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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024087599
(43)【公開日】2024-07-01
(54)【発明の名称】阻集器
(51)【国際特許分類】
   E03F 5/16 20060101AFI20240624BHJP
   B01D 17/00 20060101ALI20240624BHJP
【FI】
E03F5/16
B01D17/00 503A
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022202505
(22)【出願日】2022-12-19
(71)【出願人】
【識別番号】591059445
【氏名又は名称】ホーコス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】影久 和弥
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063DB08
(57)【要約】
【課題】分離室で浮上する油脂類を可能な限り攪拌することなく、阻集器が有する最大限の阻集効率を発揮でき、清掃が簡単で安価な阻集器を提供すること、サイホン現象が発生しないトラップとそのトラップを有する阻集器を提供することを課題とする。
【解決手段】排水流出室は、分離室からの排水が流入する中空室であり、排水流出室の上部は、着脱可能な蓋で気密状に閉じられるとともに、この蓋には開口が設けられ、この開口は、蓋の排水流出室内側に設けられた開閉弁によって気密状に閉じられて排水流出室内を密閉空間とし、開閉弁は、排水流出室内が負圧になると排水流出室内側に開いて、開口から排水流出室内に空気を取り込んで負圧を解消するようになされており、排水流出室の直下流側には、排水を下水へと流出させる流出口が連通口よりも高い位置に設けられ、排水流出室そのものが下水からのにおいや虫の侵入を防ぐためのトラップであることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
阻集器は、
上流側に流入口と、前記流入口から流れ込む排水に含まれる夾雑物を阻集するバスケットを有する排水流入室と、前記バスケットを経由して排水に含まれる油脂類を水と油の比重差を利用して浮上分離させるための中間部に位置する分離室と、下流側に流出口を有する排水流出室と、を少なくとも一つずつ有し、前記排水流入室と前記分離室、前記分離室と前記排水流出室、とはそれぞれ隔てられつつ底部で連通されている阻集器において、
前記排水流出室は、前記分離室からの排水が流入する中空室となし、前記排水流出室の上部開口は、着脱可能な蓋で気密状に閉じられるとともに、前記蓋には開口が設けられ、前記開口は、前記蓋の前記排水流出室内側に設けられた開閉弁によって気密状に閉じられて前記排水流出室内を密閉空間とし、前記開閉弁は、前記排水流出室内が負圧になると前記排水流出室内側に開いて、前記開口から前記排水流出室内に空気を取り込んで負圧を解消するようになされており、前記排水流出室の直下流側には、排水を下水へと流出させる流出口が前記連通口よりも高い位置に設けられ、前記排水流出室そのものが下水からのにおいや虫の侵入を防ぐためのトラップであることを特徴とする阻集器。
【請求項2】
前記排水流入室と前記分離室と前記排水流出室とは、一つの貯留槽内に設けられて、前記排水流入室と前記分離室の間に第一隔板を、前記分離室と前記排水流出室との間に第二隔板を、少なくともそれぞれ設け、前記貯留槽の底壁と前記第一・第二隔板の下端部との間を連通部となしていることを特徴とする請求項1に記載の阻集器。
【請求項3】
前記排水流入室、前記分離室または前記排水流出室の少なくともいずれか一つは、独立ユニットであることを特徴とする請求項1に記載の阻集器。
【請求項4】
少なくとも前記排水流出室が前記独立ユニットである場合において、前記排水流出室は、前記分離室の下流側側壁の下流側に固設され、前記下流側側壁を除いた少なくとも三面を囲む側壁と底壁とを有する多角形またはは円筒状の中空室であることを特徴とする請求項3に記載の阻集器。
【請求項5】
少なくとも前記排水流出室が前記独立ユニットである場合において、前記分離室と前記排水流出室とを隔てる第二隔板は、連通口を有する前記分離室の下流側側壁かあるいは前記独立ユニットの上流側側壁であることを特徴とする請求項3または4に記載の阻集器。
【請求項6】
前記排水流入室が前記独立ユニットである場合において、前記排水流入室と前記分離室とを隔てる第一隔板は、連通口を有する前記排水流入室の下流側側壁かあるいは前記分離室の上流端側側壁であることを特徴とする請求項3または4に記載の阻集器。
【請求項7】
前記排水流入室が前記独立ユニットである場合において、前記排水流入室と前記分離室とを隔てる第一隔板は、連通口を有する前記排水流入室の下流側側壁かあるいは前記分離室の上流端側側壁であることを特徴とする請求項5に記載の阻集器。
【請求項8】
前記第一隔板は、前記貯留槽に着脱可能でかつ貯留槽本体の左右幅一杯に広がり、前記第一隔板は、鉛直部と、前記鉛直部から上流側に向かって前記バスケットの底面部に対し水平な水平面と有し、前記バスケットを経由した排水は、前記水平面の上流側端部によって流速を整えられてから連通部に流入することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1つに記載の阻集器。
【請求項9】
前記第一隔板は、前記貯留槽に着脱可能でかつ貯留槽本体の左右幅一杯に広がり、前記第一隔板は、鉛直部と、前記鉛直部から上流側に向かって前記バスケットの底面部に対し水平な水平面と有し、前記バスケットを経由した排水は、前記水平面の上流側端部によって流速を整えられてから連通部に流入することを特徴とする請求項5に記載の阻集器。
【請求項10】
前記第一隔板は、前記貯留槽に着脱可能でかつ貯留槽本体の左右幅一杯に広がり、前記第一隔板は、鉛直部と、前記鉛直部から上流側に向かって前記バスケットの底面部に対し水平な水平面と有し、前記バスケットを経由した排水は、前記水平面の上流側端部によって流速を整えられてから連通部に流入することを特徴とする請求項6に記載の阻集器。
【請求項11】
前記第一隔板は、前記貯留槽に着脱可能でかつ貯留槽本体の左右幅一杯に広がり、前記第一隔板は、鉛直部と、前記鉛直部から上流側に向かって前記バスケットの底面部に対し水平な水平面と有し、前記バスケットを経由した排水は、前記水平面の上流側端部によって流速を整えられてから連通部に流入することを特徴とする請求項7に記載の阻集器。
【請求項12】
上流側に流入口と、前記流入室から流れ込む排水に含まれる夾雑物を阻集するバスケットを有する排水流入室と、前記バスケットを経由して排水に含まれる油脂類を水と油の比重差を利用して浮上分離させるための中間部に位置する分離室と、下流側に流出口を有する排水流出室と、を少なくとも一つずつ有し、前記排水流入室と前記分離室、前記分離室と前記排水流出室、とはそれぞれ隔てられつつ底部で連通されている阻集器に使用され、下水からのにおいや虫の侵入を防ぐためのトラップは、
前記分離室からの排水が流入する中空室となした前記排出流出室そのものであり、前記排水流出室の上部開口は、着脱可能な蓋で気密状に閉じられるとともに、前記蓋には開口が設けられ、前記開口は、前記蓋の前記排水流出室内側に設けられた開閉弁によって気密状に閉じられて、前記排水流出室内を密閉空間とし、前記開閉弁は、前記排水流出室内が負圧になると前記排水流出室内側に開いて、前記開口から前記排水流出室内に空気を取り込んで負圧を解消するようになされており、前記排水流出室の直下流側である前記流出口は、前記分離室から排水が流入してくる連通口または連通部よりも高い位置に設けられることを特徴とするトラップ。
【請求項13】
少なくとも前記排水流入室と前記分離室と前記排水流出室とは、一つの貯留槽内に設けられて、前記排水流入室と前記分離室の間に第一隔板を、前記分離室と前記排水流出室との間に第二隔板を、少なくともそれぞれ設け、前記貯留槽の底壁と前記第一・第二隔板の下端部との間を連通部となしていることを特徴とする請求項12に記載のトラップ。
【請求項14】
前記排水流入室、前記分離室または前記排水流出室の少なくともいずれか一つは、独立ユニットであることを特徴とする請求項12に記載のトラップ。
【請求項15】
少なくとも前記排水流出室が前記独立ユニットである場合において、前記排水流出室は、前記分離室の下流側側壁の下流側に固設され、前記下流側側壁を除いた少なくとも三面を囲む側壁と底壁とを有する直方体の中空室であることを特徴とする請求項14に記載のトラップ。
【請求項16】
少なくとも前記排水流出室が前記独立ユニットである場合において、前記分離室と前記排水流出室とを隔てる第二隔板は、連通口を有する前記分離室の下流側側壁かあるいは前記独立ユニットの上流側側壁であることを特徴とする請求項14または15に記載のトラップ。
【請求項17】
前記排水流入室が前記独立ユニットである場合において、前記排水流入室と前記分離室とを隔てる第一隔板は、連通口を有する前記排水流入室の下流側側壁かあるいは前記分離室の上流端側側壁であることを特徴とする請求項14または15に記載のトラップ。
【請求項18】
前記排水流入室が前記独立ユニットである場合において、前記排水流入室と前記分離室とを隔てる第一隔板は、連通口を有する前記排水流入室の下流側側壁かあるいは前記分離室の上流端側側壁であることを特徴とする請求項16に記載のトラップ。
【請求項19】
前記第一隔板は、前記貯留槽に着脱可能でかつ貯留槽本体の左右幅一杯に広がり、前記第一隔板は、鉛直部と、前記鉛直部から上流側に向かって前記バスケットの底面部に対し水平な水平面と有し、前記バスケットを経由した排水は、前記水平面の上流側端部によって流速を整えられてから連通部に流入することを特徴とする請求項13ないし15のいずれか一つに記載のトラップ。
【請求項20】
前記第一隔板は、前記貯留槽に着脱可能でかつ貯留槽本体の左右幅一杯に広がり、前記第一隔板は、鉛直部と、前記鉛直部から上流側に向かって前記バスケットの底面部に対し水平な水平面と有し、前記バスケットを経由した排水は、前記水平面の上流側端部によって流速を整えられてから連通部に流入することを特徴とする請求項16に記載のトラップ。
【請求項21】
前記第一隔板は、前記貯留槽に着脱可能でかつ貯留槽本体の左右幅一杯に広がり、前記第一隔板は、鉛直部と、前記鉛直部から上流側に向かって前記バスケットの底面部に対し水平な水平面と有し、前記バスケットを経由した排水は、前記水平面の上流側端部によって流速を整えられてから連通部に流入することを特徴とする請求項17に記載のトラップ。
【請求項22】
前記第一隔板は、前記貯留槽に着脱可能でかつ貯留槽本体の左右幅一杯に広がり、前記第一隔板は、鉛直部と、前記鉛直部から上流側に向かって前記バスケットの底面部に対し水平な水平面と有し、前記バスケットを経由した排水は、前記水平面の上流側端部によって流速を整えられてから連通部に流入することを特徴とする請求項18に記載のトラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水に含まれる夾雑物や油脂類などを下水に流出する前に排水から分離し収集する阻集器に関する。
【背景技術】
【0002】
油脂、ガソリン、土砂その他を含む排水をそのまま下水に流すと、下水管などを閉塞したり損傷したりする等、配管設備の機能に支障をきたすなどのおそれがある場合、有効な位置に阻集器を設置することが義務付けられている。阻集器の一例として、飲食店の厨房から排出される排水から夾雑物や油脂類を分離し収集するグリース阻集器がある。
【0003】
グリース阻集器は、貯留槽本体を有し、側溝あるいはパイプから貯留槽本体に流れ込んできた排水に混入している残さやゴミなどの夾雑物を取り除くバスケットを設けた排水流入室と、夾雑物が取り除かれた後の排水から油脂類を分離させる分離室と、油脂類が分離された排水を下水管へと流出させる流出口に下水管から臭気や虫が侵入してくるのを防ぐ排水トラップが設けられる。
【0004】
グリース阻集器において排水から油脂類を分離させるのは、水と油の比重の違いを利用した自然浮上分離方式を採用したものが一般的に多く用いられるのであるが、近年では、環境への配慮から、空気調和・衛生工学会の規格であるSHASE規格(SHASE-S217。以下、「SHASE」という。)において、グリース阻集器の阻集効率(油脂類の分離除去効率)は従来と比べより高いものが求められている。
【0005】
一般的に水中における油の浮上速度は、その油の粒径が大きいほど速く、自然浮上分離方式を採用するグリース阻集器において、排水に含まれる油脂類の粒径は、できるだけ大きい方が望ましい。しかしながら実際は、上流の側溝やパイプから排水流入室へ乱流状態で勢いよく流入した排水は、排水流入室内の排水と新しく流入してきた排水が混合され、油脂類は撹拌され、細かくせん断される傾向にある。特に、深型の貯留槽を有する阻集器においては、油脂類を含む排水はバスケットの孔あるいは網目を通り抜けて排水流入室の底深くに潜り込み、油脂類はさらに細かくせん断される傾向にあるのが実情である。
【0006】
ところでSHASEでは、図7に示すように、阻集器400の分離室401と排水トラップ402が設けられる排水流出室403をそれぞれ底部で連通させながら隔てる隔板404を設けることを推奨している。分離室401と排水流出室403との間に設ける隔板404は、その下端404aを排水トラップ402の流入口402aより深い位置に設けて、万一排水トラップ402内でサイホン現象が発生したとしても、排水流出室403内の排水の流出だけで、分離室401で阻集されている大量のグリースが下水に排出されてしまわないようにする役割を担っている。
【0007】
ちなみに、阻集器のサイホン現象とは、排水トラップ内で一部の空間が閉塞するなどのウォータープラグが発生し、密封領域が作られて負圧状態を引き起こし、貯留槽内の排水が引っ張られて下流に引き込まれ、最悪、分離槽に浮遊・分離した油脂類までもが下水へと流出してしまう現象である。
【0008】
また、排水流入室405と分離室401の間にも隔板406を設けることが推奨され、さらに貯留槽内を流れる排水の流速をできる限り均一化させ、排水に含まれる油脂類の浮上を促進することを目的として、分離室の底板から鉛直に立ち上がる隔板407を設けることも推奨されている。つまりSHASEによる標準的なグリース阻集器においては、少なくとも各室を隔てる隔板2枚(404、406)と底壁から鉛直に立ち上がって流路を形成する隔板1枚(407)とを有している。
【0009】
さらに、グリース阻集器は、バスケット内で阻集された夾雑物は1日1回、分離槽で浮上した油脂類は最低でも一週間に一度の定期的な清掃が必要とされている。その清掃を怠った場合、分離槽に浮上した油脂類の量が累積的に増えて、せっかく浮上分離した油脂類も、流入してくる排水の流れに乗って下水管へと流出してしまい、グリース阻集器の本来持つ性能を発揮できなくなるからである。グリース阻集器が本来持つ阻集効率を維持するためにも、清掃のしやすさは非常に重要な課題の一つである。
【0010】
こうした課題を克服するため、特許文献1では、バスケットとバスケットの下流側に設けられた隔板との間に整流板が設けられている。バスケット内へ勢いよく流入してきた排水は、整流板によって勢いが緩められた状態で隔板に設けられた開口部の越流部を越流して分離室内へと流入するので、排水に含まれる油脂類が排水流入室の底深くに潜り込み、油脂類が細かくせん断されるのを防ぐことができる。
【0011】
しかしながら、隔板に加えて整流板を別途設けていること、さらに隔板には排水を分離室へと流入かつ越流させる開口部や誘導板を設けたため、構造が複雑となり、清掃に手間がかかってしまう難点がある。また、排水が開口部を越流して分離室へ流入すると、排水の流速は緩やかになってはいるものの、分離室ですでに浮上した油脂類を通るため、どうしても多少の攪拌は生じてしまう。
【0012】
さらに、誘導板は、SHASEで推奨されている底部から鉛直に立ち上がる隔壁と同じ役割を果たすものであり、排水流入室に流入した排水に含まれる油脂類を分離室内の油脂層へできるだけ早く浮上させることを意図したものであるものの、やはり分離室ですでに浮上した油脂類を多少なりとも攪拌してしまう現象を排除できない。また、貯留槽内を清掃する際、邪魔にもなる。
【0013】
また、特許文献1では、トラップの周囲を囲むように立体隔板を設けて、サイホン現象による阻集された油脂類の流出を最小限に抑え、かつ、分離室の容積や表面積を広く確保し、阻集効率の向上を図っている。この立体隔板は貯留槽本体から脱着可能であるが、容量の小さな貯留槽や幅の狭い貯留槽の場合、貯留槽本体の側壁と立体隔板の左右側板の間隔が狭くなり、立体隔板をはずすことなく、ちょっとした清掃がしたい場合、この立体隔板が邪魔になり、油脂類の除去等、清掃しづらい面がある。また、立体隔壁を取り外しての清掃も、トラップ自体は流出口に固定されているため、トラップそのものの清掃には手間がかかる。
【0014】
次に特許文献2では、サイホン現象の発生を確実に防ぐというトラップ槽が開示されている。特許文献2のトラップ槽は、流出口へ接続される水封室とその上流側に越流室(前室・後室)を有している。越流室の前室と後室との間には、上部に開口部を設けた堰板が設けられている。越流室の前室はその底部が分離室と連通されており、その連通部から流入してきた排水は越流室の前室を通って、堰板の開口部を越流して、越流後室に流入する。
【0015】
越流室の後室と水封室とは仕切板で仕切られつつ底部で連通しており、堰板の開口部から流入してきた排水を貯留する箱状となっている。そして越流室の前室と後室の上部には吸気開口が設けられていることから、万一、大量の排水が流入してトラップ槽内の水封室が負圧となっても、越流後室の排水が水封室にすべて吸い込まれると、上部に設けられた吸気開口から吸い込まれた外気が水封室へ流れ込み、サイホン現象は解消される仕組みとなっている。
【0016】
しかしながら、トラップ槽は独立した一つのユニットであり、使用時には貯留槽の流出口に固定しなければならない。そのような状況で狭い越流室の前室・後室や水封室を清掃するのは非常に手間がかかる。また貯留槽本体の容積が小さい場合や左右幅が狭い貯留槽の場合、トラップ槽の左右側板と貯留槽の側壁との間の清掃がしづらくなってしまう。また、大量の排水が流入した場合には、トラップ槽の水封室が負圧になってしまう現象は避けられない。越流室は、サイホン現象による油脂類の流出を最小限にとどめるという従来の隔板と同じ役割を果たすにすぎない。
【0017】
また、特許文献2の越流室は、水封室の直前に設けられていることから、分離室での油脂類の阻集効率が低い阻集器の場合には、多くの油脂類を含んだ状態の排水がそのまま水封室に流入し、下水へ流出されるだけとなってしまう。つまり、せっかく排水を越流させて排水の流れを整えるものであっても、阻集効率の観点からは、分離室の下流で排水を越流させることには観点からはあまり意味を持たない。
【0018】
【特許文献1】特開第2017-190655号公報
【特許文献2】特開第2019-85728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、前記のような問題点に鑑み、分離室で浮上する油脂類を可能な限り攪拌することなく、阻集器が有する最大限の阻集効率を発揮でき、清掃が簡単で安価な阻集器を提供することを課題としている。さらに、サイホン現象が発生しないトラップとそのトラップを有する阻集器を提供することをもう一つの課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係る阻集器は、上流側に流入口を有し、流入口から流れ込む排水に含まれる夾雑物を阻集するバスケットを有する排水流入室と、バスケットを経由して排水に含まれる油脂類を水と油の比重差を利用して浮上分離させるための中間部に位置する分離室と、下流側に流出口を有する排水流出室とを少なくとも一つずつ有し、排水流入室と分離室、分離室と排水流出室とはそれぞれ隔てられつつ底部で連通されており、排水流出室は、分離室からの排水が流入する中空室であり、排水流出室の上部開口は、着脱可能な蓋で気密状に閉じられるとともに、この蓋には開口が設けられ、この開口は、蓋の排水流出室内側に設けられた開閉弁によって気密状に閉じられて排水流出室内を密閉空間とし、開閉弁は、排水流出室内が負圧になると排水流出室内側に開いて、開口から排水流出室内に空気を取り込んで負圧を解消するようになされており、排水流出室の直下流側には、排水を下水へと流出させる流出口が連通口よりも高い位置に設けられ、排水流出室そのものが下水からのにおいや虫の侵入を防ぐためのトラップであることを特徴とする。
【0021】
また本発明に係る阻集器は、一つの貯留槽内に少なくとも排水流入室と分離室と排水流出室とを設け、各室を隔板によって隔て、貯留槽の底壁と各隔板の下端部との間意を連通部としてもよい。
【0022】
あるいは、排水流入室、分離室または排水流出室の少なくともいずれか一つを、独立ユニットとすることもできる。
【0023】
さらに、排水流入室と分離室とを隔てる第一隔板は、貯留槽に着脱可能でかつ貯留槽の左右幅一杯に広がり、鉛直部と、鉛直部から上流側に向かってバスケットの底面部に対し水平な水平部と有し、バスケットを経由した排水は、水平部の上流側端部によって流速を整えられてから連通部に流入する。
【0024】
さらに、本発明に係るトラップは、上流側に流入口と、流入室から流れ込む排水に含まれる夾雑物を阻集するバスケットを有する流入室と、バスケットを経由して排水に含まれる油脂類を水と油の比重差を利用して浮上分離させるための中間部に位置する分離室と、下流側に流出口を有する排水流出室とを少なくとも一つずつ有し、排水流入室と分離室、分離室と排水流出室、とはそれぞれ隔てられつつ底部で連通されている阻集器に使用され、下水からのにおいや虫の侵入を防ぐのであるが、このトラップは、分離室からの排水が流入する中空室となした排出流出室そのものであって、排水流出室の上部開口は、着脱可能な蓋で気密状に閉じられるとともに、蓋には開口が設けられ、この開口は、蓋の排水流出室内側に設けられた開閉弁によって気密状に閉じられて、排水流出室内を密閉空間とし、開閉弁は、排水流出室内が負圧になると排水流出室内側に開いて、開口から前記排水流出室内に空気を取り込んで負圧を解消するようになされており、排水流出室の直下流側である流出口は、分離室から排水が流入してくる連通口または連通部よりも高い位置に設けられることを特徴としている。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る阻集器によれば、分離室で浮上する油脂類を可能な限り攪拌することなく、阻集器が有する最大限の阻集効率を発揮でき、その上シンプルな構造であるため、清掃が非常に簡単である。
【0026】
さらに、本発明に係る阻集器あるいはトラップによれば、トラップ内が負圧になった瞬間に空気を取り入れるという措置が講じられているため、サイホン現象によってトラップ内の排水が下水へ流出するのを防ぐことができるため、サイホン現象の最悪の事態である分離室内で浮上分離された油脂類の下水への流出も確実に阻止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の阻集器を模式的に示す(a)断面図、(b)平面図、(c)隔板のガイドの拡大図、(d)隔板の上流側端部の折曲部を示す図である。
図2】本発明の排水流出室の蓋の内側(排出流出室内)に設けられる開閉弁の(a)一例を示す断面図、(b)別例を示す断面図である。
図3】本発明の阻集器で、(a)独立ユニットの場合の排水流入室の一例、(b)独立ユニットの場合の分離室の一例、(c)独立ユニットの場合の排水流出室の一例、(d)各独立ユニットを組み合わせた阻集器を示す図である。
図4】本発明の阻集器で、(a)独立ユニットの場合の排水流入室の別例、(b)独立ユニットの場合の分離室の別例、(c)独立ユニットの場合の排出流出室の別例、(d)各独立ユニットを組み合わせた阻集器を示す図である。
図5】本発明の阻集器で、トラップである排水流出室が独立ユニットである場合で、(a)分離室の下流側側壁に設けられる図、(b)分離室の右側側壁に設けられる図、(c)分離室の左側側壁に設けられる図である。
図6】本発明の阻集器で、一つの貯留槽に排水流入室、分離室、排水流出室を有し、隔板によって分離されていることを模式的に示す平面図である。
図7】SHASEで推奨されている阻集器の隔板の配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態につき図面を参照しながら説明する。各図において、同一の部分または対応する部分には、同一の符号を付してある。なお、排水が阻集器に流入する側を上流側、下水に流出する側を下流側という。また、便宜上使用する左側、右側とは、上流側から見た左右である。左側、右側であっても、下水に流出する側は、下流側という。
【0029】
図1の符号1は、本発明の第一実施形態に係る阻集器である。比較的深さのある貯留槽2は、厨房などの床に備えられた図示しない側溝あるいは排水管から流れ込んでくる夾雑物や油脂類を含む排水が流入する流入口3と、流入口の直下には、流入してくる排水から夾雑物を取り除くため、排水や油脂類は通す無数の甲を有する金網やパンチングメタルなどで刑されたバスケット4が設置されている。 貯留槽2は、流入口3が設けられている側の側壁2a、左側側壁2b、右側側壁2c、下流側側壁2d、底壁2eで囲まれ、上方2fは開放されている箱形をしている。阻集器1は、床下に埋設され、上方は図示しない蓋で覆われる。
【0030】
夾雑物を取り除かれた排水から、さらに油脂類を取り除くため、バスケット4の下流には、無孔の隔板5を設け、バスケット4が設置されている貯留槽内のスペースを排水流入室6としている。隔壁5は、貯留槽2の左右幅一杯に広がる幅を有しており、隔板5の左右端部を貯留槽2の左右側壁2b、2cの内側に鉛直方向に固定されているガイド7にスライドさせて着脱可能に取り付けられ、隔板5の下流側スペースは、排水に含まれる油脂類を浮上分離させるための分離室8となる。
【0031】
図1(a)に示すWLとは、貯留槽2に実容量の貯留水が入っているときの水位面である標準水位面を示しており、本実施形態の標準水位面WLは、後述する流出口の下端の高さと等しい。
【0032】
図1(c)は、隔板5の右端部5cの拡大図であるが、右端部5cは肉厚に設けられて、ガイド7を挟み込むための溝9が設けられ、右端部5cの溝9にガイド7をスライドさせて挟み込む。左右側壁2b、2cの内側に鉛直方向に固定されるガイド7の上端部7fは、標準水位面WLより高く、下端部7eは、分離室8に浮上する油脂類の積層の最大厚さの最下端部OLLよりも低く、かつ貯留槽2の底壁2eよりも高い位置になるように鉛直方向に延在させている。貯留槽2の左右幅一杯に広がって鉛直に延在する鉛直面5dは、このガイド7に沿って取り付けられ、排水流入室6と分離室8とは、左右端において水密状に隔てられる。ちなみに、ここでいう水密状とは、分離室8で浮上分離して積層した油が隔板5の左右端部5b、5cから排水流入室6に流入しないという程度のものである。
【0033】
隔板5は、図1(a)に示すように、鉛直面5dの下端高さは、ガイド7の下端部7eとほぼ同じ高さに設けられて、隔板5は鉛直面5dの下端から上流側に向かって、バスケット4の底部4eと水平に延在させた水平面5eを設けている。水平面5eは、貯留槽2の左右幅とほぼ同じ幅に広がっており、水平面5eの上流側端部5aは、貯留槽2の上流側側壁2aの上流側側面2aとの間に排水の通り道を設けるべく、貯留槽2の上流側側壁2aから適宜後退した位置までの延在されている。
【0034】
水平面5eは、バスケット4で夾雑物を阻集された油脂類を含む排水の流れを受け止めて、流速の勢いを弱める働きを有する。上流側側壁2aと水平面5eと底壁2eとの間は、流速の勢いが弱められた排水が排水流入室6から分離室8へと流入する連通部10を形成している。バスケット4を経由して排水流入室6に流入した排水は、貯留槽2の底壁2e深くまで潜り込むことなく、水平面5eによって流速の勢いが弱められるとともに、場所によって流速に緩急のある排水が貯留槽2の左右幅に広がる上流側端部5aをなぞることによって、流速が緩やかに一定なものに整えられる。排水に含まれる油脂類は排水流入室6から連通部10に至るまで細かい粒子にせん断されるような撹拌が起こらず、油脂類は大きな粒子径のまま、分離室8に緩やかに流入し、浮上しやすくなる。
【0035】
なお、上流側端部5aは、図1(d)に示すようにその先端を上方に少しだけ折り曲げた折曲部5a´を設けてもよく、図1(a)の上流側端部5aとは、この折曲部5a´をも含む概念である。
【0036】
分離室8の下流側である貯留槽2の下流側側壁2dには、排水流出室11が設けられる。下流側側壁2dの底部には、分離室8と排水流出室11とを連通させるための連通口12が設けられている。排水流出室11は、図3(c)に示すように、独立ユニット13として、左右側壁13b、13c、下流側側壁13dと底壁13eを有しており、下流側側壁13dには、分離室8で油脂類が阻集されて、排水流出室11へ流入した排水が下流側へ流出するための流出口14が設けられている。
【0037】
なお、排水流出室11の独立ユニット13は、図4(c)に示すように、上流側側壁13aを有していてもよい。その場合、上流側側壁13aの底部には、分離室8と連通するための連通口12´が設けられる。独立ユニット13は、貯留槽2の下流側側壁2dに連結されて、溶接等が施され、排水が漏れないように固定され、排水流入室6、分離室8、排水流出室11を有する阻集器1となる。
【0038】
排水流出室11にはフランジ部13fが設けられ、図2(a)に示すように、排水流出室11の上部開口11´を覆う蓋15が、ガスケット16をはさんで、フランジ部13fに気密状に固定される。蓋15の中心部には開口17が設けられている。この開口17には、排水流出室11側には、開口17の周囲に設けられたパッキン18と開閉弁19が設けられている。開閉弁19は、平丁番19aの軸中心に回転し、開口17を開閉する開閉部19bとおもり部19cを有しており、排水流出室11内が負圧になると、開閉部19bが排水流出室11内に引っ張られて、開閉部19bがパッキン18から離れ、排水流出室11内に開口17を介して空気を取り入れ、負圧を解消させる。
【0039】
図2(b)は同じく開閉弁の別の実施例であって、具体的には蓋15の開口17´の排水流出室11内側に円筒20を設け、円筒20の下端部開口20aに開閉弁21を設けたものである。開閉弁21は丁番21aによって円筒20の下端部開口20aを閉じる側に付勢されているが、排水流出室11内が負圧になると、開閉弁21は下端部開口20aから離れて、排水流出室11内に空気を取り入れ、負圧を解消させる。開閉弁はこれらに限定されるものでなく、排水流出室11内の負圧に応じて開口を開閉させる機構であればよい。
【0040】
また、図5に示す阻集器100、101、102は、排水流出室11が独立ユニットの場合における配置のバリエーションを示す平面模式図である。図5(a)は、貯留槽2の下流側側壁2dに貯留槽2の左右幅よりも小さい独立ユニット23を固定させてものである。図5(b)は、独立ユニット23を貯留槽2の右側側壁2cに固定させたもの、図5(c)は、独立ユニット23を左側側壁2bに固定させたものである。流出口14側にある左右側側壁2b・2cは、この場合、下流側側壁となる。
【0041】
図3は、排水流入室6、分離室8、排水流出室11のそれぞれがすべて独立ユニットの場合を示す図である。大型の阻集器等、個別にユニット単位で運搬し、現場で組み合わされて阻集器として使用される。図3(a)に示す排水流入室6の独立ユニット30は、排水流入口3を有する上流側側壁30a、左右側側壁30b、30c、底壁30eを有する。図3(b)に示す分離室8の独立ユニット31は、上流側側壁31a、左右側側壁31b、31c、下流側側壁31d、底壁31eを有する。
【0042】
分離室8の独立ユニット31の上流側側壁31aと下流側側壁31dの底部にはそれぞれ隣接する排水流入室6、排出流出室11との連通口32、33がそれぞれ設けられている。さらに、上流側側壁31aの連通口32の上端部には、上流側に向かって延在する水平面34が設けられる。
【0043】
排水流入室6と分離室8の独立ユニット30,31のそれぞれの左側側壁30b、31bと、右側側壁30c、31cと、底壁30e、31eとを溶接などで組み合わせて固定すれば、分離室8の上流側側壁31aが排水流入室6と分離室8とを隔てる隔板31aとなる。隔板31aの底部には、水平面34と連通口32によって連通部10となる。
【0044】
さらに、分離室8と排水流出室11との独立ユニット31,13のそれぞれの左側側壁31b、13bと、右側側壁31c、13cと、底壁31e、13eとを溶接などで組み合わせて固定すれば、独立ユニット31の下流側側壁31dが、分離室8と排水流出室11との隔板31dとなる。そして分離室8と排水流出室11とは、隔板31dの底部に設けられた連通口33によって連通する。
【0045】
図3の阻集器200では、隔板31a、31dや水平面34を分離室8の独立ユニット31に設けたが、図4の阻集器201に示すように、排水流入室8の独立ユニット30に上流側側壁30a、左右側側壁30b、30c、底壁30eの追加して下流側側壁30dを設けて、これを隔板30dとしてもよい。隔板30dの底部には連通口35と、連通口35の上端部に水平面36を設けてもよい。
【0046】
図4(b)に示すように、分離室8の独立ユニット31は、連通口32と33をそれぞれ有する上下流側側壁31a、31d、左右側側壁31b、31c、底壁31eを有しているが、隣接する排水流入室6の独立ユニット30や、排水流出室11の独立ユニット13の形状に合わせて、上下流側側壁31a、31dの少なくとも一方を設けないこともできる。いずれにしても、図3図4の独立ユニットは例示にすぎない。
【0047】
また、各独立ユニットを組み合わせて固定させる方法は溶接に限定されず、はめ込み式でも構わない。なお、図3図4も、排水流入室6に設けるバスケット4や排出流出室11の上部開口11´を密閉する蓋15の図は省略している。
【0048】
図6は、排水流入室6、分離室8、排水流出室11がすべて一つの貯留槽40に設けられている阻集器300を示す図である。この場合、排水流出室11内を密閉できるように、分離室8と排水流出室11とを隔てる隔板41は、貯留槽40の上端に設けられた図示しないフランジと同じ高さまで設けられる。蓋(図2図3と同じ)は、隔板41の上端と貯留槽40の図示しないフランジに蓋を載せられて、排水流出室11内は密閉状に保たれる。
【0049】
排水流入室6と分離室8を隔てる図1の隔板5、図3に示す独立ユニット31の上流側側壁31aや図4に示す独立ユニット30の下流側側壁30dは、第一隔板という。
【0050】
分離室8と排水流出室11とを隔てる図1の下流側側壁2d、図3に示す独立ユニット31の下流側側壁31d、図4に示す独立ユニット13の上流側側壁13a、図5(b)(c)に示す左右側側壁2b、2c、図6に示す隔板41は、第二隔板という。
【0051】
蓋15は、取り外すことができ、排水流出室11(トラップ)内を清掃する際には、排水流出室11内の凹凸のない壁面を楽に清掃することができる。つまり排水流出室11の上部開口11´は、SHASEでいうところの掃除口であり、蓋15は掃除口をふさぐ気密状の蓋の役割を兼ねている。
【0052】
なお、本願において、すべての実施例は、排水流入室6、分離室8、排水流出室11を第一・第二隔板によって隔てられるとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、阻集器の大きさによっては、排水流入室、分離室、排水流出室は一つに限らず、例えば、第三の隔壁を設けて、第二排水流入室、第二分離室あるいは第二排水流出室を設けることもあり、これらを排除するものではない。
【0053】
また、本願において、排水流出室11を示す図は、直方体の中空室を例示しているが、これに限らず、直方体・三角形等を含む多角形状や、半円を含む円筒状の中空室であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1、100、101、102、200、201、300 阻集器
2、40 貯留槽
3 流入口
4 バスケット
5、30d、31a 隔板(第一隔板)
2d、13a、31d、2b、2c 隔板(第二隔板)
5e、34、36 水平面
6 排水流入室
7 ガイド
8 分離室
9 溝
10 連通部
11 排出流出室
12、32、33、35 連通口
13、23 独立ユニット(排水流出室)
14 流出口
15 蓋
16 ガスケット
17、17´ 開口
18 パッキン
19、21 開閉弁
30 独立ユニット(排水流入室)
31 独立ユニット(分離室)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7