(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087538
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】枠ユニットの組み付け構造
(51)【国際特許分類】
E06B 1/56 20060101AFI20240624BHJP
E06B 1/60 20060101ALI20240624BHJP
E06B 7/22 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
E06B1/56 A
E06B1/60
E06B7/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202420
(22)【出願日】2022-12-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開日:令和4年11月16日 公開場所:オリエント商事株式会社 会議室(東京都中央区八丁堀2丁目20-8 八丁堀綜通ビル)
(71)【出願人】
【識別番号】391008582
【氏名又は名称】昭和フロント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100128392
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 秀一
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】田中 信行
【テーマコード(参考)】
2E011
2E036
【Fターム(参考)】
2E011JA01
2E011JA02
2E011KA06
2E011KB03
2E011KC02
2E011KC03
2E011KC04
2E011KD14
2E011KG06
2E036AA01
2E036BA01
2E036DA03
2E036DA09
2E036EB07
2E036EB10
2E036EC03
2E036GA07
2E036HB38
(57)【要約】
【課題】躯体開口部に設置される設置枠にサッシ等の枠ユニットを着脱自在に組み付ける場合に、部品点数の削減、枠ユニットの設置枠への取り付け、取り外し作業の簡略化を図るとともに、止水構造の向上を図る。
【解決手段】設置上枠13に、サッシ上枠4に向けて突出する屋内側、屋外側突出片13b、13dを設ける一方、サッシ上枠4に、サッシ上枠を屋外方向から設置上枠に組み込むことで屋内側、屋外側突出片13b、13dに当接する屋内側、屋外側当接片4b、4eを設け、これら屋内側突出片13bと屋内側当接片4b、屋外側突出片13dと屋外側当接片4b、4eとをネジ17、18で締結するとともに、ネジ18締結部を設置上枠、サッシ上枠の屋外側端部よりも屋内側に位置させるとともにネジ18締結部の屋外側を開口19し、該開口19の屋内側に止水部材20を配設した。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体開口部の内周側に固定される設置枠に、上枠、下枠、および左右の縦枠が枠組形成された枠ユニットを着脱自在に組み付けるにあたり、前記設置枠は、枠ユニット上枠が組み付けられる設置上枠を備え、該設置上枠は、枠ユニット上枠の上方に位置する設置上枠本体部と、該設置上枠本体部の屋内側、屋外側部分から下方に向けて突出する屋内側、屋外側突出片とを備え、枠ユニット上枠は、該枠ユニット上枠を屋外方向から設置上枠に組み込むことで前記屋内側、屋外側突出片にそれぞれ屋外方向から当接する屋内側、屋外側当接片を備え、これら屋内側突出片と屋内側当接片、屋外側突出片と屋外側当接片とをそれぞれ締結部材で締結することで設置上枠と枠ユニット上枠とを屋内外両側で着脱自在に固定する構成にする一方、前記屋外側突出片と屋外側当接片との締結部を設置上枠本体部および枠ユニット上枠の屋外側端部よりも屋内側に位置させるとともに締結部の屋外側を開口し、該開口から屋外側突出片と屋外側当接片との締結を行える構成にするとともに、開口の屋内側に締結部を止水する止水部材を配設したことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造。
【請求項2】
請求項1において、設置上枠の屋内側突出片と枠ユニット上枠の屋内側当接片との間に、屋内側突出片と屋内側当接片とを当接させることで押圧されて止水する止水部材を設けたことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造。
【請求項3】
請求項1において、設置枠は、枠ユニット下枠が組み付けられる設置下枠を備え、該設置下枠は、枠ユニット下枠が載置される設置下枠本体部と、該設置下枠本体部の屋内側部分から上方に向けて突出する屋内側突出片とを備える一方、枠ユニット下枠は、該枠ユニット下枠を屋外方向から設置下枠に組み込むことで前記屋内側突出片に屋外方向から当接する屋内側当接片を備え、これら屋内側突出片と屋内側当接片とを締結部材で締結することで設置下枠と枠ユニット下枠とを着脱自在に固定する構成にするとともに、屋内側突出片と屋内側当接片との間に、屋内側突出片と屋内側当接片とを当接させることで押圧されて止水する止水部材を設けたことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造。
【請求項4】
請求項1において、設置枠は、枠ユニットの左右何れか一方の縦枠が組み付けられる設置縦枠を備え、該設置縦枠は、枠ユニット縦枠の左右外方に位置する設置縦枠本体部と、該設置縦枠本体部の屋内側、屋外側部分から枠ユニット縦枠に向けて突出する屋内側、屋外側突出片とを備え、枠ユニット縦枠は、該枠ユニット縦枠を屋外方向から設置縦枠に組み込むことで前記屋内側、屋外側突出片にそれぞれ屋外方向から当接する屋内側、屋外側当接片を備え、これら屋内側突出片と屋内側当接片、屋外側突出片と屋外側当接片とをそれぞれ締結部材で締結することで設置縦枠と枠ユニット縦枠とを屋内外両側で着脱自在に固定する構成にする一方、前記屋外側突出片と屋外側当接片との締結部を設置縦枠本体部および枠ユニット縦枠の屋外側端部よりも屋内側に位置させるとともに締結部の屋外側を開口し、該開口から屋外側突出片と屋外側当接片との締結を行える構成にするとともに、開口の屋内側に締結部を止水する止水部材を配設したことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造。
【請求項5】
請求項4において、設置縦枠の屋内側突出片と枠ユニット縦枠の屋内側当接片との間に、屋内側突出片と屋内側当接片とを当接させることで押圧されて止水する止水部材を設けたことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造。
【請求項6】
請求項1において、設置枠に、複数の枠ユニットを左右に隣接させて組み付けるにあたり、隣接する一方の枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠の屋外側部分に、他方の枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠に向けて突出する屋外側突出片を設ける一方、他方の枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠に、前記屋外側突出片に屋外方向から当接する屋外側当接片を設け、これら屋外側突出片と屋外側当接片とを締結部材で締結することで隣接する枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠同士を着脱自在に連結する構成にする一方、前記屋外側突出片と屋外側当接片との締結部を隣接側枠ユニット縦枠の屋外側端部よりも屋内側に位置させるとともに締結部の屋外側を開口し、該開口から屋外側突出片と屋外側当接片との締結を行える構成にするとともに、開口の屋内側に締結部を止水する止水部材を配設したことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造。
【請求項7】
請求項6において、隣接する一方の枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠の屋内側部分に、他方の枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠に向けて突出する屋内側係合受け部を設ける一方、他方の枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠に、前記屋内側係合受け部に屋外方向から係合する屋内側係合部を設け、これら屋内側係合受け部と屋内側係合部との間に、屋内側係合部を屋内側係合受け部に係合させることで押圧されて止水する止水部材を設けたことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造。
【請求項8】
請求項1において、設置枠に、一対の枠ユニットをコーナー状に組み付けるにあたり、一対の枠ユニットのコーナー部側枠ユニット縦枠同士をコーナー方立を介して着脱自在に連結する一方、設置枠は、一対の枠ユニットの上枠、下枠が組み付けられる設置上枠、設置下枠を備え、これら設置上枠、設置下枠に、前記コーナー方立の上部、下部を着脱自在に固定する構成にしたことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造。
【請求項9】
請求項8において、コーナー方立は、一対の枠ユニットのコーナー部側枠ユニット縦枠がそれぞれ着脱自在に連結される一対のコーナー方立縦枠を備え、該コーナー方立縦枠の屋外側部分に、コーナー部側枠ユニット縦枠に向けて突出する屋外側突出片を設ける一方、コーナー部側枠ユニット縦枠に、前記屋外側突出片に屋外方向から当接する屋外側当接片を設け、これら屋外側突出片と屋外側当接片とを締結部材で締結することでコーナー方立縦枠とコーナー部側枠ユニット縦枠とを着脱自在に連結する構成にする一方、屋外側突出片と屋外側当接片との締結部をコーナー方立縦枠、コーナー部側枠ユニット縦枠の屋外側端部よりも屋内側に位置させるとともに締結部の屋外側を開口し、該開口から屋外側突出片と屋外側当接片との締結を行える構成にするとともに、開口の屋内側に締結部を止水する止水部材を配設したことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッシ等の枠ユニットを躯体側に組み付ける場合の枠ユニットの組み付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、サッシ等の枠ユニットを躯体開口部に組み付ける場合、枠ユニットは、該枠ユニットの屋内側半部が壁等の躯体側に埋設された状態で組み付けられていた。このため、サッシ等の枠ユニットを取り外すには、軒や内部天井、床、壁等の躯体を解体する必要があるうえ、解体作業の過程で枠ユニットが損傷してしまうこともあって、枠ユニットの再利用(リユース)が難しいという問題があった。
そこで従来、サッシ枠を、躯体側に固定される外周枠と、該外周枠内にビス等により固定される内周枠との二重枠構造とし、外周枠を躯体側に固定したままの状態で、内周枠を外周枠に取り付け、取り外しできるようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、前記特許文献1のものは、外周枠と内周枠とを固定するにあたり、固定専用の部材としてT字状や板状の連結片が用いられており、このため、部品点数が増加してしまうという問題がある。さらに、特許文献1のものでは、外周枠と内周枠との屋外側ビス締結部の止水のために、内周枠を外周枠よりも屋外側に突出させ、該内周枠突出部分と躯体側とのあいだをコーキングしている。このため、内周枠を外周枠から取り外す場合には、コーキング材を躯体側から剥がす必要があって手間がかかるという問題もあり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、躯体開口部の内周側に固定される設置枠に、上枠、下枠、および左右の縦枠が枠組形成された枠ユニットを着脱自在に組み付けるにあたり、前記設置枠は、枠ユニット上枠が組み付けられる設置上枠を備え、該設置上枠は、枠ユニット上枠の上方に位置する設置上枠本体部と、該設置上枠本体部の屋内側、屋外側部分から下方に向けて突出する屋内側、屋外側突出片とを備え、枠ユニット上枠は、該枠ユニット上枠を屋外方向から設置上枠に組み込むことで前記屋内側、屋外側突出片にそれぞれ屋外方向から当接する屋内側、屋外側当接片を備え、これら屋内側突出片と屋内側当接片、屋外側突出片と屋外側当接片とをそれぞれ締結部材で締結することで設置上枠と枠ユニット上枠とを屋内外両側で着脱自在に固定する構成にする一方、前記屋外側突出片と屋外側当接片との締結部を設置上枠本体部および枠ユニット上枠の屋外側端部よりも屋内側に位置させるとともに締結部の屋外側を開口し、該開口から屋外側突出片と屋外側当接片との締結を行える構成にするとともに、開口の屋内側に締結部を止水する止水部材を配設したことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造である。
請求項2の発明は、請求項1において、設置上枠の屋内側突出片と枠ユニット上枠の屋内側当接片との間に、屋内側突出片と屋内側当接片とを当接させることで押圧されて止水する止水部材を設けたことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造である。
請求項3の発明は、請求項1において、設置枠は、枠ユニット下枠が組み付けられる設置下枠を備え、該設置下枠は、枠ユニット下枠が載置される設置下枠本体部と、該設置下枠本体部の屋内側部分から上方に向けて突出する屋内側突出片とを備える一方、枠ユニット下枠は、該枠ユニット下枠を屋外方向から設置下枠に組み込むことで前記屋内側突出片に屋外方向から当接する屋内側当接片を備え、これら屋内側突出片と屋内側当接片とを締結部材で締結することで設置下枠と枠ユニット下枠とを着脱自在に固定する構成にするとともに、屋内側突出片と屋内側当接片との間に、屋内側突出片と屋内側当接片とを当接させることで押圧されて止水する止水部材を設けたことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造である。
請求項4の発明は、請求項1において、設置枠は、枠ユニットの左右何れか一方の縦枠が組み付けられる設置縦枠を備え、該設置縦枠は、枠ユニット縦枠の左右外方に位置する設置縦枠本体部と、該設置縦枠本体部の屋内側、屋外側部分から枠ユニット縦枠に向けて突出する屋内側、屋外側突出片とを備え、枠ユニット縦枠は、該枠ユニット縦枠を屋外方向から設置縦枠に組み込むことで前記屋内側、屋外側突出片にそれぞれ屋外方向から当接する屋内側、屋外側当接片を備え、これら屋内側突出片と屋内側当接片、屋外側突出片と屋外側当接片とをそれぞれ締結部材で締結することで設置縦枠と枠ユニット縦枠とを屋内外両側で着脱自在に固定する構成にする一方、前記屋外側突出片と屋外側当接片との締結部を設置縦枠本体部および枠ユニット縦枠の屋外側端部よりも屋内側に位置させるとともに締結部の屋外側を開口し、該開口から屋外側突出片と屋外側当接片との締結を行える構成にするとともに、開口の屋内側に締結部を止水する止水部材を配設したことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造である。
請求項5の発明は、請求項4において、設置縦枠の屋内側突出片と枠ユニット縦枠の屋内側当接片との間に、屋内側突出片と屋内側当接片とを当接させることで押圧されて止水する止水部材を設けたことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造である。
請求項6の発明は、請求項1において、設置枠に、複数の枠ユニットを左右に隣接させて組み付けるにあたり、隣接する一方の枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠の屋外側部分に、他方の枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠に向けて突出する屋外側突出片を設ける一方、他方の枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠に、前記屋外側突出片に屋外方向から当接する屋外側当接片を設け、これら屋外側突出片と屋外側当接片とを締結部材で締結することで隣接する枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠同士を着脱自在に連結する構成にする一方、前記屋外側突出片と屋外側当接片との締結部を隣接側枠ユニット縦枠の屋外側端部よりも屋内側に位置させるとともに締結部の屋外側を開口し、該開口から屋外側突出片と屋外側当接片との締結を行える構成にするとともに、開口の屋内側に締結部を止水する止水部材を配設したことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造である。
請求項7の発明は、請求項6において、隣接する一方の枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠の屋内側部分に、他方の枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠に向けて突出する屋内側係合受け部を設ける一方、他方の枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠に、前記屋内側係合受け部に屋外方向から係合する屋内側係合部を設け、これら屋内側係合受け部と屋内側係合部との間に、屋内側係合部を屋内側係合受け部に係合させることで押圧されて止水する止水部材を設けたことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造である。
請求項8の発明は、請求項1において、設置枠に、一対の枠ユニットをコーナー状に組み付けるにあたり、一対の枠ユニットのコーナー部側枠ユニット縦枠同士をコーナー方立を介して着脱自在に連結する一方、設置枠は、一対の枠ユニットの上枠、下枠が組み付けられる設置上枠、設置下枠を備え、これら設置上枠、設置下枠に、前記コーナー方立の上部、下部を着脱自在に固定する構成にしたことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造である。
請求項9の発明は、請求項8において、コーナー方立は、一対の枠ユニットのコーナー部側枠ユニット縦枠がそれぞれ着脱自在に連結される一対のコーナー方立縦枠を備え、該コーナー方立縦枠の屋外側部分に、コーナー部側枠ユニット縦枠に向けて突出する屋外側突出片を設ける一方、コーナー部側枠ユニット縦枠に、前記屋外側突出片に屋外方向から当接する屋外側当接片を設け、これら屋外側突出片と屋外側当接片とを締結部材で締結することでコーナー方立縦枠とコーナー部側枠ユニット縦枠とを着脱自在に連結する構成にする一方、屋外側突出片と屋外側当接片との締結部をコーナー方立縦枠、コーナー部側枠ユニット縦枠の屋外側端部よりも屋内側に位置させるとともに締結部の屋外側を開口し、該開口から屋外側突出片と屋外側当接片との締結を行える構成にするとともに、開口の屋内側に締結部を止水する止水部材を配設したことを特徴とする枠ユニットの組み付け構造である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、枠ユニット上枠の設置上枠への固定を、専用の固定部材を要することなく行えて部品点数の削減に貢献できるとともに、枠ユニット上枠の設置上枠への取り付け、取り外し作業を簡単に行える。しかも、設置上枠の屋外側突出片と枠ユニット上枠の屋外側当接片との締結部の止水を確実に行えるうえ、意匠性の向上に貢献できる。
請求項2の発明とすることにより、設置上枠の屋内側突出片と枠ユニット上枠の屋内側当接片との間の止水を確実に行える。
請求項3の発明とすることにより、枠ユニット下枠の設置下枠への固定を、専用の固定部材を要することなく行えて部品点数の削減に貢献できるとともに、枠ユニット下枠の設置下枠への取り付け、取り外し作業を簡単に行える。しかも、設置下枠の屋内側突出片と枠ユニット下枠の屋内側当接片との間の止水を確実に行える。
請求項4の発明とすることにより、枠ユニット縦枠の設置縦枠への固定を、専用の固定部材を要することなく行えて部品点数の削減に貢献できるとともに、枠ユニット縦枠の設置縦枠への取り付け、取り外し作業を簡単に行える。しかも、設置縦枠の屋外側突出片と枠ユニット縦枠の屋外側当接片との締結部の止水を確実に行えるうえ、意匠性の向上に貢献できる。
請求項5の発明とすることにより、設置縦枠の屋内側突出片と枠ユニット縦枠の屋内側当接片との間の止水を確実に行える。
請求項6の発明とすることにより、左右に隣接する枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠同士の連結を簡単に行うことができる。しかも、隣接側枠ユニット縦枠同士の屋外側突出片と屋外側当接片との締結部の止水を確実に行えるうえ、意匠性の向上に貢献できる。
請求項7の発明とすることにより、左右に隣接する枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠同士の屋内側係合受け部と屋内側係合部との間の止水を確実に行える。
請求項8の発明とすることにより、コーナー状に配される枠ユニットのコーナー部側枠ユニット縦枠同士を連結するコーナー方立を、設置上枠、設置下枠から取り外して他の箇所でリユースできる。
請求項9の発明とすることにより、コーナー方立縦枠と枠ユニットのコーナー部側枠ユニット縦枠との連結を簡単に行うことができる。しかも、コーナー方立縦枠の屋外側突出片とコーナー部側枠ユニット縦枠との締結部の止水を確実に行えるうえ、意匠性の向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】サッシ上枠の設置上枠への組み付けを示す図である。
【
図5】サッシ下枠の設置下枠への組み付けを示す図である。
【
図6】サッシの設置枠への組み付け過程を示す図である。
【
図7】排煙窓が設けられたサッシの設置枠へ組み付けを示す図である。
【
図9】サッシ縦枠の設置縦枠への組み付けを示す図である。
【
図11】自動ドアが設けられたサッシのサッシ縦枠の連結を示す図である。
【
図12】コーナー方立とサッシ縦枠との連結を示す図である。
【
図13】コーナー方立と排煙窓が設けられたサッシのサッシ縦枠との連結を示す図である。
【
図14】コーナー方立の取り外し手順を示す図である。
【
図15】自動ドアのドア体の取り外し手順を示す図である。
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1、
図2において、1は店舗等の開口部に設置されるサッシ装置であって、該サッシ装置1は、壁、天井、梁、床、アングル材等の躯体側に固定される設置枠2と、該設置枠2に着脱自在に組み付けられてリユース可能なサッシ(本発明の枠ユニットに相当する)3(3A~3G)とを用いて構成されている。尚、本実施の形態において、サッシ装置1は、
図2に示す如く平面断面視においてL字形状に設けられており、複数のサッシ3が左右方向に隣接する状態、あるいはコーナー状に隣接する状態で配されている。
【0009】
前記サッシ3は、サッシ上枠(本発明の枠ユニット上枠に相当する)4、サッシ下枠(本発明の枠ユニット下枠に相当する)5、および左右のサッシ縦枠(本発明の枠ユニット縦枠に相当する)6が枠組形成されたものであって、これらサッシ上枠4、サッシ下枠5、左右のサッシ縦枠6により形成される枠内には、ガラス板等からなる平板状のパネル体8等が組み込まれている。尚、本実施の形態では、
図1に示すサッシ3Aとサッシ3Bとは、コーナー状に隣接する状態で配され、サッシ3B~3Gは左右に隣接する状態で配されている。また、サッシ3B、3C、3Eは、無目10により上下に区画されるとともに、区画された上下の枠内にパネル体8が組み込まれている。また、サッシ3Dは、無目10により上下に区画されるとともに、上段の枠内にはパネル体8が組み込まれ、下段の枠内には、引き戸式の自動ドア11が組み込まれている。また、サッシ3Fは、無目10により上下に区画されるとともに、上段の枠内には開閉自在な排煙窓12が組み込まれ、下段の枠内にはパネル体8が組み込まれている。尚、以下の説明において、これらサッシ3A~3Gを区別する必要がない場合には単にサッシ3と称する。
【0010】
一方、前記設置枠2は、前記サッシ3のサッシ上枠4、サッシ下枠5、左右のサッシ縦枠6(本実施の形態では、
図1の左端のサッシ3Aの左側サッシ縦枠6、右端のサッシ3Gの右側サッシ縦枠6)がそれぞれ組み付けられる設置上枠13、設置下枠14、および左右の設置縦枠15によって枠組形成されている。そして、該枠組みされた設置枠2の内周側に、前記複数のサッシ3が着脱自在に取り付けられている。尚、
図1において、サッシ装置1の左右外方側端部に位置するサッシ3の左右外方側サッシ縦枠6(サッシ3Aの左側サッシ縦枠6、サッシ3Gの右側サッシ縦枠6)は、それぞれ設置縦枠15に組み付けられるが、サッシ装置1の左右内方側に位置するサッシ3(サッシ3B~3F)は設置縦枠15には組み付けられず、左右に隣接するサッシ3同士が連結される構成になっている。また、コーナー状に隣接する状態で配されるサッシ3(サッシ3Aとサッシ3B)同士は、後述するコーナー方立9を介して連結される構成になっている。
【0011】
次いで、前記サッシ上枠4の設置上枠13への組み付けについて、パネル体8が組み込まれたサッシ上枠4を設置上枠13に組み付ける場合を例にとって
図3、
図4に基づいて説明する。
設置上枠13は、躯体側に固定され、サッシ上枠4の上方に位置して左右方向に延びる設置上枠本体部13aと、該設置上枠本体部13aの屋内側端部から下方に向けて突出形成される屋内側突出片13bと、設置上枠本体部13aの屋外側端部から上方に向けて突出形成される屋外側見付け面部13cと、該屋外側見付け面部13cよりも屋内側ではあるが設置上枠本体部13aの屋内外方向中心位置よりも屋外側に位置する状態で設置上枠本体部13aから下方に向けて突出形成される屋外側突出片13dとを備えて構成されている。
一方、サッシ上枠4は、パネル体8の上端部が嵌合支持される下側見込み面部4aと、サッシ上枠4の屋内側端面となり、前記設置上枠13の屋内側突出片13bに屋外方向から当接する屋内側見付け面部4b(本発明の枠ユニット上枠の屋内側当接片に相当する)と、サッシ上枠4の屋外側端面となる屋外側見付け面部4cと、該屋外側見付け面部4cの上部から屋内側に向けて折曲形成され、その屋内側端部がサッシ上枠4の屋内外中心位置よりも屋外側に位置する上側見込み面部4dと、該上側見込み面部4dの屋内側端部から上方に向けて突出形成され、前記設置上枠13の屋外側突出片13dに屋外方向から当接する屋外側当接片4eとを備えて構成されている。
そして、サッシ上枠4を屋外側から設置上枠13の内周側(下側)に組み込んで、前記設置上枠13の屋内側突出片13bとサッシ上枠4の屋内側見付け面部4b、設置上枠13の屋外側突出片13dとサッシ上枠4の屋外側当接片4eとをそれぞれ当接せしめ、屋内側突出片13bと屋内側見付け面部4bとを屋内方向から螺入されるネジ(本発明の締結部材に相当する)17によって締結し、屋外側突出片13dと屋外側当接片4eとを屋外方向から螺入されるネジ(本発明の締結部材に相当する)18によって締結することで、サッシ上枠4は設置上枠13に屋内外両側から着脱自在に固定されるようになっている。尚、設置上枠13にサッシ上枠4を取り付ける場合には、
図6に示すように、サッシ下枠5を設置下枠14に載置した状態で、屋外側からサッシ3を押し込んで設置上枠13の内周側にサッシ上枠4を嵌め込むことで、前記屋内側突出片13bと屋内側見付け面部4b、屋外側突出片13dと屋外側当接片4eとを当接させることができるようになっている。
【0012】
さらに、前記設置上枠13の屋外側突出片13dおよびサッシ上枠4の屋外側当接片4eは、設置上枠13、サッシ上枠4の屋外側端面となる屋外側見付け面部13c、4cよりも屋内側に位置しているとともに、設置上枠13、サッシ上枠4の屋外側見付け面部13c、4c同士は上下方向に離間しており、これにより、設置上枠13の屋外側突出片13dとサッシ上枠4の屋外側当接片4eとのネジ18締結部の屋外側は、開口19した状態になっている。そして、該開口19から、屋外側突出片13dと屋外側当接片4eとのネジ18締結を行える構成になっているとともに、該開口19の屋内側には、ヒレ状のゴム材等の弾性材から形成される乾式の止水部材20が配設されている。該止水部材20は、屋外側見付け面部13cと屋外側突出片13dとの屋内外方向中間に位置する状態で設置上枠本体部13aに形成された屋外側取り付け溝13eに上端部が嵌合支持されているが、該止水部材20によってネジ18締結部の屋外側が覆われており、これによってネジ18締結部の止水が行われるともに、ネジ18締結部が屋外側から視認されないようになっている。
【0013】
一方、前述したように、設置上枠13の屋内側突出片13bは設置上枠本体部13aの屋内側端部から下方に向けて突出形成されており、該屋内側突出片13bにサッシ上枠4の屋内側見付け面部4bが屋外方向から当接する状態でネジ17締結される構成になっているが、屋内側突出片13bの突出先端部(下部)の屋外側面にはネジ17が挿入されるネジ挿入溝13fと屋内側取り付け溝13gとが形成されており、該屋内側取り付け溝13gにはゴム材等の弾性材から形成される乾式の止水部材21が嵌合されている。そして、該止水部材21は、屋内側見付け面部4bを屋外方向から屋内側突出片13bに押し付けてネジ17締結することで押圧されて、屋内側見付け面部4bと屋内側突出片13bとの間を止水するようになっている。
尚、
図7に、排煙窓12が組み込まれたサッシ上枠4を設置上枠13に組み付けた図を示すが、該排煙窓12が組み込まれるサッシ上枠4は、前述したパネル体8が組み込まれるサッシ上枠4とは形状は異なるが、同様に、設置上枠13の屋内側突出片13b、屋外側突出片13dに屋外方向から当接する屋内側当接片(屋内側見付け面部)4b、屋外側当接片4eを備えているとともに、屋外側突出片13dと屋外側当接片4eとのネジ18締結部の屋外側が開口19しており、該開口19の屋内側に、ネジ18締結部を覆って止水を行う乾式の止水部材20が配設されている。さらに、屋内側突出片13bと屋内側当接片4bとの間にも、ネジ17締結によって押圧されて止水する止水部材21が配設されている。
【0014】
次いで、サッシ下枠5の設置下枠14への組み付けについて、パネル体8が組み込まれたサッシ下枠5を設置下枠14に組み付ける場合を例にとって
図3、
図5に基づいて説明する。
設置下枠14は、躯体側にアンカー等を介して固定され、左右方向に延びて上面にサッシ下枠4が載置される設置下枠本体部14aと、該設置下枠本体部14aの屋内側端部から上方に向けて突出形成される屋内側突出片14bとを備えて構成されている。
一方、サッシ下枠5は、パネル体8の下端部が嵌合支持される上側見込み面部5aと、サッシ下枠5の屋内側端面となり、前記設置下枠14の屋内側突出片14bに屋外方向から当接する屋内側見付け面部5b(本発明の枠ユニット下枠の屋内側当接片に相当する)と、サッシ下枠5の屋外側端面となる屋外側見付け面部5cと、設置下枠本体部14aの上面に当接する下側見込み面部5dとを備えて構成されている。
そして、サッシ下枠5を屋外側から設置下枠14の内周側(上側)に組み込んで、前記設置下枠14の屋内側突出片14bとサッシ下枠5の屋内側見付け面部5bとを当接せしめ、これら屋内側突出片14bと屋内側見付け面部5bとを屋内方向から螺入されるネジ(本発明の締結部材に相当する)22によって締結することで、サッシ下枠5は設置下枠14に着脱自在に固定されるようになっている。
【0015】
さらに、前述したように、設置下枠14の屋内側突出片14bは設置下枠本体部14aの屋内側端部から上方に向けて突出形成されており、該屋内側突出片14bにサッシ下枠5の屋内側見付け面部5bが屋外方向から当接する状態でネジ22締結される構成になっているが、屋内側突出片14bの突出先端部(上部)の屋外側面にはネジ22が挿入されるネジ挿入溝14cと屋内側取り付け溝14dとが形成されており、該屋内側取り付け溝14dにはゴム材等の弾性材から形成される乾式の止水部材21が嵌合されている。そして、該止水部材21は、屋内側見付け面部5bを屋外方向から屋内側突出片14bに押し付けてネジ22締結することで押圧されて、屋内側見付け面部5bと屋内側突出片14bとの間を止水するようになっている。
【0016】
次いで、サッシ縦枠6の設置縦枠15への組み付けについて、サッシ装置1の右側端部に配されるサッシ3の右側のサッシ縦枠6を右側の設置縦枠15に組み付ける場合を例にとって
図9に基づいて説明する。尚、該説明および
図9において、設置縦枠15に組み付けられるサッシ縦枠6をサッシ縦枠6Aと称する。
設置縦枠15は、躯体側に固定され、サッシ縦枠6Aの左右外方(
図9では右方)に位置して上下方向に延びる設置縦枠本体部15aと、該設置縦枠本体部15aの屋内側端部から左右内方(
図9では左方、サッシ縦枠6A方向)に向けて突出形成される屋内側突出片15bと、設置縦枠本体部15aの屋外側端部から左右外方(
図9では右方、反サッシ縦枠6A方向)に向けて突出形成される屋外側見付け面部15cと、該屋外側見付け面部15cよりも屋内側ではあるが設置縦枠本体部15aの屋内外方向中心位置よりも屋外側に位置する状態で設置縦枠本体部15aから左右内方(
図9では左方、サッシ縦枠6方向)に向けて突出形成される屋外側突出片15dとを備えて構成されている。
一方、サッシ縦枠6Aは、パネル体8の左右端部(
図9では右端部)が嵌合支持される左右内方側見込み面部6aと、サッシ縦枠6Aの屋内側端面となり、前記設置縦枠15の屋内側突出片15bに屋外方向から当接する屋内側見付け面部6b(本発明の枠ユニット縦枠の屋内側当接片に相当する)と、サッシ縦枠6の屋外側端面となる屋外側見付け面部6cと、屋内側見付け面部6bと屋外側見付け面部6cの左右外方側端部(
図9では右側端部)同士を連結する左右外方側見込み面部6dと、屋外側見付け面部6cよりも屋内側ではあるがサッシ縦枠6Aの屋内外方向中心位置よりも屋外側に位置する状態で左右外方側見込み面部6dから左右外方に向けて突出し、前記設置縦枠15の屋外側突出片15dに屋外方向から当接する屋外側当接片6eとを備えて構成されている。
そして、サッシ縦枠6Aを屋外側から設置縦枠15の内周側(左右内方側)に組み込んで、前記設置縦枠15の屋内側突出片15bとサッシ縦枠6Aの屋内側見付け面部6b、設置縦枠15の屋外側突出片15dとサッシ縦枠6Aの屋外側当接片6eとをそれぞれ当接せしめ、屋内側突出片15bと屋内側見付け面部6bとを屋内方向から螺入されるネジ(本発明の締結部材に相当する)25によって締結し、屋外側突出片15dと屋外側当接片6eとを屋外方向から螺入されるネジ(本発明の締結部材に相当する)26によって締結することで、サッシ縦枠6Aは設置縦枠15に屋内外両側から着脱自在に固定されるようになっている。
【0017】
さらに、設置縦枠15の屋外側突出片15dおよびサッシ縦枠6Aの屋外側当接片6eは、設置縦枠15、サッシ縦枠6Aの屋外側端面となる屋外側見付け面部15c、6cよりも屋内側に位置しているとともに、設置縦枠15、サッシ縦枠6の屋外側見付け面部15c、6c同士は左右方向に離間しており、これにより、設置縦枠15の屋外側突出片15dとサッシ縦枠6Aの屋外側当接片6eとのネジ26締結部の屋外側は、開口27した状態になっている。そして、該開口27から、屋外側突出片15dと屋外側当接片6eとのネジ26締結を行える構成になっているとともに、該開口27の屋内側には、ヒレ状のゴム材等の弾性材から形成される一対の乾式の止水部材20が配設されている。そして、これら一対の止水部材20によってネジ26締結部の屋外側が覆われており、これによってネジ26締結部の止水が行われるともに、ネジ26締結部が屋外側から視認されないようになっている。
ここで、前記一対の止水部材20のうち一方の止水部材20は、設置縦枠15の屋外側見付け面部15cと屋外側突出片15dとの屋内外方向中間に位置する状態で設置縦枠本体部15aに形成された屋外側取り付け溝15eに基端側が嵌合支持された状態で設けられ、また、他方の止水部材20は、サッシ縦枠6Aの屋外側見付け面部6cと屋外側当接片6eとの屋内外方向中間に位置する状態で左右外方側見込み面部6dに形成された屋外側取り付け溝6fに基端側が嵌合支持された状態で配設されているが、これら一対のヒレ状の止水部材20の先端部同士は重なり合うように設けられており、これにより、寸法誤差等により前記開口27の左右幅が増減しても、ネジ締結部26の止水を確実に行えるようになっている。
【0018】
一方、前述したように、設置縦枠15の屋内側突出片15bは設置縦枠本体部15aの屋内側端部からサッシ縦枠6A側に向けて突出形成されており、該屋内側突出片15bにサッシ縦枠6Aの屋内側見付け面部6bが屋外方向から当接する状態でネジ25締結される構成になっているが、屋内側突出片15bの突出先端部の屋外側面にはネジ25が挿入されるネジ挿入溝15fと屋内側取り付け溝15gとが形成されており、該屋内側取り付け溝15gにはゴム材等の弾性材から形成される乾式の止水部材21が嵌合されている。そして、該止水部材21は、屋内側見付け面部6bを屋外方向から屋内側突出片15bに押し付けてネジ25締結することで押圧されて、屋内側見付け面部6bと屋内側突出片15bとの間を止水するようになっている。
【0019】
次いで、左右に隣接する状態で配されるサッシ3同士の連結について、
図10に基づいて説明するが、これら左右に隣接するサッシ3同士の連結は、これらサッシ3の隣接側縦枠6同士を連結することで行われる構成になっている。尚、該説明および
図10において、左右に隣接する一方のサッシ3の隣接側サッシ縦枠6を一方側サッシ縦枠(本発明の一方の枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠に相当する)6Bと称し、他方のサッシ3の隣接側サッシ縦枠を他方側サッシ縦枠(本発明の他方の枠ユニットの隣接側枠ユニット縦枠に相当する)6Cと称する。
一方側サッシ縦枠6B(
図10において左側のサッシ縦枠6B)は、パネル体8の左右端部(
図10では右端部)が嵌合支持される左右内方側見込み面部6aと、一方側サッシ縦枠6Bの屋内側端面となる屋内側見付け面部6bと、一方側サッシ縦枠6Bの屋外側端面となる屋外側見付け面部6cと、屋内側見付け面部6bと屋外側見付け面部6cの左右外方側端部(
図10では右側端部)同士を連結する左右外方側見込み面部6dと、屋外側見付け面部6cよりも屋内側ではあるが一方側サッシ縦枠6Bの屋内外方向中心位置よりも屋外側に位置する状態で左右外方側見込み面部6dから他方側サッシ縦枠6C方向に向けて突出する屋外側突出片6iと、屋内側見付け面部6bから面一状に延設される状態で他方側サッシ縦枠6C方向に向けて突出する屋内側突出片6gと、該屋内側突出片6gの突出先端部(他方側サッシ縦枠6C側端部)に形成され、屋外側が開口した凵字形状の屋内側係合溝部(本発明の屋内側係合受け部を形成する)6hとを備えて構成されている。
また、他方側サッシ縦枠6C(
図10において右側のサッシ縦枠6C)は、前記一方側サッシ縦枠6Bと同様の左右内方側見込み面部6a、屋内側見付け面部6b、屋外側見付け面部6c、左右外方側見込み面部6dを備えるとともに、屋外側見付け面部6cよりも屋内側ではあるが他方側サッシ縦枠6Cの屋内外方向中心位置よりも屋外側に位置する状態で左右外方側見込み面部6dから一方側サッシ縦枠6B方向に向けて突出し、前記一方側サッシ縦枠6Bの屋外側突出片6iに屋外方向から当接する屋外側当接片6eと、左右外方側見込み面部6dの屋内側端部に形成され、前記一方側サッシ縦枠6Bの屋内側係合溝部6hに屋外側から係合する係合突起(本発明の屋内側係合部を形成する)6kとを備えて形成されている。
そして、左右に隣接するサッシ3の一方側、他方側サッシ縦枠6B、6C同士の連結は、一方側サッシ縦枠6Bに対して他方側サッシ縦枠6Cを屋外側から組み込んで、一方側サッシ縦枠6Bの屋内側係合溝部6hに他方側サッシ縦枠6Cの係合突起6kを係合させるとともに、一方側サッシ縦枠6Bの屋外側突出片6iと他方側サッシ縦枠6Cの屋外側当接片6eとを当接せしめ、屋外方向から螺入されるネジ(本発明の締結部材に相当する)30によって締結することで、左右に隣接するサッシ縦枠6(一方側、他方側サッシ縦枠6B、6C)同士は屋外側から着脱自在に連結固定されるようになっている。
【0020】
さらに、一方側サッシ縦枠6Bの屋外側突出片6iおよび他方側サッシ縦枠6Cの屋外側当接片6eは、一方側、他方側サッシ縦枠6B、6Cの屋外側端面となる屋外側見付け面部6c、6cよりも屋内側に位置しているとともに、一方側、他方側サッシ縦枠6B、6Cの屋外側見付け面部6c同士は左右方向に離間しており、これにより、屋外側突出片6iと屋外側当接片6eとのネジ30締結部の屋外側は、開口31した状態になっている。そして、該開口31から、屋外側突出片6iと屋外側当接片6eとのネジ30締結を行える構成になっているとともに、該開口31の屋内側には、ヒレ状のゴム材等の弾性材から形成される乾式の止水部材20が配設されている。該止水部材20は、一方側サッシ縦枠6Bの屋外側見付け面部6cと屋外側突出片6iとの屋内外方向中間に位置する状態で左右外方側見込み面部6dに形成された屋外側取り付け溝6fに基端部が嵌合支持され、先端部が他方側サッシ縦枠6Cの屋外側見付け面部6cと屋外側当接片6eとの屋内外方向中間に位置する状態で左右外方側見込み面部6dに形成された屋外側取り付け溝6fに支持された状態で配設されるが、該止水部材20によってネジ30締結部の屋外側が覆われており、これによってネジ30締結部の止水が行われるともに、ネジ30締結部が屋外側から視認されないようになっている。
【0021】
一方、前述したように、一方側サッシ縦枠6Bの屋内側突出片6gの突出先端部には屋内側係合溝部6hが形成されており、該屋内側係合溝部6hに他方側サッシ縦枠6Cの係合突起6kが屋外方向から係合するようになっているが、屋内側係合溝部6hにはゴム材等の弾性材から形成される乾式の止水部材32が嵌合されている。そして、該止水部材32は係合突起6kが屋外側から係合することで押圧されて、屋内側係合溝部6hと係合突起6kとの係合部を止水するようになっている。
尚、
図11に、自動ドア11が組み込まれたサッシ3Dのサッシ縦枠6Fを一方側サッシ縦枠6Bに連結した図を示すが、該自動ドア11が組み込まれるサッシ3Dのサッシ縦枠6Fは、左右内方側見込み面部6a、屋内側見付け面部6b、屋外側見付け面部6c、左右外方側見込み面部6dを備えるとともに、前記他方側サッシ縦枠6Cと同様に、一方側サッシ縦枠6Bの屋外側突出片6iに屋外方向から当接する屋外側当接片6eと、一方側サッシ縦枠6Bの屋内側係合溝部6hに屋外方向から係合する係合突起6kとを備え、屋外側突出片6iと屋外側当接片6eとのネジ30締結部の屋外側が開口31しており、該開口31の屋内側に、ネジ30締結部を覆って止水を行う乾式の止水部材20が配設されている。さらに、屋内側係合溝部6hと係合突起6kとの間にも止水部材32が配設されている。尚、自動ドア11が組み込まれるサッシ3Dのサッシ縦枠6Fの左右内方側見込み面部6aは面一状に形成されていて、サッシ縦枠6Fの左右内方側端面を形成している。
【0022】
次いで、コーナー状に隣接する状態で配されるサッシ3同士の連結について、
図12に基づいて説明するが、これらコーナー状に隣接するサッシ3同士は、前述したようにコーナー方立9を介して連結される構成になっている。尚、該説明および
図12において、コーナー状に隣接する一方のサッシ3のコーナー部側サッシ縦枠6を一方コーナー部側サッシ縦枠6Dと称し、他方のサッシ3のコーナー部側サッシ縦枠6を他方コーナー部側サッシ縦枠6Eと称する。
コーナー方立9は、前記一方コーナー部側サッシ縦枠6Dに連結される一方側方立縦枠33Aと、他方コーナー部側サッシ縦枠6Eに連結される他方側方立縦枠33Bとが直角状となるように一体形成されている。尚、一方側方立縦枠33A、他方側方立縦枠33Bは、本発明の一対のコーナー方立縦枠に相当する。また、以下の説明において、一方側、他方側方立縦枠33A、33Bにおいて一方、他方コーナー部側サッシ縦枠6D、6Eに接続される側をコーナー外方とし、反対側をコーナー内方とする。さらに、本実施の形態では、一方側方立縦枠33Aと他方側方立縦枠33Bとは直角状となるように設けられているが、これに限定されることなく、鋭角状、あるいは鈍角状に設けられていても良い。
前記一方側方立縦枠33Aは、該一方側方立縦枠33Aの屋外側端面となる屋外側見付け面部33aと、コーナー内方側端部の位置が屋外側見付け面部33aのコーナー内方側端部の位置よりもコーナー外方側に位置し、一方側方立縦枠33Aの屋内側端面となる屋内側見付け面部33bと、該屋内側見付け面部33bのコーナー内方側端部から屋外かつコーナー内方に向けて傾斜状に延びる連結片33cと、屋外側見付け面部33aおよび屋内側見付け面部33bのコーナー外方側端部同士を連結するコーナー外方側見込み面部33dと、屋外側見付け面部33aおよび連結片33cのコーナー内方側端部同士を連結するコーナー内方側見込み面部33eと、屋外側見付け面部33aよりも屋内側ではあるが一方側方立縦枠33Aの屋内外方向中心位置よりも屋外側に位置する状態でコーナー外方側見込み面部33dから一方コーナー部側サッシ縦枠6D方向に向けて突出する屋外側突出片33fと、屋内側見付け面部33bから面一状に延設される状態で一方コーナー部側サッシ縦枠6D方向に向けて突出する屋内側突出片33gと、該屋内側突出片33gの突出先端部(一方コーナー部側サッシ縦枠6D側端部)に形成され、屋外側が開口した凵字形状の屋内側係合溝部33hと、コーナー内方側見込み面部33eのコーナー外方側面に形成され、後述するナットプレート34が係合するナットプレート用溝部33iを備えて構成されている。また、他方側方立縦枠33Bは、同様に、屋外側見付け面部33a、屋内側見付け面部33b、連結片33c、コーナー外方側見込み面部33d、コーナー内方側見込み面部33e、屋外側突出片33f、屋内側突出片33g、屋内側係合溝部33h、ナットプレート用溝部33iを備えて構成されている。そして、一方側方立縦枠33Aと他方側方立縦枠33Bとは、コーナー外方側見込み面部33d、33d同士およびコーナー内方側見込み面部33e、33e同士が直角状となり、連結片33cを一方側方立縦枠33Aと他方側方立縦枠33Bとで共用する状態で一体形成されている。
一方、一方コーナー部側サッシ縦枠6D、他方コーナー部側サッシ縦枠6Eは、前述した他方側サッシ縦枠6Cと同形状、あるいは対称形状のものであるため簡単に説明すると、他方側サッシ縦枠6Cと同様に左右内方側見込み面部6a、屋内側見付け面部6b、屋外側見付け面部6c、左右外方側見込み面部6dを備えるとともに、一方側、他方側方立縦枠33A、33Bの屋外側突出片33fに屋外方向から当接する屋外側当接片6eと、一方側、他方側方立縦枠33A、33Bの屋内側係合溝部33hに屋外側から係合する係合突起6kとを備えて形成されている。
そして、一方側方立縦枠33Aと一方コーナー部側サッシ縦枠6D、他方側方立縦枠33Bと他方コーナー部側サッシ縦枠6Eとの連結は、後述するようにコーナー方立6を設置上枠13、設置下枠14に固定した状態で行われるが、該固定されたコーナー方立9の一方側、他方側方立縦枠33A、33Bに対して一方、他方コーナー部側サッシ縦枠6D、6Eを屋外側から組み込んで、一方側、他方側方立縦枠33A、33Bの屋内側係合溝部33hに一方、他方コーナー部側サッシ縦枠6D、6Eの係合突起6kを係合させるとともに、一方側、他方側方立縦枠33A、33Bの屋外側突出片33fに一方、他方コーナー部側サッシ縦枠6D、6Eの屋外側当接片6eを当接せしめ、屋外方向から螺入されるネジ(本発明の締結部材に相当する)40によって締結することで、一方側、他方側方立縦枠33A、33Bと一方、他方コーナー部側サッシ縦枠6D、6Eとは屋外側から着脱自在に連結固定されるようになっている。
【0023】
さらに、前述した左右に隣接する一方側、他方側サッシ縦枠6B、6Cの連結の場合と同様に、一方側、他方側方立縦枠33A、33Bの屋外側突出片33fと一方、他方コーナー部側サッシ縦枠6D、6Eの屋外側当接片6eとのネジ40締結部の屋外側は開口41した状態になっていて、該開口41からネジ40締結を行えるとともに、開口41の屋内側に配設された乾式の止水部材20によって、ネジ40締結部の止水が行われるとともにネジ40締結部が屋外側から視認されないようになっている。さらに、一方側、他方側方立縦枠33A、33Bの屋内側係合溝部33hと一方、他方コーナー部側サッシ縦枠6D、6Eの係合突起6kとの係合部に配設された乾式の止水部材32によって、該係合部の止水を行えるようになっている。
尚、
図13に、排煙窓12が組み込まれたサッシ縦枠6G、6Hをコーナー方立9の一方側、他方側方立縦枠33A、33Bに組み付けた図を示すが、該排煙窓12が組み込まれるサッシ縦枠6G、6Hは、
図12に示す一方、他方コーナー部側サッシ縦枠6D、6Eとは形状は異なるが、同様に、一方側、他方側方立縦枠33A、33Bの屋外側突出片33fに屋外方向から当接する屋外側当接片6eと、一方側、他方側方立縦枠33A、33Bの屋内側係合溝部33hに屋外側から係合する係合突起6kとを備え、屋外側突出片33fと屋外側当接片6eとのネジ(本発明の締結部材に相当する)43締結部の屋外側が開口44しており、該開口44の屋内側に、ネジ43結部を覆って止水を行う乾式の止水部材20が配設されている。さらに、一方側、他方側方立縦枠33A、33Bの屋内側係合溝部33hとサッシ縦枠6G、6Hの係合突起6kとの間にも止水部材32が配設されている。
【0024】
前記コーナー方立9は、前述したように設置上枠13、設置下枠14に固定されるが、この場合に、設置上枠13の設置上枠本体部13a、設置下枠14の設置下枠本体部14aはコーナー方立9の配設箇所まで延設されており、該延設された設置上枠本体部13a、設置下枠本体部14aに、コーナー方立9の上部、下部がそれぞれ固定用金具35を介して屋外側から着脱自在に固定されている(コーナー方立9の上部を固定する固定用金具35は図示せず)。該固定用金具35について、コーナー部材9の下部を設置下枠本体部14aに固定する固定用金具35を例にとって説明すると、固定用金具35は、第一取り付け片35aと第二取り付け片35bとがL字形状に折曲形成されたものであって、第一取り付け片35aは、設置下枠本体部14aにネジ36を介して着脱自在に固定され、第二取り付け片35bは、一方側、他方側方立縦枠33A、33Bのコーナー内方側見込み面部33eにネジ37を介して着脱自在に固定されている。この場合に、ネジ37は、コーナー内方側見込み面部33eに形成のナットプレート用溝部33iに係合されたナットプレート34に螺合されるようになっている。尚、図中、38はコーナー方立9のコーナー内方側をカバーするカバー体である。
尚、
図4、
図5に示す符号13h、14eは、コーナー方立9の配設箇所まで延設された設置上枠本体部13a、設置下枠本体部14aの延設部位において、ネジ36、37螺合用のナットプレート(図示せず)が係合されるナットプレート用溝部である。
【0025】
ここで、前記コーナー方立9を、設置上枠13、設置下枠14から取外す手順について、
図14に基づいて説明する。まず、コーナー方立9を取り外す場合には、カバー体38を取り外し、さらに、一方側、他方側方立縦枠33A、33Bの屋外側突出片33fと一方、他方コーナー部側サッシ縦枠6D、6Eの屋外側当接片6eとのネジ40締結を解除して、一方、他方コーナー部側サッシ縦枠6D、6Eが設けられたサッシ3をコーナー方立9から取り外す。この状態で、コーナー方立9の一方側、他方側方立縦枠33A、33Bと設置上枠13、設置下枠14とを固定する固定用金具35用のネジ36、37を取り外すことで、コーナー方立9は設置上枠13、設置下枠14から取外される。そして、該取り外されたコーナー方立9や固定用金具35、サッシ3はリユース(再利用)可能となっている。
【0026】
さらに、本実施の形態では、自動ドア11をサッシ3Dから取り外すこともできるようになっている。自動ドア11は、左右方向にスライド自在なドア体45、該ドア体45の上端部にローラ支持部材46を介して取り付けられる吊りローラ47、該吊りローラ47を左右方向転動自在にガイドするガイドレール48、吊りローラ47がガイドレール48から外れてしまうことを規制するべくローラ支持部材46にボルト49aを介して固定される外れ止め体49、ドア体45の下端部に取り付けられる振れ止め体50、該振れ止め体50を左右方向移動自在にガイドするべく床面に敷設されるガイド溝51、ローラ支持部材46に連動連結され、ドア体45を左右スライド移動させるべく駆動する開閉機52、該開閉機52をカバーするカバー体53等を用いて構成されている。そして、ドア体45をサッシ3Dから取り外す場合には、
図15に示す如く、カバー体53を外し、さらに前記ボルト49aを緩めて外れ止め体49をローラ支持部材46から取り外してから、ドア体45を持ち上げて吊りローラ47をガイドレール48から浮かした状態で屋内側に傾けることにより、ドア体45をサッシ3Dから取り外すことができるようになっている。そして、該取り外したドア体45や、ドア体45が取り外されたサッシ3Cはリユース可能となっている。
【0027】
叙述の如く構成された本実施の形態において、サッシ装置1は、躯体開口部の内周側に固定される設置枠2に、サッシ上枠4、サッシ下枠5、左右のサッシ縦枠6が枠組形成された複数のサッシ3を着脱自在に組み付けて構成されているが、前記設置枠2は、サッシ上枠4、サッシ下枠5、およびサッシ縦枠6がそれぞれ組み付けられる設置上枠13、設置下枠14、および設置縦枠15によって枠組形成されている。そして、設置上枠13は、サッシ上枠4の上方に位置する設置上枠本体部13aと、該設置上枠本体部13aの屋内側、屋外側部分から下方に向けて突出する屋内側、屋外側突出片13b、13dとを備える一方、サッシ上枠4は、該サッシ上枠4を屋外方向から設置上枠13に組み込むことで前記屋内側、屋外側突出片13b、13dにそれぞれ屋外方向から当接する屋内側当接片(屋内側見付け面部)4b、屋外側当接片4eを備えている。そして、これら屋内側突出片13bと屋内側当接片4b、屋外側突出片13dと屋外側当接片4eとをそれぞれネジ17、18で締結することで設置上枠13とサッシ上枠4とは屋内外両側で着脱自在に固定されることになるが、この場合に、前記屋外側突出片13dと屋外側当接片4eとのネジ18締結部は、設置上枠本体部13aおよびサッシ上枠4の屋外側端部よりも屋内側に位置しているとともにネジ18締結部の屋外側は開口19しており、該開口19から屋外側突出片13dと屋外側当接片4eとのネジ18締結を行えるとともに、開口19の屋内側には、ネジ18締結部を止水する止水部材20が配設されることになる。
【0028】
このように、本実施の形態にあっては、サッシ上枠4を屋外側から設置上枠13に組み込むことで当接する屋内側突出片13bと屋内側当接片4b、屋外側突出片13dと屋外側当接片4eとをそれぞれネジ17、18で締結することで、サッシ上枠4は設置上枠13に着脱自在に固定されることになり、これにより、サッシ上枠4の設置上枠13への固定を、専用の固定部材を要することなく行えて部品点数の削減に貢献できるとともに、サッシ上枠4の設置上枠13への取り付け、取り外しを簡単に行えることになる。この結果、設置枠2からサッシ3を取り外して該サッシ3を他の箇所でリユースする、あるいは、設置枠2はそのままでサッシ3のみの交換を行う場合等の作業性を大幅に向上させることができる。
【0029】
さらに、前記設置上枠13の屋外側突出片13dとサッシ上枠4の屋外側当接片4eとのネジ18締結部は、設置上枠13およびサッシ上枠4の屋外側端部よりも屋内側に位置しているとともにネジ18締結部の屋外側は開口19しているから、該開口19からネジ18締結を行えるとともに、開口19の屋内側に止水部材20を配設できるスペースを確保できることになる。そして、該スペースに配設された止水部材20によって、ネジ18締結部の止水を確実に行えるとともに、ネジ18締結部が止水部材20で屋外側から覆われた状態になって屋内側から視認されないことになり、意匠性の向上が図れる。しかも、サッシ上枠4を設置上枠13から取り外す場合に、ネジ締結部の止水のためにサッシ上枠と躯体側とのあいだにコーキング等の湿式シールを設けた場合のように躯体側から湿式シールを剥がす必要がなく、取り外し作業の簡略化に大幅に貢献できる。
【0030】
そのうえ、本実施の形態において、前記屋外側突出片13dと屋外側当接片4eとネジ18締結部の止水を行う止水部材20は、ヒレ状のゴム材等の弾性材から形成される乾式のものであるから、該止水部材20が設置上枠13あるいはサッシ上枠4に装着されたままの状態であっても、設置上枠13へのサッシ上枠4の取り付け、取り外しを何ら支障なく行うことができる。
【0031】
さらにこのものでは、設置上枠13の屋内側突出片13bとサッシ上枠4の屋内側当接片(屋内側見付け面部)4bとの間に、屋内側突出片13bと屋内側当接片4bとを当接させることで押圧されて止水する止水部材21が配されており、しかして、サッシ上枠4を屋外方向から設置上枠13に組み込んで屋内側突出片13bに屋内側当接片4bを当接させることで、設置上枠13の屋内側突出片13bとサッシ上枠4の屋内側当接片4bとの間の止水を確実に行えることになる。
【0032】
さらにこのものにおいて、設置下枠14は、サッシ下枠5が載置される設置下枠本体部14aと、該設置下枠本体部14aの屋内側部分から上方に向けて突出する屋内側突出片14bとを備える一方、サッシ下枠5は、該サッシ下枠5を屋外方向から設置下枠14に組み込むことで前記屋内側突出片14bに屋外方向から当接する屋内側当接片(屋内側見付け面部)5bを備えている。そして、これら屋内側突出片14bと屋内側当接片5bとをネジ22で締結することで設置下枠14とサッシ下枠5とは着脱自在に固定されることになるが、この場合に、前記屋内側突出片14bと屋内側当接片5bとの間は、屋内側突出片14bに屋内側当接片5bを当接させることで押圧されて止水する止水部材21が設けられることになる。
しかして、サッシ下枠5を屋外側から設置上枠14に組み込むことで当接する屋内側突出片14bと屋内側当接片5bとをネジ22で締結することで、設置下枠5はサッシ下枠14に着脱自在に固定されることになり、これにより、前述したサッシ上枠4を設置上枠13に固定する場合と同様に、部品点数の削減に貢献できるとともに、サッシ下枠5の設置下枠14への取り付け、取り外しを簡単に行うことができ、よって、設置枠2からサッシ3を取り外して該サッシ3を他の箇所でリユースする、あるいは、サッシ3の交換を行う場合等の作業性を大幅に向上させることができる。
しかも、設置下枠14の屋内側突出片14bとサッシ下枠5の屋内側当接片(屋内側見付け面部)5bとの間には、屋内側突出片14bと屋内側当接片5bとを当接させることで押圧されて止水する止水部材21が配されているから、前述したサッシ上枠4の場合と同様に、サッシ下枠5を屋外方向から設置下枠14に組み込んで屋内側突出片14bに屋内側当接片5bを当接させることで、これら屋内側突出片14bと屋内側当接片5bとの間の止水を確実に行えることになる。
【0033】
さらにこのものにおいて、設置縦枠15は、サッシ縦枠6の左右外方に位置する設置縦枠本体部15aと、該設置縦枠本体部15aの屋内側、屋外側部分からサッシ縦枠6に向けて突出する屋内側、屋外側突出片15b、15dとを備える一方、サッシ縦枠6は、該サッシ縦枠6を屋外方向から設置縦枠15に組み込むことで前記屋内側、屋外側突出片15b、15dにそれぞれ屋外方向から当接する屋内側当接片(屋内側見付け面部)6b、屋外側当接片6eを備えている。そして、これら屋内側突出片15bと屋内側当接片6b、屋外側突出片15dと屋外側当接片6eとをそれぞれネジ25、26で締結することで設置縦枠15とサッシ縦枠6とは屋内外両側で着脱自在に固定されることになるが、この場合に、前記屋外側突出片15dと屋外側当接片6eとのネジ26締結部は、設置縦枠本体部15aおよびサッシ縦枠6の屋外側端部よりも屋内側に位置しているとともにネジ26締結部の屋外側は開口27しており、該開口27から屋外側突出片15dと屋外側当接片6eとのネジ26締結を行えるとともに、開口27の屋内側には、ネジ26締結部を止水する止水部材20が配設されることになる。
しかして、サッシ縦枠6を屋外側から設置縦枠15に組み込むことで当接する屋内側突出片15bと屋内側当接片6b、屋外側突出片15dと屋外側当接片6eとをそれぞれネジ25、26で締結することで、サッシ縦枠6は設置縦枠15に着脱自在に固定されることになり、これにより、前述したサッシ上枠4を設置上枠13に固定する場合と同様に、部品点数の削減に貢献できるとともに、サッシ縦枠6の設置縦枠15への取り付け、取り外しを簡単に行うことができ、よって、設置枠2からサッシ3を取り外して該サッシ3を他の箇所でリユースする、あるいは、サッシ3の交換を行う場合等の作業性を大幅に向上させることができる。
しかも、前記設置縦枠15の屋外側突出片15dとサッシ縦枠6の屋外側当接片6eとのネジ26締結部は、設置縦枠15およびサッシ縦枠6の屋外側端部よりも屋内側に位置しているとともにネジ26締結部の屋外側は開口27しているから、該開口27からネジ26締結を行えるとともに、開口27の屋内側に止水部材20を配設できるスペースを確保できることになる。これにより、前述した設置上枠13の屋外側突出片13dとサッシ上枠4の屋外側当接片4eとのネジ18締結部と同様に、ネジ26締結部の止水を確実に行えるとともに、意匠性の向上が図れ、しかも、サッシ縦枠6の設置縦枠15からの取り外し作業を大幅に簡略化できることになる。
【0034】
さらに、前記設置縦枠15の屋内側突出片15bとサッシ縦枠6の屋内側当接片(屋内側見付け面部)6bとの間には、屋内側突出片15bと屋内側当接片6bとを当接させることで押圧されて止水する止水部材21が配されているから、前述したサッシ上枠4、サッシ下枠5の場合と同様に、サッシ縦枠6を屋外方向から設置縦枠15に組み込んで屋内側突出片15bに屋内側当接片5bを当接させることで、これら屋内側突出片15bと屋内側当接片6bとの間の止水を確実に行えることになる。
【0035】
さらにこのものにおいて、設置枠2に、複数のサッシ3を左右に隣接させて組み付けるにあたり、隣接する一方のサッシ3の隣接側サッシ縦枠6(一方側サッシ縦枠6B)の屋外側部分には、他方のサッシ3の隣接側サッシ縦枠6(他方側サッシ縦枠6C)に向けて突出する屋外側突出片6iが設けられる一方、他方のサッシ3の隣接側サッシ縦枠6には、前記屋外側突出片6iに屋外方向から当接する屋外側当接片6eが設けられている。そして、これら屋外側突出片6iと屋外側当接片6eとをネジ30で締結することで隣接側サッシ縦枠6同士は着脱自在に連結されることになるが、この場合に、前記屋外側突出片6iと屋外側当接片6eとのネジ30締結部は、隣接側サッシ縦枠6の屋外側端部よりも屋内側に位置しているとともにネジ30締結部の屋外側は開口31しており、該開口31から屋外側突出片6iと屋外側当接片6eとのネジ30締結を行えるとともに、開口31の屋内側には、ネジ30締結部を止水する止水部材20が配設されることになる。
しかして、左右に隣接する一方のサッシ3の隣接側サッシ縦枠6に対し、他方のサッシ3の隣接側サッシ縦枠6を屋外側から組み込んで当接せしめた屋外側突出片6iと屋外内側当接片6eとをネジ30で締結することで、左右に隣接するサッシ3の隣接側サッシ縦枠6同士は着脱自在に固定されることになり、これにより、左右の隣接するサッシ3の隣接側サッシ縦枠6同士の連結を簡単に行うことができる。この結果、設置枠2に、複数のサッシ3を左右に隣接させて組み付けて構成されるサッシ装置1であっても、設置枠2からサッシ3を取り外して該サッシ3を他の箇所でリユースする、あるいは、サッシ3の交換を行う場合等の作業性を大幅に向上させることができる。
しかも、前記屋外側突出片6iと屋外側当接片6eとのネジ30締結部は、サッシ縦枠6の屋外側端部よりも屋内側に位置しているとともにネジ30締結部の屋外側は開口31しているから、該開口31からネジ30締結を行えるとともに、開口31の屋内側に止水部材20を配設できるスペースを確保できることになる。これにより、前述した設置上枠13の屋外側突出片13dとサッシ上枠4の屋外側当接片4eとのネジ18締結部と同様に、ネジ30締結部の止水を確実に行えるとともに、意匠性の向上が図れる。
【0036】
さらに、前記隣接する一方のサッシ3の隣接側サッシ縦枠6(一方側サッシ縦枠6B)の屋内側部分には、他方のサッシ3の隣接側サッシ縦枠6(他方側サッシ縦枠6C)に向けて突出する屋内側係合溝部(屋内側係合受け部)6hが設けられる一方、他方のサッシ3の隣接側サッシ縦枠6には、前記屋内側係合溝部6hに屋外方向から係合する係合突起(屋内側係合部)6kが設けられている。そして、これら屋内側係合溝部6hと係合突起6kとの間には、屋内側係合溝部6hに係合突起6kを係合させることで押圧されて止水する止水部材32が設けられている。これにより、一方のサッシ3に対して他方のサッシ3を屋外方向から組み込んで屋内側係合溝部6hに係合突起6kを係合させることで、これら屋内側係合溝部6hと係合突起6kとの間の止水を確実に行えることになる。
【0037】
さらにこのものにおいて、設置枠2に、一対のサッシ3をコーナー状に組み付けるにあたり、これら一対のサッシ3のコーナー部側サッシ縦枠6同士はコーナー方立9を介して着脱自在に連結される一方、該コーナー方立9の上部、下部は、設置枠2を構成する設置上枠13、設置下枠14に着脱自在に固定されることになる。これにより、設置枠2に一対のサッシ3がコーナー状に組み付けられる場合、これら一対のサッシ3のコーナー部側サッシ縦枠6同士を連結するコーナー方立9についても、該コーナー方立9を設置枠2から取り外して他の箇所でリユースできることになる。
【0038】
さらに、前記コーナー方立9は、一対のサッシ3のコーナー部側サッシ縦枠6がそれぞれ着脱自在に連結される一対の方立縦枠33A、33Bを備えており、該方立縦枠33A、33Bの屋外側部分には、コーナー部側サッシ縦枠6に向けて突出する屋外側突出片33fが設けられる一方、コーナー部側サッシ縦枠6には、前記屋外側突出片33fに屋外方向から当接する屋外側当接片6eが設けられている。そして、これら屋外側突出片33fと屋外側当接片6eとをネジ40で締結することで方立縦枠33A、33Bとコーナー部側サッシ縦枠6とは着脱自在に連結されることになるが、この場合に、屋外側突出片33fと屋外側当接片6eとのネジ40締結部は、方立縦枠33A、33Bおよびコーナー部側サッシ縦枠6の屋外側端部よりも屋内側に位置しているとともにネジ40締結部の屋外側は開口41しており、該開口41からから屋外側突出片33fと屋外側当接片6eとのネジ40締結を行えるとともに、開口41の屋内側は、ネジ40締結部を止水する止水部材20が配設されることになる。
しかして、コーナー方立9を構成する方立縦枠33A、33Bに対し、コーナー状に配されるサッシ3のコーナー部側サッシ縦枠6を屋外側から組み込んで当接せしめた屋外側突出片33fと屋外内側当接片6eとをネジ40で締結することで、方立縦枠33A、33Bとコーナー部側サッシ縦枠6とは着脱自在に固定されることになり、これにより、方立縦枠33A、33Bとコーナー部側サッシ縦枠6との連結を簡単に行うことができる。この結果、設置枠2に一対のサッシ3がコーナー状に組み付けられたサッシ装置1であっても、サッシ3およびコーナー方立9を取り外して他の箇所でリユースする、あるいは、サッシ3やコーナー方立9の交換を行う場合等の作業性を大幅に向上させることができる。
しかも、前記屋外側突出片33fと屋外側当接片6eとのネジ40締結部は、コーナー方立33A、33Bおよびコーナー部側サッシ縦枠6の屋外側端部よりも屋内側に位置しているとともにネジ40締結部の屋外側は開口41しているから、該開口41からネジ40締結を行えるとともに、開口41の屋内側に止水部材20を配設できるスペースを確保できることになる。これにより、前述した設置上枠13の屋外側突出片13dとサッシ上枠4の屋外側当接片4eとのネジ18締結部と同様に、ネジ40締結部の止水を確実に行えるとともに、意匠性の向上が図れる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、サッシ等の枠ユニットを再利用したい場合に利用することができる。
【符号の説明】
【0040】
2 設置枠
3 サッシ
4 サッシ上枠
4b 屋内側見付け面部(屋内側当接片)
4e 屋外側当接片
5 サッシ下枠
5b 屋内側見付け面部(屋内側当接片)
6 サッシ縦枠
6b 屋内側見付け面部(屋内側当接片)
6e 屋外側当接片
6i 屋外側突出片
6h 屋内側係合溝部
6k 係合突起
13 設置上枠
13a 設置上枠本体部
13b 屋内側突出片
13d 屋外側突出片
14 設置下枠
14a 設置下枠本体部
14b 屋内側突出片
15 設置縦枠
15a 設置縦枠本体部
15b 屋内側突出片
15d 屋外側突出片
17、18、22、30、25、26、30、40、43 ネジ
19、27、31、41、44 開口
20 止水部材
21 止水部材
32 止水部材
33A 一方側方立縦枠
33B 他方側方立縦枠
33f 屋外側突出片
33h 屋内側係合溝部