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特開2024-87589ファイル管理プログラムおよびファイル管理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087589
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】ファイル管理プログラムおよびファイル管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/64 20130101AFI20240624BHJP
【FI】
G06F21/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202487
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】000101617
【氏名又は名称】アマノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139365
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 武雄
(72)【発明者】
【氏名】市川 桂介
(72)【発明者】
【氏名】上田 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩二
(57)【要約】
【課題】利用者が、電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合させる作業を、その電子ファイルがタイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有しているか否かを意識することなく容易に行うことができるようにする。
【解決手段】ファイル管理プログラムをコンピュータに実行させることにより具現化されるファイル管理装置は、タイムスタンプトークンを電子ファイル自身に付加する直接型の結合形態、および電子ファイルを包袋ファイルに添付して当該電子ファイルが添付された包袋ファイルにタイムスタンプトークンを付加する添付型の結合形態のうち、いずれの結合形態によって管理対象の電子ファイルである対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するかを判断し(S3、S4、S5、S7、S12)、その結果に応じ、直接型または添付型の結合形態により対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する(S15)。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイムスタンプを用いて電子ファイルを管理するファイル管理装置としてコンピュータを機能させるためのファイル管理プログラムであって、
前記ファイル管理装置は、
タイムスタンプトークンを電子ファイル自身に付加する第1の結合形態、および電子ファイルを包袋ファイルに添付して当該電子ファイルが添付された包袋ファイルにタイムスタンプトークンを付加する第2の結合形態のうち、いずれの結合形態によって管理対象の電子ファイルである対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するかの判断である結合判断を行う結合判断部と、
前記結合判断の結果、前記第1の結合形態によって前記対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する場合には、前記対象ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンをタイムスタンプ発行装置から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを前記対象ファイル自身に付加し、前記結合判断の結果、前記第2の結合形態によって前記対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する場合には、前記対象ファイルを包袋ファイルに添付し、前記対象ファイルが添付された包袋ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンを前記タイムスタンプ発行装置から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを前記対象ファイルが添付された包袋ファイルに付加する結合処理部とを備えていることを特徴とするファイル管理プログラム。
【請求項2】
前記結合判断部は、前記対象ファイルのファイル形式に基づいて前記結合判断を行うことを特徴とする請求項1に記載のファイル管理プログラム。
【請求項3】
前記結合判断部は、前記対象ファイルのファイル形式、および前記対象ファイルに施されたセキュリティ設定または変更可否設定に基づいて前記結合判断を行うことを特徴とする請求項1に記載のファイル管理プログラム。
【請求項4】
前記結合判断部は、前記対象ファイルの構造を調べ、前記対象ファイルのファイル形式、および前記対象ファイルの構造を調べた結果に基づいて前記結合判断を行うことを特徴とする請求項1に記載のファイル管理プログラム。
【請求項5】
前記結合判断部は、前記対象ファイルの識別情報と同一の識別情報を有する電子ファイルについて過去に行われた前記結合判断の結果に基づいて前記対象ファイルについての前記結合判断を行うことを特徴とする請求項1に記載のファイル管理プログラム。
【請求項6】
前記対象ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンをタイムスタンプ発行装置から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを前記対象ファイルと結合せずに、前記コンピュータに設けられ、または接続された記憶装置に保存するタイムスタンプトークン保存処理を行うタイムスタンプトークン保存処理部を備え、
前記結合判断部は、前記結合判断として、前記第1の結合形態および前記第2の結合形態のうちのいずれの結合形態によって前記対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するか、それとも前記対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないかの判断を行い、
前記タイムスタンプトークン保存処理部は、前記結合判断の結果、前記対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しない場合に、前記タイムスタンプトークン保存処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のファイル管理プログラム。
【請求項7】
複数の前記対象ファイルがあり、前記結合判断の結果、前記第2の結合形態によって前記各対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する場合、前記結合処理部は、前記複数の対象ファイルを1つの包袋ファイルに添付し、前記複数の対象ファイルが添付された1つの包袋ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンを前記タイムスタンプ発行装置から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを前記複数の対象ファイルが添付された1つの包袋ファイルに付加することを特徴とする請求項1に記載のファイル管理プログラム。
【請求項8】
複数の前記対象ファイルがあり、前記結合判断の結果、前記第2の結合形態によって前記各対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する場合、前記結合処理部は、1つの対象ファイルを1つの包袋ファイルに添付し、当該1つの対象ファイルが添付された1つの包袋ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンを前記タイムスタンプ発行装置から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを当該1つの対象ファイルが添付された1つの包袋ファイルに付加する処理を、前記複数の対象ファイルのそれぞれについて各個に行うことを特徴とする請求項1に記載のファイル管理プログラム。
【請求項9】
タイムスタンプを用いて電子ファイルを管理するファイル管理装置であって、
タイムスタンプトークンを電子ファイル自身に付加する第1の結合形態、および電子ファイルを包袋ファイルに添付して当該電子ファイルが添付された包袋ファイルにタイムスタンプトークンを付加する第2の結合形態のうち、いずれの結合形態によって管理対象の電子ファイルである対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するかの判断である結合判断を行う結合判断部と、
前記結合判断の結果、前記第1の結合形態によって前記対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する場合には、前記対象ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンをタイムスタンプ発行装置から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを前記対象ファイル自身に付加し、前記結合判断の結果、前記第2の結合形態によって前記対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する場合には、前記対象ファイルを包袋ファイルに添付し、前記対象ファイルが添付された包袋ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンを前記タイムスタンプ発行装置から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを前記対象ファイルが添付された包袋ファイルに付加する結合処理部とを備えていることを特徴とするファイル管理装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイムスタンプを用いて電子ファイルを管理するファイル管理プログラムおよびファイル管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、タイムスタンプを用いて電子ファイルを管理する方法は広く普及している。タイムスタンプを用いて電子ファイルを管理する方法は概ね次の通りである。
【0003】
利用者は、タイムスタンプを用いて管理することを所望する電子ファイルのハッシュ値を時刻認証局(TSA)に送信する。時刻認証局は、受信したハッシュ値に現在の時刻を示す時刻情報を付したものを時刻認証局の秘密鍵で暗号化する(電子署名を施す)。さらに、時刻認証局は、暗号化されたハッシュ値および時刻情報に、上記秘密鍵に対応する公開鍵を含む公開鍵証明書を付すことにより、タイムスタンプトークンを生成する。そして、時刻認証局は、生成したタイムスタンプトークンを利用者に送信する。利用者は、タイムスタンプを用いて管理することを所望する上記電子ファイルと、時刻認証局から受信したタイムスタンプトークン(上記電子ファイルに対応するタイムスタンプトークン)をそれぞれ保存する。
【0004】
その後、利用者は、電子ファイルに対応するタイムスタンプトークンを用いて、電子ファイルの存在証明および完全性証明を行うことができる。すなわち、タイムスタンプトークンには、暗号化されたハッシュ値および時刻情報が含まれている。利用者は、この暗号化されたハッシュ値および時刻情報を、タイムスタンプトークンに含まれている公開鍵で復号する。利用者は、このようにしてタイムスタンプトークンから得られた時刻情報に基づいて、その時刻情報が示す日時に電子ファイルが存在していたことを証明することができる。また、利用者は、電子ファイルのハッシュ値を生成し、そのハッシュ値と、上述したように公開鍵を用いてタイムスタンプトークンから得られたハッシュ値とを比較し、両者が一致していることを示すことによって、電子ファイルが、タイムスタンプトークンから得られた時刻情報が示す日時の後に改ざんされていないことを証明することができる。
【0005】
ところで、タイムスタンプを用いて電子ファイルを管理するに当たり、電子ファイルと、それに対応するタイムスタンプトークンとを明確に紐付けることが重要である。電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを明確に紐付けるためには、電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとが結合した1つの電子ファイルを生成することが好ましい。電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとが結合した1つの電子ファイルを生成する方法として、次の2つの方法がある。
【0006】
第1の方法は、電子ファイル自身にタイムスタンプトークンを付加する方法であり、例えば、電子ファイル内にタイムスタンプトークンを埋め込む方法である。現在、PDFファイルは、タイムスタンプトークンをその内部に埋め込むことができる構造を有している。電子ファイルがPDFファイルである場合には、この方法により、電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを直接的に結合することができ、これにより、電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを明確に紐付けることができる。第1の方法により電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する場合には、電子ファイル自身のハッシュ値を時刻認証局に送信してタイムスタンプトークンを取得する。そのタイムスタンプトークンには、電子ファイル自身のハッシュ値と時刻情報とが暗号化されたものが含まれている。
【0007】
第2の方法は、電子ファイルを包袋ファイルに添付して当該電子ファイルが添付された包袋ファイルにタイムスタンプトークンを付加する方法である。包袋ファイルとは、他の電子ファイルを自身に添付することができる構造、およびタイムスタンプトークンを自身に付加する(例えば埋め込む)ことができる構造を有している電子ファイルである。PDFファイルは、これらの構造を有しているので、包袋ファイルとして用いることができる。利用者がタイムスタンプを用いて管理することを所望する電子ファイルの中には、例えばテキストファイル、CSV(Comma Separated Values)ファイル、ワードファイル等のように、タイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有していないものがある。このような電子ファイルについては、第2の方法により、電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを包袋ファイルを介して結合することができ、これにより、電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを明確に紐付けることができる。第2の方法により電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する場合には、その電子ファイルを包袋ファイルに添付した後、その電子ファイルが添付された包袋ファイルのハッシュ値を時刻認証局に送信してタイムスタンプトークンを取得する。そのタイムスタンプトークンには、その電子ファイルが添付された包袋ファイルのハッシュ値と時刻情報とが暗号化されたものが含まれている。
【0008】
特開2017-182433号公報(特許文献1)には、PDFファイルにタイムスタンプを埋め込むことによりタイムスタンプを管理する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2017-182433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記2つの方法により、電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合することができ、電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを明確に紐付けることができる。しかしながら、次のような問題がある。
【0011】
電子ファイルが、PDFファイルのように、タイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有しているものである場合には、上記第1の方法によって電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合することができる。しかしながら、電子ファイルが、テキストファイル、CSVファイル等のように、タイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有していないものである場合には、上記第1の方法によって電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合することはできず、このような電子ファイルについては、上記第2の方法によって電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合しなければならない。その結果、利用者は、例えばパーソナルコンピュータ等を操作して電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する作業を行うに当たり、その電子ファイルがタイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有しているものであるか否かを自ら判断しなければならない。この判断は、例えば情報処理技術に然程精通していない一般事務員等にとっては容易ではない。
【0012】
また、利用者が例えばパーソナルコンピュータ等を操作して電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する作業を行うに当たり、上記第1の方法により電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する場合と、上記第2の方法により電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する場合とで、パーソナルコンピュータの操作の手順が大きく異なる。すなわち、上記第1の方法により電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する場合、利用者は、電子ファイル自身のハッシュ値を算出し、そのハッシュ値を時刻認証局に送信してタイムスタンプトークンを取得し、そのタイムスタンプトークンを電子ファイル自身に付加する必要がある。一方、上記第2の方法により電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する場合には、利用者は、電子ファイルを包袋ファイルに添付し、その後、その電子ファイルが添付された包袋ファイルのハッシュ値を算出し、そのハッシュ値を時刻認証局に送信してタイムスタンプトークンを取得し、そのタイムスタンプトークンを包袋ファイルに付加する必要がある。電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する作業を行うに当たり、利用者は、電子ファイルがタイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有しているものであるか否かに応じて、パーソナルコンピュータの操作手順を切り替えなければならない。これは利用者にとって煩雑であり、不便である。
【0013】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、利用者が、電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合させる作業を、その電子ファイルがタイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有しているか否かを意識することなく容易に行うことができるファイル管理プログラムおよびファイル管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明のファイル管理プログラムは、タイムスタンプを用いて電子ファイルを管理するファイル管理装置としてコンピュータを機能させるためのファイル管理プログラムであって、前記ファイル管理装置は、タイムスタンプトークンを電子ファイル自身に付加する第1の結合形態、および電子ファイルを包袋ファイルに添付して当該電子ファイルが添付された包袋ファイルにタイムスタンプトークンを付加する第2の結合形態のうち、いずれの結合形態によって管理対象の電子ファイルである対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するかの判断である結合判断を行う結合判断部と、前記結合判断の結果、前記第1の結合形態によって前記対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する場合には、前記対象ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンをタイムスタンプ発行装置から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを前記対象ファイル自身に付加し、前記結合判断の結果、前記第2の結合形態によって前記対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する場合には、前記対象ファイルを包袋ファイルに添付し、前記対象ファイルが添付された包袋ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンを前記タイムスタンプ発行装置から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを前記対象ファイルが添付された包袋ファイルに付加する結合処理部とを備えていることを特徴とする。
【0015】
上記本発明のファイル管理プログラムにおいて、前記結合判断部は、前記対象ファイルのファイル形式に基づいて前記結合判断を行うこととしてもよい。また、上記本発明のファイル管理プログラムにおいて、前記結合判断部は、前記対象ファイルのファイル形式、および前記対象ファイルに施されたセキュリティ設定または変更可否設定に基づいて前記結合判断を行うこととしてもよい。また、上記本発明のファイル管理プログラムにおいて、前記結合判断部は、前記対象ファイルの構造を調べ、前記対象ファイルのファイル形式、および前記対象ファイルの構造を調べた結果に基づいて前記結合判断を行うこととしてもよい。また、上記本発明のファイル管理プログラムにおいて、前記結合判断部は、前記対象ファイルの識別情報と同一の識別情報を有する電子ファイルについて過去に行われた前記結合判断の結果に基づいて前記対象ファイルについての前記結合判断を行うこととしてもよい。
【0016】
また、上記本発明のファイル管理プログラムにおいて、前記対象ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンをタイムスタンプ発行装置から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを前記対象ファイルと結合せずに、前記コンピュータに設けられ、または接続された記憶装置に保存するタイムスタンプトークン保存処理を行うタイムスタンプトークン保存処理部を備え、前記結合判断部は、前記結合判断として、前記第1の結合形態および前記第2の結合形態のうちのいずれの結合形態によって前記対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するか、それとも前記対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないかの判断を行い、前記タイムスタンプトークン保存処理部は、前記結合判断の結果、前記対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しない場合に、前記タイムスタンプトークン保存処理を行うこととしてもよい。
【0017】
また、上記本発明のファイル管理プログラムにおいて、複数の前記対象ファイルがあり、前記結合判断の結果、前記第2の結合形態によって前記各対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する場合、前記結合処理部は、前記複数の対象ファイルを1つの包袋ファイルに添付し、前記複数の対象ファイルが添付された1つの包袋ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンを前記タイムスタンプ発行装置から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを前記複数の対象ファイルが添付された1つの包袋ファイルに付加することとしてもよい。また、上記本発明のファイル管理プログラムにおいて、複数の前記対象ファイルがあり、前記結合判断の結果、前記第2の結合形態によって前記各対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する場合、前記結合処理部は、1つの対象ファイルを1つの包袋ファイルに添付し、当該1つの対象ファイルが添付された1つの包袋ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンを前記タイムスタンプ発行装置から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを当該1つの対象ファイルが添付された1つの包袋ファイルに付加する処理を、前記複数の対象ファイルのそれぞれについて各個に行うこととしてもよい。
【0018】
上記課題を解決するために、本発明のファイル管理装置は、タイムスタンプを用いて電子ファイルを管理するファイル管理装置であって、タイムスタンプトークンを電子ファイル自身に付加する第1の結合形態、および電子ファイルを包袋ファイルに添付して当該電子ファイルが添付された包袋ファイルにタイムスタンプトークンを付加する第2の結合形態のうち、いずれの結合形態によって管理対象の電子ファイルである対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するかの判断である結合判断を行う結合判断部と、前記結合判断の結果、前記第1の結合形態によって前記対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する場合には、前記対象ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンをタイムスタンプ発行装置から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを前記対象ファイル自身に付加し、前記結合判断の結果、前記第2の結合形態によって前記対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する場合には、前記対象ファイルを包袋ファイルに添付し、前記対象ファイルが添付された包袋ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンを前記タイムスタンプ発行装置から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを前記対象ファイルが添付された包袋ファイルに付加する結合処理部とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、利用者は、電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合させる作業を、その電子ファイルがタイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有しているか否かを意識することなく容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1の実施形態のファイル管理装置、およびタイムスタンプ発行装置を示すブロック図である。
図2】電子ファイルとタイムスタンプトークンとの直接型の結合形態および添付型の結合形態をそれぞれ示す説明図である。
図3】電子ファイルとタイムスタンプトークンとの単一添付型の結合形態および複数添付型の結合形態をそれぞれ示す説明図である。
図4】本発明の第1の実施形態のファイル管理装置において、添付型の結合形態に関する設定画面を示す説明図である。
図5】本発明の第1の実施形態のファイル管理装置において、添付ファイル拡張子リストを示す説明図である。
図6】本発明の第1の実施形態のファイル管理装置において、単一添付型の結合形態が設定されている場合の、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理を示すフローチャートである。
図7】本発明の第1の実施形態のファイル管理装置において、複数添付型の結合形態が設定されている場合の、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理を示すフローチャートである。
図8】本発明の第1の実施形態のファイル管理装置において、結合処理を示すフローチャートである。
図9】本発明の第1の実施形態のファイル管理装置において、タイムスタンプトークン保存処理を示すフローチャートである。
図10】本発明の第1の実施形態のファイル管理装置において、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理を開始させる1つの方法を示す説明図である。
図11】本発明の第1の実施形態のファイル管理装置において、単一添付型の結合形態が設定されている場合の、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理の結果を示す説明図である。
図12】本発明の第1の実施形態のファイル管理装置において、単一添付型の結合形態によって電子ファイルが添付され、かつタイムスタンプトークンが付加された包袋ファイルをリーダーアプリケーションで開いた状態を示す説明図である。
図13】本発明の第1の実施形態のファイル管理装置において、複数添付型の結合形態が設定されている場合の、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理の結果を示す説明図である。
図14】本発明の第1の実施形態のファイル管理装置において、複数添付型の結合形態によって複数の電子ファイルが添付され、かつタイムスタンプトークンが付加された包袋ファイルをリーダーアプリケーションで開いた状態を示す説明図である。
図15】本発明の第2の実施形態のファイル管理装置、およびタイムスタンプ発行装置を示すブロック図である。
図16】本発明の第2の実施形態のファイル管理装置において、ログデータを示す説明図である。
図17】本発明の第2の実施形態のファイル管理装置において、処理内容設定リストを示す説明図である。
図18】本発明の第2の実施形態のファイル管理装置において、単一添付型の結合形態が設定されている場合の、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理を示すフローチャートである。
図19】本発明の第2の実施形態のファイル管理装置において、単一添付型の結合形態が設定されている場合の、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理を示すフローチャートである。
図20】本発明の他の実施形態のファイル管理装置において、電子ファイルとタイムスタンプトークンとの結合形態の制限に関する入力を行うためのフォームを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1の実施形態]
図1~14を用いて、本発明のファイル管理プログラムおよびファイル管理装置の第1の実施形態について説明する。
【0022】
(ファイル管理装置、タイムスタンプ発行装置)
図1は、本発明の第1の実施形態のファイル管理装置1、およびタイムスタンプ発行装置21を示している。図1において、ファイル管理装置1は、タイムスタンプを用いて電子ファイルを管理する機能を有している。具体的には、ファイル管理装置1は、電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとが結合した1つの電子ファイルを生成することにより、電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを明確に紐付ける機能を有している。本実施形態において、ファイル管理装置1は例えばパーソナルコンピュータであるが、ファイル管理装置1は、パーソナルコンピュータに限らず、サーバコンピュータでもよいし、タブレットまたはスマートフォン等の携帯端末でもよい。また、電子ファイルは、例えば、文書ファイル、画像ファイル、動画ファイル、音声ファイル等であり、電子ファイルに含まれるデータの内容(コンテンツ)は限定されない。また、電子ファイルはデータファイルに限らず、プログラムファイルでもよい。
【0023】
タイムスタンプ発行装置21は、例えばサーバコンピュータであり、タイムスタンプを発行する機能を有している。タイムスタンプ発行装置21は時刻認証局(TSA)に置かれ、ファイル管理装置1は例えば利用者の事業所等に置かれ、タイムスタンプ発行装置21とファイル管理装置1とは、インターネット等の通信ネットワーク22を介して相互に通信可能に接続されている。タイムスタンプ発行装置21は、タイムスタンプを発行するに当たり、次の処理を行う。まず、タイムスタンプ発行装置21は、ファイル管理装置1から電子ファイルのハッシュ値を受信する。次に、タイムスタンプ発行装置21はタイムスタンプトークンを生成する。タイムスタンプトークンは、受信したハッシュ値に現在の時刻を示す時刻情報を付し、それらハッシュ値および時刻情報を時刻認証局の秘密鍵で暗号化し(電子署名を施し)、暗号化したハッシュ値および時刻情報に、時刻認証局の秘密鍵に対応した公開鍵を含む公開鍵証明書を付すことによって生成される。タイムスタンプトークンは、暗号化されたハッシュ値および時刻情報、並びに公開鍵証明書を含む一纏まりのデータである。次に、タイムスタンプ発行装置21は、生成したタイムスタンプトークンを、ハッシュ値の送信元のファイル管理装置1に送信する。
【0024】
(ファイル管理装置の構成の詳細)
ファイル管理装置1は、演算処理部2、記憶部3、通信部4、操作部5、および表示部6を備えている。演算処理部2は例えばCPU(中央演算処理装置)であり、ファイル管理装置1を制御する機能を有している。記憶部3は例えばHDD(ハードディスクドライブ)またはSSD(ソリッドステートドライブ)であり、プログラム、データ等の情報を記憶し、保存する機能を有している。記憶部3は、ファイル管理装置1に内蔵されているものであってもよいし、ファイル管理装置1の外部に置かれ、ファイル管理装置1に接続されているものであってよい。記憶部3は「記憶装置」の具体例である。通信部4は、ファイル管理装置1とタイムスタンプ発行装置21との通信を制御する機能を有している。操作部5は、例えばキーボード、マウスまたはタッチパネル等であり、利用者がファイル管理装置1を操作し、またはファイル管理装置1にデータ等を入力するための手段である。表示部6は、例えばディスプレイであり、種々の情報を利用者に向けて表示する手段である。
【0025】
また、記憶部3には、ファイル管理装置1としてパーソナルコンピュータを機能させるためのファイル管理プログラムが記憶されている。演算処理部2は、記憶部3に記憶されたファイル管理プログラムを読み込んで実行することにより、結合判断部7、結合処理部8、タイムスタンプトークン保存処理部9、および総合制御部10として機能する。
【0026】
結合判断部7は、利用者がタイムスタンプを用いて管理することを所望する電子ファイル(以下、これを「対象ファイル」という。)とタイムスタンプトークンとを結合する形態の選定等に関する判断を行う。具体的には、結合判断部7は、対象ファイル自身にタイムスタンプトークンを付加する直接型の結合形態、および対象ファイルを包袋ファイルに添付して当該包袋ファイルにタイムスタンプトークンを付加する添付型の結合形態のうち、いずれの結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するか、それとも、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないかを判断する。
【0027】
結合処理部8は、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理を行う。具体的には、結合判断部7による判断の結果、直接型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する場合には、結合処理部8は、対象ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンをタイムスタンプ発行装置21から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを対象ファイルに付加し、その後、その対象ファイルを記憶部3に保存する。一方、結合判断部7による判断の結果、添付型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する場合には、結合処理部8は、対象ファイルを包袋ファイルに添付し、対象ファイルが添付された包袋ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンをタイムスタンプ発行装置21から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを対象ファイルが添付された包袋ファイルに付加し、その後、その包袋ファイルを記憶部3に保存する。
【0028】
タイムスタンプトークン保存処理部9は、結合判断部7による判断の結果、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しない場合に、対象ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンをタイムスタンプ発行装置21から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを対象ファイルと結合せずに記憶部3に保存する。
【0029】
総合制御部10は、利用者による入力に基づいてファイル管理装置1における各種の設定を行う処理のほか、ファイル管理装置1を動作させるための種々の処理を行う。
【0030】
(対象ファイルとタイムスタンプトークンとの結合の形態)
ファイル管理装置1は、直接型の結合形態および添付型の結合形態のうち、対象ファイルに適合した結合形態により、対象ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する。
【0031】
直接型の結合形態とは、タイムスタンプトークンを対象ファイル自身に付加する結合形態である。タイムスタンプトークンを対象ファイル自身に付加するとは、タイムスタンプトークンを対象ファイルの一部にすることであり、例えば、タイムスタンプトークンを対象ファイルの内部に埋め込むことである。なお、直接型の結合形態は「第1の結合形態」の具体例である。
【0032】
添付型の結合形態とは、対象ファイルを包袋ファイルに添付し、当該対象ファイルが添付された包袋ファイルにタイムスタンプトークンを付加する結合形態である。タイムスタンプトークンを包袋ファイルに付加するとは、タイムスタンプトークンを包袋ファイルの一部にすることであり、例えば、タイムスタンプトークンを包袋ファイルの内部に埋め込むことである。包袋ファイルとは、他の電子ファイルを自身に添付することができる構造、およびタイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有している電子ファイルである。PDFファイルはこれらの構造を有している。ファイル管理装置1は、包袋ファイルとしてPDFファイルを用いる。なお、添付型の結合形態は「第2の結合形態」の具体例である。
【0033】
(直接型の結合形態)
図2(A)は直接型の結合形態の一例を示している。図2(A)に示すように、直接型の結合形態において、対象ファイル31とタイムスタンプトークン32とは、対象ファイル31の内部にタイムスタンプトークン32が埋め込まれることによって結合される。例えば、タイムスタンプトークン32が埋め込まれた対象ファイル31を、現在の保存場所から別の保存場所に移動したとき、対象ファイル31とタイムスタンプトークン32とが一体的に移動する。このように、タイムスタンプトークン32を対象ファイル31に埋め込むことにより、対象ファイル31とタイムスタンプトークン32とを一体的に取り扱うことが極めて容易になる。
【0034】
現在、種々の電子ファイルが存在するが、これらの電子ファイルの中には、タイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有しているものと、その構造を有していないものがある。PDFファイルは、タイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有している。一方、テキストファイル、CSVファイル、ワードファイル、エクセルファイル、JPEGファイル等は、タイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有していない。また、EXEファイルのような、プログラムファイルもタイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有していない。直接型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するには、対象ファイルが、タイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有する電子ファイルであることが必要である。それゆえ、対象ファイルがPDFファイルである場合には、基本的に、直接型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合することができる。しかしながら、対象ファイルがテキストファイル、CSVファイルまたはワードファイル等である場合には、直接型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合することはできない。
【0035】
また、PDFファイルは、タイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有しているのであるが、PDFファイルの内部設定によっては、PDFファイル自身にタイムスタンプトークンを付加することができないことがある。具体的には、PDFファイルにセキュリティ設定が施されている場合、例えば、PDFファイルが、パスワードを入力しないと開くことができないように設定されている場合には、そのPDFファイル自身にタイムスタンプトークンを付加することができない。また、PDFファイルの変更可否設定が変更禁止の設定になっている場合、例えば、PDFファイルが読取専用の設定になっている場合には、そのPDFファイル自身にタイムスタンプトークンを付加することができない。このような場合には、対象ファイルがPDFファイルであっても、直接型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合することができない。
【0036】
また、PDFファイルの正規の構造は、タイムスタンプトークンを自身に付加することができるように形成されている。ところが、現在、構造の一部が変更または除去されたPDFファイル等、正規の構造と異なる構造を有するPDFファイルが流通していることが判明している。PDFファイルの構造が正規の構造と異なる場合、PDFファイル自身にタイムスタンプトークンを付加することができないことがある。それゆえ、対象ファイルが、正規の構造と異なる構造を有するPDFファイルである場合には、直接型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合することができないことがある。
【0037】
(添付型の結合形態)
図2(B)は添付型の結合形態の一例を示している。図2(B)に示すように、添付型の結合形態においては、まず、対象ファイル33が包袋ファイル34に添付され、次に、対象ファイル33が添付された包袋ファイル34の内部にタイムスタンプトークン35が埋め込まれる。その結果、包袋ファイル34と、対象ファイル33と、タイムスタンプトークン35とが結合され、一体化される。例えば、対象ファイル33が添付され、かつタイムスタンプトークン35が埋め込まれた包袋ファイル34を、現在の保存場所から別の保存場所に移動したとき、包袋ファイル34と対象ファイル33とタイムスタンプトークン35とが一体的に移動する。このように、対象ファイル33を包袋ファイル34に添付し、かつタイムスタンプトークン35を包袋ファイル34に埋め込むことにより、対象ファイル33とタイムスタンプトークン35とを一体的に取り扱うことが極めて容易になる。
【0038】
添付型の結合形態によれば、対象ファイルが、タイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有している電子ファイルであるか否かに拘わらず、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合することができる。したがって、対象ファイルがテキストファイル、CSVファイルまたはワードファイル等である場合でも、添付型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合することができる。また、対象ファイルが、内部設定によって自身にタイムスタンプトークンを付加することができない状態になっているPDFファイルである場合や、対象ファイルが、正規の構造と異なる構造を有するPDFファイルである場合でも、添付型の結合形態によれば、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合することができる。なお、対象ファイルが、内部設定によって自身にタイムスタンプトークンを付加することができる状態になっているPDFファイルである場合や、対象ファイルが、正規の構造を有するPDFファイルである場合でも、添付型の結合形態により、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合することができる。
【0039】
(単一添付型と複数添付型)
さらに、ファイル管理装置1における添付型の結合形態には、単一添付型の結合形態と複数添付型の結合形態がある。これらの結合形態はいずれも、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理を、添付型の結合形態によって複数の対象ファイルについて一括して行う場合に用いられる結合形態である。
【0040】
図3(A)は単一添付型の結合形態を示している。単一添付型の結合形態は、図3(A)に示すように、複数の対象ファイル41、42、43を複数の包袋ファイル44、45、46にそれぞれ添付し、複数の対象ファイル41、42、43がそれぞれ添付された複数の包袋ファイル44、45、46に複数のタイムスタンプトークン47、48、49をそれぞれ付加する形態である。単一添付型の結合形態では、対象ファイルと包袋ファイルとが一対一に対応し、また、対象ファイルとタイムスタンプトークンとが一対一に対応する。また、タイムスタンプトークン47には、対象ファイル41が添付された包袋ファイル44のハッシュ値が、時刻情報と共に暗号化された状態で含まれている。同様に、タイムスタンプトークン48には、対象ファイル42が添付された包袋ファイル45のハッシュ値が時刻情報と共に暗号化された状態で含まれ、タイムスタンプトークン49には、対象ファイル43が添付された包袋ファイル46のハッシュ値が時刻情報と共に暗号化された状態で含まれている。単一添付型の結合形態によれば、対象ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとが結合されたものを対象ファイルごとに生成することができる。したがって、単一添付型の結合形態は、タイムスタンプを用いた電子ファイルの管理を電子ファイルごとに個別的に行う利用者にとって便利な結合形態である。
【0041】
図3(B)は複数添付型の結合形態を示している。複数添付型の結合形態は、図3(B)に示すように、複数の対象ファイル51、52、53を1つの包袋ファイル54に添付し、複数の対象ファイル51、52、53が添付された1つの包袋ファイル54に1つのタイムスタンプトークン55を付加する形態である。タイムスタンプトークン55には、複数の対象ファイル51、52、53が添付された包袋ファイル54のハッシュ値が、時刻情報と共に暗号化された状態で含まれている。複数添付型の結合形態によれば、複数の対象ファイルとそれらに対応する1つのタイムスタンプトークンとが結合されたものを生成することができる。包袋ファイルは、複数の対象ファイル、およびそれらに対応する1つのタイムスタンプトークンが、いわば束ねられたものとなる。したがって、複数添付型の結合形態は、タイムスタンプを用いて複数の電子ファイルの一括管理を行う利用者、またはタイムスタンプトークンの発行数の削減を望む利用者にとって便利な結合形態である。
【0042】
(結合判断)
結合判断部7は、直接型の結合形態および添付型の結合形態のうち、いずれの結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するか、それとも、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないかを判断する。以下、この判断を「結合判断」という。
【0043】
(結合判断の内容:結合形態の判断)
結合判断部7は、結合判断において、直接型の結合形態および添付型の結合形態のうち、いずれの結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するかの判断を、原理的には、タイムスタンプトークンを対象ファイル自身に付加することができるか否かに基づいて行う。結合判断部7は、タイムスタンプトークンを対象ファイル自身に付加することができる場合には、直接型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合すると判断し、タイムスタンプトークンを対象ファイル自身に付加することができない場合には、添付型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合すると判断する。
【0044】
タイムスタンプトークンを対象ファイル自身に付加することができるか否かは、対象ファイルが、タイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有する電子ファイルであるか否かにより判断することができる。そして、電子ファイルがタイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有するか否かは、電子ファイルのファイル形式により判断することができる。結合判断部7は、直接型の結合形態および添付型の結合形態のうち、いずれの結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するかの判断を、基本的には、対象ファイルのファイル形式に基づいて行う。
【0045】
PDFのファイル形式を有する電子ファイルであるPDFファイルは、タイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有する。一方、PDFのファイル形式ではないファイル形式を有する電子ファイル、例えば、テキストファイル、CSVファイル、ワードファイル等、PDFファイル以外の電子ファイルは、タイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有していない。また、現在において、PDFファイル以外のほとんど電子ファイルは、タイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有していない。このような現状を考慮し、本実施形態における結合判断部7は、直接型の結合形態および添付型の結合形態のうち、いずれの結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するかの判断を、基本的には、対象ファイルがPDFファイルであるか否かに基づいて行う。すなわち、結合判断部7は、基本的には、対象ファイルがPDFファイルである場合には、直接型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合すると判断し、対象ファイルがPDFファイルでない場合には、添付型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合すると判断する。また、電子ファイルのファイル形式は、電子ファイルの拡張子に基づいて判断することができる。本実施形態において、結合判断部7は、対象ファイルがPDFのファイル形式を有する電子ファイル、すなわちPDFファイルであるか否かを対象ファイルの拡張子に基づいて判断する。
【0046】
また、上述したように、PDFファイルの構造が正規の構造と異なる場合があり、その場合には、PDFファイル自身にタイムスタンプトークンを付加することができないことがある。それゆえ、対象ファイルのファイル形式に基づいて対象ファイルがPDFファイルであると判断された場合でも、その対象ファイルの構造がPDFファイルの正規の構造と異なる場合には、その対象ファイル自身にタイムスタンプトークンを付加することができない可能性がある。このことを考慮し、結合判断部7は、対象ファイルのファイル形式に基づいて対象ファイルがPDFファイルであると判断された後に、対象ファイルの構造(内部構造)を調べ、その結果に基づいて、タイムスタンプトークンを対象ファイル自身に付加することができるか否かの判断を、より緻密に行う。この判断は、例えば、対象ファイルの構造と、公開されているPDFファイルの構造(PDFファイルの正規の構造)とを比較することにより行うことができる。
【0047】
また、上述したように、PDFファイルの内部設定(例えばセキュリティ設定、変更可否設定等)によっては、PDFファイル自身にタイムスタンプトークンを付加することができないことがある。それゆえ、対象ファイルのファイル形式に基づいて対象ファイルがPDFファイルであると判断された場合でも、その対象ファイルの内部設定により、その対象ファイル自身にタイムスタンプトークンを付加することができない可能性がある。このことを考慮し、結合判断部7は、対象ファイルのファイル形式に基づいて、対象ファイルがPDFファイルであると判断された後に、対象ファイルの内部設定を調べ、対象ファイルの内部設定に基づいて、タイムスタンプトークンを対象ファイル自身に付加することができるか否かの判断を、より緻密に行う。PDFファイルの内部には、内部設定を示す情報(フラグ等)が含まれているので、この判断は、対象ファイルの内部に含まれている内部設定を示す情報に基づいて行うことができる。
【0048】
結合判断部7は、対象ファイルのファイル形式に基づいて対象ファイルがPDFファイルであると判断した後、対象ファイルの構造および内部設定を調べ、その結果、例えば、対象ファイルが、PDFファイルの正規の構造を有しており、かつ内部設定によって自身にタイムスタンプトークンを付加することができる状態になっている場合には、直接型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合すると判断する。また、結合判断部7は、対象ファイルのファイル形式に基づいて対象ファイルがPDFファイルであると判断した後、対象ファイルの構造および内部設定を調べ、その結果、対象ファイルが、PDFファイルの正規の構造と異なる構造を有しており、または内部設定によって自身にタイムスタンプトークンを付加することができない状態になっている場合には、添付型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合すると判断する。
【0049】
(結合判断の内容:結合当否の判断)
また、結合判断部7は、結合判断において、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないかの判断を行う。この判断の目的は、添付型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプとを結合するに当たって対象ファイルを包袋ファイルに添付した場合に、対象ファイルのファイル形式がコンピュータウイルスまたはスパイウェア等を含む可能性が高いファイル形式であることに起因して、包袋ファイルに添付された対象ファイルを開くことができないといった事態を回避することにある。
【0050】
すなわち、添付型の結合形態は、対象ファイルを包袋ファイルに添付し、当該対象ファイルが添付された包袋ファイルにタイムスタンプトークンを付加する結合形態である。添付型の結合形態を実現するために、包袋ファイルは、他の電子ファイルを自身に添付することができ、かつタイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有している電子ファイルであることが必要である。PDFファイルはそのような構造を有しているので、ファイル管理装置1は、包袋ファイルとしてPDFファイルを用いている。PDFファイルは、コンピュータウイルスまたはスパイウェア等を含む可能性が高いファイル形式の電子ファイルが自身に添付された場合、その電子ファイルを開くことができないようにする機能を有している。例えば、プログラムファイルの一種であるEXEファイル(拡張子がexeの電子ファイル)は、コンピュータウイルスまたはスパイウェア等を含む可能性が高いファイル形式の電子ファイルであることが一般的に知られている。EXEファイルがPDFファイルに添付された場合、PDFファイルの機能により、そのEXEファイルを開くことができないことがある。ファイル管理装置1は、包袋ファイルとしてPDFファイルを用いているので、ファイル管理装置1において、添付型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合すると判断され、その対象ファイルが包袋ファイルに添付された場合、その対象ファイルのファイル形式がコンピュータウイルスまたはスパイウェア等を含む可能性が高いファイル形式であるときには、その対象ファイルを開くことができないおそれがある。以上のことを考慮し、結合判断部7は、結合判断において、直接型の結合形態および添付型の結合形態のうち、いずれの結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するか否かの判断に付随する判断として、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないかの判断を行う。
【0051】
具体的には、結合判断部7は、対象ファイルのファイル形式に基づいて対象ファイルがPDFファイルでないことを認識した後、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態で結合するか、それとも対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないかの判断を行う。
【0052】
また、結合判断部7は、対象ファイルのファイル形式が、コンピュータウイルスまたはスパイウェア等を含む可能性が高くないファイル形式であるか否かに基づいて、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態で結合するか、それとも対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないかの判断を行う。
【0053】
図4は、添付型の結合形態に関する設定画面11を示している。図4に示すように、添付型の結合形態に関する設定画面11中の中段には、コンピュータウイルスまたはスパイウェア等を含む可能性が高くないファイル形式を、電子ファイルの拡張子により指定するための入力フォーム13が設けられている。利用者は、操作部5を操作して、入力フォーム13に、コンピュータウイルスまたはスパイウェア等を含む可能性が高くない電子ファイルの拡張子を入力することができる。ファイル管理装置1は、図5に示すように、利用者が入力フォーム13に入力した拡張子を記述した添付ファイル拡張子リスト62を生成し、この添付ファイル拡張子リスト62を、添付型結合設定情報61の一部として記憶部3に記憶する(図1を参照)。結合判断部7は、添付ファイル拡張子リスト62に基づいて、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態で結合するか、それとも対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないかの判断を行う。
【0054】
結合判断部7は、対象ファイルの拡張子が添付ファイル拡張子リスト62中に記述されている場合に、添付型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合すると判断する。一方、対象ファイルの拡張子が添付ファイル拡張子リスト62中に記述されていない場合には、結合判断部7は、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないとの判断を直ちに行うのではなく、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態により結合するか否か(対象ファイルを包袋ファイルに添付するか否か)を利用者に問い合わせ、利用者が、その問い合わせに応じて、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態により結合しない旨の指示をファイル管理装置1に入力した場合に、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないと判断する。また、上記問い合わせに応じて、利用者が、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態により結合する旨の指示をファイル管理装置1に入力した場合には、結合判断部は、添付型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合すると判断する。
【0055】
対象ファイルの拡張子が添付ファイル拡張子リスト62中に記述されていない場合に、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態により結合するか否かを利用者に問い合わせることとした趣旨は、次の通りである。
【0056】
コンピュータウイルスまたはスパイウェア等を含む可能性が高くないすべてのファイル形式を把握し、それらのファイル形式を有する電子ファイルの拡張子を入力フォーム13に入力することは利用者にとって困難である。それゆえ、コンピュータウイルスまたはスパイウェア等を含む可能性が高くないファイル形式を有するが、拡張子が入力フォーム13に入力されていない電子ファイルが存在し得る。したがって、添付ファイル拡張子リスト62に基づいて、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態で結合するか、それとも対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないかの判断を行うのみでは、対象ファイルのファイル形式が、コンピュータウイルスまたはスパイウェア等を含む可能性が高くないファイル形式であるにも拘わらず、その対象ファイルとタイムスタンプとを結合しないと結合判断部7により判断されるといった事態が生じ得る。上記利用者への問い合わせを行うことしたのは、このような事態が生じることを抑制するためである。
【0057】
(単一添付型、複数添付型の選定)
ファイル管理装置1は、対象ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態により結合する場合に、単一添付型の結合形態および複数添付型の結合形態のうちのいずれかの結合形態を選定する。ファイル管理装置1は、この選定を、利用者による入力に従って行う。図4に示すように、添付型の結合形態に関する設定画面11中の上段には、単一添付型の結合形態および複数添付型の結合形態のいずれか1つを設定するためのラジオボタン12が設けられている。利用者は、操作部5を操作してラジオボタン12を操作し、単一添付型の結合形態および複数添付型の結合形態のいずれかを設定することができる。利用者が行ったこの設定は、添付型結合設定情報61の一部として記憶部3に記憶される(図1を参照)。
【0058】
(処理の具体的な流れ)
以下、ファイル管理装置1における対象ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理について具体的に説明する。図6~9は、ファイル管理装置1における対象ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理の流れを示している。また、図6は単一添付型の結合形態が設定されている場合の処理の流れを示し、図7は複数添付型の結合形態が設定されている場合の処理の流れを示している。図8および9に示す処理は、単一添付型の結合形態が設定されている場合と、複数添付型の結合形態が設定されている場合とにおいて共通の処理である。
【0059】
(単一添付型の結合形態が設定されている場合)
まず、単一添付型の結合形態が設定されている場合の、対象ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理について説明する。以下の説明では、利用者が、タイムスタンプを用いて管理を所望する電子ファルとして、「請求書.pdf」、「設計図.pdf」、「企画書.docx」、「ソースコード.cpp」、および「計算プログラム.exe」を選択した状態で、これらの電子ファイルと、これらの電子ファイルに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理を開始する旨の指示をファイル管理装置1に入力した場合を例にあげる。また、説明の便宜上、添付ファイル拡張子リスト62には、拡張子「txt」、「csv」、および「docx」のみが記述されているものとする(図5を参照)。
【0060】
利用者が、操作部5を操作して、図10に示すように、「請求書.pdf」等、上記複数の電子ファイルが格納されているフォルダを開き、それら複数の電子ファイルを選択した状態で、例えばマウスの右クリック操作によりコンテキストメニュー15を表示させ、コンテキストメニュー15中の「タイムスタンプ付加」を例えばマウスでクリックすると、利用者により選択された上記複数の電子ファイルについて、電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理を開始する旨の指示がファイル管理装置1に入力される。
【0061】
図6中のステップS1において、ファイル管理装置1は、この指示がファイル管理装置1に入力されたことを認識し、利用者により選択された上記複数の電子ファイルについて電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理を開始する。
【0062】
まず、ファイル管理装置1の結合判断部7および結合処理部8が、利用者により選択された上記複数の電子ファイルのそれぞれについて、図6中のステップS2~S14の処理を行う。図6中のステップS2~S14には、(1)結合判断、すなわち、直接型の結合形態および添付型の結合形態のうち、いずれの結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するか、それとも、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないかの判断、(2)直接型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合すると判断された後に対象ファイルを記憶部3に保存する処理、(3)添付型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合すると判断された後に、対象ファイルを包袋ファイルに添付して、その包袋ファイルを記憶部3に保存する処理、および(4)対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないと判断された後に対象ファイルを記憶部3に保存する処理が含まれている。以下、上記(2)、(3)および(4)の処理を「結合前処理」ということとする。また、説明の便宜上、「請求書.pdf」、「設計図.pdf」、「企画書.docx」、「ソースコード.cpp」、および「計算プログラム.exe」の順に、結合判断および結合前処理が行われるものとする。
【0063】
結合判断部7は、まず、利用者により選択された上記複数の電子ファイルのうち、「請求書.pdf」を対象ファイルとして読み込む(ステップS2)。次に、結合判断部7は、「請求書.pdf」の拡張子に基づいて、「請求書.pdf」がPDFファイルか否かを判断する(ステップS3)。「請求書.pdf」はPDFファイルである。したがって、結合判断部7は、「請求書.pdf」がPDFファイルであると判断する(ステップS3:YES)。次に、結合判断部7は、「請求書.pdf」の構造および内部設定を調べる(ステップS4)。「請求書.pdf」は、PDFファイルの正規の構造を有しており、かつ内部設定によって自身にタイムスタンプトークンを付加することができる状態になっているものとする。この場合、結合判断部7は、「請求書.pdf」の構造および内部設定を調べた結果に基づいて、「請求書.pdf」は、PDFファイルの正規の構造を有しており、かつ内部設定によって自身にタイムスタンプトークンを付加することができる状態になっていると判断する(ステップS5:YES)。この時点で、「請求書.pdf」とタイムスタンプトークンとを直接型の結合形態によって結合するとの判断がなされたことになる。
【0064】
次に、結合判断部7は、例えば表示部6に入力フォームを表示し、「請求書.pdf」の新たなファイル名、および新たな保存先を利用者に入力させる。利用者は、「請求書.pdf」の新たなファイル名として、「ABC製品関連書類1.pdf」と入力し、また、「請求書.pdf」の新たな保存先として、「C:¥製品関連フォルダA」と入力したとする。この場合、結合判断部7は、利用者による入力に従って、「請求書.pdf」のファイル名を「ABC製品関連書類1.pdf」に変更し、その「ABC製品関連書類1.pdf」を、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」に要付加対象ファイルとして保存する(ステップS6)。
【0065】
次に、結合判断部7は、利用者により選択された上記複数の電子ファイルについて、結合判断および結合前処理が完了したか否かを判断する(ステップS14)。現時点では、利用者により選択された上記複数の電子ファイルについて結合判断および結合前処理は完了していないので、ステップS14で「NO」となり、処理はステップS2に戻る。
【0066】
続いて、結合判断部7は、利用者により選択された上記複数の電子ファイルのうち、「設計図.pdf」を対象ファイルとして読み込み(ステップS2)、「設計図.pdf」の拡張子に基づいて、「設計図.pdf」がPDFファイルであると判断する(ステップS3:YES)。次に、結合判断部7は、「設計図.pdf」の構造および内部設定を調べる(ステップS4)。「設計図.pdf」は、PDFファイルの正規の構造を有しておらず、または内部設定によって自身にタイムスタンプトークンを付加することができない状態になっているものとする。この場合、結合判断部7は、「設計図.pdf」の構造および内部設定を調べた結果に基づいて、「設計図.pdf」は、PDFファイルの正規の構造を有しておらず、または内部設定によって自身にタイムスタンプトークンを付加することができない状態になっていると判断する(ステップS5:NO)。この時点で、「設計図.pdf」とタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態によって結合するとの判断がなされたことになる。
【0067】
この場合、処理はステップS5からステップS8に移行する。ステップS8において、ファイル管理装置1の結合処理部8が、記憶部3に保存されている空の包袋ファイルを読み込む。空の包袋ファイルとは、まだ電子ファイルが全く添付されていない(もちろんタイムスタンプトークンも付加されていない)包袋ファイルであり、具体的には、そのようなPDFファイルである。例えば、空の包袋ファイルの先頭のページには、利用者に包袋ファイルであることを認識させるための文字列が記述され、または図形等が描かれている。また、利用者は、図4に示す添付型の結合形態に関する設定画面11の下段の入力フォーム14を用いて、空の包袋ファイルの保存先等を設定することができる。設定された空の包袋ファイルの保存先は、添付型結合設定情報61の一部として記憶部3に記憶される(図1を参照)。なお、本実施形態においては、設定された空の包袋ファイルの保存先に1つの空の包袋ファイルが保存されているが、利用者は、設定された保存先に複数の空の包袋ファイルを保存することができる。例えば、利用者は、先頭ページの文字列または画像がそれぞれ異なる複数の空の包袋ファイルを作成し、それら空の包袋ファイルにそれぞれ異なるファイル名を付け、それら空の包袋ファイルを、入力フォーム14で設定した保存先に保存することができる。その場合、図6中のステップS8において、結合処理部8は、例えば表示部6に選択メニュー等を表示して、保存された複数の空の包袋ファイルを利用者に選択させる。
【0068】
続いて、ステップS8において、結合処理部8は、読み込んだ空の包袋ファイルに「設計図.pdf」を添付する。次に、結合処理部8は、「設計図.pdf」のファイル名、更新日時等、利用者が包袋ファイルに添付された「設計図.pdf」を認識するのに役立つ情報を、その包袋ファイルに記録する(ステップS9)。
【0069】
次に、結合判断部7は、例えば表示部6に入力フォームを表示し、「設計図.pdf」が添付された包袋ファイルに付けるファイル名、およびその包袋ファイルを保存する保存先を利用者に入力させる。利用者は、「設計図.pdf」が添付された包袋ファイルに付けるファイル名として、「ABC製品関連書類2.pdf」と入力し、また、その包袋ファイルの保存先として、「C:¥製品関連フォルダA」と入力したとする。この場合、結合判断部7は、利用者による入力に従って、「設計図.pdf」が添付された包袋ファイルのファイル名を変更する。現時点において、「設計図.pdf」が添付された包袋ファイルのファイル名は「空包袋ファイルタイプ1.pdf」であるので(図4の入力フォーム14を参照)、結合判断部7は、「設計図.pdf」が添付された包袋ファイルのファイル名を「空包袋ファイルタイプ1.pdf」から「ABC製品関連書類2.pdf」に変更する。続いて、結合判断部7は、その「ABC製品関連書類2.pdf」を、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」に要付加包袋ファイルとして保存する(ステップS10)。続いて、処理はステップS14に移行し、現時点において、利用者により選択された上記複数の電子ファイルについて結合判断および結合前処理は完了していないので、処理はステップS2に戻る。
【0070】
続いて、結合判断部7は、利用者により選択された上記複数の電子ファイルのうち、「企画書.docx」を対象ファイルとして読み込み(ステップS2)、「企画書.docx」の拡張子に基づいて、「企画書.docx」がPDFファイルではないと判断する(ステップS3:NO)。次に、結合判断部7は、「企画書.docx」の拡張子が、添付ファイル拡張子リスト62中に記述されているか否かを判断する(ステップS7)。図5に示すように、「企画書.docx」の拡張子「docx」は添付ファイル拡張子リスト62中に記述されている。したがって、結合判断部7は、添付ファイル拡張子リスト62を参照し、「企画書.docx」の拡張子が添付ファイル拡張子リスト62中に記述されていると判断する。この時点で、「企画書.docx」とタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態によって結合するとの判断がなされたことになる。
【0071】
次に、結合処理部8は、記憶部3に保存されている空の包袋ファイルを読み込み、読み込んだ空の包袋ファイルに「企画書.docx」を添付する。次に、結合処理部8は、「企画書.docx」のファイル名、更新日時等の、利用者が包袋ファイルに添付された「企画書.docx」を認識するのに役立つ情報を、その包袋ファイルに記録する(ステップS9)。
【0072】
次に、結合判断部7は、例えば表示部6に入力フォームを表示し、「企画書.docx」が添付された包袋ファイルに付けるファイル名、およびその包袋ファイルを保存する保存先を利用者に入力させる。利用者は、「企画書.docx」が添付された包袋ファイルに付けるファイル名として、「ABC製品関連書類3.pdf」と入力し、また、その包袋ファイルの保存先として、「C:¥製品関連フォルダA」と入力したとする。この場合、結合判断部7は、利用者による入力に従って、「企画書.docx」が添付された包袋ファイルのファイル名を「ABC製品関連書類3.pdf」に変更する。続いて、結合判断部7は、その「ABC製品関連書類3.pdf」を、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」に要付加包袋ファイルとして保存する(ステップS10)。続いて、処理はステップS14に移行し、現時点において、利用者により選択された上記複数の電子ファイルについて結合判断および結合前処理は完了していないので、処理はステップS2に戻る。
【0073】
続いて、結合判断部7は、利用者により選択された上記複数の電子ファイルのうち、「ソースコード.cpp」を対象ファイルとして読み込み(ステップS2)、「ソースコード.cpp」の拡張子に基づいて、「ソースコード.cpp」がPDFファイルではないと判断する(ステップS3:NO)。次に、結合判断部7は、「ソースコード.cpp」の拡張子が、添付ファイル拡張子リスト62中に記述されているか否かを判断する(ステップS7)。図5に示すように、「ソースコード.cpp」の拡張子「cpp」は添付ファイル拡張子リスト62中に記述されていない。したがって、結合判断部7は、添付ファイル拡張子リスト62を参照し、「ソースコード.cpp」の拡張子が添付ファイル拡張子リスト62中に記述されていないと判断する。
【0074】
次に、結合判断部7は、「ソースコード.cpp」を包袋ファイルに添付するか否かを利用者に問い合わせる(ステップS11)。例えば、結合判断部7は、「ソースコード.cpp」を包袋ファイルに添付するか否かを選択するボタン等が設けられたフォームを表示部6に表示する。続いて、結合判断部7は、その問い合わせに応じた利用者の入力に基づいて、「ソースコード.cpp」とタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態で結合するか否かを判断する(ステップS12)。利用者が、問い合わせに応じて、「ソースコード.cpp」を包袋ファイルに添付することを選択したとする。この場合、結合判断部7は、「ソースコード.cpp」とタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態で結合すると判断する(ステップS12:YES)。
【0075】
次に、結合処理部8は、記憶部3に保存されている空の包袋ファイルを読み込み、読み込んだ空の包袋ファイルに「ソースコード.cpp」を添付する。次に、結合処理部8は、「ソースコード.cpp」のファイル名、更新日時等、利用者が包袋ファイルに添付された「ソースコード.cpp」を認識するのに役立つ情報を、その包袋ファイルに記録する(ステップS9)。
【0076】
次に、結合判断部7は、例えば表示部6に入力フォームを表示し、「ソースコード.cpp」が添付された包袋ファイルに付けるファイル名、およびその包袋ファイルを保存する保存先を利用者に入力させる。利用者は、「ソースコード.cpp」が添付された包袋ファイルに付けるファイル名として、「ABC製品関連書類4.pdf」と入力し、また、その包袋ファイルの保存先として、「C:¥製品関連フォルダA」と入力したとする。この場合、結合判断部7は、利用者による入力に従って、「ソースコード.cpp」が添付された包袋ファイルのファイル名を「ABC製品関連書類4.pdf」に変更する。続いて、結合判断部7は、その「ABC製品関連書類4.pdf」を、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」に要付加包袋ファイルとして保存する(ステップS10)。続いて、処理はステップS14に移行し、現時点において、利用者により選択された上記複数の電子ファイルについて結合判断および結合前処理は完了していないので、処理はステップS2に戻る。
【0077】
続いて、結合判断部7は、利用者により選択された上記複数の電子ファイルのうち、「計算プログラム.exe」を対象ファイルとして読み込み(ステップS2)、「計算プログラム.exe」の拡張子に基づいて、「計算プログラム.exe」がPDFファイルではないと判断する(ステップS3:NO)。次に、結合判断部7は、「計算プログラム.exe」の拡張子が、添付ファイル拡張子リスト62中に記述されているか否かを判断する(ステップS7)。図5に示すように、「計算プログラム.exe」の拡張子「exe」は添付ファイル拡張子リスト62中に記述されていない。したがって、結合判断部7は、添付ファイル拡張子リスト62を参照し、「計算プログラム.exe」の拡張子が添付ファイル拡張子リスト62中に記述されていないと判断する。
【0078】
次に、結合判断部7は、「計算プログラム.exe」を包袋ファイルに添付するか否かを利用者に問い合わせる(ステップS11)。続いて、結合判断部7は、その問い合わせに応じた利用者の入力に基づいて、「計算プログラム.exe」とタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態で結合するか否かを判断する(ステップS12)。利用者が、問い合わせに応じて、「計算プログラム.exe」を包袋ファイルに添付することを選択しなかったとする。この場合、結合判断部7は、「計算プログラム.exe」とタイムスタンプトークンとを結合しないと判断する(ステップS12:NO)。
【0079】
次に、結合判断部7は、例えば表示部6に入力フォームを表示し、「計算プログラム.exe」の保存先を利用者に入力させる。利用者は、その保存先として、「C:¥製品関連フォルダB」と入力したとする。この場合、結合判断部7は、利用者による入力に従って、「計算プログラム.exe」を、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダB」に付加不要対象ファイルとして保存する(ステップS13)。
【0080】
次に、結合判断部7は、利用者により選択された上記複数の電子ファイルについて、結合判断および結合前処理が完了したか否かを判断する(ステップS14)。現時点において、利用者により選択された上記複数の電子ファイルについて結合判断および結合前処理は完了しているので、結合判断部7は、処理をステップS15に移行させる。
【0081】
ステップS15に移行する直前において、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」には、「ABC製品関連書類1.pdf」が要付加対象ファイルとして保存され、「ABC製品関連書類2.pdf」、「ABC製品関連書類3.pdf」および「ABC製品関連書類4.pdf」がそれぞれ要付加包袋ファイルとして保存されている。3つの要付加包袋ファイルには、「設計図.pdf」、「企画書.docx」、「ソースコード.cpp」がそれぞれ添付されている。また、「C:¥製品関連フォルダB」には、「計算プログラム.exe」が付加不要対象ファイルとして保存されている。
【0082】
ステップS15では、結合処理部8が、要付加対象ファイルおよび要付加包袋ファイルに対し、結合処理を行い、タイムスタンプトークン保存処理部9が、付加不要対象ファイルに対し、タイムスタンプトークン保存処理を行う。結合処理は、次の2つの結合処理を含む。第1の結合処理は、要付加対象ファイルについて、要付加対象ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンをタイムスタンプ発行装置21から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを要付加対象ファイルに付加し、その後、その要付加対象ファイルを上書き保存する処理である。第2の結合処理は、各要付加包袋ファイルについて、要付加包袋ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンをタイムスタンプ発行装置21から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを要付加包袋ファイルに付加し、その後、その要付加包袋ファイルを記憶部3に上書き保存する処理である。第1の結合処理と第2の結合処理とは、処理の対象となる電子ファイルが、要付加対象ファイルであるか、要付加包袋ファイルであるかの違いがあるが、処理の内容は同じである。また、タイムスタンプトークン保存処理は、付加不要対象ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンをタイムスタンプ発行装置から取得し、当該取得したタイムスタンプトークンを付加不要対象ファイルと結合せずに記憶部3に保存する処理である。
【0083】
図8は結合処理の内容を示している。図8において、結合処理部8は、まず、要付加対象ファイルとして記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」に保存されている「ABC製品関連書類1.pdf」を読み込む(ステップS21)。次に、結合処理部8は、読み込んだ「ABC製品関連書類1.pdf」のハッシュ値を算出する(ステップS22)。次に、結合処理部8は、算出した「ABC製品関連書類1.pdf」のハッシュ値をタイムスタンプ発行装置21に送信する。タイムスタンプ発行装置21は、「ABC製品関連書類1.pdf」のハッシュ値および時刻情報を暗号化したもの、並びに公開鍵証明書を含むタイムスタンプトークンを生成し、このタイムスタンプトークンをファイル管理装置1に送信する。ファイル管理装置1はタイムスタンプ発行装置21から送信されたタイムスタンプトークンを受信する(ステップS23)。次に、結合処理部8は、受信されたタイムスタンプトークンを「ABC製品関連書類1.pdf」に付加する(ステップS24)。次に、結合処理部8は、タイムスタンプトークンを付加した「ABC製品関連書類1.pdf」を、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」に上書き保存する(ステップS25)。
【0084】
結合処理部8は、要付加包袋ファイルとして、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」に保存されている「ABC製品関連書類2.pdf」、「ABC製品関連書類3.pdf」および「ABC製品関連書類4.pdf」についても同じの処理を行う。このようにして、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」に保存されているすべての要付加対象ファイルおよび要付加包袋ファイル、すなわち、「ABC製品関連書類1.pdf」、「ABC製品関連書類2.pdf」、「ABC製品関連書類3.pdf」および「ABC製品関連書類4.pdf」のそれぞれについてタイムスタンプトークを付加する処理が完了したとき(ステップS26:YES)、結合処理は終了する。
【0085】
図9はタイムスタンプトークン保存処理の内容を示している。例えば、結合処理が終了した後、タイムスタンプトークン保存処理部9は、タイムスタンプトークン保存処理を開始する。図9において、タイムスタンプトークン保存処理部9は、まず、付加不要対象ファイルとして、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダB」に保存されている「計算プログラム.exe」を読み込む(ステップS31)。次に、タイムスタンプトークン保存処理部9は、読み込んだ「計算プログラム.exe」のハッシュ値を算出する(ステップS32)。次に、タイムスタンプトークン保存処理部9は、算出した「計算プログラム.exe」のハッシュ値をタイムスタンプ発行装置21に送信する。タイムスタンプ発行装置21は、「計算プログラム.exe」のハッシュ値および時刻方法を暗号化したもの、並びに公開鍵証明書を含むタイムスタンプトークンを生成し、このタイムスタンプトークンをファイル管理装置1に送信する。ファイル管理装置1はタイムスタンプ発行装置21から送信されたタイムスタンプトークンを受信する(ステップS33)。次に、タイムスタンプトークン保存処理部9は、受信されたタイムスタンプトークンを電子ファイル化したものを、例えば、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダB」に保存する(ステップS34)。この結果、「計算プログラム.exe」と、それに対応するタイムスタンプトークンとが同一のフォルダ内に保存される。
【0086】
記憶部3における「C:¥製品関連フォルダB」に保存されているすべての付加不要対象ファイルのそれぞれについてタイムスタンプトークを取得して保存する処理が完了したとき、タイムスタンプトークン保存処理は終了する。この例では、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダB」に保存されている付加不要対象ファイルは「計算プログラム.exe」のみであるので、「計算プログラム.exe」についてタイムスタンプトークを取得して保存する処理が完了したとき(ステップS35:YES)、タイムスタンプトークン保存処理は終了する。
【0087】
図11は、単一添付型の結合形態が設定された状態で、「請求書.pdf」等の上記複数の対象ファイルについて、対象ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理が実行されたことによって、記憶部3に保存された電子ファイルを示している。図11において、「C:¥製品関連フォルダA」に保存された「ABC製品関連書類1.pdf」は、「請求書.pdf」とそれに対応するタイムスタンプトークンとが結合された電子ファイルであり、具体的には、「請求書.pdf」に、「請求書.pdf」のハッシュ値を含むタイムスタンプトークンが付加されたPDFファイルである。また、「C:¥製品関連フォルダA」に保存された「ABC製品関連書類2.pdf」は、「設計図.pdf」とそれに対応するタイムスタンプトークンとが結合された電子ファイルであり、具体的には、「設計図.pdf」が添付された包袋ファイルに、「設計図.pdf」が添付された包袋ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンが付加されたPDFファイルである。また、「C:¥製品関連フォルダA」に保存された「ABC製品関連書類3.pdf」は、「企画書.docx」とそれに対応するタイムスタンプトークンとが結合された電子ファイルであり、具体的には、「企画書.docx」が添付された包袋ファイルに、「企画書.docx」が添付された包袋ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンが付加されたPDFファイルである。また、「C:¥製品関連フォルダA」に保存された「ABC製品関連書類4.pdf」は、「ソースコード.cpp」とそれに対応するタイムスタンプトークンとが結合された電子ファイルであり、具体的には、「ソースコード.cpp」が添付された包袋ファイルに、「ソースコード.cpp」が添付された包袋ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンが付加されたPDFファイルである。また、「C:¥製品関連フォルダB」には、「計算プログラム.exe」と、それに対応するタイムスタンプトークンを電子ファイル化したもの「XXXX.xxx」が保存されている。
【0088】
図12は、「C:¥製品関連フォルダA」に保存された「ABC製品関連書類3.pdf」をPDFファイルのリーダーアプリケーションで開いた状態を示している。「ABC製品関連書類3.pdf」の先頭のページには、包袋ファイルを示す文字列71、「ABC製品関連書類3.pdf」のファイル名72、「ABC製品関連書類3.pdf」に添付された電子ファイルの情報73が記載され、また、タイムスタンプの印影74が付されている。リーダーアプリケーションには、「ABC製品関連書類3.pdf」に添付された電子ファイルの一覧75が表示されている。利用者は、一覧中の「企画書.docx」を、例えばマウスでクリックすることにより開くことができる。
【0089】
(複数添付型の結合形態が設定されている場合)
次に、複数添付型の結合形態が設定されている場合の、対象ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理について説明する。以下の説明においても、利用者が、タイムスタンプを用いて管理を所望する電子ファルとして、「請求書.pdf」、「設計図.pdf」、「企画書.docx」、「ソースコード.cpp」、および「計算プログラム.exe」を選択した状態で、これらの電子ファイルと、これらの電子ファイルに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理を開始する旨の指示をファイル管理装置1に入力した場合を例にあげる。また、説明の便宜上、添付ファイル拡張子リスト62には、拡張子「txt」、「csv」、および「docx」のみが記述されているものとする(図5を参照)。
【0090】
単一添付型の結合形態が設定されている場合の処理を示す図6と、複数添付型の結合形態が設定されている場合の処理を示す図7とにおいて共通のステップには同一の符号が付されている。図7においては、図6中のステップS8~S10がステップS41~S43に置き換えられている。また、図7においては、図6には存在しないステップS44がステップS14とステップS15との間に追加されている。以下、図7中のステップS41~S44について中心に説明する。
【0091】
図7において、結合判断および結合前処理(ステップS2~S7、S41、S42およびS11~S14)が、「請求書.pdf」、「設計図.pdf」、「企画書.docx」、「ソースコード.cpp」、および「計算プログラム.exe」の順に行われるものとすると、まず、「請求書.pdf」について図7中のステップS2~S6の処理が実行される。ステップS6において、利用者の入力に基づき、「請求書.pdf」のファイル名が「ABC製品関連書類1.pdf」に変更され、その「ABC製品関連書類1.pdf」が、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」に要付加対象ファイルとして保存されたものとする。その後、ステップS14の判断により処理はステップS2に戻る。
【0092】
次に、「設計図.pdf」について図7中のステップS2~S5の処理が実行され、「設計図.pdf」は、PDFファイルであるが、PDFファイルの正規の構造を有しておらず、または内部設定によって自身にタイムスタンプトークンを付加することができない状態になっていると判断される。その場合、処理はステップS5からステップS41に移行する。
【0093】
ステップS41において、結合処理部8は、記憶部3に保存されている空の包袋ファイルを読み込み、読み込んだ空の包袋ファイルに「設計図.pdf」を添付する。次に、結合処理部8は、「設計図.pdf」のファイル名、更新日時等、利用者が包袋ファイルに添付された「設計図.pdf」を認識するのに役立つ情報を、その包袋ファイルに記録する(ステップS42)。次に、結合処理部8は、「設計図.pdf」が添付された包袋ファイルを記憶部3の作業記憶領域等に一時保存する(ステップS43)。その後、ステップS14の判断により処理は再びステップS2に戻る。
【0094】
次に、「企画書.docx」について図7中のステップS2、S3およびS7の処理が実行され、「企画書.docx」は、PDFファイルでなく、「企画書.docx」の拡張子が添付ファイル拡張子リスト62中に記述されていると判断される。その後、処理はステップS7からステップS41に移行する。
【0095】
ステップS41において、結合処理部8は、記憶部3の作業記憶領域等に一時保存された包袋ファイルを読み出す。読み出した包袋ファイルには既に「設計図.pdf」が添付されている。結合処理部8は、その包袋ファイルに「企画書.docx」を追加添付する。次に、結合処理部8は、「企画書.docx」のファイル名、更新日時等、利用者が包袋ファイルに添付された「企画書.docx」を認識するのに役立つ情報を、その包袋ファイルに記録する(ステップS42)。次に、結合処理部8は、「設計図.pdf」および「企画書.docx」が添付された包袋ファイルを記憶部3の作業記憶領域等に一時保存(上書き保存)する(ステップS43)。その後、ステップS14の判断により処理は再びステップS2に戻る。
【0096】
次に、「ソースコード.cpp」について図7中のステップS2、S3、S7、S11およびS12の処理が実行され、「ソースコード.cpp」は、PDFファイルでなく、「ソースコード.cpp」の拡張子が添付ファイル拡張子リスト62中に記述されていないと判断され、また、利用者への問い合わせの結果、「ソースコード.cpp」とタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態で結合すると判断される。その後、処理はステップS12からステップS41に移行する。
【0097】
ステップS41において、結合処理部8は、記憶部3の作業記憶領域等に一時保存された包袋ファイルを読み出す。読み出した包袋ファイルには既に「設計図.pdf」および「企画書.docx」が添付されている。結合処理部8は、その包袋ファイルに「ソースコード.cpp」を追加添付する。次に、結合処理部8は、「ソースコード.cpp」のファイル名、更新日時等、利用者が包袋ファイルに添付された「ソースコード.cpp」を認識するのに役立つ情報を、その包袋ファイルに記録する(ステップS42)。次に、結合処理部8は、「設計図.pdf」、「企画書.docx」および「ソースコード.cpp」が添付された包袋ファイルを記憶部3の作業記憶領域等に一時保存(上書き保存)する(ステップS43)。その後、ステップS14の判断により処理は再びステップS2に戻る。
【0098】
次に、「計算プログラム.exe」について図7中のステップS2、S3、S7およびS11~S13の処理が実行され、「計算プログラム.exe」は、PDFファイルでなく、「計算プログラム.exe」の拡張子が添付ファイル拡張子リスト62中に記述されていないと判断され、また、利用者への問い合わせの結果、「計算プログラム.exe」とタイムスタンプトークンとを結合しないと判断される。その後、「計算プログラム.exe」が付加不要対象ファイルとして記憶部3に記憶される。次に、ステップS14において、利用者により選択された上記複数の電子ファイルについて結合判断および結合前処理が完了したと判断される。その後、処理はステップS14からステップS44に移行する。
【0099】
ステップS44において、結合判断部7は、「設計図.pdf」、「企画書.docx」および「ソースコード.cpp」が添付された包袋ファイルを記憶部3の作業記憶領域から読み出す。続いて、結合判断部7は、例えば表示部6に入力フォームを表示し、「設計図.pdf」、「企画書.docx」および「ソースコード.cpp」が添付された包袋ファイルに付けるファイル名、およびその包袋ファイルを保存する保存先を利用者に入力させる。利用者はその包袋ファイルに付けるファイル名として、「ABC製品関連書類5.pdf」と入力し、また、その包袋ファイルの保存先として、「C:¥製品関連フォルダA」と入力したとする。この場合、結合判断部7は、利用者による入力に従って、「設計図.pdf」、「企画書.docx」および「ソースコード.cpp」が添付された包袋ファイルのファイル名を「ABC製品関連書類5.pdf」に変更する。続いて、結合判断部7は、その「ABC製品関連書類5.pdf」を、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」に要付加包袋ファイルとして保存する。
【0100】
次に、ステップS15において、結合処理部8による結合処理を行われ、また、タイムスタンプトークン保存処理部9によるタイムスタンプトークン保存処理が行われる。結合処理において、まず、要付加対象ファイルとして、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」に保存されている「ABC製品関連書類1.pdf」のハッシュ値を含むタイムスタンプトークンが取得され、そのタイムスタンプトークンが「ABC製品関連書類1.pdf」に付加される。次に、要付加包袋ファイルとして、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」に保存されている「ABC製品関連書類5.pdf」のハッシュ値を含むタイムスタンプトークンが取得され、そのタイムスタンプトークンが「ABC製品関連書類5.pdf」に付加される。また、タイムスタンプトークン保存処理において、付加不要対象ファイルとして、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダB」に保存されている「計算プログラム.exe」のハッシュ値を含むタイムスタンプトークンが取得され、そのタイムスタンプトークンを電子ファイル化したものが記憶部3における「C:¥製品関連フォルダB」に保存される。
【0101】
図13は、複数添付型の結合形態が設定された状態で、「請求書.pdf」等の上記複数の対象ファイルについて、対象ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理が実行されたことによって、記憶部3に保存された電子ファイルを示している。図13において、「C:¥製品関連フォルダA」に保存された「ABC製品関連書類1.pdf」は、「請求書.pdf」とそれに対応するタイムスタンプトークンとが結合された電子ファイルであり、具体的には、「請求書.pdf」に、「請求書.pdf」のハッシュ値を含むタイムスタンプトークンが付加されたPDFファイルである。また、「C:¥製品関連フォルダA」に保存された「ABC製品関連書類5.pdf」は、「設計図.pdf」、「企画書.docx」および「ソースコード.cpp」とそれらに対応するタイムスタンプトークンとが結合された電子ファイルであり、具体的には、「設計図.pdf」、「企画書.docx」および「ソースコード.cpp」が添付された包袋ファイルに、「設計図.pdf」、「企画書.docx」および「ソースコード.cpp」が添付された包袋ファイルのハッシュ値を含むタイムスタンプトークンが付加されたPDFファイルである。また、「C:¥製品関連フォルダB」には、「計算プログラム.exe」と、それに対応するタイムスタンプトークンを電子ファイル化したもの「XXXX.xxx」が保存されている。
【0102】
図14は、「C:¥製品関連フォルダA」に保存された「ABC製品関連書類5.pdf」をPDFファイルのリーダーアプリケーションで開いた状態を示している。「ABC製品関連書類5.pdf」の先頭のページには、包袋ファイルを示す文字列81、「ABC製品関連書類5.pdf」のファイル名82、「ABC製品関連書類5.pdf」に添付された3つの電子ファイルの情報83が記載され、また、タイムスタンプの印影84が付されている。リーダーアプリケーションには、「ABC製品関連書類5.pdf」に添付された電子ファイルの一覧75が表示されている。利用者は、一覧中の「設計図.pdf」、「企画書.docx」または「ソースコード.cpp」を、例えばマウスでクリックすることにより開くことができる。
【0103】
以上説明した通り、本発明の第1の実施形態のファイル管理装置1は、直接型の結合形態および添付型の結合形態のうち、いずれの結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するかを判断する。したがって、利用者は、電子ファイルがタイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有しているか否かを意識せずに、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合させる作業を容易に行うことができる。本実施形態のファイル管理装置1によれば、情報処理技術に然程精通していない一般事務員でも、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合させる作業を簡単かつ適切に行うことができる。
【0104】
また、ファイル管理装置1は、結合判断の結果に基づいて、直接型の結合形態によって対象ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理、または添付型の結合形態によって対象ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理を実行する。したがって、利用者は、対象ファイルとタイムスタンプトークンとが、直接型の結合形態で結合される場合でも、添付型の結合形態で結合される場合でも、すなわち、電子ファイルがタイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有しているものであるか否かに拘わらず、ファイル管理装置1に対して簡単な共通の操作を行うだけで、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する作業を行うことができる。
【0105】
また、ファイル管理装置1は、対象ファイルのファイル形式に基づいて結合判断を行う。これにより、ファイル管理装置1は、対象ファイルが、タイムスタンプトークンを自身に付加することができるものであるか否かを容易に判断することができ、直接型の結合形態と添付型の結合形態との選定を容易に行うことができる。
【0106】
また、ファイル管理装置1は、対象ファイルのファイル形式、および対象ファイルに施されたセキュリティ設定または変更可否設定に基づいて結合判断を行う。これにより、対象ファイルがPDFファイルである場合に、タイムスタンプトークンを対象ファイル自身に付加することができるか否か、すなわち、直接型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合することができるか否かを緻密に、または高精度に判断することができる。また、対象ファイルがPDFファイルである場合に、対象ファイルが、その内部設定により、タイムスタンプトークンを自身に付加することができない状態であるときでも、添付型の結合形態によって、その対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合することができる。
【0107】
また、ファイル管理装置1は、対象ファイルの構造を調べ、対象ファイルのファイル形式、および対象ファイルの構造を調べた結果に基づいて結合判断を行う。これにより、対象ファイルがPDFファイルである場合に、タイムスタンプトークンを対象ファイル自身に付加することができるか否か、すなわち、直接型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合することができるか否かを緻密に、または高精度に判断することができる。また、対象ファイルがPDFファイルである場合に、その対象ファイルの構造がPDFファイルの正規の構造を異なっているために、タイムスタンプトークンを対象ファイル自身に付加することができない状態であるときでも、添付型の結合形態によって、その対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合することができる。
【0108】
また、ファイル管理装置1は、対象ファイルのファイル形式が、コンピュータウイルスまたはスパイウェア等を含む可能性が高いファイル形式である場合、その対象ファイルとタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態によって結合しない。これにより、包袋ファイルに添付した対象ファイルを開くことができなくなることを抑制することができる。
【0109】
また、ファイル管理装置1は、利用者の入力に基づいて、コンピュータウイルスまたはスパイウェア等を含む可能性が高くない電子ファイルの拡張子を記述した添付ファイル拡張子リスト62を用いて、対象ファイルのファイル形式が、コンピュータウイルスまたはスパイウェア等を含む可能性が高くないファイル形式であるか否かを判断する。これにより、利用者の知識や経験により、包袋ファイルに添付して確実に開くことができることを利用者が認識しているPDF以外のファイル形式をファイル管理装置1(添付型の結合形態に関する設定画面の入力フォーム13)に入力しておくことにより、そのファイル形式の対象ファイルとタイムスタンプトークンとを、ファイル管理装置1によって添付型の結合形態によって確実に結合させることができる。
【0110】
また、ファイル管理装置1は、単一添付型の結合形態が設定されているとき、単一添付型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する。単一添付型の結合形態によれば、対象ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとが結合されたものを対象ファイルごとに生成することができる。したがって、利用者は、タイムスタンプを用いた電子ファイルの管理を電子ファイルごとに個別的に行うことができる。
【0111】
また、ファイル管理装置1は、複数添付型の結合形態が設定されているとき、複数添付型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する。複数添付型の結合形態によれば、複数の対象ファイルとそれらに対応する1つのタイムスタンプトークンとが結合されたものを生成することができる。また、複数添付型の結合形態によれば、複数の対象ファイルを束ねた包袋ファイルを生成することができる。したがって、利用者は、タイムスタンプを用いて複数の電子ファイルを一括管理することができ、また、タイムスタンプトークンの発行数を削減することができる。
【0112】
[第2の実施形態]
(ファイル管理装置の構成)
図15~19を用いて、本発明のファイル管理プログラムおよびファイル管理装置の第2の実施形態について説明する。図15は、本発明の第2の実施形態のファイル管理装置91、およびタイムスタンプ発行装置21を示している。図15に示す第2の実施形態のファイル管理装置91において、図1に示す第1の実施形態のファイル管理装置1と同一の構成要素には同一の符号を付している。以下、ファイル管理装置91において、ファイル管理装置1と異なる部分、すなわち、結合判断部93、結合処理部94、ログデータ生成部95および処理内容設定部96について中心に説明する。
【0113】
ファイル管理装置91の演算処理部92は、記憶部3に記憶されたファイル管理プログラムを読み込んで実行することにより、結合判断部93、結合処理部94、タイムスタンプトークン保存処理部9、ログデータ生成部95、処理内容設定部96、および総合制御部10として機能する。
【0114】
結合判断部93は、結合判断、すなわち、直接型の結合形態および添付型の結合形態のうち、いずれの結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合するか、それとも、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないかの判断を行う。結合判断部93は、第1の実施形態のファイル管理装置1における結合判断部7と同様に、この結合判断を、対象ファイルのファイル形式、内部設定および構造、並びに添付ファイル拡張子リスト62に基づいて行う。これに加え、結合判断部93は、対象ファイルのファイル名と同一のファイル名を有する電子ファイルについて過去に行われた結合判断の結果に基づいて、その対象ファイルについての結合判断を行う。また、結合判断部93は、対象ファイルのファイル名と同一のファイル名を有する電子ファイルについて過去に行われた結合前処理と同一の結合前処理を、その対象ファイルに対してを行う。なお、ファイル名は電子ファイル(対象ファイル)の「識別情報」の具体例である。
【0115】
結合処理部94は、第1の実施形態のファイル管理装置1における結合処理部8と同様に、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理を行う。また、結合処理部94は、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態によって結合するときに、対象ファイルのファイル名と同一のファイル名を有する電子ファイルとタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態によって結合するときに用いられた空の包袋ファイルを選択する処理を行う。
【0116】
ログデータ生成部95はログデータ97を生成する。ログデータ97は、ファイル管理装置1が行った、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理の履歴を記録したデータである。ログデータ97は記憶部3に記憶される。
【0117】
処理内容設定部96は処理内容設定リスト98を生成する。処理内容設定リスト98は、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理の内容の設定を記述したデータである。処理内容設定部96は、ログデータ生成部95により生成されたログデータ97に基づいて、処理内容設定リスト98を生成する。また、処理内容設定リスト98は記憶部3に記憶される。
【0118】
(ログデータ)
図16はログデータ97を示している。ログデータ97には、次の情報が、結合前の電子ファイルごとに、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理が実行された日時順に記録されている。
(a)結合前の電子ファイルのファイル名: これは、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理において、対象ファイルとして読み込まれた電子ファイルのファイル名である。
(b)結合前の電子ファイルの更新日時: これは、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理において、対象ファイルとして読み込まれた電子ファイルの当該処理の開始時点における更新日時である。
(c)結合に用いられた空の包袋ファイルのファイル名: これは、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理において添付型の結合形態により対象ファイルとタイムスタンプトークンとが結合された場合に、そのとき用いられた空の包袋ファイルのファイル名である。対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理において対象ファイルとタイムスタンプトークンとが結合されなかった場合には、「なし」と記録される。
(d)結合後の電子ファイルのファイル名: これは、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理において、タイムスタンプトークンが付加されて記憶部3に保存された対象ファイルまたは包袋ファイルのファイル名である。また、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理において、対象ファイルとタイムスタンプトークンとが結合されずに保存された場合には、その対象ファイルのファイル名がここに記録される。
(e)結合後の電子ファイルの保存先: これは、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理において、タイムスタンプトークンが付加されて記憶部3に保存された対象ファイルまたは包袋ファイルの保存先である。また、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理において、対象ファイルとタイムスタンプトークンとが結合されずに保存された場合には、その対象ファイルの保存先がここに記録される。
(f)結合後の電子ファイルの保存日時: これは、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理において、タイムスタンプトークンが付加されて記憶部3に保存された対象ファイルまたは包袋ファイルの保存日時である。また、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理において、対象ファイルとタイムスタンプトークンとが結合されずに保存された場合には、その対象ファイルの保存日時がここに記録される。
(g)結合の有無: これは、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理において、対象ファイルとタイムスタンプトークンとが結合されたか否かを示す情報である。
【0119】
(処理内容設定リスト)
図17は処理内容設定リスト98を示している。処理内容設定リスト98には、次の情報が電子ファイルごとに記述されている。
(a)電子ファイルのファイル名
(b)結合の要否
(c)結合形態
(d)結合に用いる空の包袋ファイルのファイル名
(e)結合後の電子ファイルのファイル名
(f)結合後の電子ファイルの保存先
(g)処理実行優先度
これらの情報について、処理内容設定リスト98中の「企画書.docx」(図17において二点鎖線で囲んだ部分)を例にあげて説明する。(a)電子ファイルのファイル名は、「企画書.docx」の拡張子を含むファイル名である。(b)結合の有無は、「企画書.docx」とタイムスタンプトークンとを結合することを要することを示している。(c)結合形態は、「企画書.docx」とタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態で結合することを示している。(d)結合に用いる空の包袋ファイルのファイル名は、「企画書.docx」とタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態で結合するときに用いる空の包袋ファイルのファイル名を示している。(e)結合後の電子ファイルのファイル名は、「企画書.docx」とタイムスタンプトークンとが結合された電子ファイルに付けるファイル名、すなわち、「企画書.docx」が添付され、かつタイムスタンプトークンが付加された包袋ファイルに付けるファイル名を示している。(f)結合後の電子ファイルの保存先は、「企画書.docx」とタイムスタンプトークンとが結合された電子ファイルを保存する保存先、すなわち、「企画書.docx」が添付され、かつタイムスタンプトークンが付加された包袋ファイルを保存する保存先を示している。(g)処理実行優先度は、「企画書.docx」を含む複数の電子ファイルが利用者により選択され、ファイル管理装置1が、それら選択された複数の電子ファイルのそれぞれについて、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理を行うに当たり、「企画書.docx」とタイムスタンプトークンとを結合する処理を実行する優先度を示している。例えば、図17において、処理実行優先度「0001」の「請求書.pdf」、処理実行優先度「0002」の「設計図.pdf」、および処理実行優先度「0003」の「企画書.pdf」が利用者により選択された場合、ファイル管理装置91において、処理内容設定リスト98に基づいて、まず、「請求書.pdf」とタイムスタンプトークンとを結合する処理が実行され、次に、「設計図.pdf」とタイムスタンプトークンとを結合する処理が実行され、次に、「企画書.docx」とタイムスタンプトークンとを結合する処理が実行される。
【0120】
処理内容設定部96は、ログデータ97から、処理内容設定リスト98を例えば次のように生成する。まず、ログデータ97中に記録された結合前の電子ファイルのファイル名に基づいて、例えば、「請求書.pdf」について電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理が行われた回数は30回、「設計図.pdf」について電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理が行われた回数は12回というように、各電子ファイルについて、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理が行われた回数をカウントする。次に、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理が行われた回数が所定回数(例えば5回)以上である電子ファイルを登録候補電子ファイルとして選択する。次に、各登録候補電子ファイルについて、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理の内容(具体的には、結合に用いられた空の包袋ファイルのファイル名(「なし」を含む)、結合後の電子ファイルのファイル名、結合後の電子ファイルの保存先、および結合の有無)が毎回共通しているか否かを判断する。次に、その判断の結果に基づいて、登録候補電子ファイルのうち、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理の内容が毎回共通している電子ファイルを、処理内容設定リスト98に登録する。次に、処理内容設定リスト98に登録された電子ファイルについて、ファイル名、結合の要否、結合形態、結合に用いる空の包袋ファイルのファイル名、結合後の電子ファイルのファイル名、結合後の電子ファイルの保存先、および処理実行優先度を、ログデータ97に基づいて定め、それらを処理内容設定リスト98に記述する。
【0121】
一例をあげると、ログデータ97中の結合前の電子ファイルのファイル名を調べた結果、「請求書.pdf」について電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理が行われた回数が30回であったとする。この場合、「請求書.pdf」は登録候補電子ファイルとして選択される。そして、ログデータ97を調べた結果、「請求書.pdf」とタイムスタンプトークンとを結合する30回の処理において、結合に用いられた空の包袋ファイルのファイル名が毎回「なし」であり、結合後の電子ファイルのファイル名が毎回「ABC製品関連書類1.pdf」であり、結合後の電子ファイルの保存先が毎回「C:¥製品関連フォルダA」であり、結合の有無が毎回「1」であったとする。この場合、「請求書.pdf」は、処理内容設定リスト98に登録される。次に、「請求書.pdf」について、ファイル名、結合の要否、結合形態、結合に用いる空の包袋ファイルのファイル名、結合後の電子ファイルのファイル名、結合後の電子ファイルの保存先、および処理実行優先度がログデータ97に基づいて定められ、それらが処理内容設定リスト98に記述される。詳しくは、「請求書.pdf」のファイル名については、ログデータ97中の「請求書.pdf」のファイル名が転記される。「請求書.pdf」についての結合の要否については、ログデータ97中の「請求書.pdf」についての結合の有無が転記される。「請求書.pdf」についての結合に用いる空の包袋ファイルのファイル名については、ログデータ97中の「請求書.pdf」についての結合に用いられた空の包袋ファイルのファイル名が転記される。「請求書.pdf」についての結合後の電子ファイルのファイル名については、ログデータ97中の「請求書.pdf」についての結合後の電子ファイルのファイル名が転記される。「請求書.pdf」についての結合後の電子ファイルの保存先については、ログデータ97中の「請求書.pdf」についての結合後の電子ファイルの保存先が転記される。「請求書.pdf」についての結合形態については、ログデータ97中の「請求書.pdf」についての結合に用いられた空の包袋ファイルのファイル名(「なし」を含む)および結合の有無に基づいて定められる。具体的には、ログデータ97において、「請求書.pdf」についての、結合に用いられた空の包袋ファイルのファイル名は「なし」であり、「請求書.pdf」についての結合の有無は「1」である。この場合、「請求書.pdf」についての結合形態は直接型の結合形態となる。なお、ログデータ97において、一の電子ファイルについての、結合に用いられた空の包袋ファイルのファイル名が記録されており、当該一の電子ファイルの結合の有無が「1」である場合には、当該一の電子ファイルについての結合形態は添付型の結合形態となる。また、ログデータ97において、一の電子ファイルについての、結合に用いられた空の包袋ファイルのファイル名が「なし」であり、当該一の電子ファイルの結合の有無が「0」である場合には、「請求書.pdf」についての結合形態は、結合なしとなる。
【0122】
処理実行優先度は、処理内容設定リスト98に登録する電子ファイルとして選定された電子ファイルについての、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理が行われた回数に基づいて定める。この回数が多ければ多いほど処理実行優先度が高くなる。また、処理内容設定リスト98に登録する電子ファイルとして選定された複数の電子ファイル間において、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理が行われた回数が同じである場合には、例えば、それら電子ファイルの更新日時等に基づいて処理実行優先度を定める。
【0123】
以上の処理内容設定リスト98の生成方法からわかる通り、処理内容設定リスト98には、ファイル管理装置91が過去に、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理を、同じ処理内容で所定回数以上繰り返し行った電子ファイルが登録され、かつ当該繰り返し行った処理内容が記述される。
【0124】
(過去の結合判断の結果に基づく結合判断)
結合判断部93は、対象ファイルのファイル名と同一のファイル名を有する電子ファイルについて過去に行われた結合判断の結果に基づいて、その対象ファイルについての結合判断を行う。そして、結合判断部93は、対象ファイルのファイル名と同一のファイル名を有する電子ファイルについて過去に行われた結合判断の結果を、処理内容設定リスト98に基づいて認識する。
【0125】
処理内容設定リスト98には、ファイル管理装置91が過去に、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理を、同じ処理内容で所定回数以上繰り返し行った電子ファイルが登録されている。また、処理内容設定リスト98には、当該電子ファイルとタイムスタンプトークンとの結合の要否および結合形態が記述されており、その結合の要否および結合形態は、当該電子ファイルについて過去に行われた、タイムスタンプトークンとの結合の有無および結合形態と一致している。したがって、対象ファイルと同一のファイル名を有する電子ファイルが処理内容設定リスト98に登録されている場合、結合判断部93は、対象ファイルのファイル名と同一のファイル名を有する電子ファイルについて過去に行われた結合判断の結果を、処理内容設定リスト98に基づいて認識することができ、認識した結合判断の結果に基づいて、対象ファイルについての結合判断を行うことができる。
【0126】
結合判断部93は、対象ファイルのファイル名と同一のファイル名を有する電子ファイルについて過去に行われた結合判断の結果を、処理内容設定リスト98に基づいて認識し、認識した結合判断の結果に基づいて、対象ファイルについての結合判断を行うことにより、その対象ファイルについて、利用者の意思に合致した結合判断を行うことができる。この原理は、次の通りである。
【0127】
ファイル管理装置91が過去に、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理を同じ処理内容で所定回数以上繰り返し行った電子ファイルは、利用者が、例えば何らかの事情で内容を更新し、同一の結合形態によってタイムスタンプトークンと結合し(またはタイムスタンプトークンと結合しないこととし)、同一のファイル名を付け、かつ同一の保存先に保存することを所定回数以上繰り返し行った電子ファイルである。利用者が、電子ファイルの内容を更新し、当該電子ファイルとタイムスタンプトークンとを同一の結合形態によって結合し(または当該電子ファイルとタイムスタンプトークンと結合しないこととし)、当該電子ファイルに同一のファイル名を付け、かつ当該電子ファイルを同一の保存先に保存することを所定回数以上繰り返し行った場合、利用者はこの一連の行為を将来も繰り返す可能性が高い。それゆえ、結合判断部93は、対象ファイルのファイル名と同一のファイル名を有する電子ファイルについて過去に行われた結合判断の結果を、処理内容設定リスト98に基づいて認識し、認識した結合判断の結果に基づいて、対象ファイルについての結合判断を行うことにより、その対象ファイルについて、利用者の意思に合致した結合判断を行うことができる。
【0128】
このように、結合判断部93が、処理内容設定リスト98に基づいて、対象ファイルについて、利用者の意思に合致した結合判断を行うことができることにより、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理において、利用者に対して問い合わせを行う頻度を下げることができる。具体的に説明すると、第1の実施形態における対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理、すなわち図6または図7に示す処理において、対象ファイルがPDFファイルでなく、対象ファイルの拡張子が添付ファイル拡張子リスト62中に記述されていない場合、第1の実施形態における結合判断部7は、対象ファイルを包袋ファイルに添付するか否かを利用者に問い合わせる(図6または図7中のステップS11)。第2の実施形態における結合判断部93が処理内容設定リスト98に基づいて対象ファイルについての結合判断を行ったときには、この利用者に対する問い合わせ処理が不要になる。したがって、利用者に問い合わせを行う頻度を下げることができる。よって、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する作業を行う利用者の負担を軽減することができ、また、作業を容易化することができる。
【0129】
一例をあげると、第1の実施形態において、「ソースコード.cpp」についての結合判断を行うとき、結合判断部7は、図6または7中のステップS11で、「ソースコード.cpp」を包袋ファイルに添付するか否かを利用者に問い合わせる。これに対し、第2の実施形態において、「ソースコード.cpp」が処理内容設定リスト98に登録された場合には、結合判断部93は、「ソースコード.cpp」についての結合判断を行うとき、「ソースコード.cpp」を包袋ファイルに添付するか否かを利用者に問い合わせることなく、処理内容設定リスト98に基づいて「ソースコード.cpp」についての結合判断を行う。これにより、利用者に問い合わせが減り、利用者の作業が容易化される。
【0130】
(結合前処理の自動化)
第2の実施形態のファイル管理装置91において、結合判断部93は、対象ファイルのファイル名と同一のファイル名を有する電子ファイルについて過去に行われた結合前処理と同一の結合前処理を、その対象ファイルに対してを行う。そして、結合判断部93は、対象ファイルのファイル名と同一のファイル名を有する電子ファイルについて過去に行われた結合前処理と同一の結合前処理を、処理内容設定リスト98に基づいて認識する。
【0131】
結合判断部93が行う結合前処理は、直接型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合すると判断された後に対象ファイルを記憶部3に保存する処理、および対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないと判断された後に対象ファイルを記憶部3に保存する処理である。処理内容設定リスト98には、ファイル管理装置91が過去に、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理を同じ処理内容で所定回数以上繰り返し行った電子ファイルについて、結合後の電子ファイルのファイル名、および結合後の電子ファイルの保存先(結合しない場合の電子ファイルの保存先を含む)が記述されており、それらファイル名および保存先は、当該電子ファイルについて過去に設定された結合後のファイル名および保存先と一致している。したがって、対象ファイルと同一のファイル名を有する電子ファイルが処理内容設定リスト98に登録されている場合、結合判断部93は、対象ファイルのファイル名と同一のファイル名を有する電子ファイルについて過去に行われた結合前処理と同一の結合前処理を、処理内容設定リスト98に基づいて認識することができ、認識した結合前処理と同一の結合前処理を、その対象ファイルに対してを行うことができる。
【0132】
結合判断部93は、対象ファイルのファイル名と同一のファイル名を有する電子ファイルについて過去に行われた結合前処理を処理内容設定リスト98に基づいて認識し、その認識した結合前処理と同一の結合前処理を、対象ファイルに対してを行うことにより、その対象ファイルについて、利用者の意思に合致した結合前処理を行うことができる。この原理は、結合判断部93が、処理内容設定リスト98に基づいて、対象ファイルについて、利用者の意思に合致した結合判断を行うことができる原理と同じである。
【0133】
このように、結合判断部93が、処理内容設定リスト98に基づいて、対象ファイルについて、利用者の意思に合致した結合前処理を行うことができることにより、直接型の結合形態によって対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合すると判断された後に対象ファイルを記憶部3に保存する処理において、その対象ファイルの新たなファイル名および保存先を、利用者に入力を求めることなく、自動的に定めることができる。また、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないと判断された後に対象ファイルを記憶部3に保存する処理において、対象ファイルの保存先を、利用者に入力を求めることなく、自動的に定めることができる。したがって、利用者において、これらの電子ファイルのファイル名または保存先をファイル管理装置91に入力する作業の回数が減る。よって、利用者の作業の負担を軽減することができる。
【0134】
また、第2の実施形態のファイル管理装置91において、結合処理部94は、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態によって結合するときに、対象ファイルのファイル名と同一のファイル名を有する電子ファイルとタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態によって結合するときに用いられた空の包袋ファイルを処理内容設定リスト98に基づいて認識し、その認識した空の包袋ファイルを選択する。これにより、利用者の意思に合致した空の包袋ファイルを選択することができる。この原理は、結合判断部93が、処理内容設定リスト98に基づいて、対象ファイルについて、利用者の意思に合致した結合判断を行うことができる原理と同じである。このように、結合処理部94が、処理内容設定リスト98に基づいて、利用者の意思に合致した空の包袋ファイルを選択することができることにより、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態によって結合するときに、空の包袋ファイルの選択を利用者に入力を求めることなく、自動的に行うことができる。したがって、利用者において、操作部5を操作して空の包袋ファイルを選択する作業が回数が減る。よって、利用者の作業の負担を軽減することができる。
【0135】
(処理の具体的な流れ)
以下、ファイル管理装置91における対象ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理について具体的に説明する。図18および19は、ファイル管理装置91における対象ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理の流れを示している。また、図18は単一添付型の結合形態が設定されている場合の処理の流れを示している。本実施形態における処理を示す図18および19と、第1の実施形態における処理を示す図6とにおいて共通のステップには同一の符号が付されている。図18および19に示す本実施形態における処理おいては、図6に示す第1の実施形態の処理にステップS51~S53、および図19中のステップS61~S68が追加されている。以下、追加された図18中のステップS51~S53、および図19中のステップS61~S68について中心に説明する。また、この説明においても、利用者が、タイムスタンプを用いて管理を所望する電子ファルとして、「請求書.pdf」、「設計図.pdf」、「企画書.docx」、「ソースコード.cpp」、および「計算プログラム.exe」を選択した状態で、これらの電子ファイルと、これらの電子ファイルに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理を開始する旨の指示をファイル管理装置91に入力した場合を例にあげる。また、記憶部3には、図17に示す内容の処理内容設定リスト98が記憶されているものとする。また、記憶部3には、「空包袋ファイルタイプ1.pdf」を含む複数の空の包袋ファイルが記憶されているものとする。なお、それら複数の空の包袋ファイルは、先頭ページの記載内容やデザイン等がそれぞれ異なる。
【0136】
利用者が、操作部5を操作して、複数の電子ファイルを選択した状態で「タイムスタンプ付加」を例えばマウスでクリックすると、利用者により選択された上記複数の電子ファイルについて、電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理を開始する旨の指示がファイル管理装置91に入力される(図10を参照)。これに応じ、ファイル管理装置91は、利用者により選択された上記複数の電子ファイルについて電子ファイルとそれに対応するタイムスタンプトークンとを結合する処理を開始する(図18中のステップS1:YES)。
【0137】
結合判断および結合前処理が、「請求書.pdf」、「設計図.pdf」、「企画書.docx」、「ソースコード.cpp」、および「計算プログラム.exe」の順で行われるものとすると、結合判断部93は、まず、「請求書.pdf」を対象ファイルとして読み込む(ステップS2)。次に、結合判断部93は、図17に示す処理内容設定リスト98を読み込み、「請求書.pdf」と同じファイル名の電子ファイルが処理内容設定リスト98に記述されているか否かを判断する(ステップS51)。図17に示す処理内容設定リスト98には「請求書.pdf」と同じファイル名が記述されている。したがって、結合判断部93は、「請求書.pdf」と同じファイル名の電子ファイルが処理内容設定リスト98に記述されていると判断する(ステップS51:YES)。この場合、処理はステップS51から図19中のステップS61に移行する。
【0138】
ステップS61において、結合判断部93は、処理内容設定リスト98に基づいて、「請求書.pdf」の結合形態を判断する(ステップS61)。処理内容設定リスト98には、登録された電子ファイルについての結合の要否および結合形態が記述されているので、結合判断部93はそれらの記述に基づいて、「請求書.pdf」の結合形態を判断する。処理内容設定リスト98によれば、「請求書.pdf」の結合形態は直接型の結合形態である。したがって、結合判断部93は、「請求書.pdf」の結合形態が直接型の結合形態であると判断する(ステップS62:YES)。次に、結合判断部93は、処理内容設定リスト98に基づいて、「請求書.pdf」の新たなファイル名、および「請求書.pdf」を保存する保存先を定める。処理内容設定リスト98には、「請求書.pdf」についての結合後の電子ファイルのファイル名が「ABC製品関連書類1.pdf」であること、および「請求書.pdf」についての結合後の保存先が「C:¥製品関連フォルダA」であることが記述されている。結合判断部93は、これらの記述に基づいて、「請求書.pdf」の新たなファイル名を「ABC製品関連書類1.pdf」と定め、「請求書.pdf」を保存する保存先を「C:¥製品関連フォルダA」と定める。そして、結合判断部93は、「請求書.pdf」のファイル名を「ABC製品関連書類1.pdf」に変更し、その「ABC製品関連書類1.pdf」を、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」に要付加対象ファイルとして保存する(ステップS63)。その後、処理は図18中のステップS14に移行する。現時点では、利用者により選択された上記複数の電子ファイルについて結合判断および結合前処理は完了していないので、ステップS14で「NO」となり、処理はステップS2に戻る。
【0139】
次に、結合判断部93は、「設計図.pdf」を対象ファイルとして読み込み(図18中のステップS2)、「設計図.pdf」と同じファイル名の電子ファイルが処理内容設定リスト98に登録されているか否かを判断する(ステップS51)。図17に示す処理内容設定リスト98には「設計図.pdf」と同じファイル名が記述されている。したがって、結合判断部93は、「設計図.pdf」と同じファイル名の電子ファイルが処理内容設定リスト98に記述されていると判断する(ステップS51:YES)。次に、ステップS61において、結合判断部93は、処理内容設定リスト98に基づいて、「設計図.pdf」の結合形態を判断する(ステップS61)。処理内容設定リスト98によれば、「設計図.pdf」の結合形態は添付型の結合形態である。したがって、結合判断部93は、「設計図.pdf」の結合形態が添付型の結合形態であると判断する(ステップS62:NO、ステップS64:YES)。次に、結合処理部8が、処理内容設定リスト98に基づいて、空の包袋ファイルを選択する。処理内容設定リスト98によれば、「設計図.pdf」についての結合に用いる空の包袋ファイルのファイル名は「空包袋ファイルタイプ1.pdf」である。したがって、結合処理部8は、空の包袋ファイルとして「空包袋ファイルタイプ1.pdf」を選択し、「空包袋ファイルタイプ1.pdf」を記憶部3から読み込む。続いて、結合処理部8は、読み込んだ空の包袋ファイルに「設計図.pdf」を添付する。次に、結合処理部8は、「設計図.pdf」のファイル名、更新日時等、利用者が包袋ファイルに添付された「設計図.pdf」を認識するのに役立つ情報を、その包袋ファイルに記録する(ステップS66)。次に、結合判断部93は、処理内容設定リスト98に基づいて、「設計図.pdf」が添付された包袋ファイルに付けるファイル名、およびその包袋ファイルを保存する保存先を定める。処理内容設定リスト98には、「設計図.pdf」についての結合後の電子ファイルのファイル名が「ABC製品関連書類2.pdf」であること、および「設計図.pdf」についての結合後の保存先が「C:¥製品関連フォルダA」であることが記述されている。結合判断部93は、これらの記述に基づいて、「設計図.pdf」が添付された包袋ファイルに付けるファイル名を「ABC製品関連書類2.pdf」と定め、その包袋ファイルを保存する保存先を「C:¥製品関連フォルダA」と定める。そして、結合判断部93は、「設計図.pdf」が添付された包袋ファイルのファイル名を「空包袋ファイルタイプ1.pdf」から「ABC製品関連書類2.pdf」に変更し、「ABC製品関連書類2.pdf」を、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」に要付加包袋ファイルとして保存する(ステップS67)。
【0140】
その後、処理は図18中のステップS14を介してステップS2に戻る。次に、「企画書.docx」について、図18中のステップS2およびS51、並びに図19中のステップS61、S62およびS64~S67の処理が実行される。その結果、「企画書.docx」が添付された包袋ファイルである「ABC製品関連書類3.pdf」が、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」に要付加包袋ファイルとして保存される。
【0141】
その後、処理は図18中のステップS14を介してステップS2に戻る。次に、「ソースコード.cpp」について、図18中のステップS2およびS51、並びに図19中のステップS61、S62およびS64~S67の処理が実行される。その結果、「ソースコード.cpp」が添付された包袋ファイルである「ABC製品関連書類4.pdf」が、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダA」に要付加包袋ファイルとして保存される。
【0142】
その後、処理は図18中のステップS14を介してステップS2に戻る。次に、「計算プログラム.exe」について、図18中のステップS2およびS51、並びに図19中のステップS61、S62、S64およびS68の処理が実行される。ステップS68において、結合判断部93は、処理内容設定リスト98に基づいて、「計算プログラム.exe」に対応するタイムスタンプトークンとを保存する保存先を「C:¥製品関連フォルダB」と定め、「計算プログラム.exe」を、記憶部3における「C:¥製品関連フォルダB」に付加不要対象ファイルとして保存する。
【0143】
また、利用者が、処理内容設定リスト98に登録されていない電子ファイルを選択して、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理を開始する旨の指示をファイル管理装置91に入力した場合には、図18中のステップS51において、結合判断部7は、対象ファイルと同じファイル名の電子ファイルが処理内容設定リスト98に記述されていないと判断する。この場合、ステップS51で「NO」となり、処理は、図18中のステップS3に移行し、対象ファイルのファイル形式、内部設定および構造、並びに添付ファイル拡張子リスト62に基づいて結合判断を行う処理が実行される。
【0144】
利用者により選択されたすべての電子ファイルについて、結合判断および結合前処理が完了した場合(ステップS14:YES)、要付加対象ファイルおよび要付加包袋ファイルについて結合処理(図8を参照)が実行され、付加不要対象ファイルについてタイムスタンプトークン保存処理(図9を参照)が実行される(ステップS15)。
【0145】
次に、ログデータ生成部がログデータ97を更新する(ステップS52)。次に、処理内容設定部96が、更新されたログデータ97に基づいて、処理内容設定リスト98を更新する(ステップS53)。
【0146】
以上説明した、ファイル管理装置91における対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理は、単一添付型の結合形態が設定されている場合の処理であるが、複数添付型の結合形態が設定されている場合においても、同様の処理を行うことができる。
【0147】
本発明の第2の実施形態のファイル管理装置91によれば、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理において、利用者に問い合わせを行う頻度を下げることができ、また、利用者において、対象ファイルのファイル名または保存先を入力する作業を減らすことができ、また、利用者において、空の包袋ファイルを選択する作業を減らすことができる。したがって、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する作業を行う利用者の負担を軽減することができ、また、作業を容易化することができる。
【0148】
なお、上記各実施形態においては、基本的に、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを直接型の結合形態によって結合するか、添付型の結合形態によって結合するかの判断を、対象ファイルがPDFファイルであるか否かに基づいて行う(図6図7または図18中のステップS3)。本発明はこれに限らず、この判断を、対象ファイルが、XML(Extensible Markup Language)ファイル等、タイムスタンプトークンを自身に付加することができる構造を有する他の電子ファイルであるか否かに基づいて行ってもよい。
【0149】
また、上記各実施形態においては、包袋ファイルとしてPDFファイルを用いているが、包袋ファイルとして、電子ファイルを自身に添付することができ、かつタイムスタンプトークンを自身に付加することができる他の電子ファイルを用いてもよい。
【0150】
また、上記各実施形態では、コンピュータウイルスまたはスパイウェア等を含む可能性が高くない電子ファイルの拡張子を記述した添付ファイル拡張子リスト62を用いて、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態で結合するか、それとも対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないかの判断を行う。しかしながら、本発明はこれに限らず、コンピュータウイルスまたはスパイウェア等を含む可能性が高い電子ファイルの拡張子を記述した添付ファイル拡張子リストを用いて、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを添付型の結合形態で結合するか、それとも対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合しないかの判断を行ってもよい。
【0151】
また、例えば図20に示すようなフォーム99を表示部6に表示することにより、対象ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する結合形態を、利用者の入力に基づいて、直接型のみ、または添付型のみに制限することができるようにしてもよい。
【0152】
また、上記第2の実施形態では、処理内容設定部96が処理内容設定リスト98をログデータ97に基づいて生成または更新するが、処理内容設定リスト98を利用者が生成または更新することができるようにしてもよい。
【0153】
また、上記各実施形態では、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理を開始する指示を利用者がファイル管理装置1(91)に入力する方法として、図10に示すように、フォルダを開き、電子ファイルを選択した状態で、例えばマウスの右クリック操作によりコンテキストメニュー15を表示させ、コンテキストメニュー15中の「タイムスタンプ付加」を例えばマウスでクリックする方法を例にあげたが、電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理を開始する指示を利用者がファイル管理装置1に入力する方法はこれに限らない。例えば、ファイル管理プログラムを開き、ファイル管理プログラムの表示領域(ウィンドウ)に、電子ファイルをドラッグすることにより、その電子ファイルとタイムスタンプトークンとを結合する処理が開始されるようにしてもよい。
【0154】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うファイル管理プログラムおよびファイル管理装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本発明のファイル管理プログラムは、電子ファイルを管理するアプリケーションソフトウェア、または電子ファイルを管理する機能を有するドキュメントリーダーもしくはオペレーティングシステム等に用いることができる。また、本発明のファイル管理装置は、電子ファイルを管理する機能を有する種々の装置に用いることができる。
【符号の説明】
【0156】
1、91 ファイル管理装置
3 記憶部(記憶装置)
7、93 結合判断部
8、94 結合処理部
9 タイムスタンプトークン保存処理部
21 タイムスタンプ発行装置
31、33、41、42、43、51、52、53 対象ファイル
32、35、47、48、49、55 タイムスタンプトークン
34、44、45、46、54 包袋ファイル
62 添付ファイル拡張子リスト





図1
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