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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087559
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】ピールオフパック化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20240624BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20240624BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240624BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240624BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20240624BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/02
A61Q19/00
A61K8/37
A61K8/92
A61K8/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202448
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】505443160
【氏名又は名称】株式会社 サティス製薬
(74)【代理人】
【識別番号】100205914
【弁理士】
【氏名又は名称】堀越 総明
(74)【代理人】
【識別番号】100162189
【弁理士】
【氏名又は名称】堀越 真弓
(72)【発明者】
【氏名】吉川 麻美
(72)【発明者】
【氏名】茨木 将
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 智士
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB172
4C083AC021
4C083AC022
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC421
4C083AC422
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD111
4C083AD112
4C083BB11
4C083CC02
4C083CC07
4C083EE01
4C083EE05
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】皮膜のはがしやすさを実現する皮膜強度と、肌への負担を低減する柔軟性(伸縮性)を両立する皮膜を形成することができるピールオフパック化粧料を提供すること。
【解決手段】本発明のピールオフパック化粧料は、ポリビニルアルコール(A)、ポリ酢酸ビニル(B)、油性成分(C)、アクリル酸系増粘剤(D)及び水(E)を配合するものである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリビニルアルコール(A)、ポリ酢酸ビニル(B)、油性成分(C)、アクリル酸系増粘剤(D)及び水(E)を配合することを特徴とするピールオフパック化粧料。
【請求項2】
前記ポリビニルアルコール(A)と前記ポリ酢酸ビニル(B)の配合割合が、質量比で、2<(A/B)<20であることを特徴とする請求項1に記載のピールオフパック化粧料。
【請求項3】
前記ポリビニルアルコール(A)と前記ポリ酢酸ビニル(B)と前記油性成分(C)の配合割合が、質量比で、{(A+B)/C}<5であることを特徴とする請求項1に記載のピールオフパック化粧料。
【請求項4】
前記アクリル酸系増粘剤(D)は、アクリロイルジメチルタウリン塩含有共重合体であり、その配合量が0.2質量%~0.65質量%であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のピールオフパック化粧料。
【請求項5】
前記油性成分(C)は、エステル油、植物油脂及び炭化水素油からなる群から選択される少なくとも1種の成分であることを特徴とする請求項1に記載のピールオフパック化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パック化粧料に関するものであり、特に、皮膜形成剤としてポリビニルアルコールを配合したピールオフパック化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
パック化粧料とは、化粧料で皮膚を一定時間被覆する方法にて使用される化粧料であり、様々なタイプのパック化粧料が知られている。たとえば、(1)化粧料を含浸させた不織布で皮膚を覆って使用し、使用後には不織布ごと除去する不織布タイプ、(2)クリーム状の化粧料を所定の厚みで皮膚に塗布して皮膚を被覆し、使用後には洗い流して除去する洗い流しタイプ、そして、(3)化粧料を皮膚に塗布して乾燥させ、皮膚上でフィルム状の皮膜を形成して皮膚を被覆し、使用後にはフィルム状の皮膜ごとはがして除去するピールオフタイプがある。
【0003】
これらのうち、ピールオフパック化粧料は、その使用に際し、化粧料で皮膚を一定時間被覆する工程を有するため、化粧料中に含まれている保湿成分や皮膚コンディショニング成分等の様々な有効成分が肌に浸透し、それらの効果が得られやすいというパック化粧料に共通する作用効果を当然に備えるほか、使用後にはフィルム状の皮膜を皮膚上から「はがす」という工程を有するため、皮膚上の古い角質や老廃物が皮膜に吸着除去され、皮膚のくすみを解消したり、皮膚のターンオーバーを促すといった作用効果もプラスされる。そのため、ピールオフパック化粧料において、皮膚上に形成されたフィルム状の皮膜が一定の皮膜強度を有し、皮膜がきれいにはがせることは、同化粧料に求められる作用効果を高めるために極めて重要である。
【0004】
そこで、特許文献1には、塗布した箇所や皮膚清浄効果が明確に識別でき、塗布のしやすさ、はがしやすさが良好なピールオフパック化粧料として、ポリビニルアルコールを5~20質量%と無水ケイ酸被覆酸化チタンを0.01~10質量%含有し、このうち、無水ケイ酸被覆酸化チタン中の無水ケイ酸の被覆量が5~20質量%であるパック化粧料が提案されている。また、特許文献2には、乾燥速度やはがしやすさに優れたピールオフパック化粧料として、粉体、リゾリン脂質、ポリビニルアルコール及び水からなるパック化粧料が提案されており、粉体としては酸化チタン等が用いられることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-217642号公報
【特許文献2】特開2006-131616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1及び2のピールオフパック化粧料では、皮膜形成剤としてポリビニルアルコールが用いられているところ、これに酸化チタン等の粉体成分を配合することにより、フィルム状の皮膜の皮膜強度を高め、皮膜のはがしやすさや乾燥速度の向上を実現している。しかしながら、酸化チタン等の粉体成分を配合することによって皮膜の強度は向上するが、同時に皮膜の柔軟性(伸縮性)が損なわれてしまう。このため、皮膜で被覆されている際に皮膚が突っ張るような感覚があったり、皮膜の下の皮膚を動かすと皮膜に皮膚が引っ張られ、皮膜をはがす際にも皮膜に肌が強く引っ張られるため、肌への負担が大きいという問題があった。
【0007】
したがって、本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、その目的は、皮膜のはがしやすさを実現する皮膜強度と、肌への負担を低減する柔軟性(伸縮性)を両立する皮膜を形成することができるピールオフパック化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明者は、ポリビニルアルコールにポリ酢酸ビニル、油性成分及びアクリル酸系増粘剤を配合することにより、はがしやすさと優れた柔軟性(伸縮性)とを両立する皮膜を形成でき、皮膜をはがした後のエモリエント感にも優れるピールオフパック化粧料が得られることを見出した。この知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明のピールオフパック化粧料は、ポリビニルアルコール(A)、ポリ酢酸ビニル(B)、油性成分(C)、アクリル酸系増粘剤(D)及び水(E)を配合する。これにより、皮膜のはがしやすさを実現する皮膜強度と、肌への負担を低減する柔軟性(伸縮性)を両立する皮膜を形成するピールオフパック化粧料が得られる。これに加え、油性成分(C)が配合されているために、エモリエント感にも優れており、使用感が向上したピールオフパック化粧料が得られる。また、アクリル酸系増粘剤(D)が皮膜強度を向上させるとともに製剤の安定性を高め、保存安定性も十分とすることができる。また、これら配合成分の組み合わせにより、塗布時の塗り広げやすさや皮膜形成速度にも優れ、使用性も向上したピールオフパック化粧料が得られる。
【0010】
また、本発明のピールオフパック化粧料は、ポリビニルアルコール(A)とポリ酢酸ビニル(B)の配合割合が、質量比で、2<(A/B)<20であることも好ましい。これにより、ポリビニルアルコール(A)とポリ酢酸ビニル(B)の配合割合として、好適な範囲が選択される。この範囲とすることにより、はがしやすさと優れた柔軟性(伸縮性)とを両立する皮膜を形成できるピールオフパック化粧料が得られる。
【0011】
また、本発明のピールオフパック化粧料は、ポリビニルアルコール(A)とポリ酢酸ビニル(B)と油性成分(C)の配合割合が、質量比で、{(A+B)/C}<5であることも好ましい。これにより、油性成分(C)と、皮膜成分であるポリビニルアルコール(A)とポリ酢酸ビニル(B)の配合割合として、好適な範囲が選択される。この範囲とすることにより、はがしやすさと優れた柔軟性(伸縮性)とを両立する皮膜を形成できるピールオフパック化粧料が得られる。
【0012】
また、本発明のピールオフパック化粧料に配合されるアクリル酸系増粘剤(D)は、アクリロイルジメチルタウリン塩含有共重合体であり、その配合量が0.2質量%~0.65質量%であることも好ましい。アクリル酸系増粘剤(D)の配合量として、好適な範囲が選択される。この範囲とすることにより、はがしやすさと優れた柔軟性(伸縮性)とを両立する皮膜を形成できるピールオフパック化粧料が得られる。さらに、アクリロイルジメチルタウリン塩含有共重合体は、親水性乳化作用を有するため、油性成分(C)を化粧料中に安定に乳化分散させることができ、製剤の安定性も向上する。
【0013】
また、本発明のピールオフパック化粧料に配合される油性成分(C)は、エステル油、植物油脂及び炭化水素油からなる群から選択される少なくとも1種の成分であることも好ましい。これにより、油性成分(C)として好ましい成分が選択される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下のような優れた効果を有するピールオフパック化粧料を提供することができる。
(1)皮膜のはがしやすさを実現する皮膜強度と、皮膜で被覆されている際及び皮膜をはがす際の肌への負担を低減する柔軟性(伸縮性)を両立する皮膜を形成することができる
(2)油性成分(C)の配合により、皮膜をはがした後のエモリエント感(油膜感)を付与することができ、使用感を向上させることができる
(3)アクリル酸系増粘剤(D)の配合により、皮膜強度を向上させるとともに製剤の安定性も高められるため、保存安定性も十分である。
(4)塗布時の塗り広げやすさや皮膜形成速度にも優れており、使用性も高い。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施形態に係るピールオフパック化粧料について詳細に説明する。本発明に係るピールオフパック化粧料は、ポリビニルアルコール(A)、ポリ酢酸ビニル(B)、油性成分(C)及びアクリル酸系増粘剤(D)及び水(E)を配合されてなるものである。
【0016】
[ポリビニルアルコール(A)]
まず、本実施形態に係るピールオフパック化粧料に配合されるポリビニルアルコール(A)について説明する。ポリビニルアルコールは、ピールオフパック化粧料におけるフィルム状の皮膜を形成する皮膜形成剤として配合されている。本実施形態においては、通常化粧品の原料として適用されるポリビニルアルコールが好ましく用いられ得る。
【0017】
ポリビニルアルコールは、その名の通り高分子化合物であり、その重合度は通常4質量%濃度の水溶液の20℃における粘度で示され、けん化度は、ポリビニルアルコールの製造時におけるポリ酢酸ビニルのアセチル基が水酸基に置換されたけん化の割合により示されている。ポリビニルアルコールは、粘度(重合度)とけん化度を異ならせたさまざまな規格の原料が市販されているところ、例えば、クラレポバール(登録商標)4-88LV(粘度3.5~4.5mPa・s、けん化度87.0~89.0モル%)、クラレポバール26-88LV(粘度24.5~27.5mPa・s、けん化度87.0~89.0モル%)、クラレポバール40-88LV(粘度38.0~42.0mPa・s、けん化度87.0~89.0モル%)及びクラレポバール49-88LV(粘度45.0~52.0mPa・s、けん化度87.0~89.0モル%)(いずれも株式会社クラレ製品)のほか、ゴーセノールEG-05C(粘度4.2~6.3mPa・s、けん化度86.5~89.0モル%)、ゴーセノールEG-40C(粘度34.4~51.6mPa・s、けん化度86.5~89.0モル%)(いずれも三菱ケミカル株式会社製品)等がある。
【0018】
本実施形態に係る化粧料に配合されるポリビニルアルコール(A)としては、一つの種類のポリビニルアルコールを単独で用いてもよいし、異なる種類のポリビニルアルコールを複数混合して用いてもよい。本実施形態においては、異なる粘度の規格を有するポリビニルアルコールを二種以上混合して使用することにより、化粧料を所望の粘度に調整できると共に、ピールオフパックとして好適なフィルム状の皮膜を形成することができる観点から、高粘度タイプのポリビニルアルコールと低粘度タイプのポリビニルアルコールを組み合わせて用いることが好ましい。ここで、低粘度タイプのポリビニルアルコールと高粘度タイプのポリビニルアルコールの配合割合は、低粘度タイプ:高粘度タイプ=1:0.5~2とすることが好ましく、低粘度タイプ:高粘度タイプ=1:0.5~1とするのがより好ましい。なお、本明細書において、低粘度タイプのポリビニルアルコールとは、4質量%濃度水溶液、20℃で10mPa・s以下の粘度を有するポリビニルアルコールのことを示し、高粘度タイプのポリビニルアルコールとは、4質量%濃度水溶液、20℃で30mPa・s以上の粘度を有するポリビニルアルコールのことをいう。
【0019】
本実施形態に係る化粧料に配合されるポリビニルアルコール(A)の配合量は、化粧料全量に対して、ピールオフパックとして好適なフィルム状の皮膜を形成させる観点から、3~30質量%が好ましく、5~20質量%がより好ましい。
【0020】
[ポリ酢酸ビニル(B)]
次に、本実施形態に係るピールオフパック化粧料に配合されるポリ酢酸ビニル(B)について説明する。本実施形態において、ポリ酢酸ビニルは、上述したポリビニルアルコール同様に、ピールオフパック化粧料におけるフィルム状の皮膜を形成する皮膜形成剤として配合されている。ポリ酢酸ビニルが配合されることによって、皮膜に強度が付与されると共に皮膜に伸縮性が付与される。本実施形態においては、通常化粧品の原料として用いられるポリ酢酸ビニルエマルジョンが好ましく用いられ得る。
【0021】
ポリ酢酸ビニルエマルジョンは、ポリ酢酸ビニルの微粒子を水中に分散させたもののことをいい、ポリ酢酸ビニルを、固形分換算で10~50質量%含有する原料が種々市販されている。例えば、ビニブランGV-5651(日信化学工業株式会社製品)等が挙げられ、求める仕様や物性に応じ、一種又は二種以上を用いることができる。ポリ酢酸ビニルエマルジョンは乳白色を呈しているため、ピールオフパック化粧料としては乳白色を呈するが、ポリ酢酸ビニル自体は無色透明であるため、乾燥してフィルム状の皮膜を形成すると透明となる。そのため、皮膚に化粧料を塗布した場所を判別しやすいほか、皮膜形成のタイミングも分かり易く、使用性も向上する。本実施形態に係る化粧料に配合されるポリ酢酸ビニル(B)の配合量は、化粧料全量に対して、ピールオフパックとして好適なフィルム状の皮膜を形成させる観点から、0.15~6質量%が好ましく、0.7~4質量%がより好ましい。
【0022】
[ポリビニルアルコール(A)とポリ酢酸ビニル(B)の配合割合]
ここで、ポリビニルアルコール(A)とポリ酢酸ビニル(B)の配合割合については、後述する実施例でも示すように、ポリ酢酸ビニル(B)よりもポリビニルアルコール(A)を一定程度多く配合することが重要である。より詳細には、皮膜のはがしやすさ及び皮膜の柔軟性を両立させる観点から、質量比での配合割合(A)/(B)は、2超20未満[2<(A/B)<20]であることが好ましく、3以上20未満[3≦(A/B)<20]であることがより好ましく、3.5以上18以下[3.5≦(A/B)≦18]であることがさらに好ましい。
【0023】
[油性成分(C)]
次に、本実施形態に係るピールオフパック化粧料に配合される油性成分(C)について説明する。本実施形態において、油性成分は、皮膜のはがしやすさと柔軟性に寄与するだけでなく、皮膜をはがした後のエモリエント感を付与する作用も有している。本発明における油性成分とは、水に溶解しない成分をいい、具体的には、エステル油、炭化水素油、油脂、高級脂肪酸、高級アルコール、ロウ又はシリコーン油等が挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。本実施形態においては、通常化粧品の原料として用いられる油性成分原料が好ましく用いられ得る。
【0024】
ここで、本実施形態に係る油性成分(C)におけるエステル油としては、例えば、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、エチルヘキサン酸セチル、トリエチルヘキサノイン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、コハク酸ビスエトキシジグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2-ヘキシルデシル等が挙げられる。また、炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン(ミネラルオイル)、スクワラン、スクワレン、ワセリン等が挙げられる。また、油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、パーム油、パーム核油、マカデミア種子油、硬化ヒマシ油、アボガド油、ツバキ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、大豆油、茶実油、コメヌカ油、野菜油、シア脂等が挙げられる。また、高級脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸等が挙げられる。また、高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セタノール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロールズ、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール等が挙げられる。また、ロウとしては、例えば、ホホバ油、綿ロウ、ミツロウ、カンデリラロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ等が挙げられる。また、シリコーン油としては、例えば、メチルトリメチコン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、シクロペンタシロキサン等が挙げられる。
【0025】
本実施形態に係る化粧料に配合される油性成分(C)の配合量は、本発明の作用効果を発揮させる観点から、化粧料全量に対して、1~20質量%が好ましく、2~15質量%がより好ましい。
【0026】
[ポリビニルアルコール(A)・ポリ酢酸ビニル(B)・油性成分(C)の配合割合]
ここで、油性成分(C)の配合割合については、後述する実施例でも示すように、皮膜形成成分であるポリビニルアルコール(A)とポリ酢酸ビニル(B)の合計配合量に対し、一定割合を超える量を配合することが重要である。より詳細には、皮膜のはがしやすさ及び皮膜の柔軟性を両立させる観点から、質量比での配合割合{(A+B)/C}は5未満[{(A+B)/C}<5]であることが好ましく、4.5未満[{(A+B)/C}<4.5]であることがより好ましく、4未満[{(A+B)/C}<4]であることがさらに好ましい。さらに、製剤の安定性を向上させる観点からは、質量比での配合割合{(A+B)/C}は1以上[1≦{(A+B)/C}]であることが好ましく、1.5以上[1.5≦{(A+B)/C}]であることがより好ましい。
【0027】
[アクリル酸系増粘剤]
次に、本実施形態に係るピールオフパック化粧料に配合されるアクリル酸系増粘剤(D)について説明する。本実施形態において、アクリル酸系増粘剤は、皮膜強度を高めて皮膜のはがしやすさに寄与するだけでなく、製剤の安定性を向上させる作用も有している。本実施形態において使用され得るアクリル酸系増粘剤としては、具体的には、カルボマー、ポリアクリルアミド、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマー、ポリアクリレートクロスポリマー-6、ポリアクリレート-13、(アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー等が挙げられ、これらのうちの一種、又は二種以上を組み合わせて用いることも可能である。市販品の例として、AQUPEC HV-801EG(住友精化株式会社製品)、SEPIGEL 305、SIMULGEL EG QD、SEPILIFE NUDE、SEPINOV EMT 10、SEPINOV P88、SEPIMAX ZEN、SEPIPLUS S、SEPIPLUS265、SEPIPLUS400、SIMULGEL FL、SIMULGEL NS(いずれもセピック社製品)、アリストフレックス AVC(クラリアントジャパン株式会社製品)等が挙げられる。
【0028】
上述したアクリル酸系増粘剤のうち、本実施形態に係るピールオフパック化粧料に用いられる配合成分としては、皮膜のはがしやすさと優れた柔軟性(伸縮性)が両立し、親水性乳化作用も兼ね備えている観点から、アクリロイルジメチルタウリン塩含有共重合体が好ましい。より具体的には、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマーが好ましい。これらのアクリロイルジメチルタウリン塩含有共重合体は、油性成分(C)を化粧料中に安定に乳化分散させる親水性乳化作用を有しており、それゆえ、製剤の安定性も向上する。
【0029】
本実施形態に係る化粧料に配合されるアクリル酸系増粘剤(D)の配合量は、化粧料全量に対して、皮膜のはがしやすさと優れた柔軟性(伸縮性)を両立させる観点から、0.2質量%~0.65質量%が好ましく、0.22質量%~0.6質量%がより好ましく、さらに製剤の安定性を向上させる観点から、0.25質量%~0.55質量%が特に好ましい。
【0030】
本実施形態に係るピールオフパック化粧料に配合される水(E)は、上述した配合成分の分散媒として用いられる成分である。水(E)の配合量は、特に限定されないが、化粧料全量に対して、10~90質量%が好ましく、25~75質量%がより好ましい。
【0031】
本発明に係るピールオフパック化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した配合成分に加え、通常化粧料に配合可能な他の成分を含むことができる。そのような他の成分としては、保湿剤、美白剤、皮膚コンディショニング剤、着香剤、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、着色剤、抗酸化剤、増粘剤、乳化剤、界面活性剤等が挙げられる。なお、シリカや酸化チタン等の粉体成分については、皮膜の硬化を防ぎ、皮膜の柔軟性を保持するために、粉体成分は配合されないことが好ましい。
【0032】
本発明に係るピールオフパック化粧料は、公知の方法に従って製造することができる。具体的には、配合成分を混合して70~80℃に加熱し、溶解させた後、冷却することにより、ピールオフパック化粧料が得られる。このうち、油性成分(C)の水(E)への乳化にあたっては、予め適量の界面活性剤を油性成分(C)に添加して溶解させ、その状態で水(E)に添加し、混合乳化させることも可能である。この場合、界面活性剤としては、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤が好適に用いられ得る。
【実施例0033】
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を詳細に説明する。以下の実施例及び比較例におけるピールオフパック化粧料の評価方法は下記の通りである。
【0034】
(1)皮膜のはがしやすさ
実施例及び比較例で作製した各ピールオフパック化粧料を指にとり、顔に均一に塗布した。約30分置いて皮膜を形成させた後、顔から皮膜をはがし、皮膜のはがしやすさを評価した。評価基準としては、次のとおりである。
◎:一枚の皮膜としてスムーズにはがすことができる(優れた皮膜強度を有している)
○:一枚の皮膜としてはがすことができる(十分な皮膜強度を有している)
△:ややはがし難い(皮膜強度がやや不足している)
×:はがし難い(皮膜強度が弱い)
【0035】
(2)皮膜の柔軟性(伸縮性)
上述した「(1)皮膜のはがしやすさ」の評価の際に、皮膜の柔軟性(伸縮性)についても同時に評価した。評価基準としては、次のとおりである。
◎:皮膜が十分に柔らかく伸縮性に優れる(皮膜で被覆している際及びはがす際の肌への刺激がほとんどない)
○:皮膜が柔らかく伸縮性を有する(皮膜で被覆している際及びはがす際の肌への刺激が小さい)
△:皮膜がやや硬く伸縮性に劣る(皮膜で被覆している際及びはがす際の肌への刺激が感じられる)
×:皮膜が硬く伸縮性がない(皮膜で被覆している際及びはがす際の肌への刺激が大きい)
【0036】
(3)使用後のエモリエント感
上述した評価(1)及び(2)で皮膜をはがした後、皮膜で覆われていた部分の肌のエモリエント感(しっとり感・油膜感)について評価した。評価基準としては、次のとおりである。
◎:優れたエモリエント感(しっとり感)がある
〇:エモリエント感(しっとり感)がある
△:エモリエント感(しっとり感)が弱い
×:エモリエント感(しっとり感)がない
【0037】
(4)製剤の安定性
実施例及び比較例で作製した各ピールオフパック化粧料をバイアル瓶に充填したサンプルを50℃の恒温槽で1カ月保存した。また、同サンプルを5℃の恒温槽、40℃の恒温槽及び室温環境下で6カ月保存した。保存期間経過後、各サンプルの外観を比較し、製剤の安定性について評価した。評価基準としては、次のとおりである。
◎:各サンプル間に変化はみられず、安定性に優れる
〇:各サンプル間に軽微な変化がみられる
△:各サンプル間にやや変化がみられる
×:各サンプル間に明らかな変化がみられ、安定性に劣る
【0038】
(5)塗布時の塗り広げやすさ
各ピールオフパック化粧料を指にとり、顔に均一に塗布した際の塗り広げやすさを評価した。評価基準としては、次のとおりである。
◎:パック化粧料の粘度がちょうどよく、非常に塗り広げやすい
〇:塗り広げやすい
△:やや塗り広げ難い
×:パック化粧料の粘度が適当でなく、塗り広げ難い
【0039】
(6)皮膜形成速度
各ピールオフパック化粧料を顔に均一に塗布した後、化粧料が固まって皮膜となっているかどうか、パック化粧料の色(乳白色から透明となっているか)及び指で触れて確認し、皮膜形成の速さについて評価した。評価基準としては、次のとおりである。
◎:非常に速い(15分以内)
〇:速い(15分程度)
△:やや遅い(20分程度)
×:遅い(30分以上)
【0040】
[実施例1]
1.ピールオフパック化粧料の効果の検討
以下の手順で以下表1に示す本実施例1のピールオフパック化粧料を製造した。表1に記載の各成分のうち、エタノールを除く各成分を実施例1の欄に示す配合割合となるようにビーカーにとり、80℃に加熱して溶解させた後、よく撹拌して乳化させた。これを室温に冷却してエタノールを加えて混合し、実施例1のピールオフパック化粧料を得た。なお、表1の界面活性剤としては非イオン界面活性剤を用い、油性成分(C)に非イオン界面活性剤を適量(0.5~1.5質量%)添加し、溶解させて用いた。また、ポリビニルアルコール(A)としては、粘度の異なる2種類のポリビニルアルコールを混合したものを用いた。詳細には、ポリビニルアルコールとして、ゴーセノールEG-05C(粘度4.2~6.3mPa・s/三菱ケミカル株式会社製品)とゴーセノールEG-40C(粘度34.4~51.6mPa・s/三菱ケミカル株式会社製品)を用い、ゴーセノールEG-05C(低粘度タイプ):ゴーセノールEG-40C(高粘度タイプ)=7:5の混合比率で混合したものを用いた。また、ポリ酢酸ビニル(B)の原料としては、ポリ酢酸ビニルエマルジョン(製品名:ビニブラン(登録商標)GV-5651、ポリ酢酸ビニルとして36.4wt%含有、日信化学工業株式会社製品)を用いた。また、油性成分(C)のうち、野菜油としては、植物由来のトリグリセリドを主成分とした植物油脂(製品名:クレマリン・ピュラ、クレマーオレオ社製品)を用いた。油性成分(C)におけるスクワランは、アクリル酸系増粘剤として使用した原料(SIMULGEL NS、スクワランを23~28wt%含有、セピック社製品)に含有されているスクワランが含まれている。また、アクリル酸系増粘剤(D)としては、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー(製品名:SIMULGEL NS、同ポリマーとして35~40wt%含有、スクワランを23~28wt%含有、セピック社製品)を用いた。このようにして得られた実施例1のパック化粧料について、効果の評価を行った。評価結果を以下表1に示す。
【0041】
[比較例1]
次に、実施例1と同様の手順及び材料により、以下表1に示す比較例1-1~1-4のピールオフパック化粧料を製造した。実施例1の配合と比較すると、比較例1-1は、ポリ酢酸ビニル(B)を含まず、粉体成分のシリカを配合した試験区であり、比較例1-2は、ポリ酢酸ビニル(B)を含まない試験区であり、比較例1-3は、油性成分(C)の配合量が微量であって、油性成分(C)をほとんど含まない試験区であり、比較例1-4は、アクリル酸系増粘剤(D)を含まない試験区である。このようにして得られた比較例1-1~1-4のパック化粧料について、効果の評価を行った。評価結果を以下表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表1の実施例1の結果によれば、ポリビニルアルコール(A)、ポリ酢酸ビニル(B)、油性成分(C)及びアクリル酸系増粘剤(D)を配合することにより、皮膜がはがしやすく、優れた柔軟性も備えた皮膜が得られるピールオフパック化粧料が得られることがわかった。さらに、油性成分(C)が配合されているために、エモリエント感にも優れており、使用感が向上することがわかった。また、製剤の安定性も十分であるほか、塗布時の塗り広げやすさや皮膜形成速度にも優れ、使用性も向上したピールオフパック化粧料が得られることがわかった。
【0044】
他方、表1の比較例の結果によれば、ポリビニルアルコール(A)、ポリ酢酸ビニル(B)、油性成分(C)及びアクリル酸系増粘剤(D)のいずれかが配合されていない比較例1-1~1-4では、皮膜のはがしやすさと、皮膜の柔軟性(伸縮性)を両立する皮膜が得られないことがわかった。実施例1とこの比較例1-1~1-4の結果とを比較検討すると、ポリ酢酸ビニル(B)が配合されることにより、皮膜に強度を付与すると共に伸縮性を付与することが推測された。また、油性成分(C)には、皮膜が肌から離れやすくなることによる、皮膜のはがしやすさ向上作用と皮膜の柔軟性向上作用が推測された。さらに、アクリル酸系増粘剤(D)が配合されることにより、皮膜に強度を付与することが推測されたほか、製剤の安定性の向上作用及び皮膜形成速度の向上作用も有することが推測された。
【0045】
[実施例2]
2.ピールオフパック化粧料の配合成分の検討(1)
本実施例では、皮膜形成成分である、ポリビニルアルコール(A)とポリ酢酸ビニル(B)の配合割合について詳細な検討を行った。上述の実施例1と同様の手順及び材料により、以下表2に示す試験区2-1~2-5のピールオフパック化粧料を製造した。このようにして得られた試験区2-1~2-5のパック化粧料について、効果の評価を行った。評価結果を以下表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
表2の結果によれば、ポリビニルアルコール(A)とポリ酢酸ビニル(B)の配合割合に関し、ポリ酢酸ビニル(B)よりもポリビニルアルコール(A)を一定程度多く配合することが重要であることがわかった。より詳細には、質量比での配合割合(A)/(B)が2.0(試験区2-5)では、皮膜のはがしやすさ及び皮膜の柔軟性はいずれも「×」の評価であり、(A)/(B)が17.1(試験区2-2)では、皮膜のはがしやすさ及び皮膜の柔軟性はいずれも「○」の評価であることから、配合割合(A)/(B)は、2超20未満であることが好ましく、3以上20未満であることがより好ましく、3.5以上18以下であることがさらに好ましい。
【0048】
[実施例3]
3.ピールオフパック化粧料の配合成分の検討(2)
本実施例では、油性成分(C)の配合割合及び油性成分の種類について検討を行った。油性成分(C)としては、エステル油であるトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、植物油脂である野菜油、炭化水素油であるスクワラン・ミネラルオイルを用いた。上述の実施例1と同様の手順及び材料により、以下表3に示す試験区3-1~3-6のピールオフパック化粧料を製造した。このようにして得られた試験区3-1~3-6のパック化粧料について、効果の評価を行った。評価結果を以下表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
表3の結果によれば、油性成分(C)の配合割合は、皮膜形成成分であるポリビニルアルコール(A)とポリ酢酸ビニル(B)の配合量に対し、一定割合を超える量を配合することが重要であることがわかった。より詳細には、質量比での配合割合{(A+B)/C}が5.1(試験区3-2)では、皮膜の柔軟性は「△」の評価であることから、配合割合{(A+B)/C}は、5未満であることが好ましく、4.5未満であることがより好ましく、4未満であることがさらに好ましい。また、本実施例では、油性成分(C)としてエステル油であるトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、植物油脂である野菜油、炭化水素油であるスクワラン・ミネラルオイルを用いたが、これら油性成分(C)の種類の違いによる作用効果への影響は感じられなかった。
【0051】
[実施例4]
4.ピールオフパック化粧料の配合成分の検討(3)
本実施例では、アクリル酸系増粘剤(D)の配合割合及び増粘剤の種類について検討を行った。アクリル酸系増粘剤(D)としては、アクリロイルジメチルタウリン塩含有共重合体である(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーと、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマーのほか、カルボマーを用いた。上述の実施例1と同様の手順及び材料により、以下表4及び表5に示す試験区4-1~4-11のピールオフパック化粧料を製造した。このようにして得られた試験区4-1~4-11のパック化粧料について、効果の評価を行った。評価結果を以下表4及び表5に示す。
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
表4、5の結果によれば、アクリル酸系増粘剤(D)の配合量は、少なすぎると皮膜強度が小さくなり、皮膜のはがしやすさが失われる傾向にあり(試験区4-1~4-3)、多すぎると皮膜強度が大きくなりすぎて皮膜のはがしやすさが失われる傾向(試験区4-9)があることから、アクリル酸系増粘剤(D)の配合量は、0.2質量%~0.65質量%が好ましく、0.22質量%~0.6質量%がより好ましく、0.25質量%~0.55質量%が特に好ましい。また、本実施例では、アクリル酸系増粘剤(D)として、アクリロイルジメチルタウリン塩含有共重合体である(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマーと、カルボマーを用いたが、カルボマーでは皮膜の柔軟性に若干劣る傾向がみられた(試験区4-11)。そのため、アクリル酸系増粘剤(D)としては、アクリロイルジメチルタウリン塩含有共重合体が特に好ましいことが明らかとなった。
【0055】
本発明は、上記実施形態又は実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲での種々、設計変更した形態も技術的範囲に含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明に係るピールオフパック化粧料は、皮膜のはがしやすさを実現する皮膜強度と、肌への負担を低減する柔軟性(伸縮性)を両立するものであり、使用性及び使用感に優れ、主に美容の分野において用いられるものである。