IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧 ▶ 三菱電機照明株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-照明装置 図1
  • 特開-照明装置 図2
  • 特開-照明装置 図3
  • 特開-照明装置 図4
  • 特開-照明装置 図5
  • 特開-照明装置 図6
  • 特開-照明装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087508
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/17 20200101AFI20240624BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20240624BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20240624BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20240624BHJP
【FI】
H05B47/17
H05B47/16
H05B47/105
H05B47/165
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202361
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木所 孝元
(72)【発明者】
【氏名】芝原 信一
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA07
3K273QA25
3K273QA30
3K273RA13
3K273SA08
3K273SA12
3K273SA32
3K273SA46
3K273SA58
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA12
3K273TA15
3K273TA26
3K273TA28
3K273UA22
3K273UA27
3K273UA28
(57)【要約】
【課題】本開示は照明装置に関し、入力が交流電圧であるか直流電圧であるかに応じて明るさを調整し光源を点灯する照明器具を提供することを目的とする。
【解決手段】本開示の照明装置は、交流および直流の両方の電圧の入力を受け付け、光源を点灯する照明装置であって、電源から電圧を受け付ける処理と、受け付けた電圧が交流電圧であるか、直流電圧であるかを判定する処理を実行する。受け付けた電圧が交流電圧である場合は、第一の明るさが実現するよう光源を点灯し、受け付けた電圧が直流電圧である場合は、第一の明るさよりも暗い第二の明るさが実現するよう光源を点灯する処理とを実行するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流および直流の両方の電圧の入力を受け付け、光源を点灯する照明装置であって、
電源から電圧を受け付ける受付処理と、
受付処理において受け付けた電圧が交流電圧であるか、直流電圧であるかを判定する入力電圧判定処理と、
前記受け付けた電圧が交流電圧である場合は、第一の明るさが実現するよう前記光源を点灯し、前記受け付けた電圧が直流電圧である場合は、前記第一の明るさよりも暗い第二の明るさが実現するよう前記光源を点灯する処理と、
を実行するように構成される照明装置。
【請求項2】
設定器をさらに備え、
前記受け付けた電圧が交流電圧である場合は、前記設定器により設定された照明条件を参照する処理と、
前記照明条件に基づく明るさを前記第一の明るさとする処理と、
を更に実行し、
前記受け付けた電圧が直流電圧である場合は、
前記設定器により設定された照明条件を参照せずに、前記第二の明るさが実現するよう前記光源を点灯する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記設定器は、照明装置の設置高さを測定するセンサをさらに備え、
前記受け付けた電圧が直流電圧である場合は、前記センサにより測定された照明装置の設置高さを参照する処理と、
前記第二の明るさを、照明装置の設置高さが高いほど明るくする処理と、
を実行する、請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記入力電圧判定処理が完了するまでの間は、規定の明るさで前記光源を点灯する処理を実行する、請求項1から3いずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記入力電圧判定処理においては、前記受け付けた電圧の時間変化に応じて、受け付けた電圧が交流電圧であるか、直流電圧であるかを判定する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
変換回路をさらに備え、
前記変換回路は、前記受け付けた電圧が交流電圧である場合には、前記光源を点灯するのに適した直流電圧に前記受け付けた電圧を変換し、
前記受け付けた電圧が直流電圧である場合には、前記光源を点灯するのに適した直流電圧に前記受け付けた電圧を変換する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
前記変換回路は、スイッチング素子を備えるスイッチング回路である、請求項6に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置においては、コイルとスイッチング素子から成るスイッチング回路を用いてLEDなどの負荷に電力を供給する技術が知られる。照明装置に入力される電圧は主に交流電圧であり、複数の電圧レベルの入力に対応できる電圧フリーの照明装置が主流である。交流電圧の入力を受け付ける照明装置においては、入力された交流電圧を整流器によって整流し、整流された電圧を昇圧して直流化する。さらには、所定の電圧レベルが得られるように直流電圧を降圧し、降圧した直流電圧を用いてLEDなどの負荷に電力供給する。
【0003】
一方、近年では、照明装置に入力する電圧は交流電圧だけではなくなっており、例えば太陽光発電、バッテリー、もしくは直流給電設備など、直流電圧を入力して点灯する照明装置が増えてきている。
【0004】
特許文献1には、交流・直流両用の照明装置が開示されている。大型の工場、またはビルなどは、非常用電源としてバッテリーを備えていることから、交流・直流両用とすることで、通常状態だけでなく、非常状態においても使用可能な照明装置を提供することができる。さらに、交流・直流両用の照明装置は、従来の非常灯のように電池を内蔵する必要がないことから、コストおよびメンテンナスの観点でも優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-152686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術の照明装置は、交流電圧と直流電圧の両方の入力を受け付けることはできたが、入力が交流電圧であるか直流電圧であるかに関わらず、同じ明るさで点灯していた。このため、照明装置は非常状態にも通常状態と同じ明るさで点灯してしまい、バッテリーの消費が速かった。
【0007】
本開示は上述の問題を解決するため、入力が交流電圧であるか直流電圧であるかに応じて明るさを調整し光源を点灯する照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の態様は、交流および直流の両方の電圧の入力を受け付け、光源を点灯する照明装置であって、
電源から電圧を受け付ける受付処理と、
受付処理において受け付けた電圧が交流電圧であるか、直流電圧であるかを判定する入力電圧判定処理と、
前記受け付けた電圧が交流電圧である場合は、第一の明るさが実現するよう前記光源を点灯し、前記受け付けた電圧が直流電圧である場合は、前記第一の明るさよりも暗い第二の明るさが実現するよう前記光源を点灯する処理と、
を実行するように構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の態様によれば、入力が交流電圧であるか直流電圧であるかに応じて明るさを調整し、光源を点灯制御する照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施の形態1に係る、照明装置の回路ブロック図である。
図2】本開示の実施の形態1に係る、照明装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図3】本開示の実施の形態2に係る、照明装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図4】本開示の実施の形態3に係る、照明装置の回路ブロック図である。
図5】本開示の実施の形態3に係る、照明装置が実行する処理を示すフローチャートである。
図6】本開示の実施の形態4に係る、照明装置の回路ブロック図である。
図7】本開示の実施の形態4に係る、照明装置が実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示に係る照明装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0012】
実施の形態1
図1は、本開示の実施の形態1に係る、照明装置の回路ブロック図である。照明装置100は、交流電圧ACまたは直流電圧DCを受け付ける入力部10、整流器20、入力検出回路30、変換回路40、およびLED光源部50を備える。
【0013】
入力部10は、入力端子を備える。入力部10は、入力端子を介して電源から交流電圧ACおよび直流電圧DCの両方の入力を受け付ける処理(以下、受付処理と称する)を実行する。なお、交流電圧ACを供給する電源は例えば商用電源である。
【0014】
整流器20は、入力部10に交流電圧ACが入力された場合に、当該交流電圧ACを全波整流し、脈流電圧を生成する。整流器20はたとえばダイオードブリッジ回路である。整流器20の出力端子にはコンデンサC1が接続される。コンデンサC1により、整流器20で全波整流された電圧を平滑化することができる。一方、入力部10に直流電圧DCが入力された場合は、整流器20には当該直流電圧が印加され、そのままコンデンサC1に出力される。
【0015】
コンデンサC1の両端電圧は、変換回路40が備える後述の昇圧チョッパ回路41の動作電源となる。入力部10に交流電圧ACが入力された場合、コンデンサC1には、交流電圧AC由来の全波整流された電圧(以降、交流由来電圧と称する)が印加されている。また、入力部10に直流電圧DCが入力された場合、コンデンサC1には、当該直流電圧DCに比例する電圧(以降、直流由来電圧と称する)が印加されている。
【0016】
入力検出回路30は、コンデンサC1、およびコンデンサC1に並列に接続された抵抗R1と抵抗R2からなる直列回路を備える。入力検出回路30では、抵抗R1と抵抗R2により抵抗分割された回路の中点が、制御IC42のP3端子に接続されている。これにより制御IC42は、入力部10への入力が交流電圧ACであるか、直流電圧DCであるかを判定する処理(以降、入力電圧判定処理と称する)を実行することができる。
【0017】
入力電圧判定処理は、P3端子に入力される電圧の時間変化を検出することにより実現することができる。すなわち、電圧に時間的な変化がある場合は交流由来電圧が検出されていることから、入力部10には交流電圧ACが入力されたと判定できる。一方、電圧に時間的な変化がない場合は直流由来電圧が検出されていることから、入力部10には直流電圧DCが入力されたと判定できる。なお、検出の時間間隔は自由に設定してよいが、より細かく設定することで検出精度を向上させることができる。
【0018】
変換回路40は、交流由来電圧または直流由来電圧を、LED光源部50を駆動するのに適した直流電圧へと変換する。変換回路40は、昇圧チョッパ回路41、制御IC42、制御電源回路部43、降圧回路部44、MOSFETドライバ45、バックコンバータ回路46を備える。
【0019】
昇圧チョッパ回路41は、コイルL1、スイッチング素子であるMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)Q1、ダイオードD1を備える。
【0020】
MOSFETQ1のソース端子には抵抗R6、ドレイン端子にはコイルL1、ゲート端子にはMOSFETドライバ45がそれぞれ接続される。MOSFETQ1は、MOSFETドライバ45による制御に応答し、昇圧チョッパ回路41内の電圧のスイッチングを行う。
【0021】
昇圧チョッパ回路41は、交流由来電圧または直流由来電圧を、バックコンバータ回路46に適した直流電圧となるよう昇圧し、コンデンサC2を充電する。
【0022】
昇圧チョッパ回路41は、入力部10に交流電圧ACが入力された場合は、当該交流電圧ACの力率を高効率化する力率改善回路として動作する。そこでは、MOSFETQ1をオンにする信号の期間を交流電圧ACの周期に対して一定となるようにスイッチング制御を行う。すなわち、スイッチング電流が交流電圧ACの位相に一致するように制御を行う。
【0023】
一方、昇圧チョッパ回路41は、入力部10に直流電圧DCが入力された場合は、バックコンバータ回路46に適した直流電圧になるまでコンデンサC2を昇圧する。直流電圧DCの場合は、電圧が時間に依らず一定であるため力率改善回路動作は不要である。
【0024】
抵抗R5、R6は、コンデンサC2の両端に設けられ、コンデンサC2に充電される直流電圧を分圧する。分圧された電圧は制御IC42のP1端子により検出される。これにより、制御IC42は、コンデンサC2に充電される直流電圧が一定となるようにMOSFETQ1を制御することができる。以降では、コンデンサC2の両端に充電される直流電圧をV1とする。
【0025】
バックコンバータ回路46は、MOSFETQ2、コイルL2、ダイオードD2を備える。バックコンバータ回路46は、コンデンサC2に充電された直流電圧V1に対してスイッチング制御を行い、高周波電圧を生成する。コンデンサC3は、バックコンバータ回路46と並列に接続され、バックコンバータ回路46が出力する高周波電圧を平滑化することで直流電圧を生成する。バックコンバータ回路46とコンデンサC3により生成される直流電圧をLED光源部50に供給することで、LED光源部50を点灯させることができる。
【0026】
抵抗R4にはバックコンバータ回路46が出力するバックコンバータ電流(スイッチング電流とも呼ばれる)が流れる。バックコンバータ電流は抵抗R4において電圧へと変換され、制御IC42のP2端子に入力される。これにより、制御IC42は、抵抗R4に発生する電圧が一定となるようにMOSFETQ2を制御することができる。すなわち、バックコンバータ電流が一定となるように定電流制御を実施することができる。バックコンバータ電流の平均値はLED光源部50に流れる電流(LED電流とも呼ばれる)に等しいことから、このことは、LED光源部50に流れる電流についても、一定となるように制御されていることを意味する。
【0027】
さらに、制御IC42により抵抗R4に発生する電圧を検出することで、MOSFETQ1がオンの状態でMOSFETQ1に流れる電流値を検出することもできる。
【0028】
MOSFETドライバ45は、スイッチング制御用のドライバである。MOSFETドライバ45は、制御IC42から送信される信号に基づき、MOSFETQ1、MOSFETQ2をそれぞれ駆動させる。MOSFETドライバ45は、制御IC42よりも高い電圧を出力することができるため、MOSFETドライバ45を使用することで、制御IC42から直接MOSFETQ1を駆動するよりも安定的にスイッチング制御を行うことができる。
【0029】
制御電源回路部43は、コンデンサC2の両端電圧を降圧する。この降圧された電圧をさらにコンデンサC4で平滑化することでMOSFETドライバ45の制御電源が生成される。以降では、制御電源回路部43とコンデンサC4により生成されるMOSFETドライバ45の制御電源を電圧V2とする。例えば、電圧V2は15Vである。なお制御電源回路部43は、例えばバックコンバータ回路などの降圧コンバータ回路でもよく、フライバック回路などの昇降圧コンバータでもよい。
【0030】
降圧回路部44は電圧V2をさらに降圧し、制御IC42の動作電源電圧を生成する。動作電源電圧は例えば5Vである。動作電源電圧は、制御IC42のVDD端子に入力される。
【0031】
制御IC42はマイコン、またはマイコンとドライバを含む複合ICである。もしくは、DSP(Digital Signal Processor)等の演算装置で構成することもできる。
【0032】
制御IC42は、コンデンサC2に充電される直流電圧V1をP1端子から検出し、当該直流電圧が一定になるようにフィードバック制御を行う。フィードバック制御においては、制御IC42は、MOSFETQ1のスイッチングを制御するための信号をVg1端子からMOSFETドライバ45に対して送信する。
【0033】
なお、MOSFETQ1をオンにする信号の期間を一定にしながら、且つ、フィードバック制御を行う必要があるため、フィードバック周期は交流由来電圧の周期よりも遅くする必要がある。
【0034】
さらに、制御IC42は、抵抗R4に発生する電圧が一定になるように、MOSFETQ2のスイッチングを制御するための信号をVg2端子からMOSFETドライバ45に対して送信する。これにより、上述のバックコンバータ回路46の定電流制御を実現することができる。
【0035】
LED光源部50は、複数のLED光源が直列に接続された構造を有する。LED光源部50は、バックコンバータ回路46とコンデンサC3により生成される直流電圧を受け付ける。これにより、LED光源が点灯する。
【0036】
このように本実施形態の照明装置100においては、入力部10が、交流電圧ACおよび直流電圧DCの両方の入力を受け付ける。さらに、変換回路40が、入力された交流電圧ACまたは直流電圧DCを、LED光源部50を駆動するのに適した直流電圧へと変換する。さらに、変換回路40が当該直流電圧をLED光源部50に供給することで、LED光源が点灯する。
【0037】
〈変形例〉
なお、図1において、変換回路40が昇圧チョッパ回路41とバックコンバータ回路46の組み合わせである場合を説明した。しかしながら、入力された交流電圧ACまたは直流電圧DCを、LED光源部50を駆動するのに適した電圧へと変換する回路であれば種類は問わない。なお、この点は以下の実施の形態のすべてにおいても共通である。
【0038】
図2は、本開示の実施の形態1に係る、照明装置が実行する処理を示すフローチャートである。まず、制御IC42が、処理を開始する(ステップS21)。次に、制御IC42が、入力検出回路30に電圧が印加されたか否かを判定する(ステップS22)。電圧の印加が認められた場合、制御IC42が、上述の入力電圧判定処理を実行する(ステップS23)。ステップS23の入力電圧判定処理は一定の時間内に行われる。以降では、入力電圧判定処理を行う時間を第一の判定時間と称する。第一の判定時間は、例えば、300msであるが、時間は自由に設定できるものとする。
【0039】
入力電圧判定処理において交流電圧ACと判定された場合は、照明装置100が通常状態の使用環境にあることを意味する。そのため、制御IC42は、第一の明るさが実現されるようにLED光源部50を点灯制御する(ステップS24)。ここで、第一の明るさとは、照明装置100の通常状態の使用環境において、必要とされる明るさである。
【0040】
一方、入力電圧判定処理において直流電圧DCと判定された場合は、照明装置100が非常状態の使用環境にあることを意味する。そのため、制御IC42は、第二の明るさが実現されるようにLED光源部50を点灯制御する(ステップS25)。第二の明るさは、非常時に必要とされる最低限の明るさであり、第一の明るさよりも暗い。このように、非常状態には最低限必要なレベルまで明るさを落とすことでバッテリーの消費を抑制でき、照明装置100の点灯時間を長く保つことができる。加えて、バッテリーの消費を抑制することは、1つのバッテリー当たりに接続できる照明装置100の台数を増やすことを意味することから、設備の効率化も図れる。
【0041】
以上フローチャートで説明したように、本実施形態の照明装置100は、入力部10への入力が交流電圧ACであるか、直流電圧DCであるかに応じて、異なる明るさでLED光源部50を点灯制御する。これにより、照明装置100の使用環境が通常状態であるか、非常状態であるかに応じて、それぞれに必要な明るさを実現することができる。
【0042】
〈変形例〉
なお、第二の明るさは、非常時に必要とされる最低限の明るさでなくともよい。第二の明るさのほうが第一の明るさよりも明るくてもよく、照明装置100の使用環境に好適となるように決めればよい。なお、この点は以下のすべての実施の形態においても共通である。
【0043】
なお、ステップS22において入力検出回路30への電圧の印加が認められた場合、当該電圧のレベルを判定する処理を更に実行してもよい。この点は、以下のすべての実施の形態においても共通である。
【0044】
実施の形態2
本実施の形態の照明装置100は実施の形態1と共通であるが、実行する処理が実施の形態1とは異なる。図3は、本開示の実施の形態2に係る、照明装置が実行する処理を示すフローチャートである。まず、制御IC42が、処理を開始する(ステップS31)。次に、制御IC42が、入力検出回路30に電圧が印加されたか否かを判定する(ステップS32)。電圧の印加が認められた場合は、実施の形態1と異なり、制御IC42が、規定の明るさでLED光源部50を点灯制御する(ステップS33)。
【0045】
さらに、制御IC42が、入力電圧判定処理を実行する(ステップS34)。ステップS34の入力電圧判定処理は一定の時間内に行われる。以降では、ステップS33およびステップ34を行う時間を第二の判定時間と称する。第二の判定時間は、例えば、300msである。
【0046】
ステップS34以降の処理は、実施の形態1と共通である。すなわち、入力電圧判定処理において交流電圧ACと判定された場合は、制御IC42が、第一の明るさが実現されるようにLED光源部50を点灯制御する(ステップS35)。一方、直流電圧DCと判定された場合は、制御IC42が、第二の明るさが実現されるようにLED光源部50を点灯制御する(ステップS36)。
【0047】
このように、本実施形態の照明装置100は、入力部10への入力が交流電圧ACであるか、直流電圧DCであるかに関わらず、入力電圧判定処理が完了するまでの間は規定の明るさでLED光源部50を点灯制御する。これにより、入力電圧判定処理の結果を待たずにLED光源部50を点灯させることができる。
【0048】
実施の形態3
図4は、本開示の実施の形態3に係る、照明装置の回路ブロック図である。本実施形態では、実施の形態1の照明装置100が、設定器60と設定検出回路70をさらに備えた構成を有する。設定器60は、利用者が調光率などの照明条件を入力する機器であり、コントローラ、リモコン、壁スイッチなどである。設定検出回路70は、設定器60から送信された照明条件を、制御IC42で検出可能な形式の信号になるよう変換し、変換された信号を制御IC42のP4端子に入力する。これにより、制御IC42は、設定器60から受け付けた照明条件が実現するようにLED光源部50を点灯制御することができる。
【0049】
このように、本実施形態の照明装置200は、設定器60に入力された照明条件に基づき点灯制御を行う。
【0050】
図5は、本開示の実施の形態3に係る、照明装置が実行する処理を示すフローチャートである。図5において、ステップS51からステップS53の入力電圧判定処理までは実施の形態1の図2と同様である。
【0051】
しかしながら、入力電圧判定処理において交流電圧ACと判定された場合は、実施の形態1と異なり、制御IC42が、設定器60から制御IC42に対して照明条件が入力されたか否かをさらに判定する(ステップS54)。照明条件の入力が認められた場合、制御IC42が、当該照明条件に基づく明るさを第一の明るさとし、LED光源部50を点灯制御する(ステップS55)。
【0052】
一方、入力電圧判定処理において直流電圧DCと判定された場合は、実施の形態1と同様に、制御IC42が、第二の明るさが実現されるようにLED光源部50を点灯制御する(ステップS56)。このように、制御IC42は、非常状態には入力された照明条件を参照せず、照明条件に依らない制御を実施する。これにより、非常状態においても確実にLED光源部50を点灯させ、最低限の明るさを確保することができる。
【0053】
以上フローチャートで説明したように、本実施形態の照明装置200は、実施の形態1で説明した処理に加えて、通常の使用環境においては、利用者が設定した照明条件を参照し、当該照明条件に基づく明るさを第一の明るさとする。これにより、利用者が設定した照明条件を実現することができる。
【0054】
〈変形例〉
なお、ステップS52において入力検出回路30への電圧の印加が認められる場合は、ステップS53の入力電圧判定処理の前に、制御IC42が、規定の明るさでLED光源部50を点灯制御してもよい(ステップS57)。すなわち、実施の形態2と同様の処理を追加してもよい。
【0055】
実施の形態4
図6は、本開示の実施の形態4に係る、照明装置の回路ブロック図である。本実施の形態の照明装置300は実施の形態3と同様であるが、設定器60が、床面と照明装置200の距離、すなわち照明装置200の設置高さを測定する距離センサ61をさらに備える。距離センサ61が測定により測定された照明装置200の設置高さの情報は、上述の照明条件と同様に、設定器60から設定検出回路70へと送信される。さらに、設定検出回路70において、制御IC42で検出可能な信号形式になるように変換される。
【0056】
図7は、本開示の実施の形態4に係る、照明装置が実行する処理を示すフローチャートである。図7のフローチャートは、図5と同様であるが、ステップS73の入力電圧判定処理において直流電圧DCと判定された場合に、制御IC42が、照明装置200の設置高さが入力されたか否かをさらに判定する(ステップS76)。入力が認められた場合、第二の明るさを、照明装置の設置高さが高いほど明るくしたうえで、第二の明るさが実現するようにLED光源部50を点灯制御する(ステップS77)。
【0057】
以上フローチャートで説明したように、本実施形態の照明装置300は、実施の形態3で説明した処理に加えて、非常状態の使用環境においては、照明装置200の設置高さに基づく点灯制御を行う。これにより、照明装置200が設置される高さに関わらず、非常状態においても最低限必要な明るさで床面を点灯することができる。
【0058】
〈変形例〉
なお、設定器60は、必ずしも距離センサ61を備えていなくともよい。利用者があらかじめ測定した、照明装置300の設置高さを設定器60に入力してもよく、その場合も上述と同じ効果を得ることができる。
【0059】
なお、ステップS72において入力検出回路30への電圧の印加が認められる場合は、ステップS73の入力電圧判定処理の前に、制御IC42が、規定の明るさでLED光源部50を点灯制御してもよい(ステップS78)。すなわち、実施の形態2と同様の処理を追加してもよい。
【0060】
以上説明したように、本開示によれば、入力が交流電圧であるか直流電圧であるかに応じて明るさを調整し光源を点灯する照明器具を提供することができる。
【符号の説明】
【0061】
入力部10;整流器20;入力検出回路30;変換回路40;昇圧チョッパ回路41;制御IC42;制御電源回路部43;降圧回路部44;MOSFETドライバ45;バックコンバータ回路46;LED光源部50;設定器60;距離センサ61;設定検出回路70;照明装置100;照明装置200;照明装置300
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7