目が形成される部分には、階層LY12に属する絶縁層OLが露出する。
【0125】
また、上記と並行して、マスクパターン70,71を用いたエッチングで階層LY18~LY13の絶縁層NL,OLが除去済みの領域から、3つ分の階層LY12~LY10に属する絶縁層NL,OLをエッチングにより除去する。これにより、積層体LMsのGX階段の最下段が形成される部分には、階層LY9に属する絶縁層OLが露出する。
【0126】
図8(a)及び
図8(c)に示すように、例えば酸素プラズマ等を用いたスリミングにより、階段部SPの形成領域上のマスクパターン72のX方向の端部を更に後退させて、マスクパターン73を形成する。これにより、GX階段の最下段から4段目となる領域が新たに露出する。
【0127】
また、マスクパターン73から新たに露出した積層体LMsの表面から、3つ分の階層LY18~LY16に属する絶縁層NL,OLをエッチングにより除去する。これにより、積層体LMsのGX階段の最下段から4段目が形成される部分には、階層LY15に属する絶縁層OLが露出する。
【0128】
これと並行して、マスクパターン72を用いたエッチングで階層LY18~LY16の絶縁層NL,OLが除去済みの領域から、3つ分の階層LY15~LY13に属する絶縁層NL,OLをエッチングにより除去する。これにより、積層体LMsのGX階段の最下段から3段目が形成される部分には、階層LY12に属する絶縁層OLが露出する。
【0129】
また、上記と並行して、マスクパターン71,72を用いたエッチングで階層LY18~LY13の絶縁層NL,OLが除去済みの領域から、3つ分の階層LY12~LY10に属する絶縁層NL,OLをエッチングにより除去する。これにより、積層体LMsのGX階段の最下段から2段目が形成される部分には、階層LY9に属する絶縁層OLが露出する。
【0130】
また、上記と並行して、マスクパターン70~72を用いたエッチングで階層LY18~LY10の絶縁層NL,OLが除去済みの領域から、3つ分の階層LY9~LY7に属する絶縁層NL,OLをエッチングにより除去する。これにより、積層体LMsのGX階段の最下段が形成される部分には、階層LY6に属する絶縁層OLが露出する。
【0131】
図8(b)及び
図8(d)に示すように、例えば酸素プラズマ等を用いたスリミングにより、階段部SPの形成領域上のマスクパターン73のX方向の端部を更に後退させて、マスクパターン74を形成する。これにより、GX階段の最下段から5段目となる領域が新たに露出する。
【0132】
また、マスクパターン74から新たに露出した積層体LMsの表面から、3つ分の階層LY18~LY16に属する絶縁層NL,OLをエッチングにより除去する。これにより、積層体LMsのGX階段の最下段から5段目が形成される部分には、階層LY15に属する絶縁層OLが露出する。
【0133】
これと並行して、マスクパターン73を用いたエッチングで階層LY18~LY16の絶縁層NL,OLが除去済みの領域から、3つ分の階層LY15~LY13に属する絶縁層NL,OLをエッチングにより除去する。これにより、積層体LMsのGX階段の最下段から4段目が形成される部分には、階層LY12に属する絶縁層OLが露出する。
【0134】
また、上記と並行して、マスクパターン72,73を用いたエッチングで階層LY18~LY13の絶縁層NL,OLが除去済みの領域から、3つ分の階層LY12~LY10に属する絶縁層NL,OLをエッチングにより除去する。これにより、積層体LMsのGX階段の最下段から3段目が形成される部分には、階層LY9に属する絶縁層OLが露出する。
【0135】
また、上記と並行して、マスクパターン71~73を用いたエッチングで階層LY18~LY10の絶縁層NL,OLが除去済みの領域から、3つ分の階層LY9~LY7に属する絶縁層NL,OLをエッチングにより除去する。これにより、積層体LMsのGX階段の最下段から2段目が形成される部分には、階層LY6に属する絶縁層OLが露出する。
【0136】
また、上記と並行して、マスクパターン70~73を用いたエッチングで階層LY18~LY7の絶縁層NL,OLが除去済みの領域から、3つ分の階層LY6~LY4に属する絶縁層NL,OLをエッチングにより除去する。これにより、積層体LMsのGX階段の最下段が形成される部分には、階層LY3に属する絶縁層OLが露出する。
【0137】
以上により、X方向に延びるGX階段が形成される。なお、
図7(a)~
図7(c)及び
図8(a)~
図8(b)に示した断面と異なる断面では、
図7(a)及び
図7(d)に示した処理開始時におけるテラス面の高さ位置がそれぞれ異なっている。このため、
図7及び
図8に示す処理の終了後、
図5(d)に示すY方向の断面のテラス面の高さ位置の配置を維持したまま、複数列のGX階段が形成される。
【0138】
これ以降、積層体LMsを貫通してソース線SLに到達する複数のメモリホール(不図示)を形成する。また、メモリホール内に、順次、メモリ層、及び半導体層等を充填してピラーPLを形成する。
【0139】
また、積層体LMsの積層方向およびX方向に延びる複数のスリット(不図示)を形成し、スリットから熱リン酸等の薬液を注入して、積層体LMs中の絶縁層NLを除去する。また、スリットを介して導電材の原料ガスを注入して、積層体LMs中の絶縁層NLが除去された空隙に導電材を充填する。これにより、複数のワード線WLと複数の絶縁層OLとが積層された積層体LMが得られる。
【0140】
なお、上記のように、絶縁層NLからワード線WLを形成する処理をリプレース処理とも呼ぶ。
【0141】
また、スリットの側壁に絶縁層を形成し、絶縁層の内側を導電層で充填して板状コンタクトLIを形成する。ただし、スリット内を全体的に絶縁層で充填して、ソース線コンタクトとして機能しない板状の板状部を形成してもよい。この場合、スリットは、専らワード線WLのリプレース処理に用いるために形成されることとなる。
【0142】
その後、階段領域SRを覆う絶縁層50等を形成し、階段領域SRに複数のコンタクトCCを形成する。また、ピラーPL、板状コンタクトLI、及びコンタクトCC等にプラグを介して接続される上層配線等を形成する(
図1参照)。また、表面にトランジスタTRを含む周辺回路PERが形成された半導体基板20を準備し(
図1参照)、積層体LMの上方に貼り合わせる。
【0143】
以上により、実施形態の半導体記憶装置1が製造される。
【0144】
ところで、上述のように、GY階段を形成する際には、Y方向に所定の間隔を空けてX方向に延びる複数のパターンを有するマスクパターン61~63が用いられる。これらのマスクパターン61~63の複数の延伸部分は、後のGX階段形成時にGY階段に生じる寸法変換差を見越して光近接効果補正(OPC:Optical Proximity Correction)と呼ばれる補正がなされている。このような補正について
図9に示す。
【0145】
図9は、実施形態にかかるGY階段の形成時に用いられるマスクパターン61の補正例について説明する積層体LMsの上面図である。
図9(a)は補正が行われていないマスクパターン61nの例であり、
図9(b)は補正が行われたマスクパターン61wの例である。
【0146】
GY階段の形成後に行われるGX階段の形成時、階段部SPのX方向における最下段側から最上段側に向かって処理が進められる。したがって、X方向における最下段側ほど、エッチング時のプラズマまたは薬液に晒される時間が長くなり、形成済みのGY階段の各部構成の寸法変換差が大きくなる。
【0147】
図9(a)に示すように、補正を行わない場合、マスクパターン61nが有する複数の延伸部分のY方向の幅は、X方向において一定である。このようなマスクパターン61nを用いて形成されたGY階段においても、GX階段の形成前には、各構成のX方向におけるY方向の幅は一定である。しかし、GX階段の形成後には、GY階段の各構成GYnにおけるY方向の幅は、最下段側ほど寸法変換差が大きくなるため狭くなる。また、GY階段の各構成GYnの最下段側が上層側へと後退する。
【0148】
図9(b)に示すように、光近接効果補正の理論に基づけば、マスクパターン61wが有する複数の延伸部分のY方向の幅は、最下段側ほど大きくなるよう補正される。また、最下段側のX方向端部が上層側から離れる方向へ迫り出した状態でマスクパターン61wが形成される。このようなマスクパターン61wを用いて形成されたGY階段においても、GX階段の形成前には、各構成のY方向の幅は、最下段側ほど大きくなる。また、GX階段の形成後には、GY階段の各構成GYwにおけるY方向の幅は、最下段側ほど寸法変換差が大きくなるため、理想的にはX方向において一定となる。また、GY階段の各構成GYwの最下段側の端部が、X方向の所望の位置に配置されることとなる。
【0149】
(概括)
3次元不揮発性メモリ等の半導体記憶装置においては、複数段に積層されるワード線を電気的に引き出すため、例えばワード線が階段状に加工された階段部を有する。X方向の長さを短縮するため、このような階段部は、3列階段等の複数列階段の構造を取る場合がある。複数列階段構造は、例えば複数の板状コンタクトのそれぞれに対してY方向に線対称にマスクパターンを形成し、積層体を加工することで得られる。
【0150】
図10は、比較例にかかるGY階段の形成方法の手順の一例を示すY方向の断面図である。
図10(a)に示すように、後に形成される複数の板状コンタクトLIによって分割される個々の領域の境界部分に、これらの領域の境界部分に対してY方向に線対称なマスクパターン161を形成し、積層体LMzの露出した部分をエッチングする。
図10(b)に示すように、複数の上記領域の1つおきの境界部分に、これらの領域の境界部分に対してY方向に線対称なマスクパターン162を形成し、積層体LMzの露出した部分をエッチングする。
図10(c)に示すように、上記により、複数の領域のそれぞれに、高さ位置の異なる3つのテラス面が、これらの領域のそれぞれ境界部分に対してY方向に線対称の配置となるよう形成される。
【0151】
ここで、GX階段加工時に生じる寸法変換差を見越して、マスクパターン161等に対してOPC等の補正が行われる場合がある。しかしながら、ワード線の積層数増加に伴って、マスクパターン161が補正限界に至る懸念がある。
図10(d)に示すように、マスクパターン161が未補正の場合に対し、補正後のマスクパターン161wは、Y方向に隣接するパターン同士が近接し過ぎてしまい、マスクパターン161wの現像時に充分な解像度が得られない等、現像限界を超える恐れがある。
【0152】
実施形態の半導体記憶装置1の製造方法によれば、領域AR1,AR2の境界部分に対して、Y方向における中心位置を領域AR1側にずらしてマスクパターン61を形成する。また、領域AR1,AR2の境界部分に対して、Y方向における中心位置を領域AR2側にずらしてマスクパターン62を形成する。
【0153】
実施形態の半導体記憶装置1によれば、上記製造方法により、Y方向に沿う断面で見た場合に、領域AR1,AR2では、領域AR1,AR2を分割する板状コンタクトLIに対して、複数のテラス面の高さ位置の配置が非線対称となる。
【0154】
上記のように、マスクパターン61,62のレイアウトを変更することで、Y方向に所定の周期で配置されるパターン間の距離を充分に確保することができ、マスクパターン61,62の補正マージンを確保することができる。つまり、マスクパターン61,62の現像限界を超えることなく、マスクパターン61,62の補正可能な範囲を広げることができ、階段部SPの加工難度を軽減することができる。
【0155】
実施形態の半導体記憶装置1によれば、Y方向に沿う断面で見た場合に、領域AR1~AR5のそれぞれは、積層体LMの積層方向に連続するワード線WLをテラス面とする3つのテラス面を有する。また、階段部SPでは、X方向に並ぶテラス面のワード線WLの階層が3つずつ増加していく。
【0156】
このように、階段部SPが3列階段等の複数列階段の構造を有することで、例えばX方向に並ぶテラス面のワード線WLの階層を3つずつ増加させていくことができ、階段部SPのX方向の長さを短縮することができる。これにより、半導体記憶装置1の小型化、または、メモリ容量の増大等が容易となる。
【0157】
(変形例)
次に、
図11を用いて、実施形態の変形例の半導体記憶装置について説明する。変形例の半導体記憶装置は、板状コンタクトLIで分割される1つの領域内に4列のGX階段を有する点が上述の実施形態とは異なる。
【0158】
図11は、実施形態の変形例にかかる半導体記憶装置の製造方法の手順の一部を順に例示する断面図である。
図11は、20層の絶縁層NLを含む積層体LMsに、上記実施形態の構成を適用する場合の例である。すなわち、変形例の積層体LMsにおいては、最上層の絶縁層NLが階層LY20に属する。なお、
図11においては、積層体LMsの最上層の絶縁層NLを含む上層側の構成のみを示す。
【0159】
図11(a)に示すように、変形例の半導体記憶装置の製造方法においても、積層体LMs上に、積層体LMsのピラーPL等が形成される領域を覆う第1のマスクパターンとしてのマスクパターン81を形成する。
【0160】
マスクパターン81は、変形例の階段部が形成されることとなる領域において、領域AR3~AR5のうち2つ分の幅をY方向に有するよう、領域AR3~AR5に跨って形成される。また、マスクパターン81は、領域AR4,AR5の境界部分、つまり、領域AR4,AR5の間に形成されることとなる板状コンタクトLIに対して、Y方向における中心位置が領域AR4側にずれて形成される。
【0161】
これにより、領域AR3~AR5に跨って形成されるマスクパターン81は、階段部が最終的に有することとなる1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR3上の領域AR4との境界部分に形成される。上述のように、変形例の階段部は4列階段構造を有することとなるので、1つ分のテラス面のY方向の幅は、例えば1つの領域AR3等の4分の1程度の大きさである。また、マスクパターン81は、領域AR4の全体を覆って形成される。また、マスクパターン81は、3つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR5上の領域AR4との境界部分に形成される。
【0162】
同様に、マスクパターン81は、領域AR2等のうち2つ分の幅をY方向に有するよう、領域AR2を含み、領域AR3とは反対方向に並ぶ3つの領域に跨って形成される。また、マスクパターン81は、領域AR1,AR2の境界部分、つまり、領域AR1,AR2の間に形成されることとなる板状コンタクトLIに対して、Y方向における中心位置が領域AR1側にずれて形成される。
【0163】
これにより、領域AR2を含む3つの領域に跨って形成されるマスクパターン81は、階段部が最終的に有することとなる1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR2の反対側で領域AR1に隣接する領域上の領域AR1の境界部分に形成される。また、マスクパターン81は、領域AR1の全体を覆って形成される。また、マスクパターン81は、3つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR2上の領域AR1との境界部分に形成される。
【0164】
このように、変形例の階段部が形成される領域において、マスクパターン81は、Y方向に周期的なパターンを有して形成される。
【0165】
また、以上のように形成したマスクパターン81から露出する積層体LMsの表面から、階層LY20に属する1対の絶縁層NL,OLをエッチング等により除去し、階層LY19に属する絶縁層OLを露出させる。その後、酸素プラズマ等を用いたアッシングにより、マスクパターン81を除去する。
【0166】
図11(b)に示すように、積層体LMs上に、マスクパターン81と同様、積層体LMsのピラーPL等が形成される領域を覆う第2のマスクパターンとしてのマスクパターン82を形成する。
【0167】
マスクパターン82は、変形例の階段部が形成されることとなる領域において、領域AR4~AR6のうち2つ分以上3つ分未満の幅をY方向に有するよう、領域AR4~AR6に跨って形成される。また、マスクパターン82は、領域AR4,AR5の境界部分、つまり、領域AR4,AR5の間に形成されることとなる板状コンタクトLIに対して、Y方向における中心位置が領域AR5側にずれて形成される。
【0168】
これにより、領域AR4~AR6に跨って形成されるマスクパターン82は、3つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR4上の領域AR5との境界部分に形成される。また、マスクパターン82は、領域AR5の全体を覆って形成される。また、マスクパターン82は、2つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR6上の領域AR5との境界部分に形成される。
【0169】
同様に、マスクパターン82は、領域AR1~AR3のうち2つ分以上3つ分未満の幅をY方向に有するよう、領域AR1~AR3に跨って形成される。この場合にも、マスクパターン82は、領域AR1,AR2の境界部分、つまり、領域AR1,AR2の間に形成されることとなる板状コンタクトLIに対して、Y方向における中心位置が領域AR2側にずれて形成される。
【0170】
これにより、領域AR1~AR3に跨って形成されるマスクパターン82は、階段部が最終的に有することとなる3つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR1上の領域AR2の境界部分に形成される。また、マスクパターン82は、領域AR2の全体を覆って形成される。また、マスクパターン82は、2つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR3上の領域AR2との境界部分に形成される。
【0171】
このように、変形例の階段部が形成される領域において、マスクパターン82もまた、Y方向に周期的なパターンを有して形成される。
【0172】
また、以上のように形成したマスクパターン81から露出する積層体LMsの表面から、1対の絶縁層NL,OLをエッチングする。
【0173】
このとき、Y方向に周期的なパターンを有するマスクパターン82の間の領域AR3,AR4等において、マスクパターン82形成後に新たに露出した一部領域から、階層LY20の絶縁層NL,OLが除去されて、階層LY19に属する絶縁層OLが露出する。また、マスクパターン82の間の領域AR3,AR4等において、マスクパターン81を用いたエッチングで階層LY20の絶縁層NL,OLが除去済みの一部領域から、階層LY20下層の階層LY19の絶縁層NL,OLが除去されて、階層LY18に属する絶縁層OLが露出する。
【0174】
これにより、領域AR1~AR6等のそれぞれに、高さの異なる2つまたは3つのテラス面が形成される。このとき、例えば領域AR1,AR2では、領域AR1,AR2の境界部分に対し、複数のテラス面の高さ位置の配置が線対称となる。また例えば、領域AR4,AR5では、領域AR4,AR5の境界部分に対し、複数のテラス面の高さ位置の配置が線対称となる。
【0175】
ただし、このときのテラス面のY方向の幅は、階段部が最終的に有することとなる、上述のテラス面のY方向の幅と必ずしも一致しない。また、このときのテラス面は、X方向において、階段部となる領域の全体に亘り同じ高さとなっている。
【0176】
その後、酸素プラズマ等を用いたアッシングにより、マスクパターン82を除去する。
【0177】
図11(c)に示すように、積層体LMs上に第3及び第4のマスクパターンとしてのマスクパターン83を形成する。マスクパターン83は、マスクパターン81,82と同様、積層体LMsのピラーPL等が形成される領域を覆っている。また、階段部が形成されることとなる領域において、マスクパターン83は、マスクパターン81,82とは異なる位置に、Y方向に所定の間隔を空けてX方向に延びている。
【0178】
より具体的には、第3のマスクパターンとしてのマスクパターン83は、例えば領域AR4,AR5に跨って形成される。このとき、マスクパターン83は、領域AR4,AR5の境界部分、つまり、領域AR4,AR5の間に形成されることとなる板状コンタクトLIに対して、Y方向における中心位置が一致するよう領域AR4,AR5の一部領域に形成される。
【0179】
これにより、領域AR4,AR5に跨って形成されるマスクパターン83は、階段部が最終的に有することとなる、2つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR4上の領域AR5との境界部分に形成される。また、マスクパターン83は、2つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR5上の領域AR4との境界部分に形成される。
【0180】
同様に、マスクパターン83は、例えば領域AR1,AR2に跨って形成される。このとき、マスクパターン83は、領域AR1,AR2の境界部分、つまり、領域AR1,AR2の間に形成されることとなる板状コンタクトLIに対して、Y方向における中心位置が一致するよう領域AR1,AR2の一部領域に形成される。
【0181】
これにより、領域AR1,AR2に跨って形成されるマスクパターン83は、階段部が最終的に有することとなる、2つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR1上の領域AR2との境界部分に形成される。また、マスクパターン83は、2つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR2上の領域AR1との境界部分に形成される。
【0182】
このように、階段部が形成される領域において、第3のマスクパターンとしてのマスクパターン83もまた、Y方向に周期的なパターンを有して形成される。
【0183】
また、第4のマスクパターンとしてのマスクパターン83は、例えば領域AR3の、領域AR2に接する側の一部を覆うように形成される。このとき、マスクパターン83は、階段部が最終的に有することとなる、2つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR3上の領域AR2との境界部分に形成される。
【0184】
同様に、マスクパターン83は、例えば領域AR6の、領域AR5に接する側の一部を覆うように形成される。このとき、マスクパターン83は、階段部が最終的に有することとなる、2つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR6上の領域AR5との境界部分に形成される。
【0185】
階段部が形成される領域において、第4のマスクパターンとしてのマスクパターン83もまた、領域AR1,AR2の境界部分、及び領域AR4、AR5の境界部分等に形成される第3のマスクパターンとしてのマスクパターン83のY方向片側に、Y方向に周期的なパターンを有して形成される。
【0186】
また、以上のように形成したマスクパターン83から露出する積層体LMsの表面から、1対の絶縁層NL,OLをエッチングする。
【0187】
このとき、Y方向に所定間隔で配置されるマスクパターン83の間の各領域において、マスクパターン83形成後に新たに露出した一部領域から、階層LY20の絶縁層NL,OLが除去されて、階層LY19に属する絶縁層OLが露出する。
【0188】
また、マスクパターン83の間の各領域において、マスクパターン82を用いたエッチングで階層LY20の絶縁層NL,OLが除去済みの一部領域から、階層LY20下層の階層LY19の絶縁層NL,OLが除去されて、階層LY18に属する絶縁層OLが露出する。
【0189】
また、マスクパターン83の間の各領域において、マスクパターン81,82を用いたエッチングで階層LY20,LY19の絶縁層NL,OLが除去済みの一部領域から、階層LY19下層の階層LY18の絶縁層NL,OLが除去されて、階層LY17に属する絶縁層OLが露出する。
【0190】
その後、酸素プラズマ等を用いたアッシングにより、マスクパターン83を除去する。
【0191】
図11(d)に示すように、積層体LMs上に第5及び第6のマスクパターンとしてのマスクパターン84を形成する。マスクパターン84は、マスクパターン81~83と同様、積層体LMsのピラーPL等が形成される領域を覆っている。また、階段部が形成されることとなる領域において、マスクパターン84は、マスクパターン84とは異なる位置に、Y方向に所定の間隔を空けてX方向に延びている。
【0192】
より具体的には、第6のマスクパターンとしてのマスクパターン84は、例えば領域AR4,AR5に跨って形成される。このとき、マスクパターン84は、領域AR4,AR5の境界部分、つまり、領域AR4,AR5の間に形成されることとなる板状コンタクトLIに対して、Y方向における中心位置が一致するよう領域AR4,AR5の一部領域に形成される。
【0193】
これにより、領域AR4,AR5に跨って形成されるマスクパターン84は、階段部が最終的に有することとなる、1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR4上の領域AR5との境界部分に形成される。また、マスクパターン84は、1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR5上の領域AR4との境界部分に形成される。
【0194】
同様に、第5のマスクパターンとしてのマスクパターン84は、例えば領域AR1,AR2に跨って形成される。このとき、マスクパターン84は、領域AR1,AR2の境界部分、つまり、領域AR1,AR2の間に形成されることとなる板状コンタクトLIに対して、Y方向における中心位置が一致するよう領域AR1,AR2の一部領域に形成される。
【0195】
これにより、領域AR1,AR2に跨って形成されるマスクパターン84は、階段部が最終的に有することとなる、1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR1上の領域AR2との境界部分に形成される。また、マスクパターン84は、1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR2上の領域AR1との境界部分に形成される。
【0196】
また、マスクパターン84は、例えば領域AR3の、領域AR2に接する側の一部を覆うように形成される。このとき、マスクパターン83は、階段部が最終的に有することとなる、1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR3上の領域AR2との境界部分に形成される。
【0197】
同様に、マスクパターン84は、例えば領域AR6の、領域AR5に接する側の一部を覆うように形成される。このとき、マスクパターン84は、階段部が最終的に有することとなる、1つ分のテラス面のY方向の幅を有して領域AR6上の領域AR5との境界部分に形成される。
【0198】
階段部が形成される領域において、マスクパターン84もまた、マスクパターン83と同様、Y方向に所定の間隔を有して形成される。
【0199】
また、以上のように形成したマスクパターン84から露出する積層体LMsの表面から、1対の絶縁層NL,OLをエッチングする。
【0200】
このとき、Y方向に所定間隔で配置されるマスクパターン84の間の各領域において、マスクパターン84形成後に新たに露出した一部領域から、階層LY20の絶縁層NL,OLが除去されて、階層LY19に属する絶縁層OLが露出する。
【0201】
また、マスクパターン84間の各領域において、マスクパターン83を用いたエッチングで階層LY20の絶縁層NL,OLが除去済みの一部領域から、階層LY20下層の階層LY19の絶縁層NL,OLが除去されて、階層LY18に属する絶縁層OLが露出する。
【0202】
また、マスクパターン84の間の各領域において、マスクパターン82,83を用いたエッチングで階層LY20,LY19の絶縁層NL,OLが除去済みの一部領域から、階層LY19下層の階層LY18の絶縁層NL,OLが除去されて、階層LY17に属する絶縁層OLが露出する。
【0203】
また、マスクパターン84の間の各領域において、マスクパターン81~83を用いたエッチングで階層LY20~LY18の絶縁層NL,OLが除去済みの一部領域から、階層LY18下層の階層LY17の絶縁層NL,OLが除去されて、階層LY16に属する絶縁層OLが露出する。
【0204】
図11(e)に示すように、酸素プラズマ等を用いたアッシングにより、マスクパターン84を除去する。これにより、階段部が最終的に有することとなるGY階段の形状が、Y方向に沿う断面に形成される。この後、上述の実施形態と同様の手順でGX階段を形成することで、変形例の階段部が形成される。
【0205】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0206】
1…半導体記憶装置、20…半導体基板、61~63,70~74,81~84…マスクパターン、AR1~AR6…領域、CC…コンタクト、LI…板状コンタクト、LM…積層体、LY0~LY20…階層、NL,OL…絶縁層、PER…周辺回路、PL…ピラー、SL…ソース線、SM…上段部、SP…階段部、SR…階段領域、WL…ワード線。